高圧ガス保安法
高圧ガス保安法は昭和二十六年六月七日に公布された法律で、平成8年に「高圧ガス取締法」から「高圧ガス保安法」に改称されました。
その目的は第1条で次のとおり規定されています。
高圧ガスとは
高圧ガス保安法で規制の対象とする高圧ガスは次のように定められています。
- 常用の温度において圧力(ゲージ圧力をいう。以下同じ。)が1メガパスカル以上となる圧縮ガスであつて現にその圧力が1メガパスカル以上であるもの又は温度35度において圧力が1メガパスカル以上となる圧縮ガス(圧縮アセチレンガスを除く。)
- 常用の温度において圧力が0.2メガパスカル以上となる圧縮アセチレンガスであつて現にその圧力が0.2メガパスカル以上であるもの又は温度15度において圧力が0.2メガパスカル以上となる圧縮アセチレンガス
- 常用の温度において圧力が0.2メガパスカル以上となる液化ガスであつて現にその圧力が0.2メガパスカル以上であるもの又は圧力が0.2メガパスカルとなる場合の温度が35度以下である液化ガス
- 1~3のほか、温度35度において圧力零パスカルを超える液化シアン化水素、液化ブロムメチル及び液化酸化エチレン
高圧ガスの製造とは
圧力や状態を変化させ高圧ガスを製造することや高圧ガスを容器に充填することをいい、一般的な製造とは定義が異なります。
具体的には次のような場合が考えられます。冷凍設備により高圧ガスを製造する場合も対象となります。
1圧力を変化させる場合
高圧ガスでないガスを圧縮し高圧ガスにする。
高圧ガスをより圧力の低い高圧ガスにする。
2状態を変化させる場合
気体状のガスを高圧ガスである液化ガスにする。
液化ガスを高圧ガスである気体状のガスにする。
3高圧ガスを容器に充填する場合。
大型の容器から小型の容器に移し替える。
高圧ガス保安法で用いる圧力の単位
高圧ガス保安法では“圧力(ゲージ圧力をいう。以下同じ。)”と定義されており、法律の中で使われる“圧力”とは特に断りのない限りゲージ圧力をいいます。
これは1気圧における相対的な圧力であり、地球上(1気圧の状態)で圧力計の指針がさす圧力となります。
この単位はメガパスカル(MPa)が用いられています。
1Pa : 1m2あたりに1N(ニュートン)の力がかかっている状態をいいます。
MPa : M(メガ)は10の6乗の意味、1MPa=1,000,000Pa
1N : 質量1Kgの物体に1m/s2の加速をさせる力の大きさをいいます。
1気圧 : 平均的な地表面での気圧、1気圧=0.1013MPa(1,013hPa)
第1種ガス
ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン、窒素、二酸化炭素、フルオロカーボン(可燃性のものを除く。)又は空気をいいます。
第2種ガス
第1種ガス以外のガスで第3種ガスを除くものをいいます。
なお、第3種ガスは現在のところ指定されていませんので、第1種ガス以外はすべて第2種ガスになります。
特定高圧ガス
消費に際して特別の注意を要するものとしてモノシラン、ホスフィン、アルシン、ジボラン、セレン化水素、モノゲルマンおよびジシランの圧縮ガス及び液化ガスが、相当程度貯蔵して消費する際に特別の注意を要するものとしては、次のようにガスの種類および量が定められています。
※液石法:液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律
液石法施行令:液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行令