このページではjavascriptを使用しています。JavaScriptが無効なため一部の機能が動作しません。
動作させるためにはJavaScriptを有効にしてください。またはブラウザの機能をご利用ください。

スマートフォンサイトへ移動

三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 令和2年度 委員会会議録 > 令和3年3月10日 予算決算常任委員会 会議録

令和3年3月10日 予算決算常任委員会 会議録

 予算決算常任委員会
会議録
(開会中)

 
開催年月日   令和3年3月10日(水曜日) 午前10時0分~午後3時35分   
会議室      議場
出席委員    49名
          委 員 長     杉本 熊野
          副委員長    野口  正
          委  員    川口  円  喜田 健児  中瀬 信之
                   平畑  武  石垣 智矢  小林 貴虎
                   山本佐知子  山崎  博  中瀬古初美
                   廣 耕太郎  下野 幸助  田中 智也
                   藤根 正典  小島 智子  木津 直樹
                   田中 祐治  野村 保夫  山内 道明
                   山本 里香  稲森 稔尚  濱井 初男
                   森野 真治  津村  衛  藤田 宜三
                   稲垣 昭義  石田 成生  小林 正人
                   服部 富男  谷川 孝栄  東   豊
                   長田 隆尚  奥野 英介  村林  聡
                   今井 智広  北川 裕之  舟橋 裕幸
                   三谷 哲央  中村 進一  津田 健児
                   中嶋 年規  青木 謙順  中森 博文
                   前野 和美  舘  直人  山本 教和
                   西場 信行  中川 正美
欠席委員    なし
出席説明員  知事                             鈴木 英敬
          副知事                           稲垣 清文
          副知事                           廣田 恵子
          危機管理統括監                     服部  浩
   [防災対策部]
        部長                               日沖 正人
        副部長                             清水 英彦
   [戦略企画部]
        部長                               福永 和伸
        副部長兼ひとづくり政策総括監              髙野 吉雄
   [総務部]
        部長                               紀平  勉
        副部長(行政運営担当)兼コンプライアンス総括監   山口 武美
        副部長(財政運営担当)                    松浦 元哉
        財政課長                            石黒 将之
   [医療保健部]
        部長                               加太 竜一
        副部長                             中尾 洋一
   [子ども・福祉部]
        部長                               大橋 範秀
        副部長                              藤川 和重
   [環境生活部]
        部長                               岡村 順子
        廃棄物対策局長                        安井  晃
        副部長                              奥山 孝人
   [地域連携部]
        部長                               大西 宏弥
        国体・全国障害者スポーツ大会局長           辻󠄀 日出夫
        南部地域活性化局長                    横田 浩一
        地域連携総務課長                     吉川 行洋
   [農林水産部]
        部長                              前田 茂樹
        副部長                            更屋 英洋
   [雇用経済部]
        部長                             島上 聖司
        観光局長                           河口 瑞子
        副部長                            野呂 幸利
   [県土整備部
        部長                             水野 宏治
        理事                             真弓 明光
        副部長(企画総務担当)                 小見山 幸弘
   [出納局]
        会計管理者兼出納局長                 森  靖洋
   [企業庁]
        庁長                             喜多 正幸
   [病院事業庁]
        庁長                             加藤 和浩
   [教育委員会]
        教育長                           木平 芳定
        副教育長                          宮路 正弘
   [警察本部]
        本部長                           岡  素彦
        警務部長                         河石 勇
   [人事委員会事務局]
        事務局長                          山川 晴久
   [監査委員事務局]
        事務局長                          坂三 雅人
委員会書記
        議事課     班長       中西 健司
        議事課     主幹兼係長  橋本 哲也
        企画法務課  主幹       早川 哲生
        企画法務課  主事       水谷 健太
傍聴議員   なし
県政記者   なし
傍聴者     6名
議題及び協議事項
1 議案の審査(予算議案及び予算関連議案に係る総括質疑)
(1)議案第5号「令和3年度三重県一般会計予算」
(2)議案第6号「令和3年度三重県県債管理特別会計予算」
(3)議案第7号「令和3年度地方独立行政法人三重県立総合医療センター資金貸付特別会計予算」
(4)議案第8号「令和3年度三重県国民健康保険事業特別会計予算」
(5)議案第9号「令和3年度三重県母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算」
(6)議案第10号「令和3年度三重県立子ども心身発達医療センター事業特別会計予算」
(7)議案第11号「令和3年度三重県就農施設等資金貸付事業等特別会計予算」
(8)議案第12号「令和3年度三重県地方卸売市場事業特別会計予算」
(9)議案第13号「令和3年度三重県林業改善資金貸付事業特別会計予算」
(10)議案第14号「令和3年度三重県沿岸漁業改善資金貸付事業特別会計予算」
(11)議案第15号「令和3年度三重県中小企業者等支援資金貸付事業等特別会計予算」
(12)議案第16号「令和3年度三重県港湾整備事業特別会計予算」
(13)議案第17号「令和3年度三重県水道事業会計予算」
(14)議案第18号「令和3年度三重県工業用水道事業会計予算」
(15)議案第19号「令和3年度三重県電気事業会計予算」
(16)議案第20号「令和3年度三重県病院事業会計予算」
(17)議案第21号「令和3年度三重県流域下水道事業会計予算」
(18)議案第27号「知事等の給与の特例に関する条例の一部を改正する条例案」
(19)議案第28号「会計年度任用職員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
   案」
(20)議案第30号「三重県安心こども基金条例の一部を改正する条例案」
(21)議案第31号「三重県手数料条例の一部を改正する条例案」
(22)議案第33号「三重県看護職員等修学資金返還免除に関する条例の一部を改正する条例案」
(23)議案第40号「公立学校の会計年度任用職員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正
   する条例案」
(24)議案第43号「防災関係建設事業に対する市町の負担について」
(25)議案第44号「農林水産関係建設事業に対する市町の負担について」
(26)議案第45号「土木関係建設事業に対する市町の負担について」
(27)議案第46号「北勢沿岸流域下水道(北部処理区)の維持管理に要する費用の市町負担の改定につい
   て」
(28)議案第47号「北勢沿岸流域下水道(南部処理区)の維持管理に要する費用の市負担の改定について」
(29)議案第48号「中勢沿岸流域下水道(雲出川左岸処理区)の維持管理に要する費用の市負担の改定に
   ついて」
(30)議案第49号「中勢沿岸流域下水道(松阪処理区)の維持管理に要する費用の市町負担の改定につい
   て」
(31)議案第50号「宮川流域下水道(宮川処理区)の維持管理に要する費用の市町負担の改定について」
(32)議案第57号「令和2年度三重県一般会計補正予算(第14号)」
(33)議案第58号「令和2年度三重県県債管理特別会計補正予算(第2号)」
(34)議案第59号「令和2年度地方独立行政法人三重県立総合医療センター資金貸付特別会計補正予算(第
   1号)」
(35)議案第60号「令和2年度三重県国民健康保険事業特別会計補正予算(第2号)」
(36)議案第61号「令和2年度三重県母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付事業特別会計補正予算(第2
   号)」
(37)議案第62号「令和2年度三重県立子ども心身発達医療センター事業特別会計補正予算(第4号)」
(38)議案第63号「令和2年度三重県就農施設等資金貸付事業等特別会計補正予算(第2号)」
(39)議案第64号「令和2年度三重県地方卸売市場事業特別会計補正予算(第3号)」
(40)議案第65号「令和2年度三重県林業改善資金貸付事業特別会計補正予算(第2号)」
(41)議案第66号「令和2年度三重県沿岸漁業改善資金貸付事業特別会計補正予算(第2号)」
(42)議案第67号「令和2年度三重県港湾整備事業特別会計補正予算(第2号)」
(43)議案第68号「令和2年度三重県水道事業会計補正予算(第3号)」
(44)議案第69号「令和2年度三重県工業用水道事業会計補正予算(第3号)」
(45)議案第70号「令和2年度三重県電気事業会計補正予算(第3号)」
(46)議案第71号「令和2年度三重県病院事業会計補正予算(第4号)」
(47)議案第72号「令和2年度三重県流域下水道事業会計補正予算(第4号)」
(48)議案第75号「職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例案」
(49)議案第76号「防災関係建設事業に対する市町等の負担について」
(50)議案第77号「農林水産関係建設事業に対する市町の負担について」
(51)議案第78号「土木関係建設事業に対する市町の負担について」
 
【会議の経過とその結果】
 
〔開会の宣言〕
 
1 議案の審査(予算議案及び予算関連議案に係る総括質疑)
(1)予算議案及び予算関連議案(51件)
〇杉本委員長 それでは、質疑に入ります。
 まず、新政みえから御質疑をお願いいたします。

〇田中(智)委員 皆さん、おはようございます。
 この本会議場を使っての予算決算常任委員会の総括質疑ということで、ちょっと何か違和感というか、いつもと違うんで、そういう意味でどきどきしておりますけれども、新政みえとしては98分を頂いておりまして、3人で質疑をさせていただきますので、私からは30分程度ということになりますので、早速お願いしたいと思います。
 さはさりとて、新型コロナウイルス感染症に関して、ここ最近は1桁台の新規感染者ということで、少し県内としては落ち着いているというか、下火になっているということでありますけども、まだまだ予断を許しませんし、お亡くなりになられた方も多数お見えになります。心からお悔やみを申し上げますとともに、感染された方々、その御家族の方、その関係者の方々には本当に心から心配しておりますし、私どもとしてもしっかりと寄り添っていきたいと思っているところであります。
 改めて公衆衛生というものの大切さというのを痛感させられたと私個人としても思っているところです。究極は1人に対する治療とかという面になってしまう医療、臨床とかということとは違って、地域とか国とか集団に対する、健康に対する危機、脅威、ここに未然に対応していくことの必要性、重要性というのを改めてこれからも考えていかなければならないな、そんなふうに思っているところです。
 この内容について、私も医療保健子ども福祉病院常任委員会に所属しておりますので、また奥野委員長の下、委員会の審議の中で令和3年度の取組については議論させていただきたいんですけれども、ここで1点だけお願いしておきたいのは、今回の新型コロナウイルス感染症は新興感染症ですけれども、身近なところで聞きなじみのあるところでは、肺結核などの、既にそれほど公衆衛生上の脅威とはなっていないかも分かりませんけれども、様々な条件によっては、またまた公衆衛生上の危機を生じる可能性がある再興感染症への対応というのも、県として県域における県民の皆さんへの公衆衛生上の脅威に対応していくこと、このことをぜひこの機会に県庁全体で考えていただきたいな、そんなふうに思うところです。
 それでは、質疑に入ります。
 まずは、最初、ものづくりのところに行きたいと思います。施策番号でいくと、322ものづくり産業の振興というところです。私も四日市にいます。四日市コンビナートの競争力の強化を図っていただいているところでありますけれども、ただ、今回の当初予算でも総額としては59万4000円ということで、非常に少ない額だなというのが率直な感想です。前年度、令和2年度は74万円余りだったのが、59万円という形で、少し減っていますし、その辺のところは少し心配だなと思います。
 ただ一方で、中小企業・小規模企業の課題解決支援事業ということについては、前年度と比べて2100万円ほど増額していただいています。この辺りのところで、何をしていくのかな、何をしていただくのかなというところを聞かせていただきたいと思います。
 それから、中小企業支援「新たな日常」推進事業については、これはDX(デジタルトランスフォーメーション)による生産性向上、競争力強化の取組ということですけれども、このあたりも1000万円ほどついておるんですけど、少し概要を教えていただければなと思います。

〇島上部長 3点御質問いただきました。
 まず、四日市コンビナートについてでございますけれども、御案内のとおり、四日市コンビナートにつきましては稼働から50年以上がたち、多くのプラントの中で、施設におきましても老朽化というものが進んでおるという状況にございます。県が四日市市とともに取り組んでおります四日市コンビナート先進化検討会という場がございまして、この場でコンビナートの企業からいろんなお声を伺っておるところでございます。とりわけ過去の採用抑制などを要因に、プラント運営だとかメンテナンスにおける技術の伝承といった問題が課題となっているという強いお声を頂いておるところでございます。
 こうした声を踏まえまして、令和元年度からでございますけれども、コンビナート企業を対象に人材育成のための講座というものを開設してございます。具体的には、そういった企業に対しまして、デジタル技術を活用したプラントの運営、メンテナンスを行うことができる、そういう人材を育てていこうという取組になってございまして、この講座がこの事業の中身となってございます。県の負担という意味におきましては、講師の旅費だとか、あと宿泊費、そして会場費というものを負担することになっておりまして、それ以外のものにつきましては、受講者から受講費という形で頂いておるという形で成り立ってございます。ちなみにお1人当たり5万3000円の講習費を頂いておるという形でございます。
 そうした形でやってございまして、今年度は残念ながらコロナ禍のため開催できませんでしたけれども、最初に取り組んだ令和元年度の取組としましては、18社32名の方に御参加いただきまして、かなり御好評を頂いておるという状況でございます。データ分析につきましても、基本的な部分から詳しく説明されており、受講料以上の価値があるといったような声だとか、あと、こうした講座が三重で開催され、参加しやすくてよかったといったような声を頂いておりますので、引き続き令和3年度におきましてもこの講座を開設しまして、スマート化に必要な人材育成を図ってまいりたいと考えてございます。
 2点目の工業研究所におきます中小企業・小規模企業の課題解決支援事業の中身についてでございます。この予算のベースの部分につきましては、工業研究所が中小企業者のために行う技術支援のサービスを支える予算となってございます。具体的には、中小企業、小規模企業の課題解決のために、例えば依頼試験だとか、機器の開放、そして共同研究といったような技術サービスを行うためのベースとなる予算となってございます。
 来年度増額部分につきましては、今申し上げたベースの部分に付け加えた形で、工業研究所の、四日市にございます窯業研究室のほうに装置を導入しようと考えてございまして、そのための予算が約1800万円でございます。この装置は、蛍光エックス線分析装置というものでございまして、陶磁器だとかセラミックスの化学成分を解析する装置となっておりまして、製品の開発時に欠かせない装置の一つだと言われております。既に津のほうの工業研究所には1台ございまして、これの利用実績というのは非常に多うございまして、さらにはそれを四日市、北勢のほうにもぜひとも1台導入してほしいという強い声がございましたので、そのために予算を計上させていただいたという形になってございます。
 もう1点は、調査としまして300万円ぐらいの予算で、それも追加となってございます。中身につきましては、産業廃棄物の発生抑制だとかと低減化に関する調査ということでございまして、廃プラスチックだとか酒かすの再利用に関する、そういった調査を来年度行いたいという形になっております。
 それと、3点目でございますけれども、中小企業支援「新たな日常」推進事業の中身でございますけれども、一言で申し上げますと、デジタルトランスフォーメーションを推進していくための補助制度といったものがこの内容になってございます。御案内のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越えまして、中小企業が生産性の向上だとか競争力の強化を図っていくためには、デジタル技術といったものを積極的に活用していかなければならないと考えておりますし、また、これからの時代、単なるIT導入にとどまらず、経営者が勘と経験だけではなくてデータに基づいて経営をする、データというのは事実というふうに言い換えてもいいのかと思いますけれども、そうしたデータ、事実に基づいて、科学的判断を下しながら経営をやっていく、その経営を革新していくということが大変重要であると言われております。
 実際私も先進的なDXに取り組んでいる企業を訪問したり、そういったコンサルタントをやっている人と話をしましても、やはりそういったものが非常に大事だというふうによく言われておりますので、そういう方向で進めていくんだろうと。このため、中小企業支援「新たな日常」推進事業というもので補助制度を創設したわけでございまして、データに基づく経営にチャレンジしようとする企業を費用面からも後押ししてまいりたいと考えてございます。具体的には補助事業費の上限額を250万円と設定しまして、補助率を2分の1としております。企業の取組段階に応じまして、DXに挑戦する企業に対し、しっかりとした支援を行ってまいりたいと考えてございます。

〇田中(智)委員 ありがとうございます。
 島上部長の何かすごい真摯な御答弁で心を震わされました。
 ただ、コンビナートに関しては、好評な研修会、講習会をやっていただいているということで、非常に重要なことだと思うんですが、コンビナート全体の、まあ言うなら再生ですね、競争力を強化していって、再生していくということについては、県政としてももう少しというか、さらにコンビナート企業の抱えている課題、それぞれの事業所の課題があります。
 先日、原油精製をしているプラントの方と少しお話をする機会がありました。確かにハイブリッド化とかEV化で新たな燃料で自動車が動くような時代になって、ガソリンは需要がなくなってきているけれども、原油精製の段階で生じるナフサを使って様々な化学製品ができている、それで私たちの日常生活を支えられているということからすると、ガソリンが要らないから、原油精製はもう要らんのやないかって、そんな単純なものではないと思いますし、日本全体の世界に向けての世界戦略という中もあるとは思うんですけれども、その中で三重県としていかにきらっと光っていくかということ、このことはしっかりと考えていかなければならないんじゃないかな、そんなふうに思っています。
あと、ものづくりのところの工業研究所への蛍光エックス線分析装置の整備という形で、非常にこれも意義深いなと思っています。ただ、老朽化というのを強く認識いただいておるとは思いますが、まだまだ、来年度当初予算をずっと今か今かと思って、私も10年議員をさせてもらっていますけれども、記載があるかなと思うと、やっぱり全然ないものですから、このあたりのところはしっかりとやっていかないと。まちの技術医を標榜しておられましたよね、まだ。野呂副部長も大きくうなずいておられますけれども、町の技術医でも、町で私たちが風邪を引いたり、何だかんだしてお医者さんにかかるときに、雨漏りのするような、注射器もディスポーザブルではなく、熱湯消毒しとるようなお医者さんって分かると、なかなかかかりにくいなと。中小事業者、ものづくりの事業者の熱い、たぎるような思いで、こんなん造りたいぜと、こんなんで打って出たいぜという人たちに対する相談とか依頼試験とかに堪え得るような工業研究所というものをやっぱり考えていかないといけないんだろうと思っているところですので、熟慮いただきますように強くお願いしたいなと、そんなふうに思うところです。
 次の施策へ行きたいと思います。
 去年の6月の一般質問でも少し触れましたけれども、文化の面です。施策227で文化と生涯学習の振興という形でいろいろありますけれども、まずは文化活動再開支援事業のことを少し取り上げたいと思います。これはコロナ禍でなかなか開催ができないアーティストに対する支援事業という形で、補正予算で組んでいただきました。ただ、これも補正予算第14号で上がってきているやつで、今回の補正でマイナス2100万円ほどということで、執行残が出ているという形です。同じ名前で、一応当初予算としては初めてなので、新規という形で、マル2で文化活動再開支援事業という形になっていますけれども、昨年の補正から来ているものだと思うんですね。2100万円余りの執行残があったという状況ですので、今回の当初予算では少し使いやすいようになっているのかどうなのかということをお伺いしたいと思います。
 それから、マル1のところの文化活動連携事業です。新しいみえの文化振興方針の中で、重点に置いていただいています文化の拠点機能の強化ですとか、人材育成、この2つを重点という形で取り組んでいただいていますけれども、文化の拠点機能に関しては文化交流ゾーンを中心に様々な取組を展開してもらっているので、非常にいいのかなというふうには思うところですけれども、人材育成はどんなふうにやっていかれるのか。あと、専門的な視点からの評価という記載があります。この専門的なというところをどういうふうにしていくのかというところについてもお伺いしたいと思います。

〇岡村部長 3点お伺いいただいたと思います。
 1点目の文化活動再開支援事業につきましてですが、まず、この事業についての実績なんですけれども、先ほど少しお話にもございましたけれども、3月4日時点で申請件数が19件ということで、うち中止の1件というのもございまして、交付決定したのは18件ということになっております。その実績につきましても、昨年9月1件、10月3件、11月6件と、だんだん10月、11月と新型コロナウイルス感染症の状況が少しよくなってきて、少ないながらも倍々してきて、12月もそこそこ行きかけたところで5件となっているんですが、ここで第3波がやってきて、1月、2月が1件、2件というふうな形でとどまっております。そうした中で、全体の貸館事業ということでいきましても、文化会館等で2分の1ぐらいということでございます。
 一方で、県立の施設だけではなくて、やっぱり市町での支援ということも広げなくてはという思いの中で、県としましては、市町でそれぞれの身近な文化活動の再開に向けた支援策も行っていただくということで、実際この活動を行う方に対しての支援というのを市町のほうでも行っていだくように働きかけもしまして、そうした中で現在、2月の時点で、令和2年度は15市町で支援策が実施されています。その内容としましては、コロナ禍での貸館のキャンセルに係る県と同様の内容であったり、活動自体に対する財政の支援であったり、それから、設備の貸出しとか、発表機会の創出といった様々な取組が行われているところです。各市町におきましても、令和3年度も継続であったり、また追加で新たな市町が支援を始めるというようなものも少し聞いているところです。
 そうした中で、市町におきましても、状況を聞いてみますと、活動自体への支援のような形で比較的支援しやすいようなものについても、予算に対して最大で3割から4割程度にとどまっているような状況であります。これらについては、新型コロナウイルス感染症のせいばかりにはできませんが、新型コロナウイルス感染症のことがやっぱり心配で、なかなか活動が再開できないというような状況が実際のところあるのかなと思っております。そうした中で、利用者からの声としましては、補助がなければ発表会ができなかったとか、あってよかったというようなお声を頂く一方で、もう少し、チラシの印刷であったり、それから、動画撮影をして発信することをしますので、そうしたものへの支援ですとか、あと機材の利用に対してのレンタル料とか運搬費についても支援をしてくれればいいなというような御意見を頂きましたので、新年度に向けてはそうしたものについても対象に加えて、できるだけ利用しやすい制度としたいと考えております。件数につきましても、今回のことを一つ実績として踏まえながら件数を上げさせていただいているところです。
 できるだけ、新型コロナウイルス感染症の状況を見ながら、皆さん、やりたいというふうに活動再開支援には思いを持っていらっしゃいますので、そういう状況ができたときに、すぐにでも始められるような形で考えていきたいと思います。
 次に、人材育成についてのことでございますが、新しいみえの文化振興方針の中で、取組の方向としまして、この人材の育成に関しまして、次代を担う若い世代やアーティスト、それから文化振興を担う専門人材を育成するものとしていまして、具体的には子どもたちへの文化芸術鑑賞、体験機会の提供、それから、アートマネジメント人材や舞台技術者等への育成研修、加えて、子どもたちを育てるための発表の場ですとか、アーティスト等が交流し、活動できるフィールドづくりといったようなところを想定しながら行っておりまして、令和3年度におきましては、生涯学習センターで、これまでもやってきたことでございますけれども、アーティスト等を学校に年間50校程度をめどに派遣して、文化芸術体験を提供しています。それから、アートマネジメント人材育成事業としまして、市町の文化担当や文化会館の職員を対象とした人材育成事業を行っておりまして、来年度新規で、社会的な課題、社会包摂と言っていますけれども、そうしたものと実際の舞台公演を活用しながら考えていくような事業にしておりますのと、大学生のインターンシップなどを新しく取り入れています。
 さらに今年もやっていますが、コロナ禍の新しい日常の下での文化会館の運営ということについても研修会を引き続き行うこと。それから、次世代のアーティストの育成ということで、三重ジュニア管弦楽団の地域での演奏活動ですとか、新日本フィルハーモニー交響楽団の楽団員を講師に招いての楽器の講習会、それから、演劇について、高校演劇部員向けの技術講習会とか、平田オリザ氏の主宰されております劇団での実践的な戯曲を学ぶような講習会といったものを開催するのと、あと実践的に交流するような場ということで、従来からみえ文化芸術祭ということで、みえ県展、みえ音楽コンクール、みえ県民文化祭というものを開催しております。こうしたことを通じて総合的に人材育成を図っています。
 評価・推進会議というものを設けて、先ほど御質問のございました評価というものを行っています。これにつきましては、アートマネジメント等の有識者ですとか、市町、市町文化協会、アーティストなどの方々の8名で構成される評価・推進会議をつくりまして、文化振興方針で掲げています5つの取組方向ごとに指標と実績値、達成度、それから実際やったことなどをお示しして評価をいただくのと、翌年度に向けた提案等をいただいています。
 そうした中で、先ほどの人材の育成などでいきますと、受講者の学びが満足度という視点にとどまらずに、次の行動に届くようにというようなことについて今後考えたほうがいいということで、アンケートの強化等を提示いただいたところでございます。そうした形で、評価については次年度に生かすような形で頂いているということでございます。

〇田中(智)委員 ありがとうございます。
 人材の育成、文化振興方針に基づく取組に対する評価を専門的な有識者の方8名で構成される委員会でということで、やはり専門的な視点での評価というのは必要だと思うんですね。今後、私も昨年6月の一般質問でも少し御提案申し上げたアーツカウンシル、これをやはり県としてつくっていって、様々な取組に対する評価もさることながら、これからの文化振興施策について御提案、アドバイスいただく、転がしていく、ローリングしていくということをやっぱり考えてほしいなというふうには思っています。そういう御認識は持っていただいているとは伺っていますので、引き続きその方向でお願いしたいと、そんなふうに思います。
 時間もあれですので、もう次のところへ行きます。
 知事は、令和3年度当初予算の議会との議論の中でよく、令和3年度は三重県の未来にとって重要な課題に対応していく年だというふうに使われたと思うんです。言葉を、メモしてありますので。未来にとって重要な課題への対応をしていく年だ。そんな中で、新型コロナウイルス感染症がどのタイミングで収束していくのか。ゲームチェンジャーと言われるワクチンと言われていますけども、なかなかやはり、集団免疫を獲得するところまで接種が進むにはもう少し時間がかかるだろうとは思いますけれども、ただ、新型コロナウイルス感染症に限らず、三重県の将来、未来にとって重要なというのは、やはり暮らし続けられる三重県をいかに私たちの世代でつくっていくかということだと思うんですね。
 そうなってくると、一つ例に挙げますと、高齢者の方や自動車運転免許を持たない若者の移動手段である公共交通のところ、とりわけ生活交通のところというのを私は前からずっと重要視しているんですけれども、ただ、当初予算で見ていきますと、要求状況と当初予算で、結局私どもへ御説明いただいている資料から見ると、生活交通に関わるところが若干要求に対して減額されているところがありまして、地域連携部の姿勢としては、先般の三谷議員の一般質問に対する部長の答弁でもあって、意気込みはあるんだというふうには受け止めさせていただいているんですけども、やはり知事としてこれからの三重県、未来の三重県、地域をどうつくっていくかについて、とりわけ生活交通の部分というのは重要だと思っていますので、その辺りの知事としてのお考えをお伺いしたいと思います。

〇鈴木知事 公共交通の関係と今年度の予算のことで答弁させていただきますけども、田中智也委員がおっしゃったとおり、通学、通勤、通院など、暮らしの社会基盤として公共交通は不可欠です。公共交通事業者の皆さんにおかれては、今回のコロナ禍で利用者が大幅に減少している中でも、エッセンシャルワーカーとして公共交通の維持のために全力を尽くし、また、乗っていただく方々に安心していただけるようにということで、感染防止対策を抗ウイルス加工とかも含めて徹底的にやっていただきまして、本当に心から敬意と感謝を申し上げる次第であります。
 公共交通の路線は、鉄道にしてもバスにしても一回なくなると元に戻すというのはすごく難しいことなんです。全国的にもまれですけど、名松線のような一回災害とかで止まって復活するとかというのは、もうなかなか、普通はあり得ないことなんですけども、それがあるわけですが、基本的には一回なくなると元に戻すのは非常に難しい。なので、それをしっかりコロナ禍でも維持していくということが大事だと思っています。
 令和3年度予算は、恐らく、ちょっと正式名称は忘れましたけど、コロナの交通事業者支援事業というのが減額されていることを御指摘いただいているんだと思うんですが、実は交通事業者支援全体でいくと、令和2年度予算が合計8.9億円、令和3年度予算は11億円で増えています。これは一方で伊勢鉄道への損失補塡の基金のやつが3億円ありますので、それを引いても大体同額。しかし、令和2年度は補正予算分も入っていますので、そういう意味では当初予算分で見れば、そんなに遜色はないと思っています。
 さっき言った事業が減額されているのは、実は4か月間支援しますという要求が最初出てきて、4か月というのはさすがに根拠がないと。根拠がないことは認められないというのは、財政論としては正しい。しかし、今申し上げたような公共交通事業者に果たしていただいている役割から考えれば、これまで国と協調補助でやってきたやつを、2か月だったんですけど、それを県単事業に巻き替えて、県単独で2か月やるということについては、これはこの公共交通事業者の皆さんの厳しい状況を考えれば、ぜひやるべきということで、むしろ厳しいところをさらに地域連携部の意気込み、あるいは県庁全体みんなの思いで、何とか予算を確保していったようなことであります。実際、先ほど申し上げましたように、今までのその支援策は国が半分出しているやつを県単でいくという形にもしていますので、そういう形で御理解いただければと思います。

〇田中(智)委員 県単でつけていただいたということについて、知事のほうからも御紹介いただいて、そこのところは本当に評価を私個人としてはさせていただいていますし、三重県にとってこれから非常に重要なことだと思っています。何をやれば公共交通が維持できるかということの解決策というのは見つかりませんけれども、でも、総合的にいろんなことをやっていきながら。県の南部もそうですし、北勢だって地域鉄道の中では非常に厳しい状況のところもあります。三重県で暮らし続けられるということをテーマに私も今後活動していきたいなと、そんなふうに思っているところです。
 以上で私の質疑を終わらせていただきます。

〇北川委員 皆さん、おはようございます。
 新政みえ、名張市選出の北川裕之でございます。よろしくお願いいたします。
 少し前までの強い広島カープは、1番、田中、2番、菊池、3番、丸ということで、タナキクマルとなりましたけども、今日我々の布陣は、1番、田中、2番、北川、3番、中村で、タナキタナカということで頑張りたいと思います。だからどうやねんとかわされていますけれども、気にせずに進めます。
 来年度の当初予算は7882億円で、三重の新たな未来を切り拓く過去最大の予算ということで銘打たれた予算です。しかしながら、50%を超える国庫支出金、この影響も大きいのかなと思っておりまして、一方、予算要求段階では、一般財源ベースで財源不足は259億円ございました。先般の代表質問で、舟橋議員とのやり取りの中で、総務部長からは、歳出面では事務事業約74億円を圧縮したという説明がございました。過去最大の予算とはいうものの、そういう意味では県民が求めている行政サービスにまだまだ応え切れていない部分もたくさんあるのではないか、そういう観点で今日は質問させていただきたいと思います。
 ただ、最初に文句ばかり言ってもいけませんので、財源が豊かになる、こういう手法も提案させていただかなきゃいけないと思っています。県におかれては、未利用財産の処分であったり、ネーミングライツあるいは様々な媒体による広告料の確保に努力をいただいているところですけれども、この広告料収入の増のツールとして、今日はデジタルサイネージ、これを県庁はじめとして計画的に施設に配置して、県としてさらなる広告収入を上げてはどうかという提案をさせていただきたいと思います。既に置いてはいただいているわけですけれども、デジタルサイネージはデジタルの広告表示でありますけれども、いろんな形がありますので、駅とかにもありますし、百貨店とかのお店にもたくさん並んでいます。ユーザーの目に非常に訴える力もありますし、そして容易に情報が切り替えられる。行政にとっても、ふだんの行政情報をどんどんと新しい情報を出していける、災害時には緊急情報も流していける、さらには広告収入が得られるという、一石三鳥の効果があるのではないかと思っており、デジタルサイネージの広告需要は近年非常に伸びていると聞かせていただいています。他の自治体では、目標額も定めて取り組んでいる自治体もあるようにお聞きいたします。今、県のデジタルサイネージに関わっての取組状況や今後の方針について、お聞かせいただきたいと思います。

〇紀平部長 デジタルサイネージについてお答えさせていただきます。
 今、県庁では県民ホールのところに、真ん中が地図になっていて、そして両側に広告が掲載されている、あれがデジタルサイネージでございまして、いわゆる県民の方々の利便性と県の収入を得る、一石二鳥の取組でございます。設置に当たりましては、よりよいデジタルサイネージにするために、企画コンペを行いまして、県民ホールに設置しているのが平成30年度、それから運転免許センターには平成31年度に設置しておりまして、5年契約をやっておりまして、合わせて1200万円の収入ということになっております。
 ただ、デジタルサイネージの仕組みですけども、場所貸し、底地を賃借料で貸して、そして箱というんですか、物と、それから広告を集めてくるのが業者ということで、かなり課題がございまして、やっぱり人が集まる場所でないと駄目だとか、あるいは本体の設置費用、それから広告収入でペイができるかどうかという業者の方もいろいろそこのせめぎ合いがあって、なかなかすぐにはという状況になっているみたいでございます。そこで、広告事業者の方々ともヒアリングをしまして、よりよい方向で設置できるように今後検討していきたいと考えております。

〇北川委員 お答えいただきました。ぜひ拡大して取り組んでいただきたい。
 比較するのはいけないのかも分かりませんが、大阪市なんかを見ますと、令和元年度で6300万円、サイネージだけで広告収入を上げているというふうな数字も聞いておりますので、ぜひチャレンジをしていただきたいと思います。
 それから、2つ目、次は新型コロナウイルス感染症対策についてということで、今回、防疫対策事業で約395億円が計上されております。ワクチン接種も始まりましたけれども、先般、全員協議会でお話をさせていただいたように、市町の様々な課題についてしっかり県としてもフォローをしていっていただきたいなと、このことをお願いさせていただきたいと思います。
 少しその話からは離れますけれども、防疫対策事業として1つお願いをさせていただきたいことがございます。それは外国人の方の発熱患者、発熱外来。これの受入れ病院がなかなか決まらない現状があって、たらい回しになっているというお話を聞かせていただいています。実際は、みえ外国人相談サポートセンター(MieCo(みえこ))のほうで必死に対応いただいているというお話も聞かせていただきました。例えば、外国人の方で症状があって、病院へ行ったけれども、受診できませんと。で、MieCoの電話番号を渡されたと。MieCoに行って、MieCoが保健所に電話すると、かかりつけの病院へ行ってくださいと。かかりつけの病院へ行ったら、今度はクリニックの紹介状を持ってきてくれやんと受診できませんという話になった。相談者のかかりつけのクリニックに電話すると、今度は通訳同行でないとできません、こんな話になって、再び保健所に電話すると、いや、まあ探し続けてくださいと言われたと。最終的には自動車に乗車したままで受診するならばということで受けていただいたというふうな話を一例として聞かせていただいておりますけれども、朝から晩までMieCoのほうが必死になって受け入れていただける病院を探してきたと。特にこの1月、2月は非常にそういう厳しい状況がたくさんあったというふうに聞かせていただいております。もちろん病院のほうも通訳の問題ですとか、いろんな問題があるとは思うんですけれども、外国人の発熱患者の外来に対応する受入れ病院をやはりきちんと決めておいていただく必要があるのではないかと思います。
 そんな中で、先般、知事の提案説明の中にも、外国人患者の受入れに必要な医療機関の取組を支援する事業が上げられておりました。1施設当たり1000万円とお聞きして、10施設程度県としてつくっていくんだ、こういう方向性も聞かせていただきました。ここで重要なのは、この10施設が本当にきちんと確保いただけるのかどうか。手挙げで結果としては3つでした、4つでしたということでは、やはり地域全体、三重県全体を考えたときには厳しい状況になるのではないか。このあたりの外国人の方の発熱外来の受け皿をどうつくっていくのか、医療保健部長の所見を伺いたいと思います。

〇加太部長 外国人の発熱時の医療機関への受入れということで御答弁申し上げます。
 確かに現状では新型コロナウイルス感染症に係る外国語対応可能な医療機関が非常に限られているというのは、県としても認識をしているところでございます。一部その中でも御家族とか友人で通訳ができる方とか、それから地域のキーパーソン的な方の協力を得ながら何とか保健所も努力はさせてもらっているんですが、なかなかそこにもやっぱり無理な方というのは出てきていまして、保健所もいろいろ聞き取りはさせていただいたんですが、やっぱりなかなか、そういう方も出てくるという中で、御指摘のように、やっぱりきちっと医療機関のほうでどこでもできるというのはなかなか難しいし、個人の診療所では、英語のしゃべれる方が見えても、やっぱりそれ以外の言語となってくると、ますます難しくなってくるというところもございます。一部地域では受けていただく病院があって、そこにお願いしているというケースもあるんですが、全ての地域でそれができていないというところも事実でございますので、県といたしましても先ほど御紹介がありましたように、国の第3次補正予算において新たに設けられましたメニューを活用しまして、その1000万円という部分もございますので、外国語対応可能な医療機関を増やしていきたいという思いは一緒でございます。
 手挙げというお話もありました。当然、手挙げということもございますが、やっぱりそれだけではなかなか全域をカバーできないとは思っていますので、県のほうも汗をかいて医療機関を回らせていただいて、何とか増やしてはいきたいと思うんですが、やっぱり強制もできませんので、そこはよく地元の連合会、医師会等も含めて、やっぱり調整も必要だと思いますので、今後ともそういったところとお話をしながら、なるべく増やしていけるように引き続き努力はさせていただきたいと考えてございます。

〇北川委員 答弁いただきました。県も汗をかいてというふうにおっしゃいましたので、これはぜひしっかりと受け皿を県全体でつくっていただきたいということを強く要望させていただきたいと思います。
 あわせて、関連して保健所の体制ですけど、ここからもう要望にさせていただきますが、保健所も今、3者通訳の電話を設置いただいて活用するようにということになっているんですが、お聞きすると、県管轄の保健所でこれを活用できているのは鈴鹿保健所だけだというふうに実態として聞かせていただいております。他の保健所は、やっぱり余裕がないということもあるのかも分かりませんが、なかなか活用できていないという現状もお聞きしておりますので、ここのところもしっかり活用が進むような形で体制づくりをしていただきたい。
 それから、救急医療情報センター、229-1199。これは、今こんな症状だけれども、診ていただける病院はありますかというようなことで尋ねていただく県の情報センターですけれども、これも外国人の方にとってはハードルが高い。いわゆる多言語対応ができていない。この課題もありますので、ぜひ前向きに解決の方法を考えていただきたい。同じような話は、先般からスタートいただいている、みえ新型コロナウイルスワクチン接種のホットライン、これも多言語で対応いただけるように、これから体制を考えていただきたいということを強く要望させていただいて、この項は終わらせていただきたいと思います。
 それから、3点目は、教育に係って、教育費の高等学校費に関わって質疑をさせていただきたいと思います。
 人口減少、これは子どもたちの教育にも非常に大きな影響を受けているという状況にあるわけですけれども、先般、石田議員からも生徒減の話が大きくなるよというお話を頂きました。手元のさきの12月の常任委員会の資料を見せていただいているんですけれども、県内の中学校の卒業者数ですが、平成元年のときには約3万人いたけれども、この令和3年の3月は約1万6000人で、半分に減っています。そして、全日制課程を置く県立高校の数は、平成元年度のときには62校ありましたけれども、令和3年度には54校になっています。1校当たりの平均学級数は7.82学級から5.43学級になっています。
 そして、厳しいのは、令和5年3月以降の5年間で1000人程度減少することが見込まれると書かれてあるわけであります。1000人といいますと、40人学級計算ですと25学級、これはすごい数字になっていくんだろうと思うんですね。今までは6学級を5学級にだとか、5学級を4学級にだとかいうことで、それぞれ地域で調整をしながらやってきましたけれども、この手法もそろそろ限界に近づいているというのが今の状況だと思います。再編しても、さらにまだクラスを減らさなきゃならない。特に職業系や総合学科系はクラスを減らしていくと、そのまま学科やコースが減ってしまいますので、せっかく子どもたちのニーズがあっても学科を維持することができなくなってしまう。そういうことから、この春の定数の調整には、初めて募集定数を調整する業として少人数学級を使っていただきました。40人学級を35人や30人の枠、定員にすることによって学科やコースを守っていただいた。これは先般の教育長の言にもあったように、幅広い学習に随時応えていくという、まさにそのことだと思いますけれども、いい解決方法に見えますけれども、当然デメリットもあるわけでございまして、教員の定数は国によって定められていますので、生徒数の減によって教員の数は減らされることになります。せっかくきめ細かな教育が期待できるところですが、そうはなりません。逆に教員1人頭の負担が増えて、より多くのコマ数をこなすことになります。誤解のないようにですが、現場は、子どもたちの選択肢を守れるのであれば頑張ります、こうおっしゃっているわけですが、しかしながら、働き方改革の時代でもあります。
 そして、一番心配するのは、これからこの手法がやはり常套手段として少人数学級で定数全体を削減していくと。この手法がどんどんと使われていくのではないか。この辺を教育長としてどんなふうにお考えいただいているのか。そして、やはりそういう意味では、国の定数はあるけれども、少人数学級にしていく中で、その分の教員をきちんと確保して、小中学校は今進んできていますけれども、高校において、この少人数学級のための教員の確保というのをしっかりしていくべきだと考えますが、御所見を伺いたいと思います。

〇木平教育長 今、生徒が減る中での学級の人数と教員の配置ということでございました。今日3月10日はちょうど県立高校の後期選抜の入試がまさに行われている日です。このときから県立学校全体で640人の定数減ということになっております。委員のほうからもお話がありましたけれども、そういう人数が減る中で、やっぱり教育委員会としても、その地域においてできる限り多様なニーズに対応できるような学びの場を確保する観点は非常に大切だと思い、定数策定をしております。
 御案内のように、御指摘にもありましたけれども、そういう640人の中で3つの高校について、その学校の状況を見たときに、その3つの高校は、その地域で既に学校の職業学科で統廃合をしながらする中での学校である、あるいは小規模な学校で、そこで職業学科があるということで、トータルで考えさせていただいて、その3つの学校については40人ということじゃなくて、35人あるいは30人という形にさせていただきました。それで、そういったことで対応していくということについては、当該学校とも事前にやり取りをさせていただいて、教育課程を編成していくということの協議もさせていただいたところです。
 来年度については、県立高等学校活性化計画をつくっていきます。その中で新しい学びとか規模とか学校の配置の在り方も考えていきますので、そこで40人を下回る学級というのが、今させていただいたような形と同じような形で対応していくことが必要なのかとか、それから、学び方もICTとか、そういった部分とか、企業とか大学とかの連携もございますので、そういったことをトータルに検討を重ねて、学びの質と多様なニーズに対応するということと、教員の配置について、その中で検討を重ねていきたいと思っております。

〇北川委員 学びの質、多様なニーズに応えていくというふうに今、教育長がおっしゃいました。このことは、こちらに向いてというよりは、こちらに向いて申し上げていったほうがいいのかも分かりませんけれども、やはり子どもたちの多様なニーズに応えていく、そのための教員の確保、予算の確保、これはやはり県としてしっかりとこれからやっていっていただきたい。大幅な生徒減が見込まれる中で、この在り方というのをきちんとサポートしていっていただきたいと強くお願いさせていただいて、次の話に移らせていただきます。
 次は、同じ教育の関連で、高等教育機関連携推進事業、このことについてお尋ねしたいと思います。
 令和3年度の予算は2200万円余りでございます。この中には県立大学のニーズ調査、有識者会議の特定政策課題枠の費用700万円余りもありますし、また、新たに県内高等教育機関が独自の強みを生かして行う県内入学者、県内就職者の増加につながる取組、これを支援していくということで、1500万円余りの予算が入っています。そして、恐らく今から申し上げたい三重創生ファンジスタ、この予算もこの中に含まれているんだと思いますが、私の認識が間違っていなければ、三重創生ファンジスタに県が予算化しているのは負担金の20万円弱の数字ではないかなと思わせていただいています。三重創生ファンジスタは御存じの方も多いし、知事は一番よく知っていただいている話だと思いますけれども、三重大学をはじめとして、県内の複数の高等教育機関が連携して、そしてまた県内の企業や自治体とも連携して、そして学生たちが大学のカリキュラムとして地域に入っていって、地域の課題に取り組んでいく、農林水産業の体験ツアーをやったり、あるいは地域の活性化に地域の人たちと一緒に取り組んだり、こういう事業をやって、そしてそれが単位になる、しかもそれが横のつながりで、どの大学で受けても単位になる互換性のあるものとして、この三重創生ファンジスタは生まれました。もともとは文部科学省の地(知)の拠点づくり、これで始まったわけで、5か年の国の事業です。終盤はCOC+(プラス)と言われていた事業でありますけれども、年間2000万円から3000万円の予算が国から下りてきて、各大学でこれを活用して、この三重創生ファンジスタの事業が行われてきたということになります。
 今日、私の事務所にインターンシップで来ていただいている三重大学、それから三重短大の学生も傍聴いただいていると思うんですけれども、昨年2月に若者の県内定着をテーマに、みえ現場de県議会で、三重創生ファンジスタの皆さんに来ていただいて、お話も伺ったところです。単に単位を取るだけじゃなくて、これは資格にもなるということで、ベーシック、アドヴァンス、エキスパート、単位をたくさん取れば資格にもつながって、そして就職の際には、三重ファンジスタのアドヴァンスを持っていますよ、エキスパートを持っていますよ、こういうことで表明をして、就職にも活用いただける、こんな仕組みになっているわけでございます。昨年、この三重創生ファンジスタの単位を取った学生たちが初めて卒業したと聞かせていただきました。このCOC+は、目標数値もあったわけですけれども、単位を取られた学生全体では数字は僅かしか上がりませんでしたが、今申し上げた三重創生ファンジスタの資格を取った学生は、県内での就職率が高かった。大学は公表していませんので、なぜ公表しないのかよく分からないんですけども、大体15%から25%程度県内への就職率が高かったというふうに聞かせていただいています。まさに県が推進している若者の県内定着、こういう視点からいったときに、この事業にもっともっと予算をかけるべきではないかと思っています。
 COC+は、先ほど2000万円から3000万円というお話をしました。しかし、昨年度からコンソーシアムみえにこの事業を移していただきました。このときに、やはり予算がもう1桁下がっていると私自身は認識をしているわけでございます。ぜひ、この三重創生ファンジスタは、実績も県内定着ということで出していただけているわけですから、より企業と連携する数を増やしていく、あるいは地域にどんどん入っていって活動するメニューを増やしていく、もっとブラッシュアップをして、グレードアップすべきだと考えますが、戦略企画部長の所見を伺いたいと思います。

〇福永部長 それでは、COC+事業について御答弁させていただきます。
 今、委員から御紹介がありましたように、このCOC+事業は、三重大学が中心になりまして、県内の高等教育機関や三重県、それから企業が連携しまして、平成27年度から令和元年度まで取り組んだ国の補助事業でございます。その中心となった取組が三重創生ファンジスタです。これは次世代産業とか医療・健康・福祉とか食と観光といった3つの分野で人材を育成しておりまして、その中心となっていました三重大学を例に挙げますと、これまで累計362名が資格を取得しまして、先ほど言われたように、令和元年度の資格取得者の県内就職率は、三重大学で言うと学校全体よりも5ポイント上だったということで、成果が感じられるというところでございます。
 このCOC+事業は、もともと5年間の補助事業が終了した後は、その実施主体が自立して、自前の予算で取組を継続するということが約束事になっておりますので、当初から想定されていたように、この取組は高等教育コンソーシアムみえで引き継ぎまして、取組を進めているところでございます。その引継ぎのときに、三重大学のほうでいろいろと検討されまして、これからは自前の予算でやっていかなければならないということで、それまで国庫補助事業でやっていたときには、何人か人材も雇いまして、人件費もたくさん計上していたんですけれども、その人件費分を削減して、内部の職員で賄っていくということで予算を削減しまして、高等教育コンソーシアムみえの予算でやっているという状況です。この事業を承継してから初年度となったのが今年度ですけれども、新型コロナウイルス感染症の関係で幾つかの科目が実施できないなどの状況はありましたけれども、オンラインで対応するなどしまして、結果としては600人を超える学生が新たに三重創生ファンジスタの資格を取得できるという状況になっておりまして、事業は順調に進んでいると思っています。
 それから、令和3年度に向けましては、新たに今までの3分野に加えまして、文化・社会・公共という分野と教育という分野を加えまして、全部で5分野にしまして、社会科学系の学生も、より多くの学生がこの三重創生ファンジスタの資格を取得できるように取り組んでいくという方針が打ち出されたところでございます。
 県としましては、今後とも高等教育コンソーシアムみえの構成員としてしっかり役割を果たしていきたいと思っていますし、あと、この三重創生ファンジスタという存在を社会にしっかり発信していくということも大事ですので、県としては例えば、県が設置している三重県地方創生会議の委員に三重創生ファンジスタを起用することも検討しているんですけれども、そういった形で、三重創生ファンジスタが活躍していけるような場をつくっていくということも念頭に置いて取組を進めていきたいと考えております。

〇北川委員 たくさん答弁をいただきました。総括質疑もちょっと私、間が抜けていますので、三、四年ぶりぐらいで、もうルールも忘れてしまいまして、いっぱい通告じみたこともしてしまいましたけれども、残りの時間を通告なしでさせていただきたいと思いますが、高校生の多様な受け皿、それから大学における県内定着のお話をさせていただきました。
そして、最後に議論させていただきたいのは、県立大学の設置についてであります。調査は、やるなとは言いません。しかしながら、目的がやはり私はいまだによく分からない。若者に多様な選択肢をと言うのであれば、先ほど申し上げた高校の地点で多様な受け皿をつくってあげることのほうが県の役目としてより重要ではないかと思っています。まだまだ昼間定時制や夜間中学の設置の課題もあると思います。そして、地域によっては、この高校がなくなったら、もう遠い遠いところまで行かなければ行く高校がない、こんな地域もたくさんある中で、県としてこの高校に子どもたちの選択肢をということであれば、もう既に高校の地点で奪われていることはたくさんあるわけですから、そこに県としてお金を注入すべきだ、注力をすべきだと、こんなふうに思いますし、一方、その県立大学の議論が若者の県内定着ということであれば、今申し上げた三重創生ファンジスタのようなシステム、これをよりブラッシュアップして、グレードアップして、もちろん国の予算が終われば、その後は自立して引き継いでいく、これはあらゆる補助金の考え方だと思いますが、しかし、ここに費用、予算をかけていくことの効果、値打ちはあると私は思いますので、ぜひそこは考えていただきたい。
 昨年度のみえ現場de県議会でお話を伺いました。この三重創生ファンジスタに参加してきた学生の人たちで、さらにファンジスタクラブというのをつくっていただいて活動いただいています。その代表の方は女性の方ですけども、多分、知事もよく御存じだと思いますけれども、他県から来られていますけれども、林業、これが好きだということで、今、県内の林業の会社に就職したいということで、就職活動をされています。このシステムに単位を取って参加させていただく中で、県外の人も、県内の学生もみんな三重が好きになって、すばらしいところだな、そして地域の人と関わって、自分が頼りにされている、そんなふうに思えて、そして最終的には地域に、この三重に残って、一緒に仕事をしたい、続けたい、こんな思いになっているというふうに聞かせていただいています。私はそこにもっと予算をかけるべきではないかと思っています。
 大学についてはいろんな考え方がこれから出てくるんだろうと思います。名張市は御存じのように、非常に苦い経験があります。皇學館大学社会福祉学部を誘致して、僅か10年で撤退されるということになりました。投資額は35億円でした。そしてまた、先般、秋田の国際教養大学、これは成功例の一つだと思いますけれども、これも少し勉強させていただいてきましたけれども、地元の学生は僅かだということで、県内出身比率は13.3%とお聞きしました。でも、この大学は非常に有名ですけれども、全国からたくさん学生が集まってくる。設置経費に11億円、そして運営には年間18億円、学生の学費が収入として約8億円ありますから、差し引き年間10億円ということで維持をされていると聞かせていただいています。非常にお金もかかっていく事業だろうと思う中で、もっと県の役目としてやるべきことがあるのではないか、子どもたちの高校生における、多様な学習のニーズに応えていく、あるいは県内定着ということであれば、こうした三重創生ファンジスタのように実績を上げられているところにもっとお金をかけていく、こんな考え方があるのではないかと思いますけれども、知事の所見を伺いたいと思います。

〇鈴木知事 県立大学の設置の是非について答弁すればいいんですかね。若者定着の話を答弁すればいいんですかね。どの部分を答弁させていただいたらいいのかちょっとはかりかねますが、県立大学の設置の是非のことについては、これまでも申し上げていますとおり、何か、どうですかね、県立大学設置ありきと誤解をされているようなところがちょっとあるんじゃないかと思いますが、例えば松阪市であるとか明和町とか多気町とか、皆さん、いろんな方々の声も受けて、是非について検討するということでありますので。しかもそれは私の答弁や福永部長の答弁でも申し上げているとおり、教育施策上の課題で多様な選択肢が必要だ、加えてそれが若者の県内定着につながる可能性もあるということで検討していくというふうに申し上げていますので、それ以上でもそれ以下でもありませんから、しっかりいろんな人たちの声を聞いて、教育施策上の課題、それに加えて県内定着につながるかどうか、そういうことについてもしっかりと多様な声を聞いて議論をしていきたいと考えています。

〇北川委員 知事にも答弁をいただきました。冒頭、予算の話をさせていただいて、259億円の財源不足があるという中で、これは当然厳しい取捨選択をしながら県民のニーズに応えていくというのが行政、そして議会の大きな役目だと思っている中で、今の議論は十分に考えていただきたい論点だと思っておりますので、そのことを強く訴えさせていただいて、三重県内の未来の子どもたちと、そして若者のために、ぜひ知事も先頭に立って頑張っていただきたいということでエールを送らせていただいて、私の持ち時間が終わりましたので、質疑を交代させていただきます。ありがとうございました。

〇杉本委員長 開始から1時間程度経過いたしましたので、換気のため、一旦休憩とし、再開は11時20分からといたします。
 暫時、休憩いたします。
 

(休憩)

 
〇杉本委員長 休憩前に引き続き、委員会を再開します。
 総括質疑を継続いたします。
 新政みえ、御質疑をお願いします。

〇中村委員 3番手、新政みえの伊勢市選出の中村進一であります。大変久しぶりの総括質疑に出させていただきます。
 まずは、財政健全化についてお伺いいたします。
 2月26日に知事と三谷議員とのやり取りで、なかなか、専門用語が行き交って、財政は難しいなと感じたところです。要は三重県という家庭があって、今までお金がようけ要ることがあったと。今年はまた50年ぶりに大きなことをせないかんというそんな状況で、だけど、家族中の収入を合わせたらどんどん減ってきとると。これをどうするか。借金しかないと。で、借金をしようということですが、今までようけ借金しとるのもたまってきとると。このたまった借金、これをどうやって返していくのか。家の会計係というよりか、家の主であります鈴木英敬知事にどうするのということを聞かせてもらう。分かりやすく言うと、そんな質問です。
 具体的に数字で裏づけをしますと、国のほうは106兆6000億円ということで、前年度比3.8%増、当初予算としては3年連続の100兆円超えということでございます。過去最大の予算額が9年連続続いている。国はそんな状況でございます。何か財政規律のたがが外れてしまった、そんなイメージでございます。国の税金も、入ってくるお金が57兆4000億円、9.5%も減ってきております。そしてまた、逆に国債発行が33.9%増、43兆6000億円ということで、これも11年ぶりの増額ということでございます。
 じゃ、県のほうはどうか。具体的に裏づけが何度か出ておりますけれども、7882億円、対前年度比6.4%増、これも今まで最大でありました平成10年度の7801億円を超えて過去最大ということになっております。歳入のほうは個人県民税、法人県民税、法人事業税、地方消費税、合わせて前年度比182億900万円、7.1%減となります2373億6200万円の計上ということです。これも平成27年度以来、過去7年で最も少ない収入であります。
 ここで借金はどれぐらいになっとるのということで見ましたら、今年、県債発行額が24.4%増ということで、約1450億円を計上しております。具体的には県債残高1兆4774億円、これをどうしようかということでございます。今まで何度か私も聞かせてもらいましたけれども、公債費は、令和4年度までは高水準で推移するけれども、令和5年度から令和8年度にかけては段階的に減少していくとの見込みをおっしゃっております。けれども、実際、臨時財政対策債も増加しております。この中で、この償還に問題はないのか。また、今後の財政運営の健全化に向けて影響がないのか。そのツケは当然私たちの子や孫の負担ということで返ってくるわけでありますけれども、知事にお伺いいたしたいと思います。コロナ禍の影響が出ていると思われますけれども、今のままでこの財政、三重県という家庭は大丈夫なのか、その辺の考え方をお聞かせいただきたいと思います。

〇鈴木知事 財政運営のことですけれども、まず、県債残高の令和3年度末の見込みが1兆4755億円ということで、令和2年度末と比べると277億円多いということなんですが、それは今回、臨時財政対策債が274億円増えているという影響が極めて大きいと思っています。ですので、先ほど中村議員がおっしゃった先日の三谷議員の一般質問においても答弁させていただきましたように、本来、地方交付税で来るべきものが臨時財政対策債という形になっていますので、制度の改善を強くこれからも国に要望していきたいと考えています。
 一方で、その臨時財政対策債等を除く、今、県で裁量できる目標としている県債残高については、みえ県民力ビジョン・第三次行動計画でお示しさせていただいた目標よりも110億円少ない形で抑制させていただいているということです。今後の県債の償還のことについてもおっしゃいまして、令和4年度で公債費が大体ピークになって、そこから下回っていく、そういう推移になっていくということが見込まれるんですけれども、基本的には直ちにその償還に影響はないというふうに考えておるものの、今まさに中村委員もおっしゃったように、将来世代の人たちにツケを回さないために、そして一方で行政サービスを停滞させないというようなことで、行政サービスをしっかりやっていくということと県債の発行、そういうバランスに留意した財政運営をしっかりやっていくということが重要であると思っています。中村委員のように何か分かりやすい例えができなくてちょっと申し訳ないんですけども、そういう形で、いずれにしても財政健全化は道半ばですので、これからも、現役世代の皆さんも将来世代の皆さんも安心できる財政運営、財政健全化に向けてしっかり取り組んでいきたいと思います。

〇中村委員 危機迫っとる雰囲気ではなさそうな知事のお話でしたけれども。
 ちょっと会計係でございます部長にお伺いしたいんですけれども、県債管理基金です。こういった将来の県債を返還していくために、県債管理基金については計画的に積み立てようということで来たわけでありますけれども、最近、県民の皆さんのサービス優先ということで、借金を返していく計画を先へ先へと見送りが大分続いているんですけれども、積立不足額は今どないになっとるのか。そしてまた、今回の予算でどのように解消していく考え方があるのか。総務部長の考え方を聞かせてください。

〇紀平部長 県債管理基金の積立不足についてお話をさせていただくと、今、委員から御指摘がありましたように、今回の予算では県民サービスの低下を回避するために、約80億円の積立ての予定を44億円見送ったということでございまして、この令和2年度の最終補正で24億円ぐらい戻しておりますんで、今、積立不足額が百四十数億円ということになっております。しかしながら、この県債管理基金というのは、将来の償還に充てるための基金でございまして、令和3年度に返す部分については既に措置がされておりますし、また、一定の残高というのは、この基金が残っておりますので、積立てを一部見送るということで、直ちに償還が困難になるという状況にあるわけではございません。
 ただ、積立不足解消に向けて取り組む必要がございます。今後の公債費は、今、委員からもお話がありましたけども、令和4年度が1140億円ぐらいなんですけど、それをピークに大体あとは1000億円台ぐらいずつでずっと低位で推移するということになっておりますので、この機会をチャンスと見て積立てを行っていきたいと。
 ただ、国の地方財政計画の状況ですとか、経済状況あるいは県民サービスに影響を及ぼさないということも判断しながら、この間に積立てを行っていきたいなと思っておりまして、令和2年度の最終補正でも24億円の積み戻しをやったということでございますので、今後も経済状況を見ながら、できるだけ積立て、積み増しをやっていきたいと考えております。

〇中村委員 御答弁いただきました。しっかりと帳面を管理していくという紀平総務部長の腕に期待をしたいと思いました。知事には先般の三谷議員とのやり取りの中で、全国知事会の地方創生対策本部長という立場からも地方財政の安定に向けてしっかりとやっていく、私らからいうと、やはり地方分権、財源は大事ですので、その辺をしっかりされるというふうに聞かせていただきましたんで、これからの財政運営をしっかりやられるように期待をしていきたいと思っております。
 それでは、次の質問に移らせていただきます。
 私が新年度予算でいつも最初に探すのが未来につなぐ平和発信事業で、こういった平和の課題について県はどのように力を入れているのかというので探すんですが、来年度はどこにあるのかなと思ったら、後ろのほうでちょっと見つけたんですが、令和2年度は87万円でしたんですが、令和3年度は8万5000円も削って78万5000円ということで提案をされておりますけれども、この金額自体は非常に少ないように見えますけれども、やっぱり小さいけれども大変大事な、中身としては大きい事業だと思っております。去年は戦後75年ということで、この87万円の予算はどのような使われた方をしたのかなと。そのことと、それから、令和3年度は78万5000円ということで上がっておりますけれども、どういうことをされていくのか。若い世代に平和のこと、あるいは戦争の悲惨さを伝えるという使い方ですけれども、そのことについて福永戦略企画部長にお伺いしたいと思います。

〇福永部長 それでは、平和の取組について答弁させていただきます。
 本年度は新型コロナウイルス感染症の影響もございまして、いろんな取組をするのに制約もあったんですけれども、戦後75年ということもございまして、いろんな関係者の協力も得ながら、粘り強く取組を進めました。まず、7月に県立宇治山田商業高校におきまして、若い世代がこれから平和な社会をつくっていくためにどう取り組めばいいのかと考えるきっかけとするために、戦争の経験者をお招きしまして、生徒が直接お話を聞いて、意見交換をするという取組を行いました。それから、11月から12月にかけて、ひろしまジュニア国際フォーラム、これは国内外の高校生等が世界平和について討議したり交流したりするフォーラムですけれども、これに県内の高校生を1名派遣しました。今後この生徒は校内で全校生徒を相手にプレゼンテーションを行いまして、成果を共有していくという運びになっています。それから、今年に入って1月の末に、伊勢市立御薗中学校におきまして、広島県の高校2校から特別に提供いただいた動画を使って、生徒の平和活動について学ぶ授業を行ってまいりました。この動画は、広島の高校生が日常から取り組んでいる平和の活動について収録したものなんですけれども、授業の後、それを見た中学生が全員の感想文と代表者によるメッセージの動画を作りまして、この広島県の高校に届けるということも行われました。まさに学校の枠を超えた、県の枠を超えた平和の意見交換ということになった次第でございます。
 こんな感じで取り組んでまいりましたけれども、来年度の予算についてまだ具体的なところは決まっていないんですが、やはり広島県などの関係者としっかり連携しまして、未来を担う若い世代を中心に、より多くの県民の方に対しまして平和の尊さや戦争の悲惨さを届ける取組をしっかりとつくっていきたいと思っていますし、今まで取り組んできた成果などをしっかり横展開、水平展開をしていくことも重要ですので、情報発信にも心がけまして、より多くの県民の皆さんが平和活動に積極的に取り組んでいただけるように支援してまいりたいと思っています。

〇中村委員 しっかりと取り組んでいただいたと。このコロナ禍の中でなかなかやりにくかったんじゃないかなと。そんな中でもやっていただいたということで評価したいと思いますけれども、やっぱりそういった活動をさらに全県下へ広げていただきたいな。県の役割というのはあると思いますので、いろんなところを回らせていただきましたけれども、それぞれのところで、四日市は無言館ですか、戦争で亡くなられた絵を志した学生の展示会なんかをやっておられたし、松阪は松阪で、また身近なそういう展示をしたりとか、あるいは津でも展示なんかをしながらやっておりましたんで、そういったことにさらに活動を広げていく、事業を広げていこうと思うと少し予算が少ないんじゃないかと思いますので、そういった中身の充実、そして裏づける予算の充実、こういったものを、来年度一年どんなことをされるかまだ分からないということですけれども、子どもたちに平和と、戦争の悲惨さを伝えるということも大変大事なことだと思っておりますので、ぜひ力を入れていきたいなと思っております。
 もう1点、平和でお伺いしたかったのは、体験者はどんどん少なくなっていくんですけれども、戦時中の様々な遺品といいますか、遺物といいますか。そういったものは語りませんけれども、やはり平和をつなぐ大変大事なものだと思っております。そのことについて岡村環境生活部長にお伺いしたいんですけれども。
 こういった資料がまだまだ残っていると思います。そういったものについて総合博物館で県としてきちっとした形での平和を訴える資料として、展示等々、あるいは収集等々できないものだろうかと思うんですが、岡村部長の考え方を聞かせてください。

〇岡村部長 総合博物館の取組についてお答えいたします。
 今、御質問いただきました戦争関係資料につきましては、総合博物館で収集、一定保存をしておりまして、それにつきましては開館から毎年7月、8月、夏休み期間を見て所蔵する戦争関係資料の展示を行っております。また、平成31年に津市在住の雲井保夫さんという方から、長年にわたって研究を重ね、体系的に収集されてきました戦争や戦時下の暮らしに関する5000点以上もの貴重な資料を総合博物館に寄贈いただきました。これを今、資料等を見ていただけるように整理等をしておりまして、それの先駆けとしまして、令和2年7月14日から「戦争と三重~子どもたちが見た戦争~」という展示も行ったところです。家族連れの方を中心にたくさんの方に見ていただきました。今後も引き続き貴重な資料の保存、継承とともに、展示を通して県民の皆さんに戦争の悲惨さや平和の尊さについて考えるきっかけとなるような機会を提供してまいりたいと思っております。

〇中村委員 MieMuで行われたその展示を、私も見せてはもらいました。戦時中のそういった残されたものは、そのまま飾ってあるだけだと、昔はこんなんやったな、で終わってしまうんですけど、私が申し上げたかったのは、部長からもちょっと言っていただきましたけれども、やっぱりそこが、そのものが訴えようとしていること、無言館なんかでもそうでしたけれども、自分らみたいな絵描きになりたいけども亡くなった無念さ、そういったものがあるんですよね。戦時中、いろんな広報物なんかが全部戦争へ、戦争へという高揚に使われた。紙芝居でもそうですし、本でもそうですし、本はみんなそうなんですね。そういったことを伝えられるような、そういう工夫を、ぜひ戦略企画部とも連携を取っていただいて、そういう展示の仕方をしていただければということをお願いしていきたいと思います。
 ひきこもりの課題について少しお話をさせてもらいたいと思います。
 10月にたくさんの議員からひきこもりの支援の質問が出ました。知事のほうからも、これは議会からも多く御意見いただいて、改めて御意見を真摯に受け止めて、全部一気にはできないけれども、どうやったら県の顔が見えるようにしていけるかということで答弁をいただきました。津田議員からの質問に対しましても、調査の実施、庁内体制の検討、そして令和4年度からの新たな計画づくりということで、まさにひきこもりの総合支援が始まったのが今回のこの予算だと思っております。見ておりますと、説明のところに、全国初のひきこもり支援に特化した計画を策定と、何か囲みみたいなので上がっておりますけれども、意気込みは感じますけれども、まずはちょっと聞かせていただきたい。ポイントと、それから実態調査は、民生委員・児童委員の皆さんの協力を得るんだというふうなのを聞かせてもらいましたけれども、まさに民生委員・児童委員の皆さん方は地域の情報をしっかりつかんではおみえになりますけれども、どんな調査を、どんな形でお願いするのかちょっと聞かせてください。

〇大橋部長 ひきこもりに特化した計画を策定する前提としての調査の在り方について御答弁させていただきます。
 ひきこもりの対策を総合的に推進するためには、やはり実態調査が必要だと思っております。そのため、地域において一番その状態を御存じだと思うのが民生委員・児童委員だと思っておりますので、その方たちが今つかんでおられる、ひきこもりに対する数であるとか状況であるとか、または必要な支援であるとか、そういうことについてアンケート形式での調査を考えております。ただ、これだけでひきこもりの実態が明らかになるとは思っておりませんので、もう既に本年度から関係する部局の課長レベルの会議を開いておりまして、そこにおいて、ひきこもりに関連するであろう各種データ、例えば不登校であるとか養育の必要性であるとか障がいの状態であるとか、それと実際ひきこもりの相談をどう受けているかとか、そういう実態調査も既に始まっておりまして、それと民生委員・児童委員へのアンケート調査を総合的にしまして、実態を把握していきたいと、そういうふうに考えております。

〇中村委員 アンケート調査ということで、今、実はちょっとパンフレットを持ってきたんですけれども、我々議員らも執行部に、あれせえ、これせえと、ひきこもりは大変じゃないかというようなことを言っているだけやなしに、自分らも何とかせないかんなということになって、津田議員やら中瀬古初美議員やら、今日の委員長の杉本熊野議員らが中心になって、来月の10日にひきこもり支援フォーラム、こういうものをやろうかということで今動いております。
 その中で、長年ひきこもり対策をやってきたいろんな施設とかNPOとか、そういったところを回って、こういうのをやるので来てくださいよということで、そういうお話をしようということで手分けしているんですが、私は伊勢へ行ってこいということで、伊勢の市役所、それから、サポートセンターとか、社会福祉協議会とかをいろいろ今回っているんですけれども、やっぱり現実は厳しい。本当にたくさん、私ら10年やっとるのにやっと動き始めたんかというような言葉も頂いたり。ですけども、今回予算でこういうのが上がって、県が動き出したよという話をさせてもらいますと、現場におる皆さん方はすごく喜んでいただいている。議員がそうやってみんなで声をかけ合ってやっているんやという話をすると、それはまた本当に非常に高い評価をいただいております。その中で民生委員・児童委員の話も出ました。やっぱり民生委員・児童委員から入ってくる情報は多いんですけれども、民生委員・児童委員や私らでも分からない、そういった、かなり隠れているものがある、そんな声も実は昨日聞いてきたところでございます。
 それから、伊勢市へお邪魔させてもらったときに、伊勢市は今度、重層的支援体制整備事業ですか、市のほうも断らない相談、そしてアウトリーチをしていくと。いわゆる行政側がアウトリーチをしていく。そういった動きで、県も市もいろんなところがひきこもり支援に向けて動き出しております。こういった市や動いている皆さん方に対する支援について、部長、ちょっと時間がないですけれども、考え方を聞かせてください。

〇大橋部長 やはり地域共生社会を実現するためには、現場である市町において包括的、重層的な相談支援体制を構築していただく必要があると思っております。県としても昨年度、三重県地域福祉支援計画というのを策定しまして、それに沿って市町への支援も行っております。具体的には、まずは市町の職員、また社協の職員に対する人材育成であったり研修会であったり、また厚生労働省の職員をお招きして事業の説明会であったり、また、モデル的に先進的な事業をやっている事例発表であったり、それと全市町の担当者を集めて意見交換の場をしております。そこの意見交換の場は大変好評でありまして、来年度以降も続けてほしいという声がありますので、我々としてもただ計画をつくって終わりじゃなくて、市町における人材育成であったり情報交換であったり、そういう側面支援、側面というか、もう主体となって支援していくことで、地域における重層的、包括的な相談支援体制が構築できるように進めていきたいと思っております。

〇中村委員 いろいろ動き出した。顔が見えない、と私は前、質問させてもらいましたけれども、現場のほうに県の顔も見えるような活動、事業の進め方をしていただければありがたいと思いました。
 これから様々な場面でまた議論をさせていただきたいと思いますので、これで質疑を終わらせてもらいます。ありがとうございました。

〇杉本委員長 暫時休憩いたします。再開は午後1時といたします。
 

(休憩)

 
〇野口副委員長 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
 総括質疑を継続いたします。
 まず、自由民主党県議団から御質疑をお願いいたします。

〇小林(正)委員 自由民主党県議団、鈴鹿市選出の小林でございます。
 早速質疑に入らせていただきたいと思います。
 まず、1つ目ですけども、施策226地域の未来と若者の活躍に向けた高等教育機関の充実、高等教育機関関連推進事業についてですが、令和3年度予算として2275万6000円計上されております。この中で県内高校生等を対象にした高等教育に向ける学びのニーズ、調査、県立大学設置の是非について検討とあります。県立大学設置に関しては反対するものではありませんが、さきに行われた代表質問や一般質問の議論の中で、今井議員の質問だったと思うんですけれども、県立大学外にも学びの選択肢として、他の大学のサテライトキャンパス等の設置等を考えられたほうがいいのではという問いに対して、もちろんそのようなことも視野に入れて取り組んでいくと、福永部長はまさに学びの選択肢としての両輪で取り組んでいく旨のお答えをされました。
 しかしながら、実は私もこの学びの選択肢としてサテライトキャンパス等誘致を考えたらどうかといった質問を一昨年の6月、東京一極集中の是正も含めてさせていただいているんです。そのときの部長の答弁は、誘致に向けた働きを機を逃さずにやっていきたいと考えていると言われながらも、学びの選択肢については県外全ての私立大学に今後10年以内に大学、キャンパス、学部等を設置、または移転を検討する可能性についてアンケート調査を実施したところ、魅力を感じる地域として東海と答えた大学は11校あったが、三重県を想定している大学はゼロでしたと。かなりサテライトキャンパス誘致に関して消極的な発言でありました。あれから約9か月しかたっておりませんが、何かこのサテライトキャンパスを検討するに当たって明るい兆しが見えてきたんでしょうか。お答えをお聞きしたいと思います。

〇福永部長 大変お答えしにくい答弁なんですけれども、まず、一昨年の6月の一般質問で小林正人議員から御質問をいただいたとき、サテライトキャンパスの誘致はどうかとお話しされたときに、私の答弁ではマイナス事項を1つ、プラス事項を2つ申し上げています。マイナス事項というのは、先ほど小林正人委員がおっしゃった平成29年度のアンケート調査で成果が出ずに終わったということなんですけども、2つプラス要素を申し上げておりまして、1つが法律で東京23区内の大学の定員増が10年間凍結されましたということ、それから、もう一つは、内閣官房が情報ポータルサイトを開設して、大学と自治体のマッチングに乗り出すということ。これを受けて、私は最後に、こういう動きは大学誘致に向けてのチャンスでもあるので、機を逃さず取り組んでいきたいというふうに申し上げましたので、そのときの答弁も前向きでございましたので、そんなに変わっているものではないんですけれども、その後の状況をちょっとだけ言いますと、今申し上げた内閣官房のポータルサイトは、その後しっかり立ち上がりまして、当然、三重県も登録をいたしまして、大学側がどう出るのか、その動向に目を光らせているんですけれども、どうもこの大学側のアプローチは非常に消極的で、何も情報がもたらされないという状況で、ちょっと期待外れに終わっているという部分がありますので、その辺はちょっと変わっているんですけれども。
 明るい兆しとか、そういうものはなくて、全て今井議員の御質問のときに答弁したとおりなんですけれども、要は三重県の大学進学者収容力というのは全国でも本当に最低の水準にありますので、かなり改善には数というのも必要になってきますので、あのときも答弁しましたけれども、私立大学の動向への対応、それから地方国立大学の特例的定員増、そして県立大学の設置の是非の検討、こういう幾つかの論点をしっかりと押さえながら、多面的に検討していく必要があると考えているところでございます。

〇小林(正)委員 福永部長、ありがとうございました。
 今井議員と私に何か差があるのかなと思っておりましたけれども、今の御回答を聞きまして、そうではないんだなということに気づきましたんで、引き続き取り組んでいただきたく、希望いたします。
 ちょっと項目が多いので、次に進ませていただきます。
 2つ目ですけれども、行財政改革の推進について、行政運営2から、中でも若手職員の人材育成についてお聞きしたいと思います。この質問も昨日でしたか、喜田議員のほうからありました。関連するところもありますので、御容赦いただきたいと思います。
 現状の職員構成を見てみますと、中堅・若手職員の層が非常に少なく、職員の年齢構成も年々高くなっております。高齢化が悪いというわけではありませんが、時代の変化に的確に対応できる、あるいは未来を切り開くために失敗を恐れず、果敢に挑戦できる職員という概念から考えると、やはり若い職員の活躍の場というのが今後は非常に重要になってくると考えます。
 そんな中、県では三重県職員人づくり基本方針に基づいて人材育成に取り組んでいただいております。その柱としては、コンプライアンス、チャレンジ、コミュニケーションとあるわけですが、この3つの柱において現状、具体的に若手職員に対して、その資質向上のため、どのような取組をされているのか。令和3年度予算では人事管理事務費として4000万円ほど計上されていますが、特に注力していることはどのようなことなのか。昨日の喜田議員の質問の回答を聞いておりますので、取り組んでいただいておる中でも一番ということだけを簡潔にお答えいただければと思います。よろしくお願いします。

〇紀平部長 昨日、喜田議員のほうにも同じようなお答えをさせていただきました。今、委員から御紹介がありましたように、若手職員の活躍には目覚ましいものがございまして、いろんなところで研究会、勉強会が立ち上がって、発表とか、活気あふれるような状況でございます。若手職員の育成として力を入れておりますのは、やっぱりコミュニケーション能力のスキルの向上、キャリアビジョンなんかをやっております。それと、今、若手・中堅職員による部局横断的な政策創造員会議、これを設置いたしまして、中長期的な課題に対しまして広い視点から調査研究に取り組んでおりますし、また、知事に座長になっていただきまして、著名な専門家を講師に招いて、若手・中堅職員を対象とした講演会を実施いたしまして、職員の政策創造能力の向上、あるいは部局間の取組の共有と連携強化、こういうことを図ることに力を入れさせていただいております。

〇小林(正)委員 ありがとうございました。
 非常によく分かりました。若手職員の方に対する取組はよく分かったんですけども、職員全体のコンプライアンスとか、そういったものをきちっとやっていくという上においては、今もいろいろ対応をされとるとはいえ、なかなか、地域機関、そういったところにおいては、行政職員というのは行政サービスをいかに円滑にやるかというのが基本だと思いますけれども、コンプライアンス上で上から目線であったりとか、そういうクレームも、私の事務所のほうにもいろいろお声を頂きますので、その辺も今後しっかりと取り組んでいただければと思います。
 それと、これも昨日、紀平部長の答弁の中にありました、県土整備部の若手職員の取組であります。実は昨年、防災県土整備企業常任委員会終了後、若手職員の10名の方と意見交換、勉強会をさせていただきました。一番若い方で平成27年度入庁、最年長でも13年度入庁と、まさにこれからという方々ですが、怒られるかも分かりませんけれども、少々こわもての藤根委員長を筆頭に、我々8名の委員を目の前にしても、さほど緊張する様子もなく、堂々と「10年先を見据えた県土整備のミッション」と題してプレゼンテーションを行っていただきました。そのときの資料がこういったものでございます。
 「10年先を見据えた県土整備のミッション」と題してプレゼンテーションを行っていただきまして、その内容も大変すばらしく、例えば社会を支えるインフラから多様な価値を持つインフラとして、インフラをいろんな観点からフィールドとして提供し、新たな価値を創造する取組や、公物管理において、最先端技術の積極的な導入の在り方、さらには3次元を超えて、リアルデザインから情報デザインへ、ICT活用工事による建設業全体の生産性向上に向けての取組等で切々と提案をされ、正直、もうこの方々の時代だなと、改めて実感をしたところであります。
 そこで、水野部長にお聞きいたします。このような若手職員のチャレンジ、取組を推奨される部長も大変すばらしいと思いますけれども、このように提案していただいた取組は、中長期的なものですが、令和3年度事業予算編成の中で取り入れられた部分、また参考にされたこと等、何か有効活用されたものがあったのか。私はぜひ活用するべきだと考えますが、いかがなものか御所見をお伺いいたします。

〇水野部長 若手の取組について御評価いただき、ありがとうございます。若手職員も非常に喜んでいると思います。
 若手職員が自主的に始めて、私も背中を押させていただいたんですけれども、やっぱり県土整備部の特性として、インフラをつくるというのは10年、20年かかるといったところがあるので、常に10年先、20年先を見ながら、未来を見ながらやっていかなくちゃいけない、それを支えるのは若手職員だということでやっていただきました。
 今回未来提言バージョン1ということで、来年度、バージョン2をつくっていただければなと思っております。その際にはまた議員の方々と意見交換できればなと思っています。
 あと、令和3年度予算でございます。具体的な事業として何をするというところは、当初予算の資料に書かれておりませんけれども、予算のポイントとして書かせていただいたのが、若手職員から提言がございましたように、新しい価値を創造する、これは県土整備部の当初予算のポイントの中に入れさせていただいたところでございます。その精神を大事にしながら、県土整備部として具体的な事業に取り組んでいきたいと思っています。

〇小林(正)委員 ありがとうございます。これからもしっかりとよろしくお願いいたします。
 それから、今回は県土整備部の取組だけを紹介させていただきましたけれども、このような若手職員からの事業提案とか有効な取組は、各部局でも積極的に行っていくべきだと思いますけれども、本来、紀平部長に聞こうと思ったんですけども、知事、御所見のほどをよろしくお願いいたします。

〇鈴木知事 小林正人委員におかれましては、若手の取組を御評価いただきましてありがとうございます。
 今、水野部長が答弁しました県土整備部のものもそうですし、一昨年度、それこそスマート改革推進課をつくる前のところで若手からのスマート改革についての提言を、この議場でも御紹介させていただきました。今年度またスマート人材育成という形で、そのメンバーもやっていますし、また農林水産部でもやらせていただいています。また、先ほど紀平部長から答弁しました若手・中堅養成塾、政策創造員のメンバーも頑張ってくれています。間違いなく短期的な目の前の政策をしっかりやっていくことも重要ですけれども、その10年先、20年先の三重県を考えながら仕事をモチベーション高く進めていけるように、上司である我々がその若手の主体的な取組をしっかり評価し、また発信し、受け止め、実現に向けていく。やっぱり出口として政策の実現があるということも彼らのモチベーションになると思いますから、そういうことを積極的に全庁挙げて取り組んでいきたいと思います。

〇小林(正)委員 ありがとうございます。
 「『三重県職員人づくり基本方針』改定にかかる報告書」の中で、三重県人事委員会が若手・中堅職員に対して、若いときから自身の能力向上の必要性について主体的に考え、常に学んでいく姿勢を持つことがこれまで以上に重要というようなことも言っておられます。私も全くの同感であり、今後もさらに若手職員の資質向上に向けた取組を充実させていただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、3つ目に行かせていただきます。
 県有財産の利活用についてであります。
 このことにつきましては、第三次みえ県有財産利活用方針に沿って、これまでの取組を踏まえつつ、財産活用、財産保有の視点に財産管理の視点を加えるとともに、より効果的、効率的な売却方法や情報提供方法を検討するほか、さらなる利活用可能財産の掘り起こしや、多様な財源による歳入確保の取組強化をするなど、対応、対策をしていただいているところであります。特に今後、コロナ禍の中、県財政が非常に厳しくなることが想定されることから、さきにもお話ししました多様な財源による歳入の確保ということが重要になってくると考えます。令和元年度会計決算では、歳入において一般会計では平成30年度と比べて0.1%、6億円の増加で、7330億円、特別会計においては1.1%、33億円減の3682億円でありました。とりわけ一般会計のこれまでの推移を見てみますと、地方消費税の引上げがあった平成27年度の増加時以降、28年度からは減少傾向で、ここ二、三年はほぼほぼ横ばい傾向となっております。
 しかしながら、気になるのは、歳入の中でも特に県税収入で、こちらにおいては減少一方で、法人事業税では平成30年度から令和元年度において16%、102億円の減、法人県民税では25.8%、30億円の減となっており、今年度、来年度以降、さらなる減少が想定されます。
 そこで、少しでもこの歳入確保ということを考えると、県有財産の有効な活用ということが必要ではと思います。令和元年度県有財産の特に土地、建物においては、前者が約637万坪であり、後者は約67万坪と、共に前年度から増加しております。財産保有、有効活用の取組、また、未利用財産の売却等、令和2年度の見込み額、またそれを踏まえて、令和3年度以降、コロナ禍の影響がかなり出てくると思いますが、財産管理の最適化に向けてどのように取り組んでいかれるのかお聞きいたします。よろしくお願いいたします。

〇紀平部長 未利用財産の有効活用についてお答えさせていただきます。
 まず、仕組みというか、県庁全体で仕組みとして財産の掘り起こしをやっていますので、ちょっと御紹介させていただきたいと思うんですけど、まず毎年、各所属で県有財産の自己点検、自分のところの持っている財産を点検していただいて、自分のところが使わなくても利活用が可能だという財産の掘り起こしをしていただきまして、そして、それをどうしようという計画を立てていただきます。そして、調整会議というのがございまして、そこで皆さんで議論をしていただいて、その情報を共有して、有効活用に向けた検討を進めておると。その中で全庁的にも使い道がないというか、県庁で使う当てがないような財産につきましては、売却、貸付けで有効的に収入を上げていこうと。そういう取組をやっているところでございます。
 ただ、未利用財産につきましてもいろいろな条件がございまして、売るんじゃなくて、そのままちょっと残しておいて様子を見ようという土地ですとか、あと境界が確定していないとか、あるいは相続人が不明で登記がつかないとか、あるいはそういった、いろいろ状況を整備しないと売却に向けてなかなか進まないという土地もございますので、そういった土地は整理をしながら、整理のついたものから売却に向けて進めているところでございます。
 この取組を始めましたのが平成24年度なんですけども、今年度、令和2年度までの売却実績というのが48件で、約19億円の売上げがございます。そしてまた、土地の掘り起こしだけではなくて、売り方についてもちょっと工夫が必要だということで、今後も積極的に売るために、まず一般競争入札だけではなくて、インターネットオークションとか、あるいは買受け申込みの先着順による売却、こういったことを考えながら、未利用財産売却促進に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

〇小林(正)委員 ありがとうございました。
 これまでの取組を含めてよく分かりました。人口減少や少子高齢化等を考えますと、今後、施設等においては集約化をはじめ、より県全体をスリム化することが必要であって、もちろんそれによって行政サービスが低下するようなことがあってはいけませんけれども、今後さらなる取組を期待いたします。
 それから、次に行かせていただきます。
 施策132障がい者の自立と共生、その中の障害者就労施設等及び障がい者雇用促進企業等からの物品等の調達方針についてお聞きしたいと思います。
 御存じのように、平成25年4月に国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進に関する法律が施行され、地方公共団体においては、障害者就労施設等から物品、役務の調達推進を図るため、毎年度、調達目標を含めた調達方針を策定、公表することが義務づけられました。以降、本県においても取組がなされており、昨年5月に方針が示されたところであります。大変ありがたいことでありますし、子ども・福祉部を筆頭に毎年、目標達成に向けて努力をされていることは承知をしておりますが、さらに前進をしていただきたいという思いから、幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まず、1点目として、この方針の中に、障がいのある人が自立した生活を送る上で、就労によって経済的な生活基盤を確立することは重要な要素の一つであり、そのためには障がい者が就労する事業所の仕事を確保し、その経営基盤を強化することが必要、障がい者がやりがいと責任を持って働くことのできる社会の実現をめざしますとあります。このやりがいと責任、大変言葉は立派ですけれども、この方針を策定していただいて以来、物品、役務の品目を見ても、ほとんど変わりがなく、特に役務においては、そのほとんどが清掃、除草、印刷等と、あくまで低価格で簡単なものしかない。これで本当にやりがいや責任を持って頑張れるんでしょうか。仕事の内容をどうこう言うのはあまりいいことではありませんが、もう少し個々の能力を引き出す、発揮させる仕事は考えられないでしょうか。お聞きいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

〇大橋部長 障がい者就労における、ただ就労させるだけとか、してもらうだけじゃなくて、やっぱりやりがいというのは大切だと思います。この点で物品だけじゃなくて役務というのは確かに重要なことだと思います。そういうことで、我々庁内の担当者会議等で新しい仕事を何かできないのかということもありますし、我々だけの知識でそれを進めるのではなく、来年度、令和3年度から外部に、ウェブ上にデジタルマーケットというのを形成しまして、営業とか新規事業、新規の役務の提供とかを発掘するコーディネーターも配置して、できるだけ幅の広い役務、または営業の新規受託に向けた開拓を進めていこうと考えております。

〇小林(正)委員 来年度、令和3年度、コーディネーター等も配置していただいて、部長の答弁は、より多様性を持って考えていきたいと、そういうふうに理解をさせていただきたいと思います。
 2点目に入らせていただきますが、この方針の中に各部局が連携、協力し一層の調達拡大を進めるとありますが、私がいろいろな県の部署に行って、この優先調達の話をしても、驚くことに全く知らないところもあれば、非常に積極的に取り組んでおられるところもあります。どのような場所で、誰がどのくらいの頻度で連携を取られているのかお聞きしたいと思います。
 また、実施機関として、県の全機関とあります。もちろん各部局、機関では予算規模が違いますので、ばらつきはあると思いますが、それにしても差が大き過ぎると思います。そこで、今回は全部局長にお聞きしようと思ったんですけれども、中で知事部局においては、特に額が少ない防災対策部、そして戦略企画部、それから、さらに貢献していただけそうな警察本部、それから病院事業庁に、この優先調達方針に対する考え方をお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

〇日沖部長 防災対策部の額が少ないということで、私のほうからお答えさせていただきます。
 これは防災対策部自体、そういった事務費的なものが少ないということも一つあるんですけれども、年々優先調達に向けて、その少ない中でも金額の目標も上げ、実績も少しずつですけれども、上げていくということで、その中では、これまで特に印刷関係とか、そういう形のものが多かったんですけれども、あとは消耗品の関係でありますとか、そういったものの購入等を含めて、より幅広くということで、年々実績は少しずつでも上げてきているという状況がございます。

〇福永部長 戦略企画部におきましても、その優先調達の適用となる、そういう随意契約自体がそもそも少ないですので、そういうのに該当するものがある年には、できるだけ数多く目標には上げるようにしています。うちの中で額の多いのは県政だよりとか、ああいうものなんですけれども、入札になりますので、もしそういう該当事業所が落札した場合には、額としてでかい金額が上がってくるという状況になっていますけれども、しっかりと、目標はできるだけ上げるという方向で取り組んでいるところでございます。

〇岡本部長 県警察本部も県の要綱や調達方針に従いまして、優先調達に取り組んでいるところでございまして、過去5か年度の数字を見ますと、多い年度で年間約750万円、少ない年度ですと約30万円ということでありまして、相当な幅があります。県警に期待というのが、随意契約が多そうだという印象なのかもしれませんけれども、やはり県庁と同じく、印刷製本の業務を発注することが多くて、それが大量になれば700万円まで参りますし、そうでなければ数十万円にとどまるということでございます。ただ、拡大ないし多様化の進め方は検討しているところでございまして、令和2年度ですと、不織布のウエスを150万円発注した実績がございまして、今後もそういった取組は進めてまいりたいと考えております。

〇加藤庁長 病院事業庁における調達の実績でございますけれども、近年の実績を見ますと、大体400万円から500万円程度の範囲で発注をさせていただいております。業務の内容を見ますと、今、委員がおっしゃいました印刷業務などもございますけれども、病院現場でございますので、庭の木とかそういったものの管理についても発注させていただいて、お願いをしているところでございます。今申し上げましたように、病院現場でございますので、様々な業務をお願いするところも工夫次第であると思いますので、それぞれの現場でどういった業務をお願いできるか協議、検討しながら範囲を広げていけたらと、このように考えておるところでございます。

〇小林(正)委員 お答えをいただきました。ありがとうございます。
 今日、4人の長の方にお答えをいただきましたが、まだまだ各機関、部署で温度差があると思います。今後、県機関一丸となって、しっかりと取り組んでいただくことを期待させていただきたいと思います。
 それから、この問題の3点目ですが、目標達成についてです。毎年の目標額が高いか低いかは別にして、令和元年度は障害者就労施設、障がい者雇用促進企業とも約7500万円の目標額をクリアされていますし、これまでもほぼ目標は達成されてきました。しかしながら、令和2年度は、現状数値は把握できておりませんが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、作業等の発注や販売機会の減少、日中の就労活動の縮小等により、おおよそ目標達成には届かないだろう、そのように思います。さらには福祉サービスを提供する事業所も深刻な状況に陥り、県の福祉的就労に対する支援としても今後この優先調達の拡大は必須であると考えますが、令和3年度はどのように取り組まれていくのかをお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。

〇大橋部長 まず、本年度の見込みでございますが、実は秋口までは前年度を上回るというか、目標を上回るペースでいっていたんですけれども、やはり新型コロナウイルス感染症の影響が長引いたこともあって、今年度の実績見込みは、各部局から集計した見込みでは、前年度実績の20%ぐらいに届かないんではないかと思っております。
来年度に向けては、先ほど各部長からお答えさせていただきましたが、私どももこれまで右肩上がりでしたので、中期と末期だけで状況を把握していたというところは私ども、子ども・福祉部が真摯に反省しまして、もうちょっと情報共有、情報提供とかで実績をちゃんと把握していきたいと思うとともに、いろんな役務とか物品とかも新しいものを取り入れている部局はたくさんありますので、そういう情報提供もしっかり情報共有して、プラス、実は事業所に、新型コロナウイルス感染症対策の新商品もありますので、そういうPRも積極的にして、来年度はまたこの目標をきちんと達成できるように取り組んでいきたいと思っております。

〇小林(正)委員 ありがとうございました。しっかりと頑張っていただけるよう、よろしくお願いいたします。
 あっという間に時間が来てしまいましたが、あと3分ありますので、もう一つだけ行かせていただきます。
 施策121地域医療提供体制の確保の中の看護職員の確保、定着を図るための三重県ナースセンターの在り方と医療従事者の勤務環境改善に向けて設置された医療勤務環境改善支援センターについてお聞きいたします。
 まず、前者ですが、今回の新型コロナウイルス感染症による感染の拡大に伴い、その治療や業務の増加、さらには病院や診療所、介護施設はもとより、保育所や学童保育、小中学校の感染症に関する相談等、様々なところで看護職が必要とされ、その数が不足していることは周知の事実であります。このようなことから、従来行われている看護職の確保のためのナースセンターのいろいろな事業、業務に不具合が出たのではと思いますが、その対応策。
 また、このナースセンターですが、津の本所は土日、祝日以外は午前9時から午後5時まで、四日市サテライトにおいては、日曜、祝日以外午前10時から午後5時まで業務に当たられ、慢性的な人員不足と聞いております。今回はそれに加え、新型コロナウイルス感染症対策でさらに業務が逼迫している状況、今後の対応をどうされるのか、また、令和3年度、ナースセンター事業としては前年度から約300万円減の3900万円が計上されておりますが、この考え方をお聞きしたいと思います。
 また、後者、医療勤務環境改善支援センターですが、こちらも新型コロナウイルス感染症の影響で、まさにその現場の最前線に立つ医療従事者から労務管理等に関する相談等、労働安全衛生法や労働契約法の健康管理、安全配慮規定があるとはいえ、相当なものであったのではと思いますが、県は現状把握をできているのか。また、令和3年度事業においては、こちらも関連する事業は500万円程度の減になっておりますが、その考え方はどうなのかお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。

〇加太部長 ナースセンター事業及び医療勤務環境改善支援センターの事業についてでございます。
 まず、ナースセンターにつきましては、新型コロナウイルス感染症の関係で、県からの委託の事業もなかなか難しい中、非常に頑張っていただいていると思っておりますし、特にこのコロナ禍で看護職員のニーズが逼迫している中で、各医療機関、それからクラスターの起こった施設等への看護職員の派遣について、本当に最大限の努力をしていただいて、本当に助けていただいておりまして、本当に御努力にはこの場をお借りして感謝を申し上げたいと思います。そういった中で、業務が逼迫しているということは十分承知をいたしておりますが、なかなかそれに当たれる人材がすぐに確保できないというのも事実でございまして、県としましても看護協会とよく相談をしながら、そこの改善は今後も看護協会等の御意見も踏まえながら、真摯にさせていただきたいと思っております。
 それから、予算の件につきましては、300万円弱というところで減っておるというところでございますが、これは県が2年に1度実施する看護職員の従事者届の集計作業というのを委託させていただいておりまして、それが隔年でございますので、たまたま来年度はないという中で、その費用が263万円ということで、ほとんどそれの費用でございます。あとは新型コロナウイルス感染症の関係で研修会とかがウェブ開催になるという中で、それに係る講師の旅費とか若干事務費的な部分をカットさせていただいた部分もございますが、運営費としては引き続き今年度同様の額を確保させていただいておると考えてございます。
 それから、医療勤務環境改善支援センターのほうでございますが、こちらについても相談が非常に増えておるということで認識をしておりますし、そこについても改善を図っていく必要があると思っておりますので、こちらについても看護協会等の関係者とよく話をしながら、少しでも改善できるようには図っていきたいと考えてございます。

〇小林(正)委員 ありがとうございます。
 ナースセンターの予算については、2年に1度のあれが今年度なかったということですけれども、私が聞くところによりますと、慢性的な人員不足ということなんで、コロナ時以外にもしっかりと平常時の人員体制というのを確保できるような財政支援というのも今後お願いしたいなと、そのように要望させていただきます。医療勤務環境改善支援センターですけれども、こちらのほうも引き続き医師会のほうと協働して取り組んでいただくことをよろしくお願いさせていただきたいと思います。
 あっという間に持ち時間の37分が過ぎてしまいました。これで私の担当の時間を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

〇前野委員 それでは、質問させていただきますが。
 自由民主党県議団、津市選出の前野和美でございます。
 本年度で退職される方々については今日が最後のやり取りでございますので、長年三重県政に御奉仕いただきましたことに、本当に心からお礼を申し上げたいと思います。
 まず、農林水産部から質問させていただきますが、前田農林水産部長は私と同じ旧久居市にお住まいでございまして、これのよしみか、親しみを持ってこれまでも応援させていただいておりましたが、定年退職ということで、はなむけの意味も込めて最後の質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 施策312の農業の振興についてでございます。兼業農家や高齢農家の支援についてでございますけれども、昨年10月の一般質問でも農業における兼業農家や高齢農家も含めた多様な担い手による地域農業の在り方について質問をさせていただきました。部長のそのときの答弁にもありましたが、担い手への農地集積率は40%弱で、依然として兼業農家や高齢農家によって支えられていることがこれで分かるわけでございます。農地の中でも平たんで条件がよいところは担い手や後継者が見つかりやすいのですが、条件的にも不利な中山間の農地などでは、兼業農家や高齢農家の力を今後も十分に活用しながら農業を継続していく必要があると思っています。昨年10月の答弁では、新たに策定した三重の水田農業戦略2020において、中山間地域を念頭に置いた家族農業継続プロジェクトを設置して取組を進めていくということでございました。令和3年度の新規事業である家族農業プロジェクト生産技術向上推進事業や農業におけるワンデイワーク等多様な人材活用推進事業について、具体的な取組について確認させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

〇前田部長 先ほど御紹介いただきました2つの家族農業の維持、継続に向けた事業につきましては、昨年10月に策定しました三重の水田農業戦略2020の取組方向に沿いまして、農林水産部のいわば重点事業として、令和3年度の特定政策課題枠ということで計上させていただいておるものでございます。
 まず、1つ目の家族農業プロジェクト生産技術向上推進事業でございますけども、これにつきましては、水田農業を対象にしまして、小規模な家族農業でも取り組みやすいスマート農機を活用した生産技術のモデル実証を今のところ県内3地区で実施しようとするものでございます。具体的には、米の品質向上に向けまして、家族農業では労力やコストの面でなかなか実施が困難な施肥であるとか、あるいは害虫防除などの課題に対しまして、ドローンなどを活用した肥料の散布技術、それからカメムシ等、病害虫の効果的な防除技術、それから水位センサーなどを活用した省力的な用水の管理技術ということで、その効果や実用性について検証したいと考えてございます。
 それから、もう一つの農業におけるワンデイワーク等多様な人材活用推進事業でございます。これは、小規模な家族農家等におきましては、長期での雇用というのがなかなか難しいケースがございます。例えば田植えの時期とか収穫期なんかで、農繁期に不足する労働力の確保に向けて、週に1日や2日とか、1日の間でも半日とか短時間とか、そういう時間でも農作業に従事できる働き手、それを農家のほうとマッチングする仕組みづくりということで、こちらについては県内2地域で実施をしていきたいなと考えてございます。こうした取組事例を実証、検証しまして、さらにモデル地域以外のところへも水平展開していくことで、条件的に不利な地域での重要な担い手の一つである兼業農家や高齢農家も含めた家族農業の維持、継続につなげていきたいと考えてございます。

〇前野委員 御答弁どうもありがとうございます。
 農業は、さっきも話をさせてもらったんですが、農地の集積は今言ったように40%弱程度、これはほとんどが平地による、いわゆる耕作条件のいいところが中心に農地集積をされていまして、三重県で言われる中山間地域の集積はなかなか進まないのが現状だと思います。三重県の耕作面積の40%が中山間地域と言われているわけですから、それを今後いかにして、どんなふうにして農業継続を続けていくかということが三重県の大きな課題だと思います。いろんな施策を考えていただいておりまして、結構なことやと思うんですけど、例えば多面的機能支払制度、これについてはかなり効果が出てきているなというのを我々も現場を歩いていて実感するわけです。いわゆる農道の補修がされて、コンクリートできれいに整備されたり、排水路がコンクリートで底打ちをされて、本当に農作業の省力化が随分進んできたなと。これは多面的機能支払制度というのが大きな成果を上げている一例だと思うんですね。
 しかし、中山間地域でもその制度は進んでいますけれども、本当に棚田的な田んぼを今後いかにして耕作して、維持していくかということになってきますと、現状を見てみますと、集落営農であったり、部長も答えていただいた家族的農家の皆さん方によって細々と運営されているというのが現状だと思うんですね。今その方々がだんだんと高齢化が進んできておりまして、うまく後継者が見つかればいいですけれども、後継者が見つからない場合には、全く荒れ地になってしまうということも考えておかなければなりません。そのための施策というものがしっかり要ると思うんですが、国のほうから支援ということで中山間地域直接支払制度というのもあるんですが、なかなかこれだけではあの地域を守れないなというふうに思っています。そんなことから、農業におけるワンデイワーク等多様な人材活用推進事業という取組も考えてやっていくということなんですが、そのワンデイワーク事業はどんなふうに制度化して、自分の空いた時間を農業の手伝いに行こうやという仕組みをどんなふうにつくっていくか、もう少し具体的に教えていただけたらありがたいと思います。

〇前田部長 農業におけるワンデイワーク等多様な人材活用推進事業の具体的な取組ということですけども、この取組には、まず働き手となる人材の確保、それから、家族農業を含めた農業経営体における求人状況の把握というのが両方重要だと思っております。
 令和3年度の具体的な進め方については3つ考えてございます。まず1つ目は、働き手の確保に向けまして、市町や商工会議所などと連携して、副業を認めている民間企業でありますとか、あと副業を希望する社員等を把握するためのアンケート調査、これを行いたいと思っています。その上で農業のPR、それから農作業を理解してもらうための、その方々を対象にしたセミナーの開催といったことを考えています。それから、2つ目としては、家族農業等の求人状況の把握ということで、こちらについてはJAなんかと連携させていただいて、家族農業の実際の場面における単日とか短時間労働の需要と、その仕事量の把握、それと働き手、依頼可能な農作業の創出ということで必要な支援をしたいと。それから、3つ目、最後ですけども、3つ目はマッチングの仕組みということになってきますんで、その把握した情報、結果等に基づいて、JAグループが既にそういう既存アプリを活用した取組も少しやりかけておりますので、その辺とも連携をしながら、課題の整理であるとか、関係機関の役割分担というのを検討して、推進させていただきたいと考えております。

〇前野委員 今、ワンデイワーク事業の取組についていろいろお話をいただきました。あらゆる職業の中でこういった取組がこれから進んでいくという兆しではありますんで、農業のほうでも十分活用できるんではないかなという大きな期待もしておりますんで、ひとつ積極的に取り組んでいただいて、そうした高齢農家の手助けになるような仕組みづくりをしっかりとしていただきたいなと思います。
 農業問題の最後、これは前回の質問でも現場の声として申し上げたんですが。認定農業者だとか、担い手と言われる方々については資金面で手厚いサポート、手厚いと言うと叱られるか分かりませんけれども、サポートがそれなりに準備をされていますんでいいのですが、家族的農業やとか高齢農家の皆さん方が農業を維持、継続していくために、当然、農業機械というのを更新していかなきゃなりません。それが、年齢がネックになって資金が調達できないということがたびたび話に出てまいります。我々の、農家の味方やと思っとるJAでも年齢がいくと資金を貸してくれないと。こんな現実の話が出ていますんで、その辺がやっぱり中山間地域の農業をこれから発展させていくための一つの大きなネックになってくるのかなと思ったりしております。最後にそれだけ1つ御答弁いただいて、この項を終わりたいと思うんですが、よろしくお願いします。

〇前田部長 先ほど御指摘のありましたように、現在の国の政策なんかでは機械導入に対する支援とか、あるいは担い手への集約化等に政策的な誘導を図る上で、先進的な取組や規模拡大を図る担い手が主な支援対象として位置づけられておるという実態がございます。このため、家族農業が多い中山間地域等での営農継続に必要な、例えば機械導入等につきましても支援が届きにくい状況にあるということは県としても認識をしておるところでございます。
 そうした中で、令和2年3月に策定しました食を担う農業及び農村の活性化に関する基本計画では、法人や大規模経営といった部分だけではなくて、これまで地域農業を担ってきております家族農業につきましても、やっぱり産業政策と地域政策の両面から施策を進めていくこととしているところでございますので、こうしたことも踏まえまして、県としましても大規模集約化等への支援に偏るんではなくて、中山間地域も含めた小規模家族農業の維持、継続に向けまして、バランスよく支援を行っていくことが重要というふうに考えてございます。御指摘の部分も含めて、今後、地域の農業改良普及センターにそれぞれ家族農業の地域支援チームというのを設置いたしますので、現場の声を丁寧に酌み取りながら、県として何ができるのか、しっかりと検討してまいりたいと考えてございます。

〇前野委員 しっかりと応援していただくということでございますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 時間が迫ってまいりました。次の項に行きたいと思います。
 日沖防災対策部長にお尋ねをさせていただきます。施策111災害から地域を守る自助・共助の推進についてということですが、SNSにより市町職員や消防団員から収集した情報や県民等がSNSで発信した被害情報をAIを活用して集約することで、避難情報の提供につなげるという取組をするということになっていますが、せんだっても廣議員や森野議員から消防団を応援する質疑がございました。私も消防団を頼りにしている県民の一人として消防団の処遇改善や消防団に対する県民の意識醸成に期待をしているところでございます。消防団員自ら分団管轄区域のことは消火栓の位置や貯水池の位置、それから水利河川の利用方法等についても誰よりもよく把握しており、火災のときには活躍をいただいております。台風などの風水害でもどれぐらいの雨量やとか、風が吹けばどの辺の箇所が危険になるということも長年の経験、そして、活動から十分地域のことを把握されている、そんな消防団ではなかろうかなと思います。そういう意味からいきますと、避難誘導のための情報提供というのはどの組織よりも確実に正確な情報として利用できるんだと思います。しかし、これは消防団という長い伝統と経験に培われた組織の持てる力だと思っております。
 しかし、今後発生することが予想されております南海トラフ地震、これは誰も被災体験がないわけでございまして、仮に起きれば消防団員自らも被災者となるわけでございますので、より的確な情報把握はなかなか困難だと思っています。県民のSNSの投稿による被災状況をそのまま避難情報のデータに組み込むのは少し危険があるのではないかなと、こんなことも思っていまして、十分な裏づけの取れる確認情報でないと、逆に二次災害につながる可能性もなきにしもあらずと、そんなふうに思いますので、いかがなふうに考えておられるのか、よろしくお願いしたいと思います。

〇日沖部長 避難行動促進事業についてでございますけれども、今年度からAIを活用した被害情報のデジタルでのマッピング、可視化と、それを使っての情報提供といった事業を進めておるところでございます。委員から紹介がございました消防団員、ほかにも市町職員であるとか、国の職員の方であるとかが現場で入手した情報をLINEを使って県の災害対策本部の情報システムに送信するという事業でございまして、AIが災害の種類を、氾濫・決壊であるとか浸水・冠水であるとか土砂災害であるとか、そういった種類を分類して、地図上にマッピングして、写真であるとかコメントであるとか、そういったものを、消防団員とか市町職員あるいは国の職員ですので、正確な情報をできるだけリアルタイムに把握するという取組を進めておりまして、昨年9月に6市1町でまず試行というか、暫定的な取組の運用を開始したところでございます。 これでそれぞれこの情報について、県の災害対策本部と市町の災害対策本部、両方で確認ができるということで、6市1町でまず始めたということでありますけども、今年度といいますか、昨年の秋ですけれども、37件の情報提供がございまして、災害対策活動に活用したというところでありますけれども、試行の段階でもあって、そして昨年は、幸いにして県内の災害が少なかったということもございますので、危険箇所等の情報について、住民の皆さんに直接影響するところがほとんどありませんでしたので、そちらの発信というところまでは行きませんでしたけども、実際に運用していただいた消防団員の方あるいは市の職員の方、そして三重河川国道事務所の関係の方からは、災害時の対応とか行動判断に役に立つとか、素早く確認できて、情報の共有ができるというような評価も頂いていますけれども、やはり新着情報がより分かりやすくなるとか、あるいは、提供された情報は刻々と変わってきますので、その経過も追加できる機能があるといいというようなことで意見も頂いておりますので、そういったことも踏まえて、令和3年度はシステムのその機能改修も行いながら、県内全市町で活用していただけるような形でしていきたいと思っています。
 そして、委員のほうからありました、新たにSNSで県民の方々から情報提供いただいたものも追加すると。ただ、それについてはAIがリアルタイムに災害情報、一定の仕分けは可能ということなんですが、そういった情報の中からできるだけ正確な情報を抽出していただくというような民間サービスも導入したいと考えています。ただ、それもおっしゃったように、そのまま流すということはせずに、市町であるとか消防団の方々がやはり現地をよく知ってみえますので、一旦そういった方々にも確認をしていただくという形で、確かな情報はきちっと県民の皆さんに提供するというようなことを考えております。

〇前野委員 災害情報というのは本当に県民にとって必要不可欠なものでございますので、ぜひ。不安になっているときに、きちっとした情報が流れてくるということは安心につながりますから、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。
 私、1つ心配なことが。私の調べた範囲内ですけども、三重県内の消防団の最近の活動がかなり制約されているような話を聞いています。例えば暴風雨警報が出たりしたときでも、本来ですと消防団員は詰所待機というのが基本だと思っておりましたんですが、最近は自宅待機という、そんな命令が出ておるようでして、自宅待機なら、現場へ行って情報を収集するということが全くできませんから、その辺がちょっと不安だなと思っています。これからも各市町との十分な調整が必要かなと思いますんで、消防団活動についてもひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。
 もう一つ、コロナ禍における避難時の電源確保普及啓発事業というのが防災対策部のほうから出ておりました。夏の暑いときに停電になって、これは三重県でもありましたよね、3年ぐらい前に。知事から県民の皆さんに熱中症に気をつけてくださいよというコメントまで出たこともあったんですが、こういったときに電源確保という普及啓発事業が出ているんですが、具体的にどんなふうにやるんか。県民に例えば非常用発電機を持ちなさいと言うんか、はやりの車で発電をするという、そんなことをやるんか、どんなふうに考えておられるのか、よろしくお願いします。

〇日沖部長 県民への避難時の電源確保の普及啓発ということでございますけれども、これまでも実際にホームページであるとか、ガイドブックであるとか、県の防災技術指導員からの講話であるとか、そういった取組の中で、携帯のバッテリーあるいは懐中電灯等の、いわゆる備えておいていただきたい備品とか持ち出し品への啓発というのをやってきたんですが、今回、令和3年度の事業の中では、コロナ禍でもありますので、いわゆる分散避難ということも念頭に置いて、自宅での避難あるいは知人宅、親戚宅での避難ということも踏まえまして、各家庭で停電が発生したときの主要電源の確保に努めていただくということで、そこの啓発をやりたいというふうに考えていまして、具体的には例えばEV車であるとかハイブリッド車、こういった電源供給可能な車両であるとか、ガソリンとかガスを燃料とした非常用発電機、あるいは携帯用のソーラーパネルであるとか、そういったものを。
 各家庭の生活スタイルもあります。1人でお住まいの方、あるいは四、五人の家族でお住まいの方、それぞれありますので、それぞれの家庭の生活スタイルに合った形で、電源装置の能力であるとか、その活用方法について分かりやすくイメージできる事例集なども作成しまして、そして県や市町が実施する防災訓練とかシンポジウムとか、そういった場での展示、あるいは自主防組織であるとか、県民を対象に防災の技術指導員が行っています講話などの機会を活用するなどして、そういった事例集等を含めて、広く電源の確保について皆さんに普及をしていきたいと考えております。

〇前野委員 このコロナ禍の時代でありますんで、コロナウイルスに感染するということを考えてみますと、なかなか、せんだってから話もありますように、避難所に避難するということがためらわれるわけですよね。そうしたときには、自宅の2階だとか高台にある親戚のおうちやとか友達の家に避難する、そういうのも増えてくると思うんですね。停電が起こっていたら避難した先でも非常に苦労をしなきゃならんということが起きてきますんで、今、部長が言われたような電源確保というのは非常に大事なことだと思っています。
 ハイブリッドカーを利用した電源確保というのも進めていくというお話もあったんですが、私はこれの確認もさせてもらった。私もハイブリッドカーに乗っているんですけれども、自分の車につけられないかなと思ってメーカーに話をしましたら、新車の購入時に注文せんと後づけはできませんと。そんなんやったかいと言うて話をしたんですが、前野さんにも購入されるときに交流の100ボルトをつけますかという話はしましたやないかということを言われたんですけども、なかなかそのときにはそんなふうに思いつきませんでしたので、交流100ボルトはつけていないという現状です。
 しかし、今の車は標準装備でついておるような車もあるようでございまして。1500ワットの電気が取り出せるということになってきますと、調べたところによると、例えばスマホの充電やったら10ワットで済みますし、冷蔵庫でも最近のやつは600ワットぐらいやそうです。それからノートパソコンは100ワット、液晶テレビも150ワットぐらいだそうですんで、1500ワットの電源が取り出せれば、テレビを見ながら、エアコンもうまくいけば動かせるのかなと。冷蔵庫はもちろん動かせますし、すばらしい電源だなと思っています。これが県民の皆さん方に十分周知をされて、自分の家でこれぐらいの電源なら確保しておいたほうがいいなと思われる方がどんどん増えてくることが災害に対する対応だと思いますんで、ひとつ啓発のほうをしっかりとやっていただきたいなと思います。
 もう時間がなくなってきましたんで、岡警察本部長、これは私のうろ覚えでえらい申し訳ない話ですが、東日本大震災の後、トヨタ自動車がプリウスにこういう発電機をつけて、そのプリウスによって、信号の停電したことを想定して、信号機を動かしたという、そんな新聞記事を昔読んだことがあるんですが、三重県でもそういうことを考えながら県警察本部でプリウスを何台か入れて、そういう電源確保のための準備をされているんか、その辺を確認させてください。

〇岡本部長 お答えします。
 三重県警察本部でそのような例があるということは聞いております。プラグインハイブリッド車を非常用電源装置の代わりに使うというものでございます。当県におきましても信号機が3200基ありまして、そのうちプラグインハイブリッド車や可搬式発電機と接続できる信号機が800基ございます。他方で固定式の自動起動式非常用発電装置は150基分しかありませんので、そういった起動力のある電源があるということは非常に有効であると思っております。
 ただ、県警に1000台強ある自動車は、8割が国費になりまして、それを順番に入れ替えていくものですから、直ちに整備できるとは申し上げられませんし、また国とよく相談しなければいけない事項でありますけれども、有益性については十分認識しております。
 以上です。

〇前野委員 突然の指名で申し訳ありませんでした。十分理解をしていただいていますんで、ありがたいなと思います。これからの機会があれば、そうした電源の確保もひとつよろしくお願い申し上げたいと思いますし、県の公用車も、その辺にやっぱり配慮しながら、今申し上げたような電源を取れるような自動車、これも公用車として確保していく必要があると思います。最後に知事、それだけ一言お願いします。

〇鈴木知事 今おっしゃったように有益性は本当にあると思いますので。県の公用車もローテーションでいろいろ変わっていくと思いますので、そういうときにしっかり費用対効果とかも検討しながら、災害時のこともよく認識した上で検討していくようにしていきたいと思います。

〇前野委員 委員長、ありがとうございました。
 以上で終結させていただきます。ありがとうございます。

〇野口副委員長 開始から1時間を超えましたので、換気のため、一旦休憩とし、再開は午後2時25分といたします。
 暫時、休憩いたします。
 

(休憩)

 
〇野口副委員長 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
 総括質疑を継続いたします。
 それでは、自民党から御質疑をお願いいたします。

〇野村委員 皆さん、こんにちは。会派、自民党、海女と真珠のふるさと、鳥羽市選出の野村でございます。
 私が昨日うちへ帰ると、津田委員や前野委員がうらやましがるか分かりませんけども、50センチメートルを超えるヒラスズキが家に届けてもらってありまして、早速それを刺身にしておいしく頂いたんですけども、こういった魚が取れるところに住んでおり、本当にいいところに住んでいるなと思ったところでございます。そのような気持ちを持ちながら質疑に入らせていただきます。
 宮川のより良い流況に向けた流量回復等検討会議について、座長である廣田副知事に伺います。施策255市町との連携による地域活性化にある特定振興地域推進事業について、関係部局が連携して宮川ダム直下から三瀬谷ダム間のよりよい流況に向けた検討を行いますと記載されていますが、検討会議に関する予算額は幾らで、具体的な内容はどうなっているのかお伺いいたします。

〇廣田副知事 御質問をいただきました特定振興地域推進事業のうち、関連する予算額は1500万円でございます。取組内容につきましては、宮川ダムからの放流量を増やした場合のダム貯水量への影響について調査を委託するものでございます。このほか令和3年度につきましては、対象区間での河川流量調査に新たに着手しますとともに、水質や生物の状況についての調査についても把握していきたいと考えております。

〇野村委員 答弁いただきました。先ほどの答弁の中に令和3年度は対象区間での河川流量調査に新たに着手するという説明があったんですけども、その調査については西場議員が今議会の一般質問で提案した4月から5月の間に宮川ダム直下で毎秒1トン常時放流することや、粟生頭首工直下毎秒3トンを確保するため、現在4月から9月までの間に実施されている流量回復放流を通年で実施することの実現につながると考えてよろしいんですか。

〇廣田副知事 粟生頭首工直下毎秒3トンに向けた流量回復放流の実施につきましては、利水関係者との協議が中心となるために、令和3年度については特に予算計上をいたしておりません。ただ、流量回復取組を開始した平成26年度以降に毎秒3トンを下回ったのが10月から3月の間に今年度初めてございましたものですから、通年実施については利水関係者の意見を伺いながら、丁寧に進めていきたいと考えております。
 それから、先ほど答弁させていただきました調査ということで、得られた結果につきましては、4月から5月の間に宮川ダム直下で毎秒1トン常時放流することを検討する際にも、検討資料として利用できるというふうに考えております。
 以上でございます。

〇野村委員 ありがとうございます。ぜひとも通年で流量回復放流をよろしくお願いしたいと思います。
 以前の私の一般質問でも取り上げさせていただきました黒ノリの色落ち被害のことについてなんですけども、毎年のように色落ちが発生しており、安定した黒ノリの量の確保も難しくなってきておりまして、良質の黒ノリも取れなくなってきている。このままでは伊勢湾からコウナゴに続いて黒ノリも消えてしまうんではないかということを言われる業者の方もいます。業者の方には海水の測定もしておりまして、沿岸に藻場を形成するのに必要な窒素、リンなどの栄養分の含有量が大変不足しているそうでございます。昨年の11月頃からの年末年始にかけての雨不足の影響もあると思うんですけども、年間を通じてやっぱり山からの栄養が川を通じて流れ込むということが大切であるかと思います。宮川だけではありませんけども、ぜひ山の栄養分を川から伊勢湾に流していただき、豊かな海、伊勢湾を再生していただきますよう、よろしくお願いいたします。
 続いて、施策221みえ子どもの元気アップ部活動充実事業についてお聞きいたします。
 部活動の意義としましては、スポーツの楽しさや喜びを味わい、生涯にわたって豊かなスポーツライフを継続する資質や能力を育めること。2番目としましては、体力の向上や健康の増進につながること。自主性、協調性、責任感、連帯感等を育成できることなど、数え上げれば切りがないほど挙げられます。今回取り上げた事業については、今年度から始まった事業であり、令和3年度については、今年度より2159万円の増加となっています。増額の要因の一つに部活動指導員の拡充があります。部活動の指導体制を充実するため、地域のスポーツ指導者を部活動指導員として、令和3年度は中学校や高等学校に計100名を配置する計画と記載されています。
 そこで、まず部活動指導員配置による効果についてお聞きいたします。働き方改革など、様々な面からの効果はあると思いますけども、今回は指導体制の充実というところからお聞きいたします。
 次に、100名のうち80名が市町からの要望を受けての配置と伺っていますが、令和3年度は何市町に配置する計画なのか、また、どんな種目が多いのかお聞かせください。

〇木平教育長 部活動指導員ですけれども、部活動指導員は、きちんと顧問となって、単独での指導とか、それから大会等も含めた引率ができるということがございます。それから、競技経験とか、その種目の経験を有する方を配置しますので、従来でしたらそういう専門的な指導者がいない種目であったり、いても進路指導とか生徒指導とかで十分時間が取れないというところに配置をさせていただくことによって指導体制が充実いたします。そのことで、例えば受ける生徒も専門的な指導が受けられるということ、それから、メンタル面とかも含めて、そういった子どもたちの充実した部活動になるというふうに認識しております。
 それから、配置ですけれども、来年度この財政的な枠組みは国、県、市町3分の1ずつという負担になりますので、要望を受けて、19市町へ配置をさせていただく。現時点では19市町を予定しております。
 それから、種目ですけれども、年によって変わるんですけれども、今年度でしたらソフトテニスとかバレーボール、それから卓球とかバスケットボール、文化活動では吹奏楽等が多いような状況になっております。来年度についても市町と丁寧に協議しながら進めていきたいと思っています。

〇野村委員 令和3年度は19市町のほうへということで、テニス、バレーボールなどやっぱりたくさん、選手かがいるところに配置するということでよろしいんですね。
 それでは、続いてお聞かせください。休日の部活動については、段階的に地域へ移行していくことが方向性として示されていますけども、そこで、各地域に総合型地域スポーツクラブが各市町に設立され、部活動の受け皿となり得るものではないかと期待されているところなんですけども、みえ子どもの元気アップ部活動充実事業の事業概要には、休日の部活動を地域で実施する場合の課題に関する研究を行うとの記載があります。
 そこでお聞きかせください。この記載されていることに関連して、今後の総合型地域スポーツクラブとの連携について検討されているとは思うんですけども、どのような状況なのかお聞かせください。

〇木平教育長 部活動の地域との連携ですけれども、やっぱり持続できる子どもたちにとってすばらしい部活動を持続するということで、特に休日の部分について、地域との、協力をいただいてというふうに考えております。それで、昨年の10月に総合型地域スポーツクラブの運営をされている方も入っていただいた部活動のそういったことを検討する検討委員会を設置させていただきました。それで、いろんな意見を今、頂いております。来年度につきましては、予算計上をさせていただいていまして、中学校ですけれども、3市町を先行的なモデルで取組をさせていただきたいなと思っております。現状としては、そのうちの一つですけれども、初めて総合型地域スポーツクラブの力を借りて、土日を中心とした部分を担っていただきたいなと思っております。それで、またそういったところでも課題が出てきましょうから、その検討委員会等でまた議論いただこうかと思っております。
 以上です。

〇野村委員 いろいろ検討委員会のほうで協議してもらうんですけども、私も総合型地域スポーツクラブの設立から関わったことがありまして、スポーツクラブにはその地区にあるクラブによって、規模や指導員や、いろいろな差が多くあると思うんですけども、そのあたりのところをきちんと調整しながら移行というか、したってほしいと思うんですわ。というのは、先生方の負担も軽くするけども、一部の方にまた負担が乗っていくというふうなことのないようにしてあげていただきたいと思います。これから子どもたちにはよりよい環境で運動できる機会の確保や充実に向けて力を入れていっていただきたいと、このように思いますので、よろしくお願いいたします。
 続いてお聞かせください。明日は3月11日で、東日本大震災から10年を迎えます。そこで、防災の取組として、災害時学校支援事業についてお聞かせください。
 学校の再開は日常生活に戻るという面で復興に向かう人々の活力の源になるものであると思います。10年前、岩手県陸前高田市のある小学校では、学校再開までの間、計6回の会議を開催し、全壊した学校の代替施設の確保、2番目として児童生徒の通学支援、3番目に教職員への支援、4番目にライフラインの確保、5番目に屋外運動場、体育館の確保、6番目として、学校給食の確保といったことが議題として話し合われたということですけども、学校再開に向けて取り組むべき課題は山ほどあります。
 本県でも昨年9月18日の初級編から始まり、中級編、上級編の研修を修了された教職員50名の方を隊員として任命し、今年1月に三重県災害時学校支援チームが発足したとあります。目的には南海トラフ地震などの大規模災害発生時に備えるため、学校の早期再開や児童生徒の心のケア等、専門的な知識や実践的な対応能力を備える職員を育成し、学校教育の早期復旧を支援するということが挙げられています。全国的には兵庫県、熊本県、宮城県に次いで4番目の結成とのことです。
 そこでお聞きいたしますが、今年1月に発足した三重県災害時学校支援チームは、来年度どのような取組を行うのか。また、平時もチームメンバーが保有する知識や技能を生かした取組を行っていってはどうかと思うんですけども、そのあたりを併せてお聞かせください。

〇木平教育長 今、委員から御紹介いただきましたとおり、50名で災害時学校支援チームを発足させていただいております。来年度の取組ですけれども、万一大きな災害が起きたときには、県教育委員会事務局の中にも災害時学校支援チームの研修を受けたメンバーがいますので、まずその者が当該市町とか当該学校へ先遣隊という形で行かせていただいて、ニーズとか御希望をお聞かせいただきながら、派遣させていただけるという状況であれば、3名1チームという形を基本と考えておりますけれども、そういった形で支援をさせていただきたいと思っています。平時というか、通常時におきましては、今年度かなり知識もつけていただいたんですけれども、さらに実践力を高めていただきたいという思いで、夏休みに1日ぐらい実際の避難所運営とか学校の再開を具体的に支援するためのトレーニングというか、そういった実践の機会を設けさせていただきたいと思います。
 あわせて、県内の学校ではいろんな形で防災訓練とか防災学習とかもやっておりますので、そういったところでの避難所訓練の支援であるとか、そういったサポートにも回っていただければと思っております。

〇野村委員 せっかくカリキュラムを受けてもらって、いろんな知識を得てもらったことですので、ぜひともふだんから、いろんなところに出向いてもらったり、子どもたちと一緒に避難訓練を率先してやっていく方法を考えたりしたりすることがいろいろできるかと思うんです。そのあたりのところも平時からまたよろしくお願いしたいと思います。
 続いてお聞かせください。施策331世界から選ばれる三重の観光について。
 新型コロナウイルス感染症の第3波の到来に伴い発出された緊急事態宣言や三重県独自の緊急警戒宣言により、県境を越える移動の自粛などが要請されるとともに、「Go To トラベル事業」等の一時停止や緊急事態宣言の延長に伴う再開の再延長もあって、県内の観光産業は大きな打撃を受けています。私は、昨年10月の代表質問において、地域経済活性化支援機構(REVIC)と連携した将来の観光地づくりに向けてどのように取り組んでいくのかということについてお聞きいたしました。私が質問した当時は、国の「Go To トラベル事業」において地域共通クーポン制度も本格実施されるなど、国、県あるいは市町の観光需要喚起の取組により、県内の観光地も回復の兆しが出てきているときでした。観光局長からは、都道府県では全国初の取組として、観光地づくりのノウハウを持つREVICと連携し、地域の構造的な課題を地域全体で解決する先駆けとなるモデル事業を鳥羽市相差地域で実施し、モデル事業実施でやられたノウハウや、その成果を県内で共有することで、県内観光地の再生に向け、機運を醸成していくとの答弁でございました。
 そこで、まずお聞きしますが、今年度どのような取組を行い、どのような成果があったのか。また、県内の観光地への今後の展開についてどう取り組んでいくのか、よろしくお願いいたします。

〇河口局長 鳥羽市相差地域での取組の概要でございますけれども、地域の将来を担う若手経営者の皆さんが中心となられまして、高齢化、人口減少等による人材不足など、地域が抱える問題をしっかり受け止め、いろいろ検討を重ねていただいて、今、泊食分離を目的とした感染症対策の対策にもしっかり取り組んでいただいた上で、海女小屋でのフレンチレストラン「オウサツダイニング・前の浜」の運営でありますとか、二次交通対策として、宿泊施設共同で鳥羽駅から相差地域までの送迎バス「AMAループ」、また、町内を循環していただきます「ええやんCAR」などの運行なんかアイデアを出していただいて、取り組んでいただき、その結果、県内のお客様を中心にレストランには約290名、共同バスには730名の方の御利用をいただいていて、相差の新たな魅力を体感いただいているところでございます。
 地域の宿泊施設からは、泊食分離で夕食の準備をしなくてよくなったので、かえって宿泊のお客さんをたくさん受けられるという、稼働率が向上したでありますとか、宿泊予約がない日には休業することもできるようになったであるとか、共同バスでは人件費であるとか燃料費が圧縮できたり、業務の効率化が図られたというようなお声を頂いております。また、利用者からも新たな相差の魅力にということで、海女小屋でフレンチを食べられるために、相差を宿泊地に選んだなんていうお声も頂いております。
 その一方で、事業化に向けまして、収益モデルの構築に向けた採算性の向上や各施設がどういうふうにコストを負担していくかなど、今後の運営に向けてクリアする課題を今後整理していく必要がございます。これをREVICの観光遺産産業化ファンドなどの活用の投資につながるよう、より一層取組が進められることを期待しているところでございますし、観光地への展開ということで、相差地域での実証実験の結果だけではなく、このプロセスが大切ですので、そのプロセスなんかも含めた分析結果を、3月24日に実証事業の報告会を開催し、各県内観光地への周知を図っていきたいと考えております。

〇野村委員 御答弁ありがとうございます。
 やっぱり観光産業は県内経済を支える重要な産業ですので、コロナ禍で傷ついた県内観光の再生に向けて、またコロナ後においても持続的に発展していけるように取り組んでいただきたいと思います。
 今、地元の若い方たちも力を合わせて一生懸命頑張っておりますので、またこのあたりの御支援もよろしくお願いいたしまして、質疑を終了させていただきます。ありがとうございました。

〇野口副委員長 次に、草莽、御質疑をお願いいたします。

〇舘委員 三重郡選挙区より選出をいただいております会派、草莽の舘でございます。
 委員長のお許しを頂きましたので、早速質問をさせていただきたい、このように思うんですけれども、4問ありまして、24分間ということは、1問6分ということでございますが、できるだけちゃっちゃとやってまいりますので、御協力をよろしくお願いしたいと思います。
 さて、令和3年度一般会計当初予算については、三重の新たな未来を切り拓く予算ということで、予算総額が7882億円、過去最大規模の予算案が提案されてまいりました。そこで、来年度の当初予算案であったり、本年度の補正予算(第14号)までという数多くの補正予算があって、また審議もしているところでありますけれども、それなどから持続可能な行財政運営の基盤ともなる財政の健全化ということについて質疑をさせていただきたいなと思っているところであります。
 地方公共団体の財政健全性を示すその指標というのはいろいろありますけれども、ここではその中の財政構造の弾力性を示すと言われております経常収支比率、これについてでありますけれども、これは義務的経費と言われる、いわゆる人件費、社会保障関係経費、そして公債費、これの3つの合計額が一般財源の総額にどれほど占める割合を持つかというのがその指標であります。令和3年度一般会計当初予算は義務的経費、その中から見ると、義務的経費の人件費、これが2125億6000万円、対前年度比0.5%、11億円の減となっています。少なくなっている。次に、社会保障関係経費については1162億9000万円ということで、対前年度比2.8%、31億円の、これは増ということであります。そして公債費1115億円、対前年度比1.4%、16億円の、これも増ということでありまして、その総額は4403億円ということでございまして、予算全体の56%を占めているところであります。
 そこで、お伺いさせていただきますけれども、この指標はそもそも国が全国画一的に算出しようということで出てきたその指数ではありますけれども、財政の健全性の観点から、この県財政の現状の認識と今後の見通しをどのようにお考えかお伺いをいたします。

〇紀平部長 今、国が示す財政指標を基にいろいろお話を頂きました。この指標というのはやっぱり画一的なものでございますけども、他県と比較できるということ、それから、それによって三重県の財政健全化の状況がどのぐらいになるんだと、レベルが測れると。あるいはさらに財政健全化をやっていくために目標にもできるということで、すごく活用させていただいているところでございます。
 そこで、まず1つだけ例を取ってお話をさせていただきますと、財政構造の弾力性を示す経常収支比率でございます、平成29年度、これが98.0%ということで、良いほうから全国で43番目でございました。令和元年度には95.8%ということで、全国で22番目ということで改善しております。また、これは決算ベースでやっておりますので、予算ベースでもこういった経常収支比率を測るということで、経常収支適正度ということで測らせていただいておりまして、令和3年度当初予算におきましては、前年度当初予算に比べまして0.4ポイント減の99.3%ということで、3年連続100%を切ったということでございます。
 今後の見通しでございますけども、やっぱり社会保障経費が引き続き増加すると。それから、公債費は高水準で推移するということから、行財政改革取組に引き続き取り組みまして、財源確保、事務事業の見直しということで、歳入歳出両面から財政健全化に取り組んでまいりたいと考えております。

〇舘委員 今、御答弁があったような状況というのは皆さん一度、確認をいただいたんだと思います。そして、その中で社会保障関係経費は、まさにこれからが一番大きい問題だろうと思います。2022年、来年になりますけれども、団塊の世代の方々が75歳に差しかかってきて、後期高齢者が急増するという、もうその流れになります。75歳を超えられると、お1人当たりの医療費は74歳以下に比べて3.7倍になるんだ、このようにも言われておりまして、2040年には医療費は今の1.7倍、67兆円を超えるだろうという予測もあるところでありますし、また一方で、人口の割合が減ってくると、現役世代の負担というのが重くなってくる。これも今以上に大変な厳しいものになっていくんだろうということがあります。今後もこれらを注視しながら、まさに健全化への取組に一生懸命取り組んでいっていただきたい、このように思います。
 次に、県債関係について2つ用意したんですけれども、一緒にやらせていただこうと思います。県債、まさにこれは県民の皆さんの借金ということであります。令和3年度当初予算案に計上されております県債は約1277億円、対前年度比18.7%で、201億円の増となっております。県債、これは2つに分けて、建設地方債等と臨時財政対策債、これに分けていきますと、建設地方債等については688億円、これは54%。そして、臨時財政対策債、これは588億円ということで46%を占めております。また、これによって県債残高というのができるわけでありますけれども、これが令和3年度末の見込みで1兆4774億円ということになりまして、この内訳は建設事業債関係が7575億円ということで52%。そして、臨時財政対策債、これが7199億円ということで48%という割合になります。ちなみに、この1兆数千億円、県民お1人に計算すると83万5000円の借金を抱えてみえるということになるわけであります。
 さて、そのうち臨時財政対策債についてでありますけれども、この制度は国の財政上の都合から県が県債を発行していって、後年度の元利償還金に対して地方交付税で交付措置されるものということでありまして、このことから実質的には地方交付税の代替財源とも言われているところでありますけれども、そこでお伺いをいたしますけれども、これまでの臨時財政対策債の元利償還金に対しまして、これまでにどのようにして、どれだけの金額が交付税措置されてきているのか、また、今後の見通しはどうなんだろうというところでの質問をさせていただきます。
 もう一つ、県債に関しては、補正予算債についてであります。私もちょっと認識不足というか、勉強不足だったのかも分かりませんけれども、この用語を初めてお伺いいたしました。補正予算債について、知事は知事提案説明の中でさらっと上手に朗読されて、部長概要説明の中で、部長のほうから何らか説明があるんだろうなと思っておったんですけれども、紀平総務部長はこの用語を読むことなくスルーしていってしまった。そこで、勉強が足らんなと、ちょっと勉強させていただきますと、財政法の第29条にこれが規定をされているようでございます。そこで、この補正予算債は何ぞやと、この場で簡潔にしっかりと理解できるように説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

〇紀平部長 2つ御質問いただきましたので、順次お答えします。
 まず、臨時財政対策債でございますけれども、まず、出し方でございます。臨時財政対策債の地方交付税措置額というのは、各地方公共団体、これを臨時財政対策債の発行可能額、幾らまで発行できるというのは計算できますんで、その発行可能額を基礎といたしまして、償還年限など標準的な償還条件に基づいた全国一律の償還条件によりまして、いわゆる理論的に計算した額が交付税で措置をされるということでございます。じゃ、一体幾らなんだという話ですけども、三重県におきましては、臨時財政対策債の償還が始まったのが平成14年度からでございますので、14年度から令和元年度までに交付税措置された額が累計で2692億円でございます。そして、この額はどうかというと、本県の元利償還金に見合ったものとなっており、今後も引き続き交付税措置がされるということで見込んでおります。
 それから、補正予算債についての御質問がございました。おっしゃるとおり、ちょっと定義を申し上げますと、補正予算債とは何かというと、国の経済対策等に伴いまして編成されました補正予算において、公共事業等が追加されます、そういったときに、国と地方が一体となって取組を進めていくために、それに伴う地方負担に対する財源、これを地方財政措置の一環として措置される、個々の地方債の総称のことを言います。そして、この補正予算債は、普通の地方債に比べまして、充当率がかさ上げされまして、元利償還金についても後年度、交付税措置をされるということで、地方にとって有利な起債でございます。
 この令和2年度の2月補正予算(その1)におきましても、いわゆる補正予算債ということで御説明をさせていただきました。ただ、正直に申し上げますと、補正予算債という名前の記載はございません。ただ、この補正予算の中に今回発行させていただいたのは防災・減災・国土強靱化緊急対策事業債、これが136億円、社会福祉施設整備事業債、これが1600万円、公共事業等債で35億7000万円、一般単独債で1億3000万円ということで、これを総称して補正予算債ということでございます。通常の起債を、補正のために財源措置をしていただいて、なおかつかさ上げをさせていただくということで、今回、2月補正におきましてはそれぞれ充当率100%、そしてまた元利償還金につきましては50%が基準財政需要額、いわゆる交付税措置がなされるというものでございます。

〇舘委員 臨時財政対策債の関係で、今、措置されるよりも借りていくほうが多いから、三重の財政の27ページに公債費、県債残高でずっと棒グラフになっているんですけれど、多分これは特別な措置をされる債務だと思うんです。他の県債とは区別して、はっきりとその内容を示す必要があるんだと思うんですよ。みんな一緒にしていくんではなくて、ここへせっかくここまで細かいことを書いていただいてあるんであれば、もう一つここにその内容的なことを書いていただきながら、数字の動きも分かればなと思いますので、これはよろしくお願いしたいという要望をしたいと思います。
 それと、補正予算債には何かごまかされたと言うと、そんなことはない、誠実にお答えをいただいたんだと思って理解をしなければならないとは思っていますが、しかし、やはりというか、これこそと言ったらおかしいですけれども、臨時財政対策債と同様に、県民の皆さんの借金ということには間違いがないわけですよね。そして、県債がそのことによって増加していくということも変わらないわけであります。そこで、改めて伺いたいと思うんですけれども、もう答えは大体分かっているんですが、絶対これは県債の残高につながっていくものですから、その中で有利なものだと、このようにおっしゃった、基準財政需要額に算入されて、そして、そのことによって地方には有利な取扱いになるんだと。このような考え方がこの補正予算債にはありますけれど、財政的なことをちょっと知っている方に聞くと、異口同音に、この基準財政需要額の中へ算入されていって、計算されていくことによって、本当に交付される金額は有利なものになったんかなと。ちょっとブラックボックス的と言うと表現が悪いかも分かりませんけども、透明度がなくなってしまって、本当にこれは有利なものなんだろうかというふうに多くの方々が指摘されるところであります。
 しかしながら、必要な県債、有利な県債というのは県民の皆さんのためにも活用すべきものであるというふうには考えます。どのように判断して決断したのかということも今後その説明をすることが必要だと思います。今ここでそれがどうだこうだと言ったって仕方がないなと思いますけれども、これから進んでいく方向の中で、例えば先ほど言われた補正予算債の名称がどうたらこうたらというよりも、これはどうやって理解して、次なる県政を進めるために活用するんだということをしっかりと説明いただくようにしていただきたい、そのように思うんですけれども、それに対して決意を述べてください。

〇紀平部長 補正予算債も借金じゃないかということで、おっしゃるとおりでございまして、今回この補正予算債をなぜ発行したかということを若干お話しさせていただきますと、まず、うちが2月補正をやる前に、国が第3次補正予算を組みました。その3次補正の中身というのが防災・減災、国土強靱化の推進、いわゆる安全・安心の確保のための予算を組んでいただいたと。それを三重県がどうするかという判断をさせていただいたときに、やっぱり今、三重県においても防災・減災、国土強靱化、県民の安全・安心を守るということは喫緊の課題でございまして、これはぜひやらなければならないということで判断をさせていただいて、防災・減災の起債を使わせていただいて、実施させていただいたということでございます。この防災・減災の起債につきましては、臨時財政対策債と同じように、管理県債の外にありますけども、先ほどお話しさせていただきましたが、それ以外の起債につきましては、補正予算債であっても管理県債として管理をさせていただいておりますので、その結果、今、県債残高が目標を下回っているという状況にあります。

〇舘委員 ありがとうございます。
 とにもかくにも県債は県民の皆さんの借金になるものでありますけれども、先ほど申し上げたように、必要なものも当然あるわけで、そこら辺の説明責任的なものをしっかりと示していただきながら、同じ方向を見て、前へ進んでいきたいなと、このように思います。
 最後の質問が、ちょっと短くなりましたけれども、最後に、知事に決意をお聞きしたいと思います。
 財政運営の基本的な心得というと、いつも言われるのは「入るを量りて出ずるを為す」と、こういうふうなことわざがございます。持続可能な行財政運営と財政の健全性、この取組というのは、私は大きく2つの重要なことがあるんだと思います。その1つは、先ほどのことわざ、これを腹に据えながら、一致結束して、全力で県政運営を行っていって、県民の皆さんの暮らしやら命やらを守り抜く、そして、さらに三重県を元気にする取組を着実に推し進めるために、必要不可欠となる地方一般財源の確保とともに、一層、自主財源の確保に向けた施策を積極的に展開していかなければならない。まずこれが1つあると思います。
 そして、もう一つは、過日の一般質問、また代表質問の答弁の中にもございましたけれども、県民の皆さんには現下の県の財政状況、情勢といったものに関する正確なデータを丁寧に示しながら、しっかりと理解をしていただくことということがございましたけれども、まさにこのことが大事だなと思います。
 そこで、正確なデータとはどんなものかといえば、例えば地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく、さっぱり分かりませんけれども、健全化判断比率とか資金不足比率というのがあります。あれは大きな箱の中の数字が出てきて、全国で何番目だと言ったとしても、下のほうの数字だけであって、その数字と自分たちが今、予算書を見ている県の財政のギャップが大き過ぎるんですよね。これを見ていたんでは分からんだろう。
 そしてもう一つは、一番いいのはこれだと思うんです、これを見れば分かりますけれども、ならばこれを県下全戸に配布していくかというと、こんな非現実的な話はありませんし、さらばどうするかなといったときに、私はちょっと分かりやすいものとして3つばかり思いつくものがあったんですけれども、1つは、一番初めに申し上げた経常収支比率です。これは率が高くなるほど財政の自由度が低くなってしまう、厳しいんだということがこれです。もう一つは、財政力指数です。これは財政力を示す指数であります。ですから、その指数が高いほど自主財源の割合が高くて、財政力が強いということがすっと一目で分かる。そして、3つ目、これはよくテレビ等々でもやる。ワニの口ってありますよね、棒グラフで歳出と税収との比較を見ていく。当然税収より歳出が上になりますから、それがうまくいくというか、税収が上がらなくて歳出が上がると口が開くようになる。これはワニの口や。これがカバみたいにこう開いてしまうと、もう何ともならんよねというふうに、これも一目瞭然で分かるんだと、このように思います。だから、こんなことを示すことというふうに、こんな思いやら考え方をしているんですけれども、持続可能な行財政運営と財政の健全性への知事の決意をお伺いいたしたいと思います。よろしくお願いします。

〇鈴木知事 財政の健全性についての決意ということをおっしゃいました。今出た指標の中で、まさに舘委員がおっしゃるとおりで、財政力指数で、東京都は除いて、2位は愛知県、3位は神奈川県なんですけど、経常収支比率は、愛知県は全国最下位、神奈川県は下から2番目ということなので、要は経費に占める県税収入が愛知県や神奈川県は多いけども、一方でこれまで舘委員に力説していただいた財政の健全性ということではワースト1とワースト2なんですよね。一方で、財政力指数の最下位島根県は、経常収支比率で全国3位です。財政力指数は低いけど、極めて弾力的な財政ができるということなので、そういう意味では、その両方の指標を見ながら。経済は生ものです。社会の変化もいろいろあります。そういうときに必要なサービスを提供し続けるようにできるために健全性を確保するということが大事です。
 そして、最後におっしゃっていたワニの口ですけれども、僕はいろんな若い子たちに話すときによく言うんですけど、分度器の1度というのは、見たら、もうこれぐらいの長さでは全然分かんないですけど、びょーんと長くしたら1度の差がすごく大きくなると思うので、そういう意味では、毎年毎年の財政運営の健全性に向けて緩みがあったら、将来すごく大きな差が出てしまうということであると思いますので、長期的な視野を持ちつつも、毎年度毎年度緩みなく財政の健全性を確保するためにしっかり取り組んでいくことが大事だというふうに思っていまして、そういうふうに取り組んでいきたいと思います。

〇舘委員 分度器の話はよく分かりますよね。ゴルフでも1度違っているだけでOBになるのと一緒で、ということやと思いますけれども。今言われたように、いろいろなものを言われても、そのことが県民の皆さんに三重県、自分のところの県はどんなんなんやと。それは当然、住民のニーズ等々いろいろなものがあって、それを実現できるように県は県として頑張るんですけれども、そのことも理解をいただけるように、今いろいろ、本当に、東京都は別ですけれども、それでもコロナ禍で大分なくなったという話は聞きますが、そういう状況も、全国的なことも知らせながら、県としての歩む道をしっかりと歩んでいっていただきたいと思います。
 それで、この場でもそうでしたけれども、財政の健全化は道半ばなんだとよく言われます。まさにそのとおり。こんなん、卒業するところがありませんものね。財政力指数が1になって不交付団体になったとしても、もっと収入があって自主財源を持ったとしても、多ければ多いほどそれをどうやって有効的に使うんか、健全に使うんかといえば、これが健全性を求めるものだと思います。これには終わりがないんだ、そんな思いを持って、そんな思いができるように、早急にやれればいいなと、このように思います。心を一つにして、今後とも県政の推進、頑張っていかなければならないこと、そのことをここでお誓い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

〇野口副委員長 次に、公明党、御質疑をお願いいたします。

〇山内委員 公明党、四日市市選出の山内道明です。よろしくお願いいたします。
 私の持ち時間は10分となっておりますけども、2つ質疑をさせていただきたいと思っております。
 まず1つ目ですけども、不妊相談・治療支援事業、これはいわゆる不妊に悩む家族への支援についてであります。三重県はこれまで全国に先駆けて導入した男性不妊治療費助成や不育症治療費等への県独自の助成制度など、不妊に悩む夫婦への経済的支援に積極的に取り組んでいただいておりますが、国のほうでは令和4年4月の不妊治療費等の保険適用への移行も見据えつつ、不妊治療費、不育症治療費、検査費のさらなる支援拡充が見込まれているところです。あわせて、厚生労働省のほうでは不妊治療を受けても成功せず、里親、特別養子縁組によって子どもを受け入れる家庭への支援制度を検討するため、当事者の意識調査を実施し、その調査結果も踏まえながら、不妊治療の助成制度を利用できる指定医療機関について、里親制度などの情報提供や支援を行うことを指定要件として盛り込む方向で検討している、こういったところも伺っております。
 そこで、質問ですが、先日示されました来年度の三重県経営方針(最終案)では、少子化対策、子育て支援において、子どもを持ちたいと希望する方に広く寄り添う支援へと転換を図るといった記述がありましたが、この国の動向を踏まえ、どのような相談支援に取り組んでいくのかをお聞かせいただきたいと思います。

〇大橋部長 不妊治療についてですけども、我々は国の保険適用という動向を見据えつつ、県のこれまでの不妊治療への助成、これをより多くの方に波及させるということで、例えば所得制限の撤廃とか、そういうことに取り組んでいきたいと思っております。加えて、先ほど委員から御紹介がありました、国において不妊治療を受けている方に対して、不妊治療医療機関における里親制度の普及啓発を強化するみたいな動向もありますが、これをちょっと注視しております。というのは、我々もこれまで、例えば市町の不妊治療の担当者に里親制度の説明をしたり、参加医療機関に里親のリーフレットの配布とか、そういうことを御協力いただいておるんですけども、不妊治療を受けている方に里親制度をお勧めするというのはかなりデリケートな問題ですので、そこについては、国の動向は注視しつつ、我々は、できるだけデリケートであればあるほど不妊治療を行っている方に寄り添った支援というのにも踏み込んでいきたいと思っています。というので、不妊治療の経験者のピアサポーターという制度を導入して、これまで以上に不妊治療を行われる方の精神的な負担に寄り添って支援を行うとともに、経済的な支援を行うと。その中に例えば里親制度も選択肢の一つとして進めていけるようにというような方針で取り組んでいきたいと思っております。

〇山内委員 ありがとうございました。
 非常に丁寧に答弁をいただいたと思っております。不妊治療、不育症治療、検査費の助成、支援につきましては、これまでどおり先進県としてしっかりと取り組んでいただきたいと思っています。部長がおっしゃいますように、国のほうで進めていただいております不妊治療と里親制度との連携支援につきましては、非常にデリケートなことでございますけども、だからこそ行政がしっかりと関わっていく、そういった必要性があるんだと思っています。県の支援の中に既にその視点があることは今、確認をさせていただきました。不妊治療を始めるのも大変に勇気が要ることでありますけども、やめるときはもっとつらい、また、治療をやめる決心がなかなかつかないといった声が多いようでありますし、私も実際、直接伺っています。日本産科婦人科学会によりますと、体外受精などの高度な治療をしても、子どもを授からないといったケースも実は多いというふうに伺っています。
 時間がありませんので、今日は1つだけ紹介ですけども。これは愛知県です。赤ちゃん縁組無料相談というものがありまして、産婦人科に不妊治療の診察に来られる女性と、予期せぬ妊娠で悩む女性の橋渡しをしていた、こういう歴史が実は40年もありまして、愛知方式と一般的に言われております。そのメリットといたしましては、一つには妊娠、出産した女性の赤ちゃんを育てられないといった自責の念からの解放とともに、里親にとっては不妊治療から別の選択肢を考える、そういった選択肢としての効果がある、こういったところが挙げられているところです。
 三重県におきましては、知事に先頭に立っていただきまして、例えば県立高校のライフプラン教育におきましては、里親などの社会的養護に関する制度の周知、こういったところが明記されております。制度の周知に効果が期待されるところであります。その上で子どもを持ちたいと希望する御夫婦にとって、子どもの安全・安心の観点からも、専門的な立場の方から情報提供や支えをしていただくといったのは何よりも安心感のあるものだと思っておりますので、部長がおっしゃいますように、ぜひ丁寧に寄り添った支援をお願いしたいと思います。
 続きまして、2つ目に参ります。脱炭素社会推進事業についてです。
 政府が今月2日に閣議決定をいたしました地球温暖化対策推進法改正案では、削減目標の根拠が法律で定められ、国民と国、地方自治体、事業者などが密接に連携して取組を進めることなどが定められているとともに、地域社会への貢献や環境保全をしつつ、再生可能エネルギーを活用した脱炭素化の促進制度、これが創設されています。現在、各地で設置が相次いでいる自治体新電力など、地産地消の再生可能エネルギーの利用促進は中でも重要な課題だと思っています。来年度の三重県経営方針(最終案)でも、特に「グリーンリカバリー」の観点から、地産地消につながる再生可能エネルギーの利用促進が記述されているところです。
 そこで、質問ですが、三重県の脱炭素社会推進事業における、特に再生可能エネルギー利用の促進にある三重県産再エネ利用の促進とは具体的にどのような取組であるのか教えていただきたいと思います。

〇岡村部長 三重県産再エネ電力の利用促進の取組につきましては、県民セミナー等を通じまして、脱炭素に向けた再エネ拡大の重要性や再エネ電力利用のメリットを発信しまして、再エネ利用促進への理解を深めます。また、三重県産の再エネ電力プランを電気事業者に開発、販売いただくように促しまして、県はこれを多くの方に脱炭素に向けた選択肢の一つとして知っていただけますよう、こうした取組についてPRすることで再エネの利用促進及び将来のエネルギーの地産地消につなげたいと考えています。
 併せて、再エネ電力を利用する企業や県民の皆さんには、環境や地域への貢献証書を発行したり、利用者の声としてホームページに紹介したりすることなどにより、企業価値の向上や脱炭素社会づくりへ参画していると実感していただけるような仕組みを検討していきたいと考えております。
 事業実施に当たりましては、本事業を通じて脱炭素化に貢献したいという県民や事業者の意識から行動への変化を後押しして、行動する賛同者の輪を広げていくような取組にしてまいりたいと考えております。

〇山内委員 ありがとうございました。
 非常に分かりやすい答弁を頂いたと思っております。地域の活性化につながることが期待されることから、地産地消の再エネの利用促進は今後重要になってまいります。そこに向けた一歩としての今回の三重県産再エネの利用促進ということで御説明をいただいたと思っています。本定例会儀において先日提出されました三重の森林づくり条例の改正案にも木質バイオマスのエネルギーが明記されたところです。その上で、今後必ず家庭レベルにおいて太陽光パネル、蓄電池の設置、また電力の購入先変更など、それなりの投資、また判断をする段階がやってこようと思っています。そこで重要になってくるのが正確な情報だと思っております。オール三重での取組に向けまして、具体的な一歩、先ほど部長からありましたけれども、その一歩を踏み出すための安心感を県民に提供できる仕組みづくりをしっかりと進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 以上で質疑を終わります。ありがとうございました。

〇野口副委員長 次に、日本共産党、御質疑をお願いいたします。

〇山本(里)委員 日本共産党の山本里香でございます。
 5分間ですので、よろしくお願いいたします。
 来年度設置されるデジタル社会推進局とマイナンバーについてお伺いします。
 本日、報道にもなっていますが、CDOを内定され、総務省が示した自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画の具体化を全国でも先頭に立って進めているということです。総務省が示す重点取組の1番が、自治体の情報システムの標準化・共通化であり、2番目に来るのがマイナンバーカードの普及促進です。来年度の予算の中にマイナンバー関連事業推進費として2010万円、国10分の10ということで出ております。ここに私にも送られてきた申請に必要なQRコードつきの交付申請書があります。スマホでも簡単申請、3月までの申請でマイナポイント5000円分をもらいましょうと総務省のチラシ入りで、どこから送られてきたかというと、地方公共団体情報システム機構、通称J-LISで、国会でもたびたび名前の出てきたところからです。前後して未申請の方に届いているようです。手書きによる郵送での手続も可能で、そのための封筒も入っています。そして、作らなきゃ駄目なんだとか、マイナンバーカードがないとお医者にかかれないんですかと私のほうにも問合せが来ています。お医者にかかれないなんていうことは書いていないんですが、今後は保険証としても利用できるようになるというような記述があります。でも、皆さん、慌ててみえます。
 そこで、医療保健部長にもお伺いしたいのですが、皆さんの一番の心配事、マイナンバーカードがなかったら医療機関にかかれないということがあるのでしょうか。事実のみお答えください。
 続けて、加えてです。これまでは市町行財政課でマイナンバーカードの普及をしてきましたが、来年度からはデジタル社会推進局へ引き継ぎ、市町との連携も強化し、スピード感を持って取り組んでいくということですが、どのように取組を強化されるのかお伺いいたします。

〇加太部長 今月下旬から保険者、医療機関、薬局、被保険者、それぞれの事務の効率化や利便性の向上を図ることを目的としてマイナンバーカードを健康保険証として利用できるようになるということでございますが、一方で、3月下旬以降もマイナンバーカードに対応していない医療機関や薬局が存在することから、これまで利用していた健康保険証も引き続き利用できるということでございます。あくまでもできるということでございますので。国のホームページでも従来どおり健康保険証でも受診できますという明記がございますので、そのようにいたしております。

〇大西部長 マイナンバーカードの普及に向けた取組のことでございます。交付団体であります市町の取組に加えまして、現在、県ではリーフレットの配布とか、そういうものでマイナンバーカードの利便性、安全性について周知を図っているところでございます。そのほかに商業施設で実施します市町申請受付などに職員を派遣するなどして、市町の取組についても支援をしておるところでございます。
 令和3年度については、先ほど委員からも御紹介がありましたように、国においてはデジタル庁が設置されました。県では議決をいただければということになりますが、4月からデジタル社会推進局が設置されることになります。さらにマイナンバーカードの普及に向けて取り組みたいと思っていますが、普及に当たっては、マイナンバーカードについて県民の皆さんに十分御理解をいただくということが大事でございますので、分かりやすく丁寧にという視点で、その周知の方法についても工夫しながら取り組んでいきたい、そのように思います。

〇山本(里)委員 普及促進ということで、これまでも5年間頑張ってきたけれども、25%ぐらいということです。今53%の人が今後も取得する予定はないと答えているわけですけれども、この取得が進まない理由は、政府への不信感、例えばこのJ-LISについても天下りやマイナンバー制度の運用に多額の税金がつぎ込まれながら不透明さが指摘されるなど、こういったことから推進が進まないということもあるので、そのことを十分認識した上でのこの推進ということだと考えていただきたいと思います。また、医療機関の受診については、これまでどおり健康保険証でできるということをこの場で確認させていただきました。ありがとうございます。

〇野口副委員長 次に、草の根運動いが、御質疑をお願いいたします。

〇稲森委員 令和3年度の行政運営の取組に関わって質問をいたします。
 今、津市役所が大炎上しています。津市相生町の自治会長が県職員に対しても恫喝や謝罪の強要を行っていたと聞きますが、県はこのことを把握しているのか確認します。
 また、県は職員への不当要求があった場合、組織としてどのように対処してきたのか、しっかりその仕組みが生きているのかどうかも確認します。

〇野口副委員長 稲森委員、当初予算についてお願いしたいんですけど。

〇稲森委員 行政運営、コンプライアンスとかです。

〇野口副委員長 答弁できますか。

〇加太部長 県職員に対して謝罪の強要とかがあったかということでございますが、当該事案につきまして、当時の担当職員に聞き取りを行いましたところ、平成26年度に津市役所において、津市からの要請を受けた形で津保健所の管理職3名の職員が同席いたしまして、動物に係る苦情対応で謝罪を求められたという事実があったことを把握しております。ただ、謝罪の要求については、それまで保健所職員として毅然と対応していた態度等が気に障ったという内容でございまして、相手に不快な思いを与えたことに対して行った謝罪でございます。通常の苦情対応の範囲内であるという認識であったということでございまして、本事例のように同席を求められたことはこの1回限りでございまして、三重県不当要求行為対策要綱に規定されている不当要求行為には該当しないと判断し、報告は行われていないところでございます。

〇紀平部長 不当要求防止の仕組みでございますけども、県では不当要求防止、これを組織で対応するということで、三重県不当要求行為対策要綱というのを設置しております。この要綱に基づきまして、発生した場合、まず職員は所属長に必ず報告すると。所属長は組織として対応すると。そして、そのことについて、総務部、行財政改革推進課なんですけども、が内容とか対応方針について報告をすると。こういう仕組みができております。それから、各職場に不当要求防止責任者を置いて、この方が中心になって普及啓発を図っているということ。それから、総務部といたしましては、不当要求行為の対応の手引ですとか、あと研修、個別の相談も行って、組織として対応ができるようにやっております。

〇稲森委員 実績はどうなんですか。

〇紀平部長 毎年研修会等をしておりますし、あと、不当要求の発生の状況でございますけども、平成15年度から令和元年度まで一応報告が上がったのが103件ということでございます。

〇稲森委員 平成15年度から103件、1年当たり10件ぐらいということで、制度がしっかり動いているのか非常に疑問です。今回の津市役所で起きたことが県庁所在地で起きたことであるならば、当然ほかにこういう事案がないかというのを全庁的にやっぱり調査すべきだと思います。公正公平な事務執行のために、この制度をしっかり動かしていくべきだと思いますけれども、再検証を含めてしっかりやっていくべきです。知事の所見をぜひ伺いたいと思うんですが、いかがでしょうか。

〇鈴木知事 不当要求防止については、毅然としっかり対応し、今、紀平部長が答弁をさせていただいたことについて、この組織全体として、組織の隅々までしっかり意識と行動をもってやれるようにしていきたいと考えています。

〇稲森委員 年間10件ということであっては仕組みが動いていないんじゃないかと思うんですが、どうですか。

〇野口副委員長 簡単にお願いします。時間が来ております。

〇紀平部長 仕組みとしては機能していると思います。不当要求はなかったということだけだと思います。

〇稲森委員 極めて甘いということだけ申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 以上です。

〇野口副委員長 以上をもって、予算議案及び予算関連議案に係る総括質疑を終了いたします。
 
〔閉会の宣言〕

三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
予算決算常任委員長
杉本 熊野
 

ページID:000258994
ページの先頭へ