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地方財政の充実及び強化を求める意見書
本年6月に政府が閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太方針)では、地方行財政制度の再構築に向けてリーマンショック後の危機対応モードから平時モードへの切替えを進める必要があるとしているが、地域経済は依然厳しい状況が続いており、また、地方財政の健全化及び自立促進のため地方の一般財源総額を確保するとしたとはいえ、地方交付税において行革努力の取組と地域活性化の成果という2つの観点から地域経済活性化の取組に必要となる財政需要の算定を行うとしたことは、地方交付税制度の根幹を揺るがすものある。
さらに、本年度の地方財政計画において、国の政策目的の実現のため地方公務員給与費を臨時特例として削減し地方交付税を算定したことは、地方交付税によって地方行政の計画的な運営を保証することにより地方団体の独立性を強化するとの地方交付税法の目的から不適切である。
一方、地域の防災・減災対策、子育てや医療、介護などの社会保障の確保、環境対策など地方公共団体が担う役割は増大しており、国においては地域の財政需要を的確に見積もり、これに見合う地方交付税総額を確保する必要がある。
よって、本県議会は、公共サービスの質の確保と地方公共団体の安定的な行政運営を実現するため、国において、来年度の地方財政計画の策定及び地方交付税の確保に当たって下記の事項を確実に実現されるよう強く要望する。
記
1 地方財政に係る予算編成や地方財政計画、地方交付税の算定の在り方については、国の政策方針としての一方的な決定によるのではなく、国と地方の協議の場における十分な協議の上で決定するとともに、社会保障分野の人材確保、農林水産業の再興、環境対策などの財政需要を的確に把握し、地域の増大する財政需要に見合う財源を確保すること。
2 東日本大震災による被災地の復興に要する経費の地方負担分については、国の責任において、通常の予算とは別枠でその財源を確保すること。特に被災地の深刻な人材不足に対応するため、震災復興特別交付税を交付すること。さらに、地域の防災・減災のための対策に要する経費の財源については、通常の予算とは別枠で確保するとともに、地方交付税などの一般財源と地方債などの特定財源との振替は、厳に慎むこと。
3 地方交付税による財源保障機能及び財政調整機能の強化を図り、小規模な地方公共団体に配慮した段階補正の強化及び市町村合併の算定特例の終了を踏まえた新たな財政需要の把握について、対策を講じること。
4 地方財政計画における地方公務員給与費及びそれを踏まえた地方交付税の算定の在り方については、国の政策方針に基づいて一方的に決定するのではなく、国と地方の協議の場における十分な協議の上で決定すること。また、臨時特例として削減した地方公務員の給与関係経費に係る財源については、完全に復元すること。
以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年10月16日
三重県議会議長 山 本 勝
(提 出 先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
総務大臣
復興大臣
内閣府特命担当大臣(防災)