三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成20年度 委員会会議録 > 平成20年7月22日 救急医療体制調査特別委員会 会議録
救急医療体制調査特別委員会
会 議 録
(閉 会 中)
開催年月日 平成20年7月22日 自 午後2時02分 ~ 至 午後3時48分
会 議 室 601特別委員会室
出席委員 12名
委 員 長 貝増 吉郎 君
副委員長 森野 真治 君
委 員 山中 光茂 君
委 員 小林 正人 君
委 員 今井 智広 君
委 員 服部 富男 君
委 員 末松 則子 さん
委 員 真弓 俊郎 君
委 員 北川 裕之 君
委 員 日沖 正信 君
委 員 前田 剛志 君
委 員 桜井 義之 君
欠席委員 なし
参 考 人 初期救急医療関係
桑名
医師会長 伊藤 勉 君
2次救急医療関係津地区
医師会長 吉田 壽 君
出席説明員 3次救急医療関係
県立総合医療センター 院 長 高瀬 幸次郎 君
委員会書記 議 事 課 岡 田 鉄 也
企画法務課 森 岡 賢 治
傍聴議員 なし
県政記者クラブ 4名
傍 聴 者 1名
議題および協議事項
Ⅰ 調査事項
1 県内における救急医療体制の現状について
(参考人等からの聞き取り)
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
○貝増委員長 ただいまから救急医療体制調査特別委員会を開会いたします。
本日は、県内の救急医療の現状について、参考人等から聞き取りを行います。
本日は、参考人等といたしまして、初期救急医療関係として、桑名医師会長の伊藤勉氏、2次救急医療関係として、津地区医師会長の吉田壽氏、3次救急医療関係として、県立総合医療センター院長の高瀬幸次郎氏、この3方の先生方をお越しいただいております。
本日の委員会の進め方ですが、まず、初期救急医療、2次救急医療、3次救急医療体制の順番でそれぞれの方から15分程度で現在携わっている救急医療の現状、現状を踏まえた課題や問題点、課題や問題解決のための意見や提案などについて説明を受けた後、各委員からの質疑を行いたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
Ⅰ 調査事項
県内における救急医療体制の現状について
(参考人等からの聞き取り)
○貝増委員長 それでは、初期救急医療関係として、桑名医師会長さん、伊藤さん、よろしくお願いいたします。
○伊藤参考人 では、早速ですけれども、きょうのテーマというのは与えられた問題については、私としては、主に開業医が責任を負って、内科、小児科に関する平日夜間、あるいは休日の急患の医療供給体制についてお話ししたいと思います。これには在宅医療も含んでおります。したがいまして、1次救急、初期救急医療というのは、病院で時間内で入ってくるそういうものも含まれているし、それからお昼休みとか、そういうその時間のちょっと超過した部分も入っているんですけれども、その部分については今回は入っておりません。ですから、その点を最初にお断りしておきます。
それから、もう一つ、今在宅当番医という言葉が前からあるんですけれども、これは現実的に在宅の例えば私のところがきょうは当番になったとしても、職員の確保が非常に難しいこと、それからもう1点は、院外処方が薬の処方が薬局に出すようになりましたので、その手配が非常に難しいということで、現実的には非常に難しい現状になっていると思っています。ですから、資料の1に書きましたように、桑名の医師会としてやっている1次の休日応急、救急医療体制というのは、休日の応急診療所、これは昭和54年10月から開設しております。それから、もう一つは、平日の夜間ですね、平日の夜間の応急診療所が15年の4月からやっております。
もう一つは、小児科の領域というのは、なかなか今、後でもちょっとお話しすると思いますけれども、患者さん、特に小児科に限っては、患者さんの親、保護者が今言われている質の問題というか、いわゆる内科とか外科とかそういうものが担当した場合に、大丈夫ですかと言われるとちょっとやはり腰が折れますので、その部分についてはもう一ついわゆる平日夜間の応急診療、あるいは休日診療所から2次的に小児の専門の部分について送るという意味で、これは平成18年の7月から実施しているのですが、桑名に名称は桑名地域小児医療センターというのが一応できたんですね、18年7月から。ただ医師が現在1名です。ですから、とてもそういう状況ではない、対応できる状況ではないんですけれども、これに関して医師会が週に2日、医師会内のこれは桑名といなべの地区の医師会の先生方7名、あるいは8名が火曜日と水曜日に出かけて行って、病院でその地域小児医療センター、これは山本総合病院の中にあるんですけれども、そこで2時間待機しています。それが今の桑名医師会のやっている1次救急の現状です。
それについて資料でいろいろ出してあるんですけれども、この資料の一番最後のページなんですけれども、この中に18年度、19年度の応急診療所の利用状況というのが書いてあるんですけれども、この中で私たちが言いたいのは、休日ですと1,600名とか、平日夜間ですと約700名とか、19年度であれば1,700、それから19年度の平日夜間は600という、こういう患者さんがみえているんですけれども、この中で実際に病院を紹介したというのは、大体休日の応急診療所で大ざっぱにいって10%、だから10人のうち1人は2次医療機関に送っているんですけれども、あとの9名はそこで完結していると、それから、平日夜間については、これはちょっと2次病院の紹介数がふえるんですけれども、それでも十七、八%、20%に満たない10人のうち2人がそこでは対応できないということで、病院に送っております。その中で送った中の追跡調査してその9割が小児です。ですから、桑名の医師会がやっている応急診療所の中で、ほとんどのその問題になるのは、小児の救急医療に対してどうするかということが非常にこれから大事になってくるとそういうふうに思っております。
ただ、現状としては、これは桑名医師会で17年の秋ごろにもう皆さんご存じだと思うのですが、名張の小児科医の問題が出てきましたときに非常に危機感持って対応してきたんですけれども、やっぱりどうしようもなくてその山本総合病院内にある桑名地域医療センターに小児医療センターに医師がやはり1年間は2人でしたけれども、1名なんですね、現状でも。ですから、そういう中で、桑名医師会のやっている応急診療所、その休日にしても平日夜間にしても、その後の難しい患者さんが来たときにそれをどうするかということが非常に難しい、これはどこの病院であってもどこの医療機関であっても同じですけれども、1次医療という、1次で初診ですね、その患者さんが診療所へ来て診る、その1次診療と入院もできる、ある程度の手術もできる、そういう2次病院、2次医療機関、それはもう医療にとっては車の両輪といいますか、表裏一体の関係といいますか、どっちかが欠けても両方だめになるんですね。今言われているのは、2次医療機関が1次医療機関が機能しないために2次医療機関で全部面倒をみないといけない、例えば夜間であっても休日になってもみんな病院へ行ってしまうと、だから病院の医師は当直をやってその明けで何十時間もそのまま勤務しないといけないと、そういう現状が起こっているんですけれども、逆に言うと1次医療の関係からいいますと、先ほど言いました応急診療所をやっていてその中で小児科領域の難しい病気が出てきたときに、もしこれが次に誰か受ける病院がないと多分小児科の先生以外は受けなくなる、これは今の医療訴訟といいますか、そういう問題も含めてやっぱり例えば整形外科の先生が小児を診て診断が間違っていたと、そうすると必ずこれは訴訟問題に発展しますので、幾らやっぱり医師が使命感があるといってそれに対して無条件で診療に当たるということはできません。ですから、その2次医療、そのバックアップ体制がしっかりしてないような医療ではとても1次医療というのはできませんので、特にボランティア的なそういう大きい診療所については、そういうことができませんので、後に少し表に出ていますけれども、今40名前後で応急診療所回しているんですけれども、その中で内科も小児科も診れる部分は別として、それ以外の外科、整形外科の先生にはとてもこれ以上負担をお願いするような状況にはありません。ですから、一般の開業医いわゆる診療所としての考え方としては、それを充実させるということが非常に重大な今任務になっています。だから、医師会でやっているということは、そういうことをどうやって2次医療をきちっと確保できるか、それが非常に大事なことだというふうに思っております。
そういう現状があるんですけれども、もう1点、桑名市の中で救急搬送、いわゆる救急車で搬送される人が17、8年からデータが出ていますけれども、6,000から6,600ぐらい年間ですね、搬送されているんですけれども、私たちとしては、その中でどれぐらい応急診療所で対応できるのか、例えば今、平日夜間応急診療所というのは、月曜日から金曜日までの5日間、土曜日までですね、午後8時から10時まで診療しています。ですから、非常に勤務医の先生が状況が厳しくなれば当然これをやはり延ばさんといかんのかなというそういうことも考えなければいけないし、それから今小児科、内科で回しているんですけれども、またもう少しほかの診療科もやらないといけない時期が来るのかなという、そういう問題意識を持っております。ただ、はいじゃやりましょうかというそういう単純なものではありませんので、先程言いましたバックアップ体制を含めて、病院の機能がある程度確保されないと簡単にそういうことに踏み出すわけにはいきませんので、そういうことと相まって今検討課題として思っております。
それで、もう一つは、これからが私たち1次診療にかかわっている者のお願いしたいというか、問題意識の一番のもとだと思うんですけれども、例えばコンビニ受診というそういうあれがあるんですけれども、これはもっとほかにもいろいろあるんですけれども、今の世の中の構造がどうしてもそういうふうにいかざるを得なくなったという、そういう一つの現象のあらわれであると、一つは母親と言っていいのかどうかわかりませんが、子どもを小児を育てる人がみんな労働者になってしまったんですね。就労されています。ですから、その就労されているから子どもが病気になっては困ると、次の日も仕事に行かないといけないという、そういう社会的な背景が一つはある、それからもう1点は、核家族になりまして、おじいちゃん、おばあちゃんと同居していないというそういう問題が社会的な背景にあると、それからもう1点は、健康保険というか、皆保険になって非常にこれは世界的にも誇れることなんですが、逆にお金を出したらいつでもどこでも診てくれるんだと、それも最高の医療を提供してくれるんだと、そういう現象、甘えといいますか、そういう問題が出てきてしまったものですから、医療側にとっては非常に難しい問題が今度発生しております。ですから、その社会的な部分と経済的な問題とか、そういう面と同時に、社会の風潮としてそういうことが出てきたものだから、お金を出せばコンビニと同じような感覚でいつでも行ってもいいんだというそういうことが非常に大きな問題になっています。
それから、もう1点大ざっぱなことですけれども、きょうこれ県の救急医療に関する会議ですけれども、今までは地域医療計画というのは県が作成して、県でいろんなものをつくっていました。それはそれでいいと思いますし、これ非常に大事な役割だと思うんですけれども、今まではそれに市町村、三重県は村がありませんから市とか町が甘えてしまったというか、なじんでしまって自分たちの問題であるという意識がちょっと欠けていた、だからそれがそのツケがどっときて、今こういう医療崩壊と言われる問題の一端になっているのではないかというふうに思っております。
それはどういうことかというと、例えば桑名市でも今、桑名市民病院がその再編とか、統合とかという問題を起こっているんですけれども、その場合にどういう病院をつくるかというそういう基本的な理念といいますか、計画がやっぱりつくるとなったんだけれども、わからない、例えば医師会に対してさえ余りはっきりわからない、当然市民にとっては全くわかりません。それから、これは今後市だけでできないことですので、桑名市というのは四日市圏と愛知県の海南病院という大きな病院があるんですけれども、そこの間に挟まれております。ですから、それをどうやって対応していくか、いわゆる2次医療としてどうやって対応していくかということも一つの検討課題であると思うんですけれども、単純にそこへ甘えてしまっておんぶにだっこというわけにもいきません。もう両病院とも少し科によってはもう地区以外の人はお断りというそういう状況も出ていますので、そういう中で市というのがどういうふうに考えていくのか、医療の問題もそうです。供給体制もそうです。それから、市民に対してどういう啓蒙活動というか、今までは病院を造ると立派な病院できましたので、24時間いつでもおいでくださいと、何でもしますという形のあれだったんですが、今からはこの病院はこういう病院ですので、これ以外は来てもらっては困ると、あなたが来るために助かる人が助からなかったという、そういう情報も発信していかないといけないという、そういう時代になっていますので、私たちがやっている応急診療所というのは、そういう役割をするところだと思っております。
それから、もう1点は、応急診療所と夜間診療所、あるいは休日診療所は全く別のものでありまして、私たちがやっているのは応急診療所なんですね。だからとりあえず救急、緊急の場合に何とかしようというそういう診療所でありまして、夜間に開設する診療所とか、休みの日もやっている診療所ではありません。ですから、その辺の区別をきちっとやはり行政的にも判断していただいて、そういういわゆる啓蒙活動、それをやっぱりやっていただくというのがこれから非常に大事ではないかなというふうに思っております。
ちょっと時間的にもあれなんですけれども、それともう1点、私たちが現場で一番感じているのは、これは医療というのは今で言う聖域なき改革という構造改革と言われていますけれども、やはりそれは違うなという、どうしてもそこへ行き着くということですね。だから、何かやるとすぐにそれが返って来て1年で収支がとんとんになるとかそういうことではなくて、例えば医師を育てるには10年、最低10年かかると言われております。だから、病院を建てたにしても何にしても10年とか20年とかそういう10年単位で考えないといけないことを今は非常に性急に問題を整理されていまして、そのしわ寄せがやっぱり来ているのではないかと、診療報酬にしてもこういう休日とか夜間にやっている部分については、相当のバックアップをしてほしい、それから市なり町なりが市民のそういう医療を守るためにやはりそれなりの財政的な支援というか、そういうことも必要ではないか、そういう形で私たち医師としてもいわゆる開業医中心とした医師にとってもこれからやはりもっと応急診療所の時間を延ばすとか、診療科目をふやすとか、いろんなことを考えていかないといけないのですけれども、同時にそういうような行政的な配慮、あるいは患者さんの意識改革、そういうこともこれから大事ではないかなというふうに思っております。
時間来ましたので、これで終わらせていただきますが、よろしくお願いしたいと思います。
○貝増委員長 どうも伊藤さん、ありがとうございました。
続いて、2次救急医療関係として、吉田会長さん、よろしくお願いします。
○吉田参考人 津の吉田でございます。よろしくお願いします。
まず、きょうは救急委員会の公聴会にお呼びいただきましてありがとうございました。
それでは、津市の救急医療についてを中心にしてご説明をさせていただきます。
まず初めに、1ページでございますけれども、医療の置かれた厳しい環境から説明を入らせていただきたいと思っております。
これは日本のGDP比に対する総医療費ですね、これが2004年でございますけれども、30カ国中22位、GDP比8%でございます。それで平均は8.9%ということで、経済大国世界第2位にしましては、非常に医療費に介する出費が少ないということでありまして、しかしながら、この費用対効果からみますと、WHOが世界一であるとそのように認めておるわけであります。
それで、日本とイギリスに対するGDP比というのがございますが、1998年では日本の方が7.3でイギリス6.9ということでございました。イギリスは、手術なんかでも結局3カ月とか半年待ちというようなことでございまして、そうしますとがん患者ですともう手遅れになって手術できないという、待たされてそういうふうな状態でございましたものですから、ブレア前首相が医療費をどんどん2倍にしようという考えで医療費をつけましたものですから、2005年あたりではもう2004年からイギリスの方がGDP比に対する医療費の率というのは上回ってきたとこういうことでございます。
その次2ページでございます。
そのような環境下でございまして、ちょうど2000年からです。今まで08年ですけれども、今年はその8年間で4回医療費のダウンがございまして、累計しますと10.94、11%診療報酬が下がりました。そういうことで、ここに書いてございますけれども、赤字病院がどんどんとふえております。民間病院も入れて43%が赤字病院に18年にはなっております。下の表5-6を見ていただきますと、自治体立病院というのは92.73%、ほとんど赤字病院ということになっております。国立で約70%、公的、日赤とか済生会とか農協なんかですが、約60%が赤字とこういう状況でございます。今年またマイナス改定でマイナス0.82%ダウンになりましたものですから、少し病院に診療報酬をつけておりますけれども、年々悪化、病院経営は悪化しておるということでございます。
3ページ目を見ていただきますと、平成16年ですから04年度でございますが、2,761の病院の中で109医療機関が救急指定、輪番制を取り下げたと、約4%でございます。どういう病院が取り下げたかというと、主に200床以下の中小病院が大半でございますけれども、200以上、あるいは500以上でも3病院がやめたりしております。こういうのは経済的な問題とそれから医師不足ということも相まってやめております。
次4番目、4ページ目でございます。これは06年の記事でございますので、結果は05年、今から3年前ですか、3年前の結果でございますけれども、その国庫補助というのが国・県が3分の1で残りが市町村が出しておりましたんですが、05年から救急医療に対する国庫補助が一般財源化されて市町村の補助金を全額負担するということになりましたものですから、市町村が全然補助金を出さないという、救急輪番病院に出さないというような現象が起こってまいりまして、それで05年度には63病院が全国で輪番をやめました。高知県は17病院、鹿児島県で7病院、愛知県で5病院でございますが、幸い三重県の輪番病院はどこも離脱しておりません。これも本当に幸いなんです。
次、5ページ目でございますが、市民の要望事項というのがございますが、これは津市が市町村合併したときに市民に対してアンケート調査をいたしました。そうしますと、消防、救急、救助体制、これがやはり市民の一番のお願いということでございまして、その次災害に強い都市とかあります。4番目に医療の地域医療体制の充実とか、医療、救急、人命にかかわる災害とかそういうところにやはり一番要望が多いということであります。
それから、6ページ目でございますが、津市の医療資源の特徴でございます。1番目は、診療所が非常に多い、これは全国850ぐらいの市町村がございまして、津市はその人口対診療所という数字を出しますと、全国24位でございました。これは私が計算したんですけれども、24位、それからまだ当時は合併しておりませんでしたもので、久居は全国で90番目ぐらいに位置しまして、850の市、町村は抜きで850ぐらいの市が当時あったんですけれども、そのうち24位と90位ぐらい、ですから開業医が非常に多い地域であるということが一つ。
それから、2番目が県立、市立、公的病院というのがないんです。したがって、2次病院というのは200床以下の民間病院が担うと、これが非常に特徴がございます。
3番目が三重大学病院へ中央医療センター、それから三重病院、これは小児を中心とする病院ですが、こういう国立病院が2次、3次を担っていただいておるとこういうことでございます。
そういうことで、救急に対しましては、この多い開業医に救急1次を担っていただいて、そして2次、3次にその軽症な患者が紛れ込まないようにする必要があるということです。
それから、2次輪番病院は、今言いましたように200床以下の民間病院でございますので、重症の脳とか心臓とか、それから多発外傷というような緊急の手術とか、あるいはカテーテル手術のような処置に対応することが困難でございますので、後方機関として3次救急がほかの地域に比べて特に重要であるとそのように思っております。
7ページ目でございますが、これはことしの2月25日に朝日に載った記事でございます。石原慎太郎都知事は、救急に対して東京ER構想というのを考えまして、都立墨東病院にERをやれとこう命じたわけです。ERというのは、軽症から重症までどんな患者でも全部1カ所で診ようというやり方でございますが、そうしますと01年11月にERをオープンすると患者が殺到して、待合室はごった返してとこういうことが書いてあります。それで医者が足らんので救急医を4名墨東病院は増加したんですけれども、年間救急外来が5万件訪れて、そして耐えきれない医者は次々にやめていったと、それでこのERができなくなったとこういうことでございます。
反対に津市の我々が記事が載せていただいたのですが、夜間成人応急診療所等を開設しまして、2次救急に軽症患者が殺到するのを何とか1次で診てもらおうとこういうことでございまして、夜間365日成人を診ようとこういうシステムです。これは津市と久居市医師会120名の先生方で回しておるということでして、夜間の7時半から11時まで、したがって、11時以降はやはり2次の輪番病院に患者さんが殺到するということですけれども、一応準夜帯はこれで1次を患者をそこでせき止めようという考え方なんです。
次、8ページ目でございますが、これが上が昨年の10月31日まで、そして下が新しい体制で11月1日から始めました。ここで違うのは、1次救急医療機関にこの在宅当番で1次救急医療情報案内というのがございますが、これを利用して在宅当番というのを必ず1件置いたのです。ところがその1次救急の患者さんに対する案内のときに近くの診療所が点灯しておればその医療機関、それから必ず輪番当番病院、それからこの在宅当番とこの3つを紹介しますと、1次救急の在宅当番の診療所には患者さんが行かずに必ず2次の輪番の当番病院に患者さんが行っちゃうんですね。それでこれはもう全然機能しなかったのです。
それから、休日応急、これは休日と祭日、昼間やる診療所でございますが、これは大体1日に50名来ます。それから、夜間こども応急クリニック、これは三重県でほかに小児科医がこれだけいないので、小児科医だけで夜間こども応急クリニックと回す場所がない、地域はないと思いますが、これは全国に先駆けて三重病院の後方病院の前に夜間こども応急クリニックをつくったと、これが毎晩365日やりますが、正月もやるんですけれども、毎晩一晩に14人平均来ます。それから、久居でも祭日休日に日中に応急診療所を開いておりまして、これは平均1日に24名来ます。こういうことで、幾らか1次救急は機能を果たしておるんですけれども、どうしても2次に来るということでございまして、2次救急はこのときは8病院で回しておりました。
それで下でございますけれども、新しい体制では、上に1次救急点灯当番制をやめまして、成人の夜間応急診療所、先程申しました新聞に紹介された診療所を開きました。ですから、夜間応急診療所は、津市では子どもと成人とで別々に開いております。先程も言いました子どもは14人ですけれども、大人の場合は7名です。平均7名です。もうちょっとこれ利用していただかないと意味がないんですけれども、今のところはまだ開いて6カ月ぐらいですので、こんな成績です。
それから、2次救急病院を今までは8病院を11病院にふやしまして、必ず2病院の当番病院をつくりました。そのほかに整形外科の当番病院もつくりました。そういうシステムで今運営しております。3次救急は三重大学病院とこういうことになっております。
9ページ目は、その2次輪番医療体制の病院名の回し方、ローテーションが書いてございます。
それから、10ページ目でございますが、救急出動の推移でございます。年々どんどんふえております。平成10年度ぐらいから急にふえて、救急車の出動がふえておりまして、18年は1万701件です。19年度は1万1,392件です。今まで年間大体300から350ふえておったんですけれども、昨年のふえ方は691件、急に倍ぐらい救急車の出動がふえました。それで、どんな患者さんが来るかといいますと、内科が70%で外科が30%です。それで内科の65%は入院しない患者さんですから、1次的な患者さんです。本当の2次の患者さんは45%が2次で入院します。そのうちの21%が本当の重症患者さんでございますので、100人来ると10人が重症患者とこういうことであります。外科の場合は全患者の30%ぐらいですけれども、その30%のうち入院するのは30%でございますので、外科の場合は入院する患者さんが少ないし、重症患者も4.2%ということてございますので、100人来て1人ぐらいが入院するとこういうような外科はほとんど重症はおりません。そういうことであります。
それで、11ページ目でございますが、これは救急車がまず119番に通報が入って、そして病院に届けるまでの時間でございます。これは全国で32分かかっておるのですが、三重県は06年でございますので、まだ2年前ですけれども、31.3分かかっております。真ん中よりちょっと悪い感じの時間です。
12ページでございますが、この下を見ていただきますと、津の到着時間が書いてあります。連絡を受けてから下ですね、一番下、現場へ救急車が到着する時間でございますが、5分以内が43%が今年になってきますと41.7%と下がってきております。それから、10分以内に着くのが50.5から51.3、ですから5分以内が減って10分以内がふえるとこういう、やっぱりだんだん時間がかかるということになっております。
その現場へ着いてから病院までの運ぶ時間でございますけれども、10分以内が54.5が50.8とこれやっぱり下がってきてまして、16分以内が25.5から27.6とこの辺でカバーしておるわけですけれども、全体的に連絡を受けて病院着けるという時間が延びておるということです。全国的には毎年1分ずつふえておるということでございます。これ大体津で消防がはっきりした平均の所要時間というのを出しておりませんので、この表から大体判断しますと、大体16分、現場から病院まで16分ぐらいで80%の患者が着きます。それから、救急車10分以内に93%が電話を受けてから現場へ行きますので、ですから、10分と16分で26分、大体30分以内で津は救急車が着いておるとそういう感じです。
それでその表の一番上ですけれども、いわゆるたらい回し回数でございますが、ゼロ回というのはもう救急の要請あったらOKという最初から言う場合でございますが、18年が76.7、19年が75.3、20年が73.5と徐々に成績が悪くなって、拒否回数がふえるという感じですね。5回以上も2.7から3.1回、4.4回とどんどんたらい回し的な回数がふえると、紹介回数がふえておるということでございます。これはどんどんと年間700例もふえますと病院がふえるわけでもないものですから、新しい体制にしてもこういう結果が改善されずにどんどんと悪くなっていくようなそういうデータが出ております。
最後の13ページ目でございますけれども、当面の対策ですけれども、この3次救急医療機関間でネットワークをつくっていただきたいということでございます。県立総合医療センターが今度四日市の市民病院がなられたそうですけれども、それから山田赤十字、それから三重大学とこの4病院でございます。
そして、将来の対策としましては、この三重大学の救急部を高次救急救命センターにしてもらってもいいわけでけれども、後でちょっと申しますけれども、お金をあげても補助金を大学に差し上げてもなかなかマンパワーが充足できない現状でございますので、なかなか改善されないだろうと思います。したがって、県立、あるいは第三セクターによる、ですから、県とか市とか大学とかそういうもので第三セクターをつくるか、そのようなものでつくっていただきたい、それでともかく津は3次が一番弱いものですから、救急患者を伊勢の日赤とか、あるいは四日市の県立総合医療センター、そういうところへお願いしておるという例も多々あるんです。
最後でございますけれども、ちょっといただいて、これ私が3月末の日曜日でございましたですけれども、私のところも救急輪番病院にしております。年間500名ぐらい来るんですけれども、それでこれが3月の一番最終日の日曜日でございましたので、30日でした。そのとき女の患者さんで52歳ぐらいの患者さんだったものですが、大動脈瘤の破裂というんですか、大動脈の乖離が起こりまして、それでこれが私のところではとても無理なものですから、大学にお願いしたんですね。そしたら大学が麻酔科がいないもので断られて、この次は三重医療センターにお願いしました。そうしたらそこも大動脈の手術となると医者1人ではできないもので、できなんわといって断られたんですね。そうこうしている間に患者さんどんどん悪くなっていって、それでもうこれは手術せんでもいいから取ってくれやということで、2時間ぐらいしてからやっと大学病院に運んだんですけれども、運ぶ救急車の中で死亡しちゃったんですよね。そういう例が最近あったものですから、ちょっと何とかせいやといって手紙を書いたら、向こうからの回答ですが、少し読ませていただきます。「大学の現状としては、麻酔科崩壊以来緊急手術時、緊急で麻酔をかけてくれる麻酔医がたった1人でやってきており、その先生も3月、4月はご両親が病気になられて時間外の麻酔は原則かけられない状況となっております。3月は先生の患者さんも含め4例の大動脈乖離の緊急手術の依頼があり、時間的余裕のあった1例のみが大阪森野宮病院の麻酔医に10日から無理やりお願いして来ていただいて手術ができました。2月も一例だけ手術はできていますが、これも時間外で麻酔をかけてくれる麻酔医が他病院で麻酔中のために麻酔が終わって帰って来てから手術となりましたので、この間6時間近く待たされ、手術をしましたが、待っている間にショックとなって救命できておりません」こういう状態でございまして、三重大学の麻酔科は、臨床麻酔部というのと麻酔科とあるのですけれども、臨床麻酔部に4名の麻酔医がおって、麻酔科には1名、ですから実働5名の麻酔医が動いておるとこういう状況でございますので、とても緊急の手術は請け負うことができませんものですから、全部断られちゃう、このような状況でございますので、とても3次救急がない状態という状態なんですね。三重地方が何とか頑張っていただいておるんですけれども、片肺状態でやっておりますので、せっかく診断つけても手術せずに死んじゃうという例も多々あるんです。ですから、これを県会で三重大学に救急救命センターをお願いしおって補助金も出しますよということでも解決しない、結局このマンパワーを何とか獲得せないかんし、大学としてなかなか動いてくれません。麻酔科の教授が1人おるとその人首にできませんから、ですから、僕は三セクか何かつくって、運営は大学に任せますけれども、何とか麻酔医を10人ぐらい集めんと3次救急はできない、それをちょっと皆さんにお願いしたいなとそれで勇んで来たわけです。
以上です。
○貝増委員長 先生、どうもありがとうございました。
大変お待たせしました。最後に3次救急医療関係として高瀬院長さん、よろしくお願いします。
○高瀬説明員 きょうはこういう席にお招きいただきましてどうもありがとうございます。座ったままで。
3次救急につきましては、私どもの三重県立総合医療センターの取り組み状況を説明させていただくことにより、3次救急の説明とさせていただきたいと思います。
まず、資料の3-1を1ページ開けていただけますでしょうか。この県立総合医療センターの基本理念としまして、救命救急、先程からいろいろ問題になっておりますが、救命救急、それから高度特殊医療等を提供することにより、県の医療水準の向上に貢献しますと、安全・安心で互いに支え合う社会の実現に向けて、医療面から貢献しますと、こういう基本理念のもとに救命救急センターの取組をきょう説明させていただきたいと思います。
パンフレットの6ページと7ページを見ていただきますと、私どもの施設の救命救急センター、第3次救急の拠点として機能・設備を充実しましたということで、こういった設備、それが当然このヘリポートも設置されておりますし、後ほどお話しさせていただきますが、このヘリポートの活用等もまた触れたいと思います。
それでこの資料3-2を見ていただきますでしょうか。そこの3-2に従いましてその概略を簡単に説明させていただきたいと思います。
まず、1は、当院の救急医療体制についてお話しさせていただきます。それから、2ページの上から3分の1のところに救急医療にかかわる職員の配置体制これも後ろにいろいろスタッフの確保で問題になっておりますが、そのことについてお話しさせていただき、3番目にこの救急患者搬送受け入れ割合及び人数、このことについてお話しさせていただき、最後に救急救命にかかわるいろいろ問題になっています人材育成、このへんのところにどういうふうに貢献させていただいているかというふうに話を進めさせていただきたいと思います。
それでまず、当院の救急医療体制なんですけれども、まず当院では救命救急センターを併設しておりまして、心筋梗塞とか、脳血管障害、それから先程もお話しありました多発性外傷などの非常に重篤な患者を含めたすべての病気に対応する高度で特殊な医療が緊急に提供できる医療施設です。もちろん大手術や集中治療室での治療も先程お見せした施設で行っております。こういった3次救急がメインに行っております。
その心筋梗塞や脳出血、多発性外傷などの重篤な病気の例を取り上げますと、心臓血管外科の緊急手術をして、先程からちょっとお断りしたというような話が出てちょっと心が痛いんですけれども、大動脈乖離手術とか、心筋梗塞の冠状動脈バイパス手術とかいろいろなもろもろですね、それからカテーテルを使ったインターベンションそういったものが含まれます。それから、脳神経外科領域では、くも膜下出血とかそういうようなものですね。それから、脳内出血の手術とか、頭部外傷手術、こういうようなものを取り扱っております。
救命救急センターでは、原則として初期救急医療施設及び第2次救急医療施設からの転送患者さんを受け入れる後方病院としての役割、この3次救急、これが非常に大事なわけでして、そうかといって2次救急を全く無視しているわけではございませんでして、この北西地区におきましては、市立四日市病院とか、四日市社会保険病院と輪番制を敷かせていただいて、私どものところは1、3、6、9の日を担当しております。
救急救命センターへどのぐらいの患者さんが訪れていただくかということをこの表をもって説明させていただきますと、大体毎年見ていただきますと、平成17年は7,000人と多いですが、6,000人ぐらいで、1日大体16人ぐらいの患者さんが我々の施設へ来ていただいておりまして、この救急救命センターには稼働ベッドといいますか、30床が用意してあるわけですけれども、大体50から60%ぐらいの稼働率であります。これも余り80%以上を稼働ということをしますと、肝心な患者さんが先程もお話し出ていましたように、入院できなくなるというような満床というようなことも事態も招きますが、今のところこういう状態でうまく回転させて、できる限りお断りするようなことがないというような状況を保とうと努力しております。
この救急外来の患者さんの受診数といいますと、大体1万4、5千人ぐらいで、約1日40人にも上ります。そのうち救急車で搬送される患者さんというのは、大体1日10人ぐらいでして、日によっては非常に差がありますが、つい昨日ですと、非常に多く107名の方が来院しておりまして、救急車が13台、これも後ほどどういう地域から来ていただいているかお話ししますが、そういったことで、大体救急車を使っていただく方が25%ぐらいが救急車で我々の施設に搬送されてまいります。
そして、来ていただいた患者さんのその救急外来受診患者さんの入院率と申しますか、実際に入院が必要な患者さんというのは、2割程度でございます。そういった中には、我々の新しい取組としましては、例えば今非常に問題になっておりますああいう脳血管障害、脳梗塞の患者さんの超急性期の医療ですね、これなんかは血栓溶解剤なんかを3時間以内に投与することによって、そして重篤にさせずに救う、こういった施設としても認可されておりますし、それからこの脳出血とかくも膜下出血のような緊急で手術を行わなければならない患者さんでも24時間対応して受け入れを拒むということはよほどのことがない限りはないような状態にしております。
それから、あと今ああいう脳梗塞の患者さんなんかでは、長嶋茂雄さんなんかが非常にその成果を上げておるわけですけれども、脳卒中を発病して間もない患者さんの診断治療、これを神経内科、脳神経外科、それからあと理学療法士さんですね、それから作業療法、言語療法士、看護師がチームをつくって、そして今それに他のコメディカル、薬剤部とか地域連携室こういうようなことを連携しまして、急性期から亜急性期において賄う患者さんの身体機能の改善、社会復帰、こういうようなものも行っております。
それから、今、もう一つこの救命救急センターの使命といたしまして、今四日市地区では非常に大きなコンビナートがありますし、そういう災害、中毒とか薬物中毒とか、そういうようなことにも対応をしようと努力しております。現にああいうシアン中毒なんかも工場の爆発とかそういうようなことでいつ起こるかわからないということで、このシアンに対する薬剤、これも非常に高いんですけれども、常時保守期間というか、2年間ぐらいで使わなければ更新していかなければならない不採算なところなんですけれども、そういった薬剤も数は少ないですけれども、用意してそういうシアン中毒なんかにもやはり薬物中毒にも対応できるような体制はとっております。
それから、先程の案内でヘリポートの写真を見ていただきましたが、大体年間10数件ヘリコプターで我々の施設に搬送されてまいります。この鈴鹿山系を抱えているとかそういった関係で、山岳遭難、救助というか、そういうのが半数以上を占めておりますが、中には東紀州から緊急搬送されてきたそういった例もあります。こういったヘリポートの活用状況ですね、こういうようなものも今後はいろいろと活用の幅が広がっていくんではなかろうかと考えております。
では、こういった先程もお話ししました救命救急センターを支えていくにはスタッフがいるわけですけれども、救命救急センター長のもとに救急専門医師を1人配備して、あとこれは県立総合医療センターと医師との兼務業務によって何とか医療機関で受け入れるようになるべくはしております。
先程から問題になっておりますが、休日・夜間には医師2名、内科系1名、外科1名及び臨床研修医、この臨床研修医も今年も9名の方が我々の施設で研修していただきまして、後ほどお話しします教育にも非常に貢献しておりまして、救命救急での研修を1カ月義務づけております。そういったことで、あとは救急の場合、必要な診療科医師を呼び出すことで対応しておりまして、常にオンコール体制といいますか、9名の医師にそういう体制をとっておりまして、内科とか外科とか脳外科とか整形外科とか心臓血管外科とか小児科とか、産婦人科、麻酔科医にいつも常時対応していただくように体制をとっております。
この救命救急センターを維持するのにやはり看護師のパワーというのは非常に大事でして、一応50名の看護師が三交代勤務をとっておりまして、それからあともちろん検査とか放射線、薬剤部門、こういうようなものも協力をお願いせないかんわけですけれども、本院といいますか、医療センターとの兼務で休日・夜間も対応しております。こういったことがこの職員の配置でございます。
それと、この救急患者搬送受け入れ割合及び人数ということで3番で書かせていただきましたが、一応全県から4.9%といいまして、もちろん我々の施設は四日市にございますので、四日市からの患者さんが1位ですけれども、やはり菰野とか鈴鹿、亀山、それから桑名、こういったところから3,192人ですか、全体としては5%ぐらいの患者さんがこの救急として我々の施設に運ばれてきております。
そして、この次の3ページを見ていただきますとわかりますが、当院への救急患者さん割合の平成19年度のものですけれども、搬送患者さんが3,312名ございまして、ここで強調させていただきたいのは、重症以上といいますか、そういった本当に3次救急が必要な患者さんが305名運ばれておりまして、あと中等症931とか軽症が2,070、この軽症というのがやはり先程お話になっております1次救急、2次救急の先生方からのトリアージで今後考えていかなければならない問題かと思いますが、やはり我々の施設は、この27.1%が搬送されておりますそのうちの9.2%が重症でございます。ですから、重症な患者さんを効率的に受け入れさせていただいているということになります。こういったことがこの県立総合センターの受け入れの状況でございます。
それから、4番目で、先程も冒頭にお話ししましたが、人材育成というのがやはり非常に大事な問題でして、当院の高度救急医療の充実及び職員のレベルアップを図るために、当院救急救命センター医師1名がこの認定医の資格を取得、これ認定医がないと次への指導とか資格をとるそういう教育ができないわけですが、そういう資格をとり、それから看護師1名が救急看護分野の認定看護師の資格をして後身の指導に当たっております。そしてまた、我々の施設は、次に書かれています日本救急医学会救急科専門医指定施設というこういう施設を指定を受けないといろんな資格がとれないわけですけれども、それを指定をとっておりまして、この臨床研修医とか後期研修医、救急救命士の研修施設としてその役割を果たさせていただいております。そして、今までこういう救急救命士の養成研修なんかでは、器官送管とか、心停止の状態にアドレナリンなんか使う、そういった認定取得のための実習生を受け入れさせていただいておりますが、次の表でこの16人、21人、16人とこういう割合で教育をさせていただいております。
次に、最後に参考として書かさせていただきましたが、この病床としましては、こういうICU4、それから心臓関係のCCUが2、それからHCUが20、それからその他病床で30を今までお話しさせていただいたスタッフで運営させてもらっているわけですけれども、重症患者さんの内訳としましては、次の表にまとめさせていただきましたが、こういった重症患者さんをお診せしていただいて、この3次救急として北西といいますよりも県立病院ですので、三重県全体から患者さんが来ていただいて、何とか病院の理念に基づいて救命救急の機能を大いに発揮して努力していきたいと考えております。
非常に簡単ですが、以上で概要とさせていただきます。
○貝増委員長 どうも先生方ありがとうございました。
それでは、ただいまより質疑に入ります。
なお、参考人等の及び説明員の方々につきましては、委員長の許可を得て発言していただくこと、また委員に対しては、質疑をすることができないことになっておりますので、ご了承賜ります。
それでは、各委員の皆さん、お願いいたします。
○山中委員 きょうは本当にありがとうございました。各次元における医療体制の現状がわかって本当によかったと思います。
ちょっと質問させていただきたいのが、松阪の今救急医療体制の問題をちょっと客観的に分析いただければなと思うんですけれども、今松阪市の方で輪番制の中で救急車でないと救急の患者さんを受け入れないということに松阪が今している中で、その1次、2次、3次をしっかりと区分するためにこれまでだと軽症の患者さんでも2次救急、3次救急に行ってしまうのを防ぐために救急車でないと受け入れないという体制を今松阪でやっていくことによって、結果として救急車の出動回数は2倍程度、1.六、七倍だと思うのですけれども、なったけれども、もちろん軽症の患者さんが行くことはかなり減ったというのがあって、ほかの地域ではその制度はとっていないわけですけれども、松阪のような制度をとることのもちろんメリット、デメリットがあると思うんですけれども、現場の感覚からのその松阪の制度に対しての感想を教えていただきたいんですけれども。
○伊藤参考人 今の問題は、先程ちょっと言いましたように、市民の啓蒙という形の病院の受診の行動に対してということだと思うんです。桑名ではそういう制度はとっておりません。多分松阪市もやはり2次の病院がパンクするというそういう状況から一つのとった措置で、その副作用についてちょっと考えられなかったのではないかというふうに思います。ほかには実際には例えばいわゆる応急診療所を経由しないと2次病院には行けませんよとか、それから市によっては診察料を高くすると、それからもう一つは、入院してもらいますと、だから要はそれなりの覚悟をとってやってくださいというそういうことだと思いますね。私たちも現場で感じていることは、例えば9度とかものすごく高熱が出てきた患者さん、あるいは保護者が入ってきてすぐ漫画を読むんですよね。それから、診療が終わるとあした保育園行っていいですかと言うんですよね。だからやはりそれは救急には合わないですよね。だからそれなりの覚悟をしてくださいという意味で、一つの方法論だというふうには思いますが、どういう方法がいいかということは、やはりこれからいろいろ試行錯誤して診療抑制してもいけない、要は本当に受診せんといかん人を抑制してもいけないし、かといってそういう方法をとるとみんなが救急車をタクシーがわりに使うのもいけないし、お金のない人に例えば5,000円置いておきなさいというのもやっぱり問題があると思うんですよね。だからいろんなことを考えながらやっぱりそういうことを例えば3次病院に歩いて行けるような人が行くということは何とか防がないといけないという、そういう思いだと思うんですけれども、1次診療からいうとそういうふうに思います。
以上です。
○吉田参考人 松阪がそういうシステムをとられまして、救急1次の患者さんが津に大分流れたんですね。特に外科系の患者さんが多く流れて、ですから、津の救急病院としては負担がふえたということがあります。
それと、なかなか2次に来る患者さんを1次でせき止めるということは必要なんですけれども、余り徹底すると患者さんのクレームが大きくて、医者が対応できなくてCAを置いてその人に対応してもらうというか、最近はなかなかクレーマーも多いですから、救急患者というのは必ず何か言うと文句を言う方が多いですから、だから医者の方も対応非常に難しくなっておるんですけれども、コンビニ化とクレーマー化というのが特徴ですけれども、ですから、結局病院に来た患者を断るとそっちへ行けというとなかなか大変なんですね。ですから、なかなか松阪さんようやっているなと思うんですけれども、津ではちょっとそういうことがあってトラブルのもとになるものですから、来た患者さんは診ると、ただ真意は今申しましたように、1次救急の情報案内を2次病院を1次の夜間なんかもつくりましたのものですからもう紹介しないように、そういう面で2次へ来るのを防ぐとそのような格好でやっています。
○高瀬説明員 私ども3次救急病院に1次救急の患者さんが先程も押しかけたりしますと、はっきりいってスタッフというか、医者の疲弊とか、それから診療に今困難を招くのは確かでございます。聞くところによりますと、例えば三重県病院協会の会議とか、それから三重大学の関連病院長会議とかそういったところで情報を仕入れるわけですけれども、山田日赤なんかは、救急車で来ようが、それから自分で来ようが、医師が診断してこれは軽症だと判断したら5,000円、消費税入れて250円でしょうか、いただくと、それを徹底してやることによって非常に1次救急の患者さんが減って、そして医者の疲弊も非常に救われていると、同じようなことを言い出したのに四日市の社会保険病院の院長なんかもそういう形をとろうかというようなことをやっておりまして、これをしていくためにはやはり先程お話し出ていましたように、開業医の先生方の休日診療所とか夜間診療所とかそういったところの患者さんのトリアージと申しましょうか、あなたはそんなところまで行かなくてもこっちで十分とかそういった患者さんの県全体での啓発といいますか、教育というと語弊がありますが、患者さんに理解していただく、そういう努力をしていただけると3次救急病院としては非常にありがたいというか、そういうのが現況です。
以上です。
○山中委員 よくわかりました。客観的な意見ありがとうございます。
今、私松阪にいさせていただいていて、本当に松阪市の市長初め行政の方々は、この制度に関して自信満々で受診行動を変化させたということに対してすごくあるのですが、実際はすごく問題がさまざま生じている部分もあると思うんです。救急車の出動が大体2倍近くになったということで、そのことによって本当に必要な部分に対して救急車が行かなくなることがあり得ないのかというところもちょっとお聞きしたいのと、またちょっと圏外、松阪でない地域外の話で申しわけないんですけれども、お聞きしたいのと、あとそういう場合においての医療費的な負担というか、そういう増というのはどうなのかなというのをちょっとお聞きしたいんですけれども、本当に今松阪にいさせていただいて、軽症の患者さんでも逆にタクシーがわりに救急車を使うような状況に今なりつつあるので、やはりこの制度を持続させる上で問題点みたいな部分もあるのではないかなと個人的には思うんですけれども、そのあたりちょっと簡単で結構ですので、お答えいただければなと思うんですけれども。
○伊藤参考人 今、高瀬先生が言われた入院させるとか、実費でいただくと、例えば入院された方については一種のペナルティと言ったらいかんですけれども、やっぱりそういう形のことを何か考えていかないと、救急車だけというのは救急車に乗ればいいという発想になりますから、それからほかへ逃げますので、私最初に言いましたように、今までは県任せでやっておったんですが、各市とか町がそういう医療政策、患者の動向とかそういう医療の受け入れ体制、診療科の問題、それをやはり隣同士で少し少し話し合うようなそういう部門を持ってやらないと、全部県がやってくれるわと、医療圏というのは県が決めるんだからというそれからやっぱり脱却せんといかんのではないかなという、市町にもそういう部門を持って自分たちのところから変えていくというそういう姿勢が必要だというふうに思います。
以上です。
○吉田参考人 東京は救急車のある消防本部の司令室にドクターがおって、それで救急車で養成した患者さんと話ししてトリアージすると、余り必要でない人は救急車を断るというか、そういうこともやっておるようですけれども、その断るというのはなかなか挙げればまた問題が起こる場合もあるでしょうから、なかなか徹底してやれないようです。
それで一番は、先程も初診料、救急患者の軽症の場合は初診料を余計いただくという話もあったんですけれども、救急車の利用に対するタクシー代みたいにいただくといいますか、そうすれば日本だけらしいですけれども、救急車ただというのは、やはり幾らかいただかないと本当にタクシーがわりに使われて、先程も申しましたように津では1年間に700件も救急車の件数がふえていますから、病院はふえませんし、医者もふえませんから引っくり返っている状態ですから、本当にどうその医療支援をうまく回してと考えますけれども、救急車の到着時間というんですか、要請してからの病院の到着時間というのが余り拒否回数とかいろいろふえて長くなってきていますね。ですから、この状態でいくと本当にどんどん受け入れ体制が悪くなる、これはもう間違いないです。
○高瀬説明員 救急車のことなんですけれども、1分だけですけれども、私もつい先日まで1次救急も受ける病院におりましたが、やはり繰り返す人は何遍でもタクシーがわりに救急車を呼ばれるんですね。そうしますと本当に必要なときに、2次、3次救急へ患者さんを搬送したいというときに、今どこどこへ送っていきますから行けないということが実際に起こっておりますので、やはりこれは非常に救急車の利用というのはもう少しどういうのが一番いいのかと、例えば松阪のようにそういったことで2倍になってというとなるといろいろな問題も起こってくるのも確実だと思われますが、以上です。
○真弓委員 一番最初に、伊藤さんがおっしゃられたコンビニ受診の背景には、社会的な背景があると言われたのが一番耳に残っているんですけれども、資料で見せていただく限り、桑名の方の1次初診という形の部分については、苦労しながらも応急診療所等と在宅当番医の方はもう難しいという形だけれども、応急診療所でトリアージみたいなのは結構うまくいかれているのかな、そこらへんをもう少し詳しくお聞きしたいというのは、私は津市でございまして、しかも丸之内ですので、結構2次救急の輪番の病院がひしめいているところでもありまして、1次診療と2次診療の違いが僕等の地域ではよくわからんという、歩いて行けるところに2次診療のところがごろごろありますから、この間も市民と話しておったんですけれども、そんな風邪やと自分は思うけれども、もうこの年やでほか悪いところあるかもわからんで、そうしたら総合病院へまず行かんとお医者さんに診断してもらわんと自分で診断したらこれは取り返しがつかなくなったら困るからというので、大きな病院大きな病院という志向がものすごく強いんですよね。これまでの医療制度の中身なんかもかかわるかもわからんけれども、そこら辺をどうコンビニ診療をやめようとか、救急車は使うなとか、たしか柏原病院の提言なんかでもかかりつけ医を持とうとかいうそういうスローガンみたいなのを出されていますけれども、そういう方向へ桑名の地域が今どういうふうに向かっているのかというのをもう少し詳しく教えていただくとありがたいなと思うんですけれども、よろしくお願いします。
○伊藤参考人 一つは、方向に向かっているかという、こういうふうにやりたいということでありまして、最初の特に小児のトリアージといいますか、いわゆる津市で言うと成人応急診療所に当たるいわゆる夜間とか休日の応急診療所というのがありまして、そこでやはり一番患者数も多いし、もう一ランク上げてトリアージして病院へ送る率が多いのは、やはり小児なんですよね。だからその小児をどうするかということを解決しないと、やっぱり1次診療の特に応急診療所が維持できないんです。なぜかといったら、半分か7割ぐらいが小児で、それを例えば一般の内科医、それから外科医もおりますので、その人たちがその診療所に出ようと思うと、小児で難しいのがあったら次があるから頼みますとそれが言えるんですよね。もしそれがなかったら、いやもう子どもが来てゼロ歳児とか、小さい子が40度出たとか痙攣を起こしたといったらこれはお手上げですから、もうそういうところには行かないと、ある意味では今はそっちの方が良心的なんですね。そういう自分のできないことをやらないというのはある意味では良心的なことだと私たちは思っています。だから、そういうものをしないといわゆる2次の小児の部分をつくらないといけないというのがその1次の応急診療所をつくるための必要条件なんです。必要十分条件でありますので、幾ら自分たちでこれ応急診療所、いわゆる2次のところに迷惑をかけないよう意気込みだけでは何としようもありませんから、それをやったということがやっぱり非常に1次のいわゆる応急診療所が40人近くの人が参加してくれたというその背景になっているんですね。だから、そういう意味でこの制度は必要です。
ただ、先程吉田先生、三重県では2次輪番の病院は辞退しないと言われましたけれども、かなり桑名は5つの輪番病院があるんですけれども、部分的にはもう撤退です。だから今5つあるものの中で最後まで残るのは3つではないかというふうに思っています。だから小児がいなくなったところもありますし、外科がいなくなったところもありますから、実質的に動いているのはやはり半分近くになっています。だからそういうような状況の中でこれからどうするかということになると、その部分の負担がまたふえてきたら今度はまた輪番病院をおりますので、だからそのためにはやっぱりそこに負担のかからないようにいわゆる最初のトリアージというのは、これは医師会としても非常に苦痛というか、開業医がやはり頑張らんといかんと、どれぐらい頑張れるかわからないけれども、そこでできるだけトリアージをして、本当に必要な人だけを病院に持っていこうと、そうしないと病院がつぶれたから私たちもつぶれるという言い方おかしいですけれども、ほとんど重い病気が診れなくなるんですよね。だからどんな病気でも受けられられるということは、次があるからできることであって、次がなかったもう全部引っ込みます。だからそのためにやっぱり1次があるためには2次ないと、2次があるためには1次があるという、そういう運命共同体みたいなものですから、それを守らないといけないというのが一つ、だからそのためにやっぱり啓蒙活動といいますか、これ一つの傾向として、医療保険ができたというのは非常にいい文化というよりも文明だと思っています。医者というのは医療というのはどっちかというと文化なのですよね。これはもう人間が生まれて病気になったらだれかがこういうふうにしないといけないし、だれかに頼ろうと思う、これは文化の問題です。
文明というのはそれをできるだけいい制度にしてみんながこういう使えるようにしようということでうまいことやったんですが、それがある意味では発達したというか、当たり前になったものだから、空気はただ、水もただというそういう感覚がやはりそうではないということがわかってきたと同じように、医療もただではないんですよね。非常に限定された資源で、夜中にも脳外科医がいてすぐに手術してくれるとか、そんなことができないということが本来は当たり前のことなんですけれども、誰もそういうことは思わなかったんですよね。だからそこがやっぱり一番大事なところで、だからそういう世の中の風潮というか、それには例えば子育ての問題でも親がやっぱりつけないという、昼間もつけない、休まれない、そういうような社会的な背景の中で、やっぱりある意味ではそういうこっちを使えばいい、金で済むんだというそういうようなことがやっぱりできてしまったというか、だからこれは非常に根が深いですので、とても私たちがどうのこうのという問題ではないんですけれども、根本的にはそういうところから考えないととても解決できない問題かなというふうに思っています。
だからそれを少しずつ進めていくために地域の市とか町がその辺のところを政策を自分たち医療政策をきちっとこの町ではこれだけのことはしますけれども、これ以外はできない、予算もないし、だからあなたたちはこれぐらいは守ってくださいよというようなところまでちゃんと説明できるような広報活動、啓蒙活動をやっぱりしていかないと、これからの医療というのは続かないのではないかと、そういうふうに思っています。
○真弓委員 非常に開業医の人たちが診療所にしても小児センターにしても非常に入られてやってみえるというので関心をしているんですけれども、先程も伊藤先生の方から小児科で勤務する医師が1名だという、ここらへんがネックなんかなという、私ども三重大の方へ県の何を支援しましょうというふうに補助金をどんどん出したらよろしいのですかと言ったら、金要らんで人材くれと、1人置いてくれと言ったんですけれども、あきませんでしたので、そういう点ではここらへんにやっぱり市や県が大きくかかわる必要があるのかなというふうに思うんです。
僕等かつてNHKでアメリカの病院、ERという映画というか、ドラマを見ていまして、アメリカの医療はすごいなと思いつつ、そのうち僕等でもばたっと倒れたときにはああいうところに運び込まれてちゃんと治るのかなというふうな幻想を抱いたこともあるんだけれども、そこら辺の幻想をきちっとまた行政の方からも日本での医療体制のあり方みたいなのはPRせなあかんとおっしゃられたとおりにやっていきたいなと思うんですけれども、実際に応急診療所、小児センターをやっていくために、例えば医師がもっとふえて、専門の医師がふえることも大事だけれども、これを維持するためにはこれだけは絶対必要だということは何かありませんか。今でかということ。
○伊藤参考人 やはり財政的な支援策というのは最低限必要なんですね。例えば今地域小児医療センターというのは、民間病院がやっているんですけれども、その桑名地域小児医療センターだから当然桑名地域の問題であって、まずそういうことをその市民も行政もまず認識していただかないといけないんですが、今の行政というのは民間がやっているのだから何でそういうところに公的な金を使うんだと、だけれども、これは桑名の小児医療を守るためにやっているんだからそれはないでしょうというんですけれども、やっぱり前例がないといいますか、だから民間にそういう公的な金を出すことはできない、だからそういう非常に二、三十年前の発想といいますか、これだけ地域医療が崩壊するとか、小児とか産科の問題がきょうつぶれるかあしたつぶれるか、例えば今の地域医療センター1人の先生が病気になったら多分破綻するんですよね、すぐあしたにでも。だからそういう状況はやっぱりわからないというのは、非常にまずいと思うんです。だから少なくともそういうことをきちっとしていただくという金というのがまず非常に大事なことだと思います。
○日沖委員 すみません。今までいろいろ委員さん方がおただされた中でも、やはり1次、2次、3次のある程度秩序を患者さん方から守っていただくとなると、徹底した啓蒙というものが市町の努力も含めて必要というような感想を聞かせてもらったかなと思うんですが、もう少しそれを進める、実際に進めるとなると、今でも何らかの形でそういう啓蒙はしていると思うんですが、しかし、現実に普通に暮らしている地域の方々が何かあったときに常に1次、2次、3次というそういう意識をしながら病院へ向かう、救急車乗った場合は別ですけれども、自分で向かう場合には意識しながら向かっておるとは思えませんので、やはりもっと徹底して根本の秩序から身近な地域の中で、例えばこの間の後期高齢者の医療制度、あれは法律ですけれども、市町の役所は担当者がかわりに責められながら一生懸命説明していましたですよね。例えばああいうぐらいに徹底すれば100%とはいかないけれども、ある程度誰でも良心は持っているので、自分がこのぐらいだったら近くのこういうところに仕組みがあってこういうことへ行けばいいんだなということが徹底して説明をされればある程度秩序ができてくるんではないかなというふうに思うのですが、現場を担っていただく側からしてこういう啓蒙の仕方をしてほしいんだという、これからの具体的なことがあれば方法があれば教えていただきたいのと。
もう一つは、これは端的に聞かせていただきたいんですが、三重大に救命救急センターを設立するとなれば、麻酔科の人材がなければできませんという断定をいただいたんですけれども、そうすると麻酔科の人材をつくるということになると、どうすればいいのか、例えは県の行政に何かできることがあるのか、そのへんのところを教えていただけませんか。
以上2点ですけれども、どなたにお聞きしたらいいかわかりませんけれども。
○吉田参考人 麻酔科の問題ですけれども、先生方も三重県の保健福祉部から資料をいただいておられると思うんですけれども、麻酔医の数は全国最下位です、三重県は。ですから、それはなぜかというと、今の麻酔科教室が人材をずうっと育ててこなかったというのがやはり大きいんだと思うのです。だから、人材をつくらないし、実際に当面の患者さんの麻酔もかけられないという、そういう状況に今なっておるんですね。ですから、これをどうするかというのは非常に難しいので、今大学も教授をつけかえるというのはなかなか難しいですから、独立法人化しても、だから役割を僕はその先生は果たしてないと思うんですけれども、なかなか人事の人権の問題に発展するからなかなかできないというのが現状ではないかなと思うのです。
ですから、そのへんはやはり外野から何とかせいと言わないと大学は改革しないと思います。お互い同僚ですからそれを首切るというようなのはなかなか難しい、だから首は切れへんけれども、例えば県がなんかいいポストを用意してそちらへちょっと移っていただいて新しい教授を迎えると、こういうのが一番いい手かなと私は思うんです。そうしないとやめろと言ってそれはやめへんですし、そういう権限はだれも持たないんではないですかね、僕もよく知りませんけれども、組織上。ですから、やはりそういう適当なポストを用意せないかんな、県でもどこでも病院でもよろしいですけれども、名誉ある撤退をしていただかない限りは改善しない。おやめになってポストが空席になれば全国から優秀な先生と弟子も連れてきてということでやればぼちぼち改善していくとそのように思うのです。それができない場合は、僕は今先程申しましたように三セクつくって、三セクの救急救命センターつくって、そちらで大学、もちろん手術とかそんなことは大学のスタッフでやってもらうんですけれども、麻酔医を集めるのを県でやるというか、三セクつくって、なんかそういう感じのことをしないと、何ぼお金を援助しても名前だけの救急救命センターで現状は改善しないなと僕はそこにネックがあるかとそう思います。
○伊藤参考人 特効薬というのはないんですが、少なくともいわゆる昔で言うかかりつけ医というか、そういうのを持つようにというそれは必要ですね。それから、もう一つ、今国のやっていることは非常に大きいことから小さいことまで非常に急いでいるんですけれども、非常にまずいのがあります。例えば保険証というのがあります、健康保険証、あれはみんなカード化されましたよね。昔だと三つ折りにしたやつをあけるとこの家にはおじいちゃん、おばあちゃんがいて、孫が何人いてとか、この人はちょっと離婚したとか、この人は亡くなったとか、保険証を見るとわかるんですね。今はもうカードですので、子どもがいるのかいないのか、何人子どもがいるか、祖母とか祖父がいるか、全くわからなくなったのです。だからみんな個別化されてしまったものですから、保険証1枚でももう家族関係がわからなくなったのですよね。だからこれは非常に大きな僕は問題ではないかなと思っています。
カード化するというそういう意味ではいいのですけれども、それと同じようにもうどこでもそうですけれども、アパートの住民というのはほとんど隣近所もちろん知らないし、あれと同じ関係になってきたんですね。家族だってもう保険証を持っていればあれだし、携帯持っていればみんなばらばらでやっているのとああいう一つの世の中の動きがみんなこういうふうにばらばらになってしまってというのが非常に大きく感じる、だから特効薬はないんですけれども、かかりつけ医を持つようなことをする、ただこれは厚労省がいうかかりつけ医というのは、医療費を下げようという意味でのもくろみというか、それがあるものだからうまいこといかないんですよね。いろんなことをそういうもので縛りつけようというあれがあるんだ、だけれどもかかりつけ医というのは昔からあるようにその家の者をおじいちゃんであろうと子どもであろうとある程度わかっていますから、赤ちゃんであっても診れるわけなのですよね、この仕様だったら。顔がわかれば夜中に電話かかってきたってああそれだったらあしたでも今から来てくださいとかいろんなこと言えるんだけれども、突然電話がかかってきて今から診てもらえますかという、それはやはりあり得ないことですね、どの世界でも。だからそういうことをやはり少し特に都会部、大都市と田舎とかは随分違うんですけれども、そういうところから切り込まないととても無理ですね。だから、私はやはり保険証というのは家族みんなを載せてほしいなというふうに今でも思っています。あれは非常に失敗だと思っています。そういう家族関係を切ってしまう、だから今度の後期高齢者の保険証でも夫婦だって別のものになっているでしょう。家族がいるかいないか、例えば80歳のおじいちゃんが後期高齢者の保険証を持ってきたときに、この人には家族があるのかないのか、奥さんがいるのかいないのかそれもわからないんですよね。だから80歳のおじいちゃんとおばあちゃん、それしかないんです。だから、それと同じことをどんどんやっているから、どんどんそういう勝手な人が出てくるし、よくわからない人がたくさん出てくるんだというふうに思っています。
だから核家族化ということも含めて、そのへんのところをもうちょっとちゃんと考えないといけない時期に来たのではないかなというふうに思います。
○高瀬説明員 病院側からの取組としまして少し意見を述べさせていただきたいんですけれども、私どもの病院は、地域連携というのを非常に大事にしておりまして、開業医の先生から紹介していただいた患者さんを我々の病院で検査して、患者さんに十分説明させていただいてまた戻っていただくわけですけれども、定期的に開業医の先生方と会議を病院としてもったり、医師会の先生方と会議をもったりしまして、その患者さんかそのかかりつけの先生とで何かがあったときには常に来れるというようなそういう安心感を持てる病院ということで、地域連携室を通じて、患者さんを紹介していただいたら必ずご返事させていただいて、そこの病院にかかっている先生が非常にいい先生で、その先生の病院がちょっとでも首かしげたりしたら来てもらったらいいですよと、常に診療情報提供書を書いていただいてというようなそういう連携プレーに徹するように今盛んに努力しております。そうすることによって紹介している患者さんが非常に伸びてきておりますので、ただ単に風邪引いてあいていますかという患者さんは現在減りつつあります。
ですから、そういったことで病院としても本当に病院が力を発揮せないかん患者さんはどんなものかというのをやっていこうと思うと、やはり開業をしている先生方との連携プレーというのがいかに大事かというのを痛感しております。
○吉田参考人 やはり救急1次とそれから後方バック病院が必要なんですね。ですから、私たち津では小児の場合は三重病院の構内に子どもの夜間の応急クリニックをつくっていますから、だからもしこれは入院が必要だとなるともう後ろへ患者さんを運べばいいだけで、そういうシステムですからこれ皆さん安心して小児の夜間ははやっています。ですから、今成人の夜間は津では余りはやってないんですけれども、これを大学病院の構内につくることを僕は考えて、大学ともタイアップしておるんですけれども、そうすればこれは救急1次に使ってくれる人が非常にふえると思うんですよね。悪かったら大学へ入院させるというシステムですから、やはり1次だけ独立しておっても僕は効果ないと思うんです。2次、3次というのが後に控えておる、そういう立地条件というのが僕は安心して患者さんが集まるのではないかとそのように思うんです。
○貝増委員長 もう時間もあれでございますので、最後にどなたかご質問あられる方ございますか。
よろしいですか。なければちょっと私の方からきょうの取りまとめと確認をさせていただきたいんですけれども、我々きょう先生方初対面でございましたけれども、こういう形でずっと1年間来年の春先までに今言われた県がつくっている医療圏の問題、そこにどうして県民の幸せを担保するためのその種まきとリンクをどのように啓蒙するかと、そういうことについてまず1次、2次、3次の救急医療体制を今月は現場にお邪魔したり、またこうしてご足労をお願いしたりして勉強させていただくと、貴重なご意見を聞きながら、またこれ夏を過ぎて今度委員審議の中でそういったことを取りまとめして、やはり特別委員会でございますので、常任委員会みたいに継続してなるものではなくて、特化した問題、今何が必要かと、大変医療危機の中で我々としても県議会発信でそういうことを皆さん方の本当の生の声をいかに理解していただくか、市町を巻き込んだ、今提唱のありました地域の医療懇話会なんかどうしたら、各地域でやっていただきたい、そうして1次、2次、3次が応分の分担の中で医療体制をやっていただくことがやはりその町に住む人たち、県民が大変安心できるだろうと、減っていく、減り行く大変厳しい状態のドクター確保の面でもそういったことをやっていただくことによって、このエリアには、あるいは隣のエリアにも1次から3次救急まですべて安心して診てもらえると、そのために何か足らない分は県で、あるいは市町で面倒をみていきましょうと、サポートしましょうということになっていくと思いますので、まだきょうは理想の中でお話を聞き、しゃべっているかわかりませんけれども、これを具現化し、一つでもやっぱり先生方が頑張っていただける、あるいは地域の医師会としてそして取りまとめをしていただく中でのその応援もやっぱり我々はこの1年しっかりとやらせていただきたいと思っていますので、また我々のこの部会が特別委員会がある程度意見を構築した段階では、また来ていただいてあれをしまして、またチェックをしていただけたらありがたいかなという面もございますので、一つ一つ同じ気持ちの中、現場の先生方と、あるいは行政の一翼の議会として県民代表の立場でございますので、執刀はできませんけれども、そちらの方で知恵を絞りながら一生懸命頑張っていきたいなと思っておりますので、どうかこれからもひとつ地域の中で県民の安心のために、いい医療関係の構築のためにも各先生方一生懸命頑張っていただきたいなと思っております。
きょうは本当にお忙しい中、また貴重な時間、貴重なご意見を賜り本当にありがとうございました。限られた時間の中でございましたけれども、本当にありがとうございました。改めてお礼を申し上げます。
〔閉会の宣言〕
○貝増委員長 本日はこれにて参考人聴取を終わらせていただきますので、先生方皆どうぞまた今から現場に戻っていただいてお仕事に励んでいただくということまことに申しわけございません。
きょうはありがとうございました。(拍手)
救急医療体制調査特別委員会委員長
貝 増 吉 郎