三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成16年度 委員会会議録 > 平成16年9月1日 地域活性化対策特別委員会 会議録
地域活性化対策特別委員会
会 議 録
開催年月日 平成16年9月1日(水) 11:00 ~ 12:20
開催場所 第601特別委員会室
出席委員 7名
委員長 | 岡部 栄樹 君 |
---|---|
副委員長 | 大野 秀郎 君 |
委員 | 森本 哲生 君 |
委員 | 桜井 義之 君 |
委員 | 橋川 犂也 君 |
委員 | 西場 信行 君 |
委員 | 中嶋 年規 君 |
欠席委員 2名
委員 | 福田 慶一 君 |
---|---|
委員 | 森本 繁史 君 |
出席説明員
〔地域振興部〕
地域振興部長 浦中 素史 君
情報政策監兼情報化推進分野
総括室長 杉野 周二 君
市町村行政分野総括室長 堀川 芳毅 君
県土交通分野総括室長 平本 明大 君
東紀州活性化・地域特定プロジェクト総括推進監 長谷川 敬 君
その他関係職員
〔農水商工部〕
観光政策監兼観光・地域づくり分野総括室長 梅村 庄三 君
商工政策分野
総括室長 河井 繁 君
その他関係職員
傍聴議員 0名
県政記者クラブ加入記者 6名
傍聴者 0名
議題又は協議事項
○ 三重県過疎地域自立促進方針について
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
〔欠席委員説明〕
1 所管事項の調査
(1)当局から資料に基づき説明(浦中地域振興部長)
(2)質疑・応答
○岡部委員長 はい、ありがとうございます。以上で、地域振興部からご説明がありました。委員の皆さんでご質疑があればお願いをしたいと思います。
○大野委員 2ページ一番上。促進方針の2ページの若年者比率の説明の一番下段、若年者比率が最も低いのは紀和町で6.8%、最も高いのが熊野市の13.8%となっていますけれども、その前の1ページの表を見ると、一番高いのは宮川村の14.5%じゃないかと思うんです。
この前この資料をいただいて、なぜ宮川村が若年者比率が高いのかというのをちょっと調べましたので、この数字はよく覚えているんです。
○浦中地域振興部長 間違いです。訂正させていただきます。
○大野委員 私はこの原因を調べましたもので、この数字はよく覚えているんです。
○岡部委員長 間違いですので
ほかにどうぞ。
○中嶋委員 ご説明ありがとうございました。
今日の説明では、参考資料として配られている前期の5カ年計画もあるんですが、本日ご説明いただいた後期と前期の特に後期で、新たに入れたものとか前期との違い、特徴的なところがあったらちょっとご説明いただきたいんですけれども。
○大野委員 それと関連してあわせて
いわゆる前期で何ができて何ができなかったかという、そのへんの一般的な言葉で言えば総括的な部分が、ほとんどこの計画の中にないというとおかしいんですけれども、ほとんど前期で残された課題とかそのへんが明確になっていませんので、そのへんも含めて今の中嶋委員のものとあわせて、よろしいですか。
○岡部委員長 ではあわせて。
○浦中地域振興部長 前期の評価につきましては、ご承知のように、先程も説明させていただきましたように、道路整備でありますとかそういったものにつきましては、一定の評価ができるような取組がなされておるのかなというふうに思いますし、そしてまたケーブルテレビ網の整備とか、あるいは各地域で行われておりますいろんな市町村で行われておりますいろんな取組、集客交流についての取組等についても、それぞれの地域で一定の評価が得られるのかなというふうに思いますけれども、この計画の中にはそういった点を記載するような、そういったことになってございませんので、これからの取組をどんなふうな形で進めていくのかというような内容を記載することになってございます。
ただ、それではそれぞれの地域ごと、あるいは事業ごとの効果とかそういったものがどうなのかというふうに問われますと、正直なところそれぞれの事業が、例えばどういった地域に効果を及ぼしたのかというような総合的な評価は行ってございません。そういった点がございます。
どういった量のどういった財政的な投資が行われたのかというようなところしか、正直なところわからないというようなところをご理解いただきたいというふうに思います。
ただ、今回のこの方針、あるいはこれから行われます計画につきましても、先程申しました問題点の挙げたいわゆる人口減少、あるいは厳しい財政状況、そういった点をとらまえて、選択と集中をもととして重点的な投資が必要であるというようなところが、前回の計画とは大きく変わってきているんじゃないか。そしてまた、市町村の合併が各町村で取り組まれておりますので、そういった観点が前期の視点からと大きく変わってきている点じゃないかというふうに認識をしております。
以上です。
○中嶋委員 国が定められたフォーマットに基づいて書いているということで、大野委員が言われたように、私も前期がどうだったのかということを踏まえて後期計画はどうあるべきか、そこで何が違いを出すべきかというふうな、そういうところがあらわれていないのが非常に不十分だなというふうに思ったのですが、結局そういう効果をはかっていないというところで、常々思っているんですけれども、過疎地域の自立ということについて、目指している姿がわからないんですね。なもんで、この事業を本当にどこまでやるのとか、どういうことが必要なのかというところが見えてこない。
これまさに議論なんですが、過疎地域の自立というのをどのようにとらえられていらっしゃるのかなというそういう根本的なところと、それと、来年、国の全体の人口はピークを迎える。それからどんどん人口は減っていく社会に入っていくわけですね。ある意味、過疎地域というのはそういう国の将来の姿を先んじてあらわしていると思うんです。人口減少社会というものを象徴的に今の現世界であらわしている。
いろんな意見があるんですね。人口減少社会についてプラスに見る方もいらっしゃるんです。懇話会の意見にもあったように、例えば教育については少人数学級が可能になるんじゃないかとか、ウェルカム人口減少社会なんていって本を書いている方もおるぐらいです。それに対して、県のスタンスというのは厚生労働省と一緒で、人口減少社会というのは非常にいろんな社会的負担が大きくなる、地域の担い手が少なくなる、地域が衰退していくと、そういうとらえ方だけをされているのか、これはその地域の自立ということをどう考えるのかということと、非常に密接してくると思うんですが、そのあたりの部長のご所見をお伺いしたいんですが。
○浦中地域振興部長 過疎地域の自立とは、財政というのが非常に乏しい単体が自主的に地域づくりを進めていくというようなことでございまして、その自立的に進める中、方法といたしましては、やはり自分のところの地域にあるいろんないいところ、そういったものを活用してそれを地域内だけじゃなくて、いわゆる域外に向けて大きく発信していくことによって、その地域が自立していく道を探っていくことが自立というふうに私は思ってございます。
そういうことでございますので、この過疎地域のいろんな取組につきましても、やはりそれぞれの地域がみずからいろんなところの危機感というか、そういったものを認識する中で、この地域、コミュニティ、そういったものをどうしていくのかというような取組の中で、この自立が生まれてくるというふうに私は思っております。
そしてまた、2番目の人口減少の社会でございます。先程、委員の方から言ったとおりでございまして、やはり今回の過疎地域の自立計画といったものについては、やはり日本国の社会に先んじて人口減少を迎えるであろう、そういったところでの模範となるようないろんな取組をするような、手だてをサポートしなさいというようなことも言われてございますので、そういった地域ごとにおきますいろんな取組、そういったものをその地域の状況に応じて県がサポートしていく必要があるのかなというふうに思ってございます。
そういう中で、やはりキーパーソンというかそういった取組にたけた人を育成していく、それを中でいわゆる地域内で育成していくという方法もありますし、そういったものがかなわなければ、外部からのいろんな知恵をおかりする中で、そういったことに取り組んでいくというようなことが必要じゃないかと思っております。
以上でございます。
○中嶋委員 地域の自立というのは、自主的に地域作りをしていけるようなことだと、そういうイメージというふうなご説明をいただいたんですが、やはり県としてはそれは財政的にというところをポイントに置いているんでしょうか。
○浦中地域振興部長 やはり多分その地域が生き抜いていくためには、いろんな側面があるかというふうに思います。財政的に豊かであるということもありますし、精神的とか物的とかいろんな面で豊かになるというか、そういうことがあるかと思うんですけれども、やはり究極は財政的にも豊かになっていくというのが、自立の目指す道ではないかなというふうに思います。
○中嶋委員 どうもご説明いただいたこの方針の中で、県が思い描いている過疎地域の自立という、7ページの過疎地域自立促進の基本的な方向なんでしょうけれども、そのあたりにどうも今、部長が口頭でおっしゃっていただいたような内容が見えてこない。結局のところ、簡単に言えば過疎地域の皆さんで考えて、その姿を県はサポートしますということだけに終始しているのかなという気がするんです。
それも非常に大事なことだと私は思いますけれども、先程も申し上げたように、これから人口減少社会を迎える、これは過疎地域だけじゃなくて三重県、全国一緒なわけですね。その中で、三重県として先導的に、ただ単に定住者を増やすだとか、交流人口を増やすだとか、果たしてそれだけでいいのかなと。結局行き詰まってしまう、昔ながらの人口を増やす、所得を増やす、財政力を強くするだけが過疎地域の自立なのか、このあたり。
私も明確な答えを持っていないんですが、どうも前期計画との違いも見えてこないところには、そこにあるのかなと。もう少し非常に漠然とした問いかけで申し訳ないんですが、少なくともこの過疎地域自立促進の基本的方向の中に、やはり過疎の自立というのにはいろんな形があるということを書き加えていただくなり、その中でひとつの財政力が強くなるというのもあるでしょうし、逆にコンパクトなコミュニティというんですか、そういう中で相互扶助をしながら本当に精神的に安心できる、小さなコミュニティでもいいじゃないかという選択肢もある、いろんな選択肢があるんだよと。
三重県の過疎地域13市町村は全部、財政的にも産業的にも過疎でない地域並みのところまで持っていかなきゃいけないという一方的な、昔ながらの右肩上がりの発想ではないところも、もう少し出していただいたらどうかなということを意見として申し上げて、私は終わります。
○岡部委員長 ほかに。どうぞ。
○西場委員 地域振興部という名前がついて、こういう行政をやるときの基本的な考え方だけど、極端な言い方になるけれども、国の方針にいたずらに追従しないことが大事だな。国というのは、国がよくなっていくためにいろいろ方針とか政策を出してくるんだけれども、そういう中で国の言葉をまともに受けて県がやる必要はないんであって。県は、その市町村、あるいは地域社会の立場で国にどう立ち向かうかという姿勢がある面では必要だ。
地域振興、特に今日議題になっているこの過疎振興、中山間地域振興ということになればまさにそうであって、一律日本国土全体のことを考えておる、あるいは世界の中の日本を考えておるような国の方針に、はいそうですかと言ってそれに見合うような県の方針を作るという必要はさらさらないんであって、国にどう立ち向かうか。反対しろとは言わないけれども、そこから出てくるひずみとか、あるいは三重県にそぐわない部分を、三重県方針としてどういうように打ち出して、その国とのギャップを県としてどう埋めるかということが書かれてあって初めて、少なくとも私は評価ができるわけですね。
今の言葉じりをとらえるようだけれども、国の方針に沿ってこういうものを作りましたというような説明があったように思うんで、その点はぜひ部長も方針として改めて確認させてもらいたいと思うんです。
今回、自立ということを言われますけれど、その自立ができないようなところまで追い込んできた今までの社会の風潮や流れがあったんと違うか。今まで振興がありましたよと、活性化対策ありましたよと。今回自立ですよと言うけれども、それぞれ活性化や振興がきちっと評価されておったら、今のような過疎の状況はないんであって、ここまでいって自立できないところまで行っておるような状況の、極端な過疎町村がたくさんあるわけじゃないですか。そこで自立だと言ってみたってそらぞらしいし、実際そこで生活してみえるこの問題に本当に向き合っている人にとってみれば、計画倒れのような、方針倒れのような思いにかられるのが現実やないかなと思うんです。
しからば、三重県方針として何をするんやというのは大変重要だと思うんですが、例えば今や村の崩壊ですよ。村の機能が崩壊の危機に面しているんですね。それを三重県の地域振興部として過疎方針の中にどう盛り込むか。この村の崩壊を結構なことやと助長していくのか、そういう改革論者もいるんですよ。今ある過去、この戦後ずっと引っ張ってきた日本の仕組み社会をまず粉々にして、新しいものに打ち立てるんだと、そういうことを言う改革論者や首長が時々出てきて困りますけれども、そういうのも一つの方法だと。そうじゃないんだと。村の機能をいかに歯どめをかけるかということにすれば、崩壊に対する歯どめをどうかけるかということの具体的な施策が出てくる必要があると思うんですね。
あるいは、もうここまで崩壊に来てしまった以上、新しい村機能を作り出すという方法もあるんだと。
抽象論ばっかり言っておってもあかんけれども、私は村の出会いひとつをとってみても、大変なことだと。在所や田舎が皆出会いをして村の機能を維持しています。これだけ混住化して、非農家、非隣家が増えてくる中で、出会いというのがこれから維持できるだろうか。50戸あった村のうちに田んぼを1軒の後継者に全部託する、担い手という制度を今、進めておって、国がプロ農家集団とか言って、いかにも国際的な農業を進めるためにそんなシステムを作ろうとしている。そんなことになったときに、自分のところが一粒の米も作らないのに皆出会いが出るだろうかと。出会いの崩壊です。
この出会いの崩壊に対してどうするかという対応方法がない。国にもない。じゃ三重県としてどう作るかということが切実に今、必要なときじゃないかな。こういうものをこれからの過疎であればあるほどそういう問題が多いんだから、こういったことに対してどうするかという方針がこういう中に盛り込まれてきて、初めて頼れるというか期待できる過疎対策になってくると思うんです。
こういうことを考えてくると、その市町村という枠組みでは無理だ。その市町村を構成しておる集落をどういうように位置づけて機能させるかという施策が必要になってくる。ところで、集落を所管するのは市町村か県か。これも私もよくわからないけれども、島根県の方で、集落単位で県が助成事業をしておる政策条例があります。それはその集落を一定の条件のある集落ですが、それがこれからの新しい集落機能を作ろうとするものに対して、昔のふるさと創生資金的な制度をもって、島根県が中山間地域の振興条例というのを作っている。
こういうこれからの集落を対象とした施策というものが高じてきて、初めて私は村の機能の維持と新しい活性化というものができるんだと思うんです。そういうものを今は一つの例だけれども、そういうものを盛り込んだ方針案というものを作ってください。時間をかけてもいいし。そうでなかったら、何らこれ期待ができない。
部長、総括的に答えて。
○浦中地域振興部長 大変貴重なご意見ありがとうございました。
委員おっしゃったように、やはり地方分権の時代ですし、国のいろんな方向というか方針というか、そういったものに追従するというようなことではございませんで、やはり国のいろんな制度の中で、各地域としてどんなふうにしていくんかというようなことで、私どもとしても取り組んできていると思いますし、今後ともそのようなことで取り組んでいきたいというふうに思ってございます。
そして一番のやはり問題となりますのは、村、いわゆるコミュニティの崩壊の話がありました。そういったことにつきましても、合併の中で地域自治区でありますとか、いろんな制度の導入の中で、そんなことも含めていろいろと議論ができるようなことになってますので、そういったところで、今みたいな地域の集落の機能をどうしていくんかというようなことも、それぞれのところでご議論いただきたいなというふうに思います。
そういった中で、県としても基盤作り、インフラをどんなふうに整備していくのか、そしてどんなところをサポートしていくのかというようなことを、それぞれの地域の実情に合わせて対処していく必要があるんではないかなというふうに思いますので、これからは県としてもその地域の実情をよく知る、そういったことの中でこの取組をしていかなきゃならんというふうに思っております。
以上でございます。
○西場委員 部長は、何でも一般論化してしゃべられるようですけれども、地域振興で大事なことは、個別に対してどう対処するかですね。集落に対してどう対応するかという問題、それから村の出会いの問題、これ部内でよく検討してください。
それから、もうあんまり時間がないと思いますので、個別の問題で少し私なりに気になっていることを一つ言います。
南北縦貫道という道路整備があるんですよ。三重県の南部をずっと伊賀の方まで走る中山間地域活性化のための道路だったんです。これは、今の費用対効果や効率的な道路整備の中でもう埋没して、全然目途が立たない。しかしかつて、三重県のこの南部活性化、中山間地域活性化のために、この道路というのは県も、関係市町村も挙げての夢の道路だったんです。これもう一遍、過疎を言うときなら、もう一度、地域振興部の中でこの道路の今までの経緯とこれからの展望について、一遍よく検討してください。
それからもう一つは、県のデカップリング事業の中で、今、見直し論が入っていますけれども、中山間地域の中で、この雇用の場の確保の中で、このデカップリングが果たしてきている役割は大変大きい。これがさらにちゃんと位置づけられるように、ぜひ見直しの中でもよく位置づけをしてもらいたい。
それからもう一つは、私とこの地元の大台町に代表されるように、過疎に指定されない中途半端な地域というものが対応がおくれてしまう。今後、合併もありますから、その合併問題もありますが、こういうことについてちょうど瀬戸際のところ、過疎法は21年まで延長されましたからその間、息つくとして、今、地方財政が厳しい中で、こういう中間的な、中途半端といったら失礼だけれども、そういう町村をピックアップして問題点を整理して、その対応策をきちんとして考えていただくようにしてもらいたい。これは要望にしておきます。
○岡部委員長 何かそれでありますか。
○浦中地域振興部長 南北縦貫道につきましては、少し勉強させていただきます。
そしてデカップリングにつきましては、当部で措置をしてございますし、それなりに効果があるものというふうに私どもとしましても認識してございますので、またいろいろとお力添えをいただきたいというふうに思います。
大台町等々の話につきましては、過疎地域ということではなくて、ほかのいろんな中山間地域の取組の中とか産振の中とか、そういった中で対応できるところがあればそれなりの対応をしてまいりたいというふうに思ってございます。
○岡部委員長 ほかに。
○桜井委員 今、お二人の委員からのご指摘、提言もありました。やっぱり私自身感じさせていただくのは、やはりこの前期計画から後期計画に移行していく、ましてや知事もかわられた中で時代も変わっていくという中で、やはりお二人と同じ話になるんかわかりませんが、三重県独自の視点だとかあるいは手法だとか技術だとか、全く組み込まれていないというのが、まさに最初の印象なんです。
今、お話を聞かせていただいて、その言葉じりをとるようで申し訳ないですが、どのような効果をこの5カ年で生み出したのかわからんと部長がおっしゃられました。計画段階で620億円、本年度の執行がどのぐらいになっているのかわかりませんが、15年まででも約500億円の計画段階での配分をしてもらった。この実績も後程で結構なんですが、個別の数値をいただきたいと思っております。
例えばその620億円のうちの、ここに資料を出していただいております。当初の計画でいくと95%が今の交通通信、インフラ整備、産業の振興に当たっているわけですね。部長が本当に今、地域の特性の資源を生かそうとか、あるいは今のコミュニティを生かそうとかいうそういう予算配分というのはわずか5パーセントなんですよね。例えば区分でいくと、地域文化の振興等トータル4億円、実績はわかりませんが計画段階で4億円、教育1億円、医療7億円、ここらのウエートづけの発想だとか、やっぱりこの機会に前期を検証いただいて、三重県庁としてやっぱり今いろんなご指摘がありましたが、組み込んだ議論を入れて次に進んでいくということがとても大事なような気がするんです。そういう検討がもうなされてきているような感じは一切、今、申し訳ないんですが受けることができません。
ですから、これは意見として、今後のいろんなプロセスの中で、ぜひ今日までの延長線上にはない、今日の委員会の意見も含めて、もう少し幅もあり、厚みもあるような議論、検証を加えていただいて、この計画方針を組み上げていく、構築していくというような基本的な認識や姿勢が本当にいただきたいというふうに思うんです。
どうでしょうかね。
○浦中地域振興部長 先程、成果というかそういったものがほとんどないというような私の答弁でございますけれども、そうじゃなくて、県といたしましては、やはり道路でありますとかいろんな基盤的なところへの投資というのは当然多くなりまして、そこから先のいろんなところにつきましては、関係する市町村等が中心になって行っていくべきものと違うかなというふうなものがあります。
そういったところで、やはり県と市町村が共同して取り組んでいって初めて、この成果というものがわかってくるのかなというふうに思います。
そして例えば、熊野市でありますと山崎の運動公園のいろんな整備に向けて、長年かけて整備して集客交流に努めているとか、それぞれのところでのいろんな取組については、やはりそれなりの効果というのは出てきておるように思うんですね。ただそれがほかの一般的な施策との絡みの中でどうなのかと言われますと、いろんなところで出しにくいところがあるということもご了承いただきたいなというふうに思うんですが。
○桜井委員 県としてはぜひ市町村との協働というか、それぞれ市町村の自立、第一義的に市町村に頑張っていただく、それを補完する支援という言葉で一くくりでいきますと、本当にその問題を一緒に考え汗も流しましょう、悩みましょうという部分が県にもあってしかりですし、適切な事業なり政策なり、それがまた補完する意味で入っていくべきだろうと思うんです。
今、西場委員がおっしゃっていただいた集落の再生だとかコミュニティの再生だとか、数年前からそんな議論はさせていただいていますが、全く組み込まれていかないのが今の地域振興という発想の中にあるんだろうと思いますときに、やっぱりそこらが具体的に、市町村ともしっかり話もしていただかんとあかんやろうし、意識の発想の転換をしてもらわんと、今の枠の中でしか物事が進んでいかんので、そこらを強く期待をし、要望しておきたいと思います。
○岡部委員長 ほかに。
○大野委員 今のこと、基本的なことにかかわって、過疎の国の自立支援法でそれに対して財政的な措置というのは、例えば教育、福祉関係に対する補助率のアップとか、それから過疎債の問題とか代行事業とか、そういうところで、だから国の支援というのはほとんどが割とインフラとか施設設備の整備なんですね。それに対して国が過疎地域に対して支援をしておるんですけれども、今日、県の作られた方針というのは、かなりハードではなくソフト面が多いわけなんですね、中身が。そのソフト面というのは今の地域作りの問題にかかわってくるし、だからこのソフト面については、国の中には入っていないわけですから、ほとんどハードとインフラだけで。だからそのソフト面に対してどこが支援していくのかという、その問題が一つあるんじゃないかと。
特にやはりいくらインフラ整備をして施設整備をして過疎債を発行して補助率をアップして、代行事業をやってもらったって、一番過疎地の大きな問題は、定住人口を増やしていく、雇用の場の拡大という問題、その問題とはなかなか結びつかないと思うんです。だから、その国の施策と地域作り、地域を活性化していくところのそこを結びつけるのが県の役割、そこは市町村ですよという形でほうってしまったってなかなか市町村はできないわけですね。
だから、そこのところが、この方針の中がソフトの部分がかなり強いということとかかわって、県の対応なり市町村とのスタンス、市町村とどう指導という言葉はおかしいが、協働していくかというそのへんのことをお聞きしたいのが一つです。
それから二つ目は、実はいろんな地域で今、過疎の問題には取り組んでいるんですけれども、なかなか成果が上がらない。その中で、県としてやはりここを中心に過疎地の地域作り、活性化をやっていこうという、それを一つ絞り込んだ、この方針は素案の段階ですから、そういう位置づけもひとつしてほしいなということです。
それからもう一つ、具体的な問題で、前期計画にあった高齢者の問題が後期計画の中で全く欠落しているんで、ここらはもう一応過疎地の課題としては、高齢者の健康作りとか生きがい作りとか、そういう問題というのは、これは前期の中で解決したと、そういうようなご理解ですか。
その3点お願いします。
○浦中地域振興部長 1点目の財政的な支援の話でございまして、やはりハードの支援からソフトの支援へということで、各自治体も非常に要望が多いわけでございます。そしてまた国の話になりますけれども、国の方でもそれにつきましては、やはり真剣に受けてもらいまして検討するというふうに聞いてございますし、本県につきましても、名前がちょっと変わりますけれども、生活創造圏ビジョンとかそういう中で、地域のいろんな取組につきまして補助金を活用していただければ、そういったコミュニティの問題だとかいろんなソフトの取組ができるようなものがございまして、そういった活用についても今後十分説明させていただきまして、それに沿うようなものにしていきたいというふうにしてございます。
それと、2番目のここを中心にやるよというような件ということでございますけれども、それにつきましてはやはり、それぞれの地域ごとにいろんな条件が違いますし、そういったこともございますので、やはりここらへんの中でこういったところというのを個々にするのが、非常に難しい点がございますので、個々の地域の状況に合わせて取り組んでまいりたいというふうに思ってございます。
そして高齢者の問題ですけれども、当然、高齢者の問題は依然として解決は見ていないというふうに思ってございますし、委員ご指摘のようなところがございましたら、ご検討をさせていただきたいというふうに思いますが、16ページのところで個々具体の高齢者の保健及び福祉の向上に向けてのいろんな取組が記載してございます。こういった計画に基づく取組を引き続いてやっていきたいというふうに思ってございます。
以上でございます。
○大野委員 各論の中の位置づけはされておりますけれども、前期で中心課題になっておった高齢者問題が、それは長い文章ですからどこかには入ってきます。だけど、4つに絞り込んだ中で、前期に入っておってそれは後期でということで、そういう理解をしていただきたいと思います。
それから、県はもちろんそれぞれの地域や市町村がやるんだということで、県としてはそれは生活創造圏とかいろんなことで対応しておると言いますけれども、生活創造圏か地域作り、過疎地域の振興、活性化に結びついているというのは、かなり努力をして理解をしないとなかなか難しい面がある。それはそれで評価したいと思う。
もう時間がありません。資料をお願いしたいと思います。
前期の中で、県が過疎地域に対してソフト事業としてどういう事業をやられて、その概略の金額だけですから一遍教えていただけませんか。県が過疎地域振興対策費で行ったソフト事業とそれの金額。それの前期のだけ、できれば集計してお願いしたいと思います。
○浦中地域振興部長 今の件につきましては、調査して報告させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○岡部委員長 報告じゃなくて資料の提出ですがよろしいですか。
ほかに。
○森本委員 皆さんから話もあったんですが、やっぱりちょっと気になるのが、前は過疎地域の活性化計画から自立促進、そういう名前も変わったということもあると思うんですけれども、こんな数字があんまりひとり歩きしてくるとなかなか大変だなということですけれども、これ財政の一人当たり60万円とか、35万6,000円とかその対比、地方税が大体3分の1ぐらいしか入っていないというような、こういう数字がこれかなり出てくると、過疎地域、やはり費用対効果というような話の中で、過疎地域が今後苦しい状況に置かれるというようなことがだんだん、こういう数字からしていくと非常に効果が上がっていない、しかし金は上がってこないけれども随分つぎ込んでいるというような話、単純にそういうもので進みますと、これ大変なことだなというような危惧の念を持っています。
今、いろいろ話をされましたので、そのへんは私も同じ意見が多いんですけれども、例えば地方交付税なんかでもこれ12年から60億円から減っていますし、その対比たるやこれは本当に、自立していけというために減らしてやるというような感じ、極端に悪く考えればそういうように考えられるんですけれども、かなり現実が厳しい。ですから厳しいだけに、やはり県独自の中で踏ん張りどころをどうしていただくかということも特にお願いしたいし。
それと、この過疎地域がやはり日本の今、中嶋委員も言われましたんですけれども、一つのモデルになる。そういう面から、本当に今、こちらにも懇話会も書かれておるんですけれども、非常に過疎地域への思いというんですか、ふるさとへの思いというのがかなり薄れているような日本の国の中にあって、やはりこれをしっかりとそういった考えを普及、PRしていただくということも非常に大事で、広域的というようなことも書かれておるんですけれども、それ以上に日本のふるさとというようなことを基本的なベースとして、人間が住む暮らしの原点として考えていただくというような、そういうことをやっていただかないと、過疎地域に対する理解が非常に私自身心配しておりますので、そういう面もぜひ頑張っていただきたいということ。
それとやはり、今、西場委員さんが言われたような感じについては、モデル事業とかいろんな面の研究をやっていただいて、実際に具体的に動かしていただくというようなことでご検討もいただきたいというようなことを私自身思っておりますので、デカップリングなんかについても、成功事例なんかをかなりきっちりとPRしていただくとか、そういう面でぜひ頑張っていただきたいと思うんですけれども、質問のようなお願いのような格好なんですけれども。
前段の部分の感想はどう受け止めてみえるのか。
○浦中地域振興部長 先般の懇話会の際にも、やはりこういった今の素案の記述でありますと、余りにも悪い面が強調されておる嫌いがあるので、そういったところについてはもう少し記述等についても、ある程度夢が持てるとか、あるいはほかの地域との優位性が示されるような記述に直したらどうかというような、委員と同じようなご指摘をいただいておりますので、そういったところから少し修正を加えていきたいなというふうに思ってございます。
それと、個々具体の事業につきましては、こういった方針を受けまして、これから各部での取組が検討がなされていくというようなところもございますので、ここでご議論いただいたこと等とも踏まえて、やはりそれぞれの地域の実態に即して、使い勝手のあるいは活用というか、うまく効果が上がるような施策を考えていきたいなというふうに思っております。
以上でございます。
○岡部委員長 ほかに。
○橋川委員 時間がないんで質問だけお願いします。
過疎地域の面積比というのが50%近くあるんですね。そういう面でいきますと、川あり海岸線あり道路あり山あり砂防あり、いろんな面で地域を守っていくためのコストというのは相当高いわけです、面積比でいきますと。そういうふうなことの中で、今回、三位一体の改革が行われておるわけですが、過疎地域に対してのそういうふうな今後の改革による影響というものが、どの程度どのような形で出てくるのか、これについてのお考えだけちょっと。
面積の問題、これはやっぱり広いなら広いだけそれだけ経費がかかるわけです。人口割りでいけばわずかですけど。そういったことも過疎の中では重要な問題かと思うので、そのへんについてのお考えがありましたらお願いいたします。
○浦中地域振興部長 三位一体の改革の推移につきましては、過疎の団体だけじゃなくてすべての団体につきましては関心を持って見ている点かなというふうに思います。その中でも、やはり過疎の地域というのは財政力も弱いわけですので、そういったところへの影響というのが、非常にほかの団体に比べて大きいものがあるというふうに、私どもとしては認識してございます。
そういうことで、やはり地方交付税のあり方というものが、どんなふうな形で収れんしていくのか、いわゆる財源保障といったものがどんなふうな形でなされていくのか、そしてもう一つの財源調整、そういった点がこの過疎地域にどんなふうな手厚い形で行われていくのかというところを、私どもとしては非常に関心を持って、注意をして見ております。
いずれにいたしましても、そういった点がおろそかにされて、過疎地域の団体が経営が成り立っていかないというようなことのないよう、私どもとしても地方6団体の連携のもとに取り組んでまいりたいというふうに思ってございます。
以上でございます。
○橋川委員 このままほうっておくと、お前ら死んでいけというような話になる可能性が十分あると思うんですよ。補助金のカットから財源の移譲とか、いろんな変化の中で。しかしそれを先んじて、三重県は三重県でそれをよく調べていただいて、どういうふうになるのか早くイメージして、国に対しての働きかけを強化していかなきゃいかんと思うんですが、知事は今回のこの三位一体等についての反対者ということでの発表していただいていますけれども、それはそれとして、具体的にやはり過疎地域に対する考え方というものをこの三位一体の中でどう考えるかというのは、やはりこちらからアピールしていかなきゃいけない。
だから、そのためには今回のこの自立計画を立てるときに、やはりそれに対する意見として、きちっとそういうことを国に対して申し上げていかなきゃ、訴えていかなきゃならんとこう思うんで、そのへんについても十分、論議をしていただきたいと要望しておきます。
以上です。
○岡部委員長 ほかに。
(「なし」の声あり)
○岡部委員長 なければ、本日の調査は終了いたします。
以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。
平成16年 9月 1日
地域活性化対策特別委員長 岡 部 栄 樹