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生活振興常任委員会会議録
開催年月日 平成14年 8月30日(金) 9:30 ~ 11:30
開催場所 第501委員会室
出席委員 8名
委員長 | 福田 慶一 君 |
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副委員長 | 大野 秀郎 君 |
委員 | 田中 俊行 君 |
委員 | 中村 敏 君 |
委員 | 伊藤 夛喜夫 君 |
委員 | 藤田 正美 君 |
委員 | 伊藤 作一 君 |
委員 | 永田 正巳 君 |
欠席委員 1名
委 員 山本 教和 君
出席説明員
〔地域振興部〕
地域振興部長 井ノ口 輔胖 君
情報化推進分野
総括マネージャー 辻村 正彰 君
県土交通分野
総括マネージャー 西口 和夫 君
消防防災分野
総括マネージャー 東地 隆司 君
地域経営企画分野
総括マネージャー 福谷 雅守 君
その他関係職員
特記事項
傍聴議員 1 名
貝増 吉郎 君
県政記者クラブ加入記者 7 名
傍聴者 2 名
議題又は協議事項
第1 地域振興部関係
1 三重県GISの整備について
2 防災訓練と地震対策について
3 近鉄北勢線問題について
第2 連絡事項
1 県内調査について
2 県外調査について
〔会議の経過と結果〕
〔開会の宣告〕
〔テレビ取材の許可〕
〔地域振興部関係〕
1 三重県GISの整備について
2 防災訓練と地震対策について
3 近鉄北勢線問題について
(1)当局説明
〔井ノ口地域振興部長、辻村情報化推進分野総括マネージャー〕
(2)質疑・応答
○福田委員長 執行部の説明が終わりましたので、御質問等が委員の皆さん方からあればお願いをいたします。
○永田委員 順番どおりでいいですか、順番は。
○福田委員長 いや、3つどれでも。
○永田委員 どれでもいいですか。
○福田委員長 ええ。
○永田委員 そしたら北勢線廃止問題。
譲渡金額の5億円が3.6億円になった、この理由は何ですか。えらい下がったじゃないですか。
○井ノ口地域振興部長 資産譲渡金額でございますけども、資産譲渡金額につきましては近鉄と交渉をいたしました結果がこういうことなんでございます。
もう少しお話をいたしますと、近鉄の方から最初話がございましたのは、近鉄の帳簿価格が18億円ですということでございました。それで、考え方といたしまして、あの土地を更地にして譲渡するということになりますと線路を取り除くとかいろんな経費がかかるわけですが、そういうものが大体8億円ぐらいかかると。それで、18億円から、更地に戻すということでそういう工事をしたとすると8億円かかるんで、その8億円を除いて10億円と。それを折半でどうかというような話がございました。したがって、それが5億円ということになるわけです。
私どもといたしましては、そういう話がございましたときに、今まで近鉄があそこで営業していただいて沿線市町の方に大変お世話になってきたということをもう少し考慮いただいて金額を下げていただきたいというような交渉をさせていただいた結果が3億6,000万円ということでございます。
○永田委員 非常に結構なことだと思うんですが、余り企業の方に負担を強いていくのも何だかと私は思っておったんで、それをあえて聞いたんです。今のような説明を聞いてみますと、それはそれで納得できたわけです。
それと、これからとにかく近代化設備とか、あるいは駅の今幾つあるんですか。
(「17や」の声あり。)
○永田委員 17でしたね。これを集約するという話なんですが、そこへ私はかなり金がかかってくるように思ってならないんです。
それとJRとの接続、この投資の金額というのをはじいたことはあるんですか。
○井ノ口地域振興部長 私どもが調整をさせていただく中で、55億円の市町の負担について三岐鉄道さんと話をさせていただいた。それで、先ほど申し上げましたように55億円というのは赤字補てん分と、それから施設、設備の整備ということになっておるわけです。
それで、私どももできるだけ赤字補てん分を少なくして、北勢線の利便性といいますか使い勝手がいいように施設、設備の整備をしていただきたいという話を沿線市町とともにいたしまして、それで三岐鉄道さんの方でもできるだけそういうふうにしていきたいということで、委員おっしゃるようなJRとの直接のつながりとか、あるいは駅が17ございますけれども、それのスピードアップとかそうしたことについては検討していきたいというふうにおっしゃっていただいております。
まだ具体的にどれだけの金額でどうとかというようなことは私ども聞いておりませんが、今後の話だというふうに思っております。
○永田委員 基本的な問題は、10年後の運営がやっぱり確立されてこないと、この問題はまた何だかんだ、行政がどうのこうのということにもなりかねませんし、非常に大きな私は禍根を残してしまうと思うんです。だから今、10年後の体制をどうしていくんだというこれの詰めがもっと必要ではないかと思いますね。これはこれから詰めていくんだろうと思うんですけど、来年4月1日に際してはちょっと時間がないように思うんですが、例えばJRの接続の問題、それから橋梁、これがかなり老朽化したりして、何か非常にすぐにでも直さんならんというお話も実は聞いておりますし、そういうことを考えますとかなり私は投資が必要になってくるように思えてならないんです。
そこら辺きちっとひとつ試算等もやるべきだと思うし、そして私は、基本的には鉄道による輸送をこれから大いに進めるべきだという考え方を持っています。確かに環境問題にしろ、あるいは大量輸送の問題、定時性の問題、言葉はいろいろ考えられます。これは鉄道をぜひ存続すべきという私どもは考え方なんです。そういう考え方をすれば、10年先どうするか、ここら辺にもう少し大いに議論を割くべきだと思うし、そういう観点から考えますと県が手厚い助成をやるべきだというのが私の基本的な考え方なんで、そこら辺がちょっとまだ今聞くと詰めが甘いように思ってなりません。
したがって、この件については私は非常によかったなという思いでいっぱいなんですが、ただ、そういうことが残されておるなという懸念がしてなりませんので、さらに一層詰めをしていただくことを要望しておきたいなと、こういうふうに思ってます。
○井ノ口地域振興部長 委員おっしゃる10年以降といいますか、要するに10年間だけ運行ということではないということにつきましては、私ども最初に6月7日に要望を受けまして、それで北勢線存続について検討するに当たって沿線市町村の方、それから三岐鉄道さんとも十分話をさせていただきましたが、まず私どもが協力、支援をさせていただく前提は、55億円なり沿線市町村が支援をすることによって運行するのではなくて、支援をすることによって収支を均衡して、その後はその後はというのは、つまり10年たった後は三岐鉄道さんのいわば責任で収支を均衡させて運行していっていただくということを前提としてこの話をさせていただきますということを話をさせていただいて、そして三岐鉄道さんも、それから沿線市町村さんも、そういうことを前提としてこの話を組み立てようということで話をさせていただいております。
そういうことでございますので、今後またその点は委員おっしゃるようにもっと具体的に詰めまして、11年以降も収支均衡して三岐鉄道さんが責任を持って運行していただけるようなことがわかるように、住民の方々に説明ができるようにしていきたい、そんなふうに考えております。
○永田委員 今後の話でちょいちょい出てくるのがシャープ問題ですわ。シャープだって90億円ではないかと、こういうような実は話をちょいちょい聞いておるんです。それは別にそのときであって、やっぱりこれは、将来の交通体系からすれば私は非常にいい方向に向かったなというふうに思っておりますので、そういうことを踏まえてもう少し県の支援する方向、これをきちっと決めてやってほしいなと、こういうふうに思って、もうこれで終わります。
○中村委員 僕も北勢線と同じことなんですけれど、1つ部長に聞きたいのは、施設はいいんですけど車両なんかももう相当限界に来てるはずなんですよ。例えば10年間そのままなんていうのは到底車両も動かないはずなんですね。そのときに、例えば三岐鉄道は西武鉄道から全部古の車両をもらってきているから、あれは使えるんですけれど、このナローというか762ミリの小さい車両なんていうのは全国どこも走ってないんです。近鉄の内部線と北勢線ぐらいで、ともにもう老朽化してて、代替に相当金も今度はかかるはずなんですね。既にあれも全部古を改造してるやつですから。ですから、例えば10年間に、今設備だとか何とか言っても、本当に車両なんかもきちっとそういう手当てというのを見越してるのか非常に疑問なんですけどね。
だから、10年間だけやっていくぐらいならいいですけど、それ以上続けるとなると今の車両では到底限界があるはずですから、その辺のところの設備投資だとか何かも踏まえているのかどうか教えてください。
それと、今のいろんな計画、どんな今後のリニューアルの計画とか何をどうするというのはもう具体的に出てきてるんでしょうか。
○井ノ口地域振興部長 おっしゃるような話も聞いておりまして、三岐鉄道さんとしては来年4月の運行までの間に、どうした設備内容を更新なりあるいは整備することによって11年後に収支均衡を保てるのかということを出していきたいというふうにおっしゃっていただいてますので、その点については今後詰めていきたいというふうに思っております。
ですから、具体的な計画についてはまだ私どもの方に出てきておりませんし、沿線市町の方でもまだ聞いていないというふうに聞いております。ですから今後の話だというふうに思っております。
○伊藤(夛)委員 関連ですけど、一部の新聞には赤字の先送りだという懸念もありまして、10年間でどういう経営がなされるかということなんですが、ポイントは乗車率をどうやって上げるかということですね。
1市8町の中では、恐らく人口は減少方向だと思うんです。全体もそうですけどね。その中でどうやって乗車率を上げるのかというのは、ポイントはやっぱり地域振興です。地域振興と言葉で言っても、なかなか具体的に成果を上げることは非常に難しいと思うんです。だから、悪く懸念すれば、10年後に三岐鉄道がお手上げになってしまったときにそういうことも考えられると思うんです。そうであってはいかんから、今後の対応でこういうふうに大きく3つ挙げておるわけです。
やっぱり乗車率という議論はこれからしていくと思うんです。恐らく経営内容の変換も地域振興策、乗車率の向上というのは常に議論で出ておると思うんです。この辺が一番ポイントであって、しかしなかなか議論が進まないという難儀なお荷物だと思うんです。
地域振興策の中で助言というふうに書いてありますけども、今基本的に1.8億円出す、それは最小限であって、やっぱり存続しようと思うと地域振興をやらないかんから、助言というような形ではとても追いつかんというふうに思うんです。これは当然予算措置なりいろんな課題をまた三重県は背負ってしまったという、存続するのは非常にいいことなんですが、三重県としてはこれだけ払うということですので、後々財政負担がさらに発生してくるだろうという前提の中で、思い切って三岐鉄道の運行計画にかけないと税金のむだ遣いということになきにしもあらず。したがって地域振興策、これを具体的にこれからどうやって県が議論していこうというのか。恐らく指導的な立場でやっていかないかんと思うんですけど、それについてちょっと教えてください。
○井ノ口地域振興部長 これにつきましては、県と市あるいは町との関係で、まちづくりについていろんな制度がございます。そんな中で、ややもすると従前は道路を中心としたまちづくりという面もあったかというふうに思うんですが、やはり北勢線を存続するというからには北勢線というものを1つのまちづくりの中心に据えて、そしてまちづくりを市町で考えていただく。北勢線があるということを前提にまちづくりを考えていくと。そういうことに対して県としていろいろ助言をしていきたいというふうに思ってます。
だからといって道路を全く整備しないということではもちろんないんですけれども、北勢線が地域の1つのメーンの公共交通機関という位置づけで、それを前提にまちづくりを市町で考えていただく。それに対して県として助言をさせていただく、そんなふうに考えております。
○伊藤(夛)委員 具体的にはちょっと出てこないと思うんですけど、今まで1市8町も含めて各市町で地域振興をやっておるわけです。新しくこういう形になったから大ヒットする地域振興策というのは、私はなかなか出てこないと思うんだけどね、今の状況で。財政も非常に厳しいですから。だから、言葉で言うのはたやすいですけど、具体的にその方向を示そうと思うと極めて難しいと思うね。
もう一つは、鉄道に頼るという時代はそうやって肯定をしながら、一方では車社会ですから道路整備は避けて通れないと。そうすると、道路整備の要望なり施策がどんどんまた出てきます。だから、1市8町の北勢線の地域だけ道路整備をやらんというわけにはいかんわけですから、その辺が非常に現実と、いわゆる鉄道の乗車率を上げる基本的な施策と整合性がつかんような気がしてしようがないんです。その辺もうちょっと何か考えがあったら教えてください。
○井ノ口地域振興部長 これはまだ今後のことでございますので、確たることは申し上げられませんけども、三岐鉄道の社長さんあたりとお話をしておると、現在北勢線については学生さんとか高齢者の方がどちらかというと中心に利用していただいておるという現実の姿がございます。今後の北勢線の1つの戦略として、通勤される方、そういう人をある程度ターゲットに、使い勝手のいいそういう駅舎なりあるいは鉄道ということにできたらしていきたいと。そういたしますと、先ほど申し上げた交通渋滞の話とか環境の問題とかそういうことにも寄与できますし、鉄道として活用されるということでございますので、例えば駅なんかでも17ございますけれども、中には周辺に駐車場をほとんど整備する余地がないとかそういう駅もたくさんございますので、そういうところは少し駅を変えて、パークアンドライドといいますか、車を利用しながら鉄道も利用できる、そういうふうな形でいわゆる鉄道を中心とした地域振興というかまちづくりというか、そういうことを意識していっていただくのがいいというふうに思っております。
そういうことを今少し議論させていただいてますが、今後そういうことを議論しながら、できるだけ鉄道を中心としたまちづくりということにしていきたいというふうに思ってます。
○伊藤(夛)委員 そうしますと、地域振興策は1市8町で懸命に頑張ると。もちろん三岐鉄道もそうですけれども、やっぱり今後県としては、場合によっては予算支援も発生すると、そういうふうに理解していいのかな。どうなんですか。
○井ノ口地域振興部長 今のところ、まだ具体的なものも出ておりませんので確たることは申し上げられませんけども、県といたしましては、第一義的には市町でまちづくりについて取り組んでいただきたいというふうに思っております。そんな中で、既存の制度等で県が支援していくべきものについては支援をしていくということになろうかと思いますけど、北勢線を存続するということで今特別にこの地域に県がまちづくりのために支援ということは考えておりません。
○中村委員 さっき聞き忘れました。
もう一つ、三岐鉄道という会社、別会社になるわけですね、運営会社が。
(「はい」の声あり。)
○中村委員 運賃体系はどうなるんですか。今までは近鉄1社であるから西桑名と桑名は同一で乗り継ぎしてたと思うんですけれども、三岐鉄道という別会社になると近鉄と別ですから、運賃が根本的に変わって実質値上げなんていうのが起こってくると、人が今でさえ乗らないのに値上げになって乗るのかどうか。運賃は従来のままなのかどうか、その辺はもう決まっているのか、あるいはこれからの検討余地なのか聞かせてください。
○井ノ口地域振興部長 運賃については、これからの検討でございます。まだ決まっておりません。
○中村委員 値上げされるケースも出てくるわけですね。
○井ノ口地域振興部長 具体的にまだ何も聞いておりません。場合によってはそういうこともあるかと思いますけども、何も具体的にはまだ話しておりません。
○大野副委員長 北勢線がなければGISを少し聞きたいんですけれども、一つは情報通信のインフラの一番ベースになってます、いわゆるケーブルテレビですね。これはもう全県下網羅されるんですけれども、実際の加入率です。例えば、この前調査に行かさせてもらった尾鷲とか海山では30%未満と、こういう状況なんですけれども、お話はケーブルテレビにいわば全世帯が加入されるというような、また、されるだろうと、そういう前提の考え方になっておると思うんですけれども、現状はどんなんですか。
○辻村情報化推進分野総括マネージャー CATVの加入につきましては、先生おっしゃるように東紀州地域が30%ということでございますけれども、こちらはまだ引かれてコンテンツ、それからその整備等まだまだ今かかっておる最中でございますので、インターネット利用という面でもっともっと普及していく可能性は十分あると思っております。
全国的なCATVのエリアに対する加入率というのは、どことも大体平均的に50%を割っておるというような状態でございます。ただ、三重県の場合現在のところで60%まで、これはインターネットに限ってでございますけれども、加入率がなってきておりますので、全国的にはかなり高い加入率になっておると思っております。
加入率は当然上げていかなければなりませんが、ただ、全世帯すべてに加入してくれという強制はできませんので、私どもとしてもかなり加入率は上がると思っておりますが、全世帯に加入していただくということは当然考えておりません。
○大野副委員長 60%の加入率の中でインターネットに加入しておるのは、例えば松阪地区では大体ケーブルテレビのインターネットの使用料は月5,000円程度なんです。そうすると私とこの地域でいえば、まずはその中の30%も入らないということですから、だから60%の中の30%というのはかなり低い、いわゆるインフラの一番もとの基礎を使ったインターネットの利用が少ないということで、実際はその辺とこれとの整合性みたいなのはどんなんですか。
○辻村情報化推進分野総括マネージャー 一応ブロードバンド加入率というのは、先日も民間企業が調査したところによると三重県は全国一になってきておりまして、それの原因はCATVの普及ということで挙げられております。全国一というのは実際には民間調査ですので、調査方法によっては全国2位という調査もございます。少なくとも全国の3本指に入るのは間違いないという状態で、ブロードバンドのそういう環境が整ったゆえに今回そういった結果が出ていると。そういった意味でCATVはかなり大きく貢献しておると思います。
加入率を上げていくのは、当然私どもの目標としてそういう形でしていきますが、そのためには、やはりそれを使うためのコンテンツといいましょうかソフト面の充実と、人づくり、つまりそれを使っていただく人の情報格差をきちっと解消していかなければ、これ以上の伸びは期待できませんので、私どもとしてもそういった意味でソフト面の充実、それから人づくり、こういった面で今後力を入れて、できるだけインターネットをなるべくたくさんの家庭で使っていただけるような対策を今後も練っていこうというふうに考えております。
○大野副委員長 一応その辺の情報格差の問題ですね。さっきの例えば病院情報なんか、一番欲しい人が一番格差があるんです。だから、そこをどう補っていくかという問題。
それから、県と国が緊急対策でいわゆるパソコンの利用の方の講習なんかをやりましたけど、ひどい言い方ですけれども、ほとんどこれは効果が上がってないんじゃないかと。ただ行って機械を使う操作だけを覚えて、実際は家へ帰っても物がないと。だから極端な場合、一月したら完全に忘れてしまっているということで、ただ受けたということだけが残っておって、それがほとんど使われていない。その辺の県や国の施策と、それと実際に県や国が情報提供して、そしてITの地域づくりを目指していこうということとの手法がかなり実態とは違った、言うならば机上の、そして一たん1回講習すればそれを使える、必要と思えばいつでもパソコンが買える、そんな前提で物事が進んでおるので、ますますこれから情報格差が大きくなっていく。その辺の新しい対策なりを今後検討していただきたいということだけ要望しておきます。
以上です。
○田中委員 地震対策が一つも出てなかったんで、あえて質問するんですけど、県の総合防災訓練はさることながら、各市町村で、9月1日が一番多いと思いますけど、それぞれ大体中学校区単位ぐらいで毎年防災訓練をやってると思うんです。私もずっと毎年参加しておるんですけども、どうもやっぱりマンネリ化しておって余り成果が上がってないように思うんです。特に一番一般の市民にとって関心があって重要だと思うのは、やっぱりまず情報の伝達がしっかりとされて、それを受けてどこへ避難するのかと、これが一番まず最初のポイントだと思うんです。その後、被害のあったところへのできる範囲での消火とか救助とかそういう初動態勢の確立、この3つがポイントだと思うんですけども、避難場所にしても知らない人がかなり多いんですよね。
これは基本的に市町村の行政の責務になりますけども、そういう避難場所さえ知らない。情報伝達にしても9月1日の何時にサイレンは鳴るんですけども、その後、各家庭に対するいろんな情報の伝達の訓練というのはありませんし、どうも実際に地震が起こったときに具体的に本当に半日なら半日ぐらいの間にどういうことをしなきゃいけないということが一般の家庭に徹底されてないように思うんで、それを毎年少しずつでも改善していくような指導をぜひ県の方からしていただきたいなと思うんですけど、その辺についてお考えを聞かせてください。
○井ノ口地域振興部長 まさに委員おっしゃるようなことが非常に大事でございまして、今年度、私どもは監査委員から、計画やそういうものはきちっとできておるけども、実際にそれが機能してないといいますか、そういう面があるということを御指摘いただいております。
それで私どもとしては、ぜひそういうことが実際に起こったときに、今おっしゃるように半日の間に自分たちが具体的にどういうふうにしたらいいのか、逃げるところはどういうふうに逃げたらいいのかというようなことが一番大事でございますので、一つは、実は自主防災組織というものに対して県の方から補助をずっと従来させていただいておりましたけども、それが従来はどっちかというと組織率を高めるということで、つくること自体に補助を出させていただいておったんですが、それをちょっと改めさせていただいて、実際に例えば訓練をしていただく、そういうことに対して補助をするというふうに補助の仕方を変えさせていただきました。
もう一つは、先ほどちょっと申し上げましたアクションプログラムをつくらせていただく。これは県でつくりますが、各市町村ごとにもアクションプログラムをつくっていただいて、先ほど委員おっしゃるような中学校単位ぐらいで、その地域の人が実際に発災したりあるいは警戒宣言が出たときに、具体的にどういう行動をどういうふうにとるというようなことをしていただく。というようなことをさせていただこうというふうなことで今、アクションプログラムの策定を急いでおるというような状況でございます。
何か補足することがあれば。
○東地消防防災分野総括マネージャー 先ほどちょっと市町村単位でアクションプログラムではなくて、県でつくるアクションプログラムに市町村の意見を集約して、例えば訓練のやり方とかそういったことも含めて指導をさせていただこうかなというふうに思っておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。済みません。
○田中委員 部長が言われたような、自主防災隊をつくることへの補助から活動への補助に転換してもらう、これは非常にいいことだと思いますし、それから具体的に実効性のあるアクションプログラムを作成してそれに基づいて訓練をすると。そのことも大変進化している訓練のあり方だと思いますんで、ぜひ毎年少しずつでも訓練のあり方がより改善されるように、今後もぜひお願いしたいと思います。
以上です。
○藤田委員 GISの関係で、まさにそういうコンテンツをつくっていただいて、迅速な行政サービスとかそういう方向性は非常にいいんですけど、例えば三重県がこれを発信してやっていくわけですが、市町村なんかとどのように協力関係を持っていくかということは大切なことだと思うんですよ。その辺は本当にうまくいけるのかなと。
もう一つは、スピードアップという言葉が出てきましたけども、果たして本当に単なるスピードアップだけでいいのかなと。何でも迅速にやっていくことが本当にいいのかなという問題も一つあると思うんですよ。
今、情報格差というような問題を先ほど議論されて、まさにその格差をなくしていくということは大切なんですけど、先ほども企業のニーズというかバーチャルのニーズというか、本来住民が持っているそういう本質的なリアルなニーズというか、そういうものを酌み上げていくことにおいて本当の情報をうまく対象にしていくというような、そういうところからはかけ離れていくんじゃないかなと。ある意味では、行政が主導でそういうことをやることによって、行政が当然情報を多く持ってますから、そこで議論していくと、どうしても生活者起点といいましても情報を持ってないところと議論すると、どうも行政の単なる誘導的な生活者起点になっていく、そういうところが僕は非常にこれから怖いところではないかなと思うんです。そうなると、本当にそういう情報を行政でコントロールしてスピードアップということは、全く知らない人たちが、例えば病院の位置がどうとかというそういうことは非常にいいんですけど、本来はもっと地元へ県の職員が訪ねて顔と顔を見て、そういう住民のニーズというものも本当につかまえながら、そこへ納得するような情報の対象性、これを非対象性にしておいて、単なる物事を一方的に流していくというようなところにどんなこれから方向性、あるべき姿が見えてくるのかという、若干そんなような、ちょっと私なりにわからないけど、そういう心配点も、ある意味では見えたんです。
もう一つは、いろんなサービスをどんどん提供しますよね。これは無限です、サービスを顧客主義でやっていく場合。しかし、そういうことによって例えば総合横断行政ができた、あるいはペーパーレス化になった、あるいは県職員の県職員のというより本当にその仕組みの中で人員が余ってきた、そういうある意味では我々がこういうことをやって進捗度合いを見ていく上でも、そういうものをちゃんとこれをやることによって、ある意味ではお金を使うんですから、お金を使うところが変わっていくのか。いずれにしても限られたお金を使うんですから、そういうものをもっとわかりやすい形でこれからこういうことと同時に出していただきたい、そういうふうな気持ちをとりあえずきょうは聞かせていただいた中で思ったので、ちょっと違う角度から見た質問ですのであれですけど、それに対して答えていただきたい。
要望を非対称性にしていく、それは本当にこれでいいのか、情報格差という問題じゃなくて。それと、今そういう結果をどこで我々がどのように検証していくのか。これから見えないところですから、そういうところをちょっと教えていただきたいと。
○井ノ口地域振興部長 まず市町村の問題ですけれども、おっしゃるとおりで、これは県だけではいけませんので、GISの場合民間の方々まで考えてますけども、御案内のように16年から行政については国・県・市町村がオンラインで結ばれて仕事をしていくということになっておりますので、それらもあって、GISについても県の情報を入れるとともに今後、市町村からたくさん白地図なんかも提供していただいてますので、市町村が持つ情報もこれに入れていただくというようなことで、そういう方向に働きかけをしたい。それから民間の方々にも入れていただくと。それでギブ・アンド・テイクで、提供いただいたものについて、またそれをこれに乗せて今度は返していくというようなことにしていきたいと。
先ほどちょっと総括の方から申し上げましたように、白地図については市町村には無償で提供していくというようなことも考えてますので、ぜひそういうことでやっていきたいというふうに思ってます。
それから、スピードの点については、やはり社会の動きが速い中でスピードはどうしても必要だというふうに思ってますが、一方で住民のニーズを本当にきちっととらえた形でそういうことをやっていくんならいいんだけど、行政のひとりよがりで本当のニーズをつかまずにどんどん先へ行ってしまうというのはいかがなものかということかと思うんですが、それはもうおっしゃるとおりです。
それで、むしろ私どもとしてはこういうGISを公開していく、あるいはe-デモクラシーを実施していく、そういうことによって、むしろ従来の行政のようにどちらかというと、従来でも県民ニーズあるいは住民のニーズをつかんで施策や政策を打ち出していたというふうに思ってますけども、それ以上にきめ細かく住民の方々の御意見とかニーズを当然入れながら、ともに政策をつくっていく、そういう社会にこれからどんどんなっていくのではないかなというふうに思ってます。
それは、先ほどちょっと示しました絵でごらんいただくとわかるように、従来、情報公開とか、それから今回のGISとか、あるいはe-デモクラシーとか、こういうことでどんどん行政の情報が政策の形成過程から出ていくことによって、例えば先ほどのGISで、いろんな情報を住民の方がインターネットでとることができることによって、自分たちの地域はこういうことがここはこうなっておるのかと。それであれば、こういう施策についてはもっとこうしてほしいとかああしてほしいとかという話がどんどん出てくるんじゃないかなというふうに思っているわけです。
委員御指摘のニーズをつかんでというのは、まさにこれを公開して使っていただくことによって、逆に住民の方々から政策や事業に対して御意見がどんどん出てくる、そういう方向にこれは向かっていくというふうに私たちも思ってますので、ぜひ委員が御心配のようなことは多分ないと思いますし、また私たちもそういうふうに考えていきたいなというふうに思っております。
それから、確かに幾ら10億円、20億円かかるものを安く1億4,000万円でつくり上げたとはいえ、これだけでなくて県はいろんな情報に予算を使っております。ですから、それに対してどういう行政効果が出てきたのか、やっぱりそれは一定の期間で評価をして、その評価をちゃんと公表していく、そういうことも必要かと思いますので、折に触れてそれは出させていただきたいと、そんなふうに思ってます。
○藤田委員 まさにこういうことをして、こういうサービスの段階で住民と一致協力することによって、それも理論的にはそのとおりやと思うんです。ですけど一つ一番怖いのは、e-デモにしろあるいはこういうインターネットといってもまだまだ今の社会の状態じゃないんですよね。一部の症状だけとらえて情報が共有されておる、私はそんなふうに今まだまだ思いません。もっともっとやっぱり汗をかいて、いろんな生の情報とかそういうものを忘れずに、そしてこういう形へ進化していく。これでどんどん理屈どおり行くというようなところが僕は非常に危険なところもあると思うんで、ちょっと私は古い考えか知りませんけど、やっぱり人と会って本当にいろんな本心を聞き取るようなことを忘れないように、特にこういうことをやるときはしていただきたい。そういうことが同時にこういうことを広められると私は思いますので、そのときはお願いしたいということにしておきたいと思います。
○福田委員長 ただいま委員外議員の貝増議員より発言を求められましたが、いかがいたしましょうか。よろしいか。
(「はい」の声あり。)
○貝増議員 ちょっと中座しましたもので、質問が重複してたら申しわけないと先に謝らせていただきます。
まず地元議員として2つ喜ばしいというのは、今、地方分権上、国に対してあるいは地域からいえば上部団体の県に対して、2つの実践がこの1週間で花開いたと。一つは一昨年のヘリコプターと軽飛行機の事故、あれもやっぱり桑名市あるいはその管内と三重県庁が一体となって国に動いていただいたおかげで、ああいうエリア見直し、時間帯の見直しという結果が出てきたと。また、きょう北勢線の問題についても、総枠の中での額は別として、やっぱり地域からの、広域連合会からの要望に対して知事初め当局がまともにキャッチをしていただいたと。額の多少は今後の対応になるんですが、前向きに本当に協調、協働の精神で動いているというのは我々議員も感謝をするんです。
ここから質問なんですが、特に北勢線問題、この中で、これから鉄道事業にかかわるリニューアル問題等については地域振興施策を一生懸命考えなければならないと。今本当に来年4月1日に向かってすべての応援体制ができて、切れることなく鉄道が進む、これはもう担保いただいたと。でも、これからやっぱり先は55億円の問題、その地域の問題というのじゃなくて地域振興部としてちょっと本当に対応を聞きたいんですが、国が昔の戦略プランとかいろんな景気浮揚対策で事業を組んでいただいた。地方が手を挙げてくれたらそれに対応しますよと。そんな中で、21世紀の新しいプロジェクト事業で特区構想が出ておりますよね。これについて地域の中では、やっぱり市町では地域から発信せよと言われても何から手をつけていいかわからないと。でも、ただおぼろげの中で、やっぱり鉄道を利用したまちづくり、地域づくりの再考をしたいと、そういうぼんやりとひな型は今持ってましても、やっぱり知恵のたくさんある知恵袋の地域振興部がそこにもう一遍特区構想みたいな形の勉強会を大急ぎで立ち上げていただくようなことは、地振部長としてまだそこまでの対応は考えられてないんですかね。まず、それについてお伺いします。
○井ノ口地域振興部長 先ほどもちょっと申し上げましたように、個々の地域振興施策ということについては、従来はややもすると道路を中心としたまちづくりになっていたのかなというふうに思いますので、今後、道路を全然整備しないということではございませんけども、北勢線を存続するということであれば北勢線を前提としたまちづくり、そういうものをぜひ考えていっていただきたいなと。そのために私どもも委員おっしゃる知恵を出していきたいなと、そんなふうに考えております。
まずは15年4月を目指して、きょうお話ししたようなプロジェクトがうまく動くように、プロジェクトチームといいますか協議の場といいますかそういうものをつくってぜひ応援していきたいなと、そんなふうに考えておりますが、その後のまちづくりについてどういうふうにということについては、まだ今のところ具体的に考えておりません。
○貝増議員 やっぱり国に対して県庁がよく動けば物事が、扉が開いて道ができるとその道は地元で考えよというのが今、国の施策ですけども、そういった一つ一つの実践体制が見える世の中に、やっぱりこの地域、一民間業者に対してというんじゃなくて、あるいは広域行政の中で考えろというのじゃなくて、知恵のある者がその知恵を貸してあげる、その強い意気込みが地域振興部という本来のセクションの活動でもあるんですよ。
頼まれたことに対して対応するんじゃなくて、69市町村にとっては、やっぱりない知恵は県庁にと。そのオールマイティーが地元から見れば地域振興部であると、そういったこともありますものでね。
それと、本当にこれから1.8億円について地元に対して、この間からいろんな言葉のあやとか順番が違うとかネット数字の問題とかマスコミをにぎわしましたけれども、きょうこうして正式に5億円から3億6,000万円になって、そのうちの半分を推すと。これについて広域行政に報告されたときに、今までより一歩前進したけども、この次にこれを協力してくれというのがあったと思うんですが、その辺のことは部長、どうですかね。
○井ノ口地域振興部長 もう一歩協力というのはちょっとよくわからないんですけども。
○貝増議員 もう一歩というのは、最初にオブラートに包んで言いましたけども、金で4月1日が生き残ったと。じゃあその次の55億円について、これは地元で責任を持ちますと。この分担責任はここで終わりましたよね。そしたら、県は分担責任を終わっただけでは責任を全うしてないと。やっぱり、その先に4月1日あるいは来年以降に向けて担当セクションが真剣にリードしてやってほしいという面がありますものでね。
その中身というのは広域行政の問題ですから、ここで一つ一つ取り上げる問題でもないですし、あくまで県内で、一昨年も元部長の同僚であった上野の県民局長をされてやめた権蛇さんも、北勢線問題が出たときに「次は上野へ入ってくるな」と。あるいは「志摩へ来るな」と。「もう今からうちの管内の職員については通勤手当を鉄道の定期券で渡す、その運動をやらないことには、民間企業に対しての存続運動は対応できない」とはっきり権蛇さんは上野県民局長のときに言われてるんですよね。だから、そうなればやっぱり県の立場、あるいは県職として地域のそういった運動にも県民局あるいはオール県庁の中で、通勤にはこれを使うことに対して「使ってくれ」では乗らないんですよね。法律上、通勤手当というのは特段にあってもなくてもいいと。でもサービス上通勤手当を出すけども、それを現物支給であげるような運動に持っていけないかと。これは県としてできることですし、じゃあ県がそこまでやるんやったら地元ももっと本当に真剣に取り組もうかとか、じゃあそれが沿線住民に対する地域発展の源のようになると。そういったことまで取り上げていかないことには、こういった問題一つ一つというのは、じゃあ10年先どうしようと言うより本当に取り組むことを県民すべて、あるいはこの管内の県も含めた取り組みをお願いしたいということ、引き続き。
○井ノ口地域振興部長 ちょっとお言葉を返すようですけども、私どもとしては、まずは三岐鉄道さん、それから沿線市町、やはりこの人たちが今、委員おっしゃるように真剣に北勢線をまちづくりの中で本当に生かして、将来ともに地域にとってすばらしい鉄道として残していく、そういうやっぱり決意でまちづくりに取り組んでいただくというのが第一かというふうに思ってます。そんな中で、県もできる限り今おっしゃるようなそういうできる協力をしていきたいというふうに思いますけど、まずはやっぱり沿線市町あるいは三岐鉄道さんが本当に真剣に地域の鉄道として生かしていただく、そういう決意をしていただくのがまずは第一かなと。そういう中で県も協力をしていきたいと、そんなふうに考えております。
○貝増議員 近代化設備の応援体制ですが、これは今言われた言葉からいうと先の話になるんですけれども、近代化設備のそういった県庁としての今後の対応、取り組みはどのように考えてるんですかね。
○井ノ口地域振興部長 近代化設備につきましては、近代化するときの整備に対して国の負担あるいは県も負担をしての制度がございますので、今後、三岐鉄道さんの方でどういう施設整備をされるかを具体的にした中で、できるだけ制度に乗っかれるものは乗っていただいて、そんな中で県としても予算の範囲の中で補助をしていきたいと。55億円の方は近代化設備に乗れないリニューアルというか、そういうところでできるだけ使っていただけばいいんではないかなというふうに考えております。
ただ、近代化設備については全国的にも予算規模がそんなに大きくないものですから、すべてがすべてこれで対応できるというわけではございませんけども、そこは知恵を出して、なるべくこういう制度があるわけですから、そういうものを使っていただいたらどうかなと、そんなふうに考えております。
○福田委員長 ほかに御質疑はございませんか。
(「なし」の声あり。)
○福田委員長 なければ、これで地域振興部関係の調査を終了いたします。
当局の皆様方には御苦労さまでございました。委員以外の方は御退室を願います。委員の方は、連絡事項がありますのでそのままお待ち願います。
〔連絡事項〕
1 県内調査について
2 県外調査について
〔閉会の宣告〕
以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。
平成14年 8月30日
生活振興委員長 福 田 慶 一