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予算決算常任委員会
会 議 録
(開 会 中)
開催年月日 平成23年6月15日(水) 自 午前10時0分 ~ 至 午後3時12分
会 議 室 全員協議会室
出席委員 49名
委 員 長 岩田 隆嘉
副委員長 辻 三千宣
委 員 下野 幸助 田中 智也 藤根 正典
小島 智子 彦坂 公之 粟野 仁博
大久保孝栄 東 豊 中西 勇
濱井 初男 吉川 新 長田 隆尚
津村 衛 森野 真治 水谷 正美
杉本 熊野 中村欣一郎 小野 欽市
村林 聡 小林 正人 奥野 英介
中川 康洋 今井 智広 藤田 宜三
後藤 健一 笹井 健司 稲垣 昭義
北川 裕之 舘 直人 服部 富男
津田 健児 中嶋 年規 竹上 真人
青木 謙順 中森 博文 前野 和美
水谷 隆 日沖 正信 前田 剛志
舟橋 裕幸 三谷 哲央 中村 進一
貝増 吉郎 山本 勝 永田 正巳
西場 信行 中川 正美
欠席委員 石田 成生
出席説明員
知 事 鈴木 英敬
副知事 安田 敏春
副知事 江畑 賢治
[政策部]
部 長 小林 清人
理 事 梶田 郁郎
東紀州対策局長 小林 潔
理 事 藤本 和弘
副部長兼経営企画分野総括室長 松本 利治
政策総務室長 城本 曉
[総務部]
部 長 植田 隆
副部長兼組織・職員分野総括室長 伊藤 隆
財政・施設分野総括室長 中川 弘巳
人材政策室長 鈴木 伸幸
予算調整室長 西川 健士
[防災危機管理部]
部 長 大林 清
副部長兼防災危機管理分野総括室長 稲垣 司
危機管理総務室長 片山 達也
[生活・文化部]
部 長 北岡 寛之
副部長兼経営企画分野総括室長 真伏 利典
生活・文化総務室長 別所 喜克
[健康福祉部]
部 長 山口 和夫
こども局長 太田 栄子
理 事 稲垣 清文
副部長兼経営企画分野総括室長 亀井 秀樹
健康福祉総務室長 日沖 正人
[環境森林部]
部 長 辰巳 清和
理 事 岡本 道和
副部長兼経営企画分野総括室長 水谷 一秀
森林・林業分野総務室長 西村 文男
[農水商工部]
部 長 渡邉 信一郎
観光局長 長野 守
理 事 山川 進
副部長兼経営企画分野総括室長 加藤 敦央
観光分野総括室長 中村 巌穂
商工・科学技術振興分野総括室長 川島 弥
[県土整備部]
部 長 北川 貴志
理 事 廣田 実
副部長兼経営企画分野総括室長 千代世 正人
県土整備総務室長 福井 敏人
[出納局]
会計管理者兼局長 山本 浩和
出納分野総括室長兼出納総務室長 岡本 和子
[企業庁]
庁 長 東地 隆司
経営分野総括室長 小林 源太郎
財務管理室長 長谷川 耕一
[病院事業庁]
庁 長 南 清
県立病院経営分野総括室長 松田 克己
県立病院経営室長 荒木 敏之
[教育委員会]
教育長 真伏 秀樹
副教育長兼経営企画分野総括室長 山口 千代己
予算経理室長 加藤 正二
[警察本部]
本部長 河合 潔
警務部長 高橋 靖
警務部会計課長 藤原 佳明
[人事委員会]
事務局長 堀木 稔生
[監査委員]
事務局長 長谷川 智雄
委員会書記
議 事 課 副課長 藤野 久美子
議 事 課 主 査 平井 靖士
企画法務課 主 査 秋山 誠二
企画法務課 主 査 中西 宣之
傍 聴 議 員 なし
県政記者クラブ 14名
傍 聴 者 4名
議題及び協議事項
1 議案の審査(予算議案及び予算関連議案にかかる総括質疑)
(1)議案第7号 「平成23年度三重県一般会計補正予算(第4号)」
(2)議案第8号 「平成23年度三重県立小児心療センターあすなろ学園事業特別会計補正予算(第1号)」
(3)議案第9号 「平成23年度三重県流域下水道事業特別会計補正予算(第1号)」
(4)議案第10号「平成23年度三重県水道事業会計補正予算(第1号)」
(5)議案第11号「平成23年度三重県工業用水道事業会計補正予算(第2号)」
(6)議案第12号「平成23年度三重県電気事業会計補正予算(第2号)」
(7)議案第13号「平成23年度三重県病院事業会計補正予算(第1号)」
(8)議案第14号「知事の給与の特例に関する条例案」
(9)議案第15号「三重県聴覚障害者支援センター条例案」
(10)議案第17号 「知事及び副知事等の給与の特例に関する条例の一部を改正する条例案」
(11)議案第18号 「三重県高校生修学支援臨時特例基金条例の一部を改正する条例案」
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
1 議案の審査(予算議案及び予算関連議案にかかる総括質疑)
(1)予算議案及び予算関連議案(11件)
〇岩田委員長 まず、新政みえからご質疑をお願いいたします。
〇舘委員 改めまして、おはようございます。三重郡選挙区から選出をいただいております新政みえの舘でございます。私どもの会派115分ということでございまして、質疑者が私を含めて3名、関連で1名ということになっております。一番バッター、露払いでやらせていただこうと、このように思います。
まず初めに、初めて鈴木知事におかれては予算編成をなされたということについてお話をお伺いします。
これまでの経過については、もう承知のとおり、野呂知事がご勇退をなされて、骨格的予算ということで、6506億円余が提案をなされた。そしてその議論の間に例の鳥インフルエンザがあって、第1回の補正で1億4700万円、防疫対策ということでした。また2回目が、南伊勢町の方で6億3200万円、こんなことがあった。4月に入って、あの3月11日の東日本の大震災、未曾有の災害になったということの対策で、支援や緊急に対応が必要となる経費の補正ということで、2億3800万円。これは専決処分で行われたわけですけれども、まさに想定外の予算が10億1700万円計上をされたところであります。
そして、鈴木英敬新知事が誕生して、今回の、今議論させていただいております補正予算、平成23年度の年間総合予算にするための肉づけ予算が編成をされた。そのポイントは3つある。
その一つは、東日本大震災を踏まえた防災・エネルギー対策で65億1700万円余。2つ目のポイントが、三重の元気を支える雇用・経済対策ということで、20億5100万円余。そして3つ目のポイントが、23年度の政策展開~日本一、幸福が実感できる三重を目指して~ということで、257億2600万円余が提案をされて、今その議論中であります。それの総額が313億3800万円、年間総合予算は6830億円というふうになったわけでありまして、対前年比1.0%の増、そして3年ぶりのプラス予算ということで、鈴木知事は新しいスタートへの種まき予算だと、評されているところであります。
それで、今回初めてとなる予算編成は、肉づけ予算とはなったわけでありますけれども、年間の総合予算編成という思いも含めながら、肉づけには本当に思いがこもった、熱い思いのある予算なんだろうと思いますので、予算編成に初めて取り組んだ、その所感についてお伺いをしたいと思います。
〇鈴木知事 おはようございます。マイクの音はこのぐらいで大丈夫でしょうか。大分大きいというご指摘を、私もいただいておりますので、気をつけます。言葉にも気をつけたいと思います。
先程舘委員よりご質問いただきました、今回補正予算の編成をしての所感ということでありますけれども、3つのポイント、防災、災害復興支援、そして雇用・経済対策、総合予算とするための肉づけということでやりました。特に防災の中では、東日本の復興支援、県内で打撃を受けた水産業への支援、それから県内の防災への備えということでやらせていただきました。今回、特に防災のところに注力をいたしましたので、その防災対策あるいは復興支援というところでは、まだ全然完全ではありませんけれども、一歩を踏み出すことができたのかなと、そういう思いであります。
一方で、この予算編成の過程において、やはり財源を生み出すことが非常に難しい、厳しい財政状況であるということを改めて感じました。また私も知事査定などをやる過程で、この査定を切ったりする部分もありましたけれども、そこを削減していくということは、いろんな困難が伴うなと、そういう率直な感想も持っております。
一方で、私が政策集に掲げさせていただいたもの、完全ではないにしても、何らかの形で取っかかりを得るものを含めますと、今回の313億円のうち155億円を計上させていただいておりますので、その点については、就任間もない私でありながらも、県庁の皆さんが一丸となってご協力をいただいたということで、感謝をしているところであります。
いずれにしましても、そのような思いを込めて、私だけでなく、職員みんなの思いを込めて、県民の皆さんのために届けたい予算であります。そんな思いで今回は編成させていただきました。
〇舘委員 まさに厳しい財政状況の中での財源確保、本当に大変なんだろうと思います。
今回の肉づけ313億円という金額、先程も申し上げたとおりでありますけれども、それ全体が政策的予算、このように理解をされているというか、そういう思いでみえるんだろうと思います。今回の補正予算の中にも、骨格的予算を編成する中で、継続事業を中心に、当面の執行が円滑に行われるようにということで、殊に公共事業においては72.6%、私立高等学校の振興等々が57.5%ということで繰り入れられている。そのことからいえば、今回の肉づけの中で、公共事業の関係は234億円。また私立高等学校等々は29億円ということになってくるわけでありまして、知事が自分の裁量というか、自由度がある金額は、それを差し引くと50億円程度かなと。前の野呂知事が就任をされたときに、自分は30億円しかなかったと言われたのに対して50億円。それも財政調整基金も繰り入れて4億円。また、県債を発行してということもありますけれども、その50億円という中で、まさに県民の皆さんの、多様化するニーズにどうやって的確に応えていこうか。それと、今もおっしゃられたこの政策集、ちょっとコピーで済みません、テレビでありませんのでいいと思いますが、また正本があればいただきたいと思います。この政策集の実現達成に向けて、今も言われたところでありますけれども、自由度が50億円。そのことを思ってどのように感じられたのか、お答えをいただきたい。
〇鈴木知事 今ご質問ありましたとおり、本当に自由度が少ない中でのものでありました。政策集の中には、既存の事業をちょっと変えたり、リニューアルしたりということも含めますというふうに、小さい字ですけれども書いてあります。そういう意味では、新しいものの範囲は50億円ということでありましたけれども、継続事業を、ちょっとでも、一歩でも進めようということも含めてでありましたので、そういう意味では、自由度の多い、少ないということについていえば、全部を新しくやろうと思ったら、少ないのかもしれませんが、継続事業を見直したりしていくことで、よりよい政策を展開していけばいいというふうに思っております。50億円だったら、少ないから残念ということではありません。
〇舘委員 財源の話で、この政策集の3ページの下の部分で、新しい三重に変えるのは今しかない。「こうする」という中では、現在の三重県政のしがらみと無駄を断ち切り、増税にも借金にも頼らない新しい財源を生み出し、税金の使い方の大改革を行い、県民幸福実感度を高めるための具体策を実行し、新しい三重をつくります。皆さんの税金を1円1円大切に使います。まさにこのところに書いていただいているところであります。「財源を確保」の中で、1つ資料的なことを申し上げれば、例えば収入未済額、平成22年度の数字がありませんから、平成21年度について申し上げますけれども、一般会計で、県税の部分が72億8000万円。あと負担金であるとか手数料、諸収入を含めると、一般会計合計が96億8700万円。そして特別会計。これは母子及び寡婦福祉資金貸付事業、これが3億8300万円、中小企業者等支援資金貸付事業、これが32億5700万円、合計をいたしますと、134億3300万円。この数字が出てきているところであります。当然、現下の社会経済情勢は、大変厳しい状況でありますから、県民の皆さんも大変お困りがあろう。またそれによって、いろいろな事情でそれが減免等々をされる規定もあるんだろう。しかしながら、ここへ残っているのはそんなことではない金額なんだと思います。県民の皆さんを公平に見た場合に、正直者がというんではなくて、不納欠損にしてはいけない金額なんだろう。それがための徴収も大変なことがあるんだろう、このように思っております。これらの対策についても、事細かいことは申し上げませんけれども、積極な取組をしていただきたいと思います。
そしてもう一つは、県債です。先程も申し上げましたように、今回の6月補正で141億600万円、県債の計上がされております。前の野呂県政、その前の北川県政はどうだったということは申し上げませんけれども、トータルの今の県債残高の累計は1兆2341億円になってきております。それについても、先日の一般質問等々で、知事の方からは、有効的な県債の活用を図るというふうにおっしゃってみえます。その中には、臨時財政対策債等というのもあるわけですけれども、その1兆2341億円のうち臨時財政対策債等については、4101億円である。将来というか、この部分については国から交付税で返ってくるんです。3分の1がこれであるわけです。あのときに一般質問の中でおっしゃられた有利な県債の活用ということでの財源確保を、目指されるんだろうと思いますけれども、それがこの臨時財政対策債のことなのか。また、知事は、将来世代に負担はかけない、減らそう。4年後には公債残高を減にすると、このようにも表明をされているところでございます。どのように新しい財源を生み出しながら、これを減にしていこうとされてみえるのか。その手法等々、また有利な県債の活用、これについての所見をお伺いしたいと思います。
〇鈴木知事 県債についてのご質問でありますけれども、まず、その前の未収の件であります。平成19年のみえ経営改善プランの中にも未収の対策を書いて、平成16年よりやっている資金管理回収の取組を強化して、市町とも連携して、委員が途中までおっしゃったような、正直者がばかを見るようなことのないような、ちゃんと一生懸命汗を流して納税していただいている方が不公平を感じないような対策というのは、大切であると思います。そういうところも引き続き強化をしてまいりたいと考えております。
また、県債につきましても、今回で1兆2341億円の見込みということで、これは10年前の残高が8626億円ですから、そこから比べますと1.4倍ということで、残高では相当に厳しい状況というふうに思っております。今後、私が目標として掲げております、4年以内にその残高を減少傾向に転換していくということにつきましては、大変厳しい道のりでありますけれども、今後これから新たな行財政改革の取組を進めてまいりますので、その中で検討をし、道筋をまたお示ししていきたいと考えております。
一方で、県債につきましては、実質公債費比率が12.7%であるということで、この12.7%というのが、他県と比べてまだましじゃないかというような議論もありますけれども、私は財政というものは、他県と比べてどうということではないと思うんです。現にこの三重県の県民の皆さんを、現役世代や将来世代を守っていかなければならないという立場からすれば、会社や家庭でもそうです。隣の佐藤さんよりも借金が少ないからいいとか、隣のA社よりも借金が少ないからいいということはないと思いますので、引き続き全力で財政健全化に努めていく必要があると、そのように考えております。
〇舘委員 数字で出てくるものとか、順番がどうだ、こうだということではない。まさにそうだと思いますし、県の財政状況が厳しければ、当然市町も厳しいわけであります。先程申し上げた収入未済額の関係にしても、市町と連携は当然図っていただきながら進めていくべきものだろうというふうに思います。この間の博物館の議論の中で、入場料等々を増やしていって、トータルのコストを下げるんかということがありましたけれども、まさにそんな本末転倒しているような議論ではない、前に向かっての対策といいましょうか、方法を示していっていただきたいと思います。
その中で、先程改革の話が出ましたけれども、当然無駄の排除というのは出てくるんだろう。ゼロベースでそれを見直すんだ、このようにおっしゃってみえるし、先程も読み上げた政策集の中のしがらみ、無駄という部分についても、あれがどうだ、これがどうだというんではなくて、その議論をもっと深めていきながら、効率、簡素化しながらも、県民の皆さんのそれに応える必要があるんだろう。
後で日沖委員だと思いますが、事業仕分け等々についてはありますので、それは避けさせていただきますけれども、例えば無駄の話の中で、一般質問の中にありました震災の関係。震災で知事がみえてきたところは、その課題等々、対応していくんだと。まさに当然のことであるし、不可欠であろう、このように思います。地震対策等々の防災対策、三重県の場合は8本あります。この先の話へ行くまでに、この対策の見直しを抜本的に行おう。それは被害想定が想定以上のものであったから、当然のことですし、県は県の独自のものとしてそれの見直しが必要なんだろうというふうに思います。国の示すものだけでの見直しというのはいかがなものかと私は思っているんです。この抜本的な見直しということについて、そのスタンスといいましょうか、考え方とその期限的なもの、国の方が示さなければというか、そうかもわかりませんけれども、県としてやらなければならないことも含めて、どのようにお考えなのか、お伺いをしたいと思います。
〇鈴木知事 防災対策の今後の計画などについてでありますけれども、まずは今、舘委員ご指摘のとおり、国の政策を、あるいは国の被害想定を待っていられないと。特に海沿いにお住まいの県民の方々の不安感や危機感を考えますと、国が何かやってくれるのを待っている場合ではない。そういう私どもも強い認識を持ち、そういう思いを持った上で、まず9月までに緊急地震対策行動計画をまとめる予定であります。これには県独自の津波浸水調査を行いまして、それを踏まえて避難所、避難経路をどうしたらいいのか。あるいは住宅の耐震化をどうしたらいいのか。そして最も大切な、みずからの命はみずからで守るんだという思いを持っていただくような、そういう防災教育の充実であるとか、そのようなことを9月までに緊急の対策としてまとめます。
そして、その間国の方でも、被害想定の見直し、特に東海、東南海、南海の三連動が起こった場合の想定見直しが行われます。その結果なども踏まえまして、平成24年度中に新地震対策行動計画をまとめる予定であります。ここには緊急の部分で取り上げることができなかった、例えば医療のことであるとか、あるいは仕事に行っていて帰宅困難者、今回東京都なんかでもよくありましたけれども、そういう帰宅困難者の方々をどうしたらいいのかとか、より中長期的な、より広範な課題を含めたものを平成24年度中につくっていく、そのような考えで現在おります。
〇舘委員 計画等々は、まさに安全・安心という部分を県民の皆さんにどうやって体感いただくか、感じていただくかだと思います。県民の皆さんの生活や暮らしというもののベースには、当然安全・安心がなければ、潤いとか豊かさとか、そんなものはないし、知事がおっしゃられる幸福実感が生まれてこないんだろうと思います。まず県として、全体的な大きなものではない、今進めなければならないことを進めていく必要があるんだろうと思いますし、一般質問の中で、過剰投資、過大投資の話が出てきて、他県との調整という話があったというふうに思います。調整はされるべきかどうかというのは別にしながらも、それを参考にされるのはいいんだろうと思いますけれども、条件が三重県の場合、また違うわけです。海岸線の話をしたって、そのとおりだと思います。県民の皆さん、今考えなければならないのは、想定内のことは計画に出てきて、当然その対応をしましょう。一番初めは自助で、逃げていただくのが一番なんだろうと思いますけれども、想定外なことが起こったときは、どうなんだろうというのが、今回の大震災の教訓といいましょうか、大きな行政、公助という部分での考え方。公助はどうしたらいいんだ。公助があって、共助があって、そして災害が発生したときに自助があって、共助があって、それで公助にいくんだろうと、このように思う中で、あのときに過大投資はというお話がありましたけれども、いま一度そのことについてお聞かせをいただきたいと思います。
〇鈴木知事 ご質問いただいた点でありますけれども、県独自に進めることで、この後国が見直すこととの重複、あるいは県の想定が高くて国の想定が低いと。その場合に過剰投資などになるのではないか。あるいはその逆で、足らざる部分が出てくるのではないかというようなご質問が、議案の関係でご質問いただいたと思っております。私はそのときに、国がいずれにしても検討を進めていますので、そこと緊密に情報交換をしながら、そういう過剰投資などないように取り組んでまいりたいというお話をさせていただきました。早速今日の新聞に、国土交通省が津波防災まちづくりという、これまでの一線防御、堤防とかだけに頼るのではなく、避難のこととか、民間ビルのこととか、そういう津波防災まちづくりをしていくための新法を、この夏にも国会に提出したいというような報道もありました。そういうことについても、早速今朝、県土整備部から国土交通省に問い合わせをし、情報収集し、進めております。そういうような形で、緊密に国の様子なんかも連絡をとり合いながら、過剰投資などないように心がけてやっていきたいと思います。
〇舘委員 大震災があってからというんではなくて、やはり日本人の気持ちといいましょうか、つながりとかきずなとかいったものが求められております。殊にこの震災、災害等で自分たちがというときに、もう自分のことよりも地域のことを含めて、本当に今大きな動きがありますし、目に見えてそのような状況になってきていると思います。いろいろな対策を打つにしても、そのことの説明とともに、説明責任はそうですけれども、はっきりとした、どういうふうな形なんだということを県民の皆さんに理解をしていただくこと。そしてこの機運が上がっているというと語弊があるかもわかりませんけれども、このときだからこそしなければならないことが多くあるんだと思います。県民の皆さん自身も根本的に、地域をどうするんだという考え方に立ってみえると思います。そのへんの部分で不可欠な課題、問題、対策、それについてはよく説明をいただきながら、また私どもの議会と中でも議論させていただきながら、県民の皆さんの幸せのために、命、財産守るために、何をしたらいいかという議論を深めていきたいと思っております。
大体時間が来ました、1つ最後に、例の特例的な給与の減額についてお伺いをさせていただこうと思います。
知事の給与については、この提案説明の中で、人口減少、少子高齢化を初めとする社会経済情勢の急速な変化の中で、未来に希望の持てる新しい三重づくりを推進するということで、自身の給与を特例的に減額するんです。もう一つは、副知事以下幹部の方については、東日本大震災ということを明言されて、その復興支援、被害を受けた県内産業への支援、緊急に取り組むべき防災対策等の課題に対応するため、特例的にやられるというふうに書かれているところであります。知事は自分のことだから、そのままで思うとおりにやりなさいと。政策集にもあったとか、そのように公言してきたということだからいいんだというふうに僕はとらない、とれない、このように思います。職員の皆さんについても、減額をされるその率等々も明示をされてみえるのは当然でありますけれども、いずれにいたしましても、その減額をしようとする率なども明確に根拠を示す必要がある。これだからこうなんですということを、大衆迎合とは言いませんけれども、県民の皆さん、多くの方々は拍手を送ってみえるんだろうと。私の地域の方々に聞いても、ああ、英断をされた。県議会はどうするんだと、こういうふうなお話もあります。しかしながら、いいことをするにしても、その根拠の明示がなければならないと思います。
議員の報酬についても、今日も一部新聞等々でありますけれども、前三谷議長のときに、その報酬等、政務調査費も含めて、今自分たちの報酬等について、本当に適切なんだろうか。自分らで判断することが、高いとか低いとか適切なのか。それは議員の職務のこともありますし、いろいろな形でそれを検証する必要があるということで、今回のような形になってきたと思います。当然これについては、お手盛り等々というお話がありますから、私どもが入らないのは当然のことであります。県民の方、第三者の有識者の方等々含めた中で検証いただいて、私自身はその出していただいた結果を、素直に受け入れるべきなんだろうと思っております。そんな形の中でも、自分たちが自分の方針について説明をすること、説明ができること、それが必要なんだと思います。今回の中でも、それについて幹部職員の皆さんにはご理解を、丁寧な説明をして理解を得られたと、そのようには発言をなされているところでありますけれども、部長理事の皆様方はどうやってお考えか。ちょっと時間もありますので、お一人お一人というとかなりの時間になりますので、こんなことをすると嫌われるかもわかりませんけれども、総代として政策部長、一言コメントをいただけたらと思います。よろしくお願いします。
〇小林部長 総代と、おっしゃられても、部長理事で打ち合わせをしているわけではございません。私個人の考えでございますけれども、選挙で選ばれた知事が、その政策集という中で、公約として書いてきたものがあったというのが1つ。それからもう一つは、この未曾有の大震災に際して、そういうものに対して協力していこうじゃないかというふうな形につきまして、我々説明をお聞きしたときに、結構いろいろ総務と知事とでおやりになっていたような感じなんですけれども、そういう経緯は余り知らなかったんです。けれども、我々がお聞きしたときには、反対というような声もなかったと思いますので、気持ちよく賛同をしたんだというふうにとらえております。
〇舘委員 優秀な職員でございまして、了解であります。まさにこの中で言われていて、震災の関係等々のことやら、現下の社会経済情勢ということでのお話だというふうに、それでご納得をいただいてみえるんだろうと思いますけれども、今回のこの減額給与の問題について、私はまだ問題が残っているんだろうと思います。1つは、教職員の問題。知事部局ではない教育委員会の中にあるわけでありますけれども、ここについてはまだ調整中。これまでの制度、措置で継続をしていって、まだ調整をして実施をすると言われております。もう一つ、警察本部。警視正以上の幹部の方については、国家公安委員会の所管だから、対象外となる。警視までの皆さんについては対象とするということがあります。そして病院のドクター、医師の方については対象外だとお聞きをしているところであります。問題があるというよりも、この問題については今、部長の方からもお話がありましたし、当初も申し上げたように、現在の社会経済情勢、また国民的にこの大震災の復旧、復興の支援をしようという気持ちが一つになって動いてきて、それを受けての形の中で、することしないこと、いいか悪いかではなくて、このでこぼこがあるというか、差があるというか、この問題についてはどのようにお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
〇鈴木知事 今回の特例的な給与の減額についてのご質問であります。まずは私の給与の条例のところの書き方と、今回の副知事、幹部級の職員の皆さんの条例の部分の書き方、これが違うのはご案内のとおりだとは思います。私のは私の任期中ずっと続けていくということで、この厳しい財政状況、それを踏まえて、新しい財源を生み出していく。財政健全化にも対応していくということで、その地震のことだけを書いているのではなくて、今の経済情勢などのことが書かれている。一方で、特例的な幹部職員の減額の部分については、今回の緊急的な新たな財源を確保するために、特例的にやむを得ず実施するものであるという、そういう私のものと少し性質が違うという前提の上で、先程でこぼこがあるというお話でありました。私は強引に自分でトップダウン的にこうだというふうに、本件についてはやるよりも、対話を重ね、まだまだ丁寧な説明は十分に行き渡っていませんから、しっかりと説明をしていきたいと思いますけれども、そういう丁寧なプロセスというものを重要視した。したがって、一定のでこぼこがあったということについても、それは仕方がないのかな。特に病院については、本当に懸命に三重県の大きな課題としての医師確保を図るための取組をずっとやってきたことと、もう矛盾してしまうというようなことがありましたから、そこは医師確保という大変重要なことを優先というか、選択をさせていただいたということであります。対話あるいは丁寧な説明、そのプロセスの中での判断、決断であったというようにご理解いただきたいと思っております。
〇植田部長 知事の答弁を補足させていただきます。
学校現場を見送ったものにつきましては、県立とか小中学校に勤務する管理職員、おおよそ1400名みえますけれども、これにつきましては、各校長会とか、市町の教育委員会との調整に時間を要するというところから、今回の給与抑制措置の対象からは除外をいたしております。調整が整いましたら、同様の措置を行う予定でございます。
それから、警察本部の国家公務員の係る分でございます。国においては、本署の課長相当職以上の分については、俸給を10%削減するというようなこともございます。多分そちらの方での削減の対象になってくるんだろうと思っております。
それから、医師の見送りについては、先程知事がご説明させていただいたとおりでございます。
以上でございます。
〇舘委員 なぜか医師については余計にそうではないんかな。今までの医師確保という部分については、おっしゃられるとおりですけれども、その気持ちが一つになって、今はこの時期なんです。それがずっと続くんではない。この時期はということを理解いただけないようなドクターが三重県に来ていただいていても、どうなんかなという思いもします。この問題が、知事の言われる新しい財源を生み出す手法として、今後もあるのかないのか、その部分についてはどうでしょう。
〇鈴木知事 今回は特例的にやむを得ず実施をするということで、今後いろんな施策の財源確保というのは、いろんな行財政改革も進めてまいりますし、さまざまな観点から検討していきたいと、考えております。
〇舘委員 私どももいろいろな形の中で、マイクを持ってしゃべったりするときに、大衆迎合的なこと、本当に喜んではいただけるけれども、それにはちゃんとしたはっきりした根拠を示しながら、明確な内容でお話をし、そして理解を求めていくこと。そしてそれが実行できることが一番大事なんだと思います。そういうような形の中での政策の展開、今の苦渋を見とるとどうかなという部分があります。県政の中でも今後その議論をしていきたいと、こんな思いがしております。
最後に、知事は本籍地が菰野町ということでございまして、そういうふうな意味から言えば同郷でございます。同郷のよしみと申しましょうか、ゆかりがある者として、知事がここで言ってみえる、すごいやんか三重、そしてすごいやんか鈴木知事、このように県民の人から言われ、理解がいただけるような、そんな県政運営に全力で取り組んでいただきたい。またともどもに頑張ろうというエールを送らせていただいて、私の質疑を終わらせていただきたいと思います。
部長、ありがとうございました。(拍手)
〇日沖委員 改めまして、知事、こんにちは。
ただいま同僚のいなべ市出身の議員からもエールを送っていただいたんですけれども、いなべ市出身の新政みえの県議会議員、日沖正信でございます。どうぞお見知りをいただきますように、よろしくお願いいたします。
全員協議会で、博物館のときに少しお聞きをさせていただきましたけれども、まともに話をさせていただくのはこれが初めてございます。どうかお手柔らかに、おとなしい議員でございますので、よろしくお願いいたしたいというふうに思います。質疑に入る前に、唐突に申しわけないんですけれども、いなべ市の方の国道421号線の石榑トンネルって、鈴木知事、通られたことがおありでしょうか。延長4.1キロを超える、三重県にこれまでないような、滋賀県と三重県の北勢地域を結ぶ、近畿圏と中部圏の結節するトンネルが抜けたんです。3月26日に開通したんですが、通っていただいたことはあるでしょうか。もし通っていただいていないんなら、いなべ市というところはそのぐらいの存在にしか見られていないような地域なんです。これまで滋賀県知事は何度か来ていただいているが、三重県知事は全く来ていただいていない、この4.1キロのトンネルなんです。ぜひちょっといなべ市を見ていただきたいものですから、冒頭に申しわけなかったんですけれども、余分なものつけさせていただきました。限られた時間ですが、よろしく総括質疑の方をお願いしたいというふうに思います。
今回の予算は、補正予算ということでございますから、当然限られた中でございます。しかしながら、鈴木知事におかれましては、理念をきっちり掲げられまして、そして緊急の震災復興支援、防災対策から産業経済政策、また青少年教育から行財政改革など、広く対応を図られておられます。これからの各事業の実践によりまして、確かな成果を期待するところでありますし、中でも東日本大震災を受けての事業については、より早くしっかりと進めていただくことを特にお願いを申し上げまして、いろいろ聞かせていただきたいと思います。
この今回の補正予算について、いろいろお聞きをしてまいりますけれども、私は新政みえの2番バッターということで、ちょうど中腐れでございます。これまでの質疑、質問の中で、いろいろ正面からのお話も多くございましたし、また、今舘委員からも、補正予算の大局的な問いかけがございました。私はちょっと正面というよりも、裏から、横から、下から、いろいろ変わった視点の問いかけも多く含んでおりますけれども、どうかご容赦をいただきながら、お願いをいたしたいと思います。
まず、お聞きいたしますのは、先程もございましたが、給与の減額、知事の給与の特例に関する条例案及び特別職、管理職の給与減額についての一部条例改正案についての予算関係のことでございます。これまでにも触れておられる方がたくさんみえましたので、ご所見も聞いてきたわけでございますが、改めていろいろ箇所をつまんで聞かせていただきたいというふうに思います。
まず、知事の給料についてでございます。県の厳しい財政状況を考慮して、リーダーとして就任早々率先して減額を実行される姿勢というものについては、もちろん敬意を表させていただきたいと思っております。しかしながら、今回出されておりますその減額の幅についてなんですけれども、いくら知事ご自身のことを知事ご自身が決められたんだからということであっても、給与3割カット、そして期末手当5割、そして退職手当はいただかれないという、これはちょっと余りにも極端過ぎる幅ではないのかなというふうに、率直に私は実感として思わせていただいております。今回の減額で、知事の選挙公約どおり、日本一給料の安いリーダーとなられるようでございますので、社会に対するインパクトとしては、鈴木知事、すごいやんか、やるやんかというふうに、大きい反響は確かにあるでしょうし、評価の声も相応にあるんだろうと素直に思っております。すごいやんか大賞になるんだろうというふうに思っております。私は本来は、知事がご自身のことを決めるんですから、余分な口は出さんと、粛々と対応させていただくべきだというふうに思っておったんですけれども、減額の幅について、ご自身のことといえども、後々のことも考えてまいりますと、少々やり過ぎで、ポピュリズムに余りにも傾注し過ぎているんでないかというふうに感じております。このまま何もせずに過ごしてしまうわけにいかないなという思いから、不本意ながらあえてちょっと今回、お考えを確認させていただきたいと思います。
一般的に言って、市民感情は確かに給料が安い程いいという方に、ほとんどの人が傾くと思います。しかし、だからといって、日本一安いのが立派なことだとか、リーダーとしてあるべき姿だとかということで、給料の安さで評価されることになれば、知事の給料というものは、一体何なんだろうかというふうに、素朴に思わせていただいております。知事が先頭に立って社会情勢を見きわめて、みずから毅然と姿勢を示される潔さは、もちろん立派だと認めさせていただいております。けれども、リーダーの姿勢や行動というものは、社会に大きく影響を及ぼすことを考えますと、安ければ安い程よいという風潮を助長することにもなりかねません。今回のことは、少々乱暴で、役割や使命の重さに対する対価とか、労働に対する対価とか、人の生活の糧に値する対価とか、ちょっとうまく表現できていないかわかりませんけれども、そういうことに基づく、給料というものに対しての意味とか、一般的な価値観とかいうものが、無秩序に崩壊していってしまうようなきっかけになっているような感じがなきにしもあらずなんです。
そこで、まずお聞きしますけれども、知事がご自身の給与削減を決めた基準、この2割、3割、退職手当はなしというものを決めた基準というものをお持ちなんでしたら、お聞かせいただきたいというふうに思います。
あわせて、給料というものの意味、給料というものは何のために、鈴木知事にとってはあるものなのかというふうにとらえられているのか。私たちから思わせていただくと、責任の重さとか仕事の重要性に応じた対価とか、責任が重ければ、いくらでも高くてもいいというわけではもちろんないんですけれども、その相応の責任上とか役割上の対価とか、もちろん生活費も含むとか、知事という職を全うしていくためには、公の部分ではなしに、私的な部分でも、交際費的な経費が要るとか、もちろんその中には、4年ごとの選挙というものもあります。いろんな意味合いを含めて、一般的には知事の給料というものは、サラリーマンの方々から見ると相当高額のものであります。しかしながら、私たちから見れば、そういうものを含んだ上のものだというふうに理解しておりますので、本当にそれだけで十分に足りるんかという、素朴な思いも持たせていただいているところでございます。今後について、どこまで日本一安い知事というものを貫かれていくのかということも、どうされるのかわかりませんけれども、含めますと、だんだん、だんだんと際限なくなってくるような気がいたしております。そのへんのところを、一度この機会に聞かせていただきたいと思います。
それと次に、職員給与の減額についてお聞きするわけなんですけれども、東日本大震災の復興支援や緊急に取り組むべき防災対策等の課題に対応するため、特別職にとどまらず、次長、課長級の1年9カ月分をそれぞれの割合で減給するというものです。これ個人個人においても、これだけの期間、次長、課長級で8%ということでございますので、相当まとまった額になるとお察ししております。このたびのご協力をいただく職員の方々、本当に大変な思いでご協力をいただくんだろうというふうにお察ししております。
これまでの質疑、質問の中でも、この職員給与の減額についてのコンセンサスが、十分に果たして得られておるのかという疑問が出ておりました。それに対し知事は、十分な説明をして理解いただいている、先程もそのような話をしておられました。しかし、確かにご自身なりの説明の努力はされておられるのだと思っておりますけれども、余りこれまで、知事就任早々、時間がそれ程ない中での決定だと思いますので、なかなか相互理解は図られておると言いながらも、十分な余裕はなかったんじゃないんかと。先程、これからも引き続きしっかりととか、じっくりととかいう表現やったかありましたけれども、やはり時間がなくて、十分にいっていない部分があるのじゃないのかというふうにお察ししております。そんなことを受けて、2点程聞かせていただくんですけれども、まず、知事に伺います。条例の期限を平成25年3月31日まで、1年9カ月間にした理由というものなんですが、これまでのやりとりの中で、私が聞き落としておったら申しわけないんですけれども、この理由というものが明確に示されたのを聞いたことがないような気がします。そのへんのところを聞かせていただきたいというふうに思います。
それと、例えば一番現場に近い課長級では、どれ程の減額金額になるのか。デリケートな部分を余りお聞きするものではないとは思うんですけれども、私たちは、この減額の条例、本当に幹部の管理職の職員といえども、ご家庭に帰れば普通の生活者でありますし、大体管理職あたりになってまいりますと、子どもさんを持ってみえますと、そろそろ教育費に金がかかるようになってきて、頭痛いなという、そういうような環境の時期だとも思っております。大体このご協力をいただくのに、どれくらいの家計にご辛抱をいただくことになるのかということも、あわせてお聞きをいたしたいと思います。
この質問をまずよろしくお願いいたします。ここで一たん切らせていただきます。
〇鈴木知事 いなべ市に足を運ぶ機会がこれまで少なかったものですから、しっかりと足を運んで現場を見ていきたいと思っております。
先程日沖委員よりご質問いただきました、まず、私の給与の削減の件でありますけれども、財政状況が厳しいということ。そしてこれから新しい政策を行っていくために、財源を確保しなければならないということ。その必要性から今回、私の給与の削減に至ったわけであります。少々乱暴なのではないかというご質問もありましたけれども、私は平時であれば、今ご質問いただいたようなご指摘が当たると思うんです。今回の東日本大震災、未曾有の国難の状況を踏まえまして、そして三重県民の皆さんも、それに対する、今後三重県にも同様のことが起こるのではないか、起こったらどうしようという不安感、危機感、そういうものがたくさんある有事の状況であるというふうに考えておることから、少々短期間での、乱暴と見える部分があったかもしれませんが、決断をさせていただきました。
そして、この今回の基準ということであります。この後で申し上げる給与の意味というものとも関係してくるんですけれども、知事という職責が果たす役割、それに対する対価というものを、47都道府県見させていただいて、著しく均衡を失することがあってはならないけれども、私は野呂前知事のように、例えば政治家として実績がたくさんあるわけでもない。政治家としても新米である。会社でいえば、いわば新入社員のような状況でありまして、新入社員は一番給与が安いわけであります。そういう意味で、47都道府県の知事の給与を見させていただき、その知事の給与の均衡を著しく失することなく、しかし新入社員というか、これからスタートする人間として適正な水準はどれぐらいかということで計算をし、基準を考え、今回の削減率になったところであります。
そして、ご質問ありました2点目の給与の意味ということでありますけれども、給与というものは、先程申し上げましたとおり、一般的にはやはり対価、労働の対価であると思っております。あるいはその役割や職責に応じた報酬として支払われるべきものであるというふうに考えております。そんな中で、先程の説明とも少し重複をいたしますけれども、この有事であるということ、そして厳しい財政状況ということがあって、今回このような減額措置をとりました。また、期間が短いのではないかということにつきましても、今回の東日本大震災を踏まえた、防災対策の緊要性というか、緊急性、そういうものにかんがみて、早く対応しなければならないと考えたということ。そしてまた少し話は変わりますが、職員の皆さんに対しての説明。これは私は十分理解が得られた、現時点で得られたというふうには思っておりません。引き続きの丁寧な説明が必要であるというふうに考えております。ですので、これからも説明を続けながら、ご理解をいただき、進めていきたいというふうに考えております。
〇植田部長 知事の答弁を補足させていただきます。
今般発生しました東日本大震災につきましては、国難ともいうべき未曾有の大災害でありまして、この大震災に係ります復興支援策とか県内水産業への支援策、また緊急に取り組むべき防災対策、これは喫緊の課題となっております。
これらの対策につきましては、本年度とともに来年度におきましても、相当の事業量が見込まれております。約20億円余りになると見込まれるところから、特例的に期限を設けまして、実施をしようとするものでございます。
職員に対しましては、各部局長にまず考え方をお示しいたしまして、意見を聞くとともに、部局を通じまして、すべての管理職員へ案を提示し、意見の集約を図ったところでございます。その後の調整を踏まえまして、改めて各部局に、今回の抑制に係ります関連予算の説明を行うとともに、職制を通じまして、管理職員に調整結果の周知を図りまして、理解を求めたところでございます。
また、今回の特段の事情を考慮いたしまして、知事からも各管理職員に直接メールを送付いたしまして、給与カットの必要性を説明し、理解を求めたところでございます。
それで、職員の給与につきましては、生計費のほか、国や他の地方自治体の給料等を総合的に考慮して定めるものでございますが、今回の給与の抑制措置によりまして、次長級、それから課長級職員の給料月額を8%抑制した場合、月額で3万円から4万円程度の影響があるものと見込んでおります。年間によりますと約40万円余りになろうかと思います。
それで、管理職につきましては、一律10%という考え方もございましたが、職務、職責等を考慮いたしまして、部長級につきましては給料月額の10%、次長級、課長級につきましては8%といたしまして、管理職員の間におきます下位の役職の者が上位の役職の給与を上回ることがないように、職員間のバランスも勘案しておるところでございます。
私からは以上でございます。
〇日沖委員 丁寧にご答弁をいただきまして、ありがとうございました。
知事の給与カットについては、何度もお答えをいただいておって申しわけないんですけれども、先程の答えも含めて、極端な感じもする。平時じゃなしに有事なんで、それと新人で、一番若い知事なんで、新入社員というような意味も含めて、そのお立場をわきまえられた額の設定だということで説明いただいたんだろうと理解をさせていただきます。それでは、改めてもう一回だけ聞かせていただきたいんですけれども、全国一安い知事を目指され、目指すという言葉がそぐうかどうかわかりませんけれども、目指されて、今これが通ればそうなるわけなんです。お若いし、まだ新人ですし、有事の今の状況も含めてという背景もありますけれども、もし一番でなくなった場合には、さらに一番を求められるんでしょうかということを、もう一回だけ聞かせていただきたい。ちょっと愚問かわかりませんけれども、聞かせていただきたいと思います。
それと、職員の方は、お聞きすると、長いスタンスでこの必要な分を拠出していただく条例改正よりも、できるだけ緊急性があるので、この短い間で、ちょっと幅は大きいけれども出していただくというような感じで、私ども受け取らせていただいていいのかなと思っているんですけれども、もう一回だけそのへん聞かせてください。
〇鈴木知事 もしもっとほかに安い人が出てきたらどうするのかというご質問であります。相当に仮定の質問でありまして、前提条件が、いつなのかとか、どういう社会情勢なのかとか、そういうものがわかりません。その件につきましては、ここでお答えすることは少し難しいというふうに思います。有事であるという状況は、三重県の財政状況、あるいは東日本大震災を踏まえたところでは、そうすぐに変わるものではないというふうに認識しておりますので、その考え方は変わらないということであります。
〇植田部長 今回の措置につきましては、特例的措置であるということで、平成25年の3月末までの期限を区切った措置ということで考えております。
〇日沖委員 私の聞き方がうまくなかったのかな。ちょっとずれたところもあるんですけれども、いつまでも続けるわけにいきませんので、また不明な部分はどこかで聞かせていただくこととして、知事の、もっと安い方が出てきたらどうされるんかという私の問いかけについては、今お答えされたわけです。私はそんな競争には参加していただきたくないと思っておりますので、今回は有事の状況、そしてご自身のまず知事として初めて当選されたお立場、そういうことを、私ども尊重させていただきながら、これから判断をさせていただきたいというふうに思います。
それでは、次に移らせていただきます。次は行財政改革の推進、事業仕分けについてお尋ねをさせていただきます。
知事は、今回行財政改革に強い意欲を当初から示しておられまして、それを推進する手段の一つとして、第三者の意見を取り入れた事業仕分けを実施するための補正予算を計上されておられます。このことについて、少し意見やら要望を含めてお伺いしたいと思うのです。きのうの一般質問において、三谷議員の方から、知事の理念であるとか、手法であるとか、また、北川知事の改革との比較も含め、披露されながら、格調高いじっくりとしたやりとりがあった後でございます。私からその理論や大局的な議論というようなおこがましいことは控えさせていただきまして、先程の冒頭で申し上げましたように、ちょっと変わった聞き方になるんですけれども、お許しいただいて、ご所見をお伺いしてまいりたいと思います。今回この行政改革に強い意思を示されるに当たって、選挙のときのインパクトというものももちろんあったんでしょうけれども、まず言葉なんです。腰を折るようで申しわけないんですが、聖域なきとか、ゼロベースからとか、税の使い方を変えるとか、このようなインパクトのある表現です。こういうものが我々に配付されるものにも載ってきておるわけなんですけれども、もちろん意気込みは感じさせていただきますし、意味もわかりますし、これまでの三重県の北川知事、野呂県政を経ての改革の中でも、もちろんそういう信念のもとに、三重県の行財政改革行われてきたと私は思っているんです。ですから、わかるんですが、余り聖域なきとかゼロベースとか、税の使い方を変えるという、選挙の戦闘モードの言葉が入ってくると、ちょっとひねくれたとらえ方を私がしてしまっているのかわかりませんけれども、三重県の改革はちょっと怠けていて、何もしてこなかったとか、行財政改革が立ちおくれているので、だから私が立ち上がって改革をやるんだというふうに、何となくそういう印象になってしまいます。私だけかなと思っておったんですけれども、どうも三重県がこれまで一生懸命やってきたものを、知事は、わかってもらっているのかなというような、そういう感想もこぼれてきておるのも事実でございます。この選挙を戦うとか、強い意思を示すとか、そういう過程の中で、そういう言葉とか文言が生まれてくるのはわかりますし、それによって強くご姿勢を示されるというのは、もちろんわかるんです。けれども、ある程度、一遍区切りをつけていただいて、きのうの議論の中でもおっしゃっていただきましたけれども、この三重県が積み上げてきた改革のよいものをベースにしていただいて、より鈴木知事の色でそれを高いものに、質のよいものに、より大きなものにというふうに、私らにしっくり来るように、言葉遣いも一区切りつけていただければという感想をまず添えさせていただきたいと思います。ただ言葉だけのことやないかというふうに言われるかわかりませんけれども、すべてこの言葉が、外にも出ていきますし、社会にも出ていきますと、いろんなとらえ方によって、今、私が感じたようなことにつながることもあります。その非難するわけじゃないんですけれども、一区切り、三重県になじんでいくような、これからの改革を進めていく中で、言葉遣いもそういう気を使っていただければというふうに思います。そのへんについて、1つまずお聞きしたいと思います。
それと、今回のこの事業仕分け、やっていただかないとわからないとは思いますけれども、事業仕分けの手法を取り入れて、ひとつやろうということを、知事が思われたのは、やはり知事も経済産業省の官僚であったわけでございますので、恐らく事業仕分けの手法を取り入れて、三重県の、例えば予算の中で、ひとつこれぐらい切り込んでみようとか、これくらいはやってみようとかいうふうな削減目標というか、そういうもくろみはある程度描いておられるんじゃないかなと思います。そのへんもしお答えいただけるものがあったら、今回事前に聞かせていただければありがたいというふうに思います。
それと、これはまた違った面からの問いかけなんですけれども、この行財政改革を進めるための事業仕分け。これから外部に出すまで、きのうのお話では、その前に議会にも示していただけるということで、まことにありがたいと思っておりまして、期待をさせていただいておるんですけれども、それまでに庁内全体で、1900の事業をある程度まで絞ると。その絞るボリュームを、もし今の時点で、大体1900あるものを、現実的にこのぐらいにすぼめてというものがあれば、聞かせていただきたい。それと事業仕分けと、そして知事の新しいビジョン、これもこれからやっていくわけです。そうなりますと、現場はこの夏頃をピークに、相当職員方は集約された業務が大変な量が生まれてくると思うんです。そのへん質のいいものを、成果のあるものを求めていこうとすると、その現場のお仕事のこともある程度ご配慮いただきながらいかないと、ただ早く上げればいいというわけではないと思います。例えば残業によって人件費が膨れてくるけれども、そのへんはどううまく抑制していくんだとか、暑い中で大変な業務量をこなしていただく現状の中でのメンタル面とか、そのへんのご配慮を、もし何かお考えの部分があったら、あわせてお聞きしたいと思います。
以上、よろしくお願いいたします。
〇鈴木知事 ご質問いただきました内容のうち、事業仕分けの詳細、それから超過勤務の関係のところは、後程総務部長より答弁をさせていただきます。まず、行財政改革を進めるに当たっての言葉遣いなどの点につきましては、私もちゃんとご理解をいただけるように、あるいは誤解を招かないような言葉というものをしっかりとみんなで議論をして、精査をして使っていきたいというふうに考えております。また、その過去の行財政改革の取組もしっかりとベースとして、昨日の一般質問でもお答えをさせていただきましたけれども、蓄積をベースとしながら、より高みにいくという、そういう思いでやっていきたいと考えております。実際に今回の事業仕分けの中でも、県の関与の部分の基準というのを、平成9年のとき、あるいは平成18年に改定したものを活用していくというような考えでありますので、過去の蓄積を否定ということではなくて、より生かして取り組んでまいりたいと考えております。
それから、事業仕分けの金額の目標ということでありますけれども、その金額の目標は設定をしておりません。この金額というものは、結果として出てくるものであると考えております。むしろ私は、国の事業仕分け、あるいはほかの自治体での事業仕分けを見ていて、大切なことは、その仕分けした結果をいかに反映するか。その金額の多寡ではなくて、みんなで一定の基準に照らして、みんなで見直した。あるいは外部や有識者の人たちに見直してもらった。その結果をちゃんと反映するということ。それはもちろんいろんな関係団体とかとの調整なども必要だと思いますが、一番大切なことは、金額の多寡ではなく、反映することだというふうに思っておりますので、そういう考えで臨んでまいりたいと考えております。
〇植田部長 事業仕分けの絞り込みにつきまして、ご答弁させていただきます。
各部局が所管します、すべての事務事業、今約1900本ございますが、これを各部局に主体的に見直しを行っていただきます。そしてその見直した結果を総務部の方でヒアリングをさせていただきまして、各部局と議論をさせていただき、さらなる議論が必要と考えられる事業につきまして、知事を本部長といたします行財政改革推進本部において検討、協議をいたします。そこで1900本を100本程度に絞っていきたいと考えております。さらにその100本につきまして、外部の有識者の方からご意見をいただきながら、公開の事業仕分けの対象事業として、その中から大体40本から60本の事業を行財政改革推進本部において選定をしたいと考えております。それをこの9月会議の方にご報告をさせていただきたいと考えております。
それから、時間外につきましては、今後新しい県政ビジョンを着実に推進していくための新たな行財政改革の取組でありますとか、東日本大震災への復興支援、また県内の防災対策の見直しなどにより、一時的に業務が増加するかもしれません。他の業務も含めまして、職場全体の中で見直すべきものは見直し、時間外勤務が増加しないように、各部局長が率先して勤務時間の縮減に取り組んでいきたいと考えております。
なお、職員の時間外勤務につきましては、毎月三重県職員の健康管理システムによりまして、その状況を把握いたしております。一定以上の時間外ということで、月100時間を超える職員でありますとか、2カ月ないし6カ月の平均が80時間を超える職員につきましては、健康管理員、また健康指導員による面接指導を実施し、対応していきたいと考えております。
以上でございます。
〇日沖委員 言葉遣いということで、大変細かいことを本当にお聞きして申しわけなかったんですが、ご理解をいただいて、本当にありがとうございます。
それと、額については、おっしゃられたようなことを、私ども踏まえさせていただいて、これから臨ませていただきたいと思います。部長の方から、絞り込みについては、具体的にお示しをいただいたんで、ぜひそれも踏まえさせていただきながら、ともに我々も臨ませていただいてまいりたいと思いますので、この件については、もう改めての質問は控えさせていただきたいと思います。
それでは、もう少しだけ、補正予算における産業政策の部分についてお聞かせいただきたいというふうに思います。
三重県の産業というのは、自動車、電気や機械、半導体などの製造業によるところがどうしても大きいわけでございまして、リーマンショック以降の不況の後に、この東日本大震災の経済産業面への大打撃が重なって、またさらには、とにかく円高がなかなかとまらないということであって、今や日本のものづくりは限界を超えているというふうにまで言われるようになって、本当に厳しい状況に直面しております。よって、この三重県の製造業というものは、本当に厳しい環境の中で、もちろん中小企業の関連する事業所もたくさんあるわけですので、深刻な状況にあるんだと、私は認識をさせていただいておるんです。鈴木知事は今回の補正予算において、限られた中にあっても、今後の産業振興に向けた政策の事業として、これまでにも触れられておりますけれども、芽出し予算というのか、種まき予算というのか。これから産業、経済を活性化していくためのものを幾つか含めながら事業を盛り込んでおられるように見させていただいております。中には政策集に示されていた事業がそのまま反映されたものもございます。今、三重県の産業が疲弊してきているときに、そういうような芽出し予算、種まき予算が将来育って、施策や事業が効果を上げて、三重県の産業がまた力強く息を吹き返すような、知事は先程申し上げましたように経済産業省出身でございますので、その強みを生かした産業政策の手腕に期待がされておりますし、注目が集まっておる1つじゃないかというふうに思わせていただいております。
そこで、その知事にお聞きをさせていただきます。産業振興、活発な経済を築くために、今回の補正予算でどのような対策、仕掛けを盛り込まれたのか。その中で特に育て伸ばしていきたいもの、大きな成果を期待したいものなどについて、特に聞かせていただけるものがあれば、お願いをいたしたいと思います。よろしくお願いします。
〇鈴木知事 ご質問いただきました産業政策についてでありますけれども、私、産業政策については、大きく3つの思いがあります。
まず1つは、先程日沖委員からもご指摘ありましたように、自動車産業を初めとした、今、三重県の得意とする分野は、円高あるいは今回のリーマンショック以降、今回の震災、そういうものがあって、非常に疲弊しているということです。産業構造が一部のものに偏っていると、その産業の浮沈によって、県民経済のぶれが大きくなってしまうという観点から、きのうの一般質問で少しお答えしましたけれども、産業のポートフォリオといいますか、強靭で多様な産業構造に私はしていく必要があると考えております。これが1つ目です。
その例としまして、クリーンエネルギーバレー、やはり環境エネルギー産業というのが、国内需要だけではなく、海外、いろんなところにこれから需要がたくさん出てくると思われます。そういう世界の成長を取り込むという観点からも、ひとつ重要な産業と考えておりますので、その産業の集積を図っていくというのが一つの例であります。
そして2つ目は、中小企業の強みというものをしっかり生かした産業政策をやっていくべきと考えております。昨日の一般質問でも答弁をさせていただきましたけれども、6万800社のうち6万700社が中小企業であるという状況も踏まえ、その中小企業の強みは何なんだと。それを踏まえてどういう経営をしていくんだというようなことを発見し、発掘し、それを大きく伸ばしていくということが、産業政策の大きな一つの柱だと思っており、今回はメイド・イン・三重ものづくり推進事業費というものを盛り込ませていただきました。
そして3つ目は、今やもう製造業、ものづくりだけではなく、1次産業も大きな産業でありますので、それをもうかる1次産業に転換していくということも、産業政策の大きな柱であると考えております。私自身も経済産業省で最後にやった仕事が、農商工連携の法律をつくるところでありました。そういう意味で、1次産業をもうかる1次産業に変えていくというようなことで、今回はフードバレーを初めとした、そういう農林水産業の予算を盛り込ませて、計上させていただいております。そういう柱についても、しっかりと伸ばしてやっていきたいと考えております。
〇日沖委員 鈴木知事の産業政策、大いに楽しみにさせていただきながら、今後も議論をさせていただいてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
本当は全体、今のお話を聞いて、もう少し掘り下げた部分も聞きたかったんですけれども、私ども会派の今回の代表も後に控えていただいておりますので、このへんに私はさせていただきたいというふうに思います。
どうも丁寧なご答弁ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。(拍手)
〇稲垣委員 新政みえ四日市市選出の稲垣昭義です。30分、しっかり時間を残していただきましたので、私の方から、知事と今日初めて議論させていただく機会ということで、選挙戦中に知事が訴えられておったこの知事の政策集と、それから私ども新政みえが訴えておりましたこの新政みえビジョン、2つを照らし合わせたりしながら、この補正予算の中身を中心に、いろいろと議論をさせていただきたいと思っております。
まず、アンテナショップについてお伺いをいたします。
知事は就任以来、都内の他県のアンテナショップを視察され、その設置に積極的であるというふうに受け止めさせていただいております。
今回の補正予算では、大都市圏・海外市場販路拡大支援事業費として、首都圏における戦略拠点のあり方を調査するとして、1237万円が計上されております。これまでも県議会において、何度も首都圏でのアンテナショップの必要性が議論されてきましたが、平成19年に調査の結果、東京都の中心部に常設型のアンテナショップを設置した場合、開設及び運営に多額の投資を必要とし、非常に高いコストであることが判明いたしました。その結果、本県としては、常設のアンテナショップを設けることなく、三重県産品市場開拓スーパーバイザーによる市場開拓商談支援や、東京事務所に観光担当や企業立地の担当を置くなどといった対応になってきたという経緯があるというふうに私は理解をしております。
今回の調査予算で、平成19年度の調査と同じような調査をすれば、恐らく4年たっているとはいえ、結果は多額のコストが必要であるという形で、同じであると思っております。今回の調査の中では、どのような点をポイントに置いて調査をされ、そしてまた4年前に、平成19年にやられた調査とはどの部分が違うのか。そのあたりをまずお答えをください。
〇鈴木知事 稲垣委員のご質問にお答えします。
平成19年の調査は、情報の発信、あるいはアンテナショップとはどういうものなのかと、総合型とか、物販中心型とか、4つぐらいの累計をし、一般的にはイメージ的にはどういう情報発信がいいですかというような一般論、イメージ論的な調査が大半であり、その結果、首都圏で行うことはコスト高であるという課題が発見されたのも事実であります。
一方で、今回の調査は、やはりやるかやらぬか、思いが中途半端で一般論、イメージ論の調査をするのではなく、やると。やる場合には、どれぐらいのコストがかかるんだろうか。どういうもの、単に物品販売だけではなく、交流の場、あるいは三重県を予感、体感していただくような場。やるとした場合には、どういうふうなコストがかかり、どういう場所がいいのか。どういう方法がいいのかというのを調査する。前回の平成19年度よりは、私が知事に就任させていただいたということもあり、やるという前提で、具体的にどれぐらいお金がかかるのか。どういうやり方がいいのかというのを調査し、そしてそれを踏まえてやるかやらぬかを再度決定するという、そのプロセスにおいての調査という考え方であります。
〇稲垣委員 非常にわかりやすい答弁で、前回やる、やらないを決めていなくて調査をされて、今回もうやると決めて調査をする。これは非常に大事なポイントかなというふうに思っています。そういう調査をしていく中で、確かに知事が言われるように、恐らくコストがかかるということもわかっているわけですから、平成19年のときに。それをどうクリアしていくか。そのコスト以上の効果、何を期待するのかという部分を具体的にこの調査の中に盛り込んでやっていただきたいというふうに思っています。
それで、東京都にアンテナショップを、やると決めて調査をしていく中で、私は例えば今現在、東京事務所でありますけれども、その東京事務所の機能も兼ね備えたような戦略的な三重県の東京都の拠点とするという考え方も、非常に重要なんではないかというふうに思っています。今回このアンテナショップをやると決めて調査をしていく中で、東京事務所の機能も一緒に見直しながら、どうあるべきかということも、検討いただく必要があると思います。そのあたりについての知事の考え方はいかがでしょうか。
〇鈴木知事 今回のアンテナショップを設けることによって、東京事務所の機能の見直しというんですか、それはもちろん並行的に進めなければならないことだと思っています。特に私は、政策集にも掲げさせていただき、今、庁内で議論もさせていただいておりますけれども、三重県営業本部ということで、三重県をどう売り出していくのかということを総合的に考えようということを、今検討しておりまして、その中の一つにアンテナショップもあれば、東京事務所もある。じゃ、アンテナショップができたときには、東京事務所はどういう役割がいいのかということは、もちろん並行して議論しなければならないということであります。委員のご質問ありましたように、しっかりと検討を進めたいと思います。
〇稲垣委員 当然部局横断でやっていただく大事な課題だと思っています。このアンテナショップの予算1237万円は農水商工部の予算ではありますけれども、東京事務所所管は政策部になるんですか。そこともしっかり協議をしながら、三重県の首都圏における戦略的な拠点としてどういうものがいいのかというような視点で議論をいただけると、調査もいただけるといいのかなというふうに期待をしたいと思います。
先程も少しお話しいただいた知事の政策集ですけれども、これを見させていただいておって、このアンテナショップのところはどのように書いてあるかといいますと、東京都、名古屋市や日本旅行客の多い中国、韓国、台湾に三重県PRのためのアンテナショップ設置というふうに書いていただいております。この中身を見まして、今回の補正予算のタイトルを見ておると、大都市圏だけではなくて、海外市場販路拡大支援という言葉も入っております、補正予算のタイトルには。ということで、知事のこの政策集にあるような中国、韓国、台湾へのアンテナショップも具体的に今回の補正予算の中で調査をいただくのかどうか。そのあたりもちょっとお聞かせをください。
〇鈴木知事 アンテナショップにつきましては、今回首都圏だけです。海外市場と書いてありますのは、その前に海外のアンテナショップについては、その東京都の今回の調査を踏まえて、本当に必要があるのかどうかということも含めて検討したいと思っています。海外市場販路拡大と書いてあるのは、まさに情報をどう発信していけばいいのかということとか、あるいは海外との、今、上海だとぐるなびにいろいろ、観光の部分でお手伝いいただいたりしているんですけれども、ネットワークをどうやって構築していけばいいのかとか、そういうような調査予算みたいなのが入っております。アンテナショップについては首都圏だけということであります。
〇稲垣委員 今回補正予算の中で、首都圏のアンテナショップのあり方を調査されて、今後、アジア、特に中国、韓国、台湾についても、戦略拠点を、三重県として持つのかどうかということも検討をいただくんだろうというふうに、今の答弁で感じさせていただきました。これから当然首都圏の拠点も大事ですけれども、三重県がアジア、特に韓国や中国、台湾に向かって、どんな情報を発信できて、そして情報をキャッチできるのかということは、非常に大事な視点です。そういうことも含めて、県がリーダーシップを発揮して、民間の分野では、かなりの、四日市市の企業でも、当然アジアとのつながりは深いという部分もありますので、県としても、そういう部分にも積極的にかかわっていただくということは大事かなと思っていますので、期待もしています。この知事の政策集の、次のページ見ていますと、伝統産業の復活ということも書いていただいています。萬古焼、伊賀焼、伊勢型紙、組みひもなどを世界じゅうでアピールというふうなことも書いていただいております。先程の世界への販路拡大ということも含めて、首都圏のみならず、世界への情報発信ということにも、今後期待をしていきたいというふうに思います。
もう1点、これは部長にお聞きした方がいいのかもわかりませんが、アンテナショップをやると決めて、現地でのこと、戦略拠点として、どういうコストがあるかどうかということをこれから調査をいただくということですけれども、当然県だけでできることじゃなくて、いざやるとなったときの体制をどうしていくのかとか、そういうことを同時に検討していかなければいけないと思っています。
例えば、そういう拠点であれば、県の組織というか、県内にある組織で、物産振興会だとか、あるいは観光協会とか、いろいろあります。そういうのを例えば一体化して、東京都での戦略拠点で運用いただける体制をつくっていくだとか、そんなことも同時に検討いただく必要があるのかなと思います。そのあたりは、部長のお考えで結構なんですけれども、お答えください。
〇渡邉部長 委員ご指摘のとおり、県だけでできるものでは当然ございません。先程ご披露いただきました観光協会、観光連盟、そして物産振興会、県内にはそういう物産、観光、情報発信をしていただいているさまざまな団体がございます。それとあわせて、民間企業の中でも、もう独自で出店をされている企業もございます。そのへんのお知恵もかりながら、今回の調査の中で、どういう形で進めていくことが、いわゆるコストパフォーマンスに対してどれだけ効果があるか、その組織運営のあり方もあわせて検討してまいりたいと考えております。
〇稲垣委員 その体制も含めて、しっかりと調査をいただいて、いい形でやると決めていただいておるというのを心強く思っています。ぜひいい形でスタートがいただけるような、そしてより効果のあるものになるような期待をしたいと思っています。
私自身も平成19年の当時に、何度か東京都内の幾つかのアンテナショップを見させていただきましたが、やっぱり表参道とか、銀座とか新宿とか、人が集まるところにつくらなければ意味がありません。そうすると、家賃も高いし、コスト高になるというのは、もう当然のことでして、じゃ、そこに単なる物販だけではなくて、Iターン、Uターンの情報をそこで発信するだとか、いろんなやり方があるんだなというのも、他県の例を見ながら感じております。それを三重県としても戦略拠点を設けていく中でやっていく必要性というのは、当時からあるんじゃないかというふうに思っておりましたので、今回スピード感を持って対応いただけることを期待していきたいというふうに思います。
アンテナショップについては以上です。次に、もう1点補正予算の中で、「旅ごころ誘う三重奏」誘客戦略推進事業費として1500万円計上をいただいております。これは、旅行会社等の事業者に向けた営業拠点をつくり、特に首都圏での情報発信を強化するというふうにされております。先程議論させていただいたアンテナショップともかかわるものかなというふうにも感じますが、私ども新政みえでは、この選挙中に、7項目36本の新政みえビジョンというのをつくらせていただいて、計上させていただきました。その中にも書かせていただいたんですが、観光施策というのは非常に重要な柱であって、県がこれまで議会で議論してきました観光振興条例について、早急に制定する必要があるということを訴えながらやらせていただきました。今回の補正予算で、知事としてもこういった観光に対して思いを入れていただいておりますが、その柱となる観光振興条例を早急に制定するというのは大事かなと思っています。その観光振興条例制定についての知事のお考えをお聞かせください。
〇鈴木知事 観光振興条例についてのご質問であります。平成23年3月に条例の骨子案、私は就任前でありますけれども、県議会の皆様にもお示しをさせていただいたところであります。私自身は、この三重県がどういう理念で、どういう思いで観光を進めるのかという基本になる観光振興条例の制定は、ぜひとも必要だというふうに考えております。今準備を、関係の皆さんのご意見を聞きながら、また議会の議員各位のご意見も賜りながら、9月の議会には提出できるように進めております。今後皆様のご意見を伺いながら準備を進めていきたいと思っております。
〇稲垣委員 ぜひ9月議会に提出をいただけるということで、期待をしたいと思います。先程日沖委員との議論の中で、本県の産業政策について、知事が今答弁をされて、3つ上げられていました。強靭であり、多様性のあるものであることと、中小企業が大事だということと、あと農業を、産業の視点ととらえるというのに加えて、観光も、これは本県の大事な産業政策なんだという位置づけに、当然知事はそうやって思っておられるんだろうと思いますが、入れていただきながら、4つこれを大事な柱としてやっていただきたいというふうに思います。ぜひとも9月の観光振興条例制定を、期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、今回の東日本大震災を受けて、この補正予算の中で、防災対策の推進を図る事業というのも多く計上いただいております。私たち新政みえは、先程もお話ししましたこのビジョンの中で、北勢地域の広域防災拠点の整備がこれまでできていないことを、これも早急にすべきだということを訴えさせていただいております。中勢、東紀州、それから伊勢志摩、伊賀と順番に整備をいただいておりますが、人口の最も密集している北勢地域の広域防災拠点の整備が一番遅くなっているということは、大きな問題であるというふうに思っています。当然、いつ東海、東南海、南海地震が起こるとも限りません。そういう中で、早急にこの北勢地域に広域防災拠点を整備いただく必要があると思いますが、これについての知事のお考えをお伺いいたします。
〇大林部長 北勢拠点について、考え方を説明させていただきます。
現在、伊賀の拠点を整備しておりまして、平成23年度、24年度ということで考えております。もともと基本構想の中では、北勢の方にもということでしたけれども、実は今回の大震災がありまして、国の方でも平成24年度に被害想定をやるというスケジュールで、県もそれを受けて、また被害想定を見直したいというふうに思っています。その中で、これまで整備した、きのうもご答弁させていただきましたけれども、備蓄品なんかも含めて、伊勢志摩とか東紀州なんかもどうするかとか、備品として。そういう検討をした上で、北勢についてもその中で、一体どういう役割を担っていただくのがいいのかというのを、もう少し議論しなければいけないというふうに思っております。スケジュール感としては、もともと伊賀の次ということで検討したいとは思っていましたけれども、新しい、今回の大震災の要因が入っていますので、国の動向も含めて検討をさせていただきたいというふうに思っております。
〇稲垣委員 今の答弁で、当然今回の震災を受けて、これまで整備した広域防災拠点についても、その整備された備品とか、チェックをいただいて修正いただく部分というのはやっていただかなあかんと思いますが、限れた予算の中で、そっちが優先的にされるから、順番でいくところの最後になっていた北勢の整備はさらにおくれますということでは、これは話にならないなというふうに思います。
そんな中、これまでの県政を決して否定するわけではありませんけれども、いろんな事情があったにしろ、この広域防災拠点の整備を、人が一番密集している地域からやらずにというところは、もう一度考え直していただく部分も必要かなと思っています。これは知事にぜひともお伺いしたいんですけれども、普通の流れでは、先程答弁いただいた平成24年度の整備、伊賀が終わった後に北勢に着手をするというのは、従来の考え方だと思います。しかしながら、知事も言われているように、有事の状況の中で、あした大地震が起こるかもわからないという中で、この北勢の広域防災拠点の整備は、そんな悠長なことを言っている場合じゃないというふうに思っております。伊賀をやっている最中だったとしても、例えば平成24年度から北勢にも着手をするだとか、そういった取組は必要かなと思いますけれども、考え方をお聞かせください。
〇鈴木知事 北勢の広域防災拠点の件であります。実は過去の経緯の中でも、最近愛知県の大村知事が言い出しておりますけれども、神奈川県と大阪府にある、国全体の基幹的防災拠点。これが中部地域に必要なんじゃないかと、大村知事が手を挙げると言っているんです。国は神奈川県と大阪府以外に整備するとは言っていないんですけれども、実はそういうことも北勢地域に持ってきてはどうかという議論も、過去にあったように私は聞いております。そういうのもあって、財政状況だけじゃなくて、もしかしたら国のやつに手を挙げることができれば、国の基幹的広域防災拠点が来れば、それはいいんじゃないかということで、おくれていたという面もあるというふうに聞いております。今後、先程もありましたように、有事でありますし、一方で大変厳しい財政状況でありますので、委員のご指摘も踏まえて、北勢の広域防災拠点の整備のタイミング、あるいはどういうふうな整備をしたらいいのかについては、しっかり検討していきたいと思います。
〇稲垣委員 ぜひとも検討いただいて、少しでも早く北勢についても整備を始めていただけるようお願いしたいと思います。
次に、知事の政策集をちょっと見ていまして、1つ発見して、18ページのところに、地域づくりの主体であるボランティア団体やNPOなど、県民の方々の自主的な活動に対して、納税者が支援した団体選び、個人県民税の1%相当額を支援できる制度の創設(1%支援制度)というのをやりたいということを書いていただいています。それで、これを見ていまして、県議会では、平成19年度にNPO支援に関する勉強会というのを超党派でやらせていただいたり、あるいは1年間、その中で検討したんですが、それを踏まえて、平成20年度には、NPO等ソーシャルビジネス支援調査特別委員会というのを設置しました。そのとき私が委員長をさせていただいて、いろんな議論をさせていただいたんですけれども、ソーシャルビジネスという視点も入れながら、NPO支援のあり方というのを当時議論させていただきました。これらの議論の中で、私自身はこのパーセント条例という制度が必要なんではないかということをずっと考えておりますけれども、残念ながら、これまで実現するには至っておりません。知事のこの政策を見ながら、結構勇気づけられて、もう一度こういう議論ができるのかなということを思っておるんですが、野呂県政の中で、新しい時代、公という考え方をいち早く示していただいて、NPOについての取組は、先進的な取組をこれまでしていただいたというふうに思っています。
さらに次のステージということを考えたときに、NPOが最も苦労している部分は、お金をどのように回していくかという部分でして、そんな仕組みをつくることというのが非常に大事だというふうに思っています。
そんな中、今回知事がビジョンに書かれておる1%相当額を支援できる制度の創設というのは、非常に期待をしたいところなんですけれども、これについて知事のご所見をお聞かせください。
〇鈴木知事 NPOを初めとする市民活動の皆さんの一番の大きな課題は、今、委員もご指摘あったような財政基盤であるというのは、もう私も共通の認識であります。今回の補正予算においても、そのNPOなどの市民活動の皆さんの事業を推進する費用も計上さしていただいておりますし、災害に関連して、災害ボランティアのあり方を検討する、そういう基金形式みたいなものとか、あるいは平常時には災害以外の市民活動にも財源を充てることができないかというようなことも含めて検討する予算も、今回計上させていただいています。
また、国の方では、もうすぐ多分参議院を通ると思うんですけれども、認定NPOの要件を緩和して、税額控除の方も含めた、より財政基盤を強くしやすいというような法律ももうすぐ通過するというふうに聞いています。特に今度は認定が国税庁じゃなくて、都道府県知事になってまいりますので、そういう意味からも、県という自治体が、市民活動やNPOの皆さんの財政基盤を応援していくということに、大変重要な役割があるというふうに思っております。
そんな中で、パーセント条例の部分につきましては、これまでも平成20年度の勉強会、平成21年度の特別委員会の分を、私も拝見をさせていただきました。非常に共感するところは多いと思いますけれども、今まで都道府県で実は実施された例はなく、埼玉県の上田知事も、やろうと思ったんですけれども、断念をして、基金形式になったというような経緯もあります。そういう意味で、このパーセント条例にとどまらず、NPOや市民活動の皆さんの財政基盤をどう強くしていったらいいかということを、他の自治体の例なんかも見ながら、しっかりと取り組んでいきたいと思います。
私、ハンガリーの方から直接教えていただいたこともあって、あと市川市の職員で携わった方からも話を聞いたことがあります。この施策について、思い入れはもちろんあるんですけれども、今申したような広い視野で財政基盤をどうするかということを、これから検討していきたいと思います。
〇稲垣委員 県議会でも結構参考人に来ていただいて、ハンガリーの例だとか、市川市も行かせていただいたり、これまで議論を重ねた経緯もあります。ぜひとも一度、中身の濃いものにしていきたいと思っています。NPO支援という部分は、これからもっともっと、お金がどう回るかという部分に力を入れてやっていかなければいけない課題であると思っていますので、ぜひともよろしくお願いをいたします。
それからもう1点、この政策集のところの、時間がなくなってきましたので、私が気になったところを、もう少しお話しさせていただきますと、市町への権限、財源、人間の3ゲン移譲というようなことを書いていただいております。私はこれに非常に興味がありまして、これから知事が掲げておられる、今回の補正予算でもいろいろ書いていただいていますが、行財政改革をしていったり、あるいは分権の議論をしていただく中で、当然権限、財源はもちろんですけれども、人間というのはなかなか難しいところでして、このあたりについて、知事のもし考えがあればお聞きをしたい。それとともに、市町の職員との積極的な人事交流というようなことも書いていただいています。これについてもこれから、鈴木県政始まったばかりですので、ぜひとも力を入れてやっていただきたい。それに加えて、できれば民間との人事交流という部分についても力を入れてやっていただきたいと思いますが、これについての知事の考え方をお聞かせください。
〇鈴木知事 ご質問いただきました、まず1点目の市町への権限、財源、人間の移譲。政策集に書いてあることについてでありますけれども、これは市町はパートナーでありますので、県で要らないから上げますというようなことがあっては、押しつけ的な移譲であってはならないということがある一方で、やはりニア・イズ・ベターと。昨日もありましたけれども、そういう近接性というんですか。住民の身近なところにサービスや権限が集中している必要があるというのは、一般論的に私も思いますので、市町ともよく議論をして、意見交換をして、進めていけるところから進めていきたいというふうに考えております。
それから、2点目の人事交流でありますけれども、舟橋議員から代表質問でもありました。市町との関係はトップでの押さえつけるようなことではなく、現場レベルでの交流を進めるべきだというふうなご質問もいただきまして、私もまさにそのとおりだと思っております。人事のことをまだそんなに手がけられていませんけれども、これから、今、委員からご指摘あった民間の人事交流も含めて、市町との人事交流、現場レベルでの人事交流を促進できるような方策を検討していきたいと思います。
〇稲垣委員 もう残り時間がなくなってきました。いろいろ議論させていただきまして、観光振興条例についてもそうですし、あるいは代表質問で、私どもの舟橋議員から、中小企業振興条例についても、私どもが新政みえビジョンで掲げているものと内容が近ければというようなお話も、知事からも一緒の方向でというのをいただきました。我々も議会でしっかり条例について、特に政策条例について一緒に議論させていただきながら、形にしていきたいというふうに思っています。それはもちろん知事も選挙のときは訴えられ、新政みえとしても、私どもも訴えをしてきたことでは、しっかり議論しながら形にしていきたいという思いもありますので、ぜひともこれからまた議論させていただきたいと思います。
最後に、この知事の政策集を見ていまして、こんなことが書いてあるんです。私も非常に共感を覚えるところですが、東京都に住む視覚にハンディを持つ方から、こんな話を聞きました。東京都から三重県に近づくにつれて、皆どんどん優しくなってきたというような記述がされております。私も結構お年寄りの方とかから話を聞いていますと、お年寄りの方ですから、他県から三重県へ嫁に来るのに、あそこはお医者さんがあるところやから、本当に住みやすいところやから、ええとこに嫁に行くなあということを言われながら嫁に来たんやわというようなことを言われる方が、たくさんみえます。それで嫁に来て、実際本当にこの地域は住みやすいという話をしていただく方がたくさんみえます。全国で一番若い知事が、今まで諸先輩方がつくってきたこの歴史や伝統やそういった文化、住みやすさというものをしっかりと継承して、次の世代へ陣頭指揮をとっていただくことをご期待申し上げまして、質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
〇岩田委員長 新政みえより関連質疑の申し出がありましたので、申し合わせの時間の中でこれを認めることにいたします。
〇三谷委員 先程、舘委員が、医師は別だということでの質問をされたと思います。知事のご答弁は、一番大事な医師確保。これを優先しなければいけないというお話。これは言いかえれば、医師という人材を確保するのは非常に困難であるから、医師は対象外だということだと、こう思うんです。先程素直に認められた政策部長以下、この前にずっとおられる職責の方というのは、人材確保が非常に容易な方々が座られている、そういうことだと思うんですが、知事のご見解、まずお伺いしたい。
〇鈴木知事 そういう人材確保が容易な人材であるという認識はありません。大変有為な人材で、非常に協力していただいていると思っております。
〇三谷委員 もう1点、フードバレーの話が先程も知事の方から出ました。既に先行事例がありまして、例えば栃木県はやっておりますが、特区申請やっているんです。本県のこれからのフードバレーの進め方、お考えがあれば教えていただきたいと思います。
〇鈴木知事 栃木県あるいは北海道でも構想があったと思いますし、あと諸外国ではオランダなどがあります。それぞれのメリット、デメリットなどもよく勘案した上で進めていきたいと思いますが、地理的に集積させるのがいいのか。それともバーチャル的にやるのがいいのか。これは中身の議論をしていきながら、これから検討していきたいと思います。
〇三谷委員 フードバレーという言葉が、某自治体で商標登録されているというのはご存じだと思いますが、これに対する対応はいかがですか。
〇鈴木知事 フードバレー(仮称)と書かせていただいておりますので、そのフードバレーをそのまま使うかどうかということも含めて検討していきたいと思います。
〇三谷委員 しっかりとやっていただく。そのことをご期待申し上げまして、終わらせていただきます。ありがとうございます。(拍手)
〇岩田委員長 これで午前の予定の質疑を終わります。
暫時休憩いたします。
再開は午後1時といたしますので、よろしくお願いをいたします。
(休 憩)
〇岩田委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
総括質疑を継続します。
まず、自民みらいからご質疑をお願いします。
〇小野委員 よろしくお願いします。
何か前にいっぱいいらっしゃると、大変な組織の中へ入れていただいたんだなと、緊張して足が震えておりますが、快い緊張感と幼子のようにびくびくしながら、知事以下執行部の皆さんに、限られた時間ですので、質問をさせていただこうと思います。
知事は、今回の知事選挙を通して、新しい豊かさというのをキーワードに、これまでの三重県のあり方を見直していくというふうに、かなり力強く訴えられて見事当選をされました。今回の提案をされている補正予算の特徴は、これまでの議論にも随分ありましたが、鈴木知事が当選後初の骨格予算への肉づけをされた予算ということで、ご本人としてはかかわりが、非常に短い時間の中で精いっぱいお伺いになって、執行部の中でかなり討議もなされて、なおかつその柱には、東日本大震災からの我が県への影響、あるいはそれがあってはならないということも含めて工夫をされて、ご提案をされたというふうに存じます。その後、今県議会で、今後10年間の三重県の方向性を求めるために、新たな三重県政ビジョンを今年度中に策定されるというふうに表明をされております。私は今回、初の質疑の中身を、この新たな三重県政ビジョンというものに重点を置いて質問させていただこうと思っていますので、よろしくお願いをします。
まず、このたびの東北地方を襲った、100年に一度といわれるような、まれに見る大災害。戦後60年にわたって、我が国における戦後の新たな世紀を創造して、これまでの発展と進化を支えていたこの社会経済体制の価値観というのを根底から覆してしまったというふうな認識をしております。時あたかも現在の我が国というのは、少子高齢化社会が大変進展をしてまいっておりまして、今後の社会経済体制を維持するためには、すべての部分において見直しを図って、成熟社会から人口減少、あるいは共存型社会へと転換すべきであるという議論がかなり行われている、まさにその矢先でもあります。
また、国際的なグローバル化経済、あるいは工業の生産体制の変化、新興国の経済的、あるいは政治的な台頭が目覚ましい中で、いかにして資源のない我が国が、これまでの社会を変化させて、世界の中で漂流することなく、我々日本民族の誇りを持って、世界での繁栄の持続ができるのかに力点を置いた政策が求められているんだと思っております。まさにそのときに、この大震災を乗り越えて、我々の住む地域の進むべき指針をつくるに当たって、知事みずからの素案が示されて、それに向けた有識者、あるいは議会からの助言や提案というのがなされて、肉づけをされていくべきではないかというふうに考えております。この点、知事のご所見を伺っておきたいと思います。
〇鈴木知事 新しい県政ビジョンについてのご質問であります。
先般、私どもの方から策定スケジュールあるいは枠組みについては、議員各位にお示しをさせていただいたところだと思います。委員の方からは、私が素案をつくって、それを示して、そこに有識者、いろんな人の肉づけをしていったらどうかというお話でありました。今回はもちろん有識者の方々のご意見を聞いたり、もちろん議員各位のご意見も聞いたり、県民の皆さんのご意見も聞いたりと、いろんな形で肉づけをしていくことを考えております。けれども、まずその素案をつくるに当たりましては、私がワープロを打って出すというよりは、私、そして両副知事、そして部長級の皆さんと議論をする場の総合経営会議というものがあります。私がこれまでご説明させていただいた平成23年度の県政運営の考え方、あるいは知事提案説明、あとは類似いろいろな政策の中で議論をしていること、それを踏まえて、総合経営会議の中で議論をし、素案をつくって、そしてそれを有識者の方、あるいは議会、県民の皆様に示して肉づけをしていくと、そういうような方法を今のところ考えています。
〇小野委員 県の職員というのは、有為な人材が大変多くそろっております。私はワープロしか打てませんが、知事はどちらかというと口述筆記も含めて、有為な人材の中で、いろんなペーパーがたくさん出てきますから、そういうのをたたき台にされるというような答弁の内容であったかと思います。本来は、しっかりした柱のある、自分自身の考え方、たくさんの議論や行動の中でそんたくをしていく政治ではない。やはり公開であり、皆さん方に意見を求めるんであれば、はっきりとした柱があった方がいいのかなとは思います。ひとつその考え方として、これからお進めになる総合経営会議ですか。各部長等お入りだということですから、そこらへんでの濃密な議論をしていただいた上で、どこかでもう少し、県政ビジョンですから、大変な重要なものですから、まとまったものが欲しいというふうに思っております。
さて、三重県の新たな県政ビジョン策定。これまでの我が三重県の特徴としては県北部のものづくりの集積があって、中央部は三重県の政治経済の中心核としての位置づけがあり、伊賀地域には、従来の伝統的な文化とともに、関西圏との結節点としての広がりがある。また、県南部は、自然環境に恵まれ、歴史、文化の奥行きの深い、趣のある地域が存在をして、観光交流の一大拠点として、またそれぞれの地域に豊かで個性的な地域社会が息づいていることを認識した上で、さらにこの特徴を補完して、有効活用しながら、新世紀、新たな価値観に支えられたビジョンの策定に乗り出すということであろうかと思います。そこで3点について一括して伺います。
まず、去る5月末に知事も参加をされた、リニア中央新幹線建設に関してであります。今回のJR東海の発表によって、リニアの中間駅の建設の概要がおおむね明らかになりました。期待をいたしておりましたリニア新幹線の操車場は岐阜県の中津川市に決定をされたようですが、本県の中の駅については、まだ位置が発表になっておりません。そのときに、奈良県の知事は、中間駅の期待を大きく言われ、また大阪府選出の代議士は、一刻も早い大阪への乗り入れを希望されておられます。本県としては、どのように考え、今後行動に移すおつもりか、伺っておきたいと思います。
リニアは現在の東海道新幹線の後継として、また、今回の大震災の状況を考えても非常に重要であり、さらに本県にとっては、東京都や大阪府は言うに及ばず、世界から人、物、金、情報を運ぶ命脈としての価値があり、今後の県政ビジョンでは、必ずその進捗に期待をし、一刻も早い誘致を表明すべきと考えます。
第2点は、平成25年に予定され、準備がなされている伊勢神宮のご遷宮への取組であります。
政教分離の観点から難しいと今回提示をされた何かの文書に記述がございましたけれども、伊勢神宮は平年でも1000万人近い観光客を集める、本県唯一の、また世界に誇ることのできる大切な宝でもございます。この宝をいかにして、さらに認識をしていくのか。美し国三重での発展とともに、新たな県政ビジョンでの表記を真剣にお考えいただきたい。日本国民としてご遷宮を待ちわびる人たちのためにも、三重県としての取組をお願いして、お伺いをしたいと思います。
第3点は、三重県南部の温暖な気候を活用した、さらに現在進められている高速道路の延伸もございます。ぜひ県南部への介護医療特区を設置し、近隣府県の入所希望待機者も包含して収容した、また、地域には2万人ぐらいの雇用の場の確保につながるような、裾野の広い地域開発を検討されてはいかがか、伺っておきたいと思います。現状の施設介護については、本県ではさらなる施設充実を図ると計画されていることもあります。また、三重県民であって、他県の施設にお世話になっている人たちには、そろそろご自分の地域へ戻っていただけないかとのお話がなされる場面もあるようでございます。
以上、3点について、新たな県政ビジョンに関して所見を伺いたいと思います。
〇鈴木知事 まず、リニアであります。先般私も、リニアの関係9都府県でつくります建設促進期成同盟会の、私は副会長の1人といたしまして、5月末に参加をさせていただきました。そして6月7日に、東京都、名古屋市、そして中間駅の設置についての発表があったと認識しております。
このリニアにつきましては、東京―大阪間というのが開通して初めて、本当の意味というのが発揮されると私は思います。東京都と大阪府という都市間を短い時間で結ぶ。それから、先程委員ご指摘あったように、東海道新幹線と、もう1個二重ラインにして、災害との関係で守っていくというようなことで、東京―大阪間が開通して初めてリニアの威力が発揮されるというふうに私は考えております。名古屋市より先大阪間に向けての整備について、積極的に働きかけていきたいというふうに考えております。
また、本県への駅の設置につきましても、いろんな観点から、先程委員からお話がありましたような観点からも、ぜひ必要だというふうに考えておりますが、今、その費用負担の関係で、自治体が全部持ちなさいというような話もあります。厳しい財政状況の折でありますので、むしろ費用負担というものをどういう方法でやるのか、どういう基準でやるのかということをしっかり国とも協議、あるいは国の意見も聞きながら、その上で本県においての駅の設置というものをどうすればいいか、考えてまいりたいと思っております。
それから2つ目、ご遷宮の関係であります。ご遷宮のある、平成25年というのは、三重県にとっても、観光などの最大のチャンスであると私も考えております。これまで秋に、いつも伊勢志摩キャンペーンというのをやらせていただいておりますが、平成25年については、その一大キャンペーンを、伊勢志摩キャンペーンとするのか、どういうキャンペーンにするのかはこれから検討しますが、この最大チャンスを生かして、1人でも多くの方に来ていただく。それは国内のみならず、国外の方も含めて来ていただくためのキャンペーンをこれから検討していきたいといふうに考えております。
実は先日、6月11日に、観光庁長官、溝畑氏が伊勢の方に来ていただきました。そのときに、伊勢志摩を訪日外国人の地方受け入れ拠点、12個整備されるんですけれども、その一つということで指定をしていただきました。これは、地方拠点で、外国人を受け入れるために、商業施設とか、いろんな標識とか、そういうのが外国人を受け入れる状況になっているかどうかというのを調査し、その結果を、強み、弱みを見て整備するというような予算が国の方からつくということになっております。そういうような国の施策も活用しながら、溝畑長官からも、伊勢志摩地域、三重県全体の観光のポテンシャルについて、すばらしいお言葉をたくさんいただきましたので、しっかりと国の政策なんかも生かしてやってまいりたいと考えております。
それから3つ目、介護の特区の点であります。私も選挙期間中に、志摩あるいは南の方へ行かせていただくと、例えば浜島町の方とか行くと、近くに介護施設がないというふうな声を聞いたりして、南の方の介護施設の整備というものの重要性は認識しております。
また、それを産業、あるいは雇用というものにつなげてはどうかという委員のご意見だというふうに考えております。これまでの介護施設の整備に関するいろんな施策との整合性も検証した上で、今後また意見をお伺いしながら考えていきたいと思っています。
〇小野委員 3点伺いましたが、特に伊勢神宮は、平成19年でしたか、お木曳という大きな行事があって、これはもう全国から、白い衣装で参加をされた方もたくさんいらっしゃって、あの衣装を残して楽しみにされている方もたくさんまだいらっしゃいます。ぜひそのPRも含めてですが、政教分離って非常に難しい言葉もありますけれども、観光ということも考えて、地域振興の面からもよくお考えいただきたいと思います。順番前後しますが、リニアで、その効果というのは、多分三重県内でということになれば、そんな北には偏らないと思いますけれども、そのことによって、今、伊賀地域で工業団地化された地域とか、あるいは関西圏との接合とか、これからまだまだ経済面でも、あるいは人口集積をやりながら、なかなか働く場所が確保できないとかいうところも含めて、解決策に1つつながっていく。同じJRですから、あそこの電化の問題も含めてそうだと思うんです。金額的な面での課題はあるというお話ですが、それなら岐阜県でも同じことで、状況は一緒だと思います。あとはそれを打開するかどうか。一歩前へ出るということを考えていかないと、これまでの三重県のように、言っているだけで先にとられてしまう。それからの可能性が広がっていかないというようなことにもなりかねません。時代は変わっていきますから、よくお考えをいただいて、検討していただければと思います。
それから、県南部の、今、知事は浜島町というような具体論でお話をいただきましたが、私はどちらかというと、高速道路という経済効果を含めて、東紀州地域でのこれからの新しい、2050年が高齢化のピークで、なおかつ人口減少していくところだと言われていますので、そこらへんを含めて、今からどうやっていくのか。まさに考えていかないと、あそこらへんでのストロー効果で若い人がどんどん出ていって、ますます過疎ということにつながっていってはいかんので、近隣府県も含めて、一つの大きな可能性としてぜひご検討いただいて、三重県の南部の一つの大きな起爆剤になるような構えをしていただければというふうに思います。
それでは、続いてお伺いをしたいと思います。今回、東日本大震災緊急支援ということも含めて、知事以下、給与削減をして、財源確保されましたけれども、反面、三重県職員や教育関係者の義援金総額、実は4億円超えているんです。このような財政状況、非常に厳しいんだ、厳しいんだと言われておりますけれども、今後の展開をいかにするのか。基本的な考えを伺いたいと思っておりましたが、今日午前中も含めて、いろんな議論がございましたので、国難であって、有事だからという認識は伺いました。それを伺った上で、私は本来、俸給というのは、働く人一人一人の社会からの労働に対する評価であって、簡単に減額したりすべきものではないというふうに考えています。今回の減額に当たって、例えば各地域の教育委員会には、施策発表の前日夜に、全国都市教育長協議会会長から突然連絡があって、大至急教育関係者へ周知するように要請があったようです。準備もそこそこにして、まずは施策の展開をするという場面を見出そうとしているだけでは、県民はもろ手を挙げて賛成というわけにはならないというふうに思います。片や今、大体の県職員には、本来の俸給に管理職手当、扶養手当が支給されて、さらにその諸手当と俸給を合算したものの4%がいわゆる地域手当として一律支給をされている。よく考えてみると、これもお手盛り以外の何物でもないというふうに思いますが、こんな給与支給の実態です。その総額は、本年度予算では、総人件費2283億3000万円ぐらいのうちの、少なくとも44億円余りということでございます。この地域手当に関しての整理、いきなり一律4%ぶった切れということは申し上げはしませんけれども、この整理こそが、三重県における行財政改革の1丁目1番地ではないかなというふうに思います。この点について、なぜこんな支給になっているのか、総務部長からご説明をお願いしたいと思います。
〇植田部長 地域手当についてお答えをさせていただきます。
地域手当につきましては、公務員給与に地域の民間賃金水準をより的確に反映させるという目的で、平成18年度からの給与構造改革に伴いまして導入された制度でございます。給料表の額を一律4.8%引き下げた上で、民間賃金の地域間格差の事情等に応じまして、給与水準を調整するために設けられたものでございます。県の人事委員会は、地域手当の創設に当たりまして、県内に展開をしております民間企業の状況について調査を行った結果、ほとんどの企業で、県内において、従業員の賃金等に地域の差を設けていないというところから、国家公務員と同様の措置をとることは適切ではないと判断をされ、県内一律に4%の地域手当を支給するよう勧告したものでございます。三重県はこの勧告を受けまして、平成18年度から段階的に引き上げてきまして、平成18年度は1%でございましたけれども、平成22年度より4%の支給ということになっています。
以上でございます。
〇小野委員 今、部長からご説明をいただいて、ざっと伺って、民間に準拠して人事委員会がそういう勧告をして、三重県がつくった。これは県職員で津市在住者も地域手当をもらっているんです。例えば県職員で東京都あるいは、例えばですが札幌市に勤務した人が地域手当をもらうから、ありますということならわかります。しかし、津市在住者の県職員が地域手当を4%もらわなければいけない理由がありますか。今の理由は理由にならないというふうに思います。
さらに、この地域手当というものは、県職員のっていうことで、三重県何々連合会という三重県の冠がついている外郭団体にもついているわけです。ところが四日市市、あるいは津市という冠のところには、地域手当は一切ありません。こういうような、三重県の同じ働く人たちの中で、そういう序列化というか、給与での、待遇面での違いが大きくなってきているということ、知事、今説明も聞かれて、今後の三重県の行財政改革の取組の中で、どんなふうに感じられたか。率直にお伺いします。
〇鈴木知事 今ご指摘いただきました地域手当、そして外郭団体などにも支給がされている。また、その冠が違うことで格差が生じているというお話がありました。私もこれから今回の新たな行財政改革の中で、外郭団体の見直し、県の関与の見直し、さまざまなことについて、これから議論をしていく、そういう構えであります。実態をしっかりと把握した上で、本当に適切なのかどうか、県民の皆さんにちゃんと説明ができる内容なのかどうか。そういうものを精査して、自分が説明責任をちゃんと果たせるかどうかという観点で、改革の方を進めていきたいと考えております。
〇小野委員 私自身も余り時間のない中で、はしょってご質問させていただいておりますので、間違いが多くあろうかと思います。またその点は知事、執行部の精査の中で、よくご検討をいただいて、しっかりとした政策の中での給与体系というものを考えていただければ結構かと思います。
限られた時間ですので、次にまいります。警察の、今回の補正予算の中で、街頭犯罪予防のための環境整備事業費という計上がされております。街頭緊急警報装置についての予算ですが、これはつい最近も我々の地域での、交番協議会の中で、周知方法を、さらに確度を上げて取り組まれるようにという要望もございました。この点についてはいかがでしょうか。
〇河合本部長 今回のこの街頭緊急警報装置でございますが、これはまさに身体の危険を感じるなどした被害者等が、緊急警報装置を押して、それで周辺住民に危険を知らせ、また赤色灯がつき、さらには場合によっては周辺の地域の録画がされるというものでございます。これは安全・安心を確保するというものでございますので、小野委員がおっしゃるとおり、付近住民がまさに使い方を知っていなくてはいけないと。これが鳴ったら危ないんだということをみんなが知らなければならないという意味では、当然のように説明が十分わかっておられないと、まさに使えないものであります。使えるものにするためには、理解されるということが必要でありますので、説明は十分してまいりたいと思います。今後さらに設置予定の場所が決まってまいります。そうしますと、地域住民あるいは自治体、学校関係者等に対しまして、事前説明会を十分に行ってまいります。
さらに、交番・駐在所の広報でありますとか、あるいは防犯教室、さらには、これは防犯訓練などをする際に、実際に使ってみないと、これの意味があるかどうかというのはわからないということでございますので、それらもあわせてやっていきたいと思います。今後とも周知に努めてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
〇小野委員 ぜひ周知を、よろしくお願いします。私も3年ぐらい前ですか、我々の地域に7カ所ぐらいつくられたときに、子ども会、PTA等で、子どもたちと一緒に見て歩いて周知をした覚えがあります。日がたつともう忘れちゃって、地域の人たちも、本当にあれ動いているのかというような質問にもなりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
それから、これは警察なのか、危機管理部長なのか。緊急自動車がよくサイレンを鳴らして国道等、交差点に侵入しますが、案外津市なんか交差点での緊急自動車と一般自動車との接触事故があって、患者さんが乗っているのに救急車が動かなくなって、救急車を助ける救急車が必要になってくるというようなこともあるんです。実は昨年内に我々の地域の消防から、総務省の消防庁あてに、交差点の信号を無線でコントロールする装置についてのお願いもさせていただいていると思うんです。その点について、これは警察なんでしょうか。どっちなんでしょう。よろしくお願いします。
〇河合本部長 小野委員おっしゃったシステムは、現場において救急自動車等々の緊急自動車が接近した際には、交差点での進行方向の信号が青になるようにするというものでございます。それによって、交差の別の方向から来ます自動車との衝突等を防げているというものでございまして、名前を現場急行支援システム、通称FASTシステムというふうに申し上げております。現在これは、13都道府県において導入されておるという状況でございます。また、総務省消防庁、それから警察庁で連携をして、こういったものが整備されることによって、緊急自動車、あるいは救急自動車等が交通事故に遭わないということも含め、さらには場合によっては場所、到着地点、目的地点への到着は早まり、あるいは到着地点から病院へのレスポンスタイムが早くなっていくということでございます。これにつきましては、三重県でも今いろいろと検討しておりまして、当然、先程おっしゃられた防災危機管理部との検討もしております。一方で、現場でおります津市、あるいは四日市市、鈴鹿市、亀山市などの消防本部とも十分協議をして進めております。
具体的には、平成25年にはご遷宮がありますので、それを目途として、現在交通管制システムの更新を考えております。その前には何とか、そのシステムの更新と合わせて、こういったFASTシステムが対応できるように。それに対応して、また各消防本部において必要な機器を整備し、あるいは警察本部において必要な機器を整備するという形にしてまいりたいというふうに考えてございます。
〇小野委員 昨年だったと思うんですが、このFASTシステムを導入するということで話ができたというのを、9月頃に聞いているんですが、今のお話だと、まだ1年半ぐらいかかるんです。ぜひそういう安全・安心を高めるというのは、目に見えないところでの、かなりお金がかかってまいりますが、機動的に対処しなければいけない部分がたくさんありますので、よくそこらへんもご検討いただきたいと思います。
ほかに質問をさせていただく項目、用意はしておりましたが、予定の時間になりましたので、ここで一通り質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。(拍手)
〇中村欣一郎委員 18番、自民みらい、鳥羽市リアス式海岸からの選出でございます、中村欣一郎です。
1回裏の攻撃に入りまして、トップバッターがヒットで出塁しましたので、次に控えている3番バッターにクリーンヒットでホームに返していただくように、私2番バッター、小粒ですけれども、2塁へトップバッターを進めたいと思います。
昨日の一般質問から引き続いて、防災の件、随分議論が出尽くした感があるんですけれども、違った観点から、私の方も防災のことについてお聞きしたいと思います。
私も防災農水商工常任委員会に入っていますので、直接そういうのを聞くのはいけないというようなことも聞いたんですけれども、教育委員会の方でも予算計上されておりますので、そこを切り口にお尋ねをしたいと思います。
1つは、子ども防災ノートの予算の件ですけれども、災害から子どもを守る学校・家庭・地域連携促進事業で1923万円。そして関連してお答え願いたいんですけれども、似たような予算が防災危機管理部の方でも、防災人材育成・活用事業費ということで1527万円が計上されております。短い文章ですけれども、読んでみますと、どちらがどういう役割分担で、どういうふうにかかわり合っているのかというのが、ちょっとよくわからない部分があります。中でも、子どもは将来の期待を込めるというか、力になり得るような表現の説明もあったかと思うんです。私は、子どもは今、防災教育の中で即戦力になり得る財産だと思っておりますので、そういった観点についても語っていただければと思います。この2つの事業の違いとかかわり合いについて、よろしくお願いします。
〇真伏教育長 それでは、子ども防災ノートについてお答えを申し上げたいと思います。
3月11日に発生いたしました東日本の大震災につきましては、特に児童生徒が在校の時間中といいますか、学校におる時間中に起こったという部分とか、津波によります被害というのが大変大きかったというところから、津波からいかに迅速に避難をするか。それから、学校の避難所、避難経路の安全性の確保とか、いろんな形で今まで余り考えていなかった部分の問題点が浮かび上がってきたかというふうに思っています。私が今回、この子ども防災ノートというのをいろいろ考えましたのは、災害から子どもを守るというときに、日常的にいろいろな形で防災教育というのはやっておるんですけれども、こういう大規模な地震等が発生したときには、やはり自分の命を守るための行動にいかにつなげられるかという部分、そこのところがすごく大事かなというふうに思っています。今回、この防災ノートをつくることで、今までずっといろんな形で、地震とか風水害なんかの基本的な知識、そのへんの知識に対して一定教育はしてきたと思っています。じゃ、実際に災害が発生したときに、具体的にどういう形で避難をするんだとか、その避難経路の途中で、どういう危険なものがあるのかとか、そのへんをまず学校の中で、いろんな形でチェックをしてもらって、それをまた家庭へ持ち帰っていただいて、家庭の中でも、それぞれの家庭としての防災の備えといいますか、それをPTAの方とか親御さん、一緒になってやっていただこうじゃないかということで、学校だけで終わるんではなしに、家庭へも防災のことが普及するような形でやっていただこうかと思っています。
先程ご指摘のありました防災危機管理部の方の事業なんですけれども、私どもがいろんな形で、学校とか家庭での防災教育、防災訓練等は企てていきたいと思っています。今まで一番不足していたのが、その地域の方々と一緒になって避難訓練をするとか、防災的な取組をするというのが結構漏れておったかと思っています。防災危機管理部とは、そのへんの連携をするために、実践型の訓練を、防災危機管理部の方はいろいろ計画をしていただいています。そこに学校等も参加をさせていただいて、一体で地域の中で地震等の備えをしていったらどうだろうという形での事業の構成になっております。
以上でございます。
〇大林部長 防災の方からは、予算を計上しているけれども、どういう中身かという点で、事業は先程教育長から説明させていただいたように、地域での避難訓練とか、そんなんでしっかり連携をやっていくと。どちらかというと、私どもは地域の方での取組をしたいというふうに思っております。
それと、予算なんですけれども、うちの方では、フレキシブルなパネルシステム、要するに子どもさんたちが地域の避難のあり方とか、そういうのがわかりやすく図示できるような、ちょっとした啓発のための道具であるとか、あるいはまた液状化とか、地震で家具がどうなるだとか、そういうのがわかるような、少し体験するような道具、そういったものを用意して、地域での啓発活動にも役立てていきたい。それと避難訓練とか、そういう実地の訓練を子どもたちと一緒になってやっていく。そういう形で事業を組み立てております。
〇中村欣一郎委員 この2つの事業は、そんな高額な予算でもないわけなんです。そしてまた、地道な事業であるかと思うんです。私は今回の災害に対する予算の中では、非常に大きく期待をしておりまして、今回の県民の意識を変える対策の中で、根幹をなすような大事な取組だというふうに思っております。
先程教育長の方は、どこに何々があるのかとか、知識という言葉を使っておられましたけれども、よくこういうことをやるときに、この道のどこが危ないかという、子どもにとってみれば、暗記をすれば済むような指導の仕方に陥りがちなんです。これは防犯の場合も同じなんですけれども、自分の通学路のあそことあそことあそこは危ないというふうな覚え方をされると、子どもにとっても本当になぜそこが危ないかというところまで行き着かないと、なかなか知識から知恵のところまでいかないかなというふうに思います。そして子どもの場合は、その後、将来育っていく中で、いろんなところで引っ越しをしたりとか、都会へ出ていったりとか、また、今でも通学路以外のところで遊んだりとか、活動の場は非常に広いわけなんです。どこへ行ってもそういう危なさを実感、自分で把握できる能力をつけるように、ぜひそういう指導といいますか、事業になるようにお願いをしたいと思います。
あと、こういう事業をしていく中で、知事が言われている政策集の中にある新しい豊かさというんですか。そういったことにちょっと関連づけてお聞きをしたいわけなんですけれども、地域の結びつきが細かくというか、網かけがあればあるほど、その地域は非常に力があるというふうに私は思っています。防波堤とか、堤防とか、公民館をつくるという社会資本もありますけれども、地域の人間関係を強くするという、それも一つの社会関係資本という言い方をよくされますけれども、それがあると思うんです。今回の防災のことについては、ハード整備と、私はさっきのような人と人とのつながりで災害を少なくするという、いわば目に見えない防波堤というか、地域の持っている心の防波堤みたいなものを強くしていくのが、先程の2つの事業だと思います。
そこで、知事が言われる新しい豊かさと、そういう社会のきずなと、先程言ったようなハード整備と目に見えないハード整備というんですか。災害対策みたいなものは、私は一緒というか、相通ずるところがあるとは思うんです。ちょっと混乱していますけれども、知事のご所見をお伺いしたいと思います。
〇鈴木知事 中村委員よりご質問のありました、新しい豊かさときずなということについてであります。私の知事提案説明、あるいは平成23年度の県政運営の考え方、そういうところの、新しい豊かさというものの説明の中に、人と人とのつながりというものは書かせていただいており、中村委員の問題意識と非常に近いものがあると私は考えております。
また防災についても、今おっしゃっていただいた、この三重県の防災条例でいきますと、共助という言葉が書かれておりますけれども、自分の命を守る。そして周りの仲間、大切な人の命を守っていく共助。それもまさにつながりとかきずなというもので担保されているものであります。今後県政ビジョンを制定していく、策定していく中で、そのきずなとかつながりというものの大切さというのは、しっかりと議論をし、書き込んで、また皆様のご意見をいただけるような報告をさせていただきたいと思っております。
〇中村欣一郎委員 この防災の件に関しては、私は自助なくして共助なし、共助なくして公助なしだというふうに思っています。でも、昨日からの議論とか新聞の紙面なんかを見ますと、国がどうとか、県がどうとかということばかりが割と表に出がちであって、知事のちょっと前の発言でも、自助が大事だということはもちろんよくわかったんですけれども、なかなか県民のところまでは落ちていないというか、ちょっと遠慮されているのかなと。自助、共助をもっと頑張るようにというメッセージはあってもいいんじゃないかというふうに思っております。
続いて、時間がありませんので、2つ目なんです。これも知事の政策集の方から拾ったことなんですけれども、文化遺産登録の件で、「海女」文化の世界遺産登録に向けた活動推進というのが1行盛り込まれております。なぜこんなことがぽこっと載っているのかと。地元の方でも関係者は非常に沸き返って喜んでおります。海女というのは、日本全国18県に、昨年の統計ですけれども、2174人おります。この鳥羽志摩地域に半数近い973人の海女がおります。このことが本当に波紋を呼んでおりまして、そのことについて、所管されます教育委員会の方には、どのように実行の部分で、知事の方から言っているのか。知事でもどちらでも結構ですけれども、よろしくお願いします。
〇鈴木知事 沸き返っていただいているということで、大変うれしい思いなんですが、先程ありましたように、鳥羽志摩地域で約1000人の方々がおられると。また世界じゅうに、韓国なんかにも同様の文化を持っておられる方々がいると。私はもともと選挙期間中に鳥羽市の方に行かせていただき、あと海の博物館の関係者の方々などから、今年も海女サミットはあると思うんですけれども、そういう方々から聞いて、この三重県の誇るべき文化、伝統の一つだと。あとは相差のかまどなんかも行かせていただきまして、実際に海女の方々と触れて、これを大切にしていかなければならないと、そういう思いから政策集に書かせていただきました。現在は平成22年から2カ年にわたり国庫補助を受けまして、海女の習俗、習慣とか風俗とか文化の調査をやっております。現在も継続をしているところであります。この結果を踏まえまして、国のユネスコの無形文化遺産とかにいくならば、文化庁とかとも協議が必要ですが、まずは市や県の無形文化財に指定していくというところに、第一歩行くのではないかと考えております。その調査の結果を踏まえまして、関係機関と協議をして、そういう方向に進められるように検討を進めてまいりたいと思います。
〇中村欣一郎委員 この海女文化の件に関しましては、文化遺産とは言いながら、観光面でも、そして水産業の面でも、また環境面、そして生涯学習であるとか、男女共同参画の面でも、非常に意義のあることだというふうに思っております。県の各部と横断的に取り組んでいただきたいと思っております。
オリンピックの招致といいますと、負けてしまうというか、採択されないと、何か徒労に終わるようなところがあると思うんですけれども、こういう文化遺産登録の取組に関しましては、仮にだめだったとしても、その取り組む過程のプロセスで随分県にも、そして地域にも、そしてそれに従事されている方にとっても、非常に有意義なことだと思っております。ぜひそのへん、しっかりやっていただきたいというふうに思います。
同じ素潜りのということで、真水と海水の違いはあるかもしれませんけれども、ご夫人にも、もしよかったら、活躍していただけるとありがたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)
〇中嶋委員 自民みらいの中嶋でございます。
鈴木英敬知事とこういう形で公の場で議論させていただく機会を本当に心待ちにしておりました。知事が知事選へ出られるという前にお誘いいただいた龍馬プロジェクトで、プライベートな場ではございましたが、いろいろとディスカッションさせていただいたわけでございます。いよいよ今度は知事と議員という立場で対峙させていただくということで、是々非々で頑張らせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
しっかりヒットで送っていただいたんですが、私は大振りぎみなので、私がだめでも、この後は東委員という4番バッターが控えております。気楽に、最初でございますので、やらせていただきたいというふうに思います。
今話題になっています震災対策のことについて、やっぱり触れざるを得ないということで、まずそこからちょっとお伺いをしたいというふうに思っております。特に今回、70億円を超えるような東日本大震災対策、復旧、復興、水産業についても、随分とお力を入れていただいたこと、改めて感謝を申し上げるところであるんです。一方で、放射能汚染の問題でございます。本会議でもいろいろと議論がございました。知事の口からも、放射能問題が、遅々として対応が進んでいないということで、非常なご心配をされていらっしゃり、全くそれは国民皆さん同じでございまして、6月12日の朝日新聞には、「大震災、原発事故影響受けイカナゴ漁打撃」という見出しが躍っておりました。これは漁獲量自体が、昨年豊作だったわけですが、それと比べて4割、さらに茨城県沖のコウナゴから高濃度の放射性ヨウ素が検出されたということで、浜値もどんと下がったということで、非常にこの鈴鹿市を中心とした伊勢湾のイカナゴ漁が打撃を加えられたと。本当に風評被害は起こっておるわけでございます。これはたまたま今回、イカナゴという特定の魚種で出てきたわけですが、もう三重県の1次産品、全国かもしれませんが、三重県の1次産品でも、今後ともこの放射能にかかわる風評被害というのは起こってくる可能性は十分高いというふうに思っております。
先日、農水商工部の方から、文部科学省から受託しているマダイ及びアサリの放射性物質の測定結果という、それに関する情報をいただきました。年1回定期検査をされていらっしゃるということで、いずれも暫定規制値未満ということで安心をしておるところでございます。また、今後の対応としては、必要な場合、直ちに放射性物質の測定に入れる体制の整備など、水産物の安全・安心の確保に向けて、対応を進めていきますというふうなことも書いていただいてありました。
そんなこともあるのか、6月13日のぶら下がり会見で、愛知県の方が、荒茶についての放射能の検査をするということを受けて、三重県ではどうなんでしょうかという質問があったのかもしれません。詳細を私は存じ上げておりませんが、新聞記事だけ見ますと、荒茶についても、文部科学省の受託検査が近々予定されておるので、独自の検査は考えていないという知事のお答えだと、新聞紙上でありますが伺っておるところでございます。
ただ、先程申しましたように、いつ何時、この放射能汚染の風評被害が三重県の1次産品、ただでさえ痛んでおる1次産業をさらに痛めつけるかというおそれがなくなったわけではございません。今回は震災対応で、いろんなメニューを用意していただいておるんですが、その放射性のセシウム、こういったものなどの検査、これについては文部科学省からの委託で行う、年1回以外にも、県独自として行っていただけないかと。特に風評被害が出やすいお茶だとか、それからお茶と並んでセシウムの吸収が多いといわれているシイタケとか、水産物、特にワカメとかの海藻類は、半減期は短いですけれども、ヨウ素を非常に吸収しやすいというふうなことも言われております。こういったお茶、シイタケ、それから水産物というものについて、ちゃんと測定した結果を踏まえて、早期に三重県の1次産品は安全なんですということを、国内外に発信するべきではないかと思っておるんです。そのあたりについてのお取組を、お聞かせいただきたいというふうに思います。
〇渡邉部長 放射能による農林水産物への影響についてのお問い合わせでございます。
委員の方からもご指摘がございましたように、昭和63年度から毎年、文部科学省から、日本全体の放射能の影響をはかると。これは世界じゅうの原発であるとか事故があった影響が、日本でどういう状況だということで、全都道府県がやっております。その中で、この間公表いたしましたアサリとかマダイについても調査を進めて、これそれぞれ旬の時期というんですか、大体そういうところ目指して、従来はかってまいりまして、逆に申せば、今回福島県の事故を受けて、いわゆる農産物、水産物が影響を受けているのは、その爆発時におきましては、非常にたくさんの放射性物質が飛散をした状況、それから海水に流れた状況、こういうことが実は今回、出荷停止に至るような事象になっておるということで、幸いというんですか、三重県はご承知のように、毎日雨とかチリのいわゆる放射性物質の検査をしております。一度ヨウ素で微量のものが出ましたが、現時点ではいわゆる健康に問題があるような放射線というのは確認をされておりません。したがいまして、当然農産物、水産物、いわゆる福島県の汚染を考えれば、私は三重県で、そのための特別な調査というのは、現時点では必要ないし、三重県の農林水産物は安全だという認識を持っているところでございます。
ただ、先程委員からありました文部科学省の調査、これは別に受託しておるだけで、三重県が独自でやっておる調査でございます。今後荒茶については来週、できるだけ早いタイミングで調査が整いましたら、公表させていただきます。それと引き続き牛乳とか米とか、おっしゃいましたワカメ等々も、それぞれ設定時期がございますけれども、順次やっていく。
もう一つ、今回は6月の補正予算におきまして、福島県の状況も含めて、三重県にとって非常に、例えば影響が考えられるという事態が起こったときに、直ちに検査が行えるように、予算も上げさせていただいております。今後はいわゆる状況を見ながら、それとあわせて、県民には風評被害にならないように、三重県産の農林水産物は安全だということを、時期をとらえて、また知事も含めて、積極的にPRをさせていただきたいと思っております。
以上でございます。
〇中嶋委員 何でもかんでも、いわゆる旬でないものまで1個1個取り出して、全部やってくれということは、もちろん申し上げているわけではないわけでございます。ただ、消費者の不安というものは、非常に大きなものであるのは事実だと思います。特に小さなお子様を持っていらっしゃるご家族の皆さんというのは、本当に、どこの産地のものなのか。その産地のものが安全なのかということについて、正確な情報がなかなか伝わっていないというのが現実だと思います。私が存じ上げておる、お子さんを持つご家族の皆さんも、私がこういうふうにお話をしても、なかなか理解をしていただけない。多分それは、私がうまく説明できないということだけでなく、私という人間がそれだけの説得をするバックボーンがない。三重県という公的な機関がしっかりと、今、部長の口から、三重県の産品は安全ですと、自信を持っておっしゃっていただきましたが、それを何度となく言っていただきたい。しかもそれは県民だけでなく、私、国内外と申し上げましたが、国外に向けてもぜひ発信をしていただきたいというふうに思います。
例えば一例なんですが、この6月1日に日本農学アカデミーというのがありまして、そこのシンポジウムへ行かせていただきました。そこでは、水産物の今回の放射能汚染について、元国の水産研究所の放射線の専門の方がご講演をいただいたわけでございます。そこで、私も非常に勘違いしていたんですけれども、放射能というのはどんどんたまっていく、例えば食物連鎖で大きな魚ほどどんどんたまっていくというふうな錯覚をしておったんですが、そこで、それはPCBとか水銀とか、そういったものはそうかもしれんけれども、放射能は違うんだというお話を伺いました。私の横にいらっしゃったご年配の女性の方も、これで安心だというふうなことをおっしゃっていたり、どこでとれた魚かというトレーサビリティーも、今はしっかりできるんだというお話も伺って、例えば三重県のどこそこ沖でとった魚ですということを、もっとトレーサビリティーをしっかりさせて、漁連と連携してやっていただくとか、そういうことを進めていくことで、もうちょっと風評被害というのは避けられるんではないかと。少なくとも、今、風評被害がゼロではないという状況であるということだけはご認識いただいて、今おっしゃっていただいた三重県の産品は安全なんですということをしっかりと言っていただきたいと思いますし、万が一のときにはすぐに対応していただけるような取組もしていただきたいというふうに思います。
あと、話が変わるんですが、大震災絡みの、今被災されていらっしゃる皆さんの健康状態について、私いろんなメーリングリストに登録させていただいている中で、お医者さん、開業医の皆さんのメーリングリストにも入らせていただいております。その中で、今、長引くこの被災状況の中で、よく新聞で取り上げられているのは、慢性の病気ですね、持病を持っている方が、どんなお薬を持っていたかと。もう津波で流されてわからないということで、生活習慣病初め、慢性疾患に対する対応が非常に難しいと。特に歯科医師からのお話がございまして、歯の健康に関する、これが非常に大きな問題になっておると。歯を治療するには専門の施設が必要であるという中で、私ちょっと調べていないので、申し訳ないんですが、今、三重県歯科医師会と災害協定というものが結ばれているのかどうか、そのことについてご確認いただきたいと思います。我々議会の方からも、前々から申し上げております歯と口腔の健康づくりということについて、今我々、条例としてしっかりと取り組んでいくべきだというようなことを、常々申し上げてきておるところでございます。三重県には三重県健康づくり推進条例というものがあって、通称はヘルシーピープルみえ・21。この中で、歯に関する8020運動初め、そうした計画そのものはあるわけでございますが、改めて今回の避難生活をされていらっしゃる方の健康状態の状況を聞くにつれて、歯の大切さ、口の中の健康づくりの重要性というものが非常に増してきておるということを改めて感じたところでございます。そうした中で、1つには歯科医師会との災害協定というものが結ばれておるのか、どうかということ。加えて、歯に関する健康づくり。災害時にそうした歯、口の中の健康ということが非常に生活習慣病初め、持病をさらに悪化させてしまうおそれがあるというリスクが非常に大きいということがわかってまいったという情報があるわけです。そのことに関しての何かご所見があれば、お答えいただければと思います。
〇山口部長 まず、第1点目の歯科医師会との協定でございます。これについては県と現在締結をさせていただいております。歯科医師会、医師会初め12団体と締結をさせていただいているところでございます。
お尋ねの歯科保健推進条例は、これまでもいろいろ議論をいただいております。先程ご説明あったように、これまでの議論では、三重県におきましては、健康づくり推進条例をいち早く定められて、その中で歯科保健についてもしっかり取り組んでいたという経緯の中で、特別に歯科の部分の条例についての、そういう検討は十分進んでいなかったといいますか、健康づくり推進条例の中で対応していくということでございます。
今回、大震災を受けて、さらにそういう点も踏まえて、検討していくところはさらに検討していきたいと思います。
以上でございます。
〇中嶋委員 私も健康福祉病院常任委員会のメンバーなんで、詳しくは委員会の方でまた議論させていただければと思うんです。しかし、こういう事態がいつ三重県で起こるかもわからない。特に三重県の場合は、三陸沖と同じようにリアス式海岸で、大きな津波が襲ってくるおそれも高いという観点からいくと、同じような被害に遭った場合に、三重県民が長く避難生活をしなければいけないという、そうしたまさに緊要性を考えますと、ご検討いただくのもいいんですが、場合によっては我々議会としても、いよいよ歯と口腔健康づくりに関する条例というものも、新たなメンバーではありますが、議会の中でも議論していかなければいけないのかなということを考えたところでございます。特にこのことについては、今後しっかり議論を深めさせていただきたいと思います。
次に、大震災と観光のことについてお聞かせいただきたいと思っています。帝国データバンクが出しているデータなんですが、今年の6月10日現在なんですけれども、東日本大震災の関連の倒産、これが全国で150社を超えたと。阪神・淡路大震災のときと比べて2倍のペースだということで、これから関連倒産が増えてくるだろうという予測をしております。特に今、150社の内訳を見ますと、間接的な被害、先程申しました風評被害によって観光業とか食品、部品メーカーです。部品メーカーについては、サプライチェーンの問題だと思うんですが、こういった倒産が多いということでございます。ちなみに阪神・淡路大震災の際には、3年間で394社が倒産しておったと。もう既にその半数近く行っておるわけです。阪神・淡路大震災のときは、履物とか繊維とか食品という地場産業が中心で、兵庫県がその8割を占めていたということなんですが、今回は非常に広域な災害ということもあって、日本全国で、先程申しました観光を初め、間接的な被害も含め、倒産件数が増えていくのが危惧されておるところです。今回の補正予算で、中小企業に対しましては、経済活性化策の一環で、3億9100万円ほどの事業を組んでいただいておりまして、その中でやっていただいておると思うんですが、どうも観光に対する支援策というものがなかなか見受けられないのではないかというふうに思っております。
志摩市の例でも、特にちょっと調べさせていただいたんですが、震災発生して3日で3700名近い方がキャンセルされた。その後もその影響がずっと続いておると。もうその3日間だけで5000万円を超える損害が出ておるというふうな状況でございます。この「旅ごころ誘う三重奏」誘客戦略推進事業という事業の中に、今回の震災を受けた風評被害防止、そういったものが入っているのか。そのことについてお伺いしたいと思います。
〇長野局長 委員ご指摘の間接被害を受けました観光業への支援ということでございます。
先程の「旅ごころ誘う三重奏」誘客戦略推進事業。あれは震災対策の事業として整理をしておるということではございません。けれども、誘客という観点からは、三重県へ来ていただくということでPR等をさせていただくので、最終的には、結果として誘客になるとは思っておりますけれども、震災対策の事業という整理はしておりません。
震災対策の中身を少し申し上げさせていただきますと、基本的に先程おっしゃいましたように、県内の主要観光施設、旅館、ホテルで、震災直後、かなりのキャンセルが生じております。経済的な被害が生じております。我々観光の部署といたしましては、その県内観光業の回復のために、誘客促進の取組というのを強化するということで、対応を進めておるところでございます。
お尋ねの6月補正でございますけれども、私ども観光局で約1億300万円の全体の補正予算額がございます。緊急雇用の創出事業、これも合わせまして、そのうちの7400万円余りが本県への誘客促進を目的とした、県内観光業への支援に係る経費というふうに整理をさせていただいております。それから、当初予算で県内誘客の予算も計上させていただいておるんですけれども、震災後におきます県内の観光需要の創出の観点ということから、その一部事業、再構築をさせていただいて、それが2700万円ぐらいあるんで、約1億円の事業費を支援に充てておるところでございます。例えばその6月補正の予算では、緊急雇用創出事業で中京圏あるいは関西圏の主要な駅にブースを設置して、そこでPRを緊急的にやることで誘客を図るというような事業がございます。そういう形で何本か今の7400万円の中に事業を盛らせていただいております。
しかしながら、県内の主要な観光施設の入り込み客数というのは、この間ゴールデンウイークの状況というのもちょっと発表させていただきました。ゴールデンウイークの期間については、ほぼ前年並みということでしたけれども、ゴールデンウイークを含みます5月全体で見てみますと、県内の主要施設では、やはり減少をしております。大体主要施設で1割5分ぐらいの前年比減でございます。そういうことを考えてみますと、観光業の環境というのは非常に厳しい状況がまだ続いておるということでございます。県といたしましては、県内観光業に対します震災の影響について、引き続き調査、把握をしていきますとともに、必要に応じてさらなる支援策というのも検討はさせていただきたいと思っております。ただ、その経営金融面に対しましては、商工でやっていただいています東日本の緊急対策資金で対応をさせていただけるのかなというふうには思っております。
以上です。
〇中嶋委員 私がお伺いしたかったのは、最後のところで、いろいろと誘客していただくのは、もちろんやってもらわなければいけないわけですが、誘客した、けれども、受け入れ施設の方が、この今の厳しいときに、資金繰りが行き詰って、もう泊まるところもなければ、遊ぶところもないとなってしまうといけないので、緊急的な対策部分はどうなのかというのをあわせて聞きたかったところなんです。これは旅館業も対応になっていて、いわゆる災害資金的なものをお貸しさせていただくことはできるのか。そこだけ確認させてください。
〇山川理事 今回の特別融資の件は、旅館業も対象になっております。
〇中嶋委員 そのあたりのしっかりとしたPRも事業者の方にやっていただきたいと思いますし、あとはそのPRの仕方です。誘客の方の話ですが、三重県、特に私どもの伊勢志摩、東紀州は海が売りになっていまして、今回の津波の映像を見て、やはり海に対する恐怖心というものを多くの皆さん、国民の皆さんが持ってしまった。これは自然の猛威ですので、いたし方ないわけでございますが、そのあたりの安全対策の面だとか、そういったことも含めた効果的なPRをぜひお願いしたいと思います。
あわせて、今後の観光振興、先程も、6月に観光振興条例のお話があったんですが、特に鈴木知事には観光のことについても本当に私は期待をさせていただいております。特に今回の補正予算でも出ています、三重県のすごいやんか大賞とか、三重フードバレー(仮称)。(仮称)大事なところなんで。それと、首都圏でのアンテナショップ。こういった取組と、今後のこの三重県の観光政策というもの。今回の補正予算でついたとした場合、観光政策も意識しながら、どういうふうな展開をしていこうとされているのか。今お考えがあれば、知事のお考えを聞かせていただきたいんです。
〇鈴木知事 ご質問いただきました観光振興の件であります。私自身もこの三重県のポテンシャルから考えますと、観光振興というのは、県政の最重要課題の一つであるというふうに考えておりますので、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
観光は、私よく言うんですけれども、ザ・ウィンザーホテル洞爺の再生をさせた窪山さんという方が、観光において大切なことはということで、予感、体感、実感と。例えばホームページを見て、あるいはアンテナショップとかそういうのに行って予感する。ああ、行ったらこんなことがあるんだろうなという予感を感じる。そして行ってみて体感する。ああ、よかったなと。そしてまた行ってみようと実感するという、この予感、体感、実感というのが大切だというのを、私そのウィンザーホテルで教えていただいたことがあります。
そういう観点から、今、委員からご質問いただきました「すごいやんか大賞」、アンテナショップ、フードバレー(仮称)。まず、「すごいやんか大賞」は、三重県のいいものを掘り出して、それを情報発信して、観光に来ていただく方に予感を感じていただく。また、アンテナショップという場に来ていただいて、三重県に行ったらこんなものが食べられるんだろうな、こんな風景があるんだろうなと予感を感じていただく。そしてもう一つ、フードバレー(仮称)の方は、実際に来ていただいて、観光客が満足していただく食というのをつくり出していく、食を体感していただくような場所にしていきたい。そういう考えでありますので、すべての施策が観光振興にもつながっているという認識であります。
〇中嶋委員 非常にクリアなご答弁をいただきましたので、その方向でぜひ進めていただきたいと思います。
先程の三重フードバレー(仮称)ですが、これについては、冒頭に申し上げました放射能の汚染の問題、食を売っていくということは、非常に大事なことだと思っています。そうした意味においても、放射能汚染対策もしっかり取り組んでいただきたいということを、改めて申し上げたいと思います。
あと1点、ちょっとご提案をさせていただきます。
インバウンドです。海外からの誘客ということについて、やはり力を入れていただきたいと思っております。
実は今月の6月29日に、石川県金沢市で日台観光サミットというのが開催されます。これは4回目でございまして、2回目が静岡県、3回目が台湾の南投市、今回4回目が石川県ということで、次日本に来るのは平成25年でございます。時間もない中ですが、これは日本の、先程溝畑長官のお話が出ましたが、日本の窓口は観光庁だそうでございます。ぜひともこのご遷宮のときに、実はこのご遷宮に合わせて、全国規模の大会をぜひ誘致してほしいということを、3年ぐらい前にご提案申し上げたんです。残念ながら全国的規模のイベントというのは余り誘致に成功していないように思っておりますので、日台観光サミット、第6回目を三重県でご遷宮の年にやっていただけるように、ご検討もいただきたいということを提案させていただきます。
観光については、予感、体感、実感ということでございますので、鈴木県政も、何か変えてくれるんじゃないかという予感が今あるわけです。それをぜひ体感していただいて、日本一幸福を実感できるように持っていっていただきたいということで、それに必要な行財政改革についてちょっとお聞きしたいというふうに思います。
今回の6月補正で、冒頭に舘委員の方からもご質問ありましたが、起債の関係についてちょっとお伺いしたいと思います。
今回の6月補正の財源の調達の特徴というのが、国庫支出金と借金である県債を減らす。財政調整基金を初め、これまでためてきた基金をできるだけ使う。特例による給与カットで2.8億円をつくって、全体として歳出の規模としては対前年比1%プラスまで持っていったということでございます。これは議案聞き取りのときか、全員協議会のとき、総務部長にも確認させていただきましたが、今回県債発行を極力避けられたのは、鈴木知事がおっしゃっている将来世代に負担を残さないためで、その一環として、今回県債の発行を減らしたんだというお話をいただきました。また、知事提案説明も含め、答弁にもありましたが、4年以内に負債残高を、県債残高を減少させるというふうな説明もいただいたところです。
大きく県債といいますと、建設需要に伴う建設公債、それと臨時財政対策債と言われる特例債です。いわゆる赤字的な経営に使うためのお金で、この2つだと思うんですが、特に近年増えておるのは、もうご承知のとおり、臨時財政対策債でございます。今後も税収が減ってくれば、臨時財政対策債というものが増えてくることになろうかと思うんです。将来世代に負担を先送りしないという観点からいくと、まさに臨時財政対策債、それから退職手当債というのは、現世代の我々が、県行政からサービスをいただくに当たって、その財源を先送りしようということでございますので、これは多く発行するというのは、抑制していく方向であるべきだとは思うんです。一方で、ご承知のとおり、もともと認められておる建設地方債というのは、将来の世代もそのインフラを活用するという観点で、世代間で負担しましょうという意味で起債がされておるという観点があろうかと思います。将来世代へ負担を残さないという観点でいけば、4年以内に県債残高を減らすという中でも、一くくりで県債残高というんではなくて、建設に係る部分は、また別で考えましょうと。必要なインフラ整備のことを、防災対策も含めやらなければいけないわけですから、ここはここだけれども、まさに将来世代にツケを残すような臨時財政対策債、それから退職手当債、こういったものを減らしていく。こういうふうな考え方の整理というものはできないのか。このあたり、ちょっと知事なり総務部長のお考えを聞かせていただきたいと思います。
〇鈴木知事 委員からご質問ありました県債残高を減少に転換させていく。それに向かってどうしていくのか。これは今後、有識者の皆さんのご意見なんかも聞きながら、どういうふうに進めていくか考えたいと思いますが、現時点においては、委員のご指摘とは少し違う方向になってしまうかもしれませんが、臨時財政対策債は、元利償還金の全額を後年度地方交付税で負担してもらうと。そういう意味では、実質的に交付税と同じというような考え方。むしろ一方、建設債の方は、自分たちの県で、もちろん後年度と負担を平準化するということはあるんですけれども、県の方でマネージしていける、そういう借金であります。私が目標と掲げている4年以内の減少への転換という部分については、臨時財政対策債を含めずに、建設債の方で目標を立てていきたいというふうに考えております。
これは実は、大阪府において、負債の抑制目標を立てて、今もその負債の目標を逓減させています。その際には、臨時財政対策債は除いて、その負債の抑制目標を立てて、それに向けてやっているということもあります。将来世代への後年度への平準化という観点はありますけれども、現時点においては、私はそのように考えておりまして、今後実際にどういうふうに道筋をつけていくのか。そういうことについては、いろんな方々のご意見を伺いながら検討していきたいと思います。
〇植田部長 臨時財政対策債についてご説明をさせていただきます。
これは国の地方財政対策におきまして、平成12年度までは、基本的に地方財政計画におきます財源不足につきましては、交付税の特別会計、ここに借入金としまして、それの償還をそれぞれ国と地方が折半をして負担するという形で、国と地方の借金は全部交付税特別会計の方につけられておったということから、地方の方にそれを負担している意識がないということで、平成13年度の地方財政対策において見直されまして、国と地方の責任分担の明確化、それから国と地方を通ずる財政の一層の透明化を図るということで、財源不足のうち、建設地方債の増発分を除いた残りについては、国と地方が折半をして補てんするということで、国については一般会計からの加算によりまして補てんをする。一方、地方につきましては、財政法の5条の特例ということで、先程委員ご指摘の赤字地方債でございますけれども、それによって補てんをするということで、制度改正が行われておりまして、それをずっと引き継いでおります。臨時財政対策債につきましては、本来地方交付税で措置されるべきものの振りかわりであるということで、交付税の原資が潤沢にあれば、別にこれを発行しなくてもいいわけですから、振りかわりであるということで、こちらとしては、地方交付税と同じものであるという認識をしております。また、国の方においても、臨時財政対策債と言っておりますけれども、一般財源という扱いで来ております。そういうところから、先程知事が申し上げましたように、臨時財政対策債とそれ以外の建設地方債を分けて、きちっと整理していく必要があるのかなと思います。
〇中嶋委員 論理的には全くそのとおりであるんですが、結局地方交付税特別会計というものがもたなくなって、タコでいうと、腹が減って食べるものがない。だから今回、臨時財政対策債という名前の足の部分を食っておるわけです。ところがその臨時財政対策債は、交付税措置します、交付税バックしますという、そのための財源もないもので、別の足も食べ始めているわけです。タコのように8本足だったらいいわけですけれども、果たして今の国の財政がそれだけの余裕があるのか。私は今回、鈴木知事のお話の中で、将来世代にツケを残さないという、ここは非常に大事な、まさに日本一若い知事らしい発想だと思いますし、そこを進めていく上においては、ちょっと発想が逆なんじゃないか。これからさまざまな専門の方々との意見交換も含め、ご議論いただくわけでございますが、県債全体を減らしていく方向性、そのこと自体は否定はしませんが、その理由が将来世代への負担を残さないというところ。ここは大事にしていただきたいと思います。
今、防災対策初め、三重県のおくれておるインフラ整備についての要望というものが非常に多いというのは、三重県じゅう回っていただいた鈴木知事も実感していただいているところだと思います。将来世代と分かち合う部分、それから現世代が我慢しなければいけない部分。まずそこから考えていただく中で、どの県債を減らしていくのか、管理していくべきか。そういったことをお考えいただきたいということを要望させていただきます。
あわせて、これまで県債発行、例えば今回の6月補正ですと、141億円なんですが、一体県債発行しておる。臨時財政対策債を含め、どんなところにどれだけ発行しているのかというのが、実際のところ我々議会も余り今までチェックをしてこなかったかなと思っています。
平成22年度の臨時財政対策債の発行状況を見ますと、大体800億円ぐらいあるんですけれども、財政投融資的なものが24%ぐらい、4分の1です。地方公共団体金融機構が20%ぐらい。銀行とかの民間が一番多くて33.6%ぐらいの割合で受けていただいておると。市場公募債は23%というふうな内訳という、これは決算なんで、こういう数字が出てくるんだと思うんですが、こういうのを教えていただきました。それぞれ20年の債券もあれば、30年債券もあります。調達方法というのが、非常に多岐にわたってきておる今、今後の議論として、例えば今回でも141億円発行します。その発行する場合には、相手方もあるので、何ぼずつどんな条件でとは言えないと思いますが、大体の目安というか、見込みでも、例えば141億円の何%は民間で受けていただく、何%は政府系で受けていただくみたいな、そんなようなことも情報開示というか、情報共有していく中で、我々議会としても、財源調達というところにしっかりと目を向けていきたいと思います。こんなことも、ご提案ということでさせていただきたいというふうに思います。
時間がないので、また議論は、いろんな場面がありますので、よろしくお願いしたいと思います。
最後に、三重県版事業仕分けについて、幾つかご提案をさせていただきたいと思います。
今日もお話あったように、事業仕分けをすることそのものが目的ではなく、また、いくらの事業費を捻出するかという、削減が目標ではない。そのことは全く共感するところでございまして、三重県における事業仕分けをするに当たっては、5つの視点から評価、検討していただくわけでございますけれども、結局その判定結果が出るわけです。それをどう生かすか、どう反映させていくかというところが大事だというふうなお話がございました。そのために、判定結果のあり方について、幾つか考えを申し上げて、知事のお考えも聞かせていただきたいんです。行政刷新会議がやっている廃止不要とか、事業実施主体の見直しという、いわゆる無駄の排除というふうな論点だけの追求型の判定結果だけではなくて、もちろん必要な部分はあるかもしれませんが、例えば現状の維持で予算はそのままとか、サービスをもっと増やして予算そのまま。あるいはサービスも予算も増やしていけというふうな、そういうプラスの改善の方の判定結果というものも、あっていいんじゃないかということを思っております。また、最近よく官民パートナーシップ、PPPと言われておりますが、そうした観点から、市場化テストというものも国で進められ、また大阪府でも市場化テスト大阪府版というのがされ、私も三重県版市場化テストというのを提案させてもらったことがあります。要は判定結果の中には、事業実施主体は、これは民でできるかもしれないけれども、やっぱり官がやるべきかもしれない。だから1回官と民で競争してみたらどうですかというふうな、そういうテストに付したらどうだという判定結果もあっていいんじゃないかというふうに思っておるんです。そのことについて、知事のお考えがあれば、教えていただきたいんです。
〇鈴木知事 事業仕分けの判定結果というものについてであります。先般の一般質問などでもお答えさせていただきました、妥当性や緊要性、そういうような5つの視点で判定した結果、事業の拡大、あるいは充実という判定結果があってもいいというように思っておりますので、今回の事業仕分けの中では、その事業の拡大という判定も、種類として設けたいと考えております。
市場化テストにつきましても、私も経済産業省におりましたときに、市場化テストの部屋を内閣府につくるお手伝いをさせていただいておりました。非常にいろんなメリット、デメリットがありますけれども、一つの有効な手法であるというのを認識していますので、国の動向なんかもしっかりと勉強して、いろいろ検討していきたいと思います。
〇中嶋委員 ぜひその方向で進めていただきたいと思います。
そうした中でいきますと、今日植田部長の方からのご答弁で、1900本ぐらいある事業が、一応庁内の中で100本ぐらいに絞っていって、外部の方との経営戦略会議か何かのメンバーとの議論の中で、40本から50本ぐらいになっていくというふうな、そういう説明かなと理解したんです。経験則から多分そういう数字になっていくだろうというふうな思いかもしれませんが、ぜひとも庁内で100本に絞るとき、それから100本から40~50本に絞るときというのは、それこそ数字に余りこだわらずに、ぜひとも多くの改善点を見つけていただいて、多くの対話を、それも仕分け人との、それと県の方との対話も含めて、工夫したやり方をぜひやっていただきたいと思います。
それと、この事業仕分けに対して、対象の部分で、1900の事業という話があったんですが、今年の3月16日の政策総務常任委員会、当時水谷正美委員長が委員長報告をしていただいた中に、県の出資法人改革に関することについて提案をさせていただいております。それは、県の出資比率25%以上の法人、これに関してこういう提案をさせてもらっています。その存在意義や事業の必要性について、社会経済情勢の変化を踏まえて、公正、的確に評価した上で、県民にわかりやすい形で示せるよう、評価項目の見直し等に取り組んでいくことを要望しますと。今まで条例等で、県出資比率25%以上の法人については評価が義務づけられ、またこの議会でも報告をいただいておるところなんですが、当時の委員長報告からいきますと、さらに的確な評価は必要だろうと。県民にわかりやすい形で示すことは必要だろうというふうな要望をさせていただいたところでございます。
そう考えますと、今回の事業仕分けの対象の中に、出資法人というものも入れていくべきではないかなということを思っております。あわせて、25%未満のほかの出資法人については、県としてそういった評価をする権限というものの問題もありますので、ストレートに事業仕分けの対象というわけにはいかないと思っておるんですが、その委員長報告の中でも、そのほかの出資法人に対する補助金とか業務委託、支出の、県の関与のあり方。これについて詳細な検証を行うべきというふうな意見もあわせてご報告をしていただいております。こういった観点で、今回1900本の事務事業もぜひ見直しをしていただきたいと思っておるんです。それについて何らかのお考えがあれば、教えてください。
〇植田部長 昨年度の政策総務常任委員会におきまして、中嶋委員ご指摘の2点についてご意見をいただいたところでございます。また、平成10年度の行政システム改革以降は、外郭団体の見直しの基本方針でありますとか改革方針、これらを受けまして、これまで存在意義や事業の必要性の薄れた9団体については廃止をしております。また類似の団体でありますとか、同じ分野の事業を行っております20団体につきましても、9団体に統合し、事業の整理縮小というものにこれまで取り組んできております。
こういう流れとともに、昨年度の常任委員会での議論を踏まえまして、事業仕分けの項目ではないんですが、行政改革の中の外郭団体の見直しの中で、公益法人制度改革など、近年の制度改正の影響も含めまして、社会経済情勢の変化を踏まえて、団体のあり方でありますとか、県の関与のあり方につきまして、外部の専門家の意見も聞きながら、十分に見直し、検討を進めていきたいと考えています。
以上でございます。
〇中嶋委員 主語はともあれ、検討していただく中で、とかく総務部主導になりますと、削減ありきという部分が出てしまう。もちろん拡大志向ばかりではいけないわけで、削減しなければいけない部分もあるんですが、さっき申し上げたように、事業仕分けにしても、外郭団体にしても、そういうプラスの部分の改善というふうなことも、今回の行政改革の中でやっていただきたいなと思います。
まだまだ議論したいことはたくさんあるんですが、とりあえず時間が参りましたので、やっぱり大振りで終わってしまいましたけれども、これからまた鈴木知事とはいろいろと何回も議論をさせていただきたい。まだ1回の裏が始まったばかりで、9回までありますので、頑張りたいと思います。よろしくお願いします。
終わります。ありがとうございました。(拍手)
〇岩田委員長 次に、鷹山、ご質疑をお願いします。
〇東委員 皆さん、こんにちは。私は、尾鷲市・北牟婁郡選出の保守系会派であります鷹山、奥野英介代表の東豊でございます。
初めて質問させていただきますが、何とぞよろしくお願いを申し上げ、そしてまた、こういう機会を与えていただいたこと、委員長初め議員の皆様に感謝を申し上げます。
主に6月3日に上程をされました補正予算についての総括質疑ということで、その中で、特に私は、3.11地震津波対策に関連して、特に防災対策を備える上で、その予算編成の心構えといいますか、考え方を中心にお尋ねしていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
このたびの補正予算総額313億円のうち、約半分の155億円は、知事選での政策集の関連であることがうかがえ、また、70億円が震災復興支援や防災に充てられていると理解しています。予算編成の作業の中で、鈴木知事の頑張りが十分に読み取れ、そしてその意思が反映されていて、素早く対応されていることを拝察いたしております。
さて、そのようなことを前提にお伺いするのですが、防災危機管理部所管のわかりやすい防災情報提供事業費3130万円を計上し、新たに津波浸水予測調査を実施し、県内の津波対策を検討するとあります。これは「すごいやんか三重」の政策集の言葉をかりると、災害時の防災自助力日本一への取組と考えられ、ソフト面における成果が大いに期待できると思われます。
具体的に避難させ、命だけは守る。多分鈴木知事も選挙期間中、命だけは守りたいと訴えられ、私も同じように、特に三重県南部の人たちの命だけは守りたいということを訴えてまいりました。そういうことが共通して、大変理解をしているものです。
しかしもう一方で、ハード面に対する備えについて、私は伺いたいことがございます。
東日本を襲った津波は、スーパー堤防をも乗り越え、そしてあるいは堤防を瓦れきとしてしまうほどのハード面の整備に無力感を感じました。私も5月6日から8日にかけて現場に参りましたが、本当に無力感を感じました。この状況を三重県に置きかえてみても、なすすべがないのだろうか。何度も自問自答したところです。つまり、率直に申し上げます。沿岸部のこれまでしてきたハード整備、つまり堤防、離岸堤、あるいは防潮扉というものについて、今後発生率の極めて高い三連動地震の津波対策をどのようにハード面からの視点で考えていくべきなのかということを具体的にお尋ねをしたいと思います。
三重県が既にシミュレーションを出してございます。ここにあるんですが、これは実は、平成17年ぐらいに、つまり6年ほど前に発行されていまして、このときでさえ、例えば熊野市の新鹿は14分後に8.93メーター、つまり9メーターぐらいです。それから二木島は、13分後に8.42メーター。尾鷲市尾鷲で20分後に8.21メーター。と、こうずっと続くわけです。大紀町錦で21分後に8.36メーター、つまりほとんど9メートルの津波が襲ってくるわけです。今年津波浸水調査をされるとおっしゃいますが、既にこういう予測がある。これを上回る予測が多分されるんだろうと思うんです。
ちなみに、今の私ども住んでいる、本当にリアス式の海岸堤防は、昭和34年、つまり私が生まれてすぐ、伊勢湾台風が襲ってきて、その後順次整備されてきたという海岸地区であります。既に50年以上たっているところです。もちろん補強もし、新しくつくったところもあるんですが、ぜひこの補強、耐震補強ですね。津波が来る前に、まず震度6強で落ちて、地盤沈下して、津波がその後来るというんでは、堤防本来の機能がないというふうに思うんです。今回の3.11大震災を受けて、どのように見直されようとしているのか。そのあたりをお聞きしたいと思っています。
〇北川部長 東委員のご質問にお答えいたします。
三重県の海岸の現状とか、ちょっと説明させていただきますと、三重県の海岸延長が約1000キロメートル強ございます。そのうち150キロメートルが伊勢湾内で、残りは全部熊野灘。というのは、リアス式海岸で、その海岸延長をずっと辿ると、900キロメートルを超えるという状況です。この全1000キロメートル強のうち、何らかの堤防とか防潮対策、いろいろな対策をとらなあかんのは半分弱ぐらい。そのほとんどが委員おっしゃったように、伊勢湾台風後に、台風等による高潮、台風は低気圧になりますと、海面が上がります。そこへ風で波が来る。高潮、高波対策として整備をしてきました。堤防の高さもそういう高さに対応しています。
現在の取組なんですが、1000キロメートルのうち、県土整備部が8割ぐらい。残りが農水商工部でもってみえるんですが、もちろん対策をしていまして、1つが阪神大震災以降、耐震対策が大事だということで、伊勢湾台風後の整備では、そんなの全然考えていませんので、特に液状化、あるいは強い強度で揺すったときに倒れないのか、そういう対策を今やっている。
もう1点が、言われました補修です。当然もうつくって50年というようなところもありますので、クラックが入っていたり、空洞化していたりと、そういう対策をやっている。
もう1点、これは津波対策にもなるんですが、海岸部で防潮扉といって、海岸に引き戸の大きな扉がある。そういうのを今までは手動で人が動かしていたんですが、そんなのではとても時間がかかるということで、この動力化というのも、結構これまで取り組んできている。そういう状況です。
今回、東北の大地震、津波ということで、おっしゃるように、現在の想定津波高でも、今の堤防よりも越えるところは、特に委員おっしゃった熊野灘で多い。なぜかというと、高潮は伊勢湾内ですと、奥ほど高くなるんです。木曽岬とか名古屋港の方が。それから熊野灘では、外に面しているところは高潮プラス波が来るんで、外海に面している堤防は高くつくってある。逆に港があるような湾内の中は、高潮は来るけど波が来ないので、その分低い。ところが津波はそういう地形のところほど高く来るということで、今の堤防高より高い津波が来るという想定になってしまう。
これに対する対策なんですが、実は国の方でも今、防災会議の中の専門調査委員会で、ハードでどこまで対応するのかということで、レベルを分けて考えるべきではないかというような意見も出ている。というのは、ハード対策をレベル1、避難対策はレベル2の高さ、と高さを変えた対策をとるべきではないのかと。
あと、午前中知事もおっしゃいましたが、国土交通省の方で防災まちづくりというか、災害を受けたところを今度はどういうふうにまちづくりをするかというところでも、「一線防御」、堤防だけですべて対抗するんじゃなくて、堤防プラスあと違う避難ビルとか避難対策という「多重防御」という考え方も出てくるだろうということで、津波の高さにどう対応をするかというのは、本当まだ検討をこれからしなければいかんという状況にあるわけです。
とりあえず、今進めるべきは、耐震対策と、それから補強。津波が来る前に、地震で壊れとってもいかんし、堤防より低い津波でぱたっと倒れとってはいかん。ということで、そういう補強をしていきたいと考えています。
以上です。
〇東委員 ありがとうございます、丁寧なご説明をいただきました。
今の話ですと、つまり阪神・淡路大震災から耐震力を強化する、施設に補強していっていると。あるいは老朽化している、クラックが入っているところを穴埋めしていくという形で取り組まれていらっしゃるというお答えだと思うんですが、果たしてその進捗状況です。あとどのぐらい残っていて、耐震力も含めて、そのへん、わしづかみで結構なんですが、今の阪神・淡路の後に耐震補強をし出した、あるいは老朽化したところを順次直していっている進捗率をお聞かせいただければ。
〇北川部長 耐震対策につきましては、部で所管している海岸の約2割ほどの進捗でございます。大変事業費がかかりまして、高いところですとメーター200万円ぐらいかかったりしますので、まだまだそんな状況です。
あと、補修につきましては、ちょっと率までは把握しておりません。それぞれの傷んだところを今、どんどんやっているという状況です。以上です。
〇東委員 鈴木知事、2割だそうです。明日来るかもしれない、あるいは来年来るかもしれないという東南海地震に備える護岸の高さを高く上げろという意味ではないんです。今ある堤防の補強、耐震力を向上させるという願いは、地元住民の代表として、はっきり申し上げておきたいと思うんです。例えば、今2割やっていると。いろんな浸水域の見直しとか、予測の見直しとかやっているけれども、実際あとの8割程度は、いつごろまでに完了したいと。例えばこの政策集にもありますが、早急に財源を集めて防災対策にしたいんだという、そのへん、知事のご所見を伺いたいです。
〇鈴木知事 東委員からありましたように、非常に危機感、不安感を住民の皆さんが、特に委員のお住まいの紀伊長島を初め、本当に持っておられるというふうに思います。いつまでにということはまだ計画途上でありますので、ちょっと今ここで申し上げることできません。いずれにしても、スピード感を持ってやらなければならないというふうに考えていますのと、あと残りの8割についても、やたらめったらやるんじゃなくて、やはり危険度の高いところ、優先度の高いところをしっかり見きわめながら、必要なところをスピード感を持ってやってまいりたいと思います。
〇東委員 時間がないので、はしょって申し上げますが、「すごいやんか三重」の政策集から拾ってみると、借金という部分が目につくんです。この広報の、これです。これの一番トップに、県債という、将来にツケを回さないという、さっきの中嶋委員の指摘もあったように、先にツケを回さないという基本的な考えはおありになるんですが、私は、この際ですから、この津波から人を守る。今の堤防の高さで結構だから、もう津波が来ても絶対に崩落しないと、瓦れきとならないということのためには、やっぱり県債を用いて、建設債を用いて整備していくというご提案をさせていただきたいんです。時間がないので、以上で質問を終わりますが、答弁をお願いします。
〇鈴木知事 ご質問ありましたように、借金は減らさないといけない。一方で、その財政状況は、厳しい状況がある。しかし、守らなければならないものもあるということで、事業をしっかりと精査をしながら、あとは県債というものだけに頼るんじゃなくて、いろんな国庫支出金であるとか、いろんな財源をあらゆる角度からしっかりと見て、そして対応していくと。そして不安感を少しでも払拭していくことが大切であるというふうに思っております。しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
〇東委員 以上であります。(拍手)
〇岩田委員長 次に、公明党、ご質疑お願いします。
〇今井委員 それでは、公明党の今井智広でございます。
時間もありませんので、早速で申し訳ございませんが、質疑に入らせていただきます。
私の方は、午前中の議論でも、知事の産業政策ということは言われたんですが、その中でも特に中小企業支援について、少し確認も含め質問をさせていただきたいと思います。
知事の方からお示しいただいたこの中でも、経済状況は平成20年秋以降大変厳しい。そこに今回、東日本の震災も加わってきたと。でも、被災地を今後も継続して力強く三重県が支援をしていくためには、三重県は元気じゃないといけないし、災害によってさまざまな企業が影響を受けていますが、それを最小限に食い止めていかないといけない。当然それが三重県民の皆さんの雇用や生活を守ることにもなっていきます。特に中小企業に対する支援で、今回の補正予算の中で、先程中嶋委員の方から、旅館業も入るんですかという質問をされたところですが、東日本大震災対策緊急資金、あわせて今後始まる地域産業活力推進資金、この2つで1100万円の、中小企業金融対策事業費というのが組まれております。これはいろいろ、私の調べる範囲で、見させてもらいますと、保証料を県が補助をする。また、新しい今度の地域産業活力推進資金の方では、貸付利率の県補助が0.5%をする、また保証料を補助するということですが、これ1100万円という金額であります。いろいろお金の出し方は、返済期間の関係等もあるかもわかりませんが、単純に8000万円の上限金額に保証料0.4%を、県が持つとなると、それだけで32万円という計算になります。金利の方0.5%、5000万円の上限に対して持つと、年間25万円ということで、単純に計算すると数十件の企業しか、この資金を有効活用して、今乗り越える、また元気になっていくということができないように思われるんです。一応県の方としては、今まであるのとは別で、今回の東日本大震災用につくったこの事業費で、何社ぐらいを想定しておるのかというのを、まずお聞かせいただきたいと思います。
〇山川理事 金融のことでございます。今回の1100万円は、いわゆる保証料補償ということでございます。私ども1100万円で、基本的には融資枠としては200億円ということで、今のところ私どもは確保していると。新しい、ニューマネーとして。今までのいわゆる3段階、今回は特別枠ですので、この部分についてやりますと200億円ぐらい新たにやると。現在の保証承諾の件数は69件ぐらいです。これも1社当たりおいくら、2000万円お借りになるのか、3000万円お借りになるのか、企業によってばらつきがございます。200億円で何件分だと言われると、ちょっとお答えはしにくいですが、今のところ69件で、約47億5000万円承諾をしているということでございます。
〇今井委員 今のところ69件で約47億円。残り153億円ぐらいの枠があるということだと思うんですが、新たにこの地域産業活力推進資金というのは、これから創設をされるやつだと思います。また、影響が徐々にまだとどまることを知らずに、出口もちょっと、いつまでこれが続くのかがわからない状況の中で、企業の方も、今後申し込みの方も、周知が徹底されれば、さらに増えてくると思います。そういったときに、この1100万円で200億円の一応枠ということで、1つは上限8000万円、もう一つは5000万円なので、幅はあると思いますけれども、知事がよく言われる、県内には6万800軒企業があると。そのうち中小企業は6万700社であると。さまざまな業界に影響が出ている中で、そういった中小企業に対して、しっかりと県としての役割を果たしていってもらいたい。その上においては、この1100万円、今回とりあえず6月の補正で出てきた金額でありますけれども、その動態を見ながら、今後も対応を進めていただきたいと思います。
というのも、知事が知事提案説明の、パラダイムの変換という項の中で、その公共の役割を行政がすべて担うのではなく、個人や企業の自助の努力を前提として、そういった企業の社会貢献などが必要であると。行政の方は、そういった個人や地域、企業の努力では解決できない課題に対して、しっかりその責任を果たさなければいけないという形であります。企業の方も当然、生きていくためにいろいろな努力をしているわけでございますが、どうしても一番ネックになってくるのが、この資金繰りの部分であります。そのあたりをしっかりとサポートをしていっていただきたいと思います。
さらにもう1点、今本当に、先程の知事の言葉で言うわけじゃないですけれども、やたらめったら貸せというんではないんです。ないんですけれども、審査のあり方というものも、一度またご検討いただければと思います。知事はよく、夢や希望を持って進んでいけるとか、失敗しても再チャレンジできるとか、変化を実感できるということを言われておりましたけれども、当然帳簿上の会社の評価、それは大事なんでしょう。大事だと思いますけれども、その中小企業が本当に頑張って、こういうふうに将来伸びていく。それに向かって会社のやることを転換していくとか、こういったことにチャレンジするというところも、しっかりご評価をいただいて、融資を少しでも受けていただいて、それを活力として再生していってもらえるような、また、伸びていってもらえるような、そういった融資制度のあり方というのも、改めて県の立場でお考えをいただきたいと思います。知事どうでしょうか。
〇山川理事 今、委員おっしゃるように、私ども金融機関と保証協会と毎週1回、そういった状況もきちっと確認しながら、今回のセーフティネットが十分行き渡るよう、審査についても、今回は無担保無保証ということでございますので、リーマンショックのときも、そういった連携をさせていただきました。今回も毎週のようにやっておりますので、そういったことについてきちっとやっていく。
それともう1点、私どもとしては、経営支援とか経営指導を的確にしないと、お金だけ貸しても、結局ぐちゃぐちゃになってしまって、後大変なことになってしまいますので、今回も金融機関とか保証協会と連携して、そういうことをやろうということを計画しております。今回の予算についても、先程中嶋委員が言われましたように、7月には制度の周知を改めて金融機関と、それから保証協会、商工団体と連携してやることにしております。
〇今井委員 そこのところはよくわかっております。その上で、しっかりその話し合いをしていく中において、しっかりとその会社が再チャレンジをしていくというところを、会社の情熱等も、当然それだけではだめなこともわかっておりますけれども、本当に今必要なところが借りることができるかというたら、なかなかそういう状況じゃないということを、私たちも現場を歩けば歩くほどよく耳にいたします。しっかりとそのあたりをお考えいただきながら、取り組んでいただきたいと思います。
もう時間がないのであれですけれども、知事は日本一幸福を実感できるために、ものづくりをしっかりやっていくということでありました。これは、本当は聞きたかったんですが、ご紹介になってしまうんですが、私も企業を回ってみましたら、こういうのをいただきました。これは、来週の22日から、東京ビッグサイトで開かれる世界最大級のものづくり専門展、過去最大規模1700社以上が全国から集まるんですが、残念なことに事務局といろいろ話させてもらいましたら、三重県からは一応津市が今回初めての挑戦で4社が参加をすると。個別の企業が申し込んでいるのが、大体3社ぐらいじゃないかと。1700社のうち、三重県からは7社ぐらいしかない。新潟県や長野県は50、100社以上、県を通してここに参加しているということでありました。こういったところも一つの材料として、ものづくりの三重県というのを伸ばしていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
〇岩田委員長 鈴木知事、時間がありませんので、簡潔に。
〇鈴木知事 今回メイド・イン・三重ものづくり推進事業の中で、まさに今、そこにありましたような、中小企業が強みを生かして販路を拡大したい。あるいは商談会とかマッチングとかの場に出ていきたい。そういうような中小企業の方々に強みを発掘するというんですか。そういう支援を今回の予算でも計上しております。そういう形で、現場に密着した形でやっていきたいと思います。
前段の信用保証の話についても、審査、本当に民間金融機関だと、貸せるところに貸すみたいな、借りなくても大丈夫なところに貸すようなことがあったりすると思います。先程委員ご指摘あったようなところ、しっかり保証協会や、いろんな金融機関との緊密な連携の中で、現場でしっかり回っていけるように私たちもサポートしていきたいと思います。
〇今井委員 終わります。(拍手)
〇岩田委員長 次に、みんなの党、ご質疑をお願いします。
〇中西委員 皆さん、こんにちは。松阪市選出のみんなの党の中西勇です。よろしくお願いします。
たった5分で、6番バッターで、もうこれで最後ですので、簡潔に1つだけ質問をしたいんです。みんなの党は、脱官僚、地域主権、生活重視というのを基本理念に考えております。そこで今日は生活重視ということで、1点だけ質問させていただきます。
この代表質問、それから一般質問の中で、森野議員も言っておられました、子育ての支援について、それと中森議員も、福祉医療の助成制度の件ということで質問されておりました。それから、公明党の中川議員も、乳幼児の助成制度の話が出ておりました。
そこであえて質問したいんですが、知事のこの公約集の7ページに出ております、小学校6年生までの医療費無料の件です。市町との話は当然あるんですが、その件をもう一度確認をしたいと思います。いつまでにどうしようかということ、もう一度お願いしたいと思います。
〇鈴木知事 ご質問いただきました小学校6年生までの医療費無料化につきましては、先般の一般質問などでもお答えさせていただきましたとおり、県の予算確保だけではなく、一緒に未実施の市町における予算確保、条例改正なども必要であります。市町とよく連携をした上で検討を進めたいと思っております。ですので、この場で市町の皆さんの意向を無視して、いつまでということはできませんけれども、なるべく早く、ご期待も高いというふうに思っておりますので、できるように、市町との協議を進めていきたいと思います。
〇中西委員 先般お答えしていただいた部分と同じだと思うんですが、私松阪市ですので、松阪市の市長は、いつからでもOKですと。市の方は結論的にOKですと言うていますので、できればもう一番にでもやっていただければと、そのように思っております。
要はどういうことかというと、29市町が全部がということじゃなくて、できるところから早くやっていただいたほど、本当の生活の部分で助かる部分だと思います。そういった部分でやっていただきたいと思いますので、その点もう一度。
〇鈴木知事 できるところから先行実施してはどうかというご質問かと理解をいたしましたけれども、この乳幼児医療費助成費制度の拡大については、平成20年9月に導入されたときから、市町を含めた検討会というのをやっています。その中で、制度が持続可能であるということと、すべての市町で実施できるということに皆さんコンセンサスがあります。ですので、先行して実施して、やれるところからやってみた。しかし結果、あそこの○○という市、あるいは○○という町ではできなかったということであれば、これは県として、命の格差を、あるいは安心した子育て環境を整備するという観点では、責任を持った対応とは言えないというふうに考えております。私としましては、すべての市町で同時に実施できるように対応を進めてまいりたいと思っております。しかし、それはスピード感を持って対応したいと思っています。
〇中西委員 言われることは重々わかるんです。でも早くやってほしいと。そうやって、やっていただくことが、鈴木知事の評価になると思いますので、それが大事だと、僕はそのように思っております。
時間がもう少しになりましたので。
この13、14日ですね。昨日、おとといですが、松阪市に白鴎大学の福岡先生が見えたんです。たまたまちょっと話しする機会がありまして、10日の私の質問した新聞記事を渡したら、非常に残念やと言ってみえました。どういう意味かということで聞きましたら、もうちょっと期待しとったんやけど、もうちょっとやってくれるかな。もうちょっといい答えが返ったかなというふうに思ったと言ってみえました。
そこで最後に、ぶれずに、曲げずに、くじけないという、私もそのつもりでやっていきますので、知事の方も、よろしくお願いしたいと思います。
それじゃ、質問終わります。ありがとうございます。(拍手)
〇岩田委員長 以上をもって予算議案及び予算関連議案に係る総括質疑を終了いたします。
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
予算決算常任委員長
岩田 隆嘉