三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成19年度 委員会会議録 > 平成20年3月13日 政策防災常任委員会 会議録
政 策 防 災 常 任 委 員 会
予算決算常任委員会政策防災分科会
会 議 録
(開 会 中)
開催年月日 平成20年3月13日 自 午前10時 1分 ~ 至 午後 2時20分
会議室 第302委員会室
出席議員 9名
委員長 稲垣 昭義 君
副委員長 中森 博文 君
委員 中嶋 年規 君
委員 田中 博 君
委員 山本 勝 君
委員 森本 繁史 君
委員 舟橋 裕幸 君
委員 三谷 哲央 君
委員 中川 正美 君
欠席議員 なし
参考人 1名
学識経験者 森野 捷輔 氏
出席説明員
[防災危機管理部]
部長 中西 正明 君
副部長兼防災危機管理分野総括室長 若林 隆博 君
危機管理監 中西 正光 君
危機管理総務室長 嶋田 宜浩 君
防災対策室長 堀江 俊光 君
消防・保安室長 東畑 誠一 君
地震対策室長 高須 幹郎 君
コンビナート防災特命監 木本 雅仁 君
その他関係職員
傍聴議員 なし
県政記者クラブ 5名
傍 聴 者 1名
議題および協議事項
Ⅰ 防災危機管理部関係
1.常任委員会
(1)所管事項の調査
・消防の広域化について
・三重県広域防災拠点施設整備について
・平成19年度リスク把握取組の結果について
・平成19年度三重県国民保護図上訓練について
2.分科会
(1)予算議案・予算関連議案の審査(2件)
・議案第 1号 「平成20年度三重県一般会計予算」の関係分
・議案第59号 「平成19年度三重県一般会計補正予算」の関係分
Ⅱ 委員協議
1.常任委員会関係
(1)常任委員長報告について
2.分科会関係
(1)予算決算常任委員会(3月18日)における分科会委員長報告について
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
Ⅰ 防災危機管理部関係
(1)所管事項の調査
・消防の広域化について
(1)当局から資料に基づき補充説明(中西部長)
(2)質疑・応答
○稲垣委員長 それでは、参考人から意見を伺いたいと存じますが、先程の説明についてのご意見、また懇話会での議論の経過、その中で出てきた課題等がございましたら、ご意見をいただきたいと思いますが、森野参考人、どうぞよろしくお願いいたします。
○森野参考人 それでは、ご説明申し上げます。
この推進懇話会は、広域化の問題について幅広く県全体の意見をまとめるというところにあったと思いますが、全部で6回、会合を開かせていただきました。主な構成員は消防関係の方々や公共団体の方、県民の声をあらわせるいろんなボランティアの団体の方、私のような、有識者の代表というような者が会合を重ねてきまして、県側からは、先程ご説明いただきました中西部長が委員として参加されております。
最初の3回は、広域化によるメリットも十分ご説明があったと思うんですが、要は本部を幾つか統合をして、そこからある種のスリム化を行って、出てきた余剰人員というものをむしろ現場へ振り向けて、それでもっともっと住民サービスを向上させようというところにあるということで、そのためにはどういうことが必要かということをいろんなデータを見ながら、ディスカッションをさせていただきました。
それから、第4回目のときに、いよいよブロック分けですね、このブロック分けについて、全部で7案が出てまいりました。1つ目と言った方がいいでしょうか、これは全県一元化という案で、次に国の方針が30万人規模でもって、本部を置くというようなことがあると聞いておりますので、それをもとにした30万人規模のもの。それから一段下がって10万人規模のものというふうに、全部で7案出されたんですけれども、規模的には、今言いました全県一元化と、それから2ブロックに分ける、それから4ブロックに分ける案が2案、5ブロック、それから8ブロックに分ける案が2案、全部で7案が出てまいりまして、それはたたき台だったわけですけども、いろんな地域性とか、それから人口の割り振りとかを加味して、出されました。
そこで、いろいろな議論を経て、今日ご説明のありました、当面一元化というのはかなり高い目標で、やっぱり出発は8ブロックぐらいからいくのがいいんじゃないかと。順次、4ブロック、それから一元化というふうに進んでいくのがいいんじゃないかというのが、いろんな議論を経た最後の提案、あるいは懇話会のまとめということになりました。
それで、じゃあ、どういう議論がされたかということでございますけれども、まず、全体の意見として、一元化というのは理想状態で、一番いいということは、これはどの委員さんもそうお感じになりました。ただ、現状では消防組織法の規定で、管理者になられるのは市町村長さんであるということでございますので、その枠内でやるとなると、いろんな難しい点が出てきます。これはデメリットという言い方をすると、ちょっとおかしいんで、広域化をするためにいろんなバリアがあるというふうに私は考えておりますけれども、それは幾つか出てまいりました。
順不同で申し上げますが、まず一つは、全部でもって、今消防本部は15ございまして、それを8つに統合しようと、とりあえずはですね、という案がもし審議されるとすると、組む相手によって、非常にレベルの高いところとレベルの低いところがあります。レベルの高いところというのは、つまりかなり機器も整備されてるし、それからそれぞれの職員といいますか、吏員の能力が高い。それからいろんな研修も充実してやっています。ところが、組む方の相手がそれほど高くないというと、どうしてもレベルの高い方にいろんなしわ寄せが来るんじゃないかというようなご意見。
それから、地域の性格がございまして、例えば四日市のようにコンビナートを抱えていて、火災のことを申し上げますが、化学火災の危険性が高いところと、そうでなくて、大規模火災としては山火事が多いというような、そういうところと、非常に性格が違うので、そういうところが組んだときにどうなるかというようなこと。
それから、先程の繰り返しになりますが、自治体消防という考え方で来ておりますので、その枠内で広域化というと、どうしてもうまくいかないんじゃないか。つまり、非常に強い声で言われたのは、消防というのはやっぱりその土地の地理とか水利とか、それから家屋の状況なんかを100%わかってなきゃできないんだと。悪い言葉で言うと、よそ者にはできないんだということがございますので、そういうものをどうやっていくのか。特に今回の問題は、消防団は議論の外に置くということになっておりまして、しかし消防団というのは非常に地域に密着したものでして、命令系統的には消防署からの要請を受けて動くということでございますので、その消防団の編成というのはどうやるんだとかいうことがございました。
それから、命令の仕方も非常にこの頃いろんなハード面が充実してきておりますから、一気にできるところと、きちんとまだ整備されてない、整備途中のところとの格差をどうするか。
それから、一番声が大きかったのは、現在の職員、吏員の方々の階級とか給与とか処遇はどうするんですかと。統合となると、現在、人件費が8割ぐらいを占めているわけなんで、統合によって、例えば給与が高いところと低いところが統合したときに、どうしてもやっぱり高い方へ合わせるんじゃないかというようなことが起こると、当然人件費が増大するというようなこと。
それから、一番重要なのは、アンケートから出てきている、現在の職員さんたちがそれほど広域化に対して、もちろん全体的には60%ぐらいが賛成ないしはやってもいいんじゃないかというような意見等は出ておりますけれども、やはり現場の方々がもっともっと意識が上がってこないと、上からやれと言われただけで、広域化というのはなかなかできないんじゃないかとか。
それから、内容は後から中西部長にご説明いただきますが、広域化の仕方ですね、これが事務組合を組むとか、事務委託をするとか、広域連合をするとか、いろんな形があって、そういうのをどうやって、それぞれ何かまずいところが、私はよく理解できておりませんけども、まずいところがあって、そういうことをどうやってやっていくかというようなご意見が出ました。
そういうわけで、なかなか足並みがそろったというふうには言えないと思います、はっきり申し上げて。ただ、冒頭に申しましたように、全県1区でいくんだったら、これはいいんじゃないかという意見は、もう皆さん、反対はございませんでしたので、理想状態としてはそこへ向かっていくべきだと。それから地域の状況や何かも見据えた上で、県の方でも大分苦労されて、この8ブロックでまずお見合いをしてみましょうと。それでだんだんうまくいくようだったら、4ブロック、それで最後には一元化という、3段階を踏むのが一番いいんじゃないかということで、懇話会でもそのことを了承されて、現実に、もう四日市と桑名市では共同指令が始まっているとかそういう例も出てきており、メリットもかなり上がっているようでございます。人員の整理もでき、3億数千万の予算も浮いたというようなことで、広域化についてのメリットは出てきていると思います。
ただ、いろんな地域の問題も加味しながら、そう急いでやらないで、8ブロック、4ブロック、一元化ということで、国が必要としております24年度までにある種の広域化の実績を上げるということで、当面の目標としては8ブロックを何とか完成させようということで、懇話会は結論を出したわけでございます。ただし、これは県がお作りになる推進計画なんで、実際の運営計画の方は、これは市町村がお作りになりますから、県は大まかなところを示しておいて、もちろんこれの見直しも含めて、一番いいと思われることを市町村でまた時間をかけて、24年度までに考えていただいて、実を上げていくということになろうかと思います。
説明は以上で終わらせていただきます。
○稲垣委員長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの参考人の意見に対して、当局からもし何か補足等説明があれば、お願いをしたいと思います。
○中西部長 今、森野参考人の方から詳細なご説明をいただきましたが、私どもといたしましては、委員会の方にさまざまな状況下における消防のあり方につきましてご説明を申し上げまして、先程参考人の方からご説明があったような形で、合計6回にわたりましてご意見をちょうだいいたしたわけでございます。大変貴重なご意見をちょうだいをいたしまして、ありがたく感じておるところでございます。
○稲垣委員長 それでは、委員の皆さんの方からも、執行部に関しても、あるいは参考人の方に関してもどちらでも結構です。まとめて質疑という形で入らさせていただきたいと思いますので、どなたからかお願いをいたします。
○三谷委員 今日は、参考人に関しましては本当にお忙しい中、ご出席賜りまして、本当にありがとうございます。また今、るるご説明を賜りまして、重ねて感謝申し上げる次第です。懇話会の方、6回いろいろご議論いただいたようでございまして、今ご説明いただいたんですが、幾つかちょっとお伺いしたいんですけれども、国が決めてきた方針を前提に、懇話会の中ではご議論があったんだろうと、こう思っています。
30万人が当面というお話ですが、例えば2001年、平成13年の国の基本計画の見直しでは、大体管轄人口は10万人を目安という議論があって、それが13年で、その翌々年の15年には10万人以上となって、今回18年で今度は30万人というように、ころころ変わってきているんです。その30万人という人口規模というのが、本当に適切であるのかどうか。明確な適切であるという根拠があるのかどうか、非常に僕は疑問だと思っているんですが、そういうことに関しては懇話会ではご議論はなかったですか。
○森野参考人 30万人というのが国の方針として出てきたということがあって、それに対して、先程も言いました8ブロックというのは大体10万人規模で、それから4ブロックが30万人、それから全県。そのお話がございまして、その背景にあるデータですね、規模的にこのぐらいだったらこのぐらいの人員が要るというようなデータのご説明がございました。ただ、それが適正かどうかというような判断ができる者はこの懇話会の中におりませんので、そこは専門家にお任せするということで、データだけはそしゃくをしたつもりでございますけれども、適正かどうかというところの議論までは入っておりません。
○三谷委員 そういうのに明確な根拠があって、こういう8だ、4だ、将来1だという、そういう議論に恐らくなってくるんだと思いますし、今まさにそれで、そのブロック割りで推進計画が作られようとしているわけです。これは本件の消防にも大きな影響を与える話でありまして、最も基本の人口の大きさ、これが本当に適切であるかというところの根拠はぜひご議論いただきたかったなと、こういう今、思いはします。それと、先程、県が推進計画を立てて、今後各市町村で運営の計画を立てるということになるんですが、これに当たって、各市町村、市町からのご意見の徴聴というのは懇話会の中にあったわけですか。
○森野参考人 市町からのご意見は、委員会としてはやっておりません。ただ、県サイドとしては、いわゆる市長、町長、それから消防長の意見は順に伺ったというふうに聞いております。
○三谷委員 参考人の方からもご説明のありましたように、基本は自治体消防がもともとのスタートですよね。管理者は各自治体の長であるというのが、この消防の基本なんです。こういう大きな改編のときに、当該の自治体の長のご意見を直接、県は確かに聞いていると思うんですが、委員会としてお伺いにならないというのは、それはどういう理由でそういうことになったんですか。必要がないという判断ですか。
○森野参考人 会長としての私の認識は、つまり広域化ということの是非を我々は判断をすればいいことであって、それに対して、お見合いの案は作るけれども、そのお見合いに従って、市長さんが、じゃあ、やりましょう、いや、うちはだめですというようなご判断まで我々が、推進懇話会といえどもタッチすることはないんではないかと、私自身は考えておりましたので、ただ、全体の枠組みをお示しするというところでお手伝いができればいいなということでしたから、どちらかというと県の危機管理部の整えられた資料に従って、皆さんの意見を広く聞いたということに終わってしまいました。ご批判は重々理解できるんですけども、そういうことになりました。
○三谷委員 別に批判をしようとは思ってないんですが、こういう大事な計画を立てられるときに、当事者である市町の管理者のご意見はぜひ聞いていただきたかったなという思いがいたしておりまして、ちょっと残念な感じがしてます。
それと、全県を1ブロックにするというのが理想で、これが一番いいんだというお話で、これは全委員がこれは異論がなかったんだというご説明があったんですが、スケールメリットでいえば、それは大きければ大きい程いいにこしたことはないと思うんです。しかし例えば初動の態勢だとか、それからそれぞれの現場からのいろんな通報について的確に迅速に対応していくということなど、そういうことを考えた場合、大きければ大きい程いいという議論は、必ずしも僕は成り立たないんではないかと思うんですが、どなたもそれについて異議を言われなかったというのは、僕は非常に不思議だというのが一つあります。
それから、先程、大きくするということがメリットがあるんだと。デメリットというよりは、そういうときに障害、つまりバリアはあっても、デメリットはないようなご意見だったんですが、市町村合併でも何でもそうなんですけれども、道州制もそうなんですが、大きくするということのメリットは当然あるんです、財政的なこととかそういうことで。しかし同時にデメリットもありまして、それを比較検討する中で、どういうやり方が一番いいのかというのを考えていくというのが通常普通の道筋なんですが、参考人のご意見は、デメリットということよりはバリアがあって、そのバリアをどう乗り越えていくかというのがこの議論なんだというようなふうに私は理解できたんですが、その点、ちょっと理解しがたい部分があるんですが、いかがですか。
○森野参考人 全県一元化はどなたも反対がなかったというのは、私の説明がまずかったと思いますけど、8ブロックとか4ブロックとかいうようなことを言うんだったらば、むしろ一元化を最初の目標としてやる方がいいんじゃないかというご意見です。
今、三谷委員がおっしゃった、デメリットの部分ですけども、もちろん私の理解ではこの広域化というのは、冒頭に申しましたように、ある種の部分的なスリム化を行って、住民サービスを向上するということを大目標とするんであれば、広域化したことによって、出てくるデメリットというものはあまりないんじゃないかと。むしろそこへ至るまでに、例えば職員の給与の問題により、人件費が膨らむということがあれば、これはデメリットでしょうね。ですけども、長い目で見ればそういうものも解消できると思いますので、そういう意味ではデメリットじゃなくて、バリアではないかというふうに申し上げたわけなんですけども。
それから、距離の問題、これは議論が出ました。人口の問題ばかりじゃなくて、距離が遠くなると、フットワークが悪くなりますから。しかし試算ではそれ程、初動態勢をとるのが遅れるとかそういうデータは出てきておりませんので、東紀州は非常に距離が遠いんですが、それでもそのことによる初動態勢の組み方がおくれるというような、そういうデータは出てきていないので、全県一元化しても、それ程おっしゃる意味でのデメリットはないんじゃないかなと、私自身は判断した次第です。
○三谷委員 そういうデータが出てこないとかおっしゃるんですが、そのデータというのは、県の方からいただいたデータという意味ですよね。
○森野参考人 はい。
○三谷委員 ですから、全体の私の印象としては、県がさまざまなデータを出して、それを懇話会の中でご議論いただいて、要は今、県が、国が進めようとしているということだと思うんですよね、県が進めようとしているこの広域化を合理化、正当化する理由づけに懇話会の議論がなっているんではないかなと、そんな思いを率直にするわけです。
例えば、先程、桑名と四日市、広域化して、メリットも出ていますよというお話で、3,000万ぐらい金が浮いてきたじゃないかと。それはそのとおりかもわかりません。しかし同時に私どもの耳に入ってくるのは、通報しても、今まで桑名市の職員がその電話をとっていればすぐ場所が特定できて、迅速に対応できるにもかかわらず、四日市にいた職員がとった場合、その場所がなかなか特定できなくて、時間がかかっているとかというような、そういう話も同時に入ってきているわけで、その当たりのところもやっぱりきちっと検証していかないと、この計画というのは相当慎重にやらないと、僕は大変な結果を招くんではないか、そういうおそれを抱いております。
それからまた、合理化していくから、当然人員がある程度余剰して、その人たちを現場に回すので、住民サービスの向上につながるというお話ですが、幹部職員が余ったら、現場にいきなり回したって、これは役に立たないですよね。それよりも大事なのは、そういう現場に行って、きちっと対応できるような研修プログラムだとかそういうものがきちっと備わっているのかどうか。そういうところのチェックというものも併せてやっていかないと、単に人が余ったから、それが住民サービスの向上につながるというものでも当然ないんではないかな、こう思っておりまして、今の先生のご説明を聞いていましても、30万人という明確な根拠もありませんし、はなはだちょっと不安を覚えざるを得ないというところでございます。また後ありましたら、後で聞かせていただきます、すみません。
○舟橋委員 やっぱり、先程三谷委員が申したように、まずは全県1区が理想型ということを何度かおっしゃったのがすごい印象に残ったのと、もう一つは、全県1区にするためには急にはできへんから、8ブロックと。8ブロックにするに当たっても、いくつかのバリアというか、課題を提起されましたですね。その課題を全県1区にするためにはもっと大きな課題が、ハードルが高くなると思うんです。三谷委員の指摘、それから参考人がおっしゃったさまざまな課題、これはそうやすやすと乗り越えられるもんじゃないんじゃないかなという思いがあるんですけども、やっぱり全県1区というのが本当にいいのかなというのに、まず疑問を覚えます。
もう一つは、全県1区になったときに、果たしていわゆる自治体消防という位置づけが変わってしまうんじゃないかと。要は、県というのは市町村間を超えた場合の補完的機能を持つわけでありますから、全県1区で消防ができたときには、本来ならばいわゆる自治体消防という枠を超えて、県が消防を担うという議論があってもしかるべきじゃないかなと思ってたんですけども、そこらへんの議論はなかったんですか。
○森野参考人 まさしくございました。要するに自治体消防という考え方を、もう根底から県消防にしないといけないので、まず法改正が必要だとか。ただ、それはできそうだというのは、警察組織なんかはもう既にそうなっているから、消防だって、やってやれないことはないんじゃないかというご意見は出ましたですね。
ですから最大のネックは、私の理解では法改正をして、県が主導でもって消防全体を管理できるかというところですね。先程三谷委員にお話ししたように、8ブロックでも難しいのに、全県でいけるのかというのは、これはちょっと研究してみないといけないとは思いますけども、懇話会では8だの4だのというよりは、むしろ一元化を本当の目標にしてもいいんじゃないかという意見は一部にございました。
○舟橋委員 全県1本になったときに、どういう組織体系になるかわかりませんけど、例えば今回の後期高齢者みたいな広域連合で組んだと。そのときには、今のところ、これは正式コメントかどうか忘れましたけども、県は参加する気がないと。あくまでも自治体消防だからというスタンスだろうと思うんですけども、そういう非常に県の消極的姿勢というか、これはもう市町村やと言いつつも、この1本に持っていくという結論は、いかにも現実とのギャップみたいなのをやっぱり強く感じるところがあるんです。
8ブロックにする段階での課題についても、またこれは県の方と、具体的な話になりますので、議論をさせてもらうつもりですけども、もう一点は、先程の警察組織ができているんだからという議論なんですけども、過去から駐在所があって、それで今は若干交番に再編されてきても、やっぱり地域に根ざしたきめ細やかさというのが、実態としてあるわけですよね。それと同じレベルで今消防を位置づけるのは、少々無理があり過ぎるんじゃないかと、実態的に、思うわけであります。やっぱり県1本ということに対する、正直、不安感を述べさせていただいているところなんですけど。
もう一点聞きたかったのは、数年前に消防の広域化の議論があって、それで先進的に進めてたところもあるんですけども、それ以降に一昨年、市町村合併が一段落したと。ただ、合併は一段落して、あのとき正直、県は推進計画というか、素案みたいなのを書いて、市町村に提示して、あなた方どうですかと。口では市町さんの自主性ですと言いつつも、いろんな飴とむちを用意をしてました。そしたらふたをあけてみれば、合併しないところ、合併できないところ、まだら模様が今の三重県、これは日本じゅうにある実態なわけです。
今回も県が推進計画を立てていただいて、あとは市町さん、判断ですよと言われたときに、結果として市町村合併みたいなまだら模様を呈してしまうんじゃないかと。そうしたときのこの懇話会としてのあるべき議論とは随分違った実態が起こってくる。その際にはどうなるんだろうという議論は余りなかったでしょうか。
○森野参考人 それはございました。私もよくわかってないんですが、かなり前に一遍、広域化の話が出たと。
○舟橋委員 平成15年ぐらいでしょうか。
○森野参考人 いや、もっと前のように。そのときに何か立ち消えになってしまったんで、今回はどうなんですかというような、そういう議論もございました。ただ、私は別に県の立場を代弁するものでもないんですけども、現在の仕組みというのは自治体消防ということにある限り、県はある種の推進計画は示せるけれども、その後の実際的な運営については、これは手が出せないというのは、このレポートの中にも書いてあると思いますが、最初からそのスタンスで出発しましたので、立ち消えになってしまうかどうか、その責任は誰がとるんやと言われると、ちょっと苦しいところがおありだと思いますけれども、これはやっぱり市長さん、それから町長さんが、あるいは消防長さんで頑張っていただきたいとお願いするしか、私は手がないんじゃないかなと、懇話会としてはですね。
○舟橋委員 聞き及ぶところによると、市町の首長さんも、自分ところの範囲内だけでいいわという声を結構聞きますもんで、結果として、まだら模様みたいな中途半端な形になってしまうんじゃないかというのを心配しているんです。ただ、一方、今回はデジタル化という、あめになるのかむちになるのかわかりませんけども、その大きな制約がセットものであるので、県はどういうスタンスでこれを進められていくのかなというのは、少し注目もしていきたいし、見守っていかなあかんとは思ってます。ありがとうございました。
○中川委員 懇話会の中に、消防協会の方は入っておるわけでしょうか。
○森野参考人 本部長さんが4名と、それから消防協会の方が1名、消防関係ではそれだけだと思います。
○中川委員 今、問題点の中で消防団のことを触れられて、よそ者にはできないという、そういう消防団の気概というんでしょうか、プライドというんでしょうかね、自主自衛という、そういう気持ちがあると思うんです。それを尊重していかなきゃならんと思うんですが、消防協会の中で消防のあり方検討会が設置をされて、今日に来とるわけなんですが、その主たる目標というのは、やはりだんだん消防団が減少してるということが一つ。
もう一つ、したがって地域の中で奨励をすべく、事業所でもそういう研修制度なんかをやっとるんですが、このことについて、今まさにこういう方向性が示されておる中で、消防団というものがこういう形の状況を迎えてる中で、さらに減少というのが起こり得る可能性というのがあるんじゃないかなと。私はやはり消防団というのは、まさに地域の中で大きな役割を果たしているかと思うんですが、そのあたりの議論というのはほかにもございましたでしょうか。
○森野参考人 消防団については、私が冒頭で申し上げましたように、一応これは今回の広域化とは切り離すというような話でスタートしたんですが、現実問題としてそうはいきませんので、委員の中には消防協会の会長さんもおられまして、いろいろ意見を述べられましたけれども、この方のご意見はむしろ広域化を、どっちかというと積極的にやったらいいんじゃないかというような雰囲気で、私は聞いておりました。消防団がだんだん団員が少なくなってくるというような話も中には出ましたけれども、広域化によって、それがますます悪くなるんじゃないかというふうな議論はなかったように記憶しておりますが。
○中川委員 そうしますと、これは消防団のことについては別個の話として、推進してもいいよということで、問題点はないと、こういう理解でよろしいわけでしょうか。
○森野参考人 はい。
○中川委員 はい、結構です。
○山本委員 懇話会、今回いろいろ報告いただいて、私はこういう消防組織の広域化という面では一つの大きな流れを作ってくれた、役割を果たしていただいているなと、こういう思いをさせていただいておるわけでございます。特に広域化のバリアということでは、いろいろ7項目ぐらい問題点を挙げていただきましたが、まさに今、そんなところぐらいが一つ障害として、また問題点として残っておるんじゃないかと思います。
もう一点は、三谷委員が言われましたように、市町の首長がどうやって判断をするかというのが、職員の人たちなり消防職員の人たちがそれに賛同して、一緒にそういう雰囲気を作っていくという面では、一部の市のところでは、割と首長さんは今回の広域化については反対だというような、こういう地域もございますので、やっぱりそのへんのところをまず一回整理をして、今回、懇話会でいただいた意見について、とりあえずいろいろ問題として整理をしていくところについては、僕はよかったかなと思っています。
特に消防団のいろいろ問題については、先程ちょっとお話をいただきましたけれど、最近の消防団もなかなか流れ的には、今までは第一線で火消しをするというのがまず基本の役目でしたんですけど、今はもう到着して、初期消火で、すぐかわってしまうとか、それから、事前に予防活動というのを最近主にしてみえますので、ちょっとそういう面では、消防団代表の方については広域化についての賛成的な意見を持ってみえるんやないかと思いますけど、それはまさに今の消防団のそういう活動の団員が減少という面でもあらわしておるんじゃないかなあという、こういう思いをさせていただいておるんですけども。
あと、それはレベルの低い方が高い方に合わすと重荷になるという、これも一つ課題ですし、山火事には海の、都市部の職員は山火事は苦手でございますもんね。そういう面では、本当にこれは問題は特筆をしていただいたなということでは、これからこういうところを一つ一つ論議をしていきながら、僕らはやっぱり8は4にして、4を、20年、30年先ぐらいには全県というぐらいになっていくような、こんなところについて推進していただいた方がいいんじゃないかなと、こう思います。
○中嶋委員 いろいろと懇話会という組織自体というか、設置目的自体の限界の部分も非常に感じられたかなと、三谷委員とのやりとりで思ったんですが、それでもいろんなデータをもとに議論をしていただいた、その成果としてこういう形でまとめていただいた、ご苦労に感謝申し上げたいというふうに思うんですが、その中で救急のことについて、どのような議論があったのかということについてお教えいただきたいなと思うんです。
実際のところ、消防職員の皆さんも非常に関心が低いということを、バリアの一つに挙げられましたけれども、それ以上に県民の方は、余りこの広域化のことについて情報を持ってらっしゃらないというか、知らないというか、議論の盛り上がりがないというのが実際でございまして、こんな話があるんだと言うと、大きく出てくるのが、一つは救急の話です。
もう一つ、これは県執行部の方にお聞きしたいんですが、家を例えば建てたときに、消防法上の許認可がありますよね。これがどうなるんやというふうな話です。これは業界の方の話ですけれども、そういったことの心配の方が多くて、実際、火消しの方についての心配よりは、さっき申し上げた2つの方の普段からの部分の方が気になっているみたいで、参考人の方にお聞きしたいのは、救急についての議論、どんなことがあったのか。あと執行部の方に、さっき申し上げた消防法上の許認可は、これは8ブロックになる、4ブロックになる、県下1つになるといった場合、どうなっていくのか、そのあたりをちょっと教えていただきたいんですけど。
○森野参考人 救急のことも随分、話がありまして、一つのポイントは、消防署員が救急救命士の資格を取るために、いろんな研修とか教育とかそういうことをもっと充実していってほしいという意見があって、これはまさしく広域化によって、今よりはもっともっとできるんじゃないかというふうに私は感じております。
それが一つと、それからもう一つ、昨今いろいろ話題になっております、なかなか病院の方が受け入れてくれないという不満も出たんですが、これは消防の話ではなくて、むしろ医療の方のことでありますので、県の組織では健康福祉部とも相談をしておられるように聞いております。やはり迅速な搬送も重要ですけれども、受け入れ態勢をきちっとしていただくというような要望が強く出されまして、救急救命の議論としてはそういうことが、割に声高に議論されたということでございます。
○中西部長 2点目の消防法上の許認可でございますが、これは現状、各消防本部の単位でやっておるものと、消防署所で許認可を与えているものとに大別されるかと思います。ご理解いただきたいのは、消防署所を減少させるとかそういったことではございませんので、いわゆる本部機能、申し上げますと、総務とか、あるいは通信指令、それといわゆる予防査察といった本部機能を統合するということでございますので、今各市町内に配置してございます消防署、あるいは分署といったものは、特別な場合を除き減少させないという基本的な考え方でいっております。
その特別な場合というのは、例えばA市とB市との間の境界線あたりに両方の市の消防署があるといったような場合には、そこを一元的にやって、どこかへ持っていけば、もっと効率的であるのであれば、それは配置ということも考えなきゃいかんですけども、現行では一応消防署所の数とか場所は変えないということでございますので、8ブロックになって、あるいは極端に圏域1本になったとしても、これは本部と消防署所との間での取り決め事項になろうかと思いますけども、許認可関係につきましては現状と変わらないというふうに認識はいたしております。
○中嶋委員 まず、執行部の方に、さっきのお話で、今どれぐらい業務量として消防法上の許認可が各消防本部にあるか、署所にあるのかというのは把握されていらっしゃるんでしょうか。その上で今と変わらない署所で受け付けをしたり、許認可を出したりするということで、スケールメリットの話をよく強調されるんですが、今のやり方で変わらないよということでも、要は広域化することのスケールメリットを求めている割には、結局消防法上の許認可が今までと変わらないということで、本当にスケールメリットになるのかどうかというあたりがよくわからないんで、そこをちょっと確認させていただきたいんですが。
それと、もう一点、森野参考人の方に、要は迅速な搬送ということを皆さん一番心配されてて、先程三谷委員からもご指摘いただいた初動態勢の話と非常に似てくる話だと思うんです。以前この委員会でも最初のときに、四日市の商店街で火事があったときに、実は受けた方が桑名の方で、具体的な場所がわからなくて、火災が延焼した、初期の出動が遅れたんじゃないかといううわさ話がありましたもんで、そんな事実があるのかという話で、そういうことはないでしょうというやりとりがあったんですが、その後、あくまでもうわさはやっぱりうわさで走っちゃうんで、どうしても初動態勢ということについての不安というのがぬぐい去れない。
迅速な搬送にも場所の特定ということ、このことについての議論がどうだったのかということと、それと、いただいた広域化推進計画の中にはいろいろと患者さんの受診動向だとか、それから今までの到着時間と病院へ行くまでの時間とかこういうのも考えていただいている中で、それも踏まえて、この8つなり4つなりというので、組み合わせがいいというふうに考えられたのかというのを、ちょっと確認をさせていただきたいと思うんですが。
○中西部長 まず、件数でございますが、私が申し上げましたのは、広域化されても、本部の方で取り扱うものと署所で取り扱うということで、よく言われているニアー・イズ・ベターという考え方からいきますと、A市にある消防署所は、広域化されましてもA市に置いてございますので、そこで許認可等が必要な場合には、その消防署へ行っていただければ完結できるという形でございますので、本部がどこかへ変わったことによって、一々本部まで行かなきゃならないということは発生しないという意味で、現状と変わらないというふうに申し上げましたところでございます。
なお、今、案件によりまして、本部と署所に分けておるというふうには承知いたしておりますけども、それぞれ、じゃあ、何が何件あって、何が何件あるということにつきましては、現在そういう調査をいたしておりませんので、手元にございませんので、申し訳ございません。
○森野参考人 初動態勢が広域化によって遅れるんじゃないかという懸念は、主に消防関係の方々から随分出されました。先程も議論になりましように、電話を受けた人がその地域をあんまりよくわかってない人だったら、当然遅れるんじゃないかというようなことがあるので、それは恐らくいろんな何か地図の上でGPSみたいなものを使って対処していくとか、そういうハイテクノロジーを使えば、カバーできるんじゃないかという意見もございました。
それから、一つの具体的な例としては、四日市と桑名とが指令業務を共同運用したことによって、これは到着時間ではございませんけども、最終的に病院まで搬送する時間が、平均的には30分ちょっとだと思いますが、そこを20数秒縮めたというデータもございますので、それもこれからの研究ではないかと思ってますけど、そう悲観的な気は私自身はしていないんですけども。
○中嶋委員 患者さんの受診動向だとかそういうのも踏まえて、8つブロックでもいいよね、この組み合わせでいいよね、という議論はされたかどうかというのを確認させてほしいんですが。
○森野参考人 それはいたしました。この資料編の中にも出ておりますけども、いろんな通学者とか通勤者がどっち向いているかというようなデータも入っておりますので、そのへんも踏まえて、8ブロックを形成したということです。
○中嶋委員 執行部さんの方にちょっと改めて確認なんですが、本部で取り扱っている許認可権というのは、例えば一元化、最終的な、将来的な理想像としての一元化した場合、それは本部に行かないと、許認可をもらえない世界になるんですよね。そこをちょっと確認させてほしいんですが。
○中西部長 仮定の話でございまして、あくまで内部事務処理的な話になろうかと思いますので、現段階で1本部になった場合に、全部その本部でなければ、決裁というんですか、許認可が出せないのか、あるいは1圏域全体にした場合でも、それぞれのいわゆるサブ本部と言うとちょっと言葉が悪いですけども、そういったいわゆる方面隊のようなものを設置してやる方がいいのかというようなことにつきましては、今後それぞれの対象となった市町におかれて、当然これは県の方も参画をいたしますが、そのへんで議論されて、一番いい結論が出せるのではないかなと、こう考えております。
○中嶋委員 法律的にというか、今回、総務省が進めている考え方として、全県1本というのはちょっと先の話なんで、当面、24年度までに8ブロックにするとすれば、今15あるのが8つで、半分になるわけですよね。例えば、今回、24年度までにもしなった場合は、さっきおっしゃられた旧の15の本部でやっていた許認可権というのは、そのまんまでもいいよというのが可能なのかどうかですわ、申し上げたいのは。法的にはきっと、ブロック化したとしますよね、各市町が納得をして。本部は数が減ると。本部決裁のものについては、本部許認可のものについてはやっぱり本部、8つしかもうできなくなる。そういう意味では利便性が低下するということは否めないと思うんですが、そのあたりは確認をさせてほしいんです。
○中西部長 これは現段階で確定的なことは申し上げられませんけども、恐らく重要な案件であれば、本部の方で扱わなければならないということになろうかと思いますので、現状で私が認識しておりますのは、そういった重要な案件については、やはり今15ある本部が8つになれば、その8本部で取り扱うことになるのではないかなと、こう考えております。しかしながら、重要な案件をどの案件にするかといったようなことにつきましては、それぞれの本部の組織内において選択されるべきものではないかなと、こう考えております。
○中嶋委員 それがそれぞれの組織で判断できるものなのか。法律で、これは本部でないとだめですよとか、支所でもいいとかというのはどうなんですか。私も不勉強で、よくわかってないんですが、それは各組織で勝手に決められる話なんですか、割り振りは。
○中西部長 それは法律で規定されておりますので、本部機能でなければ決裁できないものでは、本部になるということでございます。法律は、今後改正されない限り、現行法律というのが活用されるというふうには承知しております。
○中嶋委員 であるならば、最初の質問に戻るんですが、その本部決裁というか、本部許認可の業務量がどれぐらいあって、署所で処理できるのはどれぐらいあってというのが、調べてらっしゃらないというと、住民の方にとっては、特に業界の方になるかと思うんですが、非常に利便性という意味においてはスケールメリットじゃなくて、スケールデメリットになる可能性があるんですけれども、そのあたり、やっぱりご検討するべきではなかったんでしょうか。そういうデータを持ってらっしゃらないこと自体が、どうなのか。消防というのはいろんなサービスをされているわけですが、その点について、今からでも調べる気があるのかどうかなんですけれども。
○中西部長 恐らく委員おっしゃっておりますのは査察、予防の分野ではなかろうかなと思います。それと、消防法上のといいますと、建物、例えば建築した際の今まさに、この5月以降、火災報知器をつけなければならないことになっておりますけども、そういった部分での業務というか、住民に直接直結するところのサービスをご指摘されているのかと思いますけども、これらにつきましては、今の段階で推進計画を策定する段階におきまして、大変申し訳ないんですけども、今本部でどれだけのものを決裁し、許認可し、それぞれの消防署所でどれだけのものを決裁というか、許認可しているかということについては持ち合わせてございませんけども、後の事務処理のやり方いかんで、法的には本部じゃないとできないことは、これは曲げるわけにはまいりませんけども、運営計画を策定していく中で、もしそういった改善を要する事項があるのであれば、それは国の方にも申し入れる必要があろうかと思いますし、それぞれの一番利便性の高いところで今後運用していく計画を作るように、我々の方も努力をしてまいりたいと、こう思っております。
○中嶋委員 最後になるんですけど、参考人の方にちょっとご感想だけいただきたいんですが、先程も申し上げたような許認可のことにしても、非常に利害関係のある方は、きっと本当はこの広域化の話は興味持つべきだと思うんです。だけどこちらから話をしていかないと、そのことはわかってなくて、今申し上げたような本部で処理すべき案件がどれぐらいあるのかということも、執行部も把握してないですけれども、今、許認可申請出されている方もそういったことをわかってらっしゃらない。ましてや一般県民なんかは本当に、うちの家内も含めてですが、全然こういうことに興味がない。こういう中で、一定の結論を出されたということで、もう少し県民の議論の盛り上がりということについて、不足しているということは否めないと思うんですが、そのことについてどのようにお考えか、お感じなのかということだけ、最後にちょっとお聞かせいただきたいんですが。
○森野参考人 まさしくおっしゃるとおりで、パブリックコメントを求めても、ほとんど反響がなかったということもございますので、恐らく組織変更などでよくやられる手法は、いろんな地域で説明会というのをやりますよね。ああいうことをもう少し、これが決まれば、例えば何々市と何々市がこういうことでもって、広域にやりますよということになれば、それは割にきめ細かく説明会をやらないと、ホームページでもって見てくださいだけでは、なかなか周知徹底できないと思います。この先の話になりますけど。
○中嶋委員 はい、ありがとうございました。
○中西部長 先程の中嶋委員の許認可についてのご質問でございますけども、少し副部長の方から、件数も含めまして補足いたします。
○若林副部長 今おっしゃられた許認可は、本部の方の防火対象物と、それから危険物、これがほとんど大きなものを占めると思います。現在はほとんどのものが許認可、届出も含めて、消防本部の予防課の方でやってます。したがいまして各消防署所では、許認可の部分はほとんどありません。消防署所では予防の県立ち入りの届出の指導はやってますけど、許認可の方については本部の方で、予防課の方でやっていただいております。
防火対象物は大体5万8,000ぐらいございます。それから危険物の取扱、これはガソリンスタンドとかそういうところなんですけども、これが大体今1万2,000前後、こちらの方は増えておりませんが、防火対象物は年々増えているという状況ですが、極端に増えているところはございません。
そういうことで、確かにおっしゃられる、本部が少し遠くなるとかそういう面はあろうかと思います。ただその場合も、予防課の方の職員も2つの消防本部なり、3つの消防本部が1つとなれば、当然体制も強化されますので、そのへんについてはいい面も出てくるんではないかなと、このように考えております。
○三谷委員 中嶋委員のご指摘というのは非常に大事な話で、今おっしゃったように防火対象物、これは件数としてはそんなに増えてないかもわからないんですが、今、建築確認業務というのは大幅に遅れてまして、さらにそれが遠くまで行って、消防の許可をもらわなきゃいかんということになれば、一層それが遅れてくるというリスクが一つ生じてきます。
もう一つ、先程、余剰人員を現場に回して、それで住民サービスを向上させるんだとおっしゃってましたけども、例えば予防課の職員がそのまま残っておれば、そんなに余剰人員というのは生じてこないわけで、お話しされてることが、やっぱり現場の話と少し矛盾してくるんではないか、これが2つ。
それから、ここに職員のアンケートが出てるんですが、このアンケートというのがどの程度この中に反映をされたかというのを、ちょっとお伺いしたいんです。問9で、消防の広域化についてのどの意見に最も近いかというのを見ますと、賛成ではないが、時代の流れとして仕方がないというのが46.9%で、一番多いんです。その次が、反対で、今のままで十分というのが30.6%。つまり、賛成していない人たちがほぼ80%近くいる。賛成して、推進すべきだというのは13.3%しかいない。こういう職員の声がこの素案の中にきちっと反映されていたら、今もう一度この職員のアンケートをとれば、この80%近い人たちが、例えば30%から40%の反対論に減るというふうにご認識ですか。
○中西部長 このアンケートは、冒頭申し上げましたように、10月22日から11月にかけてとっておりますので、私どもがお示しいたしました7つのパターン、あるいはこの時期ですと、8ブロック、4ブロック、1ブロックの案もご覧をいただいた上で、アンケートをとらさせていただいておりますので、恐らく今アンケートをとってもこの率というのは、私はそんなに変化はないのかな、こう思っております。
しかしながら、この賛成ではないが時代の流れというところが一番多いことについては、何をもってこういうふうにご回答いただいたのかというのは、一つには、後の方で出てまいります、次の問10とか、例えば問11あたりで、広域に対して何が一番不安を感じるかというふうなところにつきましては、34ページでございますけども、人事異動だとか、あるいは異動に伴う地理の不案内だとか、あるいは処遇の問題だといったようなところが、一番職員の方々は不安を感じておられる点ではなかろうかなと思っておりますので、そういったことを含めて、賛成ではないけども、時代の流れなのでというふうに回答されたものというふうに私は認識をいたします。
○三谷委員 非常に自分勝手なご理解だと、こう思うんです。そうでしょう。賛成ではないというのが手前についているわけです。これは一種のあきらめなんです。今さら、賛成ではないけども、文句言ったって、もう恐らくやってくんだろうということの、一種のあきらめというか、そういう気分というのが物すごく前面に出てると思います。だから本当に賛成の方というのは、ほとんどいないじゃないですか。
この消防で第一線で働いていただくその職員の方々が、8割近くも反対してる。こういう計画をやはり国の命令だからということで、県としては推し進めていくということなのか。非常に疑問に思わざるを得ないし、何でしたらこの素案を示して、もう一度職員のアンケートをとって、やはり少なくとも職員の方々の賛成が5割を超えるぐらいの内容にしていかなければ、いくら立派な器を作ったって、これは動かないですよ。そう思いませんか、部長。
○中西部長 繰り返しになるようでございますが、県といたしましては、推進計画を作った後、それぞれ対象となった市町においてご協議をいただくと。当然のことながら、そこの市町の首長の方々のご判断、あるいは消防管理者の方のご判断というのを最大限尊重すべきだと思っております。したがいまして、この県が策定をいたします推進計画をもって、これが、最後と言うとおかしいですけども、これでなきゃならんというような思いは持っておらないというか、推進計画というのはこういう形で進められたら、一番今の要請に応えられるんじゃないでしょうかという大筋をお示ししたものと思っておりますので、委員ご指摘のような職員における不安とか、あるいはこの時点でのアンケートによるところのご意見ということにつきましては、それぞれ運営計画を策定する段階で再度実施するということも可能ではなかろうかなと思っておりますので、そのへんはご指摘を十分に踏まえて、対処していきたいと思っております。
○三谷委員 このアンケートは推進計画の中に反映させるためにやったんではなしに、今後、市町がやる運営計画の参考資料のためにこの職員アンケートをとったんですか。
○中西部長 いえ、これは推進計画の方にも、きちっと反映はさせておるつもりでございます。
○三谷委員 具体的に、どこがどういうふうに反映になってますか。
○中西部長 それぞれ何ページのどこということではございませんけども、今、職員の方々が不安を感じているところについては、これはやはり運営計画で改善していかなければならないと、推進計画の段階でこれを解消することはできないという議論もいたしました。あと、このアンケートの結果に基づきまして、一番最後に申し上げたように、今後協議を進めていくに当たって、こういった職員の声も参考にしていくべきではないかというふうなところで、全体として反映はさせていただいた、こう考えております。
○三谷委員 部長のおっしゃっていることは、矛盾してるんです。先程、もう一度アンケートをとったらどうですかと言ったら、アンケートとっても、恐らく職員のアンケート結果は変わらないだろうと、こうおっしゃった。しかし、もしこの職員の結果というのがこの素案の中に反映されていれば、当然職員の満足度なり賛成度は高まるはずじゃないですか。だからほとんど反映されてないということを、あなたはさっきおっしゃったんじゃないですか。違うんですか。
○中西部長 全く反映されてないというふうには、私は思っておりません。職員の方のすべてを反映するというのは、これはなかなか不可能だと思いますけども、やはりこの何項目かのアンケートを確認というか、見させてもらった中で、できる限り推進計画には反映させていただいたと思っています。
○三谷委員 職員の方の不安なり不満なり、そういうもののアンケート結果というものをこの案の中に反映をしとれば、当然職員の方々の賛成度なり満足度は上がってしかるべきじゃないですか。上がらないようならば、反映していないということなんです。そんなこと、当たり前の話じゃないですか。
○中西部長 ご指摘は、恐らく一番職員の方が不安を感じているというのは11番にありますようなことで、地理的な問題だとか職の問題でございますけども、推進計画ではそこまで立ち入って書き込むということは少し、性格が違いますので、これはできないかと思っております。
○三谷委員 処遇とかそういう問題以外のところは、じゃあ、反映しているんですか。
○中西部長 先程も申し上げましたけども、ここでこんなことを反映しましたというようなことにつきましては、なかなか詳細な部分になりますけども、全体としては、私はできる限り反映させていただいたと思ってます。
○三谷委員 できる限り反映したという自信があるなら、もう一遍アンケートとればいいじゃないですか。なぜとれないのですか。
○東畑室長 中身でございますが、45ページのところでございます。推進計画の45ページでございます。この中で、後段の部分でございます。今、部長が申しましたように、今後、基本的な事項等につきましては運営計画の中で明示していただくことになりますけれども、その旨をこの中で書かせていただいております。また書き以降でございます。読ませていただきますと。
○三谷委員 推進計画の話をしているんですか。
○東畑室長 はい、そうです。推進計画の45ページでございます。「現場の消防職員にも情報を開示し、意見が反映できるよう、十分配慮する必要があると。特に職員の身分、服務、給与関係の統一については、消防職員を対象に行ったアンケートにおいて、最も関心があり、多くの職員が不安を感じる事項であったため、十分な調整が必要であると考えます。」と記載しております。
また、アンケートにつきましては、31ページ以降に消防の広域化について関心のある項目ということがございます。帯グラフがございます。この中で、勤務体制、給与、階級、これが一番関心があるということになっております。その後、区域の設定あるいはサービスの向上と。サービスの向上ということについても、当然関心はあるということはもちろんでございます。そしてまた33ページにおきましても、消防の広域化の効果に期待する項目としまして、現場要員の増強あるいは初動態勢の強化ということもございますし、こういったものを広域計画の中でやっていくわけでございます。
そしてまた35ページのところで、広域化の組み合わせで重視すべき項目というのがございます。この中でも地理的・歴史的・文化的なつながり、あるいは経済的・社会的なつながりといったものを重視していきなさいということがございまして、私どもの方で作らせていただきました計画につきましては、まずは10万人の解消ということで、国の方は30万人と言っておりますけれども、県内の状況等を判断して、10万人からスタートということでございますので、そういったところで含まれておると考えております。
○三谷委員 そんなこと聞いとらへんよ。アンケートの内容を、具体的にどこへどういうふうに反映しましたか。反映したという自信があるなら、もう一遍アンケートを職員の皆さんにとったらどうですかということを、提案させていただきました。また、国は30万人と言うとるけど、とりあえず10万人の解消、つまり国の30万人ありきの議論しか、あなた方はしていないじゃないですか。そういう話だから、これが前へ進まないんです。そう思いませんか。
○中西部長 恐れ入りますが、このアンケートの35ページをごらんをいただけませんでしょうか。「圏域に1つの消防本部の設置がいいんではないか」という回答が約600程ございますし、30万人以上だとか小規模本部の解消だとかいうふうなことが、600人を超える方々からアンケートをいただきました。この色が、どれが第1順位だということでございますけども、ブルーが圏域で1つが一番、451人ということで、多うございます。
こういったことを含めまして、今、委員の方からご指摘がございました、国の方の30万人というふうなことは、私といたしましては、まず30万人ありきではなくて、本県の消防体制の強化には何が一番必要なのかということを考えたときに、やはり10万人以下の規模を解消するのが一番重要ではなかろうかということを考え合わせて、こういったアンケートも踏まえながら、まず三重県らしさというんですか、三重県、南北に長い地理でございますので、三重県としてどういう広域化が一番いいのかというようなことを考えた結果、今ご提示申し上げておるような8ブロックからスタートしたいということで、推進計画を策定させていただいたものでございます。
○三谷委員 さっき、参考人のお話で、10万だ、30万だというのは明確な根拠はないんだというお話なんです。その明確な根拠がないということを前提で、今また部長はお話になりました。全体の計画というのは、非常に根拠があいまいなんです。職員の方が満足していないならば、もう一度、本当に満足されているかどうか。全員が満足するということはもちろんあり得ません。80%、90%満足するというようなこともないでしょう。しかしこういう大きな変革を推進しようと思えば、現場で働いている方々の気持ちというのをまず第1に考えるというのが当然の話です。しかも懇話会の方では、市町村の首長さんからのお話も直接聞かれていません。あくまでも、県が出されてきたデータをもとにした上での議論をなさっているわけです。そういうことになれば当然、出口というのは見えてくるわけです、最初から。それをもとに懇話会からこういうふうなお話をいただいたんで、こうだという議論は、僕は少し逆立ちしているんではないかな、そんな思いがします。ぜひもう一度、部長、そこで自信があるなら、職員のアンケートをもう一遍とってください。
○中西部長 この推進計画策定に当たってのアンケートという意味合いではなかろうというふうに受け止めましたので、先程来申し上げておりますけども、運営計画をどういうような形でいくのかというところで、これはそれぞれの各自治体の方でご判断もされることであろうかと思いますけども、一度そのへんは検討してみたいと思います。
○三谷委員 先程のご説明で、このアンケートは推進計画の中にも反映をさせているんだとおっしゃっているわけですから、推進計画のためのアンケートではないという話ではなくて、あくまでも推進計画の中にこういう職員の意見を反映させるんだという前提で、僕は理解しています。それを反映させた結果、恐らく賛成度なり満足度というのは上がっていると、こういう自信があるならば、もう一度きちっとアンケートをとって、確認をする必要があると思います。これだけは申し上げておきます。終わります。
○森本委員 部長の今の最後の言葉が気に入らんから、一言言うけれども、こんなもの、職員のアンケート、とる必要はあらへん。あくまでもこれは県民がどういうふうに判断するかということであって、職員の自分の都合のいいようなアンケートしか書かへんのやから、このアンケートをとったこと自体がおかしいんだよ。関係あらへん、働いとる人間なんだから。社会保険庁でも何でも、そんな組合の言うことばっかり聞いとるから、こんな結果になるんで、こんな従業員の言うことなんか聞く必要はないよ。
県民が本当にこうやって、消防というのはこうあるべきだ。僕はこの10万人とか30万人、この色分けもちょっと問題はあると思うけれども、これはこういうとこはちょっと後にするれども、南の方がどんどん過疎化してきておる。これは今、8万人だ、4万人になるかもわからないでしょう。そういう中で、広域化っていうのはやむを得んだろう。消防団員もいなくなって、本当に消防団員の確保すら難しい中で、広域化っていうのをやっていかなきゃならん中で、職員にアンケートをとって、どうですかって、手前の都合のいいようなアンケートしか出てきやへんやろう。大体この今の賛成か反対かというあれも、賛成ではないが、流れとしては仕方ないというのは、これは賛成の方へとるべきで、反対の方へとること自体がおかしいんです。
だからそういう判断に迷わされることなく、自分の判断でやらなんだら、今、聞きよったら、初めの方はなかなかよろしいと思って聞いとったら、いつの間にか検討しますというようなことを言ったけど、そんな職員らの話は聞く必要はないです。そのことによって、非常にブレーキがかかる。流れとしたら、一つの出口があったと言ったって、一つの流れとして、国の流れとして、出口というのはあるんだから、その方向へ、どういうふうな方向の中でみんなの意見を集約していくかというのが問題なんであって、出口があるのは当たり前の話なんやから。職員らのアンケートをとることについては、私は反対します。
以上です。
○舟橋委員 アンケートはやめておきまして、このアンケートの結果で、年齢構成が50歳以上が29%ですよね。普通考えたときに、現場で新採が入って、現場で経験をし、場合によったら試験を受けて、任用されていって、大体消防指令とか何かポジションが上がって、いわゆる非現場、現場でないところへ行くケースがありませんか。広域にしたときに、確かに余剰人員が出るから、現場へ戻すといったって、ちょっと現実味が薄いんじゃないですかと、実態を考えたときに。絵にかいた餅になってしまわないのかなという心配を持っています。結局、この人らは戻りっこないやんかと思っているもんで、8ブロック体制にしたときに、本当にスムーズに、皆さんがおっしゃるメリットが現実のものになるんかという質問に対してお答えいただきたいのが1点。
それから、今でも広域消防はありますけれども、それ以外の都市部であれば、1市域が1消防署のケースが結構多いですよね。こうしたときには、首長から見れば、人事も含めて自分とこの、いわゆる土木がある、農林がある、総務がある一課みたいな感じで、消防を見てみえると思うんです。ところがやっぱり広域になれば、当然、署長さんと首長さんとの関係が、首長が署長に命令をするというよりも、広域になれば、命令じゃないんやな、要請か何かになるんでしょうね、きっと。そういったときに、立場の微妙なバランスというか、そこらへんのところで、より広域にすることによって、各首長と署長さんとの力関係なり、疎外感をどういうふうに克服していけるんかなというふうに思います。
それから、もう一つ、貧乏な市と貧乏な市がくっついても、裕福にはならへんのと一緒で、貧しい消防署と貧しい消防署が、果たして立派な消防署になるかというと、これも合併を見ていると、余りそう感じないところがあるんですけれども。ただ、一つ面白かったのは、桑名と四日市が合併して、何か三、四千万円浮いたという話が今、お話がありました。あれは具体的に後々どう使われるんでしょうか。普通の理屈でいえば、当然のことながら消防署の運営に使われるべきなんですよね。市役所へ戻っていったという話やったら、何もならへんやんかと感じましたので、もしもその使い道がわかってたら、お聞かせください。
それから、最後に、中西部長が当初は市町の自主的な判断です、運営計画を作っていくときには、とおっしゃったんですけども、最後には首長の考えを尊重しますという表現に変わられましたもんで、最後の質問のときは。あれっ、結局、推進計画は三重県が作ると。これから市町村さん、運営計画を作ってくださいと言うんやけども、もう県は作りっ放しで、後は完全に市町の自主性に任せるのか、いやいや、そうじゃありません、いろんな面で助言という形か何かは別にしても、県が今後の広域消防にどのようにかかわっていくのか、そこらへんをもう一回改めて復習させていただきたいと思います。
○中西部長 それでは、1点目の年齢構成でございますけども、これは広域化したから、直ちに、それはなかなか難しかろうと思います。しかし、一定の新陳代謝がある中で、指令の方で従事していたものが、どんどん現場へ行く、あるいは総務の方でというような形で、少しの期間は必要かと思いますけども、そういった形の新陳代謝が図られようかと思います。なお、現状におきましても、いわゆる通信指令業務と現場業務といったものを、兼務と言うとおかしいですけども、兼ねてやっておるところもございますので、そういったところについては、これはごく一部ではございますけども、可能ではないかなと考えております。
それから、2点目の首長と、いわゆる消防長との、指揮命令系統の話でございますけども、これは現在でも、事務委託でやっている消防本部もございますし、一部事務組合でやっておられる消防本部もございますので、このへんのやり方を参考にしながら、一部事務組合でも事務委託でも、管理者になられておる首長さんと消防本部の消防長、一番トップの方との命令系統あたりも、これは参考になるのではないかなと思っておりますので、そのへんを一つきっちりと見ていきたいと思っております。
それから、今、四日市と桑名の例を森野参考人の方からもおっしゃいましたが、これは広域化ではなくて、消防指令台の共同運用でございます。いわゆる指令台を四日市で整備し、桑名で整備し、両方でやってるよりも、一緒に整備をして、1つの指令台で指示を出した方がいいじゃないかということで、この何千万というのは、実は3億5,000万程で、ある意味考えますと、四日市、桑名の双方で整備するよりも、一緒に整備したことと比較すると、そのぐらいの経費削減、コストが図れたということでございますので、これは少し修正というか、訂正をさせていただきたいなと思っております。
それから、これから推進計画、あるいはそれぞれの対象市町で運営計画を策定していただくわけでございますけども、県といたしましては、これは作ったから、はい、どうぞということではなくて、やはりそれぞれ運営計画を作るに当たっては、可能な限りの支援、これはしてまいりたい、こう思っております。
○舟橋委員 年齢構成や何かを見たときに、広域化に伴うメリットを随分声高にうたってみえますけども、森野参考人がおっしゃいましたように、いくつかのハードルは間違いなくあるわけであります。それは職員が言おうが、有識者が言おうが、現実のものだというふうに思っています。それをきちっと、メリットだけを言うんではなく、デメリットというか、課題というか、ハードルというかは知りませんけども、それを克服するためにということも、やっぱり推進計画や運営計画に明記をする必要があるんじゃないかというふうに思います。
それから、もう一点は、県が作りっ放しではなく、それなりの助言というか、お手伝いというか、言われましたけども、その関与が結局、将来強制に結びついていかないことをお願いして、終わります。
○中嶋委員 ちょっと確認だけさせてください。今回、この広域化推進計画、資料の1ページにも書いていただいているように、総務省消防庁が作った基本指針というのがあって、これで19年度中に、都道府県でこの推進計画を策定してくださいというふうに求められたのがきっかけになっているわけですが、もしこれが19年度中に計画を作れなかったとしたら、ペナルティーがあるんですか。
○中西部長 特にペナルティーがあるとは伺っておりません。
○中嶋委員 そうすると、かつて市町村合併を進めていくときに、当時の地域振興部が、こんな合併のパターンをすると、これぐらい特例債が出てとか、そういう合併の推進計画みたいなのを、あれも多分総務省、当時の自治省の指示のもと作ったことがあったと思うんですが、あれは別に、市町村合併の推進計画なんですけど、強制力があるものではなくて、いわゆる市町村のそれぞれ合併の組み合わせ、こうするとこうなるというシミュレーションをお示しして、それをもとに市町村合併の機運を高めていったというふうな計画だったんですが、この広域化推進計画もそういった位置づけのようなものだと、そういう認識というのはいかがでしょうか、大間違いなんでしょうかね。
○中西部長 市町村合併と全く同じというわけにはまいらないかと思いますけども、総務省消防庁の方で、先程来からご指摘をいただいております30万人ということも、こういう根拠でということもなく、基本指針の方で30万人が一番、適当と言うとおかしいですけども、おおむね適切ではなかろうかということでございますので、拘束力と言われますと、やはり法律事項で、都道府県は推進計画を作ってということになっておりますので、そういった意味では、やはり県としては今年度中に推進計画といったものを策定する義務があるのではないかなと私は考えておりますが、だからといってそれが、各県、今状況を見ていますと、一生懸命で、推進計画の策定に励んでおられるようでございますけども、19年度中にこれですというものができなかったから、総務省の方で何かペナルティーを科すというようなものではなかろうかと思いますので、そういった意味では、市町村合併と同じとは言い切れませんけども、ほぼ近いようなものではないのかなという認識はいたしております。
○中森副委員長 ちょっと伊賀地域に限って申し上げたいんですけれども、伊賀南部が、実は名張市と伊賀市にちょっと逆行したんですね。広域化してたのが、広域をしないということになったので、今の推進計画と大きく反対のことをしていますので、そういう検証をすると、より広域化が必要かというのが検証できるというふうに思います。今、旧青山町で火事があっても、近くの消防署が行けないというんですか、遠いところから来ていただかなくちゃいけないという、指令がですよ、こういうことがあるので、早く広域化しないと、大変なことになるんではないかなと思いますので、24年度を待たずに、早く伊賀は1つにしないと、今、逆行してますので、非常に心配しております。
もう一点が、伊賀は病院が、2次医療がもう輪番制になってますので、名張消防が伊賀市へ救急で運ばざるを得ない、伊賀市の救急が名張市立へ運ばざるを得ないということになっていますので、早く広域化をしないと、これまた指令がいろんなことが統一できないと思いますので、伊賀は少なくとも早くしないといけないのではないかなという、検証をしていただいたらよくわかると思いますので、参考に。これは要望しておきます。
○稲垣委員長 そうしましたら、今日は森野参考人にわざわざお越しいただいて、いろんな本当に質疑をいただきまして、いろんな課題もまた浮き彫りにはなったのかなと思います。この推進計画ができて、実際はこれからの運営計画を各市町で作っていただく中で、その課題をしっかり解決をいただくということで、いろんな課題についてもそうなんですが、先程からほかの委員さんからも意見ありましたけども、これができて、後はもう市町で勝手にやってくださいという話ではないんだろうということでした。これは県としてしっかりとかかわっていただきながら、先程、森野委員の言葉で言うと、バリアとか、あるいは委員の皆さんからハードルとかいろんな言葉で表現をされておりますが、それを乗り越えるのに県も一緒になって、やっぱり力を入れていただきたいと思います。そのことだけを強くお願いをして、この項目についての調査を終了させていただきたいと思います。参考人の森野様におかれまして、本日、本当にどうもありがとうございました。ここでご退出されますので、皆さん、拍手でお送りください。どうもありがとうございました。
それでは、執行部の皆さんの座席変更だけしていただきますので、着席のまま、暫時休憩をお願いいたします。
(休 憩)
・三重県広域防災拠点施設整備について
(1)当局から資料に基づき補充説明(中西部長)
(2)質疑・応答
○稲垣委員長 それでは、ご質問がありましたら、よろしくお願いいたします。
○中嶋委員 まず、東紀州の防災拠点なんですが、年度末供用開始ということで、もうじきなんですけれども、紀北拠点と紀南拠点の間の連携とかそういうことというのは何か今回、特に配慮されたとか、お考えになられているとか、そういうのがあればお聞かせいただきたいんですが。
○堀江室長 紀北と紀南の連携につきましては、一つは拠点としましては、東紀州ということで一体で、2カ所設けておるという形をとらせていただきます。それから規模的には、紀北につきましては紀北エリア、紀南につきましては紀南のエリアの分をカバーするのとあわせて、紀北と紀南の統合的なエリアの機能も持たすという形の規模を考えております。そういう意味で、紀南の方が一回りちょっと大き目に、紀北の部分のエリアもカバーするという形で、大き目に考えております。
○中嶋委員 よくわかりました。そういう意味では非常に地理的な部分もご配慮されて、理にかなった形かなというふうに思いますので、本当に機能するように、ソフトの部分も充実していただきたいと思うんですが、そういった観点からいくと、今度整備していただく予定の伊勢志摩防災拠点なんですが、土地の交換があったということもあるんでしょうけれども、その前からもですが、これだけの広さがあるわけです。東紀州の防災拠点、紀南と紀北と合わせた面積よりも、随分と広い面積を今回整備していただくということで、一般論としてで結構なんですが、こういう防災拠点というのは、やっぱり広ければ広い程いいものかどうかという。余りにも広過ぎてもいかんのでしょうが、広いにこしたことはないという、その適正な規模というのがどんなものなのかというのが、ちょっと私はよくわからなくなってきたんです。その点について、ちょっとご説明があれば。
○堀江室長 規模の件でございますけども、委員おっしゃるとおりで、広目の方が基本的にはいいと思います、一般的に言いまして。ただ、基本的な規模は必要な対応を考えております地域の人口、それから孤立するエリアの数とか、そういうものをベースにしまして、規模を積み上げ式に想定をしております。最低でこのぐらい要るだろうという形で考えて、できるだけその機能のプラスアルファで、広目にとれたらとるようには、できたら考えていきたいというふうには思っております。
この拠点だけではなくて、市町村さんでそれぞれまた拠点を設ける余地がございますし、例えば伊勢志摩の場合でしたら、アリーナの周辺の土地で、余剰地がまだあるような場所でしたら、そういう部分も含めて、いざとなったときには使えるということも視野に入れていくと、そんな解釈をいたしております。
○中嶋委員 あと、これは最後の質問なんですけど、ちょっとお約束ですので、お聞きしますが、サンアリーナ前にもともと県有地があって、今回、土地交換で移動するわけですが、そのサンアリーナ前で整備する場合と高台で整備する場合とでは、整備に要する予算というのは大きく変わらないかどうかという点について確認させていただきたいんですが。
○堀江室長 基本的には、面積は少し下の部分よりも上の方が多くなっておりますので、そんな意味で舗装をしたりとか、それから排水等の周辺整備の問題もございますので、700万円追加で予算を計上させていただいております。
○中嶋委員 わかりました。ありがとうございます。
○森本委員 サンアリーナ前との交換があったわけだけれども、僕らの認識としたら、大きな地震なり津波が来たときには、サンアリーナがそういう本部的な機能を果たすんじゃないか、あるいは応援要員とかそういう人を収容するとか、また死亡者だとか、負傷者の収容ということも当然必要になってくるだろうと思うんだけれども、あなたたちは上へ持っていったという根拠は、どういう根拠で上へ持っていった、どういう利点があって、持ってったのですか。
○堀江室長 サンアリーナの利用という意味では、委員おっしゃるとおりで、サンアリーナの多目的な利用の中で、防災時も利用の可能性があると考えております。それから、下から上へ持っていったという意味では、上にメリットがあったというよりも、上でも下でも、基本的には機能がほとんど大差なかったということで、下の部分を別途の利用という形のお話が出たということで、上にかわれないかということにつきまして、私どもとしましては、防災拠点は上でも可能であるという回答をさせていただいたということでございます。
○森本委員 もう一つ聞きたいんだけれども、例えば恐らくこれは負傷者だとかそういう者が出たときに、日赤だとか市立病院だとか慶應病院だとかいろんなのがあるけれども、ここは比較的収容人員というのは限られておるだろうし、結局はここへ、このアリーナへいろんな応急の、それから今、健康福祉部は全国的に三重県出身の、いわゆるそういうふうな災害時に備えて、ボランティアの医師の登録も進めておるわ。そういう人たちはやっぱりこのサンアリーナに来てもらって、応急的な処置をしてもらって、全県的にまた移送するということになると思うんで、君の言う話だったら、どっちでも同じなんだと言ったら、この上へ負傷者をどんどん運んだときに、これは救急車で持って来なくてはいけないのとちがうか。アリーナの前だったら、ヘリコプターでおりて、担架で持っていけるけれども、そういうデメリットっていうのはないかい。
○堀江室長 アリーナの利用という意味では、私どもの拠点そのものは物資なり、広域的な意味での伊勢志摩全域の広い意味での広域の拠点という形で、物資等の集配をする拠点、患者の移送も当然伴うわけですけれども、そんな意味ではあと市町村さんを中心に、あるいは病院等の拠点も含めて、各拠点というのは地域それぞれのところで、現場のサイドの方でもっとできてくるという形になろうかと思います。市さんがサンアリーナにも病院機能を持たせたような拠点を設置されるということも、あり得るとは思うんですけども、そのときには、それぞれのところとの拠点間の輸送については適時行わせていただくと、そういう形で考えております。
○森本委員 そうすると、そういうような応急処置だとか救急患者だとかそういうものは、もう全然この防災拠点とは関係ないということか。このヘリポートへはそういう負傷者も搬入させないということ。
○中西部長 ご指摘のように、当然、重症患者は、どこかで被災されまして、救急車で運んでこられれば、きちっとヘリポートで、ヘリポートまでみえれば、ヘリコプターで必要な医療施設へ搬送するということは当然考えておりますし、恐らく大きな被害が出ましたら、DMATですね、高度な医療チームだとか、あるいは今、山田赤十字というか、日赤が持っておりますデルという、現地でエアーテントを組み立てまして、そこで応急的な処置ができるというようなものも、この拠点の中で展開することが可能かなと、こう思っておりますので、今、委員が当初、上と下とのメリット、デメリットと、こういうふうにご指摘をいただきましたが、今、堀江室長の方から答えましたように、上か下かということについて、特別、救急車で何百メーターかは走らなきゃならんというふうなことはあろうかと思いますけども、さほど大きなデメリットと言えるようなものではないのかなというふうに考えております。
○森本委員 またさっきの三谷委員とのやりとりみたいに、君らが、ああ言えばこう言う、あの上祐さんみたいな。救急車というものも、こういうところへ配備するよりも、いわゆる被災の現地へ、特に広域になったときには、どんどんそういう現地へ行って、現地のヘリポートまで運んでくるというようなあれが要るんで、極力防災的な観点から、僕はやっぱりあそこへ置くべきだろうと思うし、初めに言ったような答弁はもうしなくなったけど、高度が、ヘリコプターをおりるのに、標高が高かったら、それだけ時間が短くなる。そしてサンアリーナが障害になるから、ヘリコプターの。それで上へ行ったんやと。警察のヘリポート見てみよって、あそこへパラボラアンテナあるのに、ちゃんと降りておるんやからね。そういうちょっとピントの外れた答弁はなくなったけれども、防災的な観点から言ったら、やっぱり極力機動的なものをできるような観点から、僕はやるべきだろうと思うし、一つの県の方針だからということじゃなくて、防災危機管理部としてあれしなきゃならんじゃないのかなという気はしますけれどもね。
○中川委員 本論じゃなくて、各論なんですが、これは防災の面、もう一つ有事の場合、前から私は申し上げておる、浅間インターは今、常時閉めておるんですが、これを開放という形になるのか、そのあたりは所管外かもわかりませんけれども、そんなふうに思っておるんですが、どうでしょうか。
○中西部長 有事になれば、閉鎖だとか開放だとかいう議論以前に、1分1秒たりとも速くそういった緊急事態に対処するということが必要でございますので、それはそういった観点から申し上げれば、おのずと結論は出てくるのではないかな、こう思っています。
○中川委員 そういう方向でいいと思うんですが、災害あるいは有事でも、濃淡があると思うんです。これあたりのマニュアルというんですか、そのことは日頃から作っていかなきゃならんと思うんですが、それはあるのかないのか、やるのかどうか、そのあたりはどうでしょうか。
○中西部長 現在、この規模の災害であれば、どうするかというマニュアルはございません。これはご指摘もいただきましたので、所管しておるところと、これから相談してまいりたいと思います。
○三谷委員 ちょっと教えていただきたいんですが、防災無線を整備していくということなんですけども、東紀州、紀北とか紀南の方は防災行政無線装置ということになっているんですが、伊勢志摩の方は単に防災無線となっているんですけども、これは具体的に違うんですか。
○堀江室長 一緒でございます。すみません、申し訳ございません。
○三谷委員 要は、書き間違えたか、どちらの名称が正しいんですか、これ。
○堀江室長 防災行政無線です。
○三谷委員 深く考え過ぎましたんで。終わります。
○稲垣委員長 それでは、お昼ですので、ここで暫時休憩をさせていただきます。
再開1時で、よろしくお願いいたします。
(休 憩)
・平成19年度リスク把握取組の結果について
(1)当局から資料に基づき補充説明(中西管理監)
(2)質疑・応答
○稲垣委員長 それでは、ご質問等がありましたら、お願いいたします。
○中嶋委員 13ページのマトリックスなんですが、顕在化の確率、高い、中程、低い、それから被害の大きさ・影響度、小さい、中程、大きいと、この考え方、ここをもう一回ちょっと説明していただきたいんですが、何をもって大きい、何をもって小さいとか低いとか、この判断基準、この当たりをちょっとご説明いただけませんでしょうか。
○中西管理監 この表はちょっとわかりにくいかもわかりませんが、まず、横の欄になりますが、顕在化したときの被害の大きさ・影響度ということ、一言で実は書いてございますが、この被害の大きさ・影響度というのは、例えば生命とか健康にかかわるような人的な被害の問題があります。そして環境の問題があります。そして県政の信頼度の問題があります。それから物的な問題とか経済的な被害とか心理的、あるいは社会的な混乱、こういったようなもろもろの被害の種類がございます。例えば生命、健康など人的被害というようなことでいきますと、例えば大というところ、Aの欄になりますが、こういったところでは被害としては死亡者があって、負傷が大多数、非常にたくさんの負傷者があるといったようなところとか、あるいは環境被害でいえば、基準を大幅に超過をしているような場合とか、そういったような実は表を作っておりまして、この基準に基づいて判断をさせていただいておるところでございます。
ですので、いろんな種類の被害がございますから、それらをすべて一つ一つチェックをしながら、全体として、これが被害が大きいか、あるいは小さいか、つまりAかBかCかというランクづけの議論をしながら当てはめさせていただいておると、分類をさせていただいておるということでございます。
そして、顕在化の確率につきましても、高、中、低と、こうございますけれども、これも例えば5年に1回が多いのか少ないのかとか、あるいは一月に1回が多いのか少ないのか、これも非常に主観的な要素があるんですが、一般的に起きやすい、起きる確率が非常に高いというのを高くして、低については、ほとんど起きる確率は少ないというようなものを挙げさせていただいておりまして、このへんについては少しファジーな部分がございますが、全体的な様子を見ながら判断をさせていただいておる、こういうことでございます。
○中嶋委員 結局、主観的な部分は否めないわけですけれども、一定の分類上の考え方というんですか、それは一応ある上で分類されたということは理解させていただきました。
その中で、結局まだ顕在化していない、要はリスクが発生しないように事前に把握しておいて、何かあったときの対応を、まず防ぐ対応、それから起こったときに被害を最小限にするための対応を今のうちから把握して、新たに把握したり、なくなったりしたものをやると、2件増えたというお話だったんですが、それはそれで一生懸命把握していただいて、未然防止していただくということはぜひやってもらわないかんわけですが、私どもがやっぱり知りたいのは、18年度に把握をした、実際18年度にそのうち何が本当に起こったのか、どういう影響が起こったのか、そこの検証ですね。
19年度にしても、まだ途中ですけれども、例えば職員の不祥事ということでいけば、この間も、残念ですけど、飲酒運転で職員が懲戒免職になったわけですよね。発生しておるわけですよね。そういった、18年度だったら18年度で、予想していたリスクがどれだけ発生して、どれぐらい影響が起こったのかという、そこの検証ですよね。それをぜひ私は知りたいと思って、今日期待しておったんですが、そのへんについてはどうやっていらっしゃるんでしょうか。
○中西管理監 今回こういうリスクを事前に把握させていただいておりますけれども、この把握の仕方が個々の小さい問題といいますか、焦点を絞った形まで把握を実はしておりません。もう少し普遍的あるいは総合的に判断したリスクでございますので、今回、例えばそういう飲酒運転という事故については、飲酒運転についてはこの中に挙がっておるけれども、もう少し大きな問題、総体的なとらえ方をしておりますので、そのものがすべてこの中に挙がっておるかというと、そういうわけではありません。
したがって、今回、想定できるリスクというものを、ある程度総合的・普遍的にこのリスク把握の中では取り上げておりますので、具体的な、例えば赤福のああいう問題ということについてまでは、具体的にはしてないんです。ただ、関連するリスクを挙げておるというのは、詳しくチェックまではしておりませんけれども、約半数以下、3分の1ぐらいはぴったり合っているようなものではなかろうかというふうには考えております。
○中嶋委員 結局、事前に主観的に分類をして、把握をした、実際それが現実社会として、結果としてどうだったのかというようなことを照らし合わせていかないと、果たして主観的に影響が大きいとか小さいとか、起こる確率が高いとか低いとか言っているものの見直しも進まなくて、何かやってるだけじゃないのというふうにとられてしまうんです。実際の結果とどうなのというところがないと、何のためのリスク把握なのかというのが意味がない、極端に、悪い言い方ですけど、意味ないとまでは言うと、ちょっと言い過ぎですけども、何のためにやっているのかわかんない。我々県民、議会としては、そういうリスクが実際発生しなかったね、発生しても、被害を最小限に抑えたねという、成果を見せてほしいんです。こんだけ把握しました、じゃなくて。それがやっぱり今おっしゃられる話ですと、総合的・普遍的と言われてしまうと、何のためにやってるのという話になってしまうんです。そのへん、どうですか。
○中西管理監 もともと危機管理というものは、非常にとらえにくい部分がございます。しかもその効果はどうなんだと言われたときに、証明ができるものが実は非常に難しいわけです。ある意味で危機管理をしっかりやっておれば、そういった事故とか事件とかいった危機が発生をしなくなるわけです。しかし、発生をしなくなったとしても、取組の成果であるかどうかの検証が、実は非常に難しいわけです。
結局は、リスク把握取組の成果そのものが非常にわかりづらいという性格があるわけですけれども、今ご質問いただきましたような中のところで、リスク把握で挙げてあるものが発生を仮にしたとすれば、これはせっかく挙げていたのに、何で発生したんだというふうなご指摘をいただくかもわからないんですが、それ以前に、そういったことを把握をしたことによって、本当なら3件起こったところが、1件で済んだというようなことも言えるわけでございますので、リスク把握の効果そのものをきちっと検証して、お示しをさせていただくことができないのが非常につらいところはあるんですが、少なくとも私どもとしては、職員の意識等がかなり上がってきているんではないかということで、効果としてはあるんではなかろうかというふうには理解をしておるところです。
○中嶋委員 例えば、今、全部でリスクが、この表でいくと、407あるわけですよね、把握しているリスクが、19年度で。407あるうちの、実際発生したのは何件でしたとか、これに関する把握しとったリスクで、実際顕在化したのはこれだけ、何件でしたとか、そういうのも出せないんですか。
○中西管理監 実は少しチャレンジをしました。ただ、やはり程度によって、この挙げてございますリスクと、実際に起こったリスクをどの部分に当てはめるかという部分があります。例えば場所の問題でありますとか、そういう大きさとはちょっと、種類の問題でありますとかいったものが微妙に異なりまして、ぴったりするようなものもあれば、あるいは少しこのリスク把握の中の部分と関連しているよなという部分も、いろいろ程度がありますので、チャレンジはさせていただいたことはあるんですが、実はきちっとした形でお示しをさせていただける段階までには至っておらないという状況でございます。
○中嶋委員 結局、私は職員の方の意見を聞いたことないんですが、それであると、本当に作業をしているだけになってしまっているんじゃないか。というのは実態に合ったリスク把握ではなくて、机上論でしかないんじゃないんですかということにならないでしょうか。実際、やっていただいてる職員の皆さんも、意識は上がったかもしれないですけども、これやったことで、実際、リスクが起こらなくてよかったねという実感というのはあるのかな。少なくとも議会で聞かせていただいている私は、これによってリスクが減ったねという実感というのがあまりないですし、また別な話ですけど、例えば飲酒運転というのはなくならないじゃないですか。ということは、ここにリスクに対する部局の対策案というのがありますけど、対策自体を本当はもっと見直さなきゃいけないんじゃないかとか、そういういわゆるプラン・ドゥー・シーのサイクルが、このリスク把握の仕組みの中にあるのというふうに思っちゃうんですよね。
○嶋田室長 各部に危機管理責任者がいます。まずこういう把握をした後、年2回、部長とその危機管理責任者が対話して、状況を把握します。去年こういうふうな把握をしてますけども、その後どうですかという対話をします。年度末においても、例えば19年度、これを洗い出しましたけども、その後どうですかという状況の把握は常にやっております。
もう一点ですけども、確かに405件、去年で、ありましたけど、逐一個別にそれが起こったか起こらないかという把握は現在、残念ながらしていません。しかしながらこの見直す、先程マネジメントサイクルのお話がありましたけども、例えば先程の飲酒運転、去年も総務部において職員の不祥事という形で、飲酒運転は取り上げてます。それ以後、月曜日もありましたけども、そういった不祥事が起こっているということもあって、19年度においても、総務部の欄を見ていただくと、新たに実施する対策ということで、去年の対策より、そういう反省点を踏まえて、さらに充実したものにしていこうというような取組はしているということです。ですから、そういう意味で、マネジメントサイクルは生かされているのかなというふうに思っています。
○中嶋委員 これでやめますけども、要はこれだけ出してしまうと、私も最初一読したときに、こんだけのリスクが発生したのかというふうに思っちゃうんです。じゃなくて、これは想定されるリスクとしてリストアップしたものだということで、それがよくわかりやすいのは、実際それで発生したのはこんだけでした、それによって改善をしたのはこんだけでしたというのが、あとの2つがあれば、ぱっと読んだときに、そういう誤解をしなくて済んだなという思いがあったんです。そういうとこからちょっと今日は質問させてもらっているんですが、どうも何か成果、やっただけの、労力をかけただけの成果がもう少し見えるような取組に、ぜひ改善をしていただきたいと思います。このままですと、本当に県民の皆さん、407件も発生したんかというふうに逆に取られてしまうかと思いますんで、出し方についても、ちょっと慎重を期していただきたいなと思います。
○嶋田室長 この取組、他県でも例がなくて、我々もよちよち歩きの状況です。そういったことから、常にこの仕組みそのものを私たちは改善していこうと思っていますので、先程委員の言われた視点については、ぜひ一度考えてみたいというふうに思います。
○三谷委員 今の中嶋委員の質問に関連するんですが、例えば飲酒運転、前に発生したときに、どうしてと聞いたら、いや、アルコール依存症だったんですよという返事だったんですよね。今回また発生して、こんな時期にどうしてなんだと、この人もアルコール依存症なんですよという話なんです。そうすると、県の職員の方の中でアルコール依存症の方が何人おられるかわかりませんけれども、やはりそういうものをある程度把握して、単にアルコール依存症だから監視するということじゃなくて、医療機関とかそういうとことメンタルなことも含めて、しっかり指導していき、今回の場合は特にご家族の方が非常に厳しくて、結局、家で飲めないもんだから、外で隠れて飲んで、それでやられたという話でしょう。そうすると、やっぱりご家族の方のある程度協力を得ておれば、そういうのも未然に防げたかもわからない。
そういうふうなトータルな施策、全体としてはこれくらいのリスクがあるけれども、トータルとしてこういうふうな施策をしてて、結局ここまで押さえ込んでますよというようなものが見えると、これは非常にわかりやすいんですが、それはもちろん個人情報の話もあるし、だから難しいところもあると思いますけども、そういうものがわかるような仕組みにしていただくと、非常にありがたいなと思うんです。
○中西部長 今、三谷委員のご指摘でございますけども、まさしくおっしゃるとおりでございまして、依存症ですね。本来なら、例えば事務的なミスが起こったというような、これはやろうと思ってやるわけじゃないんですけども、飲酒運転というのは、飲んだら乗るなと再三言っているにもかかわらず、そこで理性がきかないと。その理性のきかない原因はどこにあるのかと。横着でやる人も中にはおるかもしれませんけども、大多数がそういった病的というんですか、精神的というんですか、そういったところに起因する事例が多いんではないかというようなことも、今年5件程発生しておりますけども、その中で実態把握ができたということでございますので、そこのところへスポットを当てて、病的なところから改善する余地はないのかといったようなことも、今検討している段階でございます。
○中川委員 大変いい制度だと思うんですが、そういった中で、海上保安庁のイージス艦の事件がありましたですね。この中で農水の関係で、漁業船取り締まり、こういう形でいろんなあるんですが、例えばこれはあくまでも県の所有船のことだと思うんですが、今こんな時期でございますんで、例えば、難しいかもわからんけれど、もっと拡大するとか、そんなことはどう、今日的な問題としては。
○中西部長 あくまで、これは県が実施する事業に内在するリスクということでございますので、恐らく海上自衛隊あるいは海上保安本部についても、こういう形ではなくても、そういった危険防止のためのマニュアルなり何なりというのは、ご準備いただいておると承知をいたしておりますが、県の中に防災危機管理連絡会議といったようなものもございまして、その中には当然自衛隊も海上保安本部も入っておりますので、県がこういうふうな取組をしていますというようなことは承知をしていただいておりますので、もし機会がございましたら、それぞれの組織で、このとおりじゃなくてもいいと思いますので、こういった取組が少しでも促進できるような働きかけはしてまいりたいと、こう思っております。
○中川委員 結構です。
○稲垣委員長 ほかにご質問はございますか。
(「なし」の声あり)
○稲垣委員長 よろしいですか。
・平成19年度三重県国民保護図上訓練について
(1)当局から資料に基づき補充説明(若林副部長)
(2)質疑・応答
な し
○稲垣委員長 それでは、最後に、これまで議論された調査項目以外で、特に何かございましたら、ご発言をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○舟橋委員 予算のとこでもいいんですけども、災害時の備蓄の関係なんです。災害拠点の中でも簡易トイレというのがありますが、災害が起きて1番大事な、1日、2日食わんでも、水とトイレだけはちゃんとしてあげなければならない環境だと思うんです。消防学校の施設を見せてもらいに行ったときのトイレは、やっぱり簡易組み立て型でしたよね。ただ、ごうばるし、建てるのにも少し、災害直後、時間もかかるしというデメリットもあるんですが、この頃ちまたには、全部の建物がすべて倒壊してしまうわけではないので、例えば今ある個人さんのトイレ、それから公共施設の水洗の便所にかぶせるような形で、簡易なものを売っていますよね。ああいうものを備蓄をするつもりはないのかどうかが一つ。
それから、もう一つは、災害が起きて、中心的に頑張ってもらわんなんのは、県なり市町村の災害対策本部へ配置される職員さんですよね。そうした際に、防災の担当ではないかもしれません、総合庁舎の管理・運営は。しかし総合庁舎にそういったものを備品的に備えておくのが必要じゃないかと思いますが、そこらへんのところのご所見はいかがでしょうか。
○中西部長 今現在備蓄しております簡易トイレは、ご承知のように紙型のというか、ナイロン型のを備蓄しておりますが、ご指摘ありますように、最近よりよい製品というんですか、こういったものも出てきておりますので、いずれにしましても、食べるものは少々食べなくてもいいんでしょうけども、そのへんは一番重要なことではなかろうかと。新潟の中越沖地震でも、特にトイレのことは大きな問題として取り上げられておりますので、私どもの方で備蓄資機材は備蓄しておりますので、そういったいいものがあれば、またそちらにも切りかえていくというふうなことは考えていきたいと思います。
それと、職員用でございますけども、これは当然災害対応する職員用でございますけども、これにつきましても少しでも、快適にとまでは言わないまでも、きちっとできるような形で切りかえをしてまいりたいと考えております。
○舟橋委員 耐震構造が完備されてくれれば、建物が倒壊することはまずないです。しかしながら、この総合庁舎でも、ここでもそうですけども、水がとまる危険性は十二分にあります。そうしたときに、ほとんどが水洗トイレの状況ですから、あのトイレを有効に使えるような、簡易型のそういうようなトイレも含めて整備をしておくべきだと思いますので、きっちり充実を要望しておきます。
○堀江室長 組み立て式のトイレは3,132セット、今、備蓄をしてございます。それから委員ご指摘のいわゆるかぶせ型で、薬剤だけおいて処置するタイプのものも同じ3,132、用意が今できております。順次そういう形で、組み立て式でないものも確保していこうと思っております。
以上でございます。
○稲垣委員長 ほかに何かございますか。
(「なし」の声あり)
○稲垣委員長 よろしいですか。
(3)委員間討議
な し
2.分科会
(1)予算議案・予算関連議案の審査(2件)
・議案第 1号 「平成20年度三重県一般会計予算」の関係分
(1)当局から資料に基づき補充説明(中西部長)
(2)質疑・応答
○稲垣委員長 それでは、ご質疑があれば、お願いしたいと思いますが。
○舟橋委員 震度計の話です。予算の総括質疑のときに、前田県議の方からも話が出ていました。69カ所を50カ所に少なくして、高度な震度計を配備するというお話がありました。やっぱり数を減らすというのは、どうしても精度という面でダウンするんじゃないかという話が前田県議からあって、ああだ、こうだというのをいろいろ部長がご説明をしてみえたわけですけども、前田さんからも、新聞の切り抜きのコピーですけど、岐阜や愛知の方はあまりそういう対応をしてないという、それで三重県がやっておることに対して評価を受け取るような記事では正直なかった。事実、昨年の4月15日に起こった地震においても、こんだけ広くなった津市の震度は、3のところもありました。5のところもありました。そういった市町村単位を基本として震度計を整備するにしても、広域の場合はやっぱり随分ぶれと差が出てくるわけです。
ですから、いろんな減らすための理由をあのときにおっしゃられましたけども、私自身としても、減らすことに対してはちょっと危惧をというか、反対をしたいと思います。ただ、予算のこともありますから、これは増額補正をするわけにもいきませんので、一つは今まである設置されたものと、今度新たに整備しようとしているものとの併用をすることができやんのかが一つ。
もう一つは、今回の次世代震度計というんですか、スイング、あれは三重県と名古屋大学の共同開発というふうに聞きました。そうしたときに、ちょっと次元の違う話やけども、特許権とか登録商標とかはどうなっているの、という点が2点目です。
もう一つ、それをいざ買うとなったときに、当然現段階では作った会社は1社しかないと思いますし、随契なのか一般競争入札なのか。もしもそこで、例えば一般競争入札なんかですき間ができたら、1億466万の予算があるわけですから、50台を買うつもりやったけども、例えば9割で落ちた。なら、すき間の10割を、入札差金を51台目、52台目に適用して、少しでも50台に減らした不安を解消することができないのかというような、もろもろの問題についてお答えいただけたらと思うんですが。
○中西部長 先般の総括質疑の中でも前田議員に私はお答えを申し上げましたが、まず、現状の69台というのは、各基礎的行政体、いわゆる市町でございますけども、それぞれ1台ということで、平成8年当時に設置をいたしております。
今回、69台を50に減らすということでなくて、市町、いわゆる行政組織に1カ所ずつという原則でいきますと、29カ所になるわけでございますが、それではやはり県内の詳細な震度が測れないということもございまして、先般も申し上げましたが、まずその行政体における29台にプラスすることの、県内には大きな活断層が代表的なもので6カ所ございます。この活断層、主に北西部にありますが、この活断層の震度を測るために、10カ所の設置を現在考えております。
さらには、県の沿岸域は海溝型の地震も随分と心配されておりますので、これの計測のために7カ所程を予定をいたしております。さらに、過去、震度4以上の地震が10回程度ございましたが、この震度が、例えば今、委員ご指摘のように、同じ行政体の中でも、Aという地点では例えば震度4であったと。しかし、同じ行政体の中でも3ぐらいの震度のところもあろうかと思いますので、そういった過去10回の地震が発生して、その震度の差があるところにつきましては重点的に配置するということで、4カ所を配置を考えてございまして、合計50台を配置する予定でございます。
なお、現在ある69台、その50台との差の19台について、併用ということでございますが、この50台につきましては、ネットワークで接続いたしまして、全部データを瞬時に県に送り、県から気象庁の方へ送るというシステムになっておりますので、併用という形はなかなかとれませんが、現在設置しておりますのは、ほとんどが旧の市町村役場に設置してございますので、もし市町の方でそれを有効に活用したいというようなお申し出が、あるいはお話があれば、それはそれで積極的に対応してまいりたいと思っております。
それと、今回、このスイングでございますが、名古屋大学との共同開発ということでございますが、広く設計書というんですか、仕様書というんですか、こういったものを公開をすることによって、より高機能な安価な震度計の普及を図っていくという意味合いから、特許権だとかそういったものは取得をいたしておりません。したがいまして、現在、開発した業者は名古屋大学と1社でございますけども、仕様書等を公開してございますので、自社の技術でその設計書を見ながら、高機能なものができるということも期待をいたしておりますので、これはもう少し先になろうかと思いますけども、契約の段階では複数社を期待しておるということでございます。
以上でございます。
○舟橋委員 入札差金、入札は。
○中西部長 失礼しました。仮に入札差金と言いましても、今私が申し上げました10カ所、7カ所、4カ所というふうなところで、さらに詳細な震度を観測する必要があるというように考えられれば、これはまた別の議論でございますけども、先般も申し上げましたが、選択と集中をする中で、50カ所とを私どもの方としては要求をし、認めていただいておりますので、その後、特に大きな変化があれば、これはこれで別な話でございますけども、選択と集中の中で決めたものについては、財政的な面も考えまして、堅持していきたいなというふうに考えています。
○舟橋委員 旧の機械、市町で有効に活用したいという要望があったときは積極的に対応するとお答えをされましたけども、具体的にはどういう意味なのかわからんのが一つ。それから、具体的に1億の金で入札するのは、一般競争入札になるのですか。
○中西部長 まず、後の方から。複数社ございましたら、一般競争入札になろうかと思います。それから有効活用について積極的にといいますのは、単体で、例えばうちの役場のところは震度4とか震度5あったというような、当然記録は残りますので。ただ、今の機械が、ここ数年は大丈夫かと思いますけども、将来にわたってメンテナンスあるいは修理といったようなところで、少し今もう古い形でございますので、なかなか部品の供給が、ないということを聞いておりますので、いつまでの間メンテナンスができるかという問題もありますけども、そういった形での活用につきましては、考えてまいりたいと思っております。
○舟橋委員 ただでやるという意味ですね、要は。
○中西部長 まだ、有償になるか無償になるかまでは考えておりません。
○舟橋委員 わかりました。ありがとうございました。
○中嶋委員 広域防災拠点のことで、ちょっと教えていただきたいんですが、この11億7,385万、大まかにどういうのにどんだけというのを、簡単で結構なんですけど、教えてほしいんですか。
○堀江室長 まず、用地に9億300万でございます。それから調査関係に2,787万5,000円、それから工事に4億6,900万、以上のような内訳でございます。
○中嶋委員 ありがとうございました。
別な質問なんですけど、命を守る減災対策推進事業補助金なんですが、1億2,200万、今年度、要求していただいておるんですけども、この後の3月最終補正の予算の話もちょっとかかわってきて申し訳ないんですが、今年も減額補正をされてまして、最終補正ですね。執行見込みが思ったより少なかったということなんですけれども、その割には結構、結局、市町、予算が要求ベースでもちょっと減っているわけです。結構これはニーズも高くて、一番県民から見えやすい補助事業だとは思うんです。だけども、実際執行算が残ったりとか、予算が減ってったりとかで、もっと活用していただける補助制度に見直すとか、要は今、どこに執行残が残ったりするような原因があるのかということが1点。それと、それを踏まえて、より使いやすい補助制度にするための検討というのはないのかということについてお尋ねしたいんですが。
○中西部長 この4項目の補助金につきましては、一応当初予定いたしました件数的には、今回、最終補正で減額をお願いいたしておりますが、件数的にはほぼクリアできております。ただ、金額につきましては、やはり市町の方での設計額なり、あるいは落札額なり、そういったものが減額してまいりましたので、減額せざるを得ない状況でございますけども、その詳細につきましては、地震対策室長の方からお答えを申し上げたいと思います。
○高須室長 当初の市町の要望調査をした段階では、19年度におきましては1億1,000万円程度の要望はいただいておりまして、その後、計画の取りやめになる部分とか、それから入札差金というような要因もございまして、今回、最終補正で減額補正を出させていただいております。最初は枠としては、市町におきましてもかなり要望をいただいておるというような状況でございます。
○中嶋委員 今は当初予算の議論なんで、補正の話はおいておいて、それを踏まえて、来年度どうしていくかというのをお聞きしているんですが、いかがですか。
○高須室長 今のところ、制度をどうするかというのは、見直しは考えておりません。今回の20年度予算におきましても、市町から要望調査をした上での予算要求ということにさせていただいておるわけでございます。
○中嶋委員 そうすると、前年度よりも要求額が減ったということは、市や町からの要望額自体も減っているという認識でいいんでしょうかというのと、それから19年度のことなんですが、市町からこの事業に対して手を挙げるタイミングというのは何回、募集は何回とられたのですか、実際のですね、それを教えていただきたいんですが。
○高須室長 まず、年度当初には制度を説明して、要望調査をしておりますのと、それから中間段階で、9月頃ですけども、市町の補正予算とかもございますから、まだその時点でも若干余裕がございましたから、要望調査をしております。それから本年に入って、1月頃も最終的な見込みを確認するための要望調査を実施しておるところでございまして、年3回はさせていただいておる状況でございます。
○中西部長 中嶋委員ご指摘の使い勝手のいいというか、そういう形でございますけども、まず項目別に申し上げますと、津波対策に要する助成につきましては、現在、津波対策で指定されているのは19市町ございますが、そのうち10市町でご活用いただいております。孤立対策につきましては、21市町が孤立対策の地域でございますが、そのうちの10市町、5市5町で活用いただいておりますし、避難所の耐震化につきましては、これは自治会だとか区が所有するいわゆる公共施設じゃない、公共的施設ということでございますので、少し市町の方の力の入れ具合も違いますので、2市において取り組まれておるものに支援をいたしております。一番、人気の高いと言うとおかしいんですけども、災害時の要援護者対策につきましては、29市町のうち18の市町でご活用いただいておるということでございます。
いずれにいたしましても、各市町におきまして、それぞれ財政的な事情もあろうかと思いますので、私どもの方で今、室長の方からお答え申し上げましたように、数回にわたりまして要望をお聞きしましても、その段階段階で要望していたものを取り下げることも見受けられまして、少し市町の財政力に左右されている状況があるのかなと、こんな思いもいたしております。
○中嶋委員 これ、私は志摩市だからと、志摩市役所のことを言っていると思わないでくださいよ、複数の市町から聞いた話なんで。この事業よりも前の事業の方がよかったという声を聞いているんです。かつ4つの対策には使えるけれども、今、3回、応募のチャンスがあるとおっしゃいましたけど、結局は4月と9月がメーンというか、その後、入札差金とかで、県も予算あるんだろうけれども、市町が要望してても、これを今やっても、繰り越しになるからだめとか、そういうふうにシャットアウトしてるという事例を私は聞いたんです。
そういう意味では、どうなんですか、私が聞いた、言われた方が誤った認識なのかもしれませんけれども、実際やりたいんだけども、年度内に、年度内というか、手を挙げたいんだけども、そういった繰り越しがだめだとか、実際求めてる額と県の予算の方が足らないからだめとか、要は県が減額補正じゃなくて、増額補正をしてくれたら、そういう事業はやれるとかそういうことが難しい、県の予算が難しいからだめだとか、そういった理由で、手を挙げたけど、採択してもらえなかったということを聞いたことがあるんですけれども、そのあたりはどうですか。事実誤認ですかね、私の。
○中西部長 繰り越しのことにつきましては後程、室長の方からお答えさせますが、県の予算というのは、今、私が4項目申し上げましたが、4項目にそれぞれ一応当初予算では何千万、何千万、枠組みがございますが、この4項目のうちで柔軟に事業間流用というんですか、流用ではないですけども、総額の中で4事業を考えておりますので、恐らく市町の方で予算的な手当てができたにもかかわらず、県の方がシャットアウトするというようなことは、私はそういうことはなかろうというふうに承知をいたします。
あと、繰り越しの件につきましては室長の方からお答えいたします。
○高須室長 繰り越しの件は私もちょっと聞いておりませんでしたが、恐らく津波対策の中で、避難路整備等ある程度工期の要るものがございますので、それについて、私ども県民センターの方から何か言った可能性はないとは言えないと思っております。補助制度の中で、例えば資機材を整備するというようなものであれば、短期間でできるものもございますし、それから先程申し上げたような工事が伴うようなものについては一定期間必要なので、そういうことを申し上げたのかもしれませんが、ちょっと把握をしておりません。
以上です。
○中嶋委員 窓口が県民センターということもありますので、そういったことがないということを祈っておるんですが、実際この事業というのは、やっぱり県民にとっても非常に重要な事業で、できるだけ活用してもらって、本当にそれこそ増額補正を常にやるぐらいの取組を、市町ともどもやっていただきたいという思いがあるんです。
そういった中で、最終補正の話は先なんであれですけども、今回も減額補正ということですし、来年度の当初予算は前年度よりも低い額の要求になっているということでは、ちょっと寂しいわけです。ですので、できるだけこの事業を積極的に取り組んでいただきたいという思いで、もしそういう使い勝手が悪いような部分というか、あるようであれば、多少その繰り越しもいいじゃないかというぐらいの、予算が足らないんだったら、増額をやっていくんだというぐらいの取組、県民センター通じて、市町にも言っていただきたいですし、市町からの声も十分聞いていただいて、この事業をぜひ生かしていただくようにお願いして、終わります。
○堀江室長 広域防災拠点についての予算の内訳、おわびして、ちょっと訂正をさせていただきます。先程申しました、工事費は2年間の全額で申し上げましたので、工事費だけ2年間かかってやるという形になりまして、そのうちの20年度分としましては、2億2,600万でございます。おわびして、これだけ訂正させていただきます。
以上でございます。
○田中委員 1点だけお聞かせください。
今、広域防災拠点、順次整備が進んでまして、それから備蓄倉庫ということで、資機材が備蓄をされていきます。これは各市町でもやられてますでしょうし、もっと言いますと、大勢人が集まるところ、例えば大きな民間企業でしたら、ある程度の資機材備蓄をしています。そういう意味で、あちこちで備蓄してあった方が、リスク分散という意味でもいいと思うんですが、例えば県営施設でたくさん人が集まるところ、このへんでいうと、総文とか、鈴鹿もスポーツガーデンというのがあるんですが、ああいうところへのそういったいざというときの最低限の備蓄みたいなことは、どういう進められ方をされているんでしょうか。
○堀江室長 委員ご指摘のような一般的な公共施設での備蓄というのも考えられると思いますが、基本的には本庁舎、それから各センター、それから先程来説明させていただいている防災拠点、そういうところに主に今のところ備蓄をしておるという状況でございます。
○田中委員 よく最近話題になっている大勢人が集まるところ、災害によっては帰れなくなる、動けなくなるというふうなこともあるんです。ある意味、変な話、例えば我々は鈴鹿ですから、消防学校の備蓄倉庫が火事になっちゃいかんですけども、火事になってしもうたなんて、こんな話はあるかもしれません。そういう意味では、ある程度最低限の1日、2日、何とか持つような、そういうのは考えられてもいいんじゃないんですかなと思うんですが、いかがでしょうか。
○中西部長 田中委員のご指摘もわかるんですけども、備蓄には2種類ございまして、まず食料・水、これらにつきましては、ご承知かと存じますが、市町の方でそれぞれのところで備蓄をしておりますし、私どもが備蓄をしておりますのは応急対策に必要な資機材あるいは簡易トイレ、ストレッチャー等々、あるいは発電機、こういったものを備蓄しております。したがいまして、不特定多数の方が集まっているところでそういう災害が起きたときに、例えば帰宅困難になったという場合には、それは食料も必要でしょうけども、簡易トイレなり、状況にもよりますけども、必要かと思いますので、その事態に対しましては、やはりそれぞれの市町あるいは施設管理者と十分に連携をしながら、必要な資機材を備蓄してある、例えば拠点なり、あるいは県民センター、県の庁舎でございますけども、そういったところから搬送して、ご活用いただくということで当面は対処してまいりたい、このように考えております。
○田中委員 うまく必要なものが運べればそれでいいわけですけども、そうしたリスク分散みたいなことも考えますと、検討には値するんだろうというふうに思いますんで、検討していくということですので、ぜひお考えをいただきたいなというふうに思います。
○稲垣委員長 ほかにご質問はございますか。
(「なし」の声あり)
○稲垣委員長 よろしいですか。
では、なければ、これで議案第1号 「平成20年度三重県一般会計予算」の関係分に対する質疑を終了いたします。
(3)委員間討議
な し
(4)討論
な し
(5)採決
議案第1号の関係分 挙手(全員) 可決
・議案第59号 「平成19年度三重県一般会計補正予算」の関係分
(1)当局から資料に基づき補充説明(中西管理監)
(2)質疑・応答
○稲垣委員長 それでは、ご質疑があれば、お願いいたします。
○中嶋委員 いつも防災危機管理部さんの方は、予算の中で、うち県費を出していただいているんで、これはすごく私は高く評価したいんです。ほかの部もぜひ見習ってほしいと思っておるんですが、それでこんな質問をして申し訳ないんですけど、例えば広域防災拠点で全体としては9,987万9,000円減額なんですけど、県費をプラス128万2,000円になっているとか、それから防災ヘリの方も、補正額724万だけれども、うち県費は893万1,000円の増額というふうに、要は県費以外のところの財源構成が変わってしまったがゆえに、県費の持ち出しが増えているという事態が起こっているんですけれども、これはなぜゆえにというか、国補が思ってたよりも来なかったということなのか、その他経費というか、当てにしてたものがなかったもんで県費を充てることになったのか、そのへんちょっと補足説明いただきたいんですけど。
○嶋田室長 まず、広域防災拠点は大半が防災基盤整備事業債という起債でやっておりますので、その起債の総務省とのやりとりで、こういう額になっているということです。それと、ヘリコプター運営管理費は、石油備蓄立地の交付金が入っておりまして、これも国とのやりとりの関係で、減額がその分されたということで、その反面で県費が上がったという関係です。
○中嶋委員 わかりました。ありがとうございます。
○稲垣委員長 ほかにご質疑はございますか。
(「なし」の声あり)
○稲垣委員長 なければ、これで議案第59号 「平成19年度三重県一般会計補正予算」の関係分に対する質疑を終了いたします。
(3)委員間討議
な し
(4)討論
な し
(5)採決
議案第59号の関係分 挙手(全員) 可決
以上で防災危機管理部関係の常任委員会及び分科会を終了させていただきますが、今日で終了ということで、お疲れさまでございました。
といいましても、防災危機管理部ですので、これからまだ我々は5月まで何が起こるかわかりませんので、何もないことを祈りながら、本日の審議も終了させていただきたいなと思います。1年間、ありがとうございました。
それでは、委員以外の方は退室をお願いいたします。ありがとうございました。
(委員以外退室)
Ⅱ 委員協議
1.常任委員会関係
(1)常任委員長報告について 正副委員長に一任
2.分科会関係
(1)予算決算常任委員会(3月18日)における分科会委員長報告について 正副委員長に一任
〔閉会の宣言〕
以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。
平成20年 3月13日
政策防災常任委員長
政策防災分科会委員長 稲 垣 昭 義