アオサ場
種類組成
アオサ場を形成するアオサ類は、アオサ目、アオサ科に属する。主な種類はアナアオサである。
生態
アオサ科に属する藻類は、生活史の過程で有性世代(配偶体)と無性世代(造胞体)に分かれるが、藻体は胞子嚢が形成され胞子放出をみるまで区別がつかない。ふつう遊走子は等長の4本の鞭毛を持ち、雌性、雄性配偶子は等長の2本の鞭毛を持つ。
アナアオサは干潮線付近から水深2m程度まで生育する。着生生活する藻体は晩春から初夏に繁茂し、高さ20~40cmになる。浮遊生活する藻体は周年みられ、さらに大きくなる。
その他
アオサ類は海水中の窒素やリンなどを吸収して生育するため、海から取り上げて上手に利用すれば、富栄養化した海の水質浄化に貢献する。一方、アオサ類は藻体が海底を覆い、稚貝や稚魚、底棲性動物類を窒息させてしまったり、他の海藻やアマモ類の光合成を妨げる等、有害生物 とみなされる側面も持つ。また、アオサ類の大発生は夏のシーズンであり、特に海水浴場や住宅 地に近い海岸で発生するので見苦しく、腐敗して異臭を発することもあり、社会的問題となっている。乾燥粉末を食用にすることもある。
三重県ではアナアオサなどアオサ属を「バサ」、「バサアオ」とよぶ。