三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成17年度 委員会会議録 > 平成17年7月21日 東紀州地域経営調査特別委員会 会議録
東紀州地域経営調査特別委員会
会議録
(閉 会 中)
開催年月日 平成17年7月21日 自 午前 9時 分 ~ 至 午前10時 分
会議室 熊野庁舎保健福祉部棟2階会議室
出席委員 9名
委員長 | 森本 繁史 君 |
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副委員長 | 森本 哲生 君 |
委員 | 青木 謙順 君 |
委員 | 田中 博 君 |
委員 | 桜井 義之 君 |
委員 | 島本 暢夫 君 |
委員 | 橋川 犂也 君 |
委員 | 中川 正美 君 |
委員 | 藤田 正美 君 |
委員 | 山本 教和 君 |
委員 | 杉ノ内 昭二 君 |
欠席委員 2名
委員 | 山本 勝 君 |
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委員 | 萩野 虔一 君 |
出席者
熊野市長 河上 敢二 君
海山町長 塩谷 龍生 君
尾鷲市長 伊藤 允久 君
紀伊長島町助役(代理)東 敏 一 君
御浜町長 北裏 公教 君
紀宝町長 新宅 孝嗣 君
紀和町長 下川 勝三 君
鵜殿村長 西田 健 君
議会事務局
政務調査課長 高沖 秀宣 君
傍聴議員 なし
県政記者クラブ なし
傍聴者 1名
I 調査
1.東紀州地域地元首長との意見交換
(1)「東紀州地域を創造するための知事への提言」「東紀州地域経営の創造に関する提案書」等についての説明
(2)地元首長からの意見(熊野市長 河上敢二)
(3)地元首長からの意見(海山町長 塩谷龍生)
質疑応答
2.その他の事項について
II 委員協議
1.次回の予定について
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
○森本委員長 ただいまから、東紀州地域経営調査特別委員会を開会いたします。
なお、本日は、山本、萩野委員が欠席されますので、ご了承願います。
本日は、昨日に引き続き、東紀州地域での委員会開催ということで、地域の8名の市町村長にお集まりいただき、地域活性化の方策等についてご意見をちょうだいし、後ほど各委員のご意見を伺いたいと存じますので、よろしくお願いします。
本日の委員会の進め方についてでありますが、まず委員会の方から昨年11月の「東紀州地域を創造するための知事への提言」また、本年度6月にまとめられました「東紀州地域経営の創造に関する提案書」等についての説明を行います。
その後、まず地元紀南を代表して熊野市の河上市長、続いて町村を代表して海山町の塩谷町長に続けてご意見をちょうだいし、その後、ご質疑をお願いしたいと存じますのでご了承願います。
〔調 査〕
○森本委員長 それでは、調査に入ります。
その前に一言、私の方からお礼を申し上げたいと思います。
本日は、本当に熊野市、尾鷲市長さん、そして南牟婁郡と北牟婁郡の町村長さんには、大変お忙しい中お出でいただきましてありがとうございます。その前に市町村長さんの意向を見て、ちょっとクール・ビズでいこうじゃないことで、ネクタイも皆さん持参しとるんですけれども、そうしたらもうこれ外させてもらいますし、ネクタイももう委員の先生方も外していただいて結構だと思いますので、クール・ビズでいきたいと思いますので、よろしくお願いします。
そういうことで、いわゆる委員会を出先で、地域に出てやるということは試みとしては今までになかったことなんですけれども、いわゆる議会に閉じこもって私たちが住民の意見を聞けることができるのかどうかということと。そしてどんどんと地域、県民の声を地域に出てそれを議会に反映していくのが本筋ではないかということで、田中議長のもとでそういう方針で、とりわけこの特別委員会というのは一つのある目的を持って設置された委員会なんだから、そういうことも含めて積極的に足で行動してもらいたいということと。
もう一つ、先ほども申し上げましたように、特定の目的を持ってつくられたわけですから、その成果を出してもらいたいと。成果を出す委員会だということで、私たちこの1年間の中で何らかの提言なり、あるいは条例を策定するなりというような具体的な形の中で、この地域については東紀州の経営調査ということですけれども、わかりやすく言えばこの地域の振興策について何らかのきちっとした1年間の議会委員会活動の成果というものを3月までには出して、提言していきたいということで、今までのように一過性のものではなくて、この中で十分皆さんのご意見も聞き、そして県議会側の委員もそれぞれの形の中で皆さんからの提言を消化して、そして県議会の意見として執行部に提案するなり、県民に提案をしていきたいと、そういう趣旨でこの委員会はされておりますし、もちろん県議会でやっとると同じように議事録も残すことになっておりまして、出先でやっておりますけれども、県議会でやることと何ら変わりはありませんで、そういうことも含めてやらせていただきたいと思います。
それで、今、私申し上げましたけれども、この前、私どもの資料を知事に―いわゆる経営創造会議というのを議会の中で立ち上げたんですけれども、その提案をしておりますその中で、この趣旨に基づいた形について市を代表して熊野市長さんから、町村を代表して塩谷海山町長さんから20分ずつぐらいお話をいただき、その後、各市町村長からまたご意見をいただくというふうにしていきたいと思います。
議事の進行については私の方でやっていきたいと思いますけれども、皆さんからご意見を求めたいのは、いわゆる県民局の統合という話が出てきております。これについても全部の市町村長さんからご意見をいただきたいと思いますし、これから説明しますけれども、私たちの提案の中にいわゆる縦割り行政の中ではこの地域の振興策というのは円滑にいかないんだということの中で、東紀州対策局を県庁の中に、いわゆる県土整備部だとか農水商工部と同じような位置で、そういうふうな東紀州対策局を設置したらどうかというような提案もしております。
こういうものについても何が―この地域の市町村長さんとして何が県行政のうまく歯車がかみ合わなかった、回っていかなかったのか、あるいは成果が上げられなかったのかというようなことも含めて、我々の提案についての補完という意味でのご意見をいただきたいということと。それから、緊急の重点課題として、今東紀州に何が必要なのか、何を求めているのか、そういう施策についての提言、特に振興策についての提言、それから今、私たちの提案に基づいて東紀州創造会議というのができかけておりますけれども、こういうものについての円滑な運営というものについて、やっぱり提言があればお話をいただきたいということで、この委員会を進めていきたいと思います。
それで、いろいろ市町村長さんのご都合もあるので、11時には終了の方向でもっていきたいと思います。ここで結論をいただくということではなくて、ご意見は十分にいただいて、それを我々委員がどういうふうに消化していくかということですもんで、そういうふうな方向で進めさせていただきたいと思います。
それでは、いわゆる東紀州の私たち創造会議が知事に提案をした趣旨について、少し私の方から申し上げます。
まず、概要について申し上げますけれども、いわゆる東紀州にはもういろんな形での住民のそういうふうな県政へのいろんな運営に対してのグループといいますか、そういう基盤というのは紀北にしても紀南にしてもできておると。特に、紀南においてはクリエートというような幅広い形の中での提言をできる組織というのがやっておるわけでございますけれども、そういうものをより発展させるために、やっぱりはっきりしたグランドデザインというものを確立していく必要があるんではないか。グランドデザインをまず県がそういうものを策定した上で、いろんな種々の施策というものを取り組んでいく必要があるんではないかということで、そのグランドデザインを書き、それを実施していくためには、やはり組織というものは縦割り行政ではやっていけないんではないのかということの中で、新たに東紀州対策局というものも―これまだまだ私たちはきちっとした形での案というのはできていません、縦割り行政になるかもわかりません。ある中では、いわゆる東紀州対策局というのを県庁の中において、その中でいわゆる土木部だとか、農林だとか、職員を寄せ集めてきて東紀州対策局をつくるのも一つの案だし、東紀州対策局というものをまずつくっておいて、いろんな農林にかかわるものについては農水商工部に執行委任する、土木、県土整備に関するものは県道整備に執行委任する、健康福祉に関するものは健康福祉部に執行委任するというような形をとる方が、いわゆる予算的に各部長さんが予算を握ったものを東紀州対策局ができたからってそこへ少しずつ予算を分けてやるというようなことは無理なんではないかということの中で、東紀州対策局として予算を握っておいて、東紀州対策局という荷札をつけて各部局に配分するのも一つの方法ではないかというようなことも出てきておりますので、そういうことも踏まえた形での東紀州対策局の提案となっております。
そうして、これを実施していくためには、きちっとした一つのシステムというものを構築していかなければ、それは地域住民がどういうふうな形の中で県行政にかかわりを持っていくのか、各市町村がどういう形にもっていくのか、県議会がどういうふうな形なのか、そして県の執行部としてはどういう位置づけでこれをやっていくのかというようなことも、仕組みも検討していかなければならないということの中で提言がされてきたわけでございます。
そういうことの中で、一つの案として出てきたのが条例をつくろうということでしたんですけれども、東紀州地域経営創造会議という条例を設置して、それでその中でいわゆる県の説明責任なり、執行責任というものを明確にし、県議会としてどういうふうにかかわり合いを持っていけるのか、地域としてどういうふうなかかわり合いを持っていくのかというような形での提言を、条例を例に出しながら私たちは一つの提案をしたところでございます。これについては、詳しいあれについては高沖課長の方からちょっと説明させます。
そして、2点目としては先ほど申し上げましたように、いわゆる縦割り行政の中での非常に行き詰まりというか、問題点があるので、東紀州対策局をつくり、そして皆さんのご協力を求めながらグランドデザインを策定して、この地域の振興策を図っていくというふうな形でのものになっております。
そういうことの中で、一番ポイントになる部分だけ、時間をとりますんで、一番ポイントになる5ページの部分に制度のあらましというものを図表にしておりますので、私たちのねらうところはこういうものであるということで、少し高沖課長の方から説明をしてもらいますので。
○高沖政務調査課長 失礼します。議会事務局の政務調査課長の高沖と申します。委員長のご指名に基づきまして説明させていただきます。お手元の資料の5ページでございます。
ここに、今、委員長がお話しになりました制度のあらましというのがございますので、見ていただきたいと思います。具体的には、その表の中で右側に知事部局というんですか、執行部側のことが書いてございます。それとあわせまして、左側に三重県議会、議会側のことが書いてあると。この左右、左右対称にしながら考えていただきたいんですが、今、委員長言われました制度としましては、まず右側を見ていただきますと、そういう知事へ政策提案なんかができる附属機関、東紀州地域経営創造会議というのを条例でつくると。そこで役割としては知事に建設的な意見を述べるというような会議でございます。委員として住民の方から選ばれた方がなっておるということでございます。
そして、その下の図なんですが、まず知事と東紀州地域経営創造会議との関係でございますが、まず(1)番を見ていただきますと、東紀州地域経営創造会議から地元の住民の方が出された意見は、すべてまず意見を知事に提出しますと。それが(1)番でございます。そうして、知事が―(2)番へいっていただきますと、その意見に対して反映できるかどうかを検討して、回答するとありますね。そして(3)ですが、反映できない意見は理由を説明して地元住民の皆さんに、地域経営創造会議に返していくということが(3)でございます。そして、その地域経営創造会議からは両側にございますように、その知事の理由に異議がある場合は質問もできるということでございます。知事は―(5)番でございますが、質問への誠実な対応をしなきゃならんということで、知事と東紀州地域経営創造会議との関係がこうなっておるということでございます。
普通ですとこれで終わるんですが、県議会からの提案というのは、その左側を見ていただきたいと思いますが、ここでその条例で知事は議会の方へきちっと出た意見というのは報告しなきゃならんということを義務づけようということでございます。具体的には左側の方を見ていただきますと、まず知事と本会議の関係でございます。知事は―(1)番ですが、地域経営創造会議で出た意見について報告書をまず提出するということでございます。(1)番でございます。その報告書の提出に基づきまして、本会議から―(2)番でございますが、知事に対して政策提言等ができるということが書いてあります。そして(3)番としては、知事の方は東紀州地域経営創造会議に対してした回答とその理由を本会議の方へきちっと報告するんだということを、まず条例で制度化しようというねらいでございます。
ここでもう少し、左側でございますが、その当時考えましたのは議会、例えば本日ここに調査に来ていただきました特別委員会なんかがあった場合は、より飛躍的にその効果が出るだろうということで特別委員会の設置を考えました。本会議と特別委員会の関係でございますが、まず本会議からは特別委員会に対して―(1)番でございますが、調査審議事項を付託なりしますと。そして2番としまして、(2)番ですが、特別委員会は調査審議結果を本会議に報告すると。そして3番目に(3)としまして、特別委員会から政策提言等の議案を出すと。(4)番としまして、知事が住民にした回答に対する審議なんかも特別委員会でやったらどうかと。そして、特別委員会から本会議の方へ政策提言等の議案を出して、本会議の方で改めて知事に対して議会の意見として政策提言等をしていったらどうかと、このような地域のことは地域の住民が考えるんですが、そこへ地域の住民の方と知事とそれと地元住民の代表である議会が一体となった制度というのを、今までにないように条例でつくったらどうかというのが昨年11月の県議会からの提案でございました。
以上でございます。
○森本委員長 はい、ありがとうございました。
今、ちょっと縷々説明させていただいたような形の中で提言がなされたわけでございますし、そういう方向で進んでいるところでございます。これ条例については執行部とも十分協議していかなきゃなりませんので、このとおりの、執行ができないような条例を策定したら、それは皆さんの立場と同じようで、執行できないような条例を議会側がつくっては執行部の執務に支障を来たすようなこともできないので、十分議論はしていかなきゃならんと思っています。こういう趣旨に沿って、私たちはいわゆる地域・県民の声がどういうふうに反映されるのか。それをどういうふうに施策に反映していくのかという担保をとりたいために、こういうふうな提案をしておるわけでございます。
それでは、こういうことを踏まえて意見発表をいただきたいと思います。それでは、熊野市の河上市長さんにお願いします。
○河上熊野市長 ご指名をいただいたわけですけれども、必ずしもここにいらっしゃる他の市町村の首長さんの意見を総合的に反映するということではなくて、あくまでも1首長としての意見であるということをまずご理解いただきたいと思いますし、そういう点ではそれぞれの首長さんにおかれまして、今森本委員長さんが言われたように、恐らくいろいろなご意見をお持ちでしょうから、ぜひいろいろとご発言をお願いを私からもしたいというふうに思っているところでございますので、その点だけまずご了解をいただきたいというふうに思います。
藤田先生を座長とする東紀州地域経営創造会議、そしてこの特別委員会を設置していただいて、東紀州地域の振興、活性化のために研究会として大変なご尽力をいただいておりますことに、改めて深く感謝を申し上げるところでございます。また、今日はこういう形でわざわざ熊野市にお出でいただいて、我々の話を聞いていただくということでございます。この点についても厚く御礼を申し上げる次第でございます。時間の都合もありますので、今、森本委員長さんが言われたことに関連して、私なりに少し発言をさせていただきたいというふうに思います。
資料を事前に少し見させていただいておりまして、この東紀州対策局ということについては、その趣旨については、もうここに書いてある以外のことを補完的に申し上げることはないんでございます。情報の集中化、指揮・命令系統の一元化、施策実施のスピード化、責任を明確にすると、こういったことでこういう対策局をぜひ設置していただきたいと、結論から言うとこの一言でございます。
実は昨年、尾鷲の県民局で開かれた知事との膝づめミーティングにおいても、私自身がイタリアにおける南部開発庁を例にして、東紀州の振興局のようなものをぜひ設置してほしいということも知事に直接申し上げているところでございます。部局横断的な取り組みというものが今後ますます必要になるということを踏まえても、ぜひ設置をお願いしたいというふうに思っております。
いろいろと詳しくは調べておるわけではありませんけれども、国においても北海道開発庁、沖縄開発庁があると。先ほど委員長さんのお話の中に、予算を一元化して執行委任をするというやり方がご説明もございましたけれども、この点についてはぜひですね、沖縄開発庁にしても北海道開発庁にしても同じやり方でございます。特に沖縄開発庁については、省庁の中で一番上級官庁として位置づけられる、内閣府にそういう部局が設置されておりまして、予算もここに全部一元化されて各省庁にゆだねられるという仕組みで、北海道開発庁は国土交通省の中に設置されている。それよりはやはりしっかりとした知事直属の組織として沖縄開発庁のような形をとっていただけるとありがたいなというふうに思いますし、その際には予算の中でもですね、沖縄開発庁の予算を少し見ていると、特別調整費というのがありまして100億円の予算、別枠で平成8年ぐらいから確かついているんじゃないかと思いますけれども、そのうちの50億円については、年度途中で弾力的に使えるような予算として最初に使途が制限されていないというような予算も置かれているようでございますので、もしこういう部局が置かれるのであれば、その内容についても弾力的な予算の使い方ができるようなものをぜひ考えていただきたいなというふうに思っています。
ちょっと論理的ではないのかもしれませんけれども、部局横断的な組織ということについて、私は熊野市役所の中においても新しい事業とか取り組みというのは、今や課と課の間の中で生じると。良く「廊下に落ちる」と言うんですけれども、廊下の中から出てくるだろうというふうに言ってます。抽象的になるんですが、結局それは縦割りの組織の中では新しい発想というのは出てこないだろうということでございまして、こういう対策局を置かれるときに、その組織をどうするかというのは非常に難しいところがあるんですけれども、従来型のように各部局を代表して集まるような形ですと、やはり出身というか、出てきたところの部局の意識を引きずる可能性がありますので、この辺は民間団体では非常にそういう縦割りの弊害をなくすような仕組みとか、事業の執行の仕方というのは十分あるわけですから、そういったところのやり方というのもぜひ我々も勉強させていただきますけれども、議会においても調査をしていただいて、その仕組みのあり方についてもぜひ検討をしていただければありがたいなというふうに思っているところでございます。
現在でも県民局があって、局長さんの力で総合化なり部局横断的な調整というのはできるんでしょうけれども、実際には局長さんいろいろな普段拝見しますと、どうしても県民局の中で縦割りの弊害というのは外から見ている限り少なからずあるんではないかと。要するに、建設部ですと県土整備部の方の顔をうかがう、そういった側面が強くて、局長さんといえどもこれを調整するというのは大変な苦労をされて調整を行っていらっしゃるじゃないかという、そういうことを感じることがままありますので、ぜひ大もとの本庁に置かれるこういう対策局で部局横断的な調整が確実にできるような仕組みをとっていただくことが、これまでなかなか新しい事業を展開しようとしても実際には難しかった、こういう障害を乗り越える可能性が出てくるんではないかというふうに思っています。
一つ実例でいうと、この地域で園芸福祉が県の中でも最先進地域として始まりました。園芸福祉については随分研究はしていただいているんですが、実行の面になると、これなかなか前へ進まないと。これ以上言うと、一生懸命やっていただいている担当に申しわけないことになるので申し上げません。これ担当者が悪いというよりも、そういう仕組みとか組織のありようがそういう新しい事業の進捗というものを、いわば少し妨げているのではないかというふうに思っているところでございまして、ぜひこういう知事に直属する部局を設置していただいて、部局横断的な取り組みというものをお願いをしたいというふうに思っているところでございます。
それと、県民局のあり方でございますが、先日、県民局で今年の知事との膝づめミーティングでも、多くの首長さんから、最初から東紀州県民局ありきの議論ではなくという強い批判が何人もの方から出たところでございます。確かに合併によって市町村の組織なり力というものは一般論としては強くなるんでしょうけれども、残念ながら私自身の考えでは東紀州においては合併によっても地方分権の十分な受け皿たり得る、そういう市町村になったかどうかということでいえば、必ずしもそうではないというような状況は余り変わっていないだろうと。
市町村を経営する立場でいうと、合併の受け皿として十分な組織をつくろうと思えば、やはり人口は10万人ぐらい要るのであって、そういう点からすると、なかなかこの地域においては合併をしたからといって市町村の状況は基本的には余り変わっていないと。私は逆に中勢、北勢において大きな市が誕生しているということを考えれば、今回の合併によって市町村の格差がさらに広がる可能性があるというふうに思っています。
それと県民局のあり方を考えれば、そういった市町村の合併後の大きさや能力というものを踏まえた上で、県民局のあり方についても柔軟に考えるべきではないかというのが基本的な考え方でございまして、市町村、県とも行政のスリム化というのは、これは当然必要でございますが、地域の事情というものを十分考えていただく必要があるんではないかと。その地域の状況の中には、市町村の規模ということだけではなくて、紀北と紀南の間にある矢ノ川峠という大きな障壁、やっぱりこれが例えば今心配される地震が起きたときに、防災力を県と市町村が発揮するというときに、45分もかかるような隔たりがあって果たして本当に迅速な対応というものができるのかと、こういう点でも非常に心配をするところでございます。
それともう一つ、合併によって市町村の規模が余り大きくならなかったという裏返しの話になるんですが、これまでこの地域においては広域的な取り組みというものがかなり進んでいるというふうに思っております。ただ、広域的な取り組みが進んでいる分野というのは、どちらかといえば病院であったり、介護保険であったり、福祉施設といったいわば守りの分野で、必然的にやらざるを得ない、単独ではできなくて広域的な取り組みをやらざるを得ない分野において進んできたと。しかし、先ほど言いましたように、大きな市と小さな市の格差が広がる状況においては、そういった守りの分野だけではなくて、今後は攻めの分野、振興といった攻めの分野においても恐らく広域的な取り組みというものを進めてこざるを得ないだろうというふうに思っています。そういう際には、やらざるを得ない分野における調整よりも攻めの分野において、攻めの分野における調整というのはそれぞれの市町村の置かれた状況なりによっていろいろと考え方が異なりますので、その調整の必要性も大きくなるんですけれども、その調整の難しさというのはさらに増すわけでございます。
そういう意味では、やはり県民局が紀北と紀南それぞれに置かれてあって調整力を発揮していただく必要があるんではないかと。スリム化は必要ですけれども、我々としてはその調整を担うヘッドクォーターは紀北と紀南にどうしても必要ではないかというふうに思っておりますので、ぜひお考えをいただければありがたいなというふうに思っております。
ちょっとしゃべり過ぎているので、グランドデザインという点において簡単に申し上げれば、我々としては、我々というか私としては、この地域における活性化、振興ということを考えるときに、常々市の施策としては輸出と集客だということを申し上げておりまして、集客の点については熊野古道を核にしてそれぞれの市町村いろいろと取り組みをされておりますし、この古道を中心とした集客への取り組みというものをさらに弾みをつける必要があるだろうというふうに思っています。その際に、いかにお金が落ちるか。そういう仕組みをつくっていくことが必要でありまして、熊野市としては観光公社というものをつくって独自の集客の取り組み、地元で宿泊をしていただけるような旅行の企画なりをつくって、旅行業法の免許を取って売り出していくということをやっているところでございますけれども、やっぱり単独ではなくて、地域全体として取り組む方がより大きな力になるんじゃないかというふうに思っています。
それと、もう一つ集客でいうとスポーツ、これ市の施策で申しわけないんですが、スポーツによる集客が非常に伸びておりまして、平成12年度に6,000人だったスポーツでの宿泊客が、平成16年度には1万7,000人まで3倍以上になっているということでございまして、やはり温暖な気候を利用した冬場におけるスポーツ集客というのはこの地域における一つのねらい目ではないかというふうに思っております。
こういった、古道はいわば心の面でのいやしという側面がありますが、スポーツは体の面での健康とかというところで結びつくので、心と体の健康というようなことも、この地域の自然や神々のふるさととしての精神性とか暖かい気候とか、そういったものを抽象的に総合しても、心と体の健康ゾーンとか、スポーツと健康によるまちづくりというものも一つのキーワードとして考えられるのではないかというふうに思います。
それと、輸出ということについて、これはどういうことをやるかというよりも、行政全般に私は弱いなと思うのは、物を開発したり、つくることを応援することはできるんですが、一番この地域で弱いのは、どこでもそうだと思うんですけれども販売する点です。この地域においてもし輸出ということをやるんであれば、つくることだけではなくてその販売する面まで応援していく必要があるんではないかというふうに思っています。
熊野市では、集客については観光公社をつくって民間がやるべきところを行政が担うという方式をとっておりますが、物の販売についても恐らく商社のような組織をつくって、この地域でつくられるものを売る手伝いをしていかないと、なかなか物はつくってもそれをどうやって売っていいのかわからないという状況を脱することはできないんじゃないかということで、いろいろとあるんでしょうけれども、一つの方策としてはそういった行政として一歩今までとは違う分野にまで踏み込んだ物産の振興策、販売促進というものを考えていく必要があるのではないかというふうに思っています。
すいません、ちょっと時間を超過しまして、まだまだ申し上げたい点はあるんですけれども、これぐらいにさせていただきたいと思います。
○森本委員長 はい。また後で質問の時間にお願いをするとして、それでは、町村の立場として、今、市長さん言われたように、いわゆる海山町としての町長のご意見になると思いますけれども、塩谷町長さんの方から少しご意見の発表をお願いしたいと思います。
○塩谷海山町長 おはようございます。海山町の塩谷でございます。
まずお礼を申し上げたいんでございますが、日ごろこの東紀州地域の市町村に対します、行政に対しまして県議会の皆様方、先生方には大変ご高配をいただいているところでございまして、厚く御礼を申し上げたいと思います。また、これは特別に私ところでございますが、昨年の災害におきましては特別なご支援、温かいご支援を賜りましてありがとうございました。おかげで復旧・復興の方も順調に進んでおりまして、今年は幸い雨も少のうございますが、これがいいのか悪いのか良くわかりませんが、河川の工事の方も順調に今進んでいるというところでございまして、この災害に対しましての議員先生方のお力添え、本当に心から感謝を申し上げたいと思います。
さて、今、今回の特別委員会さんの本旨に入るわけでございますが、もうすべて河上熊野市長さんがおっしゃっていただいたとおりでございまして、私たちも同じ地域に住んでおりますので考え方とか感覚的なものはほとんど似通っております。同じような話になるかと思いますが、私の方からも一言意見を申し上げたいと思います。
まず、東紀州対策局の設置につきましては、これはもう大賛成でございます。これまで福祉の安住と言われてきまして、どうしてもやはり南の地方には日が当たりにくい。議員先生方のお力添えによって最近ようやくこちらにも日が当たるようになりまして、私が町長になりましてから北川知事が就任され、そして先生方のお力添えでようやくこちらの方に目を向けていただきまして、東紀州体験フェスタ等も実施していただきました。
それはそれなりに大変効果があったと思うんですが、また日ごろのご配慮によってそれなりにこの南の方も何とかここまで来られたと思っておりますけれども、どの市町村をとりましても過疎化というものは止まりません。やはり相変わらず衰退の傾向にあるわけでございまして、北の方と比べますとやはり格差は歴然としてあると。今回、わざわざ委員会をこういうところで持っていただき、また東紀州対策局の設置を考えていただいているということにつきましては、ようやくここまで来たのかなと。やっとそこまでしないとだめだということをわかっていただけたのかなという思いが強うございます。
さっき河上市長さんの方から国における内閣府の中での沖縄総合事務所ですか、今何か開発庁と言わないんだそうですね、沖縄総合事務所ということになっているようですが、それと国交省の北海道開発局、こういったやはり特別な担当部署を設けていただいて初めて、その地域が本当に対策を打っていただけると。そういうことだろうと実は思うんです。
今までのやはり考え方、何とか少し対処療法をすればいいんじゃないかというようなことでは、とてもこの地方は浮かび上がらない。ましてこの地方を三重県の一部として強くお認めいただけるのであれば、やっぱりこの地方の発展を考えていただかないと、三重県としての全体の発展はやっぱりバランスのとれた発展というものはあり得ないんであろうと、私は強く思うわけでございまして、ぜひそういう意味でこういう東紀州対策局というものが設置されればありがたいなと。まして、知事部局の中でそれが設置されたら本当にありがたいというふうに思うわけでございます。
この地方、ご存じのようにこれまで幾つかの戦後の時代の流れの中で、大きな発展があった時代がございました。田中角栄さんの列島改造論の時代、それからリゾート開発がもう全国的に行われた時代、バブルの時代、そのどの時代を通っても民間の資本がものすごく入りにくい地域なんですね。ご存じだと思いますけれども、高島屋さんが尾鷲サンポートというのと、それから熊野のオレンジホテルというものをつくって、リゾートに先駆けてそういうものをつくって展開しようとしたんですけれども、結局うまくいかずにもう今はそれがなくなってしまった。すべて跡形もなくなくなってしまったと、こういうような状況でございまして、非常にこの地方、民間資本が入りづらい環境にあると思います。
そうだとすれば、どうすればいいのかということになるわけでございます。やはり公共である程度のところまでのレベルアップを図らないと、そこで金が少し動いてきたな、人が動いてきたなということが民間に見えてこないと、この地方には民間資本が入りづらいんであろうと、そのように私は常々思っておりまして、そんなことの対策のためにもやはり東紀州対策局のようなものがあれば、もっと具体的にそのことを考えていただけるのではないかなというふうに思うわけでございます。
そのために少し具体的な話をさせていただきたいと思うんですが、市長さんは大きな立場でおっしゃいましたが、何よりもやはり道路を、これはもう今進めていただいておりますけれども、高速道路ですね、これは1日も早くやはり進めていただきたいと。我々どんどんとスピードを上げていただいておりますので喜んでおりますが、これはもうぜひひとつ早くやっていただける。これはもう東紀州の全市長村の首長さんの大きな願いであり、また先生方もそのことは強く思っていただいておるとこう思います。それにあわせて、やはり一般道の整備も必要であろうと思います。
それから、防災の問題ですね。これはやはり共通した問題でございまして、ハード・ソフト面、両面でやっぱり充実すべきであろうというふうに思います。これは私たちもこれまで私の町でもなかったことでございますが、防災対策課というものを今年から設けまして、その対策を打っているところでございまして、少ない予算でございますけれども、その中でもそれなりの対策を打っております。いわゆる津波の避難のステーションでありますとかそういったような、それから避難路の整備でありますとか、防波堤の整備というよりはこれ防波堤の外に残された人をどうやって逃がすかというようなことを考えたり、そんなことまでやっているわけでございまして、これは住民対策、それから今後集客交流の、さっき話が出ましたが、そういうことになってきますと、やっぱり観光客対策あたりも防災の中でやっぱり考えていかなきゃいけない問題があろうというふうに思っております。
それから、産業経済の活性化でございますけれども、これは特に我々が望みたいのは雇用の場の確保なんですよね。いわゆるこの地方がなぜ過疎化するかということは、若い人たちがこの地に残れるような企業なり、産業なり、経済の状態ではない。要するに、外に出て行かざるを得ないというような状況があって、そして出て行ってしまう。それが少子化等とも絡んで非常に人口が、やっぱり過疎化が止まらないというのがそこに一つございます。それに比例して、反比例してというんですかね、高齢化が進むというような構図ができておりまして、この構図がどこかで断ち切らない限り、歯止めができない限り、なかなかこの地方が自立していける、自力で歩んでいけるという姿にはならないであろうと、そのように思うところでございます。
農林漁業の活性化につきましては、これはもういろいろ我々も考えるんですが、なかなか手が打ちにくうございます。なかなか妙案というものがないのが実情でございまして、しかし何とか経営体を少しでも健全にいけるように、数が減ってもそれらが林業も漁業もその経営体が健全な姿でいけるようには支援していかなきゃいけないと思いますが、なかなか活性化というところまでは手が打てないで悩んでいるのが現状でございます。
それから、集客交流の話を河上市長さんがされましたが、やはり集客交流、これからこの東紀州の目玉になるのではないかと、そのように思っておりまして、いかにこの世界遺産である熊野古道を生かしていくかということもその中の大きな一つであろうと思います。
そんな中で、この地方としてはやはり自然をどうやって生かしていくかということを真剣に考えなきゃいけない。これを生かして金が落ちるような仕組み、さっき市長さんがおっしゃったような恵まれた自然を生かして金を落とす仕組みをつくらなきゃいけない。それから、それには非常に年数がかかると思いますので、もうしっかりした目標を立ててそれを確実に実現していく、具体化していく、現実のものにしていく。さっきも委員長さんもおっしゃっていましたけれども、やっぱり現実のものにしていかなきゃ、成果を上げていかなきゃ何もなりませんので、議論ばかりしておっても。それをやっぱりしていかなきゃいけないだろうと思います。
それには、やはり集客交流の魅力的な施設づくりといいますか、仕組みも含めてのそういったものもどうしても必要であろうと思います。こういったことをするためには、やはり民間資本が今のところ入ってきませんから、やっぱり公共が先行してレベルを上げていくということが必要ではないかと思います。
この地方、今の季節は比較的入り込み客も多うございますが、やはり冬場はどうしても少ないんですね。そして、さっき市長さんおっしゃったように、やはりスポーツを中心にした施設の充実なり何なりを図って、やっぱり入り込み客対策をしていくということが必要ではないかと思います。
それに絡んで、私のところの町の一つの例を申し上げますと、実は私のところに大白浜という場所がございまして、これは熊野灘臨界公園の中に入れていただいておりまして、紀伊長島町なんかと一緒に公園を推進していただいているわけでございますが、今までこういったことに関しまして、昭和51年には都市計画法というのがございまして、これが成立してその中に指定されました。それから、昭和61年には半島振興法というのができて、これもその中に入ったわけですね。それから、63年には総合保養地地域整備法、いわゆるリゾート法というのができました。同時に、三重サンベルトゾーンというのが、これが立ち上がる。
こういったことをどんどんとやっていただいているにもかかわらず、そして大白浜の場合はスポーツを中心とした地域として指定されたわけなんですが、それが一向に、こういう法律がどんどんできているにもかかわらず、実現しないんです、スポーツ施設が。そして、あるとき私が町長になりましたとき、それはもう地元から提案しないからこういうことができないんだと、実際の現実のものにならないんだというものですから、私はもう早速、いや、この中で一つの案をつくってそして今の県土整備部、当時は土木部でしたけれども―そういったところへも強く我々の考えた案を申し上げましたけれども、なかなかいざとなると取り上げてくれない。今となりますと、もう時間がたって一向に何も進まないから見直しだということで、まるでもう大白浜のことは考えてないよと言わんばかりの話になってくるわけです。
したがいまして、やっぱりさっきからお話の東紀州対策局というようなものがぜひとも必要になって、それをフォローしていただくような形が必要になってくるんだろうと思うんですね。だから、我々のところは本当に今まででもいろいろなお話がございましたけれども、そういうものが現実のものになり得ないというところに一番の問題があるんだろうと。そのように思っております。
それから、ちょっと時間がないので、県民局のことでございますけれども、県民局を合理化し、スリム化するということは、これは何も我々が反対しているわけじゃございません。ただ、申し上げたいのは、県民局をなくして、それじゃ次の組織をつくったときに、この東紀州における県行政というものをどういうふうに進めようとしていくのかということをはっきりとやっぱり示していただく必要があろうかと思うんですね。さっきもグランドデザイのことがお話しになりましたけれども、やっぱりそういったものをしっかりと据えた上で、この地方の県行政のあり方をどうするんだと。
それで、これは極めて私どもがどうしてくれ、ああしてくれというよりも、県の行政の中の仕組みなんですね。我々がそれじゃ県民局を置いておいてくださいよといって、それじゃ置いておいていただけるのか、そんな簡単なものじゃない。そうじゃなくて、やっぱりこれは県行政そのものであろうと思いますので、やはりこのところは県が責任を持ってこの組織というものを考えていただく必要がある。そして、その場合に、河上市長さんもおっしゃいましたように、やっぱり紀北と紀南、これは同等に扱っていただきたい。どっちかに本局があってどっちかに支局があるというのは、これはもう明らかにやはり差がつきます。我々受ける側の方で差をつけてしまいます。
ですから、やはりそういうことのないように、スリム化していただくことはもうそれは結構でございますけれども、ぜひ平等に扱っていただきたいというのが我々の、いってみれば地元からの唯一の願いでございます。あとのことは行政が県行政をどうするかというのは、これは県の方でお考えていただく。これがもう当然であろうと思っております。したがいまして、ぜひ両地区を平等に扱っていただきたいというふうに思うのでございます。
それから、森本委員長さんが前に議会で県民局の統合のことで質問をされた中に、その県の方の答えの中に、県民ニーズの多様化ということも言われています。県の方からの答え。多様化ということをいいながら、地域に応じた簡素化ということを言われておるんですね。これは矛盾することではないのかなという、ちょっと言葉の綾ですけれども、そんなことを考えました。
それからもう一つ、さっきも河上市長さんおっしゃいましたけれども、この合併の問題が必ずしも市町村の人材の強化とか、財政力の強化とか、いろいろなものに前向きなものにつながるかというと、必ずしも私もそうではないと思っております。今回の合併は、私ども極めて強迫観念に駆られた合併だと、私は思っておりまして、自分たちでぜひ合併をしたい、こういう町をつくりたいから合併するんだという思いは実はないんです。1万人を切る人口の町が合併しないでおったらどうなるんだという、その強迫観念に駆られた合併でございまして、果たして一体どうなるのかなと、いまだに私どもそれはつかめないでおります。
そんな中で、県行政が市町村が合併するから県の方もスリム化して県民局を少し小さくすりゃいいんだと、小さくするのは構いませんが、その機能とか県行政までおかしくなったんでは困るわけでございまして、もうちょっとこの合併の行方を見きわめていただきたいなというのが我々の立場でございます。合併したら全部がすべて前向きに良くなるというようなことは決してないということを、私たち自身が感じているということを、不安を持っているということをぜひお心にとめておいていただきたい、そんなようなことでございます。
ちょうど時間が参りましたので、あとの会議の進め方もございますので、一応ここでそれじゃ終わらせていただきたいと思います。
○森本委員長 はい、ありがとうございました。
進め方として、少しここで委員の皆さんのご意見を承ってと思っております。それで、時間ないんですけれども、10時ぐらいまでに終わって、そしてあとまた各その他の市町村長さんから、いわゆる紀南地域の振興策だとか、今言っていただいた県民局あるいは東紀州対策局、そういうふうな提言に対してのご意見でも結構でございますけれども、縷々伺っていきたいと思うんですけれども。
藤田委員、どうですか。今、お二方のお話を聞いていただいて、非常にずっと座長として去年までやってきて、この東紀州経営創造会議がやっぱりこの特別委員会を生み出したということは、もうこれは事実でございまして、そういう観点も含めて、今お二方からご意見があったので少し感想なり何か……。
○藤田委員 委員長にご指名いただきましたので失礼します。
熊野市長、海山町長の今のご意見、お話を聞かせていただきまして、本当に地域の考え方というものを深く理解をさせていただきました。やはりこれから、先ほど海山町長さんが申し上げたように、ここの活性化は非常に長くかけて、持続可能な発展をしていくということをこれからおいていかなければ、いろんな知事がかわったり、部長さんがかわったり、住民の人たちの意見をまとめ上げて何かをやったとしても、やはりそこには持続可能性というものをこれから我々はしっかり担保していかなければいけないんだなと認識をいたしました。
そんな中で時代も変わってまいりまして、本当に地域住民のニーズをしっかりとらえながら、しかし、青写真はいろんな専門家の人たち、または議会であり、あるいは多様な主体と一緒になってそういうものをつくり上げていく、そういう仕組みをしっかりつくり上げた中ではっきりした、ある意味では正しい目標をみんなで一緒になってつくったこと、それに対して本当に我々がそこには財源も厳しいございますから、やっぱりみんなの中で選択と集中をしながら目的に向かってやっていくと。そういうことを我々が本当に地域住民、また一番要の首長さんなどのご意見を聞いて、やっぱりそこからやっていくべきじゃないかということを深く認識をしました。
しかし、これからのこの時代は右肩経済のそういう時代じゃなくて、本当に人口も減ってくるし、高齢化社会の中で、成熟社会と言われていますけれども、経済も衰退・減退してくる時代でありますから、やっぱり価値の転換なんかも一緒になって考えて、それでやっぱり一緒になって県議会も県行政も進めていく、そういうことをしっかりやっていきたいなと強く思いました。
そういうことで、なかなかグランドデザインというのは誰が決めるん、誰がそれをつくるんというような議論は非常に難しいところでございますが、やっぱりみんなでこういういろんな議論をしたことを正しい目標として、正しいプロセスを踏んでやっていくことが、正しいこれからのあるべき姿を遂行していくやり方ではないかなと、そんなことも県議会でしっかり議論をしながら、森本委員長さんと一緒になって何かそのことが信頼できるような形にしていかなきゃいかんのかなと思いました。
ちょっと抽象的な言葉でございますが、本当にここらは集客交流をしていただいて、そしてある意味ではお金が落ちる、しかし単なるこれからはGDPだけじゃなくてもう少し自然とか、そういう今のご意見であったようなことも踏まえて、新しいステージをこれからつくっていきたいなと強くそう思った次第でございますので、意見というより本当にいろんなお話の中で深くその考え方をわからせていただいたということで、ご理解を賜りたいと思います。
○森本委員長 はい、ありがとうございました。
全部の市町村長さんにもご発言いただきたいと思いますので、引き続いて市町村長さんからご意見を聞かせていただきたいと思います。塩谷町長さんからも東紀州対策局のようなことでようやくここまで来たのかなということですけれども、やっぱりこういうふうな提言というものも私たち議員が2年ほどかけてじっくりと見た中でやっぱり必要じゃないかという結論になって、行政の側はなかなか、まだまだこれ抵抗はあります。対策局をつくるについても、条例をつくるについても、かなり抵抗はあると思う。ただ、しっかりとした設立指針に基づいて私たちは条例というものを見ていかなきゃならんと思いますし、今、大白の問題も出していただきましたけれども、やっぱりつくりっ放しというより丸投げというような印象も県の中にはあります。やっぱりここらについても十分県の役割、県の責任というもの、そして我々に対する説明責任というものの、そういう機能という組織図というもの、はっきりさせてないからこないなったんだろうと思いますんで、そこらも含めてこの委員会の課題であろうと思っております。
それでは、尾鷲市長さんから順次、いわゆる緊急のこの辺の課題、あるいは振興策、県に求めることと、今、お二方から意見を述べていただきました県民局の統合、あるいは東紀州対策局も含めて、そういう今後の県への振興策への提言とか、そういうようなご意見の中でご発言いただきたいと思います。よろしくお願いします。
○伊藤尾鷲市長 どうもおはようございます。尾鷲市長の伊藤でございます。
今、河上熊野市長さんと塩谷海山町長さんの方からいろんな提言とかいろいろございましたので、私の方は補足的に申し上げたいと思います。
もう先生方には十分ご承知の上のことでありますが、私たちのこの東紀州地域というのは三重県の6分の1の面積を有しながら人口が20分の1という、そういう地域性でございますので、当然民の力が弱い、公の、要するに県の力あるいは官の力をもってこないと、なかなか沖縄や北海道のようにいつもハンディキャップを背負いながら追いつかない。何十年たっても追いつかないという立場でありますので、ぜひその点はご留意いただきたいと思います。
特に、私はこの地域は4点、共通項が4つあると思うんですね。1つは、やっぱり県内で最も立ちおくれている社会資本整備だと思っております。特に、社会資本整備の中で私たちの地域振興上、一番のウイークポイントである道路整備が急務だろうと。これが先生方のお力添えで近畿自動車道紀勢線、あるいは熊野尾鷲道路につきましては、大変なご尽力をいただきましたことを厚く御礼を申し上げます。
それから2点目は、東海・東南海・南海地震に対する防災対策だと思います。これにつきましても県議会のご協力によりまして紀南で1つ、紀北で1つの防災拠点ができます。尾鷲においてはサブ拠点でありますけれども、機能的には十分対応できるような規模ということで、24時間ヘリポートもつくっていただけているわけでありますので、私は大変ありがたいなというふうに思っておるんです。
それで3点目は、観光だと思います。それは、私たちの共通の財産であります昨年熊野古道が世界遺産登録されました。まだ尾鷲市においては一部焼山問題で皆さん方にご迷惑をおかけいたしておりますけれども、少なくとも共通項として大きな観光資源が私たちの地域に、三重県でもちろん初めて登録されましたので、大変ありがたい宝になったなというふうに思います。
それから4点目は、医療・保健・福祉だと思います。この部分におきましても、この地域には紀南病院さんと尾鷲総合病院という大きな中核的病院が2つあるわけでありますけれども、この両病院を今後どういう形で補完的な病院としていくか、熊野尾鷲道路ができるまではなかなか全面的な補完関係というのは無理だと思いますが、少なくとも今の段階でどのような形で部分的に補完し合うかということを話し合う時期に来たのかなという気もいたしておりますので、どうかこの4つの点において、私たちの地域には大きな共通項があるということであります。
こんなことは、この首長さん同士で話したことはまだないんですが、尾鷲におきましても介護保険の紀北広域連合、あるいは消防本部におきましても消防の1市2町で紀北消防組合がございます。知的障害者の授産施設であります一部事務組合の広域行政がございます。こういう3つの広域行政については、本当に今までは紀北、紀南と分かれておりましたけれども、もうそういうこの首長さんのレベルで紀北と紀南をどうしていこうかと、この分野において。そういうことも話し合う時期に来ているんではないかなというふうに思います。
どうか、そういう点での大きな共通項と、あとはこれだけの広いエリアを有しておる地域でありますので、それぞれが同じようなまちづくりではだめだと思います。ですから、それぞれがやっぱり個性のあるまちづくりを、熊野市さんには熊野市さんのまちづくり、尾鷲市には尾鷲市のまちづくりがそれぞれあると思うんです、自分たちの特色を生かしたです。ですから、束ねる部分とそれぞれが個でやっぱり頑張ってお互いに競争しながら努力していく部分と両方必要だろうというふうに思っております。
そういう延長線上での、私は東紀州対策局であれば大いに賛成でありますし、また当然のごとく、塩谷町長が言われましたように、この紀北と紀南においてはやっぱり県民局は存続していただかないとなかなか道路網ができるまではやっぱり一つには、そういう部分での一つにはなり得ないというふうに思っていますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
以上です。
○森本委員長 じゃあ、長島町の助役さんの方から。
○紀伊長島町助役(代理) どうも今日は先生方におきましては、ご苦労さんでございます。町長が本日出席するべきなんですが、本日、公団と高速道路の設計協議の確認書の調印がちょうど午前中にありまして、どうしても出席できませんので、私、代理で失礼いたします。
昨年度、災害につきましては先生方に大変ご尽力をいただきまして、この場をおかりしまして厚くお礼を申し上げます。
紀伊長島町の件なんですが、これにつきましては先ほど熊野市長さん、また海山の塩谷町長さんが縷々意見を述べていただいたとおりでございまして、紀伊長島町ではまず観光の集客交流をぜひ図って何とか町内へ、熊野古道というのは山の方でございまして、なかなか町中へは古道の客が入ってこないと。今現在取り組んでおります住民も一応委員会みたいなのをつくりまして町へ―紀伊長島町の魚の町を歩こうかというようなちょっとそういうような部会みたいなのをつくりまして、何とかそのようなルートを今開発しておるということでございます。できるだけ古道客を長島町の町の中を歩いていただいて、幾らかでもお金を落として、そこへまた滞在してもらうようなメニューづくりというんですか、仕組みをつくっていって、何とか活性化を図っていかなくてはならないと。
それにつきましては、まず今水産をメーンにしてお魚をまたお土産なり何なりで買っていただくためには、水産の振興も図っていかなくてはならないんじゃないかということで、今、力を、民間も含めて今、検討している状態でございます。
この水産の振興というのは、先ほど塩谷町長さんも言ってもらったように、なかなか町独自では難しいところがありまして、漁民と一緒になって考えてもなかなか効果が出てこないというようなところがあります。その点は県の県議会の方の一応支援もお願いしていきたい。
それから、東紀州対策局ですが、これはぜひともこのような知事部局の中につくっていただいて、この地域の活性化に向けてご支援をしていただかなければ、この地域がますます過疎化になっていくのではないか。
県民局の統合につきましては、うちの奥山町長においても、やはり地域を見て統合なり、そのようなことを考えていただかなければ、先ほど河上市長さんも言いましたように、この地域が峠、峠で区切られておりまして大きな矢ノ川峠がありまして、なかなか一つであれば緊急なときには通れないというようなことがあるので、やはり地域を見てそのようなことは考えていっていただきたい。ぜひともこの統合の件については見直しなり何なり考えていただきたいというようなことを言っておりました。
一応これぐらいで、すみませんが。
○森本委員長 ありがとうございました。
そしたら、北裏町長さん。
○北裏御浜町長 おはようございます。大変お世話かけております。御浜町長の北裏でございます。
今回、東紀州対策局、仮称でございますけれども、設置していただくということは、我々にとっても長年の悲願でもあり、願ってもないことだと非常にありがたく感謝しておるところでございます。何とぞよろしくお願いを申し上げたいと存じます。
昨日、一昨日と、東京に169号の陳情に行ってまいりました。三ツ矢先生、高橋先生、芝先生にお会いをしたわけでございますけれども、そのときに芝先生と高橋先生の話の中では、東京は非常に景気が良くなってきたよという話を聞いておりまして、しかし田舎ではなかなか景気が回復をされてこない。どうであるかということで、今、衆議院と参議院の問題が民営化でいろいろ問題になっているという話もしておりましたけれども、その中で東紀州地域経営ということは書かれておりますので、地域の経営をこれからどうしていくかということで、北と南の―先ほど塩谷町長さんも言われたけれども、昨日、一昨日東京行くとき、名古屋まで車で行きました。北の方は非常に道路がすばらしくなってきております。格段の差かなと私も思ってきたところでございますけれども。
今、我々の地域に父祖伝来、いわゆる第一次産業に従事してきた―前も言いましたけれども、この間材木の関係でお話しをして、私の先輩が自分の山を切ってそれをさばいて市場に持っていった。ヒノキで立米1万2,000円ぐらいですよ。杉で8,000円ぐらいですよ。もちよりこにいってしまったわというぐらいのことを言っておりました。そういう今までは10倍でしやった材木が10分の1になってしまった。これでは、跡を継いでくれる人もないし、なかなか林業というものはやっていけない。尾鷲、熊野、紀和町の林業が今やっていきたくても、それがやっていけないなというような気持ちでございます。また、漁業会の組合長ともこの間話ししたけれども、魚はとれてもいいものは売れるけれども、安いものはただみたいなものだよということで漁業の振興も良くないということでございます。
特に、私たちは御浜町が今度合併せずに単独の道を選んだわけでございます。よそから見ると、あんな片意地な町長おらんやろうと言われるぐらいになっておりますけれども、単独の道を選んだ以上は自立をしてやっていかなければなりません。大変厳しい中でございますけれども、みんなで一丸となって頑張っていきたいと思っております。
この間、知事さんが見えて膝づめミーティングを行ったときに、医療の問題、紀南病院の問題、尾鷲市民病院の問題等地域医療をかねて話しもしました。私のところの町は、皆さん方何回となくお願いをしております、ミカンが産業でございます。第一次産業がミカンでございますので、そのミカンが全国的にグレードアップされてきて、うちもいち早く糖酸センサーを備えたわけなんですけれども、旧の選果場のものと新しいものとミックスしたんで、今、ドラムでずっとミカンが回っているんですね。ぽたっと落ちる、10センチぐらいから落ちたミカンは糖度が下がるらしいんです。これはセンサーでいっておってコンピューターで全部より分けてくるのにしていくと、酸も糖も変わらずいけるということに15億円いるんです。15億円の国が半分の補助金があるから、知事に対して紀南地域の振興策の中にひとつ入れてくれんかと言うたら、知事は「漁業の振興もある、農業の振興もある、林業の振興もあるから、お金ですか」と言われて、近く言うたらお金ですねと言うたら、ちょっと難しいですねという話をしておりましたけれども。
やはり、これから農業の後継者を育てていこうと思ったら、やはり農家負担ばかりかかっていくわけなんですね。町も負担しますけれども、農家負担ばかりかかっていてキロ当たり7円ぐらい農家が取られていくというような形になって、手取りが少なくなっていくというようなことから、農業振興をぜひとも県議会でも、またこの対策関係の委員会でもぜひとも取り上げていただきたい。また自立の道を選んだ以上は、やはりどこの地域にも、どこの産地にも負けないブランドをつくっていかなきゃならんという覚悟をいたしております。農協と行政と一体となって広域の中でお願いをしていかなけりゃならんということであります。
また、今、先ほど尾鷲の市長がおっしゃったように、とにかく我々紀南病院が内科8人あったのが4人に減ったわけなんです。今回また募集して1人入ってくれて、三重県、自治医大の先生が入ってもらって6人、今7人体制で3診を行っております。そして、地域医療に熱心な五島列島にあった鈴木先生が一生懸命頑張っていただいておりますので、3診に戻ったと。4診あるんですけれども、3診まで戻ったと、ある程度回復をしてまいったところでございますけれども。これからは継続してやってくれる先生があるかないか、単年度か2年ぐらい―あって2年ぐらいだろうかというような感じがしまして大変不安なんです。そういうところにおきましても、県の県会議員の先生方が県を挙げてこの紀南、そしてまたへき地のある志摩病院、そしてまた尾鷲総合病院というところにぜひとも医師の派遣を継続的に行っていただけるよう、高齢化社会でございますので大変心配なものでございますので、ぜひともお願いを申し上げたいと思います。
また、後ほどお話があればさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○森本委員長 新宅紀宝町長さん、お願いします。
○新宅紀宝町長 紀宝町長の新宅でございます。
検討委員会を設置していただきまして、これまでお取り組みいただいておりますことを改めて厚くお礼を申し上げます。また、先ほどは熊野市長さん、塩谷町長さんからこの地域の全般的な課題、問題をするどく委員の皆さんにご提言をさせていただき、さらにお力添えをお借りしたいという思いでお話しをされました。私も同感でございます。よろしくお願いしたいと思います。
私はちょっとポイントが外れますけれども、その点お許しいただきたいと思います。
私は、先ほどお話あった中で、やはり紀南県民局のこの地域では非常に大事な機関であるということを私は常々申し上げてまいりましたけれども、やはり今、提言をいただいたように東紀州対策局の設置ということの中でお取り組みいただくということ、非常にこれはありがたいなと思っております。
いろいろとその理由につきましても私は私なりに持っておったんですが、さらにこれ内容の充実をお願いして風通しのよい行政システムをさらに県としてもしっかり、我々もしっかりフォローいたしますけれども、ぜひお願いしたいという思いでございます。
もう1点は、私はいつも、この前知事にもお会いするたびにも申し上げておるんですが、県境に位置する町村として決して地域性を、ひがんでものを言っとるわけやないんですが、非常に和歌山県、奈良県、三重県のこの連携が三重県にとりましても、また私たちの地域にとりましても非常に大きな問題だと常々私は感じております。三県知事会議とか知事が膝づめミーティングでこちらへお見えになったとき、いろいろと各町村長、いろいろと勝手といいますか、ご要望申し上げとるんですが、とりもなおさず、やはり3県が連携し、さらに三重県の良さを発揮し、さらにこの東紀州地域の良さを発揮することが、私は大事だと思っております。
その一つの理由としては、熊野古道世界遺産登録になりました。私はやはりこの熊野川は三重県と和歌山県の隣接する大きなすばらしい川でございます。ときたま悪さをいたしますけれども、すばらしい川、その中で熊野川部会という部会が今若い方を中心に積極的な取り組みをしていただいています。先般も川船下りとか、和歌山県と共有しての事業の展開なんですが、私の地域の沿線の方で船を製作してその皆さんが一体となって、この熊野古道の世界遺産登録に合わせてやはり三重県の南の端の良さをPRするんだという思いで今一生懸命取り組んでいただいております。そういうことにもひとつ着眼していただいて、この地域の活性化を図っていただくことも大事な要因ではないかと私は思います。
もう1点は、やはり先ほどお話ありましたけれども、健康づくりが一番大事だと思います。今、この地域では医療・保健・福祉の連携システムということで、県の予算も十分いただいてないんですが、そういう中で取り組みを展開しております。これは一過性のものじゃなくして、やはり実のあることにすることが、この地域の本当に命の問題、先ほど医療機関のこととか、お医者さんのこと、お話しをしておりますけれども、やはり我々住民がみずからそういう健康づくりをすることによって、医療費、いろいろな面、そういうプラス面を想定した場合、明るく住みよいまちづくりができる、この地域では一番自慢のできる対策の一つではないかと私は感じております。
そういう面もあわせてこの活性化の中でご提言をさらにいただいて、一体となってその推進ができるように委員の皆さん、さらにひとつ―私たちは当然汗をかきますけれども、一緒になって汗をかいていただきたいなという思いでいっぱいでございます。よろしくお願いいたします。
○森本委員長 下川紀和町長さん、お願いします。
○下川紀和町長 紀和町長の下川です。今日はこのような機会をいただいて大変ありがとうございます。
細かい点については、もう皆さんからお話ありましたので、ここはちょっと県に対して大きな意味での考え方をお話しさせていただきたいと思うんですけれども。
先ほど藤田委員さんが申されましたように、やっぱり知事がかわろうと、県の職員の異動があろうと、知事さんの場合はいろんな考え方あるんでしょうけれども、やはり基本的な考え方といいますか、その辺で我々もちょっと苦慮する問題というんですか、例えば今この地域では紀南の保健・医療・福祉の新システムというのは全国的に先駆けたような取り組みをしておるわけですけれども、その中でやっぱり県のかかわり方というのが、最初は県、市町村、紀南病院や関係機関と一体となってというような表現になっておったんですけれども、昨年でしたか、それが支援をするというような「一体」という言葉がとれましたもんで、僕もちょっとそのときに会議で―これは一つの例えなんですけれども―「一体」という言葉がなぜ「支援」ということになった。我々から言うたら大変後退したような県のかかわり方というものは―説明では決してそうではないというようなことで、そうではないんであればなぜこの文言を変える必要があったんだというようなやり取りがあったんですけれどもね。
ただ、やっぱり前知事さんの場合は大変この地域でもいろんな取り組みをしていただいて、大きなアドバルーンを上げていただいて、健康に対する問題でも健康長寿日本一にするんやというようなことからそんな取り組みが始まったんですけれども、我々もそれに大変期待して、住民の方も期待しておったところ、最近ではもう医者の問題が出てくる、またそういう県のかかわりがちょっと後退したような表現になってくるというようなことで、やっぱりその辺で大変―県がそういうことで全国に先駆けた取り組みをやるんやというような大きな目標を掲げて取り組んでいただいたら、我々もそれにまがりなりにでもやっぱり一生懸命取り組みをさせていただいておるんですからね。やっぱりその点では、もう少し我々も納得できるような説明をしていただきたいと思います。
そんな点では、やっぱり先ほど藤田委員さん言われたように、基本的な考え方はいろんな人の変化があってもあまり、見直しは必要ですけれども、より良い方向にいくような見直しであればよろしいですけれども、どうもちょっとその辺では我々から不満の残るようなことが多々ありますもんで、その辺をちょっと申し上げておきたいと思います。
それと、県民局の統合の問題でも、僕も知事さんとの膝づめミーティングのときも申し上げさせていただいたんですけれども、やっぱり市町村合併が進むからといって、先ほど塩谷町長さんでしたか、やっぱり市町村合併はしたけれども、この地域は果たしてそれだけの地力がついたのかどうかという検証をしていただいて、見届けて、これなら大丈夫だろうという、それからでも遅くはないんじゃないかというようなご意見も言わせていただきました。
それと、東紀州はもう統合という一本の案しかないというのは、どのような理由でそういう案になったのか説明を聞かせてほしいということを申し上げさせていただいたんですけれども、知事さんはそのときはなかなかええ質問やと。それは今からいろいろ始まったわけやさかいやいうて、今からそれをいろいろと検討していくんやというようなことの答弁だったんですけれども。
僕らとしたら、やっぱりそういう案をつくる以上は、ある程度こういう理由で東紀州はこういう統合を考えておるんやという、やっぱりそういう具体的な説明をいただかんと、我々当の住民に説明するのにもしにくいという点と、我々もぜひ納得のいくような説明責任というんですか、そのようなこともお願いもしておきたいと思います。
最後に、いろいろ申し上げましたけれども、今の野呂知事さん、本当にこの地域のことを昔から知っていただいておりますので、大変以前と違って我々の声も目を向けていただいておるのは大変ありがたく思っておりますので、全部が悪いということじゃありませんので、その辺ひとつよろしくお願いしたいと思います。我々も今後一生懸命取り組みますので、これからいろんなご指導よろしくお願いいたします。
○森本委員長 はい。西田村長さんお願いします。
○西田鵜殿村長 しんがりを務めさせていただきます鵜殿村長の西田でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。また、先生方におかれましては、大変お忙しい中こうやってこの地域において特別委員会を開催していただいたということで、大変感謝を申し上げる次第でございます。これからもよろしくご指導、ご協力を賜りますようにお願いを申し上げます。
もうそれぞれの首長さんからいろいろとご意見も出されておりますので、私からこれといったお話もないんですけれども、やはり私たちの地域にとって一番の私も頭が痛いといいますか、つらい思いをするといいますか、胸が痛い思いをしているというのは、毎年、私ところの村も少しずつでは人口がふえてくるんですけれども、3月の末になると人口がぼっと減るんですよね。これはもう本当に毎年のことでありますけれども、一番寂しい思いをしております。
これはもう申し上げるまでもなく、要するに高校なりを卒業すれば大学に行くなり、就職をするなりという形の中で村を離れる、地域を離れるということでございまして、3年か4年前ですかね、この地域で中学生の議会も開いたんですけれども、その中でももう子供たちの言葉の中に、いずれにせよ私たちはこの地域を離れるけれども、何とか雇用の確保をしてほしいというような話がありまして、子供たちがそういうことを自覚しながらその地域でそれぞれ勉強なり生活してるんかなという思いをするとき、大変本当につらい思いをするわけなんです。
そういった意味では、やはりこの雇用の問題というのは大変な問題ですけれども、企業誘致も非常に難しいという状況ですけれども、一次産業、二次産業、三次産業全体をとらえて、一次産業であれば後継者の育成の問題とか、経営の安定基盤とか、いろんな方策についてはこれまでも県の皆様方、また先生方にも大変ご心配いただいてご努力をいただいておるところですけれども、やはりそれぞれの地域にあった特性にあった形の中で、この地域のそういう雇用の特殊性を踏まえた中で、やはり何か一つ違った形の中で、せっかくつくっていただく対策局なりの中でご検討していただければ大変ありがたいな、そんなふうにも思っています。
あと、安心・安全の話もよくしますし、特に今地震等の問題がよく言われておりますけれども、私ところの村も県にご努力いただいて、今対策を立てていただいて工事も実施をしていただいておりますけれども、そういった中でもやはりいざ発生になりますと、やはりどうしても医療の問題というのが絡んでまいります。先ほど縷々お話が首長さんからもありましたけれども、やはりいざ災害発生という状況になったときにでも、それに耐え得る医療としての十分なものがあるのかなという、そういった大変憂慮するところもございますので、この医療の問題につきましてはやはり今の時代の流れの中で、へき地医療といいますか、地域の医療についてなお一層の形の中でご検討をいただきたいなと、こんなふうな思いをいたしておるところでございます。
それともう一つ、先ほども塩谷町長さんからも言われておりましたけれども、半島振興法もできたときには地域にとっても大変喜んで、これからの半島地域が良くなるという思いで大変期待をいたしておったところなんですけれども、その中でもいろんなリゾートの関係とか、法律的なもので大変期待もあったんですが、なかなかやはりこの地域においては民間の資本というのが入りにくい状況にあるということも先ほど来お話がございました。そういった状況ですので、ただ、この半島振興につきましても、私のところの場合で考えますと、控除という立場から考えれば、固定資産税の分の減額というような形もございますので、これは大変有効に利用させていただいております。ということで、これも企業の育成のためには大変役立っているんではないかなというふうにも思っております。
今回、この東紀州対策局の設置については、私も大賛成でございまして、ぜひともそういった形の中でお願いをしていければ大変ありがたい、こんなふうに思っているところでございます。グランドデザイン的には半島振興法じゃないですけれども、そういった中で特区的なものも合わせた中でご検討をいただいて、そしてそれを実際の実施に当たっては、やはりここにも書いておられますように、チェックといいますか、進捗度といいますか、そういった形でチェックをしていくということが基本的な考えの中で書かれておりまして、これも本当に私ども地域に対する思いといいますか、考え方といいますか、そういったものについては大変ありがたい組織じゃないかなというふうに思いまして、機構じゃないかなというふうにも思っておるところでございます。そういった意味でも、ぜひともそういった形に向けてこれからもご尽力を賜りますようにお願いを申し上げるところでございます。
いろいろと全体的なといいますか、ナショナルミニマム的な話につきましては、今、各首長さんからいろいろとお話がございましたので私の方からは申し上げませんけれども、今言ったようなことの思いを話しさせていただいて、一言御礼をお願いをさせていただきたいと、こんなふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○森本委員長 ありがとうございました。
それでは、委員の皆さんにそれぞれご意見を賜りたいと思いますので、どうぞ、どなたからでも結構ですので、よろしくお願いします。
○桜井委員 今日は本当にありがとうございます。そして、非常に貴重な示唆に富んだご意見をいただいたというふうに思っております。そして、お聞かせをいただく中で、東紀州の今後未来へ向けた、過去・現在・未来と考えますときに、今日いろんな思いを持って地域にご努力をいただいた、その仕組みであったり、形であったり、まさに大きな局面を迎えておるんだという本当に認識を改めて今感じさせていただいたところであります。
その中で、熊野市長さん、河上市長さんがおっしゃっていただいた、まさに広域的な取り組みという面では守りの側面で非常に今日まで培ったすばらしいものが東紀州にはあるんだと。そして、もう一方で攻める分野、これが必要ではないか。そういうことをおっしゃられました。それともう一方、伊藤市長さんのお話の中にも、例えば広域連合等々、一部事務組合、これを東紀州、紀南・紀北を含めた中で考えるべき時期に来ておるんではないか。そういうお話も聞かせていただきました。塩谷町長さんのいろんな法律が変わってきましたけれども、なかなか現状は変わっていかないと。大白浜の提案どこいったんやという話、やっぱり僕は仕組みというか、こういうものを新たに考えていくということが本当に大事かなと、改めて今感じさせていただきました。
そこで、県民局の話もあるんですが、河上市長さんのお話の中で、やっぱり地域の東紀州のヘッドクォーターみたいな機能が要るんだというふうに、こういうふうに聞かせていただいたんです。東紀州対策局という本庁レベルの仕組みと、あるいはこの地域のヘッドクォーター的な地域政策を本当に推進をしていくという、束ねる力といいますか、それぞれの市町村の良さをまちづくりを超えたところでの束ねる力みたいなヘッドクォーターの機能をやっぱりつくっていくということはとても大事なのかなという気もいたしておるんですが、もう一度、河上市長さんのそこらのヘッドクォーターの機能みたいなところのお話、もう少し詳しく聞かせていただけたらというふうに思うんです。
○河上熊野市長 ヘッドクォーターというのは、要するに塩谷町長さんが言われたように、平等に扱ってほしいという言葉を違う形で言ったのと同じで、調整能力を持つ人がいる必要があると。いわば県民局長さんのような調整能力を持った方がいなければ、どちらかに県民局長さんがいて、どちらかに副局長さんなのかわかりませんけれども、そういう形になれば恐らくその地域における調整能力というのは大きくは期待できないんではないかと。広域的な取り組みの際に一番必要になってくるのは、むしろ調整的な機能ということでございますので、そういうことをストレートに言うのはちょっとはばかったものですからヘッドクォーターという言い方をしましたけれども、私がイメージしているのは、まさに局長さんが両地域にいていただけることが非常に今後ますます必要になってくるんじゃないかというふうな思いでちょっと言わせていただいたわけです。
○桜井委員 良くわかる話なんです。全ての市町村長さんの共通の思いだろうと思うんですが、より強い地域の政策と、東紀州の未来への地域政策、これを推進する強力な求心力といいますか、そういうものがやっぱり要るのかなという思いも一部に感じさせていただいておりました。そこをどう判断をすべきかというところなのかなという気もして、個人的に思っておるんですが。わかりました。
それともう1点、例えば縦割りの弊害という、こういうのも大きなテーマであって、対策局の提案ですとか、仕組みの提案を今いろいろ検討させていただく必要があるんだろうと思っておるんですが、もう一方、例えば地域を総合的に、例えば今グランドデザインという方向、これは従来の広域市町村圏の計画のようなそれぞれの市町村のつくり上げてきたものの総和のようなふわっとしたものというよりも、むしろ今お話ありました東紀州全体の圏域を追っかけるようなグランドデザインをつくり上げていくと。
その推進体制として、県の組織の体制ももちろんなんですが、例えば南イタリアの対策局のお話、河上市長さん冒頭おっしゃられました、例えばイタリアあたりの、あるいはEUあたりの、あるいは州がやった特定の地域に集中的に財源を投下していくような手法というか、補助金の包括的・総合的なそういう仕組みがもう一方で要るのかなという気もいたしておりまして、そういう包括的・総合的な対市町村、あるいは東紀州全域に対する県の補助金制といいますか、そういうものについてのお考え方がありましたら、ぜひこの機会に少し聞かせていただきたいな。非常に個別の政策、ピンポイントの課題に対しては従来の仕組みでもやっぱりしっかり対応ができるんだと。額の多い少ないは別にしてですね。これを包括的に東紀州の一番の圏域をかけられる補助金の制度とは一体どうあるべきかというのは、一つ大きな今後の課題かなという気も個人的にいたしておりまして、この機会に少しご意見あったら聞かせていただきたいなというふうに思うんです。
○河上熊野市長 直接的なお答えになるかどうかわからないんですけれども、横断的な組織をすることによって新しい事業がやりやすくなるんではないかという思いは、さっきも言いましたように非常に強く持っていまして、園芸福祉を例に取り上げたのでそれで言いますと、園芸福祉は紀南県民局でいうと農政・商工部で検討をしていただきました。非常に精緻な検討をしていただいたんですが、それを実行段階に移すとなったら途端に予算がないと。そういう仕組みを実行する予算がないと。縦割りの発想が出てきて、それは恐らくこの県民局の部長さんなり担当者レベルで解決できる問題ではなくて、本庁レベルで別の枠組みの予算が用意されない限りは、恐らく実施に移すのは難しいだろうと。
そういう意味で、やはり対策局のような組織で縦割りから別枠のお金を持っていただいて、いわばプロジェクト、プロジェクトにお金をつけるようなやり方というのもひとつあるんではないかと。そうでもない限り新しい取り組みというのは、なかなか出てきづらいんではないかというふうに思います。
そういう意味では、沖縄開発局も実は中身を良く見ていくと、どうも縦割りの部分もあるようですが、それとは別にさっき言ったように調整ができるような、年度途中でどんな形でも使えるような枠の予算も用意しているようなんで、そういったこともひとつ参考になるんではないかと思いますけれども。
○塩谷海山町長 今のお話なんですが、私は今、北海道の開発庁にしても、沖縄総合事務所にしても、やっぱり県という単位、いわゆる道という単位があって、そこでちゃんと受け皿があるんですよね。それで、今東紀州を一つの単位で見ていただいてはおりますが、これには一つの受け皿というのがございません。
それで、私はそういうことも昔考えまして、合併の議論が始まったときに東紀州市というのをつくろうじゃないかということで8市町村を一つの町にしてはどうだろうかと。約9万5,000の人口がございますが。そうすることによって受け皿ができ、そして各市町村が同じようなことをやらなくても重点的に予算が配分できるんではないかと。そして、重点的に予算を配分して、例えば紀和町さんであれば温泉を核にして一つの発展をする。それが東紀州全体の市民の健康とか福祉とかそういうものにもつながり、また外からもそういう集客交流ができる。
だから、それぞれの持っている、これ同じような地域なんですが、やっぱりそれぞれ少しずつ違うんです。気質も町民性も市民性も、やっぱり地域のあり方も違うんですね。そういうものを生かそうとすると、やっぱりそういう核になる受け皿がなければ、県民局はもちろん良くしてくださいますけれども、事に災害ではその存在の意義が良くわかったんですが、それだけじゃなくて全体の行政ということを考えますと、やっぱりそういう受け皿が必要である。
ですから、この東紀州対策局というものが、まさに今まだ東紀州市というのはできておりませんから、それにかわる組織として大きな存在になり得るのではないかというふうに実は思うわけなんです。ですから、同じように予算を各市町村に同じ性格のものを配分しなくても、ここはこういうもので特化しようじゃないか、ここは重点的にこれをやろうじゃないかということが、この対策局をつくっていただくことによって、そういうものができるんではないかなという思いはしております。
○森本委員長 ちょっと時間の関係もあるので、ほかの委員の先生方、ほかにご意見がございましたら。
○橋川委員 市長さん方、また首長さん方、ご苦労さんでございまして、今日は非常にいいご意見いただきましてありがとうございました。
昨日は、実は尾鷲で民間の方々の各代表の方々からいろいろお話を伺いまして、非常に心強く思ったのは、それぞれミカン屋さんはミカン屋さんで頑張っているんだな。福祉の方は福祉の方で頑張っているんだなと。道づくりは一生懸命、命の道を全国へ売ってきとるなと。そういうふうなお話を縷々、また材木の野地さんは野地さん、一生懸命それなりの生き方をして頑張っていただいている。こんな話を昨日は聞かせていただいて、大変心強い思いもさせていただきました。
そういうことの中で、今日は首長さん方のそれぞれの悩み、これからの東紀州のいき方についてそれぞれのお話を伺い、また我々は前の懇話会から新しく特別委員会に衣がえをいたしまして、さらにこの話を進めていこうと。そして、対策部局をつくるところまで何とか、この勢いを何とかして実現の方向に向けていきたいなと、こんなふうに考えているところでございます。
今の沖縄の問題、やっぱり北海道の問題、これはやはり一緒でございまして、我々三重県にとりましてもやはり北勢とこの地域を比べた場合、はるかに一人当たりの年間収入額においても幾ら頑張ってもこちらでは200万円から250万円なんです。ところが、北勢へいくと400万円は楽に超えるんだと。それぐらいの差があるわけでございまして、個人的にも。やはり当然そうなってくれば東紀州に対しての、県がそれなりに面倒を見ていかなきゃならないということは一目瞭然でありまして、当然対策局をつくるということについては、恐らく積極的に取り組まざるを得ないんじゃないかなと。それに大して我々も十分これから努力をしていきたい。森本さんが今度委員長ということですので、非常に心強い思いで、萩野さんも入っていただいていますし、島本大先輩も入っていただいていますし、もう一つ総力を挙げてこれを成果を上げていきたいと、こんなふうに考えておるわけであります。
しかし、現実問題になりますと、これは例えば雇用を促進すると、どうやってするの。これ非常に難しい問題でありますし、じゃあ交流を深めていく、これはどういう方法があるの、これはもう非常に難しい、個々にとってみますと非常に難しい問題がここにございます。
そういうことの中で。私は、グランドデザインのことはここに書いてありますが、やはり東紀州なりの―何もないわけですから、何もない東紀州を、あるものというのは自然ですから、それをいかに100%生かしていくかという、あるものを生かすというようないき方でグランドデザインを、けばけばしいものを紀州にもってきたって合わないわけですから、ペンキ塗りかえたってはげるわけですから、そんなんじゃなしに紀州は紀州の良さを出した、そしてまた今の新しい価値観に沿った次の時代の日本人が望む日本の心のふるさとといったものをこの紀州に創造していくという力というものをここでつけていかなければならないんじゃないかなと。
昨日も少し民間の方々と話しをさせていただいたんですが、やはりスローライフに沿った生き方というのは価値が出てきたわけですから、それを実践できることはもうこの東紀州には全部そろっていると。だから、そのスローライフの生活が日本人のこれからの価値観としての志向であるならば、全国のリタイアした退職組を全部紀州に集めてこようよと。それは高齢化するかもわからない。いいじゃないのと。元気な老人たくさんいるよと。アメリカあたりのサンシティーだったら50代からリタイアする人は全部集まってきていますよね。そして、3万とか6万とかの都市があっと言う間にできているわけですから、やはりそこには健康というものが必要であれば、材木だって、あるいは今の園芸だって、あるいは要するにスローフードにしたって全部が全部紀州では、すべて健康につながるものがそろっているわけですよね。
そういったことを十分に紀州の良さを考えて、そういう新しいグランドデザインを考えていく、地元の方々と力を合わせてそれを我々としてはバックアップしていく、そういうふうな仕組みというのはこれから必要かな。
それから、個々の話になるんですけれども、例えばこの間テレビ見とったら、トンネルの再利用ということで、紀和町さんにもトンネルはあるわけですけれども、あそこに気圧を下げてそこでスポーツジムをすることによってできるというようなことも言っていました。今、熊野市長さんがおっしゃってましたスポーツに絡んだいろんな方々がいらっしゃるというんであれば、より以上高度なそういう施設をつくって、そこへスポーツ選手を全部集めてくる。そして温泉とそのトンネルの高地トレーニングを一緒にすることによって、日本の一番のスポーツのメッカにするんだというような発想も、トンネルとか、あるいは温泉、そしてまた年間とれるフルーツだとか、そういったもので日本中のそういうスポーツ愛好者、あるいは老齢化した人たちを紀州に集めるということによって、新しい労働力がそこでまた生まれてくるんじゃないかなというようなお話も昨日させていただきましたが。
やはり、そういったことも含めて新しい感覚によるグランドデザインを地元の皆さん方、力を合わせて我々とともにつくり上げていくということが、私は必要じゃないかなと、こんなことも考えておりますので、どうかこれを機会にますます現実を見つめて、理想ばかり追っかけとったってちっとも前へ進みませんので、身の丈というか、紀州は紀州のいき方があるんだというものを出して、一つ一つ実現していくという方向でぜひひとつお取り組みをいただき、我々にそういう意見具申をいただければ一生懸命努力していきたいとこう考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○森本委員長 ありがとうございました。
ほかにもご意見あると思いますけれども、11時以降会議のある市町村長さんもおられますので、一応今日の目的は皆さんのご意見を拝聴して我々が持ち帰って、それをどういう議論のテーマにするか、あるいはそういうような議論を踏まえた上で、私たちの意見をつくっていこうという催しでございましたので、十分皆さんのご意見は聞かせていただいたと思います。
それで、冒頭も申し上げましたように、どんどん地域へ出て県民のじかの声を聞くということを一つの私たちの活動方針にしておりますので、今後ももう一度皆さんとご意見をお聞きする機会はもう一回ぐらいはつくっていきたいと考えておりますし、私たちも今申し上げましたように、この委員会だけで特別委員会の中で議論するということだけに終わらずに、今我々がこの委員会で議論したものをもう一度全員協議会にかけるつもりでおります。それで、本会議というんじゃなくて議員全員協議会の中でひとつ議会側の総意として執行部に提言していきたいというふうにしておりますし、県民局の統合、あるいは東紀州対策局、これはまだ、これを設置するについては執行部の抵抗は非常に強いと思います。思いますけれども、9月ぐらいの議会を目途に私たちは県民局の統合、あるいは東紀州対策局については十分提言ができるような体制をこの日程の中でつくっていこうと思っています。
それで、橋川委員からも言われましたように、昨日は民間の方々も踏まえた非常に貴重な意見をいただいたところです。特に、いわゆる高速道路、道路というけれども、やっぱりそれを踏まえたまちづくり、地域整備というものができていかなければ道路づくりをしても意味がないんじゃないかというようなご提言もいただいております。
県民局の統合についても、下川町長さんが言われましたように、県の考え方もきちっとしておらんわけです。いわゆる細川内閣の腰だめみたいに「エイヤー」と言うて出してきて、知事自体が本当に熟慮した上に出てきた統合ではないような気がしますので、ここらも含めて今後私たちは皆さんと協力しながらやっていきたいというふうに考えております。
とりあえずは、そういうふうなことの中で、11時という決められた時間であれですけれども、今後はまたもう少し皆さんの時間調整をして、もう少し半日ぐらいぐっと聞けるような機会というものをつくっていきたいと思っております。
それでは、出席していただきました地元市町村長の皆さんには大変ご苦労さんでございました。私今申し上げましたように、皆さんの意見というものは十分県政の場に反映できるようにさせていただきたいと思います。改めまして、本当にご多忙の中、ありがとうございました。また、傍聴の方は少なかった、1人でしたけれども、今後は皆さんがどんどん傍聴して、県民の皆さんが傍聴していただけるような体制にして、やっぱりこれは私たちがつくっていかなきゃなりません。もう少しPRをしていきたいということでございますので、本当に各市町村長さんの皆さん、改めてお礼を申します。本当にありがとうございました。
それでは、委員以外の方は退席願います。委員の方はご協議願うことがありますので、そのままお待ちいただきたいと思います。ありがとうございました。
II 委員協議
1.次回の予定について・・・・再調整
〔閉会の宣言〕
以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。
平成17年 7月21日
東紀州地域経営調査特別委員長 森本 繁史