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協同労働の協同組合法の速やかな制定を求める意見書
社会における労働環境の大きな変化によって、機会が得られないなど働くことに困難を抱える人々が増大し、ワーキングプアなど新たな貧困層が広がっている。
また、障がい者や社会とのつながりを作れない若者など、働きたくても働けない人々の増大は、社会全体が抱える問題である。
ここで、NPOや協同組合、ボランティア団体など様々な非営利団体は、地域の課題を地域住民が自ら解決することを目指して事業を展開している。この一つである協同労働の協同組合は、働くことを通じて人と人とのつながりを取り戻し、コミュニティの再生を目指す活動を続けており、このことは、これらの社会問題の解決の手段の一つとして注目されている。
しかし、現在、この協同労働の協同組合は、その法的根拠を持たないため、社会における理解が不十分であり、団体として入札や契約ができない、団体で働く個人に社会保障の負担がかかるなどの困難を抱えている。
既に欧米では、労働者協同組合(ワーカーズコープ、ワーカーズコレクティブ)についての法制度が整備されている。我が国でも協同労働の協同組合の法制度を求める取組が広がり、数多くの団体がこの法制化に賛同しているだけでなく、国会議員の間でも超党派の議員連盟が立ち上がり、法制化の検討が始められている。
誰もが希望と誇りとを持って働く、安心と豊かさとを実感できるコミュニティを作る、あるいは人とのつながりや社会への帰属を感じるといった働き方を目指す協同労働の協同組合は、市民による事業によって市民によるまちづくりを創造するものであり、働くことや生きることに困難を抱える人々自身が、事業を起こし、社会に参加する道を開くものである。
よって、本県議会は、国において、現在の社会問題の解決のための有力な制度との認識の下、協同労働の協同組合法を速やかに制定されるよう強く要望する。
以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成21年3月23日
三重県議会議長 萩 野 虔 一
(提 出 先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣