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平成25年10月2日 全員協議会 議事概要

■ 開催日時    平成25年10月2日(金) 10時2分 ~ 11時51分

■ 会議室      全員協議会室

■ 出席議員    50名

 議長

山本  勝

 

 副議長

前田 剛志

 

 議員

下野 幸助

田中 智也

 

藤根 正典

小島 智子

 

彦坂 公之

粟野 仁博

 

石田 成生

大久保孝栄

 

東   豊

中西  勇

 

濱井 初男

吉川  新

 

長田 隆尚

津村  衛

 

森野 真治

水谷 正美

 

杉本 熊野

中村欣一郎

 

小野 欽市

村林  聡

 

小林 正人

奥野 英介

 

中川 康洋

今井 智広

 

藤田 宜三

後藤 健一

 

辻 三千宣

笹井 健司

 

稲垣 昭義

北川 裕之

 

舘  直人

服部 富男

 

津田 健児

中嶋 年規

 

青木 謙順

中森 博文

 

前野 和美

水谷  隆

 

日沖 正信

舟橋 裕幸

 

三谷 哲央

中村 進一

 

岩田 隆嘉

貝増 吉郎

 

永田 正巳

山本 教和

 

西場 信行

中川 正美

■ 欠席議員    なし

■ 県政記者    4名

■ 傍聴者      2名

■ 協議事項

 1 平成26年度三重県経営方針(案)について

 (1)時間 10時2分~11時4分

 (2)説明者

 

 知事

鈴木 英敬

 

[戦略企画部]

 

 

 部長

山口 和夫

 

 副部長

後藤 友宏

 

 

その他関係職員

 

[総務部]

 
 

 部長

稲垣 清文

 

 副部長(行政運営担当)

松田 克己

 

 副部長(財政運営担当)

嶋田 宜浩

   

その他関係職員

 (3)説明内容

   資料のとおり (資料はこちら

 (4)質疑の概要

〇西場議員 グローバル化という言葉を印象深く聞かせていただいた。グローバル化というのは、今の世界の国際化の流れの中で重要ではあるが、10数年前からそういう流れがあって、そこで行われてきた経済性・効率性を求める変化というのが、地域や弱小な業界に対して大変困窮した状況をつくってきた。そのような考え方だけでは、決して地域産業、地域の様々な活動をしっかり支えていくことができない。グローバル化とあわせて、それぞれの地域に密着した産業や文化をどのように育んでいくのかという、両面が必要であると思っている。今回、畜産業、水産業において、攻めの姿勢を持って輸出産業に力を入れるという説明があった。それも重要なポイントであるが、輸出はごく一部で、農林水産業というのは基本的には需給産業であり、国内需給をどう守っていくかという中で、地場産業としての守りを固めて、プラスアルファとして攻めの部分に入っていくのがいいと考える。今回改めて出てきたグローバル化についての真意を聞かせていただきたい。

〇鈴木知事 グローバル化だけを目指していこうとするものではなく、説明が不十分で誤解があればお詫びしたいと思う。議員がおっしゃったようにグローバル化というものにどう対応していくかということと、地域内の産業をしっかり育成していくということを、もちろん両方やる上で、特に1次産業についてはTPP交渉に参加したということで、今までのグローバル化は2次産業、製造業を中心に波及していたところが、まさに今、1次産業にまで波及しつつある一方で、輸出等についてのチャンスもあらわれてきていることから、こういうふうに書いている。具体的な取組を記載していないので誤解を招いているのかもしれないが、例えば、水産業のところも、今回の一番大きなところは、担い手対策、資源管理、県内の流通のことをちゃんとやるということである。輸出一辺倒の取組をやるのでなく、むしろベースとなる担い手対策や資源管理もしっかりやった上で、グローバル化のチャンスも生かしていこうという、基盤をしっかりしていこうとするものであることから、議員が御示唆いただいた内容と方向性は合致していると考える。

〇西場議員 今の説明である程度理解をさせていただいた。政策について外向きと内向きの両面をあわせて持っておられるという中での対応であれば理解できる。全体的にも、三重県政としてグローバル化を進めていく一方で、今までの考え方で言えば新しい豊かさの部分、ここで出てきた新しい豊かさの部分というのは、スマートライフや学力、観光とか特にポイントになるものがあるが、本来、当初、知事が言われていた新しい豊かさというのは、経済性や効率性の価値だけでは拾えない部分をどのように深めていくのかというところで新しい政策があったと思う。その部分の書き込みをしっかりしていただけるよう、取組をしっかりとやっていただくよう要望しておきたい。

〇日沖議員 経営方針(案)で3つのポイントを重点的に示されて取り組まれるとのことだが、3つある中で、少子化対策だけが唐突に出てきたような感じを受けている。私は、現在の社会構造のひずみの全てが少子化問題から起こっていると思っており、県として、重点の第一として積極的に少子化対策に取り組むという姿勢については賛同させていただくところである。3月の一般質問で、少子化対策は待ったなしの状態なので、ぜひ重点的に取り組んでいただきたいと言わせていただいた。これまでの少子化対策は子育て支援を中心に取り組んできたが、結果として現れていない現状を踏まえ、結婚観とか子どもを産み育む幸福感の醸成を誘導していくことも必要ではないかという話をしたが、産めよ増やせよみたいに捉えられることはいかがなものかといった、ちょっと引っさげ気味の答弁であった。考えが変わったのか、国が今そういう流れをつくろうとする中で知事も協力せねばならない立場にあるという中で出てきたのか、賛同はさせていただくものの、どうも唐突に出てきた気がする。今回、少子化対策への取組を一番に出されてきた思いについて、聞かせていただきたい。また、「平成26年度は、まさに国・地方をあげた少子化対策元年となるべき年である」との記載があるが、私の認識としては、少子化対策元年は恐らく平成2年の1.57ショックのときか、平成6年のエンゼルプランをつくったときだろうと思っている。20年もやって結果が出ていないから本当に深刻な問題なのであって、いまさら「元年となるべき年」とは、いったいどういう認識なのかと正直思う。その辺の考え方についても聞かせていただきたい。

〇鈴木知事 少子化対策が出てきたことについての唐突感ということであるが、今回挙げている諸情勢の変化的なことをいくつか説明させていただく。まず一番大きいのは議員が御質問いただいた3月の一般質問のときには、今年やったみえ県民意識調査の結果が出ていなかったが、2年続けて県民意識調査をやらせていただく中で、子どもを持つことの理想と現実のギャップ、結婚、働いて所得を得ていくこと、そういう生活の中でのいわゆる足元の幸せということが幸福の実感に大いに繋がっていくということが、傾向として明らかに出てきた。みえ県民力ビジョンで幸福実感日本一を掲げている中で、やはり政策として重要ではないかというのが一つ。また、私も元年と言えば普通は平成2年の1.57ショックが妥当なラインだと思うが、国でそうやって出されていた一方、全国知事会で少子化の議論を真剣にやったのは実は今年が初めてということを、多くの知事、例えば6選された茨城県の橋本知事もおっしゃっているし、今回、全国知事会の国への政策提言の中でも一丁目一番地のところに少子化対策を掲げている。国の取組においても結果が思うように出ていないことと、地方においても機運の醸成、盛り上がりに加えそういう情勢の変化があるということ、あと、研究をさらに進めている中で、現在、2.77人で一人の高齢者を支えているが、急激に減るのが2030年頃で、1.85人になるとのことである。フランス、スウェーデン、デンマークなど諸外国の少子化対策を見てみると、20年ぐらいかかってやっと上向いてきているということを考えれば、1.85人で一人を支えると言うような状況が来る2030年頃から逆算すれば、今まさに対応していかなければならない。そういうようなことで、今取り組むべきこととして少子化対策を掲げたということである。あわせて、議員がまさにおっしゃったとおり、少子化対策と言いながら子育て支援の施策にやや重点を置きすぎて、結婚や妊娠・出産の部分についての施策が弱かったという反省も含めて、ライフステージのそういう部分を重点的にやっていこうということで今回挙げているということなので、これがあるからこれが一押し、一番ということでなく、るる申し上げた情勢の変化のことを加えると、今回一番目に取り上げるのがいいのではないかということである。また、少子化対策元年という表現については、今後議論させていただいて、外すということでも別に構わないし、それほどこだわりがあるわけではない。そういう国と地方があいまっていくぞというような思いで書かせていただいているということである。

〇日沖議員 第一に重点に据えられるならば大いに取り組んでいただきたい。我々も少子化対策に向けた知恵を絞っていきたいからこそ聞かせていただいた。これまでの検証もしっかりしていただきながらやっていただきたいと思う。平成26年度が少子化対策元年だというフレーズにこだわっておられないならば、少子化問題というものを国も地方もこれまで本当に深刻に捉えて取り組んできたわけで、平成26年度が元年ではないだろうと思うので、御一考いただきたい。

〇杉本議員 男性の育児参加については、取りたい人と取れている人に大きな開きがある。県職員、教職員、警察を含め、男性の育児参加を牽引していくために、県庁として取り組んでいるものがあれば教えていただきたい。また、ライフプラン教育については、どこで、だれが、どのように行っていこうとしているのか、想定しているところがあればお聞かせいただきたい。

〇鈴木知事 男性の育児参加については、事業主としての県庁が率先垂範していかなければならないということで、現在、稲垣総務部長に検討を指示しているところである。この取組を進めていくには、制度と風土の両方が必要であることから、今年度は、部局長が年度当初に作成するマネジメントシートにおいて、男性職員の育児休業の取得率を10%にするという、労使協働でも掲げている目標を全部局長に掲げていただいたところである。これまでは県庁で育児休業を取得した職員は8名が最高であったが、今年度は既に上半期だけで8名となっており、過去最高の人数になってくるので、今後は、この取組を加速させていきたいと考えている。労使協働委員会でも御意見をお伺いし、積極的に考えていきたい。ライフプラン教育については、妊娠や出産などに関する医学的知識をよく理解して欲しいということで、例えば、今、いなべ市とかで産婦人科医や看護師、助産師などによりやっている、それは主に人工妊娠中絶予防・性感染症予防の議論が多いけれども、そういうのに倣って、小・中・高校それぞれのフェーズで恐らく考えていかないといけないと思っている。特に今年度からは高校の保健体育で不妊について学ぶということになっていることもある。今の想定では、小・中・高校いずれのフェーズにおいても、全校でやれるかどうかは分からないが、専門的な医学的知識のある方々の協力を得てやることを考えている。いずれにしても、具体的な事業の内容であるため、現在、議論中である。

〇杉本議員 県庁での男性の育児休業等の推進について楽しみにしている。公務員は、企業と比べて制度的に恵まれているので、まずそこがとも思うし、教職員は代替教員の制度もあるのでさらに恵まれていて、それは教育に跳ね返っていくので、そんなところも含めて推進していただけたらと思う。また、ライフプラン教育においては、自分の体を知るという教育は、今も保健体育を中心にカリキュラムがあり、これを充実させていくことが大切であるが、体だけ知っていてもだめで、男女の関係づくりについての教育ができないと、実はライフプランのところには行かない。男女の関係づくりについて、何かコメントがあればお願いしたい。

〇鈴木知事 今、具体的な事業の中身の議論をしているため、いろんな方の声を聞いて考えていきたい。

〇小野議員 来年度の政策課題と展開方向ということで3つ挙げていただいているが、産業構造の転換というのを新しい時代にどんなふうにやっていくのか。水産業、畜産業、観光等は位置づけしていただいているが、今三重県の北半分で一生懸命引っ張っている産業はこのままでいいのか。新しい時代への対応力を持って三重県として政策指導していかなければいけないところがあるのではないか。そういう取組はどんなふうにお考えか教えてほしい。

〇鈴木知事 産業構造の転換については、特に、三重県の産業全体の中で製造業の占める割合は高く、普通は17%くらいだが、三重県は33%である。さらにその中で輸送機械、電子デバイス、石油化学などが占める比率が7割ということで、相当一本足打法に近い産業構造であった。したがって、議員がおっしゃったように例えばリーマンショック、あるいは輸出がしんどい、あるいは円高になってくるというようなことになると、三重県経済全体に大きな影響を及ぼすという危機感から、まさにつくり出したのがみえ産業振興戦略なので、既に我々は、そこの部分については、ライフイノベーションのことや環境のこと、南部地域での食品加工のことなども含めてスタートを切っているという思いである。今のみえ産業振興戦略をローリングしながら進化させていくということなので、今回の平成26年度の政策展開のポイントにはあえて書いていないが、同じ問題意識でスタートを切っているという認識である。

〇中川康洋議員 3点確認させていただきたい。まずは、21ページの五つの心得について、これは平成25年度から、この五つの心得を職員の方も名札に入れていただいているようで、基本的には同じ内容と思うが、改めて平成26年度に向かって示す意味において、今年度はまだ途中であるものの、進捗度とか定着度、浸透度といったものを知事としてどのように感じておられるのか。その総括があった上で、職員に対する意識づけにどう取り組んでいくのかについて改めて伺いたい。2点目は、18ページの三重県行財政改革取組等の着実な推進において、税外未収金については三重県債権管理適正化指針に基づいて行っていくということだが、昨日の予算決算常任委員会で、債権管理条例に基づいてやっていきたいという話があった。当然これは最終案ではないので、まだこの書きぶりだと思うが、それが具体的に見えてきたら、やっぱりそこを中心にやっていくことになるのかと思う。その辺の方向性の考え方をお教え願いたい。さらに3点目は、17ページのスポーツの推進において、先日の知事提案説明の中でも、スポーツ推進条例(仮称)は大きなポイントだったと思うが、ここの最後に財源の確保に取り組むと書いていただいている。これは平成25年度において、基金の部分を予算として落とした経緯があるが、その復活という意味合いでこの内容が書かれているのかどうかについて教えていただきたい。

〇鈴木知事 1点目と3点目については、私から答えさせていただく。まず、五つの心得の浸透度については、私の肌感覚的なところではあるが、まだ、職員の認知度や、この心得を踏まえての仕事のしぶりということにおいて不十分だと思うし、職員の間でも温度差があるように感じている。こういうものは、何度も繰り返し、繰り返し、少し例がいいかどうかは分からないが、例えば企業とかで、企業の経営理念を毎朝の朝礼で繰り返し言ったり、ある飲食店舗とかでそういう考え方を繰り返し言ったりということで、繰り返し繰り返し、言ったり目に触れたりということが大事なのかと思う。職員が見られるイントラネットのホームページでも、一番に目に触れるところにこれを載せてやっているが、いまだ進捗・浸透が不十分で温度差があるので、改めて同じ言葉で繰り返し書きたいという思いである。3点目については、まさに平成25年度に予算議論の中で落としてしまった民間を含めたファンド的なものを視野に入れて、ここに記載させていただいている。今予算議論をやっており、県全体の財政状況も相当厳しいが、それを視野に入れた表現となっている。

〇稲垣部長 2点目は、昨日御説明したように、条例化の部分についてお認めいただけることになれば、その部分をここに付記していくものになると考えている。

〇中川康洋議員 五つの心得については、まさしく知事の肌感覚を聞きたかったわけであり、アンケートなどで数値をとっても仕方がないと私は思っている。つくった、配った、名札に入れた、だけでは意味がなく、重要なことは、これをどう繰り返して浸透させていくかということである。引き続き、全職員に、幹部が意識を持って浸透させていただきたいのと、どこかの時点で年度の総括をしっかりとして、議会にも報告していただけたらと思っている。3点目のファンドについては、ぜひ予算議論の中で形になるものをつくっていただきたい。2点目の条例については、ひとつ一定の方向を出したわけなので、それをここにしっかりと位置づけて、より強化していくというか、そういう方向性をお示しいただきたいと思う。

〇粟野議員 まずは具体のことから1点、聞かせていただきたい。15ページに公共土木施設の維持管理のことが書かれているが、かなり具体的に落とし込んで書いていただいているかと思う。特に緊急修繕や、今までの計画的な補修、補強ということで、今までも津波対策ということで海岸堤防等々も点検いただいているが、これはどの部分まで突っ込んでやっていくのか。例えば、一つの河川をとっても、県管理の区間や、市と共同で管理している部分、国管理の部分など、非常にその区別が曖昧な部分がある。いわゆる公共施設は全部点検に行くのか、例えば市町と共同して三重県内にあるものを一斉点検に行くような意気込みなのか、それとも、まずは県のものをやってということなのか、その具体策について教えていただきたい。

〇鈴木知事 どの部分までということについては、財政的なこともあるが、まずは最低でも県管理の部分についてしっかりとやるということである。市や国と一緒にやるかというのは、現在、具体的に市や国と、個別の部分についての議論はあっても、全体的な議論はしていないので、ここに書いてあるのは、最低でも県管理のところをしっかりやるということである。

〇粟野議員 市でも国でも、県がやらないからとの理由で、やらない言いわけに使われる場合がよくある。そういうような言いわけに使われないように、しっかりと連携をとってやっていただきたい。次に概念的な話だが、政策展開のポイントの中で腑に落ちないところがある。まず2番目、グローバル化への対応ということで、ここに「チャンス」という言葉が盛り込まれているが、先ほど言われたように、たしかに今取り巻く環境が大分変わってきている。特に三重県における水産業、畜産業においては、これはひとつのチャンス、ポジティブな意味でのきっかけである。「チャンス」は訳すと、きっかけとか契機という意味になると思うが、どっちかというとポジティブな、「よっしゃ、行ける」という意味だと思う。3番目のブランド力アップについては、これも式年遷宮というのは、まさに今だったら行ける、だからこれをやっていくんだという、一つのいいきっかけ、チャンスである。この2つに関しては、非常に三重県の独自性が出ていると思うが、1番の少子化対策は、先ほど日沖議員も言われていたが、1.57ショック以来、国でも大分取り組んできていただいている中で、下から3行目の「平成26年度は」で始まる文章、「このときを“チャンス”と捉え」については、どちらかといえば、私は今はピンチであると感じている。国はずっと取り組んできたけれど、地方との連携がなっていなくて、結果として答えが出ていないという現実だと思う。今もちろん少子化対策をしていくのは大事だが、いい意味でのチャンス、ポジティブなきっかけではなく、むしろやばいという意味のネガティブなチャンスではないか。どちらかというと三重県の独自色があまり出ていないものが一番前に出てきたなと思う。日本全体であってから若者が大きくここに出てきたなと。国に乗っかってしまったなという感じが否めない。少子化対策については、大きく考えて2つあると思う。一つは、結婚して産んでいただく。もう一つは、今いる兄弟を増やしていただく方法である。今の国や県や市の方向を見ていると、どちらかといえば、結婚させる政策が上に来ているような気がする。言い方に語弊があるかもしれないが、どちらかというと、今一人いるお子さんを二人にするほうが早いと思う。今の経済状況下では、なかなか二人、三人と子どもの数を持てないという家族も多い。その辺の施策があまり見えてこないかと思うが、そのあたりに関して、少しお話しいただきたい。

〇鈴木知事 経営方針(案)の説明の場なので、どこまで個別の事業の話をしたら適切かといつも迷うが、折角なので少しお答えする。ピンチではないかということについて、これは危機的な状況を迎えていることも踏まえ、チャンスは日本語に訳すと機会ということから、1ページで「今こそ、次の手を打たなければ、逆に危機を迎えることになりかねない」と書かせていただいているとおり、今の時期にここに次の手を打たなければ危機を迎えることになりかねないので、このチャンスという一つの機会を逃さずにやっていくんだということを捕らまえて、同じ考え方で言っているということである。国に乗っかってしまっているというお言葉があったが、誤解があるのではないかと思うのは、確かに少子化対策は、国家的課題だから国全体でやっていこうと言うが、例えば、御存知のように東京の合計特殊出生率は1、三重県は1.47、沖縄県で1.8である。つまり、国家的課題ではあっても、対策をとる手法は地域ごとにそれぞれ違うわけであって、国に乗っかってしまったというよりは、地域においても大きな課題だから、その手法は三重県の独自色が出るのは当たり前なので、御指摘は、私はあまり理解できない。施策、やっていく事業ということでは、例えば、東京都や横浜市などでは待機児童対策などが前面にでてくると思われるが、三重県における今年4月1日時点の待機児童の数は県全体で27人であることから、待機児童対策よりは、先ほど、議員が御発言されたように結婚支援とか、二人目、三人目ということなどの施策が中心になってくるものと思われる。また、3点目におっしゃった、まず結婚をというところと、二人目、三人目をというところの支援についてはまさにおっしゃるとおりで、合計特殊出生率とそれ以外のデータの因果関係について、約80程度のデータの相関関係を統計的に調べてみた結果、一番、相関関係が高く、96%の相関関係を示しているのが、生涯未婚率と有配偶出生率、結婚されている方の出生率である。例えば、男性の育児参画を進めるのも、一人目から二人目へ行くときに、男性が育児に参画し家事の負担を軽減してくれたというような満足度の高い家庭ほど、一人目から二人目に行きやすいという研究データも出ている。そういうことを含め、今後の事業の方向性として、議員が御指摘された、結婚や有配偶出生率を高めていくということについては、まさにそのとおりであると思うので、その方向で取り組んでいきたいと考えている。

〇粟野議員 そのようなお考えであるなら、先ほど日沖議員も言われたように、「元年」という言葉は、特に違和感があって、「国と」というようなイメージを与えかねないので、三重県としてこうやっていくんだという感じの文章にしたほうがよいのではないかと個人的には思う。その点、よろしくお願いする。

〇辻議員 18ページに「コンプライアンスの日常化」という用語が使われている。コンプライアンスの日常化というのは当たり前のことと思われるが、あえてここに記述された意図について、聞かせていただきたい。

〇稲垣部長 この文については、昨年度の港湾改修工事に関する不適正事務の事件以降、今年度も不適切な事例等が見受けられることから、職場風土としてコンプライスの部分を常に意識するという意図で取り組んでいきたいと考えている。

〇辻議員 理解した。そういう精神を維持するように努力していただきたい。

〇石田議員 少子化対策の1行目で、少子化が進展した結果、社会経済システムに悪影響を及ぼしているとのことだが、仮に少子化という結果が問題でなければ、社会経済システムもそれに合ったものに変えれば済むわけで、問題は結果でなく、そうなった原因に問題があると思う。その原因とは、これまでのほかの生活よりも、子どもを産んで育てるということの優先順位や価値観が下がってきているから、このような状況になってきていると思う。問題は結果ではなくて原因にある。原因をどう解決していくのかという方向でシフトしていって欲しい。また、主な取組方向の2番目について、私は税金を使って婚活することには賛成できない。御所見を伺いたい。

〇鈴木知事 原因に問題があるということについては、私も同じ認識であり、取り組む対策とか、推進する方向性は、議員御指摘のことと合致していると思われるので、文章は少し検討したい。婚活については、県が直接イベントなどをやるのではなく、民間がやるイベントなどをサポートしたり、あるいは、ポータルサイト的なものをつくって情報をより得やすいような環境整備をするということである。市町や商工会議所などがやることを応援するとか、統一的な情報の環境整備をやろうと考えている。

〇今井議員 1ページについて、平成26年度は「みえ県民力ビジョン・行動計画」の3年目であるとともに、次の20年に向けてのスタートの年として、大変重要に感じていると思う。みえ県民力ビジョンは、平成24年度からおおむね10年先の三重県のあるべき姿を目指したものであり、それを目指して行動計画がつくられ、具体的に進んでいく。20年後も輝き続けるために、平成26年度をスタートの年として、3つのポイントに注力して取り組まれようとされているが、知事は、20年後のあるべき姿をどのように考えておられるのか。みえ県民力ビジョンが平成33年までとすれば、その先の10年ぐらいを見据えて、平成26年度のスタートでこれをやると位置づけされて、おぼろげながら20年後の姿があるのか。それとも、まずはこれをやっていこうとするものなのか、その辺を教えていただきたい。

〇鈴木知事 議員御指摘のとおり、みえ県民力ビジョンはおおむね10年であるし、行動計画は4年である。今回、20年という言葉を使っているのは、経営方針(案)において、議会でも議決をいただいているみえ県民力ビジョンや行動計画を凌駕するような、屋上屋を重ねるような、何か20年後の目標やあるべき姿を設定するようなものではなく、今、手をつけないと20年後に危機を迎えるであろうと予測されることや、この20年ぐらいの間に出てくるチャンスを捕らまえていこうという思いで書いているので、基本的にはみえ県民力ビジョンや行動計画に沿ってやっていくという考え方であることから、整合性はとれているものと考えている。

〇今井議員 整合性がとれていないとは考えていない。ただ、みえ県民力ビジョンがあって、4年ごとの行動計画の3年目である重要な年であり、そちらを達成していくことによって、20年後も輝き続けているという考え方だということで、理解させていただいた。

 

 2 平成26年度当初予算調製方針等について

 (1)時間 11時5分~11時51分

 (2)説明者

 

 知事

鈴木 英敬

 

[戦略企画部]

 

 

 部長

山口 和夫

 

 副部長

後藤 友宏

   

その他関係職員

 

[総務部]

 
 

 部長

稲垣 清文

 

 副部長(行政運営担当)

松田 克己

 

 副部長(財政運営担当)

嶋田 宜浩

 

 参事兼税務・債権管理課長

坂井  清

   

その他関係職員

 (3)説明内容

   資料のとおり (資料はこちら

 (4)質疑の概要

〇中嶋議員 平成26年度から予算編成プロセスで優先度判断をつけるにあたり、外部の方からの意見を踏まえてやっていくという説明がかつてあったと思うが、今回の当初予算調製方針の中ではそういうことが見当たらない。私の勘違いだったのか、やり方を変えないことになったのか、説明をお願いしたい。

〇稲垣部長 外部視点の部分については、ブラッシュアップ懇話会での意見を踏まえ、事業の組み立ての部分に生かしていくことを考えている。

〇中嶋議員 予算編成プロセスの見直しの中で、優先度をつける時に外部の意見をという説明があったと思うのだが。成果の悪い事業のやり方に対して、外部の意見をいただくというのではなく、要求に当たっての優先度を決める時にということではなかったか。

〇稲垣部長 進展度が芳しくない部分について、外部の人から意見をいただき、その部分についての事業の組み立てについて、意見を反映していくということで対応したいと述べたつもりである。

〇中嶋議員 私の勘違いだったということで。

〇中川康洋議員 政策的経費の部分の優先度判断について、ABC判定は昨年度初めて出して、一つの肝いりだったわけであるが、今年度はAとBだけにすると。その理由が、シーリングを80%と厳しくしたために、優先度判断は、A90%、B10%にしたというふうに聞こえたが、まずこのA、B、Cの各3割の優先度判断は、平成25年度だけの予算編成における検討という位置づけだったのかどうかということを確認したい。全体を絞るよりは、全体を90%ぐらいにして、優先度判断をさらにつけて不必要なものを基本的にスクラップしていくほうが政策的に生きるという考え方もあると思うが、その部分の考えを丁寧にお聞かせいただきたい。

〇稲垣部長 優先度判断をつける考え方は基本的には変わっていないが、昨年度、全事業についてA、B、Cで優先度判断をしたので、今抱えている事業について一定の棚卸しができたという判断のもと、それにプラス今回の厳しいシーリングの中で、優先度のつけ方については、一定の簡素化を行いA、Bの二段階とするという整理をしたところである。

〇中川康洋議員 昨年度すごく力を入れてA、B、Cを説明していただいたことを考えると、80%にしたことにより簡素化してA、Bとなると、基本的にスクラップは廃止事業以外にはないということになると思うが、各部で自ら政策判断させるという作業が結局薄巻きの方向に行ってしまい、A、B、Cという内容精査のほうにいかなくなると思う。昨年度相当力を入れて説明していたのに、この政策転換は早すぎる。なぜこうするのかについて、もう少し丁寧に聞かせていただきたい。あわせて、8ページの(6)では、基本的に80%のシーリングをかけるが、社会情勢の変化への対応及び新たな仕組みのところに関しては、昨年度同様100%でいい、少子化については80%で3割復活なので104%、という書きぶりに読めるが、そうなると182億円の政策的な事業の範囲の中で、80%のシーリングがかかる事業が何割ぐらいあり、この社会情勢の変化への対応に係る政策や少子化対策という部分に入り100%またはそれに近い形でみれる事業が何割ぐらいあるのか。全体ボリュームが我々にはみえないが、どのようなものか。

〇嶋田副部長 シーリングにかかる80%は政策的経費であるが、平成25年度ベースで非公共事業が県費ベースで47億円、公共事業は135億円、これが8割のシーリングの対象ということになる。

〇中川康洋議員 47億円と135億円が8割のシーリングがかかり、それは社会情勢の変化への対応に係るものを除いた部分ということで、社会情勢の変化への対応における政策的経費はだいたいどれだけあるのか。

〇嶋田副部長 この中に入っているというよりは、これをベースに、少子化対策などは30%加算をし、その30%の枠の中で別途要求できるというものである。社会情勢の変化への対応に係るものは、去年のベースでは、一般財源ベースで約12億円の仕上がりである。今年度は要求がないとどの程度になるか分からないが、去年であれば12億円程度の仕上がりである。

〇中川康洋議員 全体のウエイトのバランスがわからないのでまた詳しく聞かせていただく。この場でしか言うことができないので、改めて知事に、これはお願いになると思うけれども、政策的経費の80%のシーリングがかかる中で、基本的には各部局はこれでみていかないといけないが、新規事業も当然出てくるものの、新たな政策もいろいろ出てくると思う。その中で、今回、三重県飲酒運転0ゼロ を目指す条例が制定されて、実質的に来年度からスタートしていくわけだが、本来の流れでいくと、交通安全対策の従来の事業の範囲だけにとどまり、新規事業にはなかなか判断していただけない。しかし、議会からの提案で条例ができて、これは知事から議会で条例をつくってはどうか言っていただいたこともあったからだが、それに基づく県民運動、周知、PRの予算は1つの政策的経費の中で特出しすることが必要である。しかし今日の流れでいくと、どれにもひっかかってきづらいという状況があるが、知事としてどう考えるか、あえてこの場で聞いておきたい。

〇鈴木知事 どういう事業を今、担当部で組み立てているかをまだ具体的に承知していないが、通常の施策の中で行うか、もう1つあり得るとすれば、選択・集中プログラムの新しい豊かさ協創プロジェクトの5、県民力を高める絆づくり協創プロジェクトに、県民との協創というのがあるので、その中の新しい事業として加えるというのが1つの方法ではないかと思う。いずれにしても具体的な事業構成を部局とよく議論し、今回議員提案で条例が制定されたことも重く受け止めて検討したいと思う。先ほどのA、BとA、B、Cの件は、未来永劫A、Bにするというわけではない。本当にメリハリのつくやり方を試行錯誤しながらやっていくという思いであり、優先度判断をしっかりつけていくというのは不断の変わらない思いであるので、今回はA、Bでチャレンジしてみるということである。

〇中川康洋議員 新たな条例ができて来年度の予算という部分においては、いろいろと工夫をしていただき、財政担当のほうで寛容の精神を持ってよろしくお願いしたいので、そのことは要望として終わる。

〇舟橋議員 重点化施策の未来永劫の話に関連して、今回、少子化対策が3割増、継続事業であれば対前年度比104%ぐらいはみてくれるという話になるかと思う。公共事業の場合は、ハード面ででき上がればそれで一つの区切りがつくが、少子化対策は、急に目にみえて成果があがるものではないと思う。その中で今回、少子化対策について、平成26年度三重県経営方針(案)には少子化対策がトップランクで上っているが、これも未来永劫こういう形で続くわけではないと思う。予算や事業を具体的に組み立てていく際に、今年は確かに3割増の上乗せをしてくれるものの、今後どういうところで少子化対策をちゃんとしてくれるのか。単年度以降の継続性のイメージを、予算の具体的査定の際に少子化対策についてどう考えているのか、お聞かせいただきたい。

〇稲垣部長 当然継続性の部分が出てくるので、今回底上げしても、来年底上げした部分をそのまま剥ぎ取って落とすということにはならないと思う。その部分をシーリングの部分に戻す等いろいろなやり方があるが、その部分については一定の工夫をしていくことになると思う。

〇舟橋議員 事業の組み立ては一つのスパンとして3年間で組み立てられることが多い。過去にいい事業を組んでやってきて、県民の皆さんもそれに参加し非常に評価が高いものも、サンセット事業でバサッと切られて、その後フォローが何もないということがソフト事業で多々あったので、少子化対策も3年間の打ち上げ花火みたいな形で終わらないようにしてほしい。また、これは三重県経営方針(案)に関わるが、少子化対策は経営方針(案)のトップランクに書かれたわけなので、今年は防災が消えたが、2年も3年も、少しは少子化対策が継続できるよう、打ち上げ花火で終わらないような施策にしていただきたいと思う。

〇今井議員 歳入の見込みのその他のところで、土地開発基金の活用がある。財政調整基金は決まった52億円という額しか使えないと思うが、土地開発基金の6億円はどういう根拠で出されているのか。残額がこれぐらいなのでこれだけしか入れられないという、金額の根拠があるのかどうかについて教えてほしい。あと、歳出の要求額で、5105億円プラスアルファのプラスアルファ分がどれぐらいになるかわからないと。一方、知事は、公約といっていいのか、県債残高を平成23年度末より平成26年度末は減少させるということで、ここでも上限額を決めて平成26年度はやるということであるが、経営方針(案)では今のチャンスを逃してはいけないということで、平成26年度は大切な一年だという位置づけがあると思う。そういった時に社会情勢の変化や、今やらなければならないことをやるために、そちらを優先するのか。必要なチャンスに切りかえるための県債の発行は仕方ないと思う部分はあるが、どちらを優先しようとするのか。どれくらいかかるか分からないが、そこに意固地になることによって、チャンスを生かしきれなかったら意味が無いと思うので、それをしないためにも土地開発基金からもう少し繰り入れができないか。

〇鈴木知事 二つ目のところであるが、どちらを優先するかということについては、平成26年度末の県債残高を抑制するということは、私が選挙の前に言ったことというよりは、三重県行財政改革取組に盛り込んである三重県としての方針であるので、それはしっかり達成するべく努力する。一方で防災などの観点で必要な事業については、あらゆる財源を見ながら、国でも昨日の経済対策の話では、去年太田大臣がつくった、維持管理に使える防災・安全交付金などもあるのではないかと期待しているが、それらも活用しながら必要な事業をやっていくという姿勢に変わりはないので、どちらを優先するのかという問いについては、どちらもですという答えである。

〇稲垣部長 土地開発基金の部分であるが、土地開発基金に関わらずこういった厳しい状況なので、活用できる基金はすべて活用するという考え方のもとでやっている。土地開発基金が6億円しか活用できないというのはそれしかないということである。

〇今井議員 それしかないということで分かった。どちらを優先するかは答えられないと思うが、一方で平成26年末の県債残高を減らすことにより、そこだけ減らして次からチャンスを捉えきれなくなったら、県政の長い目でみるとどうなのかと思うので、その辺は社会情勢の変化や県民サービスや県の行政サービスなど柔軟に対応していただければと思う。長い目で見て、平成26年末をどうするのか、県債残高だけでなく県民の幸福実感度や、産業の発展などをぜひ見ていただきたいと思うが、要望でとどめておく。

〇奥野議員 部長の説明を聞いていると非常に暗い感じの財政であるが、中身は笑っているような気がしないでもない。消費税の分も懐に入れて、後、出したるぞ、という気がする。20から30億円というのは当然補正予算で出てくると思うが、それはともかくとして、国ではプライマリーバランスの改善を図る必要があり、歳入・歳出面の改革を進めるというけれども、プライマリーバランスはわかるとして、歳入・歳出の改革を進めるというのは、我々県議会議員、また県としてどのように捉えたらいいのか。

〇稲垣部長 国の財政状況が非常に厳しい中で、国の歳出費目の中で地方交付税はかなり大きなウエイトを占めている。したがって、地方交付税の額をいかにコントロールするかについては、国の財政当局にとっても一つのポイントとなってくる、そういった中で、今般打ち出されているのが、リーマンショックの時に創設されたいわゆる歳出特別枠、これが1.5兆円あるが、この部分については危機対応モードから平時モードに切り替えていくとのことなので、我々としては、引き続き地方交付税の総額に関心をもって見ていく必要があると考えている。

〇奥野議員 国からみれば歳出で、県からは歳入ということになる。それが歳入・歳出面における改革を進めるということと理解をするのか。ほかにはないのか。

〇稲垣部長 地方財政との関わりの中で見たときにその部分が大きな要素である。国全体ではその他にも歳入歳出、細かなところも含めていろいろな改善を図っていくことになると思う。

〇奥野議員 また機会があれば、いろいろな改善について、箇条書きでもいいので教えてほしい。

〇西場議員 資料2-2の平成26年度組織機構及び職員定数調整方針の2(2)に、「平成25年度に実施した地域機関の組織改正や、組織運営の見直しについて、検証を行い、必要に応じて、その見直しを検討する」とあるが、賛成である。地域機関の見直しをぜひやっていただきたいとお願いする。

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