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令和5年10月20日 全員協議会概要

   ■ 開催日時      令和5年10月20日(金) 11時25分~11時52分
   ■ 会議室        全員協議会室
   ■ 出席議員       47名
     議 長       中森 博文
     副議長       杉本 熊野
     議 員       荊原 広樹     伊藤 雅慶
                世古 明       龍神 啓介
                辻󠄀内 裕也     松浦 慶子
                吉田 紋華     芳野 正英
                川口 円       喜田 健児
                中瀬 信之     平畑 武
                中瀬古初美     廣 耕太郎
                石垣 智矢     山崎 博
                野村 保夫     田中 祐治
                倉本 崇弘     山内 道明
                稲森 稔尚     下野 幸助
                田中 智也     藤根 正典
                小島 智子     森野 真治
                藤田 宜三     野口 正
                石田 成生     村林 聡
                小林 正人     谷川 孝栄
                東  豊       長田 隆尚
                今井 智広     稲垣 昭義
                日沖 正信     舟橋 裕幸
                服部 富男     津田 健児
                中嶋 年規     青木 謙順 
                山本 教和     西場 信行
                中川 正美
 ■ 欠席議員       1名
                三谷 哲央
 ■ 県政記者       9名
 ■ 傍聴者        1名
 ■ 協議事項
  1 県立大学設置の検討結果について
  (1)時間   11時25分~11時52分
  (2)説明者
      知事                          一見 勝之
     [政策企画部]
      部長                          後田 和也
      副部長兼ひとづくり政策総括監
      兼プロモーション総括監
      兼太平洋・島サミット推進総括監         長﨑 禎和
      政策企画総務課長                 中根 真由美
                                      その他関係職員
  (3)説明内容
      別添資料のとおり(資料はこちら)
  (4)質疑の概要

○稲垣議員 知事から、現段階においてはということでお話しいただいた。経緯を聞くと、平成27年度に調査をスタートして、今、令和5年度ということを考えると、やはり日数がかかり過ぎたのかなと思う。これについては、当然、知事が替わったということもあるかもしれないが、これだけ時間を要したということは問題があると思う。その辺りに対する知事の考え方を聞きたいのが1点。
 それから、「令和5年度 県立大学設置の検討に係る有識者会議報告書」のまとめのところを読むと、そもそも県立大学の設置の検討は若者の県内定着を目的としているということで、先ほど説明もあったように、県内定着、特に若者の県外流出が激しいということで、その対策として、県立大学設置をということがスタートだったということだ。これがそもそも間違っていたのではないかと思っており、県内定着が目的のための大学設置であれば、他の方法があるという報告書だと思う。
 県内定着を目的としない県立大学の在り方は、「令和3年度に出た県立大学の設置の是非を検討するための有識者会議報告書」でも、必要性、有効性が一定あると言われており、今回取りまとめいただいたのも、地方都市において公立大学の果たすべき役割があると書かれている。よって、最初のスタート地点の考え方、目的が間違っていたのではないかと思うが、その辺りの考え方もお聞かせいただきたい。
 最後にもう1点、今後の方向性についてのところでいろいろ説明いただき、県内定着を目的として他のこういった取組をやっていくということだが、この報告書を見ると、私立大学の定員割れの問題が指摘されている。県としても大きく問題意識を持って取り組むべきだと思うが、これについての考え方もお聞かせいただきたい。

○一見知事 3点、御質問いただいた。
 まず、平成27年度から議論してきて今回結論というのは時間がかかっているのではないかということについて、時間がかかっているのは事実だ。この問題というのはそれだけ大きな問題であったのではないかと考えている。設立のための建造費だけでなく、ランニングコストも膨大な金額がかかるわけで、それを考えると、慎重な検討が必要であったと思う。
 私が就任させていただいたときには、既に1つ目の有識者会議である、県立大学の設置の是非を検討するための有識者会議が開かれていた。そこでは保護者へのアンケート、あるいは生徒へのアンケート、そして企業へのアンケートなどが実施されていたが、費用対効果についての詳細な検討というのはされていなかったので、私のほうから、それをきちんと検討してほしい、特にB/Cの観点、そしてウィズ・ウィズアウトの観点から、その収支差についてもきちんと検討してほしいということを指示した。令和4年の3月に1回目の「県立大学の設置の是非を検討するための有識者会議報告書」というのは出ているが、令和4年度の時間を使い、B/Cを中心に議論していただいた。最初の有識者会議は論点を抽出するための有識者会議であったと私は位置づけており、2回目の有識者会議である、県立大学設置の検討に係る有識者会議が調査結果を踏まえて県立大学を設置すべきかどうかという結論を今回いただいたものと考えている。それぞれの有識者会議については、若干重複する部分もあるが、役割が全く意味のないものであったということではないと考えている。
 それから、目的に誤っていた点があるかもしれないという2点目の御指摘について、県立大学に一定の人口流出に関してのダム効果はあるだろうと思っているので、完全に誤っていたわけではないと思う。令和3年度、令和4年度と、他県の公立大学を調べてみたところ、県内に定着する学生の数は、県、あるいは大学によるが、10%台のものもあり、20%台のものもあった。したがって、県内定着の意味がなかったのではないかと言われると、その部分はあるのかもしれない。ただ、高校生のときに、県内から県外に出ていくということを止める意味は一定あったのではなかろうかと思っており、当初の考え方が全て間違っていたわけではないと考えている。
 3点目については、部長から説明する。

○後田部長 報告書の中でも一定触れているが、昨今、少子化という影響も受けながら、私立大学だと、定員を十分集められない、そういう状況が起きているというようなこともあり、今後の方向性についての最後のところでも書かせていただいているが、やはり県内の高等教育機関に県内の高校生が進学したいと思えるような魅力づくり、こちらは県内の高等教育機関の皆さんとも今後もじっくり話を進めながら、そういう支援についても進めていきたいと考えている。

○稲垣議員 県立大学に対する考え方をこれで一定出していただいたわけだが、もちろん県内には私立大学もあるし、高等教育機関の在り方を今後しっかり考えていただきたいと思う。そのことはしっかりやっていただけるというお話しだったかと思う。
 それとともに、先ほど知事からも少し長かったかなという話があったが、やはりちょっと検討に時間がかかり過ぎていると思う。それぞれに意味があったとはいうものの、ちょっと時間がかかり過ぎだということで、政策判断をする上で少し問題があったのではないかということは申し上げたい。
 最後にもう一度確認で、この報告書2つ、令和3年度と令和5年度で、先ほど私が申し上げたように、県立大学や公立大学の果たす役割というのは一定あるということが書かれているという受けとめ方をしており、ただ、当初の目的が、先ほど言ったように、県外流出を避ける、あるいは県内定着を図るということだったので、それには他の方法があるという趣旨かと理解するが、そういう趣旨の理解でよいか。

○一見知事 そのとおりである。

○稲森議員 9ページのところあたりで伺いたい。
 まとめのところで、これからの県内定着のためこういうことをやっていくというようなことが書かれており、県内大学の魅力向上というのは、例えば高等教育コンソーシアムみえをつくったり、これまでも随分取り組まれてきたかと思うが、これまでやってきたことと何が違うのか。これからの取組が必要だと考えているのか。
 例えば、奨学金の返還支援も対象を絞り過ぎていて、本当にちまちまし過ぎだと思う。東京都では都立大学を都民に無償化していくとか、かなり先進的なことをやっているかと思うが、三重県に既にある、例えば県立看護大学だとか、県が政策的に関与できるような高等教育機関でそんな取組がされているかというと、全然できていないと思う。これからどういうことをやっていくのかということをもう少しお聞かせいただきたい。
 それから、これから子どもが減っていく中で、特に私立大学はもう淘汰されていくものなのか、この有識者会議の議長が勤められている長野県立大学も、もともと短大から四年制大学になったりとか、私立大学の公立化をしているようなところもあるが、そんな検討なり、これからの県内大学や私立大学の在り方というのをどのように考えているのかというところも、もう少しお聞かせいただきたい。

○後田部長 まず、先ほど議員から御紹介があった高等教育コンソーシアムみえの運営等に参画をしており、県内高等教育機関とも連携を図る取組という部分を基本的にしてきている。しかし、今の段階で県内定着ということを考えると、これまでいろいろやってきたことに加えてさらにいろいろやることがあるのではないかと考えている。御紹介のあった奨学金返還の一定の費用を負担するという事業もやっているが、そういうものの在り方も今後、県内定着をさらに進めていくのにどうしていったらいいかというような議論をしていかなくてはいけないと思っており、県内の高等教育機関の魅力を高めて県内の高校生の方に県内で残りたい、県内で就業したいというような思いを抱いていただけるようなプログラムであるとか、仕組みであるとか、そういうようなことも考えていく必要があると思っており、そういう部分について引き続き県内の高等教育機関ともしっかり話をしながら進めていきたいと考えている。

○野口議員 県立大学設置の議論をしたときに、市町、主に市だが、誘致しようとしていたところが複数あったと思うが、松阪市も、市長が知事との関係で大学がどうのこうのと言われていた。私どもにも言われていた。そういう誘致をしようとしていた市への対応は、どういうふうにされるつもりか。

○後田部長 これまで関係市町から、県立大学をつくるのであれば、ぜひ南部地域とか、北勢地域にという御要望を受けている。今回、こういう部分で県として一定判断したこともあるので、今回の有識者会議から頂いた報告書の内容なども含めて、そういう御要望をいただいていた関係市町には、県からも丁寧に説明してまいりたいと考えている。

○一見知事 必要であれば、市町に対して私のほうからもお話しさせていただくことを考えたい。

○野口議員 一生懸命言われていたところもあるので、ぜひそこら辺は丁寧に、ちゃんとしていただき、市町も住民の皆さんに言わないかんと思うので、よろしくお願いしたい。

○津田議員 県立大学は大変厳しいという報告をいただいた。ただ、公立大学も駄目なのかというような正確性を欠く情報が流れることを懸念しており、ちょっと確認したい。
 稲垣議員も言われていたが、私学であっても、公立であっても、一番大事なことは建学の精神だと思っている。今回は県内の収容力を高めるために議論がスタートしたわけであって、こういう結果については私も受け入れたいと思っているが、そもそも学びやというのは、公立であっても、創立者の、それをつくろうとした人の思い、建学の精神が一番大事であって、その学びやで学んだ技術だとか知識を、世のため人のためにというと大げさかもしれないが、自分以外の何かのために使っていくということが、学びやの使命だと思う。場所は世界のどこでも、地元でもそれは関係ないことであって、何かのために役に立てば、それが学びやの使命を果たしたということだと思っている。
 代表質問でもお話しさせていただいたが、主体はいろんな主体、国も入る公立大学もあろうかと思うし、私学の一部が公立になることもあろうかと思う。県内の自治体ではこれからどういうアイデアが出てくるのか分からないが、熱心な自治体から県にぜひ協力いただきたいという話があった場合は、きちっとその市の思い、意見を聞きながら話し合っていただきたい。

○一見知事 私自身、私立の中学、高校を出ているので、先日も私立高校の大会に出させていただき、建学の精神についても話をしてきた。また、公立の教育機関であっても、やはり公平な教育であるとか、あるいは差別を行わないとかの、非常に重要な我々の考え方というのを子どもたちに伝えるところがあり、建学の精神という言葉がふさわしいかどうかは別にして、その学校をつくるに当たっての思いというのはあると思っている。
 御質問いただいた、今回の結論については、現段階において県立大学をつくるということについては断念するという結論なので、県立大学以外の公立大学についてどうするか、これは自治体のほうでお考えになるところもあると思うが、そういった提案があった際に、私どもとしては、きちんと議論をさせていただきたいと思っている。そのときも、議員がおっしゃるような、どういった考え方でつくるのか、さらには、就職率、特に今回のB/Cをはじくに当たっては就職率のところが議論になっており、なかなか県内で就職しないだろうということであるとB/Cがはじけない、そういったあたりもしっかりと見せていただきたいと思っている。
 公立大学に限らず、現段階において県立大学はという結論なので、状況が変わってくる場合、先ほども御質問いただいたが、他県においては私立大学の経営が行き詰まるという形で、公立大学がその受皿になるという例もあるし、それから先ほど申し上げたが、就職率について、別の考え方というのも、あるいは明らかなエビデンスがあるということであれば、結論は異なってくると思うので、そういったところを御理解いただければと思っている。

○津田議員 仮に公立大学の議論が進むのであれば、県としては、県内での就職率を重視されるかもしれないが、他の自治体についてはそうでないかもしれないので、それについてもどこまで求めるのか、程度の問題があるかもしれないが、基本的に学びやをつくるということは、県内に子どもをとどめているための学びやではないので、繰り返しになるが、世のため人のため、そういった大人をつくっていただくための学びやであるので、そこのところをぜひとも御理解いただきたいと思っている。

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