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三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 令和2年度 委員会会議録 > 令和2年10月9日 環境生活農林水産常任委員会 予算決算常任委員会環境生活農林水産分科会 会議録

令和2年10月9日 環境生活農林水産常任委員会 予算決算常任委員会環境生活農林水産分科会 会議録

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環境生活農林水産常任委員会
予算決算常任委員会環境生活農林水産分科会
会議録
(開会中)
 

開催年月日   令和2年10月9日(金曜日) 午前10時0分~午後4時57分
会議室   201委員会室
出席   8名
        委員長    中瀬古 初美
        副委員長    石垣 智矢
        委員    下野 幸助
        委員    稲森 稔尚
        委員    藤田 宜三
        委員    東   豊
        委員    津田 健児
        委員    西場 信行
欠席   なし
出席説明員
   [農林水産部]
        部長                    前田  茂樹
        副部長                   更屋  英洋
        次長(農産振興担当)            近田  恭一
        次長(農業基盤整備・獣害担当)       藤本 隆治
        次長(森林・林業担当)           村上 浩三
        次長(水産振興担当)            荒島 幸一
        参事(CSF対策PT担当課長兼務)     矢野 次男
        農林水産総務課長               佐脇 優子
        農林水産財務課長              村田 洋一
        フードイノベーション課長          福島 賴子
        担い手支援課長               岡本  明
        農産物安全・流通課長            秦  和夫
        農産園芸課長                伊藤  敬
        畜産課長                  中村 雅人
        農業基盤整備課長              堀江 正征
        農山漁村づくり課長             伊藤 隆幸
        獣害対策課長                近藤 和也
        森林・林業経営課長             横澤  篤
        治山林道課長                真弓 伸郎
        みどり共生推進課長             中村  元久
        水産振興課長                伊藤  徹
        水産資源管理課長              藤田 弘一
        水産基盤整備課長              福田  渡
        人権・危機管理監              寺本 嘉孝
        農林水産政策・輸出促進監          世古  勝
        家畜防疫対策監                巽  俊彰
                             その他関係職員
   [医療保健部]
        健康推進課長                芝田 登美子
        食品安全課長                下尾 貴宏
   [教育委員会]
        保健体育課健康教育班班長          若山 典彦
委員会書記
   議事課    主査  岡野 俊之
企画法務課  主任  奥村 克仁
傍聴議員   なし
県政記者   2名
傍聴者   なし
議題及び協議事項
第1 分科会(農林水産部関係)
 1 議案の審査
 (1)議案第124号「令和2年度三重県一般会計補正予算(第7号)」(関係分)
 (2)議案第126号「令和2年度三重県地方卸売市場事業特別会計補正予算(第1号)」
 (3)議案第130号「三重県手数料条例の一部を改正する条例案」(関係分)
 (4)議案第131号「三重県家畜保健衛生所手数料条例の一部を改正する条例案」
 2 所管事項の調査
 (1)「三重県における補助金等の基本的な在り方等に関する条例」に基づく報告について
第2 常任委員会(農林水産部関係)
 1 議案の審査
 (1)議案第133号「工事請負契約について(木曽岬2期地区基幹土地改良施設防災機能拡充保全事業排水機製作据付工事)」
 (2)議案第140号「三重県水産業及び漁村の振興に関する基本計画の策定について」
 2 所管事項の調査
 (1)「『令和2年版成果レポート』に基づく今後の『県政運営』等に係る意見」への回答について(関係分)
 (2)新型コロナウイルス感染症への対応について
 (3)指定管理者が行う公の施設の管理状況報告について
 (4)三重県民の森及び三重県上野森林公園に係る指定管理者の選定状況について
 (5)第4次三重県食育推進計画の策定について
 (6)CSF等に係る対応状況について
 (7)「食の安全・安心の確保に関して実施した施策に関する年次報告書」について
 (8)「三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する基本計画」に基づき令和元年度に実施した施
    策の実施状況報告について
 (9)三重の水田農業戦略2020(最終案)について
 (10)令和元年度における鳥獣被害の状況について
 (11)「三重の森林づくり基本計画」に基づく施策の実施状況(令和元年度版)について
 (12)みえ森林教育ビジョンの策定について
 (13)みえ森と緑の県民税基金事業の評価について
 (14)改正漁業法の施行に伴う漁業制度の変更について
 (15)アコヤガイのへい死等に係る対応について
 (16)各種審議会等の審議状況の報告について
 3 常任委員会活動の上半期の振り返りについて
 
【会議の経過とその結果】
 
〔開会の宣言〕
 
第1 分科会(農林水産部関係)
 1 議案の審査
 (1)議案第124号「令和2年度三重県一般会計補正予算(第7号)」(関係分)
 (2)議案第126号「令和2年度三重県地方卸売市場事業特別会計補正予算(第1号)」
    ア 当局から資料に基づき補充説明(前田部長)
    イ 質疑
 
○中瀬古委員長 それでは、御質疑があればお願いいたします。
 
○藤田委員 いろいろ全員協議会で説明いただいたんですけど、細かい話は聞けなかったんで、申し訳ないんですけど、もうちょっと詳しくお聞かせいただきたい点が二、三ありますのでお伺いします。
 まず牛マルキンについて、交付されない部分について、その4分の1をというふうに書かれております。もうちょっと牛マルキンについて、ここで確認をさせてくださいというのが1点目。
 それから、その下の食肉センターの施設改良、どういう内容なのかということ。
 それから、「みえの旬が一番」のところで、消費喚起キャンペーンを行うという、これは例の前お話しした、タイであったりお茶であったり、そのことなのかということの確認ですけども。
 以上、もう少し詳しく御説明いただけませんか。
 
○近田次長 まず、牛マルキンの制度のことで、その支援内容というようなことでございますけれども、この事業につきましては、牛マルキンといいますのは、標準の販売価格と標準の生産経費、これの差額の9割を補填する事業でございまして、その9割の中で4分の3を国で補填していただきまして、4分の1のほうは生産者が負担をしているというような事業でございます。今回はその補填がされなかった部分の1割の部分の生産者の負担部分を、県のほうが肩代わりさせていただいて支援をするというようなものでございます。
 それからもう一つ、四日市と松阪の食肉処理施設の整備のことでございますけれども、事業の中身としましては、1つは、新型コロナウイルス感染症拡大防止を図るためのマスクとか体温計など衛生資材の購入に係る経費の支援ということでございます。
 それからもう一つ、大きな施設整備の関係では、空調設備の改修支援、それから冷蔵冷凍施設や非常電源設備の改修に係る支援をというようなことでさせていただければと考えております。
 
○伊藤(徹)課長 「みえの旬が一番」食べてお得なキャンペーン事業の詳細ですけれども、これは一般の県民の方々に、スーパーで県産のこれから旬を迎える食材を御購入いただいて、その購入額、購入高に応じてポイントを付与することを考えております。それで、そのポイントをためていただいて、さらにそれを県産の、例えば、委員がおっしゃったタイ、お茶とかイセエビ、トロさわらなど、これから旬を迎えるような高級県産農畜産水産物と交換できるといったようなスキームを考えておるところでございます。
 
○藤田委員 そうすると、今の最後のキャンペーンの件ですけども、そのポイントを使えるのは品目が限定されているということですか。
 
○伊藤(徹)課長 ポイントを使える品目につきましては、これから各量販店と調整に入りますけれども、基本的には県産の食材にポイントなり、QRコードとか、そういったシールになるか、これからの検討ですけれども、そういったものをつけることを考えております。
 
○藤田委員 分かりました。要は県産の農産物に関して、買った場合にポイントをつけて、そのポイントでも県産の農水産物を買うことができる、そういうポイント制度をやるということでよろしいですか。
 
○伊藤(徹)課長 ポイントをためていただいて、そのたまったポイントを高級農畜水産物、県産のものと漏れなく交換していただく、プレゼント企画です。その2本立て。キャンペーンとプレゼント企画の2本立ての事業となっております。
 
○藤田委員 分かりました。県産の農産物、水産物が消費に結びつくように、ぜひとも有意義な使い方をしていただきたいということをお願いして終わります。
 
○下野委員 確認ですけど、教えていただきたいのは、地方卸売市場事業費の市場施設維持管理費4億5800万円余、これをもうちょっと内容を教えていただけないでしょうか。
 
○近田次長 この事業でございますけれども、中身は施設整備ということで、市場には冷蔵庫棟というのがございまして、そこの冷凍設備の更新、それに要する経費と、青果物の低温卸売場の冷凍設備の更新、それからもう一つは、同じような施設でございますけれども、保冷配送施設の冷凍設備の更新ということで冷凍関係ですね。コールドチェーンの関係の設備について改修をさせていただくという事業でございます。
 
○下野委員 その内容と金額とを、ちょっと照らし合わせて大体を教えてください。
 
○近田次長 分かりました。
 
○下野委員 場所別で。
 
○近田次長 冷蔵庫棟の冷凍設備の更新が、11系統、冷凍機があるんですけれども、それで3億3000万円ぐらいですね。あと青果低温売場の冷凍設備の更新で5800万円程度、それから保冷配送施設の冷凍設備の更新で2500万円程度ということで予算を見積もっております。
 
○下野委員 場所は11か所というのは。
 
○近田次長 冷蔵庫棟の中の幾つかの冷凍室があります、部屋が。それぞれに冷凍機がついておりますので、その11部屋の冷凍機の更新をさせていただくというような事業でございます。
 
○下野委員 これは場所というのは。
 
○近田次長 三重県地方卸売市場の三雲にある市場でございます。
 
○下野委員 それで全部ということで。
 
○近田次長 はい。
 
○下野委員 分かりました。
 
○津田委員 定番化に向けた伊勢茶輸出力強化事業費の1200万円余なんですけど、これをもうちょっと具体的に教えていただけますか。先月までZOOMというのを知らなかった人間が分かるようによろしくお願いします。
 
○近田次長 この事業でございますけれども、伊勢茶は新型コロナウイルス感染症の関係で、国内需要が非常に減少しているというようなことで、これからは輸出に打っていくというようなことが必要であろうということで考えておりまして、その準備ということもございますけれども、これまで県ではGAPの推進ということで、輸出もできるように農業の工程管理というようなことで、しっかりやるようにというようなことで推進をしております。その中で、今まではどちらかというと個人認証、一件一件の方々にそれぞれ認証を取得していただいておったんですけれども、これからは団体認証、幾つかの人数の農業者が集まって、団体でもって認証取得をしていくというような制度もございますので、それにのるために、複数の人数が申請をするとなると、取りまとめに係る事務が非常に煩雑になるというようなことで、その事務を、できればRPA、ここにちょっと書いてありますけれども、自動化したいと。いろんな基礎的なデータを入力すれば、団体認証の申請ができるというようなシステムをつくっていきたいなというふうに考えています。
 もう一つは、オンラインツアーということで、現地に来ていただいて伊勢茶の産地を巡っていただくというようなことは、なかなかできませんので、伊勢茶のPRということで、オンラインでもってツアーができるような動画なんかを作成しまして、旅行代理店なんかの協力をいただいて、海外で発信していくというような事業を考えております。
 
○津田委員 動画をつくるための費用もこの中に入っていると。動画とGAP申請を個人か団体でできるようにする、この2本の予算がここにあるということですか。
 
○近田次長 そうでございます。
 
○津田委員 分かりました。
 
○東委員 林業費の自然に親しむ施設整備事業費ということで、「ワーケーションの促進を図り、ロングステイの実現につながるよう、トイレ設備の改修等自然公園施設の整備を行う」と書いてある3200万円余ですが、これの財源は多分、新型コロナウイルス感染症関連で臨時交付金だと思うんですが、それに伴い、ワーケーションを促進するということで、具体的には、どこで、どんな改修をされるのかお聞きしたいんです。国定公園内ですかね。
 
○村上次長 自然に親しむ施設整備事業の整備箇所ですけれども、公衆トイレの改修で7か所を予定しております。伊勢志摩国立公園で4か所、吉野熊野国立公園で1か所、鈴鹿国定公園で1か所、室生赤目青山国定公園で1か所を予定しているところでございます。
 
○東委員 中身はどんな改修予定なんですか。
 
○中村課長 自然公園の施設のトイレは和式がほとんどなんです。衛生環境の整備ということで、それの洋式化を進めるというふうなことで7か所を考えております。
 
○東委員 ありがとうございます。全て洋式化するということで、一歩進んだと思うんですが、ワーケーションとトイレとは関係あるんですか。ちょっと嫌な質問だと思うんですが。
 
○村上次長 トイレなんですけれども、蓋を閉めることができない和式のトイレでは、水を流すときにウイルス等が顔の高さぐらいまで飛散するというようなことが言われておりますので、トイレの洋式化というのを今進めているところでございます。
 
○東委員 国からの交付金なんで、そのようにしていただければいいと思うんですが、もう一つは、先ほど下野委員が聞いていましたが、地方卸売市場の話ですが、4億5800万円余ということでありがたいなというふうに思うんです。以前からコールドチェーン化するということで、抜本的な施設改修をするべきだというふうに思っているんですが、今回は冷蔵室の空調も含めた施設改修だと思うんですが、4億5000万円余でどこまでできるかというところがあるんですが、例えば搬入搬出における、外気に当てない形の工夫の市場とか、そんなような計画というのは、今回の中には入っていないんだと思うんですが、その辺の見込み、国のお金を使って、新型コロナウイルス感染症対策でありがたい話だと思うんですが、その次の展開、前もってちょっと申し上げましたが、以前、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、三重県産の食材を新鮮な形で、GAPも含めてですけれども、ルート化をちゃんとしていくべきなんじゃないかと。そういう意味では、魚市場もそうですけれども、非常に古い施設を順次変えていくべきだというふうにも思うわけですが、今回これで市場の一つの冷蔵庫、冷凍室が整備されていくことは非常にいいわけですが、その辺の今後の取組、考え方は、それで済むのかどうか、もうちょっとボリュームアップすべき、ステップアップすべきじゃないかなというふうに思います。
 それからもう1点は、この予算を可決したとして、これから設計へ入っていくんだと思うんですが、例えば実際、更新の時期、つまり設備が終わって、新しい施設が稼働する時期というのは、いつ頃を見込まれているのか、その辺もお聞かせをいただきたいと思います。
 
○秦課長 まず第1点目の、今後の、将来的なという話だと思いますけど、今回はいわゆる更新改修ということでやっておりますが、前回6月補正をしましたが、Wi-Fiの導入を進めている中で、市場の取引形態が、昨年6月に卸売市場法が改正されまして、随分市場のルールが緩和された中で、1つは、相対の取引というのがかなり増えてきているのと、物が商物一致といいまして、市場に来て、市場から経由しているということが、そういうルールがなくなりました。ですので、市場でいわゆる電子取引はするんだけど、物は例えば産地から直接行くとか、そういうことも出てきているという中で、あとはアフターコロナの今後の在り方がありますので、来年度以降になりますが、市場の関係者と一緒に、今後のそういう全体の市場流通の在り方も含めて、施設のことを検討していきたいと考えております。
 それから、2点目の稼働時期と申しますと、先ほど私どもの次長が申し上げたとおり、施設はいろいろありますけど、冷蔵庫については11系統全てを改修していきますので、冷蔵庫自体は、ここでまだ御承認をいただいていないので、ちょっと言いにくいんですけど、実際の稼働は令和3年度の後半になろうかな、全体的に全てが終わるのが令和3年度の終わりがけになってしまうかなと。準備期間、既にやっていますけれども、今からの工事ですのでそんな予定でおります。
 
○東委員 ありがとうございます。新しい時代に向けた市場の取引形態ということも踏まえて、将来的に希望が見えるような市場機能を取っていただければなと思います。
 それから、これは実際の予算執行は来年度になるわけですね、そうなると。そんなこともないんですか、着手は今年度もして、来年度、工事も繰越しの部分があるということですか。
 
○秦課長 工事は当然ながら今年度中に入札をして、着工までは全ての工事を進めていって、その上での繰越しという予定で計画をしております。
 
○東委員 結構です。ありがとうございました。
 
○藤田委員 もう1点だけ、確認させてください。
 3ページの上から3つ目の、要は漁協を支援するということらしいんですが、具体的に加工を含めてどんな設備を、どんなふうに入れて、どう合理化するのか教えてください。
 
○伊藤(徹)課長 この事業につきましては、漁協と、漁業者が連携して取り組む取組に対して支援するということを考えておるんですけれども、その支援内容につきましては、漁協のほうから、こういった取組をしたいというので申請を上げていただいて、それを審査した上で補助金を交付させていただくというものになっております。例えばですけれども、あくまでも一例なんですが、伊勢湾の黒ノリは、通常ですと板のりというもので出荷しておるケースが多いんですけれども、付加価値を高めるということで、ばらのりという商品規格があるんですが、そういったものを作るための加工機器を導入していただくとか、あとは、アオヤギという貝があるんですが、バカガイと呼ばれる貝ですけれども、あれは非常に砂がみが多いんですけれども、それを砂抜きして加工出荷するための機器であるとか、そういったものを想定しておるところです。
 
○藤田委員 そうすると、どこの漁協へ何を入れるというところまでは、まだ明確にはなっていないということですね。
 
○伊藤(徹)課長 現在、各漁協を回って事業の説明をさせていただいておるところですけれども、漁協のほうからどういったものが上がってくるかというのは、これからになるところです。
 
○藤田委員 分かりました。漁家の経営を強化していくという点では、農業で家族経営を強化をしていくということがあると思いますので、漁業者も本当に大変なことを聞いておりますので、ぜひ、よろしくお願いを申し上げます。
 以上です。
 
○中瀬古委員長 ほかにございませんか。よろしいですか。
          〔発言の声なし〕
 
○中瀬古委員長 それでは、なければこれで本議案に対する質疑を終了いたします。
    ウ 委員間討議   なし
    エ 討論      なし
    オ 採決      議案第124号(関係分)   挙手(全員)   可決
              議案第126号        挙手(全員)   可決
 
 (3)議案第130号「三重県手数料条例の一部を改正する条例案」(関係分)
 (4)議案第131号「三重県家畜保健衛生所手数料条例の一部を改正する条例案」
    ア 当局から資料に基づき補充説明(前田部長)
    イ 質疑      なし
    ウ 委員間討議   なし
    エ 討論      なし
    オ 採決      議案第130号(関係分)   挙手(全員)   可決
              議案第131号        挙手(全員)   可決
 
 2 所管事項の調査
 (1)「三重県における補助金等の基本的な在り方等に関する条例」に基づく報告について
    ア 当局から資料に基づき説明(更屋副部長)
    イ 質問
 
○中瀬古委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いいたします。
 
○藤田委員 26ページの水の供給、かん水のあれだと思うんですが、これの具体的な事業内容というのを、もうちょっと詳しく教えていただけませんか。
 
○藤本次長 これは高度水利機能確保基盤整備事業費補助金(農地耕作条件改善事業)ということで、これは団体営事業でございますが、補助事業者は浅井農園ということで、玉城町で浅井農園がキウイフルーツを生産する団地を整備する基盤に対して補助したものでございます。
 
○藤田委員 面積はどれぐらいなんですか。
 
○堀江課長 約7ヘクタールです。
 
○藤田委員 それと、これはちょっといろんな方からやっかみ半分で聞かれたもんですから、1件だけお伺いしたいなと思うんですが。
 20ページのうれし野アグリ、これは辻製油が社長をされて、実質的には浅井農園に運営をしていただいておると。4社が共同してやっていただいておると。それともう一つ、その次のページの株式会社アグリッド、これも同じくトマトの栽培で、いわゆる自動化を含めての事業だというふうに聞いております。
 ちょっと表現があれで申し訳ないんですが、何で浅井君ばっか補助金が行くんやえというようなことを聞かれたもんですから、あえてここでちょっと質問させていただいたわけなんですけれども、当然、いわゆるトマトの生産という視点から、新しい技術を、新しいやり方で生産して販売をしていく、こういうことについては私も大いにやるべしというふうに思っておる一人なんですが、こういうことをやることによって得られた、いわゆる技術的な成果、情報的な成果というものがあろうかなというふうに思うんですけれども、こういうものを県が、国が支援をして、やることによって得ると。実際の経営的な部分はそれはそれとして、こういう技術的な成果について県としてどんなふうに考えてみえるのか。それを水平展開していくんだというふうに私は思っているんですが、その辺の具体的なことというのがあればお聞かせいただいておけば、そういう話があったときに、いや、実はこうなんだという話を私もしたいので、県のお考えをちょっとお聞かせいただけないかなというふうに思います。
 
○伊藤(敬)課長 この2本の事業につきましては、委員がおっしゃいましたように、いなべ市、それから松阪市のほうに高軒高のハウスを整備しまして、大規模で雇用型で営農を展開しながらトマトの生産を行っていくというものでございます。
 こうした先進的な取組につきまして、みえ次世代施設園芸コンソーシアムというのを設けておりまして。昨年度、こういった浅井農園等の大規模な雇用型の農業を実践される方、そして三重トマトブランド化推進協議会、こちらはJA全農みえが事務局を持たれている、いわゆる専業の生産者の協議会ということになりますけれども、こういった方々が入った、そういったコンソーシアムを設けて、研修会をやって雇用型の生産について学びながら、そういう専業農家の方の技術についても相互に情報交換しながら、生産のそういった大規模化により効率性を高めていく部分と、それから栽培技術をしっかり追求して品質の高いものを作っていく、そういった情報を交流する場をつくって相互に生産を高めていく、そんなような取組をやっておりまして、今後も、こういった取組によって、生産の効率性と品質の高いものを生産するというところで取組をやっていきたいというふうに考えておるところでございます。
 
○藤田委員 今の考え方は分かりましたが、具体的に、そこで出てくる栽培方法であったり手法であったり技術的な成果というのは、このコンソーシアムの中にオープンにされるのかどうか、この辺をお聞きしたいなというふうに思うんですが、その成果については、県はどういうふうにお考えでしょうか。
 
○伊藤(敬)課長 もちろん、それぞれが経営を展開しているということで、同業者の中でライバル的な部分もあると思います。そういう中で、オープンにできる部分とできない部分は確かにあろうかと思いますけれども、可能な限りで相互に情報を交換し合って、三重県のトマト産地として、もちろん一生産者企業として、生産を高めて展開していく部分というのはあるかと思うんですけれども、やはり三重県の産地としてのネームバリューであり、評価というのを高めていくというところが必要かと思いますので、可能な限りでこういった情報交換をして、相互に高めていっていただければありがたいというふうに思っておるところでございます。
 
○藤田委員 具体的に、そういう指導をされるということですか。
 
○伊藤(敬)課長 指導というと、なかなかちょっと、言葉的にはあれなんですけれども、我々としては啓発というか、この場をつくることで相互に影響を及ぼし合いながら情報を交換し、高めていっていただくように進めてまいりたいなと思っております。
 
○近田次長 この2つの事業でございますけれども、県として、これから進めるべきというふうに考えておりますスマート農業技術、これに非常に貢献していただけるというようなことで考えております。県としましても、三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する基本計画で書きましたけれども、スマート農業技術の推進に向けまして、1つは省力化でありますとか自動化、それから技術の継承、とにかく篤農家の技術を何とか見える化していきたいというようなこと、それから、当然のことながら品質の向上、収量の安定、こういったところに貢献するようなスマート技術というものを、この事業なんかも活用しながら進めていきたいというようなことで、こういうような技術をできるだけオープンにしていただいて、普及を進めていきたいなというふうに考えております。
 
○藤田委員 ぜひ、その辺の視点を持っていただいて。知事もよくおっしゃるんですけれども、やっぱり富士山を1つつくって、それを周りから見せて、それぞれのところで山をつくっていただくというのが一つの方法だというふうに、私は知事の考えをお聞きしておるんですが、そういう意味でも、国も県も併せて支援をしておるわけでございますんで、ぜひともその成果を、できるだけほかの意欲のある生産者に開示していただいて、広げていっていただくことをお願いしたいというふうに思います。
 それともう1点。36ページのGAP認証について、GAP認証取得支援事業を廃止されましたけれども、これは恐らく国の事業が廃止になったということだというふうに思うんですが、県として、これに代わるような支援の事業というのは考えてみえるのかどうか、その確認をしたいんです。
 
○伊藤(敬)課長 昨年度、この事業につきまして廃止しておるんですけれども、基本的に業者のGAP認証取得に必要な環境整備、審査費用等を直接的に支援できるような事業だったんですけれども、このメニューが国のほうでなくなったということで廃止をしておりますけれども、今年度、引き続きGAPそのもの自体を推進していく事業というのは国のほうでも予算措置がされておりまして、これを有効に活用しながら継続してGAP認証取得の推進等を図っておるところでございます。
 
○藤田委員 GAPというのは、要は農業の生産体制そのものの考え方を含めての制度でございますんで、農業そのもの、農業経営そのものを合理化していくという物事の考え方の制度でございますんで、これはやっぱり大いにバックアップしていく必要があろうかというふうに思いますので。ただ、そういう国の補助事業が終わったから、その支援の事業はもうないんだからやめるんだということではなしに、やっぱり今年度、国も違う形でというふうにおっしゃっていますけれども、ぜひともGAPに関しては、そういう実質的な支援も含めて、ぜひ検討いただきたいなということだけ要望させていただきます。
 以上です。
 
○中瀬古委員長 ほかにございませんか。
          〔「なし」の声あり〕
 
○中瀬古委員長 では、なければ、これで農林水産部関係の所管事項の調査を終了いたします。
 
 3 委員間討議
 (1)執行部に処理経過の報告を求める事項  なし
 
第2 常任委員会(農林水産部関係)
 1 議案の審査
 (1)議案第133号「工事請負契約について(木曽岬2期地区基幹土地改良施設防災機能拡充保全事業排水機製作据付工事)」
    ア 当局から資料に基づき補充説明(前田部長)
    イ 質疑      なし
    ウ 委員間討議   なし
    エ 討論      なし
    オ 採決      議案第133号   挙手(全員)   可決
 
 (2)議案第140号「三重県水産業及び漁村の振興に関する基本計画の策定について」
    ア 当局から資料に基づき補充説明(前田部長)
    イ 質疑
 
○中瀬古委員長 それでは、御質疑があればお願いいたします。
 
○西場委員 前の委員会でいろいろ要望や意見が出て、そしていろいろ変更、改正もしていただいたと聞いておるんですが、そのあたりのポイントを、やっぱりもう少し丁寧に説明してもらう必要があるんじゃないかなと。どこかでしてもうとるかいな、これは。どうですか。
 
○荒島次長 それでは、前回、最終案を御説明してからの見直し点等を含め、御説明させていただきます。
 前回の委員会で、まず水産王国みえの位置づけというところで、復活という部分がございました。最終案では、「「水産王国みえ」としてさらなる発展に向けて」という表現があったわけですが、その部分につきましては「「水産王国みえ」の復活とさらなる発展に向け」というような修正をさせていただいております。
 それと、第3の基本的な方針及び主要な目標の部分でございます。主要な目標については、漁業産出額の全国に占めるシェアが、昭和59年と同等の水準である4%となるよう、漁業産出額を増加させることを目指し目標値を設定していることを追加させていただきました。
 このほか、安定した経営体の育成において、これは西場委員からも言われた話なんですが、個人経営体に対する部分ということで、もともとは「操業の効率化など所得向上につながる漁船や省力化・省コスト化に必要な機器等の導入」という表現であった部分につきましては、「個人経営体をはじめとする漁業経営体の所得の向上や経営安定のため、操業の効率化など所得向上につながる漁船等の必要な機器等の導入」という部分に改めさせていただいております。
 次に、漁協の合併の部分でございます。1-2-3、水産業協同組合の経営の安定の部分では、「組合員の合併に対する理解と賛同が得られるよう、組合員の意見を十分に聴き取りながら協議を促進させていただきたい」という部分を書かせていただいております。
 また、1-3-3、活力ある漁村の構築の部分につきましては、「「浜の活力再生プラン」などの策定・実践に取り組む漁業者等を支援」という表現を、「各地域の現状を幅広く聞き取り、取組の成果、課題を踏まえた指導や助言を行い、浜の活力再生プラン等の策定・実践に取り組む漁業者等を支援してまいります」というような書きぶりにいたしました。
 また同じ、活力ある漁村の構築の部分でございますが、「漁港施設等の有効利用により、都市と漁村の交流や新たな産業の誘致等を促進」という表現につきましては、「漁業体験や遊漁など、余暇活動に訪れる方々の受入れ並びに観光業との連携による都市と漁村の交流、新たな産業の誘致等を促進するため、水域及び漁港施設等を有効に活用」という部分に改めてございます。
 また、新型コロナウイルス感染症の関係の部分でも若干追記しておるところがあり、第4の基本的施策の1-1-2、競争力のある養殖業の構築の部分において、これまでマダイに依存していた生産体制からの脱却など、魚類養殖の構造改革に取り組むことについて追記しております。
 また、1-2-1の多様な担い手の確保及び育成においては、都市の若者等を本県の漁業に呼び込む仕組みづくりを進めることについて追記させていただいております。
 主な修正等の場所につきましては、以上のとおりでございます。
 
○西場委員 議会や委員会のほうの意見をかなり取り入れていただいているので、努力を評価したいと思います。
 
○津田委員 趣味の部分に入っちゃって申し訳ないかもしれません。先ほどマダイに依存した生産体制からの脱却ということで、マダイ以外にどういう魚種を考えておられるのか。
 
○伊藤(徹)課長 マダイのほかに、現在、養殖をされているブリの増産であるとか、クロマグロの増産も含めて、新たな魚種としましては、トラウトサーモン、カワハギ、そういった新魚種の導入を、これから検討していきたいと思っております。
 
○津田委員 それと、また趣味の話と言われるかもしれませんけれども、最後のほうで、「漁業体験や遊漁など余暇活動に訪れる方々の受入れ並びに観光業との」云々と。「漁港施設等を有効活用」というふうに書いてありますけれども、具体的にどういったところを想定しておられるのか教えていただきたいんですけれども。
 
○福田課長 漁港施設の有効活用という部分では、これから漁港の在り方とか、その辺を考えていく中で、集約化とか施設の効率的な使い方とか、そういう見直しをしていく必要があると考えていまして、その中でどうしても余剰施設というのが出てきますので、そういう部分では空いた水面を活用して、例えば増養殖に使うとか……
 
○津田委員 何に使う。
 
○福田課長 養殖とか、そういう形に使うとか、またプレジャー利用の船の受入れとか、そういうことを、今後、地域と相談しながら進めていくというようなことを考えています。
 
○津田委員 地域の方々と相談しながら、例えば海の駅ではないですけれども、そういったことも含めて考えていくこともあり得るというようなことか。
 
○福田課長 漁村の場合、一応、漁港管理という、漁港を中心に漁村のコミュニティーというものがあるかと思いますので、いろいろな活用の仕方というのが、これから出てくるかと考えます。そのあたりは、やはり地域の意向とかその辺が大きく左右してきますんで、地元と御相談しながら。漁港管理の面でいくと、今まで漁港として利用している部分が、やはりどうしても余ってくるとか、使い方が変わってくるということがあって、今後の利用方法を検討していく必要があるということで、計画上はこういう明記をさせていただいておるというところでございます。
 
○津田委員 それと、釣り客に対する何か取組みたいな、仕掛けみたいなものはありますか。釣りクラブの事務局として、ちょっと質問せなあかんなと。
 
○藤田課長 遊漁なんですけど、海での釣りということなんですけれども、不特定多数で県内各地で行われているということで、なかなかその実態というか実数把握が難しい中で、目標として設定はしておらないんですけれども、ただ、まだ全体の漁村としての活性化につながる取組の数として目標の設定をして、その中で広く漁村の活性化を図っていくというような形で考えております。
 
○津田委員 これから徐々に考えていただける、というような感じで受け止めていきますので、またお付き合いのほどよろしくお願いします。
 以上です。
 
○西場委員 先ほどの説明のあった内容をちょっと確認したいんですが、A3の大きなこの三重県水産業及び漁村の振興に関する基本計画の概要の中の1ページの左下の主要な目標の令和11年度で574億円の目標というのが、昭和59年の4%と言われたんでしたっけ、この数字の内容について、もう一度確認したいんですが、これは変更になったんですか。前の原案とどう変わったの。
 
○荒島次長 昭和59年当時、三重県の漁業産出額の水準が4%ということで、「水産王国みえ」の復活と考えた場合、やっぱり元の4%程度には上げていく必要があるのだろうということで4%になるように設定はしております。
 
○西場委員 そうすると、1段上のところに、ピークの昭和59年の1248億円というのがあるけれども、これの4%を三重県がやっておったの、その当時。
 
○荒島次長 昭和59年の全国の産出額のうちの4%が三重県の漁業産出額に当たるというところです。
 
○西場委員 そうすると、それを目標にするという説明かな。
 
○荒島次長 その後、三重県も全国もそうなんですが、漁業生産が落ちていく中で、今、三重県の全国の漁業産出額の割合が4%からどんどん落ちてきて、たしか3%なりの台だと思いますか、それをまた4%となるように目標を定めているというところでございます。
 
○西場委員 そうすると、昭和59年当時の額じゃなくて、現在の生産額の4%、そういう意味でしたね。
 それから、よろしいですか。
 
○中瀬古委員長 はい、どうぞ。
 
○西場委員 「水産王国みえ」の復活というのを上げていただいて、非常に目標としてしっくりとはまったような思いが強くしておるんですが、金額はもちろん大事なところなんですけども、今までの経緯の中で、非常に重要なことは、漁業者数が1段上に書いてあるように、2万2000人あったのが6000人になっているというこの落ち込みの多さだと思うんですよね。三重の水産の特徴として海岸線が長いし、津々浦々という言葉がありますけれど、まさに三重県の当時の実情に合った状況だと思うんですが、たくさんの大中小の漁港や漁業協同組合や、様々な漁業関係者がいて、三重の水産王国を形づくっとったということなので、今日の説明にもありましたように、それの大半を占めておる個人経営の小規模な事業者、漁業者をしっかり支えていただく、こういうことが水産王国の漁獲量とともに大きな柱になると思うんですが、その点についてもう一度確認をしておきたいと思いますが、いかがですか。
 
○荒島次長 委員のおっしゃるとおり、漁業者の数というのが年々減少してきているのは事実です。平成30年の漁業センサスで、漁業就業者数が大体6100人、過去からの割合でいくと、おそらく次の5年後には5000人ぐらいにというような格好にはなってくるかと思います。
 ただ一方で、内訳を見ると、5年間のセンサスの期間があるものの意外と59歳未満の漁業就業者の割合というのが余り減っていない。要するに、平成25年のセンサスだと、分母が7700人いたうち、極端に言うと24歳までの割合は1.8%しかなかったものが、30年は、先ほど言いました6100人の中で1.8%から5年たったら2.2%、要するに若い方がだんだん増えてきていると。若い分だけ、そういった最近はやりのスマート化なりなんなりに取り組むことで、生産性というのはかなり向上するんだろうなという考えでおりますし、県としても、そういう人らを普及員を通じてなりなんなりしてでも支えていって、三重県の漁業を発展させていきたいという考えでございます。
 
○西場委員 非常に期待の持てる傾向、数字を聞かせてもらいましたので、ぜひそれを助長していくように、行政は政策で支援していっていただきたいと思っています。
 少し心配する傾向は、今度の漁業法の改正を含めて、企業の進出が相当図られてくるという中で、優良な企業がどんどん入ってきてもらうということはもちろん結構なことだし、今後の三重県の水産の振興につながってくるんですが、それを進めるあまり小規模漁業者の排除につながっていくというようなことになってはいけないし、そこに歯止めをかけるのに、きちっと県の行政としての対応というのが必要だというように思っておりまして、今日は後でまた説明もありますが、漁業法の改正を契機にしたこれからの変化の中では、小規模とはいえ、スマート化も取り入れた若い人たちの個人経営体をいかに育成していくかというところについて、強くしっかり意識して取り組むように、この基本計画の新たなスタートにおいて改めてお願いをしておきたいと思います。何か御意見、考え方があれば聞かせてください。
 
○藤田課長 今度、改正漁業法の施行で海面利用制度が変わりますけれども、基本的な部分で地元の漁業者の皆さんで構成しておられる漁業協同組合、そういったものの共同漁業権という部分については変わりません。なおかつ企業参入等々進めるというような形で、進めやすいという形で養殖などの区画漁業権などの制度が変わる部分がございますが、海面利用をする上で、同じ海面を既に利用している地元の漁業者の皆さん、そういったものの意向に反して、勝手に企業なりなんなり別の組織が海面を利用するのに参入するということができない仕組みになっております。その部分はきっちり押さえた上で、やはり地元の皆さんにとって一番好ましい海面利用の在り方ということで進めてまいりたいと考えております。
 
○西場委員 分かりました。
 
○中瀬古委員長 時間が1時間以上経過をいたしましたので、換気のために一旦休憩としまして、再開を11時20分からとしたいと存じますので、暫時休憩いたします。お願いいたします。
 
(休  憩)
 
 
○中瀬古委員長 それでは御質疑をお願いいたします。
 
○藤田委員 目標値を総額で書いていただいていますけれども、96%が個人経営体で、そのうちの67%が販売金額が500万円未満、これは1人の販売金額か、それとも漁業経営体1つの販売金額なんですか。まず、それをちょっと確認させてください。
 
○伊藤(徹)課長 500万円未満につきましては、漁業生産者1人当たりの数字として設定しております。
 
○藤田委員 そうすると、親子でやっていると販売金額が1000万円未満という理解でいいですか。世帯金額か個人かということなんですが。
 
○伊藤(徹)課長 基本的には世帯を1とカウントしていますので、解釈としては1世帯当たりの計算という形で考えております。
 
○藤田委員 これは大変だなというのが第一感なんですね。恐らくこれから経費を引かれて、どのぐらい手元に残るのかなというあれなんですけれども、こういう漁家というんですか、漁師の家庭の1世帯の収入が500万円未満の人が67%という状況で、若い人の割合が増えているというふうにおっしゃいましたけれども、その辺のところ、こういう現状から具体的に増えているという一つの指摘は、割合はあったにしても、このあたりに対して、やっぱり行政としてどうしていくんだということを、恐らく計画では書いていただいていると思うんですけれども、この辺のところの目標設定というのは必要ないものなんですかね。その辺のところはどんなふうに考えていらっしゃいますか。
 
○伊藤(徹)課長 委員御指摘のとおり、経営体数であるとか漁業者数は、まさに減少しておる状況ではあります。ただ一方で、そういった個人の零細な企業、個人経営体もしっかりと守りながらなんですけれども、法人化であるとか、AI、ICT化等を活用して、主に目標の大きなところは、魚類養殖を含む養殖業でしっかりと目標の達成を目指していきたいというふうに考えております。養殖に関しましては、スマート化でありますとか、ロボット技術活用の省力化、そういったものを一つ一つ丁寧に実施していきながら、1人当たりの漁業生産額自体を増加させていきたいというふうに考えております。
 
○藤田委員 ぜひやっていただきたいんですが、目標設定はされていますか。これぐらいのところまでは持っていきたいというような。農業の場合ですと幾らという一つの目標を立てていただいていますけれども、そういう目標もこの計画の中には要るんではないかなということで私は申し上げているんですが、その辺はどうですか。
 
○伊藤(徹)課長 現状、経営体の目標に関しましては、A3資料の2ページ目の1-2-2、安定した経営体の育成のところで、今現在、各漁村において、「浜の活力再生プラン」というものを策定いただいております。その中で個人経営体の所得向上と経営安定に資するための取組を盛り込んでおりますけれども、5年間で10%のアップをこれで見込んでおるというところで計画の中には盛り込んでおります。
 
○藤田委員 目標として10%というのは分かりましたけれども、やはり漁師として生活をしていくためには絶対的な金額も必要かなというふうに思いますので、その辺のところも考慮を入れていただいて目標設定を考えていただければなということをお願いして終わります。
 
○東委員 3点ほどですが、一つ一つ行きますか。まず1-3-1の水産業の基盤の整備で、拠点漁港における耐震・耐津波対策を行った施設と、整備延長計画ということで、10年間で倍ぐらいに増やすということなんですが、これは当然、国の予算の裏づけがないといけないと思うんですが、これを書くということは、この次に拠点漁港の整備計画というものが当然出されるんですかというのが1つです。
 それから2番目が魚類養殖ですかね、これは漁業種類別の施策の展開方向ということで、船びき網漁業及びまき網漁業、それから定置漁業、一本釣・刺し網・はえ縄等沿岸漁業、底びき網漁業とあります。それからその次に、2-7に魚類養殖というのがあるんですが、自動型給餌も含めてAIとかいうことをシステム化するということだと思うんですが、これですけれども、委員会で大型の魚類養殖の施設を今度調査に行こうということにはなっているんですが、それはペーパー上の話とか、今やろうとしていることなんですが、魚類養殖の母数そのものもこれから増えていくんだと思うんですね。計画的に。水産庁もこれから増やしていく必要がある。それから食料の需給のバランスもあるので、増やしていくにはいわゆる漁船漁業だけじゃなくて、魚類養殖が必要だというふうに思うんですが、この辺の、今、こんな形の、完全自動型給餌とか疾病に対する早期発見システムとか、そんなことじゃなくて、もっと大規模なことは、三重県としてはお考えの中にはないかということを聞かせていただきたいというふうに思います。
 それから3点目なんですが、これはちょっと誤解を招かないために、あらかじめ申し上げるんですが、内水面地域の活性化ということですね。稲森委員が先日、一般質問をしましたけれども、あれは県が発注した側で今協議していて、多分、常任委員会にかけられると思うんですが、農林水産部としても、そのことは当然、協議の中に入っているんだと思うんですが、この部分では、やっぱり内水面をどう環境をよくしていくのかという視点で、つまり都市化あるいは災害あるいは公共工事によって、本来持っている河川の機能、つまり汚濁も含めてですが、理想的な生態系に戻していくということを絶えず視野に入れながらやるということが大事だと思うんですね。
 津田委員もさっき言っていましたけれども、いろんな人に来ていただくという施策も併せてやっていくわけですが、例えばうちの地元の銚子川なんかは非常に有名でして、一気にお客さんが来ると、やっぱり当然ごみの問題とか、交通問題も含めていろいろな諸課題が出てくるわけです。そういった、これまでに近代化社会を求めてきた中で、やっぱり取り残された部分というか、もっと目を向けなければいけない内水面の環境整備みたいなもののことで、どう考えているのかということをお尋ねするんですが、具体的に、これまで予算的にカワウ対策も含めて予算をつけていらっしゃったと思うんですが、非常に少なくなってきているというのが現状だと思うんですが、その辺の見込みについてもお聞かせをいただければと思います。
 
○福田課長 まず1つ目の水産基盤の整備の目標の関係についてお答えさせていただきます。
 漁港施設その他ですけれども、御存じのように、かなり整備から時間がたつ漁港も多くなってきていまして、古くなってきているということが1つ。それと漁業の形態も変わってきて、先ほどもちょっとお話があったんですけど、集約化とか再編とか、その辺のことが課題になってきています。防災、減災も、南海トラフ地震等がございますんで、当然進める必要があるんですけれども、全ての漁港について、その対策を施していくということは、かなり困難なことと考えておりまして、その中で先ほどの漁港機能の再編とか集約化という部分で、拠点漁港に漁業を集約して、市場とかその辺もしながら、どのように将来の漁港を描いていくかとか、漁業を描いていくかということが課題と考えているということで、水産基盤の整備についてもそういう計画を立てて、そういうところで今後発展させていくべき漁港を中心に整備を進めていきたいというふうに考えています。そのために、まずは拠点漁港において、そのもう一つの切り口、防災、減災のための整備を重点的に進めたいということで、ここで目標を立てさせていただいているというところです。
 先ほど御質問のありました今後の拠点漁港の整備の計画は出てくるのかという件ですけども、全体的な部分というのは、まだまだちょっと詰めなあかんところはあるんですけど、今、流通拠点漁港というのが、県で管理しているだけでも3港あるんですけれども、まずはそこをどうしていくかということを、今後そういう整備も含めて検討していかなあかんということで、今、奈屋浦の漁港のほうで、地域の漁協とかを中心に、いろいろ検討の話をさせていただいていまして、その後には、ほかの漁港へも、そのまま同じような取組を進めていきながら、どのような漁港の姿とか、そういう整備の方針とかを考えていきたいと考えています。
 
○伊藤(徹)課長 2つ目の魚類養殖の件についてですけれども、県としましては、養殖業の成長産業化はもちろん重要な施策というふうに位置づけております。委員がおっしゃったように、国のほうの戦略も養殖を成長産業化していくということで、本年7月に戦略を立てたところでございますけれども、県としましても、まず生産性の向上の部分については、法人化、協業化、あるいはこれは慎重に検討する必要があると思いますけれども企業参入、そういったところも含めての生産性の向上を図っていきたいというふうに位置づけておりますし、また収益性の向上という部分につきましては、当然、国内市場の拡大というのは1つあるんですが、将来的には輸出をいかに拡大させていくかというところが非常に大きなポイントになるというふうに考えております。そういったことの生産性の向上と収益性の向上、その部分でしっかりと成長産業化を促進していきたいというふうに考えておるところです。
 
○藤田課長 内水面地域の活性化につきまして、予算的な部分で非常に厳しい部分があるということで、その部分については、アユの生息実態の把握ですとか、あと資源の維持増大策の検討など、いわゆる増殖のため、あるいはカワウ対策のための予算というのが、非常に厳しい中で支援をさせていただいているところでございます。
 ただ他方、銚子川での事例も御紹介いただきましたが、銚子川などで取り組んでいただいているような河川の豊かな環境を取り戻すような活動は、水産多面的機能発揮対策交付金というのがございます。そちらのほうにつきましては、国の支援も含めまして、予算的にはもっと大きな規模で続けていけるような形になっておりますので、そういった部分については今後も引き続き力を入れてやっていただけるものと考えております。
 
○東委員 3点について御答弁いただいたんですが、流通拠点漁港につきましては、これは冒頭に「水産王国みえ」の復活というタイトルからして、当然インフラ、漁港、売りさばき、それから冷凍、加工、それから流通という流れの中で、やっぱり近代化は絶対必要だと思います。もちろん防災、減災のお金を使ってやるべきだと思いますが、新たな時代の「水産王国みえ」を目指すんであれば、そこは必ず、確実にやっていただきたいなというふうに思います。例えばHACCP対応の漁港システムとか、そんなことが次の時代に当然来るんだと思いますので、ぜひ取り組んでいただきたい。
 それから、魚類養殖ですけれども、御答弁をいただいたんですが、水産庁の出した養殖魚の計画の中に5つのパターンがあると言われていますよね。海外への輸出も含めてなんですが、マーケットイン、つまりどういうものを欲しがって、どういったところへ流通していくのかということがあって、生産現場に落とし込んでいく。これが肝ではあるというのは前から言われていますが、具体的にやっていかないといけない。それから僕は、農林水産で生産者育成とか漁師を増やすとかというところの計画のバックボーンには、やっぱりどれだけの生産をして、どれだけ販路を拡大するのかという流れが必要だというふうなことだと思います。
 やっぱり養殖業の今の小割りシステムの規模とかいいますと、規模が小さい、天候に左右されやすい。台風とか、それから海面養殖ですので、水温が非常に高くなると魚種そのものも耐え切れなくなるという現状も非常にあったりして、大規模で、しかもやっぱり先進的な世界に通用するような養殖技術の導入というのを三重県が打ち出されたらどうかなというふうに思います。
 ノルウェーが水産養殖業では一気に。苦悩したときもあったと思うんですが、今はもう世界に占める率がすごいですね。だから、日本の水産王国としての復活、それは併せて三重県の水産王国ということで代表格にぜひなっていただきたい。それは、1つは養殖業、それから市場機能ということのリンクだと思います。
 それから、内水面につきましては、これは本当に我々県民、国民として、身近な川がおざなりにされてきたという歴史があると思うんです。インフラ整備でいろんな影響を被ってきた、弱いところでしわ寄せが来たというふうに思うんですが、私がどこかで発言しようかなと思っているのがグリーンインフラですね、グレーインフラからグリーンインフラという形で自然工法的なものを公共工事の中に入れ込んでいくと、国土交通省が2018年ぐらいから打ち出していますが、ぜひ取り組んでいただいて、そこに予算をつけていく。インフラ工事の中で自然、生態系を戻していくという工法に取り組んでいくということが肝要、大事ではないのかなと。
 もちろん内水面漁協の活動に対しての具体的な支援で、やっぱり県民に理解していただけるような活動、資金提供をしていくということも一方では必要なのではないかなというふうに思いますが、部長、もし御答弁があればよろしくお願いします。
 
○前田部長 最後の河川の環境整備ということでお話を頂きました。農林水産業は、まさしく自然に密着した産業でございます。以前よく森は海の恋人というようなフレーズもあって、ずっと山から川へ、そして海へという水の循環の部分、基本的にはこれを非常に大事なところだというふうに思っています。先ほど少しお示ししていただいたようなグリーンインフラの部分も、これは私どもが対応できるのかどうかというところもあるとは思いますけれども、今現在でも多面的機能の活動で、例えば明和町の祓川なんかは環境保全の活動で地元の方に一生懸命取り組んでいただいておる。そこへまた青年部の方も入ってきて活動を広げておるというような事例もございます。そういう形で、川の水質を、環境サイドの排水の規制でやるとか、一方で治水の機能というのも当然出てくるとは思いますけれども、農林水産部としては、やはり豊かな海に流れる豊かな水というのが非常に大事になってくると思いますんで、基本的には山のほうの丁寧な整備、森林管理、そういったものもつながってくる部分になりますので、そういった部分で農林水産部でできることを、今後さらに広げていきたいというふうに考えてございます。
 
○稲森委員 1点だけ。内水面のことで、僕も以前、誤解を与えたなという可能性があって、すごく一般質問をするのに悩んだんですわ。めちゃくちゃ。ごくごく一部の問題のあるところと、本当に守らなければ、保全しなければいけない清流だったり、そういうところを保全するということとを、どのように考えたらいいんだろうかと。一方では許されない部分と、一方では守っていかなければいけない部分があるというところですごく悩んで、質問時間が倍ぐらいあったらもっと丁寧な一般質問ができたんかなと思っているんですけれども。
 ただ、内水面漁協の問題というのは、清流を守っていく、川を守っていくという大きな課題の中で取り組んでいただいていくということはすごく重要なんですけれども、例えば県なりがお金を出して支援していくけれども、その成果というのが具体的にどういうふうに見えていたりとか、住民にそういう情報がしっかり共有されていて、行政としても、そのことを具体的にどういうふうに評価しているのかということを明確にオープンにしていくということがまず大事なんかなというふうに思って。だから、長年こうだったからこうなんです、10年前こうだったから、これからも払い続ける、支援していくんですということではなく、県が求めることと取り組んでいただかなければいけないようなことをしっかりオープンな形でやっていってほしいなというふうに思います。
 一方で、現実として起きている問題も、課題もあるので、そのことも農林水産部が。桑員河川漁協の問題とか伊賀の話もありましたけれども、そういうところはしっかりめり張りをつけて、漁協に任しときますよということではなく、農林水産部の立場で、県民の立場でしっかり役割を果たしていっていただきたいなというふうに思いますけれども、その辺はどうでしょうか。
 
○前田部長 私どもも、そういう内水面の環境保全ということに、漁協が一生懸命取り組んでいただいておるということは十分認識しておりますし、今後もそれを担っていただく大事なパートナーだというふうに思っています。
 そういった中で、今回こういうような事案もあったということですので、内水面漁連の方とも少しお話もさせていただきながら、まずはコンプライアンスの部分で、内水面漁連の中で御検討いただくということをお願いしておるところでございますし、それを受けて県のほうも、どういった支援ができるのか、連携ができるのかといったことも考えていきたいなというふうに思っていますので、全部が全部、漁協にお任せするとか何々するとかいうことじゃなくて、県もきっちり入った中で。
 今回の案件もそうですけれども、やっぱり私は透明性かなというふうに思っています。先ほど稲森委員が言われたような住民への広報というような部分も含めて、透明性の確保というのが、やっぱり非常に大事かなというふうに思っていますので、そこのところを中心に置いて、今後また内水面漁連の方とお話合いをしていきたいなというふうに考えています。
 
○稲森委員 そのとおりだと思います。どうぞよろしくお願いしたいんですけど、不祥事というのは、もう改革の最大のチャンスだと思っていますので、今を逃してはいけませんので、お互いに地域もよくなっていくように取り組んでいただきたいと思います。お願いします。
 
○西場委員 これは水産施策の10年間の基本計画ですので、この機会にあえて質問して、いろいろ教えてほしいんですが、今後の栽培漁業の取組について、そのポイント。それからいろいろ問題になっておるコウナゴ、アサリの減少の調査と対策。それから環境問題で、貧栄養化でノリの減少、品質低下が問題になっていますが、この海水、漁場の貧栄養化に対してどうしていくかというところについては、今、本当に懸案の課題ですので、基本計画の中のポイントだけ、簡単でよろしいので説明してください。
 
○藤田課長 栽培漁業に関してお答えいたします。
 現在、第7次の三重県栽培漁業基本計画を推進しておりまして、再来年度、令和4年度から、次期三重県栽培漁業計画を立てて、それに基づいて、また次期計画を進めていく予定としております。この中で、本当に放流して、それが漁業者の皆さんへの効果となって反映されているかとか、そういったことを検証しながら、栽培漁業の検討会、そういったものもつくりまして、計画の見直しと策定に向けて今後進めていく予定としております。
 
○伊藤(徹)課長 コウナゴ、アサリの減少への対応でございますけれども、まずコウナゴ、イカナゴにつきましては、現在、水産研究所が中心となって、夏眠場での海水温の連続観測等、あとは愛知県も同様の資源を獲っておりますので、愛知県と連携した採集調整などを行っておるところでございます。
 ただ、資源回復は非常に厳しい状況の中でございますので、今後、引き続き資源の状況の把握であるとか、減少原因の究明に努めていくというところで基本計画の中には盛り込んでございます。
 あと、アサリにつきましても、御指摘のとおり非常に厳しい状況が続いております。ただ、アサリに関しましては、現在、母貝場となる干潟の造成であるとか、あるいは貧酸素の解明に向けた発生要因の解明、そういったものをしっかりと追跡していくことで資源回復に努めていきたいというふうに考えるところでございます。
 それから、貧栄養化のノリの対策ですけれども、これも鈴鹿水産研究室が中心となりまして、そういった貧栄養化に耐性のある新たな品種の開発を現在進めております。当然、海況は、これから異常気象等で非常に厳しいことが予想されますので、しっかりとした環境変化に対応できる品種の生産、種苗、そういった生産に努めていきたいというふうに考えているところです。
 
○西場委員 栽培漁業については、来年度からの次期ですか、8次になるんですか、これについての検討が開始されるというので、ぜひ三重県に合ったものをつくっていただきますように今後期待しますし、また関心を持たせてもらいたいと思います。
 アサリ、コウナゴのところは、もう長きにわたって、何年もこういう状況が続いておるし、県や関係者がこれに取り組んできたけども、今、的確な原因と、それに対する対応が十分でないというようなところがあって、関係者にとっても、一体どうなっていくかというのが先の見えない大変不安な問題がありますので、何とか先進県等の対応も含めて、これに対する取組の具体的なものを、この新しい基本計画スタートと同時に、もう一度拍車をかけてもらうようにお願いいたしたいと思います。
 それから、貧栄養化に対する黒ノリの品種改良、これは対処療法として、具体的な対応として頑張っていただきたいと思いますが、やっぱりこの海域、漁場が貧栄養化になってきた原因というのは何かということになると、非常に大きく深いものがあると思っております。この常任委員会が所管します環境生活部においても、河川や海の栄養の低下の問題で、海や川をきれいにする、クリーンにするということじゃなしに、水産の動植物がそこにすめるような豊かな海域、水域にしてほしいということで多くの委員から意見も出ました。環境生活部のほうからも県土整備部、農林水産部とともに協議をして、これに対する抜本的対応をやっていきたいという改めての回答も得ております。
 ノリをはじめ、海の栄養低下が及ぼす影響というのは非常に大きいし、これに対する具体的なものを何をもってやっていくのか、長期にわたってでもいいですから、この機会に取り組む必要があるので、ぜひお願いいたしたいと思います。改めて御決意があれば伺います。
 
○前田部長 先ほども少し東委員の御質問にお答えさせていただきましたように、やっぱり豊かな水域、豊かな海域というのが、今後の農林水産業の基本になってくることだというふうに思っていますので、私どもができること、あるいは環境生活部ができることで、複合的な対策にならざるを得やんかなというふうに思っていますので、その辺は、情報共有、情報交換もしながら、部局横断的な形で検討してまいりたいというふうに考えてございます。
 
○西場委員 お願いします。終わります。
 
○中瀬古委員長 他にございませんでしょうか。
          〔発言の声なし〕
 
○中瀬古委員長 それでは、なければこれで本議案に対する質疑を終了いたします。
    ウ 委員間討議   なし
    エ 討論      なし
    オ 採決      議案第140号   挙手(全員)   可決
 
○中瀬古委員長 以上で農林水産部関係の議案審査を終了いたします。
 ただいま11時55分です。ここで一旦休憩といたしまして、再開は午後1時からとしたいと存じます。
 暫時休憩いたします。
 
(休  憩)
 
 2 所管事項の調査
 (1)「『令和2年版成果レポート』に基づく今後の『県政運営』等に係る意見」への回答について(関係分)
 (2)新型コロナウイルス感染症への対応について
    ア 当局から資料に基づき説明(前田部長)
    イ 質問
 
○中瀬古委員長 それでは、御意見等がありましたらお願いいたします。
 
○西場委員 経営継続補助金のところで、林業分野ゼロ件というのは、農業分野約700件、水産分野約300件に比べてちょっと少ないんですが、これはどういう状況でしたか。
 
○横澤課長 林業分野におけます経営継続補助金、国の制度のほうではございますけれども、県内に対して、林業分野としても、この制度の周知は団体等も通じながら行っているところでございます。
 そういった中で、1件は申請に向け調整中ということで聞いておるんですけれども、ほかのところでは、まだ現段階においてそういったものを使うという意向を示されている事業体がいないということで、ゼロ件という状況になっているということでございます。
 
○西場委員 三重県だけ、全国的に比べて極端に少ないのか。何かちょっと理由が分かりにくいんだけど、どういう推察をしているのかな。どうしてなんだろう。
 
○横澤課長 他県の状況等、なかなか情報が入っていないような状況にはあるんですけれども、聞いている中で、まだそこまでといったような話を聞いておるところでございます。
 
○西場委員 これは今後もまだ申請のチャンスがあるんですか、2次募集、3次募集とか。どういう制度になっていましたか。
 
○横澤課長 経営継続補助金については、まだ申請可能だというふうに思っております。ですので、こういった制度があるよという話については情報提供を引き続き行いながら、個別の林業事業体の意向をよく把握していきたいと思っております。
 
○西場委員 農業分野約700件というのは、数字としてはどういうふうに受け止めておるんですか。そして北勢、中勢、南勢のような地域的なばらつきがありますか。どういう分野にこの申請が多く上がっているのか、その特徴をつかんどったら教えてください。
 
○岡本課長 約700件という件数総数につきましては、全国的にも農林水産省のほうが当初予定した想定数の数倍程度の応募があって、各都道府県についても、内訳については同じような傾向だというような情報を聞いてございます。
 あと、地域別に、あるいは品目別に、どういった農家の方が申請をされたのかという内訳については、国のほうも、そこは公表しないということで聞いておりますので、ちょっと分かりませんけれども、全国的にも当初の想定の数倍以上の応募があったということで、かなり積極的に各分野で農家の方が申請されたのではないかなというふうに推定しております。
 
○西場委員 これは9月募集もあったと聞いておるんですが、それはまだ最中なんですか、もう終わったんでしょうか。そしてその次の3次募集もあるんですか、どんな状況ですか。
 
○岡本課長 委員がおっしゃったように、この約700件という数字については1次募集分ということでございまして、先ほど申しましたように、全国的に想定以上の申請があったということで、審査に国のほうも少し時間がかかっているという状況を聞いてございます。約700件に対する採択はどうなるのかということについても、10月にはあるというような内々の情報も聞いておりますけれども、1次募集の採択状況もまだ通知のほうは来ていないという状況でございます。2次募集については、当初は10月中にあるという話を国から聞いていたんですけれども、1次募集の審査が遅れているという状況があって、2次募集もそれに伴って少し後ろにずれているんだというところでございます。まだ3次募集があるのかということについては、国からはそこまでの情報はお聞きしていないというのが実情でございます。
 
○西場委員 この採択というんか、申請の条件として、かなりハードルは低いと聞いておるんですが、新型コロナウイルス感染症関連でこういうものに限るとか、いろいろ条件があるとすれば、もう一度確認したいんですが、どういうものに適用されるんでしたか。
 
○岡本課長 少し農業ということで偏ってしまうかもしれませんけれども、この補助金の目的としては、新型コロナウイルス感染症の影響を克服するというのが大きな目的ということでございまして、その中身については、感染拡大防止対策、消毒・衛生関係ですね、手指消毒のための資材であるとか、そういったものも対象になりますし、販路開拓・回復、それから生産方法ですね、反転攻勢に向けて替えたいということで設備投資されるというものについても対象になるということで、生産に関係する機械・設備類も対象になるということで、国のほうからは案内が出てございます。
 
○西場委員 その窓口が農協ということ、漁業協同組合でもあり、森林組合でもあるんですけれども、その組合のそれぞれ生産者に対するPRの仕方とか、いろいろ案内の仕方によって、応募が多くなったり少なかったりするようなことがあり得るのかどうかというようなところが気になるんですが、偏りがある、どこかの組合には多く応募があったけれども、このところはなかったとか、そんなことにはなっていないのか、県としてそんな点はどういうように実態をつかんでみえますかね。
 
○岡本課長 これも農業という限定になってしまいますことをお許しいただいた上でですけれども、農業に関しましては、農林水産省はこういう事業を出すという情報があった段階で、JA全中、全国農業協同組合中央会のほうで、かなり積極的に、これは農家のコロナ対策として有効だからということで取り組もうという方針を出していただきました。それを受けて、JA三重中央会のほうでも積極的に取り組んでいただいて、各JAに対して推進をということで働きかけをしていただいて、その結果が想定の数倍という申請につながっているというふうに考えております。
 また、JA系統との取引は少ないと言われるような生産者の方もおられますので、そういう方については、各県に農業経営相談所というのが1つ、これは県が指定をして位置づけるということで設置がされてございます。三重県の場合は、三重県農林水産支援センターになってございます。JAには、なかなか相談がしにくいねという生産者の方につきましては、農林水産支援センターのほうがJAに代わって計画づくりのサポートということで積極的に取り組ませていただいて、これだけの数字につながっているのかなというふうに捉えております。
 
○西場委員 補助金の支給は何月ぐらいになるんですか。
 
○岡本課長 恐らくというか、採択が少し国の想定よりもずれているというところがありますけれども、執行は年度内ということで、年度切りの事業ということで現状仕組まれてはおりますので、早々には交付決定がされてということにならないと、事業執行期間が短くなってしまいますので、それなりの時期には交付がされるんだろうというふうに思っております。
 
○西場委員 大体理解しましたが、水産分野のほうも約300件あるんですが、この状況について、三重県として少し特徴的なところがあれば教えてください。
 
○伊藤(徹)課長 水産分野は現在300件余りということで、かなり多岐な内容で申請をいただいているようですけれども、主なものとしましては、船に取りつける無線機が主だというふうに聞いております。申請状況も、補助金の本来の枠を超える以上の申請をいただいているようで、先ほどの農業の発言と同じく、若干審査に時間がかかっておるということは聞いておりまして、本来、9月末には決定する見込みであったものが少し遅れているというような状況であるというふうに聞き及んでおります。
 
○西場委員 件数として、この約300件という数字はどう受け止めてみえますか。
 
○伊藤(徹)課長 補助金額の枠からすれば、それを超えておりますので、想定以上の申請をいただいているものというふうに認識しております。
 
○西場委員 分かりました。コロナということもあって、またそれ以前からも厳しい経営状況にある第1次産業でございますので、こういった国の4分の3という高率な補助金は、今、無線機という話がありましたが、こういったものを設備して、厳しいこのコロナ禍の中で、さらに経営を継続し、発展させていこうという方をサポートしていくのに非常に有効な補助金だと思うので、ぜひこれはしっかりと生産者にこの補助金のありようをPRしてもらいたいし、そして国に対しては、これをさらに継続するように働きかけてもらいたいと思いますし、そんなことで、この補助事業を活用していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 
○藤田委員 関連して。県独自の補正予算というのはよく分かるんですが、国から直接団体等へ交付されるこの交付金なんですが、県はこの交付金の事業に対して、どんなふうに関わってみえたのか。特に先ほど西場委員のほうからお話があったように、この情報を県としては農協であったり、あるいは個々の生産者であったり、あるいは農業者団体であったりに対しての情報は、どういう形で提供されておったのか、その辺のところをちょっとお聞かせいただけませんか。
 
○近田次長 国から直接団体へ交付される支援事業の取組ですけれども、県では経営継続補助金の場合につきましては、先ほど岡本課長が説明しましたように、JA三重中央会等に一生懸命旗を振っていただいたというようなことで、いろんな会議、説明会の場なんかにも県の担当者として出席をさせていただきまして、情報の提供とか、いろいろなアドバイスとか、あるいは普及員なんかも細かい計画づくりなんかにもタッチをさせていただいたというようなところでございます。
 あと、高収益作物次期作支援交付金の場合ですけれども、これにつきましては、事業者のほうが要件ということで、地域農業再生協議会というのが事業者になるというようなことになってございますので、そうした協議会と一緒になって、国との調整、それから協議会の中での調整ですね、どういうふうに進めていったら、効率的にこの事業が活用できるのかというようなことでのいろんな助言とかサポートとかといったようなことをさせていただいていますし、あと高収益作物次期作支援交付金のほうにつきましては、次期作に向けた取組というので、国と協議するようないろいろな事項がございます。こういった取組については、高収益作物次期作支援交付金の事業が活用できるよというようなことで、この取組というのを国のほうに認めていただくというような必要がございますので、そのやり取りなんかを、県が中心になってやらせていただいたというようなところでございます。
 
○藤田委員 そうすると、こんな事業がありますということの情報を、県として個々の生産者へ流すということはなかったということですか。確認ですけど。
 
○近田次長 個別の農業者につきましては、広くというようなことでの説明はしておりませんけれども、いろんな場面で、例えば産地における農業者が集まった会合であるとか、あるいはそれぞれの品目で行っている研究会であるとかというようなところでの情報提供というのをさせていただいたというところでございます。
 
○藤田委員 これはお願いなんですけれども、過去にも国の事業が末端のところまで流れていなかったと、正確な情報が流れていなかったというような、新型コロナウイルス感染症だけではなしに、そんな話もお聞きすることがありましたし、また国からの交付金事業が出て、申請するまでの期間が非常に短いというような話も聞いたことがあります。ぜひともこの辺のところは、情報を的確に集めていただいて、できるだけ生産者のほうへつながるように、いろいろ今後とも考えていただきたいなというお願いをして終わります。
 
○石垣副委員長 5ページの「『令和2年版成果レポート』に基づく今後の『県政運営』等に係る意見」への回答の部分の施策313林業の振興と森林づくりの部分で、こちらの委員会での意見が、今までの取組方向であったり、これまでの既存の取組にとどまらず、新たな取組を早急にというところなんですが、回答の中で、新たな取組という部分が、最後の文章の「これまでにも取り組んできた高校生への職場体験について、さらに発展させていくこと」、新たな取組というところは、多分この新たな発展させていくという部分なのかなというふうに思うのですが、これはどういった検討がなされているのか、少し具体的にお話を聞かせていただけますか。
 
○村上次長 高校生の職場体験につきましては、令和元年度の実績でいいますと、6校で個別に職場体験を実施していたような状況にございます。これを、アカデミーにおいて体系的にやっていくということで、強化していくことを考えてございます。
 具体的には、林業学科のある高校におきましても、卒業生になかなか林業のほうへ就業していただけないというようなことがありますので、そこのと授業でのコラボレーションを深めまして、高性能林業機械のシミュレーター体験ですとか、そういう職業意識をさらに意識してもらえるような手法を用いて、期間だとか内容を充実させて取り組んでいきたいというふうに考えているところです。
 
○石垣副委員長 ありがとうございます。
 
○中瀬古委員長 ほかにございませんか。
          〔発言の声なし〕
 
○中瀬古委員長 では、なければ「『令和2年版成果レポート』に基づく今後の『県政運営』等に係る意見」への回答についての関係分及び新型コロナウイルス感染症への対応についての調査を終わります。
 
 (3)指定管理者が行う公の施設の管理状況報告について
 (4)三重県民の森及び三重県上野森林公園に係る指定管理者の選定状況について
    ア 当局から資料に基づき説明(更屋副部長、近田次長、村上次長)
    イ 質問      なし
 
〔関係部局 入室〕
 
 (5)第4次三重県食育推進計画の策定について
    ア 当局から資料に基づき説明(更屋副部長)
    イ 質問
 
○中瀬古委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いします。
 
○稲森委員 食育推進計画について伺いたいと思います。
 本題に入る前に、まず15ページですけれども、市町食育推進計画の策定率で、令和2年度の目標値が80%に対して65.5%というふうにありますけれども、これの目標は何市町で、今できているのは何市町なんでしょうか。
 
○福島課長 令和2年3月末時点で策定済みの市町数が19で65.5%になります。80%になるには23市町での策定が必要となります。
 
○稲森委員 この数字だけ見たら、必ずこの質問をやり取りしないといけなくなるんですよね。最初からもう23市町が目標でという表記に改めてはどうですか。何で率で、パーセンテージで書くんですか。無駄なこのやり取りを必ずしなきゃいけない、そっちのほうが誰にとっても分かりやすいのかなと前から思っていたんですけれども、そこは改めてみませんか。
 
○福島課長 第3次の計画の時点で、このような書き方になっておりますので、また御意見を参考にさせていただきます。
 
○稲森委員 じゃ、中身についてお聞きしたいと思います。
 まず、14ページですけれども、学校給食における地場産物の使用率というのが残念ながら下がり続けていますけれども、その理由というのをもう少し詳しくお聞かせいただきたいのと、今後、目標値を立てて、それを向上させていくためには何を改めたらいいのか、どういう取組を進めたらいいのかというところを、まず聞かせていただきたいというふうに思います。
 それから、市町の計画の策定の内容なんですけれども、健康づくりのところと合わせた食育推進計画を支援して、健康づくりのところがつくったような計画が増えてきたんかなというふうに思うんですけれども、食育推進計画を単独でつくったところと、健康づくり計画に追加をしたところとか、あるいは農林系とか教育系とか、その辺の内訳というのがもし分かったら教えていただきたいんですけれども。
 
○福島課長 まず、学校給食における地場産物使用割合についてですが、お聞きしている理由としましては、給食の献立が数か月前から作成されるために、定期的にある程度の量を確実に入手する必要があるため、天候の影響等であるとか、また、まとまって大量に用意できるものが少ないといったような理由で、なかなか進みにくいというようなお話を聞いております。また、学校給食費の中で食材を調達しなければならないといったことも前提となっているというようなお話を聞いております。それにつきましては、フードイノベーション課の事業の中で、学校給食会と連携しまして、給食で使いやすい加工品の開発というのを毎年行っております。そちらで開発したものについては、ある程度継続して御利用いただいておりますので、またこれらは引き続き継続していきながら活用を進めていきたいと考えております。
 それから、市町の内訳になりますが、今現在策定されている市町のうちで、単独の食育計画として、食育推進計画という名前になっているところが4市町、それから健康増進計画、食育推進計画と2つ名前をつけてもらっているところが5市町になりますので、健康増進計画、食育計画とダブルネームというか、2つ名前をつけているところを合わせて9市町が一応食育推進計画を作っています。それから健康づくり計画の中に食育のことを書き込んでいるところが残りの10市町ということになります。
 
○稲森委員 今日は食育のこと以外、あまり言わんとこうかなと思っているんで、もう少し聞かせてもらいたいんですけれども、これは実は5年前ぐらいに一般質問したことがあって、5年前のこの目標、地場産物の使用割合はどうやって高めていきますかと、そのとき聞いたんですよ。そうしたら同じように、加工品などの加工しやすい開発をやっていくというような話をたしか頂いたなというふうに思っていて、もちろん自校方式で作っていたのが、なかなかセンター方式になったりとか、そういう難しさはあると思うんですけれども、5年前そういう御答弁をしていて、結果として目標は達成できなかったということなんですけれども、じゃ、今の御答弁で、ずっと今まで下がり続けている中で、そこを向上に向けていくというのはできないと思うんですけれども、違う視点だったり、新たな取組が当然必要になってくるんだと思うんですけれども、その辺はどういうふうに考えているかというのを聞かせていただきたいんですけれども。
 僕が必要だと思うのは、四日市市が特にやられていると聞いたことがあるんですけれども、食材の調達の仕組みを変えていくということで、教育委員会だけに任せてやっていた仕組みに農林に入ってもらったり、農協に入ってもらったりとか、生産者の方に入ってもらったりとか、産品を調達するところから、あるいは生産するところから、あるいは流通ということも含めて、そういう仕組みを四日市市でつくって、使用割合の向上につながっているという話を聞かせていただいたことがあるので、そういう展開を市町に呼びかけていくということが一番有効なのかなというふうに思います。
 それから、健康づくり計画に混ぜ込んでねというような頼み方をすれば、この15ページにある策定率は当然上がります。でも、それではなかなか実になってこないと僕は思っていて。何でかといいましたら、15ページに、県が、じゃ、どういうふうに進めてきたかというワーキンググループをつくっているじゃないですか。こういうことをやっぱり市町に呼びかけないと。農林は関係ありませんとか、健康づくりは関係ありません、それは教育委員会の仕事でしょうということを市町でやっているから、こういう実態が伴ってこないんじゃないかというふうなことを思うんです。やっぱり、これまで5年間やってきて、なお低下してきているというところの改善をどうやってこの次の新たな第4次のところでやっていくかということを、もっと具体的にやっていかないと、これは絶対に前へ進まないというふうに思います。そういう責任を背負っているという決意で取り組んでいただきたいんですけれども、部長、いかがでしょうか。
 
○前田部長 御提案ありがとうございます。
 例えば、今、国のほうも新しい計画をいろいろ議論してもらっておるんですけれども、その中でもこの地場産品の使用の部分は、国のほうも見ていただくと、そんなに上がってきていないような状況になっていまして、それは何でかなということでいろいろ議論されておるんですけれども、例えば生産者の高齢化なんかによって、品目や生産量が減少してきておるというようなこともあって、使用品目や使用量で、先ほどもお話がありましたように、多くの市町でセンター方式みたいな形でやっていますもので、やっぱり大量購入、大量消費みたいな形でやると一定量確保が必要となってくるという部分で、県外産地からのものを使わざるを得ないとか、そういったこともあるというような分析もされています。
 また、併せて、これも先ほどお話がありましたように、教育委員会などの学校の設置者と、それから生産流通に係る行政部局、あるいは事業者との情報共有や協働が進んでいない部分もあるんではないかということも国のほうも言っておりますので、県といたしましても、今年度末が現行の計画の期間になりますので、その辺はしっかり、国のほうのそういうあれも参考に、県の実態はどうなのかというのを十分に分析して、次期の計画には、そこへの対策も併せてお示しをさせていただければなというふうに思っています。
 
○稲森委員 さっき新型コロナウイルス感染症の関係で説明いただいた中で、食育のところと少し関わってくるんでお聞きしたいんですけれども、県産のマダイとか和牛とか熊野地鶏とかを、この財源というのは臨時交付金か何かが使えているんですかね。これは在庫がなくなったら、もう使えなくなるんですか。
 
○福島課長 これは農林水産省の事業で、国の予算で実施はしているんですが、国の臨時交付金を活用してということではなく、こういった給食に活用する事業が別途ありまして、そちらを活用しています。目標回数を決めて実施しておりますので、在庫がなくなったらということではなくて、14万9000人が対象になってくるんですけれども、予算を、それぞれマダイ、和牛、地鶏と回数を決めて、それを目標に学校等にお願いしながら活用を進めてもらっているところです。
 
○稲森委員 だから、今までのコロナで売れ行きが悪くなったから、在庫をはこうというような目的を中心としたものから、それを継続させることによって、コロナでより近いところで安心・安全な食材を調達していこうという、食の安全保障というか、そういう観点も入れながら、こういう地元産食材を県が市町に呼びかけて使っていただくような取組も継続させていただきたいなというふうに思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
 
○福島課長 例えば、委員がおっしゃったとおり、マダイなどはこれまでなかなか給食に活用されたことがなかったわけですけれども、今回、活用していただいたことで、各栄養教諭の方々に、いろいろ子どもが好んで食べやすい調理方法やレシピを御検討いただいて活用を進めていただいておりますので、これを機会に県産食材、これまでなかなか使ってみるまで至らなかったものも使っていただけるような機会に、この事業を活用していきたいと考えております。
 また併せてこれらに関する食育教材などもこれから配付をしていきますので、子どもたちに理解もしていただき、子どもたちの理解を通じて家庭にもそれが波及していければいいなと考えております。
 
○稲森委員 よろしくお願いします。
 
○中瀬古委員長 ほかにございませんか、よろしいでしょうか。
          〔「なし」の声あり〕
 
○中瀬古委員長 それでは、なければ第4次三重県食育推進計画の策定についての調査を終わります。
 ここで医療保健部及び教育委員会の関係職員が退室をいたします。
〔関係部局 退室〕
 
○中瀬古委員長 ここで1時間程度経過いたしましたので、換気のため一旦休憩といたしまして、再開は午後2時10分からとしたいと存じます。暫時休憩いたします。
 
(休  憩)
〔医療保健部 入室〕
 
 (6)CSF等に係る対応状況について
 (7)「食の安全・安心の確保に関して実施した施策に関する年次報告書」について
    ア 当局から資料に基づき説明(矢野参事、近田次長)
    イ 質問
 
○中瀬古委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いいたします。
 
○藤田委員 確認だけさせてください。野生いのしし対策の今後の対応のところで、県内全域において狩猟を可能とすると。要はこの11月以降、県内全域で狩猟をできるようにするということなんでしょうか。まず1つ確認させてください。
 
○近藤課長 昨年度は、野生イノシシでCSFウイルスが発見されました北勢の6市町につきまして狩猟を制限させていただきました。今年度は、その6市町も含めまして、三重県全県的に防疫対策を徹底するということで狩猟を行ってもらえるという状況でさせてもらっております。
 
○藤田委員 そうすると、狩猟で捕獲されたイノシシは全頭検査をするということですか。
 
○矢野参事 狩猟は、全頭検査をするときには、必ずどの場所で捕ったかというふうな情報とか、検体を集めるときのそういうきちっとした情報が必要になってきます。狩猟で捕られるものについては、その辺の確認手段があまりないもんですから、狩猟のものについては検体の検査というのは考えておりません。
 
○藤田委員 そうすると、狩猟を許可するということは、狩猟で捕られたイノシシについて、それはいわゆるジビエとして流すことも可能ということですか。要は何を聞きたいかというと、今まで狩猟の対象外になっていた地域でも狩猟が行えるとするならば、そこで捕られたイノシシ、この処分は狩猟をしたいわゆる猟友会の人たちが自由に処理できるということになるんでしょうか。その確認だけです。
 
○近藤課長 CSFウイルスが確認されている市町域で、狩猟で捕ったイノシシについては、基本的には流通を自粛していただくようにというふうにして通達させていただいております。あと、自家消費だけに限るということでさせていただいております。
 
○藤田委員 そうすると、調査で捕ったイノシシに対しては奨励金でしたかが出るけれども、狩猟で捕ったイノシシに対しては、自家消費だけで、いわゆる奨励金は出ないということなんでしょうか。そこら辺の整理が頭の中でできないんで、説明いただけますか。
 
○矢野参事 委員がおっしゃっているのは、調査捕獲で捕った場合の血液検体を採って、それをCSFの検査なり抗体検査に回すというふうなところの作業がありますんで、その部分につきましてお支払いしているお金、それから有害捕獲で捕られる場合も、それに一定のお金が出ますもんで、その合わせてのお金やと思うんですけれども、狩猟で捕られる場合には有害捕獲ではございませんし、検体の提出も求めませんので、それは御指摘のように出ないということです。
 
○藤田委員 分かりました。ありがとうございました。
 
○中瀬古委員長 ほかにございませんか。
          〔発言の声なし〕
 
○中瀬古委員長 それでは、なければ、CSF等に係る対応状況について及び「食の安全・安心の確保に関して実施した施策に関する年次報告書」についての調査を終わります。
 ここで医療保健部の関係職員が退室しますので、着席のままお待ちください。
〔医療保健部 退室〕
 
 (8)「三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する基本計画」に基づき令和元年度に実施した施策の実施状況報告について
 (9)三重の水田農業戦略2020(最終案)について
    ア 当局から資料に基づき説明(近田次長)
    イ 質問
 
○中瀬古委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いいたします。
 
○藤田委員 何かちょっとしゃべり過ぎていますけれども。水田農業の戦略を立てていただいて、これから三重県の水田農業をもうかる農業にしていこうというのが本当にかなり細かく書いていただいておるなというふうに思わせていただきました。
 その中で、いろんな局面で検討いただいておるというのがよく分かったんですけれども、まず生産技術的なところで1点お伺いしたいなというふうに思うんですが、私の一番心配しているのが水田の地力、特に有機物といいますか、腐植の量が減ってきている傾向があるというふうに聞いておるんですが、これに対して、こっち側のところで、県産米1等米比率向上プロジェクトの中において、施肥、防除技術というようなことも書いていただいておりますけれども、地力を上げていくというところで具体的な方法として耕畜連携、いわゆる耕作者と畜産生産者とを結びつけて、堆肥を土壌の中に還元することによって地力を上げていくんだと、それを進めていくというふうに書かれているんですが、これは非常に大事なことだと私は思っていますし、先ほど申し上げたように、土壌の地力がどんどん減っていっている。これは今、三重県が進めていただいておる2年で3作をする、米を作って、麦を作って、大豆を作るという形態を取っていただいているんですが、土壌というのは、水を張っていない状態に置いておくと、中にある有機物の分解が進むんですね。そういう意味では、地力が落ちていく可能性が非常に高い。恐らくそういう関係で、このところの水田の土壌の地力が下がっているんではないかというふうに思っておるんですが、それをカバーしていく上で耕畜連携というのを提唱していただいておると。まずこの耕畜連携の具体的な方法というのは、どんなことを考えとるのか、ちょっと教えてほしいんです。
 
○伊藤(敬)課長 耕畜連携につきましては、やはり畜産農家で産出されますふん尿を活用した堆肥等、こちらを活用した土壌改良というのを推進していくことが、まずは大切ではないかというふうに考えております。
 
○藤田委員 それの、これは畜産のほうも関係するのかなというふうに思うんですが、畜産のほうとしては、今、耕畜連携を組み立てていく上で、三重県下でどれぐらいの量が現実の問題として出てきているのかというのはつかんでいらっしゃいますか。
 
○中村課長 三重県の畜産は、肉牛、それから酪農、それから養豚、養鶏と4畜種ございます。それぞれの頭数でざっと算出をいたしますと、肉牛で年間でおよそ12万トンぐらいの堆肥、酪農で6万トン程度の堆肥、あと豚、鶏のほうは、それぞれ18万トン、10万トンぐらいかというふうに計算上ははじいております。
 
○藤田委員 それを現在、三重県内で使われている量というのは。いわゆる農業として、もっと言うならば、今、水田の話ですんで、水田農業に活用されている量というのは、つかんでいらっしゃいますか。もしあればでいいんですけれども、教えていただけますか。
 
○中村課長 申し訳ございません。正確なところはつかんでおりませんけれども、特に水田で、主に肉用牛の堆肥は、ほぼ使用されておるということと、あと酪農関係のほうは一部ですけれども、本当の耕畜連携ということで、稲のホールクロップサイレージ用の、それとの交換という形で、肉牛でも稲わらとの交換というような形で行われておりますが、肉牛ではほぼ全量が県内で利用されているのかなと。乳牛のほうも、県内もしくは地域内でということで、特に鶏ふんのほうは県外への流通といいますか、県内だけではとても処理できない、使ってもらえないというようなことは聞いておりますが、正確な数字は申し訳ございません、まだ調べておりません。
 
○藤田委員 数字をつかまれるのは非常に難しいと私も思っていますんで。要は何をお願いしたいかというと、この辺のところを実際問題、三重の水田農業戦略2020の中で、具体的に県が推進していく方法ですね。施策としてどんなことを考えてみえるのかなと。とにかく堆肥を使ってくださいねということだけでやっているのか。それはもう農家同士の話合いでやってくださいよという話なのか、あるいは積極的にやっていこうとしとるのか。3年間ぐらい補助事業を使っていただいて、一定の量を還元してほしいというようなことも今年で終わったのか知りませんけど、そんなこともやられているというふうに聞いていますけれども、今後そういうような施策というのは考えてみえるのかどうか。
 
○近田次長 耕畜連携につきましては、この戦略の中では麦の地力増進、麦の収量が減少してきているというようなことがございますので、こういった地力増進が課題であるというようなことで、耕畜連携を進めていくというようなことで記述をしております。
 具体的な取組の進め方ですけれども、まずは麦作ですね、麦の作付を請け負う農業経営体、それと畜産農家をつなぎ合わせていくというようなことの取組をやっていく必要があるというようなことで考えております。具体的にということでは、畜産のほうでは畜産クラスターというようなことで、新しくこういうような連携体をつくるというようなことを条件にしながら、畜舎の整備とかいうようなことの整備もできますので、こういったこともしっかりと現場で連携を進めて、畜産のほうの経営体の育成にもつながるし、それから麦作の地力の増進のほうにもつながるというようなことで進めていきたいというふうに考えております。
 
○藤田委員 方法は分かりましたんで、実態というか、じゃ、どれぐらいの面積で、どれぐらいの量が還元されているのかというようなことも、もし県として持っておれば教えてほしいんですが、恐らく今言ったその数字というのは、かなというふうに思いますけれども、要はその辺のところまで、ぜひともこれは詰めた施策にしてほしいなというふうに思っております。
 ちなみに、先ほど牛ふんの話が出ていましたけれども、私の知り合いに松阪牛を今2500頭ぐらい飼っておる男がおるんですが、その男の堆肥化した堆肥は、ほとんど水田農家に行かずに、一般の園芸店に全部流れていって、家庭菜園だとか、そういうところに使われておるということですので、それも畜産のほうから考えると、一つのそういう流れをつくっているということだと思うんですが、もっとその辺のところを行政として水田のほうへ還元していくようなことをぜひお願いしたいということが1点です。
 もう1点は、要は農地を集積して、担い手に水田を管理していこうという大きな動きの中で、圃場整備というのが、この間ずっとやっていただいてきておりますし、最近の集積をしていく水田の面積というのは、昔1反、もう少し後で3反、今や1町歩に近い1つの水田にして非常に効率を上げていくというようなやり方をしていただいておるんですが、今年の圃場整備は、予算をつけて設計をして、さて、圃場整備をしていただこうという話になったら、入札が不調になったということが起きております。そのために生産農家としてはこの米の生産が終わった後から圃場整備をしていただいて、来年の4月には大きくなった成形された水田で米を生産するという計画をするわけですね。その計画をするために苗のための種、肥料が、当然、大きくなってきますので、小さい農家の方はもうやめるわと。やめるんやったら、もう農機具は中古で売ってしまえというようなことの準備をされていたところがあるんですが、これが不調になって、今年度工事が行われないという現状が起きています。この辺のところをどんなふうに解決していくのか。今後も起こってはならん話ですので、この辺のところをどんなふうに今後考えてみえるのか、ちょっとお聞かせいただけませんか。
 
○藤本次長 現実として、今年度、入札不調が、同じ地区でですけども、1回目が不調になりまして、再度入札公告をかけて、2回目も不調になったというようなことで、原因を分析しますと、もう毎年そうなんですけど、今年、第二名神高速道路とか河川、道路など、インフラ整備の工事がたくさん発注されております、同じような時期に集中して公告すると、なかなか。特に圃場整備の場合、湿地ブルドーザーのオペレーターが必要やと。この湿地ブルドーザーのオペレーターというのは、非常に経験と勘が必要やということで、そうした熟練したオペレーターがなかなかいないということで、応札していただけないという事態が発生したところでございます。
 もう一つ、水田の場合、現場にもよるんですけれども、地下水位が高いというようなことで工事もやりにくいというようなことで、なかなか参加しにくいような状況というのは聞いておるところでございます。
 今年度迷惑をかけた地区に対しましては、しっかり事情を御説明させていただいて、来年度以降、きっちり対策を立てて対応させていただきますということで御理解いただいたところなんですが、具体的には、例えば債務負担行為を活用するなど発注時期をずらして、工事の閑散期といいますか、そうした時期を間へ挟んで発注していくとか、そういった柔軟な対応でやっていきたいというふうに考えているところでございます。
 
○藤田委員 行政として設計はしました、発注はしました、すみません、応札する人がおりませんでした、それはもう、その事実を何ら否定するものではありませんけれども、事業を進めながら農業生産をやっていこうとする側から見れば、そんなことは関係ない話なんですよね。だから、農業経営はこんな形でやっていけますよという説明は、恐らく行政も認め、そしてその前提で土地改良区の皆さん、農業者の皆さんも動いてきているわけですから、それを、いや、結果論としてこういうことでオペレーターがおりませんでしたんやわ、いわゆる水位の高いところでやれるブルドーザーを動かす人がいないんですわというようなことで、ごめんしてくださいなんていう話をされたんでは、これはもう生産者としては非常に困るというふうに思います。
 その対策として、債務負担行為をということを考えてみえるということだと思いますけれども、恐らくそういう方法というのは私もあるんだろうなというふうに思いますし、こういう問題が起こり得るというのは、三重県の圃場整備の事業そのものが減ってきていることも事実なんで、その辺のところも予測をしながら、工事というのは考えていっていただかんといかんのやと私は思います。
 今おっしゃったようなことも含めて、もう二度とこんなことのないようにお願いしたいなというふうに思います。部長、どう思われますか、これは。
 
○前田部長 具体の案件は、私も承知はしておりませんのであれなんですけれども、そういう形で地元の農業者の皆さんが従前から計画立ててやってみえたところに、こちらの圃場整備ができなかったということで大変御迷惑をおかけしたということについては深くおわびしたいと思っています。先ほど次長も申したように、何とか適切に事業ができるように、県としてできることは、先ほど申しましたようなことも、債務負担行為的なものも含めて、さらに検討を進めて、今後こういうことがないように、できるだけ適正に事業を執行できるように考えていきたいと思います。
 
○藤田委員 ぜひ、そういうふうにしてください。もう本当に債務負担行為というその方法、これは僕もいい方法だと思っています。一定の期間を決めて予算を投じていくと。言われたように、オペレーターを獲得しやすい時期に工事をしていくというのは、今までなぜやらんだんかなという思いも含めて、一応お願いをして終わります。
 
○西場委員 水田農業、言うまでもなしに、麦、大豆も含めて耕種農業は三重県の根幹ですよね。今回この三重の水田農業戦略2020で最終案をつくっていただいて、ここから10年間の期間で、これで水田農業を展開するということですので、しっかりとした計画であってほしいし、頑張って取り組んでいただきたいという思いで少し質問をするんですが、今、前段で話があったかも分かりませんが、米を取り巻く状況ですよね。今現在の。いろいろなところから情報を聞くと、非常に需給調整が大変難しくて、生産量の見通しとか、あるいは消費量のコロナ問題等も踏まえると大変過剰米になってくる、在庫が増えてくると。ついては相当な米価の低下になってくるというような話を聞きます。その点について、県としてどういうように把握して、今度の三重の水田農業戦略2020に取り組もうとされているのかという点について、ポイントを教えてください。
 
○近田次長 最近の米の需給状況を見てみますと、これはいろんなところの報道の内容も含んでいますけれども、今年6月末の米の在庫が全国で200万トンを超えてくるというような状況になってきています。これにつきましては、米が非常に余った平成27年、非常に米価も安かったときがございますけれども、それ以上と。米の消費量が減ってくる中での200万トンを超えた在庫量でございますので、今年になってから新米を含めて、米の価格については下落基調だというようなことで聞いております。
 先ほど新聞にもありましたけれども、毎年そういうような需給状況を踏まえた上で、国のほうが来年度の主食用米の需給調整、昔の転作でございますけれども、今は生産量の目安というようなことで、情報提供ということで配分してまいりますけれども、その配分が1カ月前倒しで行われるかなというようなことでの情報を得ています。
 本来なら11月の末ぐらいに国から下りてくるんですけれども、今年はそうではなくて、10月の中旬には下りてきそうかなというようなことでの情報を得ています。そういうような情報をいろいろ分析というか情報を収集しまして、これから本当に来年産に向けてどうしていくかなというようなことで考えなくちゃいけないということでございますけれども、県内の場合は、水田の率が76%というようなことで、非常に水田率が多いと。その水田で基幹的に農業を行っていただくというようなことになりますと、主食米が作れないとなると、当然、麦とか大豆とかいうような話になってまいりますので、いかにして麦とか大豆というようなものの作付をうまく推進していけるのかなというところがポイントになってくるのかなというふうに思っています。
 麦のほうも、県内の実需者のほうから、これまで2万トンというラインでオーダーを受け取ったわけでございます。2万トンぐらいを何とかつくってくださいよというようなことで、ここ数年で2万トンを達成してまいりましたので、これからはちょっと品質向上なんかも含めまして、しっかりと実需者のニーズに沿ったような、今までの量ではなしに、品質を伴った麦をしっかりと水田で作っていくというようなことも必要になってくるのかなというふうに思っています。
 いずれにいたしましても、米の作付、主食米の作付を若干なりとも減らしていく必要があるのかなと。それに代わるものについては麦、大豆で何とか補っていくと。その麦、大豆で何とか補っていくのに品質向上というのが条件になってくるというようなことで考えております。
 
○西場委員 主食米以外の米、これへの対応はどうなんですか。
 
○近田次長 現在、主食米以外となります米ですと飼料米ですね。飼料米につきましても、実需者というか、酪農、畜産事業者との連携が必要になってまいりますので、そうしたところの連携をこれから安定需要につなげるように、しっかりと連携できるような取組が必要かなというふうに考えております。
 もう一つは、酒米でございますけれども、酒米も日本酒の売行きが非常にというか、外食需要が蒸発したというような言い方がされていますけれども、日本酒の需要が減っていますので、そのあたりで来年産の酒米の作付というようなものを、どうしても減らさざるを得ないような状況に、ひょっとしてなるのかなというようなことで、ちょっと懸念をしているところでございます。ただ、主食米の本当の「山田錦」とか「神の穂」とか、酒造好適米については、何とか実需者のほうに届けられるような作付というようなことでやっていくというようなことでございますが、一方で掛米、酒米でもいろいろ、酒のほうでも、元米と掛米、掛米のほうの需要に何とか応えられるように、もう少し何とかこれまでの現状維持を図っていくということで、三重県の酒造組合としっかりと調整していきたいなというふうに考えております。
 
○西場委員 酒米の販売先も大変心配な状況にあるということなので、しっかり情報収集して取組支援をやってもらいたい。
 それから飼料米については、かなり生産が減ってきておるというような話がありますが、それの分析とか対策もやっていく必要があると思います。もし答えられる部分があれば答えていただきたいし、そして、今、話はなかったけれども、あれは何というのかな、多収量米か……
          〔「多収米」の声あり〕
 
○西場委員 多収米か、こういうお米がありますよね、そういうものに対する三重県の取組というんか、この中で一つの戦略の中に入れておるのかどうかというところも触れてもらえますか。
 
○近田次長 多収米につきましてですけれど、中食業務用の需要で、そういった良食味の品種なんだけれども収量性が高いというような米で、若干コシヒカリなんかに比べたら安いというようなことでの引き合いがございますので、これからはひとつ中食需要に焦点を当てながら、そういったところに対応していくというようなことで、戦略にいろいろ書き込ませていただいております。中食需要に対応していくというようなことで、1つは販売促進、それから1つはそういった中食需要に対応できるような品種開発、こういったことも含めて、この戦略の中に書き込ませていただいております。
 
○西場委員 中食というのは何でしたっけ。
 
○近田次長 中食というのは、外の店で買ってきて家で食べる、おにぎりとか弁当とか、そういったものの需要を基本的に中食というような事業で言わせていただいております。
 
○西場委員 そういう、コロナの状況があって、外食がかなり減ってきておるというようなところもありまして、このあたりもこれからの10年間の中では重要な部分になってくるんですよ。そういうものがこの中にどういうような形で具体的に書かれているのかというのが、まだ読み込んでいないので少し分かりづらいんですが、その辺をしっかり書いてもらう必要があるなと、こういうように思っております。
 それから、この1等米、それから家族農業、こういうものの中でのプロジェクトをスタートしてもらうということですので、先ほど触れてもらいましたけれども、重要なポイントになろうかと思いますので、この部分について大事なポイントを、きちっと説明してもらいたいと思うんですが。
 
○近田次長 まず、先ほどの中食需要、需要の変化に対応するというようなところの話でございますけれども、お手元の冊子を見ていただけますか。三重の水田農業戦略2020の本冊のほうでございますけれども、20ページでございます。
 20ページの中ほどから下のところで、取組方向Ⅱ-2というところにございますけれども、需要の変化への的確な販売対応ということで、ここではそれぞれの品種ごとの販売先なんかも明らかにしながら売り込みを図っていくというような書き方をしてございます。
 それから、20ページのマルの3つ目のポツです、外食チェーン店などの外食やテイクアウト商品向け、スーパーなどの中食向けに県が開発した「みのりの郷」あるいは「なついろ」、こういうもののほかに、国が開発しました「ほしじるし」とか「えみだわら」とか、こういうようなものを実需者の要望に合わせてしっかりと供給していくというようなことの書きぶりをしております。
 それから、先ほどの21ページのところで酒米の話を書いております。上から3つ目のところでございますけれども、酒造好適米である「山田錦」や「神の穂」については、実需者のニーズや意見を踏まえた生産を促進するとともに、三重県酒造組合、ここと一緒にしっかりと連携しながら、日本酒の消費回復・拡大に向けた取組を進めてまいりますというようなことで書いてございます。
 それから、1等米比率の向上のことでございますけれども、お戻りをいただきまして15ページになります。
 15ページの取組方向Ⅰ-1、収量・品質の向上に向けた技術対策の徹底というところでございますけれども、ここの米のところでございますが、JAなどの関係機関等で構成する、三重県産米品質改善対策会議を中心に、関係者間で生育状況や気象状況を把握・分析しながら、コシヒカリの1等米比率の向上と収量安定を図るため、1つは耐暑肥、夏場の暑いとき、8月ぐらいに振る肥料なんですけれども、そういった肥料を振ることによって品質が向上するというようなことでの事例がございますので、そういったことへの対応、それから、地力の維持・向上に向けた、耕畜連携による堆肥や土壌改良材の施用ということで上げてございます。
 もう一つは、登熟期のかけ流しかんがい、少しでも温度を下げるということです。あと早期落水防止などの適正な水管理ということで、収穫前に早く水を切るというような農家も見られますので、そういったことにしっかりと、そうならないように技術指導をしていくというようなことでの書き込みをさせていただいております。
 それから、2つ目のマルですけれども、用水が登熟後期まで行き届かず、収量・品質に影響が見られる地域では、水利組合等との調整、あと病害虫防除、こういうようなものにしっかりと取り組んでいくというようなことで書き込みをさせていただいておるところでございます。
 
○西場委員 これは専門家の皆さんが検討されて、こうやって書いてもらったんですけれども、何か、これで1等米問題が解決するだろうかと。少しでも品質がよくなるような、これはそれぞれ注意事項が書いてあるように思うんですが、三重県の問題は、全国の1等米比率が70%も80%もある中で、わずか2割台というような、全国の半分以下のような1等米比率の状況の中で、何を分析して、これをせめて人並みにというんか、他県米、平均並みに上げていくのか。平均も高いけれども、何割増しで上げていくようなことをやるのに、こういうようなことで本当にできるのかな。
 
○近田次長 いろんな技術的なことの徹底というようなことで、先ほどの話をさせていただきましたけれども、先ほどのポンチ絵の説明の中でもさせていただきましたが、そこを何とか一生懸命関係機関と注力するプロジェクトということで、ここに県産米1等米比率向上プロジェクトというようなことで置かせてもらって、県段階、それから地域段階でしっかりと推進体制を定めて、取組を進めていきたいなというふうに考えています。なかなか一朝一夕で改善できるものではないと思いますけれども、地道な取組、いろんな取組をしないと、こういうような品質改善はできないと思いますので、いろんな関係機関と一緒になって、しっかりとやっていきたいなというふうに考えております。
 
○西場委員 そのプロジェクトの内容を、もう少しきちっとお聞きしたいなとは思うけれども、地道な積み上げ、それは当然だし、農業はそういうもんだろうと思うけれども、今言ったような、いかにも大きな段差があるこの状況の中で、何かあるんだろうと、こう思わざるを得ないじゃないですか。それこそ実際、農業に携わっていない、どちらかといえば口ばかりのような私が断定はできないけれども、この西日本一の早場米と言われるこの作期で、本当にこれからもやっていけるのかと。こういう気温がどんどん上昇してくる中で、今のコシヒカリの品種で持ちこたえられているのかと。その限界値、閾値を超えてきて、こんな状況になっておるんだとすれば、こんな地道なものだけでは対応ができるのかなと思わざるを得ないから、プロジェクトがあるなら、そのプロジェクトでそこまでの取組をやるという方針という決断を、10年はちょっと長過ぎるけど5年ぐらいで数値目標を決めて、その二十数%を50%にする、60%にするという目標値ぐらいは上げてもらわないとと思いますが、どうですか。
 
○近田次長 先ほどの技術的な対策につきましては、どちらかというとコシヒカリの品質向上というようなことで言わせていただきました。それと併せて県産米の本当の品質向上というか、1等米比率を向上させるためには、今までのコシヒカリではなしに違う品種、1等米比率の高い「結びの神」でありますとか、県が一生懸命開発してまいりました「なついろ」でありますとか、そういった最近の高温にも強い米の品種に転換していくというような取組も併せて必要かなと思っています。コシヒカリの品質向上対策、技術的な徹底、それから高温にも耐える品種ですね、高温登熟性の高い品種、こういったものへの転換、2つを通じて何とか県産米の品質向上ということで、1等米比率の向上ということで、西日本の中の主産県の中でトップスリーに入れるようにやっていきたいというふうに考えております。
 
○西場委員 西日本トップスリーという数字も出てきたんで期待しますけど、そういうものを、こういう文章の中に書き込まないと。これは簡単やないですよ、それは。今の「結びの神」、「なついろ」にしても、今のコシヒカリに代えていただくには、相当の説明と、それから農家の決断を促さねばならない。それにはきちっとしたデータも要るでしょう。品種を変えたら、今度は作期の問題も出てくる。今ここに水利調整の検討の話がありますけれども、今のこの水利体系の中で、水の時期をその作物に合わせて変えていくということは、もう何十年と続いてきたこの体系を変えるんです。それこそプロジェクトや。そういう覚悟を持ってやらないといけない。プロジェクトは、どこへ置いて、誰が指導していくのですか。そういうところについて促してもらえますか。
 
○近田次長 この県産米1等米比率向上プロジェクトにつきましては、県段階でいろいろな企画とか運営とかというのをつくる対策会議といいますか、三重県産米品質改善対策会議というのがございますので、そこを中心に企画とか運営をしますけれども、同じように地域の対策会議というのも、仮称でございますけれどもつくりまして、それぞれの地域で品質向上に取り組んでいただく、品種の転換に取り組んでいただく、そういうような取組を進めてまいりたいというようなことで計画をしております。
 
○西場委員 まあ、これぐらいにさせてもらいます。
 
○藤田委員 確認ですが、32ページの家族農業継続プロジェクト、これは水田農業だけのプロジェクトなんですか。
 
○近田次長 現在、このプロジェクトにつきましては、水田農業の中で、特に今、小規模な家族農業、兼業農家とか高齢農家でやられている農業というのが、水田農業が中心になってございますので、その水田農業でもって、こういうような家族農業継続プロジェクトということで何とか継続していくような取組を進めてまいりたいというように考えております。
 
○藤田委員 そうすると、いわゆる基本計画の中で家族農業を継続的にやるというこの話と、今回出てきているプロジェクトとは、その中に含まれるとは思いますけれども、農業全体の家族農業に対しての支援とは、その下にこの水田のあれがあるという理解でいいですね。
 
○近田委員 そのとおりでございます。
 
○藤田委員 ありがとうございました。確認をさせていただきました。
 
○中瀬古委員長 よろしいでしょうか。
          〔発言の声なし〕
 
○中瀬古委員長 なければ、(8)「三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する基本計画」に基づき令和元年度に実施した施策の実施状況報告について及び(9)三重の水田農業戦略2020(最終案)についての調査を終わります。
 それでは、1時間以上経過をいたしましたので、換気のため一旦休憩といたしまして、再開は午後3時30分からといたしたいと存じます。暫時休憩いたします。
 
(休  憩)
 
 (10)令和元年度における鳥獣被害の状況について
    ア 当局から資料に基づき説明(藤本次長)
    イ 質問      なし
 
 (11)「三重の森林づくり基本計画」に基づく施策の実施状況(令和元年度版)について
 (12)みえ森林教育ビジョンの策定について
 (13)みえ森と緑の県民税基金事業の評価について
    ア 当局から資料に基づき説明(村上次長)
    イ 質問
 
○中瀬古委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いいたします。
 
○稲森委員 しゃべらへんつもりでいたんですけども、1点だけ、森林について。
 先日、大都市のある議員とちょっと話をして、そこで言われたことがあるんですけども、森林環境譲与税が始まっていくんですけど、大都市のところで、なかなか使い道がないとか、使ってもどうしてもマンネリ化してしまうとかという話を聞いたんですけども、その話を聞いて、三重県にとってはいろんなチャンスがあるんかなというふうに思いまして、例えば三重県の林業の出口として大都市と連携をしていくとか、あるいはこの三重県に人の流れやお金の流れをつくっていくことなど、三重県が名古屋と大阪の間にあって、大都市に挟まれているという強みを、この三重県の林業を活性化していったりということのために、そういう手持ち無沙汰な大都市ともっと連携してやっていくことはできないのかというふうに思うんですけども、その辺はどう考えていますか。
 
○村上次長 委員御指摘のとおり、森林環境譲与税の交付につきましては、森林面積のほか、人口割、また林業従事者割で配分されることになっております。したがいまして、森林のない都市にも、人口が多ければ相当の譲与税が譲与されるというような形になっております。
 そこで、三重県といたしましても、都市部で木造の公共建築物等、大規模な建築物を建てていただけますよう、いろんな情報提供をしたり、東京のいろんな区を回らせていただいたり、川崎市のフォーラムに参加させていただいたり、情報収集と連携を進めるために、いろんな取組を進めさせていただいているところです。
 また、中大規模の建築物は、なかなか建築士がいませんもんですから、そういう建築物を造れる建築士の育成にも力を注いでいるところでございます。
 
○稲森委員 チャンスだと思うんで、もっと前のめりに取り組んでいただいて、また成果を聞かせていただきたいと思います。
 
○津田委員 私も質問せんと思っていたんですけれど、ちょっとさせてもらう。
 みえ森林教育ビジョンなんですけれども、これを策定すると、今までの学校ではこういう森林教育であったけれども、このビジョンを策定することによって、総合学習なのか道徳教育なのか分かりませんけど、どういう授業で行われて、時間数がどれだけ増えてだとか、どういうふうに変化するのかということを、ちょっと教えていただきたいなと思います。
 
○横澤課長 今回、みえ森林教育ビジョンをつくらせていただきまして、このビジョンそのものですぐに学校教育が変わっていくというところにはないんですけれども、今回、みえ森林教育ビジョンをつくるに当たりまして、学校教育において、どういうふうにこれから森林環境教育・木育、併せて森林教育、それを展開していくのかという方向性を定めております。
 その中では、今回、学校を担当されている部局の方も交えて議論させていただいたということもございまして、森林教育というものを固まりで、学校教育の中に何か新たにつけ加えていくと結構大変であろうという話になっております。そういった中で、森林サイドとして学習指導要領等を見せていただきながら、総合学習、社会に限らず、国語であるとか理科であるとか、そういった通常の授業の中で森林的なもの、森林のようなものを扱う際に、その授業で取り入れていただきやすいような教材なりプログラム、そういったものをこちらでつくっていくと。それを学校のほうで取り入れていただくということによって、今までなかなか森林教育に取り組んでいただけなかったような学校においても、今より簡単に、気軽に森林教育を取り入れていただくという方向性で進めていこうというふうに考えております。
 
○津田委員 ちょっと何か、あまり、このビジョンを策定することによって、どう変わっていくのかということが、なかなか分かりづらいのかなと。
 それから、さっきの話を聞いていましたら、積極的に関心のある学校は多少進んで、先生方とか学校だとか、皆さん忙しいので、何か適当に森林教育がされてしまいそうな予想もしているんですけれども、その時間数って、もう目いっぱい学校で決まっていて、その中にこの森林教育を入れていく工夫みたいなものがちょっと感じられなくて、何か学校現場で逃げられてしまうような感じがするんですけれども。
 
○横澤課長 繰り返しの答弁になる部分もあろうかと思いますけれども、森林教育をやってくださいというふうにお願いをするなりしても、どうやってやっていいのかも分からないというような声も現場のほうから聞かれているということがございます。
 なので、こういうふうにやったらいいですよという具体的な方法というのを、これから整理していくと。整理していくに当たって、学校現場で働いている方も入れながら、こうやったら入れられやすいんじゃないかというようなことを、これからつくっていくということです。
 今回のビジョン、その前段ということでやっておりまして、どうやったら学校教育に浸透していくことができるのかというのを考えてまとめたというところ、それに従って、今後どうやってやっていくのかというところまで書いているというものでございます。
 
○津田委員 何か話を聞いていると、ちょっと道徳教育と似ていて、結構、教材を作りました、副教材を作りました、先生の研修をしました、ぜひ進めてくださいと学校側、現場にお願いをしても、実際問題は、どこどこの授業で何コマやってくださいと具体的にお願いをしないと、なかなか進んでいかないような感じはしますけれども。答弁は繰り返しになるんですね。やっぱり小学校も中学校も、評価される科目というのは、国語でも数学でも児童・生徒は一生懸命やりますし、先生も一生懸命するし、やっぱり家族や親も関心があるので、当然、うまく回っていくんですけれども、そういった評価されない森林教育で、しかも授業のコマがないとなると、結構、現場でははじき飛ばされるような感覚があって、例えば学校関係者評価だとか、第三者評価の中の項目の中に、環境教育を入れて外部から評価させて、この学校はどう取り組みましたかということを議論させるだとか。何か教材を作って研修をして、人材を増やしただけでは、学校に対して森林教育が浸透していくとはなかなか思えないので、意見として聞いていただいて頑張っていただきたいと思います。
 以上です。
 
○中瀬古委員長 意見でよろしいですか。
 
○津田委員 はい。
 
○西場委員 森林教育については、最近いろいろ聞かせてもらっておりますが、その都度、同じようなことを申し上げてはおるんですけれども、木育と森林環境教育を一緒にするという今回のこのビジョンなんですが、その語感といいますか、その字から読んだときに思うのは、森林教育というと森林環境教育というのが素直に読み取れるんですが、木育がその中に入っておるというのは、説明を受けないとなかなか分かりづらいところがあって、今日の説明では、学術的に、どこかに書いてありましたが、そういう言葉がもう使われるようになってきたということですので、そういうことかなと思うんですが、学術的というのがどういうところまで定着してきておるのかということと、それから、もしそういうことでいくならば、中に森林環境教育と木育が入っておるということがきちっと伝わるようなことを、今後少し意識的にやっていく必要があると思うんですが、そういったことについて何か考えてみえることはありますか。
 
○横澤課長 まず、森林環境教育と木育というのを併せて、森林教育と呼ぶというものにつきましては、今回、森林環境教育・木育のあり方検討会の中に大学教育学部の関係の先生と、それから森林分野の両先生を三重大学からもお願いしたんですけれども、どちらの先生方からも、この分野では普通にもう使われているというふうに聞いておりますので、きちんと地位を得ている言葉というふうに考えています。
 あと、森林教育の中に木育というのが入っているんですよというのは、このビジョンの中でも、森林環境教育と木育というものを含めて、森林教育と定義するんですよというのをきちんと書かせていただいておりますし、皆さんがされている個別の取組において木育という名称を使うということまでを否定するものではございません。もちろん、森林教育というふうに、今回、県で整理しましたけれども、現場において木育と言ったほうがしっくりくるんだよと、こういうふうに活動したいよという思いを否定するものではございませんので、そういったものと森林環境教育とをバランスよくやっていただくというのが主眼にございますので、その趣旨がきっちりと現場にも伝わるように、これから周知徹底を図ってまいりたいと思っております。
 
○西場委員 三重の森林づくり条例の4本柱の1つが、森林文化及び森林環境教育の振興という柱なんですね。木育というのは、森林環境教育ではなくて森林文化の中に入るかなというように私は思うんですが、今回の森林教育というのは、この森林文化も含めるというような意味合いにもなってくると理解できるのかな。
 
○横澤課長 先にちょっと森林文化の定義を申し上げておいたほうがよいと思うんですけれども、森林と人間との関わりの中から形成された文化現象を対象とした概念というふうに、一昨年度、策定した三重の森林づくり基本計画のほうにも書いてございます。そういった森林と人との関わりというのを今回見直すということで、森林教育というのを、これから力をやっていこうというふうに考えていますので、当然、その森林文化の振興といったところにも資する内容ということで今回まとめております。
 
○西場委員 であれば、この森林教育というものの内容について、県民にしっかり周知する必要があると思うし、私が最初に言ったように、木育と森林環境教育を併せてこう呼ぶんだというだけではない広がりと深みもあるということであれば、そのように書き込みといいますか、県民に対する周知をいただきたいし、前段の部分で申し上げた面については、こういう冊子、パンフレットを県民用に作るんであれば、みえ森林教育ビジョンという、この言葉だけじゃなしに副題とか何かの中に、これは森林環境教育と木育のみえ森林教育ビジョンというようなものを定着するまで、少しそういうものを添えるとか、そういう気遣いをしていただきたいと思います。
 
○村上次長 委員御指摘のとおり、普及に際しましては、そういった御意見も踏まえまして周知を図っていきたいと思います。
 
○西場委員 分かりました。
 
○東委員 27ページの「放課後児童クラブの指導員など」というくだりがあると思うんですが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響もあるんですが、このことについてはあまり変わらずプログラム、放課後児童クラブの指導員などに呼びかけをしてきましたか。
 
○横澤課長 すみません、もう一回お願いします。
 
○東委員 令和2年度の取組で、木育指導者数を増やすということで、放課後児童クラブの指導員などに働きかけを進めますとありますが、新型コロナウイルス感染症の影響とかもありまして、それは思ったようにやっていますか、いませんか。
 
○横澤課長 御指摘のとおり新型コロナウイルス感染症の影響がございまして、木育とか、イベント系は、特に思いどおりにはできていないという状況にございます。一方で、指導者の養成については、みえ森づくりサポートセンターのほうで随時やっているという状況にございます。なので、新型コロナウイルス感染症が収まってきた段階でさらに取組が広められるよう、今年は仕込みというのに重点を置いてやっているという状況にございます。
 
○東委員 私が言うのもあれですが、この講座の参加者の年齢が、ちょっと悪いけど高いんですね。若い人はいないんです。私はそのときにも申し上げたんですが、やっぱり野外体験保育というベースが呼びかけにとっては必要なんだというふうに思うんです。ただ、保育園に呼びかけても、保育士はこういうイベントには出てこないですね。なぜ出てこないのか、出てくるようにするのかというのがみそだと思うんですね。そこで、保育士に、野外体験保育を希望される人たちに呼びかけるには、やっぱりある程度の福祉のほうと連携を取って、あるいは教育委員会と連携を取って、インセンティブというんか、ある程度、何かやったらこれだけのものが頂けるよみたいなものの仕組みが要るんだと思うんです。それが、長野県とか山梨県とかで自然体験保育をやっていらっしゃる中で、そういうことを保育園にインセンティブを与えてやる、この取組をされたらどうかなと思うんです。今、このコロナの時代で、アウトドアとか、それからキャンプとか、ソロキャンプとかで山の木を使って何かをするとか作るとかというのが、すごくやっぱりトレンドになっている一つではないかなと思うんですね。
 なので、私の年代で、昔はこんなんだったというのを、昔はよかったね、だからそれを押しつけるという意味ではなくて、やっぱりこうやって自然の中でちゃんと遊べるのが本来の自然体験保育とか木育とか環境教育とかということにつながるんじゃないかなと思うんですが、何か御答弁いただけたら。
 
○横澤課長 ちょっとインセンティブというものとぴったりくるかどうか分かりませんけれども、三重県におきましては、みえ森と緑の県民税の市町交付金の使途として、森林環境教育、木育というのをやっていただけるというふうになっています。
 基本計画の目標におきましても、資料の27ページになりますけれども、基本方針3の森林文化及び森林環境教育の振興というところで、森林環境教育支援市町数というのを設定してございます。これは具体的に申し上げますと、先ほどお話しいただきましたように、保育の現場等々で森林環境教育、木育活動をやっていただく場合に、市町から支援をしていただく仕組みを備えている市町ということでカウントしてございます。これを今、令和元年度12市町あるところを29市町まで持っていこうというふうに動かしてございます。
 もう一つのやり方として、みえ森林教育ビジョンをつくる中でもお話は出てきたんですけれども、そういった活動をしている方に、少しでもお金が回っていくような取組の仕方というのはないのかなと。その辺はこれから摸索をしていくと。まずは市町のほうに呼びかけをしながら、そういう体制を取っていきたいと考えております。
 
○東委員 ありがとうございます。そうなんです、そのとおりなんですけれども、ただもう一歩、背中を押すのに、例えば現場の職員が、あるいは保育に関わる人たち、幼児教育に関わる人たちがやってみたいと思う仕掛けというのが、インセンティブで何なのかというところを摸索するといいんじゃないかなと思うんですね。
 この間も、みえ森づくりサポートセンターの指導員研修会の担当者が保育園に電話したんですって。呼びかけに。全然手応えがないんですよという話を聞きまして、あ、そうですか、やっぱり何か仕掛けが要りますよねっていう話をさせてもらったんですね。その仕掛けって何だろうなといつも思います。インセンティブというのはそういう意味で、お金をもらうからやるというんじゃなくて、これをやるから自分は高められるみたいなところがあって、それを保育士とか幼稚園教諭とかが、こういう知識があったら、すごく保育現場に役立つよねというほうがやっぱりいいんだと思うんですよね。だからその辺の仕掛けが、例えばここの農林水産部だけじゃなくて、子ども・福祉部と教育委員会でやっぱり何か知恵を出すというのが必要なんじゃないかなと思うんです。同じ答えかもしれないので答えは結構なんですけれども、そういうことです。
 
○中瀬古委員長 よろしいですか。
 
○東委員 いいです。
 
○中瀬古委員長 ほかにございませんか。
          〔発言の声なし〕
 
○中瀬古委員長 よろしいですね。
 では、なければ、(11)「三重の森林づくり基本計画」に基づく施策の実施状況(令和元年度版)についてから、(13)みえ森と緑の県民税基金事業の評価についてまでの調査を終わります。
 
 (14)改正漁業法の施行に伴う漁業制度の変更について
 (15)アコヤガイのへい死等に係る対応について
    ア 当局から資料に基づき説明(荒島次長)
    イ 質問
 
○中瀬古委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いいたします。
 
○東委員 32ページの漁業法改正に伴うことなんですが、1つは公選制から任命制になるわけですが、これは「関係団体等からの推薦もしくは応募による」と書いてあるんですが、応募が多かった場合とかは、どう選出されるのかなというのを思います。
 それから下のほうの、例えば罰金のことなんですが、「許可の内容に違反して許可漁業を行った場合」とあるんですが、これは重くなるということが書いてあるんですが、例えば1年間で違反件数ってどのぐらいあったもんですか、例えば昨年とかはお分かりですか。すみません、ちょっと難しい質問です。
 
○藤田課長 まず、応募が多かった場合ですけれども、既に評価基準もこの募集要項と一緒に上げてございます。それで、選出会議でこの評価基準に基づきまして応募があった方の、選出を行うという形になります。
 
○東委員 オーバーしないということですか。
 
○藤田課長 いえいえ。ですので、この評価基準で、ポイントで点数をつけるような形になっておりまして、それで客観的なことに基づいて選ぶという形になります。
 
○東委員 書類審査ですか。
 
○藤田課長 そうですね、応募のときに動機とか、あるいはまた推薦がある場合には推薦理由なども全部書いていただきますので、それについてどういうふうに評価するという評価基準をポイントで定めてございます。
 それともう1点、違反の数なんですけれども、ちょっと古いんですけれども、最近は県による取締りでの検挙件数というのはあまりなくて、平成27年度に4件、平成28年度で3件あってからは検挙自体はございません。それから、それまでに至らない指導件数としましては、年間10件から20件ぐらい、平成30年度では12件というような数字が出ております。
 
○東委員 ありがとうございます。私どもの地域は、いわゆる海区漁業調整委員というのは、すごくやっぱり昔から権限があってというふうな意味合いがあるんですね。それの選挙も非常に厳しい選挙をやっていらっしゃるという実態があります。その中で、これは現場で聞いていないですけれども、公選制じゃなくて推薦になったときに、どうやって選ばれるんだろうかなというのがクエスチョンマークで、今言った書類審査であれば、やっぱり公募という言い方をするんですかね。何か選抜方式とか、そんな感じなのかなという気はするんですが、これはこれから初めてやられることですよね。応募・推薦ということで10月下旬とか、12月中旬からって。それぞれ意欲のある方が選ばれて、三重の水産を振興していただきたいなという願いで公平にやっていただきたいなというふうに思います。
 それから、罰金が上がると、当然、いろいろ公示したりとか告示したりとかするわけで、かなり減るという見込みがおありになりますか。減るのではないかという。
 
○藤田課長 海区漁業調整委員の選出方法についてなんですけれども、基本的には法改正に伴って、どのような方法が望ましいというようなことでガイドラインが出ておりまして、それに基づいてという形になっております。また、いわゆる推薦だけではなくて立候補ということで、あと、その状況についても、現在、公募しておるところですけれども、途中経過、また応募の状況を公表いたしまして、なおかつ公表の内容も、最終的にもそうなんですけれども、やはり立候補していただいた、文面の動機というんですか、そういった部分も、この部分については公表させていただきますという形になっております。それで、皆さん、誰もがそういった状況を見た上で、どういう状況かということも把握できるような形での公募となっております。
 それから、この罰則の厳罰化によって減るということですけれども、今回、全国的にいわゆる違法操業というようなことでの悪質化といいますか、高額なアワビですとかナマコなど高価に取引されるようなものが、組織犯罪で密漁されているような事例が全国的にあって、そういったものを防止する効果を狙って罰則の厳罰化がなされたという形になっております。
 
○東委員 承知しました。ありがとうございます。
 
○西場委員 先ほどの東委員のお話の続きになるんですが、この関係団体からの推薦とか応募というのは、漁業者委員のことについてなんですか。あと中立委員とか学識委員はどういうようにして選ぶんですか。
 
○藤田課長 推薦、募集は全ての委員に関して、漁業者委員、学識委員、それから中立委員と様式を変えまして募集をしておるところでございます。
 
○西場委員 関係団体の推薦というので、関係団体というのはどういう漁協を言うんですか、どういうところを言うんですか。
 
○藤田課長 おっしゃるとおり、水産関係団体ということで、漁業協同組合、それから漁業協同組合連合会とか信用漁業協同組合連合会とか、いわゆる水産関係団体に対して推薦依頼という形で、現在こういう形で一般全体に向けて公募もしておりますけれども、団体として推薦される方がありましたらお願いしますという形での依頼をさせていただいております。
 
○西場委員 分かりました。そうすると中立委員、学識委員については、自ら応募してくるんですね、そういうことですね、なるほど。
 
○藤田課長 そのとおりでございます。
 
○西場委員 ちなみに今までは全て漁業者委員だけだったんですかね。それで人数はどうでしたか、これまでの制度は。
 
○藤田課長 委員の構成は今までと変わっておりません。それから漁業者委員の9名が、漁民の方の選挙で選ばれていたという形になります。
 
○西場委員 なるほど。基本的なことを聞いて申し訳ないんですが、なぜ任命制になったの。どういう必要性で。当事者間の選挙じゃなくて、任命制にすると変えた国の根拠というか、それはどういうように国は言っているんでしたっけ。
 
○藤田課長 国の選挙から公選制ということへ変えた理由ですけれども。
 
○西場委員 任命制にね。
 
○藤田課長 全国的に、実際には選挙が行われることもなく、いわば定数に合った形で立候補があって、無投票での委員の決定というような事例も非常に多かったということもありまして、そういった中で、あえてもう選挙ではなくて、こういった任命制に変えて、なおかつそれには透明性を持って任命できるのであれば、そういった制度に変えるということで、こういった形になっております。
 それとあと、先ほどの推薦依頼ですけれども、関係団体ということで、学識関係とかは大学とか、そういったところへも推薦の依頼をしておるところでございます。
 
○西場委員 議会の同意というのは、学識委員も全部含めて同意を取るということでよろしいですか。
 
○藤田課長 そのとおりでございます。
 
○西場委員 分かりました。
 それと、密漁などの違反の罰則のこれは増やしていく。悪質なものを取り締まって、それを少なくしていくということには、ある面つながるということがあるかも分からんけれども、そういう漁業者というのは、実際はほとんどいないんですよね。なぜ、そういう密漁が起こるかというところは、それはケース・バイ・ケースで分かりませんけれども、そうやってして漁業区域を越えてでも行かざるを得ない漁場の環境とか、あるいは様々な状況があって、好んでそうやっていくというようなことは、現実的にはほとんど考えられないわけですよ。だから、そうやってして区域外まで行って操業していくというところに漁業の問題点、課題があると。私はこちらを、そういうことが起こらないような漁業に対する環境整備のほうがもっと重要であって、これを10万円を300万円にするなんてことは、全く対応として中身を心得ていない霞が関の浅い考えだと思うが、あなたの考えを聞かせてください。
 
○藤田課長 私でよろしいですか。
 今回の改正に伴うそういった罰則の強化というのは全国的なものでございまして、本県だけがということではございません。やはり全国的な水産資源の減少とか、そういった課題に対応するため、こういった必要な改正がなされたというふうに理解しております。
 また、いろんな事情があるということについては漁業の課題ということで、違反はやっぱり駄目としか言いようがございませんので、きちんと対応はしてまいりたいと思います。
 
○西場委員 もちろん違法操業というのは違法であって、これは断じてやるべきではないし、それを取り締まっていくということは当然ではあるけれども、先ほど申し上げたような状況というものをよく考えて、行政政策としてやるべきところがあればそういうこともやるし、また改善していかねばならんというふうに思います。この審議している場所は阿漕平治の町なんだから、そういうことを考えて頑張っておくれ。
 
○中瀬古委員長 ほかにございませんでしょうか。
          〔発言の声なし〕
 
○中瀬古委員長 では、なければ、(14)改正漁業法の施行に伴う漁業制度の変更について及び(15)アコヤガイのへい死等に係る対応についての調査を終わります。
 
 (16)各種審議会等の審議状況の報告について
    ア 当局から資料に基づき説明(更屋副部長)
    イ 質問      なし
 
 
○中瀬古委員長 最後に、これまで議論された調査項目以外で特にございましたら、御発言をお願いいたします。
 
○西場委員 この間、全員協議会で示してもうた令和3年度三重県経営方針(案)について発言していいんですか、いいですね。
 
○中瀬古委員長 どうぞ。
 
○西場委員 この経営方針の後段、28ページに、持続可能なもうかる農林水産業といって家族農業のところが書かれておるんですが、この文章がとても気になるんですよ。ちょっと皆さんの手元にないか分かりませんけれども、「水田農業において、地域の農業の一翼を担う「家族農業」の継続を促進し、将来的には集落営農等につなげていく必要があります」と。これは三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する基本計画をつくるときに指摘させていただいて、そうじゃなくて、家族農業は家族農業、そして集落営農は集落営農、そしてまた企業的経営、こういうものをそれぞれ目指して取り組んでいかねばならんということで基本計画も位置づけてもうたところでありまして、家族農業を発展させて集落営農につなげるということは、そういうことでない、この同意をお互いに取ったというふうに思っておるんです。この点についていかがでしょうか。
 
○近田次長 この持続可能なもうかる農林水産業で位置づけました家族農業のところでございますけれども、今回このところで示させていただきましたのは、家族農業にもいろいろあると思います。私どもで家族農業で捉えましたのは、小規模農業を行っている、例えば兼業農家でありますとか高齢農家、こういったところの継続を図っていくというようなことで上げてございますけれども、そうした農家につきましては、例えば後継者の方々に上手に事業を継続していただけるとか、あるいはここにちょっと上げましたけれども、どうしてもそういうようなところで継続が難しいところにつきましては、集落営農であるとか、そういったところにしていかないと、そういうような小規模農業の家族農業自体がやっぱりなかなか継続が難しいかなというようなことでございますので、そうした意味で、あくまでもここに書いてございますのが、全ての家族農業ではなしに、そういうような小規模の家族農業を何とか継続していく、継続が難しいところは集落営農に何とか誘導していきたいということの考えでもって、こういうような記述をさせていただいておるところでございます。
 
○西場委員 ぜひ改めてもらいたい考え方やね。その小規模な高齢農家、兼業農家は将来、つぶれていくというような前提で考えることをやめて、そういう人たちをいかに持続的に農業をやらせていくかと、こういう国の方針、そして三重県の基本計画、この位置づけをしっかり切り替えてもらいたい。そしていいですか、経営には3つある。1つは個人経営、そして集落営農、それからもう一つが企業経営、この3つの形態があるんや。もちろん個人経営の中には大中小があって様々あります。スマート農業を取り入れて大規模化をやる先進的な農業を目指す個人経営もおれば、家の事情でどうしても、もう跡取りもおらんけれども、まあ何とか頑張ってやっていこうという高齢者の農業もある。そういうまた兼業をしながら田畑だけ守っていこうとういう農家がある。今回はその個人経営の中の小規模経営者をどのように位置づけて、そして30%台まで落ち込んだ自給率を頑張って増やしていくかというところで、難しいことは分かりながらも、みんなでそれを、国も、そして県も、こういう方針をつくったわけだ。それを軽視するような今の発言だと僕は思うよ。そんな家族農業で将来が立ち行かんところは、集落営農にそれを吸収させていく、絡めていくというのは一つの方法ではあるけれども、今そんなことは全く考えてはならん。改めてください。
 
○近田次長 一生懸命、小規模な家族農業が何とか継続していきますように、失礼な言い方かも分かりませんけれども、そういった考えは重々分かっているつもりでございます。いろんな地域政策をやらせていただいております。国の事業なんかでも、中山間地域等直接支払制度でありますとか、そういったものを活用しながら、しっかりと営農を継続していただくように。それから、なかなか難しいんではございますけれども、例えば機械なんかでも、何とか国の事業を活用できるように共同化を図るとか、そういったこともしながら、一生懸命、少しでもそういった小規模な農業が継続していけるように取り組ませてはいただいておるところでございますし、これからもそのつもりでやっていきたいというふうに考えております。
 
○西場委員 そのとおりです。そういうような記述を基本計画、10年計画に盛り込んでいただいたと。で、我々もそれを認めたと。こういうことです。
 ですから、この2行、3行の記述は、それと相入れない。この3行をあえて言うなら集落営農の法人化、それから企業経営の推進とともに、家族農業の今後の継続を図っていくと。この3つを要望して終わります。
 
○前田部長 御指摘いただきました。昨年度この基本計画を改定させていただくときも、国のほうの動向も十分踏まえさせていただいて、修正もさせていただいて決定いただいたということで認識をしております。
 先ほど委員が言われたように、いわゆる雇用力のある農業経営体の育成、これまで進めてきたところもございます。そうした経営体と小規模な兼業農家や高齢農家などが共生しながら、地域農業が継続、発展していく姿というのを、この基本計画の中にも提示させていただいたところでございますので、その辺をしっかり踏まえて、今回の部分については、少し表現が誤解を招く表現かとも私も思いますので、そこのところは修正を検討したいと思います。
 以上です。
 
○西場委員 お願いします。
 
○中瀬古委員長 では、ほかにございませんでしょうか。
          〔「なし」の声あり〕
 
○中瀬古委員長 では、なければ、これで所管事項の調査を終了いたします。
 
 3 委員間討議
 (1)所管事項調査に関する事項       なし
 (2)執行部に処理経過の報告を求める事項  なし
 
〔当局 退室〕
 
 4 常任委員会活動の上半期の振り返りについて
 (1)「常任委員会活動 上半期振り返りシート(案)」についての説明(中瀬古委員長)
 (2)委員間討議
 
○中瀬古委員長 それでは、何か御意見のある方は発言願います。
 
○藤田委員 重点調査項目で課題を書いていただいていますけれども、これは今日の議論もそうですけれども、重点調査項目については、かなりの議論もさせていただいて、肯定的な、ポジティブな意見も書いていただいてはどうかなというふうに思いますが。
 
○中瀬古委員長 いかがでしょうか。
 
○藤田委員 年間活動計画について。ちょっと僕、勘違いして発言してしまいました。年間活動計画についてどうか、内容についてどうかということですね。
 
○中瀬古委員長 そうですね、年間活動計画の中の重点調査項目の中身で、先日、東委員からこの項目についての部分の課題を頂いたところですね。
 
○藤田委員 ちょっと訂正させてください。課題は書いていただいていますけれども、重点調査項目としての取り上げた内容についてはよかったのではないかという肯定的な内容もあったんではないかなと私は思いますが。
 
○中瀬古委員長 いかがでしょうか、ほかに御意見は。よろしいですか。
          〔「はい」の声あり〕
 
○中瀬古委員長 藤田委員から意見も頂きましたので。ありがとうございます。
 では、ここで得られた気づきを今後の下半期の委員会活動に生かしていきたいというふうに思っておりますので、どうか御協力のほどを、またよろしくお願いいたします。
 ほかに何か御意見はございませんでしょうか。
          〔発言の声なし〕
 
○中瀬古委員長 では、なければ委員間討議を終了いたします。
 
 
〔閉会の宣言〕
 
               三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
                             予算決算常任委員会環境生活農林水産分科会委員長
                             環境生活農林水産常任委員長
                                                     中瀬古 初美

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