三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 令和2年度 委員会会議録 > 令和2年6月18日 戦略企画雇用経済常任委員会・分科会 会議録
戦略企画雇用経済常任委員会
予算決算常任委員会戦略企画雇用経済分科会
会議録
(開会中)
開催年月日 令和2年6月18日(木曜日) 午前10時0分~午後1時37分
会議室 302委員会室
出席委員 8名
委員長 木津 直樹
副委員長 廣 耕太郎
委員 喜田 健児
委員 奥野 英介
委員 三谷 哲央
委員 青木 謙順
委員 中森 博文
委員 山本 教和
欠席委員 なし
出席説明員
議員 津村 衛(議提議案第2号の審査時)
[人事委員会事務局]
事務局長 山川 晴久
次長兼職員課長 前川 幸則
その他関係職員
[監査委員事務局]
事務局長 坂三 雅人
次長兼監査総務課長 丹羽 健
監査・審査課長 寺 和奈
その他関係職員
[出納局]
会計管理者兼出納局長 森 靖洋
副局長兼出納総務課長 紀平 益美
会計支援課長 安田 稔
その他関係職員
[議会事務局]
次長 畑中 一宝
総務課長 中西 秀行
調整監兼課長補佐 松本 忠
その他関係職員
[戦略企画部]
部長 福永 和伸
副部長兼ひとづくり政策総括監 髙野 吉雄
戦略企画総務課長 藤本 典夫
行幸啓課長 和田 吉史
企画課長 山本 秀典
政策提言・広域連携課長 楠田 泰司
広聴広報課長 藤井 理江
県民の声相談監 今井 貴雄
情報公開課長 山田 かずよ
統計課長 加納 明生
その他関係職員
[防災対策部]
コンビナート防災監 天野 亘康
消防・保安課長 和氣 城太郎
防災企画・地域支援課長 川邉 正樹
災害対策課長 内山 敦史
[県土整備部]
次長(道路整備担当) 関 泰弘
次長(流域整備担当) 西澤 浩
次長(都市政策担当) 向井 孝弘
次長(住まい政策担当) 岡村 佳則
委員会書記
議事課 主査 中西 孝朗
企画法務課 主査 米澤 明子
傍聴議員 なし
県政記者 1名
傍聴者 なし
議題及び協議事項
第1 分科会(部外関係)
1 議案の審査
(1)議提議案第2号「三重県政務活動費の交付に関する条例の一部を改正する条例案」
(2)議案第121号「令和2年度三重県一般会計補正予算(第5号)」(関係分)
第2 常任委員会(部外関係)
1 所管事項の調査
(1)出納局
・「令和2年版成果レポート(案)」について(関係分)
第3 分科会(戦略企画部関係)
1 議案の審査
(1)議案第121号「令和2年度三重県一般会計補正予算(第5号)」(関係分)
第4 常任委員会(戦略企画部関係)
1 所管事項の調査
(1)みえモデルの取組方向について
(2)「令和2年版成果レポート(案)」について(関係分)
(3)三重県まち・ひと・しごと創生総合戦略 検証レポート(案)について
(4)三重県国土強靱化地域計画(中間案)について
(5)SDGsの推進について
(6)学生奨学金返還支援事業について
(7)広域連携の取組(知事会議の開催結果)について
(8)三重県総合教育会議の開催状況について
(9)審議会等の審議状況について(報告)
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
第1 分科会(部外関係)
1 議案の審査
(1)議提議案第2号「三重県政務活動費の交付に関する条例の一部を改正する条例案」
(2)議案第121号「令和2年度三重県一般会計補正予算(第5号)」(関係分)
ア 当局から資料に基づき補充説明(なし)
イ 質疑 なし
ウ 委員間討議 なし
エ 討論 なし
オ 採決 議提議案第2号 挙手(全員) 可決
議案第121号(関係分) 挙手(全員) 可決
2 委員間討議
(1)執行部に処理経過の報告を求める事項 なし
第2 常任委員会(部外関係)
1 所管事項の調査
(1)出納局
・「令和2年版成果レポート(案)」について(関係分)
ア 当局から資料に基づき説明(森局長)
イ 質問
○木津委員長 それでは、御意見等がありましたらお願いいたします。
○中森委員 税外収入の一部というのは具体的に、分かりやすく言うとキャッシュレスの、例えばこういうのとか。
○森局長 地方自治法上の委託収納が認められておりますのが、具体に申しますと、使用料、手数料、財産収入、寄附金、諸収入の一部(貸付金の償還金部分のみ)という項目でございますので、その全てについてキャッシュレスでと考えております。
○中森委員 いろんなキャッシュレスがどんどん進んでいる中で、コンビニなどの協力が得られるということが必要だと思いますので、利便性を向上するとともに、税収、収入率の向上につながるように、結果が評価できるようにしていただければと。これは要望させていただきたいと思います。
○木津委員長 ほか、ございませんか。よろしいですか。
〔発言の声なし〕
○木津委員長 それでは、ないようですので、ただいま頂戴いたしました御意見の取りまとめにつきましては、後ほど委員協議で御議論をいただきたいと存じます。
また、執行部におかれましては、本委員会で取りまとめた意見の回答を、後刻、御報告をお願いいたします。
以上で、「令和2年度版成果レポート案」についての関係分の調査を終わります。
(2)その他
○木津委員長 最後に、これまで議論された調査項目以外で特にございましたら、御発言をお願いいたします。
ございませんか。
〔発言の声なし〕
○木津委員長 なければ、これで所管事項の調査を終了いたします。
2 委員間討議
(1)所管事項調査に関する事項 なし
(2)執行部に処理経過の報告を求める事項 なし
第3 分科会(戦略企画部関係)
1 議案の審査
(1)議案第121号「令和2年度三重県一般会計補正予算(第5号)」(関係分)
ア 当局から資料に基づき補充説明(なし)
イ 質疑 なし
ウ 委員間討議 なし
エ 討論 なし
オ 採決 議案第121号(関係分) 挙手(全員) 可決
2 委員間討議
(1)執行部に処理経過の報告を求める事項 なし
第4 常任委員会(戦略企画部関係)
1 所管事項の調査
(1)みえモデルの取組方向について
ア 当局から資料に基づき説明(髙野副部長)
イ 質問
○木津委員長 それでは、御質問があればお願いをいたします。
○三谷委員 今、御説明いただきました第3ステージの51ページの県民への情報発信なんですが、ちょっとイメージが湧かないんですけれども、「物理的制約のある庁内からだけの情報発信ではなく、どこからでも迅速に情報発信ができる仕組みを検討していく」ということなんですが、具体的に言うと、どこからでも迅速に情報発信ができる仕組みというのは、どういうことを想定されているんですか。
○藤井課長 今、職員に向けてリモートワークができるパソコンを配付させていただいている部分があるんですけれども、それを活用して、ホームページを修正するものとかが、担当者が自宅ないしは出張先でも、こういう部分をすぐに直していただきたいという依頼が入った場合に、県庁のパソコンではなくても違う場所で修正作業をするような形のイメージを持っております。
○三谷委員 そう大げさなものではないんですか、聞いてみると。リモートワークの一環というか、家でもできますよ、出張先でもできますよとかということですか。分かりました。
○藤井課長 スマート自治体にも関連させた形で、職員が自宅のパソコンにおいて、わざわざ県庁にまで来てする必要をなくして、ホームページのすぐ直さなければいけない情報をその場で直すというようなイメージです。
○三谷委員 分かりました。
もう1点、よろしいですか。
○木津委員長 どうぞ。
○三谷委員 52ページの最後の国土強靭化と地方創生の連携ということで、「過度な一極集中等に」云々という御説明です。これは、まさにこのとおりだと思うんですが、かつて、首都機能移転の議論だとかがありまして、あのときも、もちろん大規模災害等が起きたときに、国がきちっと機能していくためには機能の移転が必要じゃないかと。三重県でも、三重・畿央地域だっけ、あの話があって、議会も現場を見に行ったり、いろんなことをさせていただいたんですね。
今回、ロックダウンにはならなかった、そういうところにまでは至らないんですけれども、東京都が事実上のロックダウン状態になれば、日本中が機能麻痺を起こす可能性も当然あるわけですね。ですから、ここで「国土強靭化と地方創生の取組を相互に連動」というのは、これはこれでいいんですけれども、もう一歩進んだ、例えば首都機能移転だとか、そういうところまで踏み込んだような議論というのは今回なかったわけですか。
○楠田課長 “命”と“経済”の両立をめざす「みえモデル」の議論の中では、首都機能移転という議論はなかったんですけれども、今、全国知事会なんかで、今回の新型コロナウイルス感染症の社会経済に与えた影響というのが、やっぱり東京一極集中の脆弱性というか、そういったものを顕著に認識させたということで、今、そういった議論は少しありますし、うちの知事は地方創生対策本部長ですけれども、その地方創生対策本部長としての国への提言の中にも、そういう政府機関の移転のようなことも項目として入れてございます。
○三谷委員 三重県としてそこら辺の突っ込んだ議論をしていくという環境にまだないのかも分かりませんけれども、やはり一種の研究課題として、かなり中長期で取り組まなければいけない問題だと思うんです。前の首都機能移転だって、国会決議までやっとって、最後はうやむやの話ですから、なかなか現実問題というのは難しいのかも分かりませんけれども、今回の事態を見ていますと、東京が機能麻痺を起こすと日本中が機能麻痺を起こすという現状の中で、単なる一極集中がなかなか止まらない現状の中ではやっぱりそういう議論も、三重県としても中長期でその視点の中で議論をしながら、ある程度国をリードしていくというか、地方の議論をリードしていくようなリーダーシップも執っていただくのが必要じゃないかなと思いますので、後で議論があるかも分かりませんけど、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
○髙野副部長 御意見ありがとうございます。
実は、私は昔、委員がおっしゃった首都機能移転を担当しておった職員でございまして。
○三谷委員 御苦労さんでした。私も特別委員会委員長をやりました。
○髙野副部長 まだ国会で委員御指摘のような状態になっておりますけれども、引き続き3地域におきましては、毎年、衆参両院あるいは国土交通省を訪ねまして状況の変化なんかも伺っておりますし、この間の官房長官の会見などでも、やっぱり東京一極集中の是正は非常に大事だねというようなことをおっしゃっていますので。まだ地方移転についても文化庁とか一部消費者庁ということでとどまっておりますので、引き続き、我々でしっかり見ていって、そういう議論ができればということも考えておりますので、また勉強させていただきますので。
○三谷委員 よろしくお願いします。終わります。
○木津委員長 ほか、よろしいですか。
○山本委員 今、三谷委員が言っていたことで。昔、本会議上で首都機能移転を大いに議論していたんですよね。国内の地方議会でそういう盛り上がりがある中で、議員会館を建設したり、各省庁の新築がなされたりして、おかしいよね。三重県議会の前にある横断幕も、その当時はありましたよ。だけど、いつの間にやら取られちゃったというようなこともあって、本気度はどうなのかなって。口先だけで、霞が関と永田町だけで、熱があるような、ないような、本音で議論していないのじゃないかなというようなことを思って仕方がないんです。
今、言われるように、私も各省庁へ行ったり総理大臣官邸へ行ったり、全国知事会へ行ったり、いろんなところへ行きました。もう、ごもっとも、ごもっともということですけれども、全国知事会の本音、47都道府県の知事の本音は、地方分権は賛成だよと。だけど、まあ、それに関連するんだけれども、例えば東海州とか何とか州ということについてはどうなのかなというような、本音で議論していないような感じがしてしようがないんですよ。それはもう皆さんも感じておると思うけれども、その辺のところはどうなんだろう。答えにくいと思うけれども。
○楠田課長 今、委員が言われましたような道州制的な議論というのは、私も着任してからあまり耳にはしていないんですけれども、ただ、少なくとも今回の新型コロナウイルス感染症拡大に伴う東京一極集中の問題というのは、6月4日の全国知事会でも非常に多くの知事が発言をされていました。今後の議論がどういったところに行くのかというのは現時点で私も分かりませんけれども、少なくとも、これまで以上に地方創生とかをいろんな形で進めて、東京がロックダウンとは言いませんけれども非常に機能が低下したときの代替機能といったような議論が、これからもっと活発にされるような土壌というのは出てきているんじゃないかなと思いますし、そういったところは我々もしっかり情報を収集し、研究していきたいなと思っております。
○山本委員 ありがとうございます。本音で議論していただきたい。
当時、例えば四国の徳島県のある町に若い人たちがどっと移り住んで、別に東京の渋谷にいなくたって、ここでもパソコンを駆使しながらできるよねというようなことがありましたよね。だけど、いつの間にやら尻すぼみで、こういうことって我が国は多いんですよね。ですので、全国知事会が本当に真剣になってリードすると。リモートワークの時代になりましたから、皆さんも含めながら盛り上げていくというのは、時宜を得た仕事だと思うし、とても大事だと思いますね。
○髙野副部長 先ほど政策提言・広報連携課長からも御説明をいたしましたけれども、委員からもおっしゃっていただきましたけれども、当時と全く違うのは、やっぱりテレワークとかそういったことが大きく動いたということです。かつて、私が担当しておりましたときに、国会等移転審議会の答申は、三重・畿央地域については、高速交通網というものが整備されれば大きな価値を持つところだというようなことで、たしか評価をされたと記憶しております。リニア中央新幹線も当時とは全く違って、もう2027年というものが見えてきておりますし、リモートワークということも言われております。そういったことで、国の在り方を、今、バックアップ機能も含めて変えるチャンスということもございますので。
国の骨太の方針でも、しっかり政府機関の移転等について、あるいは分権等についてもこれまで言及はされてきておりますので、当然、国の議論も見守りつつでありますけれども、全国知事会なんかでも分権の議論も進んでおりますので、今後、そういったことも含めまして、我々、参画をしながら検討を進めていきたいと考えております。
以上でございます。
○中森委員 関連しまして。お二方の御意見というのに私も同感でございます。
加えて、みえモデルというこのことにつきましては、全国に先駆けて三重県が積極的に一つのモデルとして取り組んだというふうに理解しておりまして、これは、県民もさることながら、やはり県外にも発信していく必要があるんではないかなと、このように思っています。
他の都道府県もみえモデルをまねて、それはいいと思いますけれども、いいことをまねていただくのは結構ですけれども、やはり結果が大事だと思うんです。既に第1ステージの結果も一部出ているわけですので、詳しくは申しませんけれども、人口当たりのどうとか、新型コロナウイルス感染症のどうとかどうとかいう、たくさんあるんです。特に経済の観点では、あまり評価というのか発表されていない部分があるんです。例えば、有効求人倍率はどうだったかとか、倒産件数はどうだったかとか、そういうことも分析して、結果的には第1ステージから第2ステージへ移動していくことが三重県のモデルとして非常に重要なポイントになっているわけで、他の都道府県がどこに三重県のモデルを参考にするかというのをアピールする必要があるんです。これからの取組ですので、我々議会に説明していただくのは当然大いに賛成ですが、なぜもっともっと他に発信したほうがいいかといいますと、今、両委員がおっしゃったように、テレワークにしろ、場合によってはワーケーションにしろ、やはり三重が頭に出ることによって、東京からの関心事が三重に目が向く、また関西からも目が向くということにつながるんではないかなと、このように思うので。ひいては、地方創生にプラスになったり、三重への移住促進にプラスになったり、観光振興につながると、このように感じているんですけれども、そこにこのみえモデルをもっとアピールしながら検証して、そういうのをどんどん出すべきだと思うんですけれども、どうでしょう。
○髙野副部長 ありがとうございます。
我々は、例えばこのみえモデルなり、前の新型コロナウイルス感染症に関する三重県緊急経済対策とか新型コロナウイルス感染症に関する緊急総合対策もそうでございますけれども、大臣等へ要望させていただくときには、この中に盛り込んだ項目だけ、国に要望するとした項目だけを要望するんではなくて、大臣にも、例えば三重県ではこういうものをつくりましたとか、あるいは地方創生対策本部長としてお取りまとめする中には、こういうふうなものをつくっておるということを前提にしながら話をしながらさせていただいておりますけれども、しっかり取り組んだ結果も含めていい成果が出たということがあれば、より発信力が高まると思いますので、そういった、今頂いた意見を踏まえながらやっていきたいと思っております。
○中森委員 あと1点。こういうような文章というのか冊子は、もちろん正しい情報なんですけれども、もっともっと県民とか、こういうものをつくって、ここでは披露しませんけれども、こういうようなもので、県内の各市町であったり各種団体であったり、もっともっとこれを発信していくと、結束力なり認識度なり、取組がもっともっと相乗効果で上がっていくんではないかなと。県民挙げてこれを取り組むということが大事ではないかと、このように思いますので、これは提案ですけれども、これだけじゃちょっと分かりにくいと私は感じました。
○髙野副部長 確かに、この厚い冊子になりますので、ちょっと見ていただくにはつらいところもあろうかと思います。おっしゃったように、市町の皆さんや経済界の皆さんと一緒に取り組まないと、うまく進まないことも多々あると思いますので、またそのあたりも含めて研究、勉強させていただきたいと思います。ありがとうございました。
○木津委員長 ほか、よろしいですか。
〔発言の声なし〕
○木津委員長 ないようでございますので、なければ、(1)みえモデルの取組方向についての調査を終わります。
(2)「令和2年版成果レポート(案)」について(関係分)
ア 当局から資料に基づき説明(髙野副部長)
イ 質問
○木津委員長 それでは、御意見等がございましたらよろしくお願いいたします。
これにつきましては、8月4日の知事に対しての申入れの基礎となりますので、委員の皆様方には積極的な御意見をよろしくお願いしたいと思います。
○中森委員 委員長からも積極的なということでございましたので。
まず、施策227で、評価結果が残念ながらCということでございます。私から見ると、もうDに近いCではないかなとも感じておりまして、非常に残念な結果となってございます。分析もしていただいておりますけれども、また改善方法も予定されておりますけれども、改善方法については、所管事項の調査でまた後ほど説明があろうかと思いますが、この段階において、県内高等教育機関への県内からの入学者数の増加といいながら、減少しているわけですね、マイナスになっているということ。これは非常に大きな問題で、昨年度に限ったわけではないわけ。傾向がそういう傾向になっているということは既に二、三年前から出ているわけでございまして、打つ手はなかったのかというのが気になるところでございました。
今となれば過去に戻れませんので、今が大事だとも理解しとるところでございまして、その解決策の一つとして奨学金制度の改善をするということも理解できるんですけれども、そもそも居住が目的なのか、就労が目的なのかというんか、その辺のところをしっかりとまず考えていただかなくてはいけないのかなと。当時の施策をしたときは、居住ということがあったんです。それから、南部地域、過疎地域の若者の流出を食い止めるということから、この奨学金制度の返還のそういうことの制度設定がされて、それが現在にも至っているということで、この大事な南部地域、過疎地域の若者の定着、また流出防止については、それは引き続きやっていただいた上で今後の施策の展開が必要だと思うんです。居住が目的なのか、就労が目的なのかということをしっかりと考えていただかなくてはいけないと思うんです。
私は伊賀地域ですので、どちらかというと居住を大事にしているほうの地域なんです。居住があれば、大阪府に通おうと、奈良県に通おうと、滋賀県に通おうと、これは居住というメリットがあるということから大いに賛成なんです。北勢地域も恐らくそういうところがあるんではないかと思うんですけれども、逆に就労を大事にするならば、伊賀地域の北部地域は大きな企業、工場がありますので、奈良県から通っていただく、滋賀県から通っていただく就労の場として伊賀地域の北部はあるわけです。
こういうことを総合的に判断しながら、高等教育機関が今後、就労なのか居住なのか、どちらの方向にシフトしていくのかというのをしっかりと県として求めていく姿を明確にしてあげないと、若者が住んでいいのか、要するに就職は名古屋でもいいよ、大阪でもいいよ、三重県に住んでよ、このようなメッセージなのか、いやいや、外からでもいいから来てよ、就職に来てよというメッセージなのかというのをしっかりとしないと、今後のこの施策はどっちつかずになっちゃうんではないかと。場合によったら、若者が南部地域、過疎地域から外へ出ていって都市部、都市部って三重県の都市部もあれば県外の都市部もありますけれども、そういう流出に歯止めがかからないんではないかと、このように感じておりまして、ここは今しっかりと対策を講じる必要があるんではないかなと、このように感じておりますけれども。私の意見と、どういう御所見を持っているのかをお聞きしておきたいと思います。
○福永部長 御意見ありがとうございます。
我々が一番大切にしているのは、三重県への居住でございます。昨年度までやっていた指定地域型のやつはまさしくそれで、三重県に住んでいただいておればそれでオーケーで、そこから県外の企業に勤めていただいてもオーケーというものでございます。
今回、新たに加えました業種指定の枠組みは、これも三重県に住んでいただくと。ただ、就労先も県内に本社を有する企業ということにさせていただいていますので、どこに行っていただいてもいいというわけではないんですけれども、あくまでも第一の視点は三重県への居住でございます。
○中森委員 ありがとうございます。そのように、やはり居住というのをベースに置きながら、三重県の人口、また地域の活性化につながると。居住というのが、一番大事ではないかと。移住していただく、定着していただく、これをまず基本に置きながら、加えてあわよくば就労していただくというのは、当然、居住して就労してもらうのがもっともっといいのは言うまでもないんですけれども、そのような制度改正をしっかりとメッセージすることによって、本来の奨学金の制度が活用されると。もう一つは、県内の過疎地域、県内の南部地域から県内の都市部への移動もできるだけここでコントロール、コントロールというんか、できるだけ県内にとどまって、県内というんか、過疎地域の活性化にも資するような、過疎地域を大事にするような若者を育てていくようなことも両方しっかりしていただかないと、三重県全体が魅力ある地域にはならないんではないかと、このように思いますので、できるだけここは押さえていただきながらやっていただければと、このように思います。
○三谷委員 今、中森委員から居住か就労かというお話があったんですが、居住を重点にしていくんだという部長の御説明ですが、そうなりますと、この2ページにある県民指標で、県内高等教育機関卒業生の県内就職率というのが目標項目になっていますが、これ自体の見直しを考えなければいけない議論になっていくのかなという感じがするんですよ。
先ほど、今後令和元年度の取組概要等の御説明では、中京地域の経済状況が非常に活発であって、だからなかなか就職率が伸びなかったんだというお話ですが、これは答えになっていないんですよね。ものづくりで中京地域というのは一体化の中で動いていますから、中京地域の全体が活発なときは三重県の中も活発なので。しかし、今回のような新型コロナウイルス感染症とかの影響があって、中京地域の経済活動が低下すれば、おのずから三重県の経済活動も低下するわけで、ここでこういうふうに頑張りますと言われたって、こんなもの、何の答えにもなっていないじゃないかと思うんですが、いかがなんでしょう。
○髙野副部長 まず1点目の目標項目の考え方でございますけれども、私どもとしては、県民の皆さんとめざす姿で書かせていただいていますように、やっぱりここに住んでもらって、学んでいただいて、働いていただいてということで考えておりますし、三重県に就職していただければ居住もしていただけるということにもなりますので、そんなことにこのまま生かしていただきたいと考えております。
あと、総括のところでの中京地域の経済状況云々のところがございました。確かにそういった面はございますけれども、学校、校種別なんかでもいろいろ見ておりますと、やっぱりより条件のいいほうみたいなところで採られているというのは実態としてあるようでございますが、高等教育機関の魅力とか、三重県に住むことの魅力とか、都会で働くより三重県で住んで働いたほうがいい部分というのが、まだ十分に伝え切れていない部分がございますので、こういった部分についても高等教育機関と連携しながら伝えていけるようにしたいなと思っております。
○三谷委員 なかなか難しいと思いますよ。例えば、桑名だとか向こうの若い方々は、卒業してどっちへ向いて就職したいといったら、皆、名古屋へ向いて行きたいんですよね。名古屋駅前だとか栄のほうに行きたいわけですよ。なかなか四日市や津へ向いて就職する人はいないんですよね。女の方なんかは特にそうで、やはり向こうのほうが華やかというか、都会ですよね。だから、そういうところの全体の価値観というか、そういうところの議論もしっかりやっていかないと。単なる経済的な活動だとか、そういう議論だけでは絶対に克服できないと思いますので、もし就職も三重県でということも一つの目標にするんだということならば、そういうところの価値観の転換をどこかで図っていかないと恐らく難しいだろうと思いますので、ぜひ御検討いただきたいなと思いますが。
○福永部長 どうもありがとうございます。その価値観の転換のところは非常に大事だと思っておりますので。この地方創生の取組を始めたときから、そういう教育面の取組というのは大事だと考えておりまして、今、教育委員会のほうでは、「地域課題解決型」のキャリア教育というのを始めていますし、高等教育機関の関係でも高等教育コンソーシアムみえなんかがあって、これからやっていくんですけれども、昨年度までは三重大学と連携したCOC+事業の中でやっていた三重創生ファンタジスタの養成というのをやっていまして、これは三重の地域課題を解決できる、そういう副専攻コースを設けて資格を与えてというもので、この春から卒業生が出ているという状況ですので、三重県でしっかり貢献していただくということをしっかり価値観として持っていただけるような人材の養成というのを我々もやっていきたいと思っております。
○三谷委員 ぜひそういう点も含めて、よろしくお願いしたいと思います。
○青木委員 施策227とか施策226に関わるかな、今の議論でちょっと。
弁理士って、弁護士の特許を申請するときにお手伝いする仕事らしいんですけれども、その全国組織や東海会やら三重支部の会があるそうです。先日、その三重支部の代表の方とちょっと話しておって、あれ、と思ったことが一つありました。
東海というのは東海4県と長野県らしいんですけれども、年間、特許を申請するのが、東海で1000件ぐらいあるそうなんですね。三重県はどれだけやと思いますかと言われて、5分の1で単純に200件ぐらい、100件台かなと思ったら、20件と言われて、それが全てとは言わないんですけれども、今、若い方々に、高等教育機関とか新しくできた四日市工業高校の専攻科とか、そのあたりの取組って、まだそこまで突っ込んでいないんですけれども、意欲的にそういう特許を申請するような土壌がまだできていないのかなと思ったり、また北勢のいろんな産業地域等については、特許を別に取らなくても安定したものがずっと広がっているのかと思ったり、何か理由をいろいろ考えていたんですけれども、今後そういった視点も見ていただければと思うのと、弁理士の三重県でお仕事をしてみえる方は、ほとんどが北勢から津までで、松阪より南は誰もいないというのを、それもどうなんかなと思ったり、それは必要がないというのもあるか分からんけれども、それだけ需要がないもので仕事にならないんか分かりませんけれども、そういった視点で、この施策227、施策226の地域の未来と若者の活躍する場の一つの意欲的な部分で、ハウツーを知らないという部分はあるか分からんけれども、そういった空気になっていないのかなというようなところで、何か切り込みをしていただくことはできないのかなというのを、実態からちょっと感じたことがございました。
○福永部長 今、三重県で取り組んでいます高等教育コンソーシアムみえというものは、目的が大学の教育機能や研究機能や地域貢献機能を高めという部分がありますので、そういった場も活用しまして。今、教えていただいたことは我々も認識しておりませんでしたので、しっかり皆さんと共有して、改善できるようにしていきたいと思います。
○青木委員 要望にとどめます。
○木津委員長 ほか、ございませんか。
〔「はい」の声あり〕
○木津委員長 ないようですので、それでは、ただいま頂戴いたしました御意見の取りまとめにつきましては、後ほどの委員協議で御議論いただきたいと存じます。
また、執行部におかれましては、本委員会で取りまとめた意見の回答を、後刻、御報告願います。
以上で、(2)「令和2年版成果レポート(案)」についての関係分の調査を終わります。
会議から1時間がたちました。ここで10分間休憩をいたします。
再開を11時20分といたしますので、よろしくお願いをいたします。
暫時休憩いたします。
(休 憩)
〔関係部 退室〕
(3)三重県まち・ひと・しごと創生総合戦略 検証レポート(案)について
(4)三重県国土強靱化地域計画(中間案)について
ア 当局から資料に基づき説明(髙野副部長)
イ 質問
○木津委員長 それでは、御質問等があればお願いをいたします。
よろしいですか。
○三谷委員 三重県まち・ひと・しごと創生総合戦略は、本会議とかいろいろでお話をさせていただいてきておりますが、いろいろ御努力いただいているのは分かるんですが、はっきり言って、人口減少、それから東京一極集中、これに歯止めをかけるという構想そのものが、破綻しているんじゃないかなというのを基本的に思っているんですよ。全国でも、もう1.3人ということで減ってきていますし、それから、今、自然減でも51万人ぐらい減るわけでしょう。三重県も、3年半たたずとも三重県の人口は全部なくなってくるような状況の中で、例えば、先ほど出ていましたが、全国学力・学習状況調査で全国平均を上回ると、なぜ人口減少に歯止めがかかるのかとか、全然理解が。僕は、同じようなことを何回も言うていますけれども、漁業者1人当たりの漁業生産額が確保されたら、なぜ東京一極集中や人口減少が止まるのかというのがよく分からないんですよね。だから、いろいろ御努力いただいとるのはそれなりに評価させていただきますけれども、基本的に考え直すべき時期が来ているのかなということを思って仕方がないんですが。その議論をここでやってええのかどうかというのは、ちょっと疑問なんですけれども。部長、どうなんですか。
○福永部長 ありがとうございます。
そもそも、人口減少問題には一つの施策では対応できないという発想がありまして、それで、「まち」と「ひと」と「しごと」にアプローチするということがございますので、先ほど言われた教育の面も、間接的ではあるけれども、例えばこれから二地域居住とか、テレワークに基づいて場所を選住、そういうような傾向が出てくるかもしれないときに、やっぱり学力の高い地域、子育てのしやすい地域を選ぶということもありますので、我々も有識者から意見を聞く中で、そういう発想も大切であるということも伺っております。
先ほどの漁業生産額なんかでも、1次産業のこれからのもうけというか、そういうのを確保していけば、これからそういう仕事に就いていただく方もやっぱり増えてくるだろうし、そういういろんな角度から施策を総合的に考えていくというのがやっぱり基本ではないかなというふうに、我々は思っております。
○三谷委員 あまり今その議論はしませんけれども、風が吹いたらおけ屋がもうかるみたいな話で、説得力があるとはとても思っていません。
それから、もう一つ、社会減の話ですが、本会議で下野議員が怒っておりましたけれども、下野議員の主張というのは、確かにそれなりにあるんですよね。どんと目標と現状が乖離してくる中で、どんと5年先送りして、減らしていく数というのを増やしていきますよというような、ああいう話で何ら解決策にはつながらない計画を今、一生懸命お立てになっているんではないかなという感じがするんですけれども、どうなんですか。
○福永部長 答弁でも申し上げましたけれども、一つは、非常に高い目標だとおっしゃいましたけれども、実際には目標値は令和5年度に3819人にするという目標ですので、この3819人というのは平成27年度から30年度ぐらいまでの三重県の水準ですので、それを目指すというふうに見方を変えれば、それほど高い目標ではないのかなということは思います。
あと、これは何度も申し上げているんですけれども、時間がかかるものも多くございます。先ほど答弁で申し上げました「地域課題解決型」のキャリア教育とか、そういう教育面の効果が表れてくるのには時間もかかりますし、あと、昨年度、一昨年度といろんな対策を盛ってきましたけれども、やっぱり効果が出るまではもう少し時間軸の長い目で見ていただく必要もあると思います。その粘り強く続ける中で、次々と毎年度新しい取組を打っていくということで柱を太くしていく、こういうやり方をするのがベストであろうと我々も考えておりまして、その上で、今回、新型コロナウイルス感染症の話がありましたので、まずは経済を立て直すことが大事だと思いますし、地方に目が向き始めている部分もございますので、今回のみえモデルの中でも人口減少に資すると思われる取組を結構打ち出していますので、これからどんどん新しい取組も打ち出して、目標を達成していくように頑張りたいと思っています。
○三谷委員 そういうことも大事だと思います。本会議のワーケーションの話なんかが出てきて、地方に目が向くんじゃないかと。ただ、ワーケーションなんかの話を聞いていますと、また古い話をするようで申し訳ないんですけれども、北川元知事の頃に、IWCで山本委員の地元の志摩に海底ケーブルが陸揚げされるので、あの辺りの空いとる別荘をSOHOみたいにして使って、一種の当時としてのワーケーションみたいな話を聞かせていただいて、現場まで連れていかれて見せてもらって、訳の分からない説明を聞いてきましたけれども、というか、あれも何か破綻しましたよね、野呂前知事になってからぼろかすに言うてましたよね、だから、そういうことにならないようにひとつお願いをしたいなと思います。
それと、1点、国土強靭化のほうで確認させていただきたいんですが、52ページのところに、改訂にあたって新たに設定した主な推進方針の1-4のところで、「流域治水」という考え方を御説明いただいたと思うんですが、この流域治水を推進するということは、ある意味、県を越えた発想でなければあかんのかなと思うんですが、例えば私どもの地元の木曽三川なんていうのは、岐阜県から三重県まで一帯が流域で、岐阜県で雨が降れば下で氾濫する可能性だってあるわけで、これは県境を越える取組もやりますよということを意味しているわけでしょうか。
○西澤次長 国のほうで地球温暖化とか、昨今の水災害の頻発化、激甚化、こういったものに対して、これまで施設の能力を超えるような水害が起きるというようなことの発想に転換をしながら、「水防災意識社会の再構築」というのを詰め込んできたんですけれども、昨年度の東日本台風を受けて、さらに今検討を進められていまして、もう治水だけではなかなか追いつかないというようなこともありまして、流域を越えた、あるいは治水部門だけでなしに流域全体であらゆる関係者が協働して水害を減少させる、そういった流域治水をやっていこうということで転換の方針が出されるようなことが分かってきたので、今回、書かせてもらったと。
これは、知事が参加しております気候変動を踏まえた水災害対策検討小委員会というのが入っていまして、近々答申が出る方向でございまして、その中でこれがうたわれるということですので、国においても、県においても両方で流域治水に取り組んでいくということになろうかと思います。
○三谷委員 これは県境を越える構想で進めるという理解でいいんですか。
○西澤次長 川ごとに特徴はあるんですけれども、国が管理しております木曽三川については、当然ながら国も取り組むということであれば、県を越えてやっていただけるというふうに思っております。
○三谷委員 了解しました。
○木津委員長 ほか、ございませんか。
○中森委員 四つの視点に変えて取り組むということにつきましては、理解するところでございます。「自然減対策」、「社会減対策」を加えてこれを具体化したということについては、いいんではないかと思うんですけれども、世界に目を向けますと、割とこういう地域の取組や国での取組というのが日本と比較をされがちなんですね。人口に対する考え方については、世界ではいろいろと、結婚の在り方のあれであったり、それから外国の移住、移民のこともあったりするという複雑な状況があるという外国ですけれども、日本は幸いにも島国で、歴史的にも単一民族でここまで至っているということから考えますと、移民政策というのはなかなか難しいと。今、外国人労働者にお世話をかけるという転換は少しありますけれども、これが人口増につながるかどうかというのは別問題でございまして、この範囲内で日本が進めていく。じゃ、三重県にとってどうなるかっていうのを聞くと、都市部に集中しがちで合計特殊出生率が都市部で低い。そうでないところについては、一定、平均化すると。三重県においてもなかなか伸び悩んでいるということです。
結婚に対する考え方とか、初婚、最初にする年齢が少し高齢化になってきたり、将来結婚しない方が増えてきたとか、家族の持ち方が変わってきたとか、核家族化が進んできたとか、いろんな要素があるのは承知しているんですけれども、今さら逆戻りはなかなか難しいという状況の中で、できることもあるんではないかということが、やはり取り組むべき必要なことがあると思います。
三重県にとって何ができるかなというのは、国で考えていただかなくてはいけないところももちろんあるんですけれども、三重県でもできることはあるんではないかということが検討すべき具体的なことだと思うんです。生活様式やら家族構成やら、3、4、5にプラスアルファとか、同居家族にどうするとか、いろんなことを、地域にとってプラスになるようなことで、できることはやっぱり進めていくことによって、過疎地域でも、南部地域でも人口が流出しない、魅力を発信できるような家族や家庭や、そういうような住みやすい環境を伸ばしていけば増えていくと。このような施策はこれから取り組むべき内容だと思いますので、これは意見として聞いていただければと思うんです。
質問は、特に、もう少しその合計特殊出生率の目標を何かするには、何かインパクトがないと、数値目標に上げるには、上げた限りはというんですか、なかなか上げにくいというように、今まではそうだったんやけど、上げたからには何か若者に目を引くような要素があればプラスになるというふうに思うんですけれども、ちょっとポイントがないように感じますので、そこについてはちょっとメスを入れていただかなくてはいけないのかなと。
私がたまたま今、例を挙げましたけれども、何がいいかというのは難しいんですけれども、例えば、よく地域で婚活推進なんとかなんとかプロジェクトとか、そういうのがあれば少しの、一つの具体的な案としてプラスになるとか、そういうのをどんどん三重県もやりかけてはいますけれども、市町と連携してもっともっと県も率先してやると、少しずつ改善策として一つになるんではないかと思うんですけれども。このことについて何か御所見を頂ければと思います。
○福永部長 十分な答えになるかどうか分かりませんけれども、三重県は少子化対策の基本的な計画として「希望がかなうみえ 子どもスマイルプラン」というのを持っていまして、それは昨年度策定をし直しまして、今年度から新しい子どもスマイルプランを、「縁」という言葉をキーワードにして進めていくということになっております。そこでもう幾つかの重点的な取組も掲げられていますので、その子どもスマイルプランを軸に各部連携してしっかりやっていきたいと考えています。
○中森委員 ここでいい案がなかなか、たくさんあると思うんですけれども、やはり具体的にできることからやっていただきたいと思うんです。
もう一つ、国土強靭化のほうで質問を続けさせていただきたいと思います。
何よりも大切にする県民の命を守るということを第一に上げられたというふうに、今、頂きました。前にも少しお話ししたことがあるんですけれども、地震の例、自然災害のうちの一番典型的な南海トラフによるいろんな懸念がされていることについて例を挙げますと、直下型地震であったり、大津波による被害であったりというのが三重県としては一番心配することではないかなというふうに思うんです。
つきましては、今、進められている例えば住宅の耐震補強なども、いろんな手だてはしていただいていますけれども、単身高齢者世帯であったりで、家が大きくて耐震補強、そんなのはとてもとても予算的にというんか、資力的には補助をしていただいてもちょっと無理があるということがちらほら聞こえるんです。それやったら、お独り住まいであったり、夫婦にしても高齢者住まいであったりすると、寝室だけでも、1室でもできればいいの。これで命は助かるんですね。ほかが壊れても命は助かると。救出を待てばいいわけで、その1室でもできるような、そういう具体的な、命を助けるというような施策に少し工夫をして、補助制度の特化したものを、メニューを出すとか、そういうのが必要だというふうに私は思います。
それから、津波対策においても、もうこれはなかなか。非常に堤防を高くするとか、基本的な問題というのは、そんなに簡単にできませんので。堤防の問題はたくさんありますよ、護岸を直す、そんなのはたくさんありますけれども、私が見てきた和歌山県なんかは、救命のための、いざとなればそこへ入れば助かるというようなものが海岸に置いてある。逃げ遅れた方は、避難タワーに行くまでにそのところへ入ると。要するにそういうようなボートみたいなところがあるとか、それから町なかでも、たくさんの木、例えば救命いかだがあると。ふだんそこは公園ですけれども、大きな津波が来たら、それはいかだとなって命を救うわけですので。他の県ではそんなことをやっている例がありましたので、三重県も命を守るということであれば、そろそろ具体的なことをやっぱりやるべき、市町に委ねてもいいんですけれども、そういうのを積極的なものをしないとやはり命を守れないんではないかな、このように思いました。せっかくの機会なもので提案させていただきながら、御所見を頂ければありがたいなと思います。
○川邉課長 御意見ありがとうございます。
自分からは、委員から御指摘いただきました、救命ボートとか避難対策のことについてお答えさせていただきます。
私どものほうといたしましては、地域減災力強化推進補助金のほうで市町の取組を支援しているところでございます。今も市町の状況は直接訪問して、意見の把握を詰めているところでございます。そういった救命ボートについても、以前、対象にしたところもあったんですけれども、なかなかニーズがなくて、そういうふうな、いろいろな補助メニューも見直しているところでございます。
今、もう一度、各市町の意見を聞いておりますので、そういった意見が出てまいりましたら、そういったところも柔軟に対応していきたいというふうに思っております。
○中森委員 ありがとうございます。いろんな手だてを国土強靭化することによって中長期的にしていかなくてはいけないこと、たちまちできることとがありますので、その点は、やはり総合的な施策を進めていくことが重要ではないかなと、このようにお願いしておきます。
○木津委員長 ほか、ございませんか。
○喜田委員 まち・ひと・しごと創生総合戦略の資料1の29ページで、三谷委員と重なる部分なんですけれども、ここの検証の視点として全国学調が取り上げられていると思うんです。この全国学調という部分を視点として取り入れていることに対してどうなのかなというふうな意見で、その視点をここに持ってくることは控えたほうがいいんじゃないかというふうな意見を述べさせていただきたいというふうに思います。
福永部長はよく知っておられると思うんですけれども、全国学調は、全国平均がもうすごく狭まっております。狭まっておって、1問できれば平均をかなり上回るというような調査なんです。そういう調査を基に検証しているというふうな部分と、学力が高いところに住みたいということを言われるのであれば、学力はなぜ上がるのかという部分を教育現場、教育委員会と連携しながら、しっかりと理解した上でここに入れるべきだなと思うんです。
学力の向上というのは、その学年とか学級が落ち着いていないと学力が上がりませんし、その中で、仲間づくりであるとかいろんな部分が相互に絡まって、心と体も含めて健全な状態にあるときに学力は上がるというふうなことを言うのであれば、これを入れるのであればもうちょっと、心の視点であるとか、体力、体の健全な育成の部分の視点であるとか、そういうふうな部分も入ってきてしかりかなというふうに思います。
1点、心の部分で、ウィズコロナとかアフターコロナとかというような中で、現状で一番心の部分で心配なのが、このコロナ禍の中でたくさんの親御さんが子どもたちにゲームを与えたことだと思うんです。何もすることがないので、もうしゃあないでゲームを与えるという家庭が増えたと思うんです。これは私の聞き取りの中でもはっきりしていることなんですけれども、子どものゲームの時間が増えました。2時間、3時間増えていると思うんです。それが、ゲーム中毒とかゲーム依存症になることによって起こり得る悪影響というか、子どものそういうふうな部分にどのような影響を与えているのかというような部分も含めて考えていったときに、ゲーム依存症とかゲーム中毒に対して何らかの手を打つべきじゃないかなというふうに思いまして、そこに対する考えが何かあれば聞かせていただきたいなというふうに思います。
○福永部長 まず、視点として学力のところはどうかということに関してですけれども、ちょっと、どう説明していいか分かりませんが、第1期のまち・ひと・しごと創生総合戦略は前年度で終わりまして、今年度から新しい第2期の総合戦略ということになっているんですけれども、今日御説明しましたこの「令和2年版 三重県まち・ひと・しごと創生総合戦略 検証レポート(案)」は昨年度までの第1期の検証です。その中のKPIに学力のこともありますので、ここには視点として学力のことをかなり書いてあるんですけれども、昨年度、第2期の戦略に改定したときに、もう全ての施策が関係するんだという整理にして、その上で特に主な施策というのを整理しまして、この4本柱の整理の中に主な施策はこうですよというのを表示してあります。これは新しい、「みえ県民力ビジョン・第三次行動計画」の第3章に表示してあるんですけれども、この中の未来を拓くひとづくりのところに書いてある主な施策というのは、教育の面では、今おっしゃった心の部分とか他者と協働して未来を創造するという力の部分の施策と、地域との協働と信頼される学校づくりの部分でございまして、特に学力を強調して主な施策と位置づけているわけではございませんので。おっしゃる意味はよく分かりますので。特に主な施策としては、やっぱり教育の中ではそういう部分かなというのは私どもも思っておりまして、しっかりその面はフォローしていきたいなと思います。
ただ、今、おっしゃったゲームの件とかは、我々もまだ認識不足の面がありますので。我々は教育施策大綱を所管している部でもございますので、今後、総合教育会議なんかの中で教育委員会とも話し合っていければなと思います。
○喜田委員 ありがとうございました。
ゲーム依存症とかゲーム中毒に何とか手だてを打つために条例を制定している県があると思うんです。今、子どもがゲーム中毒で困っている親御さんは、やっぱりそういうふうな県としての何らかの方針をきちっと出してほしいというふうなところまで悩んでいる親御さんも結構多いと思うので、ぜひとも検討していただければと思います。
○木津委員長 ほか、ございませんか。
〔発言の声なし〕
○木津委員長 ないようですので、なければ、(3)三重県まち・ひと・しごと創生総合戦略 検証レポート(案)について及び(4)三重県国土強靱化地域計画(中間案)についての調査を終わります。
ただいま12時5分でございます。ここで一旦休憩とし、再開は13時10分からとしたいと存じます。
暫時休憩いたします。
〔関係部 退室〕
(休 憩)
(5)SDGsの推進について
(6)学生奨学金返還支援事業について
(7)広域連携の取組(知事会議の開催結果)について
(8)三重県総合教育会議の開催状況について
(9)審議会等の審議状況について(報告)
ア 当局から資料に基づき説明(髙野副部長)
イ 質問
○木津委員長 それでは、御質問等がございましたらお願いをいたします。
○喜田委員 1点、全くイメージができないというか分からないので教えてほしいんですけれども、(5)SDGsの推進のところで「Society5.0」と「SDGs」の視点を取り入れたというふうな部分は、当然否定するものでもないし、それは理解するし、SDGsを推進していきたいなという立場なんですけれども、Society5.0の新しい社会というものが、SDGsが掲げる貧困をなくすというふうなところにどうリンクするのかなというのがイメージできないんです。Society5.0の社会というのは、貧困格差をより広げるんじゃないかなという危惧を私はしておりまして、生活様式が便利になるんですけれども、貧困層の人たちはそういう社会に入り込めないんじゃないかなというふうに思うんです。だから、この二つをセットで入れているというところで貧困という部分をSociety5.0でどういうふうになくしていくのかというあたりを、どんなイメージを持って、どんな考えを持っておられるか教えてほしいなと思います。
○山本課長 Society5.0を進めていくに当たりましては、まずそれを支える人材基盤づくりが重要になってこようかと思います。委員御指摘のように、デジタル技術の格差によって貧富の差が起きることがないように、デジタル人材の育成をAIの時代に産業界の中で、Society5.0の技術を使って産業構造を改めて豊かな産業構造に変えていくような形で進めていきたいと考えておりまして、その中での人材育成については非常に重要と考えておりますので、その点につきましても進めていきたいと考えております。そのためにはリカレント教育とかも進めまして、多様な人材の確保ができるように進めていきたいと考えております。
○喜田委員 ありがとうございます。御説明いただいたんですけれども、ちょっと頭が悪いので全く分からないんですよね。そこがどうリンクして、貧困をどう、Society5.0が社会の中でそういう課題を解決していくのかというので、もうちょっと分かりやすく、私にでも分かるような説明をいただければと思うんですけれども、この辺にとどめておきます。
○福永部長 なかなかよい具体例が思いつかないんですけれども、Society5.0は、要は科学、デジタルの力を利用していろんな課題解決に役立てていこうという発想ですので、今、例えば値段が高くてなかなか皆さんに行き渡っていないようなサービスを、デジタルの力で低廉化して誰もが享受できるようにしていくとか、そういった問題は貧富の差なくサービスを享受できるというような形にもなりますし、要は、Society5.0はデジタルとか科学の力を利用していろんな社会問題の解決につなげていこうという発想ですので、それは貧困の問題の解決にもつなげる使い方があるのではないかと思います。
○喜田委員 ありがとうございました。私もそこを追求して、そこがつながっていくような施策というふうなものを見つけていきたいなと思いますので、ともによろしくお願いします。
○三谷委員 関連させてもらいますけれども、今、喜田委員がおっしゃっとったのは、Society5.0のデジタル技術の革新が必ずしも貧富の格差を縮めるんではなしに、広げるんではないかということだろうと思うんです。例えば、今回の10万円の特別給付金の問題なんかでも明らかになったのは、現住所を持たない方だとか、様々な方が国からの一律のサービスがなかなか受けにくい。キャッシュレスの推進というのは盛んに言われますけれども、そもそも銀行口座を持っていない方々もおられるわけで、そういう方々はキャッシュレスの恩恵というかサービスを受けることができないわけですね。そういうところの、サービスを受ける格差が逆にどんどん広がっていくんではないか。だから、そういうところをきちっとフォローできるような施策が裏表できちっとフォローされていなければ、形だけのSociety5.0の議論をしても、かえって問題を難しくするんではないかなと思うんですが、いかがですか。
○福永部長 もちろん、Society5.0を進める中でもSDGsの考え方は非常に重要でございますので、おっしゃったような問題が起きないように、しっかりSDGsの考え方を添えながら進めていくべきだと考えます。
○三谷委員 誰一人取り残さないという考え方を一方に担保しながら、きちっと進めていくというのが大事だと思います。
その上でちょっと教えていただきたいんですが。今回、三重県地方創生・SDGs推進本部というのを設けられた。今までの三重県まち・ひと・しごと創生総合戦略策定推進本部から変えましたよということなんですけれども、これは、中の機構だとかスキームというのは変わったんですか。それとも、単に看板を変えただけなんですか。どうなんですか。
○山本課長 その点につきましては、メンバーは一緒でございますので、従来の三重県まち・ひと・しごと創生総合戦略策定推進本部を、委員がおっしゃるように看板を書き換えたというような形でSDGsの機能を維持しております。
○三谷委員 分かりました。では、このSDGs推進窓口というのはどこに設けたわけですか。
○山本課長 SDGs推進窓口のほうは企画課が窓口になっておりまして、民間の方々とか企業の方々からそういう御提案をいただいて、企画課が窓口になって関係部局とマッチングをすることによって、連携の取組を進めていきたいと考えております。
○三谷委員 今、部長がSDGsの考え方をきちっと担保していかなきゃいかんということなんですけれども、単に看板を変えただけではあまり意味がないので、中身もしっかり精査して変えていっていただきたいなと思います。
続けてよろしいですか。
○木津委員長 はい、どうぞ。
○三谷委員 もう1点。学生奨学金返還支援事業で、平成28年度から令和元年度までの状況という参考の一覧表を頂いているんですが、辞退等が24人おられるんですけれども、辞退等の24人は、どういう理由で、どういう内訳なんでしょうか。
○髙野副部長 62ページを併せて御覧いただきたいんですが、例えば、その表の下のマル1で、公務員は一応対象外にしていますので、公務員で就職したので、認定はしたけれども辞退されたとか、あと休学をされたとか。これは大学生なら3年生の方、それから4年生の方が応募できるものですから、そういった方が事情変更でこういう形になっていったというものがございます。
それと、認定後辞退というのも、申請取下げ後の辞退が8名、それから認定後辞退の方がやっぱり公務員が8名とか、それから指定する場所がちょっと違うようになったとか、そういった理由で、個人の事情で御辞退をされたというようなことでございます。
○三谷委員 分かりました。せっかく認定を受けていて、後で辞退ということになると、制度のあれがなかなかうまく機能していないのかなと。
もう1点だけ教えてください。全国知事会議、この知事会議でうちの鈴木知事から、例の9月入学についての発言というのはなかったんですか。
○楠田課長 全国知事会の「新型コロナウイルス緊急対策本部」会議の中で、そういった議論があったんですけれども、知事は、その際、9月入学に発言をしておりません。ただ、また別の会議なんかのときには、議論をしていくことはいいことだという、議論というか意見を述べています。
以上です。
○三谷委員 寡聞にしてあまり詳しい情報は入っていないんですけれども、ある程度、知事が何か積極論を展開されたというような話もあるんですけれども、そういうことは一切なかったんですね。
○楠田課長 議論をしていくことは非常にいいことだと言っておるんですが、それ以上踏み込んだ意見というのは出ていないと思います。
○三谷委員 分かりました。
○木津委員長 ほか、ございませんか。
〔発言の声なし〕
○木津委員長 よろしいでしょうか。
なければ、(5)SDGsの推進についてから(9)審議会等の審議状況について(報告)までの調査を終わります。
(10)その他
○木津委員長 最後に、これまで議論された調査項目以外で特にございましたら、御発言をお願いいたします。
ございませんか。
○中森委員 知事会議の関係で、紀伊半島のほうの知事会議もある中で、三重県議会は3県議会の協議会があって、今、広域防災拠点の計画が和歌山県、あの辺で予定されているというふうに伺っていまして、もちろん議会での議論、議会同士の議論は大事ですけれども、知事同士の議論がより重要だと思うんですけれども、その点についての御所見はありますか。
○楠田課長 広域防災拠点の話を、私は奈良県というふうに伺っているんですけれども、7月の上旬に紀伊半島知事会議が予定されとるんですが、その際、奈良県から報告事項として提出されます。それについて、和歌山県、三重県がどんなふうに連携していくのかというような話し合いがその場でもなされるというふうに思っております。
○中森委員 せっかく三重県内の広域防災拠点があるじゃないですか。もちろん東紀州など、伊賀地域にもありまして、その奈良県の五條市かな、今、予定されている大型の広域防災拠点で、包含のエリアが、三重県の伊賀地域も包含になったほうがより我々県民というのか伊賀地域の人も安心度が増えますので、その際には、その点についても言及していただいたらありがたいなと思って。
○楠田課長 やはり3県の知事会議は広域的な連携というのを目的にしていますので、今、三重県に幾つかある広域防災拠点と今度の大型の広域防災拠点がしっかり連携できるような議論ができるように我々も考えていきたいとそのように思います。
○中森委員 お願いします。
○髙野副部長 実は私、昨年度まで政策提言・広域連携課長をさせていただいていまして、紀伊半島知事会議にも2回同行させていただきました。
委員がおっしゃったその奈良県五條市のほうだったと思いますけれども、広域防災拠点について、奈良県の荒井知事が構想を持ってみえて、今まで、その2回の会議でも、たしかいずれも議題として上がっていまして、それ以外にも、3県が、紀伊半島でドクターヘリの相互応援協定まで発展させて、お互い助け合おうよということまでやっておるんでございますけれども、この広域防災拠点につきましても、昨年度までも荒井知事からこういう構想があって進めたいんだよと。三重県なんかも南北に長い県でございますし、和歌山県も当然ございますので、それぞれ幾つか拠点を持っておるんですけれども、おっしゃったように、県境よりも、県境をあまり考えずに、近いエリアもあるもので、助け合えるようになるんで、そんなことも考えていきましょうみたいなことは荒井知事の発言からも出ておりますし、恐らく今回もそういった観点で御議論いただくものと思っておりますので、引き続き、勉強させていただきたいと思います。
○中森委員 お願いしておきます。
○木津委員長 ほか、ございませんか。
〔発言の声なし〕
○木津委員長 ないようですので、なければ、これで所管事項の調査を終了いたします。
2 委員間討議
(1)所管事項調査に関する事項 なし
(2)執行部に処理経過の報告を求める事項 なし
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
戦略企画雇用経済常任委員長
予算決算常任委員会戦略企画雇用経済分科会委員長
木津 直樹