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三重県議会 > 県議会の活動 > 本会議 > 平成19年第2回定例会で可決した意見書(6月29日可決分)

平成19年第2回定例会で可決した意見書(6月29日可決分)

日豪EPA/FTA交渉に関する意見書

 本年から開始された日豪EPA(経済連携協定)/FTA(自由貿易協定)交渉では、オーストラリア政府は農産物も含む関税撤廃を強く主張してきている。オーストラリア政府の要求どおり、農産物の輸入関税が全面的に撤廃されるようなことになれば、政府の試算でも、牛肉、乳製品、小麦、砂糖の主要4品目で約8,000億円もの打撃を受け、関連産業や地域経済への影響を含めると、2兆円から3兆円規模になるとされている。
 また、食料自給率は30%台に低下するなど日本の農業と食料は壊滅的な打撃を受けることとなり、農林業の多面的機能が失われ、農山村の崩壊、国土の荒廃、環境の悪化を招くこととなる。
 さらに、昨年、干ばつによって大減産となったようにオーストラリアの農業生産条件は極めて不安定であり、これに安易に依存することは、世界的な食料不足・危機が心配されている中で、日本の食料安全保障を危うくする結果を招きかねない。
 よって、本県議会は、国において、日豪EPA/FTA交渉に当たっては、日本農業に多大な影響を与える重要品目を交渉から除外するなど、下記の事項を実現するよう強く要望する。

  1. 日豪EPA/FTA交渉に当たっては、米、小麦、牛肉、乳製品、砂糖等の農林水産物の重要品目を除外すること。
  2. オーストラリア政府が重要品目の取扱いについて十分な配慮をしない場合は、交渉継続について中断も含め厳しい判断をもって臨むこと。
  3. 農産物貿易交渉は、農業・農村の多面的機能の発揮と国内自給による食料安全保障の確保を基本とし、各国の多様な農業が共存できる貿易ルールを確立すること。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成19年6月29日

三重県議会議長  岩名 秀樹  

(提出先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣
財務大臣
農林水産大臣
経済産業大臣




安心で安全な医療を受けられる制度の堅持を求める意見書

 我が国は、いつでも、どこでも、誰でも、公平で良質な医療を受けることができる国民皆保険制度を維持してきた。
 しかし、急速な少子高齢化、経済の低成長への移行、国民生活や意識の変化など、我が国が直面している大きな環境変化を受け、医療制度改革が行われている。
 その結果、経済的に余裕の無い年金生活者や低所得者をはじめとして、国民の負担する医療費が増加し、所得格差による医療格差が懸念される状況となっている。
 また、高齢社会を迎える中、高齢者自己負担の増加や、医療を必要とする高齢者のための長期入院施設である療養病床が削減される方向に進められ、さらにはへき地の医療機関や産科、小児科等の医師不足や看護師不足が深刻化し、国民が安心して受けられる医療提供体制が崩れようとしている。
 よって、本県議会は、国に対し、国民に多大な負担を求めることなく、安心で安全な医療を受けられる制度を守り、国民の生命と健康を確保することにより、国民が「格差」に苦しむことなく、安心して暮らせる社会とするため、下記の事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。

  1. 所得格差によって生じる医療格差を是正すること。 
  2. 経済的に余裕の無い年金生活者や低所得者の患者負担増を行わないこと。
  3. 国民の生命と健康を守るための医療費財源を確保すること。
  4. 療養病床の削減においては、医療を必要とする高齢者に配慮すること。
  5. 医師・看護師不足の解消を図ること。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成19年6月29日

三重県議会議長  岩名 秀樹

(提出先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣




パーキンソン病及び潰瘍性大腸炎の難病患者に
対する医療費公費負担制度の維持を求める意見書

 平成18年度のパーキンソン病及び潰瘍性大腸炎に係る難病医療費助成の適用範囲の見直し問題に関し、平成19年度中は従前のルールどおり、医療費公費負担制度を維持することができたが、来年度以降も現行の制度内容を維持できるかが懸念されるところである。
 しかしながら、パーキンソン病及び潰瘍性大腸炎ともに特定疾患に指定された当時と比較すると研究は進んでいるものの、原因究明には至っておらず、患者数も増加傾向である。難病患者の就労問題についての進展もなく、医療費助成は難病患者にとって命綱である。
 また、123疾患の難病のうち医療費助成が受けられるのは45疾患にすぎず、多くの難病疾患の患者が新規指定の要望を行っている。
 よって、本県議会は、国に対し、平成20年度以降もパーキンソン病及び潰瘍性大腸炎の難病患者に対する医療費公費負担制度を維持するよう強く要望する。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成19年6月29日

三重県議会議長  岩名 秀樹 

(提出先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣




「年金記録」問題の徹底した解決と年金制度の信頼回復を求める意見書

 公的年金は、国民の高齢期等における生活を支える重要な制度である。ところが、年金保険料の納付記録の管理がずさんであったという実態が明らかになった。社会保険庁の不祥事が国民の信頼を大きく裏切ったことは誠に遺憾であり、今回の問題によって国民の年金不信は一層高まっている。
 政府は、「年金時効特例法」と、コンピュータ内の5,000万件の納付記録(いわゆる「宙に浮いた年金記録」)の統合、年金相談体制の強化、第三者委員会等の設置等の対策を打ち出した。
 しかし、保険料を納めたにもかかわらず「記録が無い」と言われるような者への救済対策は十分とは言えず、確実な救済が求められている。
 よって、本県議会は、国に対し、国民がこれまで納付した保険料に見合った年金が確実に受給でき、年金制度の信頼を回復するよう、総力を挙げて次の事項を含む施策に取り組まれることを強く要望する。

  1. 未納扱いになっている者の納付記録を復元するため、全国の社会保険事務所や市町村に散在している元台帳とコンピュータのデータとを照合して、コンピュータにすべての納付記録が正確かつ確実に入力・管理されるように講じること。
  2. すべての加入者に納付履歴を送付して緊急チェックを依頼するとともに、本人と結び付いていない納付履歴についても、工夫して情報の提供を行い、注意を呼びかけることによって、速やかに納付記録を是正・統合すること。
  3. 完全に納付記録が消失してしまった場合にあっても、元雇用主や加入者側の証言など周辺の状況に基づき、「第三者委員会」によって受給者の立場に立って総合的に判断すること。
  4. 外部有識者の「検証委員会」によって、これまでの年金記録の管理・事務処理にかかわる問題について、速やかに経緯、原因、責任等を明らかにすること。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成19年6月29日

三重県議会議長  岩名 秀樹 

(提出先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣




国立大学法人運営費交付金の見直しに関する意見書

 現在、経済財政諮問会議、財務省等から、大学教育改革や国際競争力の強化等に向けて、国立大学への財政支援を専ら成果主義、競争原理に基づいたものに改めることを求める提言が相次いでいる。
 本年5月には、財務省が、財政制度等審議会において、国立大学法人運営費交付金の配分の見直しに関する試算を公表した。その内容は、平成18年度の科学研究費補助金の配分割合により算定したものとなっており、87の国立大学のうち74の国立大学で交付金が減少し、本県の三重大学をはじめ50の国立大学では交付額が50%以上減少するものとなっている。
 しかし、大学の役割は、研究だけではなく、教員・医師等の人材の育成、産学官の連携を通じた地域経済、文化振興や地域社会への貢献など多方面にわたっており、本県においても、三重大学と連携して地域の課題に対する取組が実施されるなど、研究費の獲得額等だけで評価すべきものではない。また、経済効果の面からも、地域における国立大学の存在は大きなものとなっている。
 よって、本県議会は、国において、国立大学法人運営費交付金の見直しに当たっては、地域における国立大学の存在は、当該地域に文化的かつ経済的に大きな役割を果たすものであることにかんがみ、国立大学の地域社会への貢献に十分配慮したものになるよう強く要望する。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成19年6月29日

三重県議会議長  岩名 秀樹

(提出先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
文部科学大臣
内閣府特命担当大臣(経済財政政策)


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