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三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成14年度 委員会会議録 > 平成14年6月25日 教育警察常任委員会 会議録

平成14年6月25日 教育警察常任委員会 会議録

教育警察常任委員会会議録
(開 会 中)

開催年月日   平成14年 6月25日(火)  10:03 ~ 17:05

開催場所   第502委員会室

出席委員   9名

委員長 福山  瞳 さん
副委員長 杉之内 昭二 君
委員 田中  博 君
委員 木田 久主一 君
委員 中村 進一 君
委員 萩野 虔一 君
委員 溝口 昭三 君
委員 水谷 俊郎 君
委員 岩名 秀樹 君

欠席委員    0名

 

出席説明員

〔警察本部〕

警察本部長    野上  豊 君

警務部長    福田 守雄 君

生活安全部長    上村 政史 君

刑事部長    福井 資明 君

交通部長    福山 一郎 君

警備部長    平井  清 君

その他関係職員

 

〔教育委員会〕

教育長    土橋 伸好 君

政策企画分野
総括マネージャー            中沢  薫 君

教育支援分野
総括マネージャー            安田 敏春 君

学校教育分野
総括マネージャー            澤川 和宏 君

研修分野
総括マネージャー            沓張 久治 君

生涯学習分野
総括マネージャー            山川 晴一郎 君

その他関係職員

 

傍聴議員   3名

大野 秀郎 君

辻本  正 君

萩原 量吉 君

 

県政記者クラブ加入記者       8 名

傍聴者              13 名

議題又は協議事項

   1 警察本部関係

   (1)議案の審査(1件)

      議案第9号 警察官に対する被服の支給および装備品の貸与に関する条例の一部を改正する条例案

   (2)所管事項の調査

      1)三重のくにづくり白書について

      2)その他の事項

   2 教育委員会関係

   (1)所管事項の調査

      1)三重のくにづくり白書について

      2)その他の事項

   3 委員協議

    (1)委員長報告について

    (2)閉会中の継続審査・調査申出事件について

    (3)県内調査について

    (4)県外調査について

    (5)閉会中の委員会について

 

 〔会議の経過と結果〕

 〔開会の宣告〕

 〔テレビ取材の許可〕

 〔出席説明員紹介〕

 〔警察本部関係〕

  1 議案の審査

    議案第9号 警察官に対する被服の支給および装備品の貸与に関する条例の一部を改正する条例案

  (1)当局補充説明

    〔野上警察本部長〕

  (2)議案の質疑なし

  (3)議案の採決

     議案第9号   挙手全員  可決

  2 所管事項の調査

    1)三重のくにづくり白書について

  (1)当局説明

    〔野上警察本部長〕

  (2)質疑・応答

 

○田中委員 今の地域安全対策の推進で、パトロール等も強化されているということで、私自身もパトカーですとか警察官の姿を最近よく見かけるんで、強化されているなという気をしておりまして、ぜひ引き続きお願いをしたいなというふうに思います。
 ここに触れられていないんですが、その中で特に私、鈴鹿の出なもんですから、鈴鹿の感覚が強いかもしれませんが、いろんな活動の拠点となる交番なり駐在所が、非常に住民の人口密度というんですか、ちょっと大げさですが、そういうものとアンマッチになってきているんではないかと。
 各地区から非常に不安がいろいろあるので、ぜひ駐在所なり交番を置いてほしいということで、見直しもしていただいておるとは思うんですが、なかなか警察官の定数もあったり、最近ではなかなか駐在所という機能が果たしにくい、交番で交替制でということでますます人数が要ると。あるいは、今あるところが場所を移動させるということではすごく反対が起きるわけですが、そんなこともあってなかなか進んでいないんではないかというふうに思うんですね。
 報告にも白書にも触れられていないんですが、そうしたところが、特に鈴鹿の場合、東西南北非常に広いところでありまして、例えば消防なんかですと4カ所ぐらい拠点があるんですが、そういう意味では、本庁今建て直しをしている場所1カ所だけ、これ海沿いということで、各地域で大変不安に思われておるんです。
 そうした安心感を与える、あるいは地域住民と協働していくための拠点としての交番とか、非常に役割大きいと思うんですが、そうしたところにちょっと触れられてないのは残念かなというふうに思うんですが、現在検討されているような内容があればお聞きをしたいなというふうに思います。

○野上警察本部長 現在、交番・駐在所の状況でございますが、駐在所は基本的に都市部以外の地域に、それから交番は都市化が進んだ地域というような区分けをしておりまして、現在交番が55カ所、そのうち幹部交番が6カ所ございます。駐在所215カ所ということです。
 いずれにしても、これ今委員御指摘のように、交番・駐在所、地域の生活安全センターといたしまして、非常に地域の治安を確保すると、拠点として非常に重要な役割を果たしていると考えているところでございまして、やはり、今、社会情勢が変化いたしまして、都市化が進んでいるという状況の中で、基本的にその都市部での治安が極めて悪くなっているということから、どちらかといいますと警察力は都市部の方にシフトさせ、交番をふやしていこうと。駐在につきましても当然必要なわけでございますが、人口減少等によりまして十分な機能を果たしていないようなところは、統廃合をしていくということで対応しているところでございます。
 いずれにしても、かといいましても三重県全体の治安情勢を見ながら適正な配置に努めてまいりたいと考えているところでございます。

○田中委員 そのとおりだと思うんですが、現実に私どもの鈴鹿市では、新しい団地の開発ですとかいうことで、一応交番周りのテリトリーには入れられるんですが、非常に遠くなってしまう。交番・駐在所が人口の密度の高いところから一番遠いところになってしまうというふうな状況も出ていまして、自治会なんかからも交番設置の要望が出されるんですが、検討はしておるという返答はいただくんですが現実にはなかなか進まないというのも、これまた実態でありまして、どの程度、例えば人口の密度によって場所を移動させるなり、新たに設置をするなりということは、実際、要望に対してこたえていくということは実現可能なのかどうか、その辺もう少しお聞かせいただけませんか。

○上村生活安全部長 年間幾つかの具体的にいわゆる交番所・駐在所の統廃合は実施しておるところでございます。先生お住みの鈴鹿を具体的に見ますと玉垣駐在所、これを旭が丘交番へ統合配置をするとか、それから千代崎駐在所、白子交番への統合配置、それから、現在平田交番が若干中心を外れておること、それから、警察署が若干南の方へおりるといったようなこともありまして、交番所の、これも統廃合、移転というようなことを具体的に考えておるところでございます。

○田中委員 交番はなかなかたくさん人も要りますんで、たくさんその拠点をふやすということは難しいと思うんですが、ぜひそうした開発計画なんかも含めて合理的な統廃合、どうも統廃合と聞いていると数が減っていくような気がするんですが、いろんな協働の拠点にもなりますし、そうした意味では、例えば、鈴鹿なんかでいいますと、行政サービスをよくするために各出張所なんてのがありますから、そういうところ立ち寄ってもいただいているんでしょうけども、そういうところを拠点にするなり、ぜひその安全・安心を確保していくというか、歯どめの意味で、ぜひこれからも前向きに取り組んでいただきたいなとお願いをしたいと思います。

○福山委員長 そのほかに。

○萩野委員 単純なことを聞かせてほしいんですけども、これは刑法犯の発生件数が3万9,246件、前年度が2万5,600とおっしゃいましたか、単純にこれものすごくふえているんですよね。原因は何なんですか。
 それから、今の駐在とも関連するんですが、その統合とか廃止とかいうような状況を今おっしゃいましたけども、こんなにふえている中で、そんな統合とか廃止したって大丈夫なんですか。
 それと、その治安がよいと感じる県民の割合はそれでも2001年度は51.2%あるんですが、これその前年はどれだけかわかりませんけども、3万9,246件もあって、それでしかも治安がよいと感じるというのは51.2%もあるというのは、僕おかしいような気がするんですよ。こんなにふえて、2万5,000から。
 それで、なおかつこれから53.7%まで、これはやっていっていただかなくちゃならんのですが、この辺はどういう関連があるのかなという気がするのと、それから、交番だとか駐在を統廃合していくんですが、じゃあこの3万9,000何がしの犯罪が、この交番の管内といいますか、警察管内でどれぐらい起こっておって、だからこの交番は要るんだとか要らないんだとかいうような検証みたいなものをしていただかんと、これも90名もこの間警察官をふやしまして、なおかつ田舎の交番だけ減らされていくという傾向にあるわけで、なくなったらまた犯罪がふえる可能性もあるわけですから、その辺の関連をちょっと調べてみるというふうなことはできないんですか。

○野上警察本部長 まず、確かに昨年4万件近くも刑法犯を認知しておるわけです。検挙率も非常に厳しい状況、20%切ったという状況でございます。やはりなぜこれだけ犯罪がふえているかといいますと、いろんな要因があるんですが、一つはやはり社会の規範意識が低下しているんじゃないかなというふうなことが非常に危惧されます。やはり従来家庭ですとか地域が担っておりました自律的な機能といいますか、ルールを守ろうといったような考え方が次第に弱体化しているんじゃないかと思います。
 それからやはりもう一つ、生活形態が大きく変わってまいりまして、今、夜間、例えば車でどこを走りましても、かなり農村地帯であってもコンビニがあいていると。要するに生活が24時間型になっていると。そうしますと、従来ですと、その家に帰って寝ている時間に活動しているということで、ついつい誘惑に駆られるといったような、そういうふうな生活形態の変化に伴う問題があるんじゃなかろうかなというふうに思います。
 そして、やはり特に三重県の中部、それから北部にかけまして名古屋の大都市圏の影響もございます。やはり来日外国人の犯罪がふえてきているといったような、こういったような新しい要因もあるように思います。
 それからもう一つは、実は警察改革の一環といたしまして、従来ともすれば軽微な犯罪と思われるようなものは必ずしも交番等に、例えば自転車盗まれましたよという相談があったとしても、必ずしもきちっと被害届を出してもらっていたわけじゃないんですね。しかし、警察改革の一環で、いかなる軽微なものであっても、軽い犯罪と思われるものであっても全部受理いたしまして、きちっと警察内部で統計処理をすると、こういったような統計上の問題もございます。
 しかし、いずれにしても、昨年が一昨年よりも5割ぐらいまたこの刑法犯がふえているというようなことは、ちょっとやはりふえ過ぎじゃなかろうかなということで、私ども大変厳しい認識をしているところでございまして、これは警察力もいろんな面で捜査力の新しい分野へのシフトですとか、重点投入とかいったようなことも必要ですし、それとあわせまして、やはり警察官の増員、ことし90名増員させていただきましたけども、さらに来年に向けましてもさらなる増員ということで、今これから警察庁の方にもまたいろいろお願いしなきゃならんと思っております。
 そういったようなことで、警察力の重点投入、捜査の強化、そしてまた警察官の増員といったようなことで対応していかなきゃならない。それから中でも申し上げましたように、やはりこの防犯意識の高揚となりますと警察だけでは対応できません。これは住民、関係団体、それから市町村の自主的な安全・安心まちづくりの取り組みといったようなことも必要でございます。そういう総合的な取り組みをこれから強化していかなきゃならないというふうに考えておるわけでございます。
 それから、そういった状況の中で、交番・駐在所の統合は大丈夫なのかと。都市部の方にシフトして農村部がおろそかになるんじゃないかなという指摘であると思いますが、私どもこの交番・駐在所の配置につきましては、やはり刑法犯の発生状況ですとか、交通事故の発生状況といったようなものをデータをきっちりとりまして、それに的確に対応できるだけの警察力が確保されているかどうかということを絶えずチェックしております。それにつきましては対応するように努めていきたいと考えているところでございます。
 また、51.2%、体感治安というデータが得られまして、くにづくり宣言はこれをベースにこの体感治安を上げていくことを前提に計画をつくっておるわけでございます。これは昨年のデータでございまして、昨年の年度途中でございますので、年間通じて3万9,500件を超えたという段階ではないということでございますけども、ただ、昨年の年度途中でこういうふうな結果が得られております。これは県民アンケート調査でございます。
 これを踏まえまして、私どもといたしましては、精いっぱい治安の確保、体感治安の向上のために成果志向で頑張っていこうというふうにしておるわけでございます。
 以上でございます。

○萩野委員 それにしても、2万5,000から4万というのは余りにも多過ぎませんか、犯罪の増加というのは。これ警察何しとんのやと。警察不信につながりませんか。余りにも、これ全国で何番目とかおっしゃいましたよね。

○野上警察本部長 増加率では全国1位でございます。不名誉でございますが1位でございます。

○萩野委員 極めて不名誉なことですよね。これ1万5,000件もふえるというのは、今おっしゃっていただいた社会規範意識の欠落とか生活形態とか外国人とか、そういうもろもろの要素があったとしても、それにしても他の県ではそうではないんですから、非常に多過ぎると思うんです。
 それで、警察だけの力で云々ということはないと思いますけども、今おっしゃいましたけども総合的な抑止力みたいなものを市町村なり県民なりみんなでしていかないといけないんですけども、やっぱり中核は警察やと思うんです。そういう意味で、きちっと分析をしていただいて、先ほど申し上げた交番があるところとないところとかいうふうなことをしていただいて、今後の対策にぜひ結びつけていただきたいということを要望しておきます。

○福山委員長 ほかに。

○中村委員 ちょっと今の話に少し、萩野委員の質問に関連してくるんですけども、分析の仕方なんですけどね、実は私も昨年ニューヨーク警察、ニューヨーク市ですね、あそこへちょっとお邪魔させていただきまして、かなり時間をかけて分析の仕方等を調査をしてきたんですよね。
 確かにニューヨークは昔は物すごい犯罪が多くて、ここ10年ぐらいで本当に普通の市に戻ったという経過があるんですけど、それは全く例外的な方向でそれぞれの署長さんに評価をして、もうまずい人はどんどん首切っていくというようなかなり激しいやり方をされたとは聞いているんですが。
 それは別にして、その次ですが、今どうしているのかという話のときに、ここにもちょっと上がっておりますが、捜査のIT化の話が随分出まして、そこにかなり時間かけて調査させてもらったんですが、そのときに、その犯罪の発生の状況をそれぞれの犯罪別に分けて、それからどの時間帯に多いのかとか、どういった人たちが犯罪を受けやすいのかとか、年齢別とか地域別とか、かなり細かいデータを整理をして、それぞれの整理の中身によって具体的な政策を打っているというのが、かなり力を入れて向こうの方お話をされておったんですけれども。
 三重県の場合、今話に出ていますように3万9,000からのこの発生ですね。それから相談件数なんかも1万7,700という話も出ておりますし、こういった部分の細かい分析の方法と、それからIT化の関連ですね、その辺はどの程度までミックスさせていただいているのか。それで、分析の結果によって地域の皆さん方の協力の体制も違ってくるだろうし、それから職員配置も違ってくるだろうし、そういった部分についての考え方があれば、まず聞かせていただきたいと思いますが。

○野上警察本部長 今委員の方から、ニューヨーク市警の先進的な取り組みについて御紹介いただきました。
 今御指摘いただきましたように、やはりそのニューヨーク市があれだけ犯罪が多い都市であったのが、かなり治安がよくなってきたということ。これ私どもも情報をつかんでおります。もちろんそれをある程度は今勉強しているところでございます。やはり警察官を増員したということが一つございますし、今委員御指摘ございましたように、犯罪の時間帯別の状況、それから場所はどうなっているかと。被害に遭った方の状況とかいうことをきちっとデータで分析した上で、警察力の重点投入をしているというふうに聞いております。
 そういったようなことから治安がよくなってきたというふうに聞いておりまして、私どもも犯罪統計とる段階で、当然どういう犯罪がどの時間帯に多いのかといったようなことは全部統計処理をしております。それを今有効に活用すべく、当然各警察署におきまして、適切な犯罪の時間帯別の発生状況に応じました警察力の投入、例えば、ひったくりですとか路上強盗が多ければ、そういった場所に警察力を重点投入するといったようなことも現実にやっております。
 さらに、この方法をより高めていく必要があるだろうということで、今これから捜査のIT化と一体的にIT技術の活用も含めまして、さらなるその重点投入、捜査の合理化に努めてまいりたいと考えているところでございます。

○中村委員 それは本当にIT化にマッチさせたやり方をきちっとしていただきたいと思うんですが、ちょっと犯罪の増加なんですが、少し前までは、犯罪はどうも四日市とか鈴鹿とか三重県でいうと北の方に集中しておったという話はずっと聞いておったんですけれども、ごく最近ですが、まだ数値的には持っていないんですけれども、私は伊勢の方ですが、伊勢とか志摩とか、そういったところもかなり空き巣とか、そういったものがかなり件数としては伸びているという情報が入ってきているんですよね。データとしてまだまとまったもんじゃないんだろうと思うんですけれども、そういった県内の地域的な状況というのは、ある程度つかんでおられるんですか。

○福井刑事部長 ただいまの御質問に答えさせていただきます。
 詳しい統計書を持っておりませんので大まかになりますが、私の感覚では、中・北勢方面がやはり県下の刑法犯の認知件数をリードしておると。南勢、紀州へ行きますと、やはり若干低くなると。特に、鈴鹿、それから津、四日市南の管内で非常に多いと。特に北勢方面は、やはり全体的に認知件数が非常に多いと、こういう大体の感覚で言いますと、状況でございます。

○中村委員 今の話は、少し前までそういう状況やったんですけれども、どうも南の方にかなりふえているという話は出ていますので、そういった状況をちょっと早急に把握をしていただいて、手だてをやっぱり打ってもらう必要があるんじゃないかなというふうに思うんですが、そういう認識でありましたら、まだあれですが、ちょっとふえているような気がしますが。調査していただきたいと思います。

○福井刑事部長 詳しい資料はつくりますが、5月に入りまして、管内全部回ってまいりました。北勢ブロック、中勢ブロック、南勢ブロックも行ったんですが、そこで記憶している数字からいきますと、やはり中・北勢方面が南勢、紀州に比べて非常に多いという、その印象を持っております。これは数年前と変わらないと、こういう傾向だろうと思います。
 委員の言われました関係につきましては、詳細調査いたします。

○中村委員 今の話の中に、犯罪ばかりなんですが、交通事故の関係もかなり激しくなってきておりますので、そういった交通事故対策も、先ほどのデータの処理、IT関係との絡みをきちっとしておいていただきたいなというふうに思います。その辺も当然同じような状態やってもらっているんですよね。

○野上警察本部長 このあと所管事項説明で交通安全対策を御説明いたします。

○中村委員 わかりました。

○溝口委員 関連ですけども、この地域安全対策ですが、先ほど中勢・北勢にそういう犯罪多いということですが、具体的に申し上げますと、きのうですか、たまたま津警察署の足元ですね、おひざ元の旧の東海銀行に強盗が入って、金庫の中へ閉じ込めて、津警察署の力をかりなくても良かったんですが、そういうことが起こり、かつまたお聞きしますと、この三重大学中心にひったくりですか、80件あると。
 津警察署も毎日30人ぐらい動員されて、その犯罪のおかげでそういう状況になっておるんですが、このひったくり80件というのは余りにも多過ぎるんですが、一体どういう取り組みを今日まで成果も含めてなされてきたのかとお聞きしたいことが第1点と、それと同時に、先ほど田中委員からもお話がありましたように、どうも地域安全パトロールですか、あるいは交番所の機能と言われながら、どうもそれらが十分抑止力として効果を発揮していないんではないだろうか。特に津のひったくりは同一犯人がというような記事も見ますけども、ある意味ではなめ切っているわけですね、警察を。
 そういう意味では、どうも僕そこら辺の地域の安全パトロールあるいは交番の機能が不十分なような気がしますので、先ほどからお話ありましたように、来年度ですか、90名ふやすんであるならば、地域に配分すると、これまた機能も余り発揮しませんから、むしろ私は県警の中に、そういう重要地域のパトロール隊を設けて、そして地域と連携してやらないと、それぞれ細かく配分したところで、また人材的なこの不足が出てきますから、そういった意味で、配分するんじゃなくて、やはり県警が独自で指揮、リーダーシップを発揮する形で要所、要所をパトロールしないと大変になるんではなかろうかと。
 W杯のサッカーのあれでもフーリガンが大変だ、大変だということで、かなり警察御努力されて、ああいうことで何かあればやっつけるという抑止力がきいて未然に防げたような気もしますから、そこら辺がどうも抑止力、もう少し、大変だなというような何か緊張感を与えるような、未然に防ぐような方法をやはり考えていただくべきではないかと思いますが、その2点お聞きしたいと思います。

○野上警察本部長 ひったくりが特に津警察署管内等で多発しているということで、私ども大変危機意識を持っておりまして、今、津警察署中心に本部の方からも執行隊、機動捜査隊等を出しまして、機動的に要撃等をかけまして、一生懸命今捕まえようと努力しているんですが、まだ捕まっていないという状況で、大変残念に思っております。しっかり頑張ってまいりたいと思います。
 ただ、全般にわたりまして、ひったくり防止、やはり安全・安心のまちづくりの一環でもございますし、当然市町村における、例えば防犯灯を整備するとか、あるいは公園等を明るくするといったような、そういう取り組みもしていただかなければなりませんし、あと、警察は当然パトロールを強化いたしております。当然これからもやってまいります。
 あと、いろいろこういうふうな犯罪が起きたときの情報提供をきちっといたしまして、ひったくりをされないように、例えば、かごにものを入れるときはネットをかぶせてくださいとか、現金なんか入れないようにしてくださいといったような呼びかけも、これもきっちりやらせていただいております。住民の自主的な自己防衛措置というものも大事でございますし、みんなでこの防犯意識を高めていくということは何よりも大切でございます。
 そして、やはり私どもといたしましては、こういった犯罪が起きた場合は、まず検挙をさせていただくと。検挙にまさる防犯はなしということもございますので、とにかく一生懸命頑張りまして検挙をしたいと考えております。それを通じまして、当然防犯にもつなげていきたいというふうに考えております。

○福井刑事部長 刑事部でございますので、今本部長言いましたように検挙にまさる防犯なし、犯人を検挙すれば、その犯人による次の犯罪が防止できると、こういうことで、参考までに御案内申し上げますと、ことしの2月24日、津警察署管内でありました四輪自動車を使ったひったくり事件、これはブラジル少年4名でございましたが、検挙しております。それから、5月3日と5月13日、これ桑名署と四日市北署合同で少年グループ4名によるひったくり事件の被疑者を検挙しておりまして、余罪も相当あるということでございます。ことし1月から4月まででは32件を検挙しまして、昨年同期と比較しますと11件上回っております。
 ただ、委員言われましたように、二輪のひったくりが津管内を中心にして犯行を重ねております。二輪でございまして、動きが非常に早いので、機動捜査隊員津署、津署は刑事から地域まで捜査員を動員しまして、犯行の行われそうなところを選んで、しかも時間帯を選んでねらい撃ちといいますか、要撃と呼んでいるんですが、検挙をするための活動を一生懸命やっておりますので、もうしばらくお待ちをいただきたいと、このように思います。今一生懸命やっておるということを御了承願いたいと思います。

○溝口委員 もう1点関連してお聞きしたいんですが、先ほどもIT化のお話がありまして、去年でしたか、栗真で鈴鹿の方が2,000万のお金とられましたですね、それでヘリコプター飛ばしてがやがや言いながら車を見つけて、あれは後で名古屋で逮捕されたんですかな。ともかくそのときに、なかなかその逃げた車の位置とかそういうのが、その捜査にかなり時間食っておりまして、初期捜査が遅いということですね。
 そういう意味で、今、県警の前に健康保険センターを先々ぶっ壊して通信情報システムですか、それをつくられるようですけども、やはり110番をする、あるいはまた交番から電話して、そういう通報が直ちに、地理情報ですか、通報者がわかるところですね。そういうシステムが今まだできていないですね。今回これをすることによって、かなりそういう意味でも初期捜査ですね、スピードアップされると私も期待しておるんですが、今回の情報システムはどうしますんですか、交番所や派出所もすべて本部と通報できるような、そういうシステムになるんですか。この辺、中身どうなっていますか。

○上村生活安全部長 平成16年4月運用開始ということで、新しい通信指令システムをつくっていただくようにお願いしておるわけなんですけども、そうなりますと、例えば110番をかけてくる。そうすると、それがもう即、紀州路の方も現在は署へ入っておったのが全部本部へ入ってくるようになる。そういうことで、全部本部で集中できる。
 それを聞きながらにして署の方まで、交番とか駐在所までは行きませんですけども、聞きながらにして署までは配信できるというようなことになりますし、それからかかってくる位置発信、どっからかけておるかということも100%わかります。それから、かけてくる人ですね、そういったものもわかる。それから、現在管内を走っておるパトカーがどこを走っておるかという、その地点までわかるわけなんですね。そうすると、それを把握しておいて、発生したところへ集中して運用できるといったようなことができます。
 それから、一番重要事件が発生しますと、緊急配備というのを敷くわけですけども、そういった緊急配備を敷くとき、このぐらいの時間であれば、ここの逃走時間、ここまでかけておけば大丈夫だというような支援システムがあって、具体的に申しますと、地図上に円をかいてくれるわけですね。その範囲へ緊急配備をかけると。時間がたっていくと、だんだんと逃走範囲が広くなっていきますので、円が広がっていくというような格好になるわです。
 現在のシステムでは、場所でもゼンリンの地図を手作業でやっておる状態ですので、なかなかそういったところの、わずかな時間ですけども、なかなかうまくいかない要因もできておりますので、16年になれば、かなりそういった面では期待できるんではないかなというふうに思っております。
 以上です。

○溝口委員 いつからですか。

○上村生活安全部長 16年。

○溝口委員 16年ですね、そういうシステムが稼働するのは。

○上村生活安全部長 そうですね、15年中に建物ができて、そして15年の秋ごろから機械を入れるつもりです。

○溝口委員 システムをね。

○上村生活安全部長 はい。

○福山委員長 よろしいですか。
 ほかに。

○木田委員 2点お伺いしたいと思います。
 この2002年度の取り組み報告にもあるんですけども、暴対法の効果的活用というようなことを書かれておるんですけども、暴対法ができたときに国民すごく期待したと思うんですよね。暴力団という名前の人たちがこの国にいること自体がもう何か不思議な感じがするぐらいでしてね、その暴対法によって暴力団がなくなるということをかなり期待されたと思うんです。
 そして、また暴力団の人たちもこの法律ができるときに、自分からもう暴力団をやめるとかいうようなこともあって、かなり効果的な法律だなというふうに皆が期待した中で、最近余り期待できないんじゃないかなという意識が出てきているんじゃないかなと思うんですけども、そのあたりの限界といいますか、そういうものがあるのかどうか。あるいはその暴対法を活用し切れていないのかどうか。そのあたり1点お聞きしたいと思います。
 それからもう1点は、外国人の犯罪が非常に目立つ日本の国内なんですけども、そういう犯罪を犯した外国人に対してどういう対処ができるのか。犯罪を犯してそのままであれば、また起こすというようなこともあって、そういう国外退去を勧告するようなこともできるのかどうか。人種差別になるといかんのですけども、国民感情としてそういうものがあると思うんですけども、その点についてお伺いしたいと思います。

○野上警察本部長 暴対法の関係でございますが、平成4年、この暴対法が施行された当時の暴力団勢力、三重県では1,680人であったわけでございます。それが、平成13年、昨年でございますが、先ほど御説明いたしましたように1,510人ということで、かなり減らしてきてきておるところは確かでございます。
 ただ、暴力団を根絶するという今取り組みをしておるわけでございますが、なかなかその暴力団をまだ利用してしまうと、ついつい暴力団につけ込まれてしまうという方もまだお見えになるわけでございまして、これはやはりその意識啓発をさらに高めていかなきゃならない。暴力団を利用するとどのように怖い目に遭うかと、自分が危険な状態に置かれるかということがよくわかっていない方もおるわけでございまして、これは今暴力追放三重県民センター、ここでいろいろ相談業務等もやっております。こういった関係機関とも連携しながら、引き続き暴力団勢力の壊滅に向けまして努力していかなきゃならんというふうに考えているところでございます。

○福井刑事部長 犯罪として検挙するに際しては、外国人につきましては、その法の手続を得て、有罪であれば退去なり何なりしてもらいます。それから、直接入管の方へ送りまして、入管から強制退去という形になる場合もあります。いずれにしましても、法に従って適切に対処されていますので、そういう犯罪を犯した者については、しかるべき措置はされておるということでございます。

○木田委員 暴対法の方については、これからも御努力をお願いしたいと思います。
 それから、外国人の犯罪について、そうすると、同じ人が何度も何度も国内でそういう犯罪を犯す可能性というのは低いというふうに考えておられるわけですか。

○福井刑事部長 いろいろなケースがございまして、強盗、窃盗、殺人などで裁判所から懲役などの実刑判決、自由刑ですね、これが出された場合に、一応服役します。その後強制送還となるということですね。ただ、本当に日本へ来て犯罪によって金もうけをしたいと考えている外国人は、身分を偽って、身分を変えてまた入ってくると、そういう場合もあるわけですね。
 したがいまして、それから密入国もあるし、偽造文書を使って入ってくる場合もあると。それから、万引きなど比較的軽微な罪で執行猶予がついた場合は、判決後に入国管理局に収容されて強制送還されると。これらの場合も、同じような方法で再度入国を試みるという場合もありますので、特に今、私どもが困っておりますのは、偽造文書を使って日本へ来ると、そこで荒稼ぎをしておいて捕まる前にぽんとまた帰っていくと、名前変えて入ってくると、こういうケースが非常に多いと、こういうことでございます。
 それから、不法残留、不法在留等の出入国管理及び難民認定法違反で逮捕した外国人が、窃盗などの他の犯罪を犯していない場合には、刑事訴訟法の特例として入管局の入国警備官に送致すると、直接送ると、こういうことですね。そうすると、そこで強制退去させると、こういうことでございます。

○福山委員長 よろしいですか。
 ほかに。

○水谷委員 一つだけ聞かせてください。さっきデータベース化という話がありましたけど、これだけ多くの犯罪ですけどね、例えば地域特性だとか、それからあるいは犯罪の起こる場所の特性だとか、先ほど時間帯という話もありました。いろんな形でデータベース化してみると傾向が出てくるんかな、出てこないのかどうかわかりませんけど、出てくるのかなという気がするんですけど、そこのところはどうなんですかね。

○福井刑事部長 犯罪の統計の関係でございますが、発生しますと、一定の項目に従って原票をつくります、発生原票、認知原票と呼んでおるんですが、それに従って、ただいま言われましたように、時間帯とか曜日であるとか、あるいは場所ですね、それから犯罪の市町村とか、そういうあたりを統計やります。
 これを電算処理しまして、大体翌月の10日過ぎぐらいには1カ月の集計ができまして、それをそれぞれの警察署でもわかるように数字化して流しますので、一応、例えばその詳しい中身ですね、それが路上であるかとか、あるいは例えば屋内かというのはわかるんですが、路上のどういう場所であるかという細かい部分についてはできませんが、大体の目安はそれによってつくようになっております。そういうシステムになっております。

○水谷委員 いや、何が聞きたいかというと、傾向があるかどうか聞きたいわけですよ。その犯罪の傾向がどこかに傾向がないかどうか聞きたいわけですよ。要は我々民間人ですから、警察の捜査内容まで踏み込んでやっていたってしようがないわけですよ。ですから、我々は地域住民として、我々も含めた地域住民として、どれだけ自分たちの身を守れるか、それがひいては警察への協力になると思うんですよ。
 今これだけ2万5,000が4万になったということは、結局警察ばかりに頼っていてもどうにもならんという現状なわけでしょう。そしたら自分たちが身を守らざるを得ないわけですよ。そしたら、その地域で例えば特性があるもんなら、この地域はこういう場所で犯罪が起こっているよとか、こういうことに気をつけてくださいよとか、そういうものを警察からそのデータベース化したものをフィードバックしてあげないと、その全部が100%いつも気をつけているということは人間できないわけですよ。
 だから、この地域はこういうところが非常に危ないですよというところをフィードバックしてあげてほしいわけですよ。そうすれば、重点的にこことこういうところを気をつけましょうというのが身につくじゃないですか。そういう連携が必要なんじゃないかということを今申し上げているんで、そこのところはどうなんですかということなんです。だから傾向がわからないとそれができないわけですよ。

○福井刑事部長 私どもでつくっている犯罪統計書ですね、市町村別、それから言いました罪種別、例えばひったくりなんかとか、あるいはそれが恐喝であるとか、そういう強盗なんか、そういう罪種別ですね、それから時間別ですね、それから屋内であれば侵入か侵入でないのか、そのあたりまでは把握できますので、それを例えば上半期であるとか、あるいは年間を通じて委員の皆さんとか、あるいは市町村の方、それから交番・駐在所、あるいは生活安全課あたりから、それを簡単なグラフなり統計にしまして、回覧なり、あるいは広報するという形で住民の皆さんにフィードバックしておると、そういう状況でございます。

○水谷委員 申しわけないんですけどね、難しいこと住民は期待していないんですよ。例えば、ここにこういうものをつくってきたでしょう、もっと簡単に、だからある程度の地域特性みたいなものがあるとすればわかりませんから、すればという仮定しかできないですから、こういうところが危ないですよというのをぽんぽんぽんと3つとか5つとか、だから気をつけなさいよというのを住民に回した方がよっぽどわかりやすいわけですよ。そういうことができませんかと言っているんですよ。
 グラフを示してみたところで、データ示してみたところで住民はほとんど読まないですよ。だから、もう結論を住民に知らせたらどうですかということを言っているんですよ。

○野上警察本部長 統計は私ども内部できちっと処理、整理しております。ただ要するに、住民の方には、どういう事件、事故がどういう場所で起こっているのかと。今委員御指摘ございましたように、その傾向とかそういうものは、交番、駐在所のミニ広報紙といったような形で住民に配る、あるいは回覧板で回すといったようなこともございますし、それから、例えばコンビニ強盗が多発すれば、コンビニの業者にも集まっていただいた、そういう連絡協議会の場で対策を検討するといったようなことで、かなりきちっとした対応を警察署なり交番・駐在所単位でやらしていただいております。それは私ども従来からやっております。

○水谷委員 例えば、うちの員弁署には地域安全協会ですか、ありますよね。そこからいろんな印刷してもらって出していただいているのは出していただいているんですけど、もっとわかりやすく、みんながわかるような状況で、もうはっきり言って、僕さっきも言いましたように結論を出してもらったらどうやろなと思うんですね。5つなら5つ、傾向としてこうですよという、傾向の結論を出してもらったらどうやろなと。
 そのために、住民としてどういうことをしてくれということがあるなら、それはみんなで相談に乗ったらいい話ですから、本当に警察には要は結論を出してほしいわけですよ。結論を皆さんに。

○福井刑事部長 今の御質問の趣旨からいきますと、地域のある特定の町なんかでこういう犯罪が多いのでこうしてくれと、こういうことだろうと思います。
 そういうことでしたら、例えば、現在やっておりますのは、ピッキングの被害というのは、例えば、そのビルの最上階がねらわれるとか。そういうような一般的にいうと傾向があります。こういう場合は、Fネットというシステムで流している。あるいは、その地域の例えば特定の、大門であれば大門の管内の地域の住民の方にミニ広報紙の中に、最近ひったくりがふえてきたよと、こういう時間帯にこういう場所でよくやられていますと、気をつけてくださいと。
 あるいは、例えば津駅前の管内で、車上ねらいといいまして車の中から金品を盗んでいくものについては、例えば、どこどこの駅前の道路上の車が最近車上ねらいに遭いますよと、ですから、車の中へはお金とか品物、とられて困るようなものは入れたらあきませんよとか、ドアロックを必ずしておきましょうとか、そういう細かな地域の住民に聞いてもらってためになるような情報は、それぞれの対応でやっております。
 県警全体で細かくそういう特徴をとらえられませんので、各署がいろいろ工夫して、駐在所あるいは交番の管轄区域内に限って、そういう方法で従来もやっておりますし、委員の言われるそういう内容に沿うような広報の仕方も、あるいは統計の示し方も、これから署の方へ指導してやっていきたいと思います。

○福山委員長 水谷委員、いいですか。

○岩名委員 日ごろの警察活動は大変よくやっていただいていると私は評価している1人でございますが、186万の県民に対して2,600人程度の警察官で、とてももう限界があるんじゃないかと。先ほど本部長は、あるいは刑事部長は検挙にまさる防犯はないということを言われたけども、それもそれにこしたことはないけども、こんなことは到底この数字から、4万件という数字を見るとき、とても不可能だなという感じがします。
 それで、未然防止とか抑止力、これにまさる防犯はないと私は言いたいのね。ですから、それをやっていくには警察の力だけではもうどうにもならないと思うんですよ。それで、例えば私が関係しているライオンズクラブなんかは、少年の補導をライオンズクラブで何人かずつ出て、そして少年指導員の、補導員の方々と四日市の少年センターを通じて一緒になって補導して歩いておるわけですよね。そういうふうにもっと市民の協力を得るということが大事なんじゃないか。
 例えば、今までライオンズクラブやロータリークラブ、その他の奉仕団体というのは、街角に交通安全のいろんなもの、建物を建てたりいろんなことをしていただいてきたと思うんですけど、今こういう不況下の中で、なかなかそういう物的な支援は大変だという現実がございます。しかし、体を使って防犯なり少年補導に役立つということであれば、お金かからないし、非常に大きなボランティア、いわゆるアクティビティーだと思うんですよね。
 そういう意味で、もっとそういう方面へも働きかけをして、警察だけが1人悩むんではなしに、1人苦しむんではなしに、もっと住民と一緒になってやっていくという、これ非常事態だと私は宣言していいと思うんですね。
 例えば、私専門じゃないから知らんけども、泥棒でも、きょう思いついてきょう入るんじゃないらしいですよね。やっぱり何日も前からその辺をずっと徘回して、いろいろ勉強して、いつごろにここの家は寝るなとか、いろいろなことを考えておるわけですね。そういうことをやっぱり周りの人たちがちょっと不審な状況を見ることによって、いろんな連帯意識が高まるし、あるいはまたそういうことを、情報を寄せ合うことによって、未然に犯罪を防止することができる可能性はあると思うんですよね。
 そういう空気をつくっていかないと、とても今の警察官を何ぼふやしても、これはやっぱり住民がそういう意識を持たないとなかなか解決できないというふうに思いますので、これに対してどう思いますか。

○野上警察本部長 今、岩名委員御指摘のとおりであるというふうに考えております。先ほども私も申し上げましたように、警察力を強化するということは当然大切でございますけども、やはり住民の方々、あるいは関係機関、関係団体等の連携強化というのは、ますますこれから必要になってくるであろうというふうに考えております。
 今、防犯、生活安全というもの、これは警察だけの仕事ではございません。やはり自治体、特に市町村の積極的取り組みというものも必要でございますので、安全・安心まちづくり条例というようなものも県内の各市町村、約3分の2の市町村ではこういう条例がつくられまして、具体的には、その住民、関係機関、警察も入りまして、推進協議会、まちづくり推進協議会といったようなものもつくっていろいろ協議するというような動きもございます。四日市市におきましても既に条例はつくられております。
 こういうものもさらに見据えての、市町村にも働きを強めまして、関係機関、住民と一体となった取り組みを強化してまいりたいというふうに考えております。

○岩名委員 警察協助員とかいろんな制度もあると思うんですが、もっとそういう人をたくさんつくることによって、それに選ばれた人自身が、もう絶対犯罪とか交通違反すらできなくなってくると、その責任上ですね。そういう副次的な効果もあるんで、もっともっと大勢の人をそういうポストに任命をして、さっき水谷君もいろいろ言っていたけども、いろいろ地域ぐるみでもうちょっと、それを自治会とか役所とかというと、いろいろまた用事も多いわけですよ。
 ですから、そうじゃなくて、警察と住民とが新しい関係を結ぶということによって構築をしてもらいたいなということを要望しておきます。

○福山委員長 それではほかに御意見ございませんでしょうか。

          (「なし」の声あり)

○福山委員長 それでは、ないようです。
 先ほどいろいろと御意見ちょうだいをいたしましたので、その白書についての取りまとめにつきましては、正副委員長に御一任いただきたいと存じますので、御了承願います。

 

  2 所管事項の調査

    2)その他の事項

  (1)当局説明

    〔野上警察本部長〕

  (2)質疑・応答

 

○中村委員 今の酒気帯び運転関係ですが、6月から改正になって、いろんなところへ行って、もうほとんどこの話題が出てきます。それで、随分県民の関心は高くなっているというのは事実ですね。ですから、この熱いうちに打つということは一番、いろんな手を打つということは一番大事だというふうに思います。
 その中で、特に後半に本部長述べられました自動車運転代行業の関係ですね。大体こういうものは需要と供給の関係で、もうかれば企業参入してくるだろうし、という状況にあって、ある程度行政が後押しを啓蒙等を含めましてしないとなかなか浸透せんかなという感じもしますし、それを浸透させるのが今が一番大事な時期だと思います。
 今までもこういった場で質問させていただきますと、何で酒気帯び運転なんか多いんだということになりますと、三重県の土地的な形状がありますね。松阪でも伊勢でもどこでもそうですけれども、大体住宅が不便なところにどんどん団地なんかができて、そこから既存の公共交通なんかはほとんどないと、そういった中で、そういったところから飲みに出てくる。
 飲んでおるお金とタクシー代がほとんど、逆にタクシー代の方が高くなってしまうと、そういったこともずっとこれありで、現実的には飲み屋街にはずらっと自家用車が並んでいるというのが、今もそういう現状だと、そのように私は感じているんですが、目の前にもはっきり原因というか、わかっているわけなんですけれども、それを解消しようと思うと代行業しかないかなというふうに思うんですが、今申請のあった質問ですが、全県下的に、傾向的にそういった状況というのは本当に生まれてきているのか、代行業をしようというその業者さんがずっとかなり出てきているのか。
 タクシー会社なんかも、かなり積極的にそういったところに、これはもうかるということで、あるいは交通安全上やらなきゃならんということで実際に出てきているのかどうなのか。その辺を、もう少し詳しく教えていただければと思います。私見た感じではなかなか目に見えて出てきているように見えていないんですが、どうなんですか。

○福山交通部長 代行業に関しましては、6月1日から法律ができまして、今現在受付をしております。陸運へ20業者、今届け出があるわけですけれども、それから私どもへの申請、これが4件ございます。県下的に地域別では、亀山警察署管内が2業者、それから桑名、津管内が各1業者4業者、届け出を今済ませております。
 代行業につきましての利用度につきましては、報告資料がございませんけれども、タクシー代行の関係でございます。これは、昨年9月21日から始めておりますけれども、県下12社29営業所で行っておりますけれども、昨年中は1,021回代行をしております。本年に入りまして1,234回代行をしておりますので、タクシー代行につきましては着実に伸びておると、こういうことでございます。 以上です。

○中村委員 もう少し詳しく教えてほしいんですが、松阪とか伊勢というのは結構繁華街が多いし、それから伊勢なんかの場合は、志摩とか、ああいった遠いところから交通便がなくなってから飲みに来る人たちもかなりおるという傾向をあらゆるところで聞いているんですが、そういったところに対する対応みたいなものは、具体的に6月1日以降何か動きが出ているとか、そういうことはないですか。

○福山交通部長 伊勢市では1社今稼働しておるわけでございますけれども、タクシーにつきましては2社で代行をいたしております。14年に入りまして、タクシーは134回伊勢市内で代行をやったと、こういう実績を報告をされております。私どもといたしましては、あらゆる機会に代行を、宣伝をするわけやないんですけども、飲酒運転防止のために利用促進を図っていく広報をやっておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。

○中村委員 目に見えてというのは、こういうことやと思うんですよ。結構県外の繁華街なんかお邪魔させてもらいますと、もう裏通りに軽中心に代行と書いたやつがずらっと並んでいますよね。
 それで、そういった意味ではもう徹底されている状況というのが、同じ国内でよそではもうでき上がっているのに、三重県は非常にその点が甘いなという感じをずっとしておりましたんで、ちょうどこの6月1日というのは、一つのきっかけとして、タイミングとしていいのかなというふうに思いましたんで、あと1点ですね、こういった代行業の問題ということで、県庁内の他の部署とのそういったことについての新しい産業といいますか、そういった打ち合わせというか協議みたいなものは具体的には何かされているんですか、県警として他の部所との対応。

○福山交通部長 県庁ではございませんけれども、これは所管が国土交通省三重陸運事務所、こことは認可についていろいろと詰めをやったり、広報をやっていくかというのはやっております。ただ、県の交通安全対策室、ここについても、こういうことがあるので広報してほしい、啓発してほしいということは、打ち合わせをしております。

○中村委員 先ほど前段で犯罪の部分の話がいろいろ出ましたけども、私はもうこういった問題こそ、例えばその関連の飲食関係の業者さんとか、あるいは、あとボランティアでいろいろ、NPOも含めましてですけれども、産業界も含めて、そういったところにもう少し積極的に働きかけていただくことが大事かなと。
 特に、そういった事象を、いろんな事象を持ってみえる、一番そういう対応をしておられる県警の方からそういった情報提供をどんどんしていただいて手を打ってもらう、それしか僕ないんじゃないかなというふうに思うんですけれども。どうですかね、その辺の積極的な対応について聞かせてください。

○野上警察本部長 当然飲食店の組合とか、そういう業者への働きかけといったようなことではあると思います。店で飲みに行きますと、そういう代行をもっと利用してくださいというような形で勧めて、代行を利用するように、その店からも飲食店からも働きかけてもらえるように、今これからも考えていきたいと思っております。
 また、そのNPOとの関係ということでは、まだこういった具体的な動きが残念ながら今はないわけでございますけども、これは防犯、全般にわたりまして、そういったようなNPO等が活動してくれれば、これにこしたことはございませんので、そういったようなことにつきましても今後十分念頭に置いて対応していきたいと考えております。
 いずれにいたしましても、今委員御指摘ありましたように、警察だけでは対応できません。関係機関なり関係団体とも十分に連携とって対応してまいりたいと考えております。

○中村委員 県民の声は県民、その飲食店やってみえる皆さんの何件かの声は、大変になったと、これでもうまた客が減っているのに飲みに来る人がなくなってしまう現実的な話ですよ、なくなってしまうと。
 だから、彼らに全然罪はないんですよね。だから代行業とか、そういった部分で、もしかしたらそういった飲食店街の皆さん方にも声をかけて、その代行業関係の協力を求める出資も含めて、そういったシステムをやはりある程度つくっていかんとだめじゃないかなという感じもいたしますので、いろんな方法があると思いますので、そういったところに向けて、やはり音頭をとっていただくようなことができるのかどうなのか。そういったことも含めまして、取り締まるだけと違って、つくっていく方法もぜひともお願いしておきたいなと、要望にかえておきます。

○福山委員長 要望でいいですか。
 ほかに御質問ございませんでしょうか。

○溝口委員 交通事故死ですね、その10万当たり県単位ではワーストツー、連続2年ですね、ということですね。ワーストツーが、2位が連続ですね。それで、ずっとこの5年間見ていますと、ワーストテンに入っている、ずっと同年連続入っているのは三重県と香川県と茨城県、この3県なんですね。そういう意味では大変不名誉なことがずっと5年間続いておるわけでありますが、今のお話聞いていますと、現時点でのこういう死亡者見ていますと、またことしもやはりこの200人を超えそうなのか超えそうですね。そこら辺の見通しはどうなっておるのか。するともう6年連続ワーストテンの中に入りそうですね。
 だから、よその県は1回ワーストワンをとりますと、次に必ず努力して順位が下がるか、あるいはテンから外れていますね。ところが三重県このままだとまた6年連続して、そんなこと3年連続、香川県がナンバーワン続いていますけども、どうなっているのか。どのように対策、いろいろ聞いておりますけども、今後この半年間どういった対策をやられようとしているのか。このままやったらまた同じように行きそうですね。いかがですか感想は、取り組みも含めて。

○野上警察本部長 今の段階で今後の見通しにつきまして即断することはできないと思います。私どもは確かに今段階的に厳しい状況であることは十分認識しておりますが、目標はことしは195名以下に抑制するということで、これは警察と県の方で十分調整した上で、そういう形で今県及び警察挙げて取り組んでいるところでございまして、全力挙げてこの目標に、抑止目標に向けて活動してまいりたいと考えているところでございます。
 近々、夏の交通安全県民運動も7月1日から10日の間に開かれます。こういった機会を十分に活用しまして、何としても目標達成のために頑張ってまいりたいと考えております。

○溝口委員 195名で、1月1日に一度お聞きしますから、ひとつあれですけど御努力いただいて、不名誉挽回に御活躍いただきたいと思いますが、それと、私もう一つ疑問を感じますのは、高速道路の料金所ありますね、関にもありますし亀山も。
 ETC、あれの管轄は道路公団なのか、県警は余り関係ないのか、この高速、交通ですね。と言いますのは、私はカード持っていない、あそこ通ったことないんですけども、ほとんど通る方余り見たことないですね。そして、土日の行楽シーズンなんかはそこだけがあいて他のそのゲートは満員ですね。だから、なぜああいうことを、もう少し臨機応変に、やはり使っていなければ一般も使える、一般の部分もありますけどね、併用ですか、そこら辺しないとあそこがあいたまま、そして権限がないのかどうか知りませんけど、こんなアンバランスなやつが交通政策と言えるのかという気が、いつもあのゲート通るたびに思うんですね。ねたみもありますけどね。
 そこら辺、あんなあきっぱなしいいのかどうか。どうも国土交通省も全国で2,000億か、かなり投資した割にはどうも成果が発揮されていないと。その点、県警交通部として渋滞対策含めて今後どのように、あのままもうこれもほっておくのか。一般まで普及するには大分時間かかりそうですね。いかがでしょうか、その点の感想と対策は。権限外ですか。

○野上警察本部長 これ国土交通省所管する道路公団の方でそういうETCのシステムを導入されたというふうに聞いておりますし、実際ああいう形で導入されておりまして、利用状況が余り進んでいないというのも認識しております。
 何か原因の一つとして、各自動車に乗せる子機ですか、子機が数万円して、そんなにあそこ、ETCを利用するメリットは十分にないんだというふうに聞いておりますので、これはまた国土交通省なり道路公団の方で適切にその利用促進策を講じていただきたいなというふうに考えております。

○溝口委員 本部長、他人事のように言っていますけどね、やはり一度県警として、警察庁かわかりませんが、もう少し国土交通省と連携していただいて、もう少し柔軟な運用を、まるっきり2,000億円かけてもう全然通らない、私も見たことないわ、あんなの。だからあんな状況なら、もう少し看板だけ変えるか何らかの方法で、もう少し柔軟な対応を1回申し入れをすべきではないかという気がするんですが、申し入れをしていただけますか。いかがですか。

○野上警察本部長 私どもちょっと所管外でございますし、ああいうふうな利用状況ということは、国土交通省なり道路公団も十分に認識していると思いますし、今後利用促進策が講じられるだろうと、そういうふうなことを期待を込めて見ておるところでございます。

○福山委員長 よろしいですか。
 では、ほかに。

○水谷委員 またデータの話になるんですけどね、別の場所でちょっとお願いを前したことあるんですが、交通事故がこれだけ多いということは、そのやはり傾向がどこかにあって、傾向と対策を考えた方がいいんじゃないかなということを申し上げたことあると思うんですが、そんなデータで出ましたか、出ていませんか、傾向は。
 要はその道路構造上の問題があるとか、ほかに原因があるかもわからないし、いろんな原因があると思うんですよね。要は交通事故がこれだけふえているということは、いつもいつも起こる場所もあるんじゃないかなということも思っているんですけど、そうではないんですかね。もう非常にどこでもそこらじゅうででたらめに起こっているのか、よく起こる場所があるのか。多分よく起こる場所があると思うんですよ。そういうデータというのはつかんでもらいましたかどうかということをまずお聞きしたい。

○福山交通部長 事故多発地点、これにつきましては信号交差点で6件以上、それから信号機のない交差点では3件以上、それからカーブ時で3件以上、これの発生地点、これをすべて分析をいたしまして把握をいたしております。

○水谷委員 そしたら、県土整備部なんかと連携して、あるいは農道だったら農林部だろうと思うんですけど連携して、その道路をどう改良すれば、あるいは何かをつければ、カーブミラーとか何かをつければ、その原因が防げるよとか、少なくなるよとかいうことは、もちろんもう対策は打ってもらってるんですよね。

○福山交通部長 これは、常々協議会等がございまして、事故多発地点についてはこういう状況ですよ、こういう施設が要りますよという申し入れなり、向こうからの申し入れ、これを受けておりますし、死亡事故に関しましては、御存じのとおり現場に出向きまして、そういう関係者を全部集めまして対策を協議をして、事故の対策についても要望しておるところでございます。

○水谷委員 例えば、これ民間の人の協力が要る場合もあるんですよ。例えば、私の近くでよく事故が起こるというところがありまして、それが狭い道から広い道路へ出るところなんですが、歩道がなくて、そして出る右側は造園屋さんが持っているんですよね。木がずっと植わっているんですよ。そうすると、ちょっと出ないと向こうから来るかどうか見えない場所がありまして、それを刈ってほしいという要望が随分前からあって関係者の方にお願いをしているんですが、それなかなかとってくれないんですね。
 そうすると、御承知のように、これちょっと出ないと見えないんです。ちょっと出たところへぼんと当たるというのは結構あるんですね。年間二、三回、そこで、その場所であるというようなことがあるんですね。
 ですから、やはり事故を防ぐということが第一番ですから、もう原因がわかっているところが、今なんか全く原因わかっている話ですから、その対策を何としてでも講じるということを、警察だけやなしに、警察だけでは無理ですから、県土整備部あるいはいろんな今言う民間の方ですね、それを巻き込んで、そして地域の交通安全協会なんかもあるわけですから、いろんな地域を巻き込んだ中で、その対策を、1つでも2つでもつぶしていくという対策をきちっととってもらいたいなというふうに思うんですが、ぜひ、その重点箇所というのはあると思うんですね。ぜひお願いしたいんですよ。

○福山交通部長 よくわかりましたので、その辺については各関係機関と連絡を密にしまして、早急に対応いたしたいと思います。

○水谷委員 委員長にお願いしますわ。警察がやかましく言ってくれないと市町村も動かないです、これ、役所も動かないんですよ。この地点でしょっちゅう事故起こっているやないの。ここへ歩道を一つつけてくれたら、これもっと少なくなるよというところあるんですね。そこになかなか歩道がついていかないということは、土地が買えないとかいろんな原因はあるだろうけども、やっぱり事故をなくすためにはこれをしてもらわなだめですよということを警察からもっとやかましく言ってもらわないといけないと思うんですね、役所あるいは地域に対して。要望しておきます。

○福山委員長 ほかに御質問、御意見ございませんか。

          (「なし」の声あり)

○福山委員長 ほかになければ、警察本部関係についてはこれで終了いたします。当局には御苦労さまでございました。
 暫時休憩いたします。なお、再開は午後1時といたしますので、よろしくお願いいたします。

 

                    (休  憩)

 

 〔再開の宣告〕

 〔教育委員会関係〕

 〔出席説明員紹介〕

  1 所管事項の調査

    1)三重のくにづくり白書及びその他の事項について

  (1)当局説明

    〔土橋教育長、澤川学校教育分野総括マネージャー、山川生涯学習分野総括マネージャー、安田教育支援分野総括マネージャー〕

  (2)質疑・応答

 

○福山委員長 御意見がありましたので、白書以外の所管事項ももうすべて説明をいただきました。
 ただ、今から質疑、議論する中でちょっとあちらこちら飛びますと整理ができにくいですし、白書についてはちょっとまとめて後、報告をしなければいけませんので、4点、白書4つ最初この中から説明いただきました。生涯学習の推進、それが1点目、それから2点目が学校教育の充実、それから3点目、文化的遺産の継承と活用、それから4点目、スポーツの振興ということで、4つにわたりまして白書についての事項をまとめていきたいと思います。
 それに関連のある所管事項はそこにくっつけていただいて議論をしていただくと整理がつくと思いますので、まず1点目の生涯学習の推進というところからいただけないでしょうか。質疑、御意見。これでいきますと34、35ページですね、白書のページから行きますと。よろしくお願いいたします。
 資料がちょっと膨大ですが、前もって送らせていただいておりますので、順次進めていきたいと思うんですけど、御意見ございませんでしょうか。

○萩野委員 全部でしたらどうですか。

○福山委員長 それでいいですか。

○萩野委員 まとめるのは委員長、副委員長でまとめていただいたら。

○福山委員長 それが整理がしにくいので申し上げたんですけれども、よろしいですかね。それにきちっと該当しない場合は、その他もう一度、別に復活していただいても結構ですので、なかなかここへ当てはまれというのは……、関係はしてくると思うんですね。生涯学習特に御意見なければずっと進めていただいて、あと白書関係ということで、それでは御意見いただけますか。

○田中委員 学校教育の充実のところで、まだ評価の中で高等学校再編活性化基本計画を策定しましたということで、いろいろ各地域の意見を聞いたり、進められつつあるところなんですが、いろいろな学科の再編、それから高等学校の統廃合、それから全県1区の受験ですとか選抜ですとか、学校、特色ある学校づくりをしていこうということと、そうしたいろんな取り組みは非常に理解ができるんですね。いいことだと思うんです。
 そのことで学校がどんどん特色を出して、生徒が行きたいところへ行くようになるというのは非常にすばらしいことなんですが、ただ、各地域の動きを見ていますと、どうも反対意見が多いんではないかというのが実感なんですね。それで、これは教育委員会とやっぱりそれぞれの地域で相当に意識差があるんではないかと。同じスタートラインに立っていないというふうに思うんですね。
 したがって、例えば鈴鹿の教育委員会からもこちらの方へ、県の方へお願いごとがあったかと思いますが、全県1区で選抜をされますと、鈴鹿地区は四日市、鈴鹿に優秀な生徒をとられてしまうんではないかという、教育委員会は「そんなことはないですよ、頑張ってください」ということなんでしょうが、現実に先生方も地域の方々もそういう意識を持っておるんですね。
 というのは、今までの高校選びというのは、例えば、ある生徒があの学校のこんなところが好きなんで行きたい、中学校の先生は「いや、君の学力だったらB高校にしなさい」、逆にB高校へ行きたいという人は「君の学力ならA高校にしなさい」、こういう指導は間違いなく行われていますし、親たちもそう思っていますから、今言った全県1区でやっちゃうと、そういうふうに生徒が流れてしまうという状況は、そういう常識の中では起こりうると思うんですね。
 そうすると、政策そのものは非常にいいことではあるんですけども、現実はそうはならないということで、この残った課題、その要因と考えられるところに、ぜひ地域と教育委員会との意識差ですか、そうしたものを埋めていって、理解し合ってスタートするみたいなところを相当努力してやっていただかないと、政策だけ見ていればいいんですが結果が伴わない。
 逆に教育委員会に対しても相当な批判が浴びせられて、教育行政そのものも非常にやりづらくなってしまうという、双方によくない結果が起こるんではないかという心配をしておるんですが、そのところの課題、要因あるいは対策みたいなところを、やっぱりしっかり議論をして打ち出していただく必要があるんではないかと思っておるんですが、お考えをお聞かせいただけませんか。

○中沢政策企画分野総括マネージャー 鈴鹿地区、先生御指摘されたわけですけども、今要するに地元の方々と協議をしながら進めていくという、そういうスタンスをしておりまして、鈴鹿地区、今4地域が県が予算化して協議を始めているわけですけども、鈴鹿地区についても、7月に入って中学校の校長先生、高等学校の校長先生が一堂に会してそういう協議を、どんどんその場を広めていきたいと。
 今御指摘されたように、地域の方々との温度差、意識の差があってはやっぱり教育はうまくいかんという気持ちを持っておりますので、誠心誠意そういう努力はさせていただきたいなと思っております。
 以上です。

○田中委員 ぜひやっていただきたいんですが、例えば、校長先生方だとか教員の皆さん方と教育委員会が話しているということでは、常識的には説得という形にもなりかねないんですね。それと、高校の問題については、地域の皆さん方もかなり声を出しておられまして、そういう方たちとのギャップも埋めていく、説得じゃいけないよということと、その地域住民の方たちとのギャップを埋めていくということに相当な努力を要するんではないかというふうに思うんですよね。
 本当にそういう会合を開いてそれでよしとするのか、では心もとない気がするんですが、私はもう天と地ほど認識が離れているんだというふうに思うんですよ。そういう認識がもしかしたら教育委員会さん、ちょっとした差だと認識されているのかなという、今のお話聞いて思うんですが、そういうことはないですかね。

○土橋教育長 実は鈴鹿のいわゆる教育長、それから中学校長ですか、そういう方から陳情を受けまして、いろいろ話を聞きました。一つはその唐突感ですね、いわゆる心の準備もないときに県教委が示したという心の準備のなさ。それから私たち私たちというのは陳情者側の話なんですが、陳情者側の意見を聞いてほしいと、意見交換の場をつくってほしいと、そういう場をつくるから、また支援してほしいということがございました。
 大きく分けてこの2つが要望の趣旨でございまして、私もいわゆる時代の変化に対応していかざるを得ないと、そこのところはいろいろと話し合ってお互いに理解を得たいと、いわゆる強引に、エイ、ヤー、トーでやっていくつもりは毛頭ないんで、そういう形で意見交換の場、今説得というお話ございましたですけれども、ある面説得になるんかもわかりませんが、そういう強引じゃなしに、お互いに意見の交換の場を尽くして、いわゆるお互いの理解を得ながら進めていきたいなというふうに基本的には考えております。そういう形で陳情者の方にも一応納得といいますかそういう形で帰っていただきましたですけれども。

○田中委員 鈴鹿も確かにそうですし、議員として意見交換していますと、必ずしも鈴鹿だけではなくていろんなところでそういう話が持ち上がっているということです。
 ぜひ慎重にお願いしたいということと、特色ある学校づくりに、例えば先生方のキャリアステップの意味合いもあって、定期的に人事異動もされるというふうな形もあるんですが、そうしたら人事施策ですとか、なかなか給与はさわりづらいんでしょうけども、そうした特色にあったその先生方の配置みたいなことも検討課題としてはとらえられておると思うんですけども、ぜひまた大事なことだと思いますんで検討していただきたいと思うんですが、その辺はいかがなんでしょうか、並行して検討されているんでしょうか。

○中沢政策企画分野総括マネージャー やっぱり学校、特色を図るためには、先生のそれぞれというか、これございまして、今まではそういう人材を、例えば福祉科をつくる場合には福祉科の先生、再教育を受けるというか、家庭科の先生、そういう人材の発掘を図ったり、それから、そういう特色ある高等学校、特に学科なんかで随分持つ、そういう場合に再教育、または特別免許状という、そういう形で先生をやったと。これは相可高校の食物調理科なんかはそういう先生が入っていらっしゃるわけですけども、そこは両輪のような形でやっていかないとうまくいかないかなという認識は持っております。
 以上です。

○田中委員 いずれにしても政策そのものは私は賛成していまして、各学校、特色持てば、生徒が自由に選べれるというのは非常にいいことだと思うんですね。それぞれが競い合っていけば非常にすばらしいと思うんで、ぜひそうなるような形で意見を聞いていただくと同時に、いろんな管理の仕方も含めて、ぜひ大きな課題としてとらえて引き続きやっていただきたいということを、要望ですが申し上げておきたいと思います。

○福山委員長 それでは、ほかにいかがですか。

○溝口委員 白書に関しまして2点ほどお聞きしたいと思います。
 その一つは、教員の指導力向上ですね。これと先ほどの説明の教員の指導力不足の対応ですか、これと関連しますけども、中間報告今説明ございましたけれども、その指導力不足の教員によりまして生徒が学習の理解できない、あるいはまた生徒や保護者の信頼関係を損なう、こういう場面が出てくると思うんですが、病気の場合は別ですけども、病気以外の理由で十分この指導力を発揮できない場合もこれ対応しておるわけですね、システムは。
 そうすると、一体今こういう指導力不足の先生、現状といいますか、どの程度いるのか、どう把握されておるのか。それに基づいてこういうのをやられようとするのか、実態どうなっておるのかをお聞きしたいのが第1点になります。
 もう一つは、この説明の図式を見ますと、将来この対策としまして、研修をして現場が復帰可能なのは復帰、研修してですね、そしてまた復帰不可能な者は他の職へ配置転換とかありますね。あるいは退職の勧めですね。いろいろありますけども、指導してよくなる先生は指導したらいいんですが、どうも教師をやってみたけどもなかなか教えることが嫌だし、どうも恐怖心あるし、もうできたら他の職へ変換したいんだと、もう研修受けても余り効果がないと、みずからがそう判断した場合、そういった場合は申請して、こういう研修を外して、他職というんですか、もちろん教師の免許もなくなるんでしょうね、そういうので可能なのかどうか。
 だから、何とか研修して直る人なら僕これでいいと思いますけども、もう向かないと、生徒教えるの嫌だと、もう立つのも嫌だとか、そういう人をいつまでも研修で引っ張ってもしようがないから、そういう場合は、本人の申請があれば、本人の意向も聞いて総合文化センターとか、あるいは埋蔵文化センターとか、あるいは事務職とかそういったことも可能なのか。そこら辺はいかがですか。というぐあいに第1点ですね。
 もう一つは、博物館につきまして今説明ありましたけども、これ昭和61年から答申出されて今日に至って、私も10年間検討を見守っておるんですが、これいつまでに検討するのか。もう中身については詳しくは聞くだけのものはないんですが、今後どのようにこの着工に向けてスケジュールを考えているのか、新しい博物館を考える検討会、2年間続いて、これ民間の手法で3年間立てたんですね白書との関連で。文化的な何とかとあったわ、文化遺産の何とか、ここで説明あった・・・・。
 そこら辺簡単に聞きますけども、いつまでも、もう10年以上たっていますから、だからどういうスケジュールでやるのか。ただ単に検討の時間だけが延びているような気がするんですが、その2点をお聞きしたいと、こう思いますね。
 以上です。

○安田教育支援分野総括マネージャー 前段の分についてまずお答えをさせていただきます。
 指導力不足、指導力が不足している教員はどれぐらいいるか把握しているかというお尋ねでございますけれども、現在まだ検討中といいますか研究中でございまして、この指導力不足教員の定義そのものも、これから定義をこれで固めていって、具体的にどういった方を指導力不足教員とするかというのは今年度決めていこうということでございまして、現在それとは別に、教壇につけないという教員につきましては、今先生おっしゃっていただきましたように精神疾患でつけないという教員がおります。
 これは例年おりまして、現在5月1日現在で休職中が26名、病休中が23名、トータルで約50名でございます。これは年々、これ5月1日現在でございますので、ずっと年間通じますともう少しふえてまいりまして、どうしても100名を超えてしまうというふうな実態がございます。
 それとは別に、これから取り上げていこうとする場合は、休んではいないけれども、ちょっとやっぱり指導力に問題あるんだというふうなケースが出てまいろうかと思いますけれど、それは、個々こういったケースということで校長を通じて審査会を設けまして、その審査会でもって、この人はそれではそういうことで研修を受けていただこうかということを認定していくということでございますので、今数字ということについてはちょっと把握していないということでございます。
 それから、後段にございました、その本人から、もう私は勤まらないから職変をしてほしいという部分については基本的には考えておりません。といいますのは、教員として教壇に子供たちに立つことが、職としてこれはもう無理だというような判断が、所属長もしくは審査会であって、初めて研修も受けていただいて、基本的には復帰していただくことを目標にしながら研修を受けていただきます。
 しかも、それでもどうしてもだめな場合ですと、やむを得ず職変とか、あるいは場合によったら分限免職というような方法もあるわけですけれど、そちらについては本人の御意思ということではなくて、あくまでもこちらの任用者側といいますか任命者側で判断させていただきたいということでございます。そういう方向で今検討させていただいているところでございます。

○土橋教育長 博物館のこれからの進め方でございますけれども、実は私も4月に就任以来、いろんな課題がございますけれども、一つの大きな課題がこの博物館でございまして、いろいろ引き継ぎの中で、また、新メンバーでいろいろ検討しまして、先ほど申し上げましたようにPFIの、いわゆる促進剤としてPFIも調査検討してもらったんですが、余り確たるメリットも出てこない。しかしながら、今のまま建設に着手までの基本的な考え方がまとまっていない。どういう形で博物館を建てていくのか。
 特に、私どもの引き継ぎの中で調査してまいりますと、従来の展示だけの博物館だけでは本当に人がいわゆる継続的に確保できるのかどうか。それにプラス新しい考え方としてオープンスペース、利用者型といいますか、いわゆる展示だけではなしに広くその博物館を活用していただいて、メニューを変えていわゆるオープン型で利用いただくようなスペース、何かコンプレックスとかいう言葉を使うようで、ミュージアムコンプレックスとかいう、そういう言葉を使うようでございますけれども。
 そういう新しい考え方も入ってきておりますよということで、もう1年間ぐらい、最後という言葉でもないわけでございますけれども、この辺でいろいろな今までの検討経過を踏まえて、新たな考え方も入れて、何とか建設に結びつくような、そういうまとめ方を検討プロジェクト会議でこなしていきたいという考え方でございます。

○溝口委員 わかりました。ことし最後という言葉を聞きましたので、最後の検討になることを御期待を申し上げまして、私終わります。
 以上です。

○岩名委員 今の博物館の関連ですが、我々、私もここでの委員会で、もう大分前だけど、例えば人文系と自然系を分離したらどうかとか、そういうことによって県内の各地域の発展を促すということも一つじゃないかというようなことも申しましたし、もう4年ぐらい前にも、津だけにこだわらなくて、津には人文系一つ過去からあるんだから既得権みたいなもので置いておいてもいいけども、自然系はちょっと南の方へ持っていくとか、そういう意見をいろいろ言っているし、議会でもそういう意見がたくさん出ているにもかかわらず、こういうことになって文章になって出てくると、そういうことが一つも加味されていない。議会の言うことは聞かんでもええのか。それで、そういう何々先生がつくった中間報告だとか答申だとか、そういうものだけで、我々の意見が一つも忖度されていないじゃないですか。どういうことですか、それ。ちょっと一遍そこら辺説明してください。

○土橋教育長 今言われましたように、当初考えられておった博物館の基本構想ですか、その後いろんな意見が出ておりまして、正直言いまして今この形で終息するという形に至っておりませんので、向こう1年間ほどかけて、いわゆるそのまとめた意見にしていきたいという基本的な考えでございますので、今の先生のような御意見も十分私どもの方の引き継ぎの中に入っておりますので、それはPFIだけの調査項目でございますので、恐れ入ります。

○岩名委員 これはPFIだけやな。

○土橋教育長 はい、恐れ入ります。

○福山委員長 よろしいですか。

○岩名委員 はい、了解。

○福山委員長 ほかに御意見ございませんか。

○水谷委員 この学校教育ですけどね、僕3月議会の質問でも言わさせていただいたんですけどね、学校週5日制になって、教育委員会は小・中学校で保護者への啓発をやりましたと、小学校91.4%、中学校86%、もうほとんどやっていますよと、こういう結果出ていますよね。ところが、じゃあなぜ保護者に、現実ですよ、なぜ保護者に混乱があるんですか、これだけやっているのに。御理解をいただきましたと言うたね、今。御理解をいただきましたと言ったのに、なぜこれだけ混乱があるのかどうか。それを聞かせてください、一つね。
 それと関連するんですけどね、今ゆとりと学力低下の問題が議論されていますよね。文部科学省でも、要は学校週5日制にしなさいよ、ゆとり教育しなさいよと言って、これがスタートしているというか、そのやっている文部科学省が学力低下と騒いどるやないですか。これどういうことなの。現場に混乱が起きるのは当たり前の話でね、そこのところが結局保護者に混乱を与えているというか原因だと思うんですよね。
 基礎学力向上というのは、決して今までの詰め込み教育と、教える科目ですね、そういうものが低下するからもっと教えよということではないわけでしょう。生きる力とか、そういう人間としての力ですよね、本当の力ですよね、そこのところが履き違えられているんですよね。履き違えられているというか、学力低下、学力低下と、こういうことがよく言われているんですよ。
 こういう保護者の方たちは学力低下というのはこういう学力の低下じゃなくて、科目の学力の低下を盛んに言われているんですよね。すなわち、もう現場の混乱なんですよね、これすなわち。そこのところが全く解決されないというか、文部科学省まで何か補習するやら何やらかんやらといって、いう話ですよね。そこんところちょっと一遍教育委員会としてはっきりさせてもらいたいなと思うんですよね。まずそれ。

○澤川学校教育分野総括マネージャー 私の方からちょっと所見のようなものを述べさせていただきたいと思います。
 それでは、ちょっと私の説明も舌足らずだったかもしれませんが、4月、5月に各小・中学校で実施されております説明会の場で御説明をして、新学習指導要領について、理念というか考え方についてはおおむね御理解をいただけたという、考え方について、理念としてというような形で私としてとらえております。
 ただ、実際の学校現場、まさにこれは大きな非常に改革でございますので、いろいろな形で変わってくるんだろうと思います。授業時間の話だけではなくて、実際にその学力をどうとらえて、どういうものを伸ばしていこうとするのかと、表現力、思考力とか、そういうものをどうやって伸ばしていくかと。
 あとは生きる力というようなものがありまして、なかなかその保護者の方に、どう授業が変わって子供たちが身につけていく能力がどのように変わるかということについて、なかなか目に見える形での御理解というものが、まだ始まったばかりということもあるのかもしれませんが、御理解がまだ私どもとしてもきちっと広報していないのかもしれませんし、まだ御理解いただけていないのかなというふうに思っておりますので、今回の教育改革、単に授業時間だけの話ではなくて、大きな教育観、質の転換だろうと思っておりますので、そういうところがきちっとなされるように、我々としてもいろんな形で努めてまいりたいなというふうに思っております。
 あと、国の方ちょっと一県教育委員会の者として国のことちょっと言うのも差しさわりがあるのかもしれませんが、私として思っているのは、国においてもきちっとした数値として、学力低下について、これまでいろんな経緯もあったかもしれませんが、データにちょっと欠けているところがあったのかなと。国際機関によっていろいろ把握しているデータはございますが、国民の方に、県民の方にきちっとした形で納得いただけるようなデータもなかったのかなと。
 それで、文部科学省としてもなかなかきちっとした形で数値なりデータをつけて、国民の方、県民の方に御説明するようなうまい説得の方法というものを持たなくて、いろいろ暗中模索しているのかなというふうに思っております。
 以上でございます。

○水谷委員 じゃあ現場の先生方に今の話すると、ここも混乱しておるんですよ。わかっていないんです、はっきり言うて。わかっていないというか、わかっていない先生が多い。
 例えば、ある保護者が、この子が学力低下したらどうするの、授業時間が足りないんじゃないの、こういうことを質問するわけですよ。それにきちっと答えられる先生いないよ、余り、それを自信を持ってこうですよということをきちっと保護者に答える先生が。みんなそれ答えてくれれば保護者もなるほどなと納得するんです。それがいないということは、保護者だけが混乱しているんじゃなくて現場そのものが混乱しているんですよね。これ現状ですから、そこのところへ何も手つけないというのはおかしな話と違うかということを言うとんですよ。もう保護者だけの問題じゃないんですよ。

○澤川学校教育分野総括マネージャー 済みません、私も4月に就任させてもらって以来、いろいろな学校、ちょっと時間の都合もございましたが、できる限り回らせていただきました。その中で、校長先生、教頭先生、教職員の方々とお話させていただいて、中には、私の経験だけで物を言うのもちょっと何かとは思いますが、中には、体験学習を通じて真に生きる力をうちの学校ではぐくんでいますよというようなことを力説される校長先生、学校の先生がおられたということも事実でございます。
 地元の自然を生かした形で子供に観察をさせたり、調べさせたり、議論をさせたり、発表させたりというような形のいろいろなそういう体験を通じて、真に生きる力というものを培っているという実践例があるなというのも私の見させていただいた中で感じさせていただきました。一つの体験学習というものが生きる力をはぐくむ上でのきっかけ、突破口になるのかなというふうに思っております。
 ただ、先生おっしゃるように、我々も力不足、準備不足の点がありまして、まだ学校現場まで行き届いていないというような御指摘もあるかもしれませんが、今実際にそういう例もありますし、我々というものを、そういうできるだけ実際に行われている、きちっとして行われている実践例というものを把握して、それをさらに県内の各地の小・中学校に還元していくと、そういうようなやり方で、まず、学校の先生にきちっと自信を持っていただくというような形で努めていきたいなというふうに思っております。

○水谷委員 今マネージャー言われたことは、それはありますよ。だけどね、それはそこのやはり核になる人が本当に何が大切かということを一生懸命説いて、そして地域ぐるみでそういう形にしてきているんですよ。これ物すごく時間かかっているんですよ、そして、それは。この形をなぜもっと全県的に広めないんですか。僕はそれをやるべきやと思うんですよ。もっと紹介して、もっと全県的に広めていけばいいと思う、本来ならね。
 それともう一つ、先ほど国際比較とか、データとか言われましたけどね、ことしの初めに、前の東大総長の有馬さん、藤原へ来てもらいまして講演してもらいましたけどね、データ持ってみえましたよ。あれ多分間違いないやろうと思っとるんですけどね。ああいうデータを本当に教育委員会としてそろえて、そして日本の子供の現状こうですよ、大人の現状こうですよ、今までの教育よかったんですかというのをきちっと突きつけたらええ話ですよ、それをやるべきですよ。
 言っているんじゃなくて、実際にデータ集めて、そして保護者に、その今まで保護者、あなたたちの生きてきた勉強の仕方でいくと大人になってこうですよ、あなたたちの学力こうですよと、こう突きつけたったらええわけや。ただ、今の子供たちは世界的に見てもこうですよというのをきちっと出したったらええわけです。それは、教育委員会としてぜひやってくださいよ。
 それも一つやっぱり親を納得させる一つの方法だと思いますし、いろんな僕は手だてを今講じないと、今この変わり目でしょう、これ今が大切なんですよ、今が。もうこれ公立だめだから私立に入れるとか、いろいろもう右往左往しているわけですよ。私立の門が狭くなってきたりしているわけでしょう。今どういう手を打つかというのを、本当なら今まで考えてきてこの4月できちっと打ってこなあかんかったんや。それが全然できていないんですよ。その混乱が今出ておるというふうに僕はあると思うんですね。

○澤川学校教育分野総括マネージャー まず議員御指摘の1点目の話でございまして、私も見させていただいた好事例を通じまして、非常に自信を持って教育に取り組まれている学校は、まずもとより校長始め教職員の方々非常に一生懸命であるということと、またあわせて地域の方の本当に熱い支援というかサポートというものがあるように感じておりました。委員御指摘のとおり、一朝一夕にできるものではないというふうに思っております。
 ただ、これ特定の学校だけでできるものではなくて、恐らく県内ほとんどの学校、すべての学校できちっとした熱意とプロセスを踏んでいけばできるものだというふうに思っております。ただ、私多くの学校回れているというふうに私も思っておりませんので、できるだけ早めに多くの学校を回って、一つのいい事例を私として勉強させていただけたかなというふうに思っておりますが、あわせて他の事例についてもきちっといろいろ勉強させていただいて、いろんな形で先生方にもお返ししたり、県民の方にもお返しできたらなというふうに思っております。
 あと、国際比較の件でございますが、いろんな数値、いろんなデータございますが、共通して言えることは、特に理数系についてデータ的に見れば、必ずしもというか日本の子供たちの成績はどちらかといえば国際的に見て上位にあるというふうにまとめられるものだろうと思っております。
 ただ、いずれの調査も指摘しているのが、理科や算数が好きかと、自分として一生懸命勉強しているのかということについて、非常に日本は国際的に見てかなり低位の状況にあるということが伺われるわけでございまして、新学習指導要領を礼賛するわけではございませんが、真に考える力とか、自分で学ぼうとする意欲というものが、これまでの教育、いろいろな形で努力されてきたと思いますが、これまでの教育の中でやはり欠けてきたことではないのかなと。
 これから21世紀非常に厳しい社会で国際社会という時代を迎えるわけですので、国際的に通用すると、みずから考えて、そして自分の言葉で自分の考えを伝えられるというような形でどうやって子供を育成していくのかと、非常に大きな課題だと思っております。
 やや立ちおくれの感あるんではないかという先生の御指摘もありましたので、いろんな形で研修プログラムでありますとか、これまでの我々の事業を前倒しして一部実施しているところもございます。できるだけこの4月からの若干おくれもあるわけでございますので、早く取り戻せるように努力していきたいなというふうに思っております。

○水谷委員 最後にさっきのデータの話ですけどね、その有馬さんのデータでいくと、そんな学力低くないんですよ、世界的に見て。それで自信つけさせる。もう一つおもしろいなと思ったデータは、家庭の手伝いをさせる子供と、その犯罪の率とか、それからボランティアに参加したことのある子供が犯罪にかかわる率とか、そういうデータがありまして、もうきちっとデータ出ていますよ。だから何が大切かということを教えるデータとしてはすごくいいものを持ってみえました。
 ああいうものをやはり教育委員会として、きちっとデータとして僕は出すべきだと思うんです、そういうのは。そして、こうですよという方向へやはり皆さん進みましょうよということをやるべきであって、何かわけのわからんけど国が言うてきたからこうですよということでは、それは当然混乱起こりますよ。だから、納得をしてもらう努力をやっぱり教育委員会としてぜひしてくださいよ。
 終わります。

○萩野委員 今の議論にもかかわるんですけども、新しい指導要領が4月から実施されたその理念というか、持っておる意義というか、意味というのはすごく私も理解できるし、いいと思います。ただ、その社会全体が学力偏重といいますか、もっと言えば学歴というか、学歴の中でもどの大学を出たかというような、いわゆる学校歴偏重みたいな社会の風潮の中で、やっぱり新しい学力というか、ゆとりと新しい学力というふうなことは、ゆとりを持って生きる力か、なかなか受け取られにくいんですよね。
 それで、それにさらに拍車をかけたのが3月でしたか、2月でしたか、遠山文部科学大臣が「確かな学力」というまた新しい概念みたいなのを出して、そのことが学校現場での、それまでのゆとりで生きる力という取り組みを、それでまた混乱に陥れて、今水谷さんが言ったような形で学校現場がずっと混乱していると思うんですよね。その辺の本来解決していかなければ、基本的なところで、何の論拠も意見もなしに、やっぱり新しいものを出してきたというところに今日の混乱の原因があるというふうに思いますよ。
 それはそうとして、学校教育の充実の中で、子供の教育は、学校に過度に依存している現状を見直しというのがございますよね。確かに過度に依存していると思うんです。特に、学校週5日制になりまして、土曜日の時間をどうするかというメニューをいっぱい用意しているのは教育委員会や学校じゃないですか。またその土曜日の休み、5日制になったとき、また学校に依存していくような状況をつくっていくんですか、これからも。そこをやっぱり見直していかんと、学校へ行っている5日も休みも全部学校、教育委員会に依存していくというふうな風潮に今見えますわ。今そんな方向に走っているじゃないですか、学校によっては。
 そこをやっぱりもう一度考え直してほしいということと、それから、土曜日、週休2日になるのは学校だけがなるんではなくて、やっぱり社会全体が週休2日制になっていかないと学校週5日制のいい意味は生かせんと思うんですよ。例えば、私のところは田舎ですから、親は第一次産業で土曜日も日曜日の方が働いていますよ。そんなところで子供だけが週休2日やということで、本来の意味の子供のよさみたいなもの、そんな中でなかなか引き出せないと思うんですよ。
 そういう意味で、この学校教育の充実に、地域の週休2日制をも視野に入れた、そういう運動というか、提起というか、そういうものが私は要ると思うんですよ。学校だけ5日制にして子供の受け皿つくっていくというだけでは、やっぱりまた過度に過々度に学校依存をまた助長するだけのことになってしまわやせんかという心配をいたしますが、いかがですか。

○土橋教育長 私どもは、ここの37ページですか、過度に依存している現状を見直しということを書いておりますけれども、週5日制の今回のいわゆる移行といいますか、実施は、やはり学校教育だけじゃなしに、いわゆる平日のアフターファイブ、それから土日、あくまで家庭、地域の教育力にやはりある程度責任を持ってもらうといいますか、大きな教育という形からすれば、家庭なり地域にも肩がわりしてもらう、担っていただく、そういう気持ちで三位一体でいわゆる生きる力を育てていきたいなというのが基本的な考え方でございます。
 それから、地域全体の週5日制の、週休2日制といいますか5日制といいますか、そういう問題につきましては、関係部局とも相談しながら、総合行政といいますか、これはもう全庁的な世界的な流れでもございますし、私どもの総合計画のいわゆる2010年の勤務時間は今1,900時間で、サービス残業とか何とか県庁全体動いておりますけれども、2010年の総労働時間は1,800時間をいわゆる目標数値に置いております。そういうことといえば、三重県庁全体の課題だというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○萩野委員 そういう視点もやっぱりこの中に必要じゃないんかなというふうなことを思わせていただいているだけで、ぜひ考えていただきたいと思います。教育長初めて来たわけでございますので、この辺で終わっておきますわ。

○福山委員長 よろしいですか。
 ほかに御質問、御意見。

○中村委員 37ページには、学校教育の充実の中で研修という言葉がたくさん出てくるんですけども、先ほど溝口委員がちょっと指摘をしました部分と重なりますけれども、この指導力不足等教員ですね、この定義もこれずっと議論されてきて上がっているんですけれども。
 こういった議論をする場合は、原因といいますか、こういう原因があって現状こういう状況にあるからこういうことをしていくというのが一つの議論だと思うんですが、先ほど現状の部分でどの程度見えるんですかというのは、まだわからないといいますか、その定義も検討中ということで、わからないということなんですが、これをずっとさっきから目を通させてもらっていますと、かなり具体的にそういう状況を掌握した上で議論されているように私は見えるんですが。
 その辺もう少し詳しく教えていただきたいのと、それから、こちらの方の9ページあたりに、かなり具体的に指導力不足教員というのはこういうものだというのが9ページ、10ページにずっと上がっておりますけれども、今の先生方、教諭をめぐる状況というのは非常に難しくなっておると思いますよね。
 たまたまそのとき担任した、教えた子供たちの状況だとか、あるいは学年によっても随分違うだろうし、また、突然学校を、突然というか転勤されて新しい学校へ行ったときの状況だとか、都会とまた田舎といいますか、素朴なところで先生されておって都会のど真ん中へぽんと来たときに、また環境ががらっと変わってしまいますよね。
 そういったいろんな複雑な環境によって、この9ページから10ページのこういった事象というのは、本当にまじめにきちっと頑張っておられた先生も、突然こういうことに遭遇する可能性というのは私はあるというふうに思うし、また、長年従来の教え方でずっと来て、ある日、一番脂の乗り切った40代から50代前後ぐらいですかね、そういった先生方が、突然今風の子供たちに会って学級崩壊が起こったりということもしばしば聞いておりますけれども。
 そういったことを考えたときに、本当にこれ校長先生、このシミュレーションでいくと、指導力不足等教員へのその一番最初のそういうことを決めるといいますか、決定権というのは校長先生にあるんですかね、ちょっとわかりませんが、それを教育委員会がその報告を受けて状況を把握していくという段階にありますけれども、こういった部分で、その個人の先生の人権とか、いろんな問題も出てこようかというふうに思いますし、私は学校の先生というのはもう就職したそのときから一人前に扱われますよね。
 そういった環境にありますので、たまたまよほどきちっとした把握をしないと、掌握をしていただかないと、一たんそういうことで名前がのっかって候補に上がってしまうとか、そういうことが起こった途端に、その先生の一生といいますか可能性といいますか、そういったものがもうゼロになってしまうという、伸びる部分が崩壊してしまうという可能性もありますよね、十分ね。
 そんなようなことの議論というのは、こういった中でどの程度されているのか、ちょっと気になっておりますので、まずその点について教育委員会としての考え方、あるいはこちらへこういう議論を調査研究をしていただくときにどういう考え方を出されたのか、ちょっと聞かせていただけますか。

○安田教育支援分野総括マネージャー 冒頭に申し上げましたように、この事業は平成13年度、それと本年度と2カ年の計画で最終的に形をつくっていくことにしておりまして、ごらんいただいておりますのは平成13年度に検討いただいた内容でございます。その中で、指導力不足等教員の定義というのがございまして、元来といったらおかしいんですが、本当に指導力に課題を持つ者以外にも、服務規律上にも非常に問題がある、あるいは資質に欠けるような教員もいると。
 あるいは、精神性疾患で今は教壇につけないというふうな者もいるということでございまして、特に、後段先生がおっしゃっていただきましたが、精神性疾患等の方については、ほとんどが、ケースを見てみましても、子供たち、子供たちというと変ですけど、学校現場あるいはその周辺の環境でもってそういう状態に陥るというのがほとんどでございまして、場合によってはその環境からしばらく離れることだけで治る方もいらっしゃいますし、やっぱりどうしても最終的には、もうそういう子供たちと接すること自体ももうできなくなってしまうというところまで重度になっていくケースもございます。
 そういったことで、採用されるときには全く問題はなくて、私どもも採用試験には模擬授業なんかも取り入れて適格性を見ているわけでございますので、全く問題がなくても、何かの一つの事象でもって、それをきっかけで、どうしてもこういう形で精神性疾患に陥ってしまうケースも多々ございます。
 そういった方々をどういう形で再生していただくかという分につきましては、このツールといいますか、このシステムにも乗せることはできますし、一方ではメンタルヘルスということで、福利厚生的な面で早く治療を受けていただいて再生をいただくというふうな方法も考えておりますので、最も気をつけなければならないのは、委員御指摘のように、その人権の部分ももちろん、プライバシーの部分は十分配慮してまいりたいと思っておりますし、あくまでも、その人事管理上の必要といいますか、そういった観点でこれについては取り組んでいきたいなというふうに思っております。
 まだ、今年度いっぱいかけて具体的にどういう方をそれではどうしていこう、あるいはそれを審査するメンバーはどうしようというところもまだ決まっておりませんので、鋭意そういったところはいろんな御意見を含めてそういう形をつくっていきたいというふうに思っております。
 以上でございます。

○中村委員 今プライバシーという話も出ましたけれども、結構学校の情報量というんですかね、ネットワーク、先生方の情報量以上に保護者の皆さん方のネットワーク、あるいはこのごろ子供さん方も随分、昔と違って先生を評価するみたいな、そういう能力といいますか、能力あるのかどうかわかりませんけれども、そういった情報量が非常に豊かになっておりまして、また、保護者同士の情報、子供さん同士の情報で、本当に先生自体に問題がないにもかかわらず、あるかどうかわかりませんけども、少しのことで一気に加速度的にマイナーな情報が流れてしまって学級が崩壊するとか、そういうことも十分予測もされますので、これから1年か、もう少し議論していただくということですので、その辺もぜひデリケートな部分を時間かけて協議をしていただくことをお願いしておきたいと思います。
 それから、先ほど溝口委員の質問のときに、そういう本人がもうちょっとそういうことは教師として非常に厳しいということで、職種変換とかそういうことを希望したときはという質問があったときに、それはあくまでも教育委員会側が決めることなんだということなんですが、この3ページの国の考え方の真ん中からちょっと下のところに「他に適切な職種があれば、本人の希望も踏まえて転職について配慮することも検討し」という、この「本人の希望も踏まえて」というようなところがあるんですが、この辺ちょっと違うことやったんですかね。

○安田教育支援分野総括マネージャー この場合の「本人の希望も踏まえて」といいますのは、任命権者側がこういう形で、あなたはどうしてももう教壇につくことができないので、例えばの話、事務なら事務でやっていきますかというふうな任命権者側で提案をしたときに、本人の意向も確認した上でという意味でございまして、本人が「私もう勤まりませんので事務にしてください」という方法ではないということでございます。

○福山委員長 よろしいですか。
 ちょっと2時間たってまいりましたので、休憩10分入れたいと思いますので、よろしくお願いいたします。15分までよろしくお願いします。

 

                    (休  憩)

 

○福山委員長 それでは、休憩前に引き続き行いたいと思います。
 どうぞ御質疑、御意見お願いいたします。今の続きということで、まだあるんじゃないですか。白書に関係ないものについてもいいですが、白書に関して何か……。

          (「もういいです」の声あり)

○福山委員長 一たん閉めさせていただいていいですか、白書に関して一応意見が出たので。委員長、副委員長に後まとめをお任せください。
 それでは所管事項その他ですね、御意見どうぞ、お願いいたします。

○木田委員 津西高校の問題について質問させていただきたいと思いますけども、いろいろ説明をしていただいたんですけども、この説明を見ていまして、どうもこの合否判定に至る手続に関して熱心だったような、そういう感じを受けます。手続が正しかったかどうかということで、教育委員会としては判断をしたというようなふうにもとれるんじゃないかなというふうに思います。
 この問題に関しては、受験生、それから保護者の方、それから校長が、受験生やら保護者からの連絡も受けて、その合否判定に疑問を持ったという、そういう事実があったことは間違いないと思うんですけども、その内容について余り触れられていないんではないかというふうに思います。これを見ていますと、一部の採点にぶれが判明したけども、それは影響がなかったというふうに言われていますけども、じゃあなぜ校長さんがその点に疑問を持ったかということについては何も述べられていないというふうに私は感じました。
 それで、本当に大事なのは、その手続がきちっとなされておったかということも大事なんですけども、それ以上に私は大事なのは、やっぱりその受験生が正当に評価されて合否が決まったかどうかというのが一番大事やと思うんですね。これはもう受験生の一生の問題にもかかわってくると、ちょっと言い過ぎかもしれませんけど、その一生のコースにかかわってくる問題でもあると思いますんで、そのあたりにもっと判断の比重を置いて判断すべきじゃないかと、教育者たるものそうじゃないかなというふうに私は感じたんですけども、いかがでしょうか。

○澤川学校教育分野総括マネージャー ちょっと私の方の説明が不十分で尽くせないところがございましたが、ぶれの話をちょっと順番変えてさせていただきますが、ぶれの話、どちらかというとぶれという言葉使っておりますが、採点ミスという言葉で報道されているところもございますので、採点ミスというふうにしていただいた方が先生の御理解の方がスムーズにいくのかなと思っております。
 このぶれにつきましては、本当はというか、他の受験生は2点であるのにこの人だけ1点というふうに間違えてしてしまったということでございまして、ちょっとチェックの過程でいろいろな引き継ぎの不十分等ございまして、本来採点の過程、点検の過程で本当は訂正されるべきものが残念ながら残ってしまったと。
 5名ということでございまして、これについては我々も真摯に受けとめて反省して、プロジェクト会議で鋭意再発防止対策をやっておるところでございまして、そのぶれの話とちょっと直接校長さんが、前の校長さんがいろいろ判断をされたという、お悩みになられたということは、直接的な関係はございませんので、ちょっとまずぶれはぶれの話として御認識いただければなというふうに思っております。
 あと、実際のその採点の基準の話でございますが、あくまで今三重県におきましては、県が示した問題で正答例一つという形で御判断いただいておりまして、実際各学校におきましては、それぞれの受験生の方々からの解答、特に今回の場合問題となりましたのは記述式の問題でございますので、極論して申し上げますと、受験生の数だけ答えがあると言っても過言でないような形で、出ないぐらい解答が非常に多岐にわたるものだというふうに思っております。
 検討していろいろ基準を示せばいいじゃないかというふうな御意見も一部見られるところなんですが、例えば500人、全体で見渡せば1万、2万というふうに受験生おるわけでございますので、すべての方のすべての答案に対応するような統一採点基準というものは物理的にも困難ですし、それが果たして有効に機能し得るのかという問題があるので、ちょっと私どもとしては今のところやっていないわけなんですが。
 実際あとは学校でやっておるわけでございまして、津西の学校下におきましては、実際600人近い受験生がおりますので、その解答を見て、問題となった設問については記述式で2点満点だったというように承知しておりますので、2点にしようか1点にしようか0点にしようか、実際の解答状況を見て、実際こういう答案が多いなと、そういうふうに学校の先生方で考えられて、県の基準はこれだと、これに照らして2点、1点、0点と割り振っていこうと、そういう形でやったということでございます。
 県教委としては、同じ判断を津西と同じ立場に立ってやるということも、今の入試のその仕組み上望ましくない、不適切だというふうに考えておりますので、学校の裁量が本当にそういう形できちっとしたプロセスを経て出されているのだろうかと、手続ということでございますが、やり方の方を見てやって、あとは津西高の判断を我々として尊重していると、そういう形で今回の件について判断させていただきました。

○木田委員 ある程度は理解できるんですけどもね、今プロセスと言われましたけども、ここに、手続及び内容に重大な瑕疵があると判断したと。それで、校長先生に対して同意を得て回収をしたというふうにあるんですけども、そのプロセスに問題があって、そして回収をしたというふうになっているわけですよね。そういう中で、次のページに、合格者の決定は学校長の権限であって、そしてこういうプロセスに基づいて適正な手続を経ることが必要だという中で、どちらに重点を置くかという問題もあると思うんですよね。
 校長先生に権限があるのに、そして校長先生がそう判断してやったのに、そのプロセスがおかしいじゃないかということで、校長先生に権限があるという部分を軽視をして、そのプロセスの方に重点を置いたというふうにもとれるわけですけれども、それはどうでしょうか。

○澤川学校教育分野総括マネージャー 3月31日付の前校長が行いました、いわゆる追加合格通知書の件でございます。ここに書かせていただいておりますが、手続及び内容に重大な瑕疵があるということで、4ページの中ほどに書かせていただいております。手続につきましてあとちょっと御説明いたします。
 内容の方なんでございますが、ちょっと先ほど簡単に触れさせていただきましたが、社会については、設問について指摘のあった受験生の解答及びそれと同趣旨ととれる解答のみ加点していると。ほかにいろいろひょっとしたら見直したら加点されたかもしれないと、その事後の立場に、校長が考えるかもしれないものについて十分な検討を行っていなかったと。特に英語につきましては、実際申し出があったのは2人でございまして、2人の受験生についてのみ加点を行ったと。実際問題としてほかの受験生も同じ答えを書いていて加点される余地があったわけでございますが、その点についてしていなかったと。
 それが3月28日に行われたシミュレーションでございまして、教頭から話を聞いておりました県教委の担当者の方も、そういう不十分なやり方では問題がありますよと。仮に県教委としてまだ協議の余地があると思っておりますが、仮に校長さんが、前の校長が主張されるように見直すということであれば、このような不十分なシミュレーションではなくて、すべての教科について、全受験生について、全設問について見ない限り、そういう不十分なやり方で追加合格を出すというには、余りにも事務的にプロセスが経ていないよということで指導しております。
 ということで、我々として内容面について、その適否はともかくとして、そもそも対象となっている人と、やり方の点に不備があるということで内容面に瑕疵があるというふうにしております。
 あと、手続の話でございますが、先生おっしゃられるとおり、法令上、学校長が入学の許可をするというふうになっておるわけでございますので、合格通知書なるものは恐らく校長名で出されているのが事務処理上の手続だと思いますが、あくまでも最終的に判断するのが校長でございます。
 その事前の話として学校の内規に経られている手続を実際経ないで、校長が1人で追加合格通知書を発行できるかというふうになれば、これはちょっと重大な疑義があると言わざるを得ない話だと思っておりますので、これまで県内すべての学校でいろんな形で審査をして、最終的に校長先生として御判断されて合格通知書を出したというふうな形で仕事がなされてきていると思いますので、そういった面でも手続的に重大な瑕疵があると、内容及び手続に重大な瑕疵があるというふうに私どもが4月1日の段階で判断させていただいたということでございます。

○木田委員 もう最後にしますけども、今の説明を聞いていると、解答例といいますか、それが絶対的なものであって、そしてやはり記述式の問題というのはいろいろ言われたようにあると思うんですよね。
 それを全体のシミュレーションを校長がしていないから、それは無効だよというふうに言われているわけですけども、やはりそういう問題があれば、校長のやり方に瑕疵がある、だから撤回する、回収するというんじゃなくて、やっぱりそういうふうな問題があったら、教育委員会としてほかにも解答があるじゃないかということを、きちっとそれを考えるというか、もう1回やり直す、それが受験生全体に対する公平だと私は思うんですよね。それだけ1点、最後に伺いたいと思います。

○澤川学校教育分野総括マネージャー 実際閲覧の過程におきまして、2人の保護者の方からこういった解答で正解ではないかというような形で御指摘がございました。それについて、その学校としていろいろ御説明、いろいろこれまでさせてきたわけでございますが、例えば3月27日、前校長のもとで1回その質問、御指摘のありました設問について、学校全体で議論をしていただくというような場も設けております。
 それについて、校長は結果を了としなかったわけでございますが、4月2日、3日、その前校長が3月31日の夜に追加合格書を出した後の話でございますが、新校長のもと、新体制のもとで、ちょっとここには書かせていただいておりませんが、我々の指示としてはゼロベースで行っていただいて、もう1回本当に津西高校としてこれまでの採点のやり方で問題はなかったのかと、自信はないのかということを学校としてもう1回議論してくれというふうな話をしておりまして、2日、3日かけて結論を出していただいたということでございます。
 これについては、保護者からの問い合わせに応じて、必要に応じて学校の方から御説明をさせていただいているというところでございます。

○福山委員長 それでは、その他の方で御意見ございませんか。

○杉之内副委員長 今の木田委員の関連でちょっと私少しお話をさせていただきたいと思いますが、4月から教育長として土橋さん、教育委員会のトップになられた。まず、御就任に対しては心から敬意を表したいと思いますが、それと同時に、新たな教育長になったのは、教育改革のいよいよ詰めをやっていくという、こういう意思があって私は土橋さんに教育長になってもらったと、こう私個人は認識をいたしております。
 したがって、今日振り返ってみると、しばらくの間いろいろと教育問題、いろんな事案、事件等新聞ざたになっておりまして、いろいろと父兄の皆さん方や子供たちの思いも教員、先生に対する疑念も含めて渦巻いておるように思えてなりません。
 そこへ今度のこの平成14年度の県津西高等学校の入試問題、これも大変大きな問題として現在、これはもう過去のもののような形でもって教育長は処理をしようという思いになっておるのかなと、こんな思いをいたしておりますが、この問題は終わった問題であるというふうに認識するのか、いや、この問題は徹底して土橋教育長として責任のもとに解明すると、こういうことなのか、そのまず決意を聞かせてください。

○土橋教育長 私も就任早々の事案でございまして、4月は澤川総括、私、担当、ほとんどこの問題に忙殺されました。事の重大さといいますか、受験生、それから保護者の方に対する影響も大変大だろうということで、就任早々私は、この問題の解決は、やはり新しい校長のもとでいわゆる再点検といいますか見直しを徹底的にやってくれと、その上で県教委が判断していこうということで、基本的にはそんな段取りで進めてきた結果が今澤川総括が説明したとおりでございます。
 私は、この問題は、今杉之内先生おっしゃってみえましたように、この問題を大きく掘り下げていくことの是非問題も私本当に真剣に考えました。
 しかしながら、一番私はいいのは、やはりこの問題を糧にしまして、てこにしまして、新しい新しいというよりは入試問題に対する信頼回復、ここに一番最重点を持っていくべきじゃないかなというふうに思いまして、今その改善プロジェクトを立ち上げて、その中でいろんな疑問なり、いわゆる不信感を呼び起こすような点、特に記述式の問題の点につきまして、そこをどういわゆる入試に持っていくのか、また解答、採点に持っていくのか、その辺も中心にしっかり議論をやっていただきたいということで、今プロジェクトの方にお願いをしておるわけでございます。
 杉之内先生の今のお話に沿う形になっておるかどうかわかりませんけれども、いわゆる2名の方から自分の採点と、いわゆる津西高校の採点と差があるということであったわけでございますけれども、3月までのいわゆる体制のメンバーでチェックした点数、それから判定、それから新体制でのいわゆる見直し、判定、ここに揺らぐものがなかったということで、私としてはこの問題はそれで整理させていただいたというふうに御理解をいただきたいと思うわけでございます。

○杉之内副委員長 この問題は、くにづくり宣言のこういったいろんなことを、これ今議論をしているさなかの問題の中で、僕としては、私は教育常任委員会の委員の1人としても避けて通れないと、これに目をつぶっていくということは本当に私自身もこれでいいのかなという、実は自分、自問自答しておる1人なんです。
 と申しますのは、もう少し具体的に申し上げますと、1名の、また何名かの生徒さんが不合格をもらった、そして合格もらった、そしてまた不合格だと、こんなことは子供としてみれば、生徒としてみれば考えられんことなんですよ、実際言って。私はせめて教育長は、澤川さんはそれは担当の部署にある立場だから、何とか教育委員会を守ろうという気持ちがあるのかもしれんよ、あんた。教育長はそれをやっぱり破らないかんですよ。
 例えば、一つの例を挙げて、僕たち素人でもわかりやすい問題をひとつ確認したいと思うんですが、きょう来ていらっしゃる澤川さんも、それから安田さんも教育長もひとつ含めて教えてほしいんだけどね、こういうテストがあったんだね。社会科ですよ。
 この中で、まず「日本国憲法は最高法規であることを示しているが、憲法の下位にある法律などというものについて、どのようなことを守っていかなければならないか」と、こういった記述、要するに出題ですね。この中で、日本の基本法としての憲法は日本国憲法、そして法律だ。それから命令、規則と、こういうことがあって、その中の問題として「憲法の内容に反しないようにすること」という形で設問があって、要するに子供がそれに対して答えを出しておる。
 その正答例は「憲法の内容に反しないこと」、これがまず一つ正答例になっておるんですよ。ところが、その同様の趣旨であればよいという部分点も可能だということでは、「憲法に従う」ということも、これは入りますよ、これ絶対に。「憲法に沿う」ということも、「憲法の精神を守る」という、「憲法に基づく」、これは加点されないわけですが、やっぱり教育長もそう思うか。これ0点とするか。加点とした場合、先ほど2点か1点となるということを澤川さんおっしゃったね。これを書いても0点の人がおる子供がおった場合、これだれがどう責任をとるんだ、この問題。
 この問題どう考えますか。書いた子がいるんだ、実質。これ0点となっているのはどうしますか。大事な問題ですよ、これ。僕はこの流れ全部大体聞きましたよ。そして現場も見せてもらって子供からも聞いたよ、いろいろと事情も。でも、このまま過ごしていくことは、あなた方きょう教育委員会の皆さん座っているけどね、何ら今後これらつくって我々に示す資格ないですよ。私はそういうふうな問題にまで思っているんです。心痛めておるんですよ、私は。これを今、澤川さんはいろんな意味で私たちに説明してくれた。しかしこれは違うよ、内容が少し。
 もう一つ、僕はこの子供の関係から来るものを、聞いた話の中で本当に涙出る思いしたね。これは6月3日のNHKのニュースであったんだな。名前は伏せましょう。こういうこと書いてありますよ。津西高の入学試験に関して採点に問題があると。来年度からこういうことがないようにして検討しているということを聞いたというわけだな。この問題に関しては新聞でも報じられておると、これはもうずっと私は新聞を気にしていますが、ずっと追い調査をしてまいりました。そして、この中で特にわかりやすいことがわかりにくくしているということの意味でこれ書いていますね。
 これは、中学校から高校へ行く最も多感な年齢の子供たちです。私たちも、私も子供3人、高等学校入学させて苦労しましたよ。そういう中で、本当に合格できるかな、不合格かなと物すごい心配していますよ。その中でクリアしてきた場合はそれでいいわけね。ここで、ここに書いてありますよ。その結果、1度目は不合格だったと、2度目に合格、さらに3度目また不合格という、子供にとって全く不可解なことが起きて現実になったという、こういうことですね。
 第一の問題点は採点のミスですと、僕もこれは採点のミスだと思いますよ。憲法からいったら、これは加点されてもいい点数ではないですか、1点でも。0点というのはこれはミスですよ、採点の。英語の場合は、僕ももう少し勉強しなきゃわからんので、少しいろいろと検討して、これもひょっとしたら加点されてもいいのかなという思いもしています、自分自身は。でも、憲法の問題、今非常に論議されている問題だけに物すごく皆さんも神経とがらせていますよ。
 そういった形からしたときの問題定義が、なろうことにこの三重県教育委員会からこんなことが出たということね。これは土橋さんとしても不徳のいたすところか知らんけど、残念でしようがない、私。あんたも残念だと思うよ。
 そんなふうなことから、子供がこういった形で手続とはどんな手続なのかという問題も発しています。そしてまた、それに対して今後対応しますと、これが7月中に結論出すと、こんな7月中に結論出せるような問題ですか、これ。そのメンバーも聞いたら皆さんが考えた人たちばっかりじゃないですか。こんなものイエスマンの人たちばっかりだよ、僕に言わせたら、この委員会のメンバーも、申しわけないけども。
 はっきり申し上げとくわ、こんなもんだれが任命したのか知らんけど、僕に言わせたら本当にイエスマンの皆さん方ばっかりがプロジェクト入っているじゃないですか。我々委員会にこんな説明あったか。こちらに資料出しなさいといって、あんたたち出してきたらこんなメンバーだよ。こんなことで本当に三重県の教育改革なんてできるとは思いませんよ。
 こういったことを一々言うていきますと、これは僕は避けて通れんというふうに思うもんですから、教育長にもう一度お尋ねいたしますが、これをやるとあんたたちはひっくり返る問題だと思いますよ。ひっくり返るかもしれん。でも知事のときだって、三重県のカラ出張問題でもひっくり返ることをやったんだ。それでここまで来たんじゃないですか、これ。三重県の改革できたんですよ。教育委員会もやったらいいじゃないですか、それぐらいのこと。それが本当の改革のスタートですよ。
 それが405名だろうが、通った人がおるんだったら通さなきゃいけませんよ、これは。あとは内申書の問題で逃げるかもしれんけど、それはそれで構いません。僕はそんな問題言っているんじゃない、この本当の正解答やで部分加点も可だというこの問題で0点としたことに対して、この責任はどうするんですかということと、そして、その方が通った通らないは僕はわかりません。1点加点されたから通ったとか通らないという問題は僕は議論している気持ちは今ありませんよ。だけども、現実問題こういうようなことが実質葬り去ろうとされている問題は、これはいかがなものかという、このやっぱり基本姿勢を僕は問うていきたい。
 それで、皆さん方は、先生方のために子供はおるんじゃないんです。子供たちのために先生方がいらっしゃるんですよ。そのために教育委員会もあるんです。まじめにやっている先生方もたくさんいらっしゃるわけですよ。その人たちを無にしてはなりませんね。そういうことを含めて考えると、この問題は僕はこのままではちょっといかがなもんかと思い、問題提起を改めてさせていただきます。
 したがって、このプロジェクトをつくったのは今後の問題でしょう。現時点で起きたこの問題については結論を出すんですか。今後の問題としてプロジェクトをつくったのかということなのか、その辺のところもはっきりとひとつ御答弁ください。

○土橋教育長 その社会の問題については澤川総括から説明させていただきますけれども、私どもといたしましては、津西高校の問題は一つ私どもは整理させていただいたと。いろいろな思い入れがございますけれども、整理はさせていただいたということには変わりはございません。これはまことに申しわけなく思っておりますけれども、整理はついておるというふうに思っております。
 それで、プロジェクト会議は、今後の入試改善、透明性、信頼性、そういうものを含めて改善に持っていきたいと。これは県民の信頼回復も含めて、願いも込めて、そういう形で改善策を具体的に措置していきたいというふうに考えておるところでございます。
 社会科の問題につきましては、ちょっと澤川総括の方から。

○澤川学校教育分野総括マネージャー これまで資料にも書かせていただきましたが、実際津西高におきましては、実際の解答状況を踏まえ採点したということでございまして、詳細について申し上げるわけにはまいりませんが、実際の解答を見て、こういう形で2点、1点、0点というふうな考え方をしようと。
 それで、実際の場合は、前の校長が記者会見等で言っているとおり、かなり厳しめにというふうに学校としても受けとめているとおり、かなり答えの状況がよかったということもありまして、この点については比較的、硬直的だったと、私は学校の話を聞く限り思っておりませんが、かなり学校の中では厳しめの採点かもしれないなというふうに思っております。実態が、生徒の解答状況がそうなったということを踏まえて、学校としてこういう判断をしたということでございます。
 あと、部分点の点のつけ方につきましても、実際いろいろな解答が寄せられてきたわけでございまして、その中で、こういう要素が入っているものについては1点にしようと、しかし、これが欠けている、残念ながらだめなものについては0点としようという形で採点が行われたというふうに聞いております。私どもも、その入試ということで、非常に人の一生にかかわる大きな話だというふうに受けとめております。
 学校の方も、ちょっと別の校長先生のお話になりますが、本当に身を切られるような思いで実際採点に当たっているというふうに聞いております。この4月2日、3日の検討におきましても、社会科、英語科、担当教員本当に身を切られる思いで入試の結果をどのようにするかということで御検討なされたんだというふうに受け取っております。
 学校としていろいろ、先生から言われているように、いろいろの御異論もあるかもしれませんが、学校として実際の解答を踏まえて一貫した形で、じゃあこういうふうな形で採点しようというふうな形で採点が行われたわけでございますし、我々もその学校の判断を尊重したいなというふうに思っているわけでございます。

○杉之内副委員長 じゃあもう一度確認しましょう。教育長、憲法に従う、憲法に沿う、憲法の精神を守る、憲法に基づくというのは、これはあなたとしては0点か1点か2点か、どうや。

○土橋教育長 そのお答えにつきましては、今の澤川総括の答えの域を出ません。微妙な問題ですし……。

          (「微妙でも何もない、わかっとらへん、こんなもの、どういうことや、これ、微妙というのは、何を言うておんねや、あんた」の声あり)

○土橋教育長 と言いますのは、何度も繰り返すようでございますけれども、学校によって、採点の分布によって厳しく、というのは、学力というのは、ある一定以上とれば受かるという性質じゃございませんので、上からとってくという、そういう面の側面も持っていますもんですから、いわゆる問題によっては厳しく……。

○福山委員長 ちょっと待ってくださいね。

○杉之内副委員長 ちょっと教育長、今僕言ったやつが、その点数は1点か2点か0点かということを聞いておるのはどうやと。これ正しくないと思っているのかということを聞いとんの。そんなあとのことはいいわ、わかっとるよ。こういうような僕たちにわかりやすく、県民はわかりやすくした方がいいよ、教育長。あんたこれ0点かというの、どうなの、点数はあげられませんか。

○土橋教育長 私が答える立場にございません。いわゆるこの採点基準につきましては、津西高校の採点基準よって採点しておるわけでございまして、これは……。

○福山委員長 よろしいか。

○岩名委員 この問題、本県のみならず、昨年も山形大学や富山大学、金沢大学。また、高等学校でも大阪府立高校で6人が誤って不合格になったというようなこともありましたし、これ全国で非常にたくさん起こっている事例ですね。しかし、やはり最終的にはどこでもみんな各県の教育長が陳謝しているんですよ。ところが、あなた方は、ただその、いや前校長の責任だと言わんばかりの話をして、全部罪を前校長になすりつけて、そして自分たちは責任逃れをしているというふうに私には見えるんです。あなたたちはどう考えているか別だけど。
 それで、一番犠牲になっているのは子供なんですよ。それであなたたちは子供たちのために教育行政やっているということを忘れとらへんのかと私は言いたいの。もっと県民にわかりやすく説明しなきゃ、今の杉之内先生に対する答えでも答えになっとらんじゃないの。
 大体そもそもこれはマル・バツ式の試験じゃないんだよね。記述式という、やっぱり幅を持たせた解答式を選んでいるわけですから、その中に答えは一つじゃないわけですよ。そんなもの当たり前じゃないの。それをあたかも一つしかないようにここに書いてあるけども、ここに正答例、「憲法の内容に反しないようにすること」と、これが正答例で、これが正しいとして、これしか書いていない人には2点しかやっていないわけだよね。これに類似するものがあってしかるべき、だから記述式なんですよ、これ、そうでしょう。
 そして、この横に「同様の趣旨であればよい」ということまで書いてあるやないですか、採点する人がわかりやすいように。じゃあ同等の趣旨であればよいと、今杉之内先生が言われた幾つかの類似した答え、これは当然合格になるに決まっておるじゃないですか、そんなこと。ですから、私は決まっていると思いますよ。それなら生徒の立場ありませんよ。こんな一言一句違わないように「憲法の内容に反しないようにすること」、これだけでは、まさに硬直化した教育しか受けられないということでしょう。そこに幅を持たせているから記述式という方式をとっているということをあなたたちは忘れてはいけないと私は思いますよ。
 そもそもこういうトラブルが起こったのは、教育委員会が閲覧をさせると、教育的配慮からそういうことから始まって、これが明るみに出てきて、間違い点が指摘されるようになってきたわけですよ。これは当然ながらあんたとこが火つけた話なんだよ。しかし、責任は全部いわゆる前校長に押しつけているという点が私は了解できませんよ。これ事によったら証人として前校長呼んでここでやりましょうや、そのぐらい重大な問題ですよ、これは。それで、知事も新聞のコメントでもっとわかりやすくやってほしいとか、いろいろ言っていますよ。そういう期待にあなたたちはこたえていないじゃないか。
 これは重大な問題ですよ。これ子供の将来、あるいは子供の精神的な負担にとって大変な問題を残したと私は思いますよ。そして、それを自分たちのせいじゃないんだ、責任じゃないんだということばっかりが前面に出て、事の本質が一つも論じられていない。こんなばかなことで、あんたたちがどんだけ100万遍教育を語っても語る資格はないですよ。
 これ私は、もうあなたたちそんなしり込みして、これから直せばいいと、教育長さっきから言っているけどね、これからはいいけど、これからもちろん直していただきたいけれども、今後のその5人の傷ついた子供たちはどうなるんですか。
 私は、少なくともあの混乱の中で校長が選んだ判断は、あなたたちよりもすぐれていたと思うよ。すぐれていた、これは私の意見ですよ。すぐれていたと思いますよ。それで5人を合格という措置をとったと。それは自分たちの採点が間違っていたということを認めたからですよ。あなたたちは何も認めようとしない、自分たちの非を。こんなことで教育行政任せられませんよ。このことについてあんたの意見言ってください。

○岩名委員 ちょっと議事進行。

○福山委員長 議事進行、はい、どうぞ。

○岩名委員 あなたさっきからずっと答えておるけど、あんた4月1日に赴任してきたんでしょう。この試験は3月13日に行われているんですよ。経過も何も人聞きのままで、中沢さん、あんたが一番張本人でしょうが。あんたがこれに立ち会ったんでしょう、全部、違いますか。あんたが答えるべきでしょう。

○土橋教育長 事情聴取はもう皆澤川総括に現場のヒアリングから何から全部澤川総括が一手販売でやってきましたものですから。

○岩名委員 それなら、僕はここに資料があるから全部出してもいいけども、あんたそんな澤川さんが出てくるのは、それこそ4月になってからなんだな。これ問題がもめてずっといろいろと紛糾したのは月末ですわな、一番紛糾したのは。そういう時点の中で起こっている問題ですから、教育委員会がとった、例えば教育的配慮によって閲覧をさせたと。これ澤川さん全然知らないことなんですね。そういう知らない人がそんな担当だからといって無責任なこと言っちゃいかんよ。何を言うんだよ、そんなもの、ここにいなければ仕方ないよ。中沢さんがいるんだよ、中沢さんが答えるべきでしょう。

○土橋教育長 3月31日までは現実にここでおったのは安田総括と中沢なんですが、4月1日後、着任以来、この問題が表に出てきたのは3月31日の夜11時に発生いたしまして、それから4月1日以降、いわゆる前校長のもとで、8時半ぐらいやったかな、午前中電話ありまして、それからいわゆる回収なりいろいろな事案が発生したわけでございまして、その後の具体的な事実、調査、それからまた前校長に会ったり、新の校長に会ったり、事実確認をさせていただいたのは、4月1日に着任した澤川総括でございますので、その辺はちょっと誤解のないようにお願いしたいと思います。

○岩名委員 さっきから再三言っているように、この事の発端は、教育的配慮から答案を閲覧開示したことによって、いわゆる誤採点、間違って採点したという人が80人も出てきたわけなんだよな、80人。それは社会科で80人出ているんですよ。このことについては何ら言及されていないんだよね。それは学校側も認めていることなんですね。
 いずれにしても、先ほど杉之内さんが言っているように、この答えは正しいのか正しくないのかということをはっきりすることが県民に対する説明責任でしょう、あんた、ばかなこと言ってはいかんでしょう。そのいろいろ選び方があるだとか何とか、上からとっていけばどうだとか、いろいろおっしゃったけれども、しかし、合っていたか合っていなかったかというのは、これははっきりすることなんで、そして、そんなこともわからん人が採点してもらっていたんでは困るわけで、記述式という方式をなぜ採用しているかということにも問題になるわけなんですからね。
 だめだ、そんな。澤川さんて、あんたね、文部省から4月1日やってきて何か代表してしゃべっておるけど、おこがましいよ、それは。何言っているんだ、現実も何もわからずにやね、冗談じゃないよ。

○福山委員長 岩名委員、何か直接お答えになってほしい方は、どうですか。

○岩名委員 だから、中沢さんが答えるべきだよ。

○福山委員長 そういう意味ですか。それでは中沢総括マネージャー。

○中沢政策企画分野総括マネージャー 済みません、私去年仕事としては同じ高校籍にいてこういうことに、自分も現場で携わったし、あのことやってきましたけども、昨年は審議監ということで、高校教育改革というものを特命で受けておりまして、直接の担当者でなかったというか入試業務は担当しておらなかったというんで、相談には乗らせていただきましたですけども、そういう決済をしたりとかということはやっておらなかったので、御理解いただきたいなと思います。

○岩名委員 ここに、前校長が書いた記述がありますから読みますけどね。「4月1日、県教委中沢総括マネージャー」、もうマネージャーになっているんだ、1日だからな。「8時に合格通知文をファックスし、電話で通知書送付について説明した。10時に県教委に呼ばれ、あなたのとった行為は、事前に定員をふやしてとる場合、県教育委員会と協議をする必要があるのに、それを怠ったことは違法行為、校長権限を逸脱した行為である。即刻5校の中学校へ送付した合格通知書を取り戻してよいかと同意を求められた。私は、定員をふやしたのではなく追加合格者を出さざるを得なかっただけだと反論したが、数人からやみ討ち的な職権乱用だと大声で叱責された。私としては違法行為ならば認めねばならず、やむを得ませんねと答えざるを得なかった。そして、県の教育委員会は中学校に対して、津西高からの校長あての書類は誤った文書だから開封しないよう要請をした。その後この文書は本校教頭によって回収された」と言っているんですね。
 それで、5人を選んだときも、2人の教頭と校長と3人で決めているわけですよね、これ月末の話だけど。それで、あなたたちは、ここでその枠をふやす云々で教育委員会に協議をしていないじゃないかということをなじっているんだけれども、一方では、その入試については校長にもうほとんど権限をゆだねているわけですわな。適当なときだけ教育委員会に相談がないだとかいろんなことを言いながら、こういうことをやったのは全部前校長の職権乱用でやったんだというような、勝手なときにはそういう責任のとらせ方をしているということは、非常に我々にわかりにくいんです。
 私は、ぜひともこれ委員会に前校長を呼んで真相を究明すべきだというふうに思いますよ。そして、県民にこの実際のところはどうだったんかということを明らかにしていただきたい。そんなばかなことないですよ。子供の人権はどうなるんですか。

○澤川学校教育分野総括マネージャー 済みません、校長の判断でございますが、3月27日の段階で、資料にも書かせていただいておりますが、各教科担当教員が学校としての採点基準を再点検という形をして、当初の3月の半ばの段階の採点基準に変更がございませんという形で結論、3月27日の段階で出たわけでございます。
 これについては、当然のことながら校長に教頭の手を通じて報告しておりますが、その場でも、以後も何ら校長から指示ないし異論なるものを差し挟まれておりませんで、実質的に学校としての判断について校長が何ら責任を果たしたという形跡は、残念ながら我々の知る限りでは把握することができませんでした。
 本来でしたら、校長の職務権限、職務執行のあり方として、学校において問題を提起をして議論をして最終的に決めるということがあってしかるべきだったと思うんですが、その点、学校の意見として、これまでやってきたことについて、校長としてきちっとした措置を打たなかったと。措置を打たないまま3月31日を迎えて、それに基づいて追加合格通知書を出したというふうに私として受け取っております。

○岩名委員 あんたしゃべるなっちゅうの。あんたそういう3月27日のときにいないのに、見ていたようなことをべらべらしゃべられたって説得力ないですよ。そこまで言うんなら前校長呼びましょう。委員長お願いします。

○福山委員長 今の岩名委員から前校長ということなんですけれども、ちょっとすぐに私判断つきませんので、後でちょっと副委員長とも協議をいたしたいと思いますんで、御了解ください。

○岩名委員 もっと私はすっきりと子供の人権も認め、あるいはできることならば、私は一たん合格としたものならば合格として、恐らく学校へ来ないとは思いますけれども、やっぱり名誉回復をしてやるという、教育委員会がやったことですよ、これ。そのぐらいの配慮があってもしかるべきだと思っているし、すべての責任は教育長が陳謝するぐらいの、あなたも気持ちがなくして、何かやめていく人にかぶせとけばもうこれで済むじゃないかと言わんばかりの処理の仕方は、県民から見て甚だ不本意ですよ。

○福山委員長 この件に関してほかにございますか。

○水谷委員 僕は余りわからないですけど、今の議論聞いていて一つだけ。今杉之内副委員長が言われた回答がないということが一番不満なんですよ。子供にとって、じゃあこれから何が正解なんだというのがないじゃないですか、今の話やと。その正解が正解なんか正解でないのか、何を教えてんのかという、その基本的なところがないと、これ子供に対して教育じゃないと思うんですよね。
 我々ちょっと理科系の人間に言わすと、そんなもん何もないというのは、これどうなの。真実なんか真実でないのか、その答えがないというのがまことに不思議なんですよ。そこんところをきちっと教育委員会として答えを出さないと、これはやっぱりだめですよ。

○土橋教育長 ちょっと……。

          (「暫時休憩で・・・」の声あり)

○福山委員長 よろしいですか。では取り上げて、暫時休憩いたします。15分まで暫時休憩。

 

                    (休  憩)

 

○福山委員長 では、再開いたします。
 ただいまの津西高の件につきまして何かございますか。

○土橋教育長 休憩して、私どもの方の、とりあえずという言葉は悪いんですが、先ほど来の両先生の発言を踏まえて、3月、重点的にチームマネージャーとして現場のことに詳しい渡辺マネージャーの方から5人の採点関係、それから澤川総括の方からは、そのいわゆる加点の採点の0点、1点、2点の関係の説明を再度させていただきまして、また御判断いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○福山委員長 それでは、御説明をお願いします。

○渡辺高校教育チームマネージャー 少し御発言の中で一つ確認をしておきたいことがございまして、最終31日の11時に発送された5名につきましては、27日の段階で教頭が了解をしないなりの中で作業の手伝いをさせられたわけなんですが、その時点では、どの受験者が5名が合格に値するというふうな確たるものは何もございませんで、一応イメージとして五、六名の人だろうというところまでのことで27日は進んでいるんです。
 それから31日の午後になりまして、前校長が2人の教頭に、27日の前校長の考える基準に基づくシミュレーションの合格者については、氏名がだれであるか教えるように言っているわけなんですが、教頭たちは、その必要はありませんということで断っているわけなんです。その後、夕方あたりからこれはもう想像なんですが、前校長が独自の判断で5名の方の追加合格という形を決められたというふうに聞いております。
 そもそも、その27日の段階のシミュレーションも、先ほど澤川総括マネージャーの方から御説明がありましたように、社会については教頭のうちの1人におおよそ全答案を見直しをさせておりますんですけれども、そこで72名の者をほとんどが2点あるいは1点の加点をしております。英語については、結果的にお申し出のあった2名の方だけを加点するという形でございまして、その2名の方と同じ答案もほかにあったわけですけれども、それについては見られていないと。
 そういったシミュレーションのもとに行われて、さらに31日のその前校長の独自の判断による5名というものが出されたわけでございまして、その5名そのものが、仮にその段階で、基準を前校長の権限で見直すということの作業があった場合に一致するかどうかというのは、非常に疑わしいということがございますので、そのことも御理解いただけたらというふうに思います。

○澤川学校教育分野総括マネージャー 社会の御指摘のありました設問につきまして、4月の段階で私が学校から聞いたことをもとにちょっと御説明させていただきたいと思っております。
 津西高、社会の問題、正答例の場合「憲法に反しない」ということでございまして、この設問2点でございます。この点、津西高、解答状況ということで、比較的、俗に言わせていただければ厳しめの採点基準ということで600名の受験生の採点に当たっております。
 「反しない」という言葉と極めて同義だと、ほとんど日本語的に近いというもののみを2点とするというふうな形で決めております。
 1点につきましては、設問のところ、図がございまして、ピラミッド、憲法を頂点といたしましたピラミッドで、憲法、法律、政令、省令とか規則というようなピラミッドがあるわけでございますので、ピラミッドのここのところと両者の関係ということで、どこまでが許容されているかどうかということについて設問が聞きたがっているんだと。津西高校として、その両者、法律と憲法の関係についてどのような形で表現をしているのかということに重点を置いて、津西高校として採点をするという形で学校として判断したわけでございます。
 したがいまして、1点とした答案については、許容範囲であるということがある程度読み取れるけれど、その2点、「反しない」とした正答例ほど厳密さに欠けるものと、許容範囲というこの横の概念が、憲法と法律の関係が読み取れるというもの、答えを幾つかピックアップいたしまして、それを部分点としたわけでございます。
 0点としたものについては、横の関係、許容範囲ということが読み取れなくて、単に上下関係、憲法があって法律があってというその縦の関係のみをとらえているものについては、津西高校が求めている解答には、解答としては十分ではないと。
 この点厳しいとおしかりを受けるかもしれませんが、縦の概念のみ記しているものについては残念ながら0点とさせていただくということで、2点、1点、0点のすみ分けをして、それに基づきまして、各受験生の答え、先ほど申し上げましたとおり多岐にわたるわけでございますので、実際の日本語を複数の担当教官が協議いたしまして、これはどれに、この津西高校の考えでいけばどれに当たるんだろうかという形で議論をして、実際に割り振っていったということでございます。
 ということでございまして、津西高校といたしまして、そのような考え方に基づいて採点基準を定めたということでございますので、我々県教委といたしましても、津西高校の判断を最大限尊重してまいると。こういった考え方についていろいろ御異論あるかもしれませんが、学校として実際の解答状況を踏まえて、一定の考え方に沿って客観公正という形で採点がなされているということでございますので、我々としてはそれをもって是としているというわけでございます。

○岩名委員 これ、いつまでやっていても我々の話とどうも平行線のようだから、やっぱり前校長呼んでオープンに一遍いろいろ話を聞かせていただいて、そして我々も納得すればそれでよろしいし、あなたたちだけの話を聞いていても、どうも私が持っているこの、例えば、立命館大学法学部教授の吉川義春さんという人からも意見書がここへ届いているけども、やっぱりこの問題に対しての答えは、こんな一つではないし、複数であると。
 だから、複数に書いた人たちが現存しておるわけですんで、そういう子供たちの私は名誉のために、やっぱりこうやって要らんことを申し上げているのであって、これから将来を担っていく人たちが精神的な大きな打撃を受けているということを、あなたたちはもっと深く考えるべきですよ。
 ですから、我々はちょっと大げさかもわからんけれども、やっぱり前校長を呼んで議論をオープンにして、おたくの知事はいつも言うとるでしょう、オンザテーブルだと。これまさにオンザテーブルでやろうという話ですよ。
 だから、わからんことは参考人を呼んできちっと解明していくということが今は議会に求められていることだと私は思っておりますから、どうぞひとつ委員長におかれては、そういう意見、我々賛否とっていただいて結構ですから、そういうふうにやって、日を改めて、別にこの議会中でなくてもいいわけです、この問題は。議会の済んだ明くる日でもいいんですから、日がないということは言えません。そういうわけで、徹底的にオープンで討論して、それで結果を見出すことが大事だと思いますので、よろしくお願いします。

○福山委員長 今岩名委員から御意見がありましたけれども……、まだその件について。

          (「いや、その件と違って、その後の件」の声あり)

○福山委員長 後の件も含めて。

○水谷委員 その解答例の話聞きましたけど、それはもうあなたたちが間違っている、はっきり言っておきますけど。だって、要は採点する方に恣意が入るわけでしょう。生徒たちにこういう恣意がありますよということを伝えていなくて、勝手に恣意を入れておるわけでしょう、採点するのに。そういうことでしょう。おかしいじゃないですか、それはどう考えたって。

○澤川学校教育分野総括マネージャー 複数の担当教官として議論しておりますので、恣意ということではなくて、そのあくまで客観公正と、客観的に議論をしてというふうに我々・・・。

○水谷委員 同じ学校で複数の人が協議しているかわかりませんけど、じゃあほかの学校とも全部協議しているかというと、していないわけでしょう。その学校の判断でしょう、勝手に。そうすると、学校によって正解が違うわけですよね、今の話だと。学校によって正解が違うわけですよ。
 ところが、答えってそんなもん一つなんですよ。複数あるということも一つ含めて、真実というのは一つしかないんですよ。それを勝手にここまでが正解にしましょう、ここはだめですよということを決めること自体が間違っていますよ、それは。今回のことだけじゃないですよ、今回のことだけじゃなくて、このこと、この今の設問初めて聞いたんで、きょうね、これについて言えば、それはどう考えたって間違っていますよ。
 今後もこんなことが行われるんであったら、もう試験なんかやめといた方がええ、本当に。こんなこと子供に何の責任もないところで点が違ってくるんなら、こんなもんやめといた方がええよ。

○福山委員長 ちょっと議論が平行線の部分もあったりいろいろあるようですので、この件について、前校長に来ていただくかどうかも含めまして委員協議もさせていただいて、ちょっと時間置きたいと思いますので、御了解いただけますか。

          (「はい」の声あり)

○福山委員長 それではこの件はこれでということで、ほかの件で何か御意見ございませんでしょうか。

          (「その他はよろしいか。所管事項以外に1点だけ聞きたいことあるんですが」の声あり)

○福山委員長 もう所管事項いいですか。なければその他ということで。

○中村委員 先般一般質問のときに、関連質問でちょっと時間がなかったので質問させていただきました後援の件、後援といいますか、コスタリカを紹介する「軍隊を捨てた国」でしたかね、そういう題の映画の後援を教育委員会が拒否したというふうに新聞には載っておったんですが、ちょっとこの件でお伺いしたいんです。
 その後、インターネットでコスタリカという国とか、いろんなものをちょっと調べさせてもらいまして、映画の紹介もちょっと見てみましたら、中身は結構、この国というのは教育予算を何か国家予算の4分の1が教育の現場に注がれているとか、中身として、教育委員会として非常に、むしろその拒否をするよりも県民の皆さん方に知っていただく、生涯教育という立場から、そういった運動を奨励していただく中身じゃないかなということを感じます。
 それから、これプラスアルファですが、皆さん御案内のとおり、鈴鹿市へコスタリカのワールドカップのチームがここで滞在をしたと。そのときに、これもまたインターネットで鈴鹿の市長さんは、「こういった国が来ていただいたということは、青少年に未来の夢と希望を与える事業である。また、このキャンプが終わっても、コスタリカ共和国との友好親善を深めたい」ということをとうとうときちっと述べておられる。
 そういった一つのそういった国を紹介する映画でありますし、名前が「軍隊を捨てた国」というのは、まさにこれは半世紀前にこの国は客観的に見てそういう軍隊を持たないということで決めた国ですよ、そういうことを紹介するだけの映画で、思想性とか、そんなの全く、イデオロギーも何もない映画なんですけれども。
 そういった映画を後援してくださいということを、後援を拒否したということなんで、私は非常に気になっているのは、教育委員会ちょっと神経質になり過ぎといいますか、ということが1点と、それから、後援を拒否するということは否定することにつながってしまう。これをバックアップしてくださいと言うてきたことを、いや、できませんということは否定することに、県民から見て教育委員会はこの映画は推奨しないというふうにとられがちになってしまう。
 これはどうしてもちょっと説明聞いておってもなかなか理解できないんですけれども、そういうふうに私はとらまえているんですが、その点についてもう一度教育長の考え方聞かせてください。

○土橋教育長 私どもは議会でも答弁させていただきましたように、内容にまず立ち入っていません。
それから推薦するとか、上映をやめようとか、そういう差し出がましいことも毛頭言うつもりはございません。あくまで私どもの要綱の中には、特定の主義主張の浸透を図る目的を有しないものという、この1項がございまして、いろんなこういう具体的な事象のものに対処するときには、多様な意見、主義主張がどうしても出てまいりますので、そういう面では後援という判断をする場合、中立性ということを一つの大きな柱立て、考え方の基準に置きまして、いわゆる判断をさせていただいたところでございまして、決して映画の内容がどうこう、それから事業の実施についてどうこう、それからお勧め品、お勧めない、そんなことも全然考慮に入れておりませんので、再度答弁の繰り返しになりますけれども、その点の御理解だけいただきたいなと。

○中村委員 後援依頼があって、中身は関係ないんだと、題がいかんのだと、その映画の中身は、私が先ほど申し上げましたように、非常にこのインターネットの状況から見ますと、特に問題があるわけではないんで、それが中身は関係ないんだと。そやけどもこれは中立性への判断から後援をお断りをしたんだというふうに聞こえるんですが、どこが中立なんですか。それこそ余り中立性じゃないんじゃないんですか。

○安田教育支援分野総括マネージャー 中身と教育長が申し上げましたのは、その映画の実際の内容だというふうな意味でおとりいただきたいと思うんですが、申請、あくまでも「軍隊を捨てた国」というタイトルを前提に申請をいただきまして、ここに「軍隊を捨てた国」という、このタイトルから受けるイメージとして、私どもとしては国家の軍備にかかわるところへその議論が及ぶといいますか、主義主張につながっていく可能性があるということで、そこの部分については中立的な立場でありたいというふうなことで後援を遠慮させていただいたということでございまして、後援拒否というと非常にきつく聞こえますけど、まさしくその支援をする、意思表示をすることだけは遠慮させていただいたという意味でございまして、決してその内容について私どもが賛否なり、あるいは軍備についての意見なり、そういったことを申し上げているわけではないということでございます。あくまでも、その題名からそういうイメージを受けたということでございます。

○中村委員 もう一度繰り返しますけども、すばらしい、どんな映画であっても、どんなにすばらしい映画であっても、これとは限りませんけれども、題名が誤解を招くような題名がついておったらという判断をされていくんですか、これから。

○安田教育支援分野総括マネージャー 内容に立ち入っていないという意味でございまして、やはりその映画の内容をストレートに見る方に伝えるためには、そのタイトルといいますか、題名は重要なもんだと思いますし、内容を総称しているものだと思いますので、そういう意味で題名に問題があるというふうに受けたわけでございます。実際に、内容を見ていないというのは、実際その映画を見た上で判断させていただいたわけではないという意味でございます。

○中村委員 本当に直してもらいたいんですけどね、逆に題名が非常にすばらしい題名で、中身がとんでもないような映画というのがもし出てきた場合、今おっしゃったことは全部否定されてしまうことにつながりますので、中身をきちっと、確認をしていただいた上で、題もこれ別に悪い題でもないですし、これが政治闘争につながるとか、そういった内容では全くないと私は思いますし、今回の判断というのは、非常に過敏過ぎると私は思うので。
 これから皆さん方はやはり県民の皆さん方にいろいろな文化活動とかいろいろなものを推奨していくという、そういった、また県民の皆さんに参画をしていただくという、そういう立場ですから、今回のこの判断というのは、余りにもちょっと中身がなさ過ぎるといいますか、そういうふうに私は思っておるんですけれども、その題さえよかったら中身はということなのかどうか。それだけ聞かせてください。

○安田教育支援分野総括マネージャー 何度も申し上げましたように、映画の内容を、タイトルは恐らく全体を表現していると思いますので、内容を確認したわけではありませんけど、この題から映画の受けるイメージが今申し上げたようなことにつながるのではないかというふうなことでございまして、できれば内容を確認した上でというのは望ましいというふうに思っておりますので、今後そういうことがありましたら、できるだけ内容も含めて中身も見た上で判断するように努力したいというふうに思います。

○中村委員 ちょっと戻しますけど、「軍隊を捨てた国」という題は、三重県教育委員会としては、いろんな論議を呼ぶ可能性があるからということなんですか。今回拒否したのは。

○安田教育支援分野総括マネージャー 国家の軍備にかかわる主義主張なり論議なりですね、そういったところにつながっていく可能性があるというふうな判断をさせていただいたわけでございます。

○中村委員 ちょっとその辺はどうなのかというのは、そういう議論になるならんというのは別にして、ちょっと今回の判断は、いかにもまずいかなというふうに私は思っておりますし、その点、少し議論をして、教育委員会の中で議論をしていただくことを申し上げたいと思いますが、ちょっとその辺、全くこれからもそんな形で題によってそういう判断をされていくということなのか。その辺だけちょっと聞かせてください。

○安田教育支援分野総括マネージャー 実は年間、教育委員会700件ほどそういう後援というのをやっておりまして、そのうちに、やはり年間で、昨年の場合で5件、一昨年ですと12件ぐらいは内容的に問題があるということで後援を遠慮させていただいているような事例がございます。しかし、こういった内容の事例ではなくて、例えば、これはどうしても営利目的につながるもんであるとか、エリアが非常に狭いもんであるとか、若干私ども一応要綱を持っているわけですが、その要綱に沿わない場合はお断りもさせていただいているという例がございますけれど、今回の場合、この映画そのもののタイトルからイメージして、そういうふうな危惧、一番最後にそういう要件を、知事部局ではなくて教育委員会だけその主義主張につながらないものというふうなものを持っているわけですが、そういった部分について判断する場合には、今御指摘いただいたようにより慎重にといいますか、やらせていただきたいというふうに思っております。

○中村委員 先般、教育長、私に答えていただきましたね、この戦後50数年が経過した現在、その児童・生徒が戦争の悲惨さ、戦後の混乱と耐乏生活の大変さ、そういったものを伝えていく、そういった今の平和が多くの犠牲の上に築かれているということを知っていただく平和教育はまことに重要で、世代を超えてそういったものの大切さを伝えていく、考える、そういう教育が大事だということを明快におっしゃっていただいておりますので、その中身と今回の映画は、その中身にほとんど沿った中身でありますので、これからやっぱり題だけで判断する、中身を見ないというのは、いかにもちょっと軽率だと私は思いますので、そのことだけ申し上げておきたいと思います。どうぞ。

○土橋教育長 今の趣旨を踏まえて、1回内部でも議論をさせていただきます。ただし、中立性ということはこだわっていきたいなというふうには思っております。基本的には。
 以上でございます。

○福山委員長 中村委員、よろしいですか。

○萩野委員 今の関連で。その要綱があるんでしょう、推薦とか。それを一部ください。どういう要綱でやっているのかということと、それからこれの担当というのはあるはずなんでしょう。その恣意的にやられるのは困りますから、どういうチームでやっているのか、それも後で資料ください。

          (「わかりました」の声あり)

○福山委員長 今の件で委員として一言。私も前に、県の後援をお願いしたときに、大変今のような感じを受けた場合がありまして、公平性、中立性はそこ大事だと思うんですね、行政として。この場合は県は後援しているんですよね。教育委員会はもう一つ厳しいということだったんですが、その辺もありまして、私ぜひ、余り用心深くなり過ぎて、本当に中身の議論、ちょっとしていただきたいなと。要望しておきます。
 それで、ほかに。

○溝口委員 ちょっと戻っていいですか。

○福山委員長 どちらへ。

○溝口委員 西高へ。

○福山委員長 西高ですか。

○溝口委員 私、最後教育長にお聞きしたいんですが、西高の分で戻って恐縮ですが、教育長は西高の件については整理されたと、こう言われていますね。それを主張されますと、この後、委員協議で前校長を呼んでどうのと、こういう話になってきますと、白黒つけることになりまして、双方に傷がついて余り教育的ではないと思いますね。だから私は、教育長はこの今後の方針の中で、プロジェクト会議の中で、ここに例えば記述式の問題の採点のあり方、入学者選抜の事務の処理システムの明確化、入学者選抜に係る情報の公開、これを検討していくということは、西高の問題はまさにこの3つが問題なんですよ。
 だから私は教育長に、整理したって、そんなかたくななことおっしゃらずに、「整理はしたけれども、ただ問題はこういう3つの問題があるから、この問題について検討をして」という言い方をされないと、その西高と離してこの検討会議だけにゆだねますと、それならもう白黒になってしまいますね。だから、まだ時間ありますから、私はやはり整理された反面、こういう混乱を起こして教育長がおわび申し上げているんですから、やはり何に問題があったといえば、やはりその3つが問題なんですね。
 だから、この点について西高の出来事から大いに教育委員会が反省して来年度に向けてやると、これを一言言っていただかないと、整理したという形で切られますと、もう白黒になってしまいまして、余り教育的ではないですね。だから、私は一度そこら辺を、わざわざ本来ならば合格決定の次ぐらいに今回の問題はと書いていただくのはいいんですが、今後の処理方針の方に書いてありますけども、そこら辺を、今回の津西高の3つの問題についてという点を、やはり反省あるいはまたおわび申し上げ、そこら辺をきちっとしていただかないと、これを乗り越えてこういうやり方では、もう白黒で余り教育的ではないですね。
 だからそこら辺1回御検討いただいて、もう一度委員にそこら辺をやはり遺憾じゃなくて本当の意味でおわび申し上げないと、こんな白黒して全員これ恥をさらしますよ、お互いが。我々も含めてね。

○土橋教育長 もともと情報開示といいますか、見せたのも、閲覧を許可したのも教育的配慮ということで始まった一連の問題でございまして、今の溝口先生のお言葉のように私ども重く受けとめております。私どもの努力は一層努力を重ねていかないとだめだというふうに思っております。今おっしゃったような言葉をかみしめて、もう一度また委員長の方にでも報告させていただきます。

○福山委員長 それでは、先ほども申し上げましたように、委員協議させていただきますので、この件終わりたいと思います。
 ほかございませんでしたら、教育委員会関係についてはこれで終了いたします。

          (「委員長、ちょっと一言よろしいでしょうか」の声あり)

○福山委員長 では簡潔にお願いします。よろしいでしょうか皆さん、傍聴議員。

          (「はい」の声あり)

○萩原議員 今も再度溝口さんが戻ってもらった、その津西高問題については、佃前校長も呼んで大いに議論していただくということで、これは非常に私も疑問が随分ありますから、ぜひやっていただきたいなというふうに思いますが、ただ、そのときに、委員協議というお話が今ちらっとあったんで、協議会でほかの議員は傍聴もできませんわということにせんといていただきたいんですね。これはもうさっきもアンダーザテーブルじゃなきにという話もあったんで、これは大いに公開の場で、やっぱり問題点は問題点でやっぱりきちんと出すと、反省すべき点は反省するという形でやっぱりしていかないと、説明責任がつかないと。こういう点はぜひ一つお願いしておきたいと。
 それと、私このことと関連してぜひ考えていただきたいのは、高校入試でなかなか情報公開してなぜ私落ちたんですかと、あんたの点数はこうやというふうに説明したところで、じゃあその他の人の点は何点や、落ちたのは何点まででしたか、内申書はどうやったと、これ説明なかなかつかんわけです、実際上は。納得できないんですよ、説得力ないんですよ。
 その、私も高校教師していましたから経験ありますけれども、なぜかといえば、400人とるときに400番と401番とが点数が1点でも差があれば文句ないけども、そのときには1点の差に泣くというような形になるけども、同点がずっと並びますやんか、実際のところ、福山先生もよう知ってござるわ。そうなると、もう上からこう何%、何%ととっていって、あとは総合的判断というのが、これはもう現実にありますやろ。これはやっぱり説明なかなかつかんわけです。
 ところが、通った子と落ちた子というたら天国と地獄の差があるのさ、実際上は。極端にいうたら1点の差もないのに落ちた子とあれしたり、場合によっては逆転している場合だって、部分的にはあるでしょう、実際に。私はそのことを今本当に考えなきゃならん問題が提起されているんやと私は思うんですよ。ほとんど高校入試といったら1.1倍平均やんか、そんなら、もうちょっとのところで入れてやってもええやないかみたいな議論も当然あり得るし、そのあたりの問題含めて、高等学校入試の問題はやっぱり考えてもらわないと、これが中学校の教育いがめているんやで、大変、受験教育で。
 そんな中で、あんたとこは全県1学区にするなんていうこと、だれも希望しとらへんのにやってしもうとるわけでしょう。先生たちも疑問持っているわけ。だからますますこんなものは競争激化しますよ。私はやっぱりその点では大きく県教委全体がこの問題を一つのあれとして考え直してもらわなあかんし反省してもらわなあかんということを一言ぜひ答えがあったら聞いておきたいのが一つ。
 もう一つだけ、さっき中村先生言われた点で、やっぱり教育委員会として軍隊持たない国に、一つの主義主張に判断下したという結果が出ておるわけですね。
 だから、これはやっぱり問題やと思うし、今までの推薦の基準からいうたら全然おかしいんで、新教育長になったらこんなことになったというようなことだと大問題やし、私はやっぱりその判断については大いに議論のあるところだけに、その判断をしてしまったことに対しては、有事立法や教育基本法が改正やなんて言うてる時期の中だけに、私はやっぱり毅然とした対応もしてもらって、その主張に立てということではなくて、私は、大いに議論してもろうたら結構だということが中立性の非常に大事な判断でもあるということを指摘しておきたい。答えがあったら聞いておきたい。
 以上です。

○福山委員長 答弁ございましたら。

          (「ございません」の声あり)

○福山委員長 それでは以上で終わります。御苦労さまでした。

 

 〔委員協議〕

  1.委員長報告の作成について正副委員長に一任

  2.閉会中継続審査・調査申出事件について別紙のとおり決定

  3.県内調査について実施時期を北地区は7月4日~5日、南地区は9月5日~6日とする
    調査先等は北地区は別紙のとおり決定、南地区は正副委員長に一任

  4.県外調査について実施時期を10月16日~18日とする 調査先等は正副委員長に一任

  5.閉会中の委員会開催について必要に応じて開催することとし、開催時期・議題等については正副委員長に一任

  6.平成14年度県立津西高等学校入学者選抜問題に係る参考人招致について

 

 〔閉会の宣告〕

 

以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。

平成14年 6月25日

 

教育警察常任委員長   福 山   瞳

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