三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成21年度 委員会会議録 > 平成21年8月3日 予算決算常任委員会 会議録
予算決算常任委員会
会議録
(開会中)
開催年月日 平成21年8月3日(月) 自 午前10時13分~至 午前11時18分
会 議 室 全員協議会室
出席委員 48名
委員長 山本 教和
副委員長 中村 勝
委員 長田 隆尚 津村 衛 森野 真治
水谷 正美 杉本 熊野 村林 聡
小林 正人 奥野 英介 中川 康洋
今井 智広 藤田 宜三 後藤 健一
辻 三千宣 笹井 健司 稲垣 昭義
北川 裕之 服部 富男 末松 則子
中嶋 年規 竹上 真人 青木 謙順
中森 博文 真弓 俊郎 舘 直人
日沖 正信 前田 剛志 藤田 泰樹
田中 博 大野 秀郎 前野 和美
水谷 隆 野田勇喜雄 岩田 隆嘉
貝増 吉郎 山本 勝 森本 繁史
吉川 実 舟橋 裕幸 中村 進一
西塚 宗郎 萩野 虔一 永田 正巳
西場 信行 中川 正美 萩原 量吉
藤田 正美
欠席議員 なし
委員会書記 4名
議事課副課長 藤野 久美子
議事課主幹 中村 洋一
企画法務課主幹 中西 健司
企画法務課主査 石田 学
出席説明員
[総務部]
部長 植田 隆
副部長兼組織・職員分野総括室長 北岡 寛之
財政・施設分野総括室長 中川 弘巳
税務政策監兼税務政策室長 宇佐美 明保
予算調整室長 中田 和幸
滞納整理特命監 横山 円吉
その他関係職員
[政策部]
東紀州対策局長 小林 潔
[農水商工部]
理事 林 敏一
[病院事業庁]
庁長 南 清
県政記者クラブ 6名
傍 聴 者 4名
議題及び協議事項
1 議案の審査
(1)議案第1号「平成21年度三重県一般会計補正予算(第8号)」
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
○山本委員長 本日は議案の審査を行いますが、審査に入る前に、執行部の幹部職員に異動がありましたので自己紹介をお願いします。
〔自己紹介〕
南 清 病院事業庁長
林 敏一 農水商工部理事
小林 潔 東紀州対策局長
1 議案の審査
○山本委員長 先ほどの本会議において、お手元に配付のとおり、議案第1号「平成21年度三重県一般会計補正予算(第8号)」が本委員会に付託されたところです。本議案については付託後2時間以内に審査を終えるよう、審査期限を付されております。
本議案の審査方法ですが、ただいまから本議案について当局から補充説明を受け、質疑を行ったのち、総括質疑及び分科会での詳細審査は行わず、ただちに採決いたしたいと存じます。
なお、質疑終了後、各会派でご協議いただくため、20分程度休憩することといたします。
以上のとおり進めることといたしますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
○山本委員長 ご異議なしと認め、そのようにいたします。
(1)当局から補充説明(植田部長)
(2)質疑
○山本委員長 ただいまの説明に対し、ご質疑のある方はお願いします。なお質疑は付託議案にかかるものに限定いたしますのでご了承願います。
○中嶋委員 ご説明ありがとうございました。今回のこのことについては、第1回定例会の冒頭のときにも、一部新聞報道でこういう心配があるという中で、こうやって当初予算段階でも結構高めに見積もっていただいておったんですが、企業のほうがそれ以上の減収になったという影響でこういう形になったんだということを理解させていただいた上で、2点教えていただきたいんですが、今回こういう形で我が県は臨時議会も開いてここで還付をするということになっておるわけですが、ほかの県ではどういうふうになっておるのかという状況、それが1点。
あと今回の緊急的なこの歳出に伴う財源になる県債、減収補てん債というものがどういう起債なのかというのを改めて簡単にご説明をいただきたいと思います。
○植田部長 全国の状況でございますけれども、47都道府県のうち26団体が当初予算の計上では困難であろうという回答を得ております。それ以外は当初予算で対応できるということで、その26団体のうち、ほかの費目からの流用で対応して、9月に補正予算に挙げるというのが21団体ございます。
それと既に6月議会で対応しておるのが4団体ございます。それから、本県と同じように不足してそれを7月に専決処分をしたという団体が1団体ございます。全国の状況はそういうようなところでございます。
それから、減収補てん債でございますけれども、減収補てん債につきましては、普通交付税の基準財政収入額と県税収入の実績との差額を調整するために発行するものでございますが、交付税での精算の仕方が2つございまして、減収補てん債を発行することによってその年度の歳入の欠陥を埋めるというのが1つあります。もう1つは、財源的に余裕があれば翌年度以降今回の減収分を3年間で普通交付税によって精算するという、2つのやり方がございますけれども、本県の場合、3年間先送りして翌年度以降3年度に分けて交付税をいただくということは、今年度この分の、60数億円の穴があくということになり、財源措置ができないということで、県民サービスの低下をさせられないという判断から、減収補てん債を発行して、単年度、本年度で精算を終わらせるということで考えております。本来なら普通交付税でもらうべきものでございますもので、これの75%については、後年度普通交付税に算入されて返ってくるという制度になっております。
以上です。
○中嶋委員 わかりました。ありがとうございます。1つだけ確認させてほしいんですが、今、他県の状況を聞かせていただく中で、26団体が当初での対応が困難ということの裏返しは、20の団体は当初予算の段階で対応ができた、当初予算の見積もりで今回の県財政の危機を乗り越えることができた。そこの県と本県との違いというのはやっぱり何かあるんでしょうか。それまで三重県が余りにも経済が好調過ぎたので、そういうことで三重県の場合は見積もりが大きくぶれた、他県の場合はそうではなかった、そのあたりはどういうふうに把握されてらっしゃるのか、追加の説明をお願いします。
○植田部長 当県の場合も前年度の3倍近くの額を計上しておりました。ほかの県を見てみますと、大体2倍程度のところが多いわけですけれども、そういう意味ではうちの県はこれまで経済的にここ数年鉱工業の出荷額等についても、経済成長率についてもトップを走っておった県でありますから、ある意味、山が高ければ谷も深かったのかなということで、今回3倍程度の予算を積ませていただきましたけれども、やはりそれ以上の谷の落ち込みが多かったかなということで、ちょっと反省をしておるところでございます。
ちなみに、愛知県は大体7倍ぐらい当初予算で計上しておりまして、特にその中で対応できるというような形になっております。本県は、そういう意味では倍率からいくとかなりトップクラスに入っておるんですけれども、やはり山が高過ぎたかなという感じでございます。
○真弓委員 説明ありがとうございました。説明はわかるんですけれども、納得がいかないので質問をさせていだたきます。
この還付金、説明としてはわかるんですけれども、実際に例えば我々が雇用特別調査を行って、某自動車会社にも行きましたし、あるいは会派の関係で家電の大きなところへも行きましたけれども、そこで最初に言われるのは、正社員には手をつけていませんよ、首は切っていませんよと言われるんですけれども、実際は何百人もの期間工や派遣の人たちの首を切っている。しかもその人たちがどうなったかなんていうのは一切関与をしない。しかもある自動車メーカーなんかは、その後の国の経済対策で、エコカーの問題で非常に好調になって、黒字というふうな報告も出ています。そんな景気のいいときには減税をどんどんしておいて、ちょっと調子が悪くなってきたときに予定納税だからというので利子までつけて返してやるというのは、県民としては納得がいかないのではないかなと思います。県としてこのようなことに対して何らかの方向が考えられないんでしょうか。例えば首切りのときにはハローワークからの数字しかおっしゃられなかったんですけれども、今度のお金を返してやることについては、非常に親切丁寧に調査もされて個別の聞き取りも行っているという。例えば税金を、丸々利子をつけて返さないといけないということに対して、やはり県としてのコメントをつけるなり、企業への注文をつけるなりして還付するというふうな方向はとれないものなんでしょうかね。
○植田部長 先ほども還付加算金の性格についてご説明させていただいたんですが、これは延滞金を取ることの裏返しの中でこういう加算金が地方税法の中で決められておりますもので、赤字になれば当然、去年事前に納めていただいている分を返すというのが地方税法上の手続でございまして、それに利息を云々するとかそういうことは地方税法上もできませんので、県としては税法上のことを言っていただいてもちょっとご無理かなと思います。
○真弓委員 当然税というのは国の問題というのはわかっておって言っておるわけなので、例えば国に対してこうなることはわかりきっておるわけですから、国に対して制度上どうなのかということを県として申し入れをしたのかというふうなことをお伺いしているんです。
○植田部長 この6月会議の中でもこの還付加算金の率については、見直しをしていただくよう議会のほうでも請願を出していただいておったと思いますので、そういう働きかけは県としてもやっていきたいと思っております。
○西場委員 今回のこの還付の対応を急いでやるということに対して異論はありません。そうすべきだと思いますが、当初の見込みをこれほどまで大幅に狂わせるような、現在の我が県内の産業経済情勢がどうなっておるかというところは、今回のこういう財政措置を終えてそれで終わっていくというのではなしに、今現在の県内が行われておる状況を再度チェックして、その対策を講ずるべきだというようにつなげていくべきだと思いますが、そういうことに対して総務部として、あるいは県全体としてどういうように対応しようとなされておるかということが大変気になりますね。
それと、県税収入、とりわけ法人二税の税収見込みを当初予算で2000億円少々とっておると思います。昨年に比べて十五、六%の減というような当初の説明があったと思いますが、それも当初の見込みを大幅に変えていかざるを得ない状況にあるのかなと心配しますが、そういうことについてはどういうように把握をして、今後の補正といいますか、予算の対応をなされようとしておるのか、そんな点についてもこの際伺っておきたいんですが。
○植田部長 県といたしましては、2月以降、雇用・経済対策として国から今後数年間活用できる交付金、補助金が交付されて基金等を設置しておるとともに、公共事業をはじめとして必要な事業の前倒し等も行っております。今後、雇用・経済情勢が回復するようこうした国からの財源等を活用いたしまして、1日でも早くこの経済危機を脱して、県内経済の回復とそれに伴います県税の増収につなげていきたいと考えております。
それから、今後の税収の見込みでございますけれども、法人二税の平成21年度の当初予算は約532億円を計上しております。現時点では、申告額に8月に還付する中間納付額の還付額を算定するためにとり行った法人の申告見込み額を加味しておりますので、7月末に法人から申告書の提出を受けた上で、今後の税収見込みを精査する必要があると考えておりまして、8月下旬ぐらいには法人二税の減収見込みが大まかに把握できるのではないかなと考えておりますけれども、現時点で税収の推計をしてみますと、概数で約100億円を超える減収が見込まれるところでございます。
今後平成21年度の4月から9月の調定、収入状況とか、3月の決算法人の9月末の中間決算の情報等が収集できる11月ぐらいには、より正確な減収の見込み額が把握できるのではないかなと考えております。
○西場委員 ぜひその見込み額の把握はもちろんでありますけれども、それのバックにあります県内中小企業の情勢をしっかりと把握していただいて、先程もご回答の中でありましたように、国のこの緊急経済対策と連動してしっかりと取り組んでいただくよう要望しておきます。
以上。
○萩原委員 国の制度だからという点は確かにあるんだけれども、地方税法そのものがやっぱりこういう場合でも大企業、大法人は随分優遇されるという形になっていますよね。今、西場委員も聞かれたけれども、今後の見通しという点で、とりわけ大きな問題になっていると思うのは、果たして今回で欠損金はどれだけ出ているのか。県内のいわゆる大法人、とりわけ大きな税収にかかわるところの欠損金が結局は繰り越してくるわけでしょう。だから利益が上がらなかったら全然税収が来ないわけです。だからそれこそ大銀行がたくさんもうけておっても法人税はゼロというのがずうっと続いたというのがありましたし、問題になった。そういうことがこれからあり得るわけだ。そのあたりの見通しはどうなのか。
繰越欠損金の制度というのがありますね。これ7年間になっているんだよね。5年間と私は思っておったら、ちょっと調べたら2004年に改悪されて7年間延長して、企業は利益が出るまでは返さなくてよろしいとなる。そうすると利益が上がってきてもずうっと今の欠損が埋まるまでは法人税がゼロになる。すると法人事業税もゼロでいいではないかとこうなっちゃうので、ここのところの見通しは一体どうなのかというのは、一定具体的なデータで示してくれないといけないのと違うのかな。確かに今確定的な予測はできないとは言うものの、既に今おっしゃった法人二税、平成21年度は低く見積もってもさらに100億円の減収じゃないかという話がありますが、それは一体その部分の中身、繰越欠損金の分も含めた形で計算してみえるのか、あるいはその中でどれぐらいの見積もりをしているのかというあたりも知りたい。
それから、やっぱり見通しの甘さ、想定が間違いだという点では、やっぱり今反省していますという言葉も出ていたんだけれども、知事の見解は全然違う感じで、記者会見の議事録は読みましたけれど、やっぱりそのあたりの深刻さというのか、見通しの甘さというのは、部長と知事の間で違ったらこれ大変だというふうに思うんですが、そこの点はどんなふうに説明されたのか。それで私は知事にも聞いておきたいと、そんな思いがしたわけです。その点をちょっと聞いておきたいと思います。
○植田部長 今回の還付金につきましては、特に大企業優先ということではなく、中小の企業でありましても法人税を20万円以上納めていただいておるところはすべて中間申告をしていただくというようなことになっておりますので、特にその制度が大企業優先ということではございません。
それから、欠損金でございますけれども、法人事業税と法人税の課税標準であります所得金額を算定する場合には、法人の事業年度において生じました欠損金、赤字の所得でございますけれども、これについては次年度以降7年間において所得金額から控除できるという制度になっております。
今年度の確定申告につきましては、企業収益が大きく悪化しております。既に確定申告を提出していただいた法人の多数が赤字申告をしていること、それから今後の申告におきましても赤字申告が発生することが見込まれることから、来年度以降の法人事業税の税収には大きな影響を与えるものと予想しております。
それから、来年度以降の地方の財政収支というものにつきましては、この8月末に総務省から概算要求ベースでの平成22年度の地方財政収支の8月の仮試算というものが示されますし、その後例年でありますと12月末には地方財政対策が示されるという予定になっております。現時点では具体的な収支の姿はお示しできませんけれども、今後国からの情報等も注視しながら適切な財政運営を行っていきたいと考えております。
それから、知事の見解でございますけれども、けさの知事提案説明の中におきましても、「還付金が増加し、歳出予算が不足する見込みとなったことは、まことに遺憾に存じます。」ということで、知事からも言及をしていただいております。
以上でございます。
○萩原委員 今の言葉で「遺憾」ということは、いかんのですね。昔からよく言うんだけれど、「遺憾」というのは自分の思いどおりにならなくて残念だという意味なんですよ。ここがもう反省するという言葉とは別だと私はあえて言っておきたいと思うんです。
ただ、今さっきの見通しの問題について、すべて大法人だけがこういうふうな形になっているということではないことはそんなもの百も承知ですよ。そうだと言っているんではないけれども、実際上は、大きいところは金額も大きいでしょう。収入も大きければやっぱり減額も大きい。影響力も大きい。今さっきの約100億円のうち、それなら一体大法人、主要法人はどれぐらいになるのか、それ以外の中小企業はどれぐらいになるのか、これまた後でも結構ですが、数字を教えてください。
結果として、いいですか、部長、中小企業の場合には今やこんな時期ですからって、赤字になっておっても黒字決算をせねばならんというのがあるんです。赤字で決算を出したら銀行にすぐにストップされる。それで泣いておる人がいっぱいおる。それで「セーフティネット」と言って行っても全然相手にしてくれない。
だからそういう点も含めて、今真弓委員も質問されたけれど、国へは要求したから今後は県議会でという話をしているけれど、要望書にも1つも出ていない。こんな財政のあり方の問題、そういう点から1つ考えてみても、国追随の姿勢というのが極めて問題ではないかと思う。ましてや早々とあなたのところは景気が底をついたと宣言している。議会にも報告があった。だけどそんな甘いものではないでしょう。それから、やっぱりこの仕組みの中でいろんな形で大企業はそれこそ経費として引きされるものがある。残ったものが所得だけど、それがゼロだったら赤字決算といって7年間もこれから利益が出るまでは税金を1円も払わなくていいという仕組みになっているという、ここの問題を私は言いたいわけね。そのあたりを地方行政でそれに携わっている人だったら、国へも大いに意見を上げたらどうだ、あるいは今や政権が変わるかもわからんというこんな時期だけに、今の地方分権とのかかわりの中で、政権の、いわゆるマニフェストの内容なんかを大いに検討してもらって、知事も一生懸命点数をつけているらしいけれども、そんなときにこそ私は国へ大いに発信していくべきではないか、そんな思いが率直にしています。
残念なことに知事の見解が聞けないので、部長から見解があったら聞いておきたい。
以上です。
○植田部長 そういうことも含めまして、今後、地方財政対策、それから国と地方をあわせた税財源のあり方等も含めまして、国のほうへ要望したいと思います。
○山本委員長 ほかにございますか
ないようですので、これで本案に対する質疑を終了いたします。
暫時休憩いたします。再開は午前11時10分でお願いします。
(休 憩)
(2)討論 なし
(3)採決
議案第1号 起立(多数) 可決
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により押印する。
予算決算常任委員長
山本 教和