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政策総務常任委員会・予算決算常任委員会政策総務分科会
会 議 録
(開 会 中)
開催年月日 平成20年6月20日(金)自 午前10時00分 ~ 至 午後 4時57分
会 議 室 301委員会室
出席議員 7名
委 員 長 舘 直人 君
委 員 津村 衛 君
委 員 村林 聡 君
委 員 杉本 熊野 君
委 員 中村 進一 君
委 員 西場 信行 君
委 員 藤田 正美 君
欠席議員 2名
副委員長 小林 正人 君
委 員 奥野 英介 君
出席説明員
[政策部]
部 長 坂野 達夫 君
理 事 山口 和夫 君
東紀州対策局長 林 敏一 君
理 事 藤本 和弘 君
副部長兼経営企画分野総括室長 渡邉 信一郎 君
政策企画分野総括室長 竹内 望 君
地域支援分野総括室長 小林 潔 君
情報化・統計分野総括室長 山川 芳洋 君
東紀州対策分野総括室長 中川 博 君
その他関係職員
傍聴議員 2名
末松 則子 君
真弓 俊郎 君
県政記者クラブ 4名
傍 聴 者 4名
議題および協議事項
Ⅰ 政策部関係
1 分科会
(1)所管事項の調査
●補助金交付決定実績調書について(関係分)
2 常任委員会
(1)請願の審査ほか
●請願第27号「新過疎対策法の制定を求めることについて」
●請願第28号「民法第772条の嫡出推定に関する運用の見直しを求める意見書の提出を求めることについて」
(2)所管事項の調査
●「2008年(平成20年)版県政報告書(案)」について(関係分)
●「美(うま) し国おこし・三重」三重県基本計画中間案(素案)について
●平成20年度「一万人アンケート」結果について(速報)
●中山間地域等における「超高齢化地域」に関する調査について
●第二期地方分権改革について
●川上ダム建設事業について
●水力発電事業の民間譲渡について
●三重県の情報システムについて
●審議会等の審議状況について
●「県と市町の地域づくり支援会議」について
●大仏山地域の開発について
●東紀州観光まちづくり公社の事業展開について
●熊野古道伊勢路を結ぶ取組について
Ⅱ 委員協議
1 分科会関係
(1)委員長報告について
2 常任委員会関係
(1)委員長報告について
3 県内調査について
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
Ⅰ 政策部関係
1 分科会
(1) 所管事項の調査
●補助金交付決定実績調査について(関係分)
①当局から発言(渡邉副部長)
②質疑
○舘委員長 それでは、ご質問等があればお願いをいたします。
○中村委員 1ページの「1-3離島体験滞在交流促進事業」というのは、具体的に簡単にどんなものなのかだけ教えてください。
○渡邉副部長 具体的には答志コミュニティアリーナの整備に関わる部分とそれから観光のプロデューサーというんですか、広めていくための人的な人の部分に関わる事業の補助でございます。
○中村委員 答志コミュニティアリーナは、建物か何かですか。
○渡邉副部長 施設でございます。交流のための施設です。
○中村委員 また後で資料をください。
○渡邉副部長 わかりました。
○舘委員長 ほかにいかがですか。よろしいですか。
〔「なし」の声あり〕
2 常任委員会
(1)請願の審査ほか
●請願第27号「新過疎対策法の制定を求めることについて」
① 当局から意見聴取
○山口理事 過疎化対策につきましては、過疎地域対策緊急措置法が昭和45年に制定されて以来、38年間にわたりまして総合的な過疎対策事業が実施されておりまして、一定の成果を上げたところではございますが、いまだ多くの課題がございます。
このような状況に鑑みまして、引き続き新過疎対策法制定が必要であると考えております。
県におきましても、5月の平成21年度国家予算要望の際にも、新過疎対策法の制定を国に要望したところでございます。
今後とも全国過疎連盟とともに、連携して積極的に対応していきたいと考えております。どうぞよろしくお願いしたします。
② 質疑 なし
③ 委員間討議 なし
④ 討論 なし
⑤ 採決 請願第27号 挙手(全員) 採択
●請願第27号に係る意見書案について
①意見書案の取扱い 委員長一任
②意見書案の素案の配付・書記朗読
③検討 意見なし
④請願第27号に係る意見書案として「新過疎対策法の制定を求める意見書案」を委員会提出の議案とすることについて採決
挙手(全員) 可決
●請願第28号「民法第772条の嫡出推定に関する運用の見直しを求める意見書の提出を求める」ことについて
①委員間討議
○舘委員長 本請願に対する委員の皆様のご意見をお願いいたしたいと思います。
○杉本委員 この際ですので、少し状況等もお話ししたいと思います。
新聞等で皆さんよくご存じだと思いますけれども、事実上婚姻状態にない中で妊娠をし、その後前夫との離婚手続が終了してその後出産、その前に現夫との結婚をして出産をする。出産をしたときに300日に足りなかった。その子については、現在戸籍上も夫となっているその父親の子であるにも関わらず、前夫の子どもとしなければならないというのがこの規定です。こういう状況にある方たちは、やはり戸籍を作る気持ちにはなれない、それが一般的な気持ちだと思います。現在の結婚している夫の子どもである、そのことが事実でもあるにも関わらず、前夫の子にしなければならない。だから戸籍は作れない、作る気持ちにならないというのが本当に一般的な人の気持ちだと思います。このことについて運用の見直しということで、救済の道はないかという意見書の内容になっています。
現在の法律では、推定を覆す嫡出否認の訴えというのは前夫からしかできないものですから、前夫がそういうことを進んでという状況にもなかなかありません。DVとかの状況で前夫との関係が切れているという場合もありますし、なかなか難しい状況の方もありますので、ぜひこのことは意見書として上げていただけたらというふうに思っているところなんですが、ここでやはり大事なのは、このことによって子どもの人権がどうなのかというところだというふうに思います。現在は児童手当でありますとか児童扶養手当とか、そういった児童福祉サービスについては、支給を認定されるというようなところにはなっているんですけれども、やはりその手続であったりとか、それからきめ細かなサービスのところについては、なかなかほかの子どもたちとは一緒のようなサービスが受けられるという状況にはなっておりません。
それから、やはり戸籍がないということは、法律上はこの世に存在しないということです。せっかく生まれた、本当にその夫婦が望んで生まれた子どもたちがこの世に戸籍上としては存在しないという、こんな子どもたちが増えていくということがあっては、私はならないと思っています。
それから、戸籍がないということは、パスポートをとることは現在の法律では無理です。あと免許等についてもさまざまな制約があり、現在のところではきちっとしたそういう制度も整備、これからというところもあるかというふうに思っています。全国にもう何千人という無戸籍の子どもたちがいるというふうに聞いていますし、先日の新聞報道では、無戸籍の方が出産をしたというような報道もあったかと思います。そういったことを解消していくためにも、この意見書、子どもの人権をというような視点に重きを置いて、ぜひ上げていただきたいというふうに思います。
以上です。
○舘委員長 ほかにいかがですか。
②討論 なし
③採決 請願第28号 挙手(全員) 採択
●請願第28号に係る意見書案について
①意見書案の取扱い 委員長一任
②意見書案の素案の配付・書記朗読
③検討 意見なし
④請願第28号に係る意見書案として「民法代772条の嫡出推定に関する運用の見直しを求める意見書案」を委員会提出の議案とすることについて
挙手 (全員) 可決
(2) 所管事項の調査
●「2008年(平成20年)版県政報告書(案)」について(関係分)
①当局から説明(坂野部長、林局長、山口理事、藤本理事、辻政策監、竹内総括室長、渡邉副部長、山川総括室長、小林総括室長、中川総括室長)
②質疑
○舘委員長 それでは、委員の皆さん、ご意見がございましたら、お願いをいたしたいと思います。
○村林委員 施策名531の地域の特性を生かした地域づくりの中の2008年度の取組方向の一番最初のポツの中に“既存の地域づくり支援策は相乗的に効果を発揮できるよう整理調整していきます。”というように書いてもらっているんですけれども、この間の一般質問でさせてもらったようなほかの部の地域づくりに関係するようなものも、政策部の方で市町から見て一元的にできるようなそういう相乗効果を持っていくというイメージで書いてもらっているという理解でよろしいんでしょうか。
○山口理事 ここの531のところでの2008年度の取組方向で、特に既存の地域づくり支援策と相乗的にということで書かせていただいた趣旨は、現在地域づくりを私どもの方でもいろいろ過疎対策ですとか離島の関係とかいろいろな施策を持っております。そういったものを地域との関わりを持っていますけれども、美し国の取組がどういう形で今後事業の中に整理されていくかわかりませんが、同じように地域との関わりの中ですので、そこらへんが相乗的にということで、基本的には私ども政策部の所管のところとのまずは整理と考えております。
以上でございます。
○村林委員 わかりました。ぜひほかの部との連携もこれからぜひよろしくお願いしたいと思います。
○舘委員長 ほかにいかがですか。
○西場委員 それでは、37ページの宮川流域ルネッサンス事業の話がありましたが、このルネッサンス事業のところで2008年の取組の方向というのがありますが、ここのところについてもう一遍何をするかというのを説明してもらえませんかね。
○山口理事 宮川ルネッサンス事業につきましては、19年度から22年度に向けまして、第3次実施計画に基づいてそれぞれの事業に取り組んでいるところでございます。その中でルネッサンス協議会の中での20年度の取組についてはご議論をいただいておりまして、普及啓発事業ですとか、あと受託事業での宮川流域案内人等の支援事業ですとか、あとその他事業で円卓会議ですとかエコミュージアム事業、そういった事業を整理されております。まずは19年度から22年に向けた実施計画の中で、20年度につきましては宮川流域のルネッサンス協議会で、この間20年度の総会をいただいて方針を決めていただいていますので、その事業の取組を進めていきたいと考えております。
○西場委員 どういう体制で、今後ルネッサンスは何を対象にどういう方向づけでやっていくんだということなんですけど、もう少しわかりやすく説明してもらえませんかね。今まで10年間やってきて今後どうしていくんですか、この事業。
○山口理事 今ご指摘ございましたように、一応22年度がこの全体計画の終わりということと、第3次の実施計画を22年度まで定められています。本年度20年度でございますので、これから協議会の皆様方ともご相談申し上げたいと思っておりましたが、一応22年度までの事業は決められて、その中で今取組を整理されていますが、23年度以降につきましては、まずルネッサンス協議会の方で23年度以降の宮川流域の取組全体を議論いただきまして、その方向を定めていただきたいということで、20年度からそういう取組をさせていただきたいと思っておりまして、現時点で最終の22年度の後の取組については、まさしく今年からその地域の方々とともに23年度以降どうしていくんだということを、ルネッサンスの方の立場としましてはご議論をいただきたいと、そのように考えておりました。
○西場委員 いろいろ絡みがありますので、この問題はこればかりはいきませんが、いろんな場合で申し上げているように、ルネッサンスの一番大きな課題は水量回復です。それから水質の向上、こういうことなんですね。これを10年間やってきて、2008年度の報告ですけれども、このことについてどういう成果があったのか、このことについてどうするかという主目的に対する総括と展望がその都度その都度きちっと言っていくべきだ思います。そのために作ってきたんですから、そこらへんについてどう。
○山口理事 この施策の方の531では、全体の地域の特性を生かした地域づくりというとらえ方をしていますが、ご指摘の宮川流域ルネッサンス事業をどう評価してどう検証していくかというのは、当然課題として認識しています。2次から3次に行くときは2次までの取組を評価させていただいた中で3次の取組を整理されたと伺っていますので、我々も今3次の中の20年度に向けて19年度までの取組を踏まえて、まず22年度までの取組、そして今ご指摘あった五つの今課題で、流量回復、水質保全、生態系保全、森林保全、そして地域振興と五つ、今22年度までの取組の3次では掲げておりますので、それらの取組について一定整理をする中で、23年度以降どうあるべきかというのを流域ルネッサンス協議会の中でもご議論いただくのかなと考えています。我々もこれまでの取組は、しっかり市町とともに検証させていただく中での取組を整理していきたいと思っております。
○西場委員 今後も水量回復、水質向上についての取組はずっと続くんですね。
○山口理事 これまで22年度までの目標として掲げておられますので、そういう目標の達成状況とかの状況を踏まえた上で、23年度以降どういう目標を掲げられるのかを含めてご議論をいただくのかなと考えています。
○西場委員 宮川ルネッサンスの主目的と申しましたけども、これが事業設定の基本なんですよ。そんなのは、その都度考えるのではなくて、それがないんだったら宮川ルネッサンス事業が存続しないことと一緒なんですよ。
○山口理事 私が承知していますのは、当時22年度までの目標という形で掲げたということでございますので、一定22年度を終えるに当たってそれまでの取組なり成果を検証して、その先さらにどういう目標、どういう取組を目指されるのかということも含めて議論いただくのかなと考えています。
○西場委員 あなたと私と全然考え方が違います。もう一遍部内でよく協議してルネッサンス事業そのものが何であるのか、今後どうしていくのか、改めて説明してください。
○山口理事 お時間いただきましたら。
○西場委員 この35ページの合併新法に基づく新県構想の策定ということは、どういう状況が出てきたときに県構想というのが立ち上がるんでしょうか。
○山口理事 合併新法の中で合併構想は、合併をされようとする市町からのご要請を受けてということになると思います。
○西場委員 今のところはその状況ではないわけですね。
○山口理事 そういう状況にはございません。
○西場委員 もう一度いいですか。超高齢化地域というのはどういうようなものになるんですかね。
○竹内総括室長 超高齢化地域というのは県がそういう呼び名で呼んでおるんですけども、後程所管事項の方で詳細をご報告したいと思います。
○西場委員 はい、わかりました。首都機能移転のずっと事業を継続しておるんですが、このへんの周辺はどういう状況でこの課題が続いておるのか、今後この問題の事業のポイントはどこになってくるんですか。三重県はこの首都機能移転に向けて政策論として何を具体的な目標として進めていくのか、もうちょっと首都機能移転の課題、政策についてコメントしてもらえやんかな。
○竹内総括室長 ご指摘のありました首都機能移転につきまして、国会等の移転に関する政党間両院協議会というのが平成17年10月になるんですけども、これを最後に国会の方で開催をされていないという状況にあります。県といたしましては広域で連携をしながら、その必要性というのはやはり基本的に変わっていないという認識のもとで、ぜひ国会の方でそういう両院協議会を開いていただくように粘り強くこれはもう働きかけるしか我々としてはないということで、先般の春の国家予算要望のときも国交省の方にお邪魔をいたしましてそういうお願いもしてきたところでございます。スタンス、必要性については基本的に変わっていないんじゃないかなと、またこれは国会の状況ということで我々としても粘り強く働きかけていきたいなと、こういうふうに思っております。
○西場委員 中央の情勢の中で、そんなことであろうとは思いますけれども、今首都機能移転についての世の中の情勢といいますか、動きが一向に感じられない中で、この言葉だけが残っていつもこういった県の予算とか何かに出てくるんですけれども、もう少しこの問題について現実的な対応をどうしていくんやということは、少し部内や関係者とよく協議して、国の方向を待ってそれに追従していくということだけじゃなくて、三重県としてどうするんだというようなことを少ししっかり検討していただきたいなと思っております。これは要望でいいですわ。
○中村委員 関連で。宮川流域ルネッサンス事業の取組なんですけど、37ページ、地元の県民センターでいろんな課題聴取のときも申し上げたんですけども、宮川流域ルネッサンス事業自体が本来事務所がこちらにあって、県庁から地元の方に来て、流域の市町の皆さん方と一体となって、それからまたさらに多くの住民運動といいますか、地域のさまざまな方たちの協力を得てどんどん活動家の数も広がっている、そういった形でずっとなっているんですけれども、その情報発信自体がどんどんと縮小されていく、そんな雰囲気がちょっと感じられましたんで、そのときルネッサンスのやっている皆さん方にはもっと情報発信をきちっとして、大変重要な仕事をしていただいているんだということをそのとき申し上げたんですけども。ただ、ちょっと心配なのは、やはり先程の話の中で、せっかく膨らませて住民も巻き込んで、気がついたらもう県が手を引いておったみたいな雰囲気が出へんのかなということをちょっと心配しておりますので、こういった将来に向けての、多分これからさらに水の問題だとか環境の問題だとか今たくさんの市民の皆さんがやっていただいている、流域の方々やっていただいているということは、これからますます県として必要なことではないかなというふうに私は理解しておりますので、そのへんの取組をぜひ続けていただくように力を入れていただきたい。
2008年度の取組方法の中で流域圏づくりのモデルとして第3次実施計画に基づく取組を進めるということで、“他の河川流域においても多様な主体による川をテーマとした魅力ある地域づくりが促進されるよう情報発信を行います。”とあがっているんですが、これ具体的にはどんなことなのかだけ聞かせていただきたいと思います。
○小林総括室長 三重県内に宮川以外に6の一級流域河川ございますので、それにつきましては、例えば「三重の川と人々」というような冊子をジャスコとかそういうところでもお配りをさせていただいていますし、交流会とかそういった取組も始めさせていただいていますので、そういう広がりを、先にモデルなんですけれども、今後とも取り組んでいきたいなというふうに思っていますけれども。
○中村委員 宮川の実践を本当にほかの河川でも住民の皆さんにも、住民の中にはお子さんたちとかあらゆる階層の人たちが入って、企業も最近は入っていますよね。そういった形での自然環境を守るという一つのモデルができ上がっておりますので、今おっしゃっていただいたような形でぜひとも進めていただきたいというふうに思いますし、今、西場委員がおっしゃったように流量回復という大きな、本当に大きな課題も抱えておりますので、ぜひともこのへんの考え方というのは磨いていただきたいなというふうに思っておりますので、それを申し上げておきます。
○藤田委員 宮川にちょっと関連で。そもそも宮川ルネッサンスの当初の議論のときにモチベーションというような理念的な言葉が出てきましたですよね。人間のそういう発展とか活性化していく上において、どうしても自然を壊したりあるいはそういうことをしていくことで、それにお返しをしていこうと。もっと自然と共生していくということは、当然人間も道路も造ったり山も削ったりダムも造ったりいろんなことをしますよね。それだったら、それに伴って究極は同時にお返しをすると。極端に言えば、極端な例ですよ、道路を造ることによって山を削らなきゃいかんだら、山の用土から全部土から盛ってそういうような極端な考え方ですけれども、そういうことは、我々人間の発展と自然とが共生していく、そういう理念が入っておったと思うですよ、一応。今のそんな中に、流量回復の問題あるいは海から上流まで行き来する川とかそういうような大きなテーマがあるんですよね。本当に将来そういうすばらしい自然を残していく、川を作り上げていく、そういうような将来に対して、政策部長も含めてどんな思いで宮川に部長らはどういう思いで今取り組んでおるか、どんな気持ちで今宮川を将来どのようにしていきたいんだと、そういう思いだけでも少し聞きたいなと思うんですけど、まずお二人に。政策部長、どんな案を持ち、宮川は自然と共生する川、どんな思いを持って今施策に臨んでいるのか、まずお聞きしたいと思いますね。
○山口理事 私の方から恐れ入ります。やっぱり日本一の清流を目指してということで、先程のご指摘ございました流域宣言というのがありまして、人と自然の共生を一番に掲げており、委員ご指摘のとおりだと思っています。私は宮川の会議も出させていただきましたし、いろんな取組も拝見しましたけど、やはりいろんな思いを持っていただいて、自分たちで宮川をという思いを持って取り組まれておるのがずっと続けてこられてここに至ったということで、この活動は貴重な活動でありますし、私どももそういう活動をさらに進めていただきたいと、そういう思いを持ってこの間も会議を出させていただきました。いろんな取組も紹介を受けまして、そういう流域案内の方とも話をさせていただきましたけども、そういう思いを強く持っております。
以上でございます。
○坂野部長 宮川につきましては、私の方で担当しております水力発電の譲渡のところで流量回復というのが非常に重要な問題でありますように、それぞれ流域の中のいろんな地域、いろんな関係団体、いろんな方々がその水をめぐって関わっておりまして、それが全体として今まで積み上げられてきた中でシステムとして動いているところがあると思います。それを宮川ルネッサンスの方で流量回復の目標として掲げられたことがございますし、それらとどのように調整を図りながら、ルネッサンスの方の目指した目的とそれから宮川全体の流域をそのルネッサンスだけじゃなしに、県としてもどういうふうにとらえていくかということもさらに勉強しながら、真摯に研究をしながら、私も山口理事も連携が大事だということでこの前からともに勉強会を開きながら、県全体としてそういう宮川について対応ができるところを進められるように、今後しっかりやっていきたいと思っております。
○藤田委員 ぜひ一度戻っていただきたいんですけど、1次、2次、3次、そういう流れで来ておりますけど、本来やっぱりそういう自然と共生していく、そして人間と動植物とかが基本的にはうまくやっていくというそういう原点に立っていくと、流量の問題であるとかあるいは皆さん方の意識でどうするかという問題、そういうものと県がしっかりそういう方針をぶれずに積み重ねていたことを身近に発信する、それが全く何もない気がするんですよね、今。どうも人ごとのようなどっかの部署がやっておったような、私はそのような気持ちを最近持ちますね。ですから、これは大きな問題なんですよ。これからどういうトレンドというか、どういう地域社会、どういう利益を作り上げるかというようなものの考え方を、みんな中部電力へ電力を譲渡するようなこういう時期に、県がそういうものを真剣に考えていなくて、物事を決めていくということは非常に将来に対して判断を間違ったり、その譲渡がだめとかいう話じゃなくて、せっかく10年こういうすばらしい活動をしていたことに対して、やっぱりここは大きな問題としてとらえて、勉強は集中してそのへんを決めていただいて、もっとメッセージをやっぱり発信しながら、今の時代の流れの行政の問題とかやっていただきたいと私は思います。そういうことだけ。また宮川の電力の譲渡の資料にも後にあるんでしょう、そのときにまた議論したいと思います。
もう1点、地域主権のところです。6ページ、地域主権社会の実現に向けた地域づくり支援ということで、ある程度進んだと。地域主権ですよね。私の考えは、地域主権は非常に難しいんだと思いますね。やはり住民自治、そういうこともあわせて醸成していかなければ、行政同士の連携とかそういうものだけで地域主権というものは完結しないと思います。地域主権を進めていくということは非常にこれから大事なことやと思っていますけど、どうもある程度進んだというこの表現、私の感覚とは若干違うんですよね。県と市町の地域づくり支援会議の回数は、目標が13回が54回やったから地域主権のそういう地域づくりの支援が進んだということで、そういうそのへんをもう少し説明を詳しくいただかないと、ちょっとピンとこないんです。そのへんもうちょっと具体的に詳しくまず説明いただきたいと思います。
○山口理事 6ページの重点、絆2の地域主権社会の実現に向けた地域づくり支援、先程はちょっと時間の関係で少なかったんですみません。
ここで現段階での進展状況4年間を視野に入れた総合的評価ということでございまして、「Bある程度進んだ」を選ばせていただいております。これにつきましては、まず6ページ中程の先程ご指摘ございました重点事業、数値目標として、まず県と市町の地域づくり支援会議の開催回数累計を一つ上げさせていただいております。先程ご指摘ございましたように、これについては目標達成したということでございます。あと、もう一つ、8ページの方をご覧いただきますと、重点事業を構成する事業と取組内容、これ五つ掲げさせていただいております。まず、地域づくり調整事業、ここでの目標は地域づくり情報の提供数ということで、取組内容が右端にございますようにホームページの開設、ホームページの更新回数を一つの目標として、これは40回の目標に対し34回と至りませんでした。0.85という目標達成状況でございます。二つ目が過疎市町等の地域づくり支援事業ということで過疎、離島地域における交流人口、これにつきましては目標を達成したということでございます。三つ目が地方分権推進事業と市町への権限移譲度、これにつきましては1市町当たりの権限移譲の数での比較でございますけども、これは目標を達成したというとらえ方でございます。
次に、市町の地域づくり支援資金ということでは、実質収支赤字団体数ということでゼロ団体ということでございます。市町合併推進事業では、まちづくりの進捗度ということで新市町の取組の度合いを見ておりまして、これも一応目標を達成したと。この主な重点事業数値目標の6ページの目標と重点を構成する事業の五つの目標とあわせて評価をして、その上で達成状況から見まして、ある程度進んだというのを一つ評価させていただいています。
ご指摘にありますように、地域づくり支援会議の開催数が本当にこの内容を示すのかというのは、我々もいろいろ議論をしておりまして、本来であればもう少し成果の見れるような形が望ましいのかなと思って、とりあえず作りました段階では積極的に開催いたしましてそういう場をもって、場づくりがまず大事だということで目標に掲げたということで聞いておりますので、このへんの目標数の掲げ方としてはちょっとそういう課題があるというふうには認識しています。
○藤田委員 54回やっていただいたことがいかんと言っているんじゃなくて、私は、こういう今のデータで地域主権社会が実現になかなか向かっていくには本質論的に違うと思うんですよ。やっぱり行政の文化を変えていくとか、あるいはこれから財源がなくなってきましたから、財源が増分主義から減分に変わっていく、あるいはこういう大きなパラダイムが変わっていく中で、一番大事な地域の住民自治とかそういうところがすごく大切になってくると思うんですよ。行政が何から何でもこれをやりなさいというのでは地域の主権と逆行するんでありまして、もっと違う角度の物差しが必要になってくるんじゃないかなと。本気で地域主権の社会を目指すのであれば、確かに地方分権という大きな国の制度の方針が着実に推進されてこなければ実現しないものもありますけど、裏返せばそういうものも頼ることなく、地域が自らどう考えどう行動していくかというようなところから、そういうものをサポートしていくような実績が非常に必要ではないかなと。
よく最近、地域経営という言葉が出てくるんですよ。この概念は、非常に地方分権とかが完結されたときには、当然地域経済から教育から福祉から、あるいはそういうものを総合的に複合的に経営しましょう、マネジメントしましょうということだと思うんです、私は。“地域経営の総合的な主体として”、この文言だけで私はさっぱりわからないんですよ。“地域経営の総合的な主体として個性的で魅力ある地域づくりを進めていくことが期待されます。”って、このへんもっとわかりやすく説明してくれますか。
○山口理事 この重点事業の目標のご指摘だと思いますけども、住民に最も身近な基礎自治体がみずからの責任と判断によって行っていくということで、そういう地域経営の総合的な主体というとらえ方は、基礎自治体である市町が個性的で魅力ある地域づくりを進めていくということが期待されているというような趣旨で、この目標はあげさせていただいております。
○藤田委員 もう一回言って下さい。“地域経営の総合的な主体として個性的で魅力ある地域づくりを進めていくことが期待されます。”って、私がちょっとこれを読んでもわからないんですよ。どんなことなんですか。
○山口理事 住民に最も身近な基礎自治体である市町がそれぞれ地域の特性とか強みとかそういうものをそれぞれ地域の住民の方々と考えられて、その中で地域の特性、それが個性的だということにもなると思います。それが魅力あるということにもつながると思いますけれども、そういうものを踏まえた地域づくりをしていくということで、その基礎自治体でもある市町が地域の方々といろいろ地元の特性とかそういう強みとかそういうもので個性的で魅力ある地域づくりをする、そういう地域づくりがここでは期待されているという表現で表しております。
○藤田委員 今の現状認識、今社会がどんな社会になっているかちょっと議論したいと思います。原油高で1バレルが140ドル近くなってきた。10年前に比べたら原料、オイルマネーの経済、そしてグローバル経済やそういう中で、多くの地域はそういう恩恵を受けられない。どういうことかというと、過疎、少子・高齢化、そういうものが先取りをするように、社会構造が多様に迫られておるんですよね。そんな中で本当にプロフィット、いわゆる最近はソーシャルビジネスとかコミュニティビジネスとかそういう財源がなくなってきた。そういう切り口だけじゃなくて、本来その地域の小規模事業者であるとか地域の事業者、農業する人、1次産業、そういう人たちがどれだけ地域で生産や消費や雇用、あるいはさまざまな行政でできないサービスをしていたか。ある意味では、地域のセーフティーネットが非常に疲弊しているんですよね。そして、ある意味ではそういう人たちが地域に残った人たちの地域の人材であるとか地域資源を活力にかえる地域の装置、町の装置、そこが非常に弱ってきておるんですよね。そういうような今本当に切実としたところにどういうふうに地域づくりをしていくかというようなところが全然そういうある意味では数値になってきていない。
そういうようなところからいくと、もう少し物差しを変えて現実に合うようなそういう形に、私は変えていくべきじゃないかなと。そうじゃないと、非常にこれから物価も上がってきたり、限られた所得の人たちが相当苦しい状況になる。そういうことの本当に今、創造力とそういうことを真剣にやろうというそういう数値目標がこれからもっと必要になってくるんかなと思いますね。
宮川なんかでも、私がなぜ言うかといいますと、あそこらは宮川流域なんかは、非常に自然は豊かだけど人口は減っていくし、地域資源を本当に上げていかないかん。そのときに豊かな自然と共生する川が地域の発展につながるんだと。ある意味ではそういうふうな将来そんな意味で川をよくしたいんだ、そういう思いがあってこそ、初めて流量の問題であるとか魚道の問題であるとか河畔林の問題であるとか、山に木を植えたら保水力の問題であるとか、そういうソフト、頭じゃなくて心、そういう思いがちょっと欠落しておるような気がするんですけどね、いかがですか。
○坂野部長 私も東紀州対策局で東紀州地域のそういう地域づくりの支援に関わってきた経験からいきますと、藤田議員がおっしゃるような観点でいくと、地域づくりの支援の取組というのは、非常にこの評価とは別に十分にやってきたのかと言えるのかどうかということについて、私自身も反省しなければならないところは県としてあるのじゃないかなという認識は持っております。
そういったことで山口理事とかそれから林局長とか、美し国もまた地域づくりに入っていって支援をやっていこうという立場でございますので、そういったところで今、藤田議員がおっしゃったようなそういう観点からも見直していくということで、地域づくりの支援そのものについての根本的な議論も4月から始めているところです。
例えば東紀州で経験したところは、地域の人が本当に弱い、人材が少なくて疲弊をしているんですけれども、熊野川にあった三反帆という船を活用して、それによって集客交流をしていこうということが今ようやく自立、持続可能な形で運営がされてきました。それをうまく誘導してきたのは、県土整備部の東紀州地域交流空間創造事業で、テーマを持って地域に入っていったということで地域づくりの支援をしたということでございますし、それからやはり市町がそこでまたうまく支援をしているということで、いろんな方の協働で進んでいくという形を実感してまいりますと、そういったところに県がどうやって関わっていくのかというところをとらえられて、藤田委員、西場委員やら中村委員がおっしゃっていらっしゃるのかなというふうに思っていますので、そういったことについてはさらに深めていきたいと思っています。
○藤田委員 結局今、我が国は、ある意味ではそういう非常に過渡期であって、行き詰った状況にあると思うんですよ。やっぱりみんながそういうものを県がやる政策にしろ、国が進める政策にしろ、そういうものを本当に真剣に私らもついてやっていこうというには、しっかりした将来展望を示す必要があるんですよ。
私は先程の宮川の問題で一つ具体的に言うとるんですよ。だからこそ部長らに、あの宮川流域をどんな地域社会にして、どういうふうに地域が栄えるかというところがあってこそ、民間譲渡の問題なんかも粛々とやれるんですよ。ただ、そこの部分だけやっておったらだめなんですよ。展望があるからこそ、みんな頑張るんですよ。展望がなかったら頑張れません。そういう意味では、少しこういう数値目標は何か地域主権の実現に向けてと、こう言うとるけど、もっと具体的に形を変えた方がいいような気がします。そういう意味で地域の特性を生かした地域づくりがある程度進んだと。地域の特性を生かした地域づくりは何がある程度進んだんですか、ここの数値目標以外に、36ページ。
○高沖市町行政財政室長 今委員がおっしゃっていただきましたように、地域主権の社会を実現するという意味で本当の地域主権社会というのは、その地域地域がいわゆる行政に頼ることなく、今の財政の状況も踏まえて自分たちの地域は自分たちで地域づくりをやっていくというのが基本だと思っておりますので、そういう意味で例えば、名張市であるとかあるいは伊賀市の例に見られますように、住民自治組織というのが条例に基づいて幾つか出てきております。
○藤田委員 それはわかっておる。そんなことを聞いておるんじゃなくて、地域の特性を生かした地域づくりが具体的にどんなような展開にいくのか。
○高沖市町行政財政室長 ちょっと申し訳ない。前半部分をちょっと申し上げたものであれですけど、地域の特性を生かした地域づくりといいますのは、私どもの合併支援交付金も利用していただいて、それぞれの地域に応じたまちづくりを行っていただいています。具体的にいいますと、例えば亀山市における乳幼児の制度の充実であるとか、小さな話もあるのですけれど、それが地域づくりといえば地域づくりでありますし、もっと具体的に広い意味での地域づくりといいますと、合併支援交付金あるいは合併特例債を利用していただいて、合併のまちづくりの基盤整備というのは当然やっていただいています。ただ、それがそれぞれの市町の建設事業計画の中に出ておりますけれども、またそれは当然具体的な形になって出てくるような状況にはまだなっておりませんので、現段階で具体的に地域づくりはどうなのかというとなかなか把握しづらいところでございます。
○藤田委員 私が言っているのは、県がどう関わってどんな関わりをして、地域づくりの特性がどういうふうに生まれてきたのか。どんな関わりをして、何かここの数値目標でいくと地域の活動の参加している住民の割合が書いてありますけど、人ごとじゃないですか。どんなメンター機能をして、どんな見守ってそういうことに現場に行って足を運んで一緒に汗をかいてどんなことをしたと、そんなふうに例を一つ出してください。
○瀬古地域づくり支援室長 地域づくりにつきましては、さまざまな市町が今の段階では中心となって取組を進めております。例えば名張市とか四日市市では、それぞれの集落、地域単位ごとでいわゆる協議会等が・・・。
○藤田委員 今私がここでちょっと議論したいのは、どうも県が地域づくりに関しての市町がこうやっておるのをサポートすると。県の職員は現場力が足らんよ。現場へ行ってずっと歩いていて、それでこんなことをやるというような、そういうようなこともこれから必要やないかと私は思うんですよ。どうも市町と連携して側面から支えていくと、そのような形にしか聞こえないんですよ。そうすると、我々この貴重な時間をもって地域の特性を生かした地域づくりということで、ここの数値目標で地域の活動に参加している住民の割合であるとか、そういう何かそれがかなりむなしく聞こえてくるんですよ。
○坂野部長 山口理事のところはいろんな支援策を持ちながら支援をしていくというところですので、答え方が少しわかりませんけれども、私が東紀州対策局でやらせていただいたことは、先程の熊野川体感塾という一つの取組にしても、もともとは県が東紀州の集客交流を進めていくということで県土整備部の職員が六つの地域に入っていって、その中でそれぞれ地域資源を生かして自分たちが自信を持ってやっていける取組にしていくためにはどうしたらいいのかという議論をする、そういう場のところへ県の職員が入っていきました。そういう中から、熊野川体感塾という昔からの船を生かした取組が出てきました。それを自立可能な形にしていくのに、東紀州観光まちづくり公社という産業とか観光とかまちづくりについて、中間支援組織的に地域のコーディネーターとして行政の間をうまくつなぎながらやっていこうという組織もありますので、そこの職員も入りながら、また東紀州対策局の職員もそこへ行きながら、そういう中で船を生かすその素朴な取組が持続可能なところへいくように、それが観光宣伝とか誘客宣伝につながるように、公社の方に結びつけるということでやってまいりましたけれども、そういうことを考えると県だけとか市町だけとか公社だけとかいうことじゃなしに、それぞれがまさに多様な主体が、うまく連携をしながら協働連携しながら進めていかないと、地域づくりはうまくいかないんじゃないかと考えております。
そういうことについて県はそういう経験が非常に少ないものですから、それぞれ地域間の取組を過去の生活創造圏とかいろんなことを通じて経験をして、ノウハウなり実績なり自主的な職員のスキルも少しずつ上がってきていると思いますので、そういったところを生かしながら政策面でもちゃんとやっていけるように認識を持って今後進めて、地域政策については共に考えていきたいと思っております。
○藤田委員 意外と行政のそういう文化ももっともっと現場へ足を運んだところから考えていくような、やっていただいておると思うけど、私が嫌みを言うとるというような取り方をせんと、これだけ社会が大きく疲弊して困った人たちがヒイヒイ言うとるときですから、もっとそういう現場の力をつけていただきたいが1点。
もう一つは、先程言った宮川の問題であるとか地域主権の問題であるとか地域づくりの特色の問題とか地域資源の問題、全部行政は縦でいっている。縦でいっているからだめなの。例えば農商工等連携促進法という新しい法律が通りました。これも農商工連携というのはお役所の言葉ですよね。例えば地域なんかで一番南なんかでコミュニティビジネスやそういうことをやろうと思うと、食なんかの問題を、食をどう提供するか一般の地域の人でも、1次産業の食を加工してどうとかと、ビジネスになりますよね。そうなると高齢者の人たちが参加してくるんですよね。農業とか商工とかいう縦というものは、意外と今までの行政文化の中から出た言葉なんで、そうなるとすべてそれは本当の底辺で一生懸命何かちょっとして所得を上げて年金と併用していきたいというような人にもその壁が出てくると。
食という角度でとらえると、極端に言えばこれは私違うところで勉強していたときにふと思ったんですけど、いろんな高齢者の人たちが参加できたりと、それは一つの事例ですけど、もう少し政策部ということですから、私は本気でそういう横の連携というものを我々がそこで全部担っていくんだと。地域の課題であるとか地域の参画であるとか地方分権の流れであるとか、そういうものをひっくるめてやっていくようなそういう形にならないと、仕事の仕事が多くなって、行政の人も非常に本質論のそういう将来の夢のある政策が描けないんやないかなと私は思っておるんです。そういうことで部長のちょっと考え方だけお聞きして、これでこの件はやめさせていただきます。
○坂野部長 藤田委員のご指摘のところと私の認識としては大きくずれていないと思いますので、ご指摘いただいた点をしっかり踏まえて、今後進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○西場委員 藤田委員の地域づくりのちょっと関連を。市町の応援だけになってはいかんという点の指摘があったけれども、これは前回の委員会でもそういう地域づくりの条例も新たに議提条例でできて、市町だけじゃなくて県も主体的に入っていくという形をぜひという形で、この間全員協議会で知事の発言の中にもそれらしきことが出てきたんで、ちょっとそういう変更が出てきたかなと、こう思っておるんですが。ならば、ここの531とか絆2のところにそういう記述、文章で、市町が主体になって県がバックアップするというだけじゃない、県の主体性もあり得るということを、これ文章として書いてもらわなあかんですよね、これからの取組の中で、それが変わってきたんであれば。どうですか。
○山口理事 ご指摘の点も踏まえて整理をしていきたいと思います。
○西場委員 ぜひ修正なりその点をはっきりと書き込んでいただきたいと、こう思います。
それからもう一つ、地域づくりの課題で申し上げておきたいのは、東紀州はこんなにもやってきたというように今お話があったんですが、東紀州はまだまだ課題がありますけれども、また、南になって恐縮だけれども、紀勢地区はどうするのという問題について、なかなか出てこないんですね。ここはご案内のように原発問題があって、それが一応の区切りがでてきた後、この地域をどうしていくんだということについての相当の調査とそして方針ができて、そして分厚い報告書が出てきて、これからさまざまな角度で紀勢地域の活性化に取り組んでいくと、こういうようなことが県政課題として大きく取り上げられたところですよね。今日まで相当の年数もたってきた。どこまでどういうように取り組んできたのか、そして今後はどうするのか、こういうことのきちんとした報告なり方針が最近聞こえてこない。
改めて地域づくり地域づくりということが言われるし、そしてこの間は南三重の観光振興を中心としたいろいろ取組というのもあったけれども、それは東紀州を中心とした観光振興というところに重点があるように思う、それはそれでいいですよ。しかし、そういうものも含めながら、あるいは地元学も取り組んではると聞いておるけれども、このいろんな県政課題を踏まえてきた紀勢地域、時にはミルキーというようなところで縛ったこともあるけれども、このミルキーの計画もやっぱり一応終わって、しかし次どうするのやというところが、なかなか見えてこないわけでしょう。この紀勢の問題について、どういうように認識してどうしようと考えてみえるんですか、ちょっとそれぞれ関係部長にお聞きします。
○山口理事 ご指摘の点は、確かに最近の県政の中でも私の認識でも一定の地域としてのとらえ方、過疎地域とかそういう地域地域の課題の法律のもとでの取組の方にちょっと今シフトしているという認識でございますので、今まさに大きな県政の課題の中で指摘されてきたような内容について、今後の方向というのは、現時点では、それぞれの地域課題を十分に伺いながら対応していくということで考えております。
○西場委員 原子力問題が終結した後の報告書、方針というものの資料がありますが、それはきちっと理解してもらっていますか。
○山口理事 恐れ入ります。まだそこは十分には。
○西場委員 私も人に言うほどの努力はしておりませんけれども、そのところについて、今一度その当時作ったこの報告書におけるこれからの地域づくりの課題がどのように取り組まれて、そして現在どういう現状にあるのかということは、今でなくてよろしいから後程報告していただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○山口理事 はい、報告します。
○西場委員 もう1点、宮川の話が続いちゃったんですが、この機会に最初の発言であって、あと中村委員や藤田委員がつながれましたので、少し改めてルネッサンスのことについて申し上げておきたいと思いますけれども、それは1次、2次、3次といろいろ変わってきましたから、いろいろ意識も変わってくるのもやむを得ないけれども、藤田委員も言われましたようにやっぱり原点を大事にしないと。そこは初心というか原点を大事にしていただくということを改めてここでお願いしたいと思うのは、やはり平成9年頃でしたですか、ルネッサンス事業ができるときは宮川という特異な河川システムについての問題、つまり大杉谷という屋久島に次ぐ大きな降雨量を抱える自然に降った豊かな水資源が発電に寄与されるという目的だけで、その河川に流れずに、他の流域に人工的に放出されるというこの河川システムの問題なんですよ。それが一定の割合であったらいいんだけれども、その中のほぼ100%を熊野灘に放出すると。放出された三浦湾に対しても補償までして出しておるという中で、約半世紀たって本流の水不足をどうするのという問題が出てきたときに、既にもう決定してしまった水利権というのは、人の財布に手を突っ込むようなことはあからさまにできないということでその難しさがあって、このことは単に土木部だけ企業庁だけあるいは農林水産商工部だけという個別ではいかんと。だから縦割りのそういう中での要望、回答だけではらちがいかないということで、その当時の知事が英断を下して総合政策としてこれを取り組んで、この宮川の最大の流域文化の問題について解決を図るということでルネッサンス事業がスタートしたんです。
その後いろいろ流域案内人や流域の文化を振興するとか、それからエコミュージアムをもっと高めていくとか、そういうことは後々の努力の中で物すごく進展してきたけれども、最初のルネッサンス事業を作った意義というのはそこにあって、それが軽んじられるようなことがあってはならない。であれば、ルネッサンス事業ではなくなるんですから。そしてルネッサンスがそのところで部会を作って、2トンという10年間の中で最も水の流れが少ない水量を想定して、この2トンを回復しなさいということをルネッサンス事業が結論を出した。にも関わらず、その内容を大きく取り上げずに、大きくその問題について取組がなされているとは思えない。ですから、このルネッサンス事業を今後どうしていくのかということは大変重要だし、もう一遍ルネッサンスが一定の結論として出した宮川の流量の最低の2トンの確保をどうするのか。粟生頭首工で5トンをどうするのかということについて、ルネッサンス事業としてしっかりと取り組まないと、今まで10年間かけてきたいろんな人の努力が本当に軽んじられたような格好で、今ルネッサンス事業がどこに行くかわからないというようなことでありますから、この点についての認識はしっかりやってもらって、その決意を施してもらいたいがどうですか。もう待てないから今回答してください、このことについて。
○山口理事 西場委員のご指摘の流量回復の目標設定がされたということ、2トン、5トン、そういういろいろな10年の取組の中で、流量回復が一番の取組の課題ということでは認識していますので、このルネッサンス事業をどう今後つなげていくかというのは、そういう大きな原点の目標とかそういうのを踏まえた中で整理されていくというように思いますので、私どもそういう認識でおりますので、引き継いでそういう目標をどう掲げていくのかということも含めて、地域の市町とともに議論させていただきたいと思います。
○西場委員 確認しますけれども、掲げた目標の達成に向けて市町とともに県も努力していくと、こういうことでいいですね。
○山口理事 この3次の実施計画では0.5トン、3トンの方で掲げています。その水部会からの目標のときには長期的な取組ということで聞いておりますけれども、2トン、5トンということですので、その目標をどう位置づけるかというのは当然議論として出てくると思いますので、そういう認識でおります。
○西場委員 最後にもう一遍。
○山口理事 2トン、5トンという目標もどう取り扱うのかというのは、当然原点の議論になると思っております。
○西場委員 原点の議論になるということは、それを目標にするということですね。
○山口理事 それも含めた議論になるということです。
○西場委員 どこで議論するんですか。
○山口理事 それは宮川流域ルネッサンス事業協議会の中で今後の目標を議論いただくときに、原点の2トン、5トンという水部会の報告も受けた中での当然の議論だと思っています。
○西場委員 ルネッサンス事業の中で、まだ2トンという目標は設定されていないんですか。
○山口理事 水部会の方から2トン、5トンという報告を受けて、その中で取組としては今3次で掲げておりますのは0.5トン、3トンだと認識しています。ですから、水部会の報告では2トン、5トンというのも報告を受けておりますので、それが長期的な取組の目標だという認識はしております。
○西場委員 水部会で2トンを決めたのに、それを認めないというのはどこが認めないの。
○山口理事 ルネッサンス委員会の水部会から報告を受けたということで伺って、そのときは2トン、5トンということで。
○西場委員 ルネッサンス委員会が受けたのはもう何年前ですか。
○坂野部長 ルネッサンス委員会が2トン、5トンということで掲げられたということについて、県全体として整理をしていく必要があるということで、県も入った上で当面その目標に対して目指すべきものということで0.5トン、3トンということで、ぎりぎりのところを目指していこうということでなっていると考えております。2トン、5トンについては、ルネッサンス委員会はルネッサンス委員会で考えられるところもあるかもわかりませんが、県は県としてまた考えた上で、流域の行政体としての市町のお考えもあると思いますし、そのあたりが全体として今後議論をした上で決まっていくべきものだと思っておりますので、このルネッサンス委員会はルネッサンス委員会で私どもきちっと議論を見極めていく必要もありますし、県は県としてもまた判断をしていくべきところがあるかと思います。
○西場委員 ルネッサンスというのは県が作ったんですよ、ルネッサンス事業を。そして今後推進していくためにいろんな組織を作ってきたんですよ。そして県が委ねてこれをどうするんやということでずっと作業が続いてきたんです。そして、下から積み上がってきた数字、結果がそこへ来ているわけですよ。それを確かに2トンというのを、一気にゼロから2トンにするのは大変だというんで、まずは国から示された0.37トンをこれは義務的にやらざるを得ない。そんな一滴も水を流さないということの不自然なことについて許されないことですから、最低こんだけしなさいよというのは0.37トン。しかし2トンがいいのか5トンがいいのか10トンがいいのかわかりませんけれども、その中でやっぱりルネッサンスの厳しい中でこれだけはというところでつかんできたのが2トンでしょう。その中で当面努力してやれるのが0.5トンだということでそれを達成した。それは努力の一つではあるけれども、それでもってすべて終わりだなんていうことは、ルネッサンス事業の結果をいかにも軽んじておるやないですか。
○坂野部長 それで終わりということを申し上げたのではなくて、当面目指すべきぎりぎりの目標ということで0.5トン、3トンというのがあるということで、今そこにあるということでございます。
○西場委員 そのとおりやと思う。ですから、当面0.5トン、これはほぼ達成してもらったですよね。ですから、今度次の長期目標について2トンをどうするかという段階ですね。ですから、ルネッサンス事業をこれから2トンに向けてどうするんだということで継続してやっていくべきだと思いますが、どうですか。
○坂野部長 その点については、この間から藤田委員も西場委員もおっしゃっていただいたように、県もそういう検討ができるような体制をしっかり持って検討を進めていきたいと思っています。
○西場委員 2トンに向けて、その達成に向けて県が取り組むという方針を示されましたので、この点についてはもうこれで結構です。よろしくお願いします。
○舘委員長 ほかにいかがですか。
○坂野部長 検討させていただくということで、それに向けて進むということを今決めているわけではございませんので。
○西場委員 それルネッサンス事業をどうするんかという問題とセットになっているということだけは肝に銘じてくださいよ。
○坂野部長 そのことはそのように考えております。
○舘委員長 まだまだ続くようでございますので、昼食のため休憩といたします。
(休 憩)
○舘委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
その他にご意見がございましたら。ないようでしたらすみません、私ちょっとだけ。
まず512の、県境を超えた交流・連携の推進のところでありますけれども、今回主指標が四つになっていますよね、目標より上回っている。これは何やったのかというと、三重県が提案したのがそのうち一つになって何だということと、2008年度には六つにしたいと、こんな目標的なことも書かれて、2010年には12になるということですが、こと細かくには聞きませんので、もしあればその資料をいただければそれで結構でございます。というのが一つです。どうぞ、一つずついきます。
○竹内総括室長 午前中の資料なんですけども、恐縮ですけども、24ページ、25ページのところをご覧いただけますでしょうか。目標値として3設定いたしまして結果4だったんですけども、25ページの上から4行目、伊勢湾再生に関するNPO法人の活動調査、分析ということで、これは三重県から提案して調査したというのが1点。
その次の段落になりますけども、紀伊半島知事会議、これではスタンプラリー等を通じた宿泊客、リピーター等の増進、それから東海3県1市では伊勢湾台風50年事業、それから関西広域機構では、官民協働による少子化対策推進、こういうのが提案されて共同事業として取り組んでございます。
それから、目標値につきましては、昨年度3ということで、過去の実績を踏まえて毎年三つずつ新しい共同事業というのをやりたいということで、数値目標を設定しておるものでございます。
○舘委員長 次に、ITの関係でありますけども、これも以前の委員会から引き続いてきて、2月19日、第1回定例会の開会日に前委員長の方から報告があって、IT推進本部等々が設置をされましたよ、それで当局に対しては六つの要望があったと思います。そして、これも今回委員の皆さんにも配付をさせていただいたんですけれども、2月7日に参考人を招致しての勉強会が開催をなされた、これも見せていただいたんだけど、中身を見ると本当に難しいというか、いろいろな見方があったりして、このITの導入については一概的に1社だけなら極端な話、悪いということではないんだよということも含めながらいろいろな形があって、その委員長報告の最後に、議会に対してもそうですけれども、事が事ですので、見えるものがないからできるだけよりわかりやすい説明、報告をということやと思います。
今回2008年の取組、またこれまでの評価の中でもいろいろなことを書いていただいてあって、課題となることは記載がなされていると思うんですけれども、これだけでは不明な部分が多いということもあって、これに代わるといったらおかしいですけれども、いろいろな状況等々がもう少し把握できるようなそんな資料なんていうのはいただけないかなと、このように思うんですが、いかがでしょうか。
○山川総括室長 どうもありがとうございます。ITの調達につきましては議会の方からもわかりにくいということでご指摘をいただきまして、前回5月29日のときも委員長の方からご指摘をいただいた6項目について取組、方向的なものをご説明させていただきました。そして、今回もITの現状についてということで、またご報告をさせていただくこととしております。事あるごとにわかりにくいと言われないように、ご説明なり資料を提供していきたいというふうに考えております。
○舘委員長 そのようにお願いをしたいと思います。殊に議会だけなのかというふうなことになれば県民ですよねという形になっていますけれども、それまでもわかるような形のものをお願いしたいと思います。
それで、三つ目、これだけにしますけれども、地域づくりの話で午前中もいろいろ議論があったところであります。議論をなされたところであったり、また部長の発言等々もいただいたわけでありますけれども、やはり県もこの多様な一人の中に入ってということもそうですし、市町もいろいろな思いもありますし、当然県民の皆さんを含めての思いもあるわけであります。今回条例を作らせていただいたというか、制定がされたわけでありまして、これから仕組みづくりというのが出てくるんだと思いますので、それを待って、またいろいろな議論が深まっていくんだなと思いがしておりますので、先程の質疑、議論をその中へ入れていただくような形の中で、実のあるものにしていただきたいというのが一つと。それはもう要望でいいです。
そして、いろいろな施策を見せていただくと、北の者から言うといったらおかしいですけれども、南が主で北は従なんかなという思いがするわけですよね。北は経済的にというふうに言われますけれども、相当南の方は地域づくりをやったり、それが心の通うようなものであったりというふうな見方がされるんやと思います。南北格差と言われていますけれども、特に所得の格差は大分広いんですよと言われますが、北は北でそれは経済的な、企業的な所得がいろいろあって大分多いんだと言われるけれど、その金額で割り戻していけばそれは当然多い。その所得の指標がどこでどうなるかというのもありますけれども、実際の話、北の人はそれだったら裕福なのかといったら全然そんなことはありません。今知事やら皆さん、国の方の指標もあって、しっかり元気なんやと言われるけど、それを実感できないのも北の方の人が実感をしておりますし、当然地域づくり、まちづくりについてもそんな思いがしております。どうも北の方については、ちょっと置いていかれているのかなと、こんな思いもせんわけではありません。そういうふうな形の中でも北にも観光もありますし、当然中小零細企業の皆さんもおられるわけですので、いろいろな施策についてそういう面も忘れないでほしいなということと、北というと、前回の委員会の中でもそうでしたけれども、あがってくるのは四日市港と木曽岬の問題かなと。今回も37ページの2008年の取組方向の中で、木曽岬干拓地のことが書かれておって、引き続き今の事業を継続して円滑に進めていきたいと、このような記載がありますので、当然それはお願いをしたいなという思いがあります。そして、この中で“地方拠点都市等の地域についても引き続き市町と連携して企業誘致に取り組み、土地利用を促進します。”、企業誘致ということもここに出てきておりまして、地方拠点都市等の地域についてもと、これはどういうことを指しておられるのか、ちょっとご説明をいただきたいと思います。
○小林総括室長 この特定地域、この場合は言っていますのは中勢北部サイエンスシティでありますとか、それから上野新都市、それから鈴鹿山麓リサーチパーク、それから桑名ビジネスリサーチパーク、それと木曽岬干拓地ということであげておりますので、木曽岬干拓地は企業誘致がまだそこまでいっていませんけれども、ほかのところは大体企業誘致という土地の利活用ということであげさせていただいておるということでございます。
○舘委員長 それについても具体的なものが見えてこないという部分があるんですよね。例えばもう ICETTの部分がなくなっていった、それでいろいろな形のものになってきているとか、いろいろな形のものがあって、北勢の方の企業誘致が本当に進んでいるのは進んでいるけれども、本当に根本的にどうなん、今まで言われておった構想がそのまま本当に、というのは、やはりそれにかぶせていくんでしょうけれども、そこらへんが見えにくいところがありますんで、またこういうふうな書き方一つにしても、ぼこっと丸めて書かれるのがやはり北勢なのかなと、こんな思いがしますので、その点、心して取り組んでいただきたいと、要望にさせていただきます。
ほかはよろしいか。
〔「なし」の声あり〕
○舘委員長 これまでに頂戴をいたしましたご意見の取りまとめにつきましては、後ほど委員協議でご議論いただきたいと存知じます。
また執行部におかれましては、本委員会で取りまとめた意見への回答を後刻ご報告願いします。
●「美(
うま) し国おこし・三重」三重県基本計画中間案(素案)について①当局から説明(藤本理事)
②質疑
○舘委員長 今年度この当委員会に「美し国おこし・三重」を重点調査項目に上げてもおります。委員の皆さんからご意見ございましたら、どうぞご発言ください。
○杉本委員 基本計画策定調査業務をコンサル会社に委託されたということでしたので、どのような会社で、そこに決定した経過などもお聞かせいただければと思います。
○藤本理事 まず、調査業務を委託いたしましたコンサルタントでございますけれども、東京にございますランダアソシエイツ(Landa Associates)というコンサルタントでございます。そこに委託する経緯でございますけれども、この計画は短期間にまとめなきゃならない、しかも先程申しましたようにボトムアップ型の、地域の皆さん方と一緒になって話をしながらまとめていかなきゃならないということから、それ相応のやはりこういうものにたけたノウハウを持っている方がいいだろうと、あるいはそういう会社がいいだろうということで、全国からいろいろと選定をさせていただきまして、過去にそういう経験があり、かつ地域に入ってそういうまとめをしてこられた方という形で選定をさせていただきました。その結果、先程申しましたランダアソシエイツという会社になりまして、そこの代表が宮本倫明と申しますけれども、その方は具体的には愛媛県の南予の方で観光振興の形で、今回行うような同じような手順でイベントをやってこられた方でございますし、また福島等の博覧会のプロデューサーもされております。また愛媛の活動につきましては、全国的な賞も受賞されておりまして、その道ではすぐれた方という評価の高い方でございます。
○杉本委員 ありがとうございます。
続いて、ちょっとすみません。もう一つ質問がありまして、基本計画の30ページのところの中間支援組織のことなんですけれども、最終的にはここの中間支援組織が、私はそれぞれのネットワークの拠点となっていくというか、そういうことがすごい大事だろうと思っているんです。そうしたときに今グループ育成ということについては、講師派遣であったりとか専門家の派遣だとかいろんな手だてを考えていらっしゃるんですが、この中間支援組織をどう作っていくかというあたりのところが、まだ今のところこの案では私は見えにくいんです。例には幾つか挙げてもらってあるんですが、中間支援組織というよりは、今の段階では一つのグループというふうな見え方が私はするんですね。というか、ここが本当に「美し国おこし」の趣旨といいますか、そのことをどれだけ理解をして、そういう働きができていくかという、そういうふうに考えたときに中間支援組織をどう育成していくかというか、そこのところがすごく大事だと思っています。そのあたりについて、ちょっとここでは読み取れない部分もありますので、今お考えのところをお聞かせください。
○藤本理事 ご指摘のとおりでございまして、中間支援組織は、私は大変大事やと思っております。この計画書でいきますと、11ページの下に先程申し上げました、ちょうど委託をしておりますランダアソシエイツの宮本氏が取り組んだ例でございますが、愛媛県大洲市でこういう地域密着型の旅行代理店、これがまさに今回目指す一つの形の中間支援組織になると思います。地域でいろいろそれぞれのグループが地域づくりで誘客に取り組んでいらっしゃっても、その連携がなかなかできていかない、あるいは誘客して着地型の、そういうネットワークしたような客の動きができない、そのためにこういう旅行の旅行業法上の許可を持つ団体を作っているわけでございます。旅行につきましては、観光につきましては、こういう形が一つ考えられるのかなと。
同様のことがいろいろな販売関係のものでも一つあるのかなと。例えば愛媛の例でいきますと、内子にからりという道の駅がございますけれども、そういったところの取組についても、一つの団体が担っておりまして、こういうものも一つの中間支援組織になるのかなと。あるいは既存の例でいきますと、JAとかあるいは商工会議所も含め、こういう組織も中間支援組織として私どもは入っているというふうに考えております。また、午前中の話の中にもありました東紀州まちづくり公社、こういったものも行政の力を借りていますけれども、一つの中間支援組織ということかなと思っております。ですから、独立できる中間支援組織もあると思います、ビジネスとしてですね。あるいはそこまでに至らないものもあるかもしれませんが、ケース・バイ・ケース、取組によって、そういったものの形成を促していきたいなというふうに考えています。
○杉本委員 ありがとうございます。
独立したビジネスとしてやっていけるような中間支援組織とかそういうのも目指していらっしゃると思うんですが、最終的にはそれが地域づくりというところに、例えば過疎の問題であったりとか高齢者の問題であったりとか、そういうところまできちんと視野に入れた地域づくりの中間支援組織になるかどうかというところが、私はすごく大事だろうというふうに思っております。そういった意味で、三重県全体の持続可能な地域づくりという視点を常に県の方が持っていただいて、いろんなところ、特にそこの中間支援組織のところについては、その形成の状況というのを見ていただきたいなというのが一つあります。
それから、もう一つ、既存のものからスタートすると思うんですけれども、このコンサル会社がついていらっしゃるので、今までにはない視点、新たな視点もお持ちだろうとは思います。私はこの前、女性参画のことを申し上げましたけれども、若者の参画であったりとか、本当にひょっとしたら高齢者の視点であったりとか、外国人のあたりの視点は入っていらっしゃるのかもしれないですけれども、今までの三重にはない視点をぜひ入れていただくということも、どこかの段階でそれは誰がするのかというのが非常にどうかなと、私は誰がしていただくんだろうかというふうに思っているんですけれども、ぜひそういったことで今までなかった視点、資源を発掘していただくようなこともお願いしたいと思います。
以上です。
○藤本理事 ご意見の趣旨を十分に踏まえて進めさせていただきたいと思っております。
それと、私ども今お願いしているプロデューサーの方は、全国的な事例とかあるいは我々にない発想をお持ちでございますので、先程申しましたように、まず座談会という形で地域の中に入らせていただき、意見を交換する中でいろんなアドバイスができたらいいなというふうに思っています。当然我々県の職員も一緒になって入っていきたいというふうに考えています。
○藤田委員 見せていただいたら、いわゆるソーシャルビジネスみたいなイメージですよ。地域の課題をプロフィットでやっていこうと。いわゆる社会性、公共性、そういうところをプロフィットで問題解決しながらやっていこうということに、イメージにとれるんですよ。これらはいろんな国の施策であるとか、あるいは我々商工会議所とか商工会とか、ああいう人材バンクがあったり、全国で3,000人ぐらいの都会の医者や学識経験者のそういうものをマッチングするとか、そういう大きなメニューが今流れておるんですよね。まさにこの流れはそういう流れだと私は思います。財源的に公共的な財政出動でこの地域社会がうまくまわっていくというような時代じゃないんで、そうなると意外とこれ、今国の中のそういうマッチングしていくとか、人材のそういうメニューが今あります。商工会や商工会議所や今そういう地域づくりの拠点のあれが全国に300ぐらいできましたよね。ああいうものがシステムとしてできてきておるんですよね。それらとどう連携していくんですか。
○藤本理事 今の組織も含め、たくさん国あるいは団体の方で、直接今地域づくりに関わっている方々に支援のメニューはございます。我々も今それを全部調べているところなんですが、既存のそういう事業につきましては、当然活用させていただきたいと、一緒になってやっていきたいというふうに考えています。ですから、例えば商工会の関係であれば、私ども実行委員会の委員さんとして入っていただいておりますので、そのへんも連携をしながら、十分そういうメニューは活用させていただきたいと思います。ただ、今回の我々の進め方は、まず地域に入っていろいろお話を聞くと。その中でどういう解決が図れるかという、その解決策のメニューで既存のものがあれば活用させていただくという形になりますので、まずお聞きさせていただくというのが基本になります。そのうち、そういうメニューを直接、例えば国から導入した方がいいんであれば活用させていただきたいというふうに考えています。
○藤田委員 例えば地域に入って座談会をしていくんですよね。もっと具体的に藤本さんが入られてやるんですか。それとかそういう何人ぐらいで県の人間はそれに参加するんですか、イメージで。
○藤本理事 県の人間も入りますけれども、基本的には、そういうアイデア等々を持っているプロデューサーを中心に入っていきたいなと思っています。ですから、今調査段階ではお一方頼んでいますけれども、それをどれだけ増やせるか。あるいはプロデューサーだけで足らないなら、そういう方々の要請をしながら、やっぱり取り組んでいきたいなというふうに考えております。ですから、具体的に今何名とは申し上げられませんけれども、地域ごとにはそれに携わるような専門的な知識を持っている方を投入はしていきたいなというところでは検討しているところです。
○藤田委員 当然そういうやり方は今でもどこでもやっておるんですけど、もっと根本的に、昔私も議会で質問したことがあるんですけど、ああいう戦略的なパートナーシップ、イギリスでやっているような、ある意味では多様な主体が一堂に会す会議をして、そこで例えば地域の課題がありますよね。通勤ラッシュ時のときの交差点がちょっと子どもの通学で危ないよと。そのときには旗を振るPTAの人とか、あるいはそのへんは道が狭いからダンプカー協会に声をかけてきていただくとか、そういうテーマごとにいろんな人が寄っていただいて、そこでいろいろ議論をしていただいて、そこには一人ちゃんとリーダーシップを持つ議長がいて、司会がダンプカーの協会の人には、例えばですよ、9時頃まではちょっと規制をかけてください、あるいはPTAの人たちにはそういう旗を持って安全を確保してくださいと。いろんな人が寄って一つのものを解決していく。そういう中に交差点のハードの問題があって、これはやっぱり行政が交差点の改良をせないかんとか、そういうことじゃないと本質論というのが解決していかないんですよ。
そういうような仕組みがあって、それを行政が受けて、そしてこれにはこれだけの交差点を改良するにはこれだけのお金がかかります。こういう調整事するには、こういう行政が呼びかけをして集まっていただきますと。こういう仕組みがあってこの物事を解決していくというのは、非常に合理的やと思うんです。そこには人づくりやあるいは人材づくりや、あるいはもうリタイアされて法律の専門家であったりとか、また行政のOBでそういうことに参加する人とか、そういうようなもっとちゃんとした組み立てがあって、自らそういうことを考えて、プロに頼むのもいいですけど、そんなに幾つもそういうプロを頼んでお金を渡してやることはできないと思うんですよ。やっぱりそういう組み立てがちゃんとあってこういうことをしていくのなら、何らか前へ進んでいくと思うんです。
ちょっとこれを見ると、座談会してそこへ意見が出ていたところへ専門家とこうやるけど、僕はもう少し例えばLLPみたいないわゆる有限責任事業組合みたいな、いわゆるこれをコミュニティビジネスでもソーシャルビジネスでもいいですよ。地域の課題はいっぱいありますよ。
例えばこの前、九州に行ってきました。ちょっと長くなります、聞いてください。大型店が近くにできて、その中心の昔の商店街が疲弊したと。しかしお年寄りの方、高齢者の方々が歩いて買い物に行きにくいから、タクシーで行くとかバスで行くとか、あるいはそういう問題も起こってきとると。これが地域課題だと。それやったら異業種の人たちがそういう組合を作って、本業ガス屋さんや床屋さんやカメラ屋さんやそういう事業者がそういうものを立ち上げていくと、そのマーケットが例えば徒歩圏内マーケットといって、半径300メーターで150世帯あったら商売として成り立っていくと、そういうことなんですよね。
そうなると、地域の課題をやるときにやっぱりプロフィットで、いわゆるソーシャルビジネスやコミュニティビジネスという概念が非常になぜ今本来ある株式会社、いわゆるグローバル経済で戦っている株式会社もあれば今の実際の株式会社もあるとか、そういういろんな中から、なぜ今ソーシャルビジネスとかコミュニティビジネスというものが必要なんだというようなところがしっかり理解されて、そういう枠組みが政策やと思うんですよ。
何か美し国のイベントとかいいますけど、ちょっと私はまだまだそのへんのところがわかりづらい。例えばイベントというんでも、グリーンツーリズムとありますね。マリーンツーリズムはあるかわからん。確かに山へ海へ観光に来てもらう政策がありますよ。今からそういうのをやったら、それが中山間地域のすべての所得にはならない。しかしそういうことをやることによって成功事例が出てきて、地域の交流人口が高まるとか、そういう大きな枠組みがあって、それならみんなグリーンツーリズム、すべての地域の交流人口が高まって所得が増えるというような錯覚じゃなくて、自らそういうことをやることによって5年、10年たったときには、それが大きな資源を活用した地域経済の貢献につながるとか、そういう大きな理念そういうものがちゃんとあって、美し国イベントというものが形づけられてくると、ある意味では新しいこれからの取組やと私は思います。
しかし、実際こういうことは、今あらゆる既存の組織や団体、結構取り組んでおるんですよ。そういうことを批判や指摘的な形やなくて、一遍そこを有効利用するようなことも考えて、そしてこういうことをしていかないかんと私は思いますけどね、どう思いますか。
○藤本理事 おっしゃるとおりだと思います。実はこれちょっとさっき説明不足だったと思うんですが、13ページを見ていただきますと一番上の図なんですが、座談会という大きな円があって、その上に小さな円が三つ程出ています。実はここがポイントでございまして、座談会を開いた後、先程委員ご指摘のようないろんなグループがまた自ら作り出す、そこへ持っていきたいわけなんです。そのグループが、例えば先程おっしゃったような交通関係の課題のグループかもしれません、いろんなのが出てくるだろうと。それぞれのグループが自らの取組をスムーズにあるいは効果的にしていただくために、何らかの支援をしていきたいというのが趣旨なんです。だから、その支援の内容は次のページにありますように、グループがぱっとできるような環境整備という形で、いろんな支援を取り組んでいきたい。ですから、自立できるようなグループ化を促していくというのがまず初めになると思います。そのきっかけとして座談会という形で入っていくものだというふうに我々は考えています。
それからもう一つ、プロフィットあるいはLLPの話がございましたけれども、もちろんねらうところの一つには、そういうコミュニティビジネスみたいなビジネス化して自立性を高めるというのもありますけれども、あらゆる取組がさっき言った交通の関係もそうですけども、すべてそういうプロフィットに結びつくかどうかというのは、これはいろいろ話してみないとわからないなと。だから、出口としては幾つもあるのかなと。例えば地域を花いっぱいにしたいという運動を継続させることが、実は我々の取り組む目標であって、こういうものはすぐビジネスに結びつくかどうかはわからない、そういったものもあるだろう。だから、いろんな活動形態のものをそれに応じた形で自立性を高めるような取組をしていきたいと思っています。
○藤田委員 ここが非常に今の時代大事なところなんですよ。地域のやっぱり商店街であるとか事業者であるとか学校長であるとか、地域に定住しておる人ですよね、そこへ生産、消費、雇用、そういうこととそして民間ですけど、もっと言いいかえれば、行政ができない多様なサービスを提供しておりますよ。それが、これからの人口減少社会あるいは今既に過疎化しているところとか、そういうところではどんどん市場経済、グローバル経済、モータリゼーション、そういう中で本当に疲弊しとるんですよね。今、三重県は産業政策というような柱で語られるんですけども、実際はコミュニティでそういうプロフィットというか営んでいる人は、地域の付加価値を高めているんですよ。私はすべてプロフィットでやれとは言いません。そこの存在というものをもう一遍改めて、もしその事業者やそういうのが市場経済や確かに便利さだけで、店が畳んでいたりシャッター街になったときに、これからの高齢社会やそういうところでは、さらに税金でそれも賄っていくというのはもう限界があるんですよ。
だから、そういうものを今のうちにちゃんと作り上げるということで、やっぱりそういうソーシャルビジネスであるとかコミュニティビジネスという概念が生まれてきたと思うんですよ。それはそれをすべていけというんじゃないんですけど、そういう必要性、大切さというものをちゃんとやったときに、今言うLLPなんかはまだまだ経済産業省のいわゆる中小企業の法律の一部です。全体のそういうところの法人格もありませんから、なかなかお金を借りる場合でも、ちょっとこれ違う話というふうにとらんといてくださいよ、今そういう法律が通ってきたというのは、そういう地域の人たちが本業をやりながら、まちづくりや花植え運動をしたり、あるいは草刈りしたり、田舎であれば自然を守ったり、そういうことをやっていくのは、地域に根差した商売をしている人や事業者なんですよ。そこで、それをプロフィットで地域課題にしていくというところは、非常に社会性の大きい、社会に貢献しながら住民の人たちに喜んでいただいて、そして対価をいただいていくという、そういうところへこれだけ財政が厳しい中で財政再建もしていかなあかん。それだったら経済というものを立て直さなきゃいかんでしょう。経済というものをこの時期には立て直さなきゃあかんというところをしっかり肝に銘じなきゃ私はいかんと。
そうなると、そういうものの柱というものをしっかり既存の団体も含めてちゃんと整理して、今国からダイレクトに県を通さんと、パススルーで政策が流れておる状況ですよ。そういうこともちゃんと認識してこういうものを組み立てないと、本当に一発想で座談会して地域の方の課題を聞いて、やれるところには若干モデルでお金をつけて、一過性で終わっていくと。そんなものになっては僕はいかんと思うんですよ。
ぜひそこらへんはもう一度ちゃんと組み立てていただいて、戦略的パートナーシップみたいなイメージでちゃんとやれるのか、あるいはそういう地域の事業者が町のにぎわいや歴史や文化やそういうものを守り育て、そして地域に住んだ人材、地域の資源を活力に変えている町の装置なんやと。そういう装置を元気にしていくためにこういうものをしていくという、そういうような明解なやっぱりメッセージ、だったら、みんなはそれやったら頑張ろうというような、そういうことになっていくと思うんです。ですから、そういう専門的な人はいっぱいおりますわ、全国に。そういうのをここはあてがえて、そこでそれをまとめ上げるというようなものでは、この社会は元気にならないと。極端に言えば、やることにはいいことやと思いますけれども、もっと大きな仕組みをはっきりわかるように出していただかないかんと思います。
どのぐらいお金を使うんですか、1年間に。
○藤本理事 まず、お金の前に、今おっしゃったことを十分踏まえてこれから進めさせていただきたいと思います。特に既に今おっしゃったような形で取り組んでいるような例があれば、私どももちろんこれからも、そういう例を座談会を通したりして調べていくわけですが、そのモデルとして、まさにみんなに目指していっていただくような仕掛けをしていきたいなというふうには思っています。
それから、事業費についてですけれども、現在まだ検討中でございまして、この場で公表できる段階でございませんで、申し訳ないんですが、また改めてお話をさせていただきたいと思います。
○藤田委員 事業費はこれからやと思いますけど、イメージとして例えばそのグループに財政的な支援をやっていくというようなことを今述べられたから、どのぐらいのお金を、例えばコミュニティ応援ファンドなんかは200万円というお金で事業しなさいということでしょう。グループの場合はどのぐらいのイメージを持っておるんですか。
○藤本理事 現在三重県のグループ支援でいくらというふうには決まっておりませんが、例えば先程プロデューサーに頼んでいる方の事前の例が、愛媛県の場合には、1グループに対して100万円を限度に支援をしているという例はございます。私どももそういった例を踏まえながら、グループ支援については考えていきたいなというふうには思っています。
それから、当然先程の話にもありましたけれども、イベントというのが何も従来型のイベントを全然私どもは考えておりませんで、例えばいろんな地域づくりの方々のやっている成果を一堂に披露する場を作る、これも一つのイベントだというふうに考えていますので、そういうイベントをやる費用もこれから考えていかなきゃならんなというふうに思っています。
○藤田委員 1グループ100万円とかお金の問題じゃなくて、むしろ知恵を出していくとかそういうきずなを大切にしていくとか、やっぱりコミュニティを再生していくとかそういうところが基本的な方向づけになってくると思います。しかし、今100万円と聞いたけど、今のコミュニティビジネスの応援ファンドでも50億円の果実で金利が2%でも1億円ですよ。50組10年間やっていこうということですよね。基本的には県が財政的にそういうお金を出して、そういうことは限界が私はあると思うんですよ。だから先程言ったような戦略的パートナーシップみたいな、本当に表面的なところの問題やなくて、立体の中にあるいろんなボトルネックやいろんなところを解決していくというような、そういうふうなところへ踏み出すようなことをしていかないと、いつまでたっても本来のボトルネックは解消されずに、全然県民の利益にならないと。
一例を申し上げますと、車で考えたら簡単ですやんか。2車線と1車線があって、2車線になっても、どれだけ2車線のところへウエートを置いていても、1車線のところを2車線にせんだら2車線の車は流れないと。そういうところを本当に何とか解決するようなところへ注ぐ、それが美し国・三重のイベントとして結果、こういう成果があったというんで披露されるならいいんですけど、どうも今までやっておるようなところをとってつけて、それを何かイベントとしてやっていくというようなことは、僕は無駄になるような気がするんですけど、それに対して意見だけ言っておきます。
○藤本理事 おっしゃるとおりでございまして、私どもは財政的支援よりも、支援のメニューにありましたように人的支援とか、いわゆる自立力を高めるための別の支援の方を、むしろこれを強く出していきたいなというふうに思っています。財政的支援も先程申しましたけど、1回限り、要は立ち上げで例えば何かするのに何かこういうものがないとあかんと、それがあることが自立、持続性を高めるものであれば財政的支援というのを考えたいと思っていますので、財政的支援を目標にしているわけではございません。
○藤田委員 そこらは、私も今形がまだまだこういう状況では、それに対してうんと言うことはできません。できませんけれども、この物事が一過性というところがいかんのですよ、一過性ということになるのが。それがやはり種をまいてどう育っていくか、そこでずっとそれを見守っていく、あるいはそういう見守るようなメンター機能、同時にこういうものをプロデューサーや専門家に任せるんじゃなくて、住民が育って、その地域のコミュニティが豊かになって、これからの社会に対してさまざまなことができる。しかし、ふだん一生懸命働いておる人らにはそういうことできないと。だから、行政がこういう政策があるやないかというんじゃなくて、それは各種の既存の組織や団体や今までの、ひいてはNPOも含め自治区も含め、そういうものをちゃんと網羅して、それをちゃんとメンター的な機能を果たすのが県の役割なんですよ。そういうものを導いていく、見守っていく、そういう心がなければ、こういうものは本当に一過性のものになってしまって全体的な最適につながらないと、私は思うんです。どうですか。
○藤本理事 おっしゃることすごくもっともだと思っております。まさに財政的支援というのは、逆に言うと一過性になってしまう可能性も下手するとありますので、我々は自立、持続の方を重視する取組ですので、そちらの方をしっかりと支援させていただきたい。6年間の取組ですので、6年間じっくりそういうグループを育てるのを見ながら取り組んでいきたいというふうに思っています。
○藤田委員 これぐらいにさせていただきます。
○舘委員長 他にいかがですか。
○津村委員 1点だけ確認させていただきたいんですけど、11ページに地域密着型旅行代理店について参考事例として書かれているんですが、この旅行代理店、いわゆる業務に関しましては、東紀州においてはここ数年特に問題となっているというよりも、今後の課題として大きなものとして位置づけられてきたわけなんですが、今後県としましては、いわゆる県が主体となってその旅行業務について進めていくんではなくて、あくまでも美し国・三重の事業を通じて地元の中間支援組織を育てるというか、促していくような形をとっていくのかどうか、そのあたりを確認したいと思いますので、よろしくお願いします。
○藤本理事 まさにそのとおりでございまして、県が直接こういう組織に入って育てていくというのは全く考えておりません。むしろ全く民間型で自立できるような組織化を促していくのが、我々県あるいは実行委員会の立場というふうに考えています。
○津村委員 わかりました。では、ここ数年確かに東紀州地域では非常に大きな課題の一つであったわけですから、このことについては、市も町もいわゆる観光まちづくり公社で現場の方々も、すごくこれは今後どうなるんだろうということで非常に心配であったり、会議したりいろいろしていますので、そういう方たちに対して、県としてはこういうスタンスで取り組んでいくんですよというような形の合意はできているのかどうかというあたりを。
○藤本理事 趣旨がちょっとわからないんですが、それは東紀州に関してということですか。
○津村委員 そうです。
○藤本理事 東紀州につきましては、対策局と私どもが連携をとっていろんな取組をしていきたいなと思っておりまして、主はやはり対策局にあろうかというふうに思っていますので、対策局長の方から。
○林局長 後程もご説明申し上げますけれども、東紀州は観光まちづくり公社というのを県と五つの市町の方で一緒に作らせていただいてやっております。その中で業務は観光振興というのが大きな柱となっていまして、今、津村委員がおっしゃったところが、一つの東紀州地域にとっての大きな課題になっています。それを一緒にやっていきましょうということで、公社を19年4月、昨年作らせていただいて2年目に入っております。
先程、藤本理事もお答えをしましたが、美し国おこし・三重の取組と、例えば各地域であるとか市町という単位であるとか東紀州という大きな単位、それぞれどんなふうに最終的な整理するというのは、これから議論をさせていただかないといけないと思っております。東紀州観光まちづくり公社については、地域の中で観光振興であるとか産業の個別の企業も含めて、そういうコーディネーター役をさせていただこうということで、先程も中間支援組織の機能を持っているということをいただいていますので、この場ではやはりそういったものをどうするかということで、今後も検討させていただくということでお答えにさせていただきたいと思います。今例えば公社をこうするんだと、美し国との対応でということで今結論があるわけでありませんので、今後検討させていただいて、特に一緒に作らせていただいています5市町とはご相談を申し上げて、その検討を進めていかないといけないと、このように思っていますので、よろしくお願いします。
○津村委員 すみません。この件につきましては、各関係団体の方々も非常に注目をしていますので、ぜひ合意形成を経ながら進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○藤本理事 先程中間支援組織に県は全く関わらないというふうな言い方をしてしまったというふうに舌足らずだなという今、反省をしておるんですが、地域の実情によっては、独立できる中間支援組織になるまでに何らかの行政的な関わりというのが必要な場合もあるというふうには思っています。目指すところは、我々が関わらずに独立していただきたいんですが、そのプロセスとして、例えば先程の東紀州まちづくり公社のような、こういうケースについては立ち上げについて行政が何らかの関わりをするということも、場合によっては出てくるケースもあろうかというふうには想定しています。
○舘委員長 他にいかがですか。
○中村委員 「美し国おこし・三重」という題なんですが、初めにというところからこの基本理念のところを読まさせてもらうと、今の時代が非常に経済優先になって、人間自らが自然破壊をして、最終的には人間同士の絆までばらばらになってしまったと。そういった中で、大昔からそれぞれの地域が持っているすばらしい自分らで育んできた財産というものをもう一遍見直して、それを三重県中で、磨き上がった魅力ある、結果的には三重県が美し国と言われるように、これが終わったときですね、そういう状態になっていると。三重県の魅力が全国に発信をされていくと。あわせて、先程から出ているように、そのことが結果的に地域の経済を潤すと。特に私なんかが期待をしておりますのは、やはり三重県の抱えております、委員長は意見が違うかわかりませんけど、やはり南北格差は非常に根強いものがあると。特に今そういった南の方ですね。そういったところももっともっと安定した地域に、経済的にも文化的にもいろんなものが安定した形になる、そういったもののねらいじゃないかなと思います。その中にそれは具体的に何をするのかということは、ここに挙げていただいてあるような何が出てくるかわからないということですね。
私も今まで一般質問で一体これは地域づくりなのか、観光なのか、何をねらっているのかわからないではないかということを再三言わさせていただいて、おぼろげ出てきたというふうに思っております。私自身は、そういった流れというのは、伊勢に住んでおりますので、こういった問題が発想として出てきたのは、やはり私は、式年遷宮と強いものがなければならん、20年に一度の式年遷宮は1300年続いておる、それは別に伊勢の町だけの話じゃないんで、そういった文化の大きな流れの中で波の一環がまた来たと。これをうまく活用して、今までの地域の反省としては、ずっと式年遷宮で上がってきて、みんなも心を一つにしてやってきたけれども、それが終わるとどっと下がっていく。その下がっていくのをやっぱり下がらないような、持続可能な地域づくりに結びつけていかなあかんと私は思っているんですよ。
そういった意味からちょっと気になるのは、中でどんな議論をされたかようわからないんですけれども、例えばこの資料、市町における意見というところで、5ページなんかに、例えば(その他)で伊勢中心のイメージが強い、むしろ熊野三山との関わりを生かすべきであると、こういう表現がありますね。こんな表現というのは、あまり載せるのはよくないと思うんですよ。こんな意見が出たから載せたんやということなのかどうなのかわかりませんけれども、どこやかをよくしていくというそういう発想にしていただかないといかんというふうに思いますし、こういう表現が出てくると、実は常任委員会に入る前ですか、全員協議会で発表する前に、伊勢の方から地域づくりに一生懸命やっている人から電話が入って、そのときも何か式年遷宮とか伊勢のずっと、今回始まったスタート自体がそういった流れに乗っていこうということであるにも関わらず、そういったところをなくしていくようなイメージに、一生懸命この波を活用して地域づくりしておる人から見るとそのように見えるわけですよ。
そのへんが非常に気になりますし、それから例えば来年は私自身も地域集会なんかで、「美し国おこし」というのは、こういうことでこうという今説明しているんですけれども、その中には最初いただいた資料で、例えば宇治橋渡り始め式があって、それが物すごいたくさんの方がお見えになります。現実に知事も今、平成6年以降非常に観光客なんかも伸びている表現をしておりますよね。あえてそういったことから避けて、いや違う、伊勢には関係ないんやと、神宮とかそんなものも関係ないやというような形に、一生懸命そういったものを抑えにかかるみたいな、地域で地域おこしをしている人たちから見るとそういうふうに見える。
そういうことを続けていくと、焦点が、はじめにとかそういう基本理念のところのそういったものが、ぼけてしまうんではないかという感じがしますので、その点だけ少し考え方を聞かせていただきたいと思います。
この意見のところで何でこんなことを載せたのかというのもちょっと。
○藤本理事 この意見を載せたというのは、別に他意は全くございません。それぞれいただいた意見を正直に載せているだけでございます。伊勢、確かにこういうご意見はあります。特に北部の方の方々についてはありますけれども、当然我々は伊勢を中心にやるわけではない、県全域でやるんだというふうには申し上げていますし、目指すところは先程委員おっしゃったように、私ども文化力を生かした自立、持続可能な地域づくりですので、それはまさに基本計画の期間のところにも書いてございますけれども、絆が失われている今こそやっていかなければならない。明日あさっての話じゃないかもしれませんけど、やっぱり今取り組んでいかないと、放っておいたら第二、第三の北海道のような地域が出てしまう。まさに今やっていかなきゃいかん。
もう一つは、まさに委員ご指摘のように、遷宮という機会に三重県は注目され、たくさんのお客さんがいらっしゃいます。そういう機会をとらえてやっぱり地域づくりの成果を披露していきたい、見ていただきたい。それを自立、持続につながっていくチャンスにしたいという意味もございます。したがって、せっかく来ていただくお客様にやっぱりもっと三重県の取組を見ていただきたい。それを全域に広げてまさに、美し国にしていきたい。結果は美し国だらけになるということがもう三重県の目指すところだと思います。
美し国というのは、もちろん日本書紀にある言葉ですが、ある先生に伺いましたら、ビューティフル・アンド・ワンダフルだというふうにおっしゃっていました。そのとおりかなと。地域をやっぱりビューティフルでワンダフルにしていくんだと。今もう既になっているところについては、よりそれを高めていくし、あるいはなりつつあるところについてはそれを開花させていく、あるいはまだ発見されていないところについては発見してそれを開花させていくと。こういう取組をこの中でやっていきたいなと。我々ある意味で言葉の誤解をおそれずに言うならば、これは地域づくりとその成果を披露する新しいイベントだというふうに思っています。我々は県あるいは実行委員会は地域づくり支援をしていくというスタンスで取り組んでいきたいというふうに思い始めています。
もう一つ、伊勢の方の地域づくりに見られる観光というのは大切なことだと思います。20年に一遍、まさにおっしゃったような形で増えていきますけども、私どもから見るとやはり遷宮は非常にいい機会ですけれども、遷宮だけにとらわれずに、先程申し上げたようにこれも誤解をおそれずに言うならば脱遷宮といいますか、超遷宮という形で、新しいやはりずっと自力アップできる誘客というものを作り出していくべきではないかなというふうに考えているところです。
○中村委員 まさにおっしゃるとおりで、今回こういった形での地域づくりをしていけば式年遷宮プラスアルファのそれをうまく活用した地域づくりにつながってくるというふうに私も思います。
先般、神宮の小宮司とお話をする機会があったんですけれども、彼らも伊勢神宮というのはこれ20年に一度ということで、ずっと式年遷宮をやっているけれど、もう数え切れない、祭ごとに使うさまざまな物、大昔は太刀からいろいろな飾り物ですね。そういったものを作っているけれども、品物の底には無数の人たちのいわゆる技術の継承とか文化といいますか、伝統とかいろいろなものがあって今これをやっているけれども、あるいは地域の人たちの信仰とかそんなんじゃないんです。地域の人たちのそういったところに対する思いみたいなものが崩れてくると、20年後本当にできるかなというそういった心配の声もありました。ただ、そういったものを支えていこうという、そういったまた地域づくりの層も現実にありますので、こういったものを進めていくに当たって、せっかくの機会に、それに全く頼る必要はないんですけれども、あえてそのことを無視していこうというような流れが見えてくると、例えば先程言いましたように宇治橋の渡り始めをどこかに書いてあったのに、これを書くとどこかから怒られるとか、そんなことで消してしまったりということになってまいりますと、一体何をやっておるのやという形になってまいります。見る人から見ると、今回のまとめたものは極めて何か変な形に動きつつあるという、そういう人もありますので、あえて言わさせていただいておきますので、その点またこれからご議論を一つよろしくお願いをしたいと思います。
○藤本理事 ご指摘の点を踏まえまして進めさせていただきたいと思いますし、そういった意見がないように、地域の皆さんあるいは市町の皆さんにご説明をこれからもしていきたいというふうに思っております。
○杉本委員 もう一度すみません。今の話も十分いきさつがあって、私は式年遷宮をうまく利用してというのも思うんですが、3ページの基本理念のところの黒枠の中ですけれども、これまでの全員協議会でもご意見がありましたけれども、神話や伝説に語り継がれるにふさわしいというこの文言については、今後検討していただく余地はないのかどうかというところをお聞かせいただきたいと思います。この間の今の質疑を聞いていても、やっぱり地域づくりというかそれぞれの地域づくり、そしてこのイベントを考える出発点にやっぱり伊勢があったということ、その伊勢の中で今の人と人との関わり、人と地域の関わり、人と自然の関わりをもう1回見詰め直してこれから未来、本当にどういう地域どんな生活、何が豊かで何が幸せかと、そこを見詰め直すきっかけにしていこうと、そのことも大変賛成ですが、そういう議論をすればするほど、この先程の基本理念の部分は乖離がしていくように思えてなりません。そのあたりのところのご検討を私はしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○藤本理事 3ページに書いてあります基本理念は、実は基本構想そのまま書き写したものでございまして、基本構想の段階で既にこれはでき上がっておりますので、基本構想を今から変更というのは難しいかなと、できないというふうに思っています。ただ、これは基本構想を踏まえた基本計画ですので、表現については基本計画をまとめる中でいろいろ考えていくことはできると思いますが、現段階ではこれを削除というふうなことは考えておりません。
○杉本委員 基本理念というか基本構想の段階では、ここまでの計画案が出ておりませんでした。議論もここまでのものにはなってきていないと思います。すればするほど、未来に向けての持続可能な地域づくりというところがそれぞれのところで高まってきていると思うんですね。それはやっぱり乖離していくというところが今後現象としてさらに起こってきて、何かの機会にぱっと基本理念はこれよと言われたときに、えって言うようなことにもなりかねませんので、先程言われた状況をお聞かせいただきましたので、何とかそういう乖離が起こらないような工夫といいますか、それぞれの地域での高まりがそのまま理念というか構想というか目指すところに来ますようにお願いしたいと思います。
○藤本理事 今日のご意見はご意見として伺わさせていただきたいというふうに思っております。
○杉本委員 わかりました。
○西場委員 人づくりとかグループづくりというものに力を入れていくということの具体的な内容については、地域づくりの中の重要な核になるということで、この方法についてよくわかりました。
これを広めるときに、じゃ何のために、どういう地域の姿を目指してこのグループづくりをやるのかというところがきちっと示されないと、わかりやすい言葉で言わないとなかなか全体に広まっていかないというか、結局人づくり、グループづくりにももう一つ力がつかんということですから、先程の理念の部分をもっとわかりやすくすぱっと言い切れないとあかんと思うんですよ。それが神話の美し国・三重を作るためにやるのか、何かというところのはっきりしたことを言わなくちゃいかんと思うんです。
それはここの3ページ、4ページに書かれていることなんだけど、これ全体を見てみると、一番真ん中頃に書いてある部分の言葉が、いわゆるグローバル化の時代の中にあって、経済性、効率性を求め過ぎた結果、現在があると。この見失ったものを取り戻すために、絆づくりをやるということが書いてあるわけですよ。ですから、今までの今日のずっと経済社会に対するアンチテーゼになっている。これを本気で美し国おこしの中でやる気に本当になっているの。みんなその自覚を持っているの。どうや、ここは。
○藤本理事 ここに書いてありますように、まさに今絆が失われていると。それはなぜか。やはりここにありますような経済優先の政策がずっとやられてきた結果ではないかと。そこの一つのおっしゃったようなアンチテーゼという形で私ども今進めているのは文化力です。文化力による政策転換というのは、そこにあるというふうに思っていまして。経済も大事です。さっきコミュニティビジネスの話も出ましたけれども、やはり行政にとっても収益がなければ行政が成り立ってきませんので、経済というのも大事ですけど、すべてがそれでいいのかという我々疑問を持っています。それを反対側に解すと、文化力による地域づくりをしていかなきゃならないんじゃないかと。だから目指すところは、文化力を生かした自立、持続可能な地域づくりという形で、具体的に目標を掲げさせていただいております。そこのもとに返るとこの理念にありますように、絆を紡ぎ上げて美し国・三重をつくるんだと。神話伝説云々というのはちょっと置いておきましても、絆を紡ぎ上げることによって、それは文化力を生かした地域づくりにつながっていくわけですけれども、それによって地域全体を美し国・三重にしていきたいと、こういう思いで進めています。みんなそういう思いで私どもは今取り組んでいるところです。これは文化力を進める政策の基本になっております。
○西場委員 文化力という言葉自体が非常にあいまいでわかりづらくて、これも県政が非常にもう一つ県民に注目されにくい一つの原因であると思うんですよね。じゃ、経済性、効率性を求めることを今本当にやめていいのかということに対して、そこまで割り切った考え方が県行政の中心的な考え方としてもしあるのなら、やっていくのなら、これは相当の覚悟でものをしゃべり、そして事業も転換していかなくちゃいけないわけで、もしそうするんであれば、今までの行政やまた政治・政策の枠組みもまた優先順位もみんな変えていかなくちゃあかんわけや。そういうことを言葉や理念では謳いながら、実際そういうのがないんだったら、誰もああそういうことをこういう紙切れの中に書いてパフォーマンスでやっているのかと、こういうそしりを免れなくなるから、本気でやるのならそういうふうにしなくちゃならん。だから、これからの理事のこの美し国の説明の中においても、持続可能な地域づくりなんてあいまいなことをせずに、経済性や効率性を目指さない地域づくりを目指しますと、こう言うんですよ。
さて、そういうことがこれからの地域経済の中で必死に戦っている人にどこまで響けるかなと、やれるかなと、これ相当の覚悟じゃないといかんよ。藤田委員も、もっと経済をしっかりしなくちゃいかんと、そういう思いもありますよ。ただ、経済だっていろんなやり方があります。だから経済の回転の仕方を、まわしていき方をどこに価値観を置くかということになってくるんだろうということもあり得るけれども、少なくとも今までやってきた、あるいは今の世界の流れの中で、日本の大方の経済社会の流れの中を三重県がそれに逆行するというか、それを否定するようなことをやろうとするなら、それなりの覚悟でこの美し国をやったらいいと。あるいはやるべきだと思う。そしてそれを議会にきちっと言って、それを理解していく中で県民運動としてこれを取り組むと。そういう中で何といいますか、古来の日本の伝統や自然崇拝やそういうものの原点に戻るような気持ちで、その一つのシンボルとしてご遷宮があり、日本の伝統文化のもう一度見直しがありというようなところへ入っていけばいいけれども。そんなことを私は思いますけど、どうですか。
○藤本理事 経済性を否定して私どもはこの取組をするわけではございません。言い方をするならば、私どもはバランスのとれた政策、地域づくり支援をしていきたいなと、経済力と文化力のバランスだというふうに思っています。当然先程申しましたけれども、経済も必要な部分がございます、当然のことながら。それはそれでやっぱり進めていかないだろう、それだけでいいのか。今までそればかりだったんじゃないかという反省でこれを取り組んでいますので。しかもこの中身というのは、まさに先程申しましたけれども、地域のこれまで経済性の中では見過ごされてきた資源をもう一度復活して磨いて、そして発信して地域づくりにつなげていく、こういう取組ですので、やはりバランスが重要かと思います。
○西場委員 そうであればそういうように書かないと。こういうときだけはもう今までのやってきた経済性、効率性はあきませんでしたと、これを否定しますと。これからは文化力の時代です、これからそうでない時代をつくりますと、よく言っとるけど、そこがバランス、私は現実的にそうだと思います。それは否定しないよ、あなたの考え方は。しかし、そういうものをいいときにだけ経済性を否定しておいて、またあるときにはその文化力のことをも忘れたように経済性、効率性のみの追求するような事業やその考え方が行き過ぎておるような場面もあったりして、県政そのものがなかなか一貫していないから、あなたの言う正直に両方ともバランスをとっていくということであればそういうようにして、その中の一環として、行き過ぎた経済、効率性のものをこちらに引き戻すために、我々は美し国運動をやるということなら、現実的にまあまあの運動だけれどもひとつやりますかということになるわなという意味で、そこはやはり一番中心になる部分だから、ずれないようにぶれないようにちゃんと言い切ることが大事だということを思いますよ。
○舘委員長 時間も1時間以上ちょっと経過してきてまだ項目があるんですが、本当にこの議論は重要だと思います。これから素案の段階ですし、これをもとにこれから進んでいくわけですし、私ども委員会の重点調査項目に挙げておりますから、もっと深いところの議論が必要だと思います。それでこの後、委員協議の中でも重点調査項目の美し国、これからどうするんだという議論の方向性もお決めをいただきたいなと思っておりまして、今日のところは一つ、二つ、三つぐらいでとりあえずという方向性でご協議いただくということで、委員の皆さんよろしいですか。
○藤田委員 今の大きなこのときしか言えないんで、私は経済性というのは大事だと思うんですよ。人間かすみを食って生きられないんで、しかしそういうグローバル経済、そういう中で行き過ぎた市場経済で、市場経済を取り入れても、これは地域社会の発展とかコミュニティの発展につながるような経済性というものは非常にいいというような方向に変えていかないかんと思うんですよ。
それで、ここの文化力とか文化とか歴史というと非常に大事なことですよ。そういうようなことを今からしっかり議論して、いわゆるディメンションというか次元を変えていく、それでそういう方程式を作る時代やというんで、ようわかります。なかなか明解な言葉は出ないと思います、やりながらしか。しかし一番忘れたらいかんのは、そもそもこの数年、大事なことは住民の参画なんですよ。地域の活性化なんですよ。それを二つ忘れるようなことであってはいかんということなんですよ。ややもすると、そういう原点のこれも大事な住民参画、参加じゃないんですよ。ちゃんとやっぱりみんなと一緒になってグランドデザインを作って、地域地域に。そういうふうな大きい背景を大事にしながらそういうものをやるとなると、やはり住民参画、必ず地域が今日より明日は元気になっておると、そういう思いがなかったらだめになっていくんじゃないかなと思います。
そもそも論として、いわゆるいろんなNPOさんやいろんな歴史が最近ありました。しかし、地域の社会的な役割としてそういうプロフィットでやっていくというのは、この今財政が厳しいときには、地域の発展にどうしてもつなげていかなあかん一つの切り口かなと私は思っています。ですから、この文化と経済とそういう議論になってくると非常にややこしい話になりますから、住民参画を徹底してやってもらうと。そして地域の発展につながると。地域の発展を忘れたらだめです。地域の発展につながるということはどうなんやと、そういう切り口はぜひ頭に置いていただいて、さらに詰めていただいたら、住民の皆さん方もこれに協力してくれるんじゃないかなと思います。
○藤本理事 前のまずバランスの話ですけれども、3ページの理念の中にも経済性や効率性を求め過ぎた結果というふうに下に書いてございますし、それから9ページに、「文化力の視点に立ち、経済と文化のバランスのとれた地域づくりを進めていきたい」というふうに書かせていただいております。こういうことも含めまして、このバランスをとる形の取組は進めていきたいというふうに思います。
それから、参画と地域の元気ですが、我々の望むとこといいますか、目指すところでございまして、形式は座談会形式、あるいは今も進めていますけれども、地域の皆さん方といろいろお話をしながら計画も作り、そして事業そのものを、取組そのものをそういう形で進めさせていただきたいと思いますし、ねらうところは、地域の皆さん方が実際に動いていただいて元気になっていくと、それが県内全域に広がったらいいなという思いで取り組んでいきます。
○舘委員長 このへんでといいましょうか、次回ちょっと時間を設定させていただいて委員会を開催して、深い議論を重ねていきたいと思いますので、今日はこのへんにさせていただいて、次の方へまいりたいと思います。
● 平成20年度「一万人アンケート」結果について(速報)
● 中山間地域等における「超高齢化地域」に関する調査について
● 第二期地方分権改革について
● 川上ダム建設事業について
● 水力発電事業の民間譲渡について
● 三重県の情報システムについて
● 審議会等の審議状況について
①当局から説明(竹内総括室長、辻政策監、山川総括室長、渡邉副部長)
(休 憩)
②質疑
○舘委員長 所管事項の3番の一万人アンケートから9番の審議会の審議状況までの説明が終わりましたので、委員の皆さんからご意見がございましたら、質問がございましたらよろしくお願いいたします。
○藤田委員 簡単に。一万人アンケートの件で6ページですけれども、不満意識とありますね。18年度も19年度も地域商工業と雇用が1、2番になっていますよね。これは変わらんと2年連続ということですか。何年から一万人アンケートをやっているんですか。
○竹内総括室長 平成10年度から行っております。
○藤田委員 不満意識はずっとこの一、二年載っていますけど、この5年ぐらいでどういう変化ですか、変わらないんですか、大体。
○竹内総括室長 お手元の資料の11ページをご覧いただけますでしょうか。ちょっと小さい字でまことに恐縮なんですが、11ページ、不満意識の一覧表になっております。左に「01.人権尊重」から始まってずっとありまして、おっしゃいました地域商工業は30番になっておりまして、右の方へ移っていただいて、平成20年、これが60%、それからその右19年が53%。ずっと経年的に追っかけられるようなものになっております。
○藤田委員 なるほどね。ということは、このアンケートをずっととっておりますけど、むしろパーセンテージが上がってきているという認識でよろしいですか。
○竹内総括室長 地域商工業に関しましては経年的にご覧いただきますと、以前は40%台だったものが60%まで不満意識が上がっておるというのが、このアンケートから読み取れるかなと思います。
○藤田委員 せっかくこうやって一万人アンケートとって、こういう雇用とか商工業、特に今三重県はイノベーションあるいは高度部材、製造品出荷額等が11兆円を超えたと。実際そういう表現で知事も含めて今メッセージを県民に送っておりますけれども、こういう本当にアンケートを見ると、今の我が国あるいは地域経済は非常にいびつなものになってきているということじゃないかなと思うんです。ただ、一万人アンケートをとってこのトレンドを見るだけじゃなくて、本当にこういうものに対策を打っていくというようなものの考え方をこれからこういうところから整理して出していかないと、いかんのやないかなと。特に三重県の産業政策という中で、どうも本来のコミュニティのそういう事業者、そこの多様なサービスがなくなっていく地域の付加価値の低下というものは、これが大きな問題でないんかなと私は思いますね、このアンケート結果をとっても。今ああいう原油高や原材料高やあるいは年金の問題であるとかさまざまな社会福祉の問題から、財政的なところからいっても非常に行き詰っております。
私は本来経済という地域で循環する仕組みがうまくお金が流れていない、そういうところに大きな問題があるんじゃないかなと。お金がうまく回れば、1回、2回、3回循環するような地域経済になれば、非常にそこらへんはこういうアンケートの中にも出てくるということになるんで、ここは政策も含めて今度の新しいイベントにしろ、何か経済と言うとお金もうけ主義といいますけど、そういうお金お金だけでも経営していても人はついてきませんけど、人が給料がなかなかもらえない、上がらない、そういうところは、非常に県政にとっても大事なところかなと思うんですけれども。これはとりあえずこのアンケートの中から読み取った私の感想でございますけど、どうなんですか、アンケートをとって。これをどういうふうな施策でこれから重く受け止めて展開していくのか、それも含めて聞かせていただきたいと思います。
○坂野部長 地域の商工業のこの数字に見られる現象は、グローバル企業で頑張っている一流の先端産業をすそ野にした、そのすそ野ごとに構成している中小企業だけじゃなくて、過疎地というか県南部というか、そういったところの従来地域の資源を生かしながらこうやってきておったような内発的な産業、そういったところの中小企業であるとか、それから委員がおっしゃっていらっしゃるようなコミュニティビジネスであるとか、ソーシャルビジネスのようなまた新たに地域の課題を克服しようとしながら、しかもそれが収益を生んでいくようなあたりの動きがうまく起こってくることによって、こういった地域の商工業の不満意識が下がっていくということになっていくということもございますので、このあたりのところの分析をちっとしながら、産業政策というだけじゃなしに、地域づくり、そういったところの地域政策も含めて対応していきたいと思っております。
○藤田委員 この件は、これからもう少し分析して、一万人アンケートのこういう五、六年のトレンドを見ても、長くデフレで苦しんで、今度はいざとなったときに、またこういうまた大きなグローバル経済の中で翻弄された状態であると、それは県政にとっては大きな問題であるという認識を特に持って、施策を絡めていただきたいなと思いますね。それは要望で、次の委員会のときにそのへんの詳しい分析なんか政策として大事やと思いますので、またそれまでに、新たなデータとかそういう我々に提供いただけるものがあったらいただきたいと思います。
もう1点、宮川の件、あの程度にしておこうと思ったんですけど、またこの前の宮川プロジェクトで出たテーマが出てきました。この33ページの流量回復についての基本姿勢案の中の2番目の譲渡後の流量回復についての基本姿勢、これをこうやって読まさせていただくとそれはそうかなと思うんですけれども、この内容の中の特に2番目の将来の流量回復の水源を発電に求める場合には、CO
そんな中で、我々発電事業をやめよということでもないし、そして発電の中部電力さんに譲渡をどうこうというのではなく、流量回復という本質論になったときに、もう少し違う表現があるんやないかなと私は思いますし、そしてその際、費用負担は流域全体の負担とするというより、これ確かにそういういろんなルネッサンスの本質論やそういう県の方針やそういうものがしっかりしておって、そしてそんな中で費用負担は流域全体の負担とするような形になればいいんですけど、むしろもう中部電力さんへ譲渡した後の話になると、すべて流域が将来の未来にそういう地域住民も含めて、自然、電気の量と電気を減電するんと、環境を取り戻すんとが世論が高まってきて、そうなったときに、これ中部電力さんから電気の減電をする分を流域全体で負担せよという意味にとれるんですけどね。そのへんは、こういうものを政策総務の委員会に出していただいて、これはまだこれで納得いくというような私は気持ちになれないんですけど。これを認めるというか、これを決して反対というような議論を吹っかけるわけじゃないけど、これを出してもうたからこれでそのままOKというような気持ちにはなれないんですけど。
○坂野部長 宮川プロジェクトでこの基本姿勢についてはいろいろご意見をいただきました。それで今回、宮川プロジェクトにお出しした資料と同じものをお出しするということでこういうふうにさせていただきましたので、次回のプロジェクト会議のときにこの前お約束をいたしましたけど、この基本姿勢の部分は、この前も意見をいただいた上でどれだけ直せているかわかりませんけど、一生懸命今検討しておりますので、そういうことでお出ししたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○藤田委員 それなら了解いたしました。それだけです。
○西場委員 先程の関連になりますが、こういう資料の出し方ですけど、また今の説明の仕方もそうだけれども、いろいろ協議会なり検討会議なりあるいはこういう常任委員会で、それなりに反対論があれば、またその反対論があったということをちゃんと説明の中にしてもらわないと、今先程部長がそう言われましたので、少しその点は了解をしていきたいと思いますが、当初の今の説明の中では、ここに出してある県の考え方が検討会議で示して、それをいかにも検討会議が了解しておられるように受け取られがちなことであったと、こういうように思います。
○坂野部長 その点については、言葉足らずで大変申し訳なかったと思います。
○西場委員 今後、きのうの検討会議も含めて持ち帰って検討してもらうということですから、改めて少し申し上げたいんですが、この、今現在0.5トンで常時放流しておることで、それでそれを中部電力に引き続き流してもらうことを当面の目標にしておられると、こういうようなことの説明がありますけれども、これで将来の宮川の必要な水量が十分かというようなことについて、到底納得はいかないですね。現状でもそうなんです。現状でも不満足ですから、じゃこれから貴重な水資源がどこまで流域として水需要が高まってくるんだろうかということも踏まえて、県の政策部という責任の中では10年先、30年先、50年先を見据えた宮川の水需要、こういうものをやっぱり考えてやらないと、今現状で、あるいは、これしかいた仕方ないからというようなことで決定してしまって、その権限を民間企業に委ねてしまったときに、あとの調整が取りようにも取れない、大変大きな問題を残すことになる。それは後世が判断することであるけれども、それは失政だと、こういうように言われたときに、あなたたちも私たちも大きな責任を後世に残すことになると思うんですよ。
ですから、今時間はあまりありませんけれども、民間譲渡までにそのことを見据えた将来的な水量のあり方というものについて集中的にやって、そしてそれを先送りしないと、こういうことでやっていく、今我々は大きな使命を持っておると思いますので、そこの責任をぜひ果たしていきたいと、こう思うんです。部長、どうですか。
○坂野部長 その点につきましては、この間も申し上げましたけれども、宮川ルネッサンスの方で2トン、5トンというのが出ております。その中で当面県が果たしていくべき目標ということで、宮川でも直下の0.5、それから粟生頭首工直下の3トンということでやっておりますが、その粟生頭首工直下の3トンにつきまして、これが確実に担保されているかどうかということについては今検討させていただいて、まず、きちっと当面の目標である0.5、3トンというのを実現ができるというところまでは県としても十分検討させていただいて、その結果をまたご報告させていただきたいと思っております。
それから、将来の2トン、5トンに向けてしっかりした検討をすべきだということを藤田委員、西場委員からもご指摘いただいておりますので、その点について県の方でそういう県庁内の横断的な検討の会議をきちっと早々に設立をして検討に入っていきたいと思っております。それについては、ただ流域の市町のお考えもございますので、流域の市町の方でもまたそういった検討をしていただき、お互いそのへんの連携調整を図りながら、また宮川流域ルネッサンスの考えもございますので、そのあたりをどう調整を図っていくかということがあろうかと思います。そのへんのことを精力的にやっていくということは重要だと思っております。
○舘委員長 ちょっと待ってください。先程も指摘されましたけど、実際は宮川の話になってきて、資料は前回のそこへ出した分ですよ、こういう資料を出しましたというものはいただいていますけれども、実際宮川プロジェクトに入ってみえる委員の方については、その経過もよくわかるんですけれども、実際の話、入っていないものからすると何の話かさっぱりわからんのが事実でございまして、これで議論を重ねておっても同じかなという思いがします。実際の話、先程、西場委員の方からご指摘があったように、こういうふうな話があって、ここへ出ておるけどどうだというご説明を受ければ、まだしもわかるかなと思いますけれども、それまでの以前の経過もありまして、そのプロジェクトに入っていない委員の皆さんからいえば、ちょっとな不透明な部分が多うございますので、そのところも含めながら実際の話、委員会の中には資料も当然ですし、説明も加えていただきたい、強く要望をしておきたいと思います。
○西場委員 委員長のおっしゃるとおりで、検討会議というものが特別にありますけれども、やっぱり議会で審議をする一番中核の委員会がこの常任委員会がありますので、当然今の委員長が言われるようなところを配慮してご説明なりしてもらいたいと思いますし、私などもそういう意味では、この委員会で発言させてもらうことについての重要性を改めて思いながら発言させてもらっております。
50年前に宮川ダムを造るときに、水をどう統制していくか、どう活用するかという課題のときに、降った雨を河川に流さずにトンネルで発電所を通して別の三浦湾へ放出するというのは、そのときの県の英断だったわけですね。県が、そのときの知事が決断を下して、その当時、配電会社でやるか、県がやるか配電会社というのは、その当時中部電力は中部配電株式会社と、こういったから、配電会社でやるか県がやるか、こういう議論が内部でも議会でもあった。しかし、このような河川に降ったものを発電して河川に戻したんでは効率がいいものはできないし、こんな全国でもまれなシステムで発電することは、これは公営でやるしかないという判断のもとに、これを公営で断を下してやったんですね。だから、水没部落の人たちも県や国の国土開発法にのっとる県の宮川総合開発計画に信頼を置いて、期待を置いて、これに協力したわけ。時の大杉村の水没するところの公民館へ行った青木知事は、これを皆さん方が協力いただければここに鉄道も敷きますよと、こういうことまで言いながら、ちゃんとそこの了解をして、そこの皆さんから了解をして期待をしてやってきた。それでそこで電気を起こして下流にある三瀬谷ダムに工業用水を造って、そして三重県をこれから産業振興していくと、これが県の主導のもとにやったんです。だから受ける方の三浦湾の湾の人たちもやむを得ず県がやるということで、それを受けたんですよね。
でありますから、これを県、すなわち野呂知事が社長をしておる公営企業が手放すということになりますと、この枠組み、基本が崩れるわけですから、ここにこれを崩すときの総括をこの機会にやらざるを得ない。いいですか。時間はありませんけれども、これをやらざるを得ない。このままのところでは、このまま解決できずにずっと来たんです。これからまた半世紀あるいは1世紀、解決できないまま残すことは絶対してはならない。ちょうど50年、半世紀たってここで民間移譲という新しいものを成功させていくためにも。いいですか、今までの問題を解決するということをこれはもう三重県にとって最大の改めての重要課題ですよ。今我々はそこに立っておるんですから、これをやりましょうや。そして21年度末には水力発電システムを民間移譲という新しい形のものにスタートさせる。前も申し上げましたけれども、県道を町道に移管するときには、県道のすべてをきちっと手直しして、そして町に移管するんです。問題のあるところをちゃんと整理して、我々がお願いすることを中部電力に受け継いでもらうために言っているんじゃないです。我々は、この問題を解決してくださいよ、解決して、そして中部電力に渡してくださいよと言っているんですから、それをやっていただきたい。このことについての思いは一緒にしてもらっていますか、部長答えてください。
○坂野部長 確かに宮川総合開発というのは県が主導で進めてきたものですし、当時の構想というのはすばらしいものがあったと思います。しかも宮川の流域だけじゃなしに、紀北というような他地区にも関連するような形でこのシステムが組まれているというところに、非常に難しいところがあると思います。
それから、当時は行政主導ですべて行えるような素地でありましたけれども、今、宮川流域ルネッサンスに見られますように、地域の住民の方や地域が主導で考えて進めるということでやられるようなところもございますので、大きなそういう情勢変化もございます。そういう中で今まで稼働してきていたいろんな地域が関わり、いろんな関係者が関わるようなそのシステムをいきなり変えるということについては、よほどの検討も必要ですし、それからよほどの調整も必要ですので、それを中電の譲渡のこの当面のものとそれから長期のものを一緒にしてそれを見事にさばけというのは、なかなかこれは難しいことだろうと思っています。ですので、西場委員のおっしゃることについて、県が今後も主体的にそういったことをやっていくということについては、人後に落ちないつもりですけれども、それを譲渡の時期に合わせてこの2トン、5トンの話も整理をしてやるというようなことができるかというのは、それは難しいことじゃないかと考えております。
○西場委員 今後も県が主体的にやっていけるというような自信がどういう形で生まれてくるのかわからないけれども、現在県とそれからもう1人の事業者は企業庁、いいですか、公営企業です。公営企業というのは、県民の福祉のために事業をやるところなんですよね。今度はその公営企業を民間の福祉のためにやる企業じゃなくて、自社の利益のために事業をやる会社に移るんですよ。公営企業と県との間でさえ、こんなにも県が起こしてその方向づけをつけてルネッサンス事業で目標にした2トンのことについても長期目標、超長期目標などといってなかなかさばけない今の問題を、次は利益を優先する民間会社の方に委ねておいて、その後県が主体的、主導的にこれをやっていくといっても、それ以上の説明がなかったら、あるいは今までの企業庁も絡まった中で、移譲の新たな手法なり何かが出てこない限り素直にそれは理解できないですよ。
33ページの問題の中にも今、藤田委員が言われた部分ですが、2の②に、将来の流量回復の水源を電源に求める場合には、譲渡後もまた新たに0.5を1.5トンや2トンにしていくとした場合には、その中部電力に行っておる発電の水をこちらに戻してもらうんだから、その分を流域の市町で持ちなさいよと、こう書いてある。そんなことをのうのうと書けるの、こんな文章を。この文書は撤回しなさい。
いいですか、もう一言だけ。50年前に県が主導で宮川の総合開発をやったんですよ。その結果がここへ来たんですよ。そして県と表裏一体の公営企業の行き詰まりといいますか、新しい展開の中で、県の事情でこれを中部電力に譲るんですよ。流域市町は何も頼んでいない。それで中部電力に譲ったら、今度はあとそれじゃ0.5トンも今現状は維持するけれども、あとは先送りだと。中部電力を入れて交渉しますよと。先々0.5を上乗せしてもらった分については、それを返してもらったら電源補償は流域の市町でやりなさい、こんな筋の通らない話を文書にまでして、しかも委員会まで出してくるということのこれは問題ですよ。これは謝罪にも当たるんじゃないか。どうですか、部長。
○坂野部長 譲渡については、県民の利益の視点でということで検討が進められて、民間に譲渡すべきだと。それは中電が譲渡の先であるという結論で、議会の方でもご了解いただいて進めているところだと思いますけれども、ただこの基本姿勢のこれにつきましては、この間ご意見をいただきましたものですから、訂正をすべきところは訂正をして、今度プロジェクト会議に案を出させていただきたいと思いますので、そのときによろしくお願いしたいと思います。
○西場委員 いろいろ訂正や何かもあるようですので、この点はこのぐらいにさせてもらいますが、もう一つ、三瀬谷の工業用水についても廃止の方向というのは文章化されております。これも先程申し上げましたように、下流に三瀬谷ダムを造ったときに県の方針のもとに造られてきた工業用水でありますが、これが事業化されないままに来ておりますけれども、譲渡をするに当たってその整理のためにこの工業用水を廃止するというような話の筋道は全く理解できないんです。これを廃止するんであれば、今までの経緯も丁寧に説明していただく中で、南勢工水をこれからどうしようかという議論からまず入らないと。民間移譲するのに間に合わせるためにこれを整理していきたいということでは、これは水力発電の移譲の話と直接は関係ない話なんですよ。三重県の南勢部をどのように産業振興していくか、そのための基盤の整備なんです。長年かかって、南北問題はさっきもありましたけれども、やっぱり道路も高速道路も整備されていないという中での相まった事情の中で三重県南部は遅れてきた。しかしやっと道路の方はいよいよ紀州に向かっても今進むようになってきた。その中で中山間には宮川という川はあっても、水位が低いものですから工業用水として引くわけにいかない。これを新たな宮川総合開発計画の中で日量20万トンというのを確保して今日まで来たわけやないですか。
将来にわたって、今現在需要がないといっても、将来それをどのように需要喚起させていくか、高速道路も整備される中で、あるいはこれから新たな課題にこれから挑戦しようとする矢先に、これをこんなに、いとも簡単に今廃止するというのは、今までの経緯からいって全く理解できないんです。 この部分についてのここまで文書にするまでのどこまで高まりがある内容なのか、もう一遍話ししてください。
○坂野部長 南伊勢工業用水道事業につきましては、三瀬谷のダムにも絡んでおりまして、こういうタイミングになっておりますけれども、この工業用水道事業自体について存続させるかどうかということについては、まず給水単価がどうであるかとか事業費がどうであるかとか、それからそれを実際に南伊勢工業用水道を事業化しようとしたときにどれぐらいかかるかということを、蓮の未利用水源とか地下水の併用ということになりますが、そういうことと比較した数字でいきますと、南伊勢工業用水道の単価というのは水価というのは85円、あとの蓮と地下水の併用でいくと120円、実際の工期はというと南伊勢工業用水道は6年、蓮の未利用水源、地下水の併用でいくと3年ということで、いずれも事業費につきましても南伊勢工業用水道事業でいくと228億円かかるんですけれども、後者でいくと145億円ということで、この間プロジェクト会議で出させていただいたように、別の代替をとれば明らかに有利なところがあるということと、それから長年にわたってももう40年以上経過しておりますが、未利用のままの状態が続いておった。その間も企業庁の電気事業の方でカバーをしておりますけど、このままいくとすると、試算でございますけれども年間約9,000万円近く負担をしていかなければいけないということになります。それとあわせて企業立地に際して、水利用の状況が随分変わってきております。
例えばシャープの多気工場におきましても地下水の対応で済んでおりますし、水の単価につきましても、その単価を例えば東北であるとか近県の北陸であるとか、そういうところの工業用水の単価を見てみますと、30円とか60円とかいうことで出ておる例が多いです。そういうところと比較しますと、やはり工業用水をインセンティブとして使おうとするということであれば、南伊勢工業用水道の価値というのは非常に難しいものがあるという、全般的なところを考えてきた上で各関係市町の方にもそういうお話をさせていただき、会議としても幹事会でこの間3月に提示をさせていただいて、今度7月にそれぞれの総会、協議会を開かせていただきまして、お聞きしてその上で決めていこうということにしておりますので、県が単独で走っているという状況ではないと考えております。
○西場委員 幾つか問題がありますけれども、一つはそういう南勢工水そのものをどうしようかという議論からスタートして、まずこの問題はかかるべきなんで、譲渡のためにどうするかということでついでにやるような問題じゃない。これは譲渡と対等あるいは譲渡以上に歴史と重みのある県政の課題なんですよ。でありますから、これだけでも特別委員会が要るような、プロジェクトが要るような課題なんですよ。それを譲渡の中の一項目の中で処理して、これは廃止した方がいいというような、簡単な軽いような認識ではないということをご存じだと思うけれども、認識してやってください。
それから、じゃ、蓮の未利用があると、蓮というのは水道水なんだ、飲み水なんだよ。飲み水が余っていることの問題はまだ問題として十分認識してこの対応を考えなくてはならないでしょう。そして南勢工水を需要がなかったというのは、鶏、卵論じゃないけれども、これは今まで何回かチャンスがあって、そのときに頑張って基盤整備をしておけば企業立地が促進できたし、勢和多気インター付近だっていくらでも安い土地がある、高速道路までついてきた。ないのは工業用水なんだ。だから、工業用水のあまり要らない企業しか選べないんですよ。その責任とあれを考えてみてください。シャープだって、まだこれからいろんな誘致可能性があります。内々ではそんな非公式な話を聞いております。そんなにふんだんな地下水もあるわけじゃない。そのときにどうするんだと。じゃ簡単に蓮の2万2,000トン、それは水道水を使えば結構やと、そんなに簡単なものやないと。じゃ2万2,000だけでいいのかと、水量の問題もあります。南勢工水は20万トンなんですよ、もとの計画は。岩出で引き上げますけど、そういうものをやる。
それともう一つの大きな問題は、工水をやめたら、工業用水のために造ったダムなんです、三瀬谷ダムは。そのダムの主目的をやめるんですから、ダムの機能を失うわけなんや。発電があるじゃないかと、もちろん水をとるから発電はついでにできる。しかし三瀬谷ダムの発電量なんて上流の第1、第2に比べたらほんにわずかだ。発電の機能なんていうのは機能にならない。工水をやめるというんであれば、あのダムの撤去も含めて機能はどうなんだという議論も一からしなくちゃならない。大変なことになりますよ。
だからこそ50年間の歴史の中で、これを何とかしたいという思いの中でみんなが一生懸命知恵を絞って汗をかいてきたんですよ。この問題に限ってそんなに簡単なものやないということをもう一遍申し上げ、これぜひ委員長にもほかに皆さん方のご意見も聞いてほしいけれども、この問題についてやっぱりきちっとした今までの経緯とそれを聞いていただいて、この南勢工水をどうするんやというところの一遍議題をぜひ作っていただきたい、これご要望申し上げておきますのでよろしくお願いを申します。
こういうことで終わります。
○舘委員長 今、西場委員からご提案というか、要望のございました水力発電事業、これについて私どもが受けているこれまでの議論をしてきたこと、また宮川プロジェクトの関係もありますので、当委員会としての所管事項ではありますし、一度そこらへんのことを整理しながら委員の皆さんにも承知し、今後のことも関係がございますので、そんな場を設けるようにまた皆さんにご相談を申し上げたいと思いますので、よろしくお願いします。
ほかに。
○真弓傍聴議員 すみません。短時間で終わります。水は水でも川上ダムについてお聞きしたいんですけれども、先程、辻交通・資源政策監が建設計画案が公表されましたと、いかにも決まったぞという感じでおっしゃられたけれども、まず聞いておきたいのは、4月に淀川流域委員会の方から意見書が出されました。川上ダムの治水における有効性に疑問符がついたものだと思うんですけども、6月6日に関係知事の皆さんが、そこに2回目だったけども野呂知事も入られて、整備局とそれから流域委員会の皆さんと懇談というか、意見交換をされていると思います。そこのことで皆さんと多分これで国からも知事の意見を求められると思うんですけども、流域委員会の考え方をお聞きした知事と皆さんとで論議があったのかどうか。最初からダムを造らなあかんのやというのできておったのか、それ以降意見書が出ても6月6日に会われても何も意見は、知事の意見も皆さんの考えも変わらなかったのかどうかということがまず一つです。
事業費のコスト削減と水資源の確保のところでも言われましたけど、12月に一番最初の850億円から1,230億円にぽんとはね上がったばかりですよね。この事業費のコスト削減とは、一体これどういうことなのかな。例えば水道関係は伊賀市の方へかなりの部分を負ってもらうことがコスト削減というふうに県としては考えてみえるのか。その二つを教えていただきたいと思います。
○辻交通・資源政策監 先程は時間の関係もありまして、説明が十分でなかったところがございますが、資料の26ページの2番、課題、問題点の中の(2)に淀川水系流域委員会からはダムに対して否定的な意見が示されていますというふうに報告させていただいています。それで今の県の中で、この河川整備計画を審議するに当たって、国の諮問機関としまして流域委員会が設置されておりまして、もう足かけ7年程、流域委員会で議論されています。先程、真弓委員の方からお話がありましたように、4月に流域委員会からの中間的な意見書が出されていまして、それはある意味ではダムに対して反対ではございませんが、否定的なものという認識をしております。そのことを踏まえまして、いわゆる近畿地方整備局と流域委員会とが話し合いをする場を持っていますし、当然先程の川上ダムでも説明しましたように、この淀川水系のほかのダムもございます。滋賀県の大戸川ダムですとか、京都が取水します天ヶ瀬の再開発ダムですとか、ほかのダムもございまして、当然滋賀県、京都府、大阪府等がその費用を負担するわけでございます。したがって、4月3日でしたか、京都、大阪、滋賀の3府県の知事が集まりまして、いろいろ勉強会を流域委員会なり国の方から意見を聞いております。
また、先程話がございましたように、6月6日には私ども野呂知事も加わりまして流域委員会と国から意見を聞いておりまして、知事の方からは川上ダム推進について要望しておりますし、それから早く専門家集団である国の整備局とそれから流域委員会で結論を出してほしいと。特に京都府知事からは、7年もかかって大きな費用をかけてやっている委員会を早く話し合って良い結論を出してほしいというふうな意見があって、ある意味では国と流域委員会の話は平行線みたいになっております。
また、最近では、近畿地方整備局長と流域委員会の委員長が話し合いをされておるわけでございます。その結果も踏まえて、ある意味では平行線だと伺っておりますけれども、本日河川整備計画案が示されたわけでございます。
今後関係県の知事意見聴き取りがございます。三重県知事であれば地元の市、伊賀市、名張市でございますけれども、意見を聴いて、県としての意見をお返しすることになると思います。
もう一つのコスト縮減については、当然事業を実施します水資源機構に対しまして変更計画がされて、実施計画がなれば費用負担を伴います本県としましても、事業を実施する上で、例えばいろんな新しい技術の導入でコストを下げるとか、それからいろんな意味で効率的な事業執行を求めるという意味のコスト縮減を求めていくという意味でございます。事業実施上のコスト削減を求めていくという意味でございます。
○真弓委員 多分そういう答えだろうと思っていたんですけれども、6月6日の知事と流域の皆さんとの話の中でも、そこに出席されておった方から多分、野呂知事が一番聞く耳を持たないか、理解できない、こんな状況ではなかったかなというふうな声を聞いております。新聞報道でもダムがだめなら岩倉峡を開削してもらうしかないという、流域検討委員会から出されたデータ、それを知事も見ていると思うんですけれども、岩倉峡はそのままでも洪水が起きる範囲というのは、川上ダムがあろうがなかろうが、データ的には一緒の形になるという流域検討委員会からのシュミレーションも皆さん自身も見ていると思うんですけれども、そのデータなんかも完全に無視された形で、やっぱりダム建設ありきで知事も県も突っ走ってきているのではないかなと思うんですけれども。
委員長にお願いをしたいんですけども、この淀川水系流域検討委員会というのは、淀川方式といって官ばかりやるんじゃなくていろんな分野の人が集まって流域の水系を考えるという非常に望ましい委員会だったと思うんですけれども、その結論を知事は無視してダムありきで突っ走ってきたと。今度意見は、知事から市町の話を聞きながら国の方へ出されるわけですけれども、やはり三重県議会としても何らかのこれに対する県民を代表する三重県議会として考えを出していただきたいと思うし、そのためには淀川流域委員会の皆さんと懇談をする、あるいは話し合いをさせてもらう、そんな機会をこの委員会がリーダーシップをとって作っていただきたいと思うんですが、どうでしょう。
○舘委員長 要望は要望として一度委員の中で協議させていただきたいと思います。
ということでよろしいか。
○真弓委員 はい、結構です。
○舘委員長 ほかにどうですか、委員の皆さん。なければ、次の所管事項に入りたいと思います。
●「県と市町の地域づくり支援会議」について
● 大仏山地域の開発について
● 東紀州観光まちづくり公社の事業展開について
● 熊野古道伊勢路を結ぶ取組について
①当局から説明(小林総括室長、中川総括室長)
②質疑
○舘委員長 それでは、ご質問があればお願いをいたします。
○西場委員 前回の委員会でお願いしましたところ、早速大仏山開発につきまして丁寧な資料を作ってご説明いただきまして、どうもありがとうございました。
なんですが、内容につきまして内部で検討して今後の進め方について一つ責任ある回答をいただくというお願いもしましたし、そういう期待もしておったわけでありますが、先程いろいろ説明していただいた資料の中からどういうような新しいものが出てきたかというようなことについて、一向に感じられないわけです。この問題は野呂県政2期目の大きな課題という中で、今日はマスコミの方から伊勢新聞の記者が傍聴に来てもらっておりますが、塩漬け問題ということでワンフレーズでこの問題を取り上げてもらって、三重県の県政課題として大きく取り上げてもらった、そこからいろいろ注目されてきた経緯もあるんですが、このままいくと、またこの塩漬けが40年間塩漬け問題がまた41年、42年と延びていって、こういうことの繰り返しは絶対まかりならんということで、今回これを出していただいたところの決意というか、この中で新しい方向づけというのはどこにどういうように示されたんか、ちょっと改めて一遍そのポイントを知らせてください。
○山口理事 前回の委員会でそういう方向までのご指摘がございました。今回は7月以降に関係市町とご相談させていただくというのを掲げさせていただいています。私は4月以降この件で関係の市町とお会いする機会、いろいろな意見交換をする機会がございまして、昨年来のいろんな知事とのやりとりとか議会での知事の答弁を踏まえまして、私どもとしては知事の発言されたように、ゼロベースでこの大きな課題のある中でどうしていくかということをご相談したいということで申し上げてまいりました。それについては一定ご理解をいただいていますので、前回里山ということでいろいろご議論いただく中で各市町の持っている課題の中ではうまく調整ができませんでしたが、それ以降相当の年数もたっておりますし、また地域の情勢も変わっておられるようにも思いますので、私としてはまたゼロベースということでの中で、この地域の今の現状を踏まえた一番実現可能な利活用を地域の方々とともに方向を見出していきたいと、そのように思っておりますし、この間回らせていただいたときにはそういう議論をもうする時期だなということもいただいております。
○西場委員 そうすると、この7月に開催される会議というのは、山口理事も出ていただいて市町の長が出てもらう会議という理解でよろいしか。
○山口理事 これは組織的には大仏山地域連絡協議会、これは市町の課長さん方と私どもの課長級での会議ということでございますので、その中での議論を深めましてその状況に応じて、また首長さん方なり、またご相談させていただく場も当然その次にはあると思いますけれども、まずこういうゼロベースでの議論をさせていただく中で、こういう課題はもう十分ご承知だとは思いますけれども、そういう中で現状の中での実施可能な利用の方策ということでの議論を再度スタートさせて、早い機会にそれぞれの首長さんなり地域住民の方々のお考えもありますから、そういう諮り方も含めてご相談させていただきたいと思います。
○西場委員 それは実務的にやっていただく方はそういう部課長さん方ですから、そういう会議の必要性、重要性はわかります。わかりますが、この問題は知事、副知事あるいは部長、理事とそれからこの大仏山に関係する市長、町長方のまず基本的な方向づけがないと、担当者だけで協議しても絶対動かない話なんです。基本的な方向づけをまず決めないと、何ぼ会議を重ねてもそれは会議をやったというだけで終わってしまう。でありますから、7月に必ず理事が出ていただき、副知事も必要であれば出てもらって、関係市町の長とこの会議をやってください。というのは、まず51ページの中程に書いてある伊勢、玉城、明和の3市町長により知事に対して工業団地の早期開発の要望がありましたと。これはこの何十年間の中で初めてなんですよ。それぞれ市長、町長らがそれぞれ地域によって立場なり思いが違うものですから。しかしそれぞれ3市町長が協議をして、もう今となっては改めて工業団地をやってもらおうということで意を決してこられたわけじゃないですか。それを受けて知事がその場で開発は難しいので再度検討していくというようなニュアンスでの回答をしたと、ここに書いてありますけれども、これだけだと工業団地でいくことを今後検討していくのか、あるいは工業団地をもう撤回して別の方向で行くのかというステージの会議が何もないんです。そこのところをあいまいにしたまま何ぼ会議を重ねてもだめ。工業団地というものだって今まで計画があっても、本気になってこのことに取り組んだ今まで県の時期やなかった。やれ下流の河川が未改修だとか、やれ道が未整備でとても企業が来られないとか、勝手ないろんな理屈をつけてこのことに対してやってこなかった。
今これからの南勢の産業振興としてこれをやっていくんであればこれをやるということで、県も3市町も一緒になってこれに取り組むという決意が要るでしょうし、この後にある課題としての問題が克服できないということで、この工業団地をあきらめざるを得ないというんであれば、そのことを関係の市町とともに県も一緒になって、工業団地をあきらめて新しいものをやるというならやるというステージの会議が要ると思うんですけれども、いかがですか。
○山口理事 7月以降に担当者の方々の大仏山地域連絡協議会、これをまず開催させて、前回いろいろご相談に意見交換したときにそういう流れでご説明してまいりましたので、7月にこういう場を持ちたいと思いますけれども、それ以降の進め方についてはその会議を踏まえて、今ご指摘の点も含めて検討させていただきたいと思います。
○西場委員 これは重要な段階の話をしているんですよ。そのようなニュアンスのことを言った。そういうようなニュアンスの返事をもらった。そんなところでこの40年間の計画が白紙に戻るはずがない。きちっとした改まっての工業団地をどうするのかということを関係の市町とそれから県が、しかるべきトップが出て結論を出してもらわないと動かない話ですよ。まあまあの話で始まったらそんな動くはずがない。しかし、それをやるということは相当責任が出ますよ、いろいろな経緯がありますから。大仏山工業団地に絡んでそれをやるという前提の中で、さまざまに絡まってきた今までの経緯があります。しかしそれも踏まえて決断をしなかったら、大仏山をどうするという話が次に進まないんですから。工業団地をやるとしてどうしましょうかとか、やらないというのを前提にしてどうしましょうかなんて、そんなもしもの話で会議が煮詰まるはずがない。もう一度お答えください。
○山口理事 今のご指摘を踏まえてそういう場が必要だと認識はしておりますので、そういう前提で検討させていただきます。
○西場委員 それじゃぜひそのへんの会議というものをやっていただくように、しかもこれは早い段階でやっていただくように、そしてぜひとも今度は9月頃になるんですか、常任委員会に一つ新たな方向性を報告してもらうことをお願いさせていただきます。
終わります。
○舘委員長 他にいかがですか。
それでは、質問は以上ということでございます。
③委員間討議 な し
Ⅱ 委員協議
1 分科会関係
(1)委員長報告について 正副委員長に一任
2 常任委員会関係
(1)県政申告書及び議案に対する委員長報告について 正副委員長に一任
(2)年間活動計画について 正副委員長案の配付
(3)「美
3 県内調査について 7月23日~24日で正副委員長に一任
〔閉会の宣言〕
以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。
平成20年 6月20日
政策総務常任委員長
予算決算常任委員会政策総務分科会委員長
舘 直 人