三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成16年度 委員会会議録 > 平成16年12月2日 予算決算特別委員会 会議録
予算決算特別委員会
会 議 録
開催年月日 平成16年12月2日(木) 10:00 ~ 15:00
開催場所 全員協議会室
出席委員 46名
委員長
西 場 信 行 君
副委員長
福 山 瞳 さん
委員
末 松 則 子 さん・中 嶋 年 規 君・稲 垣 昭 義 君・北 川 裕 之 君・森 下 隆 生 君・石 原 正 敬 君・舘 直 人 君・竹 上 真 人 君・青 木 謙 順 君・中 森 博 文 君・前 野 和 美 君・水 谷 隆 君・岩 田 隆 嘉 君・日 沖 正 信 君・前 田 剛 志 君・清 水 一 昭 君・松 田 直 久 君・藤 田 泰 樹 君・田 中 俊 行 君・貝 増 吉 郎 君・野 田 勇喜雄 君・木 田 久主一 君・山 本 勝 君・岡 部 栄 樹 君・森 本 繁 史 君・吉 川 実 君・田 中 博 君・森 本 哲 生 君・大 野 秀 郎 君・桜 井 義 之 君・舟 橋 裕 幸 君・三 谷 哲 央 君・中 村 進 一 君・溝 口 昭 三 君・島 本 暢 夫 君・永 田 正 巳 君・橋 川 犂 也 君・山 本 教 和 君・杉之内 昭 二 君・中 川 正 美 君・西 塚 宗 郎 君・萩 野 虔 一 君・辻 本 正 君・藤 田 正 美 君
欠席委員 1名
田 中 覚 君
知事 野 呂 昭 彦 君
副知事 丸 山 浩 司 君
出納長 土 橋 伸 好 君
〔総合企画局〕
総合企画局長 村 林 守 君
総合企画局理事
兼科学技術振興
センター長 石 川 裕 一 君
その他関係職員
〔総 務 局〕
総務局長 中 尾 睦 君
その他関係職員
〔防災危機管理局〕
防災危機管理局長 髙 杉 勲 君
その他関係職員
〔生 活 部〕
生活部長 宮 村 由 久 君
その他関係職員
〔地域振興部〕
地域振興部長 浦 中 素 史 君
その他関係職員
〔健康福祉部〕
健康福祉部長 本 多 隆 志 君
その他関係職員
〔環境森林部〕
環境森林部長 井 藤 久 志 君
その他関係職員
〔農水商工部〕
農水商工部長 石 垣 英 一 君
その他関係職員
〔県土整備部〕
県土整備部長 長谷川 寛 君
県土整備部理事 松 井 明 君
その他関係職員
〔出納局〕
副出納局長兼出納局長 杉 野 攻 君
その他関係職員
〔監査委員事務局〕
代表監査委員 秋 田 一 民 君
監査委員事務局長 田 村 惠 子 さん
その他関係職員
〔教育委員会
教育長 安 田 敏 春 君
その他関係職員
〔警察本部〕
警察本部長 飯 島 久 司 君
その他関係職員
傍聴議員 0 名
予算決算特別委員会総括質疑
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
〔総括質疑〕
(1)質疑・答弁
○西場委員長 おはようございます。ただいまから予算決算特別委員会を開会いたします。
本日は、本委員会に付託されました平成15年度一般会計及び特別会計決算にかかる総括質疑を行います。質疑の会派別の持時間は、午前中、自民・無所属・公明議員団60分、新政みえ60分、午後、自民・無所属・公明議員団60分、新政みえ60分でありますので、よろしくお願いします。
なお、関連質問については、同一会派内で会派の持時間の範囲内で認めることとします。
それでは、通告がありますので、順次発言を許します。
○杉之内委員 それでは、今、西場予算決算特別委員長のお許しをいただきまして、今回総括質疑のトップを拝命いたしました自民・無所属・公明会派の公明党の杉之内でございます。どうぞよろしくお願いいたします。このように知事と近場で議論ができるというのも、また本会議と違った雰囲気の中で質疑をさせていただくということで、しっかりと頑張っていきたいなと、こんなふうに思ってます。
私は、まずこの15年度の三重県歳入歳出決算に対する、まず冒頭、少し15年度の状況等を踏まえて内容に入りたいと思いますが、この平成15年度は特に大手企業は長引く景気の低迷から脱却の兆しを見せ始めておりますけれども、やや明るさが見えたかな、こんな実は思いもするわけでありますが、一方で個人消費は横ばいで推移をしておりますし、小規模事業者や個人の事業者は厳しい状況にあるなど、景気の回復を実感するには私はまだ十分に至っていない、こういう状況であろうかと思っております。したがって、本年も余すところ余りありませんが、それぞれ中小・零細企業の皆さん方はご苦労が多いのかな、こんな実は思いもしておるところであります。
そういう中で、県においては野呂県政のスタートに当たって総合計画「県民しあわせプラン」の策定、みえ行政評価体系を構築するなど、県民が主役のより価値の高い行政のサービスを徹底をしていくため、新たな仕組み作りに取り組んでいるというところでありますけれども、新たな仕組み作りに取り組んでいくという、この内容でございます。これは増加し続ける県債の残高、現在調整が行われております三位一体改革の問題、これも一応決着がつき知事は余り高い評価をしていないというのが先般の一般質問でも申しておられたようであります。なお、そういう中で本県を取り巻く諸情勢を考えますと、来年度当初予算も厳しい状況が続くのではないかと、こういうふうな危惧をいたしております。
このような状況の中で、県の基本姿勢であります県民が主役の県政、そしてまた県民と協働による創造する県政、県民とともに感性を磨く県政を推進をし、県民が幸せを実感できる社会を構築していく、これを支えるやはりこれはしっかりした財政基盤が私は必要であろうと。したがって、財政当局においては単年度収支のみとらわれることなく、将来を見据えて、今後とも適切な財政運営を行っていただくことをまず強く要望する中から質問に入っていきたいと思います。
その一つは、平成15年度の一般会計の決算、歳入決算額が平成10年度以降5年連続の減少、歳出決算額が平成12年度以降3年連続の減少となっておって、歳入歳出の決算額が過去10年間で最少の規模となっており、これは県民に対するサービスの低下が懸念されるのであります。また、単年度収支は平成12年度以降4年連続の赤字となっておりますが、実質単年度収支は4年ぶりに85億円を超える大幅な黒字となっております。そのため、基金の残高は1,017億円と3年ぶりに増加するなど、この平成15年度決算だけを見ますと、財政状況がやや改善したというふうには思いますけれども、今回の決算における改善状況をどうとらえていらっしゃいますか。そして、このような状況が今後も期待できると知事はお思いでしょうか。この点についてまずお伺いをしておきたいと思います。
○野呂知事 15年度の決算状況についてのお話がございました。ご指摘にありましたように、実質単年度収支というのは85億円の黒字となっておりますけれども、これは県税収入が当初予算の見込みよりも増加したことによるものであります。他方で、16年度当初予算におきましては、地方交付税であるとか、あるいは臨時財政対策債というものが大幅に削減をされます中で、財政調整基金を165億円取り崩すということにしたところでございます。
また、平成15年度の決算におきます各指標を見てみますと、財政の健全性を示しますところの経常収支比率は85.7%で、依然として弾力性を失いつつあるとされております80.0%を上回る状況でございます。それから、公債費負担比率は21.0%で、危険ラインとされております20%を3年連続で超えておるというような状況でございますから、したがって15年度に財政状況が改善されたかのような見方をされる場合もございますけれども、実は財政運営については非常に厳しいものだと、こういうふうに考えております。
なお、平成17年度当初予算につきましては、県税収入というのは楽観視できるような状況にはないということ、それから歳出面におきましても義務的経費が高止まりをするとともに、政策的経費もかなりの規模が予想されておりまして、大きな財源不足が見込まれております。さらに、三位一体の改革によりますところの国庫補助負担金であるとか、あるいは地方交付税の見通しというものは不透明な状況でございまして、財政状況としては一層厳しいものになると、このように考えておるところでございます。
○杉之内委員 今、知事の方からご答弁をいただきました。確かに財政運営の問題においては、本年の9月の台風と集中豪雨、緊急の場合に必要になる財政需要の対応、こういったこと等々考えますと、今、知事が言われましたように経常収支比率が85.7と、本来適正とされる水準75%を大きく上回っているというこういう認識もされました。そして、公債費の負担比率では20%をオーバーする、こういった危機的状況というこういう知事の認識もされましたですね。
したがって、今後の少子高齢化の進展などますます社会経済環境の変化が加速する中で、私は新たな時代のニーズに機動的に対応していくためには、できる限り財政の弾力性を確保する必要があると考えるわけでありますが、その中で今後の財政運営において17年度どのような対策をお考えになりますか、まず具体的に何かございましたら知事の方からお答えいただければと思っております。
○野呂知事 財政の健全化ということは非常に大事なことでございまして、行政サービスを持続的に県民に提供をしていくということが県政にとって最大の使命であると、こういうふうに思っております。そういう状況の中で、財政の弾力性を示す指標も極めて厳しい状況の中にあるというようなことでございますから、今後、17年度以降につきましても、予算の編成についてもそういう厳しい状況を踏まえて取り組んでいかなきゃならんと思ってます。特に、財政の弾力性を確保していくという観点からいきますと、公債費であるとか人件費等の義務的経費であるとか、あるいは物件費、こういった一般行政経費を抑制するというようなことが必要でございます。
したがいまして、こういったことにも留意しながら、私としては選択と集中、より重点化したより効率的なそういった施策の展開をしてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
○杉之内委員 どうぞひとつ17年度につきましての予算は、そういったことをしっかり踏まえて弾力的に対応していただくことを、まずご期待を申して次の質問に入ります。
次の質問でありますが、一つ飛びまして、時間があれば入りますが、地震等の災害対策の件につきまして質問させていただきます。
これは、台風21号に伴う集中豪雨によって死者9名、行方不明者1名を出すなど、本県にとりましても大変大きな被害をもたらしました。また、その後発生した新潟の中越地震の災害状況を見るにつけて、東海地震の地震防災対策強化地域、東南海・南海地震防災対策推進地域にまず三重県も指定をされておるわけであります。防災対策の危機管理対策の重要性を改めて私も思い知らされたところでもございます。
そこで、今回の15年度の監査委員の決算審査意見書によりますと、地震自然災害対策について16年度9月に発生をした紀伊半島南東沖の地震や台風21号による災害に当たって、防災情報の伝達、被災情報の収集、高齢者等要援護者の避難対策等に課題が見られたとこう記されております。また、橋梁の耐震化については、県管理の緊急輸送道路において耐震補強工事が実施済みであるのが246橋、63%と記されております。未実施であるのが144橋、さらに避難所になることも想定される学校施設の耐震化等については、耐震診断未実施の棟数が県立学校で172棟、公立小中学校では332棟あるとされております。
こうした県民の安全・安心に係る課題については、最優先で私は取り組む必要があると考えますが、それぞれどのような対策をお考えでありましょうか。これも伺っておきたいと思います。
○髙杉防災危機管理局長 今年は本当に自然災害の多い年でございまして、特に9月5日の紀伊半島南東部の地震、そしてまた21号台風と、県下で甚大な被害を生じたわけでございます。紀伊半島の南東沖の地震につきましては、情報伝達の収集の点につきまして気象庁による情報発信の遅れ、また市町村から住民への避難勧告、実は18市町村が対象となっておりましたけども、この勧告についてばらつきがございました。また、この状況につきまして、発令状況につきまして、県の把握の状況が遅れたことも私は課題であると思ってございます。
また、実際住民の避難につきまして、避難直後に県民の意識調査を行いました。この中でひとり住まいの方が避難に時間がかかるということで、実際に避難をされなかったという事実も判明しているところでございまして、要援護者の対策は緊急の課題というふうに認識しているところでございます。
また一方、21号台風につきましては地域の冠水状況、こういった点につきまして詳細な状況把握、早期の把握、これに遅れがございまして、迅速な初動対応、また応急対応に遅れが生じる場合があるという危機感を持ったところでございます。
これらの状況におきまして、気象庁の遅れにつきましては、我々きちっと改善されたということを報告を受けてございます。また、地域住民の方に対しての伝達につきましては、確実に伝達されるように市町村ともそれをいかに構築していくべきかということで、市町村と意見交換を行っているところでございまして、津波対策につきましては的確に勧告をされ、また住民の方が行動を起こされるよう対応していきたいとこういうふうに考えてございます。
それから、被災情報につきましては、現在市町村、または防災関係機関から現在収集をしているところでございますけども、被災の規模によりましては直接県民局等が現地に出向きまして情報を収集する仕組みを検討していきたいというふうな考えでございます。また、地域の冠水状況などから、これらにつきましても道路管理者、警察等の関係機関と協議を行いながらその応急対策を早急にやっていきたいというふうに考えているところでございます。
またさらに、災害時における情報の共有化を図るということも踏まえまして、自衛隊、警察、また海上保安庁等との防災関係機関で構成してございます防災危機管理関係機関連絡会議、これを開きまして意見交換を行いまして、より体制の強化を図っていこうということでやったところでございます。
また、緊急の課題でございます高齢者の問題でございますけども、現在、大学や福祉関係団体、または行政の委員会になります検討委員会というものを去年設置をしたところでございます。それで、今年度三重大学との共同研究によりまして、今年、四日市そして鳥羽市をモデル地区として今事業を進めているところでございまして、当該地域における災害時の要援護者対策の課題の抽出を行いまして、具体的な対策また検討を行いまして、今後の取組の推進に向けてつなげていきたいと、こういうふうに考えているところでございます。
以上でございます。
○長谷川県土整備部長 それでは、橋梁の耐震化についてご答弁申し上げます。
平成7年1月の阪神淡路大震災による橋梁被害の経験から、橋梁の震災対策といたしまして平成8年度に指定された緊急初動に係る橋梁につきまして、平成8年度から15年度までの8年間で246橋の落橋防止装置の設置に取り組んでまいりました。ご指摘の未実施の144橋につきましては、現在の事業費ベース、約3億円でございますが、年間20橋程度の整備を進めて、平成22年、2010年までに完了いたしたいという計画でございます。
以上です。
○安田教育長 学校施設の耐震化についてお答えを申し上げます。
まず県立学校の校舎でございますけれども、平成9年度から10年計画で耐震化補強工事を進めておりまして、平成16年5月現在で棟数でいきまして73.2%、面積では82.5%が耐震化を終えております。今、ご指摘のありました診断の未実施の172棟でございますけれども、特にこの中に多い体育館につきましては、本年度中にすべて診断を終了をすることにしております。残りの施設につきましても18年度までには完了したいというふうに思っているところでございます。
また、市町村立の小中学校の施設でございますが、こちらの方は面積で67%、棟数で67.5%となっておりまして、棟数では全国平均は49.1%でございますので、かなり全国よりは前へ進んでおりますけれども、ただまだこういう数字にとどまっているというのが現状でございます。また、こちらの方の診断未実施は332棟でございますけれども、これは17年度までに各市町村で計画的にやっていただくということになっております。
いずれにいたしましても、教育委員会といたしましてはこの耐震補強整備は学校施設整備の中の最重点課題ということで計画的に取り組ませていただいておりまして、県はそのような形で進めさせていただきますし、また市町村につきましては防災危機管理局と十分連携をいたしまして、早急にこれが整備されるように要請をしてまいりたいと、このように思っているところでございます。
以上でございます。
○杉之内委員 それぞれ部局からのご答弁ありがとうございます。
一つここで確認をしておきたいんですが、今年は特に髙杉局長のところではいろんな意味でお忙しかったと思います。それと、連携プレーもしっかりとれておるようにも伺っておるわけでありますが、今、我々各府県回ってましても、拠点というんですか、防災の中枢といいますか、そういったのが各きちっとでき上がっておるわけですが、三重県がそれをなぜやらなかったかというと、三重の場合は特にIT環境を先行していったという経緯がありまして、今、私は当時その現場を見たり、そして本庁の現場を見せてもらってますが、大変難儀をしておるような気がいたしまして、本当にあそこで三重県の県土の全体、そしてまた安心・安全を発信できるのかなと、こんな実は思いがいたしておりますので、これらについて実質予算もかかるわけでありますけども、何かもう少しきちっとした一考を加えて、もう少し現場の皆さん方が的確なお仕事ができるような、そういったやっぱり拠点のシステムがあってもいいのかなと、こんな実は思いがいたしましたので、これはひとつ十分また機会ありましたらご検討いただければと、こんなふうに思っております。
それから、橋梁の問題、学校の問題については、それぞれご答弁いただきました。2010年と、そしてまた学校においてはそれなりの計画のもとに進めておるということでございますので、これは大変予算も伴う事業でありますが、いつ災害が来るのかわかりません。そのことを念頭に置きながら、私申し上げたことをしっかりと今後鋭意進めていただきますことを特にお願いを申し上げておきたいと思います。
次に質問に入ります児童虐待防止と子育ての問題でございますが、今後私たちが乗り越えていかなくてはならない大きな課題の一つが少子化への対応であると思います。特にこれからのおおむね10年間というのは、第二次のベビーブーム時代が子育て期を終える時期にありまして、県としても関係者と協働し、必要な対策を重点的に実施していく必要があると考えます。
また一方、子どもを取り巻く状況を見ますと、家庭内の教育力のまず低下というのを出されますけれども、そして仕事と家庭の両立、深刻化する児童虐待といった非常に厳しい状況にあります。県においても次世代育成支援の行動計画を策定中というふうに伺いました。また本年の3月に私たち議員提案で成立しました、子どもを虐待から守る条例の施行には積極的に取り組んでいただいておるところであります。また、一般質問の中でも石原議員が質問されたと思いますが、特に部長の方では本部を、要するに拠点を本庁に置くというようなお話も出ておりました。
そういったことを今後進めていくんだろうなというふうに思いますが、私はこれについて15年度の監査委員の内容の中から2点に絞ってまず伺っていきたいと思います。
一つは、次世代の教育支援の問題です。これは各種保育施設の充実もさることながら、放課後児童クラブの充実が求められているというふうに私は認識しております。県内の放課後児童クラブの普及は全国的に見ても三重県は進んでいない。これたしかあのときの説明では全国45位とかいうふうに伺ったんで、これはちょっとどうなのかなと思ってこれちょっと取り上げたわけでありますが、放課後児童クラブの実施主体というのは市町村でありますが、市町村も頑張ってもらいたいと思いますけれども、県としてこの進んでいない状況、これやっぱり責任が私はあると思います。したがって、どういうふうな把握をし、分析し、そしてまた普及をさせていこうとしておるのか。この点についての17年度の考え方を伺っておきたい。現状どんなふうでしょうか。
そしてもう一つ、児童虐待防止についてでございます。これは悲惨な事態に至らないように未然防止に努めるとともに、残念ながら発生して起こりやすいケースも幾つかあるわけでありますけれども、これは早期に発見し適切に対応していくことが、これはもう喫緊の求められているところであります。そういったことから、地域ごとに関係者の児童虐待防止ネットワークの構築が重要だと私は考えますが、全国的に見ても市町村ごとの設置は必ずしも進んでいない状況にあります。また、先日は国会において児童福祉法の改正が成立をいたしました。来年からは児童相談所に関する市町村の役割が明確にされてくるわけでございます。
このようなことを踏まえていきますと、県として市町村における児童相談の実施、児童虐待防止ネットワークの構築に対しては、どうしてもこれはしっかりとしたものを作り上げていかなくてはならないであろうとこう思いますが、これについてのご所見をお伺いをしたいと思います。
○本多健康福祉部長 それではお答えを申し上げます。
まず第1点の放課後児童クラブでございますけれども、委員ご指摘のように本県は設置割合が非常に低い状況になっておるわけでございます。こういったことも踏まえまして、県といたしましては各市町村や関係団体との意見交換を行うなど、放課後児童クラブ設置における課題の整理を行ってきたところでございます。さらには、実際に放課後児童クラブの設置を行う際には小学校などの協力が必要でございますので、関係者との意見交換を行って理解を求めているところでございます。
今後とも、県といたしましては関係者と連携しながら設置に向けた適切な支援策を講じてまいりたいというふうに考えております。
続きまして、児童虐待防止のネットワークでございますけれども、これにつきましては県内全市町村への設置を重点プログラムの目標として掲げておりまして、市町村に対する助言等の支援を行ってきたところでございます。ご指摘のように、先日成立をいたしました改正児童福祉法におきましてもこのネットワークが位置づけられ、市町村の児童相談に係る役割が明確化されたところでございます。
そういったことも踏まえまして、市町村との意見交換を行うなどして、今後市町村に対する必要な支援を行ってまいりたいと考えております。今後とも児童相談などにつきましては、子どもを虐待から守る条例や改正法の施行を踏まえまして、関係機関と連携の強化を初めとした県内体制の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○杉之内委員 あと少し時間がございますが、最後の私質問するのを少しやめまして、先日、監査委員から15年度の決算概要説明等を伺いました。それで、それぞれ強力に取り組んでいかれたいとか、取り組まれなければならないとか、こういったことが実は各関係部局に、皆さんのお手元にも入ってると思います。これは大変私たちも重視をしながらも、今回の秋田代表監査委員の言葉というのは、ずっと毎年やってますが、少しずつ厳しい内容になってきておるということは非常に私はいいことだと思ってます。今まではどうしても同じ職員の中でありましたがために、少し遠慮して言葉が和らいだりということがございますが、的確にとらまえておられるということでは非常に高くまず評価をしておきたいと思います。
したがって、あと各部局の皆様方はこの総括を受け止めて、そして来年度には必ず反映していくんだということになってると思いますが、私たちはそれについては当初予算を見ない限りはその成果がわからない。今回、私どもにいただきました行政監査評価表というのもいただきました。これらもなかなか細かく書いてございました。したがって、せっかく時間をかけて相当の皆さん方が現地へ赴いて、そしてそれなりの実は実態を把握したものを各部局に渡っておるわけでありますので、これらについてはしっかりと次への足がかりにしていくことを求めますが、最後にどうでしょうか、知事のご所見がありましたらお伺いいたします。
○野呂知事 平成16年度の定期監査につきまして先般私の方も報告を受け、仔細を見させていただいてます。この中で例えば、これは毎年大きく指摘されておりますけども、未収金対策でございますとか、それから県単工事の契約変更について、非常にその割合が多過ぎるのではないかとか、その他先程から少しご指摘も具体的にいただいておりますけど、幾つかの点についてご指摘を受けておるところでございます。
私は三重県の監査委員会、大変監査委員の皆さんご努力をいただきまして、極めて詳しく、そしてつぶさに見ていただき、また政策的にも貴重なご提言もまとめたような形での監査をいただいておること、心から敬意を表するとともに、これをしっかり受け止めてそして私も行政を、施策の展開をしていく中で十分に生かしていくということが大変大事だと思ってます。
そういうことから、今回いただきました定期監査の報告につきましても、昨日戦略会議をやりました際に私の方から部長を初め幹部職員に対しましてこれをしっかり受け止めて、そしてその改善をしっかり果たしていくということが大事だということを指示したところでございます。それがために、今後いろんな形でこの監査結果報告を踏まえた取組をぜひ具体的にさせていただきたいと、このように考えておるところでございます。
○杉之内委員 ありがとうございました。どうぞひとつ知事、17年度予算期待をいたしておりますし、それぞれ各部局の皆様方もどうぞひとつその点、県議会の質問にもあったり、そしてまた私どももいろんな意味で提言申し上げたこと、行政と議会は両輪のごとくというふうに知事はいつも言われておりますので、その点のことをしっかりと踏まえて本当にすばらしい17年度予算になりますように、心からご期待を申し上げまして、私の持ち時間もありませんので質問を終わります。ありがとうございました。
○永田委員 ちょっと30分と言われましたけど、私お譲り10分しました。議会改革の第1分科会でこの予算決算委員会をまとめさせていただいた座長として初めての総括質疑でございます。全国に先駆けてのことでもございますし、今もいろいろと話しておってまだまだ出だしだから改革すべきはもう少し見直しをすべきだなと、今ちょっと話しとったところでございます。とりあえず出発でございますんで、このような形でやれること本当に感慨ひとしおでございます。本当にうれしく思っております。
さて、順に短時間でございますので、通告に基づきまして入らせていただきますと、先程の杉之内委員が15年度の決算につきましては総体的にいろいろ論じていただきましたので、私もこのことについてどうしてもこれは私なりに一遍質問もし、皆さんの注意を喚起をしておかなきゃならないとこういうふうな思いから、県債についてを通告させてもらいました。
そんな中で見ますと、いよいよこれ9,733億円、こういう県債残高になっておるんですね。いよいよもう1兆円が目前に迫ってきておるわけであります。そんな中で、一遍この問題についても多くの議員が本会議でもいろいろと議論されておりますので、ちょっと屋上屋になるかもわかりませんが、せっかくの予算決算特別委員会でございますので、この件についてどうしても私自身も触れなきゃならないと、こういう思いでございます。
過去もちょっと一遍見てみますと、平成3年度には2,000億円であった県債残高が年々増え続けまして、平成15年度には初めて9,733億円になってしまったと。12年間でこれ3.3倍にもなったわけでありますね。その間、平成11年度には一般会計の当初予算規模を、平成13年度には決算規模をも上回ってしまったわけであります。また、ここ数年は地方交付税の財源不足の一部が赤字県債である臨時財政対策債に振りかえられたことにより、県債残高は依然として増加傾向が続いておるわけであります。一体どこまで続くのかなという、こんな不安を感じざるを得ないんですね。
県債というのはそれぞれの世代が公正・公平に負担するという観点から発行されるものですが、我々の世代がした借金を子どもや孫の代に押しつけることにもなるんだということを十分私どもは認識しておかなければならない。公共施設を整備することも必要ですし、社会資本を整備するための公共事業を行うことも必要なんですが、しかし、子や孫の世代に多額の借金を押しつけるようなことがあってはならないと。確かに先程もありました選択と集中、これも十分理解できます。必要な事業は行っていかなきゃなりません。そこで、この県債について2点程この際お聞きしておきたいのでありますが。
1つ目は、県債残高が増え続けておりまして1兆円に達するのも間近だと今申しましたが、現時点でこれからの見通しを一遍お聞かせください。これが1点目。2点目は、健全な財政運営のためにも県債残高をいかに減らしていくかということがとにかく大事なんです。県債残高の減少に向けてどのように取り組んでいくつもりなのか、この2点についてとりあえず一遍お聞かせいただきたいと思います。
○中尾総務局長 県債残高の見通しと今後の取組についてのご質問でございます。
委員、まさにご指摘のとおり県債残高は増加の一途をたどっておりまして、将来的な公債費負担の増加、財政の硬直化が懸念されておりまして、この点につきましてはまさに財政運営上の大きな課題であるというふうに認識いたしております。
まず、県債の元利償還金に当たります公債費でございます。16年度における公債費につきましては958億円に上っておりまして、当初予算の一般会計歳出総額の約14%を占めるという結果となっております。また、県債の残高でございます。先程委員は特別会計含みの数字でお示しいただきましたけども、一般会計ベースだけをとりましても9,318億円というふうに、これは12月の補正後でございまして、災害関係の起債も含んだ数字でございますけども、かような数字となってございます。今後につきましては、財政問題研究会の試算でもいずれ1兆円というふうなことを懸念しておるわけでございます。
こういう状況の中で、将来的にも公債費を抑制いたしまして財政の健全化を進め、持続可能な財政運営を行っていきますためには、毎年度の県債の発行額そのものを引き下げて、県債の残高を抑制していくということに取り組む必要があろうというふうに考えております。
他方で、これも委員ご指摘のとおりでございますけども、毎年の県債の発行額を引き下げるということは、これを財源としております事業の規模に直接影響をするわけでございます。したがいまして、毎年度の予算編成に当たりましては、そのバランスを十分に考えていかなければならないというふうに考えております。また当面、先般の台風被害に係る災害の対応につきましての起債も必要になってこようかと思います。
こういう中で、将来にわたりまして県財政の弾力化を確保するためには、事業の選択と集中を進めることによる歳出そのものの見直し、それから県税収入の確保など様々な取組によりまして、県債に過度に依存しない財政運営を行っていくことが重要であるというふうに考えております。
○永田委員 大変苦しいやりくりはわかります。北川県政のときには、あれもこれもから集中してあれかこれか、こういう言葉が議場に飛び交っていつもそのような議論をしたわけですので、選択と集中も同じようなことだろうと思うんですが。
ただ、あの段階でかなり北川県政時代にあれもこれもからあれかこれかと、こういうことを言いながらもかなりあの段階で膨らんだんですね。これはやっぱりあのようなことの再現のないように、やっぱりまさしく野呂知事にかわりまして選択と集中、これは本当に真剣にやっぱりそこは知恵の出しどころだと私は思っておりまして、今後の財政運営上県債の問題についてはぜひ慎重に、しかも英知を結集して、知恵でやっぱりここらへんは取り組んでいただくことを強く望んでおきたい、こう思います。
次に、次世代育成支援対策についてでございますが、先程の杉之内委員も申されて、例えば児童虐待等、あるいは放課後児童施設の問題を言われましたが、私ちょっと観点を変えまして、少子高齢化ということが言われてから久しいわけであります。私はやっぱり少子化対策ということが、本当に大事な時期にありますし、そしてこれ先送りするということは許されぬ問題だと思うんです。いかに少子化に我々自身が取り組み、そしてそれなりにその方向づけをしていくか。なかなかこれは時間がかかることでございましょうから、そう簡単に今日言って明日できることではないんですが、しかし、我々はもう絶えずこの問題について心を一つにして取り組んでいく必要があると思うんです。
いろんな議論をするわけですが、この世に生命の誕生がなくして何の議論ができますか。問題は、私は根幹はこれだと思うんです。これを真剣に取り組まないと、私は幸せな三重県とは言えない。これです。したがって、この問題について根本的な知事の―何がこう少子化で1.26にさせたのか、こういう一遍お考えのことをお聞きしたいなと。まず、冒頭ひとつ知事のご所見だけお伺いさせていただきます。
○野呂知事 少子化の問題についての認識、大変深刻であるということは私もご指摘ありました気持ち、全く同じでございます。日本の合計特殊出生率につきまして平成元年に1.57となって、実はそれまでに昭和41年に丙午で1.58であったのを下回ったということで1.57ショックと、こう言われたわけでございますが、実はその後もずっと減り続けまして昨年が1.29となっておるというようなことでございます。
それで、少子化の背景とか要因についてでございますけれども、いろんな指摘ございますけれども、厚生労働省の人口問題審議会の報告によりますと、晩婚化の進行による未婚率の上昇が主たる原因であると、こう言われておるところでございます。例えば20歳代後半の女性の未婚率というのは、平成2年に4割であったものが、10年後の平成12年には5割を超えるというような状況にまできておるということでございます。
こうした背景につきまして幾つか上げてみますと、1つは職場優先などの雇用慣行であるとか、企業風土、こういったものがあるとか、あるいは育児の負担感であるとか、仕事との両立の負担感であるとか、それから女性の高学歴化、社会進出といった点であるとか、あるいは個人の結婚観であるとか、価値観の変化、こういったものがございます。それから子育てに関する経済的負担であるとか、あるいは子育てに要する時間的負担、こういったものも影響しておると言われておるところでございます。
少子化ということについては、こうした様々な要因が影響をしてきておるということでありますが、子どもを産み育てるということを喜びと感じられるような、そんな社会作りをしていくことが必要でございまして、そのために総合的、横断的なそんな対応が必要であるのかなと思っております。私としては、知事に就任しましてこの問題非常に大きな問題だとこう思っておりまして、「県民しあわせプラン」におきましても、重点プログラムの中に取り上げさせていただいておるところでございます。
それから、今後のことでございますけれども、今策定中でございます三重県の次世代育成支援計画、これに基づきまして、これからしっかり推進をしてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
○永田委員 ありがとうございました。大体知事のおっしゃること、概要わかりました。
私は、個々の問題も大事なんでしょうけれども、実は先日我が会派の同僚とスウェーデンにやっていただいてまいりましてね、スウェーデンは、私は意外だったのは出生率1.9なんですよ。これ意外でした。私は福祉先進国だからもう少し低いものだと思ったら全然違うんですね。今や上昇トレンドなんです。欧米先進国に比べて見てみますと、アメリカも上昇トレンドですね。フランスも上昇、スウェーデンはぐっと下がってきたんですが、また2000年ぐらいからずっと上がってきておるんですね。それで1.9になっとると。デンマークも大体よく似たことなんですが。
ただ、いろいろ聞いてみますと、いろいろ施策はやってますが、何といってもこの問題に対する国家国民の課題の問題意識の共有ですね。全国民の問題意識の共有、これに尽きるんじゃないかと。そんな中でいろいろな施策が打たれてるわけですが、その打つ中でこれではいかんなと。やっぱり我が国の将来のためにはこれではいかんのやというやっぱり国民全体の共有、こういうものがなきゃやっぱりこれはいくら言ってもこれは絵にかいたもちに帰してしまうと。こういうことからして、やっぱり三重県政としてはこの問題金かけるだけじゃなくて、この問題にどうやっぱり県民の意識を盛り上げていくか。これにやっぱりもう少し注力をすべきだと、このように思ってなりません。
したがって、三重県においては何となく出生率の数字がどんどん上り調子に上がってきたよと、何でやろうと、こういうやっぱり全国からそういうような目で見られるような、そういうやっぱり施策を一つお願いしたい、こう思うわけであります。
ちなみに、ちょっと時間もありませんが、15年度予算を見てみますと、かねてから私もしょっちゅう言ってるんですが、マトリックス予算ですね、これがあらゆる関係部、生活部、健康福祉部、環境部、農林水産商工部、教育委員会、県土整備部、これありますが、これが15年度予算は111億マトリックス予算ですね、これなんですわ。16年度の予算をまた見てみますと、増えてますね、これ。16年度はね。138億円。こういう増加は見られるわけでありますけれども、私は重点プログラムの中にあるんですが、これはもう本当に三重県政としては重点プログラムの中のもう最重要のプログラムとして、これはこれからもご配慮をいただくことがまず先決じゃないかと。それがやっぱり少子化を上昇トレンドに三重県政が向いていかせる一番私は大きなことだと、このようにも思っておるわけであります。
したがって、一遍この取組について関係部長さん、所見を聞かせていただけませんか。
○本多健康福祉部長 次世代育成の取組でございますけれども、知事も申し上げましたように、国で次世代育成支援対策推進法が成立しまして、それに基づきまして現在三重県次世代育成支援行動計画を策定をしておるところでございます。この中で、県が行うべき環境整備等総合的な対策を講じていきたいというふうに考えておりますし、それに加えまして委員ご指摘のようにやはり県民の意識を盛り上げていくということも大変重要でございますので、その中で支え合いの仕組み作り、そういったものに取り組んでいきたいというふうに考えております。子ども、親、子育て家庭に対する支援は県などの行政だけが行うものではないということで、できるだけ様々な団体、あるいはまた県民の方にかかわっていただきまして、身近な地域において多様な人がかかわっていただくような、そういった仕組み作りを進めていきたいというふうに考えておるところでございます。
予算につきましては、重点プログラムにも掲げておりますので、そういったところで予算への対応を図りながら、各部と連携して今後さらに効果的な施策の推進を図っていきたいというふうに考えておるところでございます。
以上でございます。
○永田委員 ありがとうございました。ちょっと時間もないんで余りやれないんですが、次世代育成の支援対策推進法の政策の立案はいつまでやって、各市町村もいつまでやってというひとつ期限、あまり明示されてませんね。
それと、推進法の中を見ますと、従業員が300人以上の民間企業もこの対策について出させるようになってるんですよ。私は300人以上っていう企業が何社あるのかわかりませんが、何社ですか。それでは県民全体を盛り上げることはできないと思うんですよね。だから、もう少し従業員数を下げるなり、あるいは中小企業まで対象にするなりして、そういうものを三重県単独ででもそういう意識を盛り上げるために対策をやらすべきだと、こういう思いです。したがって、もう時間もありませんので、ぜひひとつ私の願いを聞き取ってください。この法律だけではだめです。もう一遍三重県版、やっぱり次世代育成支援を打ち立ててほしい。これ特に要望しておきます。
せっかくの時間、もう農林水産、1分でございますけれども、ここにもありますが、やっぱりこれほどまでに食料の自給率やあるいは安全・安心のこの問題が、これだけ国民の間でクローズアップされてくるということが余りないんじゃないですか。そんな時期にやっぱり農政という問題をもっと真剣に取り組んでほしい。食料、これは何をさておいてでも衣食住、やっぱり食ですよ。その三重県版農政をもう少しやっぱり力を入れてやってほしい。地産地消、大分やってくださっていますが、まだまだ県民の中に余り見えてこない。さらに一層地産地消について力を入れて、県民のやっぱり前に、あっこれが地産地消なんだなということをわかるようにして、実際自分たちが口に入る、そういう地産地消であっていただきたい。まだまだ人事のような県民の中でそんな空気もないでもないですよ。これにさらに一層やっていただきたいことを特に要望しておきまして、何か所見があればお聞きしておきたい。
○西場委員長 申し合わせの時間が経過しましたので、速やかに終結をお願いいたしたいと思います。
○野呂知事 大変大事なことだと思っております。農業の果たす役割につきましては、食料の供給だけではなくて多面的な機能を果たすというようなことでございますから、ご指摘ありました地産地消、そういったことを中心とした取組、それからまた新しい観光プラン等におきましても、これを総合政策としてこういった地元の地場産業、農林水産業も絡めて展開をしていきたい、こう思っておるところでございます。
○永田委員 どうもありがとうございました。ちょっと延長させていただきまして、すいません。
○三谷委員 桑名郡選出、新政みえの三谷哲央でございます。
予算決算特別委員会は、決算審議と予算審議を一つの委員会で行う全国でただ一つの委員会であり、その目指すところは決算審議の結果を予算に的確に反映していただくということでございます。その意味で、本日の審議内容をぜひとも来年度予算編成に生かしていただきたい。反映させていただきたい。とりわけ本日は総括質疑となっておりますので、個々の事業の決算内容などにつきましては後日開催されます常任委員会分科会での審議にお任せするとしまして、私自身もなるべく一般質問にならないように、また枝葉末節にとらわれるような議論をせずに、できればオール県庁の議論で行っていきたいと、そのように思っておりますので、知事の方もそのようなお気持ちでひとつご答弁をお願いを申し上げたいと思います。
15年度というのは、北川前知事から野呂知事へと替わった年でございまして、15年度予算も骨格予算として北川さんから野呂知事に引き継がれたということでございます。しかしながら、骨格といいながら景気に配慮する景気対策等がありまして、骨だけではなくて筋肉もしっかりついておった。知事に言わせれば筋しか残ってなかったと、そういう予算であったと思いますが、その決算の内容を野呂知事にお伺いするのはいかがなものかとこう思うんですが、行政の継続性もありますし、6月補正、9月補正等ございましたので、知事に大きく3つの点でお伺いをさせていただきたいと、こう思っておるところです。
先程述べましたように、15年度予算は北川前知事の最後の予算であります。その決算審議をするということは、ある意味で北川県政のいろんな課題を総括するということになってくるとこう思いますし、また少しでありますが、野呂カラーっていいますか、野呂県政の目指しが少し見えているところもございますので、来年度予算、つまり野呂県政2年間の評価にもつながってくる部分があるんではないかと、そんな思いで質問をさせていただきたいとこう思います。
まず最初に、新価値創造予算についてお伺いをいたします。この予算は15年度予算の中で野呂知事が査定をされた数少ない予算の一つであります。今さら申し上げるまでもなく、新価値創造予算は北川知事の時代に21世紀に向けて新しい価値創造のための事業の構築を目指して、部局間のコンペ方式でプレゼン等を三役の前でして決定をするなど、今までの予算査定とはかなり趣の異なる大胆な方式を取り入れた予算枠であります。
15年の第2回の三重の財政を見ますと、6月補正の欄に新知事のもとで新価値創造予算コンペを実施し、とこう書いてあります。14億4,600万円の新価値創造予算が示されておりまして、その内容は26本、ネーミング等かなり苦労されておりまして、やはり受けなきゃいかんというか、アピールがないとなかなか採用してもらえないというところもあって、ネーミングにかなり苦労をされております。なかなかおもしろいものがありまして、ちょっとご紹介させてもらいますと、待ったなし!耐震化プロジェクト、これは前に何か待ったなしの割には金が少ないじゃないかというのがありました。それから警察の関連ですと、広域環境犯罪スーパープロテクト事業とか、サイバーポリス110番とか、よくわからんのがあるんですが、それから県土整備部ですと、建設業及び入札契約制度のパラダイム転換事業、これがどうパラダイムが転換したのか、パラダイムが転換しつつあるのか、本当はここでお伺いしたいんですが、分科会の楽しみにちょっと残しておいてですね、今日はそれはお伺いはいたしません。
こういうふうな事業がありまして、最初に知事にお伺いしたいのは知事の予算の初仕事とも言えますこの新価値創造予算についての成果とか評価、それをまずお伺いしたいなとこう思ってます。
実は昨日地元の某団体の忘年会に出席しておりましたら、主催者の人が「今年は天気も悪かった。景気も悪かった。来年はやる気で良い年にしたい」なかなか上手なあいさつをされたところなんです。それで、私もそれはなかなかええことやなと思とったんですが、私どもも今年災害も非常に多く、景気も上向いてきたとはいえまだまだいまひとつということで、やはり職員のやる気を引き出すような予算編成をするということが、これ非常に大切だとこう思っております。その意味で、この新価値創造予算枠の設定というのは、職員のやる気を引き出すという意味ではなかなかおもしろい試みであったと、私自身は思っておりますが、予算査定のこういう方法も含めて知事のお考えをまずお伺いしたいと思います。
○野呂知事 私が知事に就任しまして初めて査定をいたしましたのが、15年度6月補正予算でございました。それで、筋だけ残っておったということですが、筋ほども残っていなかったんじゃないかなと思える程、14億円余りというものにつきまして新価値創造予算の査定をさせていただきました。これにつきましては、施策の寄与度であるとか戦略性、改革度、それから創造性、緊急性、それから費用対効果と、こういった観点から審査し採点をさせていただいたということでございます。
先程いろいろとお述べになりましたけれども、私もこの新価値創造予算、14年度予算から取り入れられたということで、特別枠を設けましてコンペ方式でやると。各部局の企画力を競わせるというようなこと、あるいは予算の重点化をそれで図っていくというようなことで、このやり方につきましては大変おもしろいなとこう思いました。したがって、そういう提案であるとか、企画力の発揮ということについては非常にいい面がある反面、一方では予算編成過程におきますところの多様な論点整理であるとか、あるいは緻密な事業構築というようなところではいささか不十分な点もあるのかなと、こういうふうに感じたところでございます。
私としては、このしあわせプランの中でも重点プログラムというのを置かせてもらってますけれども、これにこの新価値創造予算コンペで取り上げました事業がこの重点プログラムに発展している事業も幾つかございまして、例えばCO2進んで減らす環境先進県の推進事業であるとか、それからメディカルバレー構想であるとか、待ったなし!耐震化プロジェクト、これもその一つでございますね。こういうふうなことでこういった新価値創造予算の取組も経まして、私として重点的にどうやって取り組んでいくかというようなことで「県民しあわせプラン」を策定をいたしまして、それで3年間優先的、重点的に取り組むべき課題というような形で重点プログラムをお示しをいたしました。そのための予算も別枠で設けまして、やはり県民に成果が見える県政をという県民からの強いご要請がありましたので、私としてはその実効性、戦略性というものをやっぱりしっかり担保をしていくということが必要だと、こう考えたところでございます。
したがいまして、この重点プログラムにつきましては、知事就任後にお示しをしておるマニフェストであると、こういうふうに申し上げてもおるところでございます。
それから、大変厳しい中でこれから17年度予算を編成していくわけですね。その中では重点配分経費というのを設定をいたしました。これは直面するいろんな課題につきまして重点的、効率的な予算配分を進めていく仕組みというものでございまして、これはまた新しいそういった課題対応にしっかり取り組む、そういう性質のものになっていく、こう思っておるところでございます。大変厳しい中での重点配分をしていかなければなりません。けれども、緻密な予算編成の議論を重ね、そして事業の選択と集中というようなことを図りながら、私たちはより効果的な事業を限られた財源の中でやってまいりたいと、このように考えております。
○三谷委員 知事、幾つかの事業が、新価値で出てきたのがいまだに生きてるのは重々承知してるんです。私が特に知事にお伺いしたかったのは、こういう職員のやる気なり企画力を引き出すような手法というものをなぜやめたのかということなんです。重点プログラム、これは僕は別の質のもんだと思いますし、先程おっしゃった重点配分経費は、これはおそらくコンペで決める話じゃなくて、各部局から上げてきたやつを財政当局がまた査定するという従来の、旧来の方式に戻っていってる、ある意味では後ろ向きの予算査定の方式ではないかとこう思っておるんですが、いかがですか。
○野呂知事 私は、先程いい点もあるけれども、なかなかどういう方式がいいのかということについてはいろいろ議論のあるところだと、こういうことを申し上げました。それから、職員のやる気ということについては、これは何もこういったものだけではなくて、全体的に職員のやる気をどう起こさせていくかという課題があるかと思います。例えばこういった新しい企画を出してくるということについても、県庁の職員の多くが属している県民局等では、いわゆるそういった企画だとか、そういったことに参加できないというようなそういった問題点があったり、それからこれは職員の就業環境を取り巻くいろんな問題、こういったこともございます。
したがって、やる気の問題については総合的に判断しなきゃならんと思いますが、まずは県政は県民に向かって、主役である県民に向かってやはり私どもがしっかり効果の上がる、そしてその成果がしっかり見えるというようなものを示していくべきだと、こう思っております。北川さんはマニフェストということを今言われてますが、ご自身はマニフェストは全く示さずに実行されなかったんですが。私としてはやっぱりそういうものを示すことによって県民にやっぱりしっかりその成果を示すと、このことが県民から私も県政の負託を受けた立場でより重要なことだと、こういうふうに認識をしておるところでございます。
○三谷委員 北川さんが始めようと野呂知事が始めようと、一たん県が始めたことをやめるときは、それなりになにゆえにやめるかと。これのプラス面、マイナス面、こういうものを示して「だからやめる」という説明をやはりきちっと県民にする必要が、僕はあるだろうとこう思います。
それから、余り時間がないんで、副知事に、せっかくお越しですのでお伺いをいたしますが、あの公共事業推進本部長としての副知事のお立場でお伺いするんですが、公共事業本部もかつてこの新価値やっとるときに、事業費の5%を公共事業重点化枠にして新価値と同じようにコンペでやってきたんですね。それを重点8分野に投資された。もうそれもやめられてるようなんですが。最近来られた副知事にお伺いするのもいかがなもんかと思いますが、この公共事業重点枠やめられた理由は何ですか。
○丸山副知事 ご指摘のありました公共事業重点化枠、確かに14年度、15年度で行いました。その結果、いろいろと効果の上がった事業もあったというふうに考えております。しかしながら、やはり公共事業だけの枠の中でそういうコンペ方式、これは非常に効果があるものであったと思いますけれども、それだけの中でいくということにはやはり一つの限界があるという面があったと思います。
そういう中におきまして、むしろ全体の中でより考えるということが必要ではないかと。特に最近におきましてのいわゆるハード事業だけで取り組むのではなくて、ソフト事業との代替性でありますとか、そういうことについてもよく考えなくちゃいけないと。これは国土交通省、公共事業を担当している国土交通省が言ってるような言葉でございまして、そういう中においてやはり新しい仕組みをもう少し考えるべきではないかということが一番大きかったというふうに考えております。
○三谷委員 限界を感じたということならば、それを突破する新しい仕組みを今から検討されるということなんですか。今から検討される。
○丸山副知事 そのための一つの方策が、17年度の新しい取組であります重点経費枠でございます。これは枠の2倍まで要求ができるというものでございまして、しかもハードだけではなくてソフトも何もかも一緒になって、いわばハードもソフトも一緒になってその中で最も適当と思われるものを総合行政の中で選択していくというものでございますので、これは一つの成果ではないかというふうに考えております。
○三谷委員 これだけやってますと、これで全部時間終わってしまいますので、プロジェクト“C”やらせていただきたいと思います。
新価値創造予算枠と同じように、何かよくわけがわからなくなったのがプロジェクト“C”でありまして、15年決算、総合企画局の内訳見ますと、プロジェクト“C”事業費、プロジェクト“C”計画を策定、公表し、その推進に要した経費として736万5,000円上がっております。この際、知事からぜひこのプロジェクト“C”の総括を聞かせていただきたいなとこう思っております。プロジェクト“C”はもうシャープの亀山進出を機に三重県を世界の液晶生産拠点とする産業政策と、それから内発的、持続的な地域振興と自立した地域創造を目指す地域政策からなってまして、そのための2つの戦略、つまり知識情報産業集積の形成による地域経済の自立化の第一戦略、生活環境の質が高まる地域社会の実現の第二戦略という2つの戦略を展開しておるところです。現にシャープは操業をしておりまして、関連企業等の進出、地元経済の波及効果等、また産業集積効果の一定の進展が見られておりまして、産業政策としてのプロジェクト“C”というのはそれなりに評価が今でもできるんではないかなと、こう思っております。また、そういう意見も確かにあります。
問題は、第二の地域政策の展開がよく見えてきません。しかも見えてこない中で、プロジェクト“C”のチームは15年に早々に解散をしてしまっております。事業もこれからまだ見えていないというときにチームがなくなってしまうということは、県民から見たときに非常にわかりにくい。まず知事のプロジェクト“C”に対するご所見をお伺いしたいと思います。
○野呂知事 プロジェクト“C”計画につきましては、先程お話ありましたけど、亀山市へのシャープ株式会社の大型液晶テレビ一貫生産工場の誘致を契機といたしまして、産業集積の形成とともに魅力あふれる地域作りを進めようというものでございます。平成14年の9月に計画を策定して、それ以来多様な主体との協働のもとで様々な取組を進めてきたということでございます。計画ではシャープの亀山工場が稼働する平成16年1月までを一つの区切りとしておりまして、稼働前までを種まき段階として産業政策を中心とした戦略Ⅰに取り組んできておるわけでございます。
これにつきましては、関連企業の集積が図られてきて、世界の液晶生産拠点となるなど所期の目的は達成されたのではないかとこう考えております。しかしながら、議員のご質問に係る分としては地域作りを中心とした戦略Ⅱの部分につきましては、これは取組が非常に長期にわたるものでございます。それからまた、地域的にも広域的なものであるというようなことで、相当遠大な計画、構想ともなっておるところでございます。
それから、現実にはこの中で示してきたものにつきましても、それぞれいろんな状況の中で例えば未着手となっておる幾つかの中には、県内の大学等の高等教育機関が事業主体となっておりまして、こういったものについてはまだそういう体制ができてない。したがって、今後も継続して働きかけていかなきゃいかんと、こういうふうなこともあるかと思います。それから、担当部局につきましては、組織の再編の中で直接プロジェクト“C”担当というのはなくなったわけでございますけれども、こういった遠大な、あるいは地域作り、広域の問題についてそれぞれの各担当部局の方でこれは主体的に取り組んでおるというようなことでございますから、今後こういった計画そのもののあり方というようなこともよく検討していかなきゃならんのだろうと、こういうふうに思ってます。
○三谷委員 プロジェクト“C”はシャープへの90億円を出すため、それを合理化するために大急ぎで作った計画だという説もあるんです。こういうのはかかわっておられた中嶋委員ぐらいに聞くと一番よくわかるんではないかなという気もするんですが、しかし、産業政策というのはおのずからこれ地域政策なんですよね。だから、その地域を当然元気にしていくにはその方策として何がいいかということが、地方自治の目的、住民福祉の向上が目的ですから、産業政策がイコール地域政策だとこう思います。
今、知事のご答弁聞いてますと一定の評価、プロジェクト“C”そのものの考え方とかというものに対しては一定の評価をされておるような気がするんですが、このプロジェクト“C”の最も問題なのは、この考え方なんですよ。このプロジェクト“C”の考え方というのはビジョン、特に地域政策戦略Ⅱの考え方で問題なのは、ビジョン、戦略、取組内容の最適化を図るために、企業収益を高めるため全体を最適化してスピードを短縮する企業の経営手法であるサプライチェーン・マネジメントとか、計画と実施を同時に行って成果を短いリードタイムで実現する経営手法であるサイマルエンジニアリングなどの、私から言わせてもらえれば究極のニューパブリックマネジメントの手法を無批判に導入していることが一番問題ではないかと、こう思います。
地域政策は、その地域の風土だとか歴史だとか地理的要件だとか文化、伝統、こういう長い年月をかけて培われてきたものの上に、時代のニーズとか企業の戦略的な展望だとか交通の利便性だとか、いろんなものが重なって、何よりもその地域のそこの住む人たちの自己実現ができるような条件整備、環境整備をしていくということが地域政策だと思うんです。果たして、こういう企業の経営手法―これは功績という意味では一定の評価があるかもわかりませんが、時間とスピードを最優先するような手法が地域政策になじむのか、それが端的にあらわれているのがこのプロジェクト“C”だと思いますので、その点知事のお考えをお聞かせください。
○野呂知事 さっきも申し上げましたように、この計画につきましては地域作りという観点から考えましても、実際には今はもう担当部局ない中で各部局の方でやっておるわけでございますけれども、非常に高邁なプロジェクトの構想ではありますけれども、しかしそれゆえに余りにもまた長期間かかる大変大きな展望を持っております。地域作りというのは、今、何もこのプロジェクト“C”にかかわらず、各地域でそれぞれ地域の歴史、文化に根ざし、そしてそれぞれの地域の人たちが自ら取り組んでいく中で形成されていかなければならない、そういう面が非常に強いわけですね。
したがって、そういったことを考えていきますと、この計画そのものについても、むしろ現実的に今ある計画の中へそのいい精神は生かしながらも、私は実行面ではもっと着実に進展させる方法、こういった手法の方がより有効ではないかなと、こんなふうに考えております。
○三谷委員 知事にぜひお願いしたいのは、産業政策が地域政策をリードするのではなしに、地域政策が産業政策をリードしていく、そういう県政の展開をぜひお願いをしたい。これからプロジェクト“C”等も含めて本県の産業政策を見直していくということならば、その地域政策が優先して、それで産業政策が成り立っていくような、そういう考え方でぜひお願いをしたいとこう思っております。
○野呂知事 今のお話は、私自身が考えております文化政策なり文化戦略、そういったものの一つの根底にあるものだとこう思っておりまして、非常に貴重なご意見だと思ってます。
○三谷委員 それじゃ生活創造圏に移らせていただきたいと思います。
15年度決算、地域振興部の地域振興費の生活創造圏づくり推進事業費2億5,468万円余が上がっております。この際、知事から生活創造圏について明快なお考えを、考え方をお伺いしたいとこう思っております。そもそも生活創造圏構想は北川前知事のときの総合計画である「三重のくにづくり宣言」―もう忘れた方もおられるかもわかりませんけども、「三重のくにづくり宣言」の中に出てくる概念でございまして、生活者起点の県政を推進して顧客の満足、県民の満足度を高めていくためには一定のエリア内で共通の施策を展開した方がいいだろうという、そういう発想で生活創造圏構想が出てきたと私自身は理解をしております。
「三重のくにづくり宣言」から「県民しあわせプラン」に替わりました。生活者起点から県民主役に、さらに新しい時代の公のコンセプトでこれからの県政を構築していこうというならば、生活創造圏の理念そのものも見直すべきときがきたんではないかと、そう考えておるところです。また、今議会で大きな議論になっております県民局の見直しの論議でも、県民局と生活創造圏の関係というのがいまひとつよくわかりません。知事のお考えもぜひこの際はっきりさせていただきたいとこう思っております。
この「三重のくにづくり宣言」の中には、県は市町村とともに生活創造圏作りを推進しますとこう書いてありまして、そのために県民局の政策形成機能、地域作り支援機能を高め、広域行政を推進する組織として体制の整備を図るとともに、必要な権限を県民局に移しますとこう書かれてるんです。つまり、県民局重視の考え方の基本はここに出てきてるんですね。この中に出てきてるわけです。顧客の満足度を高めるには一番顧客に近いところ、県民に近い県民局に権限を移譲するのが適切であるということで、これはニューパブリックマネジメントの考え方の中で一種の現場主義的な発想だとこう思っております。知事が最近よく言われてる補完性の原理とはまたちょっと違うのかなとそんな思いがあります。
今回、県民局の見直し議論の大きい要因の一つは、当然のことながら市町村合併の進展でございます。知事のおっしゃってます補完性原理からしても第一義的には住民の方にやっていただくと。住民ができないことは一番近い基礎自治体である市町村が、市町村のできないことが県が、県のできないことは国がという、こういうふうなことで、合併が進んできて市町村の数が劇的に減ってきてます。私の住んでおる桑員地区でもかつて1市8町あったのが、今度2市2町になってきます。
ですから、一番近い基礎自治体の方でどうぞ皆さんで話し合っていろんな事業もやってくださいよ。今まで県が市町村の数が多いときはいっぱい出張っていろいろやっていたけれども、市町村の数が減るんで少し後ろに下がった方がいいんではないかと。またそれだけ市町村の数が減ってきましたから、大きくまとめて県民局の役割というのを見直していこうというのが―もし間違っていたらご訂正いただきたいんですが、知事の方のお考えではないかとこう思います。
そうすると、いままでのニューパブリックマネジメントの現場主義的な考え方で県民局というものがある。そのベースには生活創造圏があった。今回知事がまたそういうふうに県民局の見直しの議論をされるということになれば、この際生活創造圏の理念―地理的な概念というのは僕はそう変わってないと思いますが、生活創造圏をつくってきた理念そのものをやっぱりきちっと見直すべきだと。でなければ、これから18年に向けての県民局の見直しの議論もできないんではないかとこう思っておりますので、そのあたりの知事のお考えをぜひお聞かせをいただきたいと思います。
○野呂知事 生活創造圏づくりにつきましては、行政区域を超えた非常に広域の地域づくりというものを市町村と連携し、また住民の皆さんにもご参画をいただく、そういう形で進めてきた大変有効な考え方で、取組であったんではないかなと、こういうふうに思っております。しかし、この生活創造圏づくりにつきましては、その役割分担であるとかあり方について、平成17年度以降市町村や県民の皆さんともしっかり協議をし、検討していきたいとこう思っております。
県民局につきましては、るるお話しになりましたそのとおりで、大変ご理解いただいてありがとうございます。そういう中では、生活創造圏づくりにおきましても市町村の役割がだんだん大きくなってまいりまして、県民局の役割というのは総体的に小さくなっていくんではないかなと思います。確かに現場主義ということで、非常にいわゆる基礎自治体の規模も、それからそれができる範囲というものもまだまだ十分でなかった、あるいは協働というような取組の仕組みそのものが十分熟度を上げていない。そういう中で、県民局がリードし、そしてそういう中でこの生活創造圏づくりというものが行われてきた。これは非常にそういう意味で意義があったと、こう思っております。
それから、生活創造圏づくりそのものというものは、確かに市町村と県との比重のあり方については、これは市町村合併が進んでいくということで変わってまいりますから、やはり合併が行われていく状況の中では、そのあり方については市町村がより大きな役割を果たしていくという形になっていかざるを得ないのではないかなとこう思っておるところでございまして、したがって、生活創造圏づくりそのものは非常に大事なものであるけれども、今後のあり方はひとつ合併後の市町村の方とも十分協議していきたいとこう思ってます。
ただ、県民局そのものの議論とは、これはそんなに大きくそこで影響してくるものではないというふうに考えておるところでございます。
○三谷委員 先程のプロジェクト“C”も、それからこの生活創造圏の北川県政時代の考え方も、基本的にはニューパブリックマネジメントというような一種の効率性を最優先した経営手法を導入したような地域政策から出てきた、そのように理解をしておる。今、知事は県民局の見直しとこの生活創造圏の見直しが直接リンクしないようなお話でございましたが、僕はこれしっかりとリンクしてるとこう思うんです。やはりこのベースは日々の人たちが生きる生活の場であるエリア、この生活創造圏がベースなんですよ。なぜこんなことを言うかといいますと、かつては生活創造圏の以前は行政区というのがあって10ぐらいに分かれとったんですね、三重県が。この行政区のときというのは、一番県が県民をコントロールしやすい、一番県政を使いやすいような―県政が使いやすい言うたらおかしいんで、県民の方々を県がいろいろコントロールしていくのに一番しやすい枠組みで行政区というのは決めてたんです。それが、今度は現場主義的な発想でできるだけ近いところで県がサービスを提供する方が顧客の満足度が上がるだろうということで、生活創造圏というふうな考え方が出てきた。
今度それに基づいて県民局の議論があって、9つの生活創造圏のところに7つの県民局が設置されたわけです。今度その県民局を今のところ4つなり、5つなりの話にしようとするならば、行政区から生活創造圏に替わってきた、今度新たにじゃあどういうところに住民の方々の生活のベースがあるのかということをきちっと考える。そのときにやはり県政の方向、今まではかつては一番県の方が県民をコントロールしやすい枠組み、その後北川さんになって顧客の満足度、県民満足度を高めるための枠組みという、そういう発想で出てきてるわけですから、じゃあ野呂県政として県民局の見直しで生活創造圏を論じるときは、じゃあ野呂県政としてはどういう枠組みでこれを臨もうかという、そのコンセプトをやっぱり明確にしないことには県民局の見直しの議論の中にはつながっていかないとこう思いますから、改めて生活創造圏に対する知事のお考えをお伺いしたいと思います。
○野呂知事 私は行政区から生活創造圏というようなそういう単位のとらえ方、そして今の県民局の総合的な機能、こういったものが展開されてきたということでありますけれども、さっきから申し上げておりますように、私は生活創造圏づくりの取組というようなものは極めて有効なものではないかなと。ただ、その中心に県民局というものがあったけれども、合併をしていく中でやっぱり市町村がもっとより重要な役割を持っていくという形に移行していくんだろうと、こういうふうに思います。
県民局におきましても、例えば北勢県民局でありますと生活創造圏3つあるわけですね。したがって、県民局の組織と生活創造圏というのは一本になっていません。あるいはまた、度会郡の一部につきましては、松阪の生活創造圏とそれから南勢志摩の生活創造圏とこれダブっておるわけでありますね。そういったいろんな生活創造圏も見る角度でとらえ方というものもあります。
ただ、そういうものがあるにしろ、生活創造圏に向けた取組は今後もやはりぜひ必要なものをやっていくべきではないかとこう思っておりますし、ただその重点は市町村に移っていかざるを得ないだろう。県が果たす役割はまたそれだけ小さくなっていくだろうと。そういうことでありますから、ただ県民局の見直しそのものが生活創造圏の考え方、検討に大きく影響するものではないと、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
○三谷委員 生活創造圏の中での必要な事業はこれからも継続されていくと。継続されていくということならば、当然今までの行ってきた事業の検証なり評価というものもあわせてしていかなければいけないんではないかとそう思います。14年度決算に対する審査意見書というのがありまして、秋田さん書かれておるんですが、その意見書を拝見しますと、生活創造圏ビジョンの推進に対して実施した事業について第三者機関による評価等成果を検証するシステムを作るよう要請されておるわけです。現実にこのような要請があって、これは14年度決算に出す審査意見ですから15年、去年できとるわけですが、第三者機関による検証システムというのは構築されたんでしょうか。いかがですか。
○浦中地域振興部長 第三セクターによります評価につきましては、一部の県民局によりましては一部の事業について行っているところがございますけれども、総体としては内部評価というようなところでとどまっておるのが現実でございます。
○三谷委員 別に秋田さんの代弁をするつもりはないですが、審査意見書で出てきとるのになぜやらないんですか、第三者評価。
○浦中地域振興部長 現在、各生活創造圏域ごとに、5年経つということで今いろいろと検証してございます。そういった中で、いろんな形での検証が行われるものというふうに認識しております。
○三谷委員 そういう評論家みたいなこと言うてもうても困るんですわ。15年度決算の審査概要説明でも、今の事業推進費について、平成10年度に事業が開始されてから各県民局で取り組まれた事業内容や成果の検証を行い、今後検討される新たな地域政策や地域計画に反映されるよう、ということで要請されてるんですね。17年度当初予算編成に向けての基本的な考え方の生活創造圏づくりのあり方では、生活創造圏づくりのあり方の検討を踏まえつつ関係部局と連携し、生活創造圏ビジョンの推進をするよう事業についても見直しを図っていきますと書いてあるんです。全然検証せずに突然今度は17年度のやつは見直しを図っていくというような話が出てくる。きちっとやっぱり検証すべきだと思いますが、できない理由は何かあるんですか。それともする気がない。
○浦中地域振興部長 それぞれの圏域ごとにいろんな事業がございます。またいろんな関係の方々との取組というようなこともございまして、一律にいろんな形で検証していくのが非常に困難であるというようなところもございます。そういうことで、それぞれの圏域では可能な限りの検証方法でもって評価してるということでございます。
○三谷委員 ということは、それぞれの圏域で可能な限りもう評価はされてるということですか。評価されたのならばその評価の結果というのはどこで明らかになりますか。
○浦中地域振興部長 今、評価をしておりまして、毎年度生活創造圏づくり条例に基づきます年1回の報告されることがございます。その中でそれぞれの圏域ごとにそういったことが明らかになってくると。今整理しとるところでございます。
○三谷委員 よくわからないんですが、それではその成果の検証の結果というのがやっぱり一回きちっと議会に出してもらいたい。それを出していただいた上で17年度の予算編成に向かう基本的な考え方のような生活創造圏ビジョンを推進する事業の見直しを図る、見直すためにはどこが問題であってどんな成果があって、マイナスはどこだ、プラスはどこだ、それが明らかでないと見直せないわけでしょう。それで、あなた方の内部評価だけの問題でそれ全部やってしまって、議会の方に明らかにしないということなら我々もそれの評価のしようもないし、見直しの議論にも入れない。そういうきちっと評価の全体像を―各圏域ごとで結構ですよ、議会の方に明らかにしていただくお考えありますか。
○浦中地域振興部長 先程も申しましたように、毎年度生活創造圏ビジョンの推進条例に基づきます報告会でこの5年間の取組の報告をさせていただくということになっておりますので、ご了解いただきたいと思います。
○三谷委員 それじゃ監査委員が言うように、第三者の評価システムをつくってきちっと評価して出していただいたらどうなんですか。そういう内部評価みたいなおもしろい話じゃなくて。
○浦中地域振興部長 そういうことも含めまして一度検討させていただきたいと思います。
○三谷委員 時間がもうないんで、結局知事、一回北川県政そのものの15年まで、知事が後に就任されてから15年、16年とたっていよいよ17年目、つまり知事の任期4年の半分が今、まさに過ぎようとしてるわけですから、きちっと今までの前任者の県政の評価、検証を一回きちっとしていただいて、次に向かっての新たな展望というものを示していただくと、そういう時期がもうそろそろ来たんではないかなとこう思っておりまして、ぜひその点をお願いをしたいとこう思っております。知事の方でそういうお気持ちがあるかどうか。最後1点、お伺いさせていただきます。
○野呂知事 私としては、先般の選挙で県民の皆さんに公約として打ち出しましたこと、これをやっぱりしっかり成果を上げていくということが大事でございます。そのために、これまで行われてきた中で変えるべきはしっかり変えていくということを申し上げてまいりました。それについては、すぐ取りかかれるもの、あるいはすぐそれについて成果を出せるもの、あるいは長年のしみついた中でなかなかすぐに解決難しいものも幾つかある、こう思っております。
しかし、私としてはまず着実に進めていく中で、自らお約束した成果をしっかり県民に示すことができるように取り組んでまいりたいとこう思ってます。ご意見としてしっかり受け止めておきたいと思います。
○三谷委員 知事の決意表明をお伺いしまして、時間が来ましたので、中村進一委員と替わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○中村委員 新政みえの伊勢市選出の中村進一であります。
私の方からは、三重県を元気にするために観光政策というのが大変重要な時期になってきております。そういった立場から、平成15年度にどのような種まきがされたのか、どのような仕組みが行われてきたのか、その部分について質問をさせていただきます。
先般、新たな三重観光振興プラン見せていただきました。これは今三重県が置かれております問題点、あるいは課題等々随分上げていただいておりますし、方向性としてはいろんなことが載っているすばらしい教科書といいますか、解説書という印象でございました。しかし、それに基づいて本当にいける状況を作り上げていただいているのかどうなのか、その部分を聞かせていただきたいというふうに思っております。
この時期というのは、いよいよ来年中空がオープンしますし、また愛知万博もスタートする。伊勢では遷宮が始まるということで、観光にとって最大のチャンスでもあろうかというふうに思いますけれども、この波をどう乗り切っていくかということでございます。ですから、今の時点でああいう政策集をつくってばたばたしても遅い。私が聞きたいのは、平成15年度、実際何をしてきたのかと、この部分について絞らせていただいて聞かせていただきます。
先般、部長は三重の魅力を発信していくんだという答弁を日沖委員の質問に対して言っていただいておりますけれども、じゃあ三重の魅力というのは本当に発信できる状況にあるのかどうなのかということでございます。そういった部分から、この中空あるいは万博対策として具体的に、あっ、県はこんなことをしてきてくれたんかという部分を教えていただきたい。説明していただきたい。
それから、万博、中空と言いますと外国人観光客が大変重要であります。三重県はアクセスがなかなかない中で、北海道、東北、関東あるいは九州そういったところからこちらへどう客を引っ張ってくるのか、それも大変重要な課題でありますので、その部分についての明快な考え方を―考え方といいますか、そのために今までどういう仕込みをしたのか、その部分を聞かせていただきます。
それと、今までの県政報告書なり、それからくにづくり白書を見せていただきますと、その部分に大変重要な役割を果たしていくというのが、伊勢志摩再生プロジェクトという言葉何遍も出てまいります。伊勢に事務所がありましたけれども、もう今年から消えてしまいまして、私はたびたび観光問題について聞きにいっておったんですけれども、それもなくなってしまって、たしか任期が5年だと思いますけれども、1年以上残して今一体どうなっているのか。彼らの果たした役割というのはどういう部分であったのか。その部分、まず3点に絞って聞かせていただきますので、よろしくお願いいたします。
○石垣農水商工部長 まず、15年をどうとらまえたかという話でございますけども、実は私どもは観光振興に当たっては2つの視点で今まで進めてまいりました。1つは、観光地の競争力を強化するということと、情報発信を外に出していくという2つの視点でやってまいりました。それを進めていくに当たって、一応ターゲットを2005年の愛知博覧会、それと中部国際空港開港というものに向けてターゲットを置いて、要するに2005年の日本国際博覧会三重戦略プランというのを平成12年に立ち上げて、それでこれを進めてきたわけです。現実でいうと、この間、今年で4年目でございますけども、特にこれを進めていくという視点に立って進めてきたということです。特にポイントをどこに置いたかといいますと、やっぱり三重県の観光地のメジャーは伊勢志摩地域でありますよということで、伊勢志摩をモデルとして、いろんな仕組みを一回考えていこうよという取組でやってきたと思ってます。
例えば新しい、多様な主体と言いますけども、要するに今まではどっちかというと観光というと観光の交通の人とか、例えば観光業者の人、旅館の方々が―どっちかというと供給者側の観光の振興をやってきた部分がやっぱりあります。そうじゃなくて、地域の人が自らやっぱりその地域の中でどういう取組していくかという視点に立って進めてた部分があると思ってます。例えば伊勢の中では伊勢志摩ツアーズというのがありますけど、例えばこれについては地域の資源をもう一回見直して、それを商品化してもう一回売っていこうよということ。例えばホテルの経営品質を高めておもてなしについてもっと高めていこうよと。これNPOに皆さん方も含めてやっていただこうと、そういう取組。あるいは、やっぱり受け皿として観光資源の基盤はどうしていくんだということから、これ市町村や住民の方が連携して、例えば鳥羽の駅前で―これベクトル会議というのができましたけども、そういう方々が一緒になって新しい取組をしていくという形のもので、まさしくこの戦略プランに基づいてそれを拠点にしていろんな取組をしてきたと思ってます。
これについては、私は成果としては2つあったと思ってます。一つは、地域の皆さんが主体的に地域自らが何かを取り組んでいこうよという考え方が観光振興に着実に僕は根づいたと思ってるのが一つ。もう一つは観光が見る観光からまさしく参加する観光に変わってきとるわけですけども、それに伴って観光商品から販売まで一貫して自分らでやっていこうよという取組が出てきたということについては大きな成果だと思っております。
そして、まさしく先程も言いましたように、供給者側から観光者の立場、観光者のニーズに立って三重県の観光をもう一回考えていこうという、そういうきっかけをつくったということについては、この15年についてはそういう意味ある年だったと思っております。
あと2点目ですが、後先しますが、その中で委員言われました伊勢志摩再生プロジェクトというのが主体になってこの事業をいろいろ進めてきたんでありますけども、伊勢志摩再生プロジェクトってどういうふうに整理してんだということでございますけども。まさしくこの伊勢志摩再生プロジェクトに、10のプランで12の地域の方々がいろんなプロジェクトを進めてもらいました。今、実はこれは来年、5年ですから平成18年の3月31日をもって一応このプロジェクトについては終了することになります。5年間。それで、今実はこの4年間いろいろな事業をやってきて、今、先程言うた成果も僕は上がってると思っておるんですが、この方々を来年万博、あるいは中空の開港に合わせて最後の成果を求められてるというふうに思っております。来年3月、もう1年この方々と行政も民間も一体になって進めていくということになると思ってます。
あともう1点は、今回中部国際空港が開港するに当たって、例えば北海道とかどういう形で誘客を進めていくんだという話があったと思うんですが、これについてはまさしく―実は今三重県観光販売システムというのがこの7月に立ち上げをいたしました。まさしくこの方々が中心になって、今特に中部国際空港へ来るのは国内から28都市から飛行機が入ります。そこへ重点的に三重県の観光地を売り込むというような形で今取組をやらせていただいております。
若干漏れた部分あるかもわかりませんが、とりあえず以上でございます。
○中村委員 本会議で聞いた答弁とほとんど一緒のように思いましたが、パンフレットを作ったり、それから飛行機がどれだけ離着陸するんだとか、そういった問題じゃないと思うんですよね。それから、聞かせていただいておりますと、エージェント中心のいわゆるそういった人たち、そういった会社、グループにお任せするというふうに聞こえました。それは、ここに伊勢市の観光振興基本計画というのがあるんですが、ほとんど同じこと―多分そういった政策を外に預けている部分もあるんかというふうに思いますけれども、ほとんど同じような内容なんで、本当に知事、今の政策でこの中空それから万博、特に万博は私は逆にそちらへ三重県の観光客がとられてしまうんじゃないかという、そういう危惧をしているから、平成10年からずっとこの質問をしてるんですね。だけども、今見せていただいた部分はほとんど変わってないんで、知事の考え方を聞かせてください。
○野呂知事 観光政策については、私も知事に就任をしましてパンチ力もないんではないか、担当もはっきり県民から見えない。こんなことでいいのかなということを考えました。なかなか骨格予算とはいえ、残していただいた財源ない中で、しかし担当はしっかりこれまでの取組でやってるんだということでしたが、その効果についてはどういうふうにあらわれてくるのか。しっかり私もここは県政責任者として見ていきたいと思いますが、余り来年のことばかりに期待かけるのもいかんので、観光政策というのは、私はもっと大事なものだと思ってます。
私の思いからすれば、観光政策そのものは今後の三重県の産業政策の第一の柱にもなっていけるものであると。それからパイが減少する、人口が減少する、その社会のああいう中においては、この観光のいわゆる交流と連携ということを軸にした政策の推進ということは、何にも増してまた大きな政策的な比重にもなっていくであろうと思ってます。そして、文化政策そのものは地域作りであり、そして今度の新プランでも言っておりますように、いろんな分野にまたがる総合施策でもございます。そういう意味では、三重県の文化作りそのものでもあり、今後考えていく文化政策や文化戦略、こういったもののまた大きな柱にもなるものだと。
したがって、私はそれだけ大きくとらえておるところでありますけれども、しかし、今まで伊勢志摩再生プロジェクトの皆さんも、そういう意味では地道な下からの積み上げでご努力をいただいてきて、そこで得てきたノウハウなりしっかりしたもの、やっぱり成果はあるわけでありますから、そういったものはやっぱりしっかりまたこれからも生かしていきたいとこう思ってますし、そして、今後やっぱり観光構造を変革し、そして観光文化を創造していこうということでありますから、高い高邁な目標ではありますけれども、しっかり私は成果が将来的にずっと得られ、継続していけるような、そういう観光政策を今後目指していきたいとこう思っております。
○中村委員 県民の皆さんに余り期待をするなという表現にとれたんですけれども、これは答えがもう出るわけでありまして、しかし、これは何年もかけてずっと政策を温めてきた部分が開花するわけであります。ですから、平成15年にどんな種をまいたのかということを聞かせていただきました。今からじたばたしても遅いんですけれども、ぜひともすばらしい教科書を実行していただきますように申し上げまして、時間がまいりましたので終わります。
○西場委員長 暫時休憩いたします。
(休 憩)
○福山副委員長 休憩前に引き続き委員会を再開します。
総括質疑を継続いたします。
○山本勝委員 桑名市選出の自由民主党・無所属・公明議員団の山本勝でございます。午後の質問のトップバッターということで、しっかり自分の持時間を頑張っていきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
今日はテレビも入っておりますからいろいろ見ていただいておるわけでございますけども、私ども議員とそれから当局の皆さん方はお互いに議題についても共通認識があるわけでございますけども、一般県民の皆さん方は急にいろいろ論議をしてみえるけど、なかなか前置きがないとわかりにくいという、こんなお話もお聞きをしておりますので、そんなことも留意をさせていただきながら質問させていただきたいと思います。
まず1点目の収入関係でございますけども、いろいろ午前中にも出まして、時間の関係もございますので割愛をさせていただきまして、2点目からひとつ入らせていただきますので、どうぞよろしくお願いします。
まず、入札・契約制度についてでございますけども、定期監査報告書によりますと、平成15年度の県が発注をする県単工事の変更契約について、定期監査報告書にも記載をされておるとおり、77.6%が増額変更、そして12.3%が減額変更であります。各県民局の実態も、例えば桑名建設部では69件中増額変更が55件、それから減額変更が9件、変更なしが5件となっております。また、津建設部でも43件の件数中、増額変更が32件、減額変更が6件、変更なしが5件となっております。全県的に変更内容の実態をいろいろ調べてみますると、当初設計段階での計上忘れなり調査の不十分によるもの、工期が3倍以上に延長されたり、変更なしで別に発注しなければならないような工事、例えば水路の右岸をやるところを左岸をやっておるという、こんな工事の実態もございまして、まさに実態は設計を不十分な形での発注をするとか、またある面では増額を将来的に見込んで発注をする、こんなような傾向もある面では仄聞をされるわけでございまして、そんな形でどんどん随契で工事量を増やしていくという、そういう形になりますと、現制度では公平性や競争性を損なうというおそれが十分にあるという、こういうような心配がされるわけでございます。
過日の新聞報道でも例で載っておりましたんですけど、鈴鹿建設部発注の一般地方道鈴鹿芸濃線の工事は4回も契約を変更し、そして契約金額は最初は3,700万円から最終的には4,900万円に32%増額、工期も当初は82日から3.4倍の281日に延長されておる。この工事がある面では一番大きく―悪質ということではないんですけども、特記されたということでこれについてちょっとお伺いをしたいと思いますけども。この工事について、まずどこに建設部の職員のミスがあったのか。また、計画変更が適応できる基準についてどのへんにこの事業について問題があったのか。まずお伺いをいたしたいと思います。
○長谷川県土整備部長 ご所見の鈴鹿建設部の工事でございますが、ご指摘のように3,748万5,000円の工事が4,873万円になりまして、30%以上の増額契約変更となっております。三重県の建設工事設計変更要領によれば、30%以上増額する場合は県庁の事業担当室長との協議が必要となっております。ところが、この協議がなされておりませんでした。この点については三重県建設工事設計変更要領の適用を誤っているということを認識しております。
なお、変更回数とか工期の延長については三重県建設工事設計変更要領に特に定められておりませんので、この点につきましては定められてないということについての課題、問題はあるかもわかりませんが、職員のミスというようなものではないということでございます。
○山本勝委員 県土整備部長からいろいろ説明があったわけでございますが、32%というのは明らかに30%をオーバーをしてやっておるということで、協議をしなけりゃいかんということをしてなかったという、これについてはやっぱり職員の手落ちについては改めるべき問題についてはやっぱり改めていかなければならないと思います。
それと現行制度について、今、後段の部分についてはすらっと答弁があったわけでございますけども、この現行の制度というのが、果たしてこのような事象をある面ではこれからの問題も含めて防げるんかなという、こういうことをちょっと私も疑問に思っておるわけでございまして、先程部長の方からお話がございましたように、設計変更に関する現行制度というのがございまして、私もこれは初めてでございますけども。これは見たわけでございますけども、平成14年の4月ないし6月にいわゆる北川前知事時代にできた現行制度でございますが、決裁権限につきましては三重県事務決裁及び委任規則ということで、1億円以上については室長、いわゆる地域機関の室長で決めてできると。1億5,000万円から5億円未満については地域機関の部長でこれが決裁ができるという、それから5億円以上については知事がやっていただくという、こういうことでございますが。
この決裁の権限と、2つ目には設計変更できる範囲ということで三重県建設工事変更設計要領というのがございまして、これには当初請負契約代金の30%未満かつ3,000万円未満までは、いわゆる上限のところについては30%でなおかつ3,000万円までは認めていきましょうと。下限のところについては、当初請負代金の30%が100万円に満たない場合100万円まで認めていきましょうと。これ以外については本庁の協議をしていただこうと、こういうことでございます。
3つ目に、設計変更が適用できる基準というのがあるわけでございますから、ここには設計変更は原則としてやむを得ない場合に限るということで11ぐらいあるんですわ。その中には自然現象や不可抗力により設計図書どおりに施工することが不可能になったとか、それから図面と仕様書の不一致や設計図面の誤診、脱漏がある場合とか、それから公益上変更の必要があると認める場合とか、予算上の理由により変更が必要と認める場合とか、いろいろあるわけでございますけども、この11の項目をずっと見ておりますと、ある面では何でも変更ができるんやなという、ある意味で裏返してみればそんなようなことにも受け取れるわけでございまして、ひとつそのへんのところを所管の立場としてどのように改善をされていくのか。この制度自体を考えていくんか。それとも一部監視、チェック機能とか決裁機能の問題等を加えてやられていくのか。ちょっとご意見があればお伺いします。
○長谷川県土整備部長 三重県の建設工事の設計変更につきましては、設計変更並びに変更契約事務の適正化を図るために定められました三重県の建設工事設計変更要領に基づくということでございますが、今回の定期監査で指摘された事項の中には、先程のご指摘の鈴鹿建設部を初め適応を誤ったものが数多く見られておりまして、まず当面県土整備部としてやらせていただきましたのは、平成16年の11月4日と26日の2回において、当要領の適正かつ厳正な運用を図るよう建設部長を集めて指示をいたしております。そうはいいながら、今回指摘された工事を含めて平成15年度に変更契約が行われたすべての工事につきましても、その変更理由、内容を調査現在しております。そしてその結果を踏まえて監査で指摘された事項の改善等について早急に取り組みたいというふうには思っております。
ご所見のように、現在の地域機関における請負契約に係る決裁権限というのは、平成14年度に全庁的に改正されたものでございますが、1億円未満が県民局の建設部の室長で、それから1億円から5億円が建設部長決裁となっております。今後はこの決裁区分の見直し、それから三重県建設工事変更設計要領に定められた変更可能上限額及び本庁協議金額なども見直したいと思います。そしてチェック体制の強化につきましても、関係部局と協議し早急に検討してまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
○山本勝委員 どうも部長ありがとうございました。特に県民からいろいろ―今回の新聞報道がされて県民から見た場合にいわゆる悪く見ればいろいろあるんですけども、やっぱり契約者と行政がある面では3回も4回も変更していくというと、何か癒着をしてそしてそういう事業をやっていくという、そんな形にも見えかねませんので、そのへんのところをひとつこれから十分議論をしていただいて、よりよいものにひとつ直していただきたいなと思います。
それでは、次にサイバーウェイブジャパンのCWJ事業についてお伺いをいたしたいと思いますが、CWJ事業の展開はご承知のとおり平成12年の6月に、前北川知事がIT社会をにらみ、志摩を中心としてパールバレー構想を考えており、ここを県のIT戦略の基地にすると、こんな形で豪語されまして、6本もの海底ケーブルが集まっているのは世界ではここだけだと、こういう形で自慢げに話をされて、私たちもそれに若干陶酔をした時期もございまして、そのときはなかなかわからなかったわけでございますけども。そういうことで、平成12年の6月に7社で資本金1億1,000万円で設立をされました。
結果、回線が優先的に使えるわけでもなく、情報量が多いでもなく、そしてまた画面がある面では鮮明に見えるでもなかったわけでございます。光ファイバーの陸揚げの基地というのがIT戦略基地とは無関係であったという、こんなことを今改めて思わせていただいてる次第でございますけども。そういう設立があって、13年の2月に26社で3億2,000万円に増資をされました。同年にはデータセンターの竣工とかネットワーク事業の開始、電子商取引実証試験開始、データセンターの改めて開始とこういうことになりまして、14年には二度目の増資で58社15億7,500万円に増資をされました。15年には電子入札対応認証事業の開始で4事業が本格的に開始をされました。
一方、経営状態をながめてみますると、4年連続の赤字でございまして、15年度の決算では13億5,000万円ぐらいの赤字が出ておるということでございますが、16年末ぐらいを予想してくると14億円台の累積赤字が予想されるという、こういうことでございまして、急遽その対応として財務体質の改善を図るために電子商取引事業の撤退と電子入札対応認証事業の営業の譲渡を行って、今回の株主総会で9割減資を今回実施を提案したわけでございまして、この9割減資につきまして資本金15億7,500万円の9割減資ということになりますと、知事さん、これはどういうような状況になるんか、ちょっと知事さんにご説明をいただきたいと思います。
○野呂知事 サイバーウェイブジャパンにつきましては、私も当初の計画の段階から少し疑問に思っておりました。それで、その後しかし事業は実施されてまいりましたけれども、知事になりましてこの点について仔細話を聞きまして、なかなか大変な状況だということを認識してその後の対応に取り組んできたところでございます。
CWJでは、創業以来連続で赤字を計上しておりまして、前期末決算の累積赤字が13億5,100万円に至りまして、そういう状況の中で本年6月の定時株主総会におきまして、不採算の2事業、電子商取引事業と電子入札対応認証事業、この2つから撤退するということを決議をいたしたわけでございます。この2事業から撤退をするということによりまして、来年度からは単年度黒字を見込んでおるというところでございます。
しかし、先程お話ありましたように、過去の累積赤字が今期末で14億円に達すると見込まれておるところでございます。こういう状況でありますので、来年度から黒字化するとはいえ、これを経営努力のみで解消をしていくということは余りにも長期の時間がかかってくるというようなことがございまして、11月25日に臨時株主総会を開きまして9割減資ということを決議をいただきまして、それをもって累積赤字を一掃するということに決したところでございます。
9割減資によりまして、今までの資本金15億7,500万円が10分の1の1億5,750万円とこうなります。減少しました14億1,750万円全額を今までの累積赤字に充当するということで、累積赤字を一掃します。これにつきましては、今回のこの減資によりましていろいろ管理コスト等を考えてみましても、縮減することができる。大体年間で約1,000万円ぐらいさらに管理コストを縮減もできるというようなことで、一層財務体質が改善されてまいります。そして、将来利益配当の可能性もより高まっていくということになるわけでございます。
しかし、今回こういう減資をいたしたということにつきまして、これは県が主体的にやってまいりましたことでございます。赤字計上、そして事業撤退、そして減資と、今日に至っておることにつきまして知事という立場からは、県民の皆さんあるいは出資をいただきました皆さんに大変ご迷惑をおかけしておること、申し訳ない気持ちでございます。しかし、減資に至りました趣旨につきましては、どうぞご理解をいただきたいとこう思っておるところでございます。
○山本勝委員 知事、そういうことですと一応簡単に言いますと、貸借対照表では累積欠損はもうなくなったと。やっぱり資本金を赤字の補てんに充てて、そしてもうかる事業を残してこういう形にしたと、こういうことでございますね。そうすると、県の出資金の方も約6億5,000万円ぐらいありますから、それはやっぱり6,500万円に価値が減ってしまうわけですね。そういうことになるわけですね。
それで、大変な損失というと私もあれですけども、特に4年ぐらい前にはアルゼンチン債とかマイカル債のところでいろいろ問題がございまして、大変あのときにも論議をしたわけでございますが、普通なら株主総会に減資の提案をする場合には、再建計画を提案をして承認を得るというのが常道じゃないかなとこう思うわけでございますし、あわせて議会にも何らかの説明があってしかるべきやないかなと。あわせて再建計画案についても、やっぱり議会に示されていないし、それだけの減資をしたということですから、何らかのやっぱりそういう情報というのは流すべきではないかなと、こうやって思います。株主への謝罪があったことはあったんですけども、公費で出資してる以上やっぱり県民への謝罪、議会へのやっぱりある面での説明というのも必要だと思います。
また、少し先の飛躍した話になるわけですけども、県はいつまでCWJにかかわるおつもりなんかと。特に県の出資額やそれから出向社員を含めてやっぱり県の損失というのを考えると、やっぱり長く携われば携わる程傷口を広げることになるんではないかと。さらにやっぱり日進月歩どころか、猫の目のように目覚ましく変化するIT業界で、県職員の発想や仕事のやり方ではやっぱりこの時期にはなかなか対応できないのではないかと。やっぱりITを広めるという所期の役割はもうこの時点では終わっておるのではないかと。今後の事業展開を考えた場合、会長の知事以下県関係の職員はある面では身を引く時期が来るのではないかなとこんなことも思って、全面的にやっぱり民間の方に移譲をするぐらいの発想というのも考えるべきではないかなとこう思いますけど、知事、何かお考えがございましたら。
○野呂知事 今回、いろんなことにつきまして株主総会においてご決定をいただきました。そういう状況の中でありますので、中期の3カ年計画といたしましては来期以降5億8,000万円程度の売り上げがある。それから7,000万円程度の単年度黒字を見込んでおるというようなことでございます。そういったことを株主総会におきましてはお示しをいたしております。既に黒字化をしておりますデータセンター事業であるとか、あるいはネットワーク事業、こういったものに経営資源を集中させるということで経営の安定を図っていこうということでございます。
なお、県議会等に対しましても、あるいは県民に対しましても詳細について説明があってしかるべきというお話でございますが、実はこの詳細につきましては今定例会の常任委員会で担当部局の方から説明をさせていただこうと、こういうふうに考えておるところでございます。
それから、今後のCWJの展開の仕方ということでございますけれども、これにつきましては一定の成果もこれはもちろんあったかと思っております。しかし、当初の経営の見通しが甘かったというようなこと、あるいはその経営につきまして専門の経営者が不在であったというようなことも、これも上げられるんではないかとこう思っております。したがいまして、これから今後のCWJのあり方につきまして、民間活力の活用であるとか、あるいは県の関与のあり方、こういったことについて検討をしてまいりたいとこのように考えております。
○山本勝委員 知事、どうもありがとうございました。今後の黒字経営の転換の経営プロセスをちょっとお聞きをしようと思ったら、少しお触れになりましたけども、やっぱり知事就任直後はやっぱり私の発想にはCWJはもうないというぐらいの発想をしてみえて、多分今も心の中の隅ではそんな発想もお持ちになってみえるんじゃないかなと思うわけでございますけども。ひとつどうぞ大きな傷口があかない形の中で、この事業について今後ひとつ運営をしていただきたいなと思うことと。
今後の展開として例えばITC事業あたりを今お話しをしてみえましたんですけど、本来はこれは電子取引やそれから認証事業の補完的な事業がこういう事業だったと思うんですわ。ですから、その事業が今度は目玉になっていくということですからあれですけども、いろいろ聞いてみますると三重県の中にも市場も余り多くもないということですし、それをほんじゃよその県へ打って出ようということになってもなかなか宣伝・広告等の経費がかさむということでございますので、なかなか先行きは難しいなという声はするわけでございますけども、ひとつこれからのやっぱり経営についてはある面では県の関与もしとりますので、不退転のやっぱり決意でお願いしたいなと、こうやって思っておる次第でございます。
じゃあ次いかせてもらいます。懇話会や知事の諮問機関についてちょっとお伺いをいたしたいと思いますけど、これ端的にお話しさせていただきますけども、いろいろ平成15年度で96の審議会がございますが、年に1回も開かれなかったとか、それから委員の任命すらなかったとか、それから一度も委員に任命されても出なかったというようなことも含めて、いろいろ委員自身の自覚とか、それからやっぱり審議会に問われておるいろんな問題が露呈をしてきたわけでございますけども、これは法的につくらなきゃならんというところも、審議会もございますし、それ以外のところでつくっていくということもございますので、今後こういう監査を、平成15年の監査を受けて今後ひとつどのような考え方で臨まれるんか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○野呂知事 審議会の適正な設置と円滑な運営につきましては、三重県におきまして審議会等の設置運営等に関する判断基準というのを定めて適切な運用に努めておるところでございます。その基準の中で、必要性の低下したものや開催実績のないもの、それから設置目的が類似のものなどは廃止あるいは整理統合をして、過去5年間で半数以下に整理をしてきたということで、ご指摘のように昨年96機関、そして本年の11月で98機関という状況になっております。今後も県民が主役の県政を展開していく上で、必要な審議会につきましてはより透明性の高い運営を行っていきたい、このように考えておるところでございます。
○山本勝委員 わかりました。それでもう1点、知事さんがよく例えば三重県政懇話会とか、それから新しい時代の公ということで推進委員会とかいろいろおつくりになって、それとごみゼロプラン策定とかですね、こういう懇話会的なものをおつくりになってみえることもお聞きをしておりまして、それを招集するのも例えば目的をきちっと説明をしてそれを決めて、いろいろそういう懇話会を設置をするということでいろいろやられておみえになるんですけども、これだけ二元代表制でいろいろ議会の中でも論議をされてくる時代になりましたもんですから、そういう懇話会あたりも知事が独自にどんどんつくられていかれるというのは別に異を挟むわけやないんですけども、今後懇話会や諮問機関等を設置するということならば、諮問機関などの答申をというか、その考え方をできれば議会の方へちょっとお示しをいただいて、議会の中で少しこういうものもした方がええですよということもいろいろ意見をお聞きになって、例えばプラン・ドゥ・シー・リデュースというような形でいろいろ今後の県政の根幹となるようなことを決めていくときでも、ちょっと議会のそういう意向も入れるようなひとつ懇話会なりそれから諮問機関というのも考えてみてはどうかなと思うんですけども、知事、ご意見がございましたら。
○野呂知事 まず審議会等の附属機関でございますけれども、これにつきましては行政の執行機関がその行政の執行のために必要な資料の提供など、いわば行政執行の前提として必要な調停であるとか、審査、審議又は調査を行う機関として地方自治法に規定をされておりますので、設置の趣旨に沿って適切に活用をしておるわけでございます。
議会でご審議をいただく際も、多分議員の皆さんからどこまできちっと執行部門で検討をしてきたんだというようなご指摘を多く受ける中で、やはりこういったところは法に規定をされておりますし、またそういったことの我々の内部だけでの検討だけではなくて、それを検証していく、あるいはいろんな意見を反映していくというようなことで、必要なのではないかなとこう思っております。
なお、懇話会とかそういうものはいわゆるこの審議会等の設置とはまた別に、これは県民の皆さんのご意見を十分に私どもの立案過程、企画過程で生かしていきたい、取り入れていきたいと、こういう思いでやらせていただいておるところでございまして、これも議会でご審議をいただく際にいろいろと十分にご審議をいただく大いなるまた資料にもなっておるんではないかなと、こういうふうに思っております。
なお、当然のことでございますけれども、議会でご審議をいただくという事項につきましては、十分にご議論をいただけるように私どもも十分に尽くしてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
○山本勝委員 どうもありがとうございました。プラン・ドゥ・シー・リデュースということで、できればいつも知事がいろいろ作成されたところを議会へぼんと持ってきて、それを論議するというのもそらあれですけども、できればそういうものを作るというところを、できれば事前に議会の方としても何らかの形で、例えば構成メンバーあたりでもいろいろ選択はあると思いますので、そんなところも事前に入れるような形でできればなということでお話をさせていただきましたもんですから、十分ひとつ今後ともご議論いただければ幸いではないかと思ってます。
じゃああとは水谷隆委員の方に回します。どうもありがとうございました。
○水谷委員 引き続きまして、自民・無所属・公明議員団の旧員弁郡選出の水谷隆でございます。どうぞよろしくお願いします。
午前中の三谷委員と知事のやりとりの中で、15年度予算の編成について筋だけしかなかったとか、あるいは筋もなかったというような議論がありましたけれども、私も15年の4月に初めてこの議会議員として登壇をさせていただいたわけでございますけども、本当に15年度予算については筋も肉もわからないまま一生懸命県政のために無我夢中で取り組んできたところでございます。今日は15年度決算の総括質疑とこういうことでございますけれども、総括にならないかもしれませんけども、一生懸命質問をさせていただきますのでどうぞ最後までよろしくお願いをいたします。
通告では3番目になっておりますけれども、先日の新聞報道でも―某新聞ですけども、出ておりました三重県の産業廃棄物処理センターについてから質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
RDF発電所、CWJと前北川県政の目玉施策が次々と暗礁に乗り上げているという中で、今回目玉の一つであった環境二大施設として注目された三重県の廃棄物処理センターは、15年度県の監査で決算におきまして11億円を超える赤字を計上したと。そして、経営の改善を求められているわけでございますが、これを受けて同センターは処理料を平成17年度は現行2万円を2万8,000円トン当たりに、さらに平成18年からはトン当たり3万5,000円というふうに75%もアップするというようなことが記事にも載っておりました。こういった点につきまして、やはり累積赤字が24億円にも上るということは、やっぱり経営見通しが甘かったのではないかということと、これの赤字の原因はどうなのかといったことについてお尋ねをしたいと。
そして、現在の処理量というものは当初計画とどうであったのかと。あるいは、いろいろ人件費などいろんな経費全体が当初予算と比べてどのようになっているのかということもあわせてお聞きいたしたいと思います。
そして2番目に、これだけの大幅な値上げに対して関係市町村の同意は得られているのかどうかと。そしてまた、こういった値上げをすることによりまして、民間施設に切りかえられたらますます経営が困難になるのではないかなということが危惧されます。そういった点についてもひとつお聞きしたいと思います。
そして、赤字解消策として単純に値上げをするのでは余りにも安易ではないかなと。今後の経営改善策はどういったものがあるのかということをお聞かせ願いたいと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。
○井藤環境森林部長 それでは、三重県廃棄物処理センターのご質問についてお答えいたします。
現在、処理センターにおきましては県内37市町村から搬入されております一般廃棄物焼却残渣等の処理とそれから県内100社以上の企業から搬入をされます産業廃棄物の処理を行っております。委員のご所見にありましたように、センターの平成15年度の決算におきまして約11億円の単年度赤字となっております。事業団全体では3億6,000万円の債務超過というような状況でございます。
赤字の要因といたしましては、市町村からの一般廃棄物の焼却残渣等の処理については、計画量これ年間5万1,000トンを計画しておりますが、これの約91%、4万6,000トンが搬入実績でございまして、ほぼ予定どおりということでございますが、現行の処理料金1トン当たり2万円というのが若干安いんではないかということで採算がとれていない状況にございます。
また、産業廃棄物の処理につきましては、近年の企業の産業廃棄物の減量努力などもございまして、廃棄物の計画量、これ年間1万8,000トンを計画しておりましたが、これの34%、約6,000トンぐらいしか搬入実績はございません。このことが赤字の大きな要因というふうに考えております。
また、経費につきましては稼動当初ということもございまして、十分な安全運転を確保するという観点から、排ガス処理のための薬品や燃料の灯油などの処理材料費の投入が多いこと、これも大きな要因の一つとなっております。現在、こうしたことについて詳細な分析を行っておるところでございまして、改善策を早急に検討しているということでございます。
また、今後の処理料金の関係でございますが、事業団は安全運転を確保いたしまして、経費節減に最大限努めた上での必要な処理料金について、相当のやっぱり値上げが必要というふうに分析しております。しかしながら、当然市町村財政も厳しい状況の中にある中で、急激な値上げにつきましては市町村も非常に困るというようなことがございます。現在、こういうことから市町村と事業団との間でいくらぐらいにしようかという話し合いが続いているというふうに報告を受けております。
また、県といたしましては、現在事業団におきまして外部監査によります外部評価がなされております。この結果を踏まえまして12月中には、今月中には事業団の方から経営健全化計画が提出される予定でございます。その内容を見て、県としての支援のあり方とかそういったものも検討してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○水谷委員 どうもありがとうございました。当初計画から2万円というのが安いというような回答でありましたけども、これはいかにもちょっといいかげんな設定であったのかなという気がいたします。
それと、やはりこういった計画の中で当然当初からスタートした時点から経費がかさむということは、これはもう予測されてることだというふうに思います。だから、そういった点のやっぱり甘さがこういった赤字をつくっているのかなと。
それと、私も民間にその当時勤めておりましたけれども、平成12年度からこの建設に当たりましての基金を処理量の相応分の負担を16年度まで―もう今年度までですね、5年間にわたって出してきてるわけでございます。そういった中で、一般企業が出している汚泥なんかはトン当たり3万円で今処理をされてるというふうに聞いておりますけれども、こういった中で非常に厳しいこういった企業環境の中で、企業の委託料、処理費も値上げをするのかどうかにつきましてもちょっとお聞きしたいなと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
○井藤環境森林部長 現在、事業団の方から企業の産廃分につきましても、搬入量が先程申し上げましたように非常に計画量より少ないということがございまして、当然赤字になってございます。そういうことから事業団におきましては、搬入量を増やすように企業に働きかけを現在やっておりまして、一部はそのような見込みも立っております。ただ、全体量の中の34%しか入っていないということがございまして、今後さらに経営努力もする中で、またそういう搬入量を増やしていく中で当面は値上げはしないと、今のところ考えていないという状況でございます。
ただ、この計画が十分満たせない場合は当然受益者負担という観点からも、処理料金の値上げということも検討せざるを得ない、こういう状況が出てくるケースもあるというふうに考えております。
以上でございます。
○水谷委員 企業からの処理量が少ないということでございますけども、これどこでも企業は産廃物を減量して自分たちの経費負担が少しでも軽くなるように一生懸命取り組んでるわけですから、そういった中で値上げをしてこれを負担させていくということは非常に厳しいのではないかなという気がいたします。そういったことであれば、県の方としても何らかの補助をしていくとか、そういったこともやっぱり考えていかないと、民間企業で大体―私の推測ですけども、10億円ぐらいは恐らく出資してるのではなかろうかというふうに思っております。これは確かな数字ではないですけどもね。そういったことも含めて、やっぱり今後値上げ等については慎重に検討をしていただきたいというふうに思います。
そしてまた、ここの設備につきましては、多分外部の企業に運転管理あるいは人件費等で委託を当然されてるというふうに思うわけでございますけども、これらのやっぱり人件費を含めた経費、コスト削減をこれからも徹底的にやっていかないと、この事業は成り立っていかないのかなというふうな気がいたしますので、ぜひともそのへんのことにつきましてもよろしくお願いをいたしたいというふうに思います。ちょっと時間の関係で次にいきたいと思います。
続きまして、RDFの設備につきまして質問をさせていただきたいと。RDFの貯蔵槽の爆発事故が昨年に起きまして、本当に地元の消防士の尊い命を亡くしたわけでございます。改めましてこの方々に対しましてご冥福を心からお祈りをいたしたいというふうに思います。
今日は、衛生費というような中での観点から質問をいたしたいというふうに思います。県の監査において、企業庁に対して焼却施設に係る運営を委託している環境森林部は、今後も廃棄物処理が適正に推進されるようRDF化施設の検査、RDFの性状管理の指導を適切に行うとともに、事業の安全性、安定性の確保をするため万全の措置を講じられたいと、こういうふうに指摘をされておりますが、これを受けてちょっといじわるな質問ですけども、環境森林部としては当然のことながら他府県のRDFの施設における事故等の状況を把握してると思いますけれども、このへんについてはいかがでございましょうか。そしてまた、把握しているのであれば、それを踏まえた指導状況はどうなのかということを確認したい。
そして、RDF貯蔵槽爆発事故を踏まえ、国等においても各種報告書が取りまとめられ、それをもとに安全対策などが講じられているところであると考えるが、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部改正が平成16年の9月27日に公布されております。構造上の基準及び維持管理上の基準が示されたところではあります。構造上の基準においては2年間の猶予期間が設けられている事項もありますが、事故を踏まえ県民の安全・安心を確保するために早期に法律に適合させるのが重要であると考えますが、発電所の状況及び県下のRDF製造施設の状況についてお聞きしたいと思います。
そしてまた、RDF貯蔵施設について、今回新たに環境省の補助事業を活用して整備する方向であると聞いておりますけれども、現在の施設においても補助事業を活用して整備しており、その当時の環境部から企業庁に対し委託事業として実施され、事故後の調査で何かと施設に対して指摘をされているが、その当時における環境部のかかわりはどうであったかということもお聞きしたい。あわせて今回も企業庁に委託事業として対応するのであれば、前回を踏まえてどのように考えているのかをお聞きしたいと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。
○井藤環境森林部長 まず1点目の他県におきますRDFの事故の関係でございますけども、県外のRDF化施設におきまして今年度に入りまして2件の事故が発生しております。事故の状況につきましては、作業上の不注意による事故が1件と、機械の調整が不十分だったための事故が1件となっております。いずれの事故も適切な運転管理が行われていれば防止できたというふうに考えられますので、県といたしましては県内のRDF化施設に対しまして、その都度情報提供を行いまして、また改めて安全管理の徹底を要請したところでございます。
続きまして、今回の国の方の規則改正に伴う安全対策についてのご質問でございます。委員のご指摘のとおり9月27日に廃棄物処理法の施行規則が改正されました。このことから現在稼働中のRDF化施設6施設について早急に立ち入り検査を行いました。その結果、RDFの水分や温度等についての性状管理及び火災防止のための手順などの維持管理面の基準につきましては、全施設とも規則に適合していることを確認いたしております。
また、発火検知のための必要な機器等の技術上の基準につきましては、とりあえず2年間の猶予期間がございますが、温度計などの追加装置の設置につきましては本年度以降、早急に工事に着手すると、全施設ともそういう対応をとっていただくということになっております。ただ、現在におきましては、これらの施設におきましても指導等による監視のほか、そういう監視の強化を図るほか当面の安全対策については万全を期しているということを確認しております。
また、RDFの発電所の方につきましても当然私の方でいろいろチェックをさせていただきまして、安全の方についてはチェック、確認をしております。なお、現在試験運転中の桑名広域清掃事業組合につきましては、来週ぐらいから本格稼働に移る予定でございますので、早急に立ち入り検査を実施する予定をしております。また、今後のRDF焼却・発電所につきましては、法令や関係省庁の報告書などに基づきまして安全性の確保を図ってきたところでございますけども、今議会において補正予算をお願いしておりますRDF貯蔵施設につきましても、関係法令を踏まえて万全の安全対策を講じることとしております。
次に、安全対策について建設時からの環境森林部のかかわりでございますが、RDF焼却・発電施設につきましては、焼却施設部分の整備及び運営管理を企業庁に委託し、企業庁と連携しながら事業を進めてきたところでございますが、当初の建設時におきましては、国庫補助申請作業の中で当時の法令の基準等に基づきまして施設の構造等も含め安全対策につきましてチェックを行ってきたところでございます。今回のRDFの貯蔵施設につきましても、整備及び運営管理を企業庁に委託することとしておりますが、環境森林部といたしましても、この施設が昨年の事故を踏まえて改正強化されました関係法令に適合する安全な施設となるように企業庁と連携をして対応してまいる、このようなことで考えております。
以上でございます。
○水谷委員 どうもありがとうございました。環境森林部と企業庁が連携をしてやっていくと、強い決意がありましたので、安心はしておるんですけども。なぜこういうことを確認したかといいますと、やはり昨年のRDFの貯蔵槽爆発事故の特別委員会の中で、私もいろいろと質問をさせていただいたところが、やはり当時の環境部と企業庁の一体感がどうも欠けてるというような感じをいたしましたので、ぜひともそういったことのないように、メンバーも変わっておりますので大丈夫とは思いますけども、事業の安全性、安定性の確保ということで連携を保った形でのこれからの運営をしていただきたいと、このように思います。
もう1点ですけども、大牟田の実験結果で長期間保管するRDFが無発酵でも発火するという結果が新聞に出ておりましたけれども、この点につきましても三重県としても十分に検証されてると思いますけど、その点はいかがでございましょうか。よろしくお願いします。
○井藤環境森林部長 ご質問の点につきましては、企業庁におかれましていろいろ実験もされておりまして、その点については万全を期しておるというふうに聞いております。
以上です。
○水谷委員 どうもありがとうございました。
続きまして、生活創造圏ビジョンというタイトルの中での、桑名・員弁生活創造圏に特化してちょっとお聞きしたい。この生活創造圏につきましては、環境に優しい圏域づくりということでスタートをしておりまして、エコスクール事業だとか、あるいはエコツアー事業、森(里山)再生事業、あるいはRDFのシステムPR事業という内容で、桑名・員弁生活創造圏環境交流エリア推進委員会なる組織を作って積極的に取り組んできておるわけでございますが、その後の活動としましてワーキンググループの活動というものはそれぞれなされてるというふうにお聞きはしておるんですけども、15年の6月以来一度も開催をされていないと。これはやはりRDFの貯蔵槽の爆発事故でとんざしてしまったのかなという気がいたしますけども、そのへんにつきましての見解をお聞きしたい。
それからもう1点、非常にこれは重要な問題でございまして、地元の関連もあるわけでございますけども、RDFの発電所をこの地域に建設したのは、一般質問の中でも私も言いましたけれども、エコタウン構想のすばらしい夢の構想事業であったが、ここがこの地域の地域コミュニケーションの場となったり、あるいは環境エネルギーに関する教育・啓発の場として機能すると。そして、快適な環境地域づくりをしていくという我々としても責任があるというふうに思うわけでございます。そういった点につきまして、現在はどのような考えを持ってみえるのかをちょっとお聞きしたいなというふうに思います。 よろしくお願いします。
○浦中地域振興部長 環境交流エリア構想、多度町に建設いたしましたRDF関連施設がもたらすインパクトを活用しながら、先程ご指摘のありましたようなテーマとして新しい地域づくりを形成するというようなことで始まってございます。平成11年度と12年度の2カ年で「桑名・員弁生活創造圏環境交流エリア構想」を策定いたしまして、平成13年度から学識経験者、NPO、民間企業、それから県議会議員、行政機関、警察等を構成委員といたします構想推進委員会の場で、この構想実現に向けての検討を重ねていただいてございました。
そういう中で、平成13年度以降当構想において示されました15の戦略プロジェクト、そういったもののうち、エコツアー事業とかエコスクール事業など、ソフトを中心にNPOやとかあるいは地域住民と協働いたしましていろいろと展開をしてきました。またそれ以外のプロジェクトにつきましても、地域の意見を踏まえるとともに、国のエコタウン構想などとの連携も視野に入れながら推進委員会で検討をしてきたところでございます。
ご指摘のございました推進委員会の開催がどうなっとるのかということでございますが、こういうような形で進めておる昨年の8月にご承知のようにRDFの事故が発生したため、今後の構想の推進に影響を与えかねないと、そういう考え方から推進委員会の開催を控えてきたというところが現状でございます。
今後は事務局であります北勢県民局を中心といたしまして、構想のあり方とかあるいは具体的な進め方などについて検討することにしておりまして、適切な時期に委員会を開催してまいりたいというふうに考えてございます。
いずれにいたしましても、このように状況が大きく変化したというようなことから、地域の方々のご意見もいただきながら、委員会の中で幅広く今後の進め方等についてご議論をしてまいりたいというふうに考えてございます。
以上でございます。
○水谷委員 ありがとうございました。地域づくりについては明快な回答がなかったわけですけども、我々としましてもやはりこの地域につきましては、きちんと対応していく責任があるというふうに思いますので、ぜひともこういった観点から今後とも進めていただきたいなと、このように思うわけでございます。
最後に1点、簡単に質問させていただきます。産廃物の不法投棄ということで、いろいろ私も特別委員会などでそういった不法投棄現場を視察・調査させていただいた中で、四日市の大矢知地区にある不法投棄、不適正処分というのが正しいのかもしれませんけども、これの産廃物について一つお聞きしたいと思います。
今現在、あそこは大量に自動車が放置されとるわけですね。これは有価物ということになっておるわけでございますけれども、17年の1月1日から自動車リサイクル法が適用された場合、これは産廃の扱いになるのかと。あるいはなった場合、これを行政代執行などでできるのかどうかというのを簡単にお聞かせ願いたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○西場委員長 答弁は簡潔に願います。
○井藤環境森林部長 放置自動車につきましては廃棄物の扱いとなります。
○水谷委員 ありがとうございました。また後で特別委員会の方でこれは議論させていただきたいと思います。本当にどうもありがとうございました。
○森下委員 ご紹介いただきました新政みえに所属いたします、宮川流域の下流伊勢市選出の森下隆生でございます。よろしくお願いいたします。
今日は平成15年度の三重県歳入歳出決算に係る総括質疑、こんな形で会派の皆さんとチームを組みまして一翼を担わせていただく形で質疑に参加できます、そんな機会をいただきましたことに心から感謝を申し上げさせていただきたいと思います。
決算書のうち総務費、あるいはその項7にあります地域振興費の中で位置づけされております宮川ルネッサンス事業に関しまして、知事並びに関係部長のご答弁をいただきたいという趣旨でございます。決算全体の評価につきましては、午前中会派の三谷委員の方からるる全体的なお話をさせていただき、また様子を見せていただいておりますと、本当にこの委員会の醍醐味というか、そんなものも感じさせていただいて、ああ、本当にいい形で三重県議会がまた一歩前に進むことができたなという、そんな感じを持っておりまして、ぜひこの議論が実のある形で終結できますようにご協力をよろしくお願いいたします。
決算概要によりますと、宮川流域の抱える水、環境、地域振興などの諸課題を上流から下流まで一体的にとらえ総合的に解決を図ることで流域圏づくりを行うとともに、地域の魅力度を高める事業として宮川ルネッサンス事業が位置づけをされております。その事業に15年度は1,657万2,797円が支出されております。また、先日の行政監査結果報告書によりますと、流域圏づくりの推進の各部局で関連いたします関連事業を合わせると県の支出分は6,403万6,000円とのことでありまして、そんな事業がなされたわけでありますけども。
午前中の杉之内委員さんの言葉によれば、かなりこの評価については厳しく監査委員さんが臨まれて評価をなさったというご発言でございました。そんな評価のもとで、宮川ルネッサンス事業のこの事業につきましては、総合判定Aという極めて高い事業評価をいただいた施策であります。平成15年度までの評価としての話でございますから、私もこの評価につきましては全く異論のないところであります。事業推進に当たられました行政あるいは住民の皆さん、関係の皆さんに本当に心からの感謝と敬意を表させていただきたい、そんなふうに思います。
宮川ルネッサンス事業は、平成9年に新しい組織を設けて、山から海までを一体としてとらえた総合行政を行うとして、北川県政のもとでスタートしたものです。さきの本会議では、野呂県政には地域政策なしというふうに、見えないと、そんなふうに発言された議員もお出ででございましたけども、私は生活創造圏やそれから県民局単位の地域振興策とあわせて、命の水を共有いたしますこういった川の流域圏でつくっていく地域振興策、そんなものが大変意義あるものであって重要であると、そんなふうに考えております。したがって、ルネッサンス事業の継続を進めていらっしゃいます野呂知事の姿勢を高く評価をするものでございます。
宮川は日本有数の多雨地帯の大台ケ原を源流といたしまして、90.7キロメートル下りまして伊勢湾に注ぎます。その流域には14市町村、20万人を超える住民が生活をしている、そんな大河であります。さきの萩野委員の質問にありました熊野川、和歌山県と県境を接してるところでありますが、こういった川は自分ところの施策だけでは完結できない、隣との調整がありなかなか難しい問題が含まれてるということもご指摘があったわけでありますが、宮川は幸いにして県政の中ですべての施策が完結できる、そんな特色を持った川ではないかなと、そんなふうに考えております。
その宮川で去る9月28日から29日にかけて、台風21号とその関連の秋雨前線によりまして、未曾有の豪雨によりまして大災害が発生をいたしました。2カ月余りが過ぎましたけども、いまだ生活再建の目途が立たない中で年末を迎えなければならない方も多いと聞きます。改めて罹災された地域の皆さんに心からのお見舞いを申し上げます。また、亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げる次第でございます。
今日、朝この委員会室に入りましたら、少し気温が低かったと私は思うんですけども、おさまっておりました空ぜきが復活をしてしまいました。この風邪の症状は被災後間もない流域圏をずっと歩かせてもらったときに、私自身は背負ってきたものだということで、本当に2カ月間大事に大事に温めながらこの問題に取り組む、宮川を忘れるなというそんな警鐘をいただいたということで、今回も質問に立たせていただいてもらっております。微力ではありますけども、その責を果たさせていただきたいと、そんな立場でございます。
さて、このたびの流域の災害状況を考えますと、その原因として源流部で時間最大雨量150ミリ、累計雨量で1,189ミリという災害の目安であります時間雨量50ミリをはるかに超えている集中豪雨が起こった。また、地域の年平均降雨量2,400ミリの約半分が数日間のうちに降ったという、そういった異常な気象の状況のもとで起こったと。加えて中流部におきましても記録的な降雨に見舞われたことが最大の要因であると考えます。しかしながら、流域住民として謙虚に考えるとき、私たち住民のエゴが大災害をもたらしたとも言えるのではないでしょうか。宮川流域の安全神話、そんなものが壊れた大きな事態になったんではないかと、そんなふうに思ってます。
県政の中にありましては、宮川流域は森林政策、あるいは流域にかかわるいろんな治水事業、順当にといいますか、本当によくやっていただく中で宮川の安全が担保されてる、そんな自負のもとに流域住民は暮らしてきたわけでありますが、そんなところが今回の災害によりまして本当にもろくも崩れ去ってしまった、そんな印象も持っております。この払った大変大きな犠牲の上に立って、私たちは次に続く世代が清流日本一のこの宮川の流域で暮らし続けていけるように、次世代への責任として大きな務めを果たさなければならない、そんなふうに考えております。
流域の安全・安心の担保という視点に立って改めてルネッサンス事業を検証してみると、その中に流域の安全確保の施策に、宮川ダムの適切な洪水調整計画を樹立するということが、ルネッサンス事業の中にうたわれております。そして、ダムの計画の見直しの必要性を述べておられるわけであります。高度経済成長の礎として位置づけされた利水目的優先の考え方から、流域の安全・安心を優先する方向に改めるべきと考えますが、野呂知事はどのように考えられますでしょうか。具体的には宮川ダムの利水容量と洪水調整容量を見直し、また三瀬谷ダムに洪水調整容量を確保するなど、流域住民に安心を与える知恵出しをすべきと提言したいわけでありますが、知事の見解をお尋ねいたします。
また、ルネッサンス事業の実施計画にあります流出形態に応じた適正な洪水調整方式を確立するとした事業の進捗について、県土整備部長に伺います。ここで一たん切らせていただきます。
○野呂知事 まず、宮川ダムでございますけど、これは多目的ダムということで治水機能、それから利水機能というのを持っておりまして、治水面では流域に降った雨の一部をため、下流の流量を調整し、洪水被害の軽減を図っていくということでございます。
それで、先般の台風21号のときには、実は想定をしております量をはるかに超えるようなそういう多くの量の雨が集中豪雨としてもたらされたというようなことで、ダムの調整機能が限界に達したというような状況がございました。それで、これにつきましていろんなご指摘がありますけれども、私としてはこの状況に対して適切に対応したんではないかなとこう思っております。しかしながら、これにつきましてもやはり今後こういう状況の中のときに、より効果的にその調整をしていくためにどうしたらいいかということについては、国あるいは企業庁、そして県、関係市町村、こういったところで十分協議、検討をして、今後そういったものを検証しながら生かしていくということが大事ではないかなと、このように思っております。
細かい詳しいことは担当部長の方から、追加して申し述べたいと思います。
○長谷川県土整備部長 まず、ダムの管理というよりも一級河川の宮川全体の管理について申し上げますと、先程ご所見ございましたように、90.7キロのうち11.6キロが河口から玉城町の岩出までが国土交通大臣の管理、それから岩出から宮川ダムの上流までが79.1キロございますが、これが大臣から委任されて知事が管理をいたしております。
こういう管理分担の中でダムがあるわけでございますが、そのダム管理のことにつきましては、今回ダムの機能といたしましては、台風の21号の対応といたしましては、選択取水工事等の関係で通常の水位より約6メートル下げておりまして、1,000万トン程度の容量を確保することにより、治水能力を約1.8倍に高めていたということがございます。しかしながら、短時間の集中豪雨によりダム調節機能が限界に達したということの中で、特に今回我々考えておりますのは、宮川ダムの洪水調節容量がより効果的に機能できるためには、降雨予想等を参考に事前に水位を下げておくことや放流量の割合の変更など、操作方法の見直しなどをして宮川の安全・安心の確保を図るということのために、国、企業庁及び関係市町村とこれから協議していくということは決めております。
それで、そのような中で先程いわゆる利水優先のダムだというようなお話がございました。正直申し上げて発電のダムでございますので、治水の容量は確かに少のうございます。そのような中で、洪水調整のためのいわゆる指示は河川法の52条に決まっておりまして、その洪水による災害の防除とか軽減のための利水ダムの設置者に対して洪水調整の指示を行うことが、一応河川管理者のいわゆる国の方の河川管理者の責務といいますか、そういうような基準がございますので、このへんを今後先程言いました三者で十分検討をして、そういうような事前のいわゆる先程申し上げました放水量の割合の変更とか、事前に水位を下げるための調整等を今後十分検討をして行っていきたいというふうに考えております。
以上です。
○森下委員 ありがとうございました。知事の方からも今後いろんな関係機関と調整をしながら積極的に安全確保に向けて進めるというご答弁をいただきましたし、部長の方からも主体といいますか、管理責任、国もかなり大きな権限を持ってる中での動きだということも理解をさせていただくんですけど、流域の住民の命にかかわるところでありまして、誰が責任を持つかといったらやっぱりこういった形でその流域全体が管理できる、私は知事の責任が非常に大きいとそんなふうに考えておりますので、そんな視点に立った河川行政をぜひお願いしたいと思います。
先へ進ませていただきたいと思います。今回、流域に入りまして本当に住民の皆さんからいただいた声は、県はダム管理について流域の皆さんの声を聞いてない、マニュアルに従ってとかいうような言葉が返ってきて流域の住民の声を本当に真摯に受け止めて対応してないじゃないかという声を非常にいただきました。これから本当に協働して知事がおっしゃいます新しい公を創り上げていく中で、施策を協働して分担していこうということの中では、そういった仮にも、いやしくも不信感が漂うような形のあり方というのは決してよくない。平静のときから普段のときからそういう形ではしっかりとした情報交換をなしながら、その体制をきちんと作っていただきたいと思うわけでありますが、ぜひそんな決意も後程知事からいただきたいと思います。
それからもう一つ、ちょっと時間がもう押してるんですけど、ダム情報、こういった水位情報についてですけども、私はこの宮川流域について水の情報というのが十分に住民の方に伝わらないという、伝わってなかったと、今回。どんなふうに皆さん検証させていただいてるかわかりませんけど、本当に危機一髪で三瀬谷ダムの管理事務所の皆さんが避難をされた。あるいは、下流の円座では子ども2人が本当に水没する家の中でわずかの時間の中で救い出された。そんなことを考えますと、適切な情報が地域に伝わってないことのおそろしさというのが、また改めて実感をしたわけでありますけど。そういった流域の情報のあり方について、どんなふうに地域の皆さんに伝えられているか。このことを検証するために、そういうことの問題意識は頭にありながら、先般福岡の県議会を訪ねさせていただいて、河川の情報について調査させていただく機会があって、私はそれをテーマにずっと臨んでおったんですけど、帰ってきまして、今回のこのレクチャーを受けておりましたら、実はその情報システムは平成2年の6月に三重県ではでき上がっておりますという話になりました。私が不勉強で知らなかったということかもしれませんけども、こういったことが―これなんですが、本当に今回の災害に生かされておったのかどうかということが改めて検証されるべきではないかな、そんなふうに思っておりますので、そのへんについてのお考えを伺いたいと思います。
○長谷川県土整備部長 まず、先程の情報システムですが、雨量、河川水位、ダムの情報は「三重県川の防災情報」としてリアルタイムにインターネットや携帯電話で情報提供をしておりました。しかしながら、この利用者がアクセスする手順についての、それが十分に残念ながら周知してございませんでした。ですから、このことを解決するために今回の災害でも特に避難所等における情報は、情報がなかなか入らなかったということもございますので、そういうように災害時に住民が集まる場所を中心に、携帯電話からの情報取得のためのわかりやすいアクセス手順を記載したものを見やすい場所に掲示するなど、市町村と防災危機管理局とも連携しながら対応いたしたいというふうに考えております。
それから、いわゆる宮川の河川情報、防災情報でございますが、宮川流域の河川水位、雨量、ダムに関する情報は、国のデータも含めまして県庁で一元的にデータ収集を行っておりまして、先程のインターネットで流す、携帯電話、インターネットへの情報提供の内容となっております。それで、この河川水位に関しては特に指定水位や警戒水位に達した場合は、防災危機管理局に情報を提供するとともに、県民局のいわゆる建設部を通じて市町村に情報提供を行っておりますが、このへんがきちっと情報が伝わってるかどうかというチェックも兼ねて、少しその危機管理を強めたいというふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
○森下委員 知事には後程住民との協働についてのところだけ少し決意を伺いたいと思います。ダムのこういった人工的な、人為的な管理とあわせて流域の洪水を防ぐためには、その保水力といいますか、森林の保水力、そんなものの回復が非常に望まれるというのか、待たれるわけでありますけど。流域の安全・安心に大きく寄与していくこのルネッサンス事業としては、そんなことが期待されているわけでもあります。森林の問題につきましては、この後、宮川の上流に住んでらっしゃいます会派の大野委員、あるいはその森林の状況についてよくわかってらっしゃいます、櫛田川上流に住んでらっしゃいます森本委員の方から補完をしていただくことにさせていただきたいと思います。
最後に、私、宮川の河口に住んでる者なんですけども、河口の今回の流域の洪水について住民の方から陳情をいただいておりまして、河口の行状が非常に荒れてしまったということを、災害対策となりますと後程は上流部のそういった産業基盤の再生とかいうような視点に立つならば、そういったことに対してはいろんな目が届いていくわけでありますが、下流の方でも同じような形で産業基盤を失ったということで悲鳴を上げてらっしゃる、そんなこともぜひとどめておいていただきながら、これからの災害復興に臨んでいただきたいなと、そんなふうに思います。
少し時間が来てしまいましたので、後は先輩の議員に譲りたいと思います。最後に、知事の住民との協働の部分だけ決意をぜひお尋ねしたいと思います。
○野呂知事 災害を防止し、また洪水を防止していく、そういう観点から考えたときに、ご指摘ありますように、流域の川上から川下まで全体を含めた中で取り組んでいくということは非常に大事なことでございます。そして、今、宮川地域におきましては、宮川ルネッサンス事業の中で市町村やあるいは住民の皆さんもご参画いただいて、一体となってこれを推し進めていこうとこういうことでやってまいりました。そういった中でのご議論、ご検討が、あるいは取組が今後十分生かされていく、そのことが大事でありますし、その前提として必要な情報をしっかり住民の皆さんや市町村の皆さんと共有をしていくということが大事だと、こう改めて思っておるところでございます。安全・安心を標榜する、目指す三重県として、大いに今後も努めてまいりたいとこのように思います。
○森下委員 ありがとうございました。
○大野委員 それでは、多気郡選出の大野でございますけども、あと関連質問がメジロ押しでございますので、もう前置き一切なくしてすぐ質問に入らせていただきます。
まず一つは、森林・林業問題でございますけども、三重県はご存じのようにいわゆる県土の65%を森林が占めて、木材生産でも全国7位という、こういう言うならば森林・林業県であるわけなんですけれども、特に森林の中でも民有林が90%以上、それから人工林がその中で62%ということで、全国の林業県の中でもとりわけ民有林とか人工林が多いという、こういうことなんですけども。
それで、このことから三重県でまず平成15年度の決算においてどれだけの森林・林業関係の事業がなされたかということを少し検証しました。そうしますと、一般会計が7,290億円でその中の森林・林業にはわずか2.2%しか使われていないという、こういう状況です。金額では約161億円です。これを三重県と同じように全国の森林・林業県と比較しますと、宮崎県では344億円、それから秋田県では313億円、鹿児島県では238億円というこういうような状況です。そうしますと、若干予算規模の違いがありますけど、ほぼ同じような規模です。そうしますと、三重県のこの161億円の2.2%という、この15年度の林業施策の予算、事業量というのは非常に少ないと思うわけなんですけども、このような三重県の非常に低位な、言うならば全国的に低位な林業・森林施策について、まず一つどのようにお考えになってみえるかということをお願いしたい。
そして、次に三重県の161億円の森林・林業関係の予算をもう少し分析をしてみますと、この中にいわゆる木材住宅への資金の低利融資、これが約14億円含まれています。このようなもの、それから国が行う補助事業等を精査しまして、県が単独で県の施策として行ったいわゆる県単事業は、いわゆる造林事業で約5,000万円ぐらい。それから、森林環境創造事業というのが、これが約3億7,000万円、林道関係が3億4,000万円、それから治山関係が8億2,000万円、いわゆる県単の事業としては約16億円になってるわけなんです。こんな現状でありまして、非常におそまつというと表現が少し悪いですけども、やや軸足を置いてないこの施策の現状であると思います。
そういうことから、15年度の事業を踏まえて今後に残されている課題が2番目に何であるのかということ。この2点をまず最初にお伺いをいたしたいと思います。
○井藤環境森林部長 まず林業費の関係でございますが、委員ご指摘のように本県の林業費の割合は2.2%ということで、全国22位でございました。一方、全国の木材生産量の上位20道県―三重県は16位でございますが、この20の道県の中では林業費の割合は12位ということで、委員はなかなかというお話でございますが、おおむね中位ではないかなというふうに考えております。今後とも県民しあわせプランに基づきます各種施策を着実に実行していくため、引き続き森林・林業予算の確保に努めていきたいと考えております。
なお、次に課題でございますが、委員のお話にもございましたように、今回の災害を見てみましてもさらに災害予防、人命の関係も含めまして、災害予防を推進するためにはさらに森林整備を図っていくということがさらに今後の課題だというふうに考えております。
以上です。
○大野委員 三重県の森林・林業の施策を費用的に見ると全国中位だということですけども、中というのはいいのか悪いのか、いわゆる力が入ってないという、私はそういうことだと思うんです。やはり本当に三重県が林業・森林施策に力を入れるのであれば、やっぱり中じゃなしに、中だからまあいいと、だからそんなにやらなくてもいいじゃないかと、そんなスタンスが、私はずっと15年度までの林業施策関係の決算を見てみますと大体ほぼ同じなんです。だから、中であればまず施策として余り追求されない、まあまあそれでいいじゃないかという、そのスタンスが基本的にあるのじゃないかと思うんですけども。そのへんはやっぱり余り力入れなくて中ぐらいで三重県の森林・林業施策は十分であったという、まず十分に近いというそういう判断だったんですか。その点をお伺いします。
○井藤環境森林部長 今までの予算でいろいろなことを実施してまいりましたけども、治山にしても林道にしてもまだまだ十分なこととは言えるような状態ではございません。したがいまして、十分であったかどうかといえばまだまだ不十分でございます。ただ、今後はさらに私も林業を預かる部長としてさらに頑張っていきたいというふうに思っております。
○大野委員 時間の関係でそれ以上はしませんけども、今回の21号の台風でも林道関係含めてやはり森林・林業関係が300億円ぐらいの被害があるんですね。この実態を見れば、やっぱり施策の中で、もう少し治山等も含めたやっぱり森林・林業施策の位置づけにきちっと軸足を置いていくのが今後の課題であるということをひとつ、ぜひとも知事も含めてご認識をお願いいたしたいと。
それから2番目は、木材価格を見てみますと昭和30年代の一番木材価格のいい時代と比べると今の価格は約3分の1でございます。そんな中で、実は国の現在の林業施策というのは30年代に作られました。これは木材価格が非常にいいときなんです。そこを少し造林、撫育という点から見てみたいと思います。
国がいわゆるいろいろな補助事業を行うときに、まず植林があります。スギの場合をいうと、国は大体4,500本植えなさいということなんですね。1ヘクタールに4,500本、それを6回間伐して50年後には900本の森林にしなさいと。これに対して補助をつけてるわけなんです。だから、4,500本よりも少なく植えれば補助が少ないわけです。間伐には最高で60%の補助が出る、国から。これで施策をずっと一貫して続けてきました。三重県もこの国の施策に乗っていわゆる森林を造り上げていったわけですけども、実はその結果が何であるかというと、施策どおりに間伐が行われていない。4,500本植えたのが50年たってもまだ半分も残っておる。実は半分残っておるからいいじゃないかというんじゃなしに、半分残っておる木というのはほとんど使用価値がないわけなんです。
ですから、私は今木材価格が昭和30年代から3分の1になった。この時点で国も含めて県も含めて、いわゆる植林、撫育、そういう政策をもう一回見直して転換していかなきゃならないんじゃないかと。例えば1ヘクタールに4,500本植えとったのを、それを半分にするとか。それから間伐を回数を半分にする。国の施策でいうと何でそんだけ植えるんだというと、実は下に草が生えないようにというんです。山で下に草がなけりゃあかんわけなんですね。4,500本植えたら木が密集しておるから、下に草がないから、それだけ楽なんだと。手入れがというんですね。こんな間違った発想の林業施策がいまだに続けられておるわけなんですけども。
やはりこの点について、まず三重県として国の施策は施策、やはり三重県が全国的な森林県であるということで、現状にあった森林施策を進めていくという課題が私はあると思うんですけども、ひとつその点について環境森林部長のお考えをお伺いしておきます。
○井藤環境森林部長 本県では昭和30年代に、成長が早く利用価値のすぐれたスギ、ヒノキの有用材生産のための密植、多間伐施業、委員のおっしゃるとおりそういう施策を中心に人工林が多く造成されてまいりました。しかしながら、長期にわたり木材価格が低迷するなど、林業の採算性の悪化から森林整備がなされない放置林が増加して、水源かん養などの多様な機能の発揮に支障を来たしておる現状でございます。
これらの時代の変化に対応するため、国におきましては平成13年度に林業基本法から森林・林業基本法へ改正されました。また本県におきましても、森林を「生産林」と「環境林」に区別してそれぞれの区分に応じた施策展開を図ってきたところでございます。
ただ、委員のご指摘のとおり、今後は地域、地域に合った施業の必要性を私も認識しておりまして、生産林においては従前の施業体系に加えまして、地域の実情に応じました例えばヘクタール当たり500本の大径木生産や、植栽につきましても半分程度にするといったようなことで低コスト化や複層林化を進め、また環境林においては針広混交林化、これらを図って森林管理を新たにしていく必要がございます。
ただ、私どもの方としましても、平成15年に内部的には森林管理方法というのをそういった目で新たに検討されたところでございますので、この方針に基づきまして今後は森林の持つ公営的機能の持続的発揮と林業の振興につながる施策をそれぞれ進めていきたいというふうに考えております。
○大野委員 ぜひとも17年度予算におきまして、新しい林業施策の展開、また政策についても方向転換をお願いをいたしたいと思います。
それでは、時間がありませんので、知事に簡単にお伺いします。北川知事の時代には先程から問題になっておりますところのCWJとか、それからRDF発電とかISO認証とか、言うならば先端的な事業に取り組んだわけなんですけれども、それは成功したかというのは県民が判断していただけると思うんですけども。やはり私は15年度予算を見たときでも、やっぱり軸足はどこにいっとるかというと今申し上げましたようなところに軸足がいっておって、県民生活の一番基盤である林業、農業、水産とかそのへんの基盤作りに私は目がいってない、軸足がいってなかったと思う。私はやはりいろんな状況を考えても、今後の県政15年度の決算を踏まえて、その中から出てきた課題を踏まえて、今後はもう少し第一次産業にきちっと軸足を置いた県政を進めていく必要があるんじゃないかと思います。このへんについて知事のお考えを伺いたい。
もう1点、知事は資源循環型社会というのを県政の一つの重要な位置づけをしてますけども、私は資源循環型社会の一番基礎は森林であると思うんです。これは今の地球環境問題見てもそうです。だから、やはり資源循環型社会の基軸に森林政策を据えて、三重県政を進めるということについても知事の見解を伺いたい。
以上、2点お願いします。
○野呂知事 まず、第一次産業についてどのように考えていくかということでございますけれども、第一次産業につきましては、例えば農業、水産業でもそうでございますが、食料の供給であるとか、それから非常に多面的な機能として水源のかん養であるとか、あるいは安らぎの提供であるとか、災害の防止、こういった様々な役割を担っておりまして、県民生活にとりましても、あるいは経済を支えるという意味からも大変重要なものだと、こういうふうに思っております。
それで、農山漁村におきましては、基幹産業ということからの就業の場を提供するというようなことでの地域の活性化にも極めて大きな役割があるわけでございます。“しあわせ創造県”の実現のためには、そういう意味では農林水産業を元気にしていくということは大変重要であると私も考えております。しかし、現況を見ますときに、大変高齢化が進んでおるとか、あるいは担い手不足であるとか、産地間競争も激化しておる、食の安全・安心という観点から非常に消費者の高い関心が集まっておるというようなことで、必ずしも農林水産業を取り巻く環境というものは、その厳しさが和らいでおるというわけでもございません。
それから、もう一つは農林水産業につきまして、生産効率とかコスト議論だけでは判断できない重要性であるとか、必要性というものもございます。そういう意味では、ただ単に食料の供給というだけではなくて、それは安全・安心なものでなければならないというようなことや、それから地産地消によります本物の食とか、あるいは地域文化の提供をしていく役割とか、それから多面的機能についても十分な機能発揮していくというようなことがございます。そういういわば県民に価値あるサービスというものを提供していくということ、このことが第一次産業に対します県民の信頼であるとか、あるいは支持というものにつながっていくのではないかなとこう思っております。
これからの三重県のありようを考えるときに、極めてそういう意味では農業、林業、水産業、非常に大きなウエートを占めておるわが県にとりまして、大変大きなことでありますから、そういう意味では軸足を置くべきだという意味合いを私も私としてしっかり受け止め、そしてそれを展開の中で私の思いとしてもぜひ実現していきたいなと、こういうふうには思います。
それで、循環型社会の基本は森林だという点ございました。もうこの点については私もそのとおりだとこういうふうに思っておりまして、そういう意味で林業につきましてもその機能が多面的にあるわけでございますから、それを十分に発揮をすること、そのためには林業として持続的に維持し、発展していくことができる、そういう基盤を整備していくということが大事だろうと、こういうふうに思っておるところでございます。
○大野委員 それでは、ありがとうございました。ひとつ環境森林部長、知事が来年度の予算で本当に立派な森林・林業施策を作ったなといってにっこり笑うような、そういう施策を作り上げていただきたいと。
それでは、もう時間がありませんので、文化については、知事がやっぱり県民の文化作り、それから県民が舞う舞台作り、県民が舞い手、こういうようないわゆる文化トークなんかいろいろされてますけども、15年度決算を見たときに、実に文化予算というのは貧弱なんです。教育委員会でもしかりです。教育委員会の学校教育予算においてはほとんどありません。それから生活部の予算を見ましても、中心になっているのはイベントとそれから総合文化センターへ丸投げという言葉はいけませんけど、全部なおざりにしました。いうなら観賞事業、このへんが中心なんです。
もう時間がありませんので申し上げませんけど、ひとつ17年度は知事が本当に文化県作り、地域の歴史、文化、生活、それから風習から生まれてきた文化、それをきちっと作り上げていく、そういうことが三重県の文化作りだというのは知事の重要な施策になっておりますので、ひとつこれをぜひとも17年度は一歩でも二歩でも前進をさせていただくことについて最後に要望しまして、これで終わります。
○西場委員長 関連質問の申し出がありますので、時間の範囲内でこれを許します。
○森本哲生委員 それじゃ失礼します。森下委員、そして今の大野委員の関連というようなことで質問をさせていただきます。また後もありますので、手短に回答をよろしくお願いを申し上げます。
それでは、私、6年目になるんですが、唯一一回だけ関連質問をさせていただいたことがあるわけでございまして、一般質問なんですけども、これも大野委員が平成12年の9月22日でございまして、9月定例会ということでございます。これは当時の背景といいますのが、9月11日に大きな台風がありました。日雨量が500超えて、時間も約70ミリ降ったときでございまして、そのときには少し風が弱かったこと、公共工事でやはり強い県土作りを目指してやっていただいたこれまでの成果というようなこともあろうかと思うんですが、そうしたことから大きな被害に至らなかったわけでございますが、なぜか私自身はこの雨の状況を見ておって不安を感じた、そんなところで当時の質問をさせていただいたわけでございます。
当時、大野県議、非常に単価の低迷というようなことで、林家が作業に意欲をなくしておるというような質問の中で、私自身もこの3年、4年間特にひどいなというようなことをこの12年当時に感じておりました。このままの状態で推移しますと、例えば雨と風が一緒になったときに、大変な被害が起こるんじゃないかなというようなことを実は関連で申し上げたわけでございます。その当時の予測というものが、これはあってほしくなかった予測でございますが、5カ年ぐらいで非常に緊急な間伐をしていかないと5年ぐらいの間に大災害が起こるんじゃないかなと非常に予測される、そんな思いの中で萩野先輩議員からは「もう森本君、懇願やったな」というようなことを後で言われて、私も必死の思いでそれを申し上げたわけでございますので、私もよく覚えておるわけでございます。
しかし、そのときに北川知事は非常に林業基本法―今もお話がありましたが、その改正とかデカップリングの政策、それから環境型社会の構築というようなことで、災害にとにかく強い国土形成を目指す、そうした方向で様々な視点で森林政策を考えるというような積極的な発言をしていただきました。そして、そのときに平成12年の当時の予算をちょっと私自身がひもといておりましたときに、林野、溝渠の予算が125億円の中で12億円程度が―いわゆる間伐といってもいろいろあるんですけども、間伐の施策に充てていただいておった。そして、13、14、15と何と15億円まで間伐の予算が増加してきておるわけでございます。15年はさらに私自身15億円以上、まだあと16億円近くというようなことで補正と合わせて喜んどったんですけども、この15年の決算を見てみますと―いろんなこれ7種類ぐらい間伐でもありますんで、その中で7,000万円程度が繰り越しをされておるということでございます。
ですから、その繰り越しをされたその当時の理由というものをちょっとお聞かせをいただいて、第1の質問にさせていただきたいと思います。
○井藤環境森林部長 委員のご指摘ございましたように、15年度決算におきまして森林環境創造事業費におきまして6,756万9,000円を繰り越しいたしました。この大きな要因は、平成15年度新規事業でございます森林再生CO2吸収量確保対策事業、この事業におきまして市町村が補正対応をしていただいたことによりまして、市町村の事業着手が遅れたということが大きな原因でございます。また、県単の森林環境創造事業におきましては認定林業事業体によります、森林の所有区域の確認や所有者との契約事務が環境林整備計画確定に時間を要しましたことが大きな要因でございます。今後は市町村の認定林業事業体に対しましても環境林の整備計画認定を前年度に行うなどいたしまして、事業の早期着工を図り、繰り越し額を少なくしていきたいというふうに考えております。
○森本哲生委員 ありがとうございました。それで、部長、あと16年度の予算がやはり1億円ぐらい少ないんですね、決算予測では。そうすると、私自身ではやっぱり林業の予算というのは作業をされる方、いろんな森林組合の関係での今の現有勢力がありますわね。ですから、そこで非常に余り多く予算を一気につけても難しいんかなというんか、そんな思いもしとるんですけども。そういうことはないということでよろしいんですか。予算をある程度配分すれば、かなりのところは、むちゃくちゃつけてもいかんと思うんですけども、いけるというような解釈でよろしいんですか。
○井藤環境森林部長 できる限り繰り越しを少なくするということは努力いたしますけど、例えば今年度のような災害が発生しました場合には、事業計画しとった分が急遽できなくなったということで、その分については逆に減額、12月補正でも一部減額をしておりますけども、一部他の市町村に事業を振るということも考えておりまして、そういう措置もとりました。その場合には、市町村は12月補正で対応するということになりますので、場合によってはまた一部繰り越しが出るということも考えられます。
○森本哲生委員 時間を急ぎますんで。それで、この間伐のことなんですけども、これ難しいと思うんですけど、3齢級から8齢級ですね、1齢級が5年っていうことですから、これちょっと議員さんの勉強もしていただいたらいいと思うんですけども、11年から8齢級で40年生ですね。これが私自身が算出すると13万ヘクタールぐらいあるんですね。13万。三重県の間伐林分の算出は恐らく1万5,000ヘクタールを5年間でやる、その半分をやるという計画やと思うんですよ。ですから、10年間で7万5,000、しかし本当に必要な林分は13万超えてくと思うんです。これは県の責任だけやないんですよ。これは林家がやれる分をもっと見やないかんのですけども、これがほとんど機能してないというところに私は大きな問題があると思うんですけども。
しかし、先程大野委員も言われたように、100メーター100メーターのところに、私の近くはほとんど―尾鷲はもっと多いと思うんですけど、5,000本植える。私の年代55歳ぐらいになると、それを1,000本に残す。4,000本というのは必ずそれは切って施業していかんならん現実があるんですよ。現実が。これをやらないと、災害は、間伐すればすべていいということはないんですが、これはやっぱりこの現実というのは大事に踏まえていただきたい。やっぱりこのことをもっと都市部の方もいろんな方が共有していただくということが、また一番大事なことでございますので、その点につきましてはやはりもう少し民家が今物すごく力が落ちとる以上は、頑張っていただかなあかんということをお願いしたいんです。
そうなると、17年度予算でも今災害がありましたけど、ある程度伸びないという解釈になるんですか。この15年の結果を踏まえて、16年も結果を踏まえて、17年の施業は。
○井藤環境森林部長 委員のご指摘のように森林の機能を発揮させるには、間伐というのが重要であるというふうに私も考えております。このような中で、平成12年度から16年度までの5年間で3万7,500ヘクタール、先程おっしゃいました10年間で7万ヘクタールと、これも半分ですけども、これの間伐を実施してまいりました。今後、さらに17年度以降につきましては、国の方で新たに始まります間伐等推進3カ年対策、これを積極的に取り入れまして事業の方を重点的に開始をするというふうなことを考えております。
○森本哲生委員 ここでは余り議論をしませんが、例えば災害で林道なんかが傷んでおりますから、ある程度入っていけないということで落ちるということはやむを得んと思うんですよ。だったら、今、副委員長をしていただいとる福山議員が質問されたように、やっぱり民家の近くに集中的に配分するとか、とにかく面積はやはり減らさないような方向でとにかく頑張っていただくというようなことを切にお願いをしたいわけなんです。
ですから、いろんな方向を林道が確かに、知事、持ってみえる宮川と飯南の間はこれは施業をかなりきっちりしておるところでもこの雨でがたがたになったんですよ。ですから、すべてではないんですけども、しかしそれをしっかりやっていかないと、やっぱりまだまだ毎年こういうもんが起こるということはもう確実に予測されるというか、もう当たり前のことでございますんで、そのへん特に、いろいろ問題あって苦労されてるというのは聞いとるんですけども、治山事業については。よろしくお願いを申し上げます。
これは桜井県議が言われた環境税とか、今この意見書出とる竹上県議も言われた違法伐採の問題、これトータルでやっぱり森林はやっていかないと、私のはこれピンポイントで言いましたけども、トータルでやっぱり考えていってやっていただきたい。それから、住宅の融資制度も指摘してありますので、一般質問で。そのへんもトータルを合わせてお願いします。終わらせていただきます。えらいすいません。
○西場委員長 関連質問の申し出がありますので、これを許します。
○萩野委員 時間もございませんので、早速。午前中知事の答弁で観光の問題で、来年は余り期待するなというふうなこともありましたが、中村委員の観光政策に関連して少し角度を変えて警察本部長に伺いたいんです。
今、イラクがあのような状況になっておりまして、そのイラクに兵隊さんはたくさん行きますけれども、あのような状況下で観光客がイラクに行くということは皆無だと思うんです。したがいまして、観光政策と治安というのは、私は密接に結びついているんではないかと思うんです。そういう観点で、三重の治安ってどうなんだというあたりと観光を結びつけた議論というのは、やっておく必要があるんではないかという思いがあるんです。
それで、去年、刑法犯の認知件数が三重県で4万2,587です。これは全国でワースト9位ですよ。その前は4万7,000なにがし件数でワースト6位でありましたから、少しはよくなっているんです。そういう状況下にあって、これしかも肩を並べているのは東京や大阪や神奈川という大都市と肩を並べるというふうなそういうところで9位なんですよね。それで、もう一つ問題なのはその検挙率ですよ。その検挙率が4万2,587全国9位の中で、19.6%なんですよ。100人おったら20人しか捕まらんということです。5分の4は捕まってないということだと思うんです。19.6%というのは。それで、それが全国数えて43位ですよ。後ろから5番目です。検挙率が。このことが、中村委員がもう10年も伊勢の元気作りとか観光振興とかってずっと言ってるのに、このような状態で伊勢志摩は地盤沈下、地盤沈下と言われているんですが、そのような観光と治安との関係についてどのように認識されているのか、まずお伺いしておきます。
○飯島警察本部長 お答えいたします。
私どもは県民の皆様の安全・安心を守るということで取り組んでおります。もちろん県民の皆様という中には当然三重におみえになられる外国の方も含め、観光客の方も当然私は入ってると考えてるところであります。委員ご指摘のとおり、観光客の皆さんが安心して県内でいろいろな観光をされるためには、やはり被害、犯罪に遭わない、また交通事故等に遭わないということは大事なことでありまして、今後とも県を初め自治体、それから観光関連業界の皆さん方とも十分そこは連携をとりながら、観光客の皆さんが安心してこの美しい三重に来ていただけるように、県警察といたしましても最大限の努力をしてまいる所存でございます。またよろしくご指導ください。
○萩野委員 もう1分しかございませんけども、大体1人当たりの警察官が負担する県民の数というのは三重県は667人なんですよね。全国平均が527人ですから、かなり多い方を、負担という言い方そのものが嫌なんですけど、県民を560負担してるとか、担当ぐらいに変えていただきたいんですけども、そういう状況もあって今のような状況になっているんだと。
要望しておきます。やっぱりその地域に合った治安戦略というのが必要じゃないかと思うんです。見えないんですよ。伊勢志摩と検挙率14%の四日市市と同じような観光戦略ではいけないと思うんですよ。地域に合った、実態に合った観光、治安戦略というのをぜひ考えていただきたいということを要望して終わります。ありがとうございました。
○西場委員長 以上をもって、本日の一般会計・特別会計決算にかかる総括質疑を終了いたします。
なお、本委員会に付託されました決算認定議案につきましては、お手元に配付の一覧表のとおり所管の分科会で詳細審査を分担していただきますので、よろしくお願いいたします。
次回の委員会は、平成17年度当初予算要求状況について調査を行うため、12月8日、水曜日、午前10時から開催いたしますので、よろしくお願いいたします。
これで、予算決算特別委員会を閉会いたします。ご苦労さまでした。
以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。
平成16年12月2日
予算決算特別委員長 西場 信行