三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成20年度 委員会会議録 > 平成20年7月14日 生活文化環境森林常任委員会 会議録
生活文化環境森林常任委員会
会 議 録
(閉 会 中)
開催年月日 平成20年 7月14日(月) 自 午後 1時 4分 ~ 至 午後 3時 4分
会 議 室 全員協議会室
出席委員 7名
委 員 長 藤田 泰樹 君
副委員長 服部 富男 君
委 員 辻 三千宣 君
委 員 稲垣 昭義 君
委 員 末松 則子 さん
委 員 真弓 俊郎 君
委 員 貝増 吉郎 君
欠席委員 1名
委 員 西塚 宗郎 君
参 考 人
[石原産業株式会社]
代表取締役社長 社長執行役員
織田 健造 君
取締役 専務執行役員 四日市工場長
藤井 一孝 君
取締役 常務執行役員 総務本部長(前四日市工場長)
吉田 和彦 君
参考人補助者
[石原産業株式会社]
地球環境部長
古賀 博巳 君
四日市工場 環境安全部長
桜井 薫 君
執行部出席者
[環境森林部]
部 長 小山 巧 君
理 事 岡本 道和 君
地球環境・生活環境分野総括室長 落合 厚仁 君
循環型社会構築分野総括室長 大林 清 君
その他関係職員
傍聴議員 30名
県政記者クラブ 24名
傍 聴 者 2名
議題および協議事項
Ⅰ 所管事項の調査
環境森林部関係
・石原産業株式会社の法令違反等の状況について(参考人からの聞き取り)
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
Ⅰ 所管事項の調査
環境森林部関係
・石原産業株式会社の法令違反等の状況について(参考人からの聞き取り)
① 出席要求
○藤田委員長 ただいまから、生活文化環境森林常任委員会を開会いたします。
本日は、石原産業株式会社の法令違反等の状況について、参考人からの聞き取りを行います。
この際、参考人の出席要求について、お諮りいたします。
本日の調査に係る参考人として、石原産業株式会社の織田健造社長及び吉田和彦四日市工場長に出席を求めていましたが、去る6月27日付けで吉田和彦工場長は総務本部長に異動し、藤井一孝取締役が四日市工場長に就任しております。
つきましては、石原産業株式会社の織田健造 代表取締役社長 社長執行役員及び吉田和彦 取締役常務執行役員 総務本部長に加え、藤井一孝 取締役 専務執行役員 四日市工場長を参考人として、本日、出席を求めたいと存じますが、ご異議ありませんか。
〔「異議なし」の声あり〕
○藤田委員長 ご異議なしと認め、そのように決定しました。
また、本日、織田参考人から、参考人に助言を行う補助者を同席させたい旨の申し出がありました
石原産業株式会社の古賀博巳 地球環境部長及び桜井薫四日市工場 環境安全部長を参考人の補助者として、同席を認めたいと存じますが、ご異議ありませんか。
〔「異議なし」の声あり〕
○藤田委員長 ご異議なしと認め、そのように決定しました。
本日の委員会の進め方ですが、まず、私から参考人に対する総括的な質疑を行い、その後、委員から参考人に対する質疑を行いたいと存じます。
なお、執行部の出席も求めておりますが、本日は、参考人に対する質疑を行いたいと存じますので、よろしくお願いします
それでは、織田参考人ほか2名の参考人の方及び2名の補助者の方、席にお着き願います。
(参考人 補助者 入室)
② 総括質疑
○藤田委員長 それでは、まず私から総括的な質疑を行います。
御社においては、昭和40年代の公害時における排水、大気の問題から始まり、フェロシルトの偽装問題、そして今回のコンプライアンス違反等、行政は言うに及ばず、地域住民や県民に対して、安全・安心における背信行為を繰り返しております。残念ながら、社長からの説明を受けても、そのことに対して疑念を持って聞かざるを得ない状況にあります。今次、コンプライアンス総点検の結果を見ても、企業敷地内とはいえ、何でも許されていたのかと思われる事態と考えられますし、怒りを禁じ得ないところでもあります。
そこで1点目として、改めて社長として、これまでの社の体質と今後のありようについてお考えをお聞きいたします。
さらに、コンプライアンス総点検結果に基づく調査の進行とその対策、対応について、今回のボーリング調査結果への対応もあわせて簡潔にお答えください。
また、5月にコンプライアンス違反の発表以後、立て続けに10件を超える事故等が発生し、工場施設の総点検も現在実施中と聞いております。先日、関係行政機関が中間的検査も行い、指摘、指導もされたと伺っておりますが、これらの対応についても、あわせてお答えをいただきたいと思います。
以上、まずお願いをいたします。
○織田社長 石原産業社長の織田健造でございます。本日は大変お忙しい中、こういう参考人としてのご発言の機会を賜りまして、ありがとうございます。
ただいま委員長の方からご質問、総括的なご質問がございました。私の方からお答えさせていただきます。
まず過去の社内の状況、どうしてこういう問題が起こったのか、そしてまた今後どういうふうにしていこうと考えておるのかという点につきまして、ご説明させていただきます。
コンプライアンス総点検の結果、いろいろな多くの問題を発表いたしました。これらの問題でございますが、石原産業の経営陣に対して十分物を言えない、非常に一方通行で十分な議論ができない、ノーと言えない、そういう社内の体質が根本的にあったという認識をいたしております。また、チェック機能が十分果たせなかった。本来は、操業部門と環境安全部門というのは本質的に組織が完全に分離され、チェック機能が十分果たされるような組織であるべきであったのに、それがごく一部の人に偏っておった、そういった問題があったという認識をいたしております。
さらにまた、これまで過去、今、委員長からご説明ございましたが、公害問題、昭和40年代に四日市ぜんそく、あるいはまた硫酸のたれ流しという大きな問題がございました。以降、経営陣が大幅に刷新され、平成に至るまでは順調よく操業をされておったと思うんですが、フェロシルト問題、有機物残渣の不法投棄、そしてまたNO
今後は、このコンプライアンス総点検の結果すべてのうみを出して、そして新生石原産業として新しく生まれ変わるそのためには、透明性を高め、情報公開をし、もう隠ぺいはない、そういう新しい石原産業に変えていきたい。そしてまた、今変えつつあるそういう状況でございます。これが第1点に関するご説明です。
第2点、埋設物につきましても先般発表いたしましたが、49本のボーリング、プラス6本のボーリングを既に打っております。
現在2つの大きな問題がございます。1つは、平成7年から8年頃にかけて工場の敷地内に不法に埋設されておるという問題、もう一つは、戦前から戦中にかけて硫酸の製造をしておる中で、パイライトのシンダー等々が埋められておる。それに多分起因したんだろうと思うんですが、砒素、セレンあるいはカドミウム等々の地下水汚染が見つかっております。先般のボーリングの結果でも、それが出ております。今後、第三者の専門の先生方、既に4名の方、お引き受けいただきまして、この先生方のご助言、ご指導を得ながら、本件の解決をしていきたいということで、さらに追加のボーリングも今打っております。結果につきましては、常にオープンにするような方向で進めていきたいというふうに考えております。
それから、5月発表以降10件に上る事故あるいはトラブルが発生いたしました。中でも火災につきましては、2週間、工場のトップまで、あるいは私まで上がっていなかったという隠ぺいもございました。本件につきましては、硫酸のタンクの爆発とあわせ、先般懲罰委員会で懲罰を決め、既に懲罰をいたしております。
また、現在、5月の末から総点検中で工場を順次とめ、そして点検が終わったものから順次立ち上げていっております。そういうことをしながら、そしてまた10月には本格的な大きな定期修理の工事も行います。四日市工場の従業員だけでは手が足りないということで、今、設備、環境、安全に伴う対策委員会を社長直轄の組織として作りまして、43名の人員で現在やっております。外部からの全社的な応援体制も作りました。これは少なくとも今年いっぱい、半年間続けて、以降将来にわたって老朽化の問題とか、あるいはオペレーションの問題とか、総合的にこのチームの中から提言を受け、そしてまた外部のコンサルタントの方も招聘し、今後本格的に工場の改善を行っていきたいというふうに考えております。
以上、4点につきまして簡単に私の方からご説明させていただきました。
○藤田委員長 それでは、少し補足的に質問させていただきます。
経営体質については、今後の推移をしっかり見守られていただきたいというふうに思いますが、特に埋設物関係で何点かお伺いをしたいと思います。
先般、県の方へご報告いただいたものの中でも非常に多くの問題点が発見されて、いわゆるどのポイントも何らかの問題があったというような結果も伺っております。特に先程、社長の方からも話がありました砒素、セレン等の汚染の問題なんですけれども、このへんのいわゆる水質汚濁につながるような、特に御社の場合は海にも直結をしておりますので、海へのそういったものの流れ出し等についてはないのか。そして、それについて、しっかりとしたとめる手だてというものを講じていらっしゃるのか。この点について1つお伺いをします。
それからもう1点は、総点検をしていただいて、その中で確認をしたものから順次再開をしていくということで話を出していただいております。10月のそれまでの間に当然補修等も必要になってくるというふうに考えますし、今度私どもも現地調査をさせていただいた中でも、かなり老朽化が目立つというようなことが見受けられました。このへんについて施設設備について、どういうような計画で、またどれぐらいの規模をもって今計画をされているのか、この2点についてお伺いをいたします。
○織田社長 埋設物並びに地下水汚染に伴う外部への漏出の問題、そしてそれをどういうふうに今後、止めていこうとしているのかと。現在ボーリングで周辺の地域で測定をしております結果では、砒素、カドミウム等々について、どうも一部流れ出ておる可能性があるというところまではわかっております。
ただ海側、海水の分析では正常である。しかし、専門の外部の方のご指導を得て、まず地下水の挙動、それから不透水層の位置、そして海水の影響等々詳細な調査を行い、そして遮へい、あるいは土壌の改良、あるいは外へ流れていくんであるならば、その水をくみ上げる等々の対策を、専門家の方からのアドバイスを得て、少なくとも調査は可及的速やかに今行っております。専門家との打ち合わせ会も今週行われます。それによって、できるだけ早く、遮へいが効果的であるならば遮へいをする。そういうことをやっていきたいというふうに考えております。
それから、総点検の結果、今回多くの不適切あるいはまたパイプ、あるいはポンプ、あるいはいろいろなところが指摘され、今現在、改善をして立ち上げておりますが、老朽化等々の問題につきましては、大きくタンクを変えるなり、あるいはまた設備を更新する、これはこの10月で本格的に、まず今年スタートする予定です。
従来の四日市工場の修繕費、それから設備投資というのは大体50億から60億でございますが、今年110億を予定しております。環境安全だけをとらまえてみても、40億強の設備改善投資を行う予定にしております。また、さらに来年あるいは再来年、少なくとも今後二、三年かけて、老朽化についてはほぼ改善したいというふうに考えております。この総点検中におきましても、老朽化の部分は一部修理をしたり、あるいは部品の交換をしたり等々は行っております。今後も続けてまいりたいと思っております。
○藤田委員長 わかりました。
特に地下水関係、土壌の関係、これにつきましては専門家のご意見も聞いていただくということですので、ぜひその指示に従って適切に早急に、特に周辺住民に対する安心・安全にもかかわる部分ですので取組を強めていただきたいのと、特に今、設備の方では大きな災害等も、この三重県においても予測をされている中ですので、速やかな予算配置、そして適切な対処というものをお願いをしたいというふうに思います。
それでは、引き続きまして、今後の会社運営についてお伺いをいたします。
今回、先般行われました石原産業の株主総会におきまして、代表取締役3名体制をしかれたというふうに伺っております。その中には大株主の三井物産からもお一人迎えられたというふうに聞いておりますが、この3名体制をしかれた背景が、今後の社の運営、それから今般の問題とかかわって、どのような変化を求め、かかわっていただくのか。体質改善ともかかわり、どう取り組まれるのかお伺いをします。
また、先程、社長の話の中にも少し出てきましたけれども、専門的知見を有するアドバイザリーボードも持たれるというふうに伺いました。この方々の立場や、いわゆる社の運営に対するかかわり方はどのように使っていかれるおつもりなのかを伺います。
また、先程、最初のこれもお話に出てきました。いわゆる全社員の意識改革というものも大変重要であるわけですけれども、点検や組織的情報伝達のマニュアルについても、今までのところではまだまだ疑問を抱かざるを得ません。どのような体制をしいていかれようとするのか伺いたいと思います。
それと、3つ目としまして、本社機能の移転の問題についても前回のときから、これは触れさせていただいておるところでございますが、ここのところ株主総会のときであったり、異なった場面での社長のコメントが、場によって少し雰囲気が違うように伺います。改めてもう一度この考え方について社長の口からはっきりと示していただきたいというふうに考えますが、以上3点につきまして、いかがでしょうか。
○織田社長 まず株主総会時、経営層の刷新等々を行いました。これまで11名の取締役であったのを9名に、2名減らしました。その一つは、若い経営陣にしたと。現在のところ、私自身がもう一番年をとっておる古い取締役ということになります。あとは、すべて私よりも若い経営陣。また、これまでこの1年間、代表取締役が私1人でありました。今般さらに2名を代表取締役に選任いたしました。1名は、今、委員長が言われました三井物産の出身で、これまで法務本部長をやっていただいておった方でございますが、三井物産からの要請とか、三井物産がどうのこうのということではなく、彼の力量と彼の見識、これを積極的に活用したいということがございまして、私の判断で決めました。もう1人は、私よりもさらに若い方で、彼はバイオサイエンスの技術系を特に研究所でずっとやっていた、この人間を代表取締役に選びました。彼も海外の経験が長く、広い知識と斬新な物の考え方を持っておることで、私が決めて代表取締役に選任いたしました。3名です。
一方、外部の血を入れたいということで、もともと社外取締役の候補者を随分選考してまいりました。しかし、残念ながら現在の石原産業の置かれておる状況の中で、なかなか取締役という責任のある地位についていただける見識のある有識者の方を見つけることができませんでした。今当社が大変な状況であるということもあわせて皆さん固辞をされました。
そういう中でアドバイザリーボードという形で、取締役ではございませんが、直接ボードに対して物を言える、提言していただける、自由に発言していただけるという方を選任いたしました。お二人とも大変、1人は化学会社で大変な経験を持ち、そして今も環境省の円卓会議のメンバーであられますし、日本化学工業協会でも多くの活躍をされた方でございます。もう一人の方は、危機管理についての専門家で、元警察庁におられた方で松下電器の常務も長くやられた方でございます。この2人をお願いをして、アドバイザリーボードに就任していただきました。今後、自由に物を言っていただける、そして必要な場合には経営会議にも参加していただく、そういう体制作りをやっとすることができました。
それから、社内の意識改革でございます。まずコンプライアンスに関する意識改革、これは5月の後半から関連会社を含めて1,800人に対し70回の小グループで今現在も行っております。外部の非常に有名な専門の先生を中心に教育を現在も行っております。そしてまた、設備保全につきましても、外部の専門家を、もう既に人選が終わっております。また、環境安全につきましても、専門家の方からのアドバイスを得る、そういうことで今進めております。私自身、全従業員を個別に集めて従業員の意識改革も私自身が行っております。
そして、最後でございますが、本社機能の移転、いろいろ新聞紙上で書かれておりますが、私のねらいとするところが大きく2つございます。1つは、工場と本社が一体になること。すべての情報が本社の経営陣に即上がってくる、こういう体制作りをまずすること、2つ目は、本社がチェック機能を工場に果たせる、そういう体制作り、この2つが重要なポイントでございます。そういう観点から、現在も検討を進めております。ただ単に本社の人間を四日市に持ってくるということでは、どういう目的が、どうするのか見えません。それよりも、はっきりと今言いました2つの観点から本社の一部の機能を四日市に持っていきたい、こういうことで進めておりまして、まだ最終決定をしておりませんので、この席上で、どことどこをどうするのかということについては、もう少し時間をいただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○藤田委員長 組織的な危機管理等も含めまして、社長への情報伝達についてのきちんと上へ上げていく、そしてそれについての判断をしていただくというマニュアル等についても、結局今までのところそれが機能していなかったという部分があるわけですが、このへんについてはいかがお考えかということと、それから今の機能移転の問題、確かにおっしゃるようにその2点というのは大変重要な点だというふうに考えますが、いつ頃を目途にこの結論をお出しになるおつもりなのか、その2点だけお伺いします。
○織田社長 まず、工場の操業にかかわるいろいろなマニュアルがございます。あるいは規定等がございます。防災規定あるいは操業マニュアル、あるいはそれに伴うメンテナンスマニュアル等々、当社のマニュアル類が本当によく私は整備されておるというふうな認識でおります。私自身もよく見ました。問題は、それが完全に守られていなかった、あるいはまた守りにくいようなマニュアルになっておるということも否めません。余りにも詳細に過ぎ、余りにもマニュアル自身がすばらしいもので、なかなか守れるところが、そういうところについて、これから徹底的に教育をしていきたい。もう一度、原点に戻って教育をしていく。これが非常に重要だろうと思っております。
そしてまた、一部守れる、守りやすいマニュアルを整備する。そして、操業現場には重要な法令のマップ等々を書いて、それがいつでも誰でも見れる。そういうふうなマニュアルの、そういう意味ではマニュアルの整備等々今後やっていきたいというふうに思っております。
また、本社機能の移転について、いつ頃かということでございます。私、8月の初め頃には発表して、スタートは9月か10月というふうに考えております。
○藤田委員長 ありがとうございました。私の方からは以上にさせていただきます。
③ 委員からの質疑
○藤田委員長 それでは、委員の方々からございましたらお願いをいたします。
○稲垣委員 前回、工場で聞かせていただいて、2回目も聞かせていただいて、今回のいろいろなコンプライアンスの点検を受けた、そしてまたその後の不祥事も含めて、本当に生まれ変わる思いで新たにという思いは非常に伝わってきますし、その不退転の決意で臨まれておるというのは非常に感じさせていただいております。
しかしながら、そうはいっても、先程から話がありますように、昭和40年の公害のときから何度も、恐らくそのときの経営陣は、そのときの社長は同じような決意を持って臨まれたのであろうと推察いたしますが、にもかかわらず繰り返されてきているというのも、これも一つの事実でして、ですから、それについてはやっぱり、今の思いは我々にも伝わってきますが、それをさらに超えたものが求められるのかなという部分は感じるところでありますが、幾つかその強い思いを持たれておるのは感じた中でも気になったところを質問させていただきたいというふうに思っています。
まずボーリング調査、今回していただいて結果が出て報告をいただいています。有害な物質等々の基準値を超えるものとか出ておるんですが、先程、委員長からの総括質疑の中で、その埋まっているものがいつ頃のものなのかということについて、社長は平成7年から8年ぐらいに不法に埋設されたもの等、それと戦前・戦中にかけて埋められているものがあったというお答えであったようにちょっと記憶をしているんですが、それ以外の時期のものはもうなかったのかどうか、これはもうその2つに断定できるのかどうかというのがまず1点。
それから、平成7年から8年にその不法に埋設をされた、この時期になぜ不法に埋設をされたというふうに認識をされているのかというのをまずお聞かせください。
○織田社長 まず、これまでの埋設物につきまして、当社が調査した結果、メモとして残っているものが平成7年から8年に、どんなものが、どこへ、どういうふうに埋められておるということが見つかりました。したがって、私はそれをベースに今ご説明いたしまして、実はそのほかにないのかどうか。四日市工場は過去、沈殿池もございました。これは当時の法律に基づいて合法的に沈殿池を設けて、中和処理をしておったというところもございます。それ以外のところへ平成7年、8年頃に埋められておるというそういうメモが見つかったので、今最初はそこを取り出して、そういうふうなものが本当に間違いなしにメモにあるとおりかどうかというのを確認することと、もう一つは、それ以外にも今回のボーリングで実はフェロシルトあるいはアイアンクレーらしきものが見つかっております。したがって、ボーリングの結果、新たに見つかったところ、これについても調査をする。今後も、まだボーリングを打つつもりでおりますから、そういうところから出てきたものが一体何なのか、しかも、それはどういう経緯で埋められたのか等々を今後調査していこうというふうに思っております。
それから、この砒素と鉛、カドミウムにセレン等々に伴う、この物質につきましては、私は今まだ確定はしておりません。したがって、外部の専門家の先生方がそれらを分析していただいて、本当にその当時、戦前から戦後にかけて、そういうふうなものが埋められたのかどうかということを最終的に確認する。ただ、昔の航空写真等々を見てみますと、当時そういうふうなものが埋められたような航空写真で跡が出ております。だから、私が今そういうことはその当時のものだろうと思っておりますが、本当にそういうものなのかどうかも今後調査をして明らかにしていきたいというふうに考えております。
○稲垣委員 ありがとうございます。そうすると、平成7年、8年というのは社内のメモというか、資料というか、そういうのに基づいて今回調査をいただいたということだというふうに今お聞きしましたので、これからまたさらなる調査をしていただくと言うんですが、目途としては大体いつぐらいを目途にそのボーリング調査を、これからさらにやる分を含めてやられて、その専門家の方のその調査がまたそこから入ると思うんですけれども、大体それはいつぐらいの目途で結論を出そうと考えておられるのか、そのあたりをお聞かせください。
○織田社長 平成7年から8年に埋められたというものにつきまして、現在その上にフェロシルトを一時、四日市工場に仮置きをしておるところの下でございまして、約22万トンのフェロシルトが今上に載せてございます。現在、それを一時取って、別の場所に移す作業をしております。最低16万トンを動かさないと掘れない。その作業が今年11月から12月頃までに移転を終わって、その後そこを掘り出そうと。だから、12月から来年1月頃に埋設物については掘り出せるだろうという見通しです。
一方、ボーリングのそのほかの調査でございますが、少なくとも今年いっぱいで、すべての調査を終わって、本格的には来年から対策を行いたいというのが今の見通しでございます。ただ、専門家の先生たちがさらにボーリングを打つべきだとか、そういう指摘によっては若干違いがあろうかと思いますが、今はそういう見通しでございます。
○稲垣委員 今年いっぱいそういう形で調査をして、さらなる部分が出てくる可能性があるとはいうことですけれども、していただいて、大事なのはその調査の結果、基準値を超えるもの等々があるということで、先程社長もお話しいただいたように来年からその具体的な対策を考えていかなければいけないというところで、地域の住民の方にしても一体どういう対策をこれからしていくんだと。その結果に対して何を、どういうことを会社として考えているんだというのがやっぱり一番求められるところかなと思いますが、よく県でも不法投棄の事案があったときに近隣の生活環境の保全に支障があるのかないのかを判断した上で、それと将来にわたってのそこの地域とのかかわりの中とか、いろいろな点で考慮して、例えば全量撤去していくのか、あるいはまたさらに覆土して終わらせるのか、いろいろな方法があろうかと思うんですが、社長の思いとしては、その対策としてどのようなことをやっていこうというのを来年度以降で考えておられるのかをお聞かせをいただきたいと思います。
○織田社長 埋設物に関しては、全量取り出して適切に撤去していく。一方、地下水につきましては、私は専門家でございませんので、方法としては完全に遮へいして封じ込めることができるのかどうか、その場合には上からの浸透がない、周りへ一切出ていかないということが可能なのかどうか。あるいはまた、そういうことができないんであるならば、土壌の改良ができるのかどうか。これらは専門家の方々のご指導によって決めていきたいというふうに思っておりますが。
○稲垣委員 埋設物については全量撤去、そして地下水については専門的なこともあれしながらということですが、近隣の住民の方に不安のないように、そしてまた環境にとっても悪い影響が出ないようにという具体的なそういう対策をお願いしたいなと思います。
あと、すみません、もう1点だけ。今回、先程ご説明一番最初にいただいた中で、四日市工場長、吉田工場長から藤井工場長にかわられたということで、今日ご同席をいただいておりますが、この時期そういう形で工場長がかわられたということで、これについて、どういった目的があって工場長を今回かえられたのかどうか。そしてまた、新たな藤井工場長に期待されるものというか、本人からの思いでもいいですけれども、お聞かせいだたければなと思います。
○織田社長 ちょうど吉田工場長は丸3年になりました。私、先程申しましたように、人事の硬直化というのも1つ、過去石原産業のこういう不祥事を起こしておるということにもなります。別に吉田工場長がそういう不祥事を起こすからという意味ではなくて、やはり工場長がかわるということで、新しい目で、また新しい観点から次の工場長が、彼は特に今度の工場長は技術系でございまして、四日市工場の操業にも過去経験がございます。そういう観点から今回人事の硬直化を防ぐ、そしてまた技術系で工場についてある程度知識があり、かつ四日市の住民であるという点も考慮して工場長をかえたということでございます。
○稲垣委員 わかりました。ぜひともまた、それは今後の期待もさせてもらいたいと思いますので、藤井工場長よろしくお願いしたいと思います。
最後にもう1点だけ、社長がいろいろな従業員の方と直接お話もしていただいたりしながら、いろいろなコミュニケーションを図っていただいておるということですけれども、今現在、こういった一連の不祥事、そして従業員の中にも恐らく「またか」という思いもあるのかなと推察はするんですが、あるいはいろいろな不満も従業員の中にもあるのかなという思いもあったりもするんですけれども、社長から見て、従業員と接しておられる中で、従業員の士気とか、そういったものはどのように今お感じになられているかをお願いしたいと思います。
○織田社長 これまで8回に分けて従業員の方と直接対話をさせていただきました。初めの段階で、まず1つ会社に対する不安、本当にもう石原産業これでこのままもっていけるのかという大変な従業員が不安を持っておりました。私の思いとするところを、また新しく生まれかわる石原産業になって、皆さんが堂々と住民の皆さんと一緒に会話ができる、そういう会社に必ずするからと。また、みんなの力をかりてやっていこうという中で、そういう不安が払拭されたということが1つ。
もう一つは、やっとここで、「やる気になった」「よし、おれらもやるよ」という声がやはり今出てきておるというふうに私は認識はしておりますが、ちょっと甘いかもしれませんが、これからもそういう対話を重ねていき、また直接現場に、今も工場に来れば現場に1人で入っていって従業員と話をしておりますが、やっぱり少しずつ従業員の反応が変わってきているという手応えは感じております。
○稲垣委員 わかりました。ありがとうございました。
以上です。
○辻委員 6月11日に調査という形でお邪魔させていただきましたけれども、これだけ多くの不祥事を起こして、なお会社が存続しているということ自体がむしろ不思議なくらいでして、戦前の国策会社じゃないかと思うくらいの印象を受けるわけですけれども、市民の皆さんの反応はどうだったのかということをお聞きしたいと思います。会社として、さまざまな機会をとらえて、市民の方との対話はなされたと思いますけれども、本当に地域の市民の方がこの石原産業がこの地域に必要だというふうに思われているのか、その点の印象ですね、反応はどうだったのか、ちょっとまずお聞きしたいと思います。
○織田社長 塩浜地区住民の方との直接の説明会、対話、質疑応答等、それからその後、塩浜地区の住民の皆さんを工場にご案内をして、そして問題を起こした箇所をご視察していただいて、後もまた対話をいたしました。そしてまた、先般連合会のそれぞれの自治会の会長さんの方々、約20名の方ですが、またご説明をして対話をさせていただきました。そのほかにも楠町の地元住民の方ともご説明し、対話をさせていただきました。
初めのころは、もう「会社を畳んで工場を閉鎖して出て行け」という声も一部にございました。あるいは「こんなひどい会社だったら、もう要らん」という非常に厳しい、特にホスゲンの毒ガスの新聞紙上で問題が出たときには、「おまえら我々を殺すんか」という、そのぐらいの厳しいご批判もございました。
しかし、これまで地元の住民の皆さんと接している中で、最近は「ここで生まれ変われるんであったら頑張ってほしい」と、そういう声も私の耳に入ってくるようになりました。したがいまして、今はできるだけ情報公開をし、そして地元の皆さんと対話をしていく中で、住民の皆さんの信頼を、徐々にではございますが、回復していきたいというふうに思っています。もちろんまだ大変厳しいご叱責あるいはご批判等々はございますが、少しはスタートのときよりも理解をしていただきつつあるんではないかというふうな認識はしております。
○辻委員 過去の例で食肉会社とか、それから料理屋さん、消費者の直接の批判によって会社そのものが存続し得なくなったという事実があります。その点、石原産業さんは直接消費者を相手の企業でありませんので、より謙虚に、この事態を重く受け止めて会社の改善を図っていただきたいというふうに思います。
第2点ですけれども、代表取締役3人体制ということです。そのうち、どなたかが最終決断をするのか、それとも3人があくまで平等対等で会社の運営方針を決めていくのか、その点お聞かせください。
○織田社長 もちろん最高責任者は取締役社長であります私でございまして、最後の決定はすべて私が行います。ただ、重要な案件については3人で話し合い、合議をして、最後の決断を私がするということで、社長としての責任は少しも変わってはおりません。よろしくお願いします。
○辻委員 それでは、3点目なんですが、工場と本社が一体となることということで、石原産業がそういう今、四日市工場に社長室を持ってくるという話を聞かせていただいていますけれども、石原産業というのは私も確認して、よくわからないんですが、全国に幾つの工場をお持ちなんですか、その点まずお聞かせいただきたいと思います。
○織田社長 日本の中で当社直轄の工場は四日市工場1カ所です。子会社、関連会社を含めますと、もう3カ所ございます。当社石原産業の直轄では四日市工場だけでございます。
○辻委員 そうしますと、逆にそういった関連会社や子会社への監視というかコントロールがこれまでよりは薄まっていくんじゃないかという逆に懸念がありますけれども、この石原産業の四日市工場のような製品を生産している工場というのは四日市だけということでしょうか。
○織田社長 酸化チタンを作っております関連会社は、子会社はもう1カ所ございます。本社機能の一部を四日市に移したとしても、トータルとして本社のすべての機能を移すわけではございませんので、関連会社をコントロールするという体制については、変わりはございませんが。
○辻委員 そうしますと、織田参考人は社長として四日市工場に常駐するという形なんでしょうか。
○織田社長 常駐はいたしません。私は1週間が5日といたしますと、現在の大阪に2日、四日市にほぼ2日、そして東京に1日、もちろん海外にも工場はあちこちでございますから、その間で海外にも行くという、そういう体制になろうかと思います。
○辻委員 そういたしますと、本社機能、四日市工場に移転ということが前面に出ていましたけれども、もちろんこれまで以上に四日市工場に対する、いわゆる力の入れ方というのはよく理解できるんですけれども、新聞発表等で読ませていただく印象とは若干異なってくるなという感じがしますけれども、できるだけそういった四日市工場の監視体制というのは社長自らがしっかりとやっていただきたいというふうに思います。
以上です。
○真弓委員 私も織田社長とお話しさせてもらうのは2回目でして、たしかそのときは、せめて半年ぐらいは操業を停止して、その中で点検を行うのと、もう一つは社員の従業員の方の研修を、操業停止して行えというふうなことを希望させてもらって、それについての社長の回答は、それも考えないではなかったということで、今回の点検にも結びついているのかなと思うんですけれども、ずっと今のお話を聞かせていただいていまして、ちょっと残念に思ったのは、マニュアルはすばらしかったと。すばらし過ぎたというか、それをなかなか従業員が理解できていなかった、実行できていなかった。あるいは今の四日市工場があったのが従業員の認識不足的なことも言及をされたかなと思うんです。
社長自身がおっしゃられたみたいに、四日市ぜんそくのときとかフェロシルトのときとか、いろいろ経営陣はかわったけれども、同じことが繰り返されてきたと。これは経営陣をかえても、石原産業としては何も変わってこなかったと。もう海へ何でもかんでもたれ流してきたという歴史はそのままだと。それをとめるのはどこかというと、やはり従業員の方が本来はとめることができる会社に再生しなければならない。これが今回の課題だと思うんですね。それで初めて新生石原産業になるかどうかと思うんですけれども、実態としては、この放射能を含むような物質とかそんなのを扱っていく中で、第1次の被害者はやっぱり従業員だと思うんですね。この長く続いてきた埋設物に寄ったり、砒素の上で働いているわけですから、健康被害についても調査をされたと思うんですけれども、そこらへんのことはどうだったのか。
あるいは今の従業員だけじゃなくて、かつての従業員の人、その人たちの健康被害なりとかはどうだったのかというのもきちっと調べていく、そのことが従業員の人がうちの会社こんなことしていたらあかんぜよというふうなことが上へ行く、きちっと経営陣に伝わるということにつながってくるんだと思うんですけれども、今までの石原産業は、やはり上意下達であったと。トップの意向で、工場長か社長かわかりませんけれども、それの意向に逆らえないという。
私かつて近くの高校に勤務しておったことあるんですけれども、教師になったばかりのときに石原産業の多分近くだったと思うんですけれども、そこの子どもの家を家庭訪問したことあるんですけれども、絵にかいたような、かつての労働社会というか、物すごく大きな工場があって、そこにへばりつくように小さな民家で、家族が五、六人で生活しているいという、本当のひどい労働者の生活を見たような思いがあるんですけれども、そうやって従業員の人たちは我慢して我慢して今の四日市にあるいろいろな会社を、石原産業さんも含めて作り上げてきたと思うんですね。まず、その従業員のことを考える。その従業員の人は、ほとんどがみんな四日市の市民ですし、地域との話でも随分この頃良好になったと言われますけれども、その市民を構成する従業員のことをまず社長としては一番最初に考える。そのことが大事じゃないかなと思うんですけれども、その従業員が、自分たちがやっておることが社会全体に貢献ができることだと。それに違反する、間違ったことは、会社としてはやってはいけないという、そういう社内教育、研修ですね。すばらしいマニュアルをそのとおりにやるようなそれだけの研修じゃなくて、もっと違った意味の本当におらが石原産業だと。この石原産業で作り出しているものは社会貢献になっているんだという。だからこそコンプライアンス違反はしてはいけないというところへつなげないといけないと思うんです。
私ら絵かきは、結構チタニウムホワイトって使っているんですけれども、多分そのほとんどが石原産業さんのところの素材を使っていると思うんですけれども、だからこの頃シルバーホワイトにかえている人も多いんですけれども、そういういろいろなところへ製品が行っている、その人たちの思いにも応えるためにも、まず一番身近な従業員の人たちの健康被害で、今の働く体制について多分お話もされていると思うんですけれども、そのことについてお話しされたり、調査された結果をまず教えていただきたいと思います。
○織田社長 一番最初に6カ月とめて徹底的に調査したらどうかというご質問、私もはっきり覚えております。私は、そのときに6カ月とめると、もう石原産業はもたないということで、ご説明させていただいたと思うんです。それで、どういう点検の仕方がいいのかということは検討しますという。確かに今でも6カ月とめると、多分石原産業はもたないとは思います。そのぐらいやはり供給責任という観点から見ますと、ただ単にその分の販売量が減るという意味だけではなくて、もうお買いいただいておる方に物すごい大きな迷惑、迷惑というんですか、向こうの会社も今度逆にとまっていくというふうな会社もございまして、そういう意味では、やはり非常に厳しい。今回とめるだけでも相当お客さんに大きな迷惑をおかけはしておるんですが、それよりも、もっともっと工場の安全操業の方を重点的に考えようということで、今回やらせていただきました。
それから、あと従業員の方の問題でございますが、私はやはり時代が大きく変わっておる中で、一番大切なのは、経営に携わっておる人間がその時代を先取りをして、どういうふうに今時代が移っているのかという。しかも経営の特にトップの人というのは、そういう問題を防ぎ得る立場にある人ですから、その防ぎ得る立場にある人が防ぎ得なかったという点における責任というのは、本当に重い責任だというふうに認識をしておりまして、今まさに私がそういう立場にありますから、今後そういう不祥事が起こるということになれば、私自身がそういうことを起こさないという立場にありながら、それを起こした、あるいはまた起こすことになったということは、やはり経営陣がもう一番の問題だろうと思います。したがいまして、従業員が問題を起こしたということもさることながら、もしあったとしても、それよりも、そういうことが防ぎ得なかったという経営体質、経営陣、そこが私は一番大きな問題だったんじゃないかというふうに思います。
次に、従業員の健康の問題でございますが、この放射線の問題につきまして、工場の中の埋設物でムアーリーフという硫酸法の工場の中で一部放射線の高いフィルターが、結果として高くなるフィルターの部材がございまして、そういうことがあったものですから、今現在もちろん厚生労働省、文部科学省のご指導を得ながら作業場の放射線に関する測定等々も実施いたしましたし、かつまた今おっしゃいます現在の従業員だけでなく、過去にそういうところで働いていた従業員の方の健康調査を実施すべく今ずっと全員のリストアップを今しておるところでございまして、今後具体的に健康調査を実施する予定でございます。
○真弓委員 私一番言いたかったのは、現場で働いておる従業員自身がやっぱり作業工程をチェックしながらやっているはずですよね。ちょっとそこらへんのバルブが緩んできたよなとか、こんなものとこんなものとまぜて本当にいいんやろかとか、あるいは今度出てきましたアンモニアを船から移すときに残ったやつを空中や水中にばっとやってあると。これは現場の人らはあかんよなって、やっぱり思っていたと思うんです。「あかんよな」という声がのみ込まざるを得ない。それが経営の一番の責任だったと。皆さんの責任だったと思うので、そこをまず正していただきたいと思うし、健康調査はリストアップ中ということで、ぜひともこれはもうまず従業員からやっていただいて、その中で今後のいろいろな問題点をどう措置をしていくか。まず、その地域に住んでいる従業員や地域の人々の安心・安全を考えることから解決をまず図らないと、どうのこうのみんな図れないことばかりじゃないですか。
それは僕ら県の方に、石原産業に指導して放射能物質みんな撤去させて、それはもう水もみんな燃やしてしまえということは簡単に言えるけれども、それでは従業員の人たちの生活もできないし、いろいろな産業の貢献も全部ペケになってしまう。石原産業が作り出すチタニウムホワイトもできなくなるという、その社会的責任も持ってみえるわけですから。だけれども、会社としては、まずそこから地域の安心・安全を守っていく、そういう会社になるという、これを基本原理として頑張っていただきたいなと。決してエールを送るわけではありません。昔からの石原産業がどういう会社であったかというのは、昔の石原銅山のときからも向こうの方の東紀州のところでも話は聞いていますけれども、本当に変われるかどうかは、この機会しかないだろうと思いますので、また今後いろいろ調査をさせてもらうと思いますけれども、そのときまたよろしくお願いします。
終わります。
○貝増委員 今日、県庁にこうして社長さん以下、工場じゃなくて、この場においでいただいたということは、事の違反の重大性をかんがみ、本当に大きな反省のもとに来ていただいていると思うんですよ。そんな中で、この委員会の委員長の総括質疑から、とめどなくきれいにお答えをされている社長さん見ていますと、過去の会社の歴史から見ると、歴史は繰り返されると言うけれども、やっぱりその当時、あの時代に大きな社会問題になったのと同じようなことやられたんと違うやろかと。これは想像の中の話も入ってきますけれども、そうしたとき我々が一番最初にぶち当たったのが、15年に三重県庁がリサイクル商品認定をと言ったときに、そういった動きの中で県庁にエントリーされて、フェロシルト土壌埋戻材これでエントリーされて取り上げられた。動き出したと思ったら、すぐ2年後に何じゃこれはという事件になってしまったと。あのときの対応も、大変前の先々代の社長さんですかね、先代の社長さんですかね、あのときの現場の工場長が全部やって私わかりませんでしたと、体質変えていきますよというようなことをしゃべられたですね。しかし、あれからまだ3年しかたっていないと。実際には2年ちょっとしかたっていないと。また、これだけの事犯がね。その経過があったから、今回も起こっている面もありますよ。
まだ18年のフェロシルトの問題もすべてが終わっていない状態の中で、次から次へ洗いざらい出てきたと。まして、大変声を大きくされた社内全員、グループ会社全員のコンプライアンスのもとに、総点検のもとに、これで解決し、一つ一つ時間をかけて、完全に関係方面に、あるいは地域住民に安心を持っていただけるように安全な企業として頑張りますと言われて今日まで来ているんですけれども、それでも5月からずっと10件言われたとおり、ああいう決断をされて社長が悲壮な感じで会社を守るため、あるいは企業人の代表として、あれだけの決意をされても、火災の問題でも、おれのところへ届かなかったと。
これはもう本当に県の企業でしたら、もうすぐつぶせということなんですけれども、やっぱり民間企業でございますので、まして三重県も多大な貢献をいただいただろうという前提で物をしゃべらせていただくんですけれども、我々県庁、県議会でも今大変大きな問題になって取り上げているのは危機管理の問題なんですよね。いかに迅速に対応し、そしてそのパーツパーツの責任者が意思の疎通をして即対応すると。そして、それが全社員にそのグループの中で徹底をすると。危機管理の問題というのは、今の時世の中でも最重点として取り上げていただかなきゃならない。ましてや、こんな事件の繰り返しの中の企業ですから、私はコンプライアンスを求めて総点検した結果で、これから二度とないようにしますという報告書よりも、まず社内で何をしなければならないのかと。そのへんが言葉の端々、これで2回目になりますけれども、お伺いさせていただいていても、俗に言う前向きなお答えはされるんですけれども、実際に本社を社長室は四日市に持ってきますわと言ったら聞こえはいいかわからん。しかし、実態が本当にそれだけで今のこの四日市工場はこれからもうひとり歩きしていただいても大丈夫だという地域を含めた安心感もらえるかという、そのへんの危機管理を一遍教えていただきたいんですけれどもね。
○織田社長 今ご指摘いただいていることについて、本当に私、全くそのとおりだという認識しておりまして、危機管理という観点から見ますと、四日市工場がこの問題を発表して以降も、やっぱり10件の問題が出ておる。その本質的な問題というのが、1つは設備に起因するもの、もう一つはいわゆるミス、オペレーションのミスという2つの大きな要因がございます。やはり設備に起因するものというものも、あるいはまたオペレーションのミスも、すべて人がやっているものでございますから、その人間がどう変わるかにも尽きると、突き詰めていくならば。人はどう変わるかということは、すなわち物事に対して自由に発言して提言をできて、この設備はもう本当に老朽化している、これではもうこのままだったら必ず事故が起こるんだということが言える、そういう会社。もう一つは、オペレーションがミスを起こす、そういうことについても横で必ずチェックできる人がいるというチェック体制、結局は突き詰めるところは、人によってすべてが運営されていくものですから、そういう観点から見ますと、やっぱりいかにトップから末端までが同じ意識になって、そしてかつ教育は本当に行き届いているのかどうか。そこがもう本当に私はポイントだ、ええかっこばっかり言っているじゃないかって、またおしかりを受けるかもしれませんが、そのためには地道に現場で教育をしていくということと、そして老朽化の設備とか、設備の不全については、早く直していく、しかも第三者の目からもチェックしていただいて直していく。そのためのお金は十分使う。そういうところが工場という設備あるいはオペレーション上のトラブル等々を避けるために、最低限必要なことだろうというふうに私は思っておりますが、いかがでございましょうか。
○貝増委員 初めて社長の本音らしい言葉で聞かせていただいたんですけれども、私はそれでも先程の私の前の人の質疑の中でも、半年とめたらと、総点検したらと言われたとき、半年もしたらもたないだろうと言われた。それで、今日は取引先に対して供給責任があると言われた。これはあくまで企業ですから当たり前のことです。しかし、やっぱりこの事件のオーバーラップしているときに、それをどう会社として取り仕切るかというのが、私は供給責任の前にやっぱり安全をいかに認めてもらうかと。そして、社員教育をどうするかと。この点がまず頭に出てくると思っていたのが供給責任から入ってこられたもので、やっぱり企業人やなという気がしたんですけれども、そのへん今まとめて危機管理の面からということで聞かせていただいたんですけれども、大変本当にまだまだこれはフェロシルトも残っているし、アイアンクレーも残っていますし、対外的なまだ交渉の問題もいっぱい残っているさなかです。その中での原点の四日市工場ですから、私は一刻も早くやってほしいと。急ぐだけじゃなくて、この際コンプライアンスの報告対策だけではなく、そのへんのソフト面の完全整備というのは、私はもうこれ1年かけても2年かけてもやっていただきたいと。そうしないと、我々もまたこういう問題出たか、あの会社でということになってくると、もう今度呼んでもらわなくてもいいじゃないかとなってくると。
今回、会社として多分2回目だと思いますけれども、こういうことはもう今後ないように、やっぱり織田社長さんの人間性にかけて、私はやっぱりこの場でも大きく言葉だけではなくて、その態度の中で社長のあの態度が全工場、職員、関係者にわかって、やっぱり身を挺さないとあかんということが見えたらと思ったんですよ。
それと、その前提で水質汚濁とか土壌改良とか産廃の残渣の問題で、簡単に遮へいとか土壌改良と言われますけれども、あれだけの広大な敷地の中で遮へいも土壌改良もといったら大変なことになってくると思うんですよ。単なる22万トンのフェロシルト、あるいは数万トンのアイアンクレーをどうするかだけでもないと。だから、ここまで言われたときに、その面についても私は早い時期にこの問題を速やかにどういう対応をしていただけるかと。今は第三者機関に委託をして取りまとめをされているという言葉を発されましたけれども、敷地内の面積からいったら、大変なこれ経費もかかる。しかし、あの地域はあの先がない、周りは海だと言いながら、海を人はなりわいのもとにしている場所ですから、そのへんはやっぱりぴしっと110億の設備改善費とか、そういう問題だけではなく、ここをやっぱりいかにわかってもらえるような対策を公表していただけるかというのが、私は一番個人の中ではネックにかかっている問題だと思うんですよ。そのへんの予定はいかがでございますかね。
○織田社長 第三者の専門家からのご指導を得ながら、実際の調査は石原産業が、石原産業から委託するボーリング会社で調査をし、それらを全部まとめて、それらのデータをもとに第三者の方が判定をしていただいて指摘をしていただいて、今後の方向性を示していただける、こういう位置づけで今調査を行っております。したがいまして、今おっしゃっていますように、この調査の進展状況については常にオープンに、オープンという意味は、公表をして地元の皆さんも今どこまで進んでおるのかということがわかるような、あるいはまたどんな対策を、どのぐらいで、どう考えておるのかということをわかるような、そういうことは十分公表していきたいというふうに思っております。必要であれば、地元の住民の皆さんにも説明会を開いたり、ご意見をちょうだいしたりというそういうことで進めていきたいというふうに、これは基本的に私、そういう考え方でおりますので、状況に応じては必ずご説明申し上げるということで進めていきたいと思っております。
○末松委員 ずっと1時間20分、織田社長に答えていただきました。先程の稲垣委員の質問の中にもあったと思うんですが、この1時間20分の織田社長の答を聞いていただいて、藤井工場長いかにこれからどういうふうにするかという決意をぜひ、できたらご自分の方からお伺いできませんでしょうか。
○藤井工場長 藤井でございます。今後ともよろしくお願いいたします。
私は入社以来約30年程、四日市工場に勤務いたしております。ほとんどが技術開発が長かったんですが、この10年程は単身赴任という形で、住んでいるのはもちろん三重県四日市なんですが、10年ぶりに工場に戻ることになりました。
最初この四日市工場長という職責を果たすということに関して、これは大変なことだという認識で今もいっぱいでございます。たまたま先週も地元の塩浜地区の連合自治会の自治会長さん21名の方ともお話しする機会がございました。地域との、先程も委員の方からございました地域管理の問題を含めてということですが、情勢をどう考えているんだというような非常に厳しいお話もいただきました。
私、今の石原産業というのはいくら美辞麗句並べようが、いいかっこ言っても、なかなか信頼をしていただきにくい。先程来、昭和40年来の話から一貫して変わっていないじゃないかというお話もお伺いしますと、なかなか言っても信じていただけない。したがって、実績を積むことで、まず信頼を回復させないかんということが1つと、それから従業員の話が出ました。社長が何回も従業員との対話あるいは講話やっておられます。正直申し上げまして、従業員も少し萎縮しているように、私には見受けられます。萎縮しているんで、ミスオペレーションしたらえらいことになるというような思いとか、そういう面も含めて心のケアといいますか、先程来、委員の方からお話ございました。そういうメンタルなことも含めて、いま一度地域社会に企業として生きていくあり方、特にメーカーの原点に戻りたい。価値ある商品をリーズナブルなコストで作るのは、これは企業ですから当然ですが、その前に社長が言っておりますように、コンプライアンスの問題、安全、環境の問題、これが優先じゃなくて前提ということ、これを徹底してまいりたいと思います。
特に先週も県のご担当の方からご指導をいただいております。特にいろいろなことに関する責任体制のあり方、組織体制のあり方、相当改善する必要がありますよと。それから、こういうことを改善する、こういうことをこういうふうにやるというようなものが出ても、実際に迫力を持って訴えてくるようなものに少しまだまだ欠けているんじゃないかと、こういうご指導も得ていると私は認識しております。したがいまして、先程、社長がマニュアルとか、いろいろ整備できているんだよという話ございましたが、私の仕事はそれをきちっと機能させることというふうに思っております。
ただ、いくらこれ申し上げても、何も変わらないじゃないかっておっしゃられてしまったら、何もならないので、とにかく実績を積んで信頼をしていただける。地元の皆さんにやはり安心・安全していただける工場に生まれ変わりたい。特に字を書くのを失敗したら、消しゴムで消して書き直せますけれども、化学工場はミスオペレーションすると大変なことになります。したがいまして、そういうヒューマンエラーをなくすということと、もし重大なことに関しては人間がミスしても、それをハード面でカバーできるようなこと、ここらにもっとお金をつぎ込まないかんという意味で、工場ですから物を作ることが基本ですが、私の立場は石原産業が犯した失敗を反省して、工場長直轄で、むしろ管理監督する立場に身を置いて、物作りは専門家に任せようというふうに今思っておりますが、それでも、もし何か間違いあったらいかんということで、私以下、生まれ変わったつもりで頑張りますけれども、それをさらに管理監督するいわゆる本社機能、これが社長が言っております四日市に社長室を置くということと私は理解しております。ですから、ダブルチェック、さらなるそういう全社を挙げての一体的運営というのはそういうことだろうというふうに思っております。
ただ、口では言えますが、それを具体的な組織図とか機能とか、そこらへんを明確にするのに私も来たばかりでございますので、ちょっとお時間ちょうだいして、できるだけ県の方に早くご報告できるようにいたしたいと考えております。
開かれた工場にしたいと思っておりますので、少し、もちろん安全面のことありますので、そこらは十分考えなゃいけませんが、いつでも、どなたでも来ていただけると。工場長室の扉開けっ放しやというような形で、特に地元の皆さんと共生を考えてまいりたいというふうに思っております。
つたないんですが、引き続きましてご指導賜って、また時にはちょっと間違っているぜというようなご指摘も賜りたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○末松委員 ありがとうございました。石原産業のこの総点検スケジュール表を見せていただきますと、23日に一応大方終了かなというふうに見せていただきました。今回こういうことが起きたんで、こういうふうな総点検というふうな形にもしていただいていると思いますが、これからハード面にしても、110億かなり投資をしていただいて、大分工場内も変えていただく。いろいろな老朽化の部分も直していただいたりする。それに向けてなおかつ今、藤井工場長言っていただいたみたいにメーカーの原点に戻っていただく。石原産業の技術というのは、全世界に誇れる技術を持っているというふうに思っています。その原点というところに、ぜひともしっかり戻っていただきまして、今日この場をやり過ごすだけということではなく、また二度とこの目の前でお顔が見ないようにしていただきたいというふうにご期待を申し上げて、終わらせていただきたいと思います。
○藤田委員長 委員の方々、ほかよろしいでしょうか。
④ 傍聴議員からの質疑
○藤田委員長 それでは、この際、多くの傍聴議員にも来ていただいておりますので、傍聴議員からの質疑も認めたいと存じますが、いかがでしょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
○三谷議員 新政みえの三谷です。今日はご苦労さまでございまして、織田社長にまずお伺いをしたいんですが、先程来いろいろトップの責任等のことも含めてお話をいただきました。改めてお伺いいたしますが、企業のトップの責任、まずその責任のとり方というのはどういうふうにお考えですか、そこからまず教えてください。
○織田社長 企業のトップの責任のとり方は、みずから重大な問題を起こした場合には辞任をするというところが基本だと思っております。
○三谷議員 過去いろいろ石原産業、不祥事なり、そういうことを繰り返してこられましたが、過去の企業のトップの方は、それぞれ具体的に不祥事が起きた場合どのような責任をとってこられたわけでしょうか。
○織田社長 石原産業の過去のトップの方、私が知っておる方は先代、先々代、3代前の方でございますが、みずから辞任をされるということはありませんでした。
○三谷議員 田村さんもここへお越しいただいて、フェロシルトのときにいろいろお話もいただいて、それなりの決意もご表明いただいたんですが、今まで石原産業という会社は過去何度もそういう不祥事を繰り返しながら、誰一人責任をとらずに今日まで来ているということが最大の原因ではないかと、こう思っております。今回、社長がかわられて、織田さん新たに社長になって企業のトップの責任というのは、問題が起きたときには、不祥事が起きたときには辞任をするんだと、こうおっしゃいましたが、その点は間違いありませんか。今までの経営陣とは私は違うんだということをはっきり申し上げられますか。
○織田社長 私はそのつもりでおります。
○三谷議員 それは織田さんお一人の話になるんですか。それとも3人の代表取締役がおられるということになれば、3人が共同責任ということになるんですか。それとも最後の決断を私がするんだから、私1人の責任でこれは収拾するんだというそういうことでしょうか。
○織田社長 その問題がどこに原因があるのかということがもちろん最初にございますが、やっぱり一番上のトップである私が最高責任者だという認識でございます。
○三谷議員 今までの方が全然責任をとられてこなかったということに関して、これはどこにその原因があると思いますか。それは会社の社風だとか、それから会社が伝統的にそういう責任という観念がなかったのか、会社の組織上、問題があったのか。その点はどうお考えですか。
○織田社長 私は、トップみずからが判断することは、トップの責任で決めておったんだろうというふうに判断しております。ということは、社長がそういう経営判断をしておったという認識でございます。
○三谷議員 そうすると、例えばフェロシルトのときに、ああいう事件を起こしたのは社長の経営判断で、ああいう事件が起きたというふうに織田さんはおっしゃるわけですか。
○織田社長 フェロシルトの問題は、田村が最終的に警察で捜査を受け、調べられ、最終結論が裁判で出ております。問題は、会社として、それの責任ということについて私は、当時、私その場にいなかったものですから、ただし海外から見ておりまして、それは最終的に田村社長が判断されたんだというふうに認識しておりますが。
○三谷議員 刑事責任の問題と、企業のトップの責任の問題はおのずから違うと思います。今、織田さんがおっしゃって、田村さんがそういう経営上の判断をし、そういうほとんど責任は何もとっていませんけれども、そういう決断をしたとおっしゃった意味というのは非常に大きいと思っていまして、できれば社内においても、やはり過去の今までのさまざまな経営上の判断のミスなり、今までの不祥事の繰り返し、この責任のあり方というものをきちっとやはりご議論をいただいて、一定の結論を出して、それを世間に対して公表するということが必要だと、求められていると思いますが、そういうことをされるご意思はありませんか。
○織田社長 私が社長になりまして、すぐ有機物残渣の不法投棄の問題が起こりました。本件、第三者の調査委員会、専門家、弁護士ですが、立ち上げて、3人の先生方が約4カ月間調べていただきまして、その結果は今回コンプライアンスの総点検結果と同時に一緒に公表させていただいております。その中に経営責任についても、はっきりと言及してございます。やはり今私が申し上げました、まず人事の硬直化、あるいはある一定の人に多くの権限を与え、しかも操業とチェック機能が本来別であるべきなのに、1人の方に長年やらせておった、そういうこと、それからノーと言えないような体質等々について経営者としての責任は重大なものがあるということは、はっきりと書かれておりますが。
○三谷議員 重大なものがあると書かれておって、じゃ具体的にその方がどういう責任をとられるのかというまでは言及されていないわけでしょう。
○織田社長 そこまでは、どういう責任をとれということまでは言及はされておりません。ただし、有機物残渣とフェロシルトに関連して、社内で懲罰を行うべきである。かつ、その懲罰はこういう重さだということについては提言を受けました。それに基づいて社内で懲罰を行いました。
田村前社長につきましては、有機物残渣が判明した時点、9月14日で私公表しましたが、その時点で田村相談役になっておりました。それから、副社長もおられましたが、お二人ともに辞任していただきました、私の方から今日でやめてくれということで。
もう一つ言いますと、退職金については返上を申し入れております。
○三谷議員 申し入れられているということですから余り細かいこと聞きませんが、やはりそういう社会的な責任というものを一つ一つ明らかにしていくということが石原産業の信用を回復していく大きな道のステップの一つだと、こう思っておりますから、ぜひ勇気持って実行していただきたいなと、こう思います。
それから、新しく工場長になられた藤井さんにちょっとお伺いしたいんですが、現場でずっと長い間やってこられたというお話も先程来聞いていますが、四日市の工場に藤井さん何年ぐらいから何年ぐらいまでお勤めだったんでしょうか。
○藤井工場長 私、昭和44年に石原産業に入社いたしました。半年間程いろいろなところで修行、研修、教育受けています。昭和44年の10月に四日市工場に仮配属をされました。酸化チタンというのが主力製品でございますが、当社の。当時その硫酸法、硫酸を用いて酸化チタンを作る生産部に配属されました。そこに8年程、いわゆる現場の監督者としてマネジメントをやっておりました。
その後、当社、私どもビデオテープとかオーディオテープの原料になります磁性酸化鉄というのを起業化したんですが、その関係のいわゆるプロセスの開発だとか、商品の開発だとか、皆さんご記憶かどうかわかりませんが、スーパーVHSという昔のテープの時代ですが、それ用の粉を当社開発したんですが、そういう開発業務、それからいわゆる放送局用のいわゆるテープの開発とか、そういう開発業務を約20年程、20年近く担当しました。
その後、特殊な商品でしたものですから、技術屋が各ユーザーさんとの折衝が必要だということで営業部門に出まして、海外含めてそれが足かけ約10年と。先程10年程工場離れておったというのは、そういう意味でございます。
○三谷議員 そうすると、四日市の工場に28年ぐらいおられたということで理解してよろしいでしょうか。その28年間の間で、この四日市工場でいろいろな不祥事というのは起きておりませんでしたか。
○藤井工場長 私どもが入社したころに、ちょうどその時期だったと思いますが、一部使用済み廃硫酸が流れたと。ただ、私自身がちょうだいしましたテーマが、そういう一番最初の仕事がそういう廃酸をいかに処理するか。例えば濃度の高いものは硫安を作ろう。少し薄いものは、石こうを作ろうと。濃度の低い、当時の技術レベルは中和してBODとかCODとか、いわゆる酸性オゾン量だとか、それから懸濁浮遊物だとか、そういうものがクリアしておれば、それは正規のものとして流していい。そういうことで、ずっと仕事をしておりましたので、私としては不正という認識は持っておりません。
それから、あと硫酸を酸化チタンの製造工程で当然いろいろな大気への影響するものが出ますので、そういうものの処理技術、そういうこともずっと携わっておりましたので、直接的に不正は行われたという事実については、認識を私はしておりません。
それから、フェロシルトの件については全くタッチもしていなかったこともあるんですが、最初社内で聞いたのは、すばらしい画期的なものができたという。ああ、そうかと、よかったなというのが実は最初の印象でございまして、その後とんでもないことというか、四日市を離れておりましたんですが、非常に驚いたということです。
ですから、今、社長が言いました有機物の不法投棄、これはフェロシルトと起こった時期はほぼ同じ、判明したのが去年だという、そういうことのようなんですが、四日市工場に当時いなかったということもございますが、そういう事実があったということは、当時全く認識はしておりませんでした。
○三谷議員 フェロシルトのことは当時の副工場長さんが何か全責任しょいこんでいってますから、それはそれとして、私一抹の不安を感じるのは、28年間も四日市の工場におられて、その間、御社がいろいろなことでの不祥事が起きているにもかかわらず、そういう認識がない方が今度、新たに工場長になられて、本当にきちっとした管理ができるのかどうかということを心配しているわけです。そのあたりいかがですか。
○藤井工場長 お言葉を返すようで大変恐縮でございますが、私が四日市工場で勤務しておるときに常時不正があったという認識はございません。不正と認識しておりますのは、いわゆる廃酸をたれ流したということ、それからこれは不正かどうかあれですが、最初のフェロシルトの問題、それから有機物の残渣を、これは意識的に不法と知りながら投棄したこと。
それから、今般のホスゲンにかかわる設備が無届け、無認可であったこと、それに関連するPRTR法だとかいうのは隠ぺいされておりましたものですから、PRTRは比較的最近の話ですけれども、ホスゲンにつきましても、これは有機部門ということもございます。工場を離れておりましたので、残念ながら情報を持っていなかったと。ですから、そういう情報を持っていなかったやつが今後工場を持って大丈夫かというお話につきましては、いわゆる工場を直接マネジメントする立場の人間といたしまして、もし先般のような隠ぺいが行われるとするならば、社長の、いわゆる次元が違いますが、私もそれらの責任は十分にあると認識しております。
○三谷議員 最後にしますが、大変な事態になっているということです。それだけに、やはり企業のマネジメントを司る方、社長及び工場長は非常に重要なポストですので、ぜひその企業家としての責任をしっかり自覚していただいて、ぜひ頑張ってやっていただきたいと思います。
終わります。
○萩原議員 織田社長がやっぱり私は最初に言わなきゃならんのは、ホスゲン施設を撮影するなと言って、県議会の視察、私らも一緒に同行させてもらったけれども、このことに対する反省全くない。何でもないことやった。あなたね、コンプライアンスなんて言葉まで使って、そんなことはできませんと言って気張ったんですけれども、その誤りもやっぱり正してもらいたいというか、私はやっぱり県議会、最初に謝罪があってしかるべきというふうに思います。
ホスゲンの問題については、立ち上げのときのガスが出ておったという点については、まだあなたの見解と新聞社や県職員の見解と食い違っていますね。これは、あなたまだホスゲンは絶対に出していませんというふうに言い切るんだろうと思うんですが、これ今やりとりしておっても仕方がないので、これはだけれども、今後突きとめていかなきゃならん問題だというふうに思います。会社へ入ったときに、私らも一緒にそのこと言いましたよね。そして、あなたに対しては、新聞記者の方から新聞記者をそれなら告発するのか、県職員を告発するのかみたいな話までありました。いまだに告発されていません。事実でないならば、堂々とそうすべきじゃないですかということも、あえて言っておきたい。答えがあったら聞きます。
それで、もう一つ聞いておきたいのは、私ら工場に入れてもらったときに、アンモニアガスが放出されていたという問題も言われました。あのときに織田社長くしくも作業をやっている船の従業員に聞いたんだと。よその会社ではどうしているんだと、荷上げのときにと言ったら、同じようなことやっていますわというふうに言うんですよというふうにおっしゃったね。やっぱりそこに一つの甘さがあるというか、よそもやっているんだ、同じだという認識なんでしょうか。今回のようなこういう石原産業の次々と出てくるような、こんな犯罪的なやり方がほかの企業でもやっているというふうにあなたはお思いでしょうか、これをちょっと明確に聞いておきたいと思います。いかがです。
○織田社長 まずホスゲンの写真の件ですが、私コンプライアンスの問題で写真をお撮りすること許可できませんとはっきり申し上げました。それについて今メーカーさんと交渉しておりますから、その結果オーケーが出ればオーケーのようにいたします。最終的に向こうからオーケー出たんで、オーケーということにいたしました。
それから、ホスゲンが初めのころ漏れて大気に出ておったんじゃないかということにつきましては、今でも私はすべて除外棟で、漏れておったとしても、すべて除外棟で処理されておったはずで、しかもあのプラントは漏れるような設備ではないと、今でもそう思っておるんですが、ちょっとそこから先についてどうかということについては、もうご勘弁ください。
それから、アンモニアの件でございますが、今回のコンプライアンス総点検で作業しておる一人の方から総点検の中での報告がございました。アンモニアを船側で海中に入れておるんだけれども、これは本当にいいんでしょうかというコメントがございました。それがスタートでございまして、これは重大なことだからということで発表して、実際は現在まで、まだ調査されております。あの席上で、よそでもこういうふうにやられておるんではないかということにつきまして、よその工場はまだ同じことやっておるかというご質問ですが、私はわかりません。
○萩原議員 あなたは、よそでも一緒にやっているというふうに言っていますよというふうに私らに言ったんですね。
それと、ちょっと聞いておきますが、労働者OBの人たちにも聞いてみると、あれだけどころじゃないんだわというふうにおっしゃってみえる人いますよ。もっとやっぱりひどかったと。だから、会社の幹部が知らんはずがないじゃないかということも言っています。これトップに情報が伝わらんというのは、ある意味で便利で、おれは知らなかったと言ったらそれで済む。だから、細かいトラブルなんかは報告してもらわんほうがいい。知っていたら、それこそ隠ぺいしていたじゃないかという責任同罪とられる。だから、私らは会社ぐるみでやったと思っていますが、あのフェロシルト事件についても、そんなのは佐藤副工場長1人がやれるはずがない。
問題は、この田村前社長のもとで50億の利益を100億に上げろということで、これISK新聞ですよね。それで、田村さんの新3カ年中期経営計画というのが出て、そしてとにかく利益倍増だと、コストは下げろと。ゼロエミッションという言葉まで使って、ゼロエミッションというのは排出物をゼロにしろというわけでしょう。特にフェロシルトの問題で、とにかくそれは全部製品に変えたんだ、これはリサイクル製品だというふうなことでもって、やってきた、この誤り。
その中に新役員の中には、これ織田さんも、あるいは吉田さんも藤井さんも全部載っておるというこの田村体制の中で、あんたたちは育ってきた人なんですよ。そういう意味では、私は会社ぐるみの責任を一層明確にしないと、佐藤さん1人、1人だけじゃない、部長も含めてですけれども、これはやっぱりおかしいというふうに言いたいわけで、そのこととかかわって、私は石原産業のこれまでのこんなことがなぜ許されたのかという点で、ぜひ聞いておきたいのは、県のやっぱり指導や監査、検査が甘過ぎると私はこの間言ったんです。16年間も、あのフェロシルトの放射線測定やりましたね。やっていたのが全部データ改ざんされていた。改ざんされたデータも、この間見せてもらいに行きました。赤い線でずっと、もう本当に軒並み改ざんされている。16年間何で見つからなかったんだと思います。16年間1度も出した提出書類を点検しようとか、さっき藤井さんもクロスチェックなどという言葉さえ使ったけれども、それがやられないままで何でこんなことが許されたと思いますか。織田社長から、ちょっと聞いておきたいと思うんですが。
○織田社長 私は、石原産業四日市工場から出したデータにそういう改ざんがあった。それが最大の問題であって、何でそれがわからなかったかと。工場の当時の出す側というか、環境部、そこがそういうデータを出しておって、そのデータを出す上のトップの方というと、やはり当時は佐藤さんだったわけです。その方がそれでいいという承認をしながら出しておったというふうに私は理解しておるんですが、したがって、何でわからなかったかというと、実は測定する検査部と、それから実際報告をする環境部が、トップが同じ方がやられておったというところにチェック機能が全く働かなくて、そういう数字がそのまま出ていったんだというふうな認識をしておりますが。
○萩原議員 そんなことを聞いてるんじゃなくて、16年間もデータごまかして、それが官庁で認められる、国まで上がっているんですけれども、そんなことが何で許されたんだろうと、石原産業について。そういったようなことがどうして石原産業では許されたのか。その石原産業のあり方について、私は端的に言って、例えば三重県の環境保全事業団がある。この環境保全事業団にずっと工場長、社長らが田村さんもそうでした。それから、安藤さんもそうでしたね。理事に入っていましたよね。その理事に入っておって、環境保全事業団、あそこの庁舎も石原化工建設がやっていますね。石原化工建設、あんたたちが交代で役員にも行っていますわ。
それから、廃棄物の処理場、処分場もほとんどみんな石原化工建設あるいは杉本組でしょう。三田の地先の埋立場もそうでしょう。そういう深い関係をあんたたちは作ってきている。県職員にもそんな関係作っておったの。私は16年間一度もチェックしないという県を、この間、厳しく指摘しました。だけども、石原産業を信頼しておったそうです。ISOも取っておるからということのようですけれども、そこまで信頼させることができるというのは大したものだなと思うんです。
そこで、具体的に聞きます。チタンの廃棄物、これは0.14マイクログレイを超えるやつは、これは廃棄物としてはならないんですよね。国からの通達もありますよね。出してはならないものを出したんですよね、アイアンクレーとして。これが今、小山の処分場にも、あるいは伊賀の方にも行っています。兵庫にも一部行っていますけれども、これどうされますか。これは出してはならないとして、国の通達でも、特定チタン廃棄物として、これは産業廃棄物と扱ってはならんよというふうに言われています。チタン製造事業者の責任において改修等必要な措置を講ずることを指導せよと県に言ってるんですわ、厚生労働省がね。こういう指導があるまでもなく、どうされますか。こんな濃度の高いものがあんなところへ埋もれているというのは、これは将来においても、とても大変、心配ですわ。織田社長の明確な見解聞いておきたい。
○織田社長 今の文章の件については、私理解しております。認識しております。どうされるかということでございますが、私としては現在、現場において安全性が確認されておるという観点から考えますと、今それを掘り出して持ってくることが本当に安全・安心という観点からいいのかなという点については、私は疑問に思っております。ただ、これからも安全・安心という観点から石原産業がそれをモニターをし続けるということは、最低限我々としては必要なことだろうというふうに思っております。今後、国・県等々のご指導を今お待ちしておるという段階でございます。
○藤田委員長 萩原委員に申し上げます。時間がありません。
○萩原議員 余り時間とらんようにします。
○藤田委員長 いや、時間が経過してきていますので、まとめてください。
○萩原議員 わかりました。現場で測定したら安全性が確認されているって、そんなものは土かぶせてそんなところではかったら基準オーバーするはずもないですわ。当然のことです。だけども、中には放ってはならない基準の3倍ものアイアンクレーがあるわけですから、これこそ危険じゃないですか。そんなところへずっと置いておいたら。お茶の産地でもある地域にね。私はやっぱりだからこれは撤去すべきだ。これは県や国の指導を仰ぐまでもなく、事業所の責任においてと書いてあるんで、その責任を果たすべきだというふうに思います。
最後に端的に聞いておきます。石原産業は労働組合出身の会社幹部、社長もそうでした。工場長もそうでした。労働組合が労働者の声出さないんです。これが一つの会社の体質として大きな問題なんですよね。あんた、運んでくることの方が健康だと言うけれども、さっきも真弓さんが労働者の健康という話も言いましたけれども、それこそ持っていきようのないものなんです、あれ。既に石原産業の中には濃度の非常に高いフェロシルトやアイアンクレーがいっぱいあるはずですから、そのあたりも含めて全面的な点検をやることが大事だというふうに思いますし、健康も言うまでもないこと。
それから、あえて言っておきます。政治家をいろいろと使ったり、あるいは選挙なんかにぐるみ選挙をやったり、政治献金を渡すなどということは、今後一切しない。約束できませんか。その点だけ答えておいてください。
○織田社長 今、政治献金一切やっておりませんし、今後もやるつもりはございません。
○萩原議員 やっていますじゃないか。数字挙げようか。
○織田社長 政治献金ですか。やっておりません。
○萩原議員 やっていますよ、安藤さんが認めていますし、県の報告もあります。
○藤田委員長 それでは、時間の方が参りました。
以上で本日の質疑を終了したいと思いますが、私ども県議会といたしましても、今後もこの経過については注目もしておりますし、調査を継続してまいりたいというふうに考えております。
石原産業におかれましても、社の情報公開を社長もおっしゃられましたけれども、さらに進めていただきまして、透明性を増すことと、特に住民への説明責任というものをしっかり果たされることを、その声をまた真摯に受け止めていただくこと、そして安心・安全が担保できる工場へ改善していただくことを特に申し添えたいというふうに思います。
最後に、先程も話出ておりますけれども、1,600名余の従業員の方々いらっしゃいます。この方々への安全、それから健康、この部分についての管理も、あわせてきちんとされること、特にこの方々は地域住民の方でもあられるわけですので、こういった部分についても問題が生じないように、さらに進めていただきたいというふうに考えます。
以上で質疑を終了させていただきます。
参考人にはご苦労さまでございました。ご退席いただいて結構です。
これで本日の調査を終了いたします。当局にはご苦労さまでした。
〔参考人 補助者 退室〕
Ⅱ 委員協議
今後の調査の進め方について 正副委員長に一任
〔閉会の宣言〕
生活文化環境森林常任委員長
藤 田 泰 樹