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「保育制度改革」の見直しを求める意見書
保育所は、子どもたちの保育はもとより、家庭の中で生じる育児不安や育児放棄、さらには児童虐待などの諸問題に対応するため、それぞれの実情に応じたきめ細かな子育て支援を実践しており、公的な福祉施設として地域社会の中で重要な役割を果たしている。
近年、政府の地方分権改革推進委員会や規制改革会議などにおいては、保育をサービス産業とみなし、市場原理に基づく直接契約等の導入や保育所への入所要件の拡大などの改革議論が行われている。
さらには、子どもたちの保育の質を守るために国が定めた保育内容、設備、職員配置などの最低基準を引き下げ、地方の自由裁量で決定できるようにすべきであるとの勧告も出されている。
こうした議論では、選択者(保護者)の意向が強く反映される一方で、過度の競争を強め、子どもの福祉の軽視を招くおそれがあるほか、運営費の一般財源化など財政事情が厳しい地域への配慮が十分でないなど、地域の保育機能の崩壊が懸念されている。
保育は単なる託児ではなく、子どもに良好な育成環境を保障し、次代の担い手を育成する公的性格を持つものである。
よって、本県議会は、保育制度の議論は子どもの立場に立ち、地方の実情をしっかりと踏まえて行うべきとの観点から、国において、下記の事項が講じられるよう強く要望する。
記
以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成20年10月20日
三重県議会議長 萩 野 虔 一
(提 出 先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣