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平成22年第1回定例会 陳2

受付番号・件名 陳2 二級河川朝明川・千代田橋付近の川幅拡大に関することを求めることについて
受付年月日 平成22年5月12日
提出された
定例会
平成22年第1回定例会
所管委員会 県土整備企業常任委員会
項目 要旨
 平津の水害は朝明川の整備不良が原因で氾濫または決壊する水害ではない。
 三重県北部にある朝明川は、流域面積86.1km2、流路長27.5㎞の河川である。このほぼ中間点に位置する千代田橋付近の川幅を意図的に狭め、通過する洪水を制限し上流に洪水を滞留させ、右岸堤防から南に100mはなれた越流堤から平津の住宅地に洪水を分流する河川構造になっている。理由は下流の未整備河川から発生する水害を守るため、平津が犠牲になっていると考えている。
 洪水は何十年かに一回のことであるが、明治時代・100年も昔から何回か水害を体験し、多大な損害と、恐怖による精神的、肉体的に苦痛を受けてきた。住民の安全をおびやかす安易で非道な河川構造の犠牲になり、平津は明らかに人的災害を受けていると考えている。
 上流の開発と支流の整備が先行し、千代田橋付近の川幅は一段と狭められ、この矛盾したハザマにある平津は今も改修の計画がなく、非道な河川構造が恒久化されている。
 いま、昭和13年8月と同じ大きさの洪水に見舞われると、平津駅は線路上を洪水が流れ、多数の家が浸水被害を受け、平津駅構内東入り口にある下り場内信号機設備が流され、三岐鉄道は運転不能になっても不思議ではない危険な状態になっていると考えている。

理由(平津の水害についての考察)
1.千代田橋付近で洪水の流れを制限
① 千代田橋は、橋の長さが80mで3本の橋脚が建っている。右岸側の堤防が川の真なかまで押し出し、2本の橋脚が堤防の中に埋まり、橋脚が1本見える狭い川幅である。上流、小角橋と、下流、里橋は、共に3本の橋脚が川の中に見える広い川幅である。
② 名阪自動車道・朝明川橋すぐ上流に、川幅6mの支流中村川が合流している。合流点上流の堤防に対し、下流の堤防が10mも川の中に出ている。川幅が6mの支流が合流すれば、本流の川幅が6m広くなるのが理屈である。現場は逆に10mも狭くなっている。あきらかに洪水の流れを制限する河川構造と考えている。
③ 最も狭い川幅の中に朝明川橋の橋脚、厚さ2.5mの橋脚が川の中に建っている。2.5mは、大型バスが川のなかに、上流に向かって止まっているのと同じである。洪水の流れに大きく支障する橋脚と考えている。
* 上記は、意図的に洪水の流れを制限する河川構造の説明である。

2.名阪朝明川橋上流の水深
① 千代田橋上流はジョウゴ状の地形である。千代田橋付近の川幅が狭められたら、上流に洪水が滞留するのは当然である。
② 昭和49年7月25日(1974)台風8号による洪水の時、(日降水量304.5ミリメートル、日最大1時間降水量71.5ミリメートル)名阪西の堤防道路八風街道は1m弱の冠水で危険な状態になり、道路沿いの住宅は床上30㎝の浸水被害を受けた。
③ 四日市市の水害ハザードマップでは80年確率の洪水の時、最大5m、最低2mの水深を想定している。
④ 当日朝、4時30分頃、名阪西の八風街道を自動車で通行中、冠水した中村川に架かかる天白橋で後輪が大きく衝撃を受け危うく脱出し難をのがれた。最悪、橋もろとも流されても不思議ではない事実があった。橋は後日架け替えられた。
* 上記は千代田橋上流の水深の説明である。堤防は住宅を守るつつみである。堤防道路、県道が1m弱冠水することは、極めて危険な問題と考えている。

3.越流堤(通称カドサカ堤防)
 越流堤は朝明川右岸から南に100m名阪自動車道の西に位置し、三岐鉄道とほぼ垂直に北に延びた堤防である。全長52m、高さ50㎝の土盛の堤防である。
 コンクリートのヨウ壁補強は、洪水を分流することを目的とした構造物と考えている。
* 越流させる目的は、千代田橋から下流の河川整備不良から水害を守るためと考えている。洪水の迂回で犠牲になる関係地区は、中村、平津、千代田、山分、大矢知で、拡散、滞留、調整し、山分橋下流で朝明川に戻す河川構造になっている。

4.三岐鉄道の洪水拡散対策
① 三岐鉄道は、昭和6年7月(1931)富田~西藤原26.6㎞が開業した。
 設計者が朝明川からの大量の洪水が流れ込むことを想定し、平津の約1㎞の区間に洪水の拡散が目的で、内径45㎝の土管、内径60㎝のコンクリート管、厚さ30㎝のコンクリートの柱を40㎝の間隔で建て枕木を乗せた橋梁、及び、鉄橋を十数か所に設備している。
 駅西の鉄橋は、平津川3mの川幅に対し1.53倍の4.6mの長い鉄橋を川のない田んぼの中に架けている。この設備は、朝明川からの大量の洪水が流れ込むことを想定したものである。昭和13年8月洪水で想定を超える洪水は、鉄道用地を大きく南にはみ出す深い穴を掘り、後日水が溜まり、魚が集まり、子どもは魚釣りをして遊んだ。
② 鉄道線路の建設は、現地調査、測量設計、用地取得、工事は人力が主流の時代である。このことを考えると、明治時代・100年も昔から平津は、朝明川の迂回路になり水害をうけていると考えている。
* 明治時代から大量の洪水が、朝明川から流れ込む事実の証明である。

5.八郷小学校東、八風街道に架かる橋(現在設備長さ4m)と排水路がある。
 朝明川の影響を受けていることが理解されず、現在橋は埋め殺しになっている。

6.大矢知地内、八風街道の常夜燈から朝明川まで堤防がある。
 大矢知の住宅を守るための堤防である(現在、環境が変化し機能は停止されている。)。
* カドサカ越流堤から大矢知の常夜燈が、朝明川の洪水を迂回路するための設備である。

7.県民の声を受けて
受付年月 2006.01(平成18)(対応所属名、北勢県民局 四日市建設部企画保全室)
受付件名 平津地区の水害問題について(朝明川千代田橋付近の川幅拡大要望)
県の考え方・取り組み・方針(2006.05)
 朝明川は、河口から約9.9㎞の区間を昭和49年(1974)から改修を進めている。現在までに49%の暫定改修を実施した。千代田橋はこの区間の上流部にあり、下流からの整備順序を考えると、この区間の整備には相当な年数を要する状況である。
 要約すると、河口から9.9㎞を、昭和49年(1974)から、平成18年(2006)に、32年かかって49%の進捗状況である。千代田橋付近の改修は100年先、これでは困るのである。

8.結び
 下流の水害を守るため、一部地区の安全を犠牲にした、安易で非道な河川管理の考え方を見直し、千代田橋付近の川幅拡大について、早期解決を真摯にご検討して頂くことを切望する。

9.用語の説明
右岸・左岸 = 川の下流に向かって、右手の岸、左手の岸。
堤内地   = 堤防によって守られている土地。人家のある側の土地。
堤外地   = 堤防から見て、水の流れている土地。
低水路   = 河川敷のうち、常に水が流れている場所。
高水敷   = 河川敷のうち、通常は水が流れず洪水時に流路となる一段高い場所。
橋台    = 橋の両端で橋を支える構造物。
橋脚    = 橋桁を支える柱

10.添付資料
(1) 写真資料による説明①~⑧
(2) 平津町報 68号  昭49.7.31
(3) 県民の声を受けて 2006.01
(4) 四日市防災マップ 平成17.03
ページID:000018870
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