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三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成20年度 委員会会議録 > 平成20年12月12日 健康福祉病院常任委員会 予算決算常任委員会健康福祉病院分科会  会議録

平成20年12月12日 健康福祉病院常任委員会 予算決算常任委員会健康福祉病院分科会  会議録  

  

健康福祉病院常任委員会

予算決算常任委員会健康福祉病院分科会

会 議 録

(開 会 中)

 

開催年月日   平成20年12月12日(金) 自 午前10時4分 縲怐@至 午後 1時50分

会議室              501委員会室

出席委員          8名

                         委  員  長           竹上 真人

                         副委員長           藤田 宜三

                         委   員           中川 康洋

                         委   員           後藤 健一

                         委   員           田中  博

                         委   員           舟橋 裕幸

                         委   員           山本 教和

                         委   員           萩原 量吉

欠席委員          0名

委員会書記       2名

                         議事課主幹            中村 洋一

                         企画法務課主幹     森岡 賢治

出席説明員

[病院事業庁]

                        庁長                                         田中 正道

                        県立病院経営分野総括室長      稲垣  司

                        政策企画特命監                        山路 栄一

                        経営支援特命監                       井坂 明博

                        県立病院経営室長                    荒木 敏之

                                                                                   その他関係職員

傍聴議員         0名

県政記者クラブ 3名

傍聴者             0名

議題および協議事項

<病院事業庁関係>

Ⅰ 予算決算常任委員会 健康福祉病院分科会

  1.議案の審査

    ●議案第39号 「平成20年度三重県病院事業会計補正予算(第1号)」

    ●議案第54号 「三重県病院事業条例の一部を改正する条例案」

  2.所管事項の調査

    ●平成21年度当初予算要求状況について

 

Ⅱ 健康福祉病院常任委員会

  1.所管事項の調査

    ●過年度医業未収金対策について

    ●志摩病院における内科循環器科の診療体制について

  2.閉会中の継続審査・調査項目

 

Ⅲ 委員協議

  1.病院事業の在り方について

  2.委員長報告について

    (1)分科会委員長報告について      

    (2)常任委員会委員長報告について

  3.その他

 

 

【会議の経過とその結果】

 

〔開会の宣言〕

 

Ⅰ 予算決算常任委員会健康福祉病院分科会

〔病院事業庁関係〕

  1.議案の審査

    (1)審査

    ●議案第39号「平成20年度三重県病院事業会計補正予算(第1号)」

    ●議案第54号「三重県病院事業条例の一部を改正する条例案」

      ① 当局から資料に基づき補充説明(田中病院事業庁長)

      ② 質疑

○田中委員 資金繰りの状況なんですけれども、毎年8億円ずつ平成18年から手持ちが不足してきているということで、このまま年度が推移していくとどうなのか。どういう懸念を抱かれておるのか。

○田中病院事業庁長 今年度3.6億円のマイナスということで、これが8億円と平均数値で来年度を見通した場合には約12億円の資金不足が起きるということで、こうしたことを加味して考えていきますと、いわゆる連結決算に基づきますところの資金不足比率、これが平成22年度あたりから不良債務といいますか、マイナスの数値が出てくるのではないかと。それが県の連結決算に影響する部分も出てくるんじゃないかというようなことを懸念いたしております。

○田中委員 そういうことだと思うんですが、実際借り入れるとなると、短期であっても金利は発生するので、ますます状況はよろしくないと。県本体もそれほどというか全然豊かでない、逆に言えば貧乏な一般会計ですから、なかなか支えづらくなるという見方をしておいて間違いないわけですね。

○萩原委員 今回の補正で、例えば洗濯業務あたりの委託契約が追加されて出てきたりしていますけれども、そういう委託契約等については、入札をきちんとしてみえるのか、あるいは随意契約でやっているのか、そのあたりのことを確認しておきたいのと、同じように患者の給食分の委託が変更で出ているけれども、これは倍以上に変更になっているという、このあたりはどういう理由なのかというのも教えておいてください。

○荒木県立病院経営室長 委託契約につきましては、基本的には一般競争入札で行うのを原則としておりますけれども、ただ業務によって業者が非常に少ないといったような場合におきましては、随意契約もあるのかなというところでございます。
 それともう1点、志摩病院で患者給食業務が今回の補正予算で約2000万円から2400万円の補正をさせていただきますけども、これにつきましては従来、業務補助員等を使って直営でやっていた部分を、基本的には全面委託に業務のやり方を変えたことによる委託費の増と、債務負担行為額の増ということでございます。

○萩原委員 今の最後に言われた点で、これは奇異だな、おかしいなという思いがするのは、よく皆さんは、直営ではなく委託にすれば安くなるという感じで言われていたと思うんだけれど、今のは業務補助員でやってみえたから安過ぎてということなのかもしれないけれども、委託したら倍以上になるというのはこれはもうとても大変だなという、そのことはなぜなのかというのはよくわからないので、わかったら教えてください。
 それから、いろんな委託業務についても実際に、入札をするというのが公正なところだと思うんだけれども、病院寝具なんかでかつてはいろいろ問題があって、私らも指摘したけれどもね、特定のところが、民間よりもむしろどうなんだという点では、特権的にそういう業者が入り込んで偽造というようなことも指摘したこともあったけども、今はどうなんですか、最近の実態よく知らないのですけれども、これは本当に公立病院であるがゆえに高くせねばならないみたいなというか、無駄になってるとかというのは、そんな部分というのは実際にあるんでしょうかね。そこらへんはどうなんでしょう。
 例えば、随意契約で、交渉でもしたらもっとずっと安くなるようなことになっているんだろうかという、それはあわせて聞いておきたいと思うんです。

○荒木県立病院経営室長 先程の給食業務の方の金額が非常に高くなっているということなんですけれども、これにつきましては、一方で業務補助員の方を委託に変えましたものですから、一方ではトータルの人件費で計上する分は減額になっているというところはございます。
 それと、県立病院であるから、特に業務委託費が高額になっているのではないかというご指摘だったかと思うんですけども、これについては基本的に県内の一般的な単価を積算のもとにして仕様書等を作っておりますもので、特に公立病院だから高いということではないと思っております。

○萩原委員 いや、よくそういうふうに言われるからということで、民間ならもっと競争性が発揮できるのに公立であるがゆえになかなかそのあたりがといったことも、よく民営化の口実にされたりしますよね。必ずしもそうではないと、私も思っています。
 もう1つ聞いておきたいのは、収入未済で1億9000万円余りの未収金がありますよね。これの中身をちょっと調べられたことが、もちろん調査検討してもいいんだろうけども、その中で例えば、国民健康保険などの無保険の人を診療したけれども払わなければならなかった部分だとか、あるいは外国人で無保険の人って結構多いけれども、その人たちのために結局支出を余儀なくされたけれども、未収でもらえないとかいうような理由のものがどれぐらいあるのか。
 あるいは一方で、本当に踏み倒しているというか、払えるのに払えないというのが監査の中にもあったけれども、これも実際それなら調べたのかと言ったら、いや、一般的にはそういう勤労者の人の収入からいって払えるであろうというふうに予測をした数字ですとは言ってみえたけれど。この未収金の問題は、解明されている部分があったら教えておいてください。

○田中病院事業庁長 この過年度の医療未収金の対処につきましては、この後の健康福祉病院常任委員会の所管事項のところで説明するように考えておりますので、そのときに。

○萩原委員 結構です。

○竹上委員長 なければ、これで本議案に対する質疑を終了いたします。

      ③ 委員間討議  なし

      ④ 討論       なし

  (2)採決
     議案第39号     挙手(全員)     可決

    ● 議案第54号 「三重県病院事業条例の一部を改正する条例案」
 

  (1)審査

      ① 当局から資料に基づき補充説明(稲垣総括室長説明)

      ② 質疑

○田中委員 説明をいただきまして、私も現実に対象者、これは実績値ではなくてあくまで推計ということですが、ただ三重県でもそうした患者さんが発生するだろうということが推計されていますので、基本的にはこの制度そのものを三重県の方が入れないという形は好ましくないとは思っています。
 ですがこの制度そのものは、議案質疑の中でもありましたけれども、本当にこの制度の形が一番いいのかというところには多少疑問はございまして、そういう意味では5年以内に見直すという形がついていますのでそこに大きく期待するわけですけれども、まずはその見直しについてですが、三重県が参加し、実際の運営をみんなが保険証だの運営を見ながら、ここは無駄だと、例えばお金が余ればさらに制度を拡充するのか、保険料を下げるのか、そうしたことをどれぐらい三重県としてこの機構なりに発言をしていけるのかというところを少し教えていただけますか。わかりづらいところなんですが。要は干渉して、発言していけということなんですが。

○田中病院事業庁長 まず、私どもちょっと聞いておりますのは、今委員もおっしゃられましたように、遅くとも5年を目途にという、まずなぜ5年かという話もあるかと思うんですけども、総括室長も申し上げましたように、脳性麻痺であるかどうかという判断が一般的には1歳にならないとわからないと。今回のこの制度の申請の期限といいますのが満5歳の誕生日までということでありまして、そうすると要は5年経たないとその正確な実績が出てこないということもあって、満5年、遅くとも5年ということを言われているということでございます。
 ただ、今委員もおっしゃいましたように、この保険制度、例えばあまりにも件数が少なくて、保険料の剰余が多いじゃないかということもあるでしょうし、あるいは逆に足りなかったということも生じてくるかもわからない。ですから、5年を待たずして決算状況の見込みと非常に大きく違ったような結果が出てくるということであるならば、5年を待たずして制度を見直すということも考えられると聞いておりまして、私どもそういう状況を見ながら、病院事業庁といいますのはいわゆる医療機関の立場でもあるものですから、そのへんは医療政策を所管している部等とも協議しながら対応していきたいと考えております。

○田中委員 先程、費用の個人負担はないということ、私の解釈では、それは保険なりで負担されるわけですから、保険料で支払いという形で県民なり国民が負担しているという理解をしていますが、それは先程の個人負担は全くないという話とは相入れないんですが、私の見方はどうでしょうということを1つ聞いておきたいです。

○田中病院事業庁長 要は、保険自体は分娩機関が管理するという制度なものですから、恐らくそこで保険料の負担が分娩機関において生じると。それは一般的には、いわゆる分娩料に組み込まれる話になるだろうということが想定されるということで、国の方で今回、出産育児一時金のいわゆる保険料相当の部分を引き上げるということで、社会保障審議会等も経まして決まってきたと。要は、公的な支援制度をもってこれも一緒にやっていくということでございますので、やはりその点は国も一体となって、この制度の枠組みが作られて運営をされると考えております。

○田中委員 個人負担という観点では、どうですか。

○稲垣県立病院経営分野総括室長 個人負担につきましては、分娩する者の負担そのものは負担感なく分娩できるという意味合いはありますけれども、確かにそもそも3万円の出産育児金の引き上げがあるわけですから、全体としては、一定の金額が保険である以上、その保険に掛ける部分について国民が押しなべて負担するというのはもうやむを得ないと考えております。

○田中委員 だから、そういう観点で見ていくと、やっぱり負担は少ない方がいいし、補償は厚い方がいいんですけれども、そういう意味でいいますと、ここでいただいている資料を見ますと、支出の中に事務コスト52億円と、こういうのがあるんですよね。これをなくすためには、例えば国が直轄でやるとか、あるいは互助会制度ということで民間保険会社を入れずにやる。相当大幅にコストも削減できるだろうと。そういう意味では、このコストが高過ぎるのではないかという心配があります。
 それと、民間保険会社ということですから、被保険者と約束するわけですから、相当の事態が起こっても保険料を払える形にしておきたいということで、詳しくは知りませんが、責任準備金とか、普通の保険でいいますと相当な金額を積み立てていかなきゃいかんという、そういう危険率が相当に高い制度設計でないと民間は引き受けないというような形もありますので、そういうところの負担をもう少し下げて補償を厚くするということを考えると、そうしたところもやはり監視していかなきゃいかんのだろうと思っていまして、冒頭申し上げましたようにしっかり様子を見ながら、そういうところまで踏み込んで、三重県なら三重県が、例えば県議会も含まれるんでしょうが、そうしたところにしっかりチェックができてしっかり物を申せるのかというところにまた戻るんですけれども、そういう形でぜひこの制度に参加していかないと、完全に100%もろ手を挙げて賛成という形にはなかなかならないと思うんですね。
 ただ、危険を背負って出産をさ・黷驍フで、これに入っていないと困るというのはわかるんですが、冷静に制度を見てみるといっぱい問題点があると思いますので、そういうことが可能なのかどうか、また最初の話に戻りますけども、そういう干渉をしていってほしい、物を言っていってほしいということに対してもう一度お答えいただけますか。

○田中病院事業庁長 先程申し上げましたように、実績はまだないというところで、いろんな議論はあると私も思っております。そういう中で、やはり一定程度実績踏まえながら、例えばその実績に比して保険料が高過ぎるとか、あるいは補償金額が低過ぎるとか、あるいは補償範囲が狭いんじゃないかとか、そういう議論も当然あろうかと思いますので、そういう点は踏まえて、いわゆる医療政策の関係部局とも勉強してそのへんは対応していきたいと考えております。

○田中委員 ぜひそうしていただきたいのと、それから保険の運営制度も含めて、ぜひ今後監視できるような資料もいただきたいし、議会の中でもやっぱり議論していく必要があると思っていますので、そのへんも含めてぜひよろしくお願いしたいということだけお伝えをしておきたいなと思います。
 以上です。

○萩原委員 私も全く今の田中委員の指摘には同感ですし、入ることそのものについては問題ないと思いますけれども、ぜひそのためにも今の問題点を明らかにしながら、それこそ医療政策なりとの連携で、私、これはできればまた、議会からも大いに意見書を上げていくとかというようなことも含めて、改善も早急にやる必要があると思うんですね。
 今の対象が限定されている問題であるとか、民間保険会社任せであって、やっぱり公的な責任という点では、私らは国が責任を持って当然公的補償としての制度にするべきだという主張をしていますし、それから今の保険料の問題でも、確か3万円上がるけれども、3分の2は国で補助してくれるんですね。だから、自治体、特に市町から言ったら、3万円分上げたうちの1万円分は市町の保険料で払わねばならないと。今の話で、出生数が1万5800人あるとすれば、1万円分を持つとなると、1億5800万円ぐらい三重県下の市町が持たなきゃならんと。県は1円も持たないけれどね、出させてもらったらいいけど。
 そういったような問題なども出てきて、市町の中でもこれでいいのかという声も上がっている。私どもの小池晃という参議院議員がこの問題を国会でも取り上げて、そして確か11月16日だったと思うんですけれども、舛添厚生労働大臣が、5年を待たずしても問題があれば改善したいということを答弁もしてみえるので、ぜひ私はその実態を早急にといいますか、病院の側からすれば入っていないと困るからというのは、病院事業庁はそれでいいんだろうけれども、医療政策としての問題も含めて、私はやっぱりこの制度でいいのかという点など、それから今の対象が限定されているというような問題などでは、これはまた医師の立場からすれば非常に不安があったり、係争をせんならんみたいな話も出てくるので、ぜひそういう点は本当に安心して子どもが産めるように、少子化対策という点からしても、この制度をきっかけにしながら、しかし中身は大幅に変えてほしいということを強く要求しておきたいと思うわけです。
 もう端的に、そのことに限って見解があれば聞いておきたい。

○田中病院事業庁長 そもそも、今回の産科医療補償制度の背景といいますか、これは先程総括室長からも申し上げましたけれども、やはり今産科医療の分野で非常に医療に係る係争が多いということから、分娩を取りやめる医療機関が増えてきたとか、あるいは産科医そのものが減ってきたというところで、非常に産科医療の分野における危機感が大きいということで、これはやはり一刻も早くこういった制度を作る必要があるということから、今回この制度が設置されたと。
 それにつきましては、今ご意見も出ましたような、いわゆる公的な保険も含めた制度というのが必要ではないかと、そういう議論も当然あったかとは思うんですけれども、ただそういう制度を早く構築して適用しようということから、現行の法制下でやるとなったときに、やはり保険については民間の保険会社を使うということになったと聞いております。
 やはり、これが急がれた理由は先程申し上げた医師の側からの問題も当然ございまして、それから委員もおっしゃいましたように患者さんから見た場合ですね。今ある例えば各医療機関が入っています損害賠償保険ですね、これですと、過失であるということを証明しないと補償されないという問題もございまして、ところがこの制度については無過失でそれを3000万円まで補償すると、こういうところも患者さんにとっても非常に大きなメリットがあるということですし、これがもしなければ、患者さんが過失、無過失を争うような係争を起こさなければならないと、これも非常に患者さんにとって大きな負担になってくるというところもあって、今回早期の設置が必要ということでこの制度が生まれたものと理解しておりますので、何分、先程申し上げたとおり実績はまだない中でいろんな意見があると私どもも承知をいたしておりまして、やはりこうしたものを、実績も踏まえながら政策医療分野と連携して私どもも考えていきたいと思っています。
 以上です。

○舟橋委員 出産をして病院を退院するときに、当然出産の費用をお支払いしますよね。それで、保険から戻ってくるのは、申請をして1月、2月後ということが今は現実ですよね。ということを考えれば、出産をされる方に何ら費用的負担が生じていませんというけれども、結局その間、払うときに今までより3万円高い料金を支払わざるを得ない現実があるわけですよね。それから、さっき萩原委員から話があったように、市町も負担をしなければならん。
 本来は、緊急回避的措置でこういう制度を作ったのかもしれませんけれども、起こった少ないケースなんだったら、やっぱり公的に国が責任を持ってやったらいいじゃないかというのが我々の発想にあるのは事実ですし、それから300億円の事業で52億円も撥ねるなよというのが、恐らく機構の方は東京の立派なビルの中にみえるんでしょうけども、そういった事務経費をもっと削減して負担を今後軽減するような努力をこれからしていただきたい。それからこの数字が未知数ですからという前置きが多いですけれども、結果を踏まえた中での収支の透明性、公表、そういったものを私たちも見たいなという思いがあるわけです。不信感がすごくある制度ですから。
 そういった意味では、法律ではありませんから国会も関与ができないですよね。この不信感を払拭するために県議会で何ができるのか。そのあたりの手だては何かあるんですかね。

○田中病院事業庁長 今回の運営組織になっております日本医療機能評価機構といいますのは厚生労働省の所管になっているというところで、例えば今回の制度の中で、補償とともに原因の究明とか、あるいは再発防止策、これも当然その中で対応策が考えられるわけですけれども、そういった費用については厚生労働省も支援していくと、財政的な面も含めて支援していくということもありますので、やはり我々としては、運営組織の問題もありますけれども、大きくは例えば社会保障審議会で今回の出産育児一時金の引き上げについても議論がされて、了承されているということもありますので、そうした点も含めて、所管として厚生労働省というのがあるのではないかとは考えております。

○舟橋委員 県議会がどうこう言える立場ではないんでしょうから、厚生労働省がきちっと管理監督をしていってもらうということになるならば、厚生労働省に対して三重県議会としても、我々この常任委員会で出た意見なんかが何らかの形で伝わる方法をまた一度委員会で議論いただけたらなと要望して終わります。

○中川委員 今回一番大事なのは、やはり産科というところに関してはどの科よりも非常にリスクが高いというところ、これはもとから言われていたところで、そこに対してどういう手だてを、医師が負うリスク等も今増している中で、いい、悪いは別にして、訴訟案件が県内においても出ておるということを考えた場合、今回は県立病院ですけども、県立病院でのお産に対する不安をもうこれ以上増さないとか、また医師の負うリスクを軽減するとか、あと県民のお産に対するリスク、これはやはり通常の分娩においても、親というのは非常にそういったところを感じながらお産をされるわけですよね。そこをどう回避していくか、特に今医師不足、それから産科に対するリスクにおいて、国民の権利意識も高くなってきている中で訴訟案件が非常に増大していると。このままでは、いわゆる産科医療そのものが崩壊するのではないか。
 本来的には、今お話あった中で、国の機関として制度を構築した方がいいんじゃないかというのは、ある種おっしゃるとおりの話で、互助会というのは、これは新保険業法を設立されたゆえにできるかどうかちょっと検討が要ると思うんですけども、しかし大事なのは早くこれをやることだということで、国会の審議等を通す形ではなくて、事実上のさまざまな検討をする中でスタートさせた方がいいんじゃないかと。当然、事実的な数字というのは5ヶ年を見ないと出てこないわけでしょうから、当然早ければ早いほどという意味での事実上の見直しをしていくということだと思うんですね。
 この産科医療補償制度の準備委員会の委員の名簿を見ていても、国の機関の人もいれば、病院の関係の人もいれば、保険会社の方もいれば、それからいわゆる出産育児一時金でお仕事をされている方々の、保険者も当然3万円プラスということもあるという観点からだと思いますけども、連合の患者本位の医療を確立する連絡会の方も出ておられると。本当にさまざまな方々が出られての検討がなされて、とにかく早くやるというところに意味合いがあると思うので、今回は県立病院に関する条例ですけども、三重県内における県立病院に関しても、本来、県立病院はさまざまな病院に対してのメルクマール的な要素を持っているところもあるので、やっぱりこれは早急に三重県としてもこの条例は決めて、1月1日から進めていくべきだと思います。
 本来、保険というのはリスク回避に対する措置であって互助の精神ですから、少しでもリスクがあり、そこを回避しなければいけないという思いがあるのであれば、やっぱりこれはやっていく必要があるんじゃないかなと。
 しかし、いろんな意味合いの中で制度そのものに対してどうなのかというところに関しては、これは最終的には国の問題ではあるとは思いますけれども、国がどういう判断の中で、審議を必要とする制度ではなくてスムーズにできるこの制度にしたのか、そのへんのところは図りかねるところもありますけれども、まずはしっかりとこの制度をスタートさせて、その上でそれぞれがそれぞれの立場で、例えば県立病院なら県立病院、民間の病院なら民間の病院、市立なら市立の病院で、現実を見据えていきながら、それぞれの立場で評価機構には意見を申し上げていったらいいのかなと思いますね。
 それで、この評価機構というのはそれなりに権威のある機構で、ここがさまざまな病院の機能を評価する中で、公立病院はじめその機能がどんどん上がってきているというか、国民に対して医療を提供できている、そのために非常に厳しい検査等もしているところですけれども、そういった意味においては医療に対しては精通した評価機構だと思うので、そこが所管をするということに関しては、ある意味それだけにおいてもこれは信頼のできる制度じゃないかなと思いますけれども、事業庁のご感想があればお聞かせ願いたいと思います。

○田中病院事業庁長 この運営組織である日本医療機能評価機構につきましては、医師会あるいはその産科婦人科医会等からも中立的な組織であるということで、ここを運営組織としてお願いしますという話になってきたということは聞いております。
 したがいまして、その中にもいろんな運営委員会等が設けられまして、先程お話が出ておりますいわゆる補償の対象の問題とか保険金の額の問題とか、そうしたことについても実績を踏まえていろんな議論がされるということでございますので、我々も十分注視をしていきたいと思っておりますし、我々県立病院といたしましても、県民の皆さんに質の高い、そして満足度の高い医療サービスというものを提供していくということから、県民の皆さんに少なくとも不安を与えないような、そういう制度に取り組んでいく必要があると思っております。

      ③ 委員間討議

○竹上委員長 次に、委員間討議を行います。ご意見のある方はお願いします。

○舟橋委員 萩原委員も言われましたけど、産科医会も機構の方に、制度についての要望というか意見具申がされておるようでございますし、県議会が評価機構に直接物を言うことは恐らくできないと思いますので、所管する厚生労働省に対して今の我々の危惧だとか不安な点を何らかの形で、意見書という形になるのかもしれませんけども、上げていただくことはどうですかね。

○中川委員 今、舟橋委員言われたところの、その産科医会からも何らかの意見が出るということでしたけども、その部分の事実が確認できないところがあるんですが、何か文書等が出ておるというところ、事務局なりどこかでわかるんでしょうか。

○田中病院事業庁長 病院事業庁としては、特に聞いてはおりません。

○藤田副委員長 これは私の聞いた話でございますけれども、全国の産科医会の方から機構の方へ、透明性をもう少し高めてほしいということを含めてお話を申し上げておると聞いております。

○中川委員 今回の準備委員会の中にも日本産婦人科医会副会長で日本医師会の常任理事として木下先生が入られていますけども、その上で、そういう産科医会からご意見が何らかの文書なりで出ておるというところの確認ができるんだろうか。メンバーに入っているということを考えると、当然ここで既に合意されたのではないかと思うわけですけれども、確認させていただきたいなと思います。
 というのは、制度が始まる前からあまり、いわゆるしっかりとした意見書という形まで出すというのは、ほかの全国の事例で多く出ているのであればそれは然りかなと思いますけども、そうでないのであれば、まずは見据えることもある種必要なのかなと私は思う1人ではあります。

○萩原委員 意見は出していったらいいという思いがするんですけどね、いいものにしていくためにも。それで、入るのか入らないのかという形で迫られるとあれだけど、本当にこの制度そのものがいいのか悪いのかと態度を問われたら、私らはこの制度では反対と言わざるを得ない面があるけれども、ここまで来てしまって、これしかないじゃないかというようなことで、三重県だけ入らないというようなことができるのかみたいなことになれば、当然それはそうせんならんわなということになるわけで、この制度そのものは、やっぱりこれは大きな問題ですよ。
 だから、その意味でやっぱり適切な内容で、できたすぐからというけれど、見てみなきゃわからんと言うんじゃなしに、やっぱりスタートのところから大きな問題があるので、その点では大いに意見も言い改善を求めていくというのは、この条例案を賛成すると同時にあわせて意見書を出していくというのは、非常に意義があることと私は思います。

○竹上委員長 これ委員間の討議という中でございますので、私が今聞くには、両意見が出ているということでございます。正副の方でまた相談をさせていただきたい、このように思いますのでよろしゅうございますか。

○中川委員 であれば、今の雰囲気からいくと、それなりの意見を出すのが多数ではないかという方向だとは思いますけども、仮にそうであるのであれば、制度そのものに関してしっかりと改正も含めてというだけではなくて、本来、今それぞれの病院が置かれておる状況においてこの制度が出たというところは踏まえるべきだと思うので、リスクを回避していくとか、特に医師の確保に努めるとか、また医師が安心して勤められる環境、また国民が安心して医療にかかれる環境、そういったものをさらに考えていくべきというところも含めての意見書にしていただきたいと思います。
 ただ、制度そのものだけを見据えていけというのは、意見書としては少しどうかなと、私は意見として思います。

○竹上委員長 討議の場でございますので、私も個人的な意見を一言申し上げておきますと、我々の委員会というのは、議案に対するいわゆる質疑、そしてそれの採択をする委員会でございます。この問題で国に対して意見書を出すというのは、本来は議会全体の政策討論という中で本来なされるべき話ではないかと、私は個人的には考えておりますので、意見として申し述べておきます。

      ④ 討論  なし

   (2)採決
     議案第54号     挙手(全員)     可決

 

  2.所管事項の調査

    ● 平成21年度当初予算要求状況について

    ① 当局から資料に基づき補充説明(荒木県立病院経営室長説明)

    ② 質疑

○竹上委員長 それでは、ご質疑がありましたらお願いいたします。

○萩原委員 病院事業会計への支出金が来年度は9億円ぐらい増額されて要求されている。これは健康福祉部の予算要求ではありますけれども、病院事業庁としては、この金額は焼け石に水だとか、あるいはそれこそどんな理由でなどというのも含めて見解を聞いておきたい。
 それで、平成15年度から一貫して変わらないとの監査の指摘もありますけれども、そのこととの関連も含めてどうなのかというのを聞きたい。
 関連して、今の産科医療補償制度じゃないけれども、今朝のテレビを見ていたら、病院の産科医療が、助産師さんが病院の中に助産師施設を作って、そしてフォローしながらという、正常分娩の場合は助産師が随分ケアをしているもので、正常分娩は7割あるからあとの3割がという話があったけれど、県立病院なんかでそのあたりの連携というのはどうなっているのか、あるいはそういう方向も含めて予算を要求していく必要がないのかというあたりは、あわせて教えてください。

○荒木県立病院経営室長 まず、最初のご質問は繰入金のことかと思いますけれども、本年度は前年度と比べると、総額で約9億円の増額の要求をさせていただいております。その主な要因でございますけれども、いわゆる補助金、負担金につきましては、基本的に病院に係る公的役割の部分については従来からの役割、考え方の要求をしてございますので、その部分については変わっておりませんが、ただ積算方法について若干の見直し等を行っている関係で、若干、1億3000万円ほど増額の要求をしております。
 それともう一方、先程資金のお話をさせていただいたかと思いますけれども、来年度、病院事業の資金としては明らかに大きくマイナスになってきます。そして、そのマイナス部分が約7億8000万円ございますけれども、それを新たに長期借入金ということで貸付金という形で要求してございます。その分がございまして、先程の1億3000万円と7億8000万円、合わせて9億円ほどの増額の要求ということになってございます。

○田中病院事業庁長 もう1点のいわゆる助産師外来といいますか、そうしたものについての対応ですけれども、私ども従来ずっと議論はしてきたんですけれども、おっしゃられるようにもっと助産師を活用したいということで、来年度4月から助産師という職種を新たに設けて採用していくということも考えております。
 ただ、助産師の活用については、やはりドクターが後ろでフォローしていくという体制が必要になってきますので、やはりそれはドクターとの兼ね合いもあるということもありますし、それから地域によりましていわゆる助産師外来というのはまだまだなじんでいないというところもありますので、そのへんの妊産婦の方々のニーズなり、あるいはその思いというものも十分考えながら対応していきたいと考えております。

○萩原委員 その点、わかりました。
 だから、基本的にはやはりいわゆるルール化というのは根本的に直されない、来年度もということになってしまうわけで、同じような問題が出てくると思うんですが、それでちょっとここで、来年度の予算要求とのかかわりもありますけれども、一昨日も議論したところですけれども、県立病院の在り方検討委員会が、病院事業庁そのものを、言葉としてはもう縮小、廃止せよということだった。
 というようなこととの関連で、ガイドラインも今年度作っていかねばならんみたいなことになってくると、これ大変な問題にもなってきますが、皆さん方の存在にもかかわる問題だけど、そういう点で本当にまた人がじりじり減らされていって機能しないというのでは困るんだけど、今細かく教えてもらう必要はないけれど、病院事業庁の存在があるがゆえに県立4病院が県民のために果たしている役割は大きいよということをもっと僕は説明するべきだという思いがするわけです。私ら予算の仕組みや中身はよくわからないけれどもね。
 単純に病院長がもっと権限を持って運営、経営するみたいな形でストレートにバーンと本庁とやればいいんだというような形だけではとてもじゃないけれども機能しないという今までの病院自体の在り方からあるわけですしね、その意味では病院事業庁の果たしている役割というのは、私は非常に大きいし、今何人みえるのかは知らないけれども、人件費が要るとはいえ、これは大事な問題だと思うので、予算の要求ともかかわって、また別の機会でも結構ですけども、そういう点での役割が県民にもよくわかるように、見えるようにという点で、私らにも同じ、私も不勉強だからかもしれんけど、またいずれの機会かにきちっと教えてほしいという思いがしますし、縮小廃止というような形で在り方検討委員会が答申されたということについては、やっぱりそれは病院事業庁としてはもっと自身を持って存在意義をアピールしてほしいなと思っています。ご意見があれば、事業庁長に聞いておきたい。

○田中病院事業庁長 今の在り方検討委員会の答申の中で、病院事業庁の存在について今申し上げられたような評価もされておるわけでございます。
 やはり病院事業庁として存在といいますか、その意義といいますのは、三重県の場合ですと4つの病院があって、その4つの病院に対して的確な支援といいますか、そうしたものをやっていける体制が必要なのではないかということで、それが今の状況の中ではなかなか、例えば専門職員がいて、いろんな医療環境の変化に対応して、適切なノウハウを駆使して指導なり、いろんなアドバイスをしていけるかというところについては、非常に私どもも厳しいなというものを持っております。
 そもそもこの病院事業庁につきましては、まず地方公営企業法の全部適用という制度の中で事業管理者が必要ということが最初にありまして、その中で三重県の場合には4つ病院があって、それを統括するという意味で事業庁長が設けられ、そしてその事務組織として事業庁があるという流れになっております。
 例えば一般の市町の病院ですと、院長そのものがいわゆる事業管理者でもあるということでして、私どもの場合も、やはり現場の病院長からはいろんな権限をきちっと駆使したいという要望も非常に強いところでございます。そうしたこともあわせて、この病院事業庁の存在といいますか、ものを考えていく必要があると。
 要は、制度的には事業管理者が必要であるけれども、例えば経営形態関係なしに4つの病院がそれぞれで権限を駆使するということならば、その4つの病院がそれぞれ事業管理者になるということも制度的には可能であるということもありますし、そういう中で4つまとめて事業庁がやっていくのが効果的な、効率的な運営になるのか、あるいは各病院長が権限を持ってやるというのがいいのかという、同じ全部適用の中でもいろんな考え方というものがあると思いますし、またいろんな経営形態を考えていく上でまたどうなるかという議論もいろいろあろうかと思います。

○萩原委員 もっと自信持ってほしいな。

○竹上委員長 ほかよろしいか。

          〔「なし」の声あり〕

○竹上委員長 なければ、これで病院事業関係の平成21年当初予算要求状況についての調査を終了いたします。
 この調査項目以外に、分科会の所管事項に関してご質疑はございませんか。よろしいですか。

          〔「なし」の声あり〕

○竹上委員長 ないようですので、これで病院事業庁関係の分科会を終了いたします。

 

Ⅱ 健康福祉病院常任委員会

  1.所管事項の調査

    ● 過年度医業未収金対策について

      ① 当局から資料に基づき補充説明(山路政策企画特命監説明)

      ② 質疑

○竹上委員長 ただいまの説明に対して、ご質疑はございませんか。

○中川委員 未収金の対策で幾つかお聞かせ願いたいんですけれども、頑張っていただいている対策だと思うんですが、まず発生防止対策の中で、制度の周知ですね。例えば高額療養費制度等がありますよとか、それから分納相談を受けているのかどうかちょっと私わかりませんけども、分納相談を受けますよとかですね。そういったところ4病院に関して、特に患者数は総合医療センターが一番多いと思うんですけども、額も含めて、どこの部署がまず行っているのかということ、そういう制度の周知とか分納相談とかの窓口。それから、その窓口というのが患者にどのような形でわかるようになっているのかというところ。
 それから例えば、特に高額療養費制度なんかは、今、認定証を事前に出せば全額納付はもうしなくていいようになるから、そういったことの口頭説明を、例えば入院計画等の段階でただチラシを配っているだけじゃなくてちゃんと説明しているのかどうか、そのへんのところをまず確認をさせていただきたいと思います。

○山路政策企画特命監 まず、窓口でございますが、各病院によって種々いろいろ呼び方があるんですが、いわゆる医事課、医事会計課というところが窓口になっております。
 それから、その窓口の案内でございますが、これは未収金の支払いだけじゃないんですけれども、総合案内、受付のようなところがありまして、そちらでこういった相談はどこかということで、わからない患者さんがおみえになったら、そちらは医事会計課ですよというご案内をさせていただくようになっています。
 それから、3つ目のパンフレットを配るだけじゃなくということでございますが、こちらの方も文面だけではわかりにくいところがございますので、必要に応じて対象になる方につきましては実施させていただいております。

○中川委員 まず、医事課が対応しているということと、それから総合案内がその窓口になっているということだと思うんですけども、それで患者の側、家族の側から見てわかりやすい窓口になっていると思いますか。

○山路政策企画特命監 各病院によって実態が異なるかとも思うんですけれども、病院事業庁の方とか、それから各病院にいろいろ苦情とかご意見をいただくことがございますが、少なくとも把握している限りにおいて、支払いたいのに相談の窓口がわからないというお話は今のところいただいておりませんので、そういう要望はこちら側ではつかんでいないということしか申し上げられないんですが。

○中川委員 支払いたいけれど相談したいという人は来ない。支払うのがつらいから相談したい人というが多いわけであって、そこに対して、分納制度で誓約書を書いていただければいいですよとか、あと高額療養費制度等があって事前に認定証を出していただければ高額な請求はもう病院からはありませんよとかね。それでも大分安心する。あと例えば、手術の内容等によっては更生医療等受けられますから、保健所等に行かれたらどうですかとかね。
 だから、ただ医事課が担当していて総合窓口だけというのでは、やっぱり窓口として狭いと思うんです。やっぱりそれは公立病院の悪いところだと思う。「お客様」という感覚でありながら、そういったところがやはり何ら改善されていない。せめて、患者相談センターとか、お客様相談センターという看板を広く立てて、そしてそこに何でも聞きますよみたいな雰囲気の人を立てるべきですよ。あと、ボランティアの人に協力をしてもらって、ボランティアの方が声をかけるような体制をつくるとか、そういったことがなければ、「総合窓口で対応しています」と言っても、結局患者の側から見たらどこに相談したらいいかわからない。特に、分納相談なんてしたい人は、全額は払えないけど払う意思はあるんだという人はいると思うんですね。しかし、どこに相談したらいいかわからないということで結果的に滞納になっちゃうという人がいたとしたら、これはお互いにとって不幸だと思いますね。
 それと、高額療養費制度にまた特化するけど、認定証の周知ね。それなりの対応をしていると今言ったけれど、入院計画の段階とか入院の受け付けのときに、ちゃんと口頭で説明をしているのかと僕聞いているのだけど、そこもう1回答えて。

○山路政策企画特命監 1点目の、これは未収金とか、そういうことについての窓口のワンストップ化ということにもつながってくると思うんですけども、患者の方はどこに相談していいかわからないので、とりあえず何でも相談してくれるところ、患者様相談窓口の設置のことだと思うんですけども、課題として検討をしていきたいと思っています。
 それから、2点目の口頭で説明のことでございますが、ちょっと不確かなことをお答えしてもいけませんので、病院で確認して、追ってお答えさせていただきたいと思います。

○中川委員 最初のところに関しては、これ具体的な検討を私はしていただきたいと思うのが1つ。
 それから、2つ目の部分に関しては、それぞれの病院に確認した上で資料なんていただかなくていいから、もう口頭での説明をすると決めていただきたい。文章はね、こんな入院のしおりの中に1つ入っているのと、それを渡して口頭で少し説明してあげるだけでも全然違うと思うのね。
 今、入院をするとそれなりの入院費がかかってしまう。特に長期とか、高度な手術の場合は、認定証を事前に出すかどうかだけで、相当窓口の請求額は変わると思うんですね。だから、これは本当にそういう窓口なり、あと入院計画の説明のときに、やっぱりそういうことを必ずするというふうに私はもう決めていただきたいと思いますけども、もう資料なんか要らないから、そう決めていただきたいと思います。庁長、どうですか。

○田中病院事業庁長 いろいろご指摘をいただいたんですけれども、われわれもQC活動の中でいろんな取組をやっているんですけれども、今のご指摘も踏まえまして、そうした点十分現場とも協議をして、よりよい方向にやっていきたいと思います。

○中川委員 また現場で患者の方々に聞きたいと思います。
 それから、今アの部分ないしイの部分で聞きましたけど、ウの部分で、未収金に対する職員の意識向上ですけど、ここに文章で「未収金に対する職員の意識向上に努めています」と書いてあること自体が、私はもうひどいと思う。これ、どういうことって聞きたいね。本来、皆が経営者の立場に立って病院経営に努めるということが必要最低限でしょう。なのに、意識向上に努めるとか、入院病棟の職員と会計職員が連携の促進をするとかね。ということは、できてないってことでしょう。これ悪く言えば、例えば入院病棟職員の人が、私は病棟職員だからお金のことに関しては関係ないという意識に立っているということを是認していることになるんじゃないの。
 前も言ったけども、例えばしかるべき相談窓口で分納等ということなんかができたりすれば、未収金とかが出てくる率は下がってくると思う。会計職員は当然ですが、それを病棟の職員にしても全員が常に共有していて一言声かけるだけでも違うでしょう。一言そのときに、家族をその窓口に連れていってあげるだけでも違うでしょう。入院中、家族は来ているわけだから。それをできているのかどうかも疑わしくなるし、これ会計職員と事務職員だけが金のことを考えていて、病棟職員は金のことは考えてなくて、私たちは治療とかそんなことだけしてりゃいいんだということを証明しているような言葉ですよ。この言葉をそのままこういうふうに書いているということが、僕は今の県立病院の実態そのものだと思うけども、この部分に関してどう思います。

○田中病院事業庁長 我々も、この病院事業庁が発足して、収支の改善と、当然それと相まってといいますか、職員の意識改革ということも大きな問題になりまして、平成14年度からいわゆるBSC、バランス・スコア・カードというものをとる中で、今委員からもありましたように、職員全員が経営に参画していくんだと、そういう意識で取り組まなきゃならないという意味でそれを進めてきたんですけれども、ご指摘のような話で、そういった意識に齟齬があるということは我々も大きな問題ととらえておりますし、今後そのへんは十分踏まえて、まずあるべき基本的な姿として、そのへんの意識の向上に努めていきたいと思っております。

○中川委員 私は入院をさせるなとか、診るなと言っているわけじゃない。これは県立病院の使命として、いかなる人だって診なければいけない、治療をしなければいけない、当然です。また、取れない人から取れと言っているんじゃない。もっと意識を持ったら、これ数字にも出ていて、それこそ今笑うしかないなと思ったけども、払えない人じゃなくて、払わない人がいるということの文章等があるじゃないですか。理由なく支払わないケースが一番多いわけでしょう。例えば、それは一括で払うのはなかなか厳しい人は今の世の中たくさんいると思います。しかし、分納誓約をさせたらそれだけで家族なり患者は安心するんじゃないだろうか。半月に1回5万円、6万円払うのを1万円、2万円で分納誓約するだけで、これなら私は退院してからでも払っていけるなという部分はあると思う。
 そういったことだって、病棟の職員なりがそういったことの意識を持っていたら、1回相談に行きましょうかということだって言えるかもしれないし、こういったところの意識が改革されない限り、僕は在り方検討委員会の話を今日しようとは思わないけども、結局県立病院はどれだけ改革しようと頑張っても変わらないということにつながっていっちゃうんじゃないかと思いますよ。
 ここの部分、ウの未収金に対する「職員の意識向上」ってさらって書いているんじゃなくて、ここはもっと深い意識を持っていただきたいと思いますね。こういったことを書くということ自体が、僕はどうかと思いますよ。

○山路政策企画特命監 こちらの方の表現方法でちょっと言葉足らずのところがあったんですけど、現実には、各病院によってそれぞれ院内で情報共有とか意識向上の取組はしておりまして、具体的には会計職員が患者様の個人情報に注意した上で、ドクターとか看護師が見るカルテに未収があるという印をしたり、あるいは入院された方が未収のまま今度通院されるときに、そういう人が来たら会計課の職員を呼んでもらうという形で伝えておきまして、来院中を逃さずに声をかけていただくということで、「一層の」ということでこちらの表現を書かせてもらったつもりだったんですが、少し言葉足らずだったので、申し訳ありません。

○竹上委員長 ほかに。

○萩原委員 理由なく支払わないという人が6割以上、62.2%もあるというこの数字は本当だとすれば、皆さんの努力が足りないのと違うのという思いがするの。
 実際上、理由がわからないという、この人なら払えるだろうと思っていても、意識的に踏み倒しているというふうな人はそんなにたくさんあるの。
 確かに、学校の教師で子どもの給食費を払わなかったりとか、県職員でも何か県の収入で払わなかったりとかいう特異な例はありましたけれども、これが蔓延して6割になっているの。僕は、そこが本当にもう1つちょっとよくわからないな。
 それこそ、こういう人たちの中でほかの債務がいっぱい重なっているということがないのかということを、この間も言っていたんですけども、税の滞納が物すごく多いでしょう。これ全国的にそうですわ。それから、母子寡婦福祉資金なんかも返してくれない。3億円あるよな。ほかには、県営住宅に入っている人で踏み倒している人もたくさんあって、これたくさん裁判をやるなどして、実際上、私も相談に乗って、職員と一緒に話し合いもしたけれども、本当にすごいです。「サラ金で借りてでも払ってもらいたい気持ちです。」って、県職員がそこまで言うんですね。
 それから、国保を納めていない。国保を納めていなかったら10割出さなければならんというのは、こんなんめちゃくちゃ大変や。これも未収金になっちゃうわな。後で返してくれますよ、ということを言うけれども、返したって、実態はそうして実際に払われた金は、国保の滞納分にさっと取られるんです。だから、いっぺん払ったら大変だということになってくるので、そのあたり多重債務の人も含めて本当に考えないと、私は理由なくという、払わない人すべて善だとかそんなつもりで言うつもりはないけれどもね、そこの見きわめというのは本当にきちんとしないと、理由なく払わない、けしからんっていうだけで、それぞれのところから追い込んでいって、それこそこの間の議論じゃないけれど、自殺対策でずっと物すごく多いとか、犯罪は増えてくるとか、最近また雇用不安、雇い止めで、私らの事務所にまで来るんです。それで、役所の窓口ではもう追い返されるので、何とかしてほしいというので、さっきも療護施設はどうなっているのか、定員は空いているかっていうような話までしていたんですが、ホームレスのそういう救援施設なんていうのも四日市にないものでね、だけど何人かみえるんです。といったような問題も含めて、そんな人らが転がり込んでいって、そういう場合には「理由なく」と言えるのかどうかわからんけれども。
 やっぱりちょっとそこの見きわめをしていただいて、本当に理由なく払わない人なんだったら、やっぱりきちっともらう必要があると思うんです。だけど、この人の家だったら、こんな会社に行っているんだから払えるだろうと思いながら実際は深刻でという、そんな事態というのは本当にないのか。だからといって、取らなくていいとか、もらわなくていいという、努力はあれするじゃないけれども、私は、本当に実態をつかんでいるんだろうかという点では、大きな疑問を持っているんです。いかがです。

○山路政策企画特命監 実態でございますが、支払い督促を簡易裁判所からする前に、当然病院の方から電話なり訪問して支払いをお願いする中で、債務者の方からいろいろなご事情を伺うわけですね。そういったときに、今のようなほかに債務があるとか失業したとか、そういった事情はそういう形でつかんでおって、そのときに明確に、例えば診療のときの態度が気に入らないので払わないとか、職員の対応が悪いので払わないということもあって、それは支払いとは関係ないことですよということで、「理由なく」ということにしておりますし、それから実際にこれは裁判に行った場合、口頭弁論になるケースもあるわけですけれども、そのとき事情をお聞きすると、本当に精いっぱい1万円とか5000円とかいうことで分納で和解していただくケースもあるんですけども、そうじゃなくて、裁判自体に出てこないという方についてとか事情がわからないとか、あるいはおみえになっても高級車で乗りつけられるとか、そういった方については恐らく支払えるんだろうと推測せざるを得ないという面がありまして、こういう形になっております。

○萩原委員 そんな、態度が悪いから払わないとか、高級車に乗ってくる人が6割もいないでしょ。そこの問題なんさ。だから私は、本当にこれが6割だって言うんだったら、言ったら悪いけどまったくあなたたちの努力不足だと思う。
 だけど、多重債務とか、私たちもいろいろ相談を受ける。さっきの中川委員との関連で言えば、四日市市立病院も、入り口を入っていったところにサルビアって言う相談窓口があって、市の職員が何人かいて、これは物すごく連携とってやってくれるからいいですよ。物すごく市政とのかかわりがあるし、国保はどうかとかそんなの全部わかっちゃうもので、僕は県立病院もそれは一生懸命努力してもらっているのはわかるけれども、もっときめ細かくやってほしいなという思いは、これは私も感じておりますが、このことをあまりどうこう言っていても仕方ないけれども、弁護士法人を入れたって、回収率は知れてます。法的措置とったって、本当にこのごろ知れてます。
 だから、私は、総合的にそういう貧困対策なり、新たな格差の中での問題を県政全体として本当に対応を考えていかなかったら、それぞれのところだけで「理由なく」って言って、大体多重債務を持ったり、こんなにきりきり舞いしている人たちは、督促状が行ったって見ないし、開けもしない。役所というところは、物すごくハードル高いみたいに思っている。
 だから、本当にその意味であなたたちが一生懸命取ろうと思ったら、サラ金以上にいじめや嫌がらせみたいなことをしなかったら取れないみたいな実態もある。だけど、立派な家で高級車にも乗ってというようなことになって、自動車税も踏み倒しているもので、もう岐阜県だったら自動車にワッパかけるみたいなことまでやりだしたわな。
 だから、そんなことで追いかけっこをしていったってあかんので、そこの対策をやっぱり市町とも連携して私はやってもらいたいし、もちろん大変な努力をされているので、努力は努力で続けてほしいし、高級外車に乗ってくる人たちに声をようかけないというのは、これは行政の責任だからね。生活保護でも同じことがあるんだから。このごろはベンツに乗ってこないと生活保護をくれないのかと怒鳴る人もおるから。これはやっぱり間違いですよ。ここはちゃんと対応できるように、私は、公務員の役割というのは物すごく大事だと思いますけど、そんな点をお願いしておきます。
 以上です。

○竹上委員長 ほかに。
 よろしいか。

          〔「なし」の声あり〕

○竹上委員長 なければ、これで過年度医業未収金対策についての調査を終わります。

 

    ● 志摩病院における内科循環器科の診療体制について

      ① 当局から資料に基づき補充説明(稲垣総括室長説明)

      ② 議案の質疑

○竹上委員長 ただいまのご説明に対し、ご質疑はございませんか。

○山本委員 稲垣総括室長から以前に説明を受けて、今日はやめとこうかなと思ったんだけど。
 実は昨日、床屋へ行ったんです。そしたら、そこの床屋の、もう70歳過ぎた方が、「山本さん、志摩病院からこんな通知来たやろ。」ということで、こういうようなペーパーが来たわけです。かかりつけ医をそれぞれ近くで見つけてもらって、近くの病院へ行ってくださいということで、その方は、志摩病院へはバスで行かれるんでしょうけれども、そんなにどこかが悪いというような感じじゃないけれども年齢によるいろいろな疾病が出ているというので、志摩病院の内科へかかってみようということですが、そういう人たちはいいと思うんですよ。しかし、ここ一番という病気が発生したときには、それこそ総合病院の機能も発揮してもらわないといけないし、そういうときには、今までの蓄積された高度な医療を住民の人たちに提供してもらわなきゃいけないと思うんですね。
 じゃ今後、どういうような手があるかということになってくると、4病院の中で医師を融通し合うということ、言葉では言うけどなかなか難しいというのは、どこの病院だってみんな不足なんだから。かといって、三重大学にと言うけど、三重大学だってもう今までの流れの中でとても無理だというような中で、病院事業庁も本当に頑張ってくれていると思うんだけれども、県外へ可能性を求めてコンタクトをとってもらえないかということが1つと、もう1つは、この研修医制度が始まる前の、市町村が合併する前の69市町村の首長たちはもうあちこちへ東奔西走して、医師確保のために頑張っていた時代というのがあったですよね。
 だから、そんなノウハウもそれぞれの自治体にはあるわけで、例えばチャンネルなんかをもう1回掘り起こしながらやるということも1つだと思うんです。例えば、昔は大王町という町があったが、ここの町長はどうしていたか。大王町立病院というのがありましたから、医師確保のためには自分が先頭切ってやらないといかんという、これはどこの首長も皆そうです。じゃどこへ行ったかといったら、島根の医大へ行った。それから、もちろん名古屋市立、それからあと奈良へも、京都へも行ってですね。それぞれ今の研修医制度の前ですから、何とか派遣してもらっていたという実績はあるわけですよ。
 だから、三重県で唯一医師を輩出している三重大学だけじゃなくて、これはもう県外に目を向けないとあかんのかなと思うんですが、病院事業庁の覚悟というか、こんな方法がある、今こういうふうに考えているというのがあったら教えてもらいたい。例えば、県立病院の中で研修医の先生がどこかでみえるんだったら、その人に直接アタックするとか何とか、方法があったら教えてもらいたい。

○稲垣県立病院経営分野総括室長 まず、県外のコンタクトという話ですけれども、1点目は、私どもも三重大学だけではなくて他県の方にも今年度も早い時期からコンタクトをとっておりますけれども、今年度特に厳しい返事をいただいて、おたくと同じ状況なんだからもう来てもらわなくていいというのがまずあるわけです。
 しかしながら、大学ばかりではなくて、例えば自治医科大学なんかも含めたそうした獲得策、そうしたことには実は動こうと考えておりまして、来週にも東京の方へ私も行くつもりでおりまして、具体的には、少ないパイながらも何とかそれをとれないかなという思いで動こうとはしております。まずそれが1点目でございます。
 あと、市のノウハウという話をされましたけども、市との連携につきましても、とりわけ志摩病院に関して申しますと、志摩市とも当然ながら病院長、また運営調整部長等も話し合いを現在も続けておりまして、感触で恐縮ですけども、志摩市の話なんかも聞いておりますと、確かに志摩市なんかも他県へいろいろと行くという、おっしゃるとおりのノウハウもお持ちです。それを、何とか志摩病院の医師を獲得するために志摩市としても考えるのも一つの方策だなというお話もいただいていると聞いております。と申しますのは、志摩市の側にとってみても、あの地域全体を考えたときにどこに厚く置いて、とした方が、県は県、市は市と言っているよりもその方がいいんじゃないかという考えもお持ちのようで、そうした話もいただいておりますので、そのへんとうまく連携をとりながら進めていけないかなというようなことも考えておるところです。
 以上です。

○山本委員 県立志摩病院の田川前院長の時代に、市の方から援助をもらえないかなというようなことをよく院長が言ってました。援助というのは、金銭的な面もあるのかもわからないし、人材的な面もあるかもわからないけれども、そういうことっていうのは別にいいんでしょう、今の制度としては。

○稲垣県立病院経営分野総括室長 形によるとは思いますけども、やれないことはございません。

○山本委員 そういうことも市との協議、もちろん今までこれは何回も言っているんだけれども、市立病院が内科2人で、外科2人で、循環器科1人、これも志摩病院からの先生1人という貧弱な市立病院ですけど、市立病院も自分で努力しながら医師確保で何か増えるような感じなものですから、そこと連携するということは今まで以上に必要な、そんな時代になってきたのかなと思いますので、そのへんのところよろしくお願いしたいと思います。
 もう言いたいことはたくさんあるけれど、現実がもうこんなことですので、しょぼんとしながら年を越さないといかんのかなと思いますが、ただ1点、その床屋の息子が今自治医大で医者の卵なんです。なので、おばあちゃんの病気もよく本人が診てますから、私はこの志摩で病院の医師にならないとあかんなというようなことを思ってくれているみたいです。ちなみに、県からの貸付金の制度も聞いたら、おかげさまで利用させてもらっていますと言っていました。だから、頑張ってもらわなあかんのやわ。
 以上。

○竹上委員長 ほかによろしいか。

          〔「なし」の声あり〕

○竹上委員長 なければ、これで志摩病院における内科循環器科の診療体制についての調査を終わります。
 この調査項目以外で特にございましたら、ご発言をお願いします。
 よろしいか。

          〔「なし」の声あり〕

 

   2.委員間討議

      なし

   3.閉会中の継続審査・調査項目

○竹上委員長 次に、常任委員会に係る閉会中の継続審査・調査申し出事件の調査項目につきましては、お手元に配付の文書のとおりといたしたいと存じますが、ご異議ございませんか。

          〔「異議なし」の声あり〕

○竹上委員長 それでは、そのようにいたします。

 

Ⅲ 委員協議

1.病院事業の在り方について

○竹上委員長 申入書のたたき台となる案については事前に配付させていただいておりますが、ご意見のある方はお願いします。

○舟橋委員 ずいぶんご努力をいただいた、いい文書だと思います。さすが委員長だと思うんですけれども、ただ一昨日も少し健康福祉部にお願いしたんですが、やはり経営形態が大きく変わるということは、その地域の医療環境がずいぶん変わるということになろうかと思うんです。ですから、やはり経営形態の変更にあたってはその該当地域に及ぼす影響を十分シミュレーションしたうえで、県の計画を提起いただきたい、そういった内容をどこかへ一言入れていただけるとありがたいかなと思います。あとは異議ございません。イントロがいいのか、また基本事項の1の中がいいのかと思うんですけれども。そこらへんは、ご採択いただけるのであれば場所はお任せします。

○中川委員 一番お願いしたいところから先に言いますけれども、4ページの総合医療センターの、ゴシックのところの「今後」というところから以降で、「市立病院との機能分担を明確に」ということなんですが、今後の北勢医療圏を考えると機能分担だけで果たしていいのかということは、私個人として思いがありまして、やはり機能分担と「連携」ということを入れていかないと、機能分担は目指す方向性としてあるのかなと思いますが、その上での連携というのも、社会保険病院も含めてなんだけれどもそれはあえて入れなくてもいいと思うんですが、表記としてあったほうが。機能分担だけでは、より明確に分けてそれぞれが歩みを進めるみたいなことに聞こえてくるので、ちょっと気になるところです。
 それとこれは必ず通してくれということではないんですが、3ページの一番上で、地方公営企業法の全部適用の総括のところの文書のゴシックで、「これまで取り組んできたところの全部適用の取組を総括されるとともに」とあるんですが、一昨日の健康福祉部から出された資料では、すでに全部適用に対する総括なり評価がされていたような文書が出ていたような気がするんですけれども、やはりあれもそれなりの総括がされていた文書なので、これでいくと何ら総括がされていないからしなさいというふうに聞こえるところがあって、あの文書をちょっと含めてもらったほうがいいのかなという気がいたします。

○山本委員 よく書いてくれてあると思います。今の状況というのをもれなく反映されてあると思うんですが、いわゆる自治体病院は全国どこの病院でもそうなんですが、医師の不足というのはあるんだけれども、内科医の不足というのはほとんどない。だけどさっきの話で、内科の先生が半分になって、にっちもさっちも行かなくなるという状況が年明けに予想されるということですので、別に内科と書いてもらわなくてもいいんだけれども、特に志摩病院を取り巻く医療環境は厳しいものであると認識していますということは包含されているのかなと思いますけれども、このへん言い回しとしてはどうなんだろう。上には産婦人科と小児科というのは書いていただいてあるんですが。産婦人科は一筋の光明が出てきたというようなことも予想されるんです。しかし病院として一番主力である内科の先生が激減してしまうという状況があるんですが、そんなに詳しく書いてもらわなくていいし、おそらく行政当局も二役には報告していると言っていましたから、知事も副知事もそのへんのところは十分認識していただいていると思いますが。

○竹上委員長 ここの上から8行目ですか、「また志摩病院の医師も減少の一途をたどり」、一番初めに先ほどの報告にあった、「内科循環器科」というところをまず真っ先に入れると。

○山本委員 そうしていただけるとありがたいと思いますが。

○萩原委員 文書はいろいろとご苦労されて、なるほどというところもいくつかあるんですが、これは皆さんがご同意いただけたらの話だけれども、そもそも大元から、今の日本の医療制度そのものの問題点をきちんと一つは指摘していかないと、この条件を全部入れておけば、その中で4病院だけ生き残っていくということは不可能な話だと思います。診療報酬の問題もあるし、2200億円の削減のこととの関わりも含めて、また公立病院改革のガイドラインまで押し付けられてということで、今頃やっと医師不足の問題で定員を増やせというような一定の手直しは始まりつつあるけれども、大元に今の日本の医療制度がぶつかっている地域医療の危機的な状況とか、医師不足やら患者の負担増やらとかもいろいろあるんでしょうけれども、もちろん知事への申入れだから知事に言ってもしょうがないという部分もあるかもしれないけれども、そこがもっと論議されてもいいのと違うかなと思うんだけれども、そんな思いは率直にしているんです。そうじゃなかったら早晩、どんどん民営化とか医療の縮小とか格差が広がるということが出てくるし、今朝きちんと読まずに飛び出してきたけれども、朝日新聞が格差の特集を始めて、今日は医療の問題で、何でこんなに日本の医療で違いがあるのかというようなことも書いていますよね。だからやはりそういうような点では、都市と農村とか都市部と地域とかあるわけなので、大前提としてそういったところに一言触れてもらえるということは無理なんでしょうか。
 僕はそのことと関わって、今回のこの在り方検討委員会の中身の問題もさることながら、あの委員の中に松田美幸さんでしたか、麻生塾の方がどんと中心に座ってやってみえる。あの人は国のほうの行革でもいろいろと辣腕を振るってみえるし、福岡でも行革委員会で病院問題のところでもずいぶん頑張られたらしいけれども、麻生塾が今全国的にもあちこちいっているでしょ、まだ十分調査はしていないですけれども。そういうような人に頼んで答申を出させて最大限尊重すると、まずありきという形で出てきた、そのあたりがもう1つ大きな問題がある。やはり実態をちゃんと踏まえてくれてということではなくて、一昨日には私も健康福祉部とやりとりをしたけれども、紀伊國会長がはっきり言ったのは、今までのことにこだわらずにゼロベースから見直してくれといわれたので、あえて今までの文書はまったく読まずに、などというようなことをあの人は勇気をもって言ったけれども、だからさっぱり実態がわかってないと僕は思う。国の医療の流れというのは今やアメリカ式になりつつあるし、金のない者は保険証をもらえないという実態になっていくし、差別医療、自由診療を認めようとなってきているしね。だからね、私はこの前、麻生首相が病院経営とのかかわりの中で言われた、「医師は社会的常識に欠ける人が多い」とかいう発言も、あのあたりの発想から出てきているという思いがしてならないんです。
 ちょっと広い言い方をしましたけれども、今のやりくりの中でガイドラインも作らねばならん、改革プランも作らねばならんというのでやっていく以上は、いずれ地域は淘汰されていくということにならざるを得ないので、そういうことではいけない、もっと国へも積極的に要求してほしいというあたりを、できればちょっと入れてほしい、というのが私の意見。

○田中委員 基本的に結構だと思いますし、「県民福祉の向上に資するものであること」、これは特別委員会でも入れたんですけれども、これを基本にしていけばすべて県当局とは議論ができる。時代の変遷というのはあるんですよね。今いろいろ言われたように、国の施策が大元だとは思いますけれども、逆に民間の病院が先に姿を消してしまうということもあり得るわけで、そういったところでは公立、県の役割が増えてきますから、この一文を最初にあげてもらっているということであれば、様子見ながらある意味フリーハンドで議論できるところがあるので、非常に心強いなと。県のほうも、この間の委員会でもこの文は入っていましたしね、これ入れてもらっていればかなり心強いなと思ったんですけれども。

○後藤委員 基本的にうまくまとめてあるなと思っておりますし、田中委員と同じように、大元といいますか、「県民福祉の向上に資する」という文言が入っていますので、ありがたいかなと思っております。
 ただ、一志病院のところで、答申では県立としては廃止と出ているわけなんですけれども、そのことと、一志病院としては家庭医療を県内に広めて家庭医療の県の政策医療への位置づけを検討せよというんですけれども、このあたり読ませていただくと弱いといいますか、ちょっとはっきりしていないなと。だからこういうふうに変えよとは私も言えないのですけれども、このへんは苦しいところだとは思いますけれどもそう思いました。

○萩原委員 さっき病院事業庁長にも聞いたけれども、一番最後の病院事業庁の在り方について、在り方検討委員会の答申は廃止・縮小だと出ていますが、それに基づいて「病院長の責任と権限の強化が図られる結果として、必然的に、病院事業庁の権限・機能は縮小されるべきものと考えます。」と、そのことに同調するような感じになっているのはいいのかなと、正直ちょっと気になる。僕は病院事業庁の役割がもう1つよくわからないという部分もあるわけで、さっきも病院事業庁長が言っていたように、それぞれ4病院の院長が運営の主体となって、経営の縮小で、病院事業庁そのものは各病院にそれぞれという格好でやっていっていいのかなというあたりはもう1つ気になるところなんですけれども。やはり県立病院であるという点で、医療の中身が違うという部分もあるけれども、病院事業庁の果たす役割というのは一定あるんだという思いは、私は強くあります。そういった意味で、もっと上手にPRもし、説明責任を果たせという思いで言ったんですけれども。何かこういう形になっていくと、当然縮小すべきものだというので、われわれがそれに同調していくかのような感じの中身はちょっと文章として気になる。

○中川委員 僕のイメージとしては、病院事業庁がやっている役割というのは全部否定するということではなくて、4病院一括としてここでやってきたという限界があるんじゃないかということにおいては、今萩原委員言われたとおり、それぞれの病院の中に今病院事業庁が持っている機能を果たすような部門というか、それが総務なのか何なのかちょっとわかりませんけれども、それをちゃんと機能させるべきだと。しかしそれは、それぞれのありようの中でより合ったものをさせるべきだし、たとえば1つの県立病院としてなった場合であっても、管理者を院長に置きながら、副管理者の中に事務部門のトップもいるとかで、そこのありようとして動きやすくすると。今の4病院一括の中での事務部門の統括というのはやはり、やりたくてもできないとか足を引っ張られたりとかするから、という意味で捉えたらどうかという気がしますけれどもね。

○萩原委員 確かにそうなんだろうという思いもするけれども、実際4箇所に置いたら、今の病院事業庁の職員どころかもっとたくさん職員が要るという感じの中で、ある意味では事務の統廃合的な感じで統一的にやれるのが、ということもあって病院事業庁1つの方が、っていうのがある。当然支出から言ったって、人件費から言ったってそのほうがいいんだろうということでそうなってきているんじゃないかという面もあると思う。私もどっちがいいのかというのはよくわからないけれども。

○竹上委員長 作った意図をちょっと申し上げますと、3ページの基本的事項の中の、3番、4番ですね。病院事業庁のリーダーシップを強化していけと。いわゆる病院長が経営責任者として、責任を持ってその病院運営にあたるような強化をもっとしていかないといけないというのが3番目の主張ですね。で、4番目がそういうことによって、いわゆる自分たちの病院だという中で、職員のモチベーション、こういったものがより発揮されて、エンパワーメントというか、個人の努力を最大限に引き出すようなことをやっていかないといけないと。という中で言うと、各病院個別事項の中の5番は、そういうことをしてしまうと自ずと病院事業庁の権限・機能は縮小していくという意味の書き方なんですよ。ですから廃止という表現は書いてないです。あくまでそれをやれば縮小せざるを得ませんねという話で書いてあるんですよ。

○山本委員 今の病院長の日常を見ていると大変なんですよ。院長は午後3時くらいまで診療しているんですよね。3時からやっと自分の院長室へ行って、もろもろの仕事をこなす。来客もあったりして、とても院長はマネジメントなんてできないというのが今の現状です。その院長の仕事というのを誰がカバーするかといったら、管理部長がやるんだけれど、管理部長も対組合だとかいろいろな問題で大変で、もう本当に管理部長の姿を見ていると、早く病院から出たいなという人たちばかりですよ。そんな中である医師に聞いたんですが、やはりマネジメントをする専門の人が病院にいれば新しい感覚で経営できるんじゃないかなということは言っていました
 それともう1つ、ちょっとずれるかもわからないけれども、今まで長い間執行部とわれわれ議員、委員が議論してきたでしょ。そうすると、病院事業庁がどういう形態になるかわからないけれども、もしなくなったとしたら三重県の4病院の誰が議会に出てきて、誰と議論して、総括的な基本的な部分というのは誰が答弁してというような、いわゆる議員との討論、討議がどうなっていくのかなと思ったりするんですよ。先走りかもわからんけれども。そんなことも考えられるんじゃないかと思うんです。

○竹上委員長 今いただいたご意見の中で、少し皆さんにご議論をいただきたいのは、舟橋委員から出されました、今後経営形態が変わることが予想されているという中で、当該地域に及ぼす影響を十分に勘案して、それを明らかにせよということですね。で、実は皆さんもこれ見ていただいたらわかるんですけれども、今回のたたき台には一切コスト面のことは入れてありません。というのは、コストを意識したわれわれからの申入れというのは、私は少し違うだろうと。あくまで県民福祉の向上というところがベースにあって、その上で県立病院がいかにあるべきかというのは、議会のほうから申入れをしていくべきであろうと。ただ、今の、経営形態が変わることによる地域に及ぼす影響というところになると、どうしてもコスト面の話が出るかどうか、またそこをわれわれの委員会として出していくべきか否かというところなんですよ。地域に与える影響となるとどうしてもコスト的な話が一部入ってくるかなというところが少し思うんですよ。そこをどういうふうな形で表現をしていくか、おっしゃりたいことは十分理解しているつもりなんですけれども、私としては、特にそういうことはもう省いた形で今回は申入れをしたいなと思っているんですが、皆さんのご意見を少しご議論いただきたいなと思うんですけれども。

○舟橋委員 一昨日、今日と、財政的影響とその地域に及ぼす影響というのを2つ言わせてもらったんですけれども、この文章からはその財政的なことというのは一切書いてないので、その部分は避けてあえて言わなかったんですけれども、たとえば一志病院では家庭医療というのを位置づけて、非常に書きにくい一志病院でやってもらっているんですけれども、あそこが今の答申だと、直営じゃなくて民間か市へ移譲しなさいという内容ですよね。そうなったときに医者のジェネラリストを育てていく一つの機関として位置づけされ、また高齢化してきているあの地域の医療に対する影響というのはやはり大きいと思うんですよ。そこらへんについては、一志病院が今後こうしたいという経営形態の変更があったときに、そういう影響、それはコストじゃなくてあくまでも家庭医療だとか、地域の中核的病院としての位置づけがなくなってしまう、また低下する、また家庭医療を教育していく環境の場がなくなったことにどうなっていくんだというようなところを、われわれが議論していくうえで明記してほしいという思いがありましたので、経営形態の変更に伴うその地域の医療環境の変化についてもきちんと明記すべきだという思いがあったわけで、決してコスト論で申し上げたわけではありませんので。

○竹上委員長 医療環境の…何でしたか。

○舟橋委員 「地域医療に与える影響」くらいにしておいてもらおうかな。その病院が持っている該当地域の医療環境ですね。経営形態の変更をするときには、そういったところにもきちんと対策も含めて明示はしてほしいなと思うんですね。

○竹上委員長 ということでしたが、皆さんそういうことでよろしいか。

○中川委員 その表記は入れていいと思います。

○萩原委員 もう1つ、私は流れとしてそうなっていかざるを得ないという側面もあるんだろうけれども、今も田中委員が強調された、県民福祉の向上に寄与するんだという大原則があるからというおっしゃりかたはそのとおりだと思います。で私は、そのことを本当に押さえたら、県立は県立のままでとか、今の状態が善だという立場には立ちませんけれども、結局全体の流れとしては、要はこのままの流れでいったら赤字だよ、コストが大変だよということで、経営健全化という名の下に、いかに医療サービスを縮小するのか、人を減らすのか、民間委託でやりたいことをやれるのか、あるいは独立行政法人化というのがそのあとにありましたね。この医療の現場ではそういった効率化一辺倒でという流れではだめだよというところは、一言どこかで押さえてほしい。県立病院の特別委員会の中にもどこかにそういう立場の流れはなかったかな。あの委員会で、何でも民営化がいいんですよという流れにはならなかった言葉もあったんじゃない。そこのところは一言きちんと、そうじゃなくても最大限尊重で向こうへどんと行く可能性があるわけなので、議会側として地域の実態を踏まえてそのことはきちんと言っておかんとあかんなという思いがします。

○竹上委員長 冒頭萩原委員が言われた、日本の医療の問題についてやはり言っておくべきだというのは私も大事な視点だと思いますので、これはやはり前文にそういったことも加えさせていただければと思います。あと、後藤委員が言われた、一志病院の書き方が一番悩ましゅうございまして。ここについては方向性ということはもう少し議論があるのかもわかりません。

○中川委員 3病院はこういうのが望ましいと書いてあるんですよ。一志だけはそういう表記じゃないんですよね。変なんだけど、でも今の段階では仕方ないのかなというのは私も感じています。一志でやっている家庭医療を全県的にやれというような答申になっているもの。

○竹上委員長 よろしいですか。まだこれはたたき台の段階なので、今日、皆さんのご意見をいただきましたので、正副委員長案を作成しまして、1月に委員会を開催して再度ご協議をお願いしたいと存じますが、いかがでしょうか。

〔異議なし〕

○竹上委員長 それではそのようにいたします。

 

  2.委員長報告について

    (1)分科会委員長報告について        正副委員長に一任

    (2)常任委員会委員長報告について  正副委員長に一任

  3.その他

 

〔閉会の宣言〕

 

三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により押印する

健康福祉病院常任委員会委員長

予算決算常任委員会健康福祉病院分科会

竹 上 真 人

 

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