三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成16年度 委員会会議録 > 平成16年10月14日 地域活性化対策特別委員会 会議録
地域活性化対策特別委員会
会 議 録
開催年月日 平成16年10月14日(木) 13:00 ~ 14:40
開催場所 第601委員会室
出席委員 9名
委員長 | 岡部 栄樹 君 |
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副委員長 | 大野 秀郎 君 |
委員 | 中嶋 年規 君 |
委員 | 森本 繁史 君 |
委員 | 森本 哲生 君 |
委員 | 福田 慶一 君 |
委員 | 桜井 義之 君 |
委員 | 橋川 犂也 君 |
委員 | 西場 信行 君 |
出席説明員
〔農水商工部〕
農水商工部長 石垣 英一 君
同観光政策監兼地域活力づくり分野総括室長 梅村 庄三 君
その他関係職員
〔環境森林部〕
環境森林部長 井藤 久志 君
同森林・林業分野総括室長 木平 悦生 君
その他関係職員
〔地域振興部〕
地域振興部長 浦中 素史 君
同東紀州活性化・地域特定プロジェクト
総括推進監 長谷川 敬 君
その他関係職員
傍聴議員 0 名
県政記者クラブ加入記者 6 名
傍聴者 0 名
議題又は協議事項
○ 所管事項の調査
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
〔出席説明員紹介〕
1 所管事項の調査
(1)当局から資料に基づき説明(石垣部長、井藤部長、浦中部長)
(2)質疑・応答
○岡部委員長 それでは、ただいまから地域活性化対策特別委員会を開会いたします。
中嶋先生と橋川先生が少し遅れますので、ご了承いただきたいと思います。
本日は調査のため、環境森林部、農水商工部、地域振興部の出席を求めておりますので、ご了承いただきたいと思います。
本日の調査の進め方でございますが、初めに中山間地域の農業振興についてを農水商工部から、続いて森林・林業対策についてを環境森林部から、最後に三重県型デカップリングについてを地域振興部からご説明をいただき、その後質疑に入らせていただきますので、ご了承願いたいと思います。
それでは、農水商工部から中山間地域の農業振興についてご説明を願います。
○石垣農水商工部長 説明。
○岡部委員長 以上で農水商工部からの説明を終わります。
次に、環境森林部から森林・林業対策についてご説明をお願いします。
○井藤環境森林部長 説明。
○岡部委員長 以上で、環境森林部からの説明を終わります。
次に、地域振興部から三重県型デカップリングについてご説明をお願いします。
○浦中地域振興部長 説明。
○岡部委員長 はい、ありがとうございます。それぞれ各関係部からご説明をいただきました。委員の皆さんでご質疑等あればお願い申し上げます。
○福田委員 ちょっと1点だけ教えていただきたいんですが、農業振興について。中山間は非常に教えていただいて農業の総生産で4割占めるということで非常に大きな位置を占めていると思うんですが、それぞれの農産物の加工センターなんかつくっていただいて努力していただいていると思うんですが、私の地元でも立ち上げていただいてやっていただくのは非常にありがたい話なんですが、そこから先のですね、生産はやるんですが、部長はよく御存じですが、販売をね、これがなかなかうまくいかないというか、切実な加工センターに従事しておられる方々の声としてよく聞かせていただくのは、販売のノウハウも持っていないし、そのルートも持っていないということで、一からスタートという声をよく聞くんです。これまでの農産物の加工品のセンターやら等々をおつくりいただいたのは本当にありがたい話ですが、やっぱり販売の対策に今までどう具体的にされておったのか、あるいはこれからされるのかというのをちょっとお聞きしたいなと思います。
○石垣農水商工部長 委員言われますように、ものをつくって売れていかなければ一緒でありますというお話ですけれども、今その地域で地域資源、その地域の資源を生かして新しい新商品開発とか、何かいろいろなものに取り組んでいただいております。確かにいかに売っていくかと。市場で、マーケットでいかに評価されるものを売っていくかという話にどうしてもなるわけでありますけれども、一例を挙げますと、例えばこんなことをやっています。今、これは産業支援センターと連携しての話なんですが、どうしてもマーケティングでマーケティングというのは弱いんですね。今、産業支援センターにそういうマーケティングのプロがいろいろ相談部門に置いてあります。その方々がいろいろそこで相談を受けて、例えばこの商品のパッケージはこうした方がいいよとか、例えば流通だったらこっちの方でやりなさいとか、流通チャンネルですね。そういうものについてのいろいろな相談は受けております。あとうちはアドバイザーというのを置いているんですけれども、そういうアドバイザーの方々がその地域に回っていってそういう専門的な指導をするという制度も持っております。すべて完璧ではありませんけれども、そういう制度で支援をしているというのが実態であります。
○福田委員 私美里ですので、例えばジャムとかタケノコとか等々缶のやつをつくっていただいたりしてるんですが、なかなか御存じだと思いますけれども、売れないと。この間も委員会は違うんですが、農水の委員会で大山田の新しい加工場を見せていただいたんですが、そこの主婦の方々も新しい施設ということもあるんで非常に期待をしていろいろもちやらをおつくりいただいていたんですが、今部長言われたように、なかなか生産者側からの教えてというのはなかなか少ないような気がするんです。やっぱり農業振興という面でいくと、もう少し、今までもご努力いただいたと思うんですが、施策としてこちらから、行政の方からおまえらこうしたらどうやと―言葉は悪いけれども、もう一歩ちょっと踏み込んだ振興策も要るんじゃないかなと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○石垣農水省部長 今農林業も水産も含めてでありますけれども、今考え方が、基本的に消費者あるいは県民がいかに満足するか、満足するものをどういかに私どもは提供していくかという、いわば消費者の求めるニーズといいますか、そういう価値をどう提供していくかということが農水商工の施策の中の根幹にかかわってくるんだと思うんですね。そういうものに対して提供していく、今までは生産者側の、供給者側の論理で物を提供して、こうやってつくれば何か売れていったような調子で済んだと思うんですね。やっぱり消費者のニーズ、消費者の満足するもの、求めているものに対してどう商品化をしていくかということについてはこれは基本的なことだと思います。それについて私ども県と、例えば農業者・農業団体が、私の口から言うとパートナーといいますけれども、今、私ども整理していますけれども、そういう視点でこれからものをつくっていかなければならないと思っています。
これは、三重県の野菜であっても、熊野のミカンであっても、例えばミカンであったら消費者から甘いものと、今マルチ栽培とかという栽培法も変えてきてるわけですね。そういう取り組みをどんどんそういう方向で進んでいくと思っています。
あと一点、済みません、先ほどの話、肝心なことを言うのを忘れていましたけれども、実は地産地消というのをやっています。やっぱり今三重県で地産地消のネットワークで入ってもらっている方、約1万人のNPOとか近隣の方々が見えます。実はこの方々が今三重県の商品についてインターネットで情報提供するというのを今うちは行政とネットワークの1万人の方々はシステムを組んでおります。システムができてきますもので、実は例えば美里の中でこういうジャムがあるよと。これはまさしく100%安全なものであって、こういうもので付加価値の高いものであるよとか、そういうそれを目指すPRなんかの情報提供もしていきたいなと思っております。ちょっとこれは、先ほど漏れまして済みません。
○福田委員 私も言わんとしていたことを例えば美里のみそとかジャムとか、あんたはインターネットで、例えばウエブサイトをつくってやっとると言ったら、そんなの知らんわと言ってたので、ぜひ情報を提供してそれから消費者に選択していただいて、あそこのみそがええなあとか、あそこのジャムおいしいわということの端緒ですので、そこら辺の情報発信の仕方とかをぜひ政策としてご指導を全県にわたってしていただければありがたいなと思います。
○梅村観光政策監兼地域活力づくり分野総括室長 今委員のおっしゃられた件ですけれども、今までこういった地域づくり、加工品等のさらに活用するという方法でマンパワーか大事だということで、今までは地域興しマイスターという方を5人ほど指定させていただきまして、それを市町村を経由して紹介するという形で、今おっしゃられた話ですと、例えば広がりを持たすということでほかの取り組みと交流をいただくと。そこの予算を取っていただくとかというような紹介もしていただきながら広がりを持ってきたところもございます。これにつきましては、現在は三重のふるさと先導人という制度に変えまして、現在13名の方を登録させていただいています。こういった方々もいろんなノウハウを持っておりますので、これも市町村さんを通じてということになりますけれども、ご利用いただけたらなというふうに思っております。
○森本繁史委員 環境森林部長にちょっと聞きたいだけどね、今県行造林というか、県有林があるわね。この県有林の年間の維持費と収益、これはどうなっているのかな。それから環境林と経済林というのがどうなっているのか。
それから、今各地域でツキノワグマがあっちこっち出てて被害を受けておるけど、基本的には日本全体で見ると、ツキノワグマは希少生物というんか、そういうふうな中で非常に減っておるような状況なんだけれども、あれが出てくる原因というのは、あなたところの調査では紀伊半島に200頭ぐらいツキノワグマが生息しているというデータを出してきておるけれども、700万円か800万円かけて調査したんだろうけれども、現実に少なくとも我々の地域にはクマは全然住んでおらんのやけれども、そういうふうな形の中でなぜクマが出てくるのはあんたらなりの分析をちょっとしてほしいのと、そこら3点ちょっと教えてもらおうかな。
○井藤環境森林部長 私からですけれども、クマが出てくる原因で考えられることは、まず森林が人工樹林が多くなって動物たちの食べるえさというんですか、食物が少なくなってきたということと、それから、やっぱりこれは矛盾するかもわかりませんけれども、希少動物については保護をする必要があるということで、そういう保護をした結果、クマだけではないんですけれども、かなり繁殖してきていると。特にシカ、大台ヶ原山系では、特にシカが繁殖してきておって頭数がふえているという現状、こういったことから頭数もふえる、食料も少ないということで里地の方へおりてくると。それともう一つ言われていることが、昔みたいに人間が山へ入って仕事をすると人間がおるということで、できるだけ近づかなかったと。それが先ほどからの説明のとおり、最近は山での仕事の量が減ってきたと、こういったこともありましてだんだん山に人がいないということで里の方へおりてくると。こういうことが今まで言われているところでございます。そのほかにつきましては、総括室長の方から。
○木平環境森林部森林・林業分野総括室長 先ほどの県有林の件でございますが、年間の経費としましては1億5,600万円ほど16年度予算では置いております。また、面積につきましては3,530ヘクタールほどで、これはいわゆる他県と異なりまして、いわゆる地上権設定だけの県有林でございます。この県有林につきましてはすべてが生産林という位置づけで管理しておりまして、管理費だけが中心になっておりますので、収益につきましては基本的に現在出ておりません。
以上でございます。
○森本繁史委員 環境林と経済林の区分。
○木平環境森林部森林・林業分野総括室長 三重県は民有林は35万ヘクタールあるわけでございますが、環境林につきましては、林道等の道路から400メーター離れたところを一応環境林として位置づけておりまして、面積としましては22万ヘクタールございます。また、生産林につきましては残りの15万ヘクタールということで色分けを、ゾーニングをしております。
以上でございます。
○森本繁史委員 だから、今の先に部長が言ったのはヘクタール160万円というのは、これはどういうの。ヘクタール160万円利益が上がるというの。一番先に環境部長の説明であったが、この意味もう少し詳しく教えてくれる。
○井藤環境森林部長 杉の60年生を切って販売した場合、1ヘクタール当たりで約160万円の収入があるという意味でございます。
○森本繁史委員 そうしたらあなたは言われたように、1年間で生産するための植栽するときに、伐採したやつを植栽するのに1年間で180万円要るということやわね。じゃあ、60年間杉でもヒノキでもいいけれども、生産したときに生産費が大体幾らぐらい、今の単価でいくとどのぐらい見込んでおるの。
○木平環境森林部森林・林業分野総括室長 杉の場合を申し上げますと、いわゆる造林経費といいますけれども、県有林につきましてはおおむね570万円ほどかかっております。
○森本繁史委員 じゃあトータルとして県有林ではなくて、トータルとして民有林でも、この160万円というのは県有林ではないでしょう。今は全然生産していないんだから、160万円に対応できるようなものいわゆる生産経費がどのぐらいかかっておるのか。
○木平環境森林部森林・林業分野総括室長 民有林の場合は一応私の方の試算では400万円というふうにはじいております。ただ、この中には補助金が7割ほど含んでおりますので個人の持ち出しは、したがって3割というふうな形で試算をしております。
○森本繁史委員 そうすると基本的には、もうかっているということか、40万円ぐらい60年ぐらいたってやっても。
○木平環境森林部森林・林業分野総括室長 委員のおっしゃるとおりでございます。
○森本繁史委員 僕自分自身も山林に携わっているので、そういう話にはいかんと思うけれども、160万しか利益を上げないのに、400万も500万もかかるという、これは補助金にしてもね、やっぱりそれだけのアンバラが出ているということは何らかの形の中で林業政策というものを考え直していかなきゃならんのじゃないのかという気はするわ。というのは、かなり山林が荒れておるし、さっきに、クマの出没のあれもあったけれども、あれも何も山へ人が入っているからクマは出てこなんだという話で、今はクマの方からだんだん、だんだんと人里へおりてくるんでね、そんな話では、やっぱりそれは植栽が非常に進んだということなんだろうと思うんでね、そこらのところをあれと、それから県有林についても、今1億5,600万円毎年かけておるんだけれども、これは将来やっぱり利益を見込んでおるわけ。もうある程度県有林については環境林的な役割を持たそうとしとるのかな、そこらはどうなんかな。
○木平環境森林部森林・林業分野総括室長 基本的に生産林という形で私の方では位置づけておりますので、あくまで収益を目標としておりますが、ただ現下の、財貨の価格からいきますと、なかなかその辺の収益性という面では難しいところがございます。ただ、これは分収、地べたを持ってみえる市町村あるいはそれらの関係団体との収益配分がありますので、収益が出た場合の例えば5対5とか、そういう配分で最終的に県なり市町村等へ行き渡るわけでございます。
○森本繁史委員 だから、その考え方がちょっと甘いのは、営林省は分収育林というのをやったわね、一口50万円ぐらいで募集して。実際問題50万円出させて30年なり40年なりたって、じゃあ、分収育林で幾ら返したかといったら50万円出してもらって40万円とか30万円の金しか返せないような状況なんだよな。だから、そこらの中で僕は県有林というようなものはある程度環境林としての役割をしなきゃ、今のこれ、1億5,600万円の中に大体国の補助金と言われるものがどのぐらい入っておるの。緊急雇用対策基金なんかでは大分入れておるわなね、今までも。そこらのとうなっているの。
○鳥田環境森林部林業経済室長 県有林につきましては、ほとんどが起債で賄っているということでございまして、今現在2,500万円程度の起債を起こして、その中で施業の方をさせていただいていると。ただ起債も償還ということがございまして、年間1億円近く償還金が発生しているということでございます。一部補助事業については今まで県有林も入れていたことがあったんですが、造林の補助は年齢が35年生以下とか縛りがございまして、なかなか利用しにくいということで、現在は補助事業の方は入れておりません。
○森本繁史委員 今の状況の中で言ったら、起債でやろうが何でやろうが収益を上げることを目的とした、これはずっと100年たとうが、200年たとうが収益というものがこれ望めないですよね、今の財貨から言ったら。だからある程度県有林の役割というものを見直して環境林というようなものにシフトしていくとか、あるいは大胆に間伐をして広葉樹も、いわゆるまざった混交林みたいなような形にするという役割というものを持っていかないで、役割を変更しないでこのまま続けていくということは目的に反するような気がするんだけれども、そこらはどうなんかな。
○鳥田環境森林部林業経済室長 昨年第8次経営計画というのも県行造林の方で作成いたしました。その中では試算としてでございますが、平成79年までにトータルすると2億円強の累積黒字になるというふうな試算を行っております。また、ご指摘のように環境に配慮した森林の造成ということもございますので、その辺は私どもも検討していかなければならないというふうに考えております。
○森本繁史委員 終わるけれども、余りだらだらとせんでもいいんだけど、この2億円の収益を上げるためには幾ら管理費として出して、幾らで売れたというような計算になっとるの、これは、平成75年には。この2億円の根拠やわ。
○鳥田環境森林部林業経済室長 根拠は、その森林を伐採して、それまでに投入した資金を計算しているんですけれども、今手元の資料では細かい資料というのはちょっと手元にございませんので……。
○森本委員 はい、もう結構です。ただ僕は今1億5,600万円もどんどん毎年償還も含めてやっていき、今の財貨の中ではやっぱり2億円というのはしょせん計算上出てきただけで、現実味に乏しいもんで、県有林については僕はもう少し目的を変えて、構わんと思うんやで。だって今の緑公団でもどんどん広葉樹を植えていって、目的を変えていこうとしとるんやからね、そういうふうなシフトしていく必要があるんじゃないかということを申し上げて終わります。
○岡部委員長 森本委員の指摘に対してですな、県は説明責任果たしてないと私も思いました。これ非常に重要な指摘ですから、やっぱりこのことに的確に答えられないと、これからの県行造林もきちっと進められない。そのことは県の林政の指導責任にもかかわってくることじゃないかな。今までの林政を環境林に改めて優良な木材生産林までも環境創造林に変えていくというような荒治療を今県にさせている中で、今までの杉、ヒノキの木材生産という方向転換をきちっとした説明もないままにこの事業をやっている、そういう状況に入っているわけですね。では、自分の足元の森林についてもこういう理由であるがゆえに県有林としては木材生産林で行っているんですよという説明がなければ、県の責務といいますか、責任というのは全然果たしていないように思うね。それが言い切れないんであれば、今指摘されたように、これを先んじて環境林にしていくということにならざるを得ないじゃないかな。やっぱりこれはもう少し部内でもよく協議をして、あるいは相方である市町村ともよく協議をして、この分収育林の県行造林のあり方というものを、この際きちっと位置づける必要が出てきたと、周りの環境が環境だけに思いますが、どうでしょうか。
○井藤環境森林部長 ご指摘のとおり、昨年の試算では2億という数字も出ておりますけれども、先ほど示しましたように、材の価格はどんどん落ちてきているということで、恐らくもうかるということはほど遠い状況になると思っておりますので、委員のご指摘のとおり県行造林の事業につきましても今後はそういう方向も含めてそのように議論させていただきたいと思っております。
○西場委員 森本委員さんの後追いばかりで申しわけないけれども、今クマの被害の話が出ましたけれども、中山間地域におけます問題点として、最近最も深刻な状況にあるのは獣害被害だと思います。そのことに対する的確な対策というのがずっと昔からそうなんですが、いまだになされないままに来ておりまして、我々もこういう担当の委員会にあっただけに、これは改めて農も林も地域振興部もこの問題に向かい合うべきではないかと思います。先ほどのクマにしてもそうですが、シカにしてもそうですが、ある意味では我々がやってきたことの自然に対する働きかけのしっぺ返しがこちらへ来ているというようなこともあるわけでありますし、先般宮川の一番奥に住んでいる住人に話を聞きましたら、宮川のダムの奥の方にはシカの食べる草がない。全部食べ尽くしたわけですね。だからその人は大台町までおりてきて家屋敷の草を刈って、道端へ放置してでも野生のシカにそれを食べさせてやるというようなとんでもない発想を持ってみえますけれども、草はどんだけでもあるやないかと言うけれども、シカの食べる種類の草が食べ尽くされておると、そんな状況やそうでありまして、こんなところまで入ってしまった生態の中でおりざるを得ないクマとかシカとか、そして猿というものが及ぼしている我々の生活や生産現場に与える影響は、向こうも背に腹は変えられない状況の中で立ち向かってくるわけですから、これは大変重要な対処なり、あるいは漢方的な療法をせざるを得ないんじゃないですかね。
今デカップリングの見直しの話もありましたけれども、いろいろこの事業の見直しの中で獣害対策というのはこの際来年度の予算編成の対する過渡期の時期でもありますので、ぜひ重点的に一度ピックアップして検討していただきたいなと思います。
○井藤環境森林部長 委員ご指摘のとおり、私どもも非常に頭を痛めている点でございまして、抜本的な対策というのが今のところないというようなお手上げの状況というところでございます。ただ、そうはいっても農林水産物の被害というのは非常に多大なものがございますので、何らかの対策というのは毎年とっているわけでございます。例えばシカですと、それまでにはだめであった雌ジカの狩猟も一部解禁するとか、いろいろなことを方策としてとっておりますけれども、現実としては被害は減っていないというのが現実でございます。私もこの5月でしか、大台の方をちょっと見てきました。確かに委員のおっしゃったとおりほとんど草がない状況でした。そのためにせっかく植林した木の芽が全部食べられてしまって木が育たないというような状況というのを説明聞いてまいりましたけれども、そのとおりだというふうなことで、そのためにネットを張るとか、いろいろなことで防除する手法もとられていますけれども、結局そこら辺で餌が食べられなければ、委員のおっしゃるように、また委員のおっしゃるとおり下の方におりてくるということですので、抜本的な方策があれば一番いいんですけれども、どういう方策がいいのか、また議論もさせていただきながら、来年度に向けて議論させていただきたいと思います。
○西場委員 できましたら、石垣部長の決意をいただきたいと思います。
○石垣農水商工部長 イノシシ、猿の鳥獣害の被害ですけれども、平成15年で言いますと、約3億6,000万円ぐらい三重県で出ています。実は私どもも国の補助事業と県単事業を持っています。これはデカップリングと私どもの国の補助事業、県単事業、環境さんが持つ事業、あと教育が一部ありますけれども、こういう共管で今そういう事業を組んでおります。実は私どもがやっていますのは、電気さく整備、どれも対処療法的になりますけれども、それが中心になってまして、私どもの関係ですと16市町村で約64.2キロ、大体1年間で電気さくを張っていくというふうな感じのものをやっております。あとはやっぱり普及啓発というのは一番大事で、例えば食べるものを、生ごみをほうっていくとか、初歩的なことがどうしてもやっぱりそういうものが、これは大変、こんなこと言うとあれですが、これはシカにしても山の中で住む彼らの住環境というのはどうしても食べるものがないと出てくるわけですね。あとどうしても中山間だと生ごみなんかよく捨てられて、まさしくそこへ入ってくるという場合がありますので、そういう初歩的なことについてもそういうものは、捨てないとか、そういう地域的な取り組みなんかも啓発しながらやらせてもうてるというところが実情です。これについては、先般議会の方でも環境部さんの方答えられましたけれども、私どもの方も当然、獣害対策については来年度予算の中では取り組んでいくという形で思っております。
○浦中地域振興部長 デカップリッングの方でも獣害対策について取り組んでおります。これにつきましては市町村の方から緊急性があるというようなことで申し込みがあった点につきまして農水部さん、関係の部局と相談しながら、ことしですと宮川とか、あるいは美杉とか、そういったところには取り組んでおりますけれども、ただいま委員ご指摘のように十分でないという点があれば、またいろいろとご検討していきたいというふうに思っておりますけど。
○西場委員 言うまでもなく、従来型のものはすべて失敗に終わったというか、それに近い状態なんですね。こちら、人間側からの被害というのは大変甚大であって、言い出したら切りがないんですけれども、今中山間地域で山で原木を寝かしてシイタケ栽培をやっている農家がどれだけあるんでしょうかね。詳細な結果はわかりませんが、壊滅状態、あるいはそれにほとんど近いと、こう思います。それは中国のシイタケに対する攻勢で敗れたんであれば、これは経済競争としての一つの割り切りもあるんでしょうけれども、猿がおるがためにつくれないという状況は本当に大変な状況。山間地にとっての現金収入源としてわかっているだけに、それがハウスの中での生シイタケや菌床栽培でしかできないというようなことというのは、またそれがわかっておるのに対応できないということのもどかしさとつらさというのは私は大変なものがある。しかし、それぞれの山地のいろいろな手だて、取り組みの中では限界を越えているだけに、もう一つ広域的な大きな支援体制がないとこれに勝てないという深刻な状況になったんですね。今防護さくやいろいろなことを言われておりますけれども、要はそれぞれ対策に人も経費もかかるわけですから、相当広範囲に大々的にやらないと、対策はできないと、こう思います。
私は10年、15年前にも抜本的対策として猿とか動物たちを山の方へ戻すために奥山に実のなる木とか、そういうえさ場をつくれるような森をつくるべきだという提案をして、そのときに採用してもらった経緯がある。猿の森づくり事業といって、当時、藤原という総務部長のときでした。これは注目された発言であって、県もそれにやりますと答えた。出てきた予算が幾らかといったら80万円だった。何を考えておるんだと。80万は極端過ぎる、本会議で言って急にその場でつけ加えたんだからそれでやむを得ないとしても、しかし、それはやっぱり三重県の今の被害を考えたら、それを8,000万円も8億円もかけてやらねばならない、そういう事態なんですよ。今度40億円重点配分をつくると知事は言われた。そういう中で皆さん方の知恵がこれから出るんだけれども、いろんなニーズはありますから、大変なことだと思うけれども、それぐらいの中山間として3部局が寄ったんなら、一遍共同提案でね、そこのところ力を入れてくださいよ、と要望して終わります。
○大野副委員長 17年度の県政の運営の基本的な考え方にかかわってお伺いします。
重点プログラム、県政運営方針の中で新しい、この前も私環境問題委員会で言いましたけれども、山林の機能として防災機能というのがあるんだと。それについては運営方針の中では、環境部長、基本的な運営方針の中の初めの部分で書いてもらってありましたね。それを実際今後この施策の中にどこにどのように位置づけていくわけですか。その事業を来年度林業施策として、中山間地の林業施策としてどういう政策として位置づけていく方針ですか。
○井藤環境森林部長 来年度の事業につきましては、これから本格的に議論して、どういう施策、どういう事業を実施していくか決めていくわけですので、現在はまだ具体的なところはなんですけれども、この事業の中につきましては、やっぱり治山事業を中心としました、そういう事業の中で何らかの取り組みができないかなということを考えております。
○大野副委員長 どうも環境部長は耳が悪いですかね。私がこの前から言っているのは治山ではないんです。だから、いかに森林を10年なり50年先を見据えて人間と共生できる森林をつくっていくためには一つの防災林、いわゆる災害防止林というようなものね、そこを環境林と生産林ともう一つ、例えば人家の裏山とか、そこのところへもう一つ新たな視点を加えた林業施策をやらなければいけないではないですかと指摘をさせてもらったんですけれども。だから治山事業とか、山を治めるんじゃない、じゃなしに山を肥やすんです。山にきちっとした本来の山の力をつけていく、そういうような観点での林業施策として、たしか県政なき本的な考え方でもそういう位置づけじゃなかったですか。
○井藤環境森林部長 そこまで明確には出していないんですけれども、前にも委員さんとご議論させていただきましたように、当然そういう視点は大事だと。ですから、単に構造物で治山していくだけではなしに、そういう治山という観点からの植林のあり方、間伐のあり方、そういうこともこれから議論をしていく必要があるのかなと、そういうことは我々も考えております。
○大野副委員長 これで終わります。基本的な県政の運営方針の中では、あの項はいろんな読み方ができるわけですね。いろんな読み方が。じゃあ、ひとつの私の読み方もぜひつけ加えてください。要望。
○森本哲生委員 デカップリングで地域振興部でやっていただいている事業なんですけれども、これは私自身個人的には結構頑張っていただいておもしろい事業が出てきたなというようなことで注目しているんですけれども、大体まだ、成果とまでは行かんのかわからんですけれども、県全体にどのような機運が出てきたかということと、それと今言われたふるさとの先導人の方々との連携、どのようにこの事業がタイアップされておるんかなという問題と、環境創造事業に―ちょっと飛ぶんですけれども、実のなる木は国はだめということやったかな、ちょっとその辺私も県の方はいいような悪いような話、現場を見たときに、たしか実のなる木がいかんだんと違うかなというようなことが、それちょっと教えていただきたい。
それと、ちょっとこれは常任委員会の質問の方が適切かわからんのですけれども、間伐関係の方法ですね、これは環境部長、ちょっとさっきも申し上げたんですけれども、今回の間伐の指示が、前は間伐したのを山から落ちないように木と木の間に並行して山からダムのような格好でやられた事業ありましたですね。これが何年から何年かはちょっとはっきり記憶していないんですけれども、今回はそれを、例えば木を横に、こう木が立っておってですね、谷におっていくようにこう持っていくんですけれども、そうすると浮いたような格好に木がなって、腐りにくいというようなことから、これを間伐して下へ見て土に落とすように小切りにして間伐をやられた。今回網によって、間伐が林道とかいろんなところの水路関係とか暗渠関係を、それを見て流れ込んで一気に林道災害がかなり起こったという現場を見たんですけれども、これらは今後どのようにチェックされるんかというようなことと、これの活性化ということからどうかと思いますので、それと列状間伐ね、確かに省力化なんですけれども、列状間伐は将来かなり危険、谷をつくることになるんじゃないかなという気もするんですけれども、それは実際山で施業された方々から聞いていますんで、その辺もどの辺まで県の方はチェックされておるかということと、それとスイングヤーダーというかな、プロセッサー、これが民家の近くで重機が走ったときにかなり底へ水が入って山崩れを起こしている事例があるんですね、実際に。この辺は難しい問題だなというようなことで、林業の施業と機械が、その辺は恐らく私今回チェックはしていなかったんかな、これらをどう扱ったらいいんかというようなことはちょっと指導していかないと危ないんかなという気もするんですけれども、しかし、それが余り進むと間伐の機械化が進みませんし、その辺、この部分は簡単で結構ですんで、また後で、私も勉強させていただきますので、とにかく初めの方のところだけは、デカップリングの関係はよろしくお願いします。
○浦中地域振興部長 まず1点目の機運というか、ちょっと答えになるかどうかわかんないですけど、取り組んでおります事業の中身には間伐の問題があるわけなんですね。当初から間伐には一番重要……
○森本哲生委員 ちょっと待って、申しわけない、とめますよ。その間伐の事業については、地域振興部長はデカップリングの下の部分、地域農産加工分、ここのことだけにしてください。もうあとちょっと、それなりにすると時間がもったいないんで。それはもうよろしい。
○浦中地域振興部長 地域のいろんな特産物とか、そういったものを利用しながら地域の定住を図ったりとか、そういう創造的な事業等につきましてはだんだんと各地域も熱心になってきまして、今年度あたりですと、当初予定しておった事業というんか、予算よりも窮屈になってきておると。そんなようなことがありますので、やはりそれぞれの地域でそれぞれの地域のいろんなものを活用して定住を図りたい、雇用を創出したい、そういう機運が盛り上がってきたのかなというふうに思います。
それと2点目のふるさと先導人との関係でございますけれども、うちの北勢町の川原の棚田なんかの取り組みについてはそういった方等についてもかかわっていただいているように聞いております。ただ、先ほどのようないろんな地域で産業興しなり何なり定着させていくということになりますと、これからも先導人あたりの十分な協力と連携というのが必要だなというふうに思っています。
以上です。
○石垣農水商工部長 地域振興部長さんのお答えに関連してお答えをさせていただきます。
先ほど委員からふるさと先導人という話がありました。まさしく三重県全体で地域づくり、地域の資源を生かした新しい商品づくりという面ではデカップリングもあり、うちの中の事業が関連する事業があります。ふるさと先導人というのは今年度からつくりまして、それまではマイスターとかアドバイザーというのを置いてありました。そういう関係で今事業についてははっきりいいますと、すべてタイアップしてやっているかということについてははっきり言って、ごめんなさいと言うしかありませんが、ある意味で地域、地域においてはうちも中に入らせてもらってお手伝いをさせてもらっているという部分はあります。うちの片山室長からその辺のところをちょっとお話させていただきます。
○片山農水商工部農山漁村室長 ふるさと先導人でございますけれども、この8月に県内の実践者の方々という形でアドバイスできる、農林なり地域づくりのプロという形で発足いたしまして、ただいま市町村にもこういう制度ができたよという形で積極的にPRしております。既に数件いろんな、例えば販売所の部分とか問い合わせ来ております。一方でデカップリング事業につきましては、私どもも特に県民局では地域振興部さんと私どもと一体となっておりますので、そういう部分についてぜひともこういう先導人を活用していただきたいという形でこれから大いにそういうことで連携しながら実を上げてまいりたいと思います。
以上でございます。
○井藤環境森林部長 先ほどの環境林でございますけれども、環境創造事業で実施しています広葉樹につきましては実のなる木も植えていただいて結構だと。ただ、例えばカキとかミカンとか、そういう果樹園的なものについてはどうもいかんということで、現在、例えば宮川村の一部でヤマモモとかどんぐりがなるトチノキとかサクランボということて山桜とか、そういう木も植栽しているところでございます。
○木平環境森林部森林・林業分野総括室長 残りの3点についてご回答させていただきます。
まず1点目の間伐でございますが、確かに暗渠の方がつまったのは事実ということでございますが、間伐材が流れたのは認めざるを得ないと思うんですが、私の方、一応間伐材につきましては、玉切りにした後は等高線に、さっきおっしゃったように並行に置いて、ある意味では土留めの役割をするような形で指導はさせていただいているわけでございます。先般の台風でも間伐材がというお話もいただいておりますが、いろいろ最終的なことをチェックしないとわからないんですが、先般も宮川村に行った際に、護岸沿いにやはり間伐がされておりまして、いわゆる護岸が一緒くたに下へ持っていかれまして間伐材が同時に流れたという事例も見ておりますので、いずれにしましても間伐材につきましては今後できるだけ持ち出しをするような形で普及、指導をしたいと考えております。
2点目の列状間伐でございますが、県の指導としましては余り急峻なところではこういう列状間伐はしないように、先ほどおっしゃられましたように洗掘という危険性もございますので、これは実は尾鷲管内の大手の林業家の方が現在相当進められてみえますので、今後その辺の実証も含めて私の方でも検証してまいりたいと考えております。
それから林業機械のスイングヤーダーでございますが、タワーヤーダーにつきましては林道とか広場で使用するものでございますが、スイングヤーダーにつきましては一部林地に入ると。ただ、これも安全面の観点から余り急峻なところには入らないと思うんですよね。したがって、多少その辺の洗掘、林地が荒れるという危惧は若干ないことはないんですが、性能面とその辺の兼ね合いから見てやはり妥当な機種ではないかというふうに考えております。
以上でございます。
○森本哲生委員 地域振興部長、今の加工場とか、いろんなのやられておるユニークな事業なんですけれども、これは成果としてはおもしろいと思っているのか、その辺コメントなかったもんで、それが一番肝心なんやけどな。
○浦中地域振興部長 おもしろいかどうかというんじゃなくて、やっぱり地域にとって、要するに地域のいろんな特産物を利用しながら地域の雇用創出、そういったものにつなげているので、その事業としてはそれなりに評価していただいてもいいのじゃないかというふうに思っております。
○森本哲生委員 これは結構やる気のある人がやっておるんで期待したいというようなことを三重県全体でそういう雰囲気やったらいいなということを思っておりますので、なかなか全部が全部難しいことはあると思うんですけれども、むしろ事業主体が地振でやられたら、こういうものはより地域の活性化のためには農水の方を積極的に引っ張り出すような、こちらから、うちこういうのがあるんで頼むという話やなしに、やはり事業主体の方から積極的にそういった連携を求めていくような、そういう県政であってほしいなというふうに思っているのと。今聞きましたら県民局を中心にうまくやっていただいているということでございますので、どうしても自分の事業だけにスポットが行きがちなんですけれども、どうぞそういう面ではあらゆるところで協力してお願いをしたいと思います。
それともう一つ、実のなるものについては、全体的に西場委員も言われたような、そんな中で構造的に考えていただくと非常にありがたいなと思っておりますし、今の環境事業の中でかなり水的には以前よりもかなり谷から水がきっちり常時確保できたんちがうかなと、そんな声も聞いていますんで、いろんな面でかなり効果があると思いますんで、より効果が出るような創造事業にしていただけると。もっと予算もずっとつけていただいて山に共生というような意味でもこれから知恵を出していただきたいというようなことを要望させていただきたい。
今回の間伐で、私も山は難しいと思うんですよ、小切って、出す金も要りますしね、本当に何ともどうしようもないところから出さんならんというのもわかりますし、全体的な考え方が必要やと思うんですけれども、幸い私は中でこかしてるところは全部残っとんの、きれいに。このぐらいに全部小切ったところの木が全部浮いて流しているのが気になりましたもので、確かに理屈は自然に返すという意味では机の上の理屈はあるんですけれども、現場へ行くとこういう問題になるし、その辺はどちらがという非常に難しい問題やと思うんですけれども、国の方とも十分その辺は現状を見ていただいて検討いただきたいなというように思っておりますので、要望して終わります。
○岡部委員長 ほかに。
○中嶋委員 石垣部長、ちょっと教えてほしいんですが、きょう山部から中山間という切り口で各部でやっていただいている事業政策を説明いただいたわけなんですが、先般公表というか、まだ中間なんですけれども、観光戦略、これときょうご説明いただいた事業との連携とか、そのあたりについてちょっとご説明いただきたいんですが。
○石垣農水商工部長 今観光ニーズが、例えば簡単に一例言いますと、三重県だと今までお伊勢さんがあって、どこどこの温泉という話でいろんな観光ニーズが、どちらかというと、メジャーな観光地としてのニーズに予算が集るというのがありました。今の観光の流れというのは、観光構造が物すごく大きく変わっています。例えば要するに今まで人の余り目につかなかった、余り期待もしなかった例えば町並みとか、例えば農山漁村の原体系、地域の昔から残った水車とか、まさしくそういう伝統文化とか伝統祭りとか、そういうものに対する観光客のニーズがふえてきとるわけです。中山間に私どもが一つは地域資源を生かした新しい、それに関しては新商品をつくっていく方向を一つ持っていますけれども、もう一つは、中山間は特に今まで俗化もされていないそういう資源がいっぱいあるわけですよ。それをもう一回資源に着目して、もう一回磨き込んでそれを観光資源として売っていくという話がこれから一つの観光としてはあると思うんです。今回観光振興プランの中にはまさしく農産漁村の持っている素朴ないやしといいますか、そういう豊かさ、心が洗われるようなそういう雰囲気を生かした観光施策という形のものについても、今そういう形で打ち出していく方向に変えてあります。そういう方向として一つ挙げているということです。きょうは観光政策監が横におりますもんで、少しそういう方向についての具体的な話をさせてもらいます。
○梅村農水商工部観光政策監兼地域活力づくり分野総括室長 部長が説明いたしましたが、あとここで挙げていただいている地域農産加工品の販売といったこととの連携からいきますと、地物一番という取り組みをしておりますけれども、地産地消を魅力づくりの一つの柱というように位置づけでおります。また、農山村のよいところを観光と結びつけるといった意味でグリーンツーリズムと、こういったツーリズムとの連携と、こういうことも考えていきたいというふうに思っておりますので、まさしくここの中山間とはしっかりした連携をしながら観光振興に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○中嶋委員 きょうご説明いただいた3部の取り組み政策のキーワードは広域的機能の保持増進だと思うんです。観光の中で今おっしゃられたような地域資源の活用、地産地消、いわゆる都市住民との交流、そういうことを進めていくということは一歩環境と観光というか、それとの両立という部分でバランスがとれているのかなと常々ちょっと危惧しているところなんです。そのあたりいかにして開発、観光、都市住民の流入ということと広域的機能の保持ということをいかに両立させようとされているのか、そのあたりを部長、ご答弁いただけますか。
○石垣農水商工部長 これはまさしく開発と保全という形の考え方に帰すると思うんですけれども、私どもは今中山間については確かに条件が大変厳しいですけども、すべてに厳しいと。それについてやっぱり今のままで雇用の場を確保する、生産所得を上げていくということになってくると、何らかの前向いたアクティブな動きをしていかなあかんという形を思っています。それについては今いろいろお話させていただいていますけれども、その中には基本的には地域の原体系を保持する、環境保全を片方でベースとして置いていくという形は当然あると思います。観光地が俗化したからあの地域に合った、例えば自然体系が壊れたとか、そういうことは基本的にはあってはいかんという形を思っています。まさしくすべてそうだと思いますけれども、片方で保全を図りつつ、片方でどう振興していくかという形については、少なくともそういう視点は観光振興においても当然持っておかんならんと思っています。
○中嶋委員 そこで、きょうご説明いただいた事業の中で、私もその観光と開発と環境の両立ということについて考えるのは、私は県ではなくて、地域地域の方々が中心になるべきだと思うんですね。そういう意味ではきょうご説明いただいた事業の中で、人づくりという視点が非常に抜けている。デカップリングの中で一部雇用だとか定住ということはあるんですが、地域をどうしていくんだという人づくりの視点というのが抜けているように思うんです。前回ご説明いただいた過疎地域のところで、過疎の自立というのは一体どういう姿なんやという質問をさせていただいたときも、結局帰するところはそこの人がどうあるべきか、人がどれぐらい力を持てるかという話になったかと思うんですが、多くの中山間地域が過疎地域とオーバーラップしていることを考えても、もう少し、どの部がということは私は申しませんが、そういう人づくり、そういうことにも光を当てた中山間対策というものをお考えいただきたいという要望で終わらせていただきます。
○岡部委員長 ほかに。
○桜井委員 人づくりの視点が抜けているというご指摘もございましたが、やっぱり個別それぞれ森林なり、デカップリングなり事業を磨いていただくということは非常に大事やと思いますし、期待をしたいと思いますが、今おっしゃられたような視点だとか、あるいは知事はスローライフと提唱されているわけですね。それがなかなかブレークダウンしていかない。それは今例えばここで中山間の地域活性化なり、今後見る上でその概念を組み込んでいく事業なり、包括的にアシストしていくような県の考え方や発想があっても僕はええんだろうと思うんですよ。今おっしゃられたグリーンツーリズムなんかの考え方も従来からいろんな指摘は議会からされてきて、なかなかそれが形になっていっていないという現実をどう解消していくかというような気持ちと手法でもって臨んでいただきたいというふうに思いますんで、本当に毎度毎度こんなことを言うとんねやけども、包括的な視点だとか、そういういろんな視点を組み込んでいただくような考え方、いかがなんでしょう。
○石垣農水商工部長 中山間地域の振興策はまさしくきょう環境森林部さん、それで地域振興、私ども3部が発言をさせていただいておるわけですけれども、中山間というのはまさしく総合行政だと思っています。すべてそれぞれの持つ資源が中山間にあるわけですね。それをやっぱり生かした地域づくりというのは基本だと思っています。そういう面で言うと、実は環境保全の仕事であっても、うちと当然連携をしてやらないかん、地域デカップリングさんであっても、私どもは当然垣根を取っ払ってそれぞれに取り組んでいかなあかんというのはまさに中山間地域の基本的な仕事のベースだというふうにまず思っております。その上でスローライフという話を言われましたが、まさしく今三重県の中でスローライフを実践的にやろうと思ったら中山間だと思っています。
特に地産地消等私もやっていますけれども、やっぱり地域資源を生かしてそれを地域の食材を食べることによって地域の文化からいろんな地域のつくりからいろんなものを学んでいこうというやっぱり流れにあるわけですね。そういう面で言うと、私ども地産地消の中でもそういう取り組みを当然スローライフという基本に置いてやっています。地域資源を生かした新商品開発、また観光開発、基本の中にはスローライフ・スローフードというのは基本的に流れとしてその流れているというふうに思っていますが。
○桜井委員 多分そういう認識を持って仕事をしてみえるんだろうと思うんですが、それはなかなかやっぱりもう一つ中へ、あるいは地域に合った形にはまっていかないというのが今の現状なんかもしれません。あるいはそういう発想を持って今までもやってきていただいたんだろうと思います。言葉はスローライフやけども、いろいろな視点が入った事業をやってきていただいて、現実が、いろんなすばらしい成果も見えてきておるとは思うんですが、もう一つ一段進んだところを目指していこうということになったときに、何かの視点が欠けておるんだろうというふうに思いますし、欠けておるものが何なのか、ぜひそういうものを、ちょっと抽象的な言い方になって申しわけないんですが、今後ぜひ新年度なりいろんな、包括的に組み上げていく、そんな県庁であってほしいなと、そういう議論を積み上げていってほしいなと、これを期待をして終わりたいと思います。
○岡部委員長 ほかに。
(「なし」の声あり)
○岡部委員長 なければ、本日の調査はこれで終了いたしたいと存じます。
ご苦労さまでした。
以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。
平成16年10月14日
地域活性化対策特別委員長 岡部 栄樹