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三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 令和2年度 委員会会議録 > 令和2年6月18日 環境生活農林水産常任委員会 予算決算常任委員会環境生活農林水産分科会 会議録

令和2年6月18日 環境生活農林水産常任委員会 予算決算常任委員会環境生活農林水産分科会 会議録

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環境生活農林水産常任委員会
予算決算常任委員会環境生活農林水産分科会
会議録
(開会中)
 

開催年月日   令和2年6月18日(木曜日) 午前10時0分~午後5時0分
会議室   201委員会室
出席   8名
        委員長    中瀬古 初美
        副委員長  石垣 智矢
        委員     下野 幸助
        委員     稲森 稔尚
        委員     藤田 宜三
        委員     東   豊
        委員     津田 健児
        委員     西場 信行
 
欠席   なし
出席説明員
   [農林水産部]
        部長                    前田  茂樹
        副部長                  更屋  英洋
        次長(農産振興担当)         近田  恭一
        次長(農業基盤整備・獣害担当)  藤本 隆治
        次長(森林・林業担当)        村上 浩三
        次長(水産振興担当)         荒島 幸一
        参事(CSF対策PT担当課長兼務) 矢野 次男
        農林水産総務課長           佐脇 優子
        農林水産財務課長          村田 洋一
        フードイノベーション課長       福島 賴子
        担い手支援課長            岡本  明
        農産物安全・流通課長        秦  和夫
        農産園芸課長             伊藤  敬
        畜産課長                中村 雅人
        農業基盤整備課長          堀江 正征
        農山漁村づくり課長          伊藤 隆幸
        獣害対策課長             近藤 和也
        森林・林業経営課長         横澤  篤
        みどり共生推進課長         中村  元久
        水産振興課長             伊藤  徹
        水産資源管理課長          藤田 弘一
        水産基盤整備課長          福田  渡
        農林水産政策・輸出促進監     世古  勝
        家畜防疫対策監            巽  俊彰
                                その他関係職員
委員会書記
   議事課     主査       岡野 俊之
   企画法務課  主任       奥村 克仁
傍聴議員   なし
県政記者   2名
傍 聴 者   3名
議題及び協議事項
第1 分科会(農林水産部関係)
 1 議案の審査
 (1)議案第121号「令和2年度三重県一般会計補正予算(第5号)」(関係分)
 (2)議案第106号「三重県家畜保健衛生所手数料条例の一部を改正する条例案」
 2 所管事項の調査
 (1)「三重県における補助金等の基本的な在り方等に関する条例」に基づく報告について
 
第2 常任委員会(農林水産部関係)
 1 議案の審査
 (1)議案第104号「三重県主要農作物種子条例案」
 2 所管事項の調査
 (1)“命”と“経済”の両立をめざす「みえモデル」について
 (2)「令和2年版成果レポート(案)」について(関係分)
 (3)水田農業の振興に向けた新たな戦略について
 (4)CSF等に係る対応状況について
 (5)子どもから大人までの森林環境教育・木育の推進について
 (6)森林経営管理制度の定着と森林整備の推進について
 (7)三重県水産業及び漁村の振興に関する条例に基づく基本計画(最終案)について
 (8)アコヤガイのへい死等に係る対応について
 (9)各種審議会等の審議状況の報告について
 
【会議の経過とその結果】
 
〔開会の宣言〕
 
第1 分科会(農林水産部関係)
 1 議案の審査
 (1)議案第121号「令和2年度三重県一般会計補正予算(第5号)」(関係分)
 (2)議案第106号「三重県家畜保健衛生所手数料条例の一部を改正する条例案」
    ア 当局から資料に基づき補充説明(前田部長)
    イ 質問
 
○中瀬古委員長 それでは、御質疑があればお願いいたします。
 
○藤田委員 補正予算の件で、具体的なお話をお伺いしたいなと思います。
 データサイエンスを活用した直売所ネットワーク構築事業費ということで上げていただいております。内容をお聞きしないうちにこの言葉を読ませていただいて、私の頭の中のイメージとしては、これはなかなかいいことやなと思うんでございますけれども、1000万円という予算の範疇の中で具体的にどんなことを考えてみえるのか、お話をお聞かせいただきたいと思います。
 
○福島課長 データサイエンスを活用した直売所ネットワーク構築事業の具体的な内容について御説明させていただきます。
 今回、新型コロナウイルスの感染拡大を受けまして、消費者の皆さんの中で地産地消に対する意識であるとか、地元の生産者を支援しようといった思いが高まっていることもございます。また、地域の中での流通が重要であるということも改めて認識されましたので、直売所の機能の強化を目指して、まず、直売所の今出荷されているものはどういったものがあるか、それから、その地域でその直売所を利用される方のニーズはどういったものがあるかというようなことを調査して、消費者に求められる生産品目への変更をお願いしていったり、それから、直売所ごとに出荷される作物が違っているようなこともあるので、それらをニーズに合わせて、直売所間での物流の交流なども考えていきたいと思っています。
 そこでは物流についても、コストといった面が課題になってくることもありますので、今年度に、この事業で実証してまいりたいと考えています。
 
○藤田委員 話を聞かせていただいて、まさに重要なことやと思うのですが、これ、具体的に進めていく上では、大変なことだろうと思います。例えば、生産量、出荷量をどんなふうに把握しようと考えてみえるのか。そして、利用者のニーズに対応していくというお話でございますけれども、じゃ、その利用者のニーズはどんなふうに捉えられているのか。POSのデータを1か所に集めて、それを分析するというようなことまで考えてみえるのか。その辺のところをお聞かせいただけますか。
 
○福島課長 今年度は数か所の直売所を選定しまして、モデル事業として行っていきたいと思っております。
 直売所において、POSのデータで分析ができるものもあれば、実際にそれが不可能な場合は周辺の農家、出荷されている農家の出荷状況などのデータを蓄積させていただいたり、消費者の皆さんのニーズにつきましては、実際に買われる状況、それからアンケートでありますとか、あとはいろいろ、今回データサイエンスとしてうたっているのは、AIなども活用して分析なども行ってまいりたいと思っていまして、そこの手法につきましては、今後委託事業の中で御提案をいただきたいと考えています。
 
○藤田委員 要するに、それを具体的にやっていくことについて、どこかのそういうことを専門にしている業者にお願いをしてやるというふうに理解していいですか。
 
○福島課長 なかなか専門にやっているところが具体的にはないと思いますので、例えば商店のお客様の動きなどを分析しているような事業所はありますので、いろんなノウハウを組み合わせて、オリジナルの直売所の分析というものを、やり方も含めて実施していきたいと考えています。
 
○藤田委員 お聞きすると、ますますこれは頑張ってやっていただきたいという思いなんですが、オリジナルのシステムを組み上げていくというような、お聞きすると内容ですけれども、例えばAIを使ってという話を今されましたけれども、AIにどんなデータを渡すんかという話になったときに、入れるものがデータ化されていないと使えないわけですよ。
 それで、当然、直売所を何店舗か指定して、そこからデータを集めて入れていくのだろうと思いますけれども、その組立てはどこがやりますか、どんなふうに。
 
○福島課長 こちらは県と、それからモデル選定させていただく直売所の皆様、それから委託事業者の皆様の意見も聞きながら組み立てていきたいと考えています。
 
○藤田委員 もうこれぐらいにしておきます。また具体的な話はさせていただきますけれども、この方向性というのは、農業生産物の流通の中で物すごく大事なことであるけれども一番遅れている部分だと私は思っています。そういうものに県として取り組んでいただけるというのは大変ありがたいことだと思いますが、その辺のところの組立ては非常に大事だと思いますので、細心に、かつ丁寧にやっていただくようにお願いして、終わります。
 
○下野委員 私も詳しく説明を聞きたいんですけれども、農地費、中山間振興費のところです。
 子ども向けの部分が二つ、自然体験と子どもの自然体験、2200万円と2000万円。これについてもう少し御説明をお伺いしたいと思います。
 ちなみに、みえモデルには38ページに書いてあるかと思うんですけれども、規模感とか人数とか、そこら辺を含めてお願いしたいと思います。
 
○伊藤(隆)課長 自然体験事業者受入体制強化事業費について、まず御説明をさせていただきたいと思います。
 本事業は、自然体験事業者等において感染拡大の防止対策の強化徹底を行い、受入れ体制の強化を図るものです。
 内容は3点あります。書いてあるんですけれども、感染拡大防止対策の衛生資材の支援ということで合計2100万円。これは、自然体験事業者における消毒液やマスク等の衛生資材の確保の支援に充てます。
 二つ目として、感染拡大防止に関しての講習会と、あと、三重の自然体験の安全性のPRをしていきたいと考えております。
 それで、衛生資材等の支援の中身なんですが、1事業者当たり10万円を上限としまして210団体を予定しております。ちなみに210団体は、来県延期協力金のときの210団体と同じ数の団体を予定しております。
 続きまして、子どもの自然体験機会創出事業の中身を説明させていただきます。
 新型コロナウイルス感染症の影響による夏休み期間の短縮や集団行動への忌避感等により、子どもたちが自然で遊び、学ぶ機会や家族で旅行する時間の減少が懸念されており、このため本事業によって大人がテレワークを実施できる環境を整備するなど、子どもたちが三重の自然の中で遊び、学ぶ機会の創出を図るということを目的としております。
 内容としましては、体験事業者、農林業や体験民宿とかも含みますが、新しい生活様式に即した子ども向け教育体験プログラムの造成や、大人が自然豊かな場所でテレワーク等を実施できる環境の整備の両方を、既に片一方を持ってみえる事業者は残りの分、片方でもいいんですが、その両方を満たすのに必要な経費のうち、1事業者当たり50万円を上限として40団体を予定しております。
 
○下野委員 ありがとうございました。一つ目の自然体験事業で、講習会とかPRの頻度というのはどういうぐらいなのかを教えていただけないでしょうか。
 加えて、両方とも南部地域がメインで、子どもさんというところのターゲットなんですけれども、子どもさんがこれを知る、どういうふうな形で県民のほうにPRしていくのかというのをもうちょっと、教えていただけますか。
 
○伊藤(隆)課長 自然体験は県下全域でやっていますので、南部に限定しているわけではないです。
 それで、これは自然体験事業者に対してまず衛生資材等の支援をするとなっています。それで、講習会につきましては、その自然体験事業者の職員などを対象に、今までも自然体験事業者における安全性の講習会とかはやっておりますが、それに加えて新型コロナウイルス感染症関係の部分も追加してやるというので、開催頻度は1回程度を予定しております。
 安全性のPRにつきましては、自然体験事業者に、このマスク等の衛生資材の確保につきまして、まずガイドラインをつくっていただこうと考えております。ガイドラインにつきましては、観光局がつくってみえるガイドラインの手引きを参考にしてガイドラインをつくっていただいて、そのガイドラインに沿って感染拡大防止対策を行う事業者に支援を行うことを予定しており、そのPRにつきましては、観光局と連携したというか、ホームページ上のPRを予定しております。
 
○下野委員 ちょっと私の質問が的を射ていなくて申し訳ないんですけれども、せっかくこれ、両方とも2000万円規模でやっていただく、事業者にやっていただくというのは理解しました。それで、対象は別に三重県民、全域なんやけれども、場所は南部になろうかと思うんですけれども、何が言いたいかというと、せっかくこんだけやっていただくので、PRをもうちょっとしっかりして、子どもさんたちにまで浸透して、参加してもらえるようにというのを私言いたかったものですから、そこのところ、いろんな事業でよくある、県の関係部署に紙を置いたりネット配信したりはそれはいいんですけれども、しっかりと周知徹底して、せっかくなんでたくさんの子どもさんに参加してもらえるようによろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
 
○東委員 3ページの一番下ですね。水産産地衛生管理向上対策事業ですかね。右側にその説明が書いてあるんですが、軽微な改修に要する費用と書いてあるんですが、この軽微というのはどのことを指すんですかね。
 
○伊藤(徹)課長 水産産地市場衛生管理向上対策事業費の事業内容であります。軽微な改修に要する費用の支援についてお答えいたします。
 これにつきましては、現在は、産地市場の中で、この新型コロナウイルス感染症の感染を受けて様々な衛生管理対策が取られてはおるんですけれども、やはり今後、一般の県民の方等の衛生管理意識も高まってくることが十分予想されますし、流通の段階でそういったものが求められてくることが考えられますので、しっかりとそういった実需要者側からの衛生管理を求める声に対応できるような施設改修であるとか、あるいはアルコール液を置くとか、そういった部分の軽微な改修を考えております。
 
○東委員 今のはコロナ対策で、手指衛生とかも含めてアルコール消毒とか、軽微なという感じなんですが、市場そのものが、つまりアフターオリンピックじゃないですけれどもオリンピックに備えた形で流通経路をHACCP対応に全てするとか、それから衛生機材とか冷蔵庫とか、コールドチェーン化するとか、そんなような構想の中でのお考えは今回はないということですか。
 
○伊藤(徹)課長 この事業に関しましては、そこのレベルに達する以前のところで、やはり現場は、しっかりと衛生意識を持ってやっていかないといけないというところがありますので、そういった意識の改革につながっていくような部分で、先ほど委員がおっしゃったようなところへ最終、到達できればというふうには考えております。
 
○東委員 ありがとうございます。こういう機会を捉えて、ウィズコロナ、アフターコロナを踏まえて、より近代的、将来のビジョンを形づくって、それに備えて一歩一歩歩んでいくというのがいいと思うんです。国の予算を使ってこんな形で対応するわけですから、その大きなプランの中の一里塚みたいな形で御計画される、当然お考えだと思います。
 それから、もう一つ聞かせていただきたいんですが、下野委員が質問されていましたが、2ページの一番下ですね。ワーケーションを推進するための受入施設の環境整備等の取組ということになるんですが、この環境整備は、1団体50万円で40か所と試算していらっしゃいますが、50万円というのは、例えばどんなことを具体的に想定ができるんですか。教えていただければと思います。
 
○伊藤(隆)課長 子どもの自然体験機会創出事業の50万円の想定の中身なんですけれども、まず、ワーケーションの設備が整っていないところについてはWi-Fi機器を入れてもらうとか、そういうのも想定しております。
 また、逆に、子どもの自然体験の部分につきまして、例えばその体験をするのに必要な細かい道具というか、そういうのでも買ったりしていただけるというふうに幅広く考えております。
 
○東委員 幅広く考えていただいているのは大変ありがたいんですが、具体的にサンプリングでこんなのというのがある程度例示をされるんじゃないかなと思うんですが、募集とか応募の段階になったときに。例えば、主語だと思うんですが、自然体験事業は子ども向けの教育体験プログラムというのが大本になっているのか、それとも大人のワーケーションというのが主語になっているのか、そこいらあたりが、やっぱり具体的なこういう形で予算使ってくださいよといったときに、ある程度何か呼び水をしないといけないような気がするんです。
 例えばですけれども、大人のワーケーションといいますと、何が必要かって、具体的に私の身内の者がテレワークしていますが、やっぱり椅子とか、長時間座っている椅子というのはなかなか自然体験施設にはないですね。リラックスするようなこんなものがあったりしても、でも、こうやって座る椅子がなくてとか、そういう事例をお考えになったほうがいいんじゃないかなと。もちろんWi-Fi、高速インターネット回線も必要ですし、遮断するような、ちょっと落ちつくような空間というのがやっぱりワーケーションには必要なんじゃないかなと思うんです。
 ある程度今ある、例えば大台町の、宿屋まてまてもちょっと見せてもらいましたけれども、サンプルであんな形を例えばモデルハウス的にやるとか、やっぱり先導的というかモデル的なものをある程度例示していくということが必要なんじゃないかなと。絵に描いてですね。そうすると、この50万円の40件が活きてくるような感じがするんですが、その辺についてはいかがですかね。
 
○藤本次長 今委員がおっしゃるように、しっかり例示もしていかなあかんと思っていまして、例えば先ほど課長が申し上げましたように、資材で、例えば農業体験であれば子どもが使う長靴であるとかかっぱであるとか軍手であるとか、例えば林業体験であればロープであるとか、水遊びであれば水中眼鏡であるとか、そういったものも幅広に提供もさせていただくと。そうしたことで、ファミリーワーケーションと申し上げますか、子どもは自然体験でしっかり遊んでいただき、大人は子どもの夏休みに合わせてしっかり仕事していただくというようなことで、おっしゃるような資材等も含めて整備しながら、幅広にそこはそろえていきたいと思いますし、PRもしっかりしていきたいと思いますし、補助金の要綱なり要領なりを整備するんですが、そこにしっかり書かせていただいて募集していきたいと思いますので、御理解いただきたいと思います。
 
○東委員 ありがとうございます。そのように取り組んでいただければ結構です。
 ワーケーションそのものがなかなか根づいていかないという今の時点だと思うので、こんな形ですよ、みたいなイメージができやすいような形でお示しいただければ、答弁結構ですので、よろしくお願いします。
 
○中瀬古委員長 ほかにございませんでしょうか。よろしいですか。
          〔発言する者なし〕
 
○中瀬古委員長 それでは、なければこれで本議案に対する質疑を終了いたします。
    ウ 委員間討議   なし
    エ 討論      なし
    オ 採決      議案第121号(関係分)   挙手(全員)   可決
              議案第106号        挙手(全員)   可決
 
 2 所管事項の調査
 (1)「三重県における補助金等の基本的な在り方等に関する条例」に基づく報告について
    ア 当局から資料に基づき補充説明(更屋副部長)
    イ 質問
 
○中瀬古委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いします。
 
○藤田委員 受ける側の名前と住所が未定になっていますが、これはどういうことなんでしょうかというのが1点と、補助率はどんなふうになっているのか、その2点だけ確認させてください。
 
○伊藤(徹)課長 未定になっている分につきましては、現在、各漁協とかに隣接されている市場が、県内で約40か所あるんですが、そこに対して全額補助という形での補助を考えております。
 
○藤田委員 ありがとうございました。
 
○中瀬古委員長 よろしいですか。ほかにはございませんでしょうか。
          〔発言する者なし〕
 
○中瀬古委員長 それでは、なければこれで農林水産部関係の所管事項の調査を終了いたします。
 
 3 委員間討議
 (1)執行部に処理経過の報告を求める事項  なし
 
第2 常任委員会(農林水産部関係)
 1 議案の審査
 (1)議案第104号「三重県主要農作物種子条例案」
    ア 当局から資料に基づき説明(前田部長)
    イ 質問      なし
 
○中瀬古委員長 それでは、御質疑があればお願いいたします。
 
○藤田委員 種子法がなくなって、種子条例をつくっていただいて、主要農作物については県の責任でやっていくんだという意思表示を条例という形で持っていただいた。誠にありがたいと思っております。
 その中で2点ほど確認させてください。
 1点目、要は安全・安心のための、という表現をしていただいております。この視点から見たときに、県としてゲノム編集という形での育種について、新しい品種を創っていくということなんですが、このことについてはどんな考え方を持っておられるのかというのが1点と、もう1点、品種開発をしていく上で、民間との連携という表現をしていただいております。この連携をする相手なんですが、この辺のところをどんなふうに考えてみえるのか、この2点、まずお聞きしたいと思います。
 
○近田次長 委員の御質問にお答えしたいと思います。
 まず、ゲノム編集など、例えば遺伝子組換えの品種でありますとか、あとゲノム編集の取扱いについてでございますけれども、まず、遺伝子組換えの作物につきましては、カルタヘナ法でありますとか食品衛生法、あるいは飼料安全法といった別の法律におきましてきちっと評価をしていって、承認されたものについて一般使用ができるというふうになってきています。
 あとゲノム編集のものにつきましては、最近、遺伝子を切るような酵素が発見されてから急速に進んだ技術でございまして、今、厚生労働省がまとめた案といいますか、取扱いにつきましては、ゲノム編集で外部から遺伝子を組み込んだものについては、しっかりと承認を取らなあかんというようなことになっています。それから、あと、元のある遺伝子を切ったりして、外部からの遺伝子の持込みがない品種につきましては、届出をするというような規定がされていると思っています。そうした厚生労働省の情報などもしっかりと収集いたしまして、例えば奨励品種の決定に当たってはしっかりと審査をしていきたいと考えております。
 それから、品種開発についての民間事業者との連携の話でございますけれども、民間事業者との連携につきましては2通りあるのかなと考えています。一つは、卸売業者でありますとか飲食事業者ですね。直接品種開発には携わらないような実需者と連携する場合、それからもう一つは、種苗事業者といいますか、種苗会社といいますか、品種開発に直接連携していく場合、2通りあると考えています。
 実需者との連携につきましては、基本的には県が主体になって農業研究所で取り組むというようなことでございますので、帰属としては100%県にあるのかなと思っています。あと、そういった開発業者との連携につきましては、最初の品種開発の契約をするときに、ちゃんと帰属に関する基本的な考え方みたいなものを整理した上で、実際にその品種開発に携わった研究者等の例えば時間数でありますとか業務の内容というものをしっかり審査して、帰属の割合が決まってくるのではないかなと考えています。
 
○藤田委員 ありがとうございました。ゲノムの場合は外から持ってこないというお話をされました。具体的に、例えば稲の育種をするという話の中で、稲というのは非常にたくさんの品種があります。原種があります。今コシヒカリがあって、そのコシヒカリに例えば昔の古米の色をつけたい、例えばですよ、色をつけたいということで、色の遺伝子をちょん切って持ってきてコシヒカリに入れる、これはゲノム編集になりますか。遺伝子組換えになりますか。
 
○近田次長 ゲノム編集も一つの遺伝子組換えの技術だと考えておりますので、そういったことも遺伝子組換えの品種になろうかなと考えます。
 ゲノム編集につきまして、先ほど言いました、本当にすばらしい酵素みたいなのが開発されまして、特定の部位を切るというようなことができるようになりました。そこにほかの品種の遺伝子を組み込むというようなこともできるようになったわけでございますので、そうしたことのきちっとした情報を、これから県としてもしっかり情報を仕入れて適切に対応していきたいと考えております。
 
○藤田委員 ぜひ慎重に、色の出る一つの遺伝子、ゲノムを特定して切ることが今できるようになったわけですよ。それを取り出してコシヒカリに入れるというようなことも可能に近い状況になっていますので、その辺のところも含めて、やっぱり消費者の皆さんは、大丈夫かい、というようなこともありますので、慎重にやっていただきたいのが1点です。
 それともう1点、連携の話ですが、連携していく、特にどういう商品を創っていくんだ、どういう方向で育種を進めていくんだという意味で、消費者の皆さん、消費者につながる皆さん方の情報をいただきながら連携して育種をしていく、これは本当に大事なことですのでぜひやっていただきたいと思います。
 ただ、一緒になって育種をやっていくときの考え方ですけれども、どの程度関わったんだというところで今お話があったと思いますが、私は、例えば全く三重県の持っている遺伝子資産とは関係のないところで新しいものを創っていくという話については、それはそれでいいんだろうと思いますが、三重県の今まで長年にわたって培ってきた遺伝子資産というものが私はあると思います。これはそれを開発していく上で基本になるわけですから、このことについて、多くの皆さん方が関わってきているわけですね。
 この辺のところはやっぱり意識していただいて、三重県の遺伝子資産を使うということであれば、最低でも50%以上の権利を保有した形でやっていただきたいなと思います。答弁は結構ですので、ぜひこの辺のところは心に置いて進めていただきたいと思います。
 以上です。
 
○西場委員 先ほどの藤田委員の考え方に、賛成です。国が交配したときに、外国企業からどこへ行くかも、全て試験場の持っとる遺伝子、種子情報を公開せえと。そして、民間の事業者に提供して民間でやってもらえと。規制改革会議の皆さん方中心にこういう考え方でやってきた。これは間違っていると私は思うんです。それで、また世の中がそういうように今変わろうとしている。そういう中で、改めてこれから、種子に限らずですけれども、いろいろと検討していかなければならないけれども、今の藤田委員の言ってみえた民間事業者との連携、提携、これがある面大事ですね、これを進めていく中で。
 とはいえ、この三重県の試験場関係者が作ってきた様々な品種があるわけですよ。三重みどりというピーマンがあったりね。いろいろあった。だから、そういうものを今、それが蓄積されていないのも、保存していないのも問題だけれども、あるものをむやみに出さないと。だから、出せる種子データと出さない種子データをどうするかということについて、一遍検討してもらいたい。いかがですか。
 
○前田部長 今御指摘いただいた点、非常に大切な部分だと考えております。今回は主要農作物ということでこういう種子条例を策定させていただくということで、この中で県としてしっかり原種なり原原種を生産して守っていきたいと考えていますし、これまで野菜等の部分も含めて、三重県はいろんな形で品種開発されてきておりますので、そこをしっかり守っていくという立場で再度、そういうような国の流れも十分承知はしておりますけれども、そうした上でも今おっしゃられたような観点で県としても対応を考えていきたいと考えています。
 
○西場委員 ありがとうございます。前向きな回答をいただいたと思っております。確かに、国といいますか、このオープンなグローバルの流れの中でそういう動きがあることは事実ですし、そこのメリットといいますか、ものも当然あるわけですけれども、だから、それにはやっぱりここまで出す、これは出さないというところの三重県としての考え方、方針をやっぱり整理していく必要があると思うんですね。
 今回は、品種開発の中で民間事業者との連携というものが打ち出されておりまして、これはこれで消費者の動向を調べたり、また、それの中に入る企業者、事業者との連携を協力的に進めるというところのメリットも考えられるわけですが、リスクがありますから、そこのところをぜひ御検討いただきたいと思います。進めていただきたいと思います。
 もう一つよろしいですか。
 
○中瀬古委員長 はい、どうぞ。
 
○西場委員 今御説明いただいたんですが、法にのっとってやってきた、そしてその後、法が廃止された後、三重県が要領でこれの事業を続けてきたということですが、この要領のやり方と今回の条例が、どこがどういうふうに変わったかということについて、もう一遍改めて聞かせてください。
 
○伊藤(敬)課長 委員がおっしゃいましたように、これまで法が廃止されてから実施要綱というのを制定して、その下に様々な要領を制定して取り組んでまいりました。
 今回、条例ができた暁には、要綱を改めて制定しまして、さらに細則に当たる要領を制定してやっていこうと考えていますが、基本的にはこれまで取り組んできた内容をベースにやっていきたいと考えておりますけれども、先ほど来、出ています安全・安心の確保、こういった部分の視点をしっかりと要綱、要領の中に落とし込みながら策定して、採種事業の運営を適正に図っていきたいと考えております。
 
○西場委員 要綱に沿って条例ができたということでよろしいんでしょうか。要綱の内容で条例ができたと。
 
○伊藤(敬)課長 条例が制定された暁には、改めて要綱を制定するということです。
 
○近田次長 種子法が廃止された後、県が要綱をつくって、今まで種子の安定供給をやってきました。この要綱の内容につきましては、ほぼ種子法の内容に準じた形で規定を設けまして、種子の安定供給というようなことでやってきています。
 今度条例が制定された後には、しっかりと食料の安全・安心の確保につながるように、またこの条例とは別に、この条例に基づく規定をより適正に実施していくために、きめ細かな要領、それから指定基準みたいなものをしっかりつくって運用していきたいと考えております。
 
○西場委員 今は、要綱が手元にありませんし、ちょっと記憶がないのではっきりしないんですが、この指定種子団体ですね。今まで三重県米麦協会がこれをずっとやってきたと。この法律ができて以降、ずっとやってきたわけですね。それで、米麦協会というのは申すまでもなしに、農業団体含めて、農家を含めて、全てそのことを網羅して今までやってきた団体ですね。ここで改めて指定団体を選んでいくといいますか、結果、どこになるか分かりませんが、民間事業者も入れて検討していくというようなことになって、価格競争で民間事業者がやっていくということも可能性として出てくるんですけれども、私は考えられないね、それは。
 今までの要綱に指定団体として名称になっとったんが、三重県米麦協会という名前になっとんか分からないけれども、新たにつくられる要綱の中には米麦協会というものが、きちっと名称が出るんですか。
 
○近田次長 今度つくる要綱の中には、具体的に米麦協会というふうな名称は規定しないということで考えております。しかし、業務をしっかりやっていくための、指定に係る要件、こういうふうなものをきちっと定めまして、それで県内の中で適正に業務、種子の安定供給という業務をやっていただく団体というものをしっかりと選んでいきたいと考えております。
 
○西場委員 種というのは農業生産にとって命ですね。一番、要です。種を握ったところがその地域の農業を支配すると、こう言われております。
 それを一民間事業者が握った場合に、もちろん事業者にも様々なものがあるわけですけれども、ですから一概には言えませんけれども、非常にリスクが大きい。だから、その中で県の指導を強めるということも併せて書かれておるんだろうと思いますけれども、今までずっとこれに貢献してきた県の米麦協会がありながら、それを疑うかのようなこういう書きぶりになって、まさかそんなことはないだろうと思いますが、それに対する、米麦協会に対する評価なり、それについてもコメントをいただきたいし、こうなるというのは、国なりからそういうグローバルに対しての強い働きかけがあるのでそういうふうになってしまうのか、あるいは民間事業者が既存の協会じゃない自分たちにやらせよという強い働きかけがあるのでこういうふうになったのか、ちょっとその辺の、周辺の環境情報を聞かせてください。
 
○近田次長 これまでは、米麦協会につきましては、種子の安定供給という業務において、現場の情報でありますとかしっかり把握していただきまして、それからあと種子生産者ですね。今、現状高齢化になってきて、なかなか跡継ぎもいないという状況の中で、きちっと種子の生産者も確保していただいて、需要に応じた種子を生産していただくという取組をやっていただいておりまして、本当に重要な業務を行っていただいているということで、本当にそういうふうな認識をしております。
 今回、国のほうの先ほどの農業競争力強化支援法の中で、種子法が廃止されたわけですけれども、この指定種子団体につきましては、引き続き本当に重要な任務を行っていただきますので、そのあたりをしっかりと、適切に評価をさせていただいておりますけれども、その後の継続性も併せて審査をさせていただいて、指定種子団体を選んでいきたいと考えております。
 
○西場委員 WTOとか、あるいは世界的な流れの中で、いろいろ国に対する圧力があることは事実でしょう。それをもって三重県のような、こういう資源的に弱小な国政は揺り動かされとる事実がある。しかし、それは国の一つの現実として、国政の場面として認めていかざるを得ないけれども、国がなくした後、県が独自でこういう条例、県の法律をつくる以上、三重県としてどこに三重県の重要性、独自性、そういうものを打ち出していくということが大事なんで、それがこの条例なんですよ。
 他県の条例でも、こんな民間事業者を入れて競争入札しますなんていうことを書いておるところは少ないだろうと僕は思うよ。もっと三重県のこれまでを支えてきた農業者、農業関係者、そして農業関係団体、こういうものを大事にしながら、三重県にとっていい形のものをつくっていくようにしないと駄目。まあ、ここまで来て条例制定というのも少し遅きに失するからそこは認めていくとしても、次の要綱でこの辺をしっかり書き込んでもらうように、私も常にお願いもしますし、またそこをやっていただくことを要望したいと思いますが、いかがですか。
 
○近田次長 委員がおっしゃるように、指定種子団体の決定、指定に当たっては、しっかり要綱等に規定しまして、しっかり選定していきたいと考えております。
 
○西場委員 終わります。
 
○藤田委員 大変重要な御意見だと思います。具体的にこれはどんな仕組みで選定されますか。それだけお聞かせください。
 
○近田次長 要領の中で指定の要件をきちっと定めてまいりたいと考えております。業務の継続性、それから需給情報の把握でありますとか、そこら辺をしっかりと審査させていただきまして決定をしていきたいと考えております。
 
○藤田委員 それは近田次長が決められるということですか。ちょっと極端な言い方をしますが。
 
○近田次長 県の中で審査会みたいなものをつくりまして、しっかりと審査をしてまいりたいと考えております。
 
○藤田委員 ぜひ、その審査会の中に客観的に見られる方を入れていただくことも必要かなということを申し上げておきたいと思います。
 以上です。
 
○中瀬古委員長 よろしいでしょうか。ほかに質疑はございませんか。
          〔発言する者なし〕
 
○中瀬古委員長 なければこれで本議案に対する質疑を終了いたします。
    ウ 委員間討議   なし
    エ 討論      なし
    オ 採決      議案第104号        挙手(全員)   可決
 
○中瀬古委員長 1時間程度経過をいたしましたので、換気のために一旦休憩としまして、再開を11時5分からとしたいと存じます。暫時休憩をいたします。
 
          (休  憩)
 
 2 所管事項の調査
 (1)“命”と“経済”の両立をめざす「みえモデル」について
    ア 当局からの資料に基づき説明(前田部長)
    イ 質問
 
○中瀬古委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いいたします。
 
○藤田委員 いつも僕が一番で申し訳ないです。たくさんあるんですけれども、とりあえず1点、23ページの外国人技能実習生を受け入れるという方向でいろいろ動いておりますし、私の地元でも多くの外国人の方が仕事をされておるんですが、この人たちが住むためのアパートを造るという場合に、県としてはどういう扱いをされるのか、建物として。
 要は、農業用施設として扱うのか。これを、一般住居にすると、いわゆる農用地区域でかつ市街化調整区域の中にアパートを建てるというのは非常に難しい現状があります。こういうことが提案されたときに、まず農林水産部として農振地域の除外には対応するのかされないのか、お聞きしたい。
 
○近田次長 外国人実習生の住宅の関係でございますけれども、今の法律に基づいてやっていくとなると、農業振興地域の整備に関する法律と、それから農地法でもって、例えば農地に造る場合については、農振からの除外と農地法の転用の許可が必要になってくると思っています。
 基本的に宅地に転用するわけでございますので、そうした規制をクリアしていただくというようなことで、ケース・バイ・ケースになって、除外できるケースもあるかと思いますし、そうでないケースもあろうかと思っています。
 
○藤田委員 除外されるケースというのは、当然、最近農業も大型化してきて、特に大面積をやっていくという話になると、かなり周りに宅地の少ないところで農業を経営される方が非常に多くなっている。大型化ゆえに人間もたくさん要ると。そうすると、賃借をして住むことのできない地域というのはたくさんあるわけですね。そうすると、今の現状どうなっているかというと、離れたところにアパートを借りて住んで、通わなければならないという現状が起こっておるんです。
 こういう場合に、例えば経営者の近くの農地に建てるという、仮定の話で申し訳ないんですが、こういう場合は対象になるのかならないのか。
 
○近田次長 農地を転用して建てる場合のお話をさせていただきますけれども、農地には農地法の中で転用の基準があります。農地につきましては段階的に、必ず農地として守っていく農地、それから、そうではない農地ということでいろいろ区分がされておりますので、そういった農地の位置関係なども適正に審査しながら、多分転用の許可を出していくことになると考えております。
 
○藤田委員 ありがとうございます。また個別具体の話はさせていただくということで、この件に関しては以上です。
 学校給食の利用拡大につなげるということで、いろいろ先般の補正予算もあれですけれども、その辺の状況がどんなふうになっているか、お聞かせいただけないか、学校給食にマダイであったり牛肉を使うというようなこと、それもこのみえモデルの中の一つの施策かなと思うんですが、その進捗状況をお聞かせいただけませんか。
 
○伊藤(徹)課長 先週、教育委員会を通じて各学校のニーズの聞き取りの調査を実施しております。6月中に御回答をいただいて、実態として供給する加工の形態であるとか供給量、そういったものを把握して、順次供給を進めていきたいと考えております。
 
○藤田委員 地元の教育委員会と話はさせていただいて、何とか使っていただきたいなという話を、意見交換させていただいたんですが、献立表がかなり先まで出来上がっているという現状があって、この辺のところはどんなふうに考えていますか。献立表は、先のことを考えてやっていくのか、その辺のところも含めて交渉もいただいておるのかなということだと思うんですが、今はそこまでまだ進んでいないと理解したらいいんですか。
 
○伊藤(徹)課長 先ほど申し上げましたアンケート調査の中で、供給希望時期も含めて聞き取りをさせていただいて、例えば献立が先2か月決まっているのであれば、9月とか10月とか、そういったところのタイミングで供給をさせていただくような形で進めていきたいと考えております。
 
○藤田委員 ぜひこれは、せっかく予算もついていますので、前向きに全面的に頑張ってやっていただきたいなと思います。
 もう一点、先ほど今回の補正予算で予算が出ておったんですけれども、データを取るという話がありました。これ、ぜひこの直販のデータを集めて、それを戻してと、こういう作業をやって情報を取って、そして、それを生産に結びつけていくという、この考え方は非常に私も期待しておりますということを申し上げましたけれども、これをできるだけ今回のことだけにとどまらず、もう少し広げていくようなことも含めて、将来のことも展望しながら、そのデータをもっとこんな形で広げながら取り込みながら、そして、もっとその基礎データの数を増やしながら進めていくようなことをぜひとも考えていただきたいと思っておるんですが、その辺のいわゆるみえモデルと言われる方向性について、どんなふうに考えてみえるのか、お聞かせいただきたいと思うんですが。
 
○福島課長 藤田委員が言われますとおり、今回新型コロナウイルス感染症をきっかけとして地産地消を改めて見直し、直売所の強化を行っていくということでありますけれども、これは改めて見直して、将来にわたって地元で生産される農水産物を地元の方に御利用いただき、また、それが農家、漁家の収入の確保にもつながって、担い手が継続的に農林水産業を担っていけるということを目指しておりますので、今年度モデル事業として実施するものは、地域、県内へ広く展開していきたいと考えています。
 
○藤田委員 この段階でどこまでお話しできるかというのはちょっと難しいところもあろうかと思いますけれども、要は生産と消費をどうやってマッチングさせていくか。特に今回明確になった、今もおっしゃられたように、地域流通をもっと重視していく必要がある、地域経済をもっと重視していく必要があるというお話でございましたので、ここにおける、やっぱり消費ニーズの正確なリアルタイムで情報を集める、そのためにどうしたらいいんだ、その一つのスタートとして今回の予算が使われるようにぜひとも考えていただきたいということをお願いして、終わります。
 
○前田部長 この「みえモデル」でも、31ページの一番下のところに「地消の推進」ということで、この直売所の相互支援の促進に取り組むこととしております。
 直売所の高付加価値化を図ると。今回の新型コロナウイルス感染症の関係で、やっぱり先ほど言われた地域内での生産、あるいは地域内での消費ということの重要性が県民の皆さん、国民全体も理解されてきておるし、また、農業の大切さということも、食料の安全保障というような部分も含めて再度認識がされてきて、また、そういう理解も高めていかなければならないと思っておるところでございまして、その一番身近なところがこの直売所の話かなと思っていますので、これは今後、やっぱり地域での生産・消費ということがベースにあるということが足腰の強い農林水産業につながっていくと考えていますので、しっかり力を入れて、直売所の方とも十分に意見交換させていただきながら取組を進めていきたいと考えてございます。
 
○藤田委員 よろしくお願いします。
 
○東委員 ないと思っていたんですけれども、今、藤田委員の話を聞いてちょっと思い出しました。31ページですね。ECサイトというので、みえの産品ネット販売緊急応援事業というのが公表されて、一応締め切ったかどうか分かりませんけれども、先着100名ということだったんですが、その応募の状況と進捗度合いですね。
 ここで聞きたいのは水産関係の生産現場へ行くと、こういう事業がありますよと言ったとしても、いや、もうタイの養殖そのものでそんなことは手が回らないよというお声があって、仮に手を挙げたとしても、以降の管理も含めて、つまり管理部門の人材という資源がないような気がするんですが、その辺の対応策とかって考えていらっしゃいますかね。二つ目の質問になりますが、お聞かせをいただければと思います。応募状況をまず、進展状況ですね。
 
○福島課長 現在は、このネット販売緊急応援事業ということで、新たに構築する事業者を100件、それから、今既にネット販売を行っているものについて、リンクを張るというのは上限はなく募集しているところです。
 それで、新しく構築をしたいということで申込みいただいた件数が57件。100件が目標ですので、もう少し今働きかけを行っているところです。それから、広報支援ということで、掲載を希望されて申し込んでいただいた方が39件となって、計96件となっています。
 その取組についての人材の支援ですが、実際に初めてこの構築支援を申し込んでいただいた方の中でも、手続等でも手間取っている方がいらっしゃいますので、こちらは今回、県の支援の中で1件1件、委託事業者や県の農林水産支援センターが対応をしているところです。
 また、今回の補正事業の中でプラットフォーム構築事業というのがありまして、そこでオンラインを使った事業者間の交流というようなものもやっていきたいと考えていて、そういった中で、今までですと研修を受けるために津まで来ていただかなくてはいかなかったんですが、オンラインを通じて研修をするなどして、ECサイトを使った販売のノウハウとか、また、自分の商品をECサイトを使ってどのように魅力的に伝えるかといったような研修なども行っていきたいと考えています。
 
○東委員 ありがとうございます。100件募集して50件ということは2分の1で、これからも広めていくというわけですが、結局、こういうことをやっていますよって知らせを受けたとしても、いや、うちはもうできないという、何か出遅れてしまう感じがあるんですね。そこのところを支援センターなり、それからほかの業者も含めて、それこそデジタルトランスフォーメーションというイメージばかりじゃなくて、やっぱりアナログ的に背中を押してあげないと、次の段階、ステップには進めないんじゃないかなと。
 もちろん、個人事業者同士が協働していくというパターンもあろうかと思います。1件1件持つんじゃなくて、共同体みたいな形で、グループで共販サイトみたいなことをつくってみたりとかというアドバイスも含めて取り組んでいただければなと思います。目標100件ですので、引き続きPRしていただきたいと思います。
 
○下野委員 26ページのワーケーションのところですけれども、モデル的な取組を水平展開すると書いてあります。これは、非常に大事なことだと思います。
 前段で、東委員もおっしゃっていました子どもの自然のところのワーケーションで、40団体の例えばどんなんありますかみたいなお話もあったと思うんですけれども、それも含めて、全体的にモデルの水平展開は、どれぐらいの企業数をイメージされているんでしょうか。
 私もこの前一般質問させていただいたんですけれども、ふるさと副業とかふるさと兼業とか、一つ事例を挙げると、津のお酢を作る製造業が、副業で結構、首都圏のノウハウを生かしながらうまいこと販売されているというのは聞いているんですけれども、まちの本当にそういう小売業なんかもしっかりと取り入れていただきたいと思うんですけれども、モデル事業は、どんなイメージでしょうか。
 
○前田部長 このワーケーションにつきましては、農林水産部だけではなくて雇用経済部とか地域連携部とも連携して今後三重県のワーケーションを進めていきたいと考えておりまして、全体としてどういうふうな形で進めていくというのはまだ、今後庁内で関係部の中で検討を進めていきたいと考えておりますので、今もって私どもの農林水産部からこのぐらいの数というのは持ち合わせていないというのが現状でございます。
 
○下野委員 2つや3つだけじゃなくて、いろんな業種、いろんなノウハウを欲している小規模企業は多数あるかと思いますので、幅広く水平展開をしていただきますようによろしくお願いしたいと思います。
 それから、もう一点教えていただきたいんですけれども、32ページの、市場機能の強化。例えば、北勢には北勢地方卸売市場とかあるんですけれども、そういったところを、無線ネットワークを整備し、と書いてあるんですけれども、ここら辺の規模感とか、遠隔取引ってどれぐらいのイメージをされているんでしょうか。
 
○秦課長 下野委員の御質問にお答えしますが、今回はあくまでまず、この補正の中でやらせていただきますが、市場は事業を止められないということで、県民の方に食料、新型コロナウイルス感染症の感染拡大があった場合も継続して事業をしながらということで、まずは感染拡大という中で、防止をする補正の予算で施設整備ということでやらせていただいていますが、あと、今御質問のあったWi-Fi、いわゆる無線環境ですが、まだまだ従来の市場というのは、アナログでの取引が中心でありますので、一部今回のコロナの拡大で県の三雲の市場なんですけれども、こちらのほうでいわゆる電子取引というか、電話とかテレビ会議での取引を試験的に始めたということも聞いておりましたので、まず、全市場というか、産地市場の中でも県の持っている三雲の三重県地方卸売市場の中で、Wi-Fiを卸業者、それから仲卸業者等を中心に、大体それが全部で10事業者ぐらいありますが、こちらのほうにWi-Fiの無線の機械を県で購入して貸出しをしまして、まずはそれを使ったテレビ会議とかテレビ電話での取引とか、これはスマートフォンとかパソコンを使ってできるわけですけれども、そういったことに少し環境的に慣れていただいて、そういう環境に慣れながら、最終的には人と人とが接触しないような取引形態の電子取引の方向へこれから検討を進めていただきたいなということで、そのきっかけとしてこういった機械を導入することにしています。
 これについては、今年6月21日に卸売市場法が改正されて、昨年県の条例も改正させてもらった中で、商物一致という部分が今までは市場の取引にあったんですけれども、緩和されました。そういったことも踏まえながら、電子取引の推進をするということで、今回こういった環境整備を進めていくことにしております。
 
○下野委員 この関連の資料がありましたら、またいただきたいと思います。ありがとうございます。
 
○秦課長 後ほどまたお渡ししたいと思います。
 
○西場委員 31ページに生産者への支援という項目があります。こういう生産者への支援という言葉自体が物すごく新鮮な響きが私はするんですが、20年ほど前に三重県で県政の大改革というのがあったときに農林水産部という名称が消えたんですが、その当時、その政策の中身として出てきたんが、消費流通にシフトしてこれから農林水産行政はいくべきだと。それで、生産振興というものからは手を引けと、こういうふうに言わんばかりの上からの圧が来たんですね。そういう中で、生産振興というものがぐーっと縮小されてきた経緯があります。
 そういう中で、近年潮目が変わって、農業基本計画も国のほうも改めて見直してきたというところへ向けて、今回のこういう状況悪化が出てまいりまして、国は大変な決断をして大型の補正を組んできたという中で、この生産者支援が今出てきとると思います。
 そこで、国、そしてそれに合わした県のこの生産者支援の取組の状況を改めてお聞きしたいんですが、一つは、国が早くから打ち出してきた持続化給付金について、中小企業者が多くこれを活用していると思いますが、農業経営のほうでこの持続化給付金がどのように活かされているのか、その状況をお聞きしたいのと、今回2次補正で新設された経営継続補助金というのがあるようですね。これについてどのように取り組んでいかれようとするのかというところ。
 それから、32ページに出てきております高収益作物の需要促進ということで、花、果実、お茶などの高収益作物について支援していくということですので、この状況についても教えていただきたいと思います。
 
○近田次長 まず、持続化給付金の活用状況でございますけれども、国の主体が経済産業省というふうなこともございますので、私どものほうでは、ちょっと今の段階では把握はしてございません。
 それから、次に、2次補正で出てまいりました経営継続補助金でございますけれども、これもこの前補正が成立しまして、来週ですか、国がそれに関する説明会等をしていくというようなことでございますので、そういった情報をしっかりと踏まえまして対応に当たってまいりたいと考えております。
 
○伊藤(敬)課長 次期作への支援でございますけれども、これについては国の補正予算、1次補正で高収益作物次期作支援交付金というのが創設されまして、これに対応するために、県の中でも体制を協議しながら準備をしてきておるところです。
 それで、事業主体が地域の再生協議会を中心に、JAが事業主体になったりとか、複数事業主体が取れるようになっておりますけれども、今のところ三重県では各市町がほぼ事務局を担っていただいている地域再生協議会が事業実施主体になって、一部、産地の協議会とかが事業主体に手を挙げていただくというところもありますけれども、まずは農業者からの申請を受け付ける体制を県内で取ってきている段階でございます。
 この事業については、2次補正でも一部、事業の交付金の内容が充実されてくるというふうなことがありまして、来週、6月23日に東海ブロックでも説明会が行われる予定になっていますので、そちらに関係者が出席する中で、2次補正の具体的な内容をつかみながら、農業者の方に情報発信してこの対応をしていくと、今そういった段階でございます。
 
○西場委員 あまりにも素っ気ないお答えのように思うな。持続化給付金が経済産業省だとはいえ、その影響をこうむっておるのは中小企業者だけじゃなしに、農業生産者に大変な影響が含まれてきとるわけでしょう。だから、こんなにも国を挙げて、県も挙げてこの支援をやろうとしとるわけで、それは所管が経済産業省だから、県としては一歩引くとか腰引くとかいうことは、行政の縦割りの中ではそういう理屈は通るか分からんけれども、地域の農村あるいは農業をどのようにこれから再生していくかということについては、これも含めて、県も市町も農業団体もみんな一緒になって取り組まなあかん。
 その中では、幾つか今言いました中の大きな柱ですね。これを申請して、遅れなく自分の逼迫する農業生産経営に生かしていこうと思ったら、それをスムーズにやっていくためにどこがネックになっとんのか、支援はどうなんやと、こういうようなことは県の農政としてしっかりやらねばならないし、恐らく現場では一生懸命やってもうとると思うけれども、普及員の皆さんはそういうところの質問や依頼事の中で日夜動いとると思うよ。そういう現場の県の農業関係職員のためにも、ここの県庁の本課なり部がきちっと把握して、的確な情報を地域機関にも与えて、そして農業支援に当たるようにしなくちゃならない。
 先ほど申し上げた経営継続補助金についても同じことですよ。これ、新しくできてきたから、今度またそんな会議聞いて、情報聞いてくる。これは新聞にも、そしていろいろ県からいただくこういう農業情勢の中にもこれがちゃんと文章として出とる。当然、知っとらんならんし、ただ補助の内容を知っとるだけやなしに、それをどのように農業者に伝えていくかということやないですか。
 これは、分からないなりにびっくりしていますよ。経営継続補助金は、農業をやっとる人、林業も水産業者もみんなが使えると。それで、100万円がもらえると。何に使ってもいいと。4分の3国から補助してもらう。ありがたいことばっかりじゃない。こんなことあり得ないし、それはそんだけ国がこの状況を見て、ここまで腹をくくってきたこの助成なら、これをいかに今、コロナはもちろんですが、コロナ以前から逼迫する経営状況にある農山漁村に活かさないことはないでしょう。
 もう古くなってきたトラクターが、もうこれで動かんようになったら俺は辞めだと高齢農家が言っとる。しかし、ここで100万円もらえたら、じゃ何百万円するけれどももう一遍ここで買い替えてみようかと誰だって思うじゃないですか。古くなってきた草刈り機だって、ちょっとええのに替えたら5万円はするわ。その中の4分の3を補助してもらうんなら、新しい草刈り機に替えようかって思う人だってあるじゃない。それで営農の意欲も出てくるでしょう。こういうものに使えるのか使えないのかという情報も含めてきちっと把握して、それが必要なら、これは県の事業じゃないからって、そんなものをほったからすんじゃなしに、きちっと対応しなくちゃならんと思うが、私の言っとることはおかしいか。
 
○近田次長 すみません。先ほどの説明がちょっと言葉足らずで申し訳ございませんでした。
 これまで実績としてはつかんでおりませんけれども、いろんな、普及もそうですけれども地域の再生協議会、農業者とかJAがつくっている協議会でございますけれども、そういうようなところの場でいろんな情報提供はさせていただいとるところでございます。
 ただ、事業の中身、特にこの給付金の中身も、本当に要件も厳しくて、なかなか農業者としてもすぐに手を挙げてもらえるような給付金ではないというようなことでもございますので、そうしたあたりをこれからも丁寧に説明をさせていただきたいと考えております。
 それと、2次補正で出てきました経営継続補助金、これも同じように、要件ということではざっくりした書き方はしてあるんです。省力化機械の導入でありますとか、そういうようなところに使えることでありますとか、あるいは消毒、換気等の感染防止の対策をしたところには定額を払いますとかということがあるんですけれども、その下に出てくる、多分本当に細かい要件がございますので、そういったところを今度開催されます説明会でしっかり聞き取った上で、農業者に対してしっかりと説明というか支援に当たってまいりたいと考えております。
 
○西場委員 国がこういう事業を新設してきて、使おうとするといろんな制約やら義務やルールがあって使いにくいって、今まで随分泣かされてきたからね。そういうように思ってしまうのも、ある面トラウマでやむを得ないか分からん。しかし、今回は違う。国は、もうありったけの金使うてでも今回やろうとしているんだ。現場の声をきちっと伝えたら必ず対応してくる。こういう今変わり目、変わっているの。
 この経営継続補助金は、20人以下の農林漁業者がみんな使えると。これは、記事に出ているけれども、どこにどういう制約があるの。法人とも書いていないし、誰でも使えるでしょう。
 
○近田次長 対象は、20人以下の法人でも任意の組織でも個人でも使えるということでございますけれども、例えば補助金につきましては、4分の3の補助金というのがございます。それにつきましては、今回新型コロナウイルス感染症対策、コロナを契機として生産・販売方式を転換していくというようなことでの要件というものが課されておりますので、そういったものに役立つような施設、機械の整備でありますとか、あるいはソフト的な取組、こういったものが対象になるというようなことでございますので、そのあたりをしっかりと、要件として本当に大丈夫なんかどうかということも含めて国に聞き取った上で、確認した上で対応してまいりたいと考えております。
 
○西場委員 新型コロナウイルス感染症の中で打ちひしがれた人がもう辞めようかと思っとるときに、内容によっては100万円まで出したろうといったときに、それが励みになって、よっしゃ、もう一丁やろうかと。まさに今あなたが言われたところは、この条件にぴったり合うわけ。高齢者が一人だけで、80歳の人が、わずか数アールつくっとる人だけでも使えると書いてある。じゃ、本当なのかと。そこをきちっと国から情報つかんできて、その正味のところをきちっと農業者に伝えないと。全国のそういう関係者はそうやってして、今、国とヒアリングしながらやるんだろうと思うけれども、いち早く県が、県の所管じゃないというようなことは絶対言うべきじゃないと、こういうように思いますよ。
 それで、地域の再生協議会がやると。再生協議会というのは米の減反の組織ですよ。そうでしょう。米の減反でつくった組織やないですか。そして、役場の農業委員会の中にあって、来年度の米作りどうしましょうかという割当てを、昔の減反ではないけれども生産目標をつくって割り当てていくという今業務をやっとる中で、降って湧いてきた、そんな今回のこれに対して、あんたとこが事務局でやりなさいって一応言われたとしても、そんなにぱっぱっとはできないんですよ。それはやっぱり市町とともに県の行政が国からの情報を仕入れて、これをいかに取り組んで三重県の実にしていくかということをやらねばならんのが今。これは今やるべきこと。
 ぜひ、この今の持続化給付金、経営継続補助金、それから次期作も含めて、今出てきておる国の事業を大いに三重県の農業の振興に活用できるように、役立ててもらうように努力していただきたいと思います。
 
○前田部長 大変、生産者の皆さんは、この新型コロナウイルス感染症の影響でお疲れにもなってみえるだろうし、また、将来に不安を抱いてみえる方もたくさんみえると思います。
 そういう中で、国の事業ということでこういう形のものが出されてまいりましたので、当然、県の普及員はもとよりJA、それから国の三重拠点、それと市町がスクラム組んで、生産者の方に寄り添った対策を丁寧にやっていきたいと考えていますので、御理解いただきますようお願いします。
          〔「お願いします」の声あり〕
 
○中瀬古委員長 ほかにございませんか。よろしいですか。
          〔発言する者なし〕
 
○中瀬古委員長 では、なければ、“命”と“経済”の両立をめざす「みえモデル」についての調査を終わります。
 
 (2)「令和2年版成果レポート(案)」について(関係分)
    ア 全体説明、施策311、312、147、253
    (ア) 当局からの資料に基づき説明(前田部長、更屋副部長、近田次長、藤本次長)
 
 
○中瀬古委員長 ただいま12時15分です。ここで一旦休憩としまして、再開を午後1時15分からとしたいと存じます。暫時休憩をいたします。
 
          (休  憩)
    (イ) 質問
 
○中瀬古委員長 それでは、令和2年版成果レポート(案)の関係分についての全体説明と、施策311、312、147及び253の4施策について、御意見等がありましたらお願いいたします。
 
○下野委員 施策312、25ページですね。みえ農業版MBA養成塾についてお伺いしたいと思います。前向きな質問でございますけれども、今度4期目確保に向けてというお話でございます。それで、この1期目、2期目の、MBAで学んだいただいた方々の水平展開といいますか、今後の4期生以降の募集に向けての情報を提供する体制とかをお伺いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
 
○岡本課長 MBA養成塾の1期目、2期目の入塾生の育成の成果を踏まえて、4期目にどういうふうに生かしていくかということについてお答えをいたします。
 1期目、2期目それぞれ入塾生入っていただいて、雇用型のインターンシップもしていただきながら座学で学んでいただいたところでございまして、既に現場で就農されて農業生産に頑張っていただいている方もおりますし、残念ながら途中で事情があって、少し想定したのとは違う分野に行ってしまったという方もおられます。
 その中でも、育成させていただいた塾生の方、就農していただいた方は非常にやる気を持って農業経営をやっていただいて、地域のJAともうまく連携して、産地の一員として頑張っていただいているというところにきておりますし、その方は自営で就農されたという状態でございます。そのほかにも、当初で想定していたとおり、法人の将来の幹部になるということで、候補生として実際に法人に就職して頑張っているところでございまして、MBAのカリキュラムそのものについては、総じてはうまく当初設計したとおりに回っているのかなと思っております。細部では、座学の細かなメニューの部分で、ここについては少しボリュームを減らして、違うところを厚くしたほうがいいんじゃないかというような、細部のところは課題というのは出てきてございますので、そういったあたりについては、有識者の方に入っていただく検討会議で毎年度末に育成の成果、MBA養成塾の運営の成果、課題を検証して、次のカリキュラムの内容に反映させているところでございまして、今のところは、4期生以降のカリキュラムに向けた大きな見直しは要しないのかなと思っております。
 その一方で、課題としては、やはり入塾していただく方が当初の想定よりも少し人数が少ないのかなというところは否定できないところでございますので、やはりより多くの方々に入塾を希望していただくというところが大きな課題かなと思っておりまして、本年度も、ちょっと新型コロナウイルス感染症の影響はございますけれども、大阪等々を中心に、そこ以外の大都市、県内も含めてPR、人材確保の取組について力を入れていこうということで、既に業者のほうには委託をかけさせていただいておりますので、そちらと打合せをしながら、これからPRに努めていくというところで準備を進めております。
 
○下野委員 丁寧な御説明、ありがとうございました。人数が少ないようなことですけれども、しっかりとPRしていただくということと、コロナ禍でございますのでICTも含めた、この前要領とかも言わせてもらいましたけれども、そこら辺もしっかりとサポートしていただきたいと思います。
 それから、今、いいお話を、活躍されている方の情報に関してもしっかりと、次、今入ろうかなと思っていらっしゃる若者の皆さんにぜひともいろんな形でお伝えをしていただいて、一人でも多くこの三重県で農業について学んでいただいて、就農していただく。これは、本当に規模は小さいかも分かりませんけれども重要やし、三重県にとっては宝やと私は個人的に思っていますので、育てていってほしいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
 
○津田委員 施策312はやっていましたか。
 
○中瀬古委員長 そうです。312、はい。
 
○津田委員 23ページの8番の花育のところなんですけれども、小学校・中学校を対象とした花育事業等を実施とあるんですが、どんなような感じで花育をやっておられるのか、教えていただきたいと思います。
 
○伊藤(敬)課長 この花育については、小・中学校から応募をいただきまして、希望があったところに花育の授業をさせていただくという形を取っておりまして、基本的には農業改良普及センターの普及指導員が講師を務めるような形を取って、あと、できれば地元の花農家の方にも何らかの形で関わっていただくということで、直接講義に行っていただいたりとか、不可能な場合はビデオレター等で登場していただきながら、生産現場の状況等もお伝えしながらということで花育のほうをさせていただいております。
 
○津田委員 じゃ、希望があったところだけというところですか。
 
○伊藤(敬)課長 各学校に照会をかけさせていただきまして、カリキュラム等の都合もあるかと思いますので、その中で御希望をいただいたところに対してこういった取組をさせていただいております。
 
○津田委員 年間で何校ぐらい、何校というか、何事業。
 
○伊藤(敬)課長 ちょっと今何事業、どれぐらいというふうな規模感の資料を持ち合わせていなくて、すみません、後ほどまた資料で報告させていただきたいと思います。
 
○近田次長 ちょっと補足させてもらいます。花育の事業ですけれども、県内の希望を聞いて、11の小・中学校で613名を対象にして行わせていただいています。
 具体的な内容としましては、例えばフラワーアレンジメント体験でありますとか、あるいは実際の圃場の見学。それから、実際にそこで栽培してもらうような花の栽培体験。あるいは、先ほど課長が言いましたけれども、生産者を講師とした花育授業、こういうふうな活動をさせていただいております。
 
○津田委員 木育というのは、木育もどこか、ちょっと違うけれども、大体同じような感じの教え方になるんですかね。
 
○横澤課長 木育の学校で行われている数というようなことかと思いますけれども、すみません、ちょっと手元に今数字を持ち合わせておりませんので、また後日お持ちするようにいたします。
 
○津田委員 木育とか花育というのは、学習指導要領の中に入っているというのは分からないですよね。多分、分からないと思う。学習指導要領に入っていなければ、教育委員会に頼んで年間指導計画の中に入れていただけるようなお願いをされたほうが、もうちょっと広がっていくような感じがします。手を挙げてやりたいところだけとなると、小学校、中学校、どんだけあるのか分かりませんけれども、少し限定的なので。
 というのは、結構、教員の負担軽減の中で花壇を縮小したり、飼育室なんかなくしたり、いろいろしていますけれども、やっぱり生き物を大切にしたり花だとか木を大切にするというのは非常に大事だと思いますので、手を挙げたところだけ行きますよということではなくて、年間指導計画の中に花育だとか木育だとか森林教育だとか、そういうものを入れてもらえるようなお願いの仕方のほうが広がっていくんではないかなと思いますので、よろしくお願いします。
 以上です。
 
○石垣副委員長 まず、一番最初の施策147、獣害対策の推進の部分で、2ページの①なんですけれども、集落ぐるみの獣害対策を進めるために、それぞれの地域の獣害対策を担うリーダー育成の部分で、指導者育成講座を3回実施されたというところの、成果といいますか、取組概要が載っております。
 それで、令和2年度の取組の中では、リーダーの育成という部分の文章がなくて、私がちょっと分からなくて申し訳ないですけれども、指導者育成講座を3回実施されたというところが、この講座を行われて、それぞれの地域で皆さんがリーダーとしてどのような形で活躍をされてというか、行われているのか、その状況をお聞かせいただきたくて、それによってここの令和2年度の取組の中では、今リーダーとしてやっていただいている方々が十分に地域で活躍をしているということでこの取組方向の中の文言には消えているのか、そのあたりのお話を伺えればと思います。
 
○近藤課長 石垣委員の御質問にお答えいたします。
 まず、リーダーの研修につきましては、3回、平成31年度から令和元年度にかけてさせていただいております。1回は基礎講座ということで、初めて獣害対策に携わられる方であるとか、それから、あと2回は高度化講座ということで、柵を造っただけではなくて、それを補修することが大事だよ、ですとか、それから、捕獲については、農地だけではなくて、そこに併設する隣地とかで捕獲を進めることによって効果が倍増するよとか、それから、地域で活躍している先進的な事例について、3回目のところではさせていただいております。
 令和2年度の取組方向のところですけれども、①の2行目に、研修会等を開催するとともに、と書かせていただいておりまして、引き続き今年度につきましてもこういった研修会を、中身についていろいろ検討しながら進めさせていただくこととしております。
 具体的に、その中から個別のリーダーが活躍されたかどうかとか、そこまで今、アフターケアというか、を持っておりませんもので、そちらについてはちょっとこの場での御答弁はできないということで、申しわけございません。
 
○石垣副委員長 そうすると、今のお話だと、この研修会というところが、この指導者育成講座というところに値するという形ということですかね。
          〔「はい。そうしたものを含めて」の声あり〕
 
○石垣副委員長 そういうことですね。そうすると、この指導者育成講座というものをこの令和2年度、研修会という形でやられるということは、引き続き、前回から講座を受けられていた方が引き続きこの研修会にも参加される、そういう認識でよろしいでしょうか。
 
○近藤課長 カリキュラムによって、やはりそこは地域の方も種々選択していただいて、どうしても何遍もお伝えしたほうがいいテーマもありますし、新たなテーマにも取り組んでいきますので、こちらについては選択をいただいているのかなと思っております。
 
○石垣副委員長 この指導者育成講座の部分はぜひ、私自身も引き続きお願いをしたいなというところでして、ただ、それぞれの地域でこの獣害の被害って非常にそれぞれ多種多様といいますか、そういう被害の中で、また獣害対策をしていただける方々も高齢化しているというところもありますので、新たな方々に参加していただけるような形の取組方向というところも、ぜひ方針があれば記載もしていただきたいなという思いがありましたので質問をさせていただきました。ぜひ対応をいただければと思います。
 それと、もう一点よろしいですか。
 
○中瀬古委員長 どうぞ。
 
○石垣副委員長 施策311と312、どちらも関わってくるところなんですが、GAPの認証取得のところなんですけれども、私、昨年も明野高校のほうにも、このGAP取得のそれぞれの取組内容なんかも視察もさせていただきながら、ここの施策312の22ページの②番ですね。
 GAPの認証取得は、農業経営体における国際水準GAP認証取得80件、新規16件という、ここは明確に数字が記載されていると思うんですけれども、これ、新規16件という、成果という形で載っているのであれば、令和2年度の取組の中では、次はどれぐらいのGAP取得を目標としているんだという、そういう思いであったりとか数字って考えられているのかなという。今も取り組まれていると思いますので、おおよそこれぐらいはいきたいみたいな、そういうお話があればお伺いしたいんですが。
 
○伊藤(敬)課長 委員の今の御質問ですが、GAPの認証の取得の目標ということでございます。
 実は、三重県における農産物のGAP推進方針2020というのをこの4月1日で定めておりまして、その中で、令和2年単年度ということでは書いておりませんが、令和5年度の目標ということで150件というのを掲げておりますので、現在の80件から5年度の150件を目指して、2年度の取組を進めていくことで考えております。
 
○石垣副委員長 80件から150件へということで、この新規16件というのは、この令和元年度で新規16件でよろしいんですよね。
 
○伊藤(敬)課長 はい。令和元年度で16件でございます。
 
○石垣副委員長 ぜひ、150件という目標があるのであれば、私としてはこの取組方向の中に記載していただいて、明確な方向性を示していただいてもいいのかなと感じましたので、お話だけさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 以上です。
 
○稲森委員 午前中から種子条例の中でも、消費者への安全で安心な農作物の提供というところが大きく話題になっていましたけれども、これって種子条例とか種子生産以外にもいろんな取り組み方を、腹くくってやっていかんと、いろんな外圧から三重県を守っていけへんのかなという思いで聞かしてもらったんですけれども、この成果レポートの中で具体的に、今GAPの話もありましたけれども、農作物の安全で安心な供給ということにつながっていくような取組というのはどういうふうにされていくのか、聞かせてもらえますか。
 
○近田次長 農産物も含めて、食の安全・安心ということを取り出して、施策を一つ起こしているところでございます。それにつきまして、ちょっと手元にないんでございますが、その中で農産物の安定供給に係る、例えば農薬、肥料の適正使用でありますとか、あるいは家畜伝染病の話でありますとか、そういったことを網羅して書かせていただいているところでございます。施策145の食の安全・安心の確保というところが、医療保健部が所管になってまいりますので、現時点、この常任委員会では説明させていただいておりませんけれども、その中でいろんな取組はさせていただいとるようなところでございます。
 例えば、HACCPの話でありますとか、先ほどのGAPの話もここに一部書いてございますし、そういうようなところを網羅して、ここの中で整理させていただいとるところでございます。
 
○秦課長 少し私のほうから補足させていただきますが、食の安全・安心の議員提出条例をつくっていただいた中でいろいろ計画していまして、毎年9月の常任委員会でもその実績を出していますが、農産物の安全・安心確保監視指導計画というのを、医療保健部と主には農林水産部を中心にしていまして、昨年度も、先ほど次長が申し上げましたように、農林関係でいえば農薬販売とか肥料の安全確保とかそういったこと、それから、例えば米穀なんかはトレーサビリティーの監視などもしておりますし、あと、いわゆる農作物の登録検査で米の品質検査、こういったものの監視指導、それから、畜産農家については動物用医薬品の販売業者とか、それから利用状況の確認とか、あと飼料添加物の監視指導とか、そういったものを総合的に指導計画に基づいて実施しております。詳しくは、ホームページに昨年度の実績は公表させていただいております。
 
○稲森委員 要は、僕が思っているのは農薬を使わないということだったり、農薬を減らしていくということにもっと取り組んでほしいなと思っていまして、施策を見ていますと253のところに、少しなんですけれども、有機農業など環境に優しい農業生産活動等に取り組む組織を支援していますということが令和2年度の取組方向にあったりとか、あるいは、みえの安心食材の認定というところがあるんですけれども、この有機農業とかみえの安心食材というのが広がって、生産者の皆さんにとってもこういう認証を受けることが付加価値になったりブランド力になったりしているのか、消費者にとってもこういう取組をしていることが品物を選ぼうというきっかけになったりしているのか、認知されているのかということなんですけれども、その辺はどう考えていますか。もっと積極的にぜひやってほしいなと思うんですけれども。
 というところで、環境保全型農業にもっと力入れてやってほしいなと思っているんです。この間、滋賀県庁に行ってきたんですけれども、滋賀県では耕地面積の環境保全型農業の占める割合が滋賀県全体の3割を超えていて、三重県は多分1%いっているかいっていないかぐらいだったと思うんですけれども、県政の柱に琵琶湖を守り抜かなあかんという強い柱があって、地域特認のメニューも多くて、やっぱり県が農協とか市町とかに指導してそういう取組をやっているんですけれども、しっかりそういうところを位置づけて、SDGsとかまさに言われているんですから、そういう環境保全型農業にもっと力を入れて、例えばみえの安心食材の基準も環境保全型農業と連携できるような基準にするとか、そういう取組をやって認知度も取組も広げていってほしいなと思っているんですけれども、その辺はどうでしょうか。
 
○伊藤(隆)課長 まず、環境保全型農業の推進に関しての御質問にお答えしたいと思います。
 今、委員もおっしゃったように、環境保全型農業の推進ですね。私どもの県におきましても、国の環境保全型農業直接支援対策事業、こちらのほうを活用しながら支援してきておるところです。
 これまでの取組の中で、有機農業であるとか、あるいは化学肥料、化学合成農薬を5割低減したカバークロップの作付に加えまして、県特認の対象取組としては、IPMということで、様々な防除方法を組み合わせた総合的な病害虫管理、こういったものの実践というのをこの制度を使って支援してきておるところでございます。
 やはり、環境保全型農業の推進というのは今後ともしっかりと進めていく必要があると考えておりまして、今年度からこの制度も第2期目に入るということで、国のほうも少しメニューが変わってくる中で、県でも県の特認事項として、引き続きIPMの取組に対する交付金の交付、それからもう一つは、有機農業を認めていく部分の制度が大きく変わってきたというところがありまして、これまでは2年3作のブロックローテーションで、大豆栽培なんかで有機でやっている場合も対象となっていたんですけれども、今後は、いわゆる有機JASの認定の基準と同等の取組を求めてくるということもあって、県独自でなかなかそこまでのところまでは一気にいくのは難しいというところで、大豆の無農薬・無化学肥料栽培、これは機械除草と併せた形の特認項目を設けて交付金を出すなど、制度のほうも少し模様替えをしながら、引き続き環境保全型農業を進めるようなことを取り組んでおるところでございます。
 
○稲森委員 分かりました。今後の期待も込めてなんですが、環境保全型農業の推進ということはあまり出てこないんですけれども、それはなぜかということと、このみえの安心食材のところと環境保全型農業の直接支払制度というのはかちっとリンクできているのかという、その辺を聞かせてほしいなと思います。
 
○近田次長 安心食材の表示制度と、今回の環境保全型農業の関係性ですけれども、安心食材の表示制度のほうがかなり前から制度的に進められとるようなところもございますので、今の環境保全型農業の例えば細かい内容に完全に即しているかと言われれば、多分そういうふうになっていないと思いますので、そのあたりもしっかりと環境保全型農業ということで、例えば有機農業とかありますので、そうしたところと、ちょっとどこまでリンクできるか分かりませんけれども、しっかりと調べた上で整合性を図るようにしてまいりたいと思います。
 それと、あと、先ほどから有機農業でありますとかそういうところの取組ですけれども、この前、議案ということで認めていただきました農業の基本計画の中には、いろんな意味で整理させていただいております。一つは、安全・安心な農産物の安定供給のところでもってしっかり安全・安心の確保を図っていくということで、例えば有機農業といった環境に配慮した生産方式をしっかりと導入していきますというようなことも書き込んでございますし、あと、付加価値を創出していくということでの基本施策の中にも、そうした有機農業の認証を受けた農産物をしっかり売り込んでいくというところも書き込んでございますので、そういったこの計画に基づいてしっかり取組を進めてまいりたいと考えております。
 
○稲森委員 よろしくお願いします。このみえの安心食材の値打ちそのものを、生産者にとっても消費者の皆さんにとっても高めていってほしいと思いますし、やっぱり有機JAS認証を受けているかどうかというより、オーガニック的なところを志向する人たちという人材の確保と言ったらあれですけれども、そういう人を地域に呼び込んでくるという、すごい求心力を感じるんです。こういう手法の農業をしているということはですね。
 ですから、それを地域戦略としてももっと考えていってほしいなと思いますし、この後の、水田の戦略というところにも関わってくるかと思いますんで、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。
 
○西場委員 施策312の農業振興の中で、お茶についてお伺いしたいと思います。
 令和元年度の茶業を総括して令和2年度の取組を進めてもらっていると思うんですが、令和2年度はこのような新型コロナウイルス感染症の影響も出て、またさらに大きな取組をしていただかなならんと思っておりますけれども、ここ数年来厳しい経営状況にあります茶業農家、経営者の対応も含めて、この茶業振興についての内容を改めてお聞きしたいと思います。
 
○伊藤(敬)課長 まず、お茶については、今委員も御指摘のとおり令和元年度を総括していくと、新型コロナウイルス感染症の影響はもちろんなんですけれども、やはりお茶の消費が減ってきているという中で、なかなか厳しい販売の状況という上に、さらに今回新型コロナウイルス感染症があったということで、生産者が本当に悲鳴を上げている状況という認識をまずは持っております。
 そういう中で、午前中の中でも少し御説明をしました。まずは国のほうから次期作の支援事業というのが出てきております。この事業は、基本的な取組として、生産流通コストの削減を図るような取組であるとか、あるいは生産性、品質向上に要する資材等の導入、そういうものを行うということであればそういった取組であるとか、作業環境の改善であるとか、そういった取組を行っていただいて次期作に臨んでいただく農業者に対して、新たに5万円の支援をしていくという事業がございます。
 さらに、その上で、新たに直販等を行うためのホームページ等の環境整備であるとか、新品種とか新技術の導入等を行ったり、あるいは、先ほども出ておりましたGAP等の取組ですね。こういったことをやっていく農業者の方には、さらに一つの取組につき2万円ですので、計算上、最高で5万円プラス2万円の3種類の取組がありまして11万円。中山間地におきましては、さらに割増しもあるということで、支援を行う事業がございます。
 午前中にもありましたように、農業者のほうから受け入れる体制を整えてきていますということなんですけれども、やはり市町だけでこの事業を受け切れるというものではないということで、地域再生協議会の構成員にもなっていますJA、それから普及センターとか、県の職員もできる限り一緒になった支援をして、まずは次期作に向けて希望を失うことがないように、農業者の方がしっかり取り組めるように、お茶の場合土地利用型というか、ある程度の面積をやられている方が多うございますので、こういった支援金もある程度まとめて確保することができるかなというところがございますので、まずはそこで次年度に向けての営農をしっかり続けられるようにやっていきたいと考えております。
 あと、将来的には、消費がやはり国内で減退してきているというところがございますので、販路を国外に向ける取組ということで、これまでも取組をしてきておりますけれども、輸出ですね。これについての取組を強化していく必要があると思っています。
 今現在、ターゲットとしておりますのが、去年取り組みましたアゼルバイジャンという国をハブにしながら、そこを起点に様々な国への伊勢茶の輸出を拡大していきたいということで、株式会社HISとの協定に基づいて取組を進めようというところなんですけれども、今なかなかまだ渡航が、相互に行き来ができない状況にある中で、この新型コロナウイルス感染症の行く末を見つつ、輸出に向けた取組を、時機を逸することなく進めていきたいと考えておるところでございます。
 
○西場委員 いろいろ対応があるということも聞かせてもうたんですが、次期作の中で10アール5万円、これがどのように産地、生産者のほうへ下りておるのかというところも気になります。おっしゃるように、土地利用型という面では非常に大きな面積を持っとるところでございまして、これ、反当たり5万円ということになれば、生産者にとっては大きないい意味での刺激になっていただくと思いますので、こういうPRと、それを補助金につなげるための手続とか書類づくりとか、その辺についてもしっかり支援をしていただきたいと思います。
 そして、今触れてもらいました輸出につきまして、ここ数年は、輸出強化というものを非常に聞かせてもらいましたし、期待もしておるわけでありますけれども、今回いろいろ日本の国内、あるいは世界の状況も変わってきています。
 そういう中で、今後輸出というものが、我々の思う期待どおりの手応えがあるのかどうかですね。ここ数年においても、日本のいいお茶がその価値を認めてもらって、いい値で輸出してもらっているのか、今後できるのかということについては少し不満といいますか、不安が大き過ぎます。それで、今後も本当に輸出一辺倒でいっていいのかどうかというのをいま一度改めて検討していくことも必要かなと。これは輸出がいけないということじゃなしに、どういうような的を絞ってやっていくのかということについても三重県型でもう一遍考えてもらいたい。
 そういう意味では、昔からの古い課題ではありますけれども、国内消費、これをもう一度考えるべきじゃないかと。小さい子どもたちにお茶の入れ方教室をしたりというようなことで、関係者もいろんな取組をしたりしておりますけれども、日本の文化にも通じるような、こんなお茶の良さ、それからカテキンとかテアニンとか、こういう機能性の成分も含まれる中で、それこそコロナやインフルエンザ対応の中においても、こういったカテキンの効能というのは改めて見直されるときに来ておるわけでありますから、そういうものもPRしながら、改めて日本茶、緑茶、伊勢茶の効能をしっかり打ち出して、そして国内消費、とりわけまず県内のお茶を県内の子どもたちや県民に飲んでもらうということを一生懸命やる運動といいますか、取組を改めてやってもらいたい。
 聞くところによると、今度コロナで在庫一掃の大きな国のお金が億単位で来とると、こういうようなお話ですよ。これはびっくりしますね。しかし、それほどこのお茶に対する新型コロナウイルス感染症の影響というのは大きいというあかしだと思います。それほどのピンチではありますけれども、このピンチ脱出のきっかけを、国の緊急販売対策を活用するんであれば、それをどう活用していくのか。それは、国から来た億の金を使って終わりと、これだけやなしに、この使った事業を通じて、県内の観光客だけやなしに子どもたちに、あるいは一般県民にお茶の良さをもう一遍PRしていくきっかけづくりにすればいい、そんな思いでおりますので、その点を令和2年度、そしてまた来年度の取組の中に具体化していただきたいんですが、いかがですか。
 
○伊藤(敬)課長 今委員がおっしゃった事業でございますけれども、緊急経済対策の中で茶販売促進緊急対策事業のことをおっしゃっているかと思います。
 この事業については、先ほどもお話ありましたように、既に内示が実施団体へ来ています。4億4000万円弱の予算がついてきています。事業としては、伊勢茶推進協議会、そして三重県茶商工業協同組合、それから鈴鹿市茶業組合、この三つが手を挙げていただいて、総額で先ほど申し上げました金額ということでございます。
 この事業の中では、特にこれから暑い時期になるということで、伊勢茶を使った、その中でもせん茶とそれからかぶせ茶、そして深蒸しせん茶という、三重県の特徴あるお茶を使ったティーバッグですね。簡単にマイボトルに入れておいしいお茶を飲んでいただけるような、そういうサンプルを作って配布していくという計画で事業主体のほうで作られておりますけれども、その事業計画の策定に当たっては、県としましてもしっかりと相談に乗りながら、あるいはその配布先、どんなふうにそれを活用していくかということについても、県庁の中でも雇用経済部、観光局、関西事務所、こういったところとも連携をして、今後、伊勢茶の販路を拡大する、あるいは各家庭での消費にもつながるような配布先というのを検討しておるところです。
 また、教育委員会とも連携を県のほうが間に入りまして取り付けておりまして、県内の小・中学校等、こちらのほうにも親御さん、あるいは生徒に飲んでいただくような形の取組を進めようということで、県も一緒になって、まずはその配布をどんなふうに進めるかということを考えてやっておるところです。
 そのサンプルも、ただ単に配るということではなくて、例えばQRコードを用いてやろうかというふうなお話が出ておるようですけれども、アンケートをしっかりと取って、消費者の皆様のニーズというのをそこでしっかりと取っていく。伊勢茶に対する評価というか、そういったものをしっかり取るような形を取って、次の商品戦略というか、どんなふうに伊勢茶を作って売っていけばいいかというところにつなげていこうという思いで、事業主体とともに今考えてやっておりますので、そんな形で目いっぱいこの国の事業を活用しながら、何とか攻めで使えるように持っていきたいと思っております。
 
○西場委員 はい、分かりました。お願いします。
 
○中瀬古委員長 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
          〔「なし」の声あり〕
 
○中瀬古委員長 なければ、全体説明と施策311、312、147及び253についての調査を終わります。
 
    ア 施策153、313、314
    (ア) 当局から資料に基づき説明(村上次長、荒島次長)
 
 
○中瀬古委員長 換気のために一旦休憩としまして、再開を午後2時25分からとしたいと存じます。暫時休憩をいたします。
 
          (休  憩)
    (イ) 質問
 
○中瀬古委員長 それでは、令和2年版成果レポート案の関係分についての施策153、313及び314の3施策について、御意見等がありましたらお願いいたします。
 
○津田委員 あそこのメガソーラーのところ、この前もちょっとお話しさせていただいたんですけれども、8ページです。
 一応、進展度Aということなんですけれども、非常に私の主観なんですけれども、たまたま四日市市のメガソーラーの計画が今もうどんどん進んで、あちこちではげ山になっとるような状態なんですけれども、ある程度制度的に何ともならんということも分かっているんですけれども、8ページの一番下に、大規模な太陽光発電施設の設置による影響が危惧されていることから、三重県自然環境保全条例等に基づき、適切に対応していく必要があるという、これは具体的にどういうことになりますかね。
 
○村上次長 三重県自然環境保全条例では、1ヘクタールを超える規模の自然地が含まれる開発行為をしようとする事業者に対しまして、事前に届出を義務づけております。これは、希少野生動植物の保護や地域特性に配慮した緑化を求めることによりまして、自然環境の保全を図っていくというような趣旨で届出を設けて、希少野生動植物がいる場合はその生息域を確保するような指導とか、そういったことをさせていただいているところでございます。
 
○津田委員 ということは、今までの対応から出ないというか、今までのルールをきちっと守っていくように努力するんであって、さらに森林だとか自然を守っていくためのものではないということですかね。
 
○村上次長 自然環境保全条例につきましては、希少野生動植物とかを守っていくというようなことで対応させていただいております。
 あと、開発行為に対する規制につきましては、森林の部分につきましては森林の公益的機能を守るというようなことで林地開発許可制度というのがございまして、そちらのほうで森林の機能を担保するように、適切な防災施設等を整備するよう指導しているところでございます。
 
○津田委員 林地開発許可もこの条例も最近できたんじゃなくて前々からあって、前々からきちっと皆さん対応されておられたと思うんですけれども、四日市市なんか何回も言いますけれどもああいう状態になっていて、新たな展開、新たな対応でやっていくということじゃなくて、今までどおりやっていくということになるわけですかね。
 
○村上次長 現行法に基づきまして、適切に指導してまいりたいと考えております。
 
○津田委員 ということは、新たに何かを考えてということではないということか、そういうことも考えているんだったら教えてほしいんですけれども。
 
○村上次長 現状では、自然環境保全条例並びに森林法の規定に基づいて適切に事業者を指導していきたいと考えておりまして、その条例あるいは法律の範囲内で指導していきたいと考えているところでございます。
 
○津田委員 なかなか難しいんですね。私の主観ですが、施策153は、今から言っても仕方がないんですけれども、ちょっと往生際が悪いんで言わせてもらうと、豊かな自然環境の保全と活用という大きな目標があって、進展度、今回Aになって、これからも同じような県民指標と活動指標が並んでいるんでしょうけれども、県民指標が、北川知事のときにもいろいろ議論はあったんですけれども、アウトカムじゃなくてアウトプットじゃないですか。
 手段が県民指標、もう今から言うても仕方がないんですけれども、例えばさっきの漁業のところでいくと、施策314だったら、水産業の振興の目標項目は、漁業生産額、これはアウトカムというか、手段じゃなくて目標ですよね。例えば、施策313ですね。目標項目が県産材素材生産量、これはアウトカムというか目標ですよね。目指すところですよね。でも、施策153なんかは、活動が増えたとか、団体が増えた。施策153を目指すための手段が県民指標になっているもので、県民の肌感覚が進んでいなくても、県の評価はAになるんですね。言っていることは分かりますかね。だから、最近どこへ行っても四日市市の山が剝がれているので、もう本当に思うんですけれども、何か私の心を癒やすような答弁がありましたらよろしくお願いします。
 
○村上次長 この目標値の設定につきましては、やはり社会の中で自然環境の保全を進めていく必要があるということで、それにはやっぱり活動団体を増やしていく必要があるだろうということで、こういった目標値を設定させていただいておるところでして、そういう、景観だとかそういったものをうまく評価できるものがなかなか難しいですもので、やはりみんなで自然環境を守っていこうというような取組が一番重要だというようなことで、こういった目標数値を設定させていただいているところです。
 
○津田委員 今さら県民指標だとか活動指標を変えよということではなくて、何かほかの対策が要るんじゃないかなと思ったりもするんですけれども。売電価格が下がって、もう来ないだろうと言ってから、ばんばんいろんな業者が太陽光発電の申請を上げてきているわけで、四日市市なんかはもう特にそこの標的になっているんですけれども、何かほかのことを考えていただけないかなと思うんですけれども。難し過ぎる。
 ちょっと素人っぽい質問に、要望になりますけれども、何か困っておられる方が四日市市にはたくさん見えますので、困る要望をしているということはよく分かるんですけれども、やっぱり部長、何かないのかなと思ったりもするので、この辺にしたいと思いますが、何かコメントありましたら。
 
○前田部長 四日市市の事案につきましては、私も現場に行かせていただきまして見せていただいておるところでございます。あそこは希少野生動物がおるということで、森林等も代替地を確保してというような指導もさせていただいておるところでございますけれども、今後また同じような開発が進んでくるということもありますので、雇用経済部等とも少し、ガイドラインというふうなものも策定させていただいておるところですけれども、さらに状況を十分に注視しながら、対応策も考えていきたいと思っています。
 
○津田委員 よろしくお願いします。
 
○藤田委員 資料でもいいんですけれども、先ほどおっしゃった希少動物を守るという条件、例えばチュウヒのつがいがおりますと。そのチュウヒをそのままそこで繁殖させるためにどれだけの面積が要って、それは単純面積だけでは恐らくいけないのだろうと思う。その食料となる動物がどれぐらいおるんだとかいうのがあるんだろうと思いますし、植物においてもそういうことが言えるんだろうと思いますので、そのそれぞれのあれについて、また後で資料をいただきたいというのと、森林を破壊することによってCOの交換ががーんと減るわけですよね。その辺の計算みたいなものが、資料があったら後で結構ですのでまた教えてください。
 
○中瀬古委員長 よろしいですか。資料の提出をよろしくお願いします。村上次長、何かありますか。
 
○村上次長 結構です。
 
○東委員 9ページのエコツーリズム推進協議会というくだりがあって、一番最後に、エコツーリズムの質の向上やガイド等の育成を進める必要がありますと書いていただいてあるんですが、例えば林業遺産とか、それから世界遺産とか、それからエコパークとか、国立公園、国定公園とかって三重県は豊富にあるんですが、基本的にそこをガイドする山岳ガイドだとかいうのが非常に質が高くて、四、五年前だったかな、白神山地に行ったときに、やっぱり山岳ガイドがすごく活躍されていらして、例えば熊野古道エリアなんかでもガイド養成とか、種類がいろいろあると思うんですが、登山のガイドとか山岳ガイドとか、それの登録人数というのは、ここ何年間かの推移ってあるんですかね。
 
○中村課長 ここでいいますエコツーリズムの質の向上といいますのは、伊勢志摩国立公園の、結構前からエコツーリズムが盛んなものですからいろんなガイドがみえて、例えばシーカヤックのガイドとか、海が結構多いんです。
 それで、委員がおっしゃったのは、山岳ガイドの登録がございますよね。それについてはたしか民間の登録でして、大杉谷のほうで何名か取ってみえるのは知っておるんですけれども、ちょっと正確な人数は分かりませんので、また問い合わせて確認させていただく。多分、三重県にもかなりの人数が見えます。ただ、三重県で活動されてみえる方はそれほど多くないと聞いています。県外のほうで、立山とかそういうところで活動されている方は見えるらしいんですけれども、また調べさせていただきます。
 
○東委員 後で調べていただいて資料をいただきたいんですが、例えば熊野古道世界遺産登録15周年、16周年目を迎えるわけですけれども、そのときの課題は、いわゆる語り部を養成するという事業があったわけですね。それで、15年経っても、それはエリアガイドということもあって、本当に認証されたものかどうかというのは別問題としてあるんですが、やっぱり質の向上となるとちゃんとした、山登りでもそう、海探検でもそうなんですけれども、ライフセーバーとかそれから登山ガイドとか山岳ガイドとか、それから、ひょっとすると国際ガイド、大杉谷とかってすごく秘境なところもありますので、ちゃんとした雪山でも大丈夫なガイドみたいなものを積極的に養成していくということが、地道ですけれども必要なんじゃないかなと思いますので、また御意見を聞かせていただければありがたいかなと思うんですけれども、そんな講座とかを県が開くことはないんですね。
 
○中村課長 割と三重県の山というのは、大杉谷以外、四日市市のほうも結構ありますけれども、初心者から中級ぐらいが多いというふうに思っています。大杉谷は上級的なところがあるんですけれども。なので、先ほど説明させていただいた山岳ガイドについても、三重県で活動される方というのはあまりみえない。逆に、語り部ですよね、熊野古道とかの。ああいうところのほうが需要が多いのかなと思っていまして、語り部の養成というようなところは、農林水産部ではちょっとやってはないんですけれども。
 
○東委員 農林水産部じゃなかったら、どこの部に所属するんですかね。教育委員会とかそんな感じですか。
 
○中村課長 地域連携部でやっています。
 
○東委員 地域連携部ですか。分かりました。ありがとうございました。
 
○西場委員 水産振興もやったね、説明。全部やった。
 
○中瀬古委員長 はい。
 
○西場委員 今日は今日でまたこの基本計画の説明もありますので、そこでも詳しくいろんな話を聞かせてもらおうかなと思うんですけれども、全体的なことになりますけれども、こういう水産業の振興の取組を考えたり方向づけをしてもらうときに、私がぜひ意識してほしいのは、生産がどんな状況になっとるかと、それで、その生産をどう支援するんだと、このことに尽きると思っています。
 ここ数年の生産額がどうやとか、数字はありますけれども、10年、20年、30年単位で見たらもう大変な落ち込みに本県の水産業はなっておると。前回の委員会でも言ったんですが、水産王国復活だと、こういうようにするんだと、条例つくって、基本計画つくってくれるらしいから、今日の後の説明に期待はしますけれども、この42ページの最後の部分にも、水産王国みえのさらなる発展を図るためにと書いてある。さらなる発展って、ここまで落としてしまっているんですよ、この30年の間に。再生じゃないですか、使いたくないけれども。もう一遍やり直さなくてはならない。
 ここに書いてある資源の減少を止めるとか、あるいは水産基盤を整備するとか環境をよくするとか、これももちろん大事だけれども、もう後のないまで落ち込んだ弱小な漁業者をこれ以上減らさないために、どういうもうかる水産業にするかという生産支援、生産支援という言葉が一つも、1行も出てこない。いや、ここにあるんだということがあれば、この数ページの中で、その辺を説明してください。
 
○荒島次長 先月の本委員会で、西場委員から水産王国みえの復活は何ぞやという御質問をいただきましたが、これはまた後ほど基本計画のほうで説明させていただくこととして、私らも含め水産の人間、現場へ行く普及員の経験を持っている方もたくさんおります中で、やはり現場というのは、昔に比べると生産性というのはかなり落ちてきているんだろうなと。
 そういった中で、今までは漁業なり水産業が人を雇い、漁村を支えてきた部分があると思うんです。それがここへきて、どうしても漁業が調子悪くなってくると人が減り、漁村のコミュニティーが危なくなってくると。そうなってきたときにはやはり逆に、最近思うんですが、まち・ひと・しごとのこの順番で漁業って、要するに漁村がある意味漁業を支えていくというか、漁村が漁業を経営するというのもありなのかなと。
 そういった中で、私どもが今やっているのは法人化、協業化なり、要するにその地区の漁業者をまとめて生産性を高めましょう。あと、居抜きのあっせん、要するに事業継承のために廃業しそうな人のものをもらって、新たな就業者の人にあてがうことで生産を継続してもらいましょうというような仕組みでは捉まえております。ダイレクトに生産支援という部分では書かせてはもらっていませんが、間接的に事業なり生産が当然継続していくような格好の捉まえ方で、施策を展開していっているという認識ではおります。
 
○西場委員 最近そういう方向で、国もそういう方向を出して、そして県もそれに倣ってやってきた。農業でもしかり、一緒です。みんな理屈で考えて、テーブルで考えるとそうなるんだ。それのほうが筋が通っとるし、どうもうまくいきそうだと。しかし、現場は違うと私は思います。もう今、わずかしか残っていない。もうその閾値を超えた段階まで入り込んでしまっている。水産だけやないけれども、多くの生産業がね。
 もう一つここで踏ん張っていくためには、やっぱり県が、あるいは国も、今やっておる個別の小さな漁業者をいかにここで踏ん張らせるか。それについてしっかりと応援することや。それをこういう基本計画や、そして条例の中へきちっと位置づけないと、それはできない。もう頭が効率化、合理化、そして協業化に向かって、すっきりした形でみんなやればいいと。漁協も合併して、今ある漁協を全部、三重県で一つの漁協にしたらもっと効率よくなって、三重県の水産はよくなると。ああ、そうかなと思いがちだけれども、そんなもので三重県の漁業は続かないし、そして海の環境も守れやんと思うわ。
 それで、我々が期待する企業経営というのは、そこまで我々を責任持っては見てくれない。今まで何百年、1000年を超える中で、浜の漁業をする人たちが、続いてきた先祖伝来の海を守って、そして自分たちの子や孫につないでいこうという、漁業のなりわいを通じて守ってきた水産業を、そういう国や県の頭でっかちな計画がどんだけそれを阻んできたか、ブレーキかけてきたか、そんなことを思うと、今ちょうど時代の節目、変わり目というのはいろんなことで言っておるけれども、改めてこの水産にも遅がけながら条例ができて、基本計画ができてという今年の令和2年だから、ひとつこの水産振興も含めて、そんな意識で取り組んでもらうようにしたいなと。後でまた基本計画があるようですから、聞かせてもらいますけれども。
 
○稲森委員 ちょっと細かいんですけれども大事だと思うところがあって、今、太陽光の話も豊かな自然環境の保全ということであったりしたんですけれども、森林を伐採するとなって、代わりのところに木を植えてくださいとなったときに、外来種じゃないかとかという、そういうふうな指定というのはどういうふうに定めてやられているのかということと、ちょっとその話とは違うんですけれども、三重県で企業の森という制度があるかと思うんですけれども、その中で実際に取り組んだんですけれども、もうその山とは何の関係もない、例えば外来種のレモンとかしだれ梅とかそういう、その山の背景とは何も関係ないものを植えているということを聞いて、そういうことをすると交雑をしてしまったりとか、山の生態系が、よかれと思ってやったことが実はよくない方向にいっているんではないかというふうな声を身近なところで聞いたんですけれども、そういう指導とか考え方というのはどういうふうになっているんですか。
 
○村上次長 まず、林地開発のときの森林に関する考え方なんですけれども、開発内容によって違ってくるんですけれども、山を開発するときにある一定の森林を残してくださいということで、残地森林といいますが、そういった形で残してくださいというような指導をいたします。それに代えて植栽をしてくれというのも林地開発許可の中では、ないことはないんですけれども、あまりないということです。
 あと、企業の森等で植栽をしていただいているというようなことがあるんですけれども、やはり企業の思いとかそういったものがあって、こういった山にしたいというのがあるんですけれども、できるだけ地元で育っている樹種を使ってくださいよというような指導はさせていただいているところなんですけれども、やっぱり企業の思いがあって、違う樹種を植えられるというようなことが出ているというのが実情です。
 
○稲森委員 結果として生物多様性というのが壊れることのないように、企業の思いというよりは、やっぱり知識がなかったり情報がなかったりするんじゃないかなと思うので、特に県としての規定とか条例上の根拠なり指導ということもないというふうにも聞いたので、ぜひそういうところ、特に大事なところだと思うので、取り組んでほしいんですけれども。
 
○村上次長 委員が御指摘のように、企業の森をつくるときには、鎮守の森といいますか、神社にあるような樹種を植えてくださいというふうなことで指導はしているところでございますので、もっとそういったことを周知徹底させていただきたいと思います。
 
○石垣副委員長 施策313の林業の振興と森林づくりの部分で、32ページの活動指標の新規林業就業者数です。令和元年度に関しては現状値、実績が37人ということで、目標値を下回っているという状況があるんですけれども、これ、令和元年度だけではなくて、平成29年、30年と同様に並行しているという状況で、その中で目標値は上がっているという形で、それこそ新規に林業をされる就業者を増加させるためには、何かしらの大きな手だてが必要なんじゃないかというのがこの数字から見えてくると思うんですけれども、もちろん課題のところでもいろいろ書いていただいて、いろいろ取り組んでいただいとるんですけれども、38ページの令和2年度の取組方向の部分で、この新規就業者の部分、④になると思うんですが、新規就業者の確保を図る取組というところが2行にもいかないような文章掲載なのかなと思っています。
 非常に課題の部分に関しては、新たな担い手の確保を進める必要性があるというふうになっているんですけれども、こちらの後ろの成果と課題の部分に書かれているものと取組方向があまり昨年と変わりがないというか、新たな手だてを必要としている中では、あまり大きな、抜本的な改革という部分がこの文章からちょっと見えてこないんですけれども、改めてこの新規就業者の確保という部分で、令和2年度の取組方向をどのように考えられているのか、お伺いをしたいと思うんですが。
 
○横澤課長 林業の新規就業者の確保策についてということで答弁申し上げます。
 御指摘のとおり、最近景気全体がよかったということもございまして、林業の新規就業者の獲得というのは苦戦が続いているという状況にございます。そういった中で、令和元年度から首都圏における就業就職フェアなんかへ県団体として行って、そこで新規就業者に向けたPR等々の活動を行っているということです。
 昨年度のこの取組によりまして、最終的には就業というところまでには結びつかなかったんですけれども、県内1事業者との間でインターンまではいって、ちょっとやってみようか、どうしようかという詰めのところまではいったということです。ですので、せっかく始めたこの取組を今年度もう一度やってみたいと思って、この令和2年度の取組の方向というところで書かせていただいています。
 あとは、まだここにも書けるような話ではなくて、今後の話ということになりますけれども、高校生向けのPR活動、林業職場体験研修といったところを開催しておるところですけれども、こちらについて、もう少し発展性を持たせられないか、今検討をしているというところでございます。
 
○石垣副委員長 すごく難しいところだと思うんですけれども、やはりこの目標値44名を掲げて37人だったという、横ばいだったということは、今お話ししていただいたのは、効果がありそうな部分は引き続きやっていくということだったと思うんですけれども、新たに増やしていこうと思うと、それこそ新たな取組や事業というところがどんどん入ってこないと、なかなか上向き傾向になっていかないのかなというふうな形を感じましたので、先ほどお話ししていただいた高校生向けのPRなんかも、さらに幅広く取り組むような方向で考えているというところだったと思うんですが、さらに新規就業者を確保していただくためには、早急に対応していただかなきゃならない部分なのかなというふうにも思っておりますので、さらに検討を深めていただいて、また現場の方々のお声なんかもしっかりと拾い上げていただきながら、毎年毎年就業者、また興味を持っていただける方を増やしていけるような取組を進めていただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
 
○中瀬古委員長 ほかにはございませんか。よろしいですか。
          〔発言する者なし〕
 
○中瀬古委員長 では、なければ、施策153、313及び314についての調査を終わります。
 ただいま頂戴しました御意見の取りまとめにつきましては、後ほどの委員協議で御議論いただきたいと存じます。また、執行部におかれましては、本委員会で取りまとめた意見の回答を後刻御報告願います。
 以上で、「令和2年版成果レポート(案)」についての関係分の調査を終わります。
 
 (3)水田農業の振興に向けた新たな戦略について
 (4)CSF等に係る対応状況について
    ア 当局から資料に基づき説明(近田次長、矢野参事)
    イ 質問
 
○中瀬古委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いいたします。
 
○西場委員 このA3のカラー刷りの資料の中で、左の真ん中ほどに「結びの神」における1等米比率の高位安定化というところがあるんですが、これを進めるポイントはどこにあるのか教えてください。
 併せて、課題の中で、「コシヒカリ」の品質向上(1等米比率の向上)というのもあります。この点についても、もう少し内容を具体的に教えてください。
 
○伊藤(敬)課長 まず、結びの神におけます1等米比率の高位安定化ということでございます。そもそもこの結びの神というのは、コシヒカリがなかなか、登熟期の高温の登熟が非常に悪いというところで、適性が低いということで品質が悪い中、コシヒカリよりも作期が早いもので登熟がしっかりできるようなものを品種開発してきたという経緯があります。そういう中で、結びの神を、今首都圏であるとか、あるいは関西圏に向けてもプロモーションをしながら、百貨店等に店舗を出店しているような販売店で取り扱っていただくなど、ブランド化に向けた取組を進めておるところでございます。
 そういう中で、この品種特性を最大限に生かせるようにしっかりと栽培管理をして、この1等米比率というのを落とさないようにしながら、品質の高いものをしっかりと供給できるような形で生産段階での取組を進めていくということが、まず1点目の結びの神についてでございます。
 それから、2点目のコシヒカリにつきましては、1等米比率が非常に低い状況です。これは先ほど結びの神の説明でも申し上げましたが、高温登熟性がどうしても品種の特性で悪いところがございまして、乳白米とか、白くなるお米ですね。こういったものが出やすい状況でございます。
 基本的には、栽培管理である程度フォローできる部分、例えば夏場の登熟期に高温が予想されるようなときには水をかけ流しするとか、技術面での対応というのも可能だと思いますので、そういった取組をしっかり農業者の方に取り組んでいただくよう、あらゆるところから啓発して、コシヒカリの1等米比率を少しでも高く持っていけるように進めていく必要があるかなというふうなところで考えておるところです。
 
○西場委員 かなり低かったと思うけれども、1等米比率の数字を教えてください。全国比較含めて。
 
○近田次長 コシヒカリの1等米比率の状況でございます。これまでの推移を申し上げますと、県産のコシヒカリの1等米比率ということで、直近の令和元年産では22.6%です。この5年間で見てみますと、平成28年産が比較的よくて62.2%というような状況になってございます。
 全国の状況については、手持ちの資料がございませんので、また後ほど委員にはお示ししたいと考えております。
 
○西場委員 もっとしっかりとデータ持っとってほしいですが、今言われた平成28年62%、全国平均は6割以上、7割ぐらいあると思うんです。三重県は今22%、もっと悪かったら16%ぐらいじゃなかったかなと、私はそんな危機感を持っておるんですが、22%にしても低い。どうして全国平均が6割、7割のところであるのに、三重県はそんなに2割程度の1等米比率なのか。
 三重県の顔ですよね、三重のコシヒカリ。どこの県もコシヒカリを作っとるんですけれども。そして、作り始めてもう半世紀、50年たって、西日本では最も早い、早植えの三重のコシヒカリということで、それなりに特徴を持ってずっと取り組んできた。ここへきて、こんなにもこれが落ち込むということについて、なぜなのかというところがはっきりと私らも理解できるような説明がない。おかしいじゃないですか。これはアコヤガイにしてもしかりだけれども、この頃の気象変動で高温が続くというようなことであるかもしれんけれども、それにしても大変なことです。
 それで、ここにもこういう課題として書いてはもらったけれども、もっと水田農業の副題ぐらいにつけてしかるべき課題ですよ。それで、試験場、普及、そしてこの農業政策の大きなメインとして、三重のコシヒカリの1等米比率を少なくとも、当然とはいえ全国平均にしていくのにどうしたらいいのか、こういうことをやるべきだと思います。いかがですか。
 
○近田次長 三重のコシヒカリということで、これまではというか、今でもそうですけれども、西日本一の早場米の産地ということでそれなりの評価をいただいてきたところでございます。これまでは委員がおっしゃるように60%とか70%とかあった年もございますけれども、ここにきてやっぱり、一つは温暖化といいますか異常高温が続く。特に夜温、夜の気温が高いと、こういうふうな白く濁ったような米ができやすいので、そういったところが一つは原因かなと思っています。
 それでも低過ぎるので、それにつきましては、いろいろ考えるところはあるんですけれども、一つは大規模農家への農地集積が進むことによって、大規模農家ではなかなか手が回らないと、そこまでしっかりした管理が、特に水管理が重要と思っていますので、そういうふうな水管理がしっかりできていないとところもあると感じています。
 というところで、これからの課題でございますけれども、例えばスマート農業といいますか、水管理の自動化でありますとか、そういうふうなところもちゃんとしながら、あと土作り、特に一番やっぱり大事なのは土だと思っていますので、そういったところをしっかり実行していけるように、今普及指導等をしっかりやっていくのかなということで考えております。
 
○西場委員 今、水管理というようなお話もありました。確かに、考えられる要因の一つだと思います。その解決を機械化やスマート化に簡単に押しつけないこと。そんな、スマート管理ってすぐできるような話じゃないし、じゃこれからスマート農業を進めていきますからそれに努力しますと。そんなんで終わったら、それは行政マンとしてはそれでいいけれども、現場はたまったものじゃない。
 今、水管理をどうするかと。それぞれの地域によって様々な取組をしておるけれども、みんな集団で米作りをやられているわけですから、大体、水系の米はこの品種で、この時期に植えてこの時期に刈ってというような話で、もうずっとその制度が何十年、百年と続いておる中で、そんな簡単にいけない。じゃ、そこがポイントだといったら、この水管理をそれに合わして、この高温障害に合わしてどう変えるかというプロジェクトを、それこそこの中間公益体の県農政が旗を振って、市町村や改良区を入れてそういうプロジェクトに取り組まないと、スマート農業、機械化だって声だけ上げても駄目。こういう、この差し迫った問題をどうするか。一遍、前田部長、近田次長、しっかり、取り組んでくださいよ。
 併せて、関連ですけれども、結びの神は1等米比率がいいということで、少しほっとするんだけれども、私の地元でも、結びの神がいいと思っても、なかなか簡単に結びの神には飛びつけない。コシヒカリとはちょっと作期が違うんだ。そうすると、コシヒカリでずっと周辺がおる圃場のところで結びの神を作っても、水の管理はコシヒカリに合わさざるを得ない。そうでしょう。じゃ、これどうするのと。コシヒカリでいい品質を取れるようにするというのも一つの方法。じゃ、結びの神に変えていくんならば、結びの神に変えていけるような水管理の在り方というものもでき得るようなことをシステム上、制度上どうしていくかということ。
 こんなんは、一農業者や一市町だけではいけない。その流域、水系で考えねばならない。それを指揮するのは県の行政といいますか、出先の農業振興の事務所、あるいは普及員含めて、みんなが総がかりでやっていかねばならんと思いますよ。その辺のところを何とかしてほしいんですが、いかがですか。
 
○近田次長 委員がおっしゃるように、水稲の品種につきましては、従来より懸案事項になっております。大規模農家への農地集積が進む中でも、やっぱり分散していかないけないと。一つの品種についてしっかりと管理をしていくというようなことが必要と考えておりますので、そういうふうな分散化を進めていく。それのネックになっているのが、委員がおっしゃるように水利の問題というところもあります。
 今まではコシヒカリを中心にして、水利がみんな体系立てて組み込まれておりますので、場所によってはもう8月ぐらいで水が切れるというようなところもございますので、総合的に水利組合なんかも入った中で、水利の総合調整をやっぱりしていかないとなかなかこういった問題には対処できないのかなと思っていますので、そういったところも含めまして、関係機関ともしっかりと連携しながら取り組んでいきたいと考えております。
 
○前田部長 御指摘いただきました。特に1等米比率が全国平均に比べて低いというのは私どもも承知させていただいておるところでございまして、今後、三重県の米の、さらにブランド力を高めていくためには、そこのところへの対応が十分必要になってくると思っていますので、地域の農業改良普及センター等々で十分に生産者の方と意見交換をさせていただきながら、実情もお聞きさせていただきながら、オール県庁で対応していきたいと考えております。
 
○西場委員 はい、分かりました。ちょっと自分ばかり時間取りましたのでちょっと反省していますが、ごめんなさい、もう一つだけ簡単にお願いします。
 
○中瀬古委員長 はい、どうぞ。
 
○西場委員 右のほうの側に、生産体制の構築(担い手づくり)のところで、前々から申し上げておる家族農業の維持・継続というところはこのように書き込んでもらってある、色つきの字で、太字で書いてもうてあるのはありがたいんですが、これ読むと、家族農業の維持・継続のための作業連携、機械化を進めるとなっとる。これは、おかしいじゃないですか。これ、「のための」は消してください。それで、家族農業の維持・継続と、アンドね、と農家間の作業連携や農業機械の共同利用の仕組みづくりということにするべきだと僕は思いますよ。そんなん、家族農業の維持・継続が仕組みづくりのところに連動していることは、全然関係のない話で、それぞれ大事なんです。違いますか。
 
○近田次長 はい。家族農業の、ここでは家族農業を維持・確保するためには、なかなか1軒の農家だけでは難しいところもあるんかなということもありますので、こういった作業連携とか、あるいは、機械なんかでもなかなか1軒の農家では購入し難いというところもあると思いましたので、こういうふうな書きぶりをさせていただいておりますけれども、いろいろこの先また検討させていただいて、書きぶり等を考えていきたいと思っております。
 
○西場委員 お願いします。終わります。
 
○藤田委員 この文章を読むと、今、西場委員がおっしゃったように、この間、家族農業を一つの柱にしていくんだという県の一つの方向性を出していただいて、これは個人的に考えて非常に難しいなと思いながらも、県が書いていただいて、これをやっていくんだと。それで、今の回答をお伺いすると、そのためにはこうするんだと。これをやったら、逆説的に言えば、こういうやり方で家族農業が維持、それから継続できるんだというふうに読み取れるわけですよね。それでは、恐らく家族農業の維持・継続には、これだけではつながらないと思います。
 その辺のところの、県として具体的にこの家族農業を維持し、継続をし、発展させていくというその方策について、もっと書き込んでいただきたいと思うし、どんなふうに考えているのかお伺いしたいなと実は思っていましたんです。それで、西場委員に質問いただいたんで関連してさせていただくんですけれども、家族農業の継続・維持をするために、県としてどんな施策を考えてみえるのか。これだけですというのであれば、私は、個人的に考えて恐らく無理だろうと思いますが、いかがですか。
 
○近田次長 これまでも家族農業につきましては、基本計画のときにもいろいろ御指摘をいただきましたけれども、家族農業を含めまして、これからの農業振興を進めていく上では、産業施策と地域施策両輪で進めていく必要があるということで考えております。
 特に、家族農業に向けた支援というか、家族農業の維持・発展に向けては、産業政策といたしまして、一つは国の経営所得安定対策の活用をしまして米の需給調整をしっかりやっていって、米の価格の安定を図っていくということ。それから、麦、大豆等の安定生産への作付への集落等での調整。あるいは、兼業農家にも利用していただく育苗施設とかライスセンターなどの共同利用施設の整備でありますとか、あるいは圃場整備なんかも一つの産業施策だと考えております。
 あと、地域施策につきましては、多面的機能支払でありますとか中山間地域の直接支払など日本型直接支払制度の活用支援でありますとか、地域資源を活用した商品開発や販売、特に地域活性化プランの推進なんかも図っているところでございますので、そうした産業施策と地域施策を両輪で進めていくということと、それから、これからは特に家族農業の後継者の方を何とか育成できないかなということも考えておりまして、例えば今JAなんかでもやっていただいています農業塾、こういったものを広げて、しっかりと継承していく取組でありますとか、あるいは農業機械のほうも、ここには簡単に共同利用の仕組みづくりと書いてありますけれども、リースでありますとかシェアリング、その地域の実情に応じた形での機械利用というようなことも進めていかなくちゃいけないのかなと考えております。
 それから、もう一つは、家族農業を維持・発展していくために、家族農業でもひょっとして人が足らないという場合もございますので、地域の中で人が手当てできる、例えば移住者とか半農半Xとか、そういった方も含めまして、地域でもって営農が継続できるような仕組み、そういうふうなものを考えていきたいと考えております。
 
○藤田委員 ありがとうございました。いわゆる専業農家、大規模農家、水田の大規模農家という形の一つの方向性というか方策ということについては、かなり書き込んでいただいておりますので、この水田農業の家族農業を維持・継続していくという視点で、ぜひとも体系的に施策をつくっていただきたいなと思います。この後まだ内容を詰めていくということですので、ぜひその辺をよろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。
 
○稲森委員 今の水田農業のところで少し伺いたいんですけれども、SDGsの実現に向けた取組の加速というふうにありますけれども、具体的にどういうことを実現してSDGsにつなげていくのかというところを教えてもらえますか。
 
○伊藤(敬)課長 SDGsのところなんですけれども、基本的にはやっぱりこの水田農業というのがしっかりと持続していけるというふうな観点が、このSDGsを捉えたときに必要になってくるのかなと考えておりまして、この考え方については、商品づくりももちろんですし販路づくりもそうです。そして、担い手づくり、環境づくり、この四つの取組の内容の柱として考えているところの最も基本的な考え方になろうかと思います。
 そういう意味から、各取組において、やっぱりしっかりと持続できるような水田農業の経営というのを、この四つの施策を総合的に進めることできっちり対応していけるようにしていきたいと考えております。
 
○稲森委員 少しさっきも言いましたけれども、またお願いなんですけれども、先ほど言いました環境保全型農業だったり、あるいは有機農業だったりということもこの中に何らかの形で位置づけてほしいなと思いますし、今アフターコロナと言われる中で、大都市から地方へ移ってくる、今家族農業の話もありましたけれども、産業政策とか地域政策ともう一つ、個人の生き方とか暮らし方というところにつながるような農業の形というものも、小規模な農業も位置づけていただいたり、そういう方が有機農業を志向されていたりとかオーガニックを志向されていたりということとか、環境に配慮された農業を生き方としてやっていこうという方が、地域に大都市から来られて、そういう方がもっと地域に関わって新しい風を起こしているようなということが、原発事故が福島で起きて以降、福島から伊賀市へ移住されてくる方もたくさんおられて、やっぱりそういう方が新しい風を起こしているなというふうにとても思うので、新型コロナウイルス感染症ということを一つの機会にして、そういう書き込みをもっと強く書き込んでほしいなと思います。この二つを、特によろしくお願いします。何かありましたら。
 
○近田次長 一部、販売対策の中でも地産地消の推進でありますとかと書いてございますけれども、そういったところ、有機JASの話でありますとか環境保全型農業の実践でありますとか、そういうふうなことも含めまして、販売対策、生産体制の構築であるとか、そういうふうなところに書き込みをしたいと考えております。
 
○石垣副委員長 すみません、短く1点だけ質問させてもらいます。
 CSFに係る対応状況のところなんですけれども、6月15日に松阪市大阿坂町で陽性イノシシが確認されたということで、経口ワクチン散布の早期実施に向けてとあるんですけれども、今までの流れからすると、この発生から2か月、3か月後ぐらいになるのかなと思っているんですけれども、早期実施は、どれぐらいをめどに今考えられているのか、お伺いしたいと思います。
 
○矢野参事 資料にも書きましたけれども、経口ワクチンの散布につきましては、まさに今、春の散布に向けて、説明しましたように北勢と伊賀市、名張市、津市で準備を進めてまこうとしております。ですので、松阪市については、その次の夏の散布に向けて調整をさせていただくということで、地元と進めておるということでございますけれども、ただ、この経口ワクチンの対策だけではその辺、不十分であると思っています。
 イノシシの対策については、経口ワクチンの散布と、ウイルスを伝播するイノシシの数自体を減らすことを両輪として非常に重要な施策であると思っていますので、松阪市につきましてはタイミング的に、経口ワクチンの散布に先行して、できるだけ早い時期に、できたら7月早々にでもと言いたいところですけれども、早い時期に調査捕獲を全域で実施できるように、そちらのほうも調整して進めていますので、その両輪で進めていくということで考えております。
 
○石垣副委員長 いろんな対策を取っていただかなきゃなりませんし、経口ワクチンの散布って散布してからが長期戦だと思っていますので、一日でも早く散布をしていただきたいですし、また、先日担当課の方々にも言わせてもうたんですけれども、やはりどこかで、ここからは絶対食い止めるんだという先手先手の対応というのも非常に大事なのかなと思っていますので、そのあたりもしっかりと検討していただいて、目に見えて下に下に南下しているというのは分かっている状況なので、ぜひこれ以上はという意味で、農家の皆さんにも不安を払拭していただけるような、そういう対応をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
 
○矢野参事 おっしゃることはよく分かっております。ただ、経口ワクチンの散布事業につきましては、実は国の指針に基づいて、国主導で実施しておる事業でございまして、輸入のワクチンになるんですけれども、調達・配分については国が行っていますし、費用も全額国が国費でやっているという状況で、国との協議を進めながらやっておるところです。
 その中で、散布の実施については、県で散布計画をつくって計画的にやっておるわけなんですけれども、散布の地域の設定につきましては、CSFの陽性イノシシ捕獲地点から半径10キロメートルを含むエリアの市町または旧市町村を原則としております。それで、さらに20キロメートル範囲までは地理的条件や生息状況を踏まえて設定しておるということで、今のところ計画にしておりますけれども、最近の確認エリアの拡大状況、これを踏まえまして、松阪市以南の市町についてもできるだけ速やかに対応できるように準備を進めていきたいと思いますので、どうぞ御理解をいただきたいと思います。
 
○中瀬古委員長 よろしいですか。
 
○石垣副委員長 大丈夫です。
 
○中瀬古委員長 1時間程度経過をいたしましたので、換気のために一旦休憩としまして、再開を15時50分からとしたいと存じます。暫時休憩をいたします。
          (休  憩)
 
 
○中瀬古委員長 先ほどの、よろしかったでしょうか。ほかに御質問はございませんでしょうか。
          〔発言する者なし〕
 
○中瀬古委員長 よろしいですか。
 それでは、なければ、(3)水田農業の振興に向けた新たな戦略について及び(4)CSF等に係る対応状況についての調査を終わります。
 
 (5)子どもから大人までの森林環境教育・木育の推進について
 (6)森林経営管理制度の定着と森林整備の推進について
    ア 当局から資料に基づき説明(村上次長)
    イ 質問
 
○中瀬古委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いいたします。
 
○東委員 木育のことでお尋ねしますが、これって全国組織があると思うんですが、ウッドスタート宣言市町とか県とか、そういうところとの関わりは、三重県は入っていらっしゃるんですかね。
 
○横澤課長 三重県自体が、ウッドスタートをやってはいなかったと思います。県の中だと、例えば伊賀市なんかがウッドスタートの取組をしているというのはあります。
 
○東委員 三重県が、組織の中に入っていないということですね。入っていませんか。市町で入っているのは伊賀市だけですか。
 
○横澤課長 ウッドスタートの組織があるというちょっと認識をしておりませんで、ウッドスタートの取組をしている市町というのが全国各地にあるということだと思っております。
 
○東委員 これは、東京おもちゃ美術館の多田さんという方がいらっしゃって、全国で多分7年ぐらい前に初めてサミットをやって、全国にこれからウッドスタート宣言を広めましょうということであったんですが、三重県で独自でやっている、今1市町ではなくてもうちょっとあるかもしれませんけれども、とてもすばらしい活動だと思うんですね。
 これは、木育ビジョンを検討されていらっしゃると思うんですけれども、いわゆる全国的な展開をされていらっしゃる組織があって、それとのコラボというのはお考えになっていらっしゃらないんでしょうか。
 
○横澤課長 全国的な団体があるということは承知していますし、そこの団体でやっている活動も認識しているところです。ただ、こちらで今やろうとしているのが、まず三重県において木育・森林環境教育というものをどういうふうに進めていくのかというのを、三重県の実情に応じて整理をしたいと考えています。その上で、そのビジョンに基づく取組が全国団体の取組と合致するということであれば、当然連携していく、深めていくということもあろうかと思っております。
 
○東委員 いや、蓄積は随分あると思いますよ。ウッドスタート宣言は、林野庁が主催しておりますので、蓄積も背後もありますし人的なネットワークもあると思うので、ぜひ連携を取っていただければいいんじゃないかなというのが御提案です。
 それからもう一つは、やっぱりここは農林水産ですので、木育って本当に幼児教育からスタートしていきますので、つまりウッドトイとか、おもちゃから始まるわけですね。それで、生産現場から、釈迦に説法ですけれども、それはこの部だけではなくて、おっしゃるように子どもの担当部局と併せてする必要もあるし、例えば保育所、幼稚園とかからのスタートですよね。木からスタートするという意味があるので、絵本を読むブックスタートと一緒の意味なので、ぜひその辺は連携取っていただいて、全国的な組織の活動も連絡取っていただいて、ちょっと視野を広げていただければいいなと思います。これはお答えないので、要望にとどめますけれども。
 以上です。
 
○中瀬古委員長 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
          〔発言する者なし〕
 
○中瀬古委員長 それでは、なければ、(5)子どもから大人までの森林環境教育・木育の推進について及び(6)森林経営管理制度の定着と森林整備の推進についての調査を終わります。
 
 (7)三重県水産業及び漁村の振興に関する条例に基づく基本計画(最終案)について
 (8)アコヤガイのへい死等に係る対応について
    ア 当局から資料に基づき説明(荒島次長)
    イ 質問
 
○中瀬古委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いいたします。
 
○稲森委員 アコヤガイのことで確認させてほしいんですけれども、このアコヤガイのへい死の影響で、こういう養殖業の方が商売を閉じたりとか、そんな影響は出ていないのかを教えてください。
 それから、4番目の未発生漁場における稚貝の飼育調査ということが書いてありますけれども、今後の見通しとして、新たな漁場を活用していけるような、そんな見通しというのはできてきているのかどうか、その辺教えてもらえますか。
 
○伊藤(徹)課長 まず、一つ目の御質問であります廃業の情報でございますけれども、現時点でアコヤガイの大量へい死を要因とする廃業はないと。情報は入っておりません。
 それから、二つ目ですけれども、この新しい漁場の探索ということで、今年はまだへい死の兆候という形で捉えておるんですけれども、今後、最悪の場合を想定して、昨年のような大量へい死に移行した際に、やはり現状の湾での稚貝の養殖が非常にリスクが高いというふうなことも判断されると思いますので、そこに代わる漁場を探していく必要があると考えておりますので、中長期的な対策として、新たな漁場の探索を進めてまいりたいと考えておるところです。
 
○東委員 この水産業及び漁村の振興に関する条例に基づく基本計画の最終案ということで、この基本計画の考え方は、先ほど説明いただいた水産王国みえという定義ですね。これは西場委員もおっしゃっていましたけれども、さらなる発展に向けてと、実態は復活に向けた、ですよね。と思うんですが、そのお答えをいただきたいんです。
 もう一つは、海面における漁業産出額が昭和59年1248億円と書いてあって、平成30年は446億円と円で表示されていますが、これは、トンに換算するとどのぐらい、つまり貨幣価値もあろうかと思うんですが漁獲量、それでもう一つ、これはちょっとこんな場で言うのも、時間を本当は短くしないといけないと思うんですが、養殖の産出額と、それからいわゆる漁業で獲ってくる量とか、そのざくっと比較で、昭和59年と平成30年とせっかく書いてあるので、当時は、水産王国だったと思うんですよ。昭和の最後ぐらいですね。そのあたりは、やっぱり「復活」としたほうがいいような気がするんですけれども、その裏づけの話を聞きたいので、お分かりになるんでしたら教えてほしい。
 
○荒島次長 復活、という言葉という中で、昨年の本委員会の中で、委員の方から、そもそも水産王国みえというくだりの中で、これって自称なのか他称なのかということも含めて御議論がありました。それに対して、私ども執行部側のほうで答えさせていただく中で、水産王国みえの復活、という言葉というのはとりあえず使わせてはいただいているものの、条例の中で「復活」というような文言はいかがなものかという、若干そういうお答えをしていたと。そういうこともありまして、さらなる発展、というような格好でちょっと目線を変えたというのが正直なところでございます。
 
○東委員 あと、水揚げと金額の比較ができるもの。水揚げトン数。
 
○藤田課長 昭和59年の水揚げ量ですけれども、34万3000トン。それから、別冊2の基本計画の最終案の4ページを御覧ください。この4ページの一番上の表ですけれども……
 
○東委員 4ページ。ああ、そう。ここにあるんですね。
 
○藤田課長 はい。海面における漁業生産量の推移ということで、昭和59年34万3000トン、平成30年15万5000トンとなっております。
 
○東委員 あと養殖業の割合ってどうでしたか。下に書いてある海面養殖業をこのまま当てはめればいいわけですか。例えば、平成29年のトン数、これは、三重県のですよね。トン数と、この下に貼っている黒いところが養殖業の量になるんですか。何かちょっと認識が違うような気がするんですが、いかがですかね。もっと養殖業のほうが多いんじゃないかなという気がするんですが。
 
○藤田課長 これは、グラフで黒い部分が海面養殖業、白い部分が漁船漁業ということで、魚と、あと海面養殖のほうは海藻類ですとか、あと真珠なんかもトン数換算されますと量的なものは非常に小さくなってしまうものですから、トン数換算されたものでいくとこのような比率になっているという状況でございます。
 
○東委員 こんな場でする話じゃないかもしれないけれども、金額は、単価は高いけれども重さは低いというふうなことをおっしゃったんですかね、そうすると。何かざくっと、今回の新型コロナウイルス感染症対策で養殖業の話を調べたら、大体流通、通るか通らないか分からない話もあるんですけれども、半分ぐらいが養殖された、養殖業から通ってきた水産物じゃないかというふうなことはおっしゃるんですけれども、それは当たっていないということですかね。どうですか。やはり漁船漁業と、大体海面養殖業の量がちょうど1対1ぐらいだというふうな話をよく聞くんですけれども、それはそうでもないんですか。
 
○荒島次長 その辺はもう一度整理して、資料をお示ししたいと思いますんで、すみません、若干お時間いただければと思います。
 
○東委員 そしたら、今の答弁のように、去年のこの委員会で、水産王国みえのさらなる発展というのを決められたということですか。復活ということではないという認識だったんですかね、条例。
 
○前田部長 条例のほうもそういうような表現で、水産王国みえとしてのさらなる発展という、そういう条例の文言になっておりまして、読みようもあるかとは思うんですけれども、水産王国みえとしてさらなる発展をしましょうという、そういう捉え方をしております。
 
○東委員 じゃ、これで通すということになるわけですね。変更は利かないということですね、今の段階では。
 
○前田部長 条例を踏まえたという形にさせていただいています。
 
○東委員 はい、分かりました。じゃ、議論はできないということで。
 
○西場委員 今の、東委員の復活の件ですけれども、条例には、さらなる、という言葉は入っていないでしょう、水産王国という言葉は。条例の中には。条例は既に議会承認されておるわけだけれども、今回、初めて基本計画の中で出てきた言葉じゃないか。当然、我々が関係者と議論してそれを決めていくべきだと思うし、それで、今までのずっと経緯からいって、そんな、さらなる発展、と言えるような現実もないし、経緯もないし、再考を求める。
 もう一つ言わせてもらうけれども、今まで知事が公約に出してきて、そして選挙のときにずっと述べてきたときもその言葉として、水産王国みえの復活のために条例をつくる、これがあの人の一番の打ち出しだと。ああ、ええこと言ってくれるわと、もうかる農業のときと一緒やなと期待を持ったわけや。そして、今度、何期目になったか、始まって、公約どおりこの条例をつくったという経緯ですよ。当然、この水産王国みえの復活がこの条例によってなされるものやと、こういうところです。前回の委員会でもそのあたりのところを聞いたわけや。
 それで、先ほどからいろいろ話は出てきているけれども、明確な、何が水産王国で、この条例によって、基本計画によって、水産王国みえが実現するかというような説明がないよというのは理解できない。まだ十分予習もしてきていないし、今日のこの短時間の説明の中では理解できないということではありますけれども、今、東委員のおっしゃった、さらなる発展、というような状況ではないことに私も同感の思いですので、ぜひこの言葉の撤回と、そして修正を求めたいと思います。
 それから、ちょっと聞かしてほしいんですが、ピークのときの産出額が別冊2の表の中で、ピークが昭和59年1248億円、現在は446億円で、さほど減っていないというような説明だったけれども、すごい減り方じゃないですか。3分の1ですよ。比較するものではないけれども、農業生産がその当時1500億円だったのが、今現在、一旦1000億円を切って、そして今現在1200億円で踏ん張っとる。これも本当に大変だけれども、これをカバーしてきたのは大型農業。農家が育って、担い手が育ってきて頑張っとると。企業的経営がこれをカバーしとる。
 恐らく、水産業もそんなところにあるんかなと。この446億円を支えとる漁業者というのは、個別経営体の弱小な漁業者じゃなくて、それを企業的にやっておる水産業者がこの数字を支えておるからこそ10位にあるんだろうと思います。
 しかし、水産王国と言われたのは、1000キロの海岸線を有して、それこそ津々浦々に漁業者がいて、まさに全国で一番の水産王国だったと。水産が三重を支えてきたんですよ。それが、この今の時代の流れの中でこてんぱんにやられてきて青息吐息の中でわずかしか残っていない。そのわずかな貴重な海を守って、漁業を守っておる個別経営者をこれからも支えていかねばならない。それが水産王国の復活であると私は思っています。
 この1248億円、それから446億円の裏にある経営構造ですね。そして、企業経営がどんだけ金額を持って、あるいは個別経営がどんだけかというようなもう少し詳しいデータも出してください。お願いします。
 
○前田部長 言葉の使い方も含めて、あと、先ほど御要望ありましたデータ的な裏づけの部分も含めて丁寧に御説明をさせていただいて、9月の議案提出に向けてさらに整理をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 
○西場委員 今日は時間もあまりないようですので、私の議論はこれぐらいにさせてもらいたいと思いますが、次は、常任委員会も9月になってしまうんかなと思います。現時点では、今この基本計画最終案を理解することができません。さらなる説明なり議論の場をつくっていただくことを要望して、終わります。
 
○東委員 今のこの別冊2の資源評価対象種の漁獲量に占める割合ってありますよね。これって10年で、今現状が25.5%で、70%まで上げられるものなんですか。資源評価対象種って、私が知っているのはイワシとか、マイワシとかサバとか、いっぱい取れるものですよね、恐らく。今もいっぱい取れていると思うんですけれども、割合的に。でも25%なんだなと思ったんですが、70%と、驚異的に伸びるんですけれども、こういう計画は可能なんですかね。
 
○藤田課長 これは、沿岸水産資源ということで、大量に漁獲されている魚類ですね。サバとかアジとか。あれを除いて、三重県の沿岸で漁獲されている魚種ということで、アジ、サバの類は抜いたものということで上げておるんです。ですので、イセエビとかアワビとか、そういったものの漁獲量ということで、沿岸水産資源という言い方をしております。
 そういったものは、資源評価というものが今まであまりなされていなかった中で、昨年度から県独自に資源評価を行いまして、今後そういった沿岸の資源についても資源の評価をきちっと行って管理していくということで、漁獲量も増やすことによって、そういう評価を行って資源管理していく魚種を増やして、漁獲量も増やしていこうということで目標を設定しております。
 
○東委員 そうすると、このいわゆるイセエビとか甲殻類とか、定着している魚種を増やしていこうということですから、それに対する放流事業をしたりとか築磯をしたりとか、そういう事業がこれから進められて、10年後には例えばイセエビ、甲殻類なんかだと、今取っているやつの2倍から3倍取れるというふうなイメージで描いていらっしゃるということですか。
 
○藤田課長 量的なものは今非常に減っておるんですけれども、資源評価を行う魚種も増やしていくということで、今現状、25.5%の評価を行っている種類としては7種類なんです。それを令和11年度ぐらいには30種類ぐらいまで増やしていきたいということで、種類も増やし漁獲量も増やすということで、漁獲量的には、倍とまではいかないんですけれども、現状よりは増やしていきたいということで計算を行いまして、推定した数字で出しております。
 
○東委員 それならそれでやっぱりちゃんと説明すべきだと思いますね。7種類を30種類に変えてパーセントだけ上げたら、全然数字のマジックのような気がするので。この資源評価対象種、魚種ですけれども、それの何か内訳みたいなものはどこかに書いてあるんですか。今おっしゃったようなこと。
 
○荒島次長 どこに書いてあるかということも含めて調べさせていただきますが、これ、3次行動計画の副指標になっていますので、リンクさせてありますので、その辺で一旦、どういう説明されているのかも含めて、一回またご報告させていただきます。
 
○東委員 じゃ、また後ほどということで。さっき西場委員がおっしゃったように、この計画は、最終案ということなんで今委員会にかかっていて、これをどうするのかというのは後でまた議論をしたほうがいいかなと思います。それだけちょっと委員長に申し上げておきます。
 
○中瀬古委員長 分かりました。ほかに。どうぞ。
 
○津田委員 私だけ、県民のためというよりも何か自分のためみたいに思われるような質問をさせていただいて、ちょっと危機感がなくて申し訳ないんですけれども、こっちのほうの内水面のところなんですけれども、内水面地域の活性化の中には、内水面地域に訪れた遊漁者数の目標値を掲げたり、あるいは施策の主な内容の中にも、遊漁者の増加につながる魅力的な川づくりの検討というふうにあるんですが、川はあるけれども、どうして海がないのかなとは思うんですけれども、そこら辺はどういうふうに整理されたのか、教えていただきたいと思います。
 
○藤田課長 内水面地域の活性化の目標値に訪れた遊漁者数を上げておるのですけれども、県内の地域ということで、伊勢湾の地域、鳥羽志摩の地域、それから熊野灘の地域、そして内水面の地域と分ける中で、海面の漁業についてはいろんな指標を上げていく中で、漁獲量ですとかいろんな取組を挙げておるんですけれども、内水面地域ということで、県内のそれぞれの地域、中山間地域ということで、訪れた遊漁者の数という形で設定をさせていただいたという状況がございます。
 それで、海面のほうについては、特にこういったものが挙がらず、ほかの数値を挙げているというような状況でございます。
 
○津田委員 これは議決案件ですよね。津田委員がまた釣りの話してるわって、個人的なもので、多分議決案件でも賛同してもらえやんと思うんですけれども、川はあって、やっぱり海でないというのもちょっとおかしいなと思いますし、それから、今回の新型コロナウイルス感染症で釣り船だとか海上釣り堀だとか県外からの釣り人は駄目だと東委員からももう大概言われて、そのたびに私どきっとしていたんですけれども、これは県外からだとか、釣り人が多いから来るなというふうに言っているんであって、多いんだったら呼び込むときも、釣り人だとか釣りを通じて遊んでくる人をもっと迎えるような施策も逆に必要なのかなと。
 だから、来るなというときは来るな、来るなって、東委員含めばんばん言われて、私があかんのですかと言ったら、県内はええよと言われて救われたんですけれども、やっぱり多いから来るなと言うたんだと思うので、だから、県外からだとかいろんなところから来る人の釣り客だとか、海に来て遊ぶ人のやっぱり文言というのは必要なのかなと思います。
 それで、先ほど次長の話もありましたけれども、お話の中に、漁業が漁村を支えていたと。でも、これからは漁村が漁業を支えるかもしれないという答弁をいただいていましたけれども、釣り人というのは漁業はあまり支えないかもしれませんけれども、やっぱり漁村の活性化には大分つながりますし、泊まったりコンビニに行ったり、いろんなところへ行って消費もしてきますので、だから、川にもあるんだから、ぜひとも海にも何らかの形で入れていただきたいなというふうには思うんですけれども、どうですかね。
 
○荒島次長 説明させていただきますと、川の遊漁というのは、遊漁券を購入して釣りをするというような比較的ルールがあるのかなと思います。それは海面に比べての話なんですが。
 一方、海面については、遊漁と漁業の関係を取り持つような海面利用協議会なるものがございまして、その中で遊漁と漁業のトラブルの調整なり何なりをさせていただいております。特に海に来る遊漁は、釣りの方はいいんですが、ハマグリなりアサリの密漁者というのは、それは遊漁者ではなくほぼほぼ密漁者なんですが、海のルールを知らない人があまりにも多くて、それは困っているという中で、本冊のほうで漁業者と遊漁者等による協議や遊漁者等へのルールの周知を推進しますというようなことを書かせてもらっていますんで、そういった意味で、ちょっと海面と内水面では両者の関係が微妙に違うのかなとは思っています。かといって、釣りに来てくれるなという話では多分ない、適正にやっていただければそれは構わないことだと思っています。
 
○津田委員 余計に納得いかなくなったんですけれども。ほとんどの方はルールを守って釣りを純粋に楽しんでいる、あるいは家族連れで、子どもを連れて来る人がほとんどだと思うんですけれども、私も含めて、その方々を何か不法操業したみたいなことを言われて一緒くたにされて、川はいいけれども海はあかんというのは、何か説得力にすごく欠けるような、釣りに関心のない方から見ても、ちょっとその答弁は何かおかしいような感じなんですけれども、どうですかね。
 それで、ルールを守らない人は川でも海でもどこでもおると思うんですけれども、非常に何か一緒くたにされて、何か心外。部長、そう思いませんか。
 
○前田部長 内水面がこうとか海面がこうといったようなことは、そういうことはないんかなと思っています。釣り人の方のルールというのも含めてですね。
 ただ、水産業と一般の釣り客の部分がトラブルになる蓋然性が高いというのも事実ではございますので、そういったことも少し踏まえて、そういう中で、漁家活動に係る水域であるとか漁港の施設等の利用の在り方については、さらに漁村の活性化につながるように検討してまいりたいと考えていますので、その辺がもし書けるようなら考えさせていただきたいと思いますけれども。
 
○津田委員 この前の委員会で東委員が海上釣り堀貞丸の話をされていて、ああ、貞丸、昔よう行ったなと思っているんですけれども、今、海上釣り堀だとか漁業で営んでいる方だとか、ホテルとか旅館入れたらまたありますけれども、かなりあると思いますし、また、私が聞いた話なんですけれども、漁業をするのはもう体力的に無理だけれども、遊漁船、釣り堀って非常に楽なので、漁業だと力仕事なので、だから、漁業から遊漁船に替わったお年寄りの方も、引退せずに替わった方もおられると思うんですね。
 だから、漁業者と釣り人が対立しているような、確かにないとは言えないですけれども、やっぱりもっと外から来られる釣り人を利用したほうがいいんではないかと思いますけれどもね。どうですか。
 
○前田部長 確かに、漁村の活性化に向けて、他地域から釣りに来ていただけるということは、釣り堀もそうですし、周りの施設を利用していただく、宿泊していただくということも民宿なんかも含めて考えられると思っていますので、漁村の活性化という観点から考えたいと思っています。
 
○津田委員 ちょっと思いつきで質問している感があるので、私も勉強せなあかんなと思いますし、また来月に、委員長、副委員長を連れて現地視察に行ってまいりますので、適宜、いいところでまた要望させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 
○藤田委員 すみません、もう時間過ぎとって。1点だけお聞かせください。
 私は、もうかる農業というのを非常に意識しておりまして、同じようにやっぱり水産業ももうかる水産業につながらないと、恐らく先ほどお話があったように漁業の維持というのは無理だと思うんですが、30ページに、これは浜の活力ということですので、一つの漁村の中のいわゆる所得、現状値を100としておいて、121に10年後にしますよと。そういうふうに私は理解したんですが、これ、間違いないですか。
 
○伊藤(徹)課長 基本計画につきましては、5年ごとの見直しを今想定しておりまして、一旦5年で10%アップ、その後5年をさらに10%アップというふうに計算しておりますので、令和11年度には121という数字を設定しております。
 
○藤田委員 漁村の総所得を漁師数で割った数字ということですか。
 
○伊藤(徹)課長 浜プランにつきましては、各漁村の特徴、特性とかあるいはその経営構造、そういったものを鑑みて、各浜、浜で5年間のプランを立てていただく制度でございます。その中で、5年間をかけて10%の所得を向上させるというのを5年後の目標値として設定しております。
 
○藤田委員 理解しました。それで、具体的なところを、恐らくこの浜、この浜のプランがあるんだと思いますけれども、これは既につくられているのか、これからつくっていくのか。
 
○伊藤(徹)課長 現在もう、つくってあるのもありますし、新たにつくるのに、第2期プランという形で更新するプランもございます。
 
○藤田委員 分かりました。またそれを見せてください。この数字を毎年毎年10%ずつ上げていくというのは、今の漁村の状況で私は大変だろうと思いますので、その具体的な内容についてまた教えてください。
 
○伊藤(徹)課長 毎年10%ではなくて、5年で10%です。
 
○藤田委員 また個々で教えてください。ありがとうございました。
 
○中瀬古委員長 ほかに質問はございませんか。
          〔発言する者なし〕
 
○中瀬古委員長 では、ただいま午後4時57分であります。会議時間が午後5時を経過する見込みですが、会議を継続してよろしいでしょうか。
          〔「異議なし」の声あり〕
 
○中瀬古委員長 御異議なしと認め、会議を継続いたします。
 それでは、ほかに質問はないということでよろしかったですか。
          〔「はい」の声あり〕
 
○中瀬古委員長 では、(7)三重県水産業及び漁村の振興に関する条例に基づく基本計画(最終案)について及び(8)アコヤガイのへい死等に係る対応についての調査を終わります。
 
 (9)各種審議会等の審議状況の報告について
    ア 当局から資料に基づき説明(更屋副部長)
    イ 質問     なし
 
3 委員間討議
 (1)所管事項に関する事項         なし
 (2)執行部に処理経過の報告を求める事項  なし
 
〔閉会の宣言〕
 
               三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
                             予算決算常任委員会環境生活農林水産分科会委員長
                             環境生活農林水産常任委員長
                                                     中瀬古 初美

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