このページではjavascriptを使用しています。JavaScriptが無効なため一部の機能が動作しません。
動作させるためにはJavaScriptを有効にしてください。またはブラウザの機能をご利用ください。

スマートフォンサイトへ移動

三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成24年度 委員会会議録 > 平成24年8月28日 教育警察常任委員会 会議録

平成24年8月28日 教育警察常任委員会 会議録

資料はこちら

教育警察常任委員会

会 議 録

(閉 会 中)

 

開催年月日      平成24年8月28日(火) 自 午前10時1分~至 午後0時8分

会  議  室      502委員会室

出席委員          8名

                   委  員  長   水谷 正美

                   副委員長   小野 欽市

                   委       員   藤根 正典

                   委       員   長田 隆尚

                   委       員   奥野 英介

                   委       員   北川 裕之

                   委       員   前野 和美

                   委       員   永田 正巳

欠席委員          なし

出席説明員  

             [教育委員会]

                   教 育 長                                 真伏 秀樹

                   副教育長                              小野 芳孝

                   次長(教職員・施設担当)                   信田 信行

                   次長(学習支援担当)                        白鳥 綱重

                   次長(育成支援・社会教育担当)            野村     浩

                   次長(研修担当)                          西口 晶子

                   教育総務課長                           荒木 敏之

                   予算経理課長                           三井 清輝

                   教職員課長兼総括市町教育支援・人事監    木平 芳定

                   高校教育課長                           倉田 裕司

                   小中学校教育課長                       鈴木     憲

                   生徒指導課長                           和田 欣子

                   人権教育課長                           川島 三由紀

                   研修企画・支援課長                      川口 朋史

                   研修指導課長                           辻村 大智

                                                                   その他関係職員

委員会書記          議   事   課      主    幹    加藤     元

                             企画法務課     副課長  川口 徳郎

傍聴議員          なし

県政記者クラブ    3名

傍  聴  者           3名

議題及び協議事項

Ⅰ 常任委員会(教育委員会関係)

 1 所管事項の調査

  (1)児童生徒の問題行動等への対応について

  (2)「平成24年度全国学力・学習状況調査」の結果について

 

【会議の経過とその結果】

 

〔開会の宣言〕

Ⅰ 常任委員会(教育委員会関係)

 1 所管事項の調査

  (1)児童生徒の問題行動等への対応について

    ①当局から資料に基づき説明(野村次長)

    ②質問

〇水谷委員長 ただいまの説明に対し、委員の皆さんから質問を受けたいと思います。

〇北川委員 質問じゃないんですけど、野村次長のほうから説明いただいた中に幾つかここの資料にない数字がかなりありましたもんですから、後で結構ですので、その数字的なものをペーパーでいただけませんか。

〇野村次長 全委員さんにお配りいたします。

〇水谷委員長 じゃ、お願いします。ほかにございますか。

〇長田委員 こちらの資料編の9ページの問20に、「教育委員会と学校やPTA、地域の関係団体等がいじめの問題について協議する機会が設けられていますか」という問いがあるんですが、これは教育委員会レベルの組織の話を言ってるんでしょうか、各学校単位のことを言ってるんでしょうか。

〇野村次長 教育委員会と学校とPTA、それから地域のいろんな団体と協議する機会が設けられていますかというとこですか。

〇長田委員 ですから、学校単位というよりは市の教育委員会単位ということですか。

〇野村次長 そうですね。これは教育委員会に対する設問ですんで、教育委員会単位でというふうに理解しております。

〇長田委員 実は、こういう設問が出たということは、当然ながらいじめの問題はなかなか口外できないこともあって、地域の方と連携するのは難しいのはわかっているんですけれども、実際問題、市の教育委員会単位でこんなことをやって意味があるのか。例えば、学校単位でやったほうが意味があると思うんですが、コミュニティ・スクールとか進めていく関係の中で、その辺についてはいかがお考えですか。

〇野村次長 おっしゃるように、なかなかそういった難しい問題もありますので、市町教育委員会が率先してそういう機会を各学校につくっていただくということにつきましては、開かれた学校やコミュニティ・スクールも、そういった側面も含めまして、市町教育委員会等々にいろいろな機会を通じてお話をさせていただきたいと考えております。

〇長田委員 警察の関係も書いてあるんですが、市単位、市の教育委員会単位の横の連携というのは結構上辺だけで、実態に踏み込んだところがなかなかできないとこがあります。それが実際の小学校区、中学校区にはまずおりていかない中で、実際にいじめなんかを発見するのは、アンケートもありますし、親から、保護者から、あるいは子どもたちからもあるんですが、地域の人の重要性ということに対する項目がアンケートの中には非常に少ないなと思います。今後、まあアンケートはアンケートですが、解決していく意味で、その辺の地域の方をいかに活用していくかということが問題になると思うんですが、今の個人情報の問題でだめなところはだめなので、その辺は微妙なとこと思いますが。

〇和田課長 今、委員おっしゃっていただきましたように、いじめの問題、もちろん当該の学校でのきちんとした実態把握、取組というのは必要ですけれども、やはり学校をまたいでいろんな問題が起こっていたり、地域の中で起こっているというようなことも実際にございます。子どもたちが安心して学べるような環境を作っていくという意味では、学校といろんな関係機関がネットワークをつくって、その中で、いじめ問題も含めて子どもたちが安心して学べるような環境をつくっていく取組を進めていくということが非常に重要であるというふうに思っております。
 県としても、今、選択と集中のプログラムの中で本年度から4年間、地域でネットワークをつくりながら子どもの安心して学べる環境づくりを進める取組を今年からスタートしたところでございますので、さらに一層進めてまいりたいというふうに思っております。

〇長田委員 よくわかりました。総論についてはこれでいいと思うんですが、多分各論はこれで不可能だと思いますので、その辺のところで、いじめに対して、やはりいろんな形の中で地域の方を入れていくということの中で、その人をいかに活用するかと言いながら、ただし、いじめはナイーブな問題ですので、個人の名前が出たらいけないとか問題はあると思いますが、その辺のところもある程度突っ込んだ形で話をしていっていただければと思いますんで、よろしくお願いいたします。

〇水谷委員長 ほかにございますか。

〇奥野委員 この委員会は委員長から要請したわけですか。

〇水谷委員長 委員の皆さんからのお声が上がってまいりまして、正副委員長で検討の後です。

〇奥野委員 そういうことですか。

〇水谷委員長 はい。

〇奥野委員 思うんですけど、なぜ今、県外で起きたんで三重県がやらなきゃいけないのかと。さっきの説明を聞いていると、これまでも結局ずっとやってるわけでしょう。それを再度、説明をしないといけないというのか。ほっといたらいいんじゃないかな、やってるんなら。いじめの対応をずっと続けてやってるんでしょう。僕、教育警察常任委員会は、今度初めてなんです。わざわざする必要はないんじゃないかなと思うんですけど。そこら辺を教育長から委員長、副委員長に説明すれば会議をする必要はないんじゃないですか。資料だけでいいんじゃないですか。だから、現実問題として、僕も行政に携わっていたけど、あるんですよね。正直言って、先生の対応が非常に悪かったという経験もある。それを全部反省含めてやってるわけなんで、その辺ちょっと、どう思われます。

〇真伏教育長 おっしゃるように、先ほども資料のほうでも説明させていただいたように、いじめだけではなしに暴力等も含めて、県はいろんな対応をこれまでやってきたなというふうには思ってます。ただ、それで本当に完璧なものであったかどうかということについては、やっぱりいろいろ議論も当然ありますし、今までやってきたことに対する取組の評価といいますか、反省といいますか、その辺も含めて、充実すべきもの、改善すべきものは改善していく必要があるのかなというふうにも思ってます。今回こういう機会に、再度私どものやってきたこともそれなりにチェックさせていただいて、より充実する必要があるというところについては改善等を、また新たな取組も含めてですけども、やっていくべきなのかなという判断もさせていただきましたので、そういう意味で今回幾つか改善もしますし、それから新たな取組ということでやりたいなというふうに思っとるところもございます。
 それで、先ほども他県に比べてアンケートの回数が少ないんじゃないかという話もあったわけなんですけども、確かに、いろんな学校現場でいろいろいじめ等を発見していくときに、例えば親からの申し出があったとか、本人さんからの申し出があったというのが一番多いわけなんですけども、同時に一番日常的に接していただいてるのは学校の先生なのかなというふうに思ってますので、そこでやっぱり子どもたちに対してしっかり接していただく、しっかり見ていただいて、ちょっとこれはおかしいなというのを、感性といいますか、そういうのを本当に働かせていただいて、何かあったらすぐに対応できるようなことも必要なのかなというふうに思ってます。
 そういう意味での先生の研修とか、それからアンケートについても、基本的には文部科学省は年に1回以上という言い方をしてますので、1回してれば基本的な分はいいかもしれませんけども、やっぱり日常的に発見しようと思えば、その回数ももう少し増やすべきだろうなと思ってます。例えば各学期ごとに1回ぐらいはやるとか、そういう形での改善も必要かなと思ってますので、この際、いろんな形での取組を再度点検させていただいた上で、こういう形のこともやらせていただきたいと思ってますというのを、私たちも再度説明させていただくいい機会だというふうに思ってますので、委員長、副委員長からの申し出に対して、委員会として開いていただくということでございましたので、その際に改めて説明をさせていただきたいということでございます。

〇奥野委員 よくわかりました。僕もいろんな経験したけど、首長時代も直接こういう問題を言ってきた人もいるし、だけどやはり一番身近な保護者と先生かな。さっき長田委員言われたけど、教育委員会ってあってないようなもんなので、正直言って、名前だけあるだけで機能はしていないのが教育委員会の実態ですから。もうこれはやっていて一番僕がよくわかるんですから、それは。教育委員会は形だけのもんだと。だけど、一番大事なのは、いじめは絶対に起こるので、そこで、保護者であり先生であり、その辺がやっぱりきちんとしていけば、起こらないように未然に防ごうと言ったって僕は絶対無理だと思う。それをいかに保護者や先生がフォローをしていくか。経験上、保護者も逃げる、先生も逃げる、だからそういう問題が大きくなっていくというのが僕は実態だと思うんで、その辺も十分に頭の中に入れながら対応していかなければならないと思います。
 先生の教育って、教育したって一緒ですよ、教育長。その先生の心の持ちよう、やるかやらないかの持ちようだけで、どうやって教育するんですか。いじめが起きたらこうしろと言ったってできっこないので、そこら辺の先生の心の教育がまず先と違うかなというふうに思います。
 だから、これはこれでいいとしても、その辺も頭に入れて、これからその辺の対応を考えていただきたいなと、そんなふうに思います。

〇真伏教育長 教育委員の1人として、教育委員会が形だけだと言われてしまいますと私も一言言わないわけにはいきませんので、ちょっと一言言わせていただきたいんですけども、確かに教育委員会制度が十分でないという話は、いろいろ御批判もいただいてますので、そのへんは十分私らも反省すべきところは反省しながら、教育委員会の本来あるべき姿というのを一生懸命追求をしていきたいなと思ってますけども、僕は一番大事なことは、例えば学校現場で何か起こったときに、最後きちんと教育委員会が責任持って受ける覚悟が大事だと思っているんですよ。
 どんな問題が起こったとしても、最後は市町に悪いけど市町の教育委員会、それで市町でできなければ県の教育委員会が受けるという覚悟を決めて、ばんとやるだけのもんがあれば、それだけだけども、本当に教育委員会が責任を十分果たしたなというふうに思えると思ってます。やっぱりそれぐらいの覚悟を持ってやれるかどうかというのが大きな一つの分かれ目だと思ってますので、ぜひ、御批判はどんどんいただきたいと思いますけども、御支援のほどもよろしくお願いしたいと思います。

〇奥野委員 それだったら、あれはどこでした、滋賀県のどこでした、あれ。

                〔「大津」の声あり〕

〇奥野委員 ああ大津市。大津市の市長が出てくることないですよね。行政と教育委員会は別個なもんでしょう。我々が教育委員会に、僕はよく文句言いに行ったわ、確かに、学校もよく文句を言いに行ったけど、それはそれで聞くだけで。だから、それはやっぱり教育委員会、教育委員長がきちんとやらなきゃいけないことでしょう。市長が会見する必要ないじゃないですか、今のその教育長の言い分になると。
 だから、その辺がやっぱりちょっとおかしい。それは教育委員会が教育委員会らしさというのか、本来の教育委員会の形というのがなしてないのではないかなと僕は思うんですよ。あそこで市長が出てくる必要は絶対ないと思う。どう思われます。

〇真伏教育長 大津市の話ですもんで、私がここで個別の案件でコメントするのはちょっと差し控えさしていただきたいなと思うんですけども、学校現場といいますか、教育現場で起こってることについては、当然、教育委員会がまず責任を持ってしっかりやらなければならないとは思ってます。当然だと思ってます。ただ、そのすべてのことが、学校で解決できるかというと、そういうわけでもありませんので、地域の方々の御協力も要りますし、いろんな形での御支援も要るでしょうから、そういう意味では、教育委員会に知事部局のほかの部局が入ってきて一緒になってやっていくというのもやっぱり大事だと思ってます。
 今回私らも緊急のメッセージを出させていただいたときも、教育委員会だけでやるという方法もあったんですけども、あえてそうしなかったのは、やっぱり地域もしっかり一緒に入っていただいて、教育委員会、それから地域、いろんなところが本当に協力しながら対応していくべきだろうと思いましたので、メッセージのほうも知事と教育委員長の連名で出させていただいたというように、そういう意味では、役割分担もしながら、しかも連携もしながらというふうに思ってますので、自分とこの役割についてはしっかり果たさせていただきたいと思ってます。

〇奥野委員 水かけ論になるんでよろしいですけれども、だけどやっぱり行政が教育委員会には入り込めないと。施設やそういったハード面の金は出してくれ、だけどそのことに関しては、教育に関しては口出しをしてくれるなというのが教育委員会のこれまでの形ですので、だけど困ったときに地域や行政も手伝ってくれというのは僕は間違いだと思う。日頃からそれをやってたらいいんですよ。日頃からずっと地域や行政とともにやってきたらいいけど、だけど、通常は教育に関しては口出ししてくれるなというのが今までの教育委員会のあり方でしょ。その辺がちょっと僕はおかしいなと思うんですよ。それなら、あんたらが最後まで責任持ってやれというのが考え方。いいときだけは教育委員会で、悪くなったらおまえら全部だというのは、それは筋がちょっと違うような気がします。
 以上です。

〇水谷委員長 じゃ、ほかにございますか。関連ですね。

〇長田委員 教育委員会の中では、このいじめ問題についてどういう御意見が出てましたか。

〇真伏教育長 もともと、この間メッセージを出すときも、教育委員会の中でも特に教育委員長とはいろんな議論もさせていただいて、内容をどうするのかという話も含めて、きちんとした整理をさせてもらった上で今回のメッセージになっているわけなんですけども、当然、教育委員会の定例会の中でも、この現状とかいろいろ説明をさせていただきながら、教育委員会としての果たすべき役割とか、それからやっぱり学校現場に対する責任というのが当然ありますので、そういうことに対していろいろきちんと対応するようにという話とか、やっぱり早期に発見をする、その中できちんとした対応するというのが一番大事だという話とか、そういう議論もさせていただきながら、今回のこの施策の中身についても議論をさせていただいて、打ち出しをさせていただいてるというとこでございます。

〇長田委員 例えば、学力向上は後から出てきますが、県民運動とか出てますが、例えばこれがあったことによっていじめ撲滅県民運動をしていきたいとか、そんな方向性の話は何も出てこなかったですか。

〇真伏教育長 学力向上の話もこれから出ますけども、私ども、学力向上というのは、ただ単に知識だけを上げていこうというわけじゃなしに、まさに本当に子どもたちがこれから生きる力というのをしっかりつけてもらおうというのが、本来の学力の目指すべきところだと思ってます。そういう意味での学力を伸ばそうと思えば、やっぱり子どもたちが安心して学べる環境でやってないと、当然、その本来の学力というのは伸びてきません。
 そういう意味で、先ほどちょっといじめ等の話で安心して学べる環境づくりの話もさせていただいたのは、まさに子どもたちをしっかり支えていく、それは学校だけで支えるんじゃなしに地域の人たちも入っていただいて、ネットワークも作りながら支えていくということが大事だと思ってます。今回、学力の県民運動をするときには、そういう視点からもいろんな形での取組はしたいなと思ってますので、あえていじめだけとらえた形での県民運動をやろうという形の発想には今のところはなっておりません。

〇長田委員 どちらかというと、学力向上県民運動というのは学力をする人と違う人がするんですけど、いじめというのは地域全体が、県民全体がすればできると思いますんで、その辺のところも考えていただければと思います。

〇水谷委員長 ほかにございますか。

〇前野委員 今説明をしてもらった中に、暴力行為やいじめ、不登校、そして長期欠席という報告があったんですが、平成22年度と比較をして平成23年度は大幅に減少しているという説明をいただきました。これは、県教育委員会あるいは市町教育委員会が、そうした問題に学校とともに努力をしてきて、そういう原因を減らしてきたという説明だったと思うんですが、実態は、このすべての案件というのは必ず関連性があるんだと思うんですが、実際に現場でこれらの問題を対応してきた経緯なんかがありましたら、数字は減ったということは報告いただいたんですが、実際にどんなふうに行動をされてるのか、ちょっと説明をしていただきたいなと思います。

〇野村次長 先ほど申し上げましたように、ソーシャルワーカー、それからカウンセラー、それから生徒指導特別指導員等々を県教育委員会に配置をしておりまして、例えば暴力行為、鈴鹿とか北勢地域なんかが結構多いんですけど、いわゆる学校から市町教育委員会のほうにそういった連絡調整があって、教育委員会のほうから私ども生徒指導課のほうに生徒指導特別指導員に来ていただきたいと、そういう話があります。それで例えば中学校で極めて厳しい暴力行為が起こった場合、私どもの県警OB8名を含む生徒指導特別指導員が行きまして、生徒と実際に話をして、いろいろな内容もちゃんと理解した上でおさめてきたというふうな個別のケースなんかもあります。例えばいじめでメンタルがすごく憔悴しているというふうな児童のところへスクールカウンセラーが行って、いろいろ話をしてケアをしていくとか、不登校でなかなか学校に出れなくなったというふうな児童生徒につきましては、ソーシャルワーカーが生徒指導課から要請に基づきまして行きまして、いろいろな話を聞き、場合によっては医療機関でちょっと受診をしてというふうなところでありましたら、精神科系の医療機関にジョイントするとか、いろいろな関係機関とジョイントをして、学校へ戻ってくるような、あるいは学校へ続けて行きたくなるような状況に戻すというふうなところで、専門的な職員がそういった個別の対応をさせていただいています。

〇前野委員 いろいろ対応はやってもらっているということですけども、それで十分、教育委員会としては最善の対応をしてきたという自信を持ってますか、皆さん。

〇野村次長 限られた予算の中で目いっぱいやってるんですけど、例えば市町教育委員会からのいろいろな要望時に、スクールカウンセラーをもっとちゃんと小中学校に配置をしてやってほしいとか、あるいはソーシャルワーカー等、あるいは生徒指導特別指導員が行っても、その案件が、向こうの学校の思い、あるいは市町教育委員会の思いと若干ずれた形で対応してしまって、ちょっと違ったような対応もあるというふうな指摘も個別ではもらっておりますので、精いっぱいやっておりますが、やり方等についてはまだまだ頑張っていかなければならない部分も相当あると考えております。

〇前野委員 今、奥野委員からも言われたように、大津事案があったりとか、あるいは文部科学省からの通達があって、いじめ問題にかかわれという、そういう指導みたいなものがあったわけですよね。しかし県としては、また市町の教育委員会も、きちんと今まで対応ができてきたという自信があるんなら、今さら慌ててこういうことをやらなくても十分なわけですよね。実際に、しかし過去を振り返ってみると十分じゃなかったなという反省があるから、今やろうとしているわけでしょう。そういうふうに私は受け取れたんですが、違いますか。

〇真伏教育長 確かに、先ほど言いましたようにいろんな制約の中でやってますので、今までやってきたことが本当にパーフェクトだとは全然それは実際は思ってません。逆に言えば、すべてがパーフェクトにできるとも実際は思ってません。精いっぱいやることはやらなければならないと思いますし、できることは何でも取り組んでいきたいなと思ってますけども、そうした中で、やっぱり一定やってきたことに対する評価、それとどこに問題があったのかということについての評価を受けた改善はさらにやっていく必要があるのかなと思ってますので、今までのことをしっかり踏まえながらも、もう少し改善できるところがあれば今回の機会に改善をしていきたいというのが私たちの思いでございますので、すべてがうまくいってたというところまで自信を持って言えるところはないのが事実でございますけども、私たちもそれなりの努力はしてきたというふうには思っております。

〇前野委員 了解しました。反省の上に立って、もう一度努力をしてみようという気持ちは十分理解はできましたんで、ひとつ頑張ってください。よろしくお願いします。

〇北川委員 奥野委員の言われる話は私ももっともだなと思ってまして、なんで今この時期に臨時で常任委員会をやっていただいてと。大津市の事件もありましたから、聞くべきことはきちんと議会としても聞かないといけないかなという思いでは来たんですけれども、いろんな施策の内容も聞かせていただいてると、言葉は悪いですが、一応やることはちゃんとやってますよアピール的に聞こえるもんですからと言うと、また教育長から反論来そうですから、それはあえてまた受けさせてもらいます。
 それでもという議論をさせていただくんであれば、やっぱり今、委員と執行部の間でやりとりのあった中で教育長が言われた、さらに改善点、改善すべきところがあれば改善をというところだと思うんですが、その辺はもう少し、これからの議論になるのか、逆に言うと何かちょっとぼやっとした話に終わってるような気がしてます。
 例えば、重大な事案については県教育委員会も挙げてフォローをしていくということに書いてはいただいてるんですけれども、私は余り現場のことは細かくわからないですけれども、実際その面でイメージ的にその役割を大きく担っていただく部分は、やっぱりスクールソーシャルワーカー(SSW)の役目も大きいのかな。いじめの質も多様ですし、背景も多様ですから、そういう意味で前々からSSWの増員というのもたびたび委員会の中で議論があったと思うんですけれども、実際に本当に改善をしていて、より現場に有効な手段をと言うんであれば、SSWの増員というのも今後考えていかれるのかどうか。
 その考えを一つお聞きしておきたいのと、もう一つは、やはりその改善点という面で、文部科学省も、それから知事、教育委員長のアピールにも、学校、保護者、地域が相互に連携を深めということで書いていただいてあって、先ほどからも長田委員との議論の中にもありましたけれども、重大な事案、発生したものについて対症療法的にやる部分という対応策と、それから病気の予防と一緒で、奥野委員の言われたように、やっぱり根本的にはそういういじめはなくならないとは思うんです。でも、子どもの立場を考えると、あるいはまた重大な事案に及ぶようなことを考えると、できるだけ少なく、また軽くしていくことが必要だと思うんです。
 そういう予防ということを考えたときには、やっぱり家庭なり地域との連携というか、言葉は簡単なんですけど。それで、学力県民運動の中でもという議論もありましたけれども、もう少し具体的にこんなやり方をしていってという、これだけいじめが今議論になったところで、ある意味チャンスでもあるので、上手にPTAや、あるいは地域との連携の中で具体的に少しアクションをやってみるというのも、一つの改善点としてあってしかるべきかなというふうに思ってます。
 大津市の事件があってから、PTAの方ともいろいろ議論、話し合いをし、意見交換をさせてもらったりした中でも、やっぱり保護者同士が仲がよかったら、その子ども同士のいじめってないって聞くよねとか、そんな話も出るわけです。大津市の事件でも、じゃその加害者側の生徒の家庭はどうだったの、周りとのつながりはどうだったの、地域の中で保護者の方も含めてどんな位置関係、つながりにあったんだろうかと、そのへんはすごく疑問に思うところでもあります。
 中長期的な話ですけれども、やはり家庭や地域と学校が連携をするという意味では、学校ももっと外へ出て行っていいんじゃないかなと思うんです。私、この間から地元の自治会の連合会との懇談会があったもんですから、そこでも少しお願いさせてもらったんですが、こんな機会ですから、一度自治会の議論のテーマの中にも、子どものいじめをどう思うかとか、どんなふうに感じてるかとか、そんな事象を見たことあるかとか、そんな話もテーマとして取り上げてもらって、一度やってくださいよなんていうお話もさせてもらったんです。そういうふうに、本当に改善して何か本気でやるというんなら、そういう仕掛けも私は必要じゃないかなと思ってまして、県民運動をやってもらうのは結構なんですけども、具体的にこんなことをこのタイミングでトライしてみようかというところは一つ欲しいなと思うんですが、SSWのことも含めて少し所見がありましたら聞かせてください。

〇真伏教育長 既に、このいじめ等の問題が起こる前から、今年の当初予算からいろいろ議論もやってまして、先ほど申し上げたこの県民力ビジョンを作ったときに、一つの主な取組の中に、安心して学べる環境づくりに挑戦しますというのがあるんですけども、まさに私は地域の中であるのが学校だなと思ってますので、学校だけですべてが解決できるわけではありませんので、そういうことをきっちりやっていくためにどういう仕組みをしていったらいいのかというのをいろいろ考えていったわけです。
 その中で例えば一つは、スクールカウンセラーなんかを従前ですと拠点校に置くなり、あとは巡回しながらやるとかいろんな方法でやっていたんですけども、とりあえず生徒指導に課題のあるところの中学校区に重点といいますか、その中学校区を中心に、その傘下、中には小学校もありますので、連携してやれるような取組として、とりあえず15の中学校区を指定させていただいて、重点的な取組をさせていただこうかなというふうに思ってます。そして、その成果を見ながら、もしいい方法であれば、当然ほかの中学校区へもいずれは拡大していこうかなというふうに思っているわけなんですけども、そんな感じで、カウンセラーの数がどんどん増やせるような状況でもありませんので、一つはカウンセラーなんかを、その中で、より本当に効果的、効率的な働きをしてもらうような感じの仕組みを具体的に考えていきたいなと思ってるのが一つです。
 それともう一つは、地域の子どもたちを支えるいろんなネットワークをきちんとつくっていきましょうということで、学校だけではなしに、先ほどおっしゃった自治体の方であったりとか、教育関係の機関であったりとか、そういうところがネットワークをつくりながら、同じく問題のたくさんあるところについては、そのネットワークをきちんとつくり上げていきましょうということで、とりあえず今年度予算では10地域を指定しようかなと思って動いてます。将来的に4年間の目標ですんで、それを40地域まで広げていこうかなと思っているんですけども、そんな形で、その地域ごとの取組をやっていきたいなというふうに思ってるのが一つでございます。
 二つ目は、先ほどSSWの話もしていただいたんですけども、今4人配置をしており、たくさん要望も来てますので、その4人でできるだけその時間数も増やしながら各市町の要望には応えるようにしています。また、市町だけじゃなしに、高等学校でもいろんな課題も抱えてますので、その今の4人をできれば拡充をしていくような方向も今度の予算の中では少し整理もしていければなというふうに思ってますので、そういう取組も、今検討段階でございますけども、やってるとこでございます。
 それと、根っこの部分で、やっぱり学校というのは地域の中の学校だという認識ですね。逆に言えば、学校の中ですべてが解決できるわけじゃありませんので、学校が持ってる課題を地域に話をさせていただいて、どんな課題を抱えているかというのを明らかにしながら、そこに地域の方々のいろんな力を入れていただくというんですか、そういう形で学校が本当によくなっていくなというふうに思ってます。例えばコミュニティ・スクールの取組の話もさせてもらってますし、それから学校関係者評価という形で、そういう組織をどんどん作っていただいて、その中で地域の人たちが学校を見ていただく、それで改善をしていただくような取組も今年からどんどんやろうと思ってます。
 そのコミュニティ・スクールがいいのか、学校関係者評価がいいのかとか、地域支援本部のやり方がいいのか、いろんなやり方はあるかと思うんですけども、とにかく地域の中の学校だというのをまず認識をしてほしいなと思ってますので、何かの形で地域が学校運営にかかわってるよと、そういうのをこの4年間では県立も含めて小中学校すべての学校がもうやってますよと、そういうふうな形での取組に持っていきたいなと思ってます。そういうことも今回の県民力ビジョンの中では出させていただいてますので、それを本当に着実に進めていくことが、これからの施策を充実していく一つの方向性かなと思ってます。
 以上でございます。

〇北川委員 SSWについては少し増員も視野に入れていただいてるようですから、総合的にいろんな判断していくのには、やっぱりスクールカウンセラーの皆さん方は本当によく頑張っていただいてると思うんですけども、いろんな社会的背景も考えると、やっぱりSSWのチームで当たってもらうというのは大きなことかなと思うので、ぜひ増員の方向を考えていただきたいなと思います。
 地域とのかかわりの中で、いろいろおっしゃっていただいたので、頑張ってくださいとしか言えないですけど、これは学校現場から反発食らうかもわかりませんけども、私、校長先生なんかでももっと地域にどんどん出ていってもらいたいなと思うんです。中の仕事は大変だとは思いますけど。私はずっと医療の問題をやってきましたけども、今ほど病院の医者が地域に出ていって医療の現状を訴えたり、受診のあり方についてお願いしたり、昼夜問わず夜勤もしながら動いてる先生方が公民館へ出ていって、地域の人にコンビニ受診やめてよとか、こんな病気がはやってますといって話をしてくれるだけでも全然つながりが以前と変わりますし、住民の意識も変わりますし、やっていただいてる学校もあるのかわかりませんけれども、もっとそんな形で出ていってもらって、いろんな子どもたちの現状もお話いただいてという機会がもっとあってしかるべきじゃないかなというのは、個人的な思いとしては持ってます。
 悪いですが、ここに座ってる人間だって、自分の頭の中にあるのは自分が育ったときの学校のイメージ、プラス自分の子どもが預かってもらってた期間の学校のイメージしかないんですよ。今現在の学校がどんな様子か、子どもたちの様子はどうか、いじめのことも含めてどんなふうに変化してきてるのかなんてわかってるようでわかってないですから、そんなこともお話をいただける機会があるといいのかなというふうには思いますので、ぜひ具体的にこんな形でという提案もやっていただけたらとお願いをさせていただいて終わらせてもらいます。

〇水谷委員長 ほかにございますか。

〇藤根委員 私も今、お話を聞かせていただいて思うのは、今後の取組という部分で、今までもしっかりやってきたよと、でもこれからもしっかりやっていくよという意味での今日は提案だというふうに思ってます。今、家庭とか地域との、学校とのかかわりという部分で意見が出てましたけども、この3ページ、4ページに挙げていただいてます今後の取組の中で、やはり今回の事象があったということも踏まえて、早期発見あるいは早期対応という部分に重点が置かれているのかなというふうには思わせていただいてるんですが、今、北川委員からもありましたけども、大事なのはやはりいじめを減らしていくというところが大事なんじゃないかというふうに思うわけです。
 そうすると、早期発見、早期対応という、ここに挙げていただいている取組は大事だとは思うんですが、最後の7番に人権教育の部分を挙げていただいているんですが、実際に子どもたちが学校のクラスの中で一緒に学ぶ中からいろんなことを考えて、そして成長していくということを考えたときに、地域との関係といえば大人と子ども、大人が子どもをしっかり見ていくという部分だとは思うんですが、やはり子どもたち同士の人間関係をいかに育てていくかということを考えれば、人権教育の大事さというのは十分理解していただいていると思うんですが、もう少し、教育委員会として今後人権教育にどう取り組んでいくのかと、具体的な教材等も挙げてはいただいているんですけども、コメントもたった2行ですし、ここらあたりをどう大事に考えていくのかというところを聞かせていただきたいなというふうに思います。

〇野村次長 先ほど説明で若干はしょらせていただいたんですけど、別添の資料で27ページ、28ページが「わたしかがやく」の人権教育の教材でございます。27ページにAさん、Bさんとありますが、ちょっと要約いたしますと、Aさんは要するにいじめを受けていて、ある日限界だと思って、最後にお父さんとお母さんに話をして、それでお母さんが担任の先生に相談し、そこでクラスで話し合いをしたと、こういった内容の経験になってます。それから、右のほうのBさんですけど、Bさんはいじめの傍観者で、ひどいことだと思いながら、自分が中に入っていくと自分も嫌われるというところで、弱い自分が情けなくなってたまらなかったと、こういった材料になってます。
 そして、次のページのCさんですけど、Cさんは中学校を卒業して以来25年たったけど、自分もいじめを受けていた経験があったと。AさんとBさんの話を聞いたけど、Aさんのように、いじめなんて自分は受けていることを認めたくなかったし、心の中を誰にも知られたくなかったと。しかしながら、Aさんは両親に話をしたと。それから、Bさんは傍観者であったけど、自分が情けないと思っていたと、そういうBさんのような人がいたんだと、自分が25年前に、そういう人もいるんだ、そういう友達もいるんだということがわかっていたら、きっと違っただろうと。
 そういったところで、設問というか、クラスの児童生徒の皆さんにいろいろ人権教育の中で話をしていくということで1番、2番、3番があるんですけど、こういった、やっぱり児童生徒の間でいろいろな気づきとかきずなをもっと大事にしていくというところあたりは、しっかりやっていかなければならないと思いますんで、人権教育という目線も含めて、このいじめの対応もしっかりやっていきたいと考えております。

〇藤根委員 この教材を私も使ったことがありますので、中身についてはわかるんですけども、それぞれの学級や子どもたちの実態によって使う教材も違ってくるでしょうし、それから地域性もあって、どういう教材を使うかというのは、それぞれの教員の方が判断されて今までも取り組んでこられたというふうには思っています。
 教材をこのような形で用意していただいて、進めていただいているというのはよくわかるんですけども、やはり人権教育の進め方という部分を、その時間の確保も含めて、何か今回の部局の再編や、それから予算配分も含めてなんですが、人権といいますか、そこの分野での配慮というのはどうなのかなと。ちょっと人権教育の部分については力が弱まっていることはないのかなというようなところも少し感じているんですけども、そこのあたりはどうでしょうか。

〇川島課長 今、次長が申しましたように、今それぞれの学校におきまして、人権学習教材等を活用して、子どもたちが個々に抱えているいじめなどの教育課題の解決に向けた学習を進めさせていただいているところです。その学習の中で、今、委員がおっしゃっていただきましたように、子どもたち一人ひとりが本当にかけがえのない存在であるということに気がついていくというようなことを、それぞれの学校現場の先生方からも報告を受けております。このような学習を通して、子どもたちの人権感覚を本当に十分にはぐくんでいくことが、いじめなどの諸問題の未然防止につながるというふうに考えております。
 今後も、こういった人権学習教材であるとか、あるいは人権学習指導資料の活用の促進を通して、子どもたちの自尊感情であるとか、あるいは人権感覚を高めて、そしていじめなどのその教育課題の解決に向けた学習がより一層促進されるように、県教育委員会としても精いっぱい支援をしてまいりたいというふうに考えているところです。
 さらに、三重県人権教育基本方針に基づきまして、すべての教育活動、教育活動全体を通じて、子どもたち一人ひとりの存在や思いが大切にされる人権感覚あふれる学校づくりに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。あわせて、先ほど教育長がお話しさせていただきましたように、学びを支える環境づくりとして、学校と保護者、そして地域住民がしっかりと参画をした子ども支援ネットワークの構築を進め、いじめであるとか不登校など子どもたちを取り巻く様々な課題の解決や未然防止に向けた取組を、本年度から今後4年間に向けてしっかり取組をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。

〇藤根委員 ありがとうございます。しっかり取り組んでいただけるということで言っていただきましたので、期待をしたいというふうに思います。
 繰り返しですけども、本当にそれぞれの学校が、地域と、それから保護者としっかり、この人権教育という部分でももっと学校は外へ出るべきじゃないかなというふうにも思っていますので、地域の中での人権教育がさらにうまく推進されるような方向で進めていただけたらなというふうに思っています。
 以上です。

〇水谷委員長 ほかにございますか。

〇永田委員 いろいろ議論されてここまでいっているという、本当になかなか大変な中での御努力はよくわかりました。まさにこれは学校教育だけじゃなくて、家庭であり地域であり、総力戦の問題だろうと私は思ってます。そんな中で、学校については、確かに我々、こういうふうな場を持っていろいろと議論をさせていただく場もあります。家庭についてはどうかと、あるいは地域についてはどうかと、そういうところをどう巻き込んでいくかということが非常に大きな問題であると思うんです。
 その旗振り役がどこかないといけないと思うんです。もっとも、私、今この状況を見てて、地域の旗振りをどういうふうに持っていくかと、ここら辺はまあここでの問題で、教育委員として旗振りをどうしていくかということ、地域については難しい問題もあるかと思うんですけど、そこら辺、どういうふうに考えてらっしゃいますか。

〇小野副教育長 旗振り役ということは誰というきちんとした定義はありませんけども、やはり学校現場が地域に入ることが保護者、地域を動かすことに大きくつながっていくと考えております。実際、高校の場合でも、我々が受けていた時代の教育と違って、教員はどんどん地域あるいは家庭訪問等を行って、預かっている子どもの課題であるとか、あるいは将来のことについて積極的に話をして意識を高めていくというようなことを、我々の時代と比べましたらはるかに、何百倍と言っていいほど努力はしていると思っております。
 ただ、高校の場合は通学区域が非常に広いというようなことで、毎日のように同じ生徒のところに行けるというには物理的な、時間的な問題はありますけども、そうやって地域を動かす、あるいは保護者に働きかけていくのは、やっぱり学校の教員そのものだと、こういうふうに思っております。そして、そういうようなものをつなげないところで県教育委員会が様々な支援をするというようなことで、教育委員会の果たすべき役割は役割としてあるというふうに考えております。
 以上です。

〇永田委員 学校現場を伺ってますと、先生も毎日毎日が大変今ハードですね。あの中で、それじゃ地域でということだと、さらに時間を割いて地域に入っていかなければならないと、こういうことを今伺いますけども、実態としてそこらへんが、末端のところまで入り込んでいくという時間的な問題ね、現場はそれをきちんと果たされているんだろうかということになりますと、ちょっと私も疑問を感じるんです。非常に一生懸命にやっていただいてますよ。だけど、そこら辺は首をかしげざるを得んというのが今の私の、説明を聞いていた実感でありますが、大変な中でしょうけれども、やっぱり地域の問題は非常に大事ですし、ですからそこら辺は御多忙の中でもよろしくひとつこれはお願いしたいと、これはもうお願いです。
 それからもう一点、ちょっとだけ聞かせてほしいんですけど、出席停止ということがありましたね。7ページでしたか。深刻ないじめを行う児童生徒に対して出席停止というのがあるんです。この問題で、三重県のそういうような事案はあるんですか。

〇野村次長 出席停止につきましては学校教育法で定めておりまして、平成13年に出席停止の運用のあり方についてということで、出席停止を命じるための要件の明確化というところで、文部科学省は、そういった要件に合致した場合は、適切な場合については出席停止を教育委員会が命ずることができると言っております。先ほど説明もさせていただきましたが、全国的になかなかこの出席停止をやっている教育委員会は少のうございます。三重県は平成13年からこの平成23年まで11年間で7件、出席停止をやっておりますが、それは対教師暴力の案件が多うございまして、いじめとかそういったことで出席停止の実例はございません。
 この出席停止というのは、その児童生徒に対する懲罰ではなくて、その他の児童生徒に教育がしっかりできないという、そこをしっかりやるための一つの手段でございまして、昨日か今日の新聞でも、品川区が出席停止も、そういった案件に合った場合、ある意味積極的にやっていくというふうな記事もございましたが、そういったところで対教師暴力の案件で三重県はやっております。

〇永田委員 私もこの問題について、こんなことの事例があったら、その後どうなってるのかとお聞きしたかったので、ちょっと質問させていただきましたが、ここで、いじめの問題でということで、非常に皆さんも私も疑問を持っておりますので、この点は慎重にやっていただきたいなと思います。
 以上でございます。

〇小野副委員長 先ほどのネットの問題がございました。これからは対応を学校が直接業者から支援を受けられるような体制づくりと。実は現場で、2チャンネルなんかのいろんなサイトで、本来は出てはいけないような情報がどんどん出てまして、現場に近いところは非常に困ってらっしゃる事案もありますけれども、果たしてこれ、教育委員会が言われるように学校が直に業者にされたときに、そんなふうに効果が出るのかなと、非常に疑問に感じております。
 これは、契約がしてある業者以外のところには何の効果もないし、あるいは逆に先ほどの、県警のOB等が支援で入られるような体制もあるんであれば、本当に子どもたちの学びの環境づくりを言われるんであれば、もう少し踏み込んできちんと守っていくというような体制がとられるべきであろうというふうに思うんですが。
 それからもう一点、「かけがえのない命」の7月20日のアピールの中にもありますが、学校、保護者、地域が相互に連携を深めというふうにお話をいただいております。具体論でいいますと、ここは県教育委員会だからということで逃げられるかもしれませんが、例えば各中学校区での相談体制をする前に、開かれた学校として、各小中学校へもっとどんどん保護者や地域の皆さんを入れ込んで、子どもたちの生活も含めて学校の生活というのを外に開けて、第三者の多くの目で支えていく体制をとることが、ここのまさに言われてる相互の連携を深めるということにもなるし、多くの目で見ることで、現実のいじめとかそういうことの動きもやはり抑止ができるんではないかなと。
 私はそう思いますし、実は私自身も現場にいたときにそれをずっとやりました。長期の授業参観というのを毎年毎年繰り返して、そのかわり保護者が来たら、どの時間帯でもどこでも何でも入れるようにして、入って感想文をしっかり書いてもらう。それを学校の職員会議で取り上げてもらうというようなことで、常に一般の人の目が学校の現場、だから学校の先生は大変ですよね。授業をしながら、いろんな目が入りますから、授業参観って1日じゃないんだから、三月ぐらいずっとやるんですから、技量も問われますが、そこらへんのプレッシャーはあるけれども、やはり効果もあるわけです。これを随分いろんな学校でやっていただくようになりましたけど、やはりそういうふうな具体論でもっと踏み込んでいくような指示が、教育現場に対してあってもしかるべきではないかなというようなことを思います。この2点、お伺いしたいと思います。

〇和田課長 今御質問ありましたネットいじめの対応につきまして、ここに一部新規ということで書かせていただいたものについては、学校で様々な誹謗中傷等のいじめの書き込み等が、いじめに関するような書き込みがあった場合に、それを何とか消してほしい、消したい、学校が子どもたちからいろいろ相談があったりした場合に、これまでは学校から市町教育委員会を通して県の教育委員会に相談がありました。県の教育委員会から、今、委託業者にネット検索を委託しておりますけれども、その業者のほうに連絡をして、具体的にその書き込み等を削除するその方法等についてアドバイスを受けて、その助言を県からまた学校のほうにお伝えをするというような形で取り組んでまいりました。
 なかなかサイトによりましては削除がうまくできないもの、うまく削除依頼をするにはどのようにしたらよいのかというような具体的な方法等のアドバイスは、直接業者のほうから学校の担当者のほうに連絡をしていただくと、同時にサイトを見ながら、確認をしながら削除の要請をするというようなことができるというふうに思いましたので、今回一部そこの部分を新規にできるような形にいたしました。
 ただ、削除依頼をしても削除ができないようなもの、それから犯罪につながっていくようなもの、様々なものが実際にはあります。そういう意味では、有害情報センターと連携をしたり、物によっては警察と連携して対応するというようなものも必要になってくると思いますので、事案に応じていろんな関係機関とも連携しながら取組を進めていきたいというふうに思っております。

〇水谷委員長 もう一点。

〇野村次長 おっしゃるとおり、特に小学校のほうで保護者とか地域とやっぱり役割分担をしながら、なおかつ開かれた学校という位置づけの中で3者が連携してやっていくということは、大変重要なことだと思ってます。
 ちょっと話がずれるかもわかりませんが、特に未然防止、早期発見・対応ということで、今、義務教育、小中学校でありましたら中学校から小学校のほうへ我々の目線も移っております。そういった、例えばスクールカウンセラーは123校の小学校に配置をしておりますが、平成23年度に比べまして47校増やしております。そういったことで、中学校と小学校が連携し、小学校の高学年といった早いうちから、いろいろな課題について学校と地域と保護者、我々もちろん県教育委員会も当然支援させていただきますし、そういった目線でしっかりやっていきたいと考えております。
 以上でございます。

〇小野副委員長 ネットについては、とにかくもうちょっと踏み込んだ上で考えていただかないと、なかなか実効が上がっていかないと思います。
 それから、連携のことについては、まさに今、次長言われたように小学校のほうに踏み込んでと。私が現場にいるとき、中学校の先生は小学校に、小学校の先生は、教員免許の関係もありますが、公立の幼稚園へということで、現場の教育委員会にお願いをして、そういう人事配置をしていただきました。これは随分前、もう10年ぐらい前ですか。そういうことで、持ち上がっていく経験をしていただくことで情報の共有をしっかりやっていく。そこの中学校から各高校へ行く場合は、公立高校も含めてですが、その情報をしっかり伝えていくと。落ちこぼれを作らないようにしていくということが、子どものいじめの防止にもつながっていくというようなことで、これは現場の教育委員会でできたことです。これは県教育委員会の了解もあったんでしょうからね。
 現実にそういうふうな動きをしながらやっていくことで、先ほど教育長から説明をいただいた増員とかそういう金のかかる話ではなくて、金をかけなくても、そうやって回すことによってカバーができることもあろうかと思いますんで、またよくお考えをいただければなと思います。

〇水谷委員長 それでは、このテーマにつきましてはこれで終わりたいと思いますけれども、9月会議が始まって、10月の上旬に当委員会がございます。そのときに、所管事項の調査としてアンケート結果の報告も受けることになると思いますので、そのアンケート結果に対する具体的なアクションもさらに踏み込んで、この次、御報告いただければというふうに考えております。

  (2)「平成24年度全国学力・学習状況調査」の結果について

    ①当局から資料に基づき説明(白鳥次長)

    ②質問

〇水谷委員長 じゃ、委員の皆さんから御質問どうぞ。
 なお、このテーマにつきましては、来週、常任委員会の県外調査ということで文部科学省のほうにお伺いして、そして全国での三重県の位置づけ等、調査研究をしてまいるところでございます。

〇長田委員 8ページのところで、小学校の課題の中に、全国学力・学習状況調査等の学校全体での活用に課題があるということなんですが、ここ4年間の取組の中で、この辺のことについて、推移といいますか、改善策はどのようなことをとられて、今どうなっているのか教えてください。

〇白鳥次長 全国学力・学習状況調査の活用につきまして、この調査の意義とか趣旨とかそうしたものが、必ずしも正確に学校現場においてうまく浸透していないのではないかといった思いもございまして、特に昨年度、この全国学力・学習状況調査の趣旨、目的、そしてそのねらいという部分についてリーフレットという形で整理をして皆さんに周知をしたと。
 特に昨年度は、こうして見ると課題が出ている部分もあるんですけれども、先ほど申し上げましたように従前の調査としての実施ではないということもあって、その具体的な活用の仕方はそれぞれの学校現場の判断、あるいは市町教育委員会の判断によるところではあったんです。ただ、そうしたことを踏まえつつも、やはり県教育委員会としましては、こうした全国学力・学習状況調査は、いろいろ課題を、子どもたちの実態を、教科の部分だけでなくて、生活、そして学習状況も踏まえて総合的に把握をして、それによって課題を特定し、次のさらなる教育改善に生かしていくと、そうしたツールとして非常に有効だと考えておりますし、昨年度、そして今年度も含めて、その実施の活用と、それを受けた学校現場での改善に向けた取組をぜひ積極的に進めていただきたいということで、訴えをさせていただいてるところでございます。

〇長田委員 具体的にどういうようなことを指示されてますか。

〇白鳥次長 市町教育委員会などのいろんな集まりの場もございますし、各学校現場の教職員の方が集まる会議等もございます。そうした中で、やはりこの全国学力・学習状況調査の趣旨も含めてですけれども、あと実際にどんな問題がどんなねらいで出されているのかといったことの情報提供なりを通じて、周知を図っているというところでございます。

〇長田委員 今年の場合は、抽出だけの結果だと思うんですが、ほかのところも99%近く受けたと思うんですけれども、例えば次の9ページの市町との情報共有の中では、この今回の結果だけを情報共有していくのか、あるいはそれ以外に受けていただいたとこの情報も受けながら共有していくのか、そっちについてはいかがですか。

〇白鳥次長 基本的に、まずその時点で持っている最新の情報をやはり共有したい。そういう意味では、現時点では、この抽出調査の結果についてこうした形で出てきているところでございますので、さらにもう少し分析をしたような形で、より各市町の取組に資することができるよう、そして活用いただけるように、まずその抽出調査のところの情報の共有をしていきたい。ただ、その中で、いろいろ各市町教育委員会におきましては、その希望利用も含めて、今おっしゃっていただきましたように活用いただいております。そうした部分も含めて、様々ないろんな活用の仕方、そして課題解決に向けた取組をしていただいてるところも含めて、情報共有というのを進めていけるような形にしたいと考えております。

〇長田委員 ということは、今の段階では抽出調査のやつで情報共有をしていくということなんですが、次の段階として、独自にされた部分も含めた共有はしていく予定なんでしょうか。

〇白鳥次長 この9ページの一番上のほうにも書かせていただいておりますけども、「三重大学と連携し、児童生徒の学力・学習状況、生活状況を詳細に分析」というふうに書かせていただきました。希望利用の部分につきましては、国の実施要領によりまして市町教育委員会の判断によるというふうにされてるところでございます。そのため、それぞれのまず市町がどういった形でこの調査結果を集約、分析をしてるか、そんな状況を把握するとともに、それぞれの市町に対して、可能な限りということになりますけれども、これらの情報も共有いただけるように依頼をしていきたいというふうに考えております。

〇長田委員 そこのウのところのツールの作成・配信とあるんですが、これは抽出だけのところからこのツールを作るのか、その一歩後の今の任意のところも含めた後で最終的に作り上げるのか、このへんはいかがですか。

〇白鳥次長 分析支援ツールといいますのは、それぞれのお子さんの、お子さんといいますか、調査を受けて、市町がデータを打ち込むことによって、いろんな教科の中の領域というのもございます、その部分のどこが弱いのかというのを一覧の中でわかるような形で示せるようなツールということでございます。そこは、基本的には抽出調査の部分とあわせて、希望利用の部分も含めて、それぞれの市町がどういった場面でも活用できるようなツールとして提供しているものでございますので、そこの部分においては、抽出か希望利用かという違いは特にございません。

〇長田委員 じゃ、その分析ツールを使って分析した結果について、今後どうしていったらいいとかいう改善案を示したりは、その後される予定ですか。

〇白鳥次長 先ほどのいろんな情報共有の機会等もございます。それぞれの市町、そしてまた個別に市町の中の学校で課題として抱えてるところもあると思いますので、そうしたところの中でやはり共有すべきところを吸い上げて、県内全域で同じような課題を抱えてるところもあるとも思いますので、そうしたところを共有していくような形で考えていきたいと思っております。

〇長田委員 課題の共有はいいんですが、その解決策について県教育委員会としては何か検討する予定があるのかどうか、いかがですか。

〇白鳥次長 解決策も含めまして、具体的に課題を踏まえて、それぞれが直面している課題もあると思いますので、それに対しては県としての必要な指導、助言、そして具体的には要は支援ということですけれども、そこは行っていく。そうしたこととあわせて、先ほどの情報共有をする中で、全般的に県内のほかの市町も含めて同じような課題を抱えてるところの解決に向けた対応になるというふうに考えておるところでございます。

〇長田委員 過去にも同じようなことはこの3年間でやられてましたか。今年からですか、それは。

〇白鳥次長 まず、分析支援ツールというのは今回新しく作ったものでございます。ただ、いろんな情報共有の機会というのは、これまでもずっととってきてるところでございます。

〇長田委員 ここで、4年目か5年目かになると思うんですが、それを含めた形でなかなか上がってこないということですので、今年の場合は学力向上の県民会議も立ち上げてやっていくということですので、ぜひとも上がるような形でこの活用いただいて、来年になって少しでも進歩できたらなというふうな形の解決策といいますか、方針で臨んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

〇水谷委員長 ほかにございますか。

〇永田委員 ちょっと私もよく現場がわかりませんので教えてください。調査結果のこの数字を見てますと、全国に比べて低いわけですよね。それで、これを見てますと「三重県で比較し、割合の差が3ポイント」という、この3ポイントというのはどの程度の差があるのか、ちょっとよくわからないんですが。

〇鈴木課長 資料編のほうの29ページをごらんください。29ページの一番下の(5)のところでございますけれども、今回の抽出調査に参加をしました大体の子どもの数が入っております。小学校で約5100人、そして中学校で8500人という状況でございます。この子どもたちが回答した中の3%という割合で、人数の比較でいいますとこういう状況でとらえていただきたいと思います。

                〔「ちょっとよくわからない、理解できん」の声あり〕

〇水谷委員長 もう一回、ちゃんと説明してください。

〇白鳥次長 今ご指摘いただいたのは、特に8ページの一番上のところに3ポイントと書かせていただいたんで、その部分だと思いますけれども、ちなみに全体の状況なんですけれども、まずは教科に関していろいろ比率として示しております。7ページをごらんいただければと思うんですけれども、95%の信頼区間ということで、三重県の状況、全国の状況の対比を示しております。三重県の状況を見ますと、全国との対比の部分でいうと、大体3%以内におさまっている部分になっております。この三重県の教科に関する状況です。
 ちなみに全体で申し上げますと、資料編の33ページと34ページをごらんください。今ごらんいただいた教科に関する部分の全国すべての都道府県の状況を示しているところでございますけれども、大体この5%の範囲内にぎゅっとそれぞれの都道府県の教科の結果が出ているというところでございます。大体この5%の枠内に入っているというのが、それほど大きな差があるとは見られていないというような状況がまずございます。
 そういう意味からすると、その先ほどの3%というのがどうかというのも出てくるんですが、この3%で書かせていただいたのは、今度はこの教科に関する調査とはまた別に行われております児童生徒に対する調査であったり、また学校に対する調査についての結果になっております。一般的に、ここの児童生徒に対する調査、学校に対する調査の部分で、このパーセンテージの意味合いは、具体的に国のほうから何か統計の形で示されてるわけではないのですけれども、ただ、ほかのいろんな項目と比較してみたときに、この3%を超えているか超えていないかというところで、やはり顕著な特徴が見られるのではないかというふうに、こちらのほうでちょっと整理をさせていただいて、お示しをしているということがこの状況でございます。
 具体的にその3%を超えたら、例えば水準としてどうかということが何か明示的に示されてるものではございませんけれども、ただ、一応こういう3%というのが大きな課題が見られる例、そして優位にある例の顕著な特徴ではないかということで考えて、こういうふうに示しておるところでございます。

〇永田委員 それはぜひ、三重県として一応3%が目安になってると、こう考えていいですね。

〇白鳥次長 そのとおりでございます。

〇永田委員 もう一点だけちょっと聞かせてください。
 学校に対する調査の中で、地域に対する公表という今説明がありましたね。これはどうですか。

〇白鳥次長 具体的には、全国学力・学習状況調査の問題冊子であるとか、地方公共団体における、独自にいろんな学力調査とかをしていただいてるところもあったりする場合に、そうした結果を保護者や地域の方に公表や説明をしたかといったようなことが項目として上がっておりまして、この資料編でいいますと39ページに小学校、その39ページの3の2つ目の丸のところにございますけれども、三重県、42.7%が「よく行っている」、「行っている」と回答した割合であるのに対して、全国はそれよりかなり上回ってる64.9%でそうしたことを行っているという状況でございます。そういう意味では三重県は課題があるということでございます。
 これは、同じ傾向は中学校にも見られまして、41ページの同じ場所にありますけれども、全国57.8%であるのに対して三重県は39.5%というのが現状値でございます。

〇永田委員 よくわかりました。ありがとうございました。

〇水谷委員長 ほかにございますか。

〇奥野委員 9ページの学校、家庭、教育、様々な云々で県民運動を展開するって、これ、我々にはあまり関係ないんですよね。今までは全部、学校や教育委員会が学力向上は考えてたわけでしょう。あなた方、教育委員会や教職員がどうするかというのを考えなきゃいけない。その後でしょう、県民運動。県民運動という大げさなもんかなと思うのと、昨日もちょっと僕、わからなかったんで長田委員に聞いたんですが、これまで学力試験というのは三重県は積極的ではなかったんじゃないんですか。こういう結果が出てくるのが一番怖かったんじゃないかなという2点に対してお答えください。

〇白鳥次長 まず1点目の県民運動についてですけれども、今こうして課題として提示させていただいておりますけれども、やはり家庭での学習時間の課題、そしていろんな復習の習慣であるとか、要は生活習慣、そして学習習慣において非常に課題が見られるところでございます。当然ながら学校において様々な改善活動、具体的には授業改善、そして研修の推進、また、ここに書いておりますけれども、学校がより組織的にこうした調査結果などを活用して課題を特定して改善につなげていくといった、組織的、そして主体的にそういった改善活動を継続的にかつ行っていくといったことが、これまでも重要ですし、これは今後とも必要であるというふうに考えているところでございますけれども、先ほど申し上げた生活習慣、そして学習習慣といったところも、やはりあわせて子どもたちの学力向上に向けた取組の重要な柱になってくると考えております。
 そうしたところで、要は学校の取組とあわせて、家庭、そしてまた地域の活力も含めて合わせることで、学力向上に向けた展開をしていく。要は学校だけがやっていればいいのかというようなことでもあると思います。また、当然ながら家庭や地域の中でも、子どもたちの育ちを支えていくという部分においては非常に重要な役割がある部分であると考えておりますし、先ほどいじめのお話にもありましたけれども、子どもの育ちというのは当然学校が重要な役割を果たしますけれども、それぞれの主体が県民総参加で取り組んでいくと。この県民総参加というのは、今実施しております三重県教育ビジョンの中でも重要な柱としても打ち出してるところでございます。そうしたことの中で、学力向上に向けた取組が総合的に進めていけるようにしたいというふうに考えてるところでございます。
 学力調査の部分につきましては、平成19年度からこの学力調査というのが実施をされてるところでございます。当然ながら学力といった部分について、三重県教育ビジョンの中でも具体的な学力の育成ということで大きな目標の一つとして掲げてるところでございます。知徳体ということで、いわゆる生きる力の育成ということの中で重要な要素であるこの学力の育成についても、こうした学力調査の活用というのも進めていくことが重要であるということで考えてるところでございます。

〇奥野委員 学力試験の件なんですが、今回、県内全部受けなかったわけでしょう。そのへんはどうですか。

〇白鳥次長 100%に近いですけれども、幾つかの学校では受けていないというところはございます。

〇奥野委員 そしたら、その地域云々とこれと連携していないよね。学力向上のために地域も全部手伝ってと言いながら、学力試験がいいか悪いかは僕はわかりません。するのがいいのかしないのがいいのかはわかりませんが、だけど90%以上が受けてるわけでしょう。ということは、地域は勝手にやりなさいということでもあるわけですね。受けなくてもいいんだよ、あなたのとこは、したくなかったらしなくてもいいんだよ、それでも通っていくわけですね。

〇白鳥次長 制度上、今の受けなかったというのは、いろんな地域におきまして、いろんな自然災害による対応の部分などもあったというふうに聞いております。ただ、希望利用ということなので、最終的にはそれぞれの市町教育委員会の判断でございますけれども、私どもとしては、こうした学力調査の活用というのが、やっぱり子どもたちの学力向上に向けた非常に重要なツールであるというふうに考えておりますので、その活用について依頼をさせていただいておりますとともに、あわせて来年度はこれが悉皆調査として実施されるところでもございます。こうした状況も踏まえて、より積極的な活用については、この趣旨もきちんと御理解をいただいた形で進めていただくように、引き続き協力を求めていきたいというふうに考えております。

〇奥野委員 次長の答弁は説得力がない。もっと地域へ入って、地域を知った上で答弁していただきたいと思います。
 以上です。結構です。

〇水谷委員長 ほかにございますか。

                〔「なし」の声あり〕

〇水谷委員長 ないようでございますので、「平成24年度全国学力・学習状況調査」の結果についての調査を終わります。当局には御苦労さまでございました。

                〔当局 退室〕

 2 委員間討議

〇水谷委員長 それでは、本日調査いただいた事項について委員間討議をお願いしたいと思います。ご意見のある方はお願いします。

〇奥野委員 今も長田委員と話してたんですが、今日の委員会は、結局質問しても総論と各論とが一致していないんじゃないかなと思います。だから、この説明がちゃんと消化されていないんじゃないかなと思います。

〇水谷委員長 学習状況調査のほうですか。

〇奥野委員 両方ね。

〇水谷委員長 両方ですか。
 ほかにございますか。

〇小野副委員長 されてないということは、要するに余り説明したくないということですか。

〇奥野委員 そういうことです。

〇小野副委員長 それは本来、でも全体として指摘しないといけないことですよね。

〇奥野委員 説明しにくいんじゃないですか、非常に。前に言ったかわからんけど、町長時代に僕とこも学力が低下していろいろ問題があって、それで1年生か2年生に、加配教員を入れたことあるんですよ。それはもう教育委員会が、全然金を払ってくれてなくて、町費で行政のほうからその加配教員を雇って、小学校1年か2年の子らをやったことがあるんですよ。そしたら、行政のほうから金を入れて先生を雇おうといって、先生をリタイアした人とかをずっとリストアップしてきて面接して入れたことあるんです。だからその辺も、本当に教育委員会は、一生懸命でやってるのかなというのがちょっと疑問に感じます。だから、学力なんか、実際にはやりたくないというのが本音じゃないですか。

〇小野副委員長 逆に言うとそれを掘り起こすチャンスですね。三重県の教育を変えていくというチャンスです。

〇奥野委員 それは無理でしょう。

〇小野副委員長 いやいや、無理かどうかは努力させないと。

〇水谷委員長 いじめのほうは、この後、具体的にアクションプランというか、アンケート結果に基づくものが出てきますよね。学習、この調査は、ちょっと消化不良だったような気はしないでもないんですけど、皆さんから御意見いただけてないし、よろしいか。

〇奥野委員 今の3ポイントというのが、永田委員が3ポイントってどんなものかと言われたじゃないですか。要するに、学力の差が3ポイントでしょう。その辺の説明は、もう聞かなかったんですが、その辺ってどうなんかなと、仮に大学へ行くとかいろんな社会的なところで3ポイント差はどういう差が出てくるのかなと、その辺を具体的には説明しないじゃないですか。3ポイント差というのはこういうことなんですよということは言われなかったでしょう。だから、次長の説明は説明不足だというか説得力がないというのはそこなんですよ。

〇水谷委員長 私ども文部科学省で勉強に行った後、もう一回やりますか。例えば、理科なんかは全国ワースト3に入っちゃったみたいなんですよ。理科の支援員制度は例の事業仕分けで国の事業がなくなる方向だそうです。じゃ県単でやるべきなのかどうかとか、ちょっと具体的なこの学力を上げていく話もやらないといけないかなと思うんですけども、予算編成前ぐらいに。

〇奥野委員 理科の先生が少ないんでしょ、現実は。

〇水谷委員長 手がかかるというか、実験とかで手がかかるんですよね、藤根委員。

〇藤根委員 理科は教員が少ないです。

〇奥野委員 少ないんでしょ、たしかそうだと思う。いやいや、実際僕も感じていたのはそうなんですよ。

〇藤根委員 だから、例えば非常勤なりの配置をしようと思っても、理科の人が少ないもんですから、配置し切れない状況もあるということは聞いてます。

〇奥野委員 そうらしい。だから、当然学力落ちていきますよね。

〇永田委員 そういうのも、数字出してもらったらどうですか。

〇奥野委員 僕は、藤根委員みえるので言ったらいけないのかもしれませんが、三重県教職員組合が悪いんじゃないかなと思うんです。だから先生が来ないんですよ、やっぱり。

〇藤根委員 いや、それはないと思いますけどね。

〇奥野委員 いや、そうさ。僕は言いにくいと言ったけれども、僕が町長を11年間やっていた中で非常にやりにくいと感じました。こうしてくださいと言いに行ったって校長はよう言わないわけですよ。だからもうこれは話にならないから、私が加配教員も雇うし、おまえらもうしなくていいわと言ってやったことがあるんです。だから、やっぱり根本的にそこら辺が原因があると思う。

〇北川委員 文部科学省へ連れていっていただくということですから、そこでいろんな考え方、見解を聞かせてもらって、またいろんな判断材料にさせてもらうのがいいんじゃないですかね。私もその3%、5%ってよくわからないですわ、正直な話。
 皆さん躍起になっておられますけど、逆に言うと、ひょっとしたら、この3%というのは、例えば体重の調査を全国調査して、三重県の小中学生が、全国平均から500グラムぐらい少ないと。これはゆゆしき問題だぞと、皆食べさせてないんじゃないかといったときに、いや、そんなことでもないでしょう、食べさせてますよみたいな議論で、でもじゃ何で500グラム三重県は体重が少ないの、いやあ、何なんでしょうねみたいな話なのか、いやいや、これは何かしらいろんな条件から、数字として、常にそういう結果として出てくるものだという因果関係が出てくるものなのか。これだけとらえてもわからない話で、奥野委員言われるように、じゃ大学進学とか東京大学に何人入るのかとかいう話のとこまでいったときに、三重県って物すごく成績が悪いのかとか、そんな議論もする必要があるかないのかちょっとよくわからないんですけど、一度、文部科学省でその辺の見解をきちんと聞いてもらう。
 教育委員会は、やっぱり何だかんだ言ったって言いにくいと思いますよ。言いにくいというのは何かというと、何かやれといったら全部、奥野委員言われるように加配教員といった、人ですよ。人を持っていくしかないんですから。じゃ、そんな金どこから出てくるのかという話になりますから、議論はしたくないというのは正直なところだと思うんです。そのへんも、委員会としてどう考えていくのかという一方で、それならいじめでどうこうと言っているほうにエネルギー、人件費をつぎ込んでいくのかですよ、こういうところに人件費をつぎ込んでいくのか、いろんな考え方はあると思うんです。

〇水谷委員長 わかりました。

〇北川委員 一つだけお願いがあるんですけど、いじめの関係でその数字が出てくる中で、もし何か議論ということであれば、やっぱり現場でそういう事案に突き当ってやってもらってる、例えばSSWの増員の話もありましたけれども、チームプレーでやっていただいてるわけですから、例えば委員会でまあ。

〇水谷委員長 参考人招致をね。

〇北川委員 参考人招致で4人の方のいろんな活動なり、いろんな事例・事案を聞かせてもらって、あるいはまた市教育委員会とか幾つかピックアップして聞かせてもらって、じゃ市教育委員会とか町教育委員会とか学校現場では逆にそのために何を欲してるのかという部分なんかを具体的に聞かせてもらったりするというのも、一つの委員会としての課題かなというふうには感じてるんですけれども。

〇水谷委員長 そうですね。

〇藤根委員 先ほど8ページの調査結果のところで、割合の差が3ポイント以上というところで混乱しちゃったんですけども、この調査というのは、要は試験問題の調査の部分じゃないんです。あくまでも意識調査です。アンケート調査のほうのポイント差が3ポイント以上あるということなんです。
 だから成績ではなく、何ていうか、その点数の部分が実際に3ポイント以上あったのがこれだというんじゃないんですよ。子どもたちが答えたアンケート調査の結果、家庭学習がちょっと少ないんじゃないかというような状況のポイントの差が3ポイント以上あるのが、9ページに挙げられてる数字だということは知っておいていただきたいのと、やっぱり全国的に下回っているのは事実だというふうに思いますので、学力向上の方向は考えていかなければならないのは、僕も皆さんと同じ考えなんです。ただ、その学力向上を進めていく方向は、あくまでも三重県の子どもたちの学力はどこが問題があるのかというところで、どうしていくのかということを考えていくべきものであって、点数がいいことにこしたことはないかもわかりませんが、来年、再来年のこの点数が上がってくというのは、あくまで結果の話です。この結果を踏まえてどういう方策をとってくかということをしっかり考えていっていただきたいなと。以上です。

〇水谷委員長 じゃ、大体皆さんの意見を踏まえて今後の委員会運営を行ってまいりたいというふうに思いますので、委員協議は、じゃ一たんここで閉じさせていただきたいと思いますが、よろしいですか。

                〔「はい」の声あり〕

〇水谷委員長 これで委員間討議を終わります。

 

〔閉会の宣言〕

 

三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。

教育警察常任委員長

水 谷 正 美

ページID:000020509
ページの先頭へ