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平成16年6月21日 防災生活振興常任委員会・県土整備企業常任委員会連合審査会 会議録


防災生活振興常任委員会

県土整備企業常任委員会

連合審査会

会 議 録

 

 開催年月日   平成16年6月21日(月)  10:30 ~ 11:00

 開催場所    全員協議会室

 【防災生活振興常任委員会】

 出席委員  7名

委員長 藤田 泰樹 君
副委員長 中嶋 年規 君
委員 田中 俊行 君
委員 岡部 栄樹 君
委員 森本 哲生 君
委員 橋川 犂也 君
委員 西塚 宗郎 君

 
欠席委員  1名

    委員   島本 暢夫 君


【県土整備企業常任委員会】

 出席委員  7名

委員長 森本 繁史 君
副委員長 森下 隆生 君
委員 舘    直人 君
委員 前野 和美 君
委員 水谷    隆 君
委員 三谷 哲央 君
委員 田中    覚 君

 
欠席委員  2名

    委員   吉川   実 君
    委員   岩名 秀樹 君

出席説明員

副知事 吉田 哲君

〔地域振興部関係〕

地域振興部長 浦中 素史 君

県土交通分野総括室長 平本 明大 君

経営企画分野総括室長 福井 信行 君

         その他関係職員

〔県土整備部関係〕

県土整備部長 長谷川 寛 君

県土整備部理事 松井 明 君

流域整備分野総括室長 前川 壯吉 君

経営企画分野総括室長 植田 十志夫 君

公共事業総合政策分野総括室長 野田 素延 君

          その他関係職員

傍聴議員          0 名

県政記者クラブ加入記者  12 名

傍聴者           0 名

議題又は協議事項

徳山ダム建設事業について

所管事項の調査

【会議の経過とその結果】

〔開会の宣言〕

〔出席説明員紹介〕

所管事項の調査(徳山ダム建設事業について)

  (1)当局から資料に基づき説明(吉田副知事)

  (2)質疑・応答

○森本委員長 本日の進行につきましては、両委員長で協議し、私が務めさせていただくことになりましたので、よろしくお願いします。

 それでは、ご質疑があればお願いします。

○田中(覚)委員 徳山ダムの議論は、前回私どもの所属します県土整備企業常任委員会で徹底的に議論させていただきました。また、今日改めて合同審査という観点から、1点だけ改めて確認させていただきたい、このように思っております。

 今までダム本体もしくは利水なり、治水の面から議論をされてきたんですが、金額的に少し検証してみたいと思うんです。当初85億円が101億円になったということ。これを例えば今、一番近い例を挙げたときに、亀山のシャープ工場が90億円の三重県の負担というんですか。三重県が先行投資をして、地域経済なり雇用の確保につなげてくる、もしくは税収入の増加につなげてくるという効果が望めようかと思います。

 治水、利水もしくは特に今まで安全度が低かったであろう木曽三川流域の方々にとっての安心度も含めて、この101億円の三重県の負担は、関係地域及び三重県全体に及ぼす影響、もしくは費用対効果と端的に言ったらいいのか、そういう費用対効果の面でどのような見方ができるんだろうということをお尋ねしたいと思います。

○吉田副知事 技術的な問題もありますので、私の発言で必要な点は事務方にも訂正をさせますが。

 徳山ダムの101億円の負担に係る三重県内の経済的な効果ですけれども、いわゆるB/Cということで、事業効果を一般的には測定するわけですが、およそ20倍前後は出てくるのではないかなというような想定をいたしております。

○田中(覚)委員 20倍の根拠、大まかで結構でございますので、お伝えいただきたいと思います。

○前川流域整備分野総括室長 考え方は、総便益を総費用で割るということになりますけど、今回の増分に対する便益としましては、857億円を考えております。それに対しまして、費用としましては43億円。43億円といいますのは16億円に対するものなんですけど、16億円に対するものの中には国費も入ってきますので、その分も含めて43億円で19.9と考えております。

 それから、101億円の便益に関しましては全体の考え方から考えていまして、101億に対しては11ぐらいということで考えています。

○田中(覚)委員 理解が乏しかったもので、43億円というのはどこから出てきた数字かちょっとすぐに理解できませんでした。101億円の便益、そして11というのは何をもって11なのか、もう少し詳しくお教えいただけませんでしょうか。

○前川流域整備分野総括室長 今回の便益につきましては、三重県、岐阜県両方あわせての考え方を101億に対してはしております。それで、もともとの従来計画の場合の便益は2兆7,385億円でした。今回の新計画では、3兆2,547億円の便益がありますので、その差が今回の増分に当たる分ということで、5,162億円を便益として考えております。

 それに対する費用が幾らになるんですかね、960億ですけども、そこから……。

○田中(覚)委員 他の質疑を継続していただきまして、後刻ご答弁いただくということでお取り計りいただけませんでしょうか。

○森本委員長 前川総括、担当者とよく相談して、今の田中委員の趣旨に沿うような答弁をお願いしたいと思います。

 その他の委員の方で質問ありましたら。

○西塚委員 明日の副知事と助役会議で4項目の申し入れをされるわけですが、その一つの項目に導水路事業を具体化せよという申し入れをされるということになっておるわけですけれども、先般の常任委員会ではまだ具体的に決まっていないよと。県の考え方は示されなかったんですけれども、初めてこういう具体的に申し入れるということをお聞きしたわけですが。

 過去木曽川が渇水をした、どのような渇水の状況があったのか。あるいは、その渇水のために三重県にとってどのような影響が出たのか。その辺少しご説明をいただけないでしょうか。

○浦中地域振興部長 まず1点目の、平成6年におけます渇水の状況でございますけれども、三重県におきましても北伊勢工業用水道の給水制限に伴いまして、金額といたしまして約150億円の被害があったというふうに聞いてございます。

 それと、導水路の問題でございますけれども、防災生活振興の常任委員会のときのペーパーの話をということだと思うんですけれども、ペーパーの趣旨は、三重県としては本会議場でも、導水路につきましては渇水対策上必要であるということを認めて、いろいろとご意見を申し上げております。そういう前提に立ちまして、今現在、国の方ではまだこういう状況ですよというようなことで説明させていただいたつもりですので、ご理解いただきたいと思います。

○西塚委員 平成6年に150億の被害があったということなんですが、後で結構ですので、ペーパーで資料いただけませんか。

○三谷委員 さっきの16億の負担増の時に857億の便益があるというお話です。この857億の便益の根拠というのは、例の氾濫想定水域の300何十ヘクタールを便益、金に計算したらこういうことになるということですか。

○前川流域整備分野総括室長 そのとおりです。

○三谷委員 ですから、これは前の委員会でもお話しさせていただきましたけど、国の出したデータを前提として全部計算されているんで、そこら辺のとこの県の検証が僕は非常に不足しとるんではないかと、それ1点あります。

 それからもう一つ、これから4点申し入れをしていただくわけですが、その中で徳山ダム建設事業コスト縮減委員会にも総事業費の縮減をお願いするということになるわけですね。これは既に報道されていますけど、委員長等は非常にこの縮減が難しいという認識を示しています。その辺りのところのそういう認識に対して、県の見解がどうなのかというのが一つ。

 それから、3,500億の中に例の用地の再移転費の50億だとか、それから土地の地目の変更に伴う249億だとか、およそ300億のお金が含まれているわけですね。やはりここら辺のところは県としてきちっと、こういうものは本来の事業目的からして三重県が負担すべき金額の対象にはならないということを、はっきりと物申すべきだと思うんですが、その点副知事いかがですか。

○吉田副知事 コスト縮減委員会の方は、確かにそのようなことを新聞報道等で発言をされておりますけれども、やはり県としては、まず現在提案されておりますコスト縮減方法が着実に実現されますとともに、やはりコスト削減というのは、とにかくできるだけ最後まで追求していくことが必要であって、そのことについても私どもは縮減委員会、それを設置しております水資源機構には求めていきたい。

 そして、3県1市も出席をいたします事業費管理検討会においても、そのことを追求していきたいというふうに考えております。

 それから、コストの中でいろいろ問題になりましたことにつきましては、既に国の事業評価監視委員会などでも専門的な調査が行われておりまして、そこの部分については私どももいろいろ説明を聞いたことが、結果がございますので、その点につきましては了承せざるを得ない点があるというふうに思っております。さらに私どもとしては、幾つかの点につきまして、今おっしゃった点にも関連いたしまして申し入れをしたいと、検討の必要があるということを考えております。

 今後の事業執行に当たりましては、さらにその文殊地区の再移転跡地問題ですとか、山林の公有地化の問題ですとか、樹林帯等の課題を明確にいたしまして、その事業執行について私どもも事業費管理検討会を通じて監視・検証を行う必要があるというふうに考えております。

○三谷委員 先程申し上げました295億に関しては、これは三重県の責任でもありませんし、三重県の便益につながる話でもありません。これはしっかりと言っていただかないといかんと思っています。50億総事業費が縮減されれば、三重県の負担が1億5,000万減るという話も聞いていますので、やっぱり300億動くとなると相当な金額がそこで変わってきますから、その点は副知事しっかりと言っていただくということを、やっぱりこの委員会で約束だけはしといてください。

○吉田副知事 ただ、直接例えば三重県に支払われるとかそういうことはございませんけども、やはりその事業費自体がダムの全体に係るものでございますから、ダムの建設に必要であるということが、やはり私どもとして確証が得られれば、それは認めていかざるを得ないというふうに考えております。

 しかし、いずれにしましても今お話しのような、ご提案いただいたようなことも含めまして、私どもは全体としてコストの縮減とその監視・検証を進めていきたいと考えております。

○田中(覚)委員 三谷委員の方からご回答いただきました。県の特に土木の直轄の県負担を見たときに、なかなか中身まで見えてこないということが往々にしてございました。

 今、三谷委員からの発言も、また副知事からのご答弁も、便益についての具体的な検証をした上でこれは仕方ないんですよ、これは三重県にとって費用以上の効果があるんですよ、という説得力のあるご説明はいただけなかったと思っております。

 私たちは数年前から、三重県という地方の自治体と市町村という自治体が協働して、そして地方の時代を迎えようということで随分頑張ってきたつもりでありますし、また同時に国の改革を待つのではなくて、自分たちから改革の先頭を切っていこうと、こういうふうなことも申し合わせの中で県の執行部の皆さん方、また県会議員、そして市町村の皆さん方とともに行動してきたつもりであります。

 今回、この徳山ダムに関して、余りにも国から言われてきたことを丸飲みして、そして三重県の負担増につながる、このようにしか受けとめられないのは私だけではないと思います。今回、22日ですか、あえて県議会閉会日の前に行っていただくわけでありまして、今日ここで概ねの意思確認がされるんだろうと思いますけれども、今、三谷委員の発言も含めて三重県のきちっとした主張をお伝えいただきたい。このことを強く要望して終わりたいと思います。

 委員長、ありがとうございました。

○森本委員長 先程の質問はよろしいか。

○前川流域整備分野総括室長 申しわけないんですけど、今、この手元で計算が行き届きませんので、後程よろしくお願いいたします。

○中嶋委員 今回利水について、三重県は関係なく、他の利水をされているところが計画を変更されたと、減額されたということなんですが。これ私、はっきり聞いていなかったんですが、事前に三重県への利水を減らすよということについての協議というのはあったんでしょうか。

○浦中地域振興部長 昨年の11月頃に、そういった各県関係のところの利水の減量があるやには伺いましたけれども、それがどんなふうになるかということが、それぞれ年を超えて2月なりあるいは3月に入ってからじゃないとはっきりしなかったという事実がございます。

○中嶋委員 今回、副知事が明日行っていただく中で、三重県としての主張も言っていただくのはもちろんのことなんですが、やはりこの3県1市との連携というところについても、非常にちょっと希薄な部分もあったんじゃないかなという気がするんです。もちろん特に愛知県とは木曽岬のことだとか、それから長良川河口堰のことだとか、いろいろと三重県も協力ないしは、時には対立もすることもあったと思うんですが、いずれにしてもやっぱり隣接県ということの中で一緒にやっていかなきゃいけない。一緒になって国と対峙していくというか、そういうふうな姿勢を示していかなきゃいけない時が多いと思います。

 これから道州制ということも議論されていく中で、今後、その3県1市の連携の強化という視点についても、是非とも副知事の方から、他の2県1市の方にもお話をしていただきたいということをちょっと要望させていただくとともに。

 あと、今回のこの水資源機構の情報の出し方、それから考え方というのが、やはり昔の地方分権一括法施行前の、国から県は下請けだというふうな意識で言ったら何とでもなるというふうな感じを受けるんです。そういう意味においては、副知事も国に帰られるということもありますので、是非とも国の方の意識改革もしっかり図っていただいて、地方分権の時代にふさわしい国と都道府県の関係づくりのためにご努力いただきたいと思いますし、そういうことについても3県1市の意思確認をしていただきたいということをお願いしたいと思います。

 以上です。

○吉田副知事 特に徳山ダムに関連いたしましては、実はこの大幅な事業費の増額という問題が出てまいりまして、お互いに連絡、調整をとりながら、3県1市で500項目にわたる質問を申し入れるなど連携をしてきたところでございます。今後は事業費管理検討会は、これは機構それから地方整備局のほか、当然3県1市も入っておりますので、この場で特に連携を強く持ちながらこの問題に対処していきたいというふうに思います。

 それから、情報の出し方につきましては、ご指摘のように三重県などと比較をいたしますと国の役所は非常におくれているということは誠に遺憾だというふうに考えております。今回の徳山ダムの件につきましても、そのような感を強くいたしますので、申し入れの第4点につきましてはその点を特に強調させていただきたいと思いますし、また正式にまだ何も話はございませんが、国家公務員として仕事する場合には、その点には特に留意をしていきたいと思います。

○森本委員長 その他、意見ありますか。

          (「なし」の声あり)

○森本委員長 それでは、なければこれで調査を終了いたします。

 〔閉会の宣告〕

 

以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。

平成16年 6月21日

防災生活振興常任委員長

藤田 泰樹

県土整備企業常任委員長         

森本 繁史


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