三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成21年度 委員会会議録 > 平成21年6月23日 健康福祉病院常任委員会 会議録
健康福祉病院常任委員会
会 議 録
(開 会 中)
開催年月日 平成21年6月23日(火) 自 午前10時01分~至 午後1時45分
会 議 室 501委員会室
出席委員 8名
委 員 長 北川 裕之
副委員長 奥野 英介
委 員 長田 隆尚
委 員 真弓 俊郎
委 員 藤田 泰樹
委 員 前野 和美
委 員 舟橋 裕幸
委 員 山本 教和
欠席委員 なし
出席説明員
[病院事業庁]
庁 長 小山 巧
県立病院経営分野総括室長 稲垣 司
県立病院経営室長 荒木 敏之
政策企画特命監 岩﨑 浩也
経営支援特命監 井坂 明博
その他関係職員
委員会書記
議 事 課 主 査 平井 靖士
企画法務課 副課長 川添 洋司
傍聴議員 なし
県政記者クラブ 5名
傍 聴 者 なし
調査事項
Ⅰ 常任委員会
1 所管事項の調査
(1)当面の運営方針に基づく平成21年度マネジメントシートについて
(2)平成20年度病院事業決算の概要について
(3)助産師外来の開設について(志摩病院)
Ⅱ 閉会中の継続審査・調査申出事件について
Ⅲ 委員協議
1 常任委員会関係
(1)委員長報告について
(2)閉会中の委員会開催について
(3)その他(県内調査・県外調査・年間活動計画・病院事業関係勉強会)
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
Ⅰ 常任委員会(病院事業庁関係)
1 所管事項の調査
(1)当面の運営方針に基づく平成21年度マネジメントシートについて
①当局から資料に基づき概要説明(小山病院事業庁長)
②質問
○北川委員長 それでは、マネジメントシートの説明をいただきましたが、これに対してご質問があれば、よろしくお願いをいたします。
○舟橋委員 すみません。病院事業庁のマネジメントシートで2つ聞かせてください。
人材の確保100%目標ですけれども、医師、これは分母は定数やわね。
○小山庁長 非常に厳しい数字でありますけども、一応定数を分母に置いております。
○舟橋委員 そうですよね。理屈から言えば。ということは、志摩病院に助産師外来を開設すると言うけども、そこには一切産婦人科医の設置というのが院長のマネジメントシートに載ってないというのは全然話が通じてへんのとちがうかという気がするわけですよ。ほかも一志病院は一応ドクター数が5で確保していると。これは定数どおりなんかなと思ったりしますけども、とりわけ志摩病院の医師問題というのが喫緊の課題やというのは言わしてもらったんですけども、じゃこの質問は簡単に、果たして100%にするために一体何を病院事業庁がやろうとするかということを明確に教えていただきたいと思います。それは外向けですけども。
それから、内向けは、今年の3月にもこの3年間というのはすごい大きな過渡期で、職員の不安をあおる、自分たちの身分の問題や何かも含めてあおる時期ですので、職員のモチベーションをきちっと担保できるような努力をしてくださいと前事業庁長に言いました。新事業庁長になられて、それをどういうふうに今後されるおつもりなのかお聞かせいただきたいと思いますし、県政報告書の中で、後でこれはその他で聞かせてもらいますけども、満足度が下がってますよね。そこらへんもどう受け止めてやっていくのか。この病院事業庁長の職員満足度の向上の21年度目標は書いてないんですけど、これは調査がないでか、自分らで数字をよう作らんからかなと思ったんですけど、ここもちょっと教えていただきたいと思います。
それから、志摩のマネジメントシートですけども、さっきちょっと言いましたけども、助産師外来は後で説明を受けますけども、結局もう志摩の病院としては産婦人科の再開というか再オープンはしないのですか。もうそれはあきらめたのですかということを聞かせていただきたいと思います。これは100%の問題とリンクしますけども。
それから、同じく志摩の救急外来のところを見てましたら、下から4つ目かな、「救急外来委員会の開催」、「各セクション参加による救急外来の充実に向けた検討」と書いてあるんですけども、救急外来をするためには、一番頭に書いてあるように、地域に根差した中核病院であるはずなんですね。だから、この救急外来委員会というのが僕はよくわからんのやけども、単に内部の委員会やったら本当はだめなんじゃないかと。やはり地元の医師会だとか、地域の住民の代表だとか、それぞれのあそこは何病院だっけ、志摩市の市立病院がありますよね。そういったところと胸襟を開いて志摩病院の2次救急について議論をする場があってしかるべきだと思うんですけども、そういうような内容で、この救急外来委員会は位置づけられているのかどうか教えていただけますか。
○小山庁長 まず、この100%の方でございますが、人材の確保につきましては、当然この志摩病院をはじめ、それぞれの院長とともに一緒にやっていくことになりますけども、主に病院事業庁としてこの医師の確保、これに全力を挙げるということが、私どもの方の一番重要な仕事だと考えております。この100%につきましては、当然今ある診療科の医師は確保したいというのが一番の目的でございますので、志摩につきましても産科は今は休診しておりますけれども、確保につきまして、今ももちろんそうですし、先日ちょっとうまくいかなかった例もありますけども、さらに目指していくというふうに考えております。
それと、助産師外来を置いたということですけども、これは本来でありますと、産科の医師がいて、なおかつ助産師外来もあってということが好ましいと思います。それは産科医師が多ければ多いほどいいんですけども、たとえ1人来ていただいたとしても、この助産師外来の設置の意味は非常に大きいものがあると思いますので、当然続けていきたいと考えております。
それと、職員のモチベーションにつきましては、非常に厳しい時期になっているというのは認識しておりまして、私も実際に病院の方に行って、そういうことを聞かされております。ただ、大きい改革の議論がされているときなので、非常にモチベーションが下がりやすいときでありますけれども、私の方はその職員が、例えばどういう形態であろうとも、その地域の医療を提供していく側として、やはりしっかりとしたいい医療を提供していくために職員のモチベーションを高めていくということは大事だと思っておりますので、特に志摩病院と一志病院ですけども、そちらの方に訪れて、そういう話を進めさせていただいております。今後とも職員のモチベーションが下がらないように、これは非常に難しい面もありますけれども、今の医療をしっかりやっていくということがまず今の段階では大事だと考えておりまして、できるだけ職員の満足度というより、気持ちが高まるように進めていきたいと考えて、取り組んでおります。
○荒木室長 マネジメントシートの職員満足度の指標の関係で、21年度の目標値がバーになっているということなんですけども、これはここにありますように、アンケートによって数値目標を挙げているんですけども、職員アンケートについては2年に1回取るということで、21年度は前年度とりましたものですから、アンケートをしないということで目標数値としては挙げてございません。その代わりというわけじゃないんですけれども、その下にありますように、職員満足度に向けての取組の改善件数というのをアンケートに代わる指標ということで、21年度の目標値18件というのを挙げさせていただいています。
ただ、この19年度の実績と比べると、非常に件数が落ちています。これは件数の捉え方が、19年度の場合は細かな内容1つずつについて拾った件数でありますけれども、今回については大きなテーマという格好で拾った結果、18件今年取り組みたいということでここに数字を挙げさせていただいているところです。
○稲垣総括室長 志摩の救急についてのご質問がございましたものですから、お答えさせていただきます。
この志摩に設けております救急外来の委員会は、内部の委員会でございますけども、参加には消防も来ていただいていまして、消防の意見も伺いながら、委員会の中であり方を検討しているものでございます。外については、1月以降、救急の体制をつくるために、消防ももちろん入った志摩市、南伊勢町立病院等々が入った6者会議というのをやっておりまして、その中で志摩地域として救急はどうあるべきかという議論を続けております。
○舟橋委員 6者会議は何でここへ出てこなかった。地域医療、僻地医療の中核病院ならば、それに向けてどういう努力をしていますというのがマネジメントシートに出てくるべきだと思うんですけども。
○稲垣総括室長 必ずしも志摩病院が単独でリードしてやるというものではありませんものですから、6者の意見を総合してやるものですから、うちのマネジメントシートに上げるのはちょっとふさわしくないのかなと考えております。
○舟橋委員 最後に、庁長の方から医者の確保とかモチベーションの話も聞かせていただきましたけども、何となくふわっとした目標を聞かせてもらうだけで、具体的な努力がなかなか見えてこないんですよね。三重大を当てにしておっても、志摩病院は見捨てられておるし、来てもらえやんだ人も、何か京都か奈良かあっちの方の人らしかったんですけども、三重大当てにしてないというのはわかるんですが、もう少し例えば病院事業庁内に医者確保プロジェクトチームなんかをつくって、その人らは、もう県庁へ出てこんでもええと、全国行脚してこいというぐらいの根性を据えた取組をしますぐらいしてもらわんと、この医師確保というのは全然お題目で終わってしまうんじゃないかという危惧があるわけです。1年後にまた僕ここに座っていたら、「100%と去年言うとったやないか」と必ず言わしてもらいますんで、本当に100%になるぐらいの根性を入れた対応をしていただきたいと思います。
それから、現場の人らはやっぱりこの11年間随分、全部適用でいこうと決めて、議論もして進めてきた、それがある面では否定されているわけですよね。おまえらそれでやってきたけどできへんだやないかと。だから形態を変えて県立病院で対応するんやという論調でいただいていますので、話を。ならばこの3年間一遍そうじゃないんだと。全部適用でもいいんだという、今度は逆に見返すぐらいの病院事業庁として3年間は全部適用でせんならんわけですから、必ず。指定管理者になろうが、独立行政法人になろうが、それは2年先か3年先かは別にしても。その間は必ず全部適用なんですから。全部適用はもうあかへんのやでというような調子で病院事業庁がリーダーシップをとっていけば、当然これはモチベーションが下がっていくわけですし、今置かれておる中で何ができるんだ、こういうこともできるんだというようなことを吸い上げて、実現させていくというのが事業庁の責任じゃないかなと思うんですけど、そこらへんはどうお思いなんですか。
○小山庁長 まず、医師の確保についてなんですけども、やはり三重大学を非常に頼りにしています。ここは重要なことで、頼りにしているのは三重大学だけでお願いしているということでもございませんでして、現在、三重大学以外のところも、これは県のいろいろな施策にもよりますけれども、そういうところとタイアップして両方でやっております。
それともう一つ、そういう大学の医局というところもありますけども、今、開業医が非常に多くなっておりますので、そういう方の中からいろいろな情報を得て、行ってもいいという方を探す、その努力もしておりまして、そういう情報もちらほらありますので、そういうところに出向いていろいろな医師確保に努めるということもしております。個々の具体的な例はそのとき、そのときで事情が変わりますので、こういうふうにやっているということはなかなか申し上げることができませんけども、私の方としても今一番の経営課題として、医師の確保、看護師の確保・定着になっておりますので、そこは一生懸命努力しております。
それと、もう一つの全部適用の話で、これは職員のモチベーションとも重なる話になるんですけども、私も経験が浅いんであれですけども、全く全部適用が否定されたと思っておりませんでして、平成11年に全部適用でやろうとしたときには経営は確かに向上しましたし、成果も出たと思います。そういう流れの中で、さらにそれだけでやっていけるかという時代がまた来たんだと。次の大きい流れが来たんだと思っておりまして、全国の中でも全部適用からさらにその次へ改革をしていかなきゃならないという面も増えてきていると思います。そういう意味で、これからどう取り組んでいくかという一つの大きな問題と、さもありながら現在も我々は病院を経営しておりますので、全部適用がいいとか何がいいとかというより、現在の経営状況の中で、きちっとした経営をやっていくというのは当然の話です。
ただ、そういう中で、この改革の話が出たので、職員のモチベーションが非常に下がってしまっているというのが大きな要素で、これは経営の側から見ても、一つの大きな前からの波が来ていると考えております。ただ、それを受け止めながらも、やっぱり今の職員のモチベーションを上げながら、我々病院事業庁としては県立病院経営室も各病院も一緒になって、そこのところは現状をより良くしていくことに努めるというのは当然のことやと思っていますので、それらの努力もしておりますし、これからもやっていきたいと考えております。
○藤田委員 何点か質問させてもらいます。
まず、病院事業庁のマネジメントシートの作成に当たって、各病院長とのコミュニケーションをとっていただいているんですかということをまずちょっとお伺いします。
○小山庁長 これは本来であれば、病院事業庁長のマネジメントシートをつくって、それで各病院長にということになるんですけども、実は逆になっております。といいますのは、各病院がどういう経営をして、どういう特色を出すということをまず先にお聞きして、そこから持っていくもの、その中で議論しながら入れていただくものというふうにしておりまして、私はこのマネジメントシートと、もう一つ率先実行の方をつくっておりまして、それも各病院長に説明をして、私の率先実行の考え方をこのマネジメントシートに落とし込んでいます。それで、各病院長との関係でいきますと、病院へお伺いして、各病院長のこのマネジメネントシートを私が説明を受けて、それをお聞きして、やりとりをしています。これは2時間ぐらい時間をかけて、病院長と運営調整部長と看護部長たちが入った中で、一緒にこれの説明を受けて、それでやりとりをしていると。その中でこんなところどうですかとかいう話をして、大きく変わるということはないんですけども、意見交換をして、それで私のものもつくっているというところもありますので、そういう意味でぴたっと合ってませんけども、大きい流れとしては合っていると思います。
○藤田委員 特に私が見ていたのは、救急患者の受け入れ数、それから紹介患者数、それから臨床研修医の問題、このあたりをずっと各病院のものと見比べていたんです。確かに救急患者数の受け入れ数が、例えば病院事業庁ので見ていくと、20年の実績値よりも、かなり落ち込んでいるわけですよね、救急患者。3000人近く落ち込む目標値になっていますので、21年の目標。これは各病院の体制が整わないために、実際に受け入れたくても受け入れられないという数字が後ろの方からも出てきていますので、その関係かなと思ったんです。その次の紹介患者数のところもこれ減ってますよね。逆に言うと、そんな病院の現状があるんやったら、この紹介患者数のところをしっかりと議論をしてもらって、地域との連携を図る中で、ここの数が目標値が減っていくというのがちょっと理解に苦しんでます。
それから、今、医師確保の問題、舟橋委員からも話ししてもらいましたけれども、病院事業庁のこの新臨床研修医受け入れ数23人、それからシニアレジデント14人というのと、後ろの研修医の受け入れ数とが全く合致しないんだけども、そのへんがどうなっているのかと。というのは、医師確保において、もちろん常勤正規医を確保するというのが事業庁としての100%という目標にはなっていくんでしょうけれども、当然その前段階として臨床研修医だとかシニアレジデントをしっかりと受け入れていくことが、そのことにもまたつながっていくんではないかというふうに考えるんですが、そのへんの見方はどう考えていけばいいんでしょうか。
○小山庁長 まず、救急患者数とか、あるいは紹介患者数が減っているじゃないかというのは、確かにこの救急患者の受け入れが3,000人強減っているのは非常に残念なことなんですけども、これは当初予算のときも議論させていただいたところですけれども、志摩病院の方で医師不足により救急体制を大幅に変えたということがございまして、それまでは365日24時間をうたい文句にしておったんですけども、夜間は半分弱ぐらいになっておりまして、そういうところの人数が大きく響いております。それと、今までは1次救急とかも受け入れる、そういう能力があったんですけども、それをやると、もう現在の医師が本当に疲弊してしまうような状態になってしまいましたので、あくまで紹介患者を受け入れるということに限らせていただきましたので、そういう意味の数が減ったというのがありまして、原因としましては、そのことが大きいものとなっていると考えております。
それと、研修医の方でございますが、臨床研修医の受け入れは23人としてありまして、これは各病院の方を見ますと、総合医療センターが18人と志摩が5人としておりまして、それで、23人となっております。
それと、シニアレジデントも、これは各病院の数字を集めたものが私のところの14名となっております。ただ、一志の方で学生が家庭医療の、そういう研修に行きたいという人がおりまして、それは何カ月単位で来ておりますので、そういうところは延べ人数として多くなっておりますけども、特にそれはこちらのマネジメントシートには反映していないというところがございます。各病院のそれを全部入れるというわけにはいきませんので、大まかなところだけ私のマネジメントシートに入れておるところでございます。
○藤田委員 救急患者の受け入れ数については理解します。それは多分それだろうなというふうに思いました。臨床研修医はこころの医療センター分を抜いてみえるんと違いますか。
○荒木室長 こころの医療センターの、臨床研修医については、ここはゼロで、シニアレジデントの方で一応2名という格好で数字には入れております。こころの医療センターの臨床研修医の受け入れが12名とありますけれども、ここは短期の3カ月の受け入れ数ですので、一応、庁長のシートの数にはこの部分も除いております。
○藤田委員 わかりました。言葉の使い方が一致してないということですよね、結局ね。そのへんやはり統一性を持たせて記載していただかないと、我々としては判断をしづらいので、またお願いをします。
ただ、この紹介患者数の問題なんですけれども、この問題はやはり今地域のいわゆる診療所だとか開業医たちとの関係をきちっと確保していくというのが、これは県立に限らず、公的病院にとっては、いわゆるコンビニ受診というのが随分言われて久しいわけですよね。このあたりをきちんと議論をしていただいて、地域との連携を図っていただくというのが、それぞれ逆に言うと、相互医療機関が医師たちの負担の部分の解消にもつながる一助になっていくわけですから、やはりこの辺をしっかりと前へ打ち出して、議論をする場というものを設置していくというのが、今特に公的病院にとっては大変重要な一つの課題になってきているというふうに判断しますので、余りこのへんを下げるという目標というのは私としては非常に納得できないし、その努力というのも逆に言うと事業庁としても積極的に打ち出していかないといけないのではないかなというふうに思います。モチベーションの問題、いろいろな問題はあります。これも舟橋委員が言っていただきましたので、私の方から申し上げませんが、ぜひそういったバックアップ体制というものを、やはり事業庁としてはきっちりとっていく必要があると思いますので、特にそういった部分について申し上げて終わります。
○小山庁長 今、藤田委員のおっしゃられたこと、もっともだと思います。例えば志摩の方では、地域医療を考える会をつくっていただきまして、そういうコンビニ受診のようなものもいかがなものかということを住民の側で議論していただけるという大変ありがたい例もございますので、そういうことをこれからきちっとやっていくことによって、県立病院本来の使命というか役割が果たせると思いますので、そのように努力したいと考えております。
○真弓委員 事業庁のマネジメントシートのビジョンで、「地域住民や患者に親しまれ信頼される」というふうに書いてあるわけですけれども、今回の県立病院の改革案が出た途端に、県立で守ってくれという署名1万8000人分が地域から上がってきたり、パブリック・コメントがほとんど反対、守ってくれというのがどっと来たりということで、地域住民や患者に親しまれ、信頼されているというビジョンは皮肉なことに達成しているのがわかったかなと思うんです。
ところが、その次の医療スタッフが来たくなる病院をつくりというのは、医師不足、看護師不足でこういうふうなもう全部適用ではやっていけへんみたいな形になっとるわけなので、その医療スタッフが来たくなる病院をつくっていくということに、先程どなたか言われたみたいに、この3年間病院事業庁が全力を挙げてやっていかなあかんことだなと思うんです。
そこで、特に志摩病院は3年後にどうのこうのという、そんな悠長なことも言うてられへんと思うので、医師確保も何とかやって、三重大だけじゃなくて、ほかの方もやっていると言うんですけども、志摩病院の医師確保にどんな努力をやっているのかという具体的な姿がなかなか見えてこないんですよね。例えばコンサルタントなんかも使って、全国的にそういう情報を探してみえるのか。今後どういうふうな形で、志摩病院に限ってまず医師確保具体策はどんなものがあって、目途はどんなふうに考えてみえるのか教えてほしいなと思います。
○小山庁長 まず、ビジョン、経営方針とか、経営のシナリオのところになりますけれども、信頼される病院というのは、これはどういう形態であろうが、病院として当然の話、ここを目指すというのが大事なことだと思いますので、いかなる状態になってもこの方向に進んでいくと思います。それと、今の医師不足につきまして、いろいろな情報というのはなかなか無いような状況ですけども、募集したときに、そこなら応募してみようと思うような病院が全国にはあるやに聞いております。ですから、そういうふうにならないとなかなか医師は来てくれないと思います。今まで志摩病院につきましても、三重大学にお願いしたというのが一番の私のこの4月からのことですけども、具体的な話のときでも、なかなか来ていただきにくいという状況にもあります。それは現在の病院の状況をどう整えていくかということも大きく影響するのだと思います。そこに行って働きたいような職場というものをつくっていかないとなかなか。これは我々の場合でもそうです。誰でもそうだと思いますので、そういう職場をどう作っていくかというので、我々の目指す方向としてまず経営方針としてそれでいきたいと思っています。
具体的にどういう戦略を今持っているのかと言いますと、特に今、真弓委員のおっしゃられたコンサルタントに頼んでということまで考えてはおりません。ただ、今の志摩病院でいきますと産科の問題、それと小児科の救急の問題もあります。それと全体の救急の問題もあります。そういう中で医師確保のまず一番いい手段と考えておりますのが、三重大との関係、それともう一つ、今、自治医大の卒業生に来てもらっていますから、そういうところとの関係をきちっとつくっていくということ、そういう大きい流れをつくった中で、確保するというのが、現実的かなと考えておりまして、ただ、全国を行脚することで本当に成果が得られるような状況に今なっているのかと、これもなかなか難しいような状況と聞いております。さはさりながら、難しいから何もしないというわけにはいかないと思いますので、我々としても、時々、そこをピンポイント的に何とかしようと思っているような情報はあるんですけれども、さらにもう少し情報を広くとれるような、それでそこへ実際に出かけていくような、あるいは他の大学、他県、そういうこともこれから十分検討していく必要があると内部で話し合っているところでございます。それともう一つ難しいのは、この3年間と、それから今の改革の流れと、両方相まって、我々の対応すべきことだと考えておりますので、その辺も入れながら、ぜひとも医師確保に取り組んでいきたいと考えてます。
○真弓委員 前段の方の働きたい職場をつくっていくというのは、舟橋委員も言われたように、職員のモチベーションが下がってこざるを得ないときに、なかなかこれこそ難しいことだろうと思いますし、新たな病院の姿自身が県職員では説明し切れない、わかりにくいというので、コンサルタントを使ってやっているわけですよね。今の医師確保の現状で見ると、なかなかうまくいきそうにもないという感じはご自身がよくわかってみえると思うので、私もいろいろなコンサルタントを聞いてみたら、経営をやっているところ、あるいは病院展開の補助をやっていたり、あるいは人材派遣的なことをやっていたりとか、いろいろあるわけですね。それで、やっぱり医師の確保のためには全国レベルというか海外まで及んでいる部分なんかの、コンサルタントもあるみたいなので、そういうものも頼んでみるという、まだ今考えてはいないとおっしゃいますけども、やはり今の努力方向でなかなか成果が上がらなければ、そこまでいかなきゃいけないのじゃないかなと。補正予算でも組んでコンサルタントに頼んだら、共産党は反対するけども、ほかのところはみんな賛成してくれると思いますので、そこまでいく考えはあるのかないのか、もう一遍それ確認させてください。
○小山庁長 まず、経営のモチベーションの方ですけども、これはいろいろな改革の議論がされておりまして、私の方としてもいろいろな情報をいただきながら、今の予算の議論も聞かせていただいております。そういう中で病院事業庁についてどうするかということでございますので、そういう改革の方向も見ながらではありますけども、現在の経営は先程舟橋委員が言われたような公営企業法のもとで経営をしておりますので、ここでより職員のモチベーションが上がるような経営をするというのは私の方の基本路線ですから、これはそういう状況になってないじゃないかというお話がありましても、そこを目指すために、どういう努力をするかということをまずしていきたいということと、それと医師確保はおっしゃられるように、最大の課題でありますので、これは今は具体的にそういうところまで至っておりませんけども、おっしゃられるようなあらゆる情報もそういうコンサルタントの情報も得ながら、あるいはそういうところに依頼するかどうかということも含めて、検討をさせていただきたいと考えております。
○真弓委員 志摩病院にとっては、この難しい段階で医師が確保できる、そのために県が全力を挙げている、そして確保できた。それを実現することが一番モチベーションが上がることだし、働きたい職場をつくっていくことになると思うので、全力を挙げてやっていただきたいなと。これも要望なんですけども。
最後に、一志病院なんですけども、僕も何回か行って先生らの話を聞いて、家庭医療の推進と、それから地域医療も大事だというのを随分教えてももらってきたんですけれども、一志病院のマネジメントシートでやってきた、この考え方が民間移譲のことについて、どう生きてくるのかも、それはそれとしての話で、今、病院事業庁の中の一志病院がやろうとしている、このマネジメントシートは、民間移譲のときに生きてくるのか、びりっと破られてしまうのか。病院事業庁としてはどんなふうに改革というか、民間移譲の話の中に入れていきたいのか、入れていかんでもええんか、どっちなんですか。
○小山庁長 このマネジメントシートは平成21年度のものでございますので、21年度はこれでやるということですから、21年度に民間移譲されるというお話を私は聞いておりません。ですから、これでいきたいと考えております。
それともう一つ、改革の中でこういう善意全人的な医療の提供がどうかというお話だと思います。このマネジメントシートに表されたようなものがどうなるかということにつきましては、私は現在のところ予想はできません。ただ、私どもが考えているのは、こういう医療が地域として必要なものであるかどうかと。地域に受け入れられているかどうかと。これが地域の医療として本当に適切で、これからもっともっとこういう医療を続けていけばいいかどうかということは当然私どもの方としては毎年度検証する必要があります。そういう意味で、地域のニーズと提供する医療の地域医療の確保という観点から、病院事業庁としてこの一志病院がそういう役割を果たしているかどうかという検討をしながら、もしそれが本当に必要なものであれば、その地域でどういう形態であろうとも、その医療が守られていくべきだと考えております。
○真弓委員 確認をしたいんですけども、マネジメントシートに出ていたやつが地域の医療にとっては必要だというふうに検証されたら、それは民間移譲、運営形態が変わるときも生きていくわけですね。
○小山庁長 生きていくかどうかということよりも、こういう医療が今からあとどれだけ続けられるかという問題もあると思いますけども、我々病院事業庁が提供している医療が地域にとって一番いい医療ということであれば、そこを経営される方はそれを無視することはできないだろうと思います。ただ、新たなもので全く違うものがあって、地域ではそれがもっといいということであればまた別の話もあろうと思います。やはり地域のニーズというものが大きいかなと思います。
○真弓委員 終わります。
○前野委員 今までお三方から質問をされたんですけども、このマネジメントシートに基づく病院事業庁の経営というところで、余り悪いですけど、せっかく小山庁長が一生懸命事業庁長やってもらっているんですけども、その熱い思いがぱっと見えてこないとういのが非常に、私の聞き方が悪いかわかりませんけども、残念だなという気がしてます。特に医師不足や看護師の充足率の問題なんですが、これも質問がありましたように、100%を目指すということでご努力はされるという、その決意は感じたんですが、実際にどんなふうにやるんやという話もあったと思うんですが、明快な回答が返ってきてないのが少し残念だなというふうに感じます。特に医師の関係については三重大にお願いをして、また他の機関にも、自治医大の卒業生なんかのルートも通じてというようなお話もあったんですけども、医者同士のつながりというのも非常に大きいと思うんですね、これ。事業庁だけが募集して、歩き回るんやなしに、医師同士の人間関係というんですか、そのつながりというのは非常に大きなものがあると思うんですが、三重県には三重県の医師会があって、医師会の中に加入をしてみえる医者ですよね。開業医の皆さん方はもうそれぞれ入って活動されてますけども、特に公立の関係の病院は医師会に加入をしている方が非常に少ないと聞いています。民間の病院ですと、大きな病院のスタッフはほとんど医師会に加入して、それぞれ頑張っていただいているんですけれども、そのへんでやはり医師不足を補うための人間関係の横のつながりというものがスムーズにいってない部分もあるんかなというそんな感じも私は受けるんですね。違ったらまた否定してくださいよ。
それから、看護師の方も潜在看護師の掘り起こしをということで、病院事業庁いろいろ募集なんかもかけて、講習会も開いてやってもろてますが、潜在看護師がどこにどんだけおるんやということも把握してますかね。把握してみえるんですか。看護連盟なんか行くと、どうも病院事業庁とちぐはぐなことをやっておるような話を聞くと、何かうまく連携がいってないなと感じたりも私はしますんで、看護師連盟ですか、そのへんとしっかりとしたタイアップをして、看護師不足も努力していったらもう少し成果が見えてくるんとちがうかなという、どうも反発し合っているような感じもしますんで、そのへん一度確認をしたいと思います。
○小山庁長 まず、医師の方でございます。これは熱い思いということなんですけども、これはすぐに何をするかということとともに、これからどうしていくかということの2つあると思いまして、すぐ何をするかは今、前野委員おっしゃったような医師としての関係というのは非常に重要だと思います。これは医師確保は病院事業庁の県立病院の経営室だけでやっているわけではございませんでして、大きくは院長が一生懸命やっていただいています。やっぱり院長の医者の関係で行かないと、これは私どもがぽんと行ってお願いしますと言って、すぐ来てくれるようなそんな問題ではありません。医者と医者のルート、こういうふうな情報網、医者は医者で全部と持ってます。そういうことを通じて全部やっていますので、そこは私ども一緒にやるというぐらいの話で、各院長に頑張っていただきます。実際院長は足を運んだりしていただいています。それと院長だけでなくて、どういう情報を得るかというのは大事ですし、それは三重大学の方も単にお願いだけじゃなくて、いろいろな情報交換もして、じゃどこを頼もうかみたいな話もやっています。だから、そういう意味では一種の医師情報というのは我々にない特別なものがありますので、それはお願いしないとできないということがあります。
それともう一つ、私の思いとしては、ここに書いてある一番大きいのは、医師確保ですけども、やっぱり病院の雰囲気をどうつくるか、これは医師だけじゃなくて、そこにいる看護師も、コメディカルの皆さんもそこにずっと定着するような病院にしていかないと、来た人をいかにうまく内部に受け入れていくか。新人の看護師ですと定着を図るために、技術支援とか夜勤とか、最初来た人はかなり緊張するらしいんです、現場が初めての人は。そういうことをいかにうまくサポートしているかという体制が整っているかどうかもきちっとしていかないと、なかなか定着しないと。「来たくなる病院づくり」という言葉で表してますけども、そこをちゃんとしましょうということと、看護協会は私も何回か行ってますし、向こうからも来ていただいています。それと、私の方で潜在看護師の掘り起こしのために、研修もさることながら、あちらこちら県外にも出かけて、愛知県なんかにも出かけて行ってそういう情報交換をしています。それと、看護大学からの学生は非常に優秀ですから、実習病院としていかに実習で来た生徒たちにこの病院はいいなと思わせるにはどうするかも、そういうことも今一生懸命やっておりますので、そういうふうに短期と長期と合わせたような格好をしていかないと、なかなか。それで、そういう中で病院の雰囲気作りをしていくということも含めてやっていきたいと考えておりまして、すぐに効果のあらわれるものと、知事じゃないですけども、漢方薬みたいな話と両方含めながらやっていかないと、なかなか難しいのかなというのが現状でございますので、そういう努力をしていきたいと考えています。
○稲垣総括室長 今回の志摩病院の産科医の問題についても、産科医が急に来なくなったということでどうするかというので、もう緊急でしたものですから、ドクターつながり、また看護部長なんかのつながりも通じまして、個々のリストを作って、リストといっても実は3件ほどあったんですけども、それも本当にピンポイントに当たってみようということで、看護部長なんかのお声がけもお願いした上で当たってやった経緯がございます。残念ながら結果に結びついておりませんけども、そんな感じで聞いて、ドクターつながり、看護部つながり、看護部長つながり等々を通じて、ピンポイントで当たっていることを実はやっておるわけです。
○前野委員 理解をします。これまでも事業庁としてはそういうこともずっとやっていただいておったんでしょうね。ですけども、なかなかその成果があらわれなかったというところには、三重大学とのやっぱり何かいろいろなうわさに聞こえてくるようなスムーズな関係やなかったというようなこともあったんですかな。今までできんだということはね。それも答えてもらわなくてもよろしいですけども、心配するんです。とにかくスムーズにいけば、それこそ話がもっと進んでいると思うんですが、それと、看護師協会ですか、ここもついつい僕らも小言ばかり聞いておりまして、事業庁に対するね、そのへんが若干やっぱり二の足を踏ますところがあったんかなという感じもしてますんで、ぜひ事業庁長のときにそのへんは改善をしてもらって、100%達成ができるようにご努力もいただきたいというふうに思います。
うちの近くにも産科の先生が見えて、この前病院閉められて老人ホームに行ってみえる方も見えますよ。だから情報を探ればある。その方はちょっと高齢ですので、産科としてやるのが無理なんかもわかりませんけども、実際にそういう方も見えますんで、口説けばできるんかもしれませんけども、また一遍当たってみてください。
以上です。
○小山庁長 今おっしゃられた看護協会とか、いろいろな看護関係で、確かにスムーズにいってないような時代もございましたので、今、急速に改善を図っております。それと、確かにそういう開業医の方で、もしかしてという方、そういう情報もあったりしますので、それも大事にしていきたいと思います。その今おっしゃる方が適切かどうかはちょっとまた検討しまして。
○前野委員 やっぱりそのへんも医師会に入ってないと、なかなか情報が入らんと思うんですね。医師会に入って、医師会でそういうつながりがあるからこそ、誰々がちょっと今手がすいているよとかいう話が伝わってくるんだと思いますんで、なぜその医師会にみんなが入ってないのかというのに答えてもろうてませんので、また後でひとつお願いしたいと思いますけども。
○小山庁長 私も余りそこは詳しくないんですけど、多分医師会に入られているのは開業医の方たちが医師会に入っている。
○荒木室長 県立病院の医師については、基本的に医師会に入る入らないは個人の意思でございまして、県立病院の中でも比較的に例えば診療部長とか、医長クラスになるとかなり入られる方がみえるんですけども、ただ、若い医師については、医師会に入って、情報を取ろうとかというところではなく、あえて今入らなくても、自分の例えば病院での診療技術を上げるというふうなところもあって、なかなか若い医師達は今のところ見ると医師会に入っていないというのが状況であるんかなとは思っております。
○前野委員 民間の病院ですと、もう全員入ってみえますわ。多分医師会の会費も当然要るんだと思うんですが、そのへんを病院側が負担しとるのかどうかちょっとわかりませんので、難しい話ですけども。
○荒木室長 基本的には病院では負担しておりません。
○前野委員 民間ですよ。
○荒木室長 民間の状況はわからないんですけども、県立病院としては基本的には医師会の会費は負担しておりません。
○前野委員 大体三重大学系統の医者が多いんですけども、やっぱり民間の病院のすべての医者が医師会に入っているということは、名簿を見るとほとんどすべて入ってますわ。入っているということは、やっぱりその横の人間関係があって、民間病院はそのへんの医師確保にそれが生きてるのかなという、憶測ですけども、そんなふうに感じます。そのへんもやっぱり必要なことと違うんかなという感じがしますんで、ちょっと医師会のことを申し上げたんで、ひとつ研究の課題にしてください、それも。よろしいです、それは。
それから、地元の一志病院のことなんですけども、21年度の病院の経営方針も、この院長の考え方として出てきているんですけども、せんだって地元説明会をしてもらったときに、この病院の近所のお家へちょっと行ってくる仕事があったものですから、お邪魔をしまして、今ちょうど説明会を聞いてきたところですということで、話をさせてもらっていたら、昔はあそこははやっていたと言うとあれですけども、ものすごく病院が混むというんですか、非常に盛況やったそうです。盛況という表現がいいんか悪いか病院ですからあれですけども、どんな時代ですかという話を聞いたら、当時子どものぜんそくを中心に、非常に空気のいいところですし、小学校も近くにありますんで、そこへ入院をしながら教育機関に通って治療をしていたという、熱田先生っていって、津市の方で今開業医をされていますね。あの先生が院長のときに随分子どもがたくさん通っていたと。専門的な病院としてやっておられたということで、非常にその当時は話題にもなって、テレビなんかにも報道されるというようなこともあったらしくて、地域挙げて地元も非常に応援をしていたという、そんな話を聞かせてもらいました。
それで、せんだって一志病院で緩和ケアをやりたいという話がありましたですよね。あのときよく私もわからなかったんですけども、なぜ病院事業庁が反対したかということになるんですけども、院長の意向を酌まずに、けんか別れの格好でやめてしまわれましたわね。だから、そういう専門的なことをやることによって、逆にあの病院が生き残れるというんですか、そういう方向に向けていただいたら、地元も非常に喜ばしいんですけどねという話を聞かせてもらったんで。
そういう意味で、病院の経営のあり方によっては地元の意向を十分酌んでもらえるんじゃないかという地元からそういう話がありましたものですから、なぜ緩和ケアをやることに対して病院事業庁は反対をしたんかということがやっぱり地元では非常に大きな話題になっているようですので、昔はそんなんで、非常に小児のぜんそくではやっていたのに、あんな時代をもう一度再現してもらったらどうですかという、そういう話でしたんで質問させてもらいます。
○小山庁長 すみません、私の方もきちっとお答えできないもので、申し訳ございません。やっぱりああいう小さい病院になりますと、来られた医師の方のそういう特色というか得意というんですか、そういう能力でもって非常に大きく左右される場合があるのかなと考えておりまして、大きい組織であれば次々と引き継いでいくという、継続があるんでしょうけども、なかなかそれが難しかったのかなと思います。
現在もこういう家庭医療というところで、他のところにない、一つのこれも特色なのかなと考えておりまして、どういう医師に来ていただくかということで左右されてしまうというのは、一つの宿命なのかなと思いますけども、県立病院であってはやっぱりそこのところをできるだけ地域の子どもたちとか地域の人たちにいかにいい医療を提供できる医師を呼んでくるというのは建前なんですけども、なかなか難しい現状であるということもご理解いただきたいと思います。
現在、私はそういう意味で家庭医療という、他でやっていないような、地域にとってかなり受け入れられているような、そういう医療が始まっているのかなと思っておりますので、もう少し院長とともにこれを進めていきたいなと考えております。緩和ケアの方については、ちょっといろいろな経緯もあったようでございますので、ここでは省略をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○前野委員 またその緩和ケアのことについては言いにくいところもあるかもわかりませんので、後で教えてください。
○小山庁長 はい。
○北川委員長 ほかに。
○山本委員 志摩を中心に質問させていただくんですが、その志摩病院をどうしていこうという、グランドデザインなんかを病院の方から提案があったのかどうか。病院事業庁は志摩病院なり一志病院はどうあるべきだというようなことはいろいろなペーパーで紹介されています。それを議員が議論しておるけども、病院側から我々の病院はこうしたいんだというような、そういう説明というか、そういうようなものがあれば教えていただきたいというのが1点。
それから、今さらなんですが、公の役割、行政の病院、自治体病院、県立病院としての役割というのはどうなんだということですね。今までずっと議論されてきているんですが、今まさに志摩なんかは一志も含めてですけど、公の病院、あるべき姿、役割は何だったということをもう一回考えなきゃいけない、そんな時期に来ておるんじゃないかな、そんなふうに思うんですね。儲からない診療科目を担わなきゃいけないというような、宿命的なものもあって、それこそ夜間もそうだ、救急もやらなきゃいけない、民間病院は夜は嫌ですよと。もちろん輪番制でありますけど、そういうものは嫌ですよということで、公は本当によう頑張ってくれとると思うんです、今まで。だから、そんな意味で、これから公としてどうあるべきだというような、私、第1点目で言いましたけども、それも含めてどうすべきかというようなことも教えてもらいたいなと思うんですね、公の病院。
それと、去年も私、この委員会で質問しました。その中で、この3月末で産婦人科の先生がやめました。それで、先生のところへ行って、ご自宅へ訪問して、いろいろな話を聞いてきた。先生が言ってることがすべて正しいとは言えないし、その辺の事情というのは稲垣総括室長はよくわかってみえるんですが、人間関係もいろいろなことがあったりして。だけど、その人が言ったのは、人間関係そんなの別ですよ。自分は産婦人科医として今の志摩病院がどうあるべきかということを説明していただいた中で、1点こう言ってました。いわゆるマネジャーですね、病院を運営する人、これはどうしても必要やと。民間の総合病院、都会の病院はいわゆる経営専門の方がおると。その人がもちろん人件費比率がどうだとか、薬剤の使い方がどうだとか、いろいろなそういうことをマネジメントしながら病院経営をしていくわけでしょう。それをやったらどうかというような、そういう提案があって、なるほどなというふうに私は思ったんですけど、なかなか公立病院の中でマネジャー専門の人をそこへ配置するということが果たしてできるのかどうかということも今思っていますので、もしそういうことができれば、指定管理者と言う前にやってもろうたらどうかというようなことを去年言ったことがあるんですけども、改めて小山病院庁長にそういうことを質問したいと思うんですね。
それから、志摩は例えば指定管理者ということでしょう。産科と小児科がクローズアップされているんですが、これも非常に大事な診療科目ですけども、心臓と脳がもっと緊急を要するんですよ。今は伊勢の日赤へ搬送されているわけですよね。この脳とか心臓こそ1分1秒を争う疾患ですから、本来はそういう先生がおらなあかんのやけど、そういう患者こそ伊勢に搬送されておると。この矛盾というのはどうなんだろうなとはいつも思っとるんですが、そのへんの取組というのは1回庁長に聞かせてほしいということ。
それから、次は、今の志摩市立病院6人先生がおるんですよ。昔の前島病院の先生も引き続いておる。県立志摩病院との連携を図りつつというふうに、あと五カ所の南伊勢病院と連携をとりつつというようなことを言われておるんですけど、将来例えば指定管理者ということになった場合、その市立病院との関係というのがどうなっていくのかなというようなことも、もし病院事業庁長、考えがあればお聞かせいただきたい。大体そんなところです。
最後に、私、志摩病院の肩を持つわけじゃないんですけども、今の吉村院長は、例えば病院に関係する雑誌の中で、大腸がんという項目があるじゃないですか。そうすると、日本の名医50人とか100人というようないろいろな雑誌が出ますよね。その中で吉村院長は東海地域で、三重県でも1人か2人ぐらいの権威がある先生というふうに紹介されるぐらい名医なんですね。その名医が志摩病院におるということは余り知られてないんだけど、そのことも我々が宣伝しなきゃいけないんだろうけど、志摩病院は本当にいい先生がたくさんおるよと。大事にしなきゃいけないねというような、そういう啓蒙活動というか、啓発活動を住民の人たちが私も含めて住民の1人としてやっていくというのはとても大事なことだ。限りある医療資源を大事にする。攻めるだけが能じゃないと言うと言葉に語弊があるんですが、大事にしていかなきゃいけない、そんなふうにも思っておるんですね。そのことも含めて病院事業庁長、もし稲垣総括室長もあればご答弁いただきたいと思います。
○小山庁長 志摩病院をどういうふうな病院にするかということ、あるいは志摩病院がどういう病院になろうかという大きい視点でございます。これについては現在の院長を中心に病院の方とも話をしておりまして、これは院長だけじゃなくて、運営調整部も一緒になって病院の方向性を議論していただいています。そういうことから考えると、今の志摩病院、非常にいろいろな問題というか、課題を抱えておりますけども、あの地域の拠点病院としての中核病院としての役割を果たす必要があると考えています。大きくは僻地医療、これの支援をしていくということは大きい問題だと思いますし、あるいは観光資源の中でそういう災害医療を等を含めて、どう提供していくかということも大きい問題だと考えています。これは病院ともそういう話をしております。
それともう一つ、地域の住民にとっての救急の問題とか、あるいは今、山本委員の言われました産科、小児科もありますけども、脳、心臓はどうなんだということも、確かに救急搬送のとき、その話を聞きますし、大きい問題と考えています。一刻を争うような問題であるにも関わらず対応し切れてないというのは非常に私どもとしても課題と考えていますし、何とかしたいという思いもあります。これは思いと、できることとはなかなか一致しないというのが現実でございますので、それは方向として、我々さらに努力していきたい課題だと思っております。
不採算部門をどうするかということと、公の病院としての姿をどういうふうに考えているんだということは一緒のお話だと思います。今の救急の問題にしても、あるいは僻地診療の支援にしても、これは不採算部門に近いのかなと思います。県立病院としては当然に、そのために繰入の制度、考え方があるわけですから、それを進めていくのが使命、役割だと考えています。
ただ、そういうことを続けていくのにどのレベルでできるかというのが1つ問題でございます。やっぱり今いる医師がきちっと勤務できるという、そういう状況も医師の健康も考えないと、医師の場合は我々の大体倍ぐらいの時間を働いている、倍を超えるかもしれないと思っています。そういう状態でございますので、医師も健康を考えながら仕事をしていただくという、そこの折り合いをどう考えるかというのは非常に難しい問題でございますので、その解消のためにも医師をいかに確保するかという問題に結局は突き当たってしまっているというのが現状でございます。
産婦人科につきましての問題は、いろいろあるんでしょうけども、マネジャーについての話ですけども、これは確かに病院経営という以上、そういうマネジャーといいますか、経営を考える人が非常に重要だということはもちろん全部適用の現在もありまして、そのために各病院に我々は経営担当という職員を置いております。それでもう一つ重要なことは、県立病院経営室、私どもの方の室ですけども、ここが本来その役割をもっと果たす必要があるというのに、果たし切れてないというのが、1つ問題だろうと思います。
それと、おっしゃられたその病院の中におって、病院の理事的なそういう経営者、経営を考える人ということでおっしゃられていると思いますけども、それはやはりこれから十分考えていく必要があると思います。特に今病院事業庁という一つの組織の中でやっていることよりも、その改革のときの考え方が、それぞれの病院として役割を果たしていくということが示されておりますので、さらにそういうことが重要になるのかなと、そういう場合に至れば思います。現在の状況でも当然それはもっと考えていく必要があるのかなと思います。
それと、将来の志摩市立との関係になりますけども、これは今の県立志摩病院の医師が100%確保されたとしても、やっぱり志摩市立とか南伊勢町立とか、あるいはそういう離島等の診療所とともに連携していくということが非常に重要かなと思っておりますので、現在この経営危機にあって、そういうところとの連携ができつつありますので、さらにそれをしっかりしていきたいと。志摩市立といい関係を作っていくというのは大事なことだと思います。ただ、今ちょっと救急の関係でうまくいってない面もありますけども、それはお互いに協力関係を作っていきたいなと考えています。
それと、最後に、吉村院長の東海一、二の名医だということは、これはすばらしい資源だと思っておりまして、委員のおっしゃられるように、我々はもっとそこをPRして、県外からでも来ていただけるという病院にしていくというのも、1つ大事なことだと思いますので、そこはこれからしっかりやっていきたいと思います。
○稲垣総括室長 すみません、名前も言っていただきましたので、本当に簡単にですけども、私からも3点ほど。県立病院としての志摩病院のあり方というよりも、今本当に喫緊の課題になっておるのが、まさに救急、小児も含めた救急ですから、これもとにかく充実、改善に何とか努める。これがまず第一手段であろうと考えております。それは先程言われた志摩地域内の他の診療機関との関係、連携にもつながっていきますものですから、最初に申し上げた志摩の合同会議等々も通じながら、そしてまた院内体制の充実を何とか考えて、三重大の協力も常に仰ぎながら、緊急にやっていきたいと思っております。
吉村院長の話ですけども、大腸の権威というのは私ども重々聞いておりまして、先程庁長も言われましたが、何とかPRというか、そういうのも努めていけるような手法を今考えておるところですので、よろしくお願いしたいと思います。
あと、最後に、経営の専門家という話がございましたけども、これは制度的に極めて正直難しい問題で、盛んに言われますけども、全部適用の中でどこまでできるのかというのにつきましては、今の知事部局等々が絡む人事システムの中で、どうしても異動というのを前提に置かなきゃなりませんものですから、なかなかじっくりと人材育成をして、経営の専門家を育てるのはシステム的にはなかなか困難な状況にあろうかと思います。じゃ、指定管理になったから、それは十分かと言われると、指定管理になったからといって、そういう人材が必ずしも確保できるかというのは別問題でありますが、少なくとも今のシステムの中ではなかなか困難な問題であると言わざるを得ないと思います。
以上です。
○山本委員 育てていくんじゃなくて、例えば医師派遣のコンサルタントみたいのいるじゃないですか。あれと一緒のように、病院経営のマネジャーという、そういう意味で私は質問したんですけど、育てていくというんじゃなくて、もう時間ないですから、育てる時間。
○稲垣総括室長 採用に関しましても、各県立病院で、いわゆるクローズな採用といいますか、プロパーとか、そういった概念のクローズな採用というのも方法論としてはあり得るんですけども、その人事委員会のかやの中に今の採用制度もございますものですから、これがその法の縛りがございますもので、なかなかそれもやりづらいのは実態だと思います。
○山本委員 知事ももう崩壊しつつあるというような、そんな言い方をしておるわけですから、もうすべてやり尽くしたと。考えられるすべての選択肢は全部やったと。そんな中で指定管理者とか民間譲渡というのなら、私はいつも言うんですが、それもいいだろうと。だけど、まだまだやるべきところをやらずして、はい、民間譲渡、指定管理者というのはどうなんだろうなということを私はいつも思っておるもので、そんな質問をしたんです。
それと、先程の産科と、それからあと心臓、脳の話をしました。そうすると、指定管理者になった場合に、こういうような問題というのは、すべて解決できるとは言いませんけど、今以上によくなる可能性というのはあるだろうか。
○小山庁長 これはもし、指定管理になればです。そのときの想定で今、私が考えられると思うのは、どういうことができるかということを十分話し合うことになるんだろうと思います。そこで県としてクリアしてほしい条件をどういう条件に置くかと。そのときにこの産科とか小児科とか心臓、脳外科をどうするかと。そこをきちっと医師を置くこととかそういう条件を置いて、それがクリアできるかどうかということをきちっと話し合う。それが条件として示されるということで、そこの整理になるんだろうと思うんです。ですから、今、現実にそのときすぐにできる問題なのか、どれぐらいにできる問題なのかということで、いろいろ条件作りのようなものがあると思いますので、その中で整理されていくことかなと思います。
○山本委員 指定管理者になったからといって、バラ色の改善策ができるというようなことじゃないように思いますがね。よそのいろいろな事例というか、例を見てみるとそう思うんですね。その中で、そういう時点になったら詰めていくと、庁長のお話ですから、そういうことにもしなった場合は大事な問題ですから、ここというのはやっぱり力を入れてもらわなあかんのかなと、そんなふうに思います。
○小山庁長 私が今申し上げたところと、もう一つ、私は今までの行政経験の中でいろいろな県立の公園とか、そういうところの指定管理をお願いしましたけども、指定管理者の持っている能力というのはあると思います。その指定管理者がどういう能力を持っていて、例えばいろいろな診療科を達成しやすい指定管理者もいるかもしれません。そういうところというのは、現状よりもプラスされることなのか、現状と関係なくそうなるのかという、いろいろな問題があると思いますので、私どもの方としては、今現状そこそこの病院とはいえ三十数人の医師がいるところですから、そういうところがきちっと確保されて、なおかつプラスの状態をどうしていくかということは非常に大きな問題点と考えております。現在のその診療体制をより良くしていくということが我々の両方に通じる大事な問題だと考えています。
○山本委員 それは我々も一緒のことで、よりいい病院にするためにはどうすればいいかということを考えていますので、それはそれでいいと思います。
最後に、今これ県立4病院のこういうペーパーが出てくるじゃないですか、この委員会でね。将来例えば3年以降になって、こういう委員会があるのかどうかわからんけども、もしこういうような委員会があった場合は、指定管理者なんかでやってもろうとる、契約が結ばれたという場合には、新規にされるんですか、こういうようなところ。民間譲渡はもう恐らく審議しないんだろうけど、指定管理者になって、例えばどこかの地域医療振興協会が指定管理者になったとするじゃないですか。そうすると、そこへもう運営を任せるわけでしょう。その中で、知事は県立病院、県立病院と言うけども、指定管理者になっちゃった場合に我々はこういうことで審議するの。
○小山庁長 毎年毎年のマネジメントシートが示されるかどうかというのは私もちょっとわかりませんけども、多分、指定管理制度になれば、どういうことをどういう期間で、あるいは個々によっては期間達成の期間が違うかもわかりませんけども、それは条件作りだと思います。そういうところできちっと計画というか達成すべき目標が示されて、それが毎年達成されているかどうかは報告されると思います。ですから、その報告がきちっとされているかどうか、どうしてできてないのか、どうして十分できてんないのかということを議論していただくということは、当然この委員会の場でそういうことが議論していただけると思います。これは私がお答えするよりは。
○山本委員 そうです。よくわかります。なぜそういうことを言うかというと、指定管理者で地域医療振興協会、志摩市がやってもらってるけども、行政の影響というか、ほとんど僕にはないように思うんですよ。もう運営を任せたんだから、市の方はどうぞというような感じじゃないかなというふうに思うものだから、県の影響力とかそういうものが薄くなっちゃうというのは、これもいたし方ないことかなというふうに思うけども、これはわからない。想像だからそんなことを今議論することないかもわからんけども。
それから、最後に、当然稲垣総括室長にお願いなんですが、名古屋大学の今度の学長は伊勢の出身ですよ。医学部出身で、僕らの同級生の弟らが伊勢に対する思いが非常に強いというようなことを言っとるもので、1回私らが何か行くのもおかしいけど、アプローチしてもろうて、どうぞ名古屋大医学部の卒業生も三重へ来てもらうようなことをやるのも一つの選択肢かな。頭の中に入っておるかもわからんけど、どうでしょうかね。
○稲垣総括室長 私が答えるのは僭越かと思いますけど、庁長と一旦相談して検討させてください。
○山本委員 伊勢に対して思い入れが非常に強いみたいですよ。
○小山庁長 委員のおっしゃられた2つ、まず指定管理の方は、これは私の私見ですけども、どうなっておるんだとお聞きいただければ、毎年その議論は十分できると私は思います。
それともう一つ、名古屋大学の方は、ぜひ行きたいなと思いますので、もしよろしければ委員にご紹介いただければありがたいなと思いますので、よろしくお願いします。
○山本委員 以上、終わります。
○北川委員 ほかにご質問。
○長田委員 事業庁の方の大まかなビジョンのところでお伺いしたいんですが、まず地域住民、患者に親しまれ信頼されるというのがあるんですが、目標とかいろいろ見てまして、親しまれるというのはどのへんのところで目標を使われておるかなというのが1点と、あと医療スタッフが来たくなる病院ということで、内部プロセスの中にも勤務医にとって魅力や働きがいのある職場環境づくりとありますが、魅力ある、働きがいのある職場環境をどのようにお考えなのか、そしてまたどのようにしていきたいのか。
それと、区分の中で、財務の視点というのも入っておるわけですが、ビジョンの中には財務の視点がないなというような気がするんですが、その3点だけお伺いしたいと思うんです。
○小山庁長 親しまれ、信頼されるということ、これは患者満足度のようなもの、今年すぐすることになっておりませんけども、そういう満足度調査だとか、あるいは病院の方でここに全部出ているわけじゃないんですけども、いろいろな苦情の調査とか、そういうことをやっていくということが一番大事かなと思います。それは地域住民の方々との、これはリサーチのようなものが欠かせないのかなと思いますので、そういうことがまず地域住民や患者に親しまれるということかと。
それともう一つ、信頼されるということは、地域から患者が来ていただいているということが一番大事だと思いますので、患者がよその病院へ行くというより、まず来ていただくというふうな、そういうことが結果として親しまれることになるんだろうと思いますので、そういうことを調べていきたい。それと、医療スタッフが来たくなる魅力ある病院というのは、わかりにくい面もあるかわかりませんけども、これこそ病院の雰囲気づくりなんだと思います。自分が働くときに、そこで仲間がいて溶け込みやすい、働きやすい、自分の力をアップするとか、いい先輩がいて、自分のスキルも上がるということも全部総合しての話で、やっぱりそこに入って、もう辞めようかなと思う病院より、もっと居たいなという病院をつくるのが、魅力ある病院づくりかなと思っています。これはよく言う朝のあいさつ運動みたいな話にもありますけども、声がお互いにかけられるような雰囲気、そういう病院は雰囲気が違うとよく言われるようなんですけども、そういう雰囲気づくりをまずするのかなということがあります。それには看護師たちもぎりぎりの状態で働いていると、なかなかそんな雰囲気ができませんので、やっぱり看護師の確保、定着というのは大きい要素かなと。医療現場で一番多くの勢力といいますか、多くの人数は看護師たち、女性が多いんですけども、そういう大きい力がこういう魅力ある病院づくりにつながるのかなと考えておりまして、そんな話を看護部長たちとしながら、病院づくりというものを考えていきたいと思っております。
この財務の視点がビジョン、経営方針とか、そういうところに無いという点ですが、本当は一番先にどんとそれを書く話かわかりませんけども、財務の視点を書くというのは、非常に諸刃の剣みたいなところがあって、数字を追い求めるのかという感覚にならなくて、やっぱりいい病院、魅力ある病院をつくるという、それで職員がそこで一生懸命働きたいというところで、職員の一人一人が経営というものを考えるということが大事だと思っておるんです。そして、その経営というのは、ここにある数値目標をどう達成するかというより、例えば看護師ですと、いかに患者に接するかということが経営の1つというふうな、そういう視点をずっと持っていくような病院になっていくことが最終的に財務の視点に、これ矢印が全部最後財務の視点に行く予定になっています。そういうことでビジョン、経営方針の中には入っていませんけども、この経営シナリオ、これは戦略マップと言うんですけども、そこで最終的に健全経営になっていくというふうなところを、将来見ながら進めていきたいというのがこのビジョンと経営方針の考え方にしております。
○長田委員 では、例えば今の財務の視点のところですが、財務の視点の中には県立病院の健全経営というのがあるんですけれども、そこに今の職員から見た視点とかが入るという考えでよろしいわけですか。
○小山庁長 これは職員の満足度の向上で、一人一人の力を伸ばすということとか、あるいは日々の改善、革新に向けたマネジメントをしていく、そういう自分の新たなことをやっていって、それが認められてという満足度、それとどんどん自分で仕事を能動的にやっていくという、そういう感覚、そういうふうなものでこのいい病院づくりができて、それが財務の視点のところに結局全部最終的に集約されるという、そういう考え方になります。ここに個々の問題、視点というか評価指標としては入れておりませんけども、最終的にそういうふうに全部つながって、そっちの方にいくものだと考えております。
○長田委員 じゃ、それはそれで結構です。それと、先程の働きがいのある職場づくりの中で雰囲気をという形なんですが、その雰囲気というのを例えば新しく先生や看護師を雇うときに、どういうような形で伝えていけばそれが伝わるとか、その辺のところはどうお考えですか。
○小山庁長 本当は、採用のときにそういう人を選ぶというのが一番理想的ですけど、なかなか来る人が非常に少ない中で、そこまでは行けないという状態なんです。だから、来ていただいた方々が入った中で、先輩とか仲間とか、そういうふうに交わる中で、あるいは院長のこのマネジメントシートの中で、この職員のスキルアップ、コミュニケーションの改善、満足度の向上ということで、職場としてOJTのようなものを、その職場の雰囲気をきちっと伝えていくということが大事かなと思います。これは院長のマネジメントシートが各部長、セクション長、看護師長とか、そういうところに全部落ちていくわけですから、そういうところで伝えられるようにしていきたいと考えています。
○長田委員 入ってからの雰囲気づくりは非常によくわかるんですが、入っていただくまでにこの病院に来たいよというような雰囲気か何かを・オ出さんことにはまず入ってこないと思うんですけれども、そのへんで医師とか看護師を集める段階ではどんな形かというのをお聞きします。
○小山庁長 それはここに研修医とか、あるいは研修医は何々と書いてありますけども、看護実習生がもう何千人か来ていただきます。その看護実習に来ていただいたときに、いかにいい病院であるかという印象づけというか、そこの懇切丁寧な指導とか、この病院だったら自分が働いてもいいなという雰囲気づくりをそこでまずやる必要があると思います。そういう人たちが応募してくれると。その中から本当にこの人がいいというのを選べるような状態になれば、これはもうしめたものだと思いますけども、そういうふうなまず実習生に来ていただく、研修医に来ていただく、そこでの対応というものが一番重要かなと考えています。
○長田委員 それはそれでわかりました。そんな中で、研修をしない、例えばよその病院から医師を引っ張ってくるような場合に対して、どういう病院かなというもののPRがなかなかしにくいかなと思うんですが、新しく来る先生はいいんですが、そのへんのところはどうお考えですか。
○小山庁長 いろいろ医師確保でお願いして来ていただく方には、最初こうこうこういうことでということがなかなか説明は確かに難しいかなと、現状はですね。だけど、そういう先生方も多分いい雰囲気の病院ならいいなと、思われると思いますので、いいところはやっぱりみんなそういうふうになるのかなと私は個人的に思いますけども、まず来ていただく前にここをよくしていくというふうにすれば、入った人も多分よくなると思います。
ただ、最初にこんな病院だからというのは、それは病院の良さとして来ていただくときのそういう説明にはなりますけども、それだけで実際来ていただけるかどうかわかりませんから、それはもう入ってみないとわからないと思います。そういうふうにしてやっていくのかなと思います。
○長田委員 結構です。
○北川委員長 ほかにご質問はございませんですか。
時間がありませんので、私から一言総括的に。また委員長報告させていただきますが、全体的に委員から出ている話としては、やはり医師確保対策というのが病院事業庁として見えないというところが大きいと思います。改革案が議論されている最中でございますから、健康福祉部の方も恐らく消極的であるのかな、あるいはまた三重大も学長がああいう形で発言をされているぐらいですから、消極的なのかなというイメージを、ごめんなさい、違っていたらすみませんが、持ちます。やっぱり県庁挙げてこの医師対策に取り組んでいるという姿勢は余り感じられないですね。改革案の議論中でありますけれども、医療の質の低下というのは、やっぱり直接住民の方が影響を受けるわけなので、この手当てというのは、その議論とは別にきちんとやはり対応策を具体的に出すべきだというふうに強く感じました。バディホスピタルも県内の市町立病院等の連携というのはうたわれているわけですけれども、一志、志摩については特に対象にはなっておりません。こんなことも含めて、やはり具体策をきちんと出していただくということは必要ではないかということを一言申し上げておきたいと思います。
ほかになければ、当面の運営方針に基づく平成21年度マネジメントシートについては終わります。
(2)平成20年度病院事業決算の概要について
①当局から資料に基づき概要説明(荒木県立病院経営室長)
②質問
○北川委員長 それでは、ご質問等がありましたらお願いします。
○奥野副委員長 この収益的収支の中で37億円でしょう、20年度が。37億2000万円ずっとこれ平成11年から見てみると、大体30から40億円ぐらい繰入金しているんですよね。いいとき15、16、17あたりですか、そのあたりでも三十数億円の繰入金をやっている。何もいいことないんですよね、実際言って。全部適用をしたときも、そうしたらいいんかというと、これ決してよくないんですよね。銀行借り入れしておったら、この病院全部つぶれているわけなんですよね。足し算してくると。相当な金額だと思うんですよ。決して今までもよくなかった。ずっとよくなかった。だから、公的な機関が病院経営をするということは、本当にこれはしなきゃいかんのか、経営難かというのをやっぱりこれからこの3年間でもしっかり考えてもらわないといかんのと違うかなと私は思うんですけど、庁長、どう思いますか。
○小山庁長 この繰入をどう考えるかということに私は一つなるのかなと思います。繰入というのは、総務省の方の基準で繰入基準というのがありまして、それで行政病院として政策医療という言葉もありました。そういう中で、多分ペイしない、そういう場面があって、その部分は税金で見よと。例えば下水道事業を考えたときに、下水道事業は全部個人の使用料でやっていますかといったら、あれは雨汚水の半分は公的負担しましょうというのと一緒に考えて、この繰入金というのは、例えば看護師の研修を受け入れると。受け入れるときに指導の看護師を置く必要があると。あるいは医師の研修を受けると指導医が要ると。そういうものは実際に診療報酬にはね返ってこないわけですね。そういうものについては繰入しましょうという、その一つだけじゃなくて、結構、私も予算していたときに繰入基準というのはいっぱいありまして、どれに入れるかということで、これ数字が出てきているというふうな認識がございます。ただ、1つ問題は、病院によっては私、県立病院は繰入基準を超しているとは思っていませんけども、病院によっては繰入基準を超える繰入をしている場合があるんです。一緒の繰入と、これは赤字補填みたいなやつがあるんです。ですから、これをいいときは出さないし、そうじゃないときは出すみたいな話があると、いいときは繰入基準の中にも出さないみたいな話があって、完全に病院の経営のために一般会計がどれだけ負担するかみたいになってしまっている公立病院もあるやに聞いています。
ただ、県立病院の場合は、結構予算、総務の方はシビアでして、赤字は赤字として外へ出すようになっているんで、大きい赤字が今外へ出てきていると。繰入とはまた別の話というふうに私は今考えておりますので、そこのところはちょっとご理解をいただきたいなと思います。
○奥野副委員長 もう少しで終わります。わからないことないんですけど、やっぱり一般病院だったらこういうことできないわけなんですよね、民間経営なら、なかなか。それは補助金とかいろいろのあるかもわからんけれども、県立病院は、公的な機関やで、こういうことができる、その甘えがこれまでずっと積み重なってきた部分も僕はあるんじゃないかなと。今の庁長の説明で来ると、大体うまいこと説明するな。だけど、納得しなきゃいかんのやなというのはわからないことはないんですけれども、だけど、やっぱりこのお金というのはすごい金じゃないかなというふうなことは感じますので、これからその3年先がどうなるんかわからないけれども、そこらへんも十分に頭に入れていただいて、3年間をきちっと、皆さんもいろいろなご意見をおっしゃられたでやっていただきたいなと、そんなふうに思います。もう答弁結構です。
○北川委員長 ほかにご質問はございませんですか。
〔「なし」の声あり〕
○北川委員長 なければ、これで平成20年度病院事業決算の概要についてを終わります。
(3)助産師外来の開設について(志摩病院)
①当局から資料に基づき概要説明(稲垣県立病院経営分野総括室長)
②質問
○北川委員長 質問がございましたら。
○藤田委員 1点だけ。助産師外来で出産されたお母さんと赤ちゃんだけが対象になっているんですけれども、一般の産婦人科医がいれば、産婦人科医が確保されている状態で助産師外来を持っているところだったら、通常分娩に近いような経緯があるお母さん方というのは、ほとんどこの助産師外来で対応してみえる病院が多いと思うんですよね。そこまで発展的に、先程の話、当面はという言い方をされましたので、その辺まで持っていきたいという思いでそういう発言になっているというふうに理解しておいてよろしいか。
○稲垣総括室長 まさにおっしゃるとおりで、当初は6カ月前までの妊婦健診も含めていろいろ考えがあったんですけども、立ち上げに当たっては、助産師といわゆる地元の産科医、この場合は伊勢市ですけども、等の関係調整の中で、例えば途中まで助産師が見て、その後を預けるとなってくると、いろいろなトラブルも考えられると、そんなことから、まずは助産師外来というものが志摩病院にあるんだということを定着させてから、そういう道を歩む方が大事じゃないかと、そういう慎重論になりまして、そういった意味で当面はと申しながら、そこからスタートするところです。
○藤田委員 結構です。
○北川委員長 ほかにご質問はございませんでしょうか。
〔「なし」の声あり〕
○北川委員長 よろしいですか。ほかになければ、これで助産師外来の開設について終わります。
最後に、これまで議論された調査項目以外で特にございましたらご発言をお願いいたします。
○舟橋委員 先日の健康福祉部の方でお話をさせていただいたんですけども、持っている、県政報告書の。341の医療体制の整備の中の基本事業名で34102県立病院の医療サービスの提供で、満足度が0.81なんですね。それで、これに対する対応って右を見ると、2008年は考え方の案をまとめたということが書いてある。それで、取組方向にはそれを実行しますと書いてある。評価は何でこんなとこに入れたんやとちょっと怒ったんですけど、結局満足度を上げるために、計画作って実行するのが満足度が上がるんですかと言うたんですよ。そうしたら、健康福祉部は病院事業庁と相談の上、一度書き直すとは言わなかったけども、おっしゃいました。病院事業庁としては健康福祉部からこの話を聞いているのか。そして、どういうふうな方向でここを書き直そうとしようとしているのか聞かせていただきたいと思うんです。
○荒木室長 その話は健康福祉部の方からも若干聞いてございまして、
○舟橋委員 聞いとるんやな。
○荒木室長 はい、聞いております。それで、2009年度の取組方向に、そういう患者満足度の向上のところで、基本的な病院事業庁としての考え方、取組をここへ書くように、向こうの方と調整しているところです。
○舟橋委員 はい、わかりました。恐らく事業庁の例の説明を受けたのが反映されてくるんだろうというふうに期待をしております。
あともう一つ、先程委員長がおっしゃいましたバディホスピタルだけども、総合医療センターは伊賀市とやっていますよね。議会を聞いておったら、月1日ぐらいの程度ですよね。えらい鳴り物入りで入った割には、何じゃこれかという程度ですやんか。ただ送り出す方の病院事業庁としては大変しんどい話だろうと思うんですよ。言うのは健康福祉部が出せというだけで簡単ですけども。どうされますの、これ、事業庁としては。総合医療センターとしてもっと月1の伊賀への派遣を増やしていくというふうになるのか、もうこれが現状維持なのか。
○小山庁長 私も現在そういう伊賀市の市民病院との話し合いの中で、こういう条件でと決まったと聞いておりまして、そういう書面でもって覚書してますので、現状私は今年はこれでいくのかなと考えております。病院事業庁としては、私としてはもっとそれより志摩病院の方へ行きたいなという気持ちの方が強うございます。ただ、大きな地域医療政策の中で県立病院がありますので、そういう中で、県の病院事業庁としてはそういう気持ちですけども、伊賀の市民病院の方を応援に行くということであれば、それはそういうことも当然にやっていく必要があると思います。ただ、現状も総合医療センターも何とか頑張っているとはいえ、厳しい状況でございまして、もっともっと医師を確保したいなと思っているような状況でございますので、そのへんも考慮しながらの話になるのかなと思います。
○舟橋委員 ということだよね。出す方としてはしんどいと。具体的に四日市市民と名張ですか。実現してないものね。県の健康福祉部の今の施策に対するスタンスというのをちょっと疑っているなというのが私の思いでしたもので。
○小山庁長 私としてはやっぱり地域医療が大事と思いながら、両方の気持ちがあるということをご理解いただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○北川委員長 ほかにご質問はございませんですか。なければ、それでは、当局にはご苦労さまでございました。
2 委員間討議 なし
Ⅱ 閉会中の継続審査・調査申出事件について
○北川委員長 次に、常任委員会にかかる閉会中の継続審査・調査申出事件の調査項目につきましては、お手元に配布の文書のとおりといたしたいと存じますが、ご異議ありませんか。
〔「異議なし」の声あり〕
○北川委員長 ご異議なしと認め、そのようにいたします。
以上で、病院事業庁関係の常任委員会を終了いたします。
Ⅲ 委員協議
1 常任委員会関係
(1)委員長報告 正副委員長に一任
(2)閉会中の委員会開催について 必要に応じて開催
(3)その他 県内調査・県外調査の確認
年間活動計画の配布
病院事業関係勉強会の資料配付・説明・意見交換
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により押印する。
健康福祉病院常任委員長
北川 裕之