議提議案第2号
県が所管する公益法人及び公益信託に関する条例案
右提出する。
平成14年3月7日
提出者
田中 博
野田 勇喜雄
真弓 俊郎
中村 進一
田中 覚
藤田 正美
水谷 俊郎
県が所管する公益法人及び公益信託に関する条例
第1章 総 則
(目的)
第1条 この条例は、三重県知事又は三重県教育委員会(以下「知事等」という。)の所管に属する公益法人及び公益信託に係る許可等の手続等を定めることにより、公益法人及び公益信託に係る制度について、透明性の高い、効率的かつ公正な運用を図り、もって地方分権の時代にふさわしい公益を実現することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「公益法人」とは、民法(明治29年法律第89号)第34条の規定により設立された法人であって、知事等の所管に属するものをいう。
2 この条例において「社団法人」とは、公益法人のうち社団であるものをいう。
3 この条例において「財団法人」とは、公益法人のうち財団であるものをいう。
4 この条例において「公益信託」とは、信託法(大正11年法律第62号)第66条に規定する公益信託であって、知事等の所管に属するものをいう。
5 この条例において「規則」とは、三重県知事が地方自治法(昭和22年法律第67号)第15条第1項の規定により制定する規則及び三重県教育委員会が地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162号)第14条第1項の規定により制定する教育委員会規則をいう。
第2章 公益法人
(設立の許可)
第3条 民法第34条の規定により公益法人の設立の許可を受けようとする者(以下「設立者」という。)は、規則で定めるところにより、知事等に申請しなければならない。
2 知事等は、前項の許可の申請があった場合には、速やかに審査を行い、許可又は不許可を決定し、規則で定めるところにより、設立者に通知するものとする。
3 知事等は、前項の審査のため必要があると認める場合には、設立者に対して、説明又は資料の提出を求めることができる。
4 知事等は、第2項の決定を行うに当たって、必要があると認める場合には、第42条に規定する三重県公益法人等審議会の意見を聴くことができる。
5 知事等は、公益法人の設立を許可した場合には、許可年月日、当該公益法人の名称、主たる事務所の所在地その他規則で定める事項を公示しなければならない。
(寄附財産等の移転)
第4条 公益法人は、設立の許可のあった日から15日以内に、寄附財産その他設立に当たって当該公益法人に帰属すべき財産の移転を完了しなければならない。
2 公益法人は、前項の規定による財産の移転を完了した場合には、その完了の日から10日以内に、規則で定めるところにより、知事等に報告しなければならない。
(登記の完了の報告)
第5条 公益法人は、民法第45条第1項及び第3項、第46条第2項並びに第48条に規定する登記を完了した場合には、登記を完了した日から10日以内に、規則で定めるところにより、知事等に報告しなければならない。
(役員の変更の報告)
第6条 公益法人は、役員に変更があった場合には、その変更のあった日から10日以内に、規則で定めるところにより、知事等に報告しなければならない。
(定款の変更認可の申請)
第7条 社団法人は、民法第38条第2項の規定により定款の変更の認可を受けようとする場合には、規則で定めるところにより、知事等に申請しなければならない。
(寄附行為の変更)
第8条 財団法人は、寄附行為の定めるところにより、当該寄附行為を変更した場合には、その変更の日から10日以内に、規則で定めるところにより、知事等に報告しなければならない。ただし、寄附行為の定めるところにより、寄附行為の変更に当たって知事等の認可を受けようとする場合には、前条の規定を準用する。
(事務所の移転の報告)
第9条 公益法人は、定款又は寄附行為の変更により、その主たる事務所の移転を決定した場合には、規則で定めるところにより、速やかに知事等に報告しなければならない。
(基本財産の処分等)
第10条 公益法人は、基本財産を処分し、又は担保に供した場合には、その処分又は担保に供した日から10日以内に、規則で定めるところにより、知事等に報告しなければならない。ただし、次項の規定により、その処分又は担保の提供につき、知事等の認可を受けた場合は、この限りでない。
2 公益法人は、定款又は寄附行為の定めるところにより、基本財産の処分又は担保の提供の認可を受けようとする場合には、規則で定めるところにより、知事等に申請しなければならない。
(評議員及び評議員会)
第11条 財団法人に、寄附行為の定めるところにより、評議員及び評議員会を置くものとする。ただし、知事等がやむを得ないと認める場合は、この限りでない。
2 評議員の数は、理事の数と同数以上とする。ただし、知事等がやむを得ないと認める場合は、この限りでない。
3 評議員会は、評議員により構成され、理事及び監事の選任その他の寄附行為の定める権限を行使するものとする。
(役員等の兼任の禁止)
第12条 公益法人の理事は、監事を兼ねることができない。
2 公益法人の理事及び監事は、それぞれ評議員を兼ねることができない。ただし、知事等がやむを得ないと認める場合は、この限りでない。
3 公益法人の監事及び評議員は、それぞれ当該公益法人の職員を兼ねることができない。ただし、評議員については、知事等がやむを得ないと認める場合は、この限りでない。
4 知事等は、同一人が複数の公益法人の役員に兼ねて選任されている場合において、それぞれの公益法人の運営に対する責任を確保することに支障があると認められるときは、是正のための助言、指導又は勧告(以下「助言等」という。)を行うものとする。
(事業計画書等の提出)
第13条 公益法人は、毎事業年度(事業年度の定めがない場合にあっては、毎年4月1日から翌年3月31日までとする。以下同じ。)の開始前10日までに、当該事業年度の事業計画書及び収支予算書を知事等に提出しなければならない。ただし、特別の事情がある場合は、年度開始日から3月以内に提出することができる。
2 公益法人は、前項の事業計画書及び収支予算書を変更した場合には、遅滞なくこれを知事等に提出しなければならない。
3 知事等は、前2項の規定により提出された書類を審査し、必要があると認める場合には、当該公益法人に対して、助言等を行うものとする。
(事業報告書等の提出)
第14条 公益法人は、毎事業年度終了後3月以内に、当該事業年度における次に掲げる書類を知事等に提出しなければならない。
1 事業報告書
2 収支決算書
3 財産目録
4 社団法人にあっては、当該事業年度における社員の変更状況を記載した書類
2 知事等は、前項の規定により提出された書類を審査し、必要があると認める場合には、当該公益法人に対して、助言等を行うものとする。
(資産運用)
第15条 公益法人は、基本財産その他公益法人の財産的基礎となる資産については、安全かつ確実な運用に努め、それらを損なわないよう努めなければならない。
(公益事業)
第16条 公益法人の行う公益事業は、次の各号のいずれにも適合するものでなければならない。
1 公益法人の目的に照らし、適切な内容であること。
2 事業内容が、定款又は寄附行為において明確に記されていること。
3 営利企業として行うことが適当と認められる性質又は内容の事業を主とするものでないこと。
2 公益法人は、公益事業の規模が、当該公益法人の総支出額の2分の1以上になるよう努めるものとする。
(収益事業)
第17条 公益法人の行う収益事業は、当該公益法人が行う公益事業の推進に資するものでなければならない。
2 公益法人は、次に掲げる事業を行ってはならない。
1 風俗関連事業
2 高利の融資事業
3 投機的に行われる事業
4 その他当該公益法人又は公益法人一般に対する社会的信用を損なうおそれのある事業
3 収益事業の利益は、当該公益法人の健全な運営を確保するために必要な額を除き、公益事業のために使用するものとする。
4 収益事業については、事業計画書に明記するとともに、区分経理を行い、その収益事業による支出及び収入を明確にしなければならない。
(備付け書類)
第18条 公益法人は、その主たる事務所に、民法第51条に規定するもののほか、次に掲げる書類を備え付けておかなければならない。
1 定款又は寄附行為
2 許可及び認可に関する書類
3 登記に関する書類
4 役員及び職員の名簿及び履歴書
5 定款又は寄附行為に定める議決機関の議事録
6 資産台帳及び負債台帳
7 現年度及び過去五事業年度の収入簿、支出簿及びこれらの証拠書類
8 過去五事業年度の事業報告書、収支計算書、正味財産増減計算書、貸借対照表及び財産目録
9 現年度の事業計画書及び収支予算書
10 知事等その他の関係行政機関からの通知文書
11 前各号に掲げるもののほか、公益法人の運営及び業務執行に係る書類のうち規則で定めるもの
(情報公開)
第19条 公益法人は、定款、寄附行為又は規程の定めるところにより、次に掲げる書類又はその写しについて、閲覧の請求があった場合には、これを閲覧させなければならない。ただし、これらの書類に記録された情報のうち個人に関する情報であって、閲覧に供することが適当でないと認めるものを除くものとする。
1 定款又は寄附行為
2 許可又は認可に関する書類
3 登記簿謄本
4 役員名簿
5 社団法人にあっては、社員の名簿
6 事業報告書
7 収支計算書
8 正味財産増減計算書
9 貸借対照表
10 財産目録
11 事業計画書
12 収支予算書
2 公益法人は、前項に掲げる書類以外のものについても、可能な限り開示するように努めるものとする。
(残余財産の処分の許可)
第20条 公益法人は、民法第72条第2項の規定により残余財産の処分について許可を受けようとする場合には、規則で定めるところにより、知事等に申請しなければならない。
(解散)
第21条 民法第68条の規定により解散した公益法人(以下「清算法人」という。)は、その解散した日から30日以内に、規則で定めるところにより、知事等に報告しなければならない。ただし、次項の規定により解散につき知事等の認可を受けた場合は、この限りでない。
2 公益法人は、定款又は寄附行為の定めるところにより、解散の認可を受けようとする場合には、規則で定めるところにより、知事等に申請しなければならない。
3 清算法人は、民法第77条第2項(同条第3項において準用する場合を含む。)に規定する清算人が就任した場合には、その就任の日から30日以内に、規則で定めるところにより、知事等に報告しなければならない。
(清算の結了)
第22条 民法第83条に規定する届出は、清算法人が清算を結了した日から30日以内に、規則で定めるところにより、知事等に対して行わなければならない。
(事業計画書等未提出の法人の指導等)
第23条 知事等は、事業計画書、収支予算書、事業報告書及び収支決算書のいずれもが、連続する三事業年度において提出されない公益法人について、規則で定めるところにより、当該公益法人の組織、運営及び活動の実態を調査し、解散又は民法及びこの条例の定める手続の履行その他運営の是正を、相当な期間を定めて指導するものとする。
2 知事等は、前項の指導にもかかわらず、相当な期間の経過後も是正がされないと認める場合には、民法第71条の規定により、設立の許可を取り消すことができる。
(法人形態の転換等)
第24条 知事等は、社会経済情勢の変化により、公益法人が行う事業について営利企業の事業との競合その他の理由で、当該事業を公益法人が行うことの意義の低下が認められる場合には、解散又は営利法人、中間法人法(平成13年法律第49号)第2条第1号に規定する中間法人、特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条第2項に規定する特定非営利活動法人その他の法人形態への転換を行うよう指導に努めるものとする。
2 前項の場合において、公益法人の目的に高い公益性が認められるときは、当該公益法人に対して事業の種類、内容、実施方法等の変更その他の改善を指導することができる。
3 知事等は、目的に係る公益性が低下したと認められる社団法人に対して、目的の変更又は新たな公益性の高い事業を付加することにより、当該社団法人の公益性を回復するための改善を指導することができる。
4 前3項の指導にもかかわらず、正当な理由がなく、3年以内に自主的な解散又は改善措置が実行されない場合においては、民法第71条の規定により、知事等は設立の許可を取り消すことができる。
(事業の公益信託への転換)
第25条 知事等は、公益事業の財源を基本財産その他の資産の運用益によることを予定している公益法人について、社会経済情勢の変化その他の理由により、当該公益法人の形態では目的の実現が困難な場合であって、次の各号のいずれにも該当するときは、公益信託によりその事業の全部又は一部を実施するよう助言等を行うものとする。
1 当該公益法人の目的及び事業に高い必要性と実現可能性があること。
2 年度毎の基本財産その他の資産の運用益から管理費を除いた額が当該公益法人の公益事業に要する金額に比して著しく不足していること。
3 公益信託の手法による当該公益法人の目的及び公益事業の実現可能性があること。
(県外活動の規制)
第26条 知事等は、公益法人の事業が主として県外において行われ、又は公益法人の実質的な事業の拠点が県外にあると認められる場合には、相当な期間を定めて是正の指導を行うものとする。
2 前項の指導にもかかわらず、是正がなされない場合においては、民法第71条の規定により、知事等は当該公益法人の設立の許可を取り消すものとする。
(設立許可の取消)
第27条 知事等は、公益法人の設立の許可を取り消すに当たって、第42条に規定する三重県公益法人等審議会の意見を聴くことができる。
2 知事等は、公益法人の設立の許可を取り消した場合には、取消年月日、当該公益法人の名称、主たる事務所の所在地その他規則で定める事項を公示しなければならない。
(準用規定)
第28条 第7条、第8条ただし書、第10条第2項、第20条及び第21条第2項に規定する申請については、第3条第2項及び第3項の規定を準用する。
第3章 公益信託
(公益信託の引受けの許可)
第29条 信託法第68条の規定により公益信託の引受けの許可を受けようとする者は、規則で定めるところにより、知事等に申請しなければならない。
2 第3条第2項から第4項までの規定は、知事等が前項の申請を受けた場合に準用する。
(財産の移転の報告)
第30条 公益信託の引受けを許可された受託者(以下「受託者」という。)は、遅滞なく託財産の移転を受け、規則で定めるところにより、その移転を完了した日から30日以内に、これを証する書類を添えて、知事等に報告しなければならない。
(信託管理人の選任の請求)
第31条 利害関係人は、信託法第8条第1項及び第72条の規定により信託管理人の選任を請求しようとする場合には、規則で定めるところにより、請求書を知事等に提出しなければならない。
(事業計画書等の提出)
第32条 受託者は、毎事業年度の開始前10日までに、当該事業年度の事業計画書及び収支予算書を知事等に提出しなければならない。
2 受託者は、前項の事業計画書及び収支予算書を変更した場合には、遅滞なくこれを知事等に提出しなければならない。
3 知事等は、前2項の規定により提出された書類を審査し、必要があると認める場合には、受託者に対して、助言等を行うものとする。
(事業状況報告書等の提出)
第33条 受託者は、毎事業年度終了後3月以内に、当該事業年度における次に掲げる書類を知事等に提出しなければならない。
1 事業状況報告書
2 収支決算書
3 財産目録
2 知事等は、前項の規定により提出された書類を審査し、必要があると認める場合には、受託者に対して、助言等を行うものとする。
(信託条項の変更の認可の申請)
第34条 受託者は、信託法第70条の規定により信託条項の変更の認可を受けようとする場合には、規則で定めるところにより、知事等に申請しなければならない。
(受託者の辞任の許可の申請)
第35条 受託者は、信託法第71条の規定により辞任の許可を受けようとする場合には、規則で定めるところにより、知事等に申請しなければならない。
(受託者の解任の請求)
第36条 委託者若しくはその相続人又は信託管理人は、信託法第47条及び第72条の規定により受託者の解任を請求しようとする場合には、規則で定めるところにより、請求書を知事等に提出しなければならない。
2 知事等は、前項の請求による受託者の解任の可否の決定に当たって、必要があると認める場合には、第42条に規定する三重県公益法人等審議会の意見を聴くことができる。
(新受託者の選任の請求)
第37条 利害関係人は、信託法第49条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)及び同法第72条の規定により新受託者の選任を請求しようとする場合には、規則で定めるところにより、請求書を知事等に提出しなければならない。
2 知事等は、前項の請求による新受託者の選任に当たって、必要があると認める場合には、第42条に規定する三重県公益法人等審議会の意見を聴くことができる。
(受託者の信託財産の取得の許可の申請)
第38条 受託者は、信託法第22条第1項ただし書及び第72条の規定により信託財産を固有財産とすることの許可を受けようとする場合には、規則で定めるところにより、請求書を知事等に提出しなければならない。
(備付け書類)
第39条 受託者は、信託事務を行う事務所に、次に掲げる書類を備え付けておかなければならない。
1 信託行為及びこれに附随する書類
2 委託者又はその相続人、受託者、信託管理人及び運営委員会等の構成員の名簿及び略歴を記載した書類(これらの者が法人である場合にあっては、当該法人の定款又は寄附行為)
3 許可、認可及び報告に関する書類
4 収入及び支出に関する帳簿及びこれらの証拠書類
5 資産及び負債の状況を示す書類
6 運営委員会等の議事に関する書類
2 受託者は、前項各号に掲げる書類又はその写しについて、開示するよう努めるものとする。
(残余財産処分の認可の申請等)
第40条 受託者は、公益信託終了に伴う残余財産の処分について知事等の認可を受けようとする場合には、規則で定めるところにより、知事等に申請しなければならない。
2 受託者は、公益信託が終了した場合には、速やかに、規則で定めるところにより、その旨を知事等に報告しなければならない。ただし、前項の規定により、認可を申請した場合は、この限りでない。
(準用規定)
第41条 第34条、第35条、第38条及び第40条第1項に規定する申請については、第3条第2項及び第3項の規定を準用する。
第4章 三重県公益法人等審議会
(設置等)
第42条 この条例の規定により、その権限に属させられた事項を調査審議するほか、知事等の諮問に応じ次に掲げる事項を調査審議するため、三重県公益法人等審議会(以下「審議会」という。)を置く。
1 公益法人及び公益信託に関する情報公開についての基本的事項
2 公益法人及び受託者に対する検査、指導等についての基本的事項
3 その他公益法人及び公益信託の制度の運用に関する基本的事項
2 審議会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認める場合には、公益法人の設立者、理事、監事その他の役職員又は公益信託に係る受託者若しくはその役職員に出席及び陳述又は資料の提出を求めることができる。
(組織)
第43条 審議会は、委員7人以内で組織する。
2 前項の場合において、男女いずれか一方の委員の数は、委員の総数の10分の4未満とならないものとする。ただし、三重県知事がやむを得ない事情があると認めた場合は、この限りでない。
(委員)
第44条 委員は、優れた識見を有する者のうちから、三重県知事が任命する。
2 委員の任期は2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は前任者の残任期間とする。
3 委員は、再任されることができる。
4 三重県知事は、委員が心身の故障のため職務の遂行ができないと認めるとき、又は委員に職務上の義務違反その他委員として適切でない非行があると認めるときは、その委員を罷免することができる。
5 委員は、その職務を遂行するに当たっては、公正不偏の立場で、調査審議をしなければならない。
6 委員は、職務上知ることができた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
(会長)
第45条 審議会に、会長を置き、委員の互選によりこれを定める。
2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。
3 会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、会長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理する。
(会議)
第46条 審議会は、会長が招集し、会長が議長となる。
2 審議会は、委員の過半数が出席しなければ開くことができない。
3 審議会の議事は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
(庶務)
第47条 審議会の庶務は、総務局において処理する。
(雑則)
第48条 この条例に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める。
第5章 雑 則
(業務の監督)
第49条 知事等は、この条例の施行に必要な限度において、公益法人又は受託者に対して、説明又は資料の提出を求めることができる。
2 知事等は、民法第67条第3項の規定により、当該職員に公益法人の業務及び財産の状況について検査させることができる。
3 知事等は、信託法第69条第1項の規定により、当該職員に公益信託に係る信託事務及び財産の状況について検査させることができる。
4 前2項の規定による検査は、2年に1回以上の割合でこれを行うよう努めるものとする。
5 第2項及び第3項の規定により検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、これを関係人に提示しなければならない。
6 第2項及び第3項の規定による検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(書類の閲覧)
第50条 知事等は、次に掲げる書類又はその写しについて、閲覧の請求があった場合には、規則で定めるところにより、これを閲覧させなければならない。
1 公益法人及び公益信託の一覧表
2 第19条第1項各号に掲げる書類の写し
3 公益法人又は公益信託に係る民法、信託法又はこの条例に基づく指導、許可、認可、監督及び検査に係る書類又はその写し(前号に掲げるものを除く。)
2 知事等は、前項第2号及び第3号に掲げる書類の記載事項に、三重県情報公開条例(平成11年三重県条例第42号)第7条各号に掲げる情報が含まれる場合には、当該情報を除いて閲覧させることができる。
(年次報告)
第51条 知事等は、公益法人の業務及び財産の状況、公益信託に係る信託事務及び財産の状況並びに公益法人及び公益信託に係る指導、許可、認可、監督及び検査の状況を、規則で定めるところにより、毎年1回、年次報告として取りまとめ、審議会の意見を聴いたうえで、これを公表しなければならない。
(公安委員会の補佐)
第52条 三重県公安委員会は、この条例の規定に基づく三重県知事の権限に属する事務のうち、国家公安委員会の所管事項に係る事業を目的とする公益法人に係るものについて、三重県知事を補佐するものとする。
(委任)
第53条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(罰則)
第54条 公益法人の役員又は職員が、第18条第5号から第7号までに掲げる書類について、正当な理由なく破棄したときは、5万円以下の過料に処する。
2 公益法人の役員又は職員が、第19条第1項の場合において、書類又はその写しの閲覧を求める者に対して、正当な理由なく閲覧を拒んだとき又は原本と異なる内容の記載がなされた書類又はその写しを閲覧させたときは、5万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成14年10月1日から施行する。ただし、第51条の規定は、平成15年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行前に知事の所管に属する公益法人の設立、監督等に関する規則(昭和41三重県規則第7号)(以下「知事公益法人規則」という。)、知事の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則(平成2年三重県規則第2号)(以下「知事公益信託規則」という。)、三重県教育委員会の所管に属する公益法人の設立及び監督に関する規則(昭和46年三重県教育委員会規則第22号)(以下「教育公益法人規則」という。)、三重県教育委員会の所管に属する公益信託の引き受けの許可及び監督に関する規則(昭和60年三重県教育委員会規則第11号)(以下「教育公益信託規則」という。)又は三重県公安委員会の所管に属する公益法人の設立及び監督等に関する規則(昭和59年三重県公安委員会規則第3号)(以下「公安公益法人規則」という。)の規定によりされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりされた処分、手続その他の行為とみなす。
3 この条例の施行の際現に知事公益法人規則、知事公益信託規則、教育公益法人規則、教育公益信託規則又は公安公益法人規則の規定により提出されている申請書その他の書類は、この条例の相当規定により提出された申請書その他の書類とみなす。
4 第18条第7号の規定は、平成10年10月1日以後に始まる事業年度に係る書類について適用する。
5 第19条の規定は、平成13年4月1日以後に始まる事業年度に係る書類又はその写しについて適用する。
提案理由
知事又は教育委員会の所管に属する公益法人及び公益信託に係る許可等の手続や運用等を定めることにより、公益法人及び公益信託に係る制度について、透明性の高い、効率的かつ公正な運用を図り、地方分権の時代にふさわしい公益を実現する必要がある。これが、この議案を提出する理由である。