三重県議会 > 県議会の活動 > 全員協議会 > 全員協議会議事概要 > 平成26年度 全員協議会議事概要 > 平成27年3月17日全員協議会概要
■ 開催日時 平成27年3月17日(火) 10時40分 ~ 11時30分
■ 会議室 全員協議会室
■ 出席議員 49名
議 長 永田 正巳
副議長 奥野 英介
議 員 下野 幸助 田中 智也
藤根 正典 小島 智子
彦坂 公之 粟野 仁博
石田 成生 大久保孝栄
東 豊 中西 勇
濱井 初男 吉川 新
津村 衛 森野 真治
水谷 正美 杉本 熊野
中村欣一郎 小野 欽市
村林 聡 小林 正人
今井 智広 長田 隆尚
藤田 宜三 後藤 健一
辻 三千宣 笹井 健司
稲垣 昭義 北川 裕之
舘 直人 服部 富男
津田 健児 中嶋 年規
青木 謙順 中森 博文
前野 和美 水谷 隆
日沖 正信 前田 剛志
舟橋 裕幸 三谷 哲央
中村 進一 岩田 隆嘉
貝増 吉郎 山本 勝
山本 教和 西場 信行
中川 正美
■ 欠席議員 なし
■ 県政記者 2名
■ 傍聴者 4名
■ 協議事項
1 「三重県人口ビジョン(仮称)」及び「三重県まち・ひと・しごと創生総合戦略(仮称)」の策定について
(1)時間 10時40分~11時30分
(2)説明者
知事 鈴木 英敬
[戦略企画部]
部長 竹内 望
副部長 福田 圭司
その他関係職員
[健康福祉部]
次長(子ども・家庭局) 栗原 正明
(3)説明内容
別添資料のとおり(資料はこちら)
(4)質疑の概要
〇中嶋議員 まち・ひと・しごと創生総合戦略は、人口ビジョンで示されている8つのパターンのうち、一番ポジティブなオプティミスティックな1-①を念頭に政策を組み立てていくという考え方でよいか。
〇竹内部長 今回は、政策シミュレーションの前提として8パターンということで、それぞれ出生率と社会移動の転入超過ということで、パターンを示した。これから、議会での御議論、地方創生会議を通じた外部の議論等を踏まえて、本県としてどの展望を選ぶのかということについては今後議論して決めていきたい。政策シミュレーションであるので、これから総合戦略をつくる中で、その展望を踏まえて戦略を組み立てていきたい。現段階では、どの展望で行くのかは決めていない。
〇中嶋議員 考え方の順序としては、8つのパターンのうちどの展望が一番三重県として現実的かつ目標としても手が届きそうで届かないくらいの所なのかということを、どこかの場で議論して、それをもとにそれを達成するための具体的な政策を、KPIという言葉を使われたが、成果指標を置いて、総合戦略の中で、どこかの場所で議論していくという流れでよいか。
〇竹内部長 今回、人口の展望については、2060年、50年先という超長期的な展望になっている。総合戦略は、その中での5年間ということ。超長期展望のもと、今後5年間、県としてその実現に向けて何をするのかということをまとめるもの。御指摘のように、展望があって、それを達成するための5年という整理で取り組んでいきたい。
〇中嶋議員 所属している常任委員会の中でも議論があったが、総合戦略については地域別につくらないということで、本会議での答弁もあり、常任委員会での議論もあった。人口パターンについても、オール三重県のものを示すだけで、地域別というものを今後示していく予定はないということでよいのか。どうしても総合戦略の1ページ目を読むと、「県民、関係者等が自らの地域と人口減少に関わる現状と課題を正しく理解し」、そのうえで「アクティブ・シチズンになってもらって・・・」となってくると、三重県全体となればどうしてもばくっとしてしまうので、より身近な市町別が望ましいと思う。日本創成会議では市町別も出ていることからすると、やってやれないことはないという気がするが、改めて、より三重県の中を分析できたうえで、市町の総合戦略を反映できるような人口ビジョンなりを示すことはできないのか、お尋ねしたい。
〇竹内部長 現段階の分析ということで御理解をいただきたいが、今回オール三重県で、人口分析をしている。御指摘のように、県内の詳細な分析は現在作業を行っているので、次回、6月の中間案の段階では、一定の県内の地域別になるのか、ブレイクダウンした分析を示していけるようにしたい。
ただ、それを踏まえた5年間の総合戦略は、各市町で独自の総合戦略をつくっていただいているので、それとしっかり連携はするが、県としてはオール県で、一本で戦略としてまとめていきたい。但し、条件不利地域である等の記述については、一定織り込む必要があるかなとは思っている。
〇中嶋議員 最後に要望になるが、ぜひ地域ごとの人口ビジョンを示していただき、総合戦略のほうも、最後の12ページにある基盤づくりのところは非常に議論になってくると思われる。県内均一のまちづくりが難しいとなると、どこかに集中していく必要性がある。中心地であるとか、広域的な生活圏のやつとか、国の政策もある中で、それぞれの地域がどういう姿になっていくべきかというところへ踏み込んでいただきたい。それは、三重県を地勢学的に考えたときに、中小の都市が分散しているとか、北と南が違うとか、そういう地域的な地勢的なところの特徴が反映される部分だと思う。三重県らしさという点からすれば、もう少し地域の分析を入れていただく方が、より三重県らしさを出しやすくなるのではないかと思う。6月の議論に加わることができるよう頑張りたい。
〇濱井議員 知事の考えは12月4日の質問の際の答弁の中で、「南北によってかなりの違いがある」「各地域、市町によっても違いがある」とあったが、まさしくその通りである。
三重県らしさ、三重県ならではと考えるのであれば、各地域と県との話し合いが今後必要になるのではないかと考える。今後、考えていただきたい。6月の中間案で検討され、展望も出されると思うが、早い時期に呼びかけをされ、各地域と話をするような機会を設けていただきたい。
国の総合戦略を勘案するということで、勘案の内容であるが、国から原則を示されていることを指しているのか。また、地域らしさ、三重県らしさというのは、ここに表示されている部分をもっていうのか。我々は、どう考えればよいのか。
〇竹内部長 国が総合戦略をつくり、地方はそれを勘案してつくるという形になっている。勘案するというのは、いくつかの視点がある。1つはやり方の問題で、KPI(重要業績指標)と言っているが、P-D-C-Aサイクルをしっかり回すことを前提とした総合戦略を各地方公共団体がつくる必要があるというもの。
あと内容的に、国のほうは2060年に1億人を確保するという超長期の人口ビジョンを示されたが、地方公共団体では、2040年、2060年、いろんな人口の目標設定の期限があるが、超長期で国の示した2.1を目指すというのを、地方として勘案したうえで、人口ビジョンを置くのかなと。あと地方創生に向けて、国が大きな枠組みを示しており、仕事の確保が大事だと。社会減対策では、東京一極集中を是正していく、移住対策に力を入れると。そういうことで、事業の実施にあたってもしっかり連携してやっていくということで、そういったことも勘案することかなと。内容的にも進め方でも、しっかり国の総合戦略を考えていく必要があるかなと。もちろん、それに加えて県の独自性というのも当然出していきたいなと思っている。
〇濱井議員 つくり方を考えていくということは、全国一律的な部分かなという感じがする。ただ、今回戦略をつくるにあたって、三重県は全国より早くから少子化対策等で人口減のことを考えてきている。必ずしも国が言ってきたからするという意味ではないと思う。5原則(自立性、将来性、地域性、直接性、結果重視)が出ているが、それらを勘案しながら、地方らしさ、三重県らしさを全面的に打ち出していくという考えであると理解している。三重県らしさというのを重点的に考えていただきたいと思うので、よろしくお願いしたい。
〇村林議員 簡単に要望だけさせていただきたいと思う。人口ビジョンの方の14ページを見ると、三重県は社会増減で社会増だった時期もあるということがこれでわかるわけだが、三重県全体として社会増だった時期でも、南部の方の人口の流出という問題は解決していなかったと思う。なので、三重県全体の人口増減の、社会増減の話だけでは解決しないことが非常に大きいと思うので、先ほど中嶋議員がおっしゃった部分かと思うが、この中にしっかり三重県全体の人口バランスという話とか、人口偏在という部分をきちんと問題として捉えておいてほしいということが一つ。それと、仕事の総合戦略の骨子案の方で「働く」というところを取り上げてもらっているが、是非、先日一般質問させてもらったような部分なんかも踏まえてやっていただきたいということ、そして「本質に迫るような」という話をさせてもらったが、P-D-C-Aをしっかり回していくということなので、そこの部分、期待しているのでよろしくお願いしたいという、2点、要望である。
〇西場議員 この総合戦略の骨子案ということで、今聞かせてもらった。自分自身も理解が不足していたが、なぜ今日ここにこの骨子案が急に出てきたのか、という思いを強くした。先ほど議会が閉会してしまって議会審議はできないが、ここに至った、物理的に時間がと言う問題もあるのかもしれないが、そういうところも少し御説明いただきたい。それから、これは6月に中間案ということだが、その中間案の中のその名の通り骨子ができるわけで、それはこれから10年先を見通す、みえ県民力ビジョンのいちばん中枢部分だというようなことであるから、これに向けて、先ほどから話のあるように、地域の声や県民の声を聴いてもらう必要もあるし、そして、議会との審議を十分やっていただく必要があると思うが、今後の進め方についても、その部分についてもう少しきちっと踏まえた方針を聞かせてもらいたいと思うが、いかがか。
〇竹内部長 今回、骨子案という形でお示しさせていただいた。総合戦略を策定するに当たって、国のほうの総合戦略が年末に示されて、県としてどういうスケジュール感でやっていくかということだが、国のほうはできるだけ早くつくるべきだろうという御意見をいただいている。県としても、市町が総合戦略を策定するにあたって、県の総合戦略を勘案してつくっていただけるということで、早期にやる必要があるのかなと。また、国の交付金の関係でも、現在300億円という追加交付金があるが、そういう交付金の配分に当たっても総合戦略の進捗状況が一つの勘案要件になっているというふうなことで、今回骨子案という形でこの場で御議論をいただきたいと思った次第である。それから、6月に中間案という形でお示ししたいと思っているが、議会でももちろん御議論いただくが、外部の有識者を入れた地方創生会議を3月には一度開いて御議論いただいて、それから市町とも様々な形で意見交換をする中で中間案という形で6月には議会で御議論いただけるように作業を進めたいなと思っている。
〇西場議員 それぞれのパターンがいくつかあって、それに対してそれぞれ施策を盛り込んでいくということだが、このパターンの裏にある施策というのは、今、既に案というか、県として持っている内容はあるのか。
〇竹内部長 今議会で2月補正予算ということで、国の交付金を使った事業は議決をいただいたところであるが、それについては前提として策定するであろう総合戦略の事業に当然位置づけることになる。もちろんそれ以外に、現在様々な観点で、この政策シミュレーションで示した展望に向けて政策として今何が必要なのか、今回は骨子案で大きな枠組み、問題意識を並べているが、具体の事業にこれからどんどん掘り下げて行って形にしていきたいと思っている。中間案では、具体の事業まで羅列する形はまだ無理かと思うが、考え方をさらに肉付けして整理したものを、6月の中間案でお示ししていきたいというふうに思っている。
〇西場議員 その施策については当然我々も十分関与していかねばならないし、また、自分たちの発想も持って提案もしていかなくてはならないということなので、その辺のタイミングを十分図ってもらうように改めてお願いしておきたいと思う。また、6月に向けてそういう議論できる場がもしあれば申し上げたいとは思うが、折角の機会なので意見を聞きたい。我々地域づくりを議会として今までやってきて、重要なポイントとして、地域産業振興条例というのをつくった。この時に地域の声を聞いて自らが計画をつくって、それを市町、団体、県、国が支援していくというボトムアップ的な施策というものを議提議案の中でつくってきた。そのあと農業振興にしても漁村振興指針にしても、すべてそれを基本にして三重県の地域づくり政策が進めてられてきたと思う。国から降ってきたような急な地方創生であるが、まさにそれは、我々三重県議会が主導してつくってきた地域発想の政策を、市町、県、国が支援していくというこのやり方を持ってやっていくという基本が当然あってしかるべきだし、地方創生そのものはそれズバリじゃないかなという、こんな思いがするので、それを踏まえていただくかどうかということについて知事の意向を伺いたい。
〇鈴木知事 今、西場議員から御指摘いただいた地域産業振興条例や、そこから派生をしている各一次産業の計画、それから、その地域産業の理念を引き継ぎつつ、それをより具体化したような観光振興の条例とか中小企業・小規模企業振興条例とか、そういうそれぞれのこれまでの三重県議会発で、あるいは三重県議会で御議論いただいたことも当然オーバーラップした形の地方創生の総合戦略になっていくというふうに思っているので、仮に、私、策定経緯のときとかちょっとよく分からないので、これから総合戦略の中間案とか最終案の議論をする中で、西場議員から御覧になられてこれは矛盾する、あるいはこれは違うぞ、ということであればどしどし御指摘いただければと思う。
〇三谷議員 地域産業振興条例は私が座長でつくったが、何かあったら聞いていただければお話させていただく。
西場議員に関連してであるが、今日、骨子案を説明いただいた。この6月に中間案ということだが、改選を控えているので、骨子案そのものに対する議論は議会ではできない、今の時点では。5月の役選が終われば、改選後直ちに一度、骨子案についての議論を議会で是非させていただきたい。それを基に、中間案に議会の意見が少しでも反映できるような、タイムラグを考えるとなかなか厳しいところもあるが、そういうことを執行部でも考えていただきたいなと思うのだが、いかがか。
〇竹内部長 議会事務局とも日程を相談させていただき、どういう形で御議論いただけるのか、検討させていただきたいなと思う。
〇三谷議員 是非お願いする。
〇北川議員 ちょっとしつこい話になるが、中嶋議員と村林議員が言われた観点というのは、非常に重要な観点だと思っている。今の県の説明を聞いていると、県としては、県内、自然増の部分についてはできているよと、社会増については、対「外」に向けての対応ということで。県内は地域間競争だから、突っ込んでいくとそれぞれ周りの市町がターゲットにもなっていくわけだから、非常に難しいと思う。でも、バランスというのも、ある意味県の発展を考えた時には、これは見過ごせないところだから、この観点は入れるのか入れないのかというのは、はっきりさせておいてもらえないか。県は、外向けのことだけをやるという話なのか、中のことも調整を図っていくという考え方を持つのかという部分だけ。
〇竹内部長 県と市町の総合戦略というのは両輪で、両方がしっかり機能することによって、全体としての地方創生ができると思っているので、先ほど申したように、県内の人口ビジョンの部分については現在作業しているけれども、それを見て、どういう形で総合戦略の中に、県として県内の状況について書き込むのか、少し検討させていただきたいと思う。ただ、各市町がつくるので、県が各市町のそこの部分に云々というのは多分ないと思うのだが、おっしゃるように県内全域を見通した時に、地域状況をどういう風に判断して、県として地方創生を実施するために、県の中のバランスなり、地域の特性をどういう風に書き込むかというのは少し検討したいなと思っている。
〇今井議員 総合戦略、これから6月に中間案が出されるが、財政的な裏付けというのが、5年間の戦略でいろんな取組をしていく上では必要になってくると思う。これは行動計画の中の一部として位置付けるということだけれども、今後の財政的な、それぞれの施策を打っていくには、県としてのシミュレーションを持っているというのは、改めて見せてもらえるのか、今の県の何かの計画のほうで出すのか、行動計画で示すのか、その辺はどうか。
〇竹内部長 2月補正予算で交付金について御議論いただいた。国においては、今回は補正であったけれども、おそらく平成28年度当初予算に向けて、地方創生の交付金をどうするかという議論が進むと思う。6月時点ではそれはまだ見えていない。年末になると思うが、県でも当初予算の編成の中で、具体の事業については決めていくのかなと。その時には国の交付金の状況を見て、財政的な見通しも含めて整理をしていくのかと思っていて、6月の段階では、まだそこは無理かなと思っている。
〇今井議員 長期の計画なので、知事のほうから国としっかりと協議してほしい。
〇鈴木知事 前回のビジョン・行動計画の折にも、中期財政見通しというのをつくらせていただいたうえで、いろんな、県債残高のこととかフローのこととかを御議論いただき、それを基に予算編成等も御議論いただいたので、次の行動計画の見直しの時にも、中期財政見通しのようなものをお示しさせていただき、それとセットで御議論いただくというのが前提であると考えている。