その他の藻場
種類組成
当調査において「その他藻場」とされている藻場は次の2タイプである。
- 主に二見町以南の岩礁または転石上に植生するムカデノリ科、イギス科などの紅藻類が混生する藻場(形成種はムカデノリ、イギスなど多種)
- 主に伊勢市以北の礫上に植生するオゴノリ場(形成種はオゴノリ1種)
*オゴノリも紅藻類の一種であるが、当報告書において紅藻類が混成する藻場にオゴノリは含まない。
生態
当調査において、「その他藻場」を構成する代表種であるムカデノリは一年生で、冬から春にかけて生長し、30~50cmの藻体になると成熟がはじまる。4~5月にかけて成熟した藻体から、胞子が放出される。放出された胞子は、岩盤上に付着したのちに、ただちに発芽して盤状になり、肥大伸長していく。
オゴノリは世界的に広く分布しており、若干塩分の低い内湾や河口域に多くみられる。冬から春にかけて伸長し、5~7月に成熟する。
その他
ムカデノリはトサカノリとともに、海藻サラダとして利用される。オゴノリも寒天の原料として利用されるほか海藻サラダとしても利用され、養殖試験が行われた時代もあったが、南米から安価な原藻が入るようになって、天然に生育しているものを採取するにとどまるようになった。
三重県ではオゴノリを「オゴ」とよぶ。