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脳脊髄液減少症の治療等の推進を求める意見書
脳脊髄液減少症は、脳脊髄液が持続的又は継続的に漏れることによって脳脊髄液が減少し、頭痛、頸部痛、めまい、耳鳴り、視覚機能障害又は倦怠などさまざまな症状を起こす病気である。この病気は、交通事故やスポーツによる外傷などを原因として子供からお年寄りまで誰でもなり得るものである。
この病気についての診断法や治療法が未だ確立されていないところであるが、近年は有効な治療法として、患者自身の血液を患部に注入して脳脊髄液の漏れを止めるブラッドパッチ療法が実施されている。
しかしながら、このブラッドパッチ療法は医療保険の適用対象外であるため、患者は高額な治療費を自己負担しなければならず、また、この病気についての一般的な認知度が低いため、怠慢である等との批判を受け苦しんでいる患者も多くいる。
このように、脳脊髄液減少症は患者や家族等にとって、経済的又は精神的に大きな負担となっており、治療法の確立を含めた対応が必要である。
よって、本県議会は、国において、下記の事項を早急に実現され・驍アとを強く要望する。
記
1 脳脊髄液減少症について、診断法や治療法の研究をさらに推進するとともに、ブラッドパッチ療法を含む治療に対して医療保険を適用すること。
2 交通事故によって脳脊髄液減少症となった患者のブラッドパッチ療法による治療に対して自動車損害保険を適用すること。
3 交通事故による鞭打ち症と脳脊髄液減少症との関連について、実態調査を早急に実施するとともに、患者やその家族等に対する相談及び支援体制を確立すること。
4 教育現場において、脳脊髄液減少症についての周知を図り、この病気を原因とした長期欠席児童又は生徒の学習支援の体制を確立するとともに、脳脊髄液減少症の治療を災害共済給付制度の対象に加えること。
以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年6月30日
三重県議会議長 三 谷 哲 央
(提 出 先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣