開催年月日 平成18年4月17日(月) 15:00 ~ 17:30
開催場所 第201委員会室
出席委員 9名
委 員 長 大住 荘四郎 氏
委員長代理 古宮 正章 氏
委 員 阿曽沼 元博 氏
熊木 登 氏
鈴木 裕子 氏
野田 由美子 氏
北川 裕之 氏
石原 正敬 氏
野田 勇喜雄 氏
出席説明員
病院事業庁長 浦 中 素 史 氏
同経営分野総括室長 東 村 良 重 氏
同県立病院経営室長 伊 藤 隆 氏 その他関係職員
1.田中議長挨拶
本日は、委員の皆様方には何かと御多忙のところ、「三重県議会公営企業事業の民営化検討委員会」に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
御承知のとおり公営企業を取り巻く環境は、行政需要の変化や厳しい財政状況など事業経営に大きな影響を及ぼす様々な課題に加え、公共サービスの民間開放、規制緩和や地方分権の推進など大きく変化しているところであります。
このような状況におきまして、本県議会といたしましても、県民の視点に近い立場からこの委員会を設置し、平成17年度は水道事業、工業用水道事業及び電気事業を実施している企業庁事業の在り方についてご検討いただき、この答申を受けて3月23日に知事への提言を行ったところです。
引き続き今年度には、病院事業庁が実施する病院事業の望ましい在り方について検討し、今後一年以内を目処に県民の立場から政策提言していきたいと考えています。
つきましては、この委員会において、広い視野と将来への展望のもとに、三重県の行う病院事業に関して十分な御審議をいただき、県民にとってよりよい形の在り方について、公営企業事業の民営化という中で答申をお示しいただければ幸いです。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
2.委員会設置要綱の一部改正について
協議の結果、原案により決定とする。
3.委員長代理の指名について
委員会設置要綱第3条4項の規定に基づき、大住委員長が古宮委員を委員長代理として指名した。
4.(議題)「病院事業庁事業の概要等」について
浦中病院事業庁長、伊藤県立病院経営室長により、資料に基づき説明。
(質疑・応答)
○大住委員長 これまでの県立病院における経営改善の取組状況についてご報告いただいた訳ですが、経営健全化計画と第二次経営健全化計画については、比較的当初の経営課題を、ある程度順調に克服して来たと思える訳ですけれども、中期経営計画、まだこれは今年度までということですので終わっていない訳ですが、中期経営計画を現段階でレヴューしていただくとどのようになるでしょうか。一点だけ、ちょっと気になっていることがありまして、第一次経営健全化計画の中で基本方針があがっており、収支・機能・自立の三つの健全化ということで大きな目標が掲げられている訳ですが、この目標、例えば収支という点で見ますと、中期経営計画の中でも当然その前提として織り込まれていると思うのですけれども、やや足元の経営に関する財務情報、財務指標を見ていくとちょっと危ない状況になっていると、逆に悪化をしているという傾向が、何となく読み取れるんですけども、それはひょっとすると地域連携を推進しているからなのかもしれないですし、ちょっとその点がよく見えないんですね。ですから、中期経営計画の中で掲げられている取組がどのように進んでいるのかということと、これまで平成15年度まで取り組んできた基本方針について、中期経営計画の中でどのように取り組まれており、現状認識はどうなのかということをお話いただければと思います。
○伊藤室長 中期経営計画については、まだ計画途中ということです。それで次期計画を策定する段階で評価が必要になってくる訳ですけれども、現在のところは、中期経営計画については収支の均衡というのを前提に進めてきた訳ですが、現在のところは特に医師・看護師不足という要因が大きく作用して、ベースになる収支については、計画通りに進んでいないというのが実情ですし、平成17年度の決算についても、病院事業全体では収支均衡は難しいのではないかと思います。ただ、総合医療センター、こころの医療センター、志摩病院については、経常収支均衡には近い形に来ているのではないかと思います。体質的には、経常収支均衡で、平成16年度は別にして、経常収支均衡でやっていける体質に変わってきているのかな、というふうには思っています。ただ、現在のような、中期経営計画の目的でもありますが、そういう機能を担おうとすると、やはり必要なのは医療スタッフでして、特に医師・看護師について、平成16年度からの臨床研修医制度導入以降、開業医と違いまして、病院につきましては、医師の確保に、各公立病院が苦労している状況の中で、これは新しい要因、予想できなかったと言うと、ちょっと見込み違いということになろうかとも思いますけれども、そういった要因で、特に医師不足が生じている。それから看護師不足については、いろいろ原因がある訳ですけれども、介護保険導入以降、看護師に対する需給の状況が崩れているという状況で、内部的にはいろいろ成果を上げてきていると思いますが、基礎となります人的資源が十分に供給できていないという状況になっています。
○阿曽沼委員 人材の不足ということが非常に大きい要因であるというお話でしたけれども、基本的に病院の経営の中で最大の要因というのは人材ですね。ですから所謂収益を上げていくプロフィットセンターとしての医師・看護師の不足は、経営の根幹を揺るがしてしまう訳ですね。具体的な取組として、確かに人材の確保は難しいということなのですが、人材獲得のために今までどういうご努力をされてきて、今後具体的にどういうアクションプランを立てていくのか、ということがないと、なかなか改善の具体像が見えてこないような気がするのですが、それについて何か具体的なアクションプランがあれば教えていただけますか。
○浦中庁長 まず医師の確保対策ですが、まず第一番として、医師の供給先と言うのでしょうか、三重大学との連携強化が第一番かなというふうに思い、そのように取り組んでいます。二番目としては、三重大学そのものも、医師の不足という現状を抱えていると聞いていまして、三重大学以外の大学からも、或いは、地域からのお医者さんを県立病院にというようなことで、医師の派遣要請ですとか、医師募集の多様化と言うんですか、ホームページを通じたり、或いは医師の斡旋会社等の活用とかに取り組んでいますけれども、いろいろやっているけれども難しい、効果が上がらないというような状況です。ただまあ、こういったこと等については、引き続いてやっていかなければならない話かなと思います。それと三番目として、臨床研修医、或いはシニアレジデントの確保策というものを併せてやっていく必要があるのかなというふうに思います。そのためには、処遇の向上と言うのですか、所謂研修医も県職員として採用していくとか、指導医を確保して十分な育成とか、そういう魅力あるものにしていくというようなことが必要ではないかなというふうに思ってます。それは兎も角として、何を言っても県立病院が、魅力ある病院でなければいけないというようなことが最大のことかなということで、やはり医師の能力向上、或いは資格取得等の支援をきちっとするような方策をやっていますし、処遇の改善についても、今後は業績給なんかも導入を視野にしていく必要があるんかなということも検討の課題になっていります。それと、労働環境の改善というようなこともございます。柔軟な勤務体制の導入ですとか、事務作業の負担軽減、医師公舎の整備とかそういう処遇についても改善を果たして魅力ある病院をつくっていく必要がある、そういったことを通じて医師の確保をしていく必要があるのかなと思っております。こういったところについては、これまでもやっている訳ですけれども、まだまだ十分な効果を上げていないというのが現状です。
次に看護師の確保等です。これにつきましても、まず第一は離職の対策です。年度始めには或る程度確保できても、或いは途中で辞めていかれるとか、或いは中堅の看護師さんが離職してしまうとか、そんなようなことがございますので、やはり離職対策に力を入れていく必要がある。そのためにはやはり、職場の環境の改善が必要ではないか、ヘルパー或いは事務クラーク等の配置によって、業務の負担の軽減を図っていく必要があるんではないかと思います。それでまあ、職場の状況から心理カウンセラーのカウンセリング等によりましての、精神的な負担の軽減でありますとか、或いは延長保育の実施体制など、保育支援の充実なんかも図っていく必要があるのかなと思っておりますし、やはり看護師さんとしての自己実現の援助というようなことでキャリアラダーの実践といったことについてもいろいろと援助していきたいと思っています。それとやはり採用についても、潜在的な求職者への門戸開放ということで、看護師の採用試験の年齢制限を撤廃しまして、年齢制限を設けずに採用が可能にということもしています。それに、看護学生に選ばれる県立病院としてのPR等についても併せて行っていく必要がありますし、医師同様県外からも看護師の確保というものが必要ではないかということで、県外の看護学校の訪問ですとか、就職説明会の実施などについて、出向いております。そういったことも踏まえて、採用の機会についても増加を図っていく必要があると思っています。
こういった問題等、県立病院だけではなくて、各病院においても同じような悩みを抱えていると聞いています。そういう中でお互い競争になるような形でなってしまっていますけれども、県立病院の魅力を高めて、医師或いは看護師について、県立病院に就職してもらえるように、そしてまた就職していただいた限りにおいては、離職をせずに全うしてもらえるように努力をしているところですし、また今後ともいろんなアイデア等についてもお出しさせていただいて、確保に努めていきたいと思っています。以上でございます。
○熊木委員 今、診療報酬の悪化を供給側と言いますか、医師とか看護師の不足という形で捉えてみえますけど、一方でたぶん患者側と言いますか需要側の問題も考えられると思います。実際に二次医療圏で、医師とか看護師とかが不足していて、必要な医療が受けられないという状態であれば、医師・看護師を増やすことによって需要が掘り起こせると思うんですけども、一方でもしそれが他の病院に流れているという状態であると、県立病院単独で考えた場合には、それからもう一回取り戻せると言うことが考えられるかもしれませんけれども、また他の民間病院から患者を奪うってことになると思います。そういうことを考えますと、地域の二次医療圏として考えた場合の需給という問題で、供給と需要のギャップと言うんですか、そこら辺はどのようにお考えでしょうか。
○浦中庁長 今現在、そういった需給バランス等についての精緻に分析したものがありません。当然、中期の経営計画の中で、そういったことも含めて分析していかないと、県立病院の将来像というものは浮かび上がってこないかなと、特に伊藤も説明しておりましたように医療資源の偏在というものが県立病院のあり方等にも大きく作用することですので、今後我々としても分析していきたいと思っています。
○北川委員 関連してなんですけれども、「県立病院の概要」の7ページで年度別の患者数の状況を挙げてもらってあるんですけれども、今のお話しで、例えばそれぞれの4病院の近接したところの同程度の病床数の民間病院が今この数値がどういう状況にあるのかなとか、或いはそれが個別に分からなくても、例えばそれぞれが属する医療圏の全体の中で外来や入院の患者数がどんな動向、変動にあるのかっていうのは数字として押さえておきたいなと思うんですが、そういう観点からもデータ収集をお願いしたいと思います。
○伊藤室長 手元にはございませんので、そこら辺もちょっと検討させていただきたいと思います。
○野田由美子委員 今のご質問と関連するんですけど、県立病院のあり方を検討されたときに、市立の各市民病院との機能分担と言いますか、その辺りも含めて統合的な医療サービスというものを検討されたんではないかと思うんですが、今の民間病院だけではなくて、市立病院とのダブりがないのか、逆に漏れがないのかといったことも含めてご提示いただければと思います。
○鈴木委員 少し、今の関連の補足なんですけど、大学病院、私わりと関連していることが多いんですけど、どこもここ何年か病床利用率を落としてきているんです。100に近かったところも、下手すると9割切って80数%となってきて、これはご存知のとおり在院日数が減り、その結果新入院の数が取り合いになっているんじゃないかなと、いう気がいたします。と言うと、もしかしたら計画段階と比べて、病床が全体でこちらの県立病院だけの話ではなくて、全体で病床がもしかしたら過当に医療職の方の人員数と病床の数と、あと新しい入院の数と、そういった患者さんとのバランスで、もしかしたら施設自体が過剰になってしまっているかもしれないですが、そういったところを含めてどのくらいの規模が適正なのかというのを少しどこかの機会でご覧、検討されたほうがいいかもしれないですね。医療職の方の採用に非常に積極的な印象を持ちましたので、ただそれでもどこも「足りない」と言っています。大学病院含めて医者いないんですよ。ですから長期的な計画をされた上で、なおかつ本当に今の規模が適正かというとこをみた方がいいかもしれないです。 ○阿曽沼委員 説明の中で、これはどこの医療経営者も同じなんですけど、厚生省の医療制度改革の方向感というのも確かにそれはそれであるんですけど、必ずしもそれが地域にとっての病診連携を推進するとか、診療所というものを活性化を図っていくという大きな流れの中で、それはそれとしていいですけど、病院そのものの経営を考えていくと、必ずしも政策誘導が病院の経営を健全化する訳では実はない訳ですね。だけど地域の住民の方々っていうのは、どちらかというとやっぱり、ここ数年の傾向としては性向はやっぱり政策とは限らず多くなってきている。まあそういった現実のニーズを踏まえた中で、病院のあり方をどうしていくかということを、むしろ医療政策というものに捕らわれずに、地域に目を向けた捉え方で本当にどうしていくのかということを議論していかないと、きっと、例えば院外処方の問題もそうですし、今回のいろいろな改訂もそうでしょうけれども、そういった短期的な医療政策の制度の激変に惑わされずに、地域に根ざした本来あるべき姿というものをどっかで押さえておくということが非常に重要なんだなというふうに思います。確かに医療センター見てみますと、これは平均在院日数14日ですね、そして紹介率も30%以上になって、きっと特別な急性期の加算取られて入院の単価上がっていると思いますね。それは診療の中味が変わったんではなくて、施設基準が取れてるから、単価が上がりましたと。しかし、外来患者減ってますから、救急も減って外来患者も減れば、当然入院患者減りますから、これだけの在院日数にしたら回転率下がりますよね。すると明らかに経営上悪くなるというのが見えてる訳ですから、そうやって見たときにこの地域における地域の連携だとか、役割分担から見たときの本当にこの病院の在院日数というのは、何が適当なのかっていうそこの目標を立てていかないと、何かこのまま毎回毎回同じようなことを繰り返してしまうような気がしますね。ご説明全般を聞いてそんな印象を持ちました。
○野田勇喜雄委員 資料というか、外来・入院のトータル数は分かるんですが、地域で、例えば一志病院だったらどういう人たちが利用しているのかという、パーセンテージでもいいですから、大体7~80%くらいまでが分かるくらいの数値を出してもらえないかなと思います。志摩病院でも、総合センターでも一緒ですけれど、県民の中でどういう人たちが利用しているのかというのを出してほしいと思います。それとですね、4病院の設立、特に3病院でもいいと思うんですけど、3病院の設立の意義として、三重県病院事業中期経営計画の中でも少し書いてあんのと、それとこの2ページ目でしたですかね、県立病院の沿革というところで、少しどんな形で県立病院が発生してきたのかということが、運営してきたのかというのが、これでも分からんことはないんですけども、この沿革の考えと資料2の最後の方の4の中での県保健医療計画の中の4てありますよね、「県立病院の役割と機能」というところで、この4点の中でそれぞれその下に、「県立病院の機能とその充実」ということで、こころの医療センターは大体のところは県全体のものというのが分かるんですが、総合医療センターが本当に高次救命救急機能が果たせられとんのかというのが、まだいろいろね、個人的に勉強していても分からないところ、本当にそこまで行ってんのかなというのがあるんですよね。ですからその辺をもう少し、県立病院としての高次医療の位置付けというものを改めて提出してほしいなと思います。本当にこれで機能を果たしとるのかというのが、これも何回聞いてもちょっと分かり辛いところがありますんでね。一志病院と志摩病院も、同じように地域医療でどこまでどういうふうに考えているのか、本当に地域医療になってしまってるのか。もしくは県立病院のこういう4つの視点というところで、一志病院や志摩病院が該当しているのかというのを、本当のこれまではそこそこの地域医療も含めた形での議論も必要かなというところでファジーに議論していた部分もありますので、こうして病院事業庁の民営化も含めて考えていくという検討会というふうになれば、その辺は十分、考え方というものを示していただかんとですね、今の説明では、なんか病院ありきで「今の現状をそのままやってますよ」というような認識しか伝わらないもんですから。その辺も次期に改めて資料等で説明してもらえればありがたいなと、まずは今考えている方向性の中で少しご意見があれば教えていただきたいなと思います。
○浦中庁長 資料のいろいろお話しを伺いました。医療圏等のいろんな資料につきましては、若干どういう方法があるんか、或いは可能なのかどうかも含めて、少しお時間をいただきたいなと思います。今、野田委員の方から、地域別の利用者と言うんですか、まあそういったもの等につきましては、我々も把握してごさいますので、整理して出さしていただかなあかんのかなと思います。今現在の、県立病院のあり方等はどうなのかということですが、先ほども伊藤から説明していますように、県の医療計画の中でもきちっと県立病院の使命と言うんですか、そういったものが規定されておりますので、そういったこととの整合性も含めて、我々の中期計画も含めてですけれども、検討していこうかというようなことになってございますので、現状においては我々の中期経営計画、或いは県の医療計画、そういった中に述べられていることが我々の現在の考え方ということでご認識いただきたいなと思います。
○大住委員長 実は昨年度もそうなんですけれども、この検討委員会、実は「民営化の検討委員会」という名前になってますので、そもそも根本から経営形態を見直すことが妥当かどうかという検討の場なんですね。委員長がこういうことを言うのも問題かもしれないですが、私は「民営化ありき」という議論はしたくはないんですね。とは言っても、民営化という極端な経営形態の見直しを考えながら現状を変えて行くという側面が非常に大きいので、結果がどうであれ経営形態を見直すことをひとつの案として考えながら、現状を見直していくことが大事かとも思うんですね。恐らく、私は直接知らないんですけれども、経営健全化計画に取り組まれて、これまで県立病院、県立という形で改善・改革を進められてきたと思うんですけども、それは恐らく、ひょっとすると、廃止ないし民営化というオプションがあったから進んできたんだろうと思うんです。そういう意味で、当時とは少し環境が変わってはいる訳ですけれども、極端な経営形態の見直しというものを対極に置きながら、ゼロベースで見直して行くというのことがこの検討会のミッションというふうに思いますので、これからも資料の提出やご説明をいただく機会があろうかと思いますけれども、その都度よろしくお願いしたいと思います。他にないようでしたら、引き続きまして事項書に基づきまして、「病院事業の民営化について」を議題といたします。病院事業長の皆さんご苦労様でした。ご退席をお願いします。
それでは、古宮正章委員より、「自治体立病院の現状と動向について」のご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
5.(議題)「病院事業の民営化」について
古宮正章委員により、資料に基づき説明。
(質疑・応答)
○大住委員長 ありがとうございました。それでは今の件について、ご質問などございましたらよろしくお願いします。
○野田由美子委員 すみません。ご説明ありがとうございました。大変よく分かりました。ひとつだけ、今後、今回組織、民営化も含めて組織がどうあるべきかということを検討していく訳なんですが、その際に、地方独法というのがひとつの可能性として議論されていると思うんですけど、その辺りは、今のお話では民間ということで、公設民営とかPFIとかであったんですけれど、地方独法に関してはいかがですか。
○古宮委員 残念ながら我々そこはまだ余り意識はしていなかったですね、地方独法そのものについてはですね。民間で受けるっていう前提で考えてますので、ちょっとそこはまだ入ってないですけどね。どういうふうになっていく・・・。
○野田由美子委員 まあもちろん民間ということも含めて考える訳なんですけれど、まあそれが最適なオプションじゃないという場合に、じゃあ地方独法みたいなことも考えて議論をするんであれば、じゃあ今全国でどういう傾向にあるのか、それに移行することによってどういう成果が上がっているのかということが分かると、議論材料としてはいいのかなとちょっと思ったんですけど、だから私のその辺の知識がなかったもんですから・・・。
○古宮委員 私もちょっと、ここまではちょっとそれは入ってないですけどね。
○阿曽沼委員 地方独法は、そんなに多くないですよね。大阪市が公務員型でやるのと、今度奈良県が非公務員型でやるので、まだ成果そのものがないんですね。どちらかと言うと、地元の医師会が財団法人を創ったりとか、いう形に非常に近いかもしれませんし、ちょっとそこは評価できないですね、なかなかね。ただ形態としては、あり得るということで。
○熊木委員 独法になっても、結局今、例えば労働者健康福祉機構とか国立病院等独法になって、結局その、独法になった後に収支均衡を達成していない病院をまた切ってく、それから民営化していくとか進めてますよね。ですからそういう意味で言うと、仮の姿にしか、最終形にはならないんではないかと思う。
○野田由美子委員 という意味では、余り議論の対象、オプションとして考える必要はないんではないかという感じですかね。まあ、移行過程として独法があって、さらに民営化ということなのか、それとも最終的には民営化ということに行き着くんであれば、余り途中過程というものはオプションとして考えないのか。
○大住委員長 多分民営化がひとつの目標なら、独法を検討する余地は充分あると思うんですね。ただその当面の経営課題をどう克服するかという点で言うと、地方独法に移行することのメリットというのがどれくらいあるのかが、私よく分かんないんですよね。
○古宮委員 ある意味では全適をやったときにですね、それに近いことを本来は狙ってたはずですよね。独立性を持って管理者を立ててっていう、だからもう一歩先が必要なのかなあというふうには思うんですけどね。だから相当考え方を変えるって言うか、なのかもしれません。
○石原委員 その関連なんですけどやっぱりまあ、地方独法の話も出されるのなら、メリットある過程であるんですよね、消費税が免除されるとかですね、ああいうことって結構行政側にとっては、重要なポイントになると思うので若干軽いタッチでは精査する必要があるのかなというふうに私は思います。
○野田勇喜雄委員 説明に対する質問という意味ではなくてですね、少し医療の制度の点から見れないかなというのもあるんですよね。いろいろ議会の方でも医師確保の問題で議論していても、診療制度が変わることによって徒弟制度が崩れて自由になってしまった。特に三重大の医大生などは、東京都か都会の方から落ちこぼれという言い方は変なんですけども、そこでなかなか医師になれない、大学に入れない人が三重大とか地方の和歌山とかいろいろと回ってくるんですよね。そして今度は研修ってなったときには、自分が自由に選べるものだから、もう資格が取れるからどんどんどんどんいい私立、民間の病院とか公立でもいい大学の方へ入って行ったりとか、そういうふうな現状があるんです。医師を育成するに当たって何年ぐらいには大体もう過剰になるぞという計算もしながらやってて、今もうほぼ過剰になりつつある予測をしていたにもかかわらず医師不足になっている。それは何かっていうと、公立病院のほうがよくなってて、民間病院では余りそういうのはない。それが場所とか地域性だけではなくて、そういう公立病院と民間病院の同じとこでもですね、例えば今お話しあったように伊勢の市民病院とか、四日市なんかの市民病院とか言ったときにですね、松阪なんかでも殆ど中央病院と市民病院と私立病院とですね上手くバランスしながらやってきているんですね。じゃ「県立病院がそこにいるのか」と言うといらないんですよね。じゃ市立病院の中で先生が不足しているのかって言うと、さほどではないんですよね。もっと例えば僕のような田舎のですね病院とかそういうところの市民病院て言うか公立病院がぐっと少なくなっているという状況がありますので、まず医師の確保は改善だけではなくて、そういう制約も含めて例えばブロックを創ってくというんですかね、例えば近畿ブロックだったら近畿ブロック、東海ブロックだったら東海ブロックってだけど自由に行かすとか、例えばあと専門医の偏在とかなってきたときに、医師の数が全体的には足っているんだけど、例えば産婦人科が足らない小児科が足らない、労働状態が過剰になってくるから、もう少し先生を入れたいんだけどそういう専門医の先生がいない、となってくると専門医のパーセンテージは当然そこで生産するから枠を決めていく、自由度はあるけれども当然その定員枠を決めていく、産婦人科の先生だったら何パーセントはならなきゃいかんよと、内科の先生になりたくたってならなきゃいかんと、そういう制度のところも含めてですね、僕らにはなかなか三重大の先生方と話をしても、なかなか「いやこうですよ」と言われると、「そうかな」と納得せざるを得ない部分があるので、その辺を少し医療制度のところからもお教えいただければありがたいなあと、そういうデータがあれば、また「こういうふうになれば偏在が上手く解消されますよ」というのがあれば、そういういい施策と言うんですかね、人が多いところは当然効率がよい訳で、先生もある程度自由にできますけれど、やっぱり田舎へ行くと数が少ない、内科なんかでも何人かでローテーションすれば、人が居ればできるんですけど、例えば先生一人でそれ対応せんならん、よくても二人でしなければならないというような状況があるんですよね。それがやはり田舎の病院の方の問題もありますし、それを今度は県立病院が或る程度僕らも田舎から出ておりますので県立病院の方へ「何とか助けよ」とか、三重大病院にも「何とか助けよ」というようなことでやると、どうしても本体が足りなくなっているもんですから、田舎が上手くいってないとそういう悪循環が今医師のこういうシステムの中に入っているのかなというふうに思いますので、そういうものを上手くですね一部規制みたいなものがやっぱり必要なんかなと思います。全てが自由になることによって、それこそ都会だけに医師がおって田舎には医師がいない、また民間のそういう自由度のとれる病院には医師が確保できるけれど、それこそ決まった予算をつけながら公立病院の場合、議決しながら「こんだけしかできませんよ」、それから増えたらまた、即対応というのではなくて、「予算が成立しなきゃできませんよ」と後へ後への運営をせざるを得ないですよね。そういった不便さって言うか、問題がいろんな規制が公立病院の場合ありますので、その辺のところが上手くするためには「こういうふうになればいいですよ」っていうような資料というか提案というかそういう説明をお教えいただければ今後議論の中で、ありがたいなと思いますので、その辺も含めて今日のご説明も増やしていただければありがたいなというふうに思うのですけど。 ○阿曽沼委員 たまたま私、規制改革会議に入っているんですが、そこの需給の問題ってすごく大きくてですね、文部省、かつてやった日本の医師の需給計画ていうのはきっと明らかに間違いだったと思いますね。明らかに。それを推進しいてる方々も今「間違いだった」とお認めになっていらっしゃいますから、これ何とかしなければならないということですが、ひとつは多くの医科大学が地域枠というものを考えるようになりましたね。でそれを制度的に独法の三重大学とどう考えていくかと、非常に大きい問題だと思いますね。専門医については、専門医教育で仰ったように本当に必要な医師を育てていくための補助ですとか支援をどうしていくのか、それからもうひとつは医学部の枠というのは直ぐには増えないでしょうから、やっぱり地域の中でメディカルスクールが入って医師がとれると、今これは医療法でできないですけど、そういったことを長期的に考えていかないと実はきっと解決はしないんだろうと思いますから、そこはこういう議論とはまた別に少しご議論されると非常に重要なことだと思いますので、これも非常に大きな問題なので、これと平行してご議論されるといいかなという感じはいたしております。 ○大住委員長 すみません。非常に素朴な疑問なんですけど、先ほど説明いただいた資料の最初の2ページというとこなんでしょうかね、「自治体立病院の経営は厳しい状況にある」という非常に単純な収支状況の説明の表があるのですが、たぶん私は一般的な話として、どうして自治体立病院の医業収支差額が赤字なのか、一般的に赤字なのか、これがたぶん一番の入口なのかな、少なくとも対県民に対してのメッセージとしてここから入るんだろうと思うんですよね。どうして赤字なのか、差額が赤字なのか、例えば隣に国立の病院がある訳ですけど、国立は黒字ですよね、「国立は黒字なのにどうして自治体立は赤字なの」という素朴な疑問がまずあると思うんですよね。その後に先ほどご説明いただいた資料の中で「自治体立病院でもさまざまであって、いいところはいいんだよ」ということが分かるんですけども、一般的にこうなる理由というのがたぶんあるんだろうと思うんですよね。それはひょっとすると、鈴木委員が言われたように、地域医療全体で見ると過剰なのかもしれないということかもしれませんし、或いは経営資源の使用という点で非効率なのかもしれませんし、幾つかの要因が列挙されてくると思うんですね。一般的な議論で説明できる部分と、恐らくこれは昨年も議論したことなんですが、三重県の県立病院が抱えている事情、たぶん二つあると思うんです。ですから、今日ご説明いただいた議論ていうのは、たぶん一般的な部分で、一般的な議論を整理しておく必要があるのかなというのが私の印象なんですね。まずそれを整理しないと各論に入れない。で、昨年よりは恐らく各論に入りやすいテーマだと思うので、まず一般論としての議論の整理は必要かなと、まず最初にした方がいいのかなと思ってます。
6.委員協議
1)委員会の今後の進め方について
11月に議長への中間報告を提出することから、10月に中間報告案を作成することになり、実質的な討議は9月までとなる。
一般的な自治体立病院の一般的な傾向、特徴と課題を整理し、県内の病院の調査を経て、先進県の調査。8月までは一般的な自治体立病院を改革する一般的なアプローチを整理、更に三重県の個別の事情を照らし合わせながら、論点整理ということで進めていく。県内病院の調査も1日では無理、県外先進病院調査は首都圏に近いところなら1日で可能。
必要な医療を満たす、それをどう国立、市立、民間病院と分担するか。地域の医療の実態の把握と、上手くやっている病院の調査の両方が必要。政策医療で発生する赤字部分が適正かどうか。同じような地域でパフォーマンスの高い自治体立病院はどのくらいの赤字の幅なのかといったことは、本日のご説明のあったデータベースの活用ができるのではないか。
第2回目は素案どおり「先進的な取組等について」を勉強し、3回目は県から資料を提出してもらって県と県立病院のあり方・政策医療について議論・討議する場を設け、4回目以降で県内病院、県外先進病院の調査ということで進める。
県から提出を求める資料としては、各医療圏で県民から求められるニーズの把握のため、①地域における疾病の状況・疾病ごとの患者の流入流出、②そのニーズをどう国立、市立、民間病院と分担するべきか、政策医療で発生する赤字部分が適正かどうかを把握するため、市立病院・民間病院とのベンチマーキング、全国とのベンチマーキングをお願いする。今後の説明責任を議論する上でも必要、是非県の方でやっていただきたい。
2・3・6回は東京で開催する方向。第4回は県内調査なので当然県内。10回と11月の中間報告と2月の提言は三重県で、それ以外は特に決めていない。
2)次回の委員会について
5月15日(月)13時から15時まで、東京にて開催とする。
議題は「病院事業の民営化について」を議題とする。
詳細は、事務局から連絡する。