「三重県地域づくり支援条例(素案)」について、平成19年12月14日(金)から平成20年1月15日(火)まで意見募集を実施したところ、6件のご意見をいただきました。お寄せいただいたご意見とご意見に対する考え方について、下記のとおり取りまとめましたのでご報告いたします。
今回、ご意見をお寄せいただきました方々に厚く御礼申し上げます。
なお、ご意見を踏まえ、地域活性化対策調査特別委員会において策定いたしました条例案につきましてはこちらをご覧ください。
番号 | 素案に対する意見 | 考え方 |
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1 | 今、まさに地域の住民による自発的な地域づくりが求められております。この条例の地域づくりには、自然等地域資源の活用を強調していますが、観光、産業の視点が弱いように思いますが、如何でしょうか? | 条例案においては、地域づくりを特定の分野に限定する考え方を採用せず、地域の多様な主体が様々な分野において取り組む活動を想定しています。また、基本理念として、「地域資源を活用した持続的な活動」を掲げていますが、観光や産業の視点についてもこれに含まれるものと考えています。 |
2 | 1 国土交通省の重点政策に沿って作成し、その関連法律を地方自治体向けに読み替えた範囲にとどまるように見えます。そのため、内容が抽象的で、三重県としての独自性・主体性が全く感じられません。 2 独自性・主体性を当初から打ち出さないと、地域づくりの名の下、単なるばらまきを助長したり、国のコントロールに沿った地域づくりを助長することになりかねません。 3 5の基本方針の部分ですが、知事が定める/定めるにあたっては市町の意見を聞く、というのでは、結局行政指導の地域づくりを助長することになりませんか? (1,2に書いた疑問、不安は本条例に基本方針が記載されていないことに起因します。) 4 11の財政上の措置ですが、財源の問題が明示させておらず、これは、国からのばらまき財源に頼るのでは?安易な増税に走るのでは?という不安を抱かせます。 地域づくりが必要、地域が主体になるべき、ということはあたりまえで、条例を作ること自体は賛成ですが、国土交通省の政策は過去のいろいろな政策の名前を変えただけにしか見えず、発想を変えているとは思えません。安易な市町村合併が地域独自の文化を急速に破壊し画一化させている側面を考えると、もっと地域に根差した文化的側面を重視した(幸いなことに、三重県は独自の文化土壌が本来たくさんあるのですから、それらをもっと活かせるように)基本理念を条例の趣旨に明確に盛り込むべきと思います。それに3や4に記載した問題についても少なくとも方向性ぐらいは本条例に記載し、十分に議論したうえで施行する必要があると思います。そのような過程を経れば、自然と良い条例となり、良い・正しい地域づくりを推進する端緒になると思うだけに、さらなる検討を要望します。 |
これまで、本県議会では、「三重県生活創造圏ビジョン推進条例」をはじめ、「三重県地域産業振興条例」や「三重の森林づくり条例」を議員提案により制定するなど、地域振興や地域活性化に関する政策の立案・推進に取り組んできました。 この条例案は、行政主導の地域づくりを意図するものではなく、県内各地域における多様な主体による活動が自立的な地域社会の形成において重要な役割を果たすものであるとの認識に立ち、地域づくりに関し、基本理念、県の役割等を明らかにすることを通じて、これらの活動が推進され、豊かな地域社会の実現を図ることを目指しています。 また、地域の多様な主体の活動を尊重し、「多様な主体による協働」と「地域資源を活用した持続的な活動」が基本理念となることを述べています。 なお、素案段階における財政上の措置に関する規定は、直ちに個別具体的な措置を求めるものではなく、必要な予算の計上等の措置を講ずるよう努めるものとする方針を示すものでしたが、条例案を検討するに当たり、地域づくりに関する県の具体的な施策については、引き続き調査・検討が必要であると考え、条例案におきましては規定しないことといたしました。 |
3 | 地域社会への協働による活動の展開と地域資源の持続的な活用という課題を、どのようにサポートしていけるかということであるが、地域を取り巻く状況から全く冷え切ったところ、都会のベッドタウン的な富裕層に支えられるところ、合併後、過疎地の続出でまるで姥捨山になりつつあるところと、県下もいろんな社会構造になっているように思える。 そこでサポートにしても一律のことは無理であり、ある程度の地ならし的要素が必要に思える。しかし、施策を練る方が、未経験であれば、人集めでも落書きの繰り返しでしかない。そこに根付くものが何で、資源の活用、育成も可能でなければ、それは施策でもない。如何に地域の特色を見出し、また、連携を持つ要素として他地域の方の意見を聞くことが物凄く、いろんなアイデアーに繋がるように思える。それと販路にも生活の場でも第二の故郷つくりにも、生きる知恵の共存の喜びがあるように思える。いま、誰もが先端産業や都会の第一線での生活は不可能であり、国土を支えあう共通認識が一番大切な時代に思える。 では、産業、歴史文化的な観光等を考える時、南部は海の活用が食資源を支える要素であり、観光は付随した二次的要素に思える。中部については、いろんな特色はあれ、食を支える穀倉であり、また、交通網を利用した工場立地候補地には、今も変わりないと思える。これは経済構造からいろんな変化はつきものであり、支援のサポートも功罪(公害要素等)のところであれば十分なサポートが必要に思える。北部は都会のベッドタウン的要素も先端工場の場でもあるが、次へのサポートを考えないと、批評家の的のような場でもある。また、幾多の失敗や先行企業の操業での悪財もあることから、十分な議論、理解が必要に思える。 どの地域でも、金にまつわる動きで議論や理解が一部の人に左右された形が多く聞くとき、誰も信用できない時代の突入が現在と云えるし、冷え切った環境では、各個人を守るのが精一杯かもしれません。しかし、その冷え切りを稼動させるのは、身近な話し合いであり、いきなり何々講座を仕立てても、講師側の独り芝居で賛同すら得られないのが現実でしょう。やはり、原点はたとえ小さな問題からでもいろんな議論をし、知恵の出し合い、不信を抱かない小社会の実現だと思います。いままで、選挙とかでいろんな形で流れ、流されて来たが、乗る方の責任も大きなマイナスを見たことも事実です。本当の考える社会は、今が出発点かもしれません。 県としてのサポートは、何が効点かを十分に考え、決して前へ出ることなく、お金にものをいわせる行為だけは避けていただきたい。マイナスからの要因、勉強も必要に思えるからである。 |
条例案では、県内各地域における多様な主体による活動が自立的な地域社会の形成において重要な役割を果たすものであるとの認識に立ち、これらの活動を「地域づくり」と位置付け、活動が推進されるよう、基本理念、県の役割等を明らかにし、もって豊かな地域社会の実現を図ることとしています。 また、地域づくりに関し、基本理念として、地域における多様な主体がそれぞれ役割を果たし相互に協力して課題に取り組むこと、また、地域が有する多様な資源を見いだし、活用することを通じて活動が持続的なものとなることを目指しています。 その上で、県の役割として、多様な主体の意見が反映された地域づくりが円滑かつ効果的に行われるよう必要な仕組みを構築し、機能させるものとしています。 また、定義及び基本理念においては、「地域づくり」は地域における多様な主体による協働を前提としており、行政主導の地域づくりを進めることを意図するものではないものと考えています。 |
4 | これまで、県の皆様の中には「補完性の原理に基づき、地域で出来ることは地域でやってください」との考え方を基本に、現場で汗を流すのは市町職員の役割と、そして県は制度を用意すれば良いのだという考え方を強く感じました。 それは次に示す、指摘にもあるように、解釈が少し曲解されているような気がします。 質問「補完性の原理というのがあります。例えば、県の人間が地域に入る、それから市町の担当者がその地域を担当されて現場で動くというそういった時に、当然のことながら補完性の原理で考えれば、市町でできないことは県にお願いする。できることは市町でやってくださいと。もちろん住民でできることは住民だけでやってください。こういう原則があると思います。なかなかそういった時に県は待ちの姿勢で入りづらいということもあるかと思うんです。そのあたりの役割の違いのような事をちょっと教えていただきたいと思います。」 回答「今、おっしゃったことは私が憂いている事の一つでもあります。補完性の原理に対しての誤解が場合によっては意図的にある省庁が流しているかどうか分かりませんが、流されております。 補完性の原理というのはヨーロッパから出てきた考え方で、特にEU統合によって出てきた考え方です。もっとも身近な問題は身近な自治体が行ってそれができない所をより上位の団体が補完していくこと、最終的には、国、EUとなる訳です。これはヨーロッパではそういう風には使われておりません。むしろ、その責任を持つべき団体がもっとも仕事をしやすいようにより上位の団体が補完をするという風に使っているんです。あたかも仕事を市町村に任せて、自分たちは何もしない論理では一切使われていません。では、どこかですれ違いなりごまかしがあるということだと思います。その点で県の役割は場合によっては地域コミュニティを作り上げる事に直接に関わり合うべきだというふうに考えます。確かにある県では、三重県ではどうなのか分かりませんが、地域づくりは市町の仕事であって、県は口を出すべきではないと主張している訳ですが、これは完全に間違いです。そうではなくて、市町村が地域づくりに手が回らない時にはそこに県がお手伝いをするような仕組みを作り上げるべきです。そんな中でも最も典型的なのは鳥取県ですが、鳥取県は、課を再編したんですが、自立戦略課という課というのができました。そこでは職員は男女合わせて15名ぐらい。15名全員が集落に入って、ワークショップをするという、そういう技術が身に付けているんです。したがって、集落から電話がかかってきて、来週の日曜日何人で来てくださいと言えば、分かりましたということで、市町村を飛び越して、むしろ県が現場の中に入ってくるんです。15人全員がワークショップについて先ほどおっしゃっていた地元学ができるようなそういう技術を身に付けて、県庁から直接そんな手助けに来ている。そんな取り組みを行っています。私は、むしろこういう体制こそが補完性の原理であって、市町村が地域づくりの主役であるから、県が口を出さないというのは、単なる誤解、あるいは意図的なサボタージュであると思います。」 このような姿勢が重要であると考えます。また、そうしないと中山間地や離島はもう立ち行かない状況です。ぜひ今回の条例が県の職員も積極的に地域に関われるような制度になることを願っています。 |
素案の検討に当たっては、「県民しあわせプラン・第二次戦略計画」において地域政策に関する県の役割が示される一方、地域づくりにおける県の関与を規定した「三重県生活創造圏ビジョン推進条例」の廃止が提案される中、「地域づくり」における県と市町との関係を明確にすること、また、県民を代表する議会に関与する機会を確保することを前提に置き、検討を行ってきました。 しかし、条例案を検討するに当たり、いただいたご意見も踏まえ、県の役割を市町の施策への支援と規定するのではなく、県を多様な主体の一員として明記し、県が地域づくりに関する多様な主体となる場合があることを明らかにするとともに、県の役割として多様な主体の意見が反映された地域づくりが円滑かつ効果的に行われるよう必要な仕組みを構築し、機能させるものとしました。 また、地域づくりに関する基本理念として、「協働」と「地域資源を活用した持続的な活動」を位置付けることとしています。 |
5 | 1 地域づくりの多様な主体の中で、市町だけを対象にしていることへの疑問 本条例(素案)に対する最大の疑問は、本条例が「地域づくり」の定義を「住民、事業者、市町その他多様な主体が(中略)行う県内各地域における活動」(2 定義)とし、多様な主体を並列しているにもかかわらず、市町のみに優越的な地位を与えていることである。 たとえば、県の役割を「市町が実施する地域づくりに関する施策について、必要な支援を行う。」(4 県の役割)としているし、知事が基本方針を定める場合にも(5 基本方針(3))、連携体制を整備する場合にも(10 連携体制の整備)、県の相手方は常に市町だけである。市町は、三重県における多様な地域づくりの主体の代表者として、独占的・優越的に扱われているのがこの条例(素案)の特徴となっている。 もとより地域づくりは一つの主体だけでできるものではなく、本条例(素案)が、「多様な主体による協働」を基本理念としていること(3 基本理念)は評価に値する。しかし、協働のリーダーシップは市町だけがとるものではないと私たちは考える。「新しい時代の公」の理念の中で、行政だけではなく、住民が自らの地域課題を発見し、主体的に取り組むことの重要性を、三重県は明確に打ち出しているはずである。 市町のみに地域づくりの優越的な地位を与えることで、いくつかの問題点が考えられる。 ①住民・NPOなど、市町(行政)以外の主体の役割を、市町が決めた枠内に抑え込む可能性がある。具体的には、地域レベルのNPOの活動には、市町のフィルターがかかり、市町が好むNPOだけが、間接的に県の支援を受けられることにつながる恐れがある。 ②地域づくりにおける多様な主体の「協働」について、現状では市町によってかなり理解や取り組み姿勢に差がある中で、この条例の施行によって、地域づくりの地域間格差がますます広がる恐れがある。 ③地域づくりは市町単位だけで行われるものではなく、市民・NPO・企業などがリーダーシップをとれば、市町の境界にとらわれない、ダイナミックな取組も可能になるだろう。しかし、市町だけを窓口にすると、そのような取組は対象となりにくくなる恐れがある。 要するに、この条例(素案)からは、県と市町以外の、県民の姿が全く見えない。社会を構成する主体を、政府(自治体)、企業、市民社会(NPO等)という3つのセクターで捉えることは、今日主流となっているが、地域づくりは、まさにこのような観点から、3つのセクターが対等な立場に立って協働で取り組まれるべきものである。今回の条例(素案)は、県民を直接代表している県議会が策定される条例なのであるから、県民(住民・NPO)の立場にもっと深い理解を示した内容であるべきだと考える。 2 条例(素案)内容の説明不足 本条例(素案)では、条例のキーワードである「地域づくり」をきわめて幅広く定義している(2 定義)ため、市町が実施する施策といっても、県が既に「県民しあわせプラン」等に基づき、計画・実施している施策と重なり合うものが相当含まれるのではないかと考えられる。では、この条例(素案)が予定している市町の「地域づくり」と、県の既存の施策との整合性について、県議会はいかに考えられておられるのだろうか。 また、財政が厳しいと言われている中で、市町が実施する地域づくり施策に財政上の措置を講ずるとされているが(11 財政上の措置)、上記に述べた既存の県事業とは別に、市町の単独事業を財政支援を上乗せするのであれば、その財源はどのように捻出されるのだろうか。またどの程度の財政支援を想定されているのだろうか。 以上のような重要なポイントについて、本条例(素案)には解説がないし、これから策定されることになっている基本方針の内容は、知事に完全に委ねられているように見える(5 基本方針)。これでは、条例の善し悪しについて、県民には判断がつきかねるとしか言いようがない。 また、そもそも一般県民にとって、なぜ今、このような条例(素案)が県議会から提案されるのか理解しづらい。「三重県生活創造圏ビジョン推進条例」後の対応として、「地域活性化対策調査特別委員会」において、この条例づくりに取り組まれている経緯がホームページ上に掲載されているが、このような経緯は、大多数の県民には見えにくく、条例の背景を説明する必要がある。 開かれた県議会として、条例(素案)を県民に示し、積極的に議論に参加させようとするのであれば、もっとわかりやすい説明を付けるべきだと思われる。 |
素案の検討に当たっては、「県民しあわせプラン・第二次戦略計画」において地域政策に関する県の役割が示される一方、地域づくりにおける県の関与を規定した「三重県生活創造圏ビジョン推進条例」の廃止が提案される中、「地域づくり」における県と市町との関係を明確にすること、また、県民を代表する議会に関与する機会を確保することを前提に置き、検討を行ってきました。 しかし、条例案を検討するに当たり、いただいたご意見も踏まえ、県の役割を市町の施策への支援と規定するのではなく、県を多様な主体の一員として明記し、県が地域づくりに関する多様な主体となる場合があることを明らかにするとともに、県の役割として多様な主体の意見が反映された地域づくりが円滑かつ効果的に行われるよう必要な仕組みを構築し、機能させるものとしました。 以上のとおり、条例案においては、「地域づくり」は住民、事業者、市町、県その他の多様な主体により行われるものという考え方としています。 また、素案段階における財政上の措置に関する規定は、直ちに個別具体的な措置を求めるものではなく、必要な予算の計上等の措置を講ずるよう努めるものとする方針を示すものでしたが、条例案を検討するに当たり、地域づくりに関する県の具体的な施策については、引き続き調査・検討が必要であると考え、条例案におきましては規定しないことといたしました。 なお、地域活性化の実現のため、県として多様な主体による「地域づくり」が活発に行われるためには、どのような施策が講ぜられるべきか、広範な調査検討を行う必要があるものと考えています。 |
6 | 拝察致しますに、条例(素案)の大きな枠組みとしまして、「地域づくり」(=多様な主体が、地域の課題解決に向けて、地域特性を生かして、地域社会を作るために行う活動)は「様々な主体によってなされること」と「地域の多様な資源を活用した取組であること」となっています。では、その実現のために三重県の役割は、「市町が実施する地域づくりに関する施策について、必要な支援を行う」こととなっています。 つまり、条例(素案)を読む限り、三重県は各市町を経由して「地域づくり」を支援するということになります。 これは「三重県生活創造圏ビジョン推進条例」に基づき旧各県民局単位で活動をされた取組が、市町との連携が不十分であったとの反省からなされたものであると考えられますが、そうであるならば「三重県生活創造圏ビジョン推進条例」における総括的な反省とそれに伴う詳細な議論を踏まえた上で本条例(素案)を策定する議論をしなければならないと考えられます。県議会の委員会の議論をみる限り、そのあたりの議論が十分になされているとは言い難く、何をどうしたいのかが具体的に理解し難いと言えます。 もう少し踏み込んで申し上げるなら、本条例(素案)の「制定の趣旨」にありますように「地方分権改革の進展」「市町村合併等を契機」にして、地方自治が新たなステージに入ったとするならば、地域づくりは市町の役割であることを認識し、県議会が条例を制定してまで支援を行うということではなく、個別具体的な地域の諸課題に対しては、議会基本条例の趣旨に則り、議会として対応されることがこれからの時代に即応しているのではないかと考えますがいかがでしょうか?また、近年の地域課題は本条例(素案)で表現できるような範疇のものではなく、時々刻々と移り変わる変化に、議会としていかに機動的かつ柔軟に対応していくのかが重要であると考えております。 一方で、県と市町の関係でいえば「膝詰めミーティング」、「県と市町の新しい関係づくり協議会(構成は首長で、その下に各種検討部会あり)」、「県と市町の地域づくり支援会議」など(形式的なものもあり中にはその活動自体も精査を必要とするものも存在はしていますが)複数存在し、個別具体的な懸案事項につきましても、具体的には「企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律」に基づき知事および四日市市、朝日町、川越町、菰野町の各首長が基本計画を協議し、地域活性化に取組んでいるものもあり、案件ごとに対応している現状もあります。 さらに、三重県が地域づくりを支援するというのであれば、市町の単位を越えて公益的な役割を担っている市民団体や特定非営利活動団体に対してどのような支援を行うかなどを議論することも重要なことであると考えられます。 また「地域づくり」といった住民自治に密着したテーマを扱うのであれば、具体的な活動を踏まえた上で、要綱にどのように落としこまれていくのかを想定し、条例づくりやそのもととなる議論をなされることが重要であると考えられますので、今後はそういった議論をご期待申し上げたいと思います。 |
地域活性化の実現のためには、本県議会としても、不断の取組、努力が求められていると考えています。 このことについては、「三重県議会基本条例」において、知事と常に緊張ある関係を構築し、その監視を行うとともに、政策立案及び政策提言を通じて、県政の発展に取り組むとしているところです。 また、平成12年に議員提案で制定した「三重県生活創造圏ビジョン推進条例」の基本にあることは、それぞれの生活創造圏ごとのビジョンの策定からその実施にいたるまでの取組が、住民と県との協働の下に行われるものでありました。 条例案の検討に当たっては、生活創造圏の取組を踏まえ「協働」を継承すること、地域活性化にとって多様な主体による「地域づくり」の取組が不可欠との基本的な考え方に基づくこととともに、生活創造圏ビジョン推進条例が廃止された状況において、どのような対応をなすべきかを論点の中心としました。 このため、条例案では、県の役割として、多様な主体の意見が反映された地域づくりが円滑かつ効果的に行われるよう必要な仕組みを構築し、機能させるものとすること、また、県民を代表する議会に関与する機会を確保することとしました。 さらに、議会の役割として、三重県議会基本条例の趣旨にのっとり、その役割を果たすよう努める旨を明記することとしています。 今後、本県議会の役割として、多様な主体による「地域づくり」が活発に行われるためには、どのような施策が講ぜられるべきか、広範な調査検討を行う必要があるものと考えています。 |