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平成15年12月3日 RDF貯蔵槽事故調査特別委員会 会議録

RDF貯蔵槽事故調査特別委員会会議録
(開 会 中)

開催年月日   平成15年12月3日(水)   自 10:02 ~ 至 12:47

会 議 室   第601特別委員会室

出席委員   14名

委員長 田中 覚 君
副委員長 藤田 正美 君
委員 日沖 正信 君
委員 松田 直久 君
委員 水谷 隆 君
委員 芝 博一 君
委員 三谷 哲央 君
委員 貝増 吉郎 君
委員 山本 勝 君
委員 西塚 宗郎 君
委員 萩野 虔一 君
委員 西場 信行 君
委員 岩名 秀樹 君
委員 永田 正巳 君

欠席委員   2名

委員 岡部 栄樹 君
委員 木田 久主一 君

出席説明員

          知     事        野 呂 昭 彦  君

          副  知  事        吉 田   哲  君

 〔企業庁〕    企 業 庁 長        鈴 木 周 作  君

総括マネージャー        小 林 和 夫  君

〃            藤 田 輝 也  君

RDF発電特命担当監     藤 森 荘 剛  君   その他関係職員

〔環境部〕    部     長        長谷川   寛  君

総括マネージャー       小 川 治 彦  君

〃           松 林 万 行  君   その他関係職員

傍聴議員     4 名

県政記者クラブ加入記者   8 名

傍聴者       4 名

議題又は協議事項

1 RDF貯蔵槽の事故に関する原因究明について

2 今後の対応方針について

3 委員協議

    ・委員長報告について

    ・次回委員会の開催について

【会議の経過とその結果】

〔開会宣言〕

1 RDF発電所を所管する地方公営企業の設置者としての知事の現状認識と今後の対応方針について

(1)当局説明

(野呂知事、吉田副知事)

(2)質疑・応答

○芝委員 私のほうからまず最初に。どうも、大変お忙しい中、知事にお越しいただきましてありがとうございます。今もご報告いただきましたように、事故調査委員会の最終の報告書も出されまして、また、新たに施設、特に発電所、ボイラー等への第三者によるチェックと言いましょうか検証も行われ、新たに、この爆発事故が新たな局面に入ったなと、こんな部分の認識をしておりますし、その部分の認識も含めながら、ある意味では、これだけのメンバーでございますので、私ども会派のほうではある程度意見を集約してきましたので、まずは、まとめて私のほうからご質問させていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、第1点目の部分でありますが、今知事のほうから、知事と企業庁、また企業庁長との立場関係についてもご説明はいただきました。この中でも取り上げていますけれども、知事にとりましても、この爆発の部分についての認識と言いましょうか、考えっていうのは、まるっきり及ばない、青天の霹靂であったということは、以前からもお聞きをしてるところでもあります。知事は、就任されて前知事から、全ての事業を法に基づいた地方自治法に基づいて引継書で引継をされております。この中の部分において、これをRDFに限らず、すべての県事業については、前知事から、法が定めるところによっては、正当な理由なくしては全ての引継は拒否できない、この場合10万以下の罰金ですよ、という規則もあるわけでありますけども。ただし、たとえ前任者のなしたる事務行為が適切を欠くとか、違法であるとかの理由をもって、後任者においてその事務引継を拒めないですよ、とこういう一文もあります、解釈もあります。そのような文があるわけですが、引き継いだ当時、まるっきり改めてお聞きをするわけですが、知事はこのRDF発電の一連のものについて、何の疑義も何の疑いもなかったかどうか、ちょっとそのへんをまずお聞きをしたいと思います。

○野呂知事 就任いたしました初日の日に、前知事も来られまして、知事室におきまして引継をいたしたところでありますが、引継の文書の厚さがどれぐらいですかね、これぐらいでございましょうか。したがいまして、まったく中味についての説明等があって引き継いだということではありません。しかも、中に書いてあることについては、相当仔細にわたる部分、いわゆる、県のやっております行政全般にわたってでございますから、膨大なものでございます。したがいまして、これは、これまで北川県政の下でやっておった県の業務のあらましという形のもので、それを引継書という形でまとめてあるというものでございます。これを、引き継いだところでございます。おっしゃるように、この引継という行為につきましては、法の定めるところによりまして、これは、まったくこれを拒むとかそんなものではなくて、どういうケースの場合によっても、一定期間内に引継を受けなければならない、こういうふうに定められておるところでございます。

 それで、これ自体は、法の解説では、後任者は、何ら前任者の属人的な責任までをも引き受けるということではないとか、それから、前任者の事務執行そのものについての政治的責任も後任者の関知するところではないとか、要するに、引継というのは、とにかく、今までやっておることの全体を引き継いでいくけれども、それに左右されるものではないと、こういうことが書かれておって、これも、私は当然のことだろうと、こう思ってます。ただ、私自身はそういったことで就任をいたしました後、具体的な中味について、各部局の皆さんから、順次説明を受けて仔細のことについて、少しずつ承知をしていったと、こういうことでございます。

 したがいまして、企業庁のことにつきましても、順次、他の部局と同じように、時間の割当を決めまして、その時間において説明を受けていったということです。企業庁の業務も、非常に広範囲でありますから、RDFの部分もその中に入っておったと、こういうことでございます。

○芝委員 続いて、そうしましたら、今引継の部分のお考えもお聞かせいただきまして。その後、細部について、後日、企業庁なり環境部なりか分かりませんけれども、その引継の細部の中味について、知事は改めて説明を、これはRDFに限らずすべて受けられたと思うんですが、その中で、当事者企業庁なり環境部からの分については、引き継いだ時点では、既に、その前の年の12月には事故が起こっておるわけでありますけど、そこの部分についての説明は、どの程度あったのか、なかったのか、記憶がありましたらお答えいただけますか。

○野呂知事 非常に時間が限られておりましたので、その当時の説明で、どこまで入っておったのか、僕もあまり定かに覚えてません。何しろ、毎日毎日、一生懸命説明を受けるんでありますけど、量が多いもんですから、その仔細までよく覚えてないんでありますが、後で聞きましたら、最初の説明が5月1日だったそうでありますが、その後、6月に入ってから、あるいは7月に入ってから、何度かありました。その中では、発熱等の初期トラブルについての説明が含まれておったのは事実でございます。

○芝委員 おそらく、多忙な中での引継やったし説明であっただろうと、広範囲にわたりますから。知事の記憶にあまりない、その引き継いだ説明の後日に説明がないということは、おそらく、当時の説明が企業庁なり環境部からかどうかわかりませんけれども、認識的に欠けていて、12月の対応の部分を、ある意味では、小さな事故というか小さな事象と捉えて、おそらく、知事の印象に残るような説明がしてなかったんだろうと。事故に対する対応とか、認識の問題がいろいろ調査報告書でも出ていますけども、その分があったんではないかなと推測もするわけであります。その上で、改めて、知事は、例えば、事故があってから8月20日の記者会見等でも、今も報告いただきましたような形で、全体的な責任は県にあるとか、9月30日の定例会での木田議員の質問に対しましても、基本的に県政の責任者は私であります、というような答弁もされております。今言いましたような部分から含めて、前知事からそういう引継があったわけ、危険とか、いろいろな問題意識の定義もあったというわけやないけれども、同じような、野呂知事と同じような、安全であるよという、ある意味では、そういうような部分の認識の下に、私もおったし、おそらく前知事もそんな分でおったんだろうという解釈があります。

 改めて、これは、今回の分について、企業庁長と知事との立場もここで説明いただきましたけれども、設置者としての部分というのは、改めて、全体的な部分というのは、県の責任の、要するに設置責任者の最大の、最終的な責任者は知事であるというお考えはお変わりございませんか。

○野呂知事 まず、少しさっきの答弁の続きの中で、企業庁から企業庁の業務について説明を受けて、それでRDFのこともその中に含まれておった。それで、私としては、やはりRDFの、1回、現場はぜひ見ておかないかんなというふうな気持ちを持ちまして、それで、ぜひ機会見て行きたいと、こういうことを申し出ておったわけであります。実際には、日にちがなかなか取れなかった。そして、8月11日という日にちまでずれ込んでいったという状況がありましたけれども、そういう意味では、少なくとも、RDFについて若干の関心を強くしておったというところがあったかなと、こう思います。

 それから、今、全般的な責任について、県にある、云々についてでございますけれども、これは、私もこれまで何度も申し上げておるとおりでありますけれども、これは、県の施設でありますから、そういう意味で、県の施設でああいった事故が起こり、そして、尊い犠牲者も出したということでありますから、そういう意味で設置者として、県の、実はその関与の仕方というのは、極めて重大であると、こういうふうに思っておりますから、そうして、県の一番責任の重い私としては、そういった意味での責任を感じ、素直にそのことについては申し上げてきておるということでございます。

 私自身、これとの関与からいきますと、さっき申し上げましたように、8月11日に、遅くなりましたけれども現地の視察が実現したという状況の中でありました。それで、短い時間ではありましたけれども、あの発電所の周辺を少し歩いて、そして、管理棟の中で、逆でしたね。先に管理棟の中で説明を受けて、その後周辺も少し歩いて見させていただきましたが、管理棟での説明においても、いろいろ発熱等起こっていることについてどうなんだということで、お話を聞きましたが、今はこれだけRDFもしっかりしたRDFができてますと言うんで、瓶に入れたRDFを直接見せていただいたりいたしました。

 それで、私も認識としては、そういう発熱等はあるけれども、とてもとても、それがああいった14日の事故、19日の爆発、続けてああいった事に到るとは、とても想像もできなかったというところでございます。しかし、ところが、実際に14日の日に1回目の、ああいった事故が発生をいたしました。それで、私としては、これはやはり今まで思っておったものと違うではないかという認識を持ちまして、早速、ああいったことについてきちっと原因究明をしなきゃならんという考えを持ちました。翌日、15日の朝、リスクマネジメント会議をすぐさま招集をいたしまして、そこで、その後ずっとお世話になることになりました事故調査専門委員会を持つということを決めさせていただいたわけであります。

 ところが、私としては、それにおいて、とにかく14日のような事故、もう2度と起こらんように、その検討結果も待ってやっていきたいと思ってましたが、すぐの19日に、2回目のああいった爆発が生じたということでございます。そういう意味で、すぐさま対策本部を設けるとともに、現地へ私も赴きました。そして、事故の処理、それから鎮火、それから、同時に委員会では原因究明もお願いをしたというところでございます。

 そして、その後、災害対策本部に切り替えまして、副知事を本部長とする対策本部のほうで、私の方からも必要な指示をいたしましてやってきておるところでございます。

 これらは、やはり、総じて県の最高責任者としての私自身の責任に基づいてやらなければならないことだと、こういう下でやってきたということでございます。そういう意味では、重い責任を持っておるということで、今日も一生懸命対応しておるところでございます。

○芝委員 今も知事が前々から言われてますように、改めて設置者としての全体的な県の責任、その部分は知事に当てた形の分のご認識、いち早く出されてもその部分については大変評価をするわけであります。それを基においての対策本部の設置とか、事故調査委員会の設置等々含めながら、大変評価をさせていただくわけでありますが、その中で、最終報告書で、事故原因等々の部分から含めながら、今もここにもご報告いただきましたように管理の問題、体制の問題、組織の問題、いろんな認識の問題も含めながらいろんな提言もされております。今後、知事は、再開するしないはまた後ほどの議論といたしまして、再開をするという仮定のもとで、するならばというぶんで、知事としては安全確認の重要性を議会でもおっしゃって説明されております。今ここでも、具体的に、この部門についてはこの形で取り組んでいきますよという進め方をされてます。その中で、少しお聞きをしたいんですけれども、私どもは学者ではございませんから詳しいことはわかりません。ただ、知事が今安全の確認のためにいろんな方策、例えば、事故調査報告書で出てきた部分で、管理の問題であったり、留意点であったり、整備とか貯蔵槽のない場合とか、いろんな搬入路の問題、いろいろあるわけですが、この部分をマニュアル化をして検討をしているんですが、あくまでも県の中でされていると、私は認識をしておるんです。それともう1つは、環境部の中に、安全技術対策プロジェクトチームを作って、4つぐらいの大きな項目をチェックをしていきますよと、こういうことでありますけども、これは当然だろうと思います。当然だろう、組織の強化の文言を含めながら。私はここの部分でも、第三者による専門知識を持った人たちの再チェックが必要だろうと思うんですね。例えば、事故調査委員会のご報告をいただきました。この人たちは専門家であります。しかし、今ここでいろんなマニュアルを作っている、そのマニュアルを進めながら、知事を筆頭とする県の皆さん方が、当然確認もいただくけれども、あくまでも私どもも素人と言いましょうか、認識不足の感があります。その部分も含めながら、それと、プロジェクトチームを作ってもらうのはいいんですけど、どんなメンバーのプロジェクトチーム、ここでは分かりかねるんですけれども。ここで、やっぱり専門家の人の2重チェックという体制は、どのようにお考えか、ちょっとお聞かせください。

○野呂知事 私も、とにかく再開についていろんな方から問われますけれども、まず、再開の前提としては、安全性をきちっと確認していくこと、確保していくことだとこういうことを申し上げてきておるところでございます。その、安全性の確認につきまして、芝委員の、今のお話も私は1つの貴重なご意見だと思っております。まだ、具体的に、どういうふうにということは考えておりませんけれども、安全性の確認については、県が粛々と進めていくにいたしましても、ご提案のありましたようなことも含めて、今後、その方法については、いわゆる確認の方法については考えていきたいなと思います。

○芝委員 くどくなるようかもわかりませんが、今回の事故の発端、RDFに対する認識不足と言うか、その部分がまず最初の発端であります。それは、県の関係のみならず、富士電機もそうでしょう、国もそうだったかもわかりません、われわれもそうだったかもわかりません。その部分が1番の原因であるとするならば、今、安全に向けての確立するチェック体制、いろんな形でシミュレーションしたりプログラムを作ったり、組織を作ったりしておりますけども、あくまでも、まだまだ専門家になっていない部分が当然あろうかと思います。だから、皆さん方で考えていただくのはいいんですけれども、事故調査専門委員会のような形の第三者の、県の関係のない人たちの専門家の人たちの再チェックを、これで、皆さんが練った上に、改めてもう1度網をかけるという形で、どうしてもそこの部分は県民が多く、強く要望するだろうと思いますので、そこの分を、ぜひともそんな組織を作っていただくように、まずは要望の、今の問題ではまだそこまで具体的ではないということですけども、要望させていただきたい、こう思います。

 私どもも、県がこうですよという部分をそのまま鵜呑みにするんじゃなしに、改めて、そんな第三者の機関のチェックを入れて、部分を含めながら、安全性を確認させていただきたいなと、そんなことも考えておるところであります。

 それから、先ほど申しますように、報告書が出ている動きのある中で、今後の課題というのは大きく分かれてくるんだろうと思いますが、今の安全確認の問題が1つ。もう1つは、先ほどからご答弁いただいておりますけども、責任の問題、これが1点だろうと。それから、費用負担の問題、これが1点だろうと思ってます。その中で、責任は、設置者の全権としての部分は十分、知事お認めいただいてるわけでありますが、そこから先への議論が、なかなか進展しない。じゃあ、責任はあるけれども、責任の所在の明確化と言うか、確定という部分については、どうしてもやっぱり避けて通れないだろうと、こう思っております。そこの部分については、いつ頃、どんな形で対応されていくのか、または、いろんな個々の組織や検討委員会なりがやっていくのかっていう、まず概略的な部分をお聞かせをいただきたいと思います。

○野呂知事 責任問題につきましては、先ほど申し上げましたような県の施設での事故でございますから、それについての事故の処理等含めて、かかる責任というものがございますけれども、ただ、ああいった犠牲者まで出した事故でございます。刑事責任等まで含めてご指摘であるということであるならば、これは、そういった警察等の機関におきまして、結果を待たなければならない部分があるのかなと、こう思っております。

 ただ、一方で、ごみの処理費等について、いろいろと市町村では財政の圧迫等、懸念を表明し、なんとかしろという話が強く来ておりました。これは、かかる県でのああいったことでありますから、県の責任において調整をすると、こういうことを申し上げてきたわけでございます。これについては、先般、皆さんにも申し上げてきておるとおり、そう長くかかるというわけには、市町村等の窮状を考えますといけませんので、それで、これについては、今、もう作業開始をいたしまして、それぞれ精算し、その金額について県のほうでしっかり責任を持って市町村の負担軽減に資するようにやっていこうということでやっておるところでございます。

 一つひとつ、どの時点でどの部分をというのは、順を追ってということになっていこうかなと思いますけれども、最終の刑事的な面も含めたものということになりますと、これは実際のところ、私どもの思いだけではその期間を測定することはできないというところがございます。

○芝委員 責任の所在の問題と費用負担の問題と少し分けて、先に責任の問題を聞かせていただきたいと思うんですけども。今、知事も刑事事件の関係も言われました。私は、ここは分けて考えるべきなんだろうと。例えば、今警察の部分については詳しくわかりませんが、過失致死と過失傷害の部分で、事件としてこれは立件されるような部分で進んでると思う。これはこれとして、事件としての部分でありますから、私たちの関与できる部分ではございません。それはそれで、しかるべきときに、警察当局がそれなりの答申を出してくるんだろうと、答えを出してくるんだろうと思っております。

 これは少し置いておいて、それとはまた別に、やはり今も言われてますように、設置者として、全体の県の責任の中で、管理とか指導の部分っていうのは、やっぱり責任があるんだろうと、今回の事故に到った分については思ってますがね。そこの部分で、県当局なり、企業庁の中での、要するに組織的な処分とか、処理というような責任が明確にされていない、こう思っているわけです。

 例えば、先の本会議でも指摘がありましたように、前濵田企業庁長が、一応早くから辞任を知事に出していて、そのまま辞任を受ける形で退職されました。で、この部分においても、なんら企業庁内、また県の中の部分で、立場責任と言いましょうか、管理責任、指導責任というものを問われなくして、ある意味では、穏便に、円満に辞職したという形になっておりますけど、そういうような問題が出てくると、やはり県民からの不信が出てくると思いますので、刑事責任とは別に、県として、企業庁として、いろんな形の部分での責任問題の部分、要するに処分問題については、やはり、懲罰委員会等々も設ける設けない別ですけれども、検討すべきだろうと、時期的には、思ってるんです。これを、刑事責任の答えが出るまで、それを引き延ばしますよっていうんでは、何年先になるかわかりません。それはそれとして、司法が裁く訳ですから別として、行政としての責任においての処理処分というのは、やっぱり、この際、こういう動きがあった中で、そろそろ検討に入ってもいいんじゃないかと思ってるんですが、その点についてのお考えをお聞かせください。

○野呂知事 私自身は、こうやって起こってしまった事故でありますから、そのことについて、私も多く反省をしていかなきゃならんと思います。しかし、これまでの状況について、それぞれの職員が、それぞれ職務には一生懸命精励をしてきた、そういった気持ちで今日まで来ておるかと思います。しかし、結果としてこうなったことについての、いろいろ問われる点については、まだ今の時点で判断できる部分というのは、まだこれからなのではないかなと、こういうふうに思っておるわけです。ぜひ、そういう意味では、私どもも、自らこういった事についての反省を今後深めていかなければなりません。

 併せて、県議会の特別委員会におかれても、いろいろといろんな機会を通じて、これまででもお取り組みいただいておるところであります。そういったことも含めて、私としては総じて判断をいたしていきたいと、こう思っております。

 先般の、濵田庁長の件につきましては、本人から、私は一つの区切り、節目のところまで、濵田庁長に、一番よくわかっておるので、後の処理のことも含めてやらせたいという考えを持っておりましたが、本人がどうしても辞めたいという強い意志でございます。やはり、そういうことでありますと、とにかく仕事をしっかりやっていこうという気持ちを失ってきておる状況の中で、企業庁長という大変責任のある、しかもこういう大事故の後の今後の処理のことを考えますと、それは無理であろうと。したがって、私も、これはもうやむを得ない状況だなと。しからば、やっぱり企業庁の組織として、この危機の中で、後への対応をしっかりリードしていけるふさわしい企業庁長を、新しく選んだほうがいいだろうということで、鈴木さんに企業庁長をやってもらおうということにしたところでございます。

 今後、ご指摘の点については、私も十分しっかり考えてまいりたい、こう思っております。

○芝委員 特に、濵田前庁長につきましては、気持ち的な部分はわかるんですけれども、基本的に、何も責任が、ある意味ではとらずに、辞められたんかっていう思いは強い部分があるわけです。例えば、司法としては、やっぱり今回のこういう結果があるわけでありますから、管理責任、指導責任というのはあると思いますね、現場として。その企業庁長に、例えば、懲戒の部分で、例えば、減給であったり、停職であったり、という部分を課しておいた上で辞職すれば、ある意味では、そこの部分というのは公の立場の中で、きちっとした形で、懲戒がありましてということは残るわけですが、今のままですと、ある意味では、表現がおかしいんですけども、無傷のままで終ってしまったよっていうのが、私どもも県民もあるような思いがあるわけですね。そういう部分についても、少し、対応側としても少し甘かったんじゃないかという思いをしておりますし、そこの部分はやっぱり、こういう事故が事件があったわけでありますから、より厳しい判断を、どうしても関係の部局ではとってもらわなくちゃならないなという思いもあるわけであります。

 今の段階で、責任所在の明確化とかそういうのができてない、また今後、刑事事件の答えも出てこようという中で、最終的な形が見えないと言われますけども、ある意味では、まずは、いろんな形で責任の明確化をしながら処理をしながら、処分をしながら、改めてそんないろいろな状況が変われば、また改めて、法的にはどうかわかりませんけども、追加をするという姿勢が、やっぱり、まず責任をとるという意志のあらわれとして、県なり企業庁に。そこの部分が、ある意味では必要かなと思っておりますので、ぜひ、後で忘れた頃にやった部分では意味がありませんから、どこで検討されるか知りませんけども、検討いただきたいと、こう思っております。

 それから、費用負担の部分と責任問題について聞きたいんですが。例えば、知事は、当然市町村の軽減を負担したいから、議会に提案をして予算組みをしたい。その下には、関係する部署にも負担を求めていきたい。すなわち、基本的には富士電機だろうと思っております。そこで、富士電機との思いの部分でありますけども、この費用負担等々について、細かい調整とかどうこうじゃなしに、責任問題とか費用負担、大きな問題について、知事なり関係の責任者は、過去に交渉を持ったことがあるかないか、まずこのへんを。

○野呂知事 交渉、富士電機で、

○芝委員 はい、富士電機さんとトップというか、ある程度責任のある立場の人たちが。

○野呂知事 富士電機につきましては、事故直後に、社長と幹部の方がお訪ねをいただきましたが、これについては副知事に対応していただきました。それから、最近におきましては、10月19日に社長が来られたということがございました。そのときに、私のほうから富士電機に対しましては、まず、いろんな経緯があったかと思うけれども、とにかく、プロポーザルでしっかりああやって名乗りをあげて、そして、決定して請け負ったその富士電機が、RDFの専門家ではないというような、ああいった言い方をされたのでは、とんでもない話だということを、強く申し上げました。そして、私は県の責任者として、県民に大変な信頼感を欠く不信を招くような、こういう事態になったことを重く感じておる、したがって、私もこれからも県民の信頼回復ということに焦点を当てて、対応していきたい。企業においても、そういう意味では、どこを向くかという時に、やはり、周りの地域の人、県民に向かって、大企業、富士電機たるものはそういった方向へ向いて欲しいということを、私のほうから強く申し上げたところでございます。

○芝委員 その、10月19日社長来られて、知事との対談の中で、そのようなことは知事から申されたと、お話したということでありますが、それ以外に、今回の事故、それから、これから以降始まるであろう費用負担的なものも含めながらの責任問題だったり費用負担についての具体的な話はされたかされないか。そこだけ、あったかないかだけ。

○鈴木企業庁長 私が16日付で企業庁へまいりました後、今19日知事が社長なりシステムズの副社長なりにお会いされた後、私のところへ寄っていただきまして、私からはこういう当面の暫定的な措置として、費用負担をしてくださいということをお話をさせていただきまして、今回、提案させていただいたような形で2分の1というのを暫定的な方法として合意しているということでございます。

○野呂知事 日にち間違えました。11月19日でございますんで、訂正いたします。

○芝委員 それでは、ちょっと企業庁長にお伺いいたします。今の部分の中で、知事と対談をされた後、社長と庁長が話をされたと。いわゆる、費用負担の問題、いろいろなもの含めながら、費用負担については、当面2分の1で、県と富士電機が、かかる費用の、要するに、これは市町村のごみの処理代だけなのか、それとも、発電施設の全体の修復とか、また多度の広域の部分にもいろいろ影響してますが、全体枠での2分の1なのか、それとも処理費用の2分の1なのか。これが、当面の話なのか、ある意味では、そこで両者が責任問題を、と言うかその部分を大きく2分の1ずつにしようという話なのか、そこを詳しくお聞かせください。

○鈴木企業庁長 ちょっと私の説明が不十分で。既に私が来ましたときには、自動車の塗装の関係については、議案の提案もさせていただいて、準備ができておる状況でございましたので、その部分については、既にそれまでに確定をしておったと思います。

 私が19日の日にお願いをしたのは、市町村のごみ処理費用の点について検討をお願いしたということになります。

 それから、先だっての特別委員会で、いろんな現地の施設等のものがございましたですね、十何億から中に入っておったと思いますが。その、個々についての整理はまだできておりません。

○芝委員 それでは、車のことはちょっと別にしておいて、被害車のことは。市町村から毎日発生しているごみ処理については、いつになるかわかりません。あるいは、今のところはジ・エンドではないと思ってますけども。それまでは、2分の1ずつを費用負担をしていくということでは、今の説明では富士電機も了解をいただいたと解釈をしました。それでいいんですね。

○鈴木企業庁長 ちょっと、すいません。不正確でございます。当面、3月議会で提案するという前提での部分についてというふうに、ということでございます。

○芝委員 はい、わかりました。それで、どこかで誰かが、この処理をしなくちゃならないと思ってます。県の責任の部分からも、その部分について、負担割合がいいかどうか私どもよくわかりませんけども、それが1つの過程って言うか、現実でありますから、2分の1というふうに。そうしたときに、2分の1は、県と企業庁と富士電機とで話された部分でありますけども。これをまた、将来にわたって、負担割合が変わってくる可能性があるんですか。

○鈴木企業庁長 正確なお答えになるかどうかわかりませんが、当然のことながら、事故のいろいろな原因がはっきりしてきた時点で、この比率は変わるというふうに、私は認識しております。

○芝委員 そこで、お聞きしたいんですが、事故のいろいろな原因がはっきりしてきた時点で、それをまた、富士電機と企業庁なり県で話をするのか、もしくは、第三者的な形の中で、判断をいただくのかによって、時間的な問題が大きく変わってくると思うんです。現状見ながら、そこのお考えを少しお述べてください。

○鈴木企業庁長 すいません。現時点ではそこまでの方法をまだ具体的に整理ができておりません。

○芝委員 ぜひ、例えば、以前からもいろいろな法的な手段もっていうようなことは、今までもこの委員会でも答弁されたことはあると思うんですけど、法的な手段になってくると、何年、3年も4年も5年もっていうことになってくると思うんです。しかし、だからと言って、この問題、責任問題とか費用負担の問題を、2対1がいいかどうかっていう部分も含めて、それはとりあえず、県と企業庁の話でありますけどね。むしろ、時間の短いような、例えば、調停にかけて第三者に判断をいただくとかっていうような部分の、スピードアップの方法も、私ども、ぜひ、検討もいただきたいなと思っております。

 おそらく、法廷で争うようなことになってくると、当然、万が一再開したときの部分の、受け皿の問題であったりとか、富士電機の対応であったりとか、いろんな部分が、決して、比率がはっきりするかもしれませんけれども、現状の対応としてはいいもの生まれてこないと思ってますんで。これは、要望の部分も含めてますけども、そういうような、調停とかどうこうにかけるお考えはございませんか。第三者に判断していただくために、早く、早期に。

○野呂知事 そういったことも含めて、これは今後の検討の中で決めていくことだろうと思います。ご提案として、そういうこともあったということは覚えておきます。

○芝委員 1人でいけませんので、長くなりましたけども、申しわけございません。ひとつ、よろしくお願いします。ありがとうございました。

○野呂知事 ちょっと補足をさせていただきますけれども、責任問題について、いろいろございました。私としては、その段階段階で、判断をしていかなきゃならんものだと、こういうふうに思ってます。前提をつけて申し上げることではないと思っておりますけれども、県庁内の責任のとり方については、それは、処置をしなければならないという状況がありましたら、例えば、懲戒審査委員会だとか、そういうことは設けてそういった対応ができるわけでありますから、そういった前提については触れたくありませんけれども、きちっと判断をいたしていきます。今は、そういった判断をする状況には認識をいたしておりませんので、もう少し状況が明らかになってくる、そういう中でしっかり考えてまいります。

○貝増委員 先ほども、説明をいただいたんですけども、ちょっと振り返ってみますと、知事の権限、ここからちょっと質問させていただきたいんですけども。企業庁の任命は知事であるけれども、一般業務以外は特別な理由を2つ除いて、2つは知事の権限があると、指示系統の責任があると言われております。そうしたときに、8月14日に、実際爆発事故起こったときに、早朝から、現地に皆さん駆けつけられた。当然企業庁長も来られた。しかし、翌日、県庁で先ほど来説明を受けている危機管理の会議を開かれた。私が言いたいのは、知事が、なぜそのときに全部の管理職を集めたときに、企業庁長も呼んで、現地どうなってるんやという指示が、知事出されたのかどうか。張り付き責任者、あるいは対応責任者、権限のあるものをどうしておけと言わなかったかと、それを言ったか、言わなかったか、まず教えてください。

○野呂知事 私は、RDF発電所の技術的な運転、そういったことについては、よくわかりません。ただ、直感的に、これはやはり、発熱状況等から、14日の事故も起こってきたということで、少なくともこれについては、私の方から企業庁に対する指揮を出さなければならない部分があるかもしれないという思いで、したがって、そういったことから、それについて私の立場は、大変素人の立場でありますから、調査委員会を設けて、この際、RDFの火力発電所でいろいろ起こっておるようなトラブルを一掃してしまうということ、これを実現できないかなと、こういうふうに考えたところでございます。

 ただ、ああいった事故があったところでありますから、そういう意味では、企業庁は企業庁で、その事故に対する直接の対応については、企業庁長の下でやっていくことであろうと、こういうふうに判断をいたしておったところです。

○貝増委員 私は、14日の事故から、早朝の事故から19日まで、現地には企業庁の指揮官がいなかったという前提で知事に確認をさせていただいてるんです。全員が、この本庁で危機管理の会議をしている間でも、あの散水、放水の件でも、現地には留守番役の企業庁の太田君しかいなかったと、だからうろうろしてたと。だから、そのへんは、私は箇所まで言いたくないけども、一番最初の知事の初動指示が、そこですっかり抜けてしまったんじゃなかろうかなと思うんです。

○野呂知事 その現場に、何人張り付いとるとか、そういうふうなことまでは、私の監督する範囲の中には入っておりませんから、直接そういうことについて私自身が判断できるような状況にはなかったと思ってますが、事実がどうであったのかというコメントについては、企業庁長から答えてもらいます。

○鈴木企業庁長 当日、現地に誰と誰っていうのは、ちょっと今資料を持っておりませんが、その8月14日段階では、発熱、発火ということは、12月の時点で知り得ておりましたので、そういう認識はもっておったと思いますが、14日の後、19日に爆発に到るという、そういう認識を企業庁の職員は持っていなかったということで、そういうことを想定していなかったものというふうに思います。

○貝増委員 知事のおっしゃるとおり、やっぱりすべてがパーフェクトじゃないと、すべてが分担、分担の中で。だから、私はそのときに、企業庁長が14日、15日、ここでの本庁の会議のときに、知事にどのような説明をされていたかと、そのへんをちょっと確認したかっただけで、今の話でわかります。

 それと、もう1点。知事が8月11日に現地を訪ねられてから、あるいは、前知事のときから引継をされた段階、そして、事故が起こった段階、この3段階を順番に追い駆けたとき、どうして平成14年12月1日に、急いでダイオキシン対策、あるいは、経費削減のためにあの施設を大急ぎで稼動させたかと。でも、知事就任されてから、説明を受けたとき、引き継いだときに、この施設は県が発注してるけども、まだ物件は受注先の富士電機のものであると。契約書も、当然企業庁長の名前で延期、延期をさせてこられてると。しかし、反面、12月1日からの売電収入は県に入ってる、このへんについて、知事は前知事に対して、おかしいやないか、企業庁長どうなってるんやと、この二重人格の状態で、ものが進んでいっていいものかと、そのへんは、引き継がれて知事はどう指導をされてきたか。

○野呂知事 一般的に、どういう施設であっても、施設を作りましたときに、それが故障続きであったり、うまく動かないというような状態で、引渡しを受けるということはできませんから、そういう意味では、企業庁は12月に稼動した以降、いくつかのトラブルがあって、そういう点では、それが完全にきちっと運転できるという状況まで見定めた上で、引渡しを受けようという判断であったと思いますから、当然の判断であると思っておりまして、その判断は間違っておったわけではありません。

○鈴木企業庁長 先ほどのも一部補足させてください。8月14日、15日の企業庁の対応でございますけれども、14日の後は、企業庁の職員が何人か、当然現場へ行っております。15日の日に、企業庁内の所属長会議を開きまして、現場の24時間監視体制も必要ということで、幹部職員等が現場へ訪れて、今後の対応等を議論をいたしたという経緯がございます。

 それから、今の引渡しの議論ですが、今の知事からのご説明とほとんど同様になってしまうわけですけども、初期トラブルが発生していると、それらが完全にクリアできるまで様子を見て、確認をしてから引き取ろうと、こういう状況のままでいたところを、今回のようなところまで到ってしまったと、こういうのが経過でございます。

○貝増委員 鈴木庁長、就任間もないからあんまり言いたくないんですけどもね、8月14日木曜日早朝の事故、それから、19日火曜日、あの日の昼までは現場には現地の、あの主幹、太田さん。あの人しかいなく、19日の朝も、水はどうするんや言うたときに、うろうろしてたと。どうも私はわかりませんみたいな、対応されてたと。そういう、現地の動きやったもんで、確認をもういっぺん、県庁の指示、あるいは、企業庁としての指示はどうされてたかと。危機管理の中の、本当に第一歩を、全部県庁に集まってばっかりおって、今会議はされてたと言うけども、現地は本当に動いてなかったという状態を、そこが私は大きな問題になったんじゃなかろうかと、だからお伺いしてるもんですからね。

○鈴木企業庁長 お手元の資料だけで説明が不十分かと思いますが、14日の場合には、その日の朝には、企業庁のほうから何人かの職員が現場へは行っております。確か、午後には企業庁長も、記者会見もさせていただいて報告をしているというふうに聞いております。

 それから、15日の日には、先ほど申し上げたような、危機管理体制を整理するということで、所属長との会議を開いた後、幹部職員等が現地のほうへ赴いておるという記録が残っております。

○山本委員 新知事は、新任をされて、ある面では、あっと言う間に半年ぐらいが経ったという、こんな実感じゃなかろうかなということでちょっとお聞きをさせていただいとって、前知事からしたら、ある程度の道筋をつけたんで、こんなことをやって欲しいなという思いがある面ではあったかもわかりませんけども、それがやっぱり、今回引き継いで、実際的にいろいろ起動していくと、やっぱり8月11日ぐらいに、初めて現地に行かれたということになってきますと、実際は、それは4月中旬とか、それから5月の初めくらいに引き継がれたというような話をお聞きするんですけども、やっぱり、こんなぐらいの膨大なペーパーの中で、さっさっと見たか見やんかわからんですけども、結果的には、RDFのこういうものについては、ある面では、具体的に引継を、細かい部分とか、こういう発熱がある程度ぐらいのことは、引継をされておって、あと細かい部分については、やっぱり引継をあんまりされてなかったんじゃないかなという、こういう気がするわけですわ。

 そんな中で、こんな厚い表紙の中にも、RDFに関する引継書はあったと思うんですけどね。その中で、例えば、具体的にこれもう既に4月末とか5月初めぐらいに、RDFの引継書の中にも、例えば、「RDFの異常発熱については、例えば、貯蔵槽を改造し、貯蔵槽内のRDFの温度監視とか、及び長期の滞留を行わない」とか、例えば、「異常発熱に対する負担のあり方についても、今後、富士電機と異常発熱トラブルに関する費用とか損失については、リスク分担に基づき協議をして負担を決定します」ということで、既に具体的に、4月の引渡し時点ぐらいには、今回のこの一連の発熱についての引渡しはできておるわけですけども、それが結果的に、やっぱり、現時点まで、ある面では、爆発の事故まで、生かされてなかったんじゃないか、こういう思いがするわけですが。僕は、できたら、前知事にも聞きたいなという面があるんですけども、できたら、ひとつ、1点まず、新知事にそういう面についてお聞きをしたいなと思います。よろしくお願いします。

○野呂知事 知事と企業庁との関係ということにおきましては、企業庁長を任命するのは知事でありますけれども、しかし、業務そのものは、その企業庁長の下で、企業庁は仕事をやっておる。知事が、口出しをできるのは、さっき2点申し上げましたけれども、住民の福祉に重大な影響が出るような状況の中で、その福祉を確保しなければならないとき、それから、管理者以外の、企業庁以外の地方公共団体の機関の権限に関する事務の執行と、その企業庁との業務の執行との間で調整を要する、というようなときには、知事がやることができる。こういうふうなことでありますから、一般的な業務について、知事の権限では、ああしろこうしろというようなことは、いわば教育委員会や公安委員会と同じように、それについては独自性を持ったところであると、こういうところでありますから。状況は、したがって、報告受けますけれども、そのことについては企業庁が責任を持って対応していくことであるという、一般的な業務の中ではそういうことになろうかと思います。

○山本委員 そういうようなことを最初に説明受けたわけですけども、全体的に、県という、責任という、全体的には県には責任はあるだろうという知事の答弁もありましたからね、それじゃ、誰が責任を、例えば、知事が責任をとるんか、企業庁がとるんか。県が全体的な責任があって、私は、知事はもうこういう調整役やということだったんですね。最終的に誰が責任をとるということですか。

○野呂知事 そんな話を申し上げておるんではなくて、引渡しの状況の中でどうかということでありますから、そういった状況については、お聞きはしておるわけでありますけれども。ただ、そういったことが、まさか爆発につながってくるというようなことは、とても想像もつかなかったところでありますから、現実には、ああやって爆発事故が起きた。したがって、結果として、ああいう県の施設で爆発事故が起こり、犠牲者まで出して、やったことについて、これは極めて責任あることだと。じゃあ、その責任というのは、どういう責任だということで、さっきからご議論ありますように、それについては原因究明も、それから、いろんな状況が今後明らかになってまいりますから、その中で、その責任の所在、割合等についてははっきりしていくであろうと、こう申し上げておるところでございます。

 ただ、基本的には、企業庁に限らず、こういうことになったということについての危機管理、リスクマネジメントはどうだという点がありますから、それについては事故後直ちにRDFだけの話ではなくて、県庁内に、もう一度危機管理については徹底して見直しをやれということで、検討委員会を設けて対応もいたしておるところであります。いくつかの、これから学ばなければならない課題はあろうかと思いますから、その学び得るものについてやっていくということも、これは私を含めた県の責任であろうかなと。あるいは、企業庁も含めて責任であろうかなと、こう思っております。

○山本委員 それで、関連して、市町村の専権業務、このへんについてちょっとお伺いをしたいと思いますけどね。前の北川知事を出して悪いんですけども、やっぱり、北川知事は、1998年5月にRDF全国自治体会議の初代議長、これに就任されとるわけですわ。その北川知事が、知事を2期務めて、三重県で26市町村がごみ処理をRDFに依存をする判断をして、県が音頭をとってRDF発電所を稼動したわけですな、昨年の12月に。このことに関しても、前知事にも聞きたい面もあるんですけども、やっぱり、知事時代から前知事は自己決定とか自己責任、これをモットーにしてみえたんですけれども、なぜ、このごみ行政なんていうのは、市町村の専権業務であるという、こういうことでもありますから、何でこんなところに積極的に関与をなされたんかなと。自己責任の原則から言うたら、こんなことは市町村に任せておくべきだったんかなと、私、こういう思いがするんですわ。僕は、できたら前知事にも聞きたいなと思うんですけれども、今日、冒頭にそういう説明があったわけですけれども、現知事としてどうですか、このへんのところ。

○野呂知事 前知事の考え、私がコメントする立場にはありません、わかりません。

○山本委員 それじゃね、知事自身の、こういうものについての考え方どうですか。

○野呂知事 私自身は、三重県がこれまでごみ政策としてとってまいりました、いわゆる資源循環型の社会構築をしていこうと。その中で、ごみ政策についても、それを位置付けていこうという考え方の下で、当時、三重県だけではなくて全国的にも注目されたRDF、これが1つの有効な手段であると着目をしたことは、私は別段間違いではなかったと思います。現に、こういう事故が起こりましたけれども、そういう考え方からいたしますと、これは環境省等の先般の報告書等でも、やはりこれからの循環型社会を構築していく中での、1つのシステムの選択肢として有用であるということが、やはり認められておるところでございます。

 ただ、私自身が、この事故を通じて感じましたのは、どうしても日本のごみ行政、三重県もそうでありますが、出てきたごみをどう利用していくか、どう処理するかということに力点が置かれておりまして、そもそも論の、もっとごみを少なくしていこう、ごみを出さないように、なくしていこうというところは、精神は入っておったんでありますけれども、その実行については、十分でない部分がございます。

 したがいまして、これまでとってきた県の施策に、その部分の強調が欠けておったという点では、私としては、やはりこれからの長い将来に向かって、ごみゼロ社会を、ひとつ、打ち出していくという考え方、これが必要ではないかなと思ってます。

 それから、RDFについては、関係26市町村が、RDF化して、処理をしておるわけであります。そういう意味では、広域にそれぞれの組合もやっておりますし、それがいくつかあるということで、その処理については、したがって、県と市町村の専管であるとは言え、県と協調してやっていく、そういう意味では、県もひとつお手伝いしましょうということでやっていくというのは、これからの地方自治のいろんなあり方の1つとして、私はその選択もあってしかるべきであったんではないかなと、こういうふうに思っておるところでございます。

 そんなことを考えてまいりますと、今後の県のごみ政策としては、いろいろこういった事故を通して勉強し、反省し、いろんな観点に今後生かしていかなければなりませんけれども、究極的にごみゼロ社会を目指すのにも、やはり、20年ぐらいかかるというのが、どう考えても常識的なことでありますから、そういった長期を一方で睨みながら、しかし、現実、やはり今日のごみ状況にどう対応していくかということで、やはり、考えていくべきだろうと思ってます。その中で、既に県としては、26市町村というRDF化しておるその状況に対して、県も今回の事故の反省の上に立って、どのように対応していくかということを、これは県議会の皆さんとも併せて一緒になって考えていかなきゃいかん問題だろうと、こう思っております。

○山本委員 どうもありがとうございます。それで、26市町村が、RDFに昨年の12月から踏み切ったわけです。今回の大きな事故に発生をして、本音としてならば、市町村長あたりのRDFを担当しておる関連しておる首長としては、できればRDFをしなかったほうが良かったんかなと、こういう気持ちも一面にはあるんじゃないかと思うんですわ。それで、そういう中で、前知事はRDF全国自治体協議会議長ということで、就任して旗を振ってきたわけですけど。ですから、僕は、知事が、全然、ある面では、責任問題のいろいろ触れとる面があったわけですけども、今年の3月ぐらいまでは、現実的にこういうRDFの全国の自治体会議の議長という方というか、旗振っとったわけですから、そういう意味では、僕は、決して、知事が住み分けてそれをやっとるということはよくわかるんですけども、前知事の、いろいろ、今年の4月ぐらいまで見とると、若干、僕は責任があるんじゃないかと思いますけども、それは置いといて、できれば、こういうRDFの自治体の議長あたりっていうのは、実際にそういうRDFを担当しておる市町村あたりの長が就任するというのが妥当ではなかったかなと思とるんですけども、前に遡ってあれですけども、そのへんのところ、新知事、できれば所見があればお伺いします。

○野呂知事 そういった会があるということも、私、就任した後、かなりの間知りませんでしたし、私の所見はございません。

○山本委員 それから、もう1点、すいません。あと再開という面でちょっとだけ確認をしておきたいなと思うんですけども、前回のこのRDF貯蔵槽事故調査特別委員会で、その時に企業庁長さんは、再開をするときには企業庁へ施設を移してから再開をしたいという、こういう発言があったわけです。ですけども、この間の本会議の知事の発言では、ちょっとそれとはニュアンスが違いますもんで、そのへんのところ、ちょっと知事の考え方をお伺いします。

○野呂知事 移してから、ということについて、何を。どういうふうに。

○山本委員 再開ということで、話がありましたときに、施設を、今は現在は富士電機でやっとるということですけど。

○野呂知事 再開ということを考える場合には、何度も申し上げておりますが、安全性を確保し確認をしていくということが、まず前提でございます。その上で、地域の皆さんや、それから議会の皆さん方にもきちっとご説明を申し上げて、一定の理解を得ていくということが大事なことでございます。この施設そのものについては、現在まで、まだ引渡しが済んでいないということでありますが、当然、機械をまた動かしていくということになりましたら、そういった安全性だとか、そういうのを確認していく中で、この間ありましたようなトラブルとかそういったものについては、当然のことながらクリアされていかなければならないことでありますから、そういう状況に到った時点では、当然施設については引渡しをいただくということの判断、これをもたなければならないだろうと思います。

 したがって、今後の状況の中では、それは当然大事な事項として、一定の時期に行わなければならないことだと、こう考えております。

○田中委員長 残り30分程度となってまいりましたので、ご質問につきましては、簡潔にお願いしたいと思います。

○西場委員 じゃあ、簡潔にお伺いします。先ほど来からお話が既に出ておりますけれども、知事、設置者としての責任所管の問題ですけれども、その任命した企業庁長が大方を担うと、こういうことですけれども、最後に言われた、住民の福祉に重大な影響を与えるものというのは、これはまさに、このRDFの方針を決めたり、そして、こういった事故に対する対応というのは、このことに当たると思うんですが、知事、そのへんはどうですか。

○野呂知事 いろんな側面があろうかなと思いますけども、さっき冒頭の説明の中で申し上げましたけど、例えば、予算を調整することとか、議案を提出すること、これはまさに企業庁長にはない権限で、知事にその権限はあるということ。それから、管理ということに関しては、さっきお話の観点というのがあってですね、RDF事業そのものは、1つの県の政策としてやって判断をしてやるということでありますから、それはご指摘のとおりではないかなと。

 それが福祉の観点なのか、いわゆる、予算の調整執行ですね、そして、環境政策としてやることを業務委託として企業庁にやらせるということにしたということでありますから、そこの説明の仕方は、いろいろ説明の仕方、別の説明の仕方があるんじゃないかなと思いますけど。

○西場委員 電気、水道、工業用水といった従来型のものの日常業務は、当然企業庁長ですけれども、こういった新規分野とか、あるいは、その突発的な問題に対する対応というのは、当然設置者に対する責任と言いますか、所管が大きくあると、私は思っておるところであります。

 それから、負担金問題でありますが、その市町村を軽減していくということで話をいただいておりますが、その軽減という言葉が、軽くすると、こういう意味になっとるもんですから、そこのところを改めて念を押すというか、はっきり聞かせてもらいたいんですが。市町村の負担は、市町村に負担をさせないと、こういうことで、あと県なり、その他関係者と調整すると、こういう理解でいいんですね。

○野呂知事 まず、負担軽減という言葉の使い方としては、市町村は、一般ごみ処理について、まず市町村が責任を持って処理するということから、ごみ処理にはそれぞれ市町村で費用を相当かけておるという状況です。その中で、この県が所管しております発電所で、こういった事故が起こって、臨時的にどうやるかという処理が余分にかかってきたということでありますから、こんなことは大変なことだということで、それをしっかり軽減して欲しいと、こういうことであろうかと思います。その中味につきましては、今、市町村からどれだけ余分にかかっておるかということを、額についていただいておりますけれども、それについては、中味は精査をさせていただくという必要があろうかなと思います。

 それから、一般的にいろいろ言われておる中では、発熱発火と、RDFの形状だとか、いわゆる製造しとったところとの因果関係ということも言われておりますが、中間報告とか、それから最終報告等でも、直接的な因果関係の結びつきっていうのは、かなり距離があるのかなという感じでございますから、そういう意味では、製造しておったところの、製造したものが悪かったからというようなところの話は、なかなか決めにくいところがあるのかなと、こう思ってます。いずれにしましても、その市町村でかかるやつについては、切実に市町村でも困っておられるということでありますので、精査をした額について、これは、本当にそれはそのことが余分でかかってきたんだと認められる額については、これは県のほうで責任を持って出していきましょう、ただし、県のほうとしては、その負担の半分は、当面富士電機にお願いをしていくということで、やらせていただこうと思って対応しておるところです。

○西場委員 慎重な言い方でしたが、かなりはっきりと言っていただいたと思います。先ほど知事のおっしゃられましたとおり、いろいろ性状の問題とか形状の問題とかいうこともありましたけれども、直接の爆発の、直接的な要因というものがそこにないという判断に立てば、これは市町村にその負担を求めるべきではないと思いますので、ぜひ、そういう形の中で、後は細かいその数字の精査については、よろしくお願いをいたしたいと思います。

 このRDFが今日まで来るのに、知事は春以降のお立場でありますけれども、田川亮三知事時代からの、ずっと一連の流れがあるわけであります。その中で、全国的にも非常に急激なRDFに対する取り組みが、県の主導の下に市町村を強力にリーダーシップ発揮して今日まで進めてきた。こういうことで、われわれ議会も、どちらかと言えば、その強さに引っ張られていったという経緯もあるわけでありますが、知事は、このへんの認識はしっかりお持ちいただいとるんでしょうか。

○野呂知事 ご指摘ありましたRDF、田川知事の当時から、企業庁あるいは、あの時は環境部、一番最初は企業庁がずいぶん着目されて、いろいろ動きされておったかなと、私もちょっと淡い記憶を思い出しながらやっとるんですが、あったかと思います。そういう、まず源流がそういうところにあったわけでありますが、その後、北川政権、北川知事の8年間の中で、循環型の社会構築という中で、非常にこれが注目されて、そういった位置付けでやられてきたということであり、私もそういった経過をもって、昨年、操業開始しておるということは、それはよく認識をいたしておるところであります。

 ただ、今回、こういう事故になるとは、これは多分関係した者、ほとんどすべてが、そんなことは思ってもみなかったことであったのかなと思いますが、今にして考えると、その認識の甘さということは、これは一般的に言われて当然のことであろうかなと、こういうふうに思います。ただ、だからと言いまして、いわゆる石油タンクだとか、世の中にはかなり危険物と言われるいろんな施設があるわけでございます。飛行機と自動車が、どっちが危険やとか、比べ方いろいろ難しいものがあろうかと思います。ただ、RDFについては、そのことを十分承知しながらやっていけば、このRDFが危険なものである、ああいった事故を起こすということは、まったく防げたのではないかなとこう思いますと、そういう点では、極めて私も残念に思っております。

○西場委員 当時、知事の立場でないから、やむを得ないとしても、と言いますか当然だと思うんですが、今淡い記憶というお話をいただきましたけれども、やっぱりそういうことであろうと思います。しかし、現状なり、今後考える折には、それでは済まされない、全国的にも注目される三重県の当時の取組なり動きがあって、そして今日を迎えておるわけでありますので、やっぱり、現在の責任ある立場として、そのことの認識を深めていただきたいなとこう思いますのでありますが、そういう意味において、ごみゼロ社会というものを長期的に目指すと、こういうことですが、これは前の、機会あるときに環境部長には聞かせてもらっとるんですが、このごみゼロ社会という言葉は、その年限が長期にあるにしろ、RDFというものの見直し、根本的な見直しをやるという気持ちを持っておられると理解してよろしいですね。

○野呂知事 ごみゼロ政策の究極の姿からいけば、ごみについては焼却とか、そういった、いわゆるごみをごみとして始末するということがなくなる社会であるということであります。ごみは、まず、いわゆる燃えるごみ、燃えないごみというような分け方ではなくて、再利用できる、資源化できるもの、資源化できないものというふうな分け方にしまして、資源化できるものについては、徹底してその資源化を進めていくわけです。資源化できないものということについては、これは企業や国全体のいろんな取組がしていかなきゃなりませんけれども、そういう資源化できないような製品は、もう作らないようにしていこうではないかと。製造段階から、資源化できるものに変えていくというような、そういう発想でございます。したがいまして、究極からいけば、ごみ焼却場といった類のものがなくなるという社会が、目標として描かれるということでございます。

 しかし、そのためには、よほどこれは行政も、まず直接所管しておる市町村が、そして市町村も、これはそれぞれの住民の理解、協力があってできることでありますから、これはやろうと思ってもなかなか大変なことでございます。しかし、そういう形で対応していくということだろうと思います。

 既に、アメリカにおいては、焼却場の新規は、近年もう一切造られていないというようなことであります。そういう意味からいけば、ごみゼロ社会というのは、今の状況とは相当違ってくるだろうと。しかし、それは20年とか、そういった相当長期にわたった先の姿であろうかなと思ってます。

○西場委員 RDFに対して、直接的なお話がいただけないのは残念なんですが、知事の考え方でいけば、やっぱりごみを出さないという方針は、このRDFにはそぐわないと思うんです。やはり、生ごみ、プラスチックをエネルギーに換えるというこの手法は、ある意味では、生ごみ、プラスチックの大量廃棄を助長するようなシステムという考え方も出てきてもやむを得ない。そういうことになってくると、本来の、真なるごみゼロ社会を目指すという考え方と、RDFがきちっとマッチしていくかと言うと、私はそうはいかんだろうと。だから、今日すぐ、このシステム止めようとか、そういう非現実的な議論はなかなかできませんけれども、やはり、それはきちっとして、知事の基本的な政治理念なり方針として構えるんであれば、その方針をきちっとやって、あと、その20年という年月がいかがなものかという議論をもっと詰めていく必要があるなと思いますが。

○野呂知 確かに、ごみゼロ社会につきましては、まだ先般、基本方向というような基本方針を叩き台として出させていただきましたが、これから、議会におかれてもぜひご議論を深めさせていただいたらと思いますし、県民、市町村、やっぱり皆さんと議論しながら、どういうごみゼロ社会へのいろんな方策を考えていくのかということを議論させていただいたらと、こういうふうに思います。

 ただ、一方で、資源としてごみを活用するという中で、環境省も認めておりますように、循環型社会を構築していく中で、ごみをごみとして扱うのではなくて、ごみをやはり熱資源として再利用するということは、循環型社会のシステムの1つとして有用なものであるということは、今回の事故に関わらず環境省も認めておるところでありますから、私はRDFについては、長い先どうのこうのということではありませんけれども、今は1つの有用なシステムであるということに変わりはないと考えております。

○西場委員 終ります。

○岩名委員 私は、今後の再開に向けた話の中で、今のごみ発電というシステムが、知事は今システムとしては間違っていないということを言われているんだけども、私自身は、ベターかもしれないけどベストではないと、この方式は。こう思ってますし、若干、知事のごみに対する認識と私は違うのは、やはり全国的に見ても、各市町村で、今やはり分別ということが一番頭にあって、そしてごみを片付けていると、こういう実態がありますことと、例えば、プラスチックの力を借りなければ、あれは燃料にならない固形燃料でありますよね。その中で、既にプラスチックは三重県内においても、廃プラが砂に変わったり、あるいはもう一度再生されたり、そして、いわゆる循環していると、こういう実態があります。これは、ある企業が、シャープなんかの廃プラをお金を出してもらって、引き取って、そしてそれを砂に変える。そういうふうなことが、現実にもう始まっているのに、私は、一方でそれを切り込んで、生ごみと一緒にして燃やすなんてことは、今の環境政策上から言って、あまり望ましいことではないというふうに、私は思います。

 さて、このシステムとして今やってるんですけども、今申し上げたようなことと、先ほどもお話がありましたが、市町村の専権事務を、地方分権という今の時代の流れの中で、できるだけ下部組織ができることは、権限を移譲していこうという時代の中にあって、その懐に手をつっこんでいくのはいかがなものかと、私は思ってます。県には、もっとやっていただかなきゃならない県民のための広い視野に立った仕事がたくさんあるし、企業庁もそれなりの仕事があるのではないかと、こういうふうに思います。

 また、このシステムの一番の問題点は、やはり、三重県は細長い県であって、200キロもある南牟婁郡から一番北の端までRDFを運んでくるというところに無理があるんですよ。本来、この計画は、南にもそういう発電施設を設けるということであったのではないかと思うんですね。そうすれば、これはまだもう少し形も変わってきたと思うんですけれども、予算の都合等々でこういう形になって、やはり、かなりな無理の中で、例えば、200キロRDFを積んで、北の端まで運んでいく間に、その性状はどのように変わっていくのかも、はっきり言ってわからないわけでしょ、これ。みんな闇の中で、こういうことを今進めているわけで、私は、ぜひとも、知事にそういう点考えてもらいたいと。

 それから、もうこのことは前にも言ったけども、知事が設置者で企業庁長が管理者で、そして運営は民間会社で、こういうふうな、そしてまた、県の環境部もこれに関わってくる。どこが一体責任が、先ほど来出ている責任体制が不明確なんですよ。それは、例えば、藤森君が、今度、なんかエライサンになって向こうへ行ってもらうんだけど、でも、彼もこんなん初めてやるんだしね、本当に自分のものにするためには、3年や4年かかると思うんですね。その次の人はどうするのと。こんなことを県がずっと引きずっていくことに、大いに私は疑問を感じるんです。ですから、やはり、民間にこういうことはやってもらうとか、あるいはまた、広域市町村のRDFの協議会にお任せと言うか、お願いをして、こういう仕事はやっていただくというような視点も、今後ひとつ、僕は考えていってもらわないと、県に、県がやるべき仕事でないということを、私はあえて申し上げておきたい。

 それに対して、何か、知事ご意見あったら。

○野呂知事 まず、RDFそのものは、ベストな方法でないと。確かにご指摘ありましたように、RDF化施設ができたために、それまでかなり分別しておった町においても、その分別が行われなくなって、非常にごみを出しやすくなったという表現も使われますけれども、一方では、ごみに対して認識が後退して、分別だとかそういうのが行われていないというようなことが起こったりいたしております。そういう意味では、やはり、各市町村において、今後、ともにごみゼロ社会へ向けてやっていこうということになりましたら、徹底したそういった対応というようなことは進めていただかなければならないだろうと思います。そういう中で、RDFについても、もっと安定的なそういった状況というのが生まれていくのではないかなと思っておるところであります。こういったものを、市町村の専権事項であるから、なぜ県がということはあります。それから、今のような運営について、設置者と管理委託をして、それがまた会社に契約して任せて、というようなやり方についてどうだということでありますが、既にそうやって行われてきたことでありますので、そういう形のものを引き継いだ私といたしましては、今後、こういう事故に到りましたから、やはり県が責任もって、この後はしっかりどうするかということで対応しなきゃなりませんけれども、長期的に考えていきますと、そこらの役割分担なり、適切な考え方があれば、それは将来においては柔軟に考えていける部分があるのかなと思います。しかし、かかるこういう状況の中でありますから、今は、やはり辛くても、こういった事故が起こった施設を管理しておった県として、きちっと処理をしていくということでなければならないのではないかなと、こういうふうに思っております。

 それから、RDFはいろんな利点が言われておりますけれども、実は、チップ化することによりまして、非常に運搬がしやすいということがその利点として言われてきたところであります。そういう意味で、チップの性状とかそういうことについては、数時間、あるいは1日という運搬の中で、その状況が急に変わってくるというような激しい変化をもたらすものではありませんので、運搬についての認識の仕方っていうのは、またいろいろあるのかなというふうに思っております。

 一応、先ほどからご指摘ありましたことについて。

○岩名委員 いろいろ、私と意見の違いがあるのはやむを得ないと思いますが、とにかく、最後に、私がNEDOとか経済産業省が、これを本当に大宣伝をして、そして全国に広めようとした。しかし、その後、三重県の事故以後、もうこれを全国に推奨することはしないんだというようなことを言ってる無責任な姿勢に対して、大きな不満を持つものですよ。そんなことに、国の方針に、地方が振り回されて、環境政策を誤るようなことがあっては、断じてならないというふうに思いますし、そういう不満を申し上げて、私の質問を終わります。

○永田委員 お時間もございませんので、2点ほど。それじゃ、私から。責任問題ということになりますと、司法の手にも委ねてあるんで、どうにも、今ここで議論することできないと思うんですね。ただ、今知事もいみじく申されましたけど、これもプロポーザルなんです。これが大きな事業を請け負うんですから、かなりそれだけのプロポーザルについては、それの決断、その自覚があったと思うし、なきゃならんですね。そういうことから考えますと、11月19日ですか、社長がおみえになったと。ここらへんの社長の、意思表示って言うんですか、知事会われたんでしょ。どういう、雰囲気でいいですから、教えていただければ。

○野呂知事 社長からは、冒頭、会社としての責任ある立場から、事故については、県に対してもお詫びの言葉がございました。それから、私のほうからは、プロポーザルで送られたという立場からいけば、RDFの専門家ではないんだというような発言は、私もたまげた発言で、そういうことでは困るというようなことを申し上げたところであります。いずれにしても、かかる事故が起こって、やはり、まずその状況を元に戻していく、安全性をどうやって確保できるんだとか、それから、県民の信頼をどう回復できるんだという意味からいけば、しっかり県民の皆さんに顔を向けながらやっていかなきゃいかんではないかということを、私からも申し上げ、会社のほうも、そういう意味での理解はされて帰ったと思っております。

○永田委員 私も、その件については非常に多とした、今の聞いてて思ったんですけどね、とりわけ、9月29日ですか、参考人招致の富士電機さんの時の雰囲気は、どうもそんな雰囲気じゃなかったですね。非常に、私、残念に思ったんですね。いずれにいたしましても、いくらそういう技術的、いろいろノウハウ等の問題の認識不足だと言っても、起きてしまったことは事実なんですから、もう少しいろんな発言等は首をかしげることが多かったんで、あえて僕は申し上げたいわけですが。やっぱり、そういうこと自体が、こういう取組についていろんな問題を醸し出す、私は1つの大きな誘因だったかなというふうに、実は思えてなりません。

 しかるに、今後、副知事ですか、富士電機さんとの交渉に当たっていらっしゃるのは、これからは。企業庁ね。それで、とにかく、どこか発言ありましたけども、法廷闘争になって、2年も3年もと、とんでもない話だと思いますよ。県民にとって、どう説明するんですか、こんなこと。これは、絶対そういう法廷闘争に持ち込む問題じゃないと思ってます。もう少し真摯に原点からものを見つめていただいて、そして、お互いの、自分の責任を認めるべきは認め、そして、早く解決すべき問題だと、こういう思いをいたしておりますので、これはひとつ、当事者についても、そこらへんは十分に考えながら、交渉にあたっていただきたい。ぜひひとつ、これは、お願いをいたしておきます。

○野呂知事 今、ご指摘のところ、そういったことも十分考えて、懸命に対処してまいりたいと思います。

○永田委員 時間もありませんので。もうひとつ。再開に向けての問題なんですが、これからの手順についてちょっと伺っておきたいんですが。

○野呂知事 これについては、何度も申し上げておりますが、まずは、安全性を確保し、確認をしていくということが大事でございます。既に、専門委員会の最終報告もございます。それから、今後、国の機関等における調査、検討の結果も出てまいります。私も、RDFの性状等、管理等についての基準規格、必要なものは、そういったものがあるならば早く出していただきたいということも、国に対して要望もいたしておるところでございます。そういったことを、しっかり睨みながら、安全性の確認、確保確認は、やってまいらなければならないことでございます。その上で、それらにつきまして、議会の皆様や地域の皆様にご説明を申し上げて、一定の理解を得ていくということでなければ、再開ということはなかなかできるものではないと、こういうふうに考えております。

○永田委員 施設名は、確か中部電力さんの技術部門とか、あるいは、この間いただきましたシーテックさんの検討結果をいただいておりますから、かなり安全性が認められてきております。問題は、地域住民とのコンセンサス、どうしていくかということが中心になってこようと思っておりますが、これもひとつ、何々が出てからじゃなくて、常時、地域住民とのコンタクトはもって、こういう方向が出れば、出たように対応していくのが、これが本当に説明責任です。これひとつ、特にお願いをしておきたい、こういうふうに思いまして、それから、なることなら、大体の再開の目途ぐらいはどうですか。

○野呂知事 再開の目途につきましては、先ほど考えましたような手順を経て、その上で再開するかどうかということについての決断をいたしていくということでございますので、時期を今特定して申し上げたり、というような状況ではございませんので、お許しをいただきたいと思います。

○鈴木企業庁長 今、住民の皆さんとのいろんなお話し合いということで、お話をいただきましたが、先日の特別委員会でも同じようなご指摘をいただき、少しお答えをさせていただきましたけれども。地域の自治会の会長さんなりのところへは、さまざまな際、県のいろいろな調査結果の報告なり、あるいは、中電グループで検査をしていただいた内容なりというのをお届けさせていただいたり。あるいは、今回、現地の事務所を作って所長を配置いたしましたので、お伺いをしたりというふうなことをさせていただいておりますが、当然、住民の皆さんのご理解をいただくという意味で、さらに十分なご説明なり、お話し合いをさせていただけるようにしてまいりたいというふうに思っております。

○永田委員 時間ないので、もう失礼します。

○田中委員長 あらかじめ、申し合わせさせていただきました時間が、経過をいたしました。他に、特にご質疑ございませんでしょうか。水谷委員。

○水谷委員 知事は、RDFの発電所を視察見学されたのは、8月11日が初めてだとお聞きをしておりますけども、スタートしてから3月までにいろいろな小事故や、あるいは故障などがたくさんありましたが、ことは当然のことながらご存知だと思うんですけれども、そういった点があったにも関らず、非常にこれは問題のある施設だというふうに、私は感じていたわけですけれども、8月11日まで実際忙しくて行けなかった、とこういうことだと思うんですけども、そういった点につきましては、十分に引継ができていなかったのかなというふうな気もいたしますし、あるいは、認識の甘さというところがあったのかなという気がいたしておりますけれども。

 それはさておきまして、1つだけお聞きしたいんですけれども、前北川知事から、この事故後、当然あったと思うんですが、何らかのコメントというか、慰めの言葉というか、そういうのがありましたでしょうか。

○野呂知事 私自身が引き継いだのは、県の行政の中で、企業庁に電気や水道、そしてこのRDFも、実はこういう仕事をやっておるよということを含めた全体を引き継いだわけでありまして、そういう意味では、発熱だとかそんなのも、私もどういうメカニズムで、それがまたどうなっていく、なんていうのは、とても認識持てるようなことでなかったので、トラブルといったことについては、困ったことだなと、企業庁しっかり、富士電機とそういったことを解決してくれるということを期待しておったということでございます。本当に、それが爆発ということに結びついて、私も驚きましたし、そういう意味では、大変なことになったその重い責任を今感じながら、対応しておるということでございます。

 北川前知事からでありますが、私も北川知事とは、就任後話したことはございませんので、今回のことについても一切私自身話を伺っておりません。

○日沖委員 もう、時間せかされてますんで、できるだけ手短に。ひとつ、知事、副知事、おみえの機会に、ご検討いただきたいという要望なんですが、これまでの特別委員会は、企業庁さん、環境部さん、対のことでございましたんで。ここで、ご遺族の方、ならびに怪我をされた方々に対するこれからの対応なんですが、現在も折に触れて事故原因調査の報告なり、またいろんなお話を賜りにということなりで、折に触れて企業庁さんに出向いていただいておるようでございますけれども、事故後、近隣の方々の健康だとか、そういうことの気遣いから、お医者さんが出向いて健康相談を受けたり、そういうことが近隣の方々にはされておられたわけですけれども、ご遺族の方、ならびに事故に遭われて怪我をされた方々、そういうところのケアとなりますと、精神的なものがあったり、また、やり場のない怒りだとか、やり場のない不満だとか、とにかく話もしたいとか、いろんなものが、われわれには想像の絶する状況で、お亡くなりになられたり怪我をされた方々でございますから、あると思うんですね。そのへんを、もちろん、企業庁さんには折に触れて出向いていただかんならんですけれども、一度、大分経ってはおりますけれども、第三者的な立場で、ワンクッション置いてお話を聞いてあげたり、また、いろんな思いを伝えていただいたりというような形、いっぺん作れないものかなというふうで、一度考えてみていただけたらなというふうに。やはり、対企業庁さんということになりますと、正直なところ、被害者の方々は、やりきれない思いを、とにかくぶつける相手としてしか見ませんから。言い方下手ですけれども、やはり、憤りが前面に出てしまいますのでね、企業庁さんに対しては申しわけないですけども。ですから、ちょっと、周辺住民の方に健康相談のところを作ったみたいな、ああいうようなものですけども、第三者的な立場で訪問できるような、向こうもそういう対応ができるような、話ができるような状態というのを、いっぺんちょっと考えてみたっていただけんかなと、これだけちょっとお願いをしたいんですが。

○吉田副知事 県の本部で、健康福祉部のほうで対応させていただきたいというふうに思います。

○日沖委員 よろしくお願いします。

○田中委員長 それでは、以上をもちまして本日の調査を終了いたします。知事、副知事はじめ当局の皆様方には、長時間まことにありがとうございました。

2 その他

・委員協議

〔閉会の宣告〕

以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。

   平成15年12月3日

                       RDF貯蔵槽事故調査特別委員長  田中 覚

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