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不況下における緊急雇用対策の強化を求める意見書

不況下における緊急雇用対策の強化を求める意見書

 世界的な金融危機に端を発した不況のため、我が国の雇用情勢は急速に悪化している。厚生労働省の調査によると、咋年10月から本年3月末までに約15万8千人の非正規労働者の解雇等雇用調整が見込まれており、今後更に状況が厳しくなることが想定される事態になっている。
 契約を打ち切られる派遣社員の中には、企業の寮等に住んでいるため職を失うと同時に住居も失うといった事態に追い込まれる者も多く、生活基盤を立て直すための支援が緊急に必要である。
 また、同省の調査では、本年2月までに学生の採用内定取消しが1,215件にも上っているところであり、企業が安易に内定の取消しを行わないようにする措置が求められている。
 このような雇用不安が社会不安につながることも懸念されており、国には、雇用の維持、失業者の住居及び生活の安定に向けた支援並びに新たな雇用の創出に向けた取組が求められる。
 よって、本県議会は、国において、緊急雇用対策の強化を図るため、下記の事項を速やかに実施されるよう強く要望する。

                                          記

  1. 企業が安易な解雇又は内定の取消しを行わないよう、職業安定所の指導を強化するとともに、必要な措置を講ずること。
  2. 事業主に対して助成される雇用調整助成金について、要件の緩和や支給日数の延長等を行い、派遣切りの防止をはじめ雇用の維持のための活用を促進すること。
  3. 雇止めや解雇等により住居を失った派遣労働者及び雇用保険の受給資格がなく生活に困窮する失業者に対して、就労支援又は職業訓練を実施するとともに、住宅を貸与し、生活支援金を給付すること。
  4. 雇用保険の適用対象者の拡大、失業給付(基本手当)の受給資格要件の緩和、基本手当日額の増額等を図るため、雇用保険法を改正することにより、雇用のセーフティネットとしての取組を強化すること。
  5. 労働者派遣について、一時的又は臨時的な雇用の場合に限定するとの原点に立ち返り、雇用が不安定で労働安全衛生管理などの使用者責任が不明確な現行制度を見直すため、労働者派遣法を改正すること。
  6. 医療、介護等の福祉、環境、新エネルギー、農林水産漁業等の分野での就労を支援するため、職業訓練、就労支援等を行うこと。
  7. 若年フリーター、一人親世帯の者、障がい者、高齢者など、特に就労が困難な状況にある求職者については、特段の配慮をもって就労支援を実施すること。
  8. 労働者のメンタルヘルスの不調、過労死、不払残業等をなくし、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)に配慮した労働時間の実現を目指すよう、労働時間短縮のための労使の取組を支援又は促進すること。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成21年3月23日

             三重県議会議長 萩 野  虔 一

(提 出 先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣

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