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平成20年12月5日 食料自給対策特別委員会 会議録  

食料自給対策調査特別委員会

会 議 録

(開 会 中)

 

開催年月日   平成20年12月5日(金)  自 午後1時02分 ~ 至 午後3時00分

会 議 室   601特別委員会室

出席委員      10名

副委員長       奥野 英介

                         委   員   杉本 熊野

                         委   員   藤田 宜三

                         委   員   後藤 健一

                         委   員   田中  博

                         委   員   前野 和美

                         委   員   吉川  実

                         委   員   舟橋 裕幸

                         委   員   永田 正巳

                         委   員   中川 正美

欠席委員       2名

                          委 員 長   中村  勝

                          委   員   中川 康洋

出席説明員

[農水商工部部]

                          部  長                          真伏 秀樹

                          副部長兼経営企画分野総括室長 梶田 郁郎

                          担い手・基盤整備分野総括室長  平本 明大

                          農産振興分野総括室長         望田 敏男

                          水産振興分野総括室長         津田 平蔵  

                                                                                         その他関係職員

委員会書記    議 事 課      主査   鈴木さおり

                           企画法務課   主幹   脇  光弘

傍聴議員      なし

県政記者クラブ 1名

傍 聴 者       なし

議題

Ⅰ 今後の農政の進め方に関する基本的な考え方について

Ⅱ 委員協議

 

【会議の経過とその結果】

 

〔開会の宣言〕

 

○中村勝委員長が欠席のため、奥野英介副委員長が委員長に代わり職務を行うこととなった。

○なお、議席の変更に伴い、委員会の席順が変更された。

 

Ⅰ 今後の農政の進め方に関する基本的な考え方について

   ① 当局から資料に基づき補充説明(真伏部長)

   ② 質疑

○奥野副委員長 真伏部長の方から日本の農業の現状、三重県の現状、またトレンド、課題、そして施策の展開の具体的な方法、最終的に10年後には50%の食料自給率にもっていくという夢が現実になるようなことをいろいろ書いていただきました。
 本当に、今の日本の農業の現状というのは、このままですと部長がおっしゃられたように、かなり食料自給も低下というか、現状維持すら難しいのかなという気がします。そういう中でるる説明のあったこういうことをやっていけば50%になるのではないかという、なったらすばらしいと思います。そういうのでやはり夢が現実になるように努力をしていくことは大事かなと思います。
 そういう中で、今、部長の説明がありました。農水商工部の方からもたくさん来ていただいておりますので、皆さん方、ご意見があればおっしゃっていただければありがたいと思います。

○藤田委員 まず教えてほしいんです。数字の読み方といいますか、この資料の読み方で教えてほしいんですが、一つは、1ページ目の二種兼業農家75%と書いてありますけれども、これは専業がどれぐらい、第一種がどれぐらいというのはわかりますか。なければ後でもいいですけれども。第一種、第二種、専業と分かれていると思うんですけれども。じゃあ、それは後で教えてください。

〔「調べます。すぐには出ませんので」の声あり〕

○藤田委員 それと、農家所得の計算をしてありますけれども、これは平均で出されていると思うんですが、この算定式、全部が一種まで入れたか、二種まで入れたか、そのへんの数字ですね。この計算式はどういう計算式か教えてほしいのと、それからもう一つ。耕作放棄地の基準、この耕作放棄地というのはどういうものを言ってみえるのかというのが知りたいのと、それから2ページ目にいきまして、農地の利用集積の仕組みづくりと書いてあるんですけれども、3万8,000ヘクタールと書いてありますけれども、これは米、麦、大豆、2年三毛作で計算してあるのか、それとも実数かどうか。
 それから、担い手のカバー率ですね。30%という数字を出されていますけれども、これの計算式、要は全農地がどれだけあって、そのうち担い手がこれだけしていますというので30%という数字を教えてほしいのと、それから全体の10年後の目指すべき姿というのがあるんですが、これはそれぞれの項目、関連性があるのかどうかということですね。
 どういうことかというと、財政が1,300億円で、そのうち中心的にやっていただく4,000の経営体があって、その場合にどのぐらいの農家所得が上がって、その農家が継続的に運営していけるのかということもあってのその数字なのか、それから農地利用調整機能を持つ集落が1,500集落ということが言われていますけれども、全体の農地利用ルールがない集落も含めた集落がどのぐらいあるのか、そこら辺の数字的なことをちょっと教えてもらえますかね。

○奥野副委員長 今5点ほど質問があったと思うんですけど、よろしくお願いします。

○真伏部長 順次答えさせていいただきますが、たくさんありましたので、途中で抜けてしまったら、また補足させていただきますので。室長等から順次答えさせていただきますので。

○森内農水商工企画室副室長 それでは、ご質問の点、順番にお答えさせていただきたいと思います。
 まず1点目であります兼業農家率75に対して専業農家率とか第一種兼業農家率の方なんですけれども、専業農家率は全体に対して15%が専業農家になります。残りの10%が第一種兼業というような形になっております。
 それから、2点目の農家所得の方なんですけれども、こちらにつきましては、統計上の農家所得ということで、これは実は実数、全量調査ではなくて、抽出調査になっています。ですから、三重県内の抽出数というのが大体50程度だったと思うんですけれども、全国で500、その抽出の基準そのものが一応それぞれの地域で農業経営規模なり、経営経営体によってバランスをとりながら抽出されているということで、そういう意味では一応全体の平均的な値という考え方になろうかと思います。
 三つ目の放棄地の考え方だったと思うんですけれども、こちらにあげさせていただいている2005年の7,078につきましては、農林業センサスの数字を持ってきております。このセンサスの基準といたしましては、過去1年間、作付けをせず、今後も作付けをする意思のない農地という扱いになっておりまして、ですから、ほかの言いようとして、不作付け地、実はこの表の1ページ目の右下の三重県農業の現状のところの5番目、水田利用の低下のところで不作付け水田という表現をしてあるんですが、要は1年間作付けをしなくて今後再開する予定がある水田については、こちらの3,210という数字になります。ですから、耕作放棄地というのは1年間作付けせずに、さらに今後も作付けする予定がない農地のことを耕作放棄地という整理にしております。
 続きまして、2枚目の方になります。1の3万8,000ヘクタールの部分なんですが、こちらにつきましては、一応仕組みづくりの項目ということで整理をしておりますので、実面積で3万8,000ヘクタールという計算にしております。実面積ですので、裏作の大豆等はこの中で面積的には入っていないということになります。
 それから、多様な担い手のカバー率の30%の話なんですが、こちらについても、統計からの推計ということになっておりまして、実際には農林業センサスの水田作の主業農家の経営耕地シェア率というのを計算しております。経営耕地の中には、今回は作業受委託、期間作業受委託なり全作業受委託の面積も含めて計算をさせていただいております。具体的な数字を申し上げますと、大体おおむねの数字になろうかと思いますけれども、担い手の面積としては約1万ヘクタールぐらい、全体の稲、麦、大豆の延べ作として3万2,000ヘクタールぐらいというのがセンサス上の数字になります。実際の統計値よりはセンサスの数字は少ないですので、といいますのは、販売農家しか集計対象にしていないということがありますので、そういった値で大体3割というような整理をさせていただきました。
 それから、2枚目の一番右側の農地利用調整機能を持つ集落数なんですが、こちらにつきましては、全集落としては、水田のある全集落で2,065の集落数になります。そのうちの約4分の3ということで1,500集落、あと最後にお尋ねがございましたそれぞれの関連性ということなんですが、それぞれの数字については、例えば特に関連性が高いのが耕地利用率と農業算出額、さらに自給率という計算になろうかと思います。これも雑駁な計算ですが、作物別にある程度推計をしながら数字を積み上げたものとしております。
 以上です。

○藤田委員 ありがとうございました。そのへんのところ、積み上げたデータがあったら後でください。お願いします。作物別を含めてのところをお願いします。とりあえずわからんことだけお聞きしました。

○舟橋委員 耕作放棄地ですけれども、すごく増えていますよね。今の森内さんの話で、1年間つくってなくてこれからもつくらへんという話なんですけれども、そういう定義の中で、例えば今ある7,078ヘクタールのうち再生が可能な面積と、もうあかんぞという面積の仕分けみたいなものが、アバウトでいいですけれども、何かイメージとして持ってみえたら教えていただきたいのが一つ。
 それからもう一つは、過去農技センターでも、ハイブリット米を中心とする多収米というのを随分試験研究で取り組んでこられたと思うんですけれども、今そこら辺の研究はどのようになっているんでしょうかというのが二つ目。
 それから三つ目は、三重県も平たん部もあれば中山間もあるわけです。中山間はどちらかというと、グリーンツーリズムだとか、涵養性とかいろんなことが書いてあるんやけども、この資料はあくまでも面積でも組織図でも何でも、全部どんぶりで書いてありますよね。積み上げられてこの数字をつくられたのなら、場合によったら中山間やったらどうだ、それから平たん部だったらどうだというような作り直しというのができるんですかね。三つ。

○森内農水商工企画室副室長 まず一つ目の放棄地の方なんですけれども、こちらにつきましては、国で調査事業で進められている最中です。ですから、詳細調査については今後来年にわたって詳しい数字はわかってこようかと思うんですが、今雑駁な言い方をしますと7,078なんですが、実は5年前の数字が6,373で約700ヘクタールが5カ年間の間に新たに増えた数値ということになります。ですから、この約700ヘクタールについては、まだ直近で放棄されたということで再生は可能なのかなと。どこまで再生可能かと見るというのもなかなか単純にはいかないと思うんです。
 ですから、コストのかけ方にもよりましょうし、それから地域の状況にもよって、例えば平場でも放棄だと、割と長期間放棄されても笹等が生えた状態になってくる場合もありましょうし、中山間の場合、特に山裾あたりの放棄地になりますと、完全に薮の状態になっているということで、一概には言えないかと思います。そのへんは詳細な調査を来年にわたって進めるということになっております。
 あと、中山間地域と平たん地域との積み上げの関係なんですが、今回、お示しさせていただいているのはおっしゃられるとおり、どんぶりで全量を計算しております。ただ、今後これに基づいていろいろな詳細の計画策定する際には、当然地域別のものをつくっていかないと、全く実態にそぐわないデータになりますので、そのへんはどういうふうに算定していくかについては、今後検討なり、いろんな方のご意見もいただきながら進めていきたいと思うんですが、地域別にわけて計算なり、データをつくっていくということは可能だと考えております。
 以上です。

○熊崎担い手室長 先程の農地の耕作放棄地の関係の若干の補足ですけれども、この12月3日に農林水産省から農地の改革プランというのが出されまして、これはまだ検討中ですけれども、その中で先程申しましたみたいに耕作放棄地の全国的な継続的な解消ということで、今現在、県の方でも市町さんと一緒に行っておりますけれども、耕作放棄地の調査をして、それを解消していくということがございます。それを一応仕分けをしながら、無理なものは無理で、これは農地から外してしまう。解消できるものは解消していくという整理をしていくという、これが23年度までに農用地区域を中心にして耕作放棄地を解消していくというのが国の考え方です。それに伴いまして、国の方でもいわゆる耕作放棄地の対策用の事業等も今年も含めまして組んでいくというふうに聞いております。
 以上です。

○柴田農畜産室長 先程多収米の試験をしているかという質問でありますが、試験場ではいろんな作物の奨励品種の決定のための現地適用性試験をしております。その中で水稲についての多収穫品種ということでは、はまさり、ディープスター、ほしあおば、くさほなみ、くさのほし、夢あおば、これはいずれも飼料用になるものですけれども、その現地適用性試験はさせていただいております。ただ、育種開発についてはやっていないと思っております。

○舟橋委員 加速度的に耕作放棄地が増えていますし、自給率を高めるためにはどうしても食い止めておかなければならない課題の一つやというふうに思いますので、これからその耕作放棄地をいかに食い止めていくかも施策へ反映してほしいなと思います。
 それから、二種兼、水田中心農業ですから、いかに主食用の米だけでなく、飼料用と米粉が提供できる環境づくりを三重県はどうしていくのかなというのもポイントだろうなと思っていましたので、この2点を聞かせてもらったんですけれども。
 あと、今回第一次緊急経済対策でありましたように、国の基準はこういう基準ですけれども、これが三重県にはなじみませんので、少し緩和をしたり、何かをして県単で緊急経済対策をやりますというのが提案説明されました。それと同じように、全国の平均的な中でのさまざまな補助事業だとか、補助金、補助事業、さっきから事業も補助金もそうですけれども、そういった中で三重県としてはここがどうしても足らない、例えば個人4ヘクタール、組織20ヘクタールという基準で国が言うてくるけれども、三重県はそれはなじまないと。例えば個人は2ヘクタールにしたらもう少し有益な三重県がやりたい農政ができるのにというようなところで、何か今困っているようなメニューとか、そういうような傾向というのは何かないんですかね。三重県独自の、独自のものをつくらんでもええで、ここを改善したらええやないかということが。

〔答弁なし〕

○舟橋委員 すっと出てこんというとやな。わかりました。要は、三重県だけで例えば、単独補助金をつくるとか、そんなの絶対できっこないと思うんです、予算的に。しかしながら、緊急経済対策でああいう手法をとったのならば、三重県が農政を進める上に国のメニューにのっかって、そこで一部三重県流につくり直してやっていくことが大切ではないかなというふうに思っておりましたので、そういう点でまたこんな事業がこうやったらなというような状況などがわかりましたら、後日で結構ですので、教えていただきたいのと、あとは普及員さんはしっかり仕事をするような絵になっていますけれども、二、三年で20人も減っていくようなことはないんですよね。

○真伏部長 限られた財源、特に県費でいろいろなことをしていくというのは、大変今の財政状況の中では厳しいなと思っていますけれども、厳にいろいろな形でその地域に国費などが結構投入されているのは県の予算に出てきませんもので、姿が見えないんですけれども、実際に実態をいろいろ見てみますと、結構たくさんな金が出てきているなと思っています。
 あと、それをいかにうまく施策に合った形で活用できるかというのが一つのみそかなと思っていますので、今、舟橋委員おっしゃったように、国の方も今はだんだん大きな枠組みをはめてきていますけれども、小さなところは地域で決めたらいいよとか、県で決めたらいいよという話もどんどん増えてきていますので、そのへんはいろいろ工夫の仕方があるのかなというふうに思っていますので、そういう意味での県独自の工夫もいろいろ考えていきたいなと思います。
 それと、普及員のお話ですけれども、一応経営改善プランに基づいて、一定の削減という話は既に打ち出させていただいていますので、まだこの後2年間で削減というのは、一定の数字は出てくるというのは、ご承知おきをいただきたいと思います。
 ただ、普及員らがどういう形で地域に入っていただいて、その地域の農業にふさわしいような形でいろいろご活躍をいただくかというあたりは、その体制も含めてしっかり議論をしていただく中で、本来の普及活動がしっかりできるような、そういう取組にはしていきたいと思っておりますので、そういう意味でご了解いただきたいと思います。

○舟橋委員 マンパワーで仕事をする職場ですので、よろしくお願いします。

○奥野副委員長 おっしゃられた三重県らしさをできるだけ出して頑張っていってほしいと思います。

○中川(正)委員 先程から耕作放棄地の面積等とか、私は遊休農地というふうに理解するんですが、これを100%活用した場合、自給率はどのぐらいになるのかをまずお示し願いたいと思います。

○柴田農畜産室長 遊休農地を全部利用すればどれぐらいあるかということですけれども、つくる作目によって当然変わってきますが、一番効率の高い米といたしますと1,000ヘクタールで三重県の場合、およそ1ポイント自給率が上がることになります。遊休面積が7,000ということでしたけれども、そのうちすべてが水田ではないと思いますが、すべてが水田としますと7ポイント上がるということになります。
 ただ、米というのは生産数量の調整を今行っておりまして、そんなに簡単にはつくれないということでありますので、他の品目に置き換えますと、例えば小麦ですと、その3分の1程度になりますので、2%ちょっとですか、そういった計算になります。

○中川(正)委員 飼料米、動物のえさにした場合はどのぐらい上がりますか。全部というのはなかなか難しいかな、こういうのは。

○森内農水商工企画室副室長 先程の1,000ヘクタールで1%という数字が10分の1になります。飼料の自給率が自給率に掛けられますので、えさ米というのが中心の畜種は豚、鳥が中心になるんですが、その場合、農耕飼料という草は彼らは食べませんので、大体国産飼料の自給率が1割ですので、先程の1%に1割を掛けることの0.1%ということになります。

○中川(正)委員 国の方では、全国で40万ヘクタールあるんですかね。そこでやっても3%しか上がらないという状況をこの前話があったんですが、そういうことだと思う。
 2点目は、こういう形でこういう取組をしたら現況40から50になるということだと思うんですが、やはり一番問題点は県民の皆さん方の信頼、安心・安全をかち取るために支持されるかどうかの問題だと思うんですが、その支持されるためには、当然ながら価格の問題と、そして品質保証の問題があるかと思うんです。これはこういう形で、こんなことすれば、先程申し上げた二つの点については担保できるのかどうか、そのあたりどうですか。

○真伏部長 先程も2枚目の方の5番目のところで少し説明をさせていただきました。いわゆる県民に支持される農業の推進という部分であります。価格面についてはいろいろな需給関係がございますので、直ちにというわけではないんですけれども、そこで三重県として県民の皆様に安心して食べていただけるような食材、食料をきっちり供給をしていきたいなという部分で先程方針づくりと申しましたけれども、そのための方針をつくっておりまして、今度の常任委員会の方でもその方針の中間案を示させていただこうと思っておるんですけれども。その中では、例えば、肥料、農薬等の使用量をどれだけどういうふうにしていくとか、それからどういうふうにいつの時期に農薬を使ったとか、そういう形で管理する生産工程管理、GAPみたいな感じの方針があるんですけれども、そういうものを導入していって、消費者の方からしっかりチェックもされる、そういう形での取組もしていきたいなと思っています。
 同時に、そのへんの取組が消費者の方からわからないとあきませんので、こういうふうな形でこういう取組をしているというのが消費者の方にもわかっていただける、そういう形での情報提供なり、いろんな取組の成果というのも表す形でやっていきたいと思っていますので、それをしっかり県としてはやっていく中で安全・安心農業の実施率を80まで上げていきたいということでございます。

○中川(正)委員 安心・安全という面では今ご指摘いただいた点がいいかと思うんですが、価格の面ではどうですか。そのあたり抜けておるんだと思うんですが。

○真伏部長 価格面というのは、極めて当然、一つは、本来その農業者の方がきっちり再生産をしていただける、そのための価格形成というのが要るなというふうに思っています。必ずしも安ければいいという話ではないなという部分があるかと思います。そういう意味では、それが安全・安心ということが一つの付加価値になる中で、従来よりも少し高いけれども、消費者の方に支持をされて売れていくというか、そういう形での姿というのが一つの理想の姿なのかなというふうに思っていますので、そういう意味で合わせた形でそのへんの価格形成というのもされていくのかなと思います。

○中川(正)委員 最後に、専業農家が県内15%ということで、国の方は今度は農家に所得補償という方向が示されておるかと思うんですが、これから農業の考えますときに、専業と兼業といろいろあるかと思うんですが、これからの国際化、グローバル化の中で競争力を高めていくためには、専業農家が強くなければならんと、こういう方向の中で専業農家をどの程度まで伸ばしていくのか、農家数の問題、私はある面では専業農家を増やしていく方向の中で、農家は少な目という方向が形としてはいいのではないかなと感じるんですが、そのあたりはどうでしょうか。

○熊崎担い手室長 基本的には10年後の目指すべき姿に書いてありますように、4,000経営体ございます。個人個人という部分ではない部分もありますけれども、法人なり、そういう経営体も含めて、約4,000の方々でという対応でございますけれども、つくっていきたいと考えております。

○中川(正)委員 もう一遍。

○熊崎担い手室長 経営体と申しました。いわゆる家族ぐるみとか、それから法人もありますし、集落営農のような形もありますので、私どもは経営体という言葉を使っております。
 以上でございます。

○中川(正)委員 これは4,000の経営体というのは、専業農家と一般と、どんなふうに理解したらいいんですか。

○熊崎担い手室長 専業農家と専業の法人、今で言いますと株式会社とか、そういう形も今法人でありますのでそういうような形。それから集落営農を組織化していただくこともございますので、これも法人になりますけれども、そういう法人経営というのを考えております。

○中川(正)委員 そういう方向の中で、小さな農家というのはだんだん縮小という方向になっていくわけですね。

○熊崎担い手室長 基本的に最初の年齢別のシェアにもありますように、ある程度減っていくとは考えておりますけれども、ただ4,000のシェア、2ページ目に書いてありますように、シェアとしては75%ということを考えておりますので、100%すべて専業なり、4,000経営体で云々ということではなくて、当然同居というか、同じように進んでいく部分も入っているというふうに考えております。

○中川(正)委員 結構です。

○藤田委員 農業経営体の概念というのはどういうことですか。要は、継続的に再生産が行える経営体という意味ですか。

○熊崎担い手室長 基本的に数字自体につきましては、主業農家ということでございますので、自ら経営していってみえる農家ということを考えております。

○藤田委員 それが現在17年度に3,819ありますということですよね。

○熊崎担い手室長 はい、そうでございます。

○藤田委員 これには専業農家と何が入るんですか。専業農家と集団経営をやっている農業経営体ということですか。

○熊崎担い手室長 言葉がまずく申し訳ありませんでした。自立経営体ということもありますけれども、数字自体はセンサスの主業農家、いわゆる農業所得が主で、60日以上やっている65歳未満の農業従事者がみえるという農家のことを主業農家と申しますけれども、その分類の人数をあげております。

○藤田委員 ちょっとわからない、センサスで……。

○森内農水商工企画室副室長 すみません、ちょっと補足をさせていただきますが、まずここにお示ししている3,819と目標とする4,000というのが同じ質のものと考えていただくのではなくて、ある意味、今整理をするならば3,819の主業農家がいます。この主業農家というのは、実は先程も部長が説明した中で、現在7ヘクタールぐらいの平均経営規模のものをという話があったと思うんですが、実際、3,819の中の水田作中心の経営規模というのは、現状のところ平均7ヘクタールなんです。
 それを4,000経営体の目標のところでは、それなりに所得として他産業並み、もしくはいわゆる家族を持って養っていける所得の規模まで拡大をしていきたいという考え方で整理をしておりまして、ですから、ここで言う3,819というのは実際、現においてそれだけの所得をあげられておられるかというと、そうではないということになります。
 以上です。

○藤田委員 何かようわからんな。そうすると、この3,819というのは水田では7ヘクタール以上、専業農家の戸数というふうに理解したらいいの。専業農家と農業経営体というのはイコールか、違うのか。

○森内農水商工企画室副室長 専業農家と自立経営体というのは統計上の概念で、実は専業農家には高齢者専業というのがどうしても統計上の区分として含まれてしまう。ですから、その部分を排除して整理する仕組みとして主業農家とか、副業的農家という整理の仕様が新たに出てきているんです。
 だから、ずっと以前、昭和50年代、60年代にはそういう主業農家というような統計概念はなかったんですけれども、平成2年以降だと思うんですけれども、そういった整理概念が出てきております。
 ですから、そういう面では、おっしゃられるイメージの専業農家と、こちらで言っている主業農家というのは大体同じようなイメージを持っているとお考えいただいたら結構だと思います。
 先程の3,819と4,000の違いということを若干補足させていただきますと、要は質を    3,800何がしの質を上げて、本当に胸張って規模を自立して経営している農家という概念にしているのがこの4,000の方で、実際には10年間の中でここであげている3,819の経営体個々を対象にこれが全部4,000に移行するかという意味ではなくて、ロットの単位としてばっくり見ていただいて、今はこの辺が候補群になっていますよねと。それが10年間の間に経営の質を上げて、規模も拡大していっていただいて、最終的にでき上がりとしてそれなりの所得をあげられる経営体として  4,000育てたいねという考え方になります。

○藤田委員 これ、例えば水田でどれだけとか、そういう積み上げてでもないわけですか。

○森内農水商工企画室副室長 3,819の内訳というのはそれぞれ統計ですから、どういう数字というのはあります。4,000の積み上げも本当にざっくり、だから逆に言うと、水田をどれだけ、今回の場合、75%ぐらいを担い手に持っていきましょうねということだと、要は、担い手で耕さないといけない面積が出ます。その面積を一つの経営単位として想定すると大体これぐらいだよねという数で割り込んでいくというような計算で大体積み上げた数字が4,000ということになっていまして、だから個々のミクロで見ていくと、かなりそごも出るとは思うんですが、全体のボリューム感という意味で今回のものはお示しをさせていただいているということで、ご理解いただければと思うんですが。

○舟橋委員 森内さん、今使っている単語の「しゅぎょう農家」というのはどういう字を書く。ここにどこにも出て来んへんやろ。説明して。

○森内農水商工企画室副室長 主業農家というのは「主な業」。農業を主にしている。

○舟橋委員 昔はこんな使わんだ。

○永田委員 この食料自給率特別委員会ができて、初めてこんな10年後の農業の姿を描いたのは、三重県農政で。どうですか。初めて作ったじゃないかな。

○真伏部長 以前は2000年ぐらいまで、こういう計画というのは持っておったんですけれども、その前の知事の時代から、総合計画がありましたもので、それで変えていったらいいじゃないかということで、こういう明確な形での計画を持ってきてなかったというのが事実でございまして、全く初めてというわけではなしに、以前はこういう形で何年計画かというのを持ちながらやっておった時代もございました。

○永田委員 だけどこれ、県政全体の中でそういう農政についてはばくっとしたものがあったとは思うんだけれども、これ今回、こういう特別委員会ができて、農業政策についてぱっと出てきたのは、これは非常に私は画期的なことだと思うんですよ。それは非常に私よかったなと、特別委員会をつくって意義があったなと、これは正直な思いですので。その内容なんですが、基本は私は、農業をやっていても、他業種と比べるだけの所得があれば、私は三重県農政はそれなりの方向づけができていくと思うんだけれども、ここのその考え方、農家所得の減少と書いてあるしね、これ。この数字はどこにあるの。10年後の農家所得。

○真伏部長 具体的には、農家所得、農業所得がどれだけになるかというのは、ここの場ではお示しはいたしておりません。当然結果としてはこうなりますよというのはお示すべきなのかもしれませんし、出していったほうがいいだろうと思っています。
 ただ、日本全体の話で申し上げますと、農業が他産業並みの、副業も含めて、いろいろな形で二種兼業の方なら給与所得もありますので、そういう形で他産業並みの所得という意味でいけば、既に大分以前に実現はしています。ただ、農業だけ見ると必ずしもそうではないんですけれども、大きくとらえると、そういう状況がありますもので、形だけ見れば、そういう形が生まれてきているのかなと思うんですけれども、今は逆にまた、農業がだんだん下がってきていますので、また少し乖離がしてきているのかなと思われる部分もありますので、一旦実現したものが少し農家の所得が低下している分だけ、逆に少し開いたのかもしれませんけれども。やはりどういう形で農家の人がどのぐらい所得を上げて、農業としてやっていけるかという部分はおっしゃるとおり、そのへんの見通しというのが必要かなと思いますので、そこはもう少し検討したいと思います。

○永田委員 これが一番根本だろうと思うんですよ。三重県は確かに兼業が多いから、それも含めてそういう所得を積み上げるということになると、余り農業に力は入ってこないわな。ある程度農業だけの所得ということでやっていかないと、ちょっと私はこれに力が入ってこないと思う。この数字をぜひ10年後の数字に示すべきだと思う。それがもとでいろんな政策が出てくるんじゃないかな。いろいろ担い手の問題、集落の問題、いろいろ出てくると思うんですよ。ではおれも農業をやっていこうというのもまた出てくると思うし、これをもう少し激励を入れた策にしていただくとありがたいな。これは僕の要望ね。
 もう1点は、基盤整備の話はどう。基盤がないといかんですわ。

○真伏部長 基盤の話については、具体的にここでは例えばどれだけという数字を示してはおりませんけれども、基盤整備が当然重要な部分だというのは認識をいたしておりますので、一つは先程申し上げましたけれども、2ページ目の1番の集積の仕組みづくりの中でも、農業基盤の整備ということで、特に担い手への集積を進めるために、パイプライン化等の整備というのをこれは当然やっていかなあかんなというふうに思っています。
 それと同時に、一番最後の方で多面的機能の話もさせていただいたと思うんですけれども、そこでも農地防災的なもの、そのへんについても先程地震対策等の話もさせていただいたんですけれども、地域の安全という部分もありますので、それも含めて基盤といいますか、整備をきちんとしていく必要があるのかなと思っておりますので、そういう意味での基盤整備もしっかりやっていきたいなとは思っております。
 ただ、悲しいかな、大変予算の制約がありますもので、どれだけ整備しますということを具体的に書けなかったのが残念なんですけれども、そういう必要性は十分認識いたしておりますので。

○永田委員 確かに金がかかる問題なんだろうけれども、それも政策の中に入れないと。そんなことこっちへ置いといて、ではこうしようといってもなかなか進んでいかないですよ。ただ三重県流の畦をとってしまえとか、何かそういう集落があって、法人化はできないけれども、耕作地がこれだけあるので、もう少し三重県版の政策を細かい田んぼの畦を取っ払ってしまってもいいじゃないかとか、そういう三重県版のものをつくってやらないと、金がない、金がないと、それをやらずに放っておいて、ここへこうするんだというとったって、それは進んでいかないわ。そこら辺はどう考えているのか。

○岩崎農業基盤室長 まず先程部長の補足になるんですけれども、やはり主力として、メインとしては担い手への集約という形のパイプライン化、排水対策も含めるんですけれども、これを進めたい。しかしおっしゃったように、そうじゃないところでも結構現状としては農業政策の相当部分を占めているところがありますので、そのへんは県独自の単独事業とか、国の方の補助事業も利用しながら、それもあわせて実施してまいります。
 ただし、財源等に限りがありますので、そのへんのバランスは適切にとりながら進めてまいりたいというふうに考えています。

○永田委員 それで、これは非常にいい私は政策が出てきたなと、先程も申し上げましたんですが、進めていく方法、いつまでにどうだ、どうこうして、全県で徹底していかなければいけないでしょう。市町に。県だけでやっているわけにいかない。市町と一緒になってやらなければいかん。そういう方法をどう考えていらっしゃるんですか。

○真伏部長 あくまでも私サイドの私見というふうにご理解をいただければと思うんですけれども、先程の推進体制の話ですとか、地域経営ビジョンの策定という話をさせていただいんたですけれども、当然そこへ行くまでに県としての、市町も含めた県という意味ですけれども、全体としてどういう方向で農業を進めるんだというのを全体でオーソライズしていく必要があるのかなと思っています。
 そのために、例えば基本計画のようなものをつくりながら、それでいろんな目標なり、取組の方向性を示させていただいて、それを例えば議会の方でいろいろご審議をいただいてやっていくような方法も一つの方法かなと思っています。
 今日のところは方向性なり、こういう形で農業・農村施策を進めたいという話をさせていただいたものですから、これを受けた形で、これをどうやって具体化していくんだというあたりをもう少し私の中でもいろいろ勉強させていただきたいと思いますし、議会のこの特別委員会、それから常任委員会の中でも御議論をさせていただければなというふうに思っております。

○永田委員 いずれにしても、非常に三重県農政としてこのようなことが出てきたことを評価したいんです。これをいかに実現に向けて三重県全体の政策として進めていくか、これをひとつ真剣に全部で緊張感をもって進めてほしい。これだけ。ただ作るだけではいかんね。
 以上です。

○吉川委員 どうも私ら近視眼的によく見てしまうんですが、やっぱり将来にわたった農業政策、食料政策というものを考えていかなくてはならないけれども、それを踏み込んでいくと、これはあくまでも食料自給対策特別委員会だから非常に難しいところがあるんですが、それはそれとして、今の三重県農政の中で集落営農の推進というか、そうしたものをどこまで力を入れられているのか、入れていただいていると思うんだけれども、私の周りを見てみると、それができてないと思うんです。
 そこで、若干四、五名の方が集落を飛び越えた広域なところから同士的な感じで寄ってきて、そして若干の助け合い、一人でできません作業がありますからやってなさる。これはこれとしていいと思うんですわ。いいと思うんですが、今やその人たちが年齢的に75歳を中心になったような人ばっかり。さっきから65歳というと、とてもそんな若い人おらへん。そこを考えていくときに、ここでも2年3作、米をとって麦を植えて、麦を収穫して大豆、2年3作ということも多分そのことだと思うんやけど、書いていただいてあるけれども、そこまでは体力的にできない。そこらのところをあわせて、何かもう少し農政として、農業経営というものにお考えをいただいて踏み込んでいただくような方策、でなかったら、もう5年ぐらいたったら崩壊すると思うんですわ。もう10年ももたないと思うんです、今やっている人が。そこらのところの三重県としてお考えはありますか。

○真伏部長 実態面は室長等から申し上げますけれども、ここで集積の仕組みづくりとか、多様な担い手の育成というふうに書かせていただいた部分のねらいというのは、まさにそこだと思っています。先程申し上げたように、高齢化もどんどん進んでいきますし、そのへんをどんな形でカバーしていくんだというのをしっかり考えていく必要があるなと思っていますので、そういう意味では担い手をどうやって育てるんだという部分とか、法人化も含めてなんですけれども、そこへのいろいろな手だてを先程幾つか書かせていただいています。
 例えば、推進体制なども先程普及員の話もあったんですけれども、やはり地域にしっかり入っていって、地域の中でそういうことをしっかり話をしながら法人化も含めてやっていくというのが、いろいろな意味で少し遠回りかもしれませんけれども、最後はそういう話になってくるのかなと思っていますので、そういったために人的資源の集中をするとか、それからそこにも書いていますけれども、市町とJAも入れて、県も入れて、一体でいろんな地域指導をしていくなり、地域に入っていって、いろんなネットづくりをするとか、そういう県、市町、それらがばらばらでやっているのではなく、一つの本当に取組をみんなそろってやっていこうやないかという形でやるとか、それと先程ありましたけれども、新規就農するためのいろいろなキャリアパスというと変ですけれども、例えば商業高校を卒業された方が、例えば農業大学校へ研修されて、その方が今度はちゃんと県内の法人のところへ入っていくとか、農業関係の企業へ入っていけるとか、そういう形で一つの仕組みづくりといいますか、そういうキャリアパス的なものをつくっていく話とか、それから農業大学校の方でいわゆる農家経営といいますか、農業経営というか、そういう講座もしっかりやっていくとか、そういうことも多分必要ではないかなと思っていますので、そういう取組もしながら、担い手へ集積する、担い手も育成するということを考えていきたいなと思っています。思いでしゃべった分もありますけれども、そういう形の取組をしたいなと思っています。

○吉川委員 そういうことだと思うが、これ転作農政ということが今、日本の農業の一番柱になってきたような、それが食料自給対策にもつながっていくと私は思うんですが、ということは、米だけつくっていったらいい昔と違いますから。そこで、三重県下全体をながめて私は言えません、わかりませんから、しかし私の近く、仮に伊賀市だけを考えてみますと、全体の耕地面積の中から転作していく面積は35%という計算をして、それで計画をしていける。そこで、少しでもたくさんやってくださいよ、切れないようにと、いわゆる私が9月の一般質問で言うた100%を切ったら困るのでというて、それが出来過ぎて110何%も、120近くもできてしまった、それはいいんですが、問題は米をつくるより転作するほうは労力が要るんです。だから、今それができているけれども、将来5年と持つかという心配をしているわけです、今。しかし、そうかといって、米100%をつくってよろしいよというのなら、もっと百姓に従事する人は増えるんです。
 しかしそれができない、そうして請負耕作的に田んぼも任せて、年貢は要りませんと、どうぞ維持してくださいという感じになってきているんです。今まで反1万円ぐらいで10アール、それがもらえなくなってきた。今、来年は大体10アール整備ができている補助で7,000円ぐらいというのが今通知が来ております。そういうことになって、もうじきに無償で対応すると、そしてお守りをしてもらうということになってくる。残念なことですが、そうすると、将来ともに転作というものが推進していかなくてはならない。そうしたらだんだん後継者がなくなっていくと思うんです。そこらの手だてというか、いい方法がないものか、一番これが邪魔していると思うんです。非常に難しいあれですが。

○望田総括室長 大変各地域で生産調整等についてはご努力いただいておりますことに対して、心からお礼を申し上げたいと思いますが、今おっしゃったように、さまざまな地域でさまざまな課題がたくさんあると思います。そういう中で、先程も議論にはなりましたけれども、一つは集落営農でその集落の中でどうしていくか、将来の担い手をどうしていくかというような考え方が一つあると思いますし、もう一つ、今注目されているのが新規需要米という形で出てきていると思いますので、飼料用の米にするのか、稲わらもとるのか、それからホールクロップみたいなえさにするのか、さまざまな経営体が各地域であると思いますが、そういうものをうまく入れることによって、既存の機械とか、それから効率的な作業等もできると思いますので、そういう進め方もあるかと思いますので、普及とも連絡しながら集落営農なり、そういう新規需要米の推進等についてこれから一生懸命頑張っていきたいと思っております。
 以上です。

○吉川委員 最後に、適地適作というのがあるんですよね。それで、米をつくって割方高く売れる産地、米をつくっても塩害等でやられる地域、そういうことがありますから、適地適作で県下を割り振って、そうしてやってもらう。この間も知事がおいしそうにイチゴを、「かおり野」、ああいうものができてきました。よかったなと思っているんですが、そういう大割り、小割りをした中でのこれからの農業経営ということを三重県として考えられませんか。

○真伏部長 おっしゃったように、減反といいますか、水田調整は今まで長い歴史があるわけです。私も過去今までやってきた地域での取組がいろいろありましたもので、どうしてもそれを引っ張ってきているといいますか、引っ張らざるを得ません部分もありますもので、すぐに方向性を一つの方向に向けるようにしようかと思うと、これは難しいと思うんです。ですから、少しずつですけれども、おっしゃったように、どうしても米しかできないところもありましょうし、そういうところではほかにほかのものつくれと言われてもできないというところもありますもので、それは飼料米とかいろいろな形で利用できるものがあるんならつくるとか、そういう形で大きな県の中で、枠組みを少しでもそういう形で変えていくというか、そういう取組は要るかなと思っていますので、来年すぐできるというわけではありませんけれども、少しずつそのへんを県の協議会の中でも考えながら、少しでもできるだけそういう方向性を出せればと思っておりますので。

○吉川委員 そういうことで、なかなかこれも難しい。言葉で言えても、実際難しいと思いますが、ブランド産品をつくってくるのと一緒で、地域によってそういう特産地域をつくっていくということもあわせ考えてもらっての自給対策にこれもつながると私は思いますので、一つまたお考えをいただきたいと思います。

○前野委員 今日は50%の自給率を目指してということで、いろいろ計画を聞かせていただいたんですが、私も一般質問でも申し上げたように、三重県の農業はここに書いてもらってあるように兼業農家が大半を占めていると。その兼業農家もいわゆる農業外収入を農業に充当することによって、どうぞこうぞ支えているというのが今の三重県の農業の現実なんですね。絶対に、これは頭から切り離して農業政策を考えてしまうと、全く違った結果になってくるというふうに思います。
 それで、その兼業農家の皆さん方が、自分のところが農業をあきらめて農地をいかに集積化するかということが、三重県農業の50%の自給率と農地を守るというこの施策にいかにできるかということによって、三重県の農業は守れるのではないかなというふうに考えていますが、集積が難しいんですよね。これができれば、農業は業として十分僕は成り立つというふうに思っています。
 例えば、兼業農家でも自分で稲の種をまいて、そして育ててそれを水田に植えつける。それで収穫も自分でやれる。こういうことを一連作業をやる場合、大体1.5ヘクタールぐらいの農地をつくれれば、十分私は採算はあうと思います。農業だけでも十分採算は黒字になるというふうに、私なりに計算をしているんですが、ただそこに4割という減反がついてくるものですから、どうしても利益が見出せないというのが現実なんですよね。
 ですから、そういうことを考えていくと、農地の集積化を図るためには、特に自立的農家の経営体をつくるためには、農地の集積を図らないといけないと。ただ農地の集積を仮に図れるとしても、今話が出ていましたように、老朽化した施設の改修だとか、あるいはもろもろの農作業以外に共同でやらなければならない農業外作業、これらをいかにするかということも大きな課題だと思うんですね。
 三重県はなぜそういうことになるかというと、圃場整備をこれまで進めてきましたけれども、やはり水田農業の中心になっている東北とか、北海道とか、あちらの方の農地と比べると、どうしても1枚の水田面積が狭いということがやっぱりあります。
 この間も九州の有明海の干潟へ視察に行ったんですが、1枚の面積が6ヘクタールなんです。夫婦の方で全く農家でない方が入植して、キャベツをつくっていました。6ヘクタール1枚借りてキャベツつくっている。年間に売り上げは大体4,000万円から5,000万円ぐらい。キャベツを1年に2回つくるんです。ちょうど私らが行ったときには収穫期でたくさんのアルバイトを雇って収穫していましたけれども、それも1カ月ぐらいですべて収穫してしまうので、それ以外のときには人手は要らないと、夫婦で十分耕作していけるのではないかなと思います。
 ただ、投資も大きいですよね。機械にしても、大型のトラクターを何台か導入しなきゃなりませんし、移植機、トラックにしても、この辺の農業でしたら軽4トラックで十分ですけれども、4トン車ぐらいのトラックが要るんですよね。荷物を運ぶ、キャベツを出荷するのに。
 ですから、投資も大きいですけれども、かなり利益が出るような農業展開ができる。そんなことを考えますと、三重県もそれに近づけていくためには、やはり農地を集約化をして米と麦と大豆をつくるにしても、何十ヘクタールかの農地を一人が耕作せんとできない、それと今の1枚の作付け面積が非常に小さいものですから、もう一度再整備をする必要もやっぱりあるのかなという、そんな気もします。ただパイプラインだけ引いたら省力ができるかというと、そうではないというふうに思いますね。1枚の水田面積が少なくとも1ヘクタールぐらいないと、本当の農業展開、米と麦、大豆をつくった農業展開ができないのでは違うかな。
 それから湿田。米以外に何もつくれないという田んぼもたくさんあるんですね。これは圃場整備が終わったときの技術的な問題があったのかと。ただゆがんでいる不整形な田んぼを真四角にすれば、耕作能率だけは上がるということは……。

○奥野副委員長 前野委員、簡潔にやっていただけますか。

○前野委員 まとめますが、それでそういう形でされたと思うんですけれども、そのへんを見直すためにはもう一度圃場整備を考えなきゃいかんということもあると思います。
 それで、経営体の質問が出ていましたけれども、3,819の経営体の中で、幾つかの種類があると思うんですね。ハウス園芸だとか、花木、畜産、お茶、そういった方々もおりますし、全く本当の土地利用の米、麦、大豆をつくってみえる、そのへんの選別というんですか、業種別にわかるような資料があればお願いしたいのと、簡単に二毛作やればと皆さん方は言うてみえますけれども、麦と大豆の二毛作ですと、必ず連作障害が出てきます。だから、水田に麦や大豆をつくるというのは僕は非常にいいと思うんですね。だから、水田を田植えして、その裏作に麦をつくる、大豆をつくるということになってきますと、連作障害が軽減というか、なくなりますので、特に土壌にあるセンチュウなどは田、水田を植えることになって、水を張ることによって死滅をしますので、非常に連作障害の対応にはすばらしいと思うんですが、麦と大豆を二毛作で毎年つくりなさいといっても、これはとてもつくれるものやないと思います。
 そのへんもしっかりともう少し現場に合うたような施策をつくっていかないと、このまま皆さん方が書いてもらったものを正面に出していくと、農家から笑われますよ、現場で働いている方から見ると。
 それと今、部長がおっしゃっていただいたように、基本計画をきちんとつくってほしいですね。10年なら10年の間にどんなことをするんだという基本計画。それに伴う予算もしっかりつけていただいて、美し国や博物館ばかり基本計画をつくっとらんと、ぜひ農業の方も三重県の食料を守る、国の食料を守るということですから、ぜひ基本計画をつくっていただいて取り組んでいくということをひとつ要望しておきます。
 その資料だけ、またください。

○奥野副委員長 ほかにございませんか。よろしいですか。時間も迫っていますので、簡潔にお願いします。

○藤田委員 1点だけよろしいですか。何遍か質問して申し訳ないんですが、1点だけちょっとお聞きしておきたいんですが、企業の参入の件なんですが、考え方をお聞きしたいと思うんですけれども。国の方で昨日、諮問会議で、企業の参入を容易にする、特に土地の貸し借りを自由にできるような方向が打ち出されておりますけれども、この辺のところ、この文章を単純に読むと、大いに結構、どんどん入ってくださいと、こういう話になると思うんですが、この企業の参入の問題と、今までいろんな税金を注ぎ込みながら担い手育成をしてきたという一つの動きがあろうかなと思うわけですね。
 企業というのは、我々農業者の組織をする企業もあろうかと思いますが、非常に大きな企業が資本を持って、あるいは販売のチャンネルを持った企業がかかわってくるという、自らがやるというようなことも考えられるかなと思うんですが、そのへんのところの何らかのハードルみたいなものは県としては考えてみえるのか。そんなもの全然ないよと、どんどん参入してくるものは拒まずで、無条件で入れるのか、そのへんのところをどういうふうにお考えか、ちょっとお聞かせ願いたいなというふうに思うんです。

○真伏部長 担い手等が当然これから必要になってくる部分がありますので、そういう意味では企業参入というのは一つの大きな柱になるかなと思っています。ただそのときにおっしゃったように、もうけるときだけもうけて、風向きが変わったらそのままぽっと撤退していくという形の企業経営まで自由にさせたらいいかというと、そこまでは考えてません。 
 先程農地改革プランというのが3日に出ていますけれども、一方で、貸借による農業参入の拡大などもいろいろ書いていますけれども、例えば所有権の取得については、現行の要件を維持するとか、いろいろ制約も書いています。それで当然担い手等についても、その地域の経営状況なども見ながらいろいろやると書いていますし、全くフリーな形でどんどん企業参入したらいいよというところまでは、私は国も考えていないと思いますし、私はそこまでは一気にいく必要はないなというふうに思っています。一定の企業として、しっかり農業をやっていただくという前提のもとでの参入という話になりますので、直接の農地等の参入についてはそういうふうに思います。
 ただ一方で、できてきたものを活用して、特産品をつくるとか、いろんな形でやってくる部分があると思うんですね。そういう部分については、どんどんそういう企業なども参入していただいて、企業が持っているマーケティング力とか、ノウハウ、生産能力とか、そのへんは活用したらいいなと思っていますので、直接農業に参入する部分とできてきたものを販売するとか、加工するとか、そういう部分とは少しレベルが違うなと思っていますので、ちょっと雑駁ですけれども、そういう形でのスタンスでいきたいなと思っています。

○藤田委員 ありがとうございました。ぜひ今まで頑張ってきた担い手と連携がとれたような企業参入というところを行政としても一つの枠組みたいなものを持っていただいてやっていただきたいなと思います。
 私、質問の仕方が下手でして、一番最初に大きな目標を掲げていただいたというのは、これは大変画期的なことだと思いますので、ぜひこの目標が現状の農業者、農業の産業の中で非常に合理性のある、関連のある目標にしていただいて、ここにかかわっておる4,000の経営体が今後とも継続的に農業経営がやっていけるように、幅広い施策をぜひやっていただきたいなと、こんなふうに思います。

○奥野副委員長 時間も来ていますので、これぐらいで当局に対する質問は終わらせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

〔「はい」の声あり〕

○奥野副委員長 部長初め農水商工部の皆さん方には貴重な時間をありがとうございました。我々食料自給対策調査特別委員会の方も、いろいろ参考にさせていただいて、まだまだ皆さん方にはいろいろお知恵を拝借する部分もたくさんあろうかと思いますが、今後ともひとつよろしくご協力のほどお願いしたいと思います。
 また、今日の課題と対応の方向というのはすばらしいものになっておりますので、50%に向けて皆さん方とともに、三重県農政、三重県の食料自給率向上のために頑張りたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 今日は本当にありがとうございました。

〔当局退室〕

   ③     委員間討議    なし

 

Ⅱ 委員協議

 (1)今後のスケジュールについて   別紙案が了承された

 (2)参考人招致について   人選は正副委員長に一任された

 (3)次回以降の委員会の開催予定を確認した。

 

〔閉会の宣言〕

 

食料自給対策調査特別委員会    

副委員長  奥 野  英 介 

 

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