三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成23年度 委員会会議録 > 平成23年6月16日 教育警察常任委員会 予算決算常任委員会教育警察分科会 会議録
教育警察常任委員会
予算決算常任委員会教育警察分科会
会 議 録
(開 会 中)
開催年月日 平成23年6月16日(木) 自 午前10時00分~至 午後1時58分
会 議 室 502委員会室
出席委員 8名
委 員 長 小林 正人
副委員長 後藤 健一
委 員 粟野 仁博
委 員 濱井 初男
委 員 中川 康洋
委 員 笹井 健司
委 員 稲垣 昭義
委 員 水谷 隆
欠席委員 なし
出席説明員
[教育委員会]
教 育 長 真伏 秀樹
副教育長兼経営企画分野総括室長 山口千代己
教育支援分野総括室長 服部 浩
学校教育分野総括室長 白鳥 綱重
社会教育・スポーツ分野総括室長 田畑 知治
研修分野総括室長 長野 修
教育総務室長 平野正人生
予算経理室長 加藤 正二
教育改革室長 藤田 曜久
情報・危機管理特命監 倉田 謙二
人材政策室長兼総括地域調整・人事監 木平 芳定
福利・給与室長 福本 悦蔵
学校施設室長 大森 邦彦
高校教育室長 齋藤 俊彰
小中学校教育室長 西口 晶子
特別支援教育室長 飯田 幸雄
生徒指導・健康教育室長 和田 欣子
人権教育室長 川島三由紀
特別支援学校整備特命監 東 直也
桑員地域特別支援学校開校準備特命監 鳥井 誠司
人権教育特命監 生駒 昌之
社会教育・文化財保護室長 野原 宏司
スポーツ振興室長 村木 輝行
社会教育推進特命監 小嶋 浩
研修企画・支援室長 水本 潤一
研修指導室長 辻村 大智
その他関係職員
委員会書記
議事課 主査 藤堂 恵生
企画法務課 副課長 中西 健司
傍聴議員 なし
県政記者クラブ 3名
傍 聴 者 1名
議題及び協議事項
Ⅰ 分科会(教育委員会関係)
1 議案の審査
(1)議案第7号「平成23年度三重県一般会計補正予算(第4号)」の関係分
Ⅱ 常任委員会(教育委員会関係)
1 所管事項の調査
(1)2011年版県政報告書について(関係分)
(2)三重県教育ビジョンの今後の施策展開について
(3)防災対策・防災教育の推進について
(4)平成24年度三重県立高等学校募集定員総数の策定について
(5)大規模大会の開催に向けた取組について
(6)「平成25年度全国中学校体育大会」の開催について
(7)審議会等の審議状況について
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
Ⅰ 分科会(教育委員会関係)
1 議案の審査
(1)議案第7号「平成23年度三重県一般会計補正予算(第4号)」の関係分
①当局から資料に基づき補充説明(真伏教育長)
②質疑
〇小林委員長 それではご質疑があればお願いします。
よろしいですか。
〇中川委員 確認的に、教育総務費の事務局人件費で、今回震災の財源確保に向けた取組ということで、特別職、管理職の給与の抑制措置が図られておるわけです。額にして1090万円、それでここに減額の対象者数が32名というふうにお書きいただいておるんですが、この32名というのはどこにおるどういう人なのかというのをまず確認させてください。
〇服部総括室長 今ご質問いただきました32名については、教育委員会の事務局、ここに出席をさせていただいております管理職、一部埋文の所長等もございますけれども。
〔「埋文って何や」の声あり〕
〇服部総括室長 埋蔵文化財センターの所長もございますけれども、教育委員会の事務局の管理職の分でございます。
〇中川委員 今回のこの部分に関しては、文書を出しているのは総務部なんですけども、まずこの抑制措置を図りたいという最初の決定がされたのがいつだったのか。それとその後現場で調整ができてないということで、各県立高校並びに小中学校に所属する管理職員への抑制に関しては、今回に関しては見送るという話がありました。確認的に発表されたのは何日と何日やったか教えてください。
〇服部総括室長 内部でこの給与抑制のお話がございましたのが5月の中旬、16日だったかというふうに思っております。当然、対象者には公立の学校を含むということで、当時出されました文書等については、該当者にはすべて当日には配付させていただいたわけです。その中で特に公立学校の小中学校につきましては、任命権は県の教育委員会にございますけれども、実際の服務監督等については市町の教育委員会ということでございますので、今回のその対象については議論をさせていただいた上で少しおくらせるということになってございます。
経過は以上でございます。
〇中川委員 そうすると、確認ですけれども、5月16日頃に総務部が発表したということだと理解しておるんですけども、それ以前に、例えばどこからかも含めて周知したということはあったのかなかったのか、というところがまず1点目。
それで、その16日には総務部が現場の管理職も含めて抑制するということだったんだけども、その後5月31日に総務部から文書が出て、現場の管理職に関してはやっぱり調整が必要だということで見送りになったわけです。16日以前にどういうふうに周知されていたのか、今何か当日に文書を配付したというお話がありましたけども、それとこの5月16日から31日までの間にどのような議論があったのか、具体的には例えばこれは時期尚早であるとか、認められないとか、もっと時間をかけろとかというのはどこから申し入れなり、協議、話があったのか、そのへんのところもう少し具体的に教えてください。
〇服部総括室長 1点目の5月16日以前というのは、こういったお話はございませんので、それ以前に何か具体的な動きをしているということも当然ございません。それ以降の動きでございます。
〇真伏教育長 私どももその話を総務部の方からお聞きしたのは、5月16日が最初でございます。そのときに初めてこういう形で取組をしたいと知事の方から、というか総務部の方から話がございました。それで、その場でも内容についてはいろいろ議論がありましたので、それなりの意見も言わせていただいたんです。その際に特に申し上げたのは、先程ちょっと服部総括室長も言いましたけれども、公立学校の管理職を対象にしようと思ったら、全体で624校が県下にありますので、その学校現場にきちっと説明をしようと思ったら、こういう建物の中にすべての人間が入っておるとか、地域機関の中にたくさんの人間が1カ所に固まって入っているようなところならともかく、それだけ分散しておるところに説明するだけでも大変時間がかかります。やるからにはきちっと納得をしていただく形でやりたいという思いがありましたので、一遍にそれをやっていただくのは無理ですという話をそこで申し上げさせていただきました。総務部が決定されるまでの間には、私らは教育委員会を所管する人間として、そういうことについてはきちっと対応させてほしいという話を申し上げて、最終的にはおくらせようやないかという話になったわけなんです。先程申し上げたように1つは県内にたくさん分散しておるという部分と、それから小中学校、県立は県が直でやっていますからいいんですけども、小中学校というのは給与は確かに県が負担をしていますけども、実際の服務監督というのは市町の教育委員会にございますので、やっぱり市町の教育委員会にも説明をちゃんとしておく必要があります。そういう意味合いからも少し時間的な余裕をしっかりいただきたいということで、今回の事務方といいますか、知事部局と一緒にはしなかったということでございます。
〇中川委員 そうすると、5月31日に今回調整をするがゆえに見送るという決定をしたということは、その間においてどこからかその申し入れがあったとか、意見があったとかいうよりも、県教育委員会事務局として独自にそういう判断をしたという理解でいいのかな、いろいろな現場の思いを勘案して。
〇真伏教育長 基本的にはそういう形で私どもは行動したつもりでおります。
〇中川委員 そうすると、総務部長の説明等で市町教育委員会とか校長会との調整が要るという話でしたけども、それは校長会とか市町教育委員会から意見が具体的にあったというよりは、県教育委員会がそこをそんたくしてそういう判断をしたと。それ以前に知事部局とも調整はできなくはなかったとは思うけども、知事部局が発表してしまったからこの約2週間の間で県教育委員会として現場の思いをそんたくして、総務部に対して時間をおくらせてほしいというように、県教育委員会が申し入れたという判断でいいのかな。
〇真伏教育長 16日に総務部からこの提案があった際に、その場では当然個人的な意見として申し上げたんですけども、きちっと説明するための資料も含めてそういうのを出してほしいという話をさせてもらいました。それから学校現場にちゃんと周知をするためには時間も要りますと、それは十分配慮してほしいと、みんな一緒じゃないという話もあり得ますね、という議論もさせていただきました。そういうことも発言させてもらった上で個人的にはそういう思いでおりました。それから16日に総務部が、発表して一応こういう形でやりたいという話をされました。やっぱりそれはきちっと学校現場の管理者等も周知すべきやと思いましたので、ちょっと時間的には余裕がなかったもので文書を送っただけの話になってしまったんですけども、県立学校長とかそれから市町の教育長とか小中学校の学校長ですね、そこあてには一応周知はさせていただきました。その後その各現場の方から、どうしてこんな急な話が出てくんのやとか、困るという話は当然あったわけですけれども、その以前から先程申し上げたように、ちゃんと説明するためには時間的な余裕が欲しいという話はずっとさせていただいておりました。
〇中川委員 そうすると、この件に関しては県教育委員会事務局が責任を持って、現場の県立高校並びに小中学校に対して、ないしは市町教育委員会とか校長会に対して既に今もう話もしているし、今後調整をして決定し、総務部の方にその旨、その結果を伝えると、そしてその方向で進めるという考え方でいいのかな。
〇真伏教育長 5月末に総務部が方針を決めました。その後6月に入ってから私どもも教育現場の方で同じような形の取組をお願いしようというふうに思い、それぞれ県立学校の校長会、それから小中学校の校長会とか、あとそれから市町の教育委員会へ、どうしても全体に行くわけにいきませんでしたもんで、理事会とか役員会とかそういうレベルが中心になるんですけども、そこへ出向きまして、こういう形の取組をしたいと思っておりますので、学校現場の方の管理職の方についてもご協力をお願いしたいという話をさせていただいています。今回のその目的といいますのが東日本大震災への復興支援とか、それから県内での防災対策等々ということでございますので、できれば教職員も含めてこの給与カットをする中でその財源を捻出していってそこに充てていきたいという思いは同じでございます。そういう形での説明についてはこれからも引き続きやっていきたいと思っています。
〇中川委員 管理職ではあるけれども、やっぱりちょっと教員は別なんだという意識なのかなと思って、こういう対応をしたのかなというふうに思うわけです。少し観点を変えてお聞かせ願いたいんですけれども、県立高等学校は市町教育委員会は基本的には絡まないし、そんなに校数もあるわけじゃないのに、ここぐらいは別に話をまとめてもよかったんじゃないかというふうに思うのが1つ。それと県立の高等学校にいわゆる教員という立場じゃなくて事務の畑で管理職の方がいるんじゃないかと思うんですけれども、そのへんのところどうですか。
〇真伏教育長 おっしゃるように、少し分散してやるという方法も、理屈としては考えられないことじゃないと思ったんですけども、条例上は公立学校の教職員、という話になっています。条例上1本になっておるということもあって、あえて混乱をさせないという意味からも、今回条例の単位で時期をちょっとずらそうというふうに思いましたので、あえてその県立だけいくとか、事務だけいくとか、そういうことについてはいろいろ検討した結果、そういう手段はとらなかったということでございます。
〇中川委員 そうすると、これは今後の協議になってくるんですけども、少しやっぱり総務部と教育委員会との意思疎通にそごがあったのかどうだったのかというところは、もうここで問うても仕方ないんですけども、少し混乱があったのかなというふうに思います。我々議会の側としても最初に受けた説明とそれが途中で変わってしまうというのは、本来あってはいかんのかなというふうに思うわけです。今後の話として、じゃいつ頃を目途に、県教育委員会が調整するんだと思いますけども、どこに対して今調整をしているのか。そのへんのところも明確にした上で、今回、これ議案として上がってきているわけですけども、この残った部分ですね、特に県教育委員会においては事務局の人、ここにいる人たちは今回ゴーになって、現場にいる人たちは今回少し時間が、継続的にまだ後になるということですので、やはり目途というのをひとつお示しいただくことが、議案を採決する意味においても非常に重要なポイントだというように思うんですが、そのへんのところどうですか。
〇真伏教育長 説明をさせていただくところといえば、市町の教育委員会それと学校現場でいきますと県立学校の学校長とか小中学校の学校長、それから県立学校の方の事務長ですね。そういうところに対して組織を通じた形になりますけども、引き続きお話をさせていただきたいと思っております。今現在作業は続いておりますので、できるだけ早い時期に必要な条例改正ができるようにというふうに思っております。
〇中川委員 知事がきのうのぶら下がり会見で、教職員に関しては実施日はずれ込むけども期間はほかの幹部職員と同様1年9カ月間にしたいとの考えをお示しになっていますが、このとおりでいいのかどうか、ここも確認させてください。
〇真伏教育長 知事部局の事務の方々とのバランスということも当然考えられますので、実施時期がおくれますけども、負担をしていただく総額といいますか、それについては同じように考えております。そのやり方についてはいろいろ調整をする必要があると思っていますので、協議がまだ途中でございますけども、全体の負担については公平に扱いたいと思っております。
〇中川委員 そうすると遡及させるか、例えば別のところで云々かというのは今後の話だけども、場が違うだけで額が違ってくるというのはどうかという気がしなくもないので、そこはいわゆるこの抑制措置としての1年9カ月分、そしてその職責に応じたパーセンテージというのは平等にいきたいと、やっぱり教育委員会は平等大事ですからね、ということでよろしいわけですね。
〇真伏教育長 遡及ということは多分難しいと思いますので、期間を延長するなり最後まとめて取るとか、いろいろ方法はあるかと思います。その方法についても含めていろいろ調整をさせていただきたいと思っておりますので、おっしゃるようにそのバランスはとりたいと思っております。
〇中川委員 教育委員会事務局におられる教員の立場の方々もおられるし、その方々は今回対象になる。片や現場におられる教員の方々はこの状況において今回延びる、かつ事務局におられる方々はいわゆる職員の立場であるというところを考えると、いる場所によってどの時期からスタートするかが違うというのは少しどうなのかなと思うので、早くおまとめいただいて、まとめ次第その改正案というか議案をお出しいただくということが、ひとつ大事なのかなというふうに思います。
議会は2期制でずっと開いていますので、出すのは総務部なのかここなのかよく知りませんけども、いつでもお出しいただいていいと思います。9月まで出せないとかそんなこともないと思いますから、平等にいっていただくことが大事かというふうに思います。
ひとまず終わります。
〇小林委員長 ほかにございますか。
〇後藤副委員長 1点、この子ども防災ノート(仮称)にかかわってちょっと聞かせていただきたいんです。まだその実物ができていないと、今作成中ということなんですけども、早急にやっていただいておるというふうに思いますけども、いつ頃という今後の予定、ちょっと教えていただければと思います。
それと、特別支援学校も含めてすべての児童生徒にというふうになっていますけれども、そういう障がいのある子どもたちへの配慮とか、あるいは外国人の子どもたちへの配慮とか、そのあたりはどういうふうな手だてをしていただいているのかも含めて、ちょっと聞かせていただきたいと思います。
〇倉田特命監 作成につきまして検討中でございますけれども、少なくとも10月に配布の予定を考えております。それでそこから指導をしながらおろしていくということを考えております。
それと、外国人の児童生徒に関しましては、一応現在5カ国語分を作成する予定で考えております。それを配布していきたいということです。
特別支援学校につきましても、内容的にまた工夫をする必要があると思いますけれども、それにあわせた形でのものをつくっていくと、そういうことを考えております。
〇後藤副委員長 特に特別支援学校の視覚に障がいのある子どもたち等へはどういうふうに考えてみえますか。何か配慮するというようなことなんですけれども。
〇倉田特命監 まだそこまで十分な検討がいっていないというのが実情なんですけども、今後も現場の意見とかを聞かせていただきながら実際のものをつくっていきたいと考えております。
以上です。
〇後藤副委員長 またこれからということでございます。やはりこういう何か起こったときに、子どもたちは弱い立場です。とりわけ障がいのある子どもたちだとか、それから外国の子どもたちは、特にそういう情報伝達が厳しいところに置かれますので、よろしくお願いしたいと思います。
それと、まだこれここに書いてあるだけなんですけれど、記入をしながら自分なりの防災ノートをつくっていくということなのかなというふうに思うわけです。その中で特に避難先なども、避難経路も含めまして記入することになっているんです。特に現場では既に津波を想定した避難訓練だとか、いろいろ避難先について了解を取りつけるとか、そういうことをやってみえるというふうに伺っています。学校におるとき、自宅におるときはそれなりに対応できるかと思うんですけども、いわゆる登下校時の場合は、避難先も含めてどういうふうに指導されているのか、そのへんちょっともしお考えあれば聞かせていただきたいと思います。
〇倉田特命監 防災ノートにつきまして、子ども防災ノートは仮称でございますけれども、ちょっと申し上げますと、まず自宅、それと学校、通学路を入れていただいて避難場所、そういった形で途中の経過も考えて、自分はどこへ逃げればいいかといったところまでも考えていただくことが1つかと思っております。
現在、通学途上につきましても学校の安全ということで総合学習等の時間でそれなりの指導はしております。今回の大規模な津波、地震を想定してということになりますと、またさらにそういった工夫、どんな形での指導、きちんと子どもたちが、それこそもう一気に高台に逃げていただかなければならないような事態も想定されますので、それなりの指導を今後考えていきたいと思っております。
〇山口副教育長 通学途上につきましては、学校によりまして、集団登校をやっていたりすると、避難訓練なりあるいはそういう防災訓練をやるときには、集団で考えながらという学校もあれば、集団登下校をやらずに個人で行っているところがありますので、個人については正直言いまして考えていない学校が多うございました。今回の4月8日に津波を想定した訓練も含めて防災教育をチェックするようにということを要請しておりまして、それが6月中ぐらいにまとまるかと思っております。そのあたりのことも含めて今度防災ノートをつくっていくときには、集団登下校と個人通学のあたりをきちんと整理しながら記述もしていかなければいけないし、指導もしていかなければいけないかなと思っておるところでございます。
先程特別支援学校の話が出ましたが、例えば聾学校というのは地域住民を巻き込んでぼうさい甲子園へ出て優秀賞ももらったということで、特別支援学校でも非常にいろいろなバリエーションで地域と協力しながらやっております。視覚障がいについても、例えば点訳とかそんなことも含めて、NPOとか教育委員会だけでやるんじゃなしに、あるいは防災危機管理部とか生活・文化部とか健康福祉部とか、そのあたりにも協力いただきながら紹介してもらったりしてやっていきたいと思っておるところです。
以上です。
〇後藤副委員長 特別支援学校の方は理解させていただきます。
それから、先程来話が出ております登下校時の指導、学校側が指導をするときに、例えば近くに大きなマンションがあるからとか、あるいはショッピングセンターみたいなのがあるからとか、登下校時のとき、ここへもしあれやったら逃げなさいと。それを保護者も含めて、もちろんそういう相手とも協定まではいかないでしょうけれど、了解をとりつけるとか、そこまで現場でやっているところもあるというふうに伺っています。その中で登下校時に例えば県とか国とかの高い建物があった場合に、もちろん何かあったときには受け入れますと、地域住民も受け入れますと言うんですけども、機能が別の、全体のことをしなければならないというのがそういう公の場所なんで、保護者とかにここが避難所になりますというふうに言っていただくと、それはちょっと困るというような話もあります。それについてはいかがでございますか。
〇山口副教育長 委員の今後の提案ということで、課題意識を持って、地域防災という考え方だと思うんです。この防災ノートで、学校の子どもたちだけじゃなしに、保護者、家庭がありますから、当然そこで話し合いをして、あるいは消防団の人と話をするとか、そういう中で地域防災に対する意識ができてくるということが考えられます。そのあたりについてはそれぞれの設置者である市町教育委員会であれば、消防本部なりと連携しながら、あるいは防災訓練をする中で通学途上の中で高台へ避難する場所を確保していくということも考えられます。そのあたり、この防災ノートをつくることが目的じゃなしに、そのプロセスが大事で、委員が言われたところあたりだと私は思うんですけども、そのあたりでみんなが通学途上の子どもたちがどこへ避難すればいいのかということを、高い建物も含めて高台がないんであれば、そういうことも意識啓発になって、あるいは気づきが生まれてくるんではないかと思いますので、この防災ノートはいろいろな意味で地域防災へ使えていくんじゃないかと。きのうの予算決算常任委員会の総括質疑の中でも地域のきずなづくりやという委員もみえましたけれども、そのあたりを意識して、単に危険な箇所をチェックするだけじゃなしに、どうしたら危険な箇所から逃れられるかとか、そんなところまでいけばと思っております。
以上です。
〇後藤副委員長 まずノートづくりだけに終わらないように、本当に命を自分で守るということが一番大事ですので、しっかり連携もとりながらきちっとした対応をお願いしたいと思います。
終わらせていただきます。
〇小林委員長 ほかによろしいですか。
〔「なし」の声あり〕
〇小林委員長 なければこれで本議案に対する質疑を終了いたします。
③委員間討議 なし
④討論 なし
⑤採決 議案第7号の関係分 挙手(全員) 可決
Ⅱ 常任委員会(教育委員会関係)
1 所管事項の調査
(1)2011年版県政報告書について(関係分)
①当局から資料に基づき説明(白鳥総括室長、田畑総括室長)
②質問
〇小林委員長 それではご意見等がありましたらお願いします。
〇水谷委員 2点ばかりちょっとお聞かせ願いたいんです。5ページに重点事業を構成する事業と取組内容というのがありまして、その中で(4)と(5)。信頼される教職員人材育成・自ら創る支援事業というのがあります。この5項目の中から見れば、これの結果が非常に達成率が低いと。この残った課題というところにもいろいろ書いてあるんですけども、「具体的な成果をあげている学校が見られる一方で、教職員の意識改革や教育活動の改善につながっていない学校も見受けられます」と、こういった課題というか反省が残っておるわけです。教育長もかわったばかりですから、こういったものを受けて、教育長としては今後こういう、これ人材育成というのは一番大事なところやと思うんです。この前も誰かが質問で、子どもはみんな天才であるというようなことを言っていました。そういったところで教職員の方が、これからも子どもを教育していく中において、どのようにこういうものを解決していくかということが非常に大事やと僕は思うんです。教育長のこのへんの考え方をちょっとお聞かせ願いたいです。
〇真伏教育長 まだこの後、次の三重県教育ビジョンの話でいろいろとさせていただこうと思っているんですけども、幾つかの項目で、今年少し重点的な取組をさせていただきたいというふうに実は思っております。昨年度教育ビジョンが策定をされておりますので、これから目指そうとする大きな枠組みとしての教育の方向というのはそれで示されているかと思うんです。その中でもやっぱり重点的に幾つか、市町教育委員会も一緒にうまいこと連携させていただいて、県を挙げて本当に取り組まなあかんという項目も幾つかあると思っています。
その1つは学力であったりキャリア教育だということで、またこの後説明させていただきますけれども、そういうやつをしっかり議論していただいて、市町の教育委員会も巻き込んで県挙げて取り組むような感じの枠組みをする。その中で、当然そうなってくると一番大事なのは、学校はやっぱり地域の中の学校になるべきやろうというふうに思っています。ただ単に学校が単体であるわけじゃなしに、これから学力のことをやるにしても、キャリア教育のことをするにしても、いろいろな意味で学校はやっぱり地域としっかり結びついているとか、地域社会と結びついていく中で学校というのがあるべきやと思っています。学校の経営とかそのへんの中にもいろいろな形で外部の方に入っていただくというような形で協力をしていただいて、そういう人たちの知恵が学力の向上なり、学校の経営そのものの向上につながっていくというのが一つの姿かと思っています。
そういうことをやっていこうと思うと、やっぱり学校がそもそもその地域の中でどういう学校であるべきなんやとか、学校の目指すべき姿というのがきちっととらえられていないと、住民の方に説明もできませんし、どういう面で本当に協力をしてほしいんやとか、どういう面でこれからみんなで一緒にやろうとしておるかというあたりも明確になってきません。そういうことをしっかりやっていくためにも、ここで言うておる学校経営品質とか、あと学校評価というような取組もあるんですけれども、そういうことをやっぱりシステムとして落とし込んでいくべきやろうというふうに思っています。そういうことを地道にする中で、各学校の方もやっぱりこういう取組が必要なんやというのを、私どももより一層各学校に、市町も含めて働きかけをしていきたいと思っています。そういう中でその学校自身の取組、それとそれが教職員の方の意識改革にもつながっていって、うまくいい形で回っていくというふうな取組にしていきたいと思っています。またこの後少しその点についてもご説明をさせていただきたいと思っております。
〇水谷委員 今教育長がおっしゃったように、教職員と子どもたち、そしてその地域の親御さん、あるいはそういったことに関係する人たちが、その地域のためにボランティアを含めていろいろやっておるわけです。その中でやっぱり教職員も一緒になって、大変お忙しい中でなかなか難しいところもあるんでしょうけども、そういう地域とともに教育もやっていくということが、おっしゃったように大事やと思います。我々もこういう年齢になってきて、若い先生たちを見ていると、非常に残念ながら張り合いがない例もいっぱいあるわけです。だけどこれはもう、そういう流れの中で教育をやっていかれるので、いたし方ない点があると思うんです。我々の年代と違って若い人たちはなかなか地域に溶け込むことができない、こういったところをいろいろ教育していただいてやっていかれれば非常によくなっていくというように思いますし、また精神的にも強い方がどんどん出てくるというふうに僕は思います。
それと、それに付随して地域スポーツ・競技スポーツサポート事業というのがあります。これも同じような問題なんです。やっぱり学校の先生たちが一生懸命そういったことをやってくれることによって、地域スポーツというのも栄えていく。これを見ますと一応100%ということになっております。この中身として各種研修会の実施30回、連絡協議会の実施6回と回数はきちっとやってもらっていますが、この中身がどうやということなんです。研修会の中身、要するにたくさんの方が参加してそれが充実した研修会であったかというようなことまで、ある程度検証していかないと、総合型地域スポーツクラブというものはどんどん廃れていくというように思います。そのへんはどうとらえておりますか。
〇田畑総括室長 委員からは、前回も地域スポーツの振興ということで、おっしゃるようにいわゆる研修会を、指導者とかマネジャーの方を対象にしてずっとやってきておりますけれども、必ずしもその効果が十分ではないということは課題ということで認識しております。それがうまく定着していないというところが会員数の減というようなことにもつながっているということですので、今年度も前回ご紹介いただきまして、大変研修会を開催した割には集まりが少ないということで、PRもさることながら、参加していただいておる方々に状況も聞かせていただいて、何が研修として必要なのかということも聞かせていただきながら、よりよい研修ということで進めていきたいと考えております。
以上でございます。
〇小林委員長 よろしいですか。
ほかにございませんか。
〇濱井委員 まず、7ページのこの表の中で、子どもたちの安全の確保と健康の増進というところで、朝食を毎日食べる小学生の割合が89.1%であると、こういうふうに出ておるわけでございます。これは非常に大きな問題ではなかろうかなと思うんですけども、100%を目標に立てられて89.1%ということでございますので、何らかの原因があってこういうふうなことになっているんだと思うんです。その原因、理由についての把握はされておられるでしょうか、お伺いいたします。
〇和田室長 ご質問をいただきました、朝食を毎日食べる小学生の割合ということでございます。これは小学校6年生を対象にこのアンケート調査をさせていただいておるものですけれども、毎日食べる、ほぼ毎日食べるという子どもの割合を合わせますと、ほぼ100%ということになっております。さまざまな家庭の状況がございます。健康福祉部の「早寝早起き朝ごはん」という取組を今一生懸命やっていただいておりますけれども、子どもたちが家庭でご飯が食べられるという取組を、学校もそのキャンペーンに沿う形で、子どもたちが毎日食べられるような家庭の環境、子どもたち自身も自分で朝食の準備をして食べられるという、そういう力も育てていくという両面から、子どもたちが毎日朝ご飯を食べて基本的な生活習慣を身につけた学校生活が送れるような取組を進めていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
〇濱井委員 家庭の事情によって、いろいろあるんだと思うんですけども、ほぼ食べるというのを入れますと100%ということで、ひとまず安心したんです。やはり朝食をとらないとどうしても元気が出ないといいますか、体力もつかないと思うんです。そういう意味合いでこの体力テストにおける全国平均というところへも影響するおそれもありますので、そこらへんはしっかりとまた指導の方よろしくお願いしたいと思います。
それから、次に8ページでございますけども、後段の方に県立学校の耐震補強工事を計画的に実施してきたということで、この3月31日現在の耐震化整備率につきましては96.7%という、非常に高い率になっておりますが、やはり100%を目指していただかなならんと思います。これは今年度中に達成は間違いなく行われる予定でしょうか、もう一つお伺いいたします。
〇大森室長 県立学校の100%達成は平成25年度末ということを予定しております。
〇濱井委員 平成25年度ということですけども、私はこの大震災を教訓にしますと、震度7という大きな地震でございましたけども、恐らく震度6ぐらいまでは耐えられるということで今まで想定して進んできたのかと思いますけども、少なくともやはり耐震化率は100%というところを早期に進めていく必要があるのではないかと。これは生徒の安全というのはもちろん教職員もそうでございますけども一番大事なことでありますので、できるだけ先食いといいますか前倒ししてでも、平成25年度なんて言っておらずに、私は進めていってほしいと思うんです。もう一度。
〇服部総括室長 今委員からもご質問いただいた内容でございますけれども、学校の場合どうしても工期といいますか、生徒が勉強されている中でなかなか工期をとりにくいということがございます。あと残されているものの中には解体を予定しているものとか、ほかの工事ともあわせてということもございます。私どももできるだけ早くということでこれまでも進めてございまして、これについては計画的にということで平成24、25年度で一応そのすべてを完了したいということです。そのへんの学校の事情といいますか、そういった中でこういう計画を立ててやらせていただいておるところでございまして、これ以上おくれる、当然ながらおくれることのないように着実に進めていきたいと考えております。
〇濱井委員 これ、承知しとって言うとるんですけども、確実に、着実にできるだけ早く、一応計画はそうでございますけども、早く進めていただきたいと私は思っております。あわせて9ページの後段の方に、「震災時の児童生徒、教職員等の生命の安全、地域住民の避難所としての機能を確保するため、早期に校舎等の耐震対策を完了する必要があります」と、こういうふうに出ております。
当然ながら市町との兼ね合いがありますけども、市町の中には財政難によって、そういう理由で必ずしも100%になっておらないというところがございます。しかしながら、非常に財政が厳しい市町にありましても、やはり子どもたち、教職員等の身の安全を第一に確保しなければならんということで、100%になっておるところもあるわけです。そういう観点から、もちろん統合とかそういう問題がありながら、既に済ませているところもあるわけでございますので、これは市町との連携をしながらといいますか、指導も、ある意味そういった主導的な役割といいますか、これはやはり進めていただく必要があるんではないかと私は思いますが。
〇服部総括室長 それぞれ市町の方もいろいろなご事情の中でこれまでも進めてこられた、それは委員おっしゃったとおりでございます。また市町の教育長会議とか、いろいろな場面もございます。改めて今回文部科学省からも通知が出されております。そういったことも含めて再度確認といいますか、徹底をしていきたいというふうに考えております。
〇濱井委員 ぜひ強力に、よろしくお願いいたします。
それから、8ページでございますけども、地域に貢献する人材の育成が求められておるために、高校生が地域の活性化やまちづくりへの取組に参画することにより、より一層地域と連携した教育活動を推進する必要があると、こういうことがうたわれております。高校生がここでは出ておりますけども、当然ながら小中学生に対してもこういう取組はなされております。そこで育った子どもたち、生徒が三重県に残るということはやはり必要なことだと私思うんです。そのためには就労経験、体験をしてもろてますけれども、市町なら市町の中でやっているのが通常だと思うんですけども、子どもたちがより広い、市町にはないような企業とか、もう少し大きなところとか、そういったところでも体験ができるような形を、県として何とか対象の市町、受け入れの市町と連携していただきながらそれを進めていただくことができないかなというふうに日頃思っておるんです。その対策についてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
わかりましたかな、言わんとするところが。
〇山口副教育長 実は、小中学生が対象ではございませんけれど、委員のご意見本当に大切なことだと思っております。キャリア教育・学力向上と郷土教育、そして地域とともにつくる学校教育というビジョンの具体化を検討する中でやっていきたいとは思っておるんですが、現状といたしましてはキャリア教育推進地域というのを平成22年度まで4地域ぐらい指定しまして、それで小中高で重複しないような社会体験とか職業体験とかインターンシップをやると、順を追って継続的にやるというようなことをやってきております。例えば飯南地域とかは、そういうようなことを小中高でやっております。
県が何をやっておるかというと、そういうところへ補助を出しておるということと、それからあと三重県のホームページを見ていただきますと、職業体験を受け入れてもいいという企業名が出て、地域別に入っております。県立高校の場合は、そこへ学校が入っていって、例えばフレックスがあるとか、あるいは保育所があるとかいうことを学校が検索できるんです。そういうシステムがありますので、そういうものを小中学校へ広めていけないかと。これは地域の協力、あるいは企業の協力がないとできません。そのあたり、今後委員が言われた方向で地域の企業とか、よその地域の子どもでも三重県内の子どもやったら受け入れてもいいよというような形で持っていければ、委員の言う三重県内に子どもが定着していく、あるいはいろいろな職種を経験できるというようなことになっていくと思います。意見は参考にさせていただいて、今のホームページで学校がアクセスして子どもたちがインターンシップに行けるようなのを、小中学校どこまでできるかわかりません、送り迎えが大変だと思いますので中学校レベルかなと、あるいは先生がそこへ行って指導、企業の人とどうですかという声かけもせなあかんということでございますので、そんなことも含めて今度検討していきたいと思います。そういう状況でございます。
〔「要望でございましたので」の声あり〕
〇小林委員長 よろしいですか。
ほかにございませんか。
〇中川委員 2ページの「元気1『人間力』の向上/みえの人づくり」のところから幾つか聞きたいんです。この目標に書かれている教育とは、と言っていいのかどうかわからないけども、学校教育とは、自立した一人の人間としての社会参画、それから力強く生きていける「人間力」を高めると、すごく大事だなというふうに思うわけです。やはり学校教育がそこをしっかりと担っていくということがなければ、将来社会に出たときに子どもたちが自立した生活をしていけるのかどうか。そういった意味においてはすごく、ポイントの一つとなるのが学校教育だというふうに思います。そういった観点から少しお伺いしたいんですが、まず2ページの数値目標の、学校に満足している児童生徒の割合とか、例えば5ページの重点事業のところの、30人学級をはじめとする少人数教育推進事業のところで、授業内容を理解している小中学校の児童生徒の割合ということで数字が出ておるわけです。これがほかのところと違うのは、子どもたちが満足しているかとか理解しているかという聞き方をしておるんです。これは、子どもたちに具体的にアンケートをとって聞いているのかどうか、そのへんのところをまずちょっと教えてください。
〇西口室長 ご質問いただきました件でございますけれども、学校に満足している児童生徒の割合とか、それからご指摘いただきました授業内容を理解している小中学校の児童生徒の割合ということですが、これにつきましては小学校、中学校、高等学校の児童生徒、小学校は5年生、中学校は2年生、それから高等学校も2年生という対象で、しかも小学校、中学校につきましては1割から2割程度の児童生徒に、アンケートをお願いするという形でとらせていただいた結果でございます。
〇中川委員 その中で、例えば満足しておるとかは、目標値75%なんですね。実績値も75.1%、2010年度ですけれども。授業を理解しているかどうかというのも、目標値が例えば90%、それから実績値が87.5%というふうになっているわけなんです。高等学校は義務教育ではないので少し違うのかも知れないけども、義務教育において特に小中学校は、この重点事業の目標である将来自立した一人の人間を、また力強く生きていける「人間力」を高める、要するに自立した人間を、人を育てていくんだと。これがやっぱり学校教育の大きな責務なんだと見た場合、目標値においても実績値においても、主観的に子どもたちが答えているわけだから、それはアンケートだから100%にはならないんだけども、満足の度合いだっていろいろなファクターがあると思います。学校での遊びが楽しいとか、友達といるのが楽しいとか、授業が楽しいとか先生がおもしろいとか、いろいろなファクターがあると思う。しかしここが100%でないということはやはり満足できていない、また基礎学力が理解できていない子どもたちがいると思うんです。この大きな目標から見るとそれはそれでいいというふうにはなかなかならないんじゃないかというように思うわけですけども、この部分をどうフォローし、対応していっているのか。確かに100%にならないことはわかっているんだけども、これは目標値に対してクリアしているんだからもういいんだというようなものは、この重点事業の目標、もっと言うならば学校教育の目指すべき目標、目的から見るとどうかなと思うんです。そのへんのところどう考えますか。
〇白鳥総括室長 もともとここに掲げさせていただいているその目標、人間づくり、人づくりというのは、結局これも今の学校指導要領のもとで育てていきたい児童生徒の姿として示されているところとも符合しておりまして、それはいつの時代においても正しい、目指すべき姿であるというふうに考えております。そういった点で今ここで掲げさせていただいております、学校に満足しているとか、授業内容を理解しているといった目標というのは、ご指摘ありましたように、一たんある時期に目標が達成されたからそれでいいというものではないというふうに考えております。そういう意味でいろいろな、ここに掲げさせていただいているような多様な手法を活用しながら、いかに最終的に1人の人間として学校を卒業してもなお、社会人として羽ばたいていけるような人材づくりというのをするか、常にどの時代でもその時代時代に応じた対応というのが必要であるというふうに考えております。いろいろ委員方からもご指摘をいただきながら、少人数学級であるとか、学力の定着・向上に向けたいろいろな取組であるとか、いろいろな障がい者の対応であるとか、外国人児童生徒の教育であるとか、さまざまな課題がありますけれども、相対的にそういった1人の人間として育てていけるような学校教育というのを進めてまいりたいというふうに考えております。
以上です。
〇中川委員 何で学校があるのかな、と考えた場合、家庭があり、地域があり、けれどもやっぱり学校があるということを考えた場合、そこでまさしくこの目標である、教育を施して自立した1人の人間を育て上げると、力強く生きていける人間に高めると、ここなんだろうというふうに思うんです。所管事項調査のときに教育長並びに総括室長から、今家庭での教育力が落ちている、家庭での教育環境がというお話がありました。そうなってくると余計にやっぱりここの部分って、大事になってくるのかなというふうに思うわけです。
教育委員会としては、やはりその1つの目標値を達成しなければいけない、方向性として出さないかんからいたずらに100%なんていう数字を書くことは、これは難しい問題だと思うんです。確認したいのは、間違ってもこういう数字が出たから現場の教育、もっと言うたら教員の世界の中でこういった数字を達成したからよかったという感覚は、それはないわな。教員の意識というのは、どこまでも目指すべきところはすべての子どもが、というところであるということ。ここ確認したいんですけれども、どうですか。
〇真伏教育長 私は教育長になってまだ日が大してたっていませんもんで、幾つかの学校にしか出向いてはいないんですけども、小学校なり中学校に行かせていただいたときに感じたのは、特に例えばどうしても学習についていけないような子どもさんもいらっしゃいます。そういう人たちに対しては例えば放課後、あえてその時間を設けてその時間帯に簡単なテストもしながら、どこまで本当にわかっているかというようなことを学校全体で取り組んでみえるとか、それとか週に1回そういう時間を少し長目にとって、そこでも同じようにテストしながら学習状況を確認してみえるとか、それからあと夏休み期間中とかを利用しながら、大学生の学習ボランティアなんかをお願いしたり、地域の父兄の方をお願いしてボランティア的に学習の指導をするとか、そういう形で結構取り組んでいらっしゃる実例は、いろいろ聞かせていただいています。恐らく現場の先生方というのは、まさに本当にそれぞれの子どもに寄り添った形で、どこまでわかっているんだ、理解しているんやというのを常に目配りしながらやっていただいているのかなというふうに思っています。少ない学校しか行っていませんけれども、恐らくほかの学校でもそれなりにいろいろな違いはあるかと思いますけども、いろいろな取組をしていただいていると思います。そのへんは私ら自身も今年の1つの大きなテーマに学力の向上という部分を上げていますので、しっかりそういう面も含めて学校現場の方にそういった取組が本当に全体のものになるように、一生懸命やっていきたいと思っております。
〇中川委員 その上で確認したいんですけども、3ページの上の3つ目のところに、いわゆる学校経営品質に基づいた改善活動、これは信頼される教職員人材育成・自ら創る学校支援事業というのに取り組んでいるということで、この改善活動に取り組んでいる学校の割合が、上回ってきたというふうに書かれております。どんな改善活動を現場ではしているのか、その具体的な事例を幾つかお教え願いたいのと、その成果、どんなものが出ているのか教えてください。
〇藤田室長 改善例の具体例ということですが、さまざまあります。一例、高校のことを紹介したいと思いますが、水産高校なんですけれども、水産高校では例えば学力が課題であるということに関しまして、教職員と対話を通じてその課題について気づいて、そして、じゃ具体的にどうするんだということで、例えば朝の時間を利用して基礎の学びを授業以外にもう一回やってみようとか、あるいは地域に根差した改善活動をやっていかなくちゃいけない、地域に貢献する活動が必要だということで、水産高校の特色を生かしたさまざまな取組、防災グッズの開発等、そういうことを具体的にやったりしております。そのほか、小中学校、あるいは他の県立学校においても、課題を見据えた具体的ないろいろな取組をやっているところでございます。
〇中川委員 この改善活動、現場における課題を抽出して、それに教職員みずからが取り組んでいくと。これが大事だと思うし、ひいてはそれが子どもの学力とか教育力とか学校の満足度にも、間接的に広がっていくんじゃないかなというふうに思います。やはり教職員というのが学校において、子どもたちの最大の環境だというふうに思います。その上で課題の部分で幾つかお伺いしたいんですが、4ページの残った課題のところの4つ目のところに、学校経営品質に基づいた改善活動の割合というのは増えてきたという中で、しかし公立小中学校において、学校経営品質の仕組みであるアセスメントの実施とその結果の活用が確かな定着に結びついていない状況があると。これは原因としてなぜその定着に結びついていかないのかを、どう分析しているのかお教え願いたいのと、さらにはその下にこの学校経営品質向上活動において具体的な成果を上げている学校が見られる一方で、教職員の意識改革や教育活動の改善につながっていない学校も見受けられるという話がありました。
確かな定着に結びついていない理由、要因、さらには、特にここ一番聞きたいんですが、教職員の意識改革や教育活動の改善につながっていない学校がある、その要因、このへんのところどう分析されているかお教えください。
〇藤田室長 例えば3ページをごらんいただけますでしょうか。3ページの下から2つ目のところですが、このように4年間を振り返っての評価をまとめました。県立学校や市町等教育委員会と連携しながら、校長、教頭のリーダーシップの向上や教職員への浸透を図ってきた結果、すべての県立学校と9割を超える公立小中学校において、三重県型「学校経営品質」の考え方と仕組みに基づいた学校マネジメントが行われるようになりました、というふうにしました。
これに対しまして、同ページの上のところにありますように、実際にその目標に達しなかったとのことがあるわけですけれども、これは教育改革室のアンケートが非常に細かいものになりまして、実は学校経営品質をやるに当たっては2大ツールといいまして、各学校の経営方針と、それからアセスメントシートというのがあるんです。そのアセスメントシートに従って改善活動をやっているという数字にこだわりましたものですから、上のところで書きましたように若干目標に達することができなかったわけですが、下のところにありますように、実際には学校経営品質向上活動につきましては非常に多くの学校が、何らかの形ではやっているということになっております。
したがいまして、多くの学校ではやっているわけですけれども、一部の少ない学校で残念ながらまだそこまで達していないという表現を、ちょっとまずい表現だったかもしれませんが、意識改革や教育活動の改善につながっていないという形で記述させていただいたところでございます。
〇中川委員 だから、そういうところが一部あったから書いたというんじゃなくて、そういうところがあるということで、じゃそういったところは一部あるんやけども、それは仕方ないんやというふうにはなかなかなりづらいところで、なぜそういうふうになっているのか。いわゆる教員が現場で忙しいとか、どうしてもそういった意識が醸成できるような環境にないとか、あると思うんやけれど、そこをどう分析しているか聞きたい。
〇藤田室長 システム的に実は県立学校等は非常に入りやすいところもあって、説明あるいは学校経営品質等の取組について理解を求めやすい部分があります。市町におきましては設置者が異なるという理由もありますし、それからたくさん学校があるということもありまして、そこまでまだ徹底ができていないということでございます。
ただ、このことにつきましても当然課題というふうに思っておりますので、今年は、去年からもそうですけれども、すべての市町教育委員会を訪問したり、各学校を訪問したりして、さらに理解を求めていきたいというふうに思っているところです。
〇中川委員 今後の課題として、また取り組んでいただければと。それで、まずい表現を書いたというふうにおっしゃられましたけれど、しかしそこをちゃんと受け止めて、そこに対して光を当てて解決していくと。ひいてはその成果が全体にさらにつながっていくというふうに思いますし、それがひいては満足していないとか学力において到達していない子どもたちへのフォローアップにもつながっていくのかなというふうに思うので、あえて聞かせていただきました。
研修の部分で最後に幾つかお教え願いたいんです。7ページの指標の「12207 教職員の資質の向上」の一人当たりの研修への参加回数、実績値で2.51回ということですが、数字があればで結構なんですが、全国的に見てこの三重県の教職員の研修への参加回数というのは多い方なのか少ない方なのか、このへんのところ、わかりますか。
〇長野総括室長 具体的な数字は今持ち合わせていないんですけれども、学力調査のときに同時に学校の調査もございました。そのときの調査を見ますと、三重県の教職員の研修への参加は、他県に比べると、特に秋田県とか福井県に比べると低いという状況が出ております。
〇中川委員 わかりました。高くはないということやな。忙しいんやな。
その上で、そこをさらに問うても仕方ないもんだから、1つ、わからんところで教えてもらいたいのは、その研修に関して8ページのところの、6つ目で、体系的・計画的な研修講座等の実施、これはわかるんです。しかし、その後に「組織としての学校の教育力の向上を図りました」とあるんだけども、これはこの研修の分野において、組織としての学校の教育力の向上というのはどういうことを具体的にやっているんですか。それを教えてください。
〇長野総括室長 今年、みえの教職員授業力向上支援事業というのを行っているわけですけれども、そのもとの考えとなりましたのは、子どもたちが学校で過ごす一番長い時間は授業であると、そしてその授業の満足度を高める、それを充実させるのが一番大事だということです。そのときに何が大事になるかと申しますと、小学校、中学校、高校も含めてですけども、教員が自分の授業を振り返って、そして常に改善をしていくということかと考えております。それを行うときに、1つは教員の授業力を高めるということで、今初任、5年、10年をグループに分けて研修を行っております。小グループでやっておりますけども、もう一つ学校の研修体制、OJTになるかと思いますけども、それが一番大事かと考えておりまして、学校のそういう研修をきちんと回していくということで、その指導に当たる中心になって、キーパーソンとなって研修を進める、そういう教員の養成というのも同時に行っております。そういうものをあわせて学校でのOJTがうまく回っていくようにということで考えております。
〇中川委員 今の部分、非常に大事なところかなというふうに思って聞かせていただきました。やはり教員が、自身の授業を振り返りながら常に改善していく姿勢、そのための学校内における研修を進めていく人の養成というところ、そこにその方が意識を持てば、学校内においてそれが回っていくと。中心者が意識を持って周りが受け身だったら大変だけども、けどそのスタートとしてそういうところを進めていっているんだということにおける組織としての学校の教育力の向上、これ非常に大事な視点かなというふうに思いました。
その上で、最後にその研修の提供体制ですけども、課題における9ページの下から3つ目に、教職員が学校を離れて研修を受けるのが困難だということで、より参加しやすい研修形態の講座を提供する必要があるんだということをお書きいただいておるわけです。この参加しやすい研修形態の講座の提供、例えばどんな講座を提供していこうとしているのか、内容じゃなくて形態ですね、そのへんのところ教えてください。
〇長野総括室長 現在、私ども438の講座を年間提供しておりますけども、そのうち128講座を地域において、この総合教育センター以外でやっております。ということで、まず1つは自分の職場に近いところで研修を受けていただくということでございます。2点目が、ふだん教職員の皆さんお忙しくて、なかなか研修に出かけてくるということができないので、夏季休業中に研修を集中して行うということで、努力をしております。現在長期休業中への講座の集中率というのが59.8%でございます。3点目ですけれども、いつでもどこでも、何度でも講座が受けられるということで、ウェブを使いまして、ネットDE研修というものですけれども、学校でまた家庭でも見ることができるんですけれども、一流の講師の講座を受けられます。そのような3点において進めておりまして、例えば先日の3月11日の大震災ございましたけども、ネットDE研修にもそのような講座がございまして、早速その講座を見るようにということで通知をいたしまして、効果を上げたかなというふうに思っているところでございます。
〔「かなって言わんでもいい」の声あり〕
〇長野総括室長 以上です。済みません、失礼しました。
〇中川委員 この研修のその場の提供ですよね、今ネットDE研修も含めて、これどれぐらい見ているのかというのを1回また違うところで聞いてみたいと思っておるんです。教員が常に改善していく必要性があるということで、その思いを持てるかどうかというところの話もちょっと前にありましたけども、その場の提供と同時に教職員みずからが意識の問題として、その研修を受けたいとか勉強をしたい、もっと言うならば技術の向上をしたいという、自分自身の授業力の技術の向上をしたいという、こういう思いというのを醸成していくことも非常に大事かなというふうに思うわけです。いわゆる受け身的な研修よりも主体的な研修の体制をどうつくっていくかという部分だと思うんです。この部分をどう醸成していこうとしているのかという部分と、いやいや、実はそういう思いはあるんやけども、環境が整わないからやっぱり参加しづらい状況があるんだと。それは平均的に見て研修回数が少ないというお話が最初にありましたけども、そういう思いはあるんだけども環境が整わないから、例えば現場が忙しいとか、そういった研修体制というか、研修を受ける状況になっていないんだという部分なのか、そのへんのところどう分析しますか。みんな思いは持っとんのやろうか。
〇長野総括室長 思いは持っていると思います。特に新規採用教員においては、一生懸命、教員の世界でやっていきたいと、子どもたちのためにやりたいという思いを持っていると思います。今年530名入った全員がそう思っていると思います。大切なのはそういう思いがしぼまないようにということで、5年研、10年研を私ども行っていますけども、節目、節目で、やはりそこでもう一度見直す機会を与えていくということを考えております。そういう意味で、先程も申しました授業力の向上の研修でございますけども、8名ぐらいのグループを初任、5年、10年の異なる経験の者で組織をしまして、そしてまた初任者は先輩の授業を見て、ああこうするんだなというふうにあこがれを持つ、そしてまた10年の者は自覚を持って中堅教員を目指してやっていくと。そのようなことで思いがなくなっていかないように、減らないようにということで考えております。
以上でございます。
〇中川委員 非常に丁寧な説明ありがとうございました。やっぱり最初の方はみんな思いを持っとると思うんです。今ご説明いただいた、しぼまないようにという、そこが大事なのかなと思います。常に研修をし、みずからが向上していきたいという思いをどう持ち続けていくのか。そうしてその研修を受けられるような環境を、どう現場としてつくっていくのか。それがひいてはやはり子どもたちの学力であるとか満足度にもつながっていくのかなというふうに思います。ですから少し時間がかかってしまいましたけども、体系的にお伺いをさせていただきました。
そのすべてのところが機能して、そして主体的に動いていけば、おのずと結果は出てくるのかなというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。
以上。
〇小林委員長 ほかにございませんか。
〇後藤副委員長 1点、2ページの「満足している児童生徒の割合」のパーセントに絡んでちょっとお聞きしたいんです。昨年と今年の結果は、75%というから昨年より0.6%上がっているという、数字的にはそうなっているんですけども、逆に言えば満足していない生徒が学校に25%いるということです。それで、どういう理由で満足していないのか、そのあたりはどう分析してみえるのかまずちょっと聞かせていただきたいと思います。
〇西口室長 どういう理由で満足していないかということなんですけれども、アンケートの中身はいろいろな項目がありまして、授業内容がよくわかるということも1つですし、それから勉強がわからないときに先生とか周りの人に聞くことができますかとか、困ったことがあったときに相談できるような人がいますかとか、学校で安心して学習ができますかとか、さらには学校の図書館や運動場など施設に満足をしていますかというような、いろいろなアンケート項目を質問として聞かせていただいております。
全般にその項目で見ていきますと、その中で一番子どもたちが厳しいと思って、満足の度合いが低いのは、誰かに聞く、勉強でわからないときは先生に気軽に聞くことができるのかとか、さらには困ったことがあったときに先生や友達に相談することができるのかというあたりは、ほかと比べると厳しいというような結果になっております。
以上です。
〇後藤副委員長 きちっとしたといいますか、これが一番大きな理由だとかいうような説明ではなかったんですけども、この学校に満足しているというのは単に授業が楽しいとか、できるとかわかるとかいうことも非常に私も大事だとは思うんです。もう一つの授業内容を理解している生徒の割合というのが87%ぐらいで、75%という満足している生徒の割合とはちょっと差があるわけです。その差の部分というのが一体何なのかというのは、何かお考えありますでしょうか。持っていないでしょうか。ちょっと聞かせてください。というのは、例えばここにも少人数の学級を初めとする少人数授業等をしっかりやっていただく、これは今新しい鈴木英敬知事もやるということで言っていただいておるわけですけれども、そういうきめ細かな授業を推進した結果、授業を理解している生徒が上昇しているというような表現になっております。この課題のところにもそういう基礎、基本的な知識、技能を習得させるというようなことをこれからもやるということは書かれているんですけれども、果たして授業で理解している生徒が100%になったとしても、学校に満足している生徒が100%になるのか、そのあたりをどう考えてみえるのかちょっと教えてください。
〇白鳥総括室長 今室長の方からも説明申し上げた点に、若干補足しながらご説明させていただきたいんですけれども、今回ここで学校に満足している児童生徒の割合と書かせていただいておりますのは、先程申し上げたアンケートの中で幾つか項目がありまして、それの平均をとったものでございます。その中には、授業内容についての理解とそして質問できる雰囲気、それから相談できる雰囲気、学校生活の安心感、そして目標意識の有無、それから学校施設への満足感と、これらの総合したものを平均的に見て満足している度合いとして算出しているものでございまして、満足しているかという項目で聞いているものではまずございません。ただ、そういう意味で1つの要素としまして授業内容の理解というのが項目の1つに入ってございますので、当然ながらそこだけ100%に仮に達したとしても、ほかの項目について100%に達しなければ総体として満足しているということにはならない形に今なっております。
そういう意味でご指摘のように、項目の中にもありますように、ちゃんと質問できる雰囲気があるかとか、相談できる雰囲気があるかとか、そもそも学校生活の中で安心感を持てるかといったいろいろな要素がございます。そこらへんはもう全体含めた意味での満足感というのを高められるように進めたいと考えております。
〇後藤副委員長 説明もわかるんですけども、やはり子どもが学校に満足しているというのは、学校が楽しいということです。第一に学校に行きたい、楽しい、そのためにはもちろん授業がわかるとか、できるとか楽しいということもありますけども、先程ちょっと出ていましたように、友達や先生と話ができるとか、みんなの中で自分が認められるとか、いわゆる自分という存在が役に立っているんだなということが、非常に私は大きいと思うんです。そういった意味で少人数教育を推進して、基礎・基本をしっかりと身につけて授業理解度を高めていただくと。これもちろん大事なことなんですけども、それ以外の部分もしっかりやっていかないと、学校が安心して行ける楽しいところだというふうにはなかなかなりにくいんじゃないかという気がしております。それでちょっと言わせていただいているわけなんです。
そういった意味で、自分も大事だろう、友達も大事だというのはある意味自尊感情も含めまして一般的には人権教育だとかそういうところにもつながっていく部分なんですけども、やっぱりそういうところにも力を入れていかないと、なかなか学校が楽しいところにならないのではないか。そういった意味で人権教育あたりについて、今後どの程度といいますか、どういうふうにやっていこうとされているのか。私はそういうベースになる、学力も含めたベースになる部分をしっかりやらないと、なかなか育っていかないのではないかと思うんですけども、ちょっと考えを聞かせてください。
〇白鳥総括室長 そもそも児童生徒が学校教育の中でどういった能力なり資質なりを育てるかという部分につきましては、当然ながら学力の定着・向上というのも1つあります。そのほかにもご指摘のような人権教育的な部分、つまり特にいわゆる豊かな心と言われる部分についても当然ながら確実に身につけていただきたいと考えております。ほかにも体力という部分もございますし、そうしたものを含めた総合的な人間力というのをつけるといった教育を進めてまいりたいと考えております。
〇後藤副委員長 基礎・基本の学力以外に、いろいろなファクターといいますか、あると思うので、そのうちの一つが友達同士のかかわりです。そういった人権教育といいますか、自分も大事だ、人も大事だという本当に基本的な部分、そうした力を身につけていくということがいわゆる学校満足度を高めていくことになるのではないかなと思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
終わります。
〇真伏教育長 今の副委員長のに関連するんですけども、安全・安心という言い方を私しておるんですけれども、それは学校施設が例えば耐震上安全だとか、それは当然もちろんそうなんですけれども、それにあわせて、おっしゃったように子どもがちゃんと学べるかどうかです。まず学習するという部分がありますので、その学習することについてしっかり勉強できるかという部分での、それがきちっと保障されておるかどうかという部分。それとおっしゃったように、学校の中で例えばいじめがあったり暴力なんかがあったりしてきちっと本当に学校へ行けないとか、勉強する環境が十分じゃないというのも、これはもう全然だめな話になります。そういうことも含めて安全・安心という3つの要素がきちっとそろっていくというのが、学校としての本来の姿やなと思っています。そういう意味から安全・安心な学校づくりといいますか、それも1つ目指すべき姿やなと思っています。今いろいろ言いましたけども含めて、しっかりそのへんは取組をしていきたいなと思っています。
〇小林委員長 ほかにございますでしょうか。
〇稲垣委員 7ページのところの暴力行為発生件数が、686件なんですが、課題のところで、同じ生徒が暴力行為を繰り返したりして、学校だけでは対応困難で専門家による支援とか関係機関と連携して事案の解決に当たる必要がありますというふうに上げてもらってあるんです。こういう事案に対して課題に上げてあることはもう今クリアされているのか、この専門家による支援とかいう体制が整っているのかどうかをお聞きしたいのが1点。それからその上の指導により登校できるようになった児童生徒の割合とあるんですが、これ児童なんで小学生かと思うんですけども、中学校とかのことはこういう指標には入っていないのか、入っているのか、そのあたりも教えてください。
〇和田室長 今、暴力行為の中で、同じ生徒が暴力行為を繰り返したり、そういう子どもたちへのいろいろな関係機関との連携の体制はどうかということでご質問いただいたというふうに思っております。同じ生徒が暴力行為を繰り返す、この子どもたちの背景を見ていきますと、さまざまな家庭の背景がありましたり、発達についての課題がありましたり、さまざまな要因が複雑に絡んで同じ生徒が暴力行為を繰り返すというような状況がわかってまいりました。この状況の中で、学校だけでは解決をするということが難しいことから、スクールソーシャルワーカーというものを各学校の方に派遣をいたしまして、福祉の関係部局と連携をしたり、それから医療機関と連携をしたり、さまざまな関係機関との連携をしながらこの問題を解決していくというような取組を進めてまいりました。今年度については学校問題解決サポートチームという形で福祉のソーシャルワーカーでありますとか、直接非行問題に専門的な知識のある生徒指導特別指導員でありますとか、スクールカウンセラーでありますとか、そういう専門家をチームとして派遣をして、その問題の解決に当たっていくというような支援体制を、今年度新しい事業として取組をさせていただくということで、今行っているところでございます。
2点目の不登校における指導により登校できるようになった児童生徒の割合ということでございます。この数値につきましては、小中学校含めてということでございます。不登校の児童生徒といいますのは、1年間のうち30日以上、病気以外の理由で欠席した子どもでございます。その児童生徒のうち、1年間ずっとざまざまな指導を行ってきた結果、継続的に登校できる具体的な例といたしましては、1学期は全く登校できなかったのが教育支援センターでの支援を受ける中で、特定の教科の学習には興味が持てるようになって、3学期になったら興味がある教科の授業には登校ができるようになった。こういうような例を、指導により登校できるようになった児童生徒ということで整理をさせていただいております。そのような形で、不登校の子どもたちの中で1年間さまざまな指導をしている中で登校できるようになったという子どもたちの割合ということで、そこの数値としては扱わせていただいております。
以上でございます。
〇稲垣委員 暴力行為についてはわかりました。そのチームの成果が出て、次にはいい結果が出ることを期待しております。
それから、この不登校はまた資料をできればいただきたいんですけれども、過去どのぐらいから資料があるのかわかりませんけれども、さかのぼっていただいて、小学校で何人不登校がいて、こういう対応をしたことによって登校できるようになった生徒が何人いたのかというものを、5年ぐらいでもいいんですけどさかのぼった資料をいただきたいのと、あと地域によっての偏りがあるのかどうか、例えば四日市市と伊勢市でどうだとか、そういうのがもしわかる資料があれば後でいただきたいと思います。よろしくお願いします。
最後にもう1点、美(うま)し国三重市町対抗駅伝なんです。結構もう定着してきていい取組だなと思っていますが、残念ながら走っていただくコースが北勢の方とかはありませんので、どちらかというと関心の偏りがかなりあるのかなというふうに思っています。ちなみに四日市市なんかでは結構知らない人の方が多いです。たまに新聞にチーム編成されましたと載っておって、「何の大会出るの」と言っておるような感じです。できれば今後、ここの課題にも上げていただいておるように、県民がスポーツに親しむ機会が増え、また市町の交流がより深まるよう、ということであれば、例えばいなべ市からスタートして県庁まで来るというふうにやったり、その翌年は南の方を走っていただくとか、北と南で交互にコースをやるとか、何かそんな工夫をしてもらえないかなというふうに思うんです。お考えがあればお聞かせください。
〇村木室長 美(うま)し国三重市町対抗駅伝につきましては、これで4回を実施させていただいたところでございます。このコースにつきましては、当初からいろいろなところでできないかというご意見もいただきながら来たわけでございますが、今のところ県庁をスタートして伊勢市の県営総合競技場までということでございます。
これ、コースを設定しますのは安全性の面でありますとか大変大きな課題がございます。実行委員会というものを組織して、その下の運営委員会なるものの中にコース検討部会というものを今も置いておって、その中でコースのあり方等も検討はしておるところでございます。現状のところは今の津市、伊勢市というふうなことを考えておりますけれども、ただいまご意見いただきましたことも踏まえまして、これからまだ検討部会の方でもコースのあり方等につきまして引き続き検討はしていきたいというふうには思っております。何分経費の面であるとか安全性の確保といった大きな課題がございます。大変難しい問題であるとは思いますが、引き続き検討はさせていただきたいというふうに考えております。
〇稲垣委員 安全性とか課題があるというのはもう当然でして、それを多分言い出したらこういう事業はやらない方がいいという結論になる、それが一番安全なので。でもやるということは、それをやることの意義があって、当然ここの課題に上げてもらっているように、県民にスポーツに親しんでもらって、市町全部が参加してみんな関心を持っていただくということが目的でやるということであれば、鈴木英敬知事の答弁じゃないですけれども、やるかやらんか調査するんじゃなくて、やると決めて調査をいただくということが、検討いただくことが大事やと思います。ですから、これについてもこの事業をやる意味は何なのかということを考えたら、当然北勢を走る年があり、南勢を走る年がありという、交互でやるというふうに、そのために安全性をどう確保するのかという前提で議論いただくというのは大事やと思いますので、もう一度お考えをお聞かせください。
〇村木室長 ご指摘いただきましたところにつきましても十分検討させていただきながら、今後その運営委員会の中のコース検討部会で調査をし、そしてまた検討をさせていただきたいというふうに思っております。
この駅伝につきましては県だけでなくて、三重陸上競技協会であるとか、いろいろな団体の参画のもとで成り立っております。多方面のご意見も伺いながらということになるかと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいというふうに思います。
〇稲垣委員 期待します。よろしくお願いします。
〇田畑総括室長 今のコースのこととは少し違いますけれども、やはり特定のコースになってしまうと、そこと違う地域の方については関心度が高くならないというご指摘です。1回目からかなりPRについては努めてまいりまして、例えばケーブルテレビの活用であるとか、一昨年からはライブ放送であるとかいうようなことで、かなりそういう面でいいますと触れていただけるというか、関心を持っていただける機会が増えてきたと思います。引き続いてそのへんは努力をしていきたいという感じでおります。
〇小林委員長 委員の皆さんに、ここでこの事項に関してまだご質問あられる方おられますか。
〇粟野委員 育ちのリレー推進事業で、29市町中28市町が実施されておるんです。やってない1市町というのはどちらで、予定されていたものができていないということですから、さらにどういう理由で、なぜできなかったのかというのを教えてください。
〇西口室長 育ちのリレーが28市町であったということなんですけれども、残りの1市町は私どもの事業ベースではなくて、文部科学省の方の委託事業の中で同様の事業をしているという判断を、その対象の市町教育委員会がされまして、育ちのリレーの事業には、事業ベースとしては参加はしないということですが、内容はやっているということでご了承いただきたいということでございました。
〇粟野委員 逆に伺いたいのは、この予定を立てるときにそれは最初からわかっていたことじゃないんでしょうか。
〇西口室長 4年間で29市町すべてにこれをお願いさせていただいて、小学校、中学校、それから幼稚園、保育所と連携をとった、一体となった事業というか研修会とかいろいろなことをしたいということで、当初計画を立てて進めさせていただいていたんですけれども、いろいろな事業の指定をお願いしていく中で、実施が29市町すべてに至らなかったという事情でございます。
〇粟野委員 4年前からもちろんこれ、予定されたと思うんですけれども、4年前7市町からスタートして、14市町、21市町と順々に増やしていっていただいておるんです。その実施しなかった1市町というのは4年前からその国の施策にのっとったものをやっていらっしゃったんでしょうか。
〇西口室長 その、4年前からそれに乗っておられたということはなかったんです。
〇粟野委員 であれば、目標値を策定するときに29市町はいけないということはもともとわかっておったわけですよね。
〇西口室長 最初に目標値として設定したときは29市町ということで、実施が可能であったと考えて数値の決定を立てさせていただいたところです。
〇粟野委員 実際この教育問題というのは、最初にも書いていただいておりますように、自立した人間を社会に参画させて力強く生きていけるように、人間力を高めると、三重の人づくりという縛りで頑張っていただいておるのが現実だと思います。
事実今、三重県は正直申しまして学力レベルは低いと言われております。三重県が一丸となってやっていかなあかん中で、このリレー事業が全29市町に伝わらんというのはいかがなものかなと。もちろん国のものにのっとってやるというのもいいんですけれども、ぜひその市町にも参加していただいて、みんなで情報を共有し合って、それで連携であったりきずなであったりというのを深めていく必要があるのかなというふうに考えます。
〇西口室長 おっしゃるとおりかと思って、いろいろ話をさせていただいていて、その市町教育委員会の中には、私どもがお願いしておりますその育ちのリレー推進会議なるもの、名称はやや異なっておりましたけれども、幼保小中連携のそういう推進会議も置かれていました。さらには合同研修会とか小学校それぞれの校種間の授業公開もなされておりまして、私どもの事業が目指すべき内容はその中で実施をされておりました。
〇粟野委員 概要は理解させていただきました。1つこれ、妙法的になってくるんですけれども、総体的に言いまして教育というのは、どこかで言われていましたけれども国の宝やと、子どもが国の宝だと。この子どもたちをどんどん、児童を育てていくというのが一番の目的だと思います。先程、後藤副委員長も言われておりましたように、基礎学力の向上の部分で6ページのところですけれども、小中学校の児童生徒が授業内容を理解しておるかと。約9割の児童たちが理解をされておるという回答をしておられるわけです。ということは、もちろんその学校では学習指導要領に準じて先生たちがみんな頑張って教えていただいておると。その勉強を受けた子どもたちが全国統一のテストを受けにいくとなぜか下位に来ると。客観的に見ますと学校で教えている内容というのはしっかりしていないのかなというふうにも考えざるを得ないところがあると思います。学校で教えている以外のことが共通テストに出るということは余り考えにくいと思うんです。全国でやっておる教育テストというのは、みんなが同じものを受けてくる。しかしながら三重県の、成績だけ見ると、数字で比べるのはいいか悪いか別の話ですけども、数字だけで見ると全国ではちょっと下位におると。それで三重県の学力状況はどうなんやというと、さっきの話に戻りますけれども、9割の子どもたちは学校の授業を理解しておると。その学力を持って全国にチャレンジしに行っても負けて帰ってくると。これってどうなのか。
実際にこの今の報告書だけ見させていただきますと、その学力レベルどうこうは抜きにして、ぱっとこの報告書を見させていただきますと、三重県って物すごい教育大国やというふうに思います。もうすべてにおいても実績を積んである程度進んだという回答もいただいておりますし、実際に事実そうなのかもしれません。これから日本の中で、もっと言うと世界に対して三重県の子どもたちが頑張っていくという中で、基礎学力を上げるというようなことを、今後知事も述べられておりますように、しっかりとしたビジョンを持ってやっていっていただきたいというふうに思っております。
いろいろなところでデータが出ております。例えばこれはどこがとったデータかわからないですけれども、三重県の子どもは家庭用ゲーム機をやる時間が長いとか、土日に勉強する時間が短いとか、特に親が子どもに教える時間も短いとか、これはPTAも絡めて話していかなければならないことなんでしょう。この後ビジョンの話があると思うんですが、こういったものを絡めていただいて、何とか三重県の学力レベル、子どもたちの学力レベルが全国で通用するように、もっと言うとこの三重県が日本にも羽ばたけるように、ぜひぜひビジョンを入れていっていただきたいと思っております。
私の要望で終わらせていただきます。
〇小林委員長 はい、よろしいですか。
〇笹井委員 私も教育にかかわる機会が少ないものですから、なかなかお尋ねすることも少ないですけども、一昨年の世界新体操の選手権なり、あるいは高等学校の文化祭に参加させていただいて、開会だけだったんですけども、本当に感動しました。ああした大きな大会をぜひ招致をいただきたいと思っております。昨年のスポーツマスターズもそうですけども、ああした大きな大会がやっぱり選手そのものの向上につながるし、指導者の向上にもつながるし、また一般の皆さん方のご理解も深まってくると思います。本年度はそうした主なものがあるのでしょうか、どうでしょう。
〇村木室長 特にスポーツの分野では、本年度はそういったものは予定しておりません。ご意見いただきましたように、昨年のスポーツマスターズ等につきましても、これまでですと県内の参加者が200名ぐらいであったのが、地元で開催ということで600名もの選手の方が参加をしていただくなど、そういった意味でも大いに広まりを見せたのかなというふうに考えておるところでございます。
〇笹井委員 ぜひ大きな大会を招致いただきたいと思います。
以上です。
〇小林委員長 ありがとうございます。
それでは、ただいまちょうだいいたしました意見の取りまとめにつきましては、後程委員協議でご議論いただきたいと存じます。
また、執行部におかれましては、本委員会で取りまとめた意見の回答を、後刻ご報告願います。
それではお昼になりましたので暫時休憩をいたします。
再開は1時といたしますので、よろしくお願いいたします。
(休 憩)
(2)三重県教育ビジョンの今後の施策展開について
(3)防災対策・防災教育の推進について
(4)平成24年度三重県立高等学校募集定員総数の策定について
①当局から資料に基づき説明(山口副教育長)
②質問
な し
(5)大規模大会の開催に向けた取組について
(6)「平成25年度全国中学校体育大会」の開催について
(7)審議会等の審議状況について
①当局から資料に基づき説明(田畑総括室長、山口副教育長)
②質問
〇小林委員長 それではご質問等ありましたらお願いいたします。
〇中川委員 大規模大会の開催に向けた取組について、何点かお伺いをしたいと思うんです。インターハイといわゆる国体の件が書かれておるわけですけれども、国体の件については先般の一般質問でも知事からある意味明確な答弁が出ておるわけです。それを受けて今教育委員会として今回この報告をいただいたのかなと思うんですけれども、確認的に、まずインターハイに関しては平成30年に東海ブロックで開催されると、その東海ブロックでの開催において、三重県が中心開催県となるということに関して、手を挙げていきたいというかそういう意思を持っておるということでいいのかどうかというところが1つ。それと、国体に関しては一般質問等でも知事はお話しされていますけれども、教育委員会としても平成33年に開催県として手を挙げる準備を具体的に進めていきたいという意思表示としての、今回のこのご説明ということでいいのかどうか、そのへんのところ教えてください。
〇田畑総括室長 まずインターハイの関係でございます。東海ブロックの中で29種目になる中で、いわゆる主会場ということになりますが、これ現在どういう形でするのかということを内部検討しておりまして、現時点で今委員おっしゃったような形で明確に意思をフィックスしている状況ではございません。
それと、あといわゆる国体の開催でございます。先日の本会議の答弁の中で知事がお答えしたとおり、開催に当たっては市町関係団体との協議が十分調った前提でということでございます。今その内部で検討しておる段階でございまして、その段階を経て最終的に県として、いわゆる招致に向けていくかというふうな判断が出た段階で次の段階が来ると考えております。現時点では内部検討ということでございます。
〇中川委員 例えば国体なんか市町や関係団体との協議が調ったということが前提でということですが、その前提がありながらも内部で詰めているということは、その意思はあると、県として意思があって市町なり関係のところと詰めているという、そういう認識でいいわけやね。
〇真伏教育長 国民体育大会については、前回、昭和50年にもやっていますけども、その実際の開催のときには知事部局の方で国体局をつくってやっていただいたということもあって、とりあえずスポーツ関係は教育委員会で今は所管させてもらっていますので、いろいろな調整の方はさせていただこうかと思っていますけれども、最終的にそのへんの調整が調ったら知事とも相談をさせていただいて、正式な表明といいますか、手続等に移行していくことになるのかなと思っています。そのへんある程度腹を持ってやっているということでご理解いただければと思います。
〇中川委員 その上で今日の説明というのは、インターハイと国体には手を挙げていくのかどうかというとこと、あわせてそれに伴って必要となるこの施設整備をどうしていくのかというところを中心にお書きいただいておるのかなと。要するに選手の育成とかそういったところに関しては余り触れられていないと思うんです。やはり開催をするとなった以上、その施設をどのように整備していくかということは非常に大事な問題であり、またこれはハード的な問題だから計画性を持って時間をかけてやっていく必要もあるというように思うんです。ここでは市町のスポーツ施設の整備状況も考慮しつつというふうにお書きいただいておるわけですけども、この三重県営スポーツ施設整備方針に関して、例えば県営に限らず市町も含めて、ないしは例えば各種いろいろな競技団体があるわけですけども、その協議団体とか連盟が実質的に運営しておる、そういった施設なんかも県内にはあるのではないかなと思うわけです。そういった施設も含めてこの整備方針は進めていきたいというか検討していきたいというふうにとらえていいのか。
というのは、一般的なグラウンドとか体育館とかいうのはいろいろなところにあって、どこを選ぶかということになるわけですけども、非常に特殊性のある競技なんかもあったりすると思うんです。そういったところに関しては、下手すると昭和50年以降余り手が入れられていなくて、今もって使われているというような施設もあると思うんです。そういったところも含めてこの施設整備方針には入れ込んで考えていきたいという理解でいいのかどうか、そのへん教えてください。
〇田畑総括室長 何点かご質問いただいたわけですけれども、まず大規模大会を開催するに当たって、委員ご指摘のとおり施設整備が当然必要になってまいります。
それで、例えば国体で言うならば前回のときもそうです、ほかの県もそうですけれども、県営施設ですべて対応しているわけではございません。市町とかそういった施設も十分活用しながら大会運営をしておりますので、そのような状況把握が必要であるという前提でございます。それで県営の施設整備方針につきましては、ここに書いてございますように、1つは大規模大会というものが想定されますので、当然それを見据えたような考え方が必要でございます。その一方で県民の方がスポーツをする、あるいは見ていただくというふうな観点も必要でございますので、そういった総合的な観点で改訂の見直しということは考えております。
それと、あと市町あるいは民間の施設等々につきましては、そういうふうな全体の状況把握の中で、どのような形でこの中に反映していくのか、あくまでも県営施設整備方針でございますので、そのあたりについてはよく整理していく必要があるのではないかというふうに思っております。
〇中川委員 今最後におっしゃっていただいた、県営スポーツ施設整備方針ではありますけども、仮に大規模大会となってくると、そこに限らずに開催の場所も含めて検討していく必要があるのかなと思います。この内容に限らず広く、当然やるかやらんかというところをまず決めることが必要ですが、この審議会のところでも施設が見劣りするというような意見なんかも書かれておるところを考えると、広く検討していっていただきたいと思います。
最後に、この改訂をいつ頃ぐらいまでにしようとなされているのか、それとこの施設整備方針というのはその実施期間みたいなものは設けるのか、僕ちょっとよくわからないもんだから教えてください。
〇田畑総括室長 作業についてはスポーツ振興の場合、スポーツ振興審議会というものがございますので、そういう方々の意見もいただきながら進めていくということを考えております。時期につきましては作業の進展状況もございますので明確に申し上げられませんけれども、例えば12月とか、一定の時期に可能であればそういうふうな作業を整えたいというふうに考えております。
〇中川委員 ありがとうございました。
〇小林委員長 ほかにございませんか。
〇水谷委員 大規模大会の開催ということは、今中川委員がお聞きしたとおりでしょうけれども、本当に鈴鹿市の県営スポーツガーデンでも立派なものがあるんです。あれも例えばサッカー場でも中途半端な施設になっていると、国際大会が開けないと、こういうような状況になっているのが三重県は非常に多いわけです。そういったことを早目に施設の整備ということで、既存のものを改造していくということをどんどんやっていかないと、新規というのはなかなか難しいでしょうから、これをぜひお願いしたいと。
それと、中体連の大会ですけども、平成25年度ということですのでもう既にこれ決まっておるんでしょうけども、実施種目とか場所、例えば三重県は、3つの非常にマイナーなスポーツばかりです、僕にとっては。中学校で柔道やったって少ないでしょう。これも少ないやろ、これも。それは置いておいて、先程、稲垣委員も言ったように北勢地域の開催というのは非常に少ない。大体真ん中から皆南へ行くのが多いんです。去年まで知事がそうやったからしようがないんだけれど、今年からはというかそういったことも含めて、人口の多いところにも何か1つ持ってこなあかんと思う。桑員地域あるいは、四日市市、鈴鹿市、特に施設も多いんです。先程マイナーなんて失礼なことを言いましたけども、別にそういったことも含めて、協議を、バランスをとったやり方をしていかないとあかんと思うんです。もうこれ決まっているわけでしょう、平成25年やから。そんなことも含めてこれからは全体的にバランスのとれた開催、あるいは施設をつくる場所、こういったことも含めて検討していきたいというように思いますので、よろしくお願いします。
何か意見があれば。
〇真伏教育長 先程ちょっと説明の方は省略した格好になっていますけど、22、23ページにその楕円の図の三重県スポーツ振興計画というのを、策定させていただいています。そこにいろいろな体系等を掲げさせてもらっていますけども、大きくは23ページにありますように4つの柱でいろいろやっていこうということでございます。特にスポーツそのものを地域の活力づくりにも当然使っていくことにもなりましょうし、それからいろいろな形で夢づくりであったりとか、いろいろな形でスポーツを1つの柱にしながら取組をしていきたいというふうに思っています。
その中で、先程の中川委員からの質問とも関連するんですけれども、今の県が持っています県営スポーツ施設の整備方針については、当然県営ということで昭和63年につくったものがあるわけなんです。これからは市町の整備の状況等もありますので、そのへんに逆に県営で持っている部分ですね、それとこれからいろいろ誘致をしたりとか、いろいろ大きな大会を持ってこようと思ったときに必要となる施設等もあろうかと思います。そのへんをどんな感じで整備していくんやということを、必ずしも県が全部整備する必要はないなというふうにも思っていますので、どんな形でやっていくんだというあたりも少しにらみながら、恐らく国体を平成33年にもしやるとすれば、大体そのへんぐらいのことを想定しながら施設整備等もやっていくことになると思います。そういうことをずっとあわせながらスポーツ全体の取組といいますか、地域の活力になるようなスポーツですね、そういうことも含めた形での全体の姿を少し出していければと思っています。そういう観点からいろいろな検討もさせていただきたいと思っております。
〇水谷委員 こういうスポーツの振興計画の施策体系というのをつくってもらって、いろいろ考えられておるというふうに思っております。やっぱりスポーツでは、施設は当然大事です。これを使っていかに競技力を上げていくか。また見るということも大事なんです。サッカーにおいても国際大会ができないような状況では、なかなかすばらしいスポーツを見ることができないので、そういったことも含めて、これからの計画の中で検討していただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
以上です。
〇稲垣委員 関連して、同じく中体連のところでさっき水谷委員も言われて、これはもう決定していますということであれなんですけれど、決定の過程の中で、例えば先程も出ていた鈴鹿スポーツガーデンなんかは三重県として最も集中投下をしてきておるし、宿泊施設も兼ね備えているところだが、施設として選んでいないのは何か理由があるのか。そこを選ぶ予定だった種目を他県にとられたのか、ちょっとそのあたりの背景だけ教えてもらえますか。
〇村木室長 全国中学校体育大会につきましては、まずこの16の競技を東海4県で輪番に回していくということが、東海4県の中学校体育連盟の中で取り決めをされております。実は以前に三重県で開催したときには、水泳・剣道・バレーボールといった3種目を開催しておるんですけれども、今回はそういう種目の輪番の中で新体操・ソフトボール、そして柔道という種目になったという経緯がございます。またこの会場等につきましてはそれぞれ中体連の中のいろいろな事情も含みながらこういった会場に決めていったということでございます。
〇稲垣委員 そうすると、三重県は3つと決まっているんですか。
〇村木室長 現時点におきましては、過去からこの東海4県の中で三重県は3競技を持つとどうも取り決めがされておるというふうに伺っております。
〇稲垣委員 愛知県が5つで三重県が3つであとが4つというやつは、これは三重県が今まで3つでずっと黙っておったんかどうか知らないですけど、これから、やっぱり4、4だろうという主張を、過去にしてもらっても受け入れられていないのかちょっとわからないですけど、ぜひしてもらうべきだと思います。今後のこともあるので、インターハイをこれから東海ブロックでやるという形になると、中体連で三重県は3つやからまた今度も三重県は3つで、みたいな話に、一番少なくていいというような、何か先入観というか前提が置かれるというのは困るので、そこはぜひとも主張してほしいと思います。
それと、さっきの説明で鈴鹿スポーツガーデンを使わない理由は、使いたかったけど使えなかったのか、そもそも念頭になかったのか、そのあたりどうなんですか。
〇村木室長 今回行いますこの3つの種目が、鈴鹿スポーツガーデンの施設にはちょっとそぐわないという理由からでございます。前回の体操、水泳あたりは鈴鹿スポーツガーデンを使っておるんですけども、そういう理由でございます。
〇稲垣委員 宿泊施設ぐらいは使えるかもわかりませんので、ぜひ鈴鹿スポーツガーデンを、スポーツ施設としてこの方らがみえたときの滞在場所等々にまた使っていただければなと思います。せっかくああいう形で整備してきているので、あそこを発信していくということも県としてやっていただく必要があるのかなと思いますので、ぜひよろしくお願いします。ぜひともこの、3、5、4、4で納得しておるようなことがこれからないように、よろしくお願いいたします。
〇村木室長 特にこの後平成30年には東海ブロックで全国高校総体ということもございます。そういったところの種目の割り振り等につきましても、ただいまいただきましたご意見を十分参考にさせていただきながら、いろいろ検討をしてまいりたいというふうに思います。どうもありがとうござました。
〇小林委員長 ほかにございませんか。
〔「なし」の声あり〕
〇小林委員長 よろしいですか。
なければこれで大規模大会の開催に向けた取組について、「平成25年度全国中学校体育大会」の開催について及び審議会等の審議状況についての調査を終わります。
(8)その他
〇小林委員長 最後に、これまで議論された調査項目以外で特にございましたら、ご発言をお願いします。
〇山口副教育長 申し訳ございません、先週6月7日から9日あたりにかけまして、本県の教員採用試験の問題につきまして、新聞等の報道がございましたので、ここでご報告させていただきたいと思います。
まず、事案の概要でございます。本年5月末以降、報道各社から平成18年度に実施いたしました教員採用試験の高校理科の問題が大学入試の過去の問題と酷似している、よく似ている旨の取材がございました。平成18年度に実施した問題ですから、平成19年度に外部の方から同様の指摘があり、その内容は大学入試問題と非常によく似ている点、当該問題の出題にミスがある点、この2点でございました。当時確認した結果、設問中の用語にミス、C60とすべきところを炭素原子として出題したミスがあり、回答の選択肢に正解がないことが判明いたしました。このため受験者全員、27名でございましたが、全員を正答と扱うこととして採点をやり直しましたが、合否判定に影響はございませんでした。そのことについては受験生にも連絡したところでございます。
次に、過去の大学の入試問題の活用につきましては、平成18年度の当該問題はほぼそのままの引用となっており、著作権法上の問題はないのですが、いろいろ指摘を受けるということで、教員採用試験の問題としてより適切なものとするために改善を図ってきました。その後の改善対応でございますが、試験問題は教職員の協力を得て教育委員会で作成しています。出題分野や問い方、難易度などさまざまな観点で検討を重ねますが、教科や項目によっては大学の過去の入試問題を参考とする場合もあります。こうした中で、平成20年度以降に実施いたしました問題の作成に際しましては、過去の大学入試問題をそのまま使用しないこと、もし参考とした場合はその資料を添付することを徹底し、過去の問題を参考とした場合もより適切な問題となるように取り組んでいるところでございます。
また、問題の作成点検については、従来は原案作成、原案検討、問題案点検の3段階でございましたが、さらに問題案を解いて確認する段階を増やし、4段階と改善したところでございます。
今後の対応でございますが、今後とも公正で公平な試験の実施に努めてまいりますので、何とぞご了解をよろしくお願いしたいと思います。
〇中川委員 今の説明、非常に唐突だったんですけども、資料何もない。資料がない中で今説明されても、新聞記事を読んでいる人はいいかもしれんけれど、読んでいない人はさっぱりわからへん。これ資料なしで、これでもう終わりですか。
〇小林委員長 資料はありますか、ないですか。
〔「用意してございません」の声あり〕
〇中川委員 全然今の説明はわからない。新聞記事を読んでいて理解している人はそういうことかと思いますけど、これ全紙に出た話ですか。それで今説明したということは、この委員会に説明の必要があるという理解でやっていただいたと思うんです。それで教員採用にかかわる話で結構重要な話を今いただいたのかなと思うんですが、口頭だけの説明で終わる感じなのかな、これ。普通ほかの部署なんかでも、例えばそういう誤答があったとか云々なんかは議会の各会派代表とか所管委員会に資料が配られていたことが多かったと思うんです。そのへん、委員長のご判断でいいと思うんですが、どうなんですか。今の説明に基づいたぐらいの資料ってあってもいいんじゃないかな。
〇真伏教育長 ちょっと不手際で申し訳ございません。
私ども今回あえて資料をお出ししなかったのは、実は事件といいますか問題が起こったのは平成18年度の採用試験の方で、平成19年度にそれが、いろいろミス等もあったことがわかって、改善をしてきたところでございます。たまたまこの5月の終わり頃にそのことが再度報道されまして、新聞各紙、それからテレビも一部ですけれども取り上げられたということがございました。今現在は既にもう改善もされておりまして、恐らく同じことは起こらないだろうという判断もございましたものですから、一応報道がされたという部分とこういう形の改善が既にもうされています、というところをご理解いただこうということで、あえて口頭でさせていただいたということでございます。もし今中川委員からご指摘いただいたように、その経過も含めてきちっとした資料を出せということでございましたら、もう一度改めて資料の方は作成をさせていただいてお配りさせていただきたいと思います。
〇小林委員長 中川委員、それでよろしいでしょうか。
〇中川委員 正副委員長にお任せをいたします。
〇小林委員長 そうしたら執行部の方にはまた後日、各委員のところに資料だけお配り願いますようによろしくお願いします。
ほかによろしかったでしょうか。
〇中川委員 あんなこと言った後にさらに言ったら申し訳ないですけども、資料的なものをいただければと思うんですが、昨日の予算決算常任委員会の総括質疑のときに、県の職員の皆さんに対していろいろな手当があるんじゃないかというご質問がありました。あれは地域手当のお話だったというふうに思うんですけれども、教育委員会においても、教員の方々にいわゆる教育現場に携わっておる、またその職責を持っておるということにおいてのさまざまな手当があるのかなというように思うんです。どんな手当があるのかというのを少しここでお教えいただきたいのと、それぞれの手当に対する予算ベースでも決算ベースでも構わないもんですから、支給されている額とか、あと例えば根拠条例なり根拠規定みたいなものを資料でおそろえいただいて、一度いただきたいというように思いますので、よろしくお願いをいたします。さまざまな給与の減額とかいろいろな議論が今後ある中で、やはり事実をしっかりと知っておきたいので、よろしくお願いをしたいというふうに思います。
〇小林委員長 執行部、どうですか。
〇服部総括室長 当然ながらいろいろな根拠に基づいて手当を出させていただきますので、後日整理してまた出させていただくようにします。
〔「みんなに配ってもらえるように」の声あり〕
〇小林委員長 そうですね。
〇中川委員 どんな手当があるかだけ、ちょっと口頭で教えてくれへん。
〇福本室長 本給のほかには、給与の近いところから順番にお話し申し上げますと、給料の調整額というのがございます。これは本俸の平均約6%程度の、定額で昭和31年度から行っておるもので、最近は減少いたしまして3.75%にとどまっておるものでございます。
それから教職調整額というのがございます。これは一般教員について4%というものがございまして、これは昭和47年度から。それから義務教育等教育特別手当というのがございます。これが見直しで、今1.5%程度でございますが、これは昭和50年度ぐらいからでございます。
そのほか、一括して特殊勤務手当というのがございます。中でも教育特殊業務手当というのがございまして、災害時に出ていただきます非常災害時緊急業務に当たります手当、修学旅行等の指導業務、対外運動競技等の引率指導業務、部活動の指導業務、それから入学試験の業務、これは随伴でございますがそういった手当でございます。そのほかには多学年学級担当手当というのがございます。そのほかには教育業務連絡指導手当、いわゆる主任手当のものでございます。これは昭和52年度からでございます。
それと今度は管理職手当でございます。こちらも小学校の給与ですと10%とか12%とかがございますし、県立ですと12%から14%の管理職手当というのが手当てされます。
それからへき地手当というのがございます。へき地教育振興法によります手当、三重県では4%単位で上限25%のものでございます。これは昭和23年度から。
それから定時制通信教育手当というのがございまして、これも昭和35年度からで、定時制を持ちます学級の先生方につくものであります。
そのほか産業教育手当というのがございまして、これは工業科、農業科でそういう特殊な専門の技術を要する先生方に対しての手当でございます。これは10%でございますが、昭和32年度からということでございます。
このほか、県の条例で細かく決めておりますけれども、そちらでも10ぐらいの業務の手当がございますけれども、全部読み上げますか、よろしいでしょうか。
〇中川委員 それらの手当と予算ベースでいいから額と、それから根拠条例なり根拠規則なり、今いつからという話があったけれどもいつからというのは後学のために知っておきたいものですから。ようけあるんやね。
〇小林委員長 先程の資料、また各委員に後で配付していただくよう、よろしくお願いします。
ほかにございますか。
〔「なし」の声あり〕
〇小林委員長 なければ当局にはご苦労さまでございました。
〔当局 退室〕
③委員間討議 なし
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
教育警察常任委員長
予算決算常任委員会教育警察分科会委員長
小林 正人