三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成19年度 委員会会議録 > 平成19年12月17日 県立病院等調査特別委員会 会議録
県立病院等調査特別委員会
会 議 録
(閉 会 中)
開催年月日 平成19年12月17日 自 午後 2時 6分 ~ 至 午後 2時58分
会議室 202委員会室
出席委員 13名
委員長 田中 博 君
副委員長 中森 博文 君
委員 山中 光茂 君
委員 今井 智広 君
委員 藤田 宣三 君
委員 中嶋 年規 君
委員 北川 裕之 君
委員 大野 秀郎 君
委員 野田勇喜雄 君
委員 貝増 吉郎 君
委員 舟橋 裕幸 君
委員 山本 教和 君
委員 西場 信行 君
欠席委員 0名
出席説明員
[健康福祉部]
医療政策監兼医療分野総括室長 西口 裕 君
その他関係職員
傍聴議員 0名
県政記者クラブ 2名
傍 聴 者 0名
Ⅰ 調査
1 次期三重県保健医療計画の中間報告について
2 その他
Ⅱ 委員協議
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
Ⅰ 調査
1 次期三重県保健医療計画の中間報告について
(1)当局から資料に基づき説明(西口医療政策監)
(2)質疑・応答
○田中委員長 ただいまの説明につきまして、ご質問等々あればご質疑をお願いしたいと思います。
○中嶋委員 2点。まず、1点が、県境を越えた医療提供体制といいますか、そういったことはどこかに書かれているのかということと、それと特別委員会の趣旨からいくと、49ページの公的病院等の役割というところが一つポイントになろうかと思うんですが、ここのところにおけるどういう審議会での議論、部会での議論があってこのような記述になったのかというところをちょっと補足的にご説明いただきたいんですが。
○西口総括室長 中嶋委員のまず県境とか県域を越えての部分につきましては、例えば4疾患5事業でありましたら、脳卒中のところでは、例えば東紀州においては脳神経外科とか外科医とか神経内科とかいないという状況の中で、今現在、新宮なんかとの連携体制をやられているわけですね。ですから、ある部分、地域の中で関係する医療と関係しない医療がありますので、そういう部分については、4疾患5事業の中にも各県域を越えた、県外も含めて連携体制の構築については記載をさせていただいているような状況です。
それから、2点目につきましては、公的病院の役割については、現在、特に県立病院のあり方については議論をされておりますので、50ページでございますけれども、県立病院のあり方については、現在、地域で果たすべき役割や機能について検討しておりますというような状況で、まだ明確には書かせていただいておりません。
それから、公的病院の役割については、医療計画の策定部会では若干議論があるんですけれども、現在、総務省の方でさまざまな改革についての議論もされておりますので、まだその部分も含めて突っ込んだ議論はさせていただいておりません。
○中嶋委員 わかりました。
そういった中で、4疾病5事業で医療機関名というのはまだ今後載せるか載せないかという議論の中にあるわけですけれども、少なくとも県立を含め公立病院で4疾病5事業それぞれで、ここはこういうことになっていくんだとか、そういうことは今後やはり民間の医療機関とは別で公立ですから、載せていくとか明確に位置付けていくとかそういう予定というのは今後あるんでしょうか。
○西口総括室長 例えば、脳卒中ばかりでは申し訳ないですけれども、脳卒中であれば、県域の中で当然救急として対応していただく必要があるわけです。専門用語で申し訳ないですけれども、例えばTPAというふうな3時間以内にその注射をすることによって血栓を溶かすとか、そういうふうなことで救急対応ができるかどうかというふうなことであるとか、場合によっては、そういう医療機関名を公表してもいいのかどうかということも含めて、一度各病院の方に投げさせてもらうわけです。そういうふうな医療機関名という形で公表してもいいというふうな場合については、当然、書かせていただくことになるというふうに思います。
ですけれども、先生がおっしゃったように、当然、今、県立病院であるとかそういうところでも脳卒中急性期医療をやられていますので、これについては他の私立の病院でも同じように、そこで基幹になっている機能については、明確に医療機関名として明示をしていくということもあり得ることだろうというふうに思います。
○舟橋委員 この特別委員会は、あくまでも県立病院等調査特別委員会なんですね。先程話があったように、中嶋委員がおっしゃったこの49ページ、50ページについて議論をさせていただくことになると思うんです。
その際に、先程もお話があったように、いかにも県立病院を含めた公立病院に対する記載がさらっというか、確かにあり方検討委員会の議論を待たなければならないというのはわかるんですけれども、では極端な話、この特別委員会で、もう県立病院は要りませんと、全部民間委託だと言われたとき、そのとおりにここは反映されるのかという話になってしまうんですね。やはり、県が5年間の医療計画をきちっと立てていく上に高度医療だとか不採算だとか、それから医者を初めとする医療スタッフの確保、育成、そういったものがこの中に記載されて、なおかつそれに対してそれなりに、経営形態まで踏み込んでここが記載する必要はないと思うんですけれども、やはり計画の中に期待するもの、県立病院を含めた公立病院が少々載っておっても、それは今うちの特別委員会なりそれから執行部の方でやられているあり方検討委員会に大きなたがをはめるものではないと思うんですけれども、もう少し突っ込んだ表記はできないですか。
○西口総括室長 これにつきましては、今現在、県立病院のあり方検討につきまして、公的機関として担うべき役割であるとか、さまざまなことが審議をされていますので、一定程度3月までの中で明確にできる部分はこの中に書き込んでいくというふうに考えています。
当然ながら、今、舟橋委員がおっしゃったように、今現在、三重県におきましては、医師不足であるとか看護師不足が非常に厳しい状況になっておるわけですし、当然ながら県立病院であるとかさまざまな公的病院の方は医師の確保も含めて非常に重要な役割も担いますし、当然ながら不採算部門についての一定の役割を担いますから、そういう部分については、当然この中にも記載していきたいと考えていますけれども、まだ少し具体的なところについては詰めておりませんので、この今の中間報告の段階としては、まだそういう具体論については記入させていただいておりません。
○舟橋委員 どっちが先か難しいと思うんです。あり方の議論とそれから医療計画の議論と。ただ、全くこれを抜きにして医療計画は成り立たないと思いますので、この49、50ページでさらっとというんではなく、次回のときにはもう少し医療計画における公的病院に対する役割の期待みたいなもの、あまりたがをはめ過ぎるというのは遠慮されるんなら、医療計画にはこういうことを期待したいというようなぐらいは記載してほしいなと要望して終わります。
○北川委員 関連するこのページの記載の関係なんですけれども、さらっと読ませていただくと、公的病院等の役割となっているんですけれども、どちらかというと、主眼はいわゆる各市町の自治体立病院レベルの議論というか、県立病院に関してはまさにもう最後の1行、2行だけですよね。全体の視点はやはり地域の中の話というか、この最後の県立病院についても議会が検討委員会を作って提言をしてきた流れの中、正式にはまだ提言になっていないですけれども、言いたかったのは、やはり県立病院というのは県全体の医療政策に寄与する部分がないと、県立病院としては意味ないですよねという議論だったと思うんです。ここにあるのは、地域で果たすべき役割や機能というふうに書かれてあるので、これは市町の自治体立病院ならそれでいいですけれども、県立病院という位置付けからいくと、この表現というのは、その審議会の中で、そういう県全体の医療政策の中で県立病院の位置付けってどうなんだと、どういう役割を担うんだというのが議論されたのかなというのがちょっと疑問に思うところなんですが、その点はいかがなんですか。
○西口総括室長 現在、保健医療計画の策定の中での中身として、今、北川委員がおっしゃったような県立病院のあり方については、十分議論はしておりません。
一方、県立病院のあり方検討会につきましては、かなり突っ込んだ議論をさせていただいています。当然ながら県の公的関与の役割であるとか、現在の三重県の保健医療に関するさまざまな環境状況、例えば、繰り返しになりますけれども、医師不足であるとか看護師不足の状況であるとか、それから当然今回の保健医療計画の中の中心、位置付けになっています医療連携体制をどうしていくのかとか、そういうふうに5つか6つぐらいの視点の中で今の県立病院が果たしている役割であるとか、今後果たすべき役割についてもあり方検討会の中で今まで3回、かなり突っ込んだ議論をさせていただいておりますので、医療計画の策定部会なり審議会の中には、今、委員がおっしゃったような県立病院についての突っ込んだ議論はありませんけれども、片方の県立病院のあり方検討会の中ではかなりさまざまな観点から議論をさせていただいて、単に地域医療を担うという視点だけではなくて、県全体の医療の中で果たすべき役割について、また経営のあり方についても議論をさせていただいていますので、一定程度、その中で明確になるものについては、当然ながらこの保健医療計画の中にも書き込んでいくというふうな構成にしたいというふうに思っております。
○北川委員 県立病院のあり方検討会での議論が優先されて、こちらはではもう全く触れないというか、こちらの議論の中ではなかったということなんですかね。
○福井医療政策室長 県立病院のあり方検討委員会、これも条例設置の審議会でございます。その中で、これまで3度ほど議論をさせていただいて、今週の金曜日にも第4回のあり方検討委員会を開催されていただきます。
それで、医療計画の方の審議会については、できれば県立病院のあり方検討委員会で来年の3月といいますか、できれば2月ごろには一定の何かもう少し踏み込んだ部分をご議論いただきたいなと。それを踏まえた上で改めて医療計画の医療審議会の方にも諮らせていただくと、こんな手筈でいかせていただきたいなというふうに思っています。
多分に両委員会は、実は委員さんもかなりの数同じ委員さんが入っているといいますか、輻輳をしておりますので、そこらへんの調整はうまいこといくのではないだろうかというふうに思っています。
○北川委員 それはそれとしても、やはり県立病院の位置付けがこういう位置付けというのでは、ちょっとあまりにも弱過ぎるんではないかなと思います。やはり県全体の医療政策に影響力を持つような位置付けで書いてもらわないと、何か市町の自治体立病院と同レベルの表現というのは、ちょっといかがなものかと思いますけれども、要望だけさせてもらいます。
○田中委員長 ほかいかがですかね。
私から1ついいですか。
214ページ、一番最後の方で申し訳ないですが、保健医療計画における数値目標の一覧表を提示してもらって、この中でハード的な要素というのは下から3行目の救急医療対策、医療機関数を379から420にするとか、人数を3万人にするとか、こういうハードのところというのは、これは県が自らやるのかあるいは民間にお願いをして、それなりの投資はさせていただくのでやってくださいというこういう進めをしていくのか、財政的な裏づけとか、そういうのも含めて進めていくという見方をしていいんですかね、これは。
○福井医療政策室長 今回の計画は、冒頭にも申し上げましたですけれども、県だけではなく、医療機関であるとか市町であるとか多様な主体で行うものですよという整理をさせていただいております。
委員長ご指摘の例えば救急医療の医療情報システム、これは参加医療機関数でございますので、例えばここの部分につきましては、県が深く関与して医療機関に対してぜひこのシステムの中へ参加を促すというそういう取組を行っていきたいというふうに考えています。
ですので、ハードとは少し違うんですけれども、あるいは3つ目の救命救急センターの設置数につきましては、現在、総合医療センターと山田赤十字病院の2カ所ですけれども、これをできれば4カ所にしたいということで、本部の中では平成21年度中に三重大学を三次救急医療の機関に指定することを目指しますと、そのような記述ぶりにさせていただいております。
○田中委員長 もっとガチガチのハードで言うと、ドクターヘリ運行数1機から2機、耐震化率44から67、こういうものの財政的なものはどうなんですか、どう見ればいいんですか。
○福井医療政策室長 ドクターヘリの部分も少しご覧をいただきますと、救急医療のページの127ページご覧いただけますでしょうか。
ここの項目は、取組方向の2で二次、三次救急医療体制の充実という項目でございますが、その127ページの一番上の丸ですが、ここで県内全域を対象とした新たなドクターヘリの導入を検討しますということで、検討をしていきたいということは明記をさせていただきました。
ただ、現在、実は運営費に対する支援とか国の方で今さまざまな議論がされているところでございます。ですので、財政的な部分は、まだ少しここ1年ぐらいしないと見えてこない部分があろうかと思います。
ただ、県としては、5カ年間の計画の中で新たなドクターヘリの導入を検討していきたいというふうに、とりあえず現時点ではこのように考えています。
○田中委員長 目標数にあるということは、導入するということですよね。検討では済まないですよね、目標値が1機から2機になっているので。
○福井医療政策室長 この目標値につきましては、まだまだ実は脳卒中のところもご覧をいただくと空白でございますとおり、まだ目標値を幾つに置くかというところもそれぞれの部会の中で検討をしておるところでございます。
ですので、例えばドクターヘリとして1機、2機という形で置くのがいいのかどうか、先程、私申し上げたとおり、まだまだ運営に対する支援スキームが国の方でも検討中ということでございますので、少し未定稿という形でここのところはご覧いただきたいなと思います。
○田中委員長 現時点でわかりました。
皆さん、どうですか。
○山本委員 5カ年計画ですよね。例えば、これは県立病院の委員会ですから、県立病院のことを言わなければいけないでしょうけれども、健康福祉部の常任委員会ではないですから少し違うのかなというふうに思いますけれども、医療圏のあり方について、1回ちょっと考えなければいけないねというような議論というのが執行部の中にもあるし、我々にも。
例えば、我々ですと、南勢志摩医療圏、伊勢・鳥羽・志摩という医療圏なんですけれども、地域によってはということは、例えば志摩市なんかは、伊勢とか全然違う本当に地理的ハンデに厳しい、特に医療に関しては厳しいところなんですね。それが南勢志摩医療圏という中でくくられてしまいますと、どこかにページにあったようにベッド数が44ぐらいというようなあんな数字になってくるんですよ。実際はもっと厳しい中であるにもかかわらずそういうような現状がある。だから、次回のときには検討しなくてはいけないねと委員会の中で言われたような気もするんですね。
5年間でしょ。もしこれがコンクリートされて、そうですか、では次の改定のときにはというようなことになってくると、これだけいろいろなそういう情報が氾濫して、また社会情勢が変わっていく中で、5カ年ということになってくると、厳しい部分があるのかなというようなこともあるんです。
ですから、例えば、決め事かもわかりませんが、5カ年ということではなくて、もう少し柔軟な対応ができるようなシステムというのがあれば対応してもらいたいなというふうに思んですけれども、そのへんのところというのはどうなんでしょうかね。
○西口総括室長 今回、医療圏につきましては、過去はかなり医療圏というのが保健医療計画の中の中核であったんですけれども、今回、4疾患5事業というふうな概念を出したときに、あまり医療圏にこだわらずに具体的に地域でどういう連携を作っていくのかというのが割と重きにおかれたわけです。
そういうこともあって、この4疾患5事業の例えば糖尿病という疾病をとりますと、これは今、山本委員がお住まいである志摩地域で十分対応できるのと違うかと、これは急性期の病院が例えば志摩病院があって、それから地域の開業医さんがあってというふうな状況であれば、そこで適切な医療を構築していくような仕組みを作るのが重要でないかと。例えば、脳卒中であればもう少し3時間以内の中で、ある部分医療連携をしていく必要がありますので、場合によっては南勢志摩というふうな、例えば日赤とか志摩病院とかの連携も含めての領域で完結すべきではないかとか、そういうふうな形で今回の医療計画の中には当然ベッド規制はあるんですけれども、どちらかというと4疾患5事業を十分に連携をする中で充実をさせていくというそういう方向でこの中には書かさせていただいておりますので、少し過去の医療圏の考えとは若干違ってきておることは確かだというふうに私自身思っております。
○山本委員 それならば、逆に具体的なそういう脳卒中だとか脳血栓だとか、いわゆる心臓に関するものなんかは、私のところの地域だけ言って申し訳ないんですが、1時間以上もかかるようなところへ行かなければ、一刻も早く処置をしなければいけないそういう疾病ですよね、対応しなければいけないにもかかわらず、具体的にでは3時間以内とは、表現ではできるもののこうやろうというようなことがなかなか見えてこない中でのこういったペーパーでは、十分に納得できるようなものではないなというふうに思うんです。
○西口総括室長 その部分については、例えば脳卒中であれば、これから地域の中で連携パスというそういう概念が入ってきて、具体的にどういうふうにその地域の中で脳卒中の医療をやっていくのかというのが明確になってくるような記載をさせていただいてます。
例えば、繰り返しになりますけれども、88ページというのは、そういうつもりでこの医療連携のパスのモデルをこの部分では書かさせていただいて、例をあげますと、Aという地域の中で1時間、2時間、3時間以内で救急対応できる病院はここがあって、それから急性期の治療が終わってから回復期のリハビリをやるところがここにあって、そういうところが1人の患者さんに対してどういうふうに連携をとっていきながら循環させていくのかというそういう地域クリティカルパスというふうなものを導入していくことにこれからなると思うんですね。
それは、今回、医療診療報酬の中でも恐らく20年度から導入されますので、そうすると、それぞれの地域の中でそういうパスを作っていって医療を実施していくというような形になりますので、これは現在これと同時平行になりながら、例えば南勢志摩地域における脳卒中の医療連携の研究会が立ち上がったりとか、中勢地域の中でもそれがやられていますので、そういうふうな形で具体的には仕組み作りというのが行われていくんではないかなというふうに思っています。
○山本委員 終わりますが、それぞれの地域の中で対応していこうということを西口室長はおっしゃるけれども、あなたも何回も志摩市が産婦人科医がいなくなってしまって、では県立病院としてどうしようといったあの夜遅くまで何回となくやった議論の中にあなたも来ていたけれども、県の果たすべき役割というのは何もなかった。中嶋委員もそのとき会議におりましたけれども、何もなかった。
そんな中で、こういったペーパーだけでその地域の中で考えていこうといったって、本当に空々しく聞こえるんですよ。しっかりした対応をとっておれば、私はこんなこと言わないけれども、ペーパーだけのこういったアウトラインを書かれておりますけれども、しっかりしたものにしてもらいたなとそんなふうに思います。
現実というのは、決してこういうものではないということだけは言わさせてもらいます。
以上です。
○田中委員長 委員の皆さんよろしいですか。
それでは、無ければ、ここで本日の調査を終了いたしたいと思います。
当局にはご苦労さまでございました。
Ⅱ 委員協議
提言案について協議
〔閉会の宣言〕
以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。
平成19年12月17日
県立病院等調査特別委員長 田中 博