三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成21年度 委員会会議録 > 平成21年4月1日 健康福祉病院常任委員会 会議録
健康福祉病院常任委員会
会議録
(開会中)
開催年月日 平成21年4月1日(水) 自 午後2時05分 ~ 至 午後2時25分
会議室 501委員会室
出席委員 8名
委 員 長 竹上 真人
副委員長 藤田 宜三
委 員 中川 康洋
委 員 後藤 健一
委 員 田中 博
委 員 舟橋 裕幸
委 員 山本 教和
委 員 萩原 量吉
欠席委員 なし
出席説明員
[健康福祉部]
部長 堀木 稔生
副部長兼経営企画分野総括室長 南川 正隆
健康福祉総務室長 西城 昭二
危機管理・団体経営特命監 加藤 晃男
その他関係職員
委員会書記 2名
議事課主幹 中村 洋一
企画法務課副課長 川添 洋司
傍聴議員 なし
県政記者クラブ 2名
傍聴者 4名
議題及び協議事項
1 議案の審査
(1)議案第96号「公立大学法人三重県立看護大学が徴収する料金の上限の認可について」
(2)議案第97号「公立大学法人三重県立看護大学中期目標について」
2 委員協議
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
〔議案の審査〕
1 議案の審査
(1)議案第96号「公立大学法人三重県立看護大学が徴収する料金の上限の認可について」
議案第97号「公立大学法人三重県立看護大学中期目標について」
① 当局から補充説明(堀木部長説明)
② 質疑
○竹上委員長 前回の常任委員会でも説明をいただいておりますが、改めてご質疑のある方はお願いします。
○萩原委員 前回もご説明いただいているというけど、私、もう1つ腑に落ちないんだけれども、今さっきも議場から出てくる議員の間で、「独立行政法人にして本当にいいことはあるのか。」という声が出ていました。そうだと私も思いました。なぜ独立行政法人化せねばならんのか、こんないいメリットがあるんだというのは、いったいどこにあるのか。職員給与は非公務員化しても今までと変わらないでしょ。これは約束しておいて。でも定期昇給だとかはこれからはしないこともある、ということにできるのか。そのあたりも確認しておきます。それと、メリットとデメリット、こういう目標設定というのは、今までだって行政経営品質だとか何とかといって、目標を決めていろいろやっていましたけれども、こういう目標設定も、公務員と言えども大学の先生だから難しいということで、今まではできなかったのか。これが一層厳しくできるようになる、議会の議決も経た数字ですからみたいなことでやれるようになっていくのか。メリット、デメリットという立場というのも、県民の立場からしたらどうか、行政側というか皆さんの立場からしたらどうか、職員の立場からしたらどうかというあたりはどうなんです。そのこととかかわってさっきも言ったように、職員の満足度は65%と言っておいて、学生の満足度は85%にという、これも実際にそのようなことがあり得るのかという思いもします。独立行政法人化にかかわって職員には当然アンケートをとるなり、あるいは要求の交渉なりをやってきたんだろうと思うんだけれども、そういう話し合いの結果はどうだったんでしょうかということ、そのあたりの経過は本来だったら資料なんかも含めて、こんな苦労もしてこんな努力もしてきた、その中でこんな了解も得ながらという、そんな経過もあってしかるべきだと私は思うんですけれども、そのあたりはちょっと聞かせておいてください。
○南川副部長 まず給与の関係ですけれども、基本的には非公務員になるということですので、今後は就業規則で定めていくということになりますが、基本的には今の金額を持ち込むということでやっていきたいと考えております。
それからなぜ独立行政法人をめざすのかという話は、これまでもたびたびご説明させていただいてきておりまして、原点に返りますと、いわゆる18歳未満の人口の減少というのが一方にある中で、いろいろなところで看護大学ができて、ますます競争激化ということがあります。一方、医療の状況をみますと、いろいろな医療が進む中で、看護の高度化、専門化、そういったことに対応していかなければならないという中で、大学側といろいろ話をさせていただいて、独立行政法人化をめざそうということでございます。そういったときに、強制的な独立行政法人化ということではなくて、我々もそうですが、看護大学では法人化を進めるにあたりましては大学の職員のご理解と参画が不可欠だという考えをもっておりまして、当時から大学側と十分な意見交換を行う中で、法人の姿をつくり上げていったと考えております。そのために大学側と私どもでさまざまな協議会を作りまして、機会があるごとに意思統一を図りながら進めてきたという形になっておりますので、一定の了解のもとにさせていただいたということで、今回新たにスタートを切らせていただいたということです。私たち健康福祉部がものを考えるというよりも、より学生に近い立場の大学側が、自分たちが一番ニーズをわかっているので、そこで自分たちが持っている限られた経営資源、医療資源等をどういう形で集中投資していったらいいのか、そういったことがますます可能になってくる、そういった形で大学側が独立行政法人化を志向したという形になっているということで、双方そういう形で進めていったということでございます。職員の満足度65%、学生の満足度85%という話がありますが、パーセンテージをどう取るかという問題がございますが、委員ご存知の通り、県職員の満足度は65%と結構高い満足度で、そこのところをどう取るかというところは別にして、いずれにしてもこういう独立行政法人化をめざす中で、少なくとも職員の満足度を今よりも上げていきたいし、当然顧客である学生たちの満足度を上げていきたい、そういう形で取り組んでいこうと考えておるところでございます。
○萩原委員 何回聞いてもよくわからないというところがありますが、給与については、今はとりあえず現給与だと。今後については、これは公務員ではないけれども、しかしながら今までも県職員として採用したという経過があるだけに絶対そうします、というお話ではなかったと思ったんですけれども、できる限りこれは守っていきたいかのような言い方だったので、でもこれは人事委員会勧告の適用を受けるはずはないし、ある意味では自由に決められる、言い換えれば努力すれば給料をどんどん上げていってもいいじゃないかということにもなりますけれども、ところが実際これは、公務員を非公務員化したわけではないけれども、例えば厚生事業団なんかは公務員に準ずるという形で採用しておいて、結果としてはもう今県から手を離れて、独自でがんばれよということで、現実にはめちゃくちゃ低賃金にさせられて苦労しています。かわいそうなことだと私は思っていますけれどね。だからそういう危険性もあるわけでしょ。職員もなかなか満足できないという思いがするんですけれども、そこは、本当は本会議で知事に聞いておかなければいけなかったのかもしれないけれども、部長、絶対にそんな迷惑はかけないと約束できますか。
○堀木部長 教員につきましては、今副部長から申し上げましたように、全国的な看護師不足もありまして、各県とも教員の確保に努力しているところでございます。ただ教員につきましては今後研究成果とかによって、一定の評価はされていくと思います。事務職員につきましては当面県から派遣ということになり、これは県の職員がそのまま行くということになりますので、そういう問題は多分ないかと思っております。長期的には就業規則等の中で定めていくことになろうかと思っています。
○萩原委員 この間、舟橋委員とやり取りされたように、平成20年度の5億6000万円が、平成21年度は7億6000万円で、かえって県費ベースでは2億円も増えているというお話もあったところなんですけれども、だから私はこれではさほど県政にとっての大きなメリットがなかろうという思いは一層強まるところでもあるわけです。
それで私がやはり一番気になるところは、三重県内への定着率が50%でしたか、これはほとんど現状を追認するままの目標設定がされているところですけれども、とりあえずここがクリアされると同時に、県立病院への定着率をもっと高めてもらうとか、県内就職率は現状の47%を50%以上にしてもらったんですね、そのあたりの、絶対確保という点での見通しなどというのは、独立行政法人化したから余計によくなるどころか、私は心配だと思うんですね。県立大学で県の職員がやれば、県の病院へ来いということは強制できないにしても、県立病院はいいよというPRは大いにできる。けれども独立行政法人化したらその保証は実際にあるんだろうか。その意味での看護師の県内定着率、このあたりで保証が十分できます、まかせておいてくださいと言えるのかどうか、この点だけもう一度確認しておきます。
○堀木部長 看護師の確保につきましては、県立看護大学だけでなく、他にいろいろな養成校もありますので、健康福祉部としてはしっかりと取り組んで確保してまいりたい。それと今回、独立行政法人化しましても、大学だけの努力では看護師の定着はなかなか難しい。受け入れの病院側、それと父母の方たちにもいろいろお聞きしておりますと、子どもに対してやはり若いうちはいったん都会の大学へ行って勉強して来いということもありますので、県内の病院のそういう若い看護師たちが働いている環境整備とあわせて、トータルで取り組んでいないとなかなか定着は難しいと考えておりまして、これにつきましては引き続き看護大学とも連携して健康福祉部として一体的に取り組んでまいりたいと考えております。
○萩原委員 その点はなかなかこれからの話なので、確証を十分いただいたとは思えませんけれども、私どもはこういう大学の独立行政法人化そのものは反対だと。結局は公務員減らし、あるいは金減らしを狙うんだけれども金減らしにはならないんだと、そんな思いがいたしますし、議案については反対であります。
以上で結構です。
○舟橋委員 教授陣の構成なんですけれども、昨日付けで退職された教授は何人いて、定数的には4、5人増えると前回聞かせていただいておりますけれども、新人でどれくらい入ってきているか、出入りがわかりますか。わからなかったら後日でもいいですけれども。
○南川副部長 後日にしていただけますか。
○舟橋委員 わかりました。もう1点は、法人の目的に「高い資質の学生を社会に提供するとともに、研究成果を社会に還元していく」という2つの項目があるんですけれども、数値目標を見ていますと、生徒を社会にたくさん出していくというのは、率も含めて従前と余り変わっていない。ところが研究についてはずいぶん重い課題を設定していますよね。例えば「外部研究資金の申請率100%」、三十数%が100%に上がっているし、数値からみると、研究の部分が、「たくさん金を集めてこい」という感じにとれるわけです。人も、先程数字を教えてもらえばよかったんですけれども、教授陣が余り大きく変わっていない中で、よい学生を育てるというところよりも、研究と金集めに奔走する大学に陥りがちじゃないかという危惧をもったもので、それだけご答弁いただけたらと思います。
○南川副部長 確かに今回1つの目標の中で、外部資金をたくさん獲得しましょうという形で上げさせていただいておりますが、ご存知のとおり大学は法人化されても一般的には収益事業ができるわけではなくて、一定の範囲でできるという中で努力していくという中で、これまで授業料だけに頼っていた収入をさらにそういった職員の努力目標の中で、わずかではございますが外部資金を獲得していこうというのが学校側の姿勢だということで、これを私達は一定の評価をさせていただいているところですけれども、基本的に大学そのものは今回もお話させていただいたように、医療の専門性に伴って学生の能力を上げていこうという形になっていますと、一定の研究性というものもより高度にしていかないと学生の応募等にも影響するという形の中で、より一層熟度を高めていくためにも大学の研究度を上げていきたいというのが1つの考え方でございます。
○舟橋委員 私も質問しましたけれども、今2億円増えたという話も出ましたし、それを埋め合わせするためによそから研究資金を導入することに奔走して、本来の目的である質の高い看護師等の人材を提供していくということがおろそかにならないような運営をきちっとしていただきたいと思います。
③ 委員間討議
○竹上委員長 次に委員間討議を行います。ご意見のある方はお願いします。
よろしいか。なければ、これで本議案に対する委員間討議を終了いたします。
④ 討論
○竹上委員長 次に、あらためて、討論として議案に対する賛否の意向表明があればお願いします。
○萩原委員 私どもはこの両案に反対いたします。
○竹上委員長 ほかにございませんか。
討論なしと認め、討論を終結します。
(2)採決
議案第96号、第97号(2件) 挙手(多数) 可決
2 委員協議
(1)委員長報告について 正副委員長に一任
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により押印する。
健康福祉病院常任委員長
竹上 真人