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平成24年第2回定例会 陳3

受付番号・件名 陳3 二級河川朝明川・東名阪自動車道と千代田橋及び、山分橋付近の川幅拡幅要望を求めることについて
受付年月日 平成24年7月11日
提出された
定例会
平成24年第2回定例会
所管委員会 防災県土整備企業常任委員会
項目 要旨
   八郷地区の水害は、河川の整備不良による堤防の決壊、または氾濫ではない。
   下流域における整備不良の洪水対策のため、八郷地区の本川で川幅を狭めて上流に洪水を溜め、付近の住宅地に洪水を流す洪水対策の犠牲になってきた。
   洪水の氾濫が直接本川の堤防から氾濫すれば誰も黙っていない、支川の上流から洪水が分流するカラクリ仕掛けに誰もきがつかない。
   洪水は数十年に一回、住民の無知と無関心から今日まで放置されてきたと考えている。
   住民の生命と財産の安全を脅かす問題であり、都市化が進んだ今日早急な問題解決の要望である。

理由
   朝明渓谷と天井川、
   朝明渓谷上流は地質が柔らかく土砂が流出し、急峻な三重県側と、なだらかな滋賀県側の上流は、分水嶺が扇状に滋賀県側に移動していることが地図で確認できる。
   朝明川の下流域は河川が運搬した土砂が堤防の間を埋め、河床が周囲の住宅地より一段高い天井川になっている。
   国道一号線付近は川が半分以上も埋まって浅くなり、洪水で堤防が決壊すれば市街地が土砂に埋まる大災害が心配される。
   この理由から現在は、東名阪自動車道と千代田橋及び、山分橋付近で川幅を狭めて洪水を付近の住宅地に分流し、調整して下流域の水害を守る洪水対策になっている。 

   四日市市防災マップは、
   概ね80年に1回の洪水規模の時、東名阪自動車道上流及び、山分橋北詰は2m~5m未満の水深を想定している。想定した洪水において堤防が決壊した場合のものと説明している。堤防が決壊するには原因があり、決壊の原因が明確でないと対策ができない。

   東名阪自動車道と、千代田橋について、
  三重県の資料では東名阪自動車道付近において、流下能力が概ね10年に1回生じる洪水を堤防満杯で流すことが困難な状況にあると説明している。
   昭和30年代頃に中村川の合流点から下流、住宅地までの右岸の洪水敷が埋め立てられた。特に、10年ほど前、東名阪自動車道の車線増設工事で一段と狭められ、上流に対し約10mのブロックの壁が川の中に突出した。
   千代田橋は3本の橋脚のうち2本が堤防の中に埋まり、右岸堤防が川の真ん中まで押し出して川幅が約半分に狭められている。東名阪自動車道と千代田橋は、洪水を堰止める河川構造が原因で上流に洪水が滞留すると考えている。

   山分橋について、
   現在の橋は昭和36年(1961)に竣工。この時、橋の長さが4m短くされたと聞いている。上流の山城町に六丁橋長さ66mがある。下流に6本の支川が合流するも山分橋は長さ63mと短く不自然な長さである。川も浅い、千代田橋5m・国道一号線上流の睦橋6m・山分橋は3m、山分橋も洪水を堰止める断面であり決壊の原因と考えている。
   東名阪自動車道、上流と、山分橋北詰の2m~5mの想定される水深の水量は下流域の水害を守るために調整する洪水量であると考える。

   カドサカ堤防について、
   東名阪自動車道の西、中村川の河口から約100m上流の右岸堤防と、三岐鉄道線路を結ぶ長さ約50mの堤防で、高さ50cm土盛りのコンクリートで補強の堤防がある。
   東名阪自動車道の上流は天然の調整池になり、朝明川の洪水はこの堤防から分流される。本川の堤防から洪水が直接氾濫すれば誰も黙っていない。支川の上流から洪水が分流するカラクリと、洪水は数十年に一回、住民の無知と無関心から誰も気が付かない。

   水害の犠牲になる地区は、
   中村町が調整池になり、平津町、八郷小学校と幼稚園、周辺の千代田町、山分町、大矢知町の一部が遊水地となり犠牲になる洪水対策になっている。

   平津が体験した水害、
   昭和13年(1938)洪水、三岐鉄道の三カ所の鉄橋の下に大きい穴が開いた。
   八郷小学校西で2軒の住宅が洪水に土台を洗われ損壊。ほとんどの家が浸水被害を受けたと聞いている。
   昭和49年(1974)洪水、東名阪自動車道の西側は湖のようになり、堤防道路八風街道は約80cmの冠水、中村川に架かる天白橋が損壊、道路沿いの住宅は床上30cmの浸水被害。中村川右岸の堤防道路沿いの住宅は床下浸水。
   平津町は、床上3戸、床下64戸、平津町の2/3の住宅が浸水被害(平津町報より)。
   平津川東は稲の高さ1mが完全に冠水、自動車を押し流す濁流が大河のごとく流れた。
   平津町は堤防道路八風街道と、三岐鉄道線路の間にある狭い地形の中に川幅2mの羽津用水路がある、東名阪自動車道西の樋門を閉めると排水路になり、どのような豪雨にも住宅の浸水被害は起きない地形と考えている。
   特に、平津駅前のエリアは、カドサカ堤防から分流される朝明川の洪水以外にはどこからも流れ込まない地形であり100パーセント朝明川の洪水による人災である。

   洪水の拡散と、排水設備、輪中堤が確立、
   三岐鉄道、昭和6年(1931)開業、平津町は田んぼの中に長さ5mと、3.5mの鉄橋を洪水の拡散目的で架けている。5mの鉄橋は昭和13年洪水の時、線路用地を大幅にはみ出す穴があく大水が流れた事実がある。現在は土地区画整備で埋め立てられている。
   三岐鉄道の開業が1931年であることは100年以上も昔から、洪水が平津町の住宅地に流れ込んでいたものと考えられる。
   八郷小学校東・八風街道に架かる橋と排水路。山分橋南詰の橋と排水路。
   以上3カ所の排水設備は都市化が進み現在は、洪水の排水が殆んど期待できない設備になっている。排水不良は住宅の浸水被害に大きく影響すると考えている。
   大矢知の輪中堤防、常夜燈と、市神社の間にある八風街道の掘割に板を入れ、朝明川まで住宅を洪水から守る輪中堤がある。
   道路のかさ上げで現在、常夜燈にあった片方の溝はないが堤防の機能は維持されている。

   萱生川樋門と、平津川樋門について、
   洪水の際、本川からの逆流を止める設備と聞いている。しかし、逆流は止めても支川から出てくる洪水は全て住宅地に流れ出る、水害の軽減になるのかが疑問。
   逆流の原因は本線の能力不足ではないのか、根本解決の検討が必要である。

   八郷地区の住宅地を犠牲にした洪水対策、
   都市化が進んだ今日、明治時代の田んぼの中に洪水を垂れ流す時代ではない。
   本川で川幅を狭め、支川から住宅地に洪水を分流するカラクリ仕掛け、八郷地区が安全弁になっている、黙っていれば解決しない問題と考えている。
   住民の命と暮らしを脅かす問題であり、洪水を住宅地に分流することは、河川敷にゴミを捨てる問題以上のことである。

   結び、八郷地区住民の安全を犠牲にした、洪水対策の早急な全面解決の陳情である。
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