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三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成30年度 委員会会議録 > 平成31年3月4日 予算決算常任委員会 会議録

平成31年3月4日 予算決算常任委員会 会議録

資料はこちら

予算決算常任委員会
会議録
(開会中)

 

開催年月日   平成31年3月4日(月曜日) 午前10時0分~午後3時33分
会議室      全員協議会室  
出席委員      47名 
            委 員 長   津村  衛
            副委員長   小林 正人
            委員      芳野 正英  中瀬古初美  廣 耕太郎
                    山本 里香   岡野 恵美   倉本 崇弘
                    稲森 稔尚   野村 保夫   下野 幸助
                    田中 智也   藤根 正典   小島 智子
                    濱井 初男   木津 直樹   田中 祐治
                    野口  正    石田 成生   彦坂 公之
                    大久保孝栄   東   豊     山内 道明
                    吉川  新    杉本 熊野   藤田 宜三
                    後藤 健一   服部 富男   津田 健児
                    中嶋 年規   村林  聡    長田 隆尚
                    奥野 英介   今井 智広   日沖 正信
                    舟橋 裕幸   三谷 哲央   中村 進一
                    青木 謙順   中森 博文   前野 和美
                    水谷  隆    山本  勝     山本 教和
                    西場 信行   中川 正美    舘  直人
欠席委員      なし
出席説明員
 【予算議案及び予算関連議案に係る総括質疑】
        知事                        鈴木 英敬
        副知事                       渡邉 信一郎
        副知事                       稲垣 清文
        危機管理統括監                 服部  浩

   [防災対策部]
        部長                         福永 和伸
        副部長                       坂三 雅人
   [戦略企画部]
        部長                         西城 昭二
        副部長兼ひとづくり政策総括監         横田 浩一
   [総務部]
        部長                           嶋田 宜浩
        副部長(行政運営担当)                日沖 正人
        副部長(財政運営担当)              高間 伸夫
        財政                          富永 隼行
   [医療保健部]
        部長                         福井 敏人
        副部長                         加藤 和浩
   [子ども・福祉部]
        部長                         田中  功
        副部長                        森  靖洋
   [環境生活部]
        部長                         井戸畑 真之
        廃棄物対策局長                  中川 和也
        副部長                        笠谷  昇
   [地域連携部]
        部長                           鈴木 伸幸
        国体・全国障害者スポーツ大会局長      村木 輝行
        南部地域活性化局長                 伊藤 久美子
        副部長                           大西 宏弥
   [農林水産部]
        部長                          岡村 昌和
        副部長                         前田 茂樹
   [雇用経済部]
        部長                          村上  亘
        観光局長                       河口 瑞子
        副部長                         安井  晃
   [県土整備部]
        部長                           渡辺 克己
        副部長(企画総務担当)               喜多 正幸
        副部長(公共事業総合政策担当)         真弓 明光
   [出納局]
        会計管理者兼出納局長               荒木 敏之
        副局長兼出納総務課長              中嶋  中
   [企業庁]
        庁長                             山神 秀次
        副庁長                           更屋 英洋
   [病院事業庁]
        庁長                           長谷川 耕一
        副庁長                         加太 竜一
   [教育委員会]
        教育長                         廣田 恵子
        副教育長                        木平 芳定
   [警察本部]
        本部長                         難波 健太
        警務部長                        宮西 健至
        参事官 会計課長                  原  政美
   [人事委員会事務局]
        事務局長                        山口 武美
   [監査委員事務局]
        事務局長                       水島  徹
   [議会事務局長]
        次長                          岩﨑 浩也
委員会書記
        議事課       班長  中西 健司
        議事課       主幹  黒川 恭子
        企画法務課   主査  手平 美穂
        企画法務課   主査  大森 貴仁 
傍聴議員  なし
県政記者  4名
傍聴者    3名
議題及び協議事項
1 議案の審査(予算議案及び予算関連議案に係る総括質疑)
(1)議案第3号「平成31年度三重県一般会計予算」
(2)議案第4号「平成31年度三重県県債管理特別会計予算」
(3)議案第5号「平成31年度地方独立行政法人三重県立総合医療センター資金貸付特別会計予算」
(4)議案第6号「平成31年度三重県国民健康保険事業特別会計予算」
(5)議案第7号「平成31年度三重県母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算」
(6)議案第8号「平成31年度三重県立子ども心身発達医療センター事業特別会計予算」
(7)議案第9号「平成31年度三重県就農施設等資金貸付事業等特別会計予算」
(8)議案第10号「平成31年度三重県地方卸売市場事業特別会計予算」
(9)議案第11号「平成31年度三重県林業改善資金貸付事業特別会計予算」
(10)議案第12号「平成31年度三重県沿岸漁業改善資金貸付事業特別会計予算」
(11)議案第13号「平成31年度三重県中小企業者等支援資金貸付事業等特別会計予算」
(12)議案第14号「平成31年度三重県港湾整備事業特別会計予算」
(13)議案第15号「平成31年度三重県流域下水道事業特別会計予算」
(14)議案第16号「平成31年度三重県水道事業会計予算」
(15)議案第17号「平成31年度三重県工業用水道事業会計予算」
(16)議案第18号「平成31年度三重県電気事業会計予算」
(17)議案第19号「平成31年度三重県病院事業会計予算」
(18)議案第20号「三重県林業研究所みえ森林・林業アカデミー受講手数料条例案」
(19)議案第21号「三重県立学校体育施設の使用料に関する条例案」
(20)議案第26号「三重県立熊野古道センター条例の一部を改正する条例案」
(21)議案第27号「三重県木曽岬干拓地わんぱく原っぱ条例の一部を改正する条例案」
(22)議案第30号「三重県安心こども基金条例の一部を改正する条例案」
(23)議案第31号「行政財産の目的外使用に係る使用料に関する条例の一部を改正する条例案」
(24)議案第32号「三重県手数料条例の一部を改正する条例案」
(25)議案第33号「審査請求に係る提出書類等の写し等の交付手数料条例の一部を改正する条例案」
(26)議案第34号「三重県試験研究機関関係工業等に係る設備等使用料及び試験等手数料条例の一部を改正
   する条例案」
(27)議案第35号「三重県家畜保健衛生所手数料条例の一部を改正する条例案」
(28)議案第36号「三重県法定外公共用財産等使用料等徴収条例の一部を改正する条例案」
(29)議案第37号「三重県道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例案」
(30)議案第38号「三重県河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例案」
(31)議案第39号「三重県砂防設備占用料等徴収条例の一部を改正する条例案」
(32)議案第40号「三重県海岸占用料等徴収条例の一部を改正する条例案」
(33)議案第41号「港湾区域内の水域又は公共空地に係る占用料等徴収条例の一部を改正する条例案」
(34)議案第43号「三重県身体障害者総合福祉センター条例の一部を改正する条例案」
(35)議案第45号「三重県環境学習情報センター条例の一部を改正する条例案」
(36)議案第47号「三重県人権センター条例の一部を改正する条例案」
(37)議案第48号「みえ県民交流センター条例の一部を改正する条例案」
(38)議案第49号「三重県地方卸売市場条例の一部を改正する条例案」
(39)議案第50号「三重県漁港管理条例の一部を改正する条例案」
(40)議案第51号「三重県港湾施設管理条例の一部を改正する条例案」
(41)議案第52号「三重県都市公園条例の一部を改正する条例案」
(42)議案第53号「三重県流域下水道条例の一部を改正する条例案」
(43)議案第56号「三重県総合博物館条例の一部を改正する条例案」
(44)議案第57号「斎宮歴史博物館条例の一部を改正する条例案」
(45)議案第58号「三重県立美術館条例の一部を改正する条例案」
(46)議案第59号「三重県営鈴鹿スポーツガーデン条例の一部を改正する条例案」
(47)議案第60号「三重県営サンアリーナ条例の一部を改正する条例案」
(48)議案第61号「三重県営松阪野球場条例の一部を改正する条例案」
(49)議案第62号「三重県営ライフル射撃場条例の一部を改正する条例案」
(50)議案第63号「三重県立鈴鹿青少年センター条例の一部を改正する条例案」
(51)議案第64号「三重県立熊野少年自然の家条例の一部を改正する条例案」
(52)議案第65号「三重県立ゆめドームうえの条例の一部を改正する条例案」
(53)議案第66号「三重県総合文化センター条例の一部を改正する条例案」
(54)議案第67号「三重県病院事業条例の一部を改正する条例案」
(55)議案第68号「三重県水道供給条例の一部を改正する条例案」
(56)議案第69号「三重県工業用水道条例の一部を改正する条例案」
(57)議案第71号「農林水産関係建設事業に対する市町の負担について」
(58)議案第72号「土木関係建設事業に対する市町の負担について」
(59)議案第79号「平成30年度三重県一般会計補正予算(第4号)」
(60)議案第80号「平成30年度三重県県債管理特別会計補正予算(第2号)」
(61)議案第81号「平成30年度三重県国民健康保険事業特別会計補正予算(第2号)」
(62)議案第82号「平成30年度三重県母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付事業特別会計補正予算(第2号)」
(63)議案第83号「平成30年度三重県立子ども心身発達医療センター事業特別会計補正予算(第3号)」
(64)議案第84号「平成30年度三重県就農施設等資金貸付事業等特別会計補正予算(第2号)」
(65)議案第85号「平成30年度三重県地方卸売市場事業特別会計補正予算(第2号)」
(66)議案第86号「平成30年度三重県林業改善資金貸付事業特別会計補正予算(第2号)」
(67)議案第87号「平成30年度三重県沿岸漁業改善資金貸付事業特別会計補正予算(第2号)」
(68)議案第88号「平成30年度三重県中小企業者等支援資金貸付事業等特別会計補正予算(第2号)」
(69)議案第89号「平成30年度三重県港湾整備事業特別会計補正予算(第2号)」
(70)議案第90号「平成30年度三重県流域下水道事業特別会計補正予算(第4号)」
(71)議案第91号「平成30年度三重県水道事業会計補正予算(第3号)」
(72)議案第92号「平成30年度三重県工業用水道事業会計補正予算(第3号)」
(73)議案第93号「平成30年度三重県電気事業会計補正予算(第3号)」
(74)議案第94号「平成30年度三重県病院事業会計補正予算(第3号)」
(75)議案第95号「平成31年度三重県一般会計補正予算(第1号)」
(76)議案第96号「農林水産関係建設事業に対する市町の負担について」
(77)議案第97号「土木関係建設事業に対する市町の負担について」
(78)議提議案第1号「三重県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する
        条例案」
(79)議提議案第2号「三重県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する
        条例案」
(80)議提議案第3号「三重県政務活動費の交付に関する条例の一部を改正する条例案」

【会議の経過とその結果】

〔開会の宣言〕

1 議案の審査(予算議案及び予算関連議案に係る総括質疑)
(1)予算議案及び予算関連議案(80件)

〇津村委員長 それでは、質疑に入ります。
  まず、新政みえから御質疑をお願いいたします。

〇中瀬古委員 おはようございます。新政みえ、松阪市選出、中瀬古初美でございます。
  トップバッターのため、少々緊張しておりますけれども、よろしくお願いいたします。
 それでは、早速ですが、総括質疑に入らせていただきます。
 本年は選挙年のために、平成31年度当初予算案は骨格的予算ということですが、骨格的予算は骨格予算とどう違うのか。後で先輩議員の日沖議員がまた質問をされますので、ここでは深追いしませんけれども、県民にとっては非常にわかりにくい予算編成になっているように思います。
 人件費などの義務的経費だけで編成するのが骨格予算と理解をしておりますが、そうであるならば、2月12日の当初予算の発表はもう少し早まるのではなかったでしょうか。選挙年ではない昨年や一昨年同様の公表日程からいくと、骨格的の名称はついていますけれども、実質的には本格的予算というように受け取れます。新規事業は知事選を経た後の6月補正に送ったと説明されていますけれども、新規と継続の政策が恣意的な分け方で、本来6月に組むべきものを当初に組んだりしていないのかというようにも思います。ましてや当初予算で基金積み立てはゼロとしながらも、平成30年度2月補正予算案で33億円を積み立てては、余りにも当初予算案を軽んじていることにならないでしょうか。昨年までは国に倣い、2月補正予算とあわせての当初予算として、見かけ上は財政規模を大きく見せているように思いますが、今年はその方針をなぜ変えられたのかというふうにも思います。骨格的予算と骨格予算、本格予算の違いについて改めて御説明をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

〇嶋田部長 まず、骨格予算でございますけれども、特に法令上の規定というのはありませんで、骨格予算については、一般的には新規の施策を見送り、また政策的経費を極力抑えて、義務的経費を中心に編成された予算というふうにされています。三重県は骨格的予算というふうにしているんですけれども、これは義務的経費だけじゃなくて、政策的経費の一部についても年度当初から事業を行うなど必要性を判断し、予算措置をしているということで、特に今年度におきましては、防災とか人の安全・安心に係るようなこと、こういうことは待っておれないだろうというようなことで計上していますし、また、事業によっては例えば出水期までに何か対策をしなければならないようなものだとか、タイミングが決まっているようなものもありますので、そういったものについても当初予算に置かないと間に合わないというようなことで、そういった個々の事情を一つ一つ考えながら、新規であっても必要なものについては当初予算で置いたというようなことであります。
 先ほど33億円の話がありましたが、それは最終補正予算で戻させてもらったんです。といいますのは、最終補正予算で今年度の歳出の精査あるいは歳入の精査をしたときに、少し余裕が出てきたということで、その額については当初予算のほうが先に議案として出てきますので、当初予算には反映できないと。当初予算時点ではそういう今年度末の歳入見込みとか、そんなのは見込みを立てられなかったというようなことですので、2月補正ではなく最終補正で対応したので、一応訂正をさせてもらいます。

〇中瀬古委員 今、御説明がありましたけれども、聞かせていただいても、防災のこととか、これは待っていられないというようなところでしたが、それでしたら本格的予算というふうに思えるというか、そのようにしか思えないと、私はそんなふうに思います。
 先ほどの基金積み立てのところを言われましたけれども、2月補正というのは、ここ数年来当初予算と連結して発表というところでしてみえますけれども、先ほどお答えのように、今年明けて、分断をしてされているというところが非常に県民にはわかりにくいと思うんですけれども、その点についてお聞かせください。

〇嶋田部長 この定例月議会に出しているのは当初予算があって、2月補正予算があって、これはセットで出しています。もう一つ、しばらく置いて、追加提案で最終補正予算というのを置いています。これは通常の最終補正予算なんですけれども、33億円ないし34億円を返還したのは、この最終補正予算。平成30年度の最終補正予算で返したということで、リンクしておるのは、今回は強いて言えば3月最終補正予算というようなことでありますので。

〇中瀬古委員 そのように説明をしていただきました。来年度の当初予算のところで、これまでとはちょっと意味合いが違うというようなところですけれども、ここについては県民にとってわかりにくいように、私は理解をするんですけれども。では、次に行かせていただきます。この後また諸先輩議員がそれについても質問をされると思います。
 財政健全化を打ち出したのは2年前ですけれども、その間、滞納の差押えやネーミングライツなどで約4.7億円、公有地や施設の売却で約5.5億円、合わせて10.2億円の入るをはかった政策となっていますが、現在の県の借金は約1兆4000億円あります。そう思うと、その1%にも達していません。
 また、クラウドファンディングは目標額が800万円で、実際に集まったのが736万円。入るをはかるは言葉では簡単ですが、実際には道は遠いのかなというふうに思います。出るを制すというほうが財政健全化には早道ではないのかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。入るをはかるにおいてはどのくらいの歳入が、また、出るを制すというのはどのくらいの歳出を見込んでいるのかというところ、平成31年度の単年度である部分、それから、財政好転が見込まれるというのが平成33年度、34年度と言われていますけれども、それまでの、単年度と中期に分けてお示しをしていただきたいと思います。

〇嶋田部長 非常に難しい質問で、まず歳入歳出は、先般発表させていただいた平成31年度当初予算のポイント、ここに歳入歳出の状況という表がありまして、7600億円の歳出規模に対して歳入を7600億円確保したということだと思います。どのような努力をしているかということなんですけれども、それは今回、非常に大規模臨時的経費などを厳しく査定したり、あれかこれかの選択をやってきたと。それとともに、どうしても最終的に財源不足分が確保できませんでしたので、67億円の県債管理基金、本来なら基金に積み立てるべきものを見送って、当初予算を組んだということであります。その後、今年度の最終補正の税収とか歳出の精査をしたところ、三十数億円余りの財源が確保できたものですから、早々に当初予算で見送ったものをとりあえず34億円、できるだけ早く償還をするべきであるとも考えていましたんで、償還をしたというような工夫をしているということであります。

〇中瀬古委員 これからの単年度での見込みとか、中期的な見込みというところについてもう少し詳しく教えてください。

〇嶋田部長 中期的な見込みは、一旦平成31年度の中期見通しをつくっていますけれども、それ以降のはつくってありませんので、今後、そういったものを考えていかなければいけませんけれども、とりあえず今134億円の県債管理の積み立て不足に対して、34億円返しましたので100億円残っているわけなんです。それについては平成34年度以降に県債が減ってきますんで、その分、その財源を担保する形で、その時点で返せるように、ほかの歳出も、償還ができるように圧縮をしていくというような展望を持っていますけれども。

〇中瀬古委員 今言われました歳出もそこで返していくということでございましたけれども、しっかりとした積み立てであったり、それから、見通しというのが、このときが財政の好転が見込まれるというふうに言われているのでということでもありましたし、言われましたけれども、それでは見込まれるというだけで、はっきりとした明確なものがないというふうにしか思えないです。そのあたりのことをもう少し詳細にお願いいたします。

〇嶋田部長 将来の展望ですけれども、まず、先ほど言ったのは公債費なんですけれども、公債費は既に起債を出しておるものの償還なんですが、それは既に発行していますので、額がわかっています。それを推計したときに、当初思っていたよりもかなり下げることができたと、これは何の効果かといいますと、三重県財政の健全化に向けた集中取組で、いろんな大規模臨時的経費だとか、公共事業も含めて投資を少し縮減したというような効果が徐々に出てくるということ。
 それと、もう一つ人件費ですけれども、三重県は逆ピラミッド状で今の50代後半の世代が非常に多いんですが、その方々の定年がありますので平成37年ぐらいから抜けていくということで、その時点で人件費もさらに下がってくるだろうと。そういうような数値的な見込みを立てて、発言をさせてもらったということであります。

〇中瀬古委員 人件費の部分は出るを制すというところになるかと思うんですけれども、事務的なもの、それをなるべく縮小してくるという取組もしていただいておりますけれども、そういうところも、地道なところも含めて、よりしっかりとしていっていただくものが必要になるのかと思いますし、財政健全化にというところでの取組の早道って、やっぱりなかなか遠い道のりだと言わざるを得ないというふうには思います。というところから、今後の取組というのをしっかりとしていっていただかないといけないと思うんですけれども、このあたりにしておいて、後の先輩方にお願いしたいと思います。
 では、次に、骨格的予算の中の政策的経費についてお伺いをさせていただきます。
 まず、教育委員会予算のグローカル人材の育成についてお尋ねをいたします。
 グローカルというのは、グローバルとローカルを組み合わせての造語だというふうに思いますけれども、総額2億475万8000円のうち、地域課題解決型キャリア教育モデル構築事業2889万4000円と、未来を拓く職業人育成事業1261万7000円は、地域活性化策の部分で重なっていますけれども、この違いについてまず御説明をいただきたいと思います。

〇廣田教育長 まず、県のほうで上げています地域課題解決型キャリア教育モデル構築事業ですけれども、これは、これまでもキャリア教育ということを進めてきたのは事実ですが、ただ、そのキャリア教育というのは卒業後の進路というのに重点というか力点が置かれて、自分が今学んでいることと社会に出てからというところの結びつきというのがなかなかうまくいっていないところがありました。実際に飯南高等学校でもそうですし、紀南高等学校でもそうですけれども、大人というか、教員が与えた課題について解決していくということで体験をしたりとか、そういうことを進めてきました。
 でも、今度は課題自体を子どもたちが地域の中に出て、地域の人たちと話し合いながら、ここが課題やということを見つけながら、その見つけた課題をどういう手法で解決していったらいいのかということを仮説を立てたりしてやっていくというのが今回、重点で上げさせていただいている地域課題解決型キャリア教育モデル構築事業で、従来の、未来を拓く職業人育成事業のほうですけれども、これについては先ほども申し上げましたように、これまでも進めてきたというのは事実なんですが、既存のというか、大人が準備したものの学習とか体験にとどまっていたというところ、それはそれで実際に必要なことですので、それをやっていくと。今回の新たにやる事業とのすみ分けというのはそんなふうに考えて、事業を実施させていただこうというふうに思っております。

〇中瀬古委員 ありがとうございました。それぞれの違いについては今御説明をいただいたんですけれども、新規事業としまして地域課題解決型キャリア教育モデル構築事業、こちらなんですけれども、これまでいわゆる学校側が与えられたものを生徒たちがというところが新しく大きく変わったというところの中身、どんなふうにそれを取り組んでいくのかというような中身について詳細に教えてください。

〇廣田教育長 具体的な中身なんですけれども、県立高等学校活性化計画というのをつくっておりまして、その中で平成29年度から学校別活性化推進協議会を設置して活性化に取り組んでいる小規模校、それは9校の10校舎ございます。それをパイロット校にまず指定します。そして、そのパイロット校の指定の学校ごとに地域の課題とか産業を題材にして、子どもたちが外へ出ていって、しかも今までと違うのは授業の中できちんとやっていこうということで、そこで課題を見つけて解決方法を探って、実践する活動を行うというのをまずパイロット校自身でやっていきます。
 ただ、それをやろうと思ったときに、地域と学校と産業というのを結びつける人というのがキーになりますので、そのコーディネーターというのを今回の予算の中にも上げさせていただいております。それは3人程度配置しまして、パイロット校を巡回しながら、各校での推進体制を考えていこうというのが一つです。
 もう一つは、それぞれのパイロット校でいろんな地域課題解決型キャリア教育をやっていくんですが、それを、学識経験者とか地域関係者、それから学校の関係者で構成する推進委員会というのを開催しまして、それで子どもたちに培われる資質とか能力とか、学校とか地域のかかわり方とか、そういうことについて新たなモデルを構築していくための委員会を立ち上げると。そういうのが大きな3つの柱です。

〇中瀬古委員 ありがとうございます。大きな3つの柱をもって新規事業に取り組んでいかれると。特に活性化推進協議会のほうの9校、10校舎、そちらのほうの、やっぱりキーワードというのは地域と学校というところにあるのかなというふうに思いました。そこを結びつけるのが3人のコーディネーター、その方々が学校に入る形になるわけですよね。どこも同じようにこの件に関しては本当に、活性化推進協議会、つまり生き残りをかけたというぐらいの思いで教育委員会のほうはこれを出してみえると思います。ただ、それと同じだけの温度差があってはいけないと思うんです。学校のほうにコーディネーターの方がどんなふうに入っていかれるのかというのはわからないんですけれども、コーディネーターであっても学校に外部の人たちが入られるというのは、学校側がどんなふうにそこのコーディネーターを、言葉はあれですけれども、うまく使っていけるのかというところも課題になってくるのかなと思うんですが、そのあたりはいかがですか。

〇廣田教育長 御指摘のように、9校10校舎についてはそれぞれの取組にやっぱり差があるんですね。部活を中心にやってきたところ、あるいは突出した子どもたちがこれをやろうとやってきたところ、あるいは、全体で、例えば紀南高等学校みたいに地域産業とミカンということで、その地ならしができてというようなところがありますので、それぞれの状況に応じた、画一的ではなくて、それぞれの学校に、それぞれの地域産業に応じた丁寧なコーディネーターのやり方というのは、仕様書というか、委託をしていく予定ですので、そこについては丁寧に学校ごとに違うということはお伝えをして、地域をまとめていってもらおうというふうに考えております。

〇中瀬古委員 学校それぞれの受けとめ方というのも違うでしょうし、でも、やっぱりこの事業、地域と学校、地域の方々も思いもありますし、その気持ちというのは一緒に入ってやっていくというところが先ほど言っていただいた活性化推進協議会の設置だというふうに思いますけれども、そうなっていったときに、県の役割として学校のほうをしっかりとフォローしていっていただきたい、そんなふうに思います。それによって前向きに取り組んでもらうということが、より一層前に向かうのではないかと思いますので、その点についてはしっかりとフォローのほうをお願いしたいと思います。
 では、次ですが、三重とこわか健康推進事業363万1000円についてお尋ねをします。
 三重とこわか県民健康会議(仮称)と三重とこわか健康マイレージ事業、それぞれの予算内訳の額はどうなっていますか。三重とこわか県民健康会議はこれが全くの新規の事業であるにもかかわらず、6月補正ではなく、当初予算に組み込んだという理由もお聞かせください。

〇福井部長 まず、予算ですけれども、今御紹介ありましたように、全体で363万1000円。2つに分かれていまして、三重とこわか県民健康会議が252万9000円、そして三重とこわか健康マイレージ事業が110万2000円であります。申し上げた三重とこわか県民健康会議については、9月7日が県民健康の日になっていまして、これは健康づくり推進条例で定めております。その中で、県民健康の日にふさわしい事業の実施に努めなければならないというのも条例の中に書かれておりますので、その日を予定しております。会議に入るメンバーも、今考えているのは100団体ぐらいの方に入っていただこうと思っていますので、そうしますと、そこに向けた準備が少し、6月補正だと多分議決が6月の最後ぐらいということになろうかと思いますので、そこからスタートするのでは十分時間もありませんので、当初予算に計上させていただいたところでございます。

〇中瀬古委員 先ほどお話をいただきました三重とこわか県民健康会議を県民の健康づくりにどのようにつなげていかれるのか。三重とこわか県民健康会議について目指すところ、それから知事の思い、ここのところを改めて聞かせてください。

〇鈴木知事 人生100年時代を迎えるに当たって、県民の皆さんの意識調査をすると、3分の2の方が不安だと。その中で不安な要因は約92%が健康だとおっしゃっている。幸福感の調査でも、幸福感を判断するときの重要な要素は何ですかとお聞きすると、家族関係とほぼ一緒で、健康というのが上位に来ているというような状況で、そういう県民の皆さんの意識があると。
 一方で今、三重県は健康づくりについていろんなポテンシャルがあると思うんです。女性の健康寿命は全国2位、がんの死亡率は低いほうから5位になっているというようなことで、今こそ健康について取り組むポテンシャルがあるのでタイミングだと思います。
 あわせて、まさに委員の得意な歯科のところなんか、例えば糖尿病と歯周病の関係なんかがよく言われているので、そういう関係者が、異業種、他職種の人たちが連携する場も大事だというようなことで、今回の会議においては3つ期待するところがあります。まず、全国きっての健康づくりをやる、そういうムーブメントのエンジンになってほしいというのが1つ目。2つ目は、他職種の皆さんとしっかり連携をする、そういう場になってほしいということ。3つ目は、やっぱり健康のことを正しく知るというのが大事だと思いますので、県民の皆さんに正しく知るということのきっかけを提供する場、そういうふうになってほしいと。そういうふうに思っています。

〇中瀬古委員 ありがとうございます。3つの大きな期待を持っていらっしゃるということで、人生100年時代に向けて、健康寿命を延伸していくものの、早いうちからここにしっかり力を入れていくんだという知事の思いがよくわかりました。ちょっとこれにつきましても再質問等をしたかったんですけれども、私の持ち時間は残念ながらここまでになってしまいました。
 先日、2月27日のピンクシャツデーのことにつきまして、知事や教育長にもピンクで出てきてほしかったです。そのことも申し上げたかったというふうには思っておりますが、持ち時間になりましたので、田中智也委員にバトンタッチをしたいというふうに思っております。来年2月の最終水曜日は期待をしておりますので、しっかりとそれも取り組んでいきましょう。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

〇田中(智)委員 皆さん、改めましておはようございます。
 平成31年度当初予算に向けての総括質疑ということで、2番バッターでやらせていただきます。
 鈴木県政における一丁目一番地、防災・減災ということで、施策番号も1から始まる3桁の番号で111ということであります。その施策番号的には1丁目2番地になるんですけれども、北勢の広域防災拠点について少しお伺いしたいと思います。何せ今日はたくさん聞きたいので、ぽんぽん聞かせていただきます。
 防災・減災対策を進める体制づくりということで上げていただいておるんですけれども、その中で広域防災拠点についても触れられております。平成31年度の取組方向としては、「広域防災拠点について、必要な点検のほか、適切な維持管理を行います」というふうな記述があるんですけれども、実は先般というか、整備をしていただきました北勢の広域防災拠点なんですけれども、お邪魔いたしますとトイレがないんですよね。水道の蛇口が1カ所しかないんですよ。このことについては、防災対策部としてはこれでいくということなんですか。

〇福永部長 広域防災拠点は、災害時のための拠点ですけれども、平常時は職員は勤務しておらず、地域機関の職員が週2回程度巡回して維持管理しているんですけれども、当然、災害時のために水とトイレの確保は重要だと考えています。
 水のほうは先ほどおっしゃったように、水道栓を1カ所確保しているんですけれども、トイレは設置していません。幾つか理由があるんですけれども、まず近くを下水の導管が通っていないということがあって、設置するためにはかなり長い距離の導管を敷設する必要があるというのが1つです。それから、浄化槽を設置するという考え方もあるんですけれども、余りにも使用頻度が低いので、効果が期待できないということで現実的ではないと。こういうことで設置せずに、じゃ、どうするのかというと、平常時は隣に四日市市の北消防署の北部分署がありますので、そこのトイレをお借りするということで、これは四日市市の了承を得ています。
 災害時については、建設機械のリース業者との間で、仮設トイレの供給に関する協定を結んでいますので、その仮設トイレと、備蓄している簡易トイレ、これによって対応していくということとしております。

〇田中(智)委員 ありがとうございました。やっぱりトイレの問題って大きいと思うんですね。それを支える職員側というか、緊急消防援助隊とか自衛隊とか、様々多くの方が集結されるんですけれども、災害の多寡というか、大小にもよると思うんですけれども、本当に大災害の場合は多くの方が来られて、それトイレだ、水だということになると思うんです。ちょっと語弊がある言い方になるかもわかりませんけれども、中、小規模の災害の場合、それでも広域防災拠点に集結して、そういう組織立った救援だとか、そういうことが必要だというときには、そういう急なときにみんながそういう意識を持っていないと、ちょっとばたばた感が出てくるのかなと、そんなふうにも思いますので、このあたりについては、確かに下水の導管がないとか、そういう問題は非常に大きいと思いますし、浄化槽設置についても費用のかかることですし、また聞くところによりますと、長期使われないトイレなんかですと、尿石がたまって次に使えないとか、そういうことも聞いておりますので、課題はあろうかと思うんですけれども、そこのあたりは意識を持っていただきたいなというふうに思うところです。
 次に行きます。
 施策番号でいきますと231、ホイクボスのところで、これも鈴木知事になられてからイクボスとかいう形で、男女ともに子どもを育む、産むことは男性には不可能かもわかりませんけれども、育むという部分については男女問わずやっていくという機運をつくり上げていこうということで、これをかなり進めていただいています。
 平成31年度では一部新規で男性の育児参画普及啓発事業ということで319万円ほど予算がついております。この中で見ていきますと、「中間マネジメント層を効果的に巻き込みながら」という形で、ある程度ターゲットを絞っておられるんですよね。このあたりについてはどういう理由でここへ絞り込んだのかということについてお聞かせいただきたいと思います。

〇田中部長 イクボスの関係で、中間マネジメント層にターゲットを絞ったのはなぜかという御質問でございます。
イクボスにつきましては、平成29年度にNPOのファザーリング・ジャパンというところが実施しましたイクボス充実度アンケート調査におきまして、三重県は都道府県分野で1位をとっております。みえのイクボス同盟の加盟企業や団体数も180と、イクボスに対する理解とか認知度は県内にかなり広まってきております。
 一方、ファザーリング・ジャパンが昨年度、全国的にですけれども、調査した結果では、中間管理職層から悲鳴が上がってきていまして、実はイクボス推進の取組が現場に丸投げされていると。会社からのサポートが非常に不十分で、マネジメントに非常に困っているとかいう意見がかなり上がってきたところでございます。昨年度、三重県が実施した調査の結果でも、従業員が制度を利用しやすい風土がないと。制度はかなり進んできていますけれども、制度があっても、なかなかそれを使いやすい風土がないという状況でございます。
 職場の風土を変えるキーマンというのはもちろんイクボスでございますけれども、組織に風土として根づかせるためには、企業の経営者層はもちろん大事なんですけれども、それだけではなくて、しっかり現場を変えていくキーマンというのは中間管理職層が非常に大事でございます。そういうことから中間管理職を巻き込んでイクボスの取組を企業の組織内全部に浸透させるということで、来年度はそこにターゲットを絞ってやっていきたいと考えているところでございます。

〇田中(智)委員 ありがとうございます。平成29年度の調査や30年度の調査において、現場で悲鳴が上がっている中間管理職の皆さんという形なんだと思うんですけれども、ただ、私の持論と言うとあれなんですけれども、管理職になってからなり、会社の経営層になってからそういう意識が急に高まるということではなく、やはり独身の時代から、または社会に出たときから、またはもっとさかのぼると、子どもの年代、その年代に社会全体で次の時代へつないでいくという意識、個人としては子どもを育てていくんだという意識、それをともにしていくんだという意識が必要だというふうに思っていまして、子ども・福祉部としての予算の書き方としては、予算の限りがありますので、それぞれの調査に基づいて、ある程度の根拠をもって、ターゲットを絞っていくということはあるべき姿かもわかりませんけれども、ただ、本来的にはやはり全体に、社会で働く若手の人たちにもそういうことが浸透していくような取組をぜひお願いしたいなというふうに思っているところです。
 次に行きます。
 食の産業振興へ行きます。施策番号でいくと323になりますけれども、この間、食の産業振興ということで三重県でも取り組んでいただいていまして、食にかかわる産業は、本当に多岐にわたりますし、この分野での輝きがもっと増してきたら、本県でそこにかかわっている人たち、またはそこでの雇用創出も含めて非常に効果がある、そんな政策ではないかなというふうに日ごろ見ておるところであります。
 ただ、以前から私が申し上げていますとおり、いいものがとれて、いいものがつくれて、それが売れていくということについては確かに本県の知名度アップ、ブランディングにも寄与できますし、ありがたいんですけれども、やっぱり食となるとおいしいとか、うまいと思ってもらうというところが大事だというふうに思っていまして、そうなってくると、最終的に人の胃袋の手前、食物に何がかかわるのかといったら、やっぱり調理する方、料理人の方だと思うんですね。そんな中で、平成31年度当初予算で食の高度人材輩出プラットフォーム構築事業ということで、非常に何かすごいなと思った事業名がついているんですけれども、「食関連産業の高付加価値化を担う人材を育成するため」ということであるんですけれども、この中で、多様な業界(食品製造業、宿泊業、飲食店等)、その他教育機関とか行政などの関係者で構成する協議体を構築するということであるんですけれども、この多様な業界の中で調理師とか料理をする方は、このプラットフォーム構築事業の中に参画いただくようなことになっているのかどうか聞かせていただけますか。

〇村上部長 人材輩出プラットフォームの設置を検討させていただきたいというふうに思っておりまして、この事業では人材の育成確保について具体的な取組を進めていきたいというふうに思っています。この3月に準備会を設立いたしまして、具体的には来年3月の発足を予定しております。

〇田中(智)委員 こう聞いたら、こう外されたみたいに、ちょっと今、戸惑ったところなんですけれども、もう一回だけ、調理師のところは。ごめんなさい、聞き方が悪かったです。確保をしっかりしていきたいというところがこのプラットフォーム構築事業ということなんで、調理師、料理人の優秀な人材の確保というところについてはどうでしょうか。

〇村上部長 この事業は食品関連産業の、例えば食品製造業、それから宿泊業、飲食業に携わる人材の育成確保ということで進めていきたいというふうに思っておりますので、当然、飲食業についてもその中に入っているという認識でございます。

〇田中(智)委員 飲食業の中に恐らく調理師が含まれるんだろうと思うんですけれども、お伊勢さん菓子博2017、あそこで高校生たちのつくった菓子なんかの、あれは食べることはできませんでしたけれども、見て、自分のスマホにも写真を残していますけれども、すばらしいものがありました。やっぱり見て、おおっと思わせて、食べたいなと思わせるような、そんなところを若い層で、やる気を、勇気を持ってチャレンジしながら、本県の食関連のお店で腕を上げてもらうということをしていただくことが本県経済にとっては非常にいいんじゃないか、食の産業振興につながっていくというふうに思っていますので、そのあたりもしっかりとよろしくお願いしたいというふうに思います。
 先ほど敬遠されたわけではないんでしょうけれども、次もちょっと村上部長にかかわるところ、次は、施策314に行きます。水産業の振興です。
 水産業の振興で、平成31年度当初予算では、真珠養殖におけるAI・ICTを活用したスマート化促進事業などという形でやってもらっていますよね。真珠の養殖とかマダイの養殖でしたか、あそこのところで若者定着にも寄与できるという狙いだと思うんですけれども、この内容についてはちょっと横へ置いておいて、ただ、これまでの水産業・漁村を支える担い手の確保育成事業というのが、平成30年度は100万円ほどついていたのが、今回30万円ほどにぐっと減っているんですよね。結構、戦略会議でコメントをいただいて、地域漁業協業化・法人化モデル構築支援事業、あのあたりも昨年度は100万円ほどついていたのが、これも45万円ほどに減っているんですよね。このあたりは、AI、ICTにしっかりと目を向けて、注力をして、若手に目を向けてもらうということについてはいいと思うんですけれども、やっぱりこれまでやっていただいた、支えていただいた方々、もしくはこれまでのやり方について学んできた人たちにとっては、少しそがれてしまうんじゃないかな。このあたりの、部としての思いをお願いします。

〇岡村部長 水産業の担い手の確保・育成等についてということで、先ほど委員がおっしゃった担い手の確保育成事業と協業化・法人化、2つの事業がそれぞれおっしゃるとおり、予算額としては少し減らしております。これもそれぞれ理由がありまして、例えば水産業・漁村を支える担い手の確保育成については、これまで漁業インターンシップと、漁師塾の運営というのをやってきたんですけれども、前者の漁業インターンシップのほうが、これまでやってきて一定の成果が出たということで、来年度休止をするということにさせていただくということもありましたので、減額というふうになりました。
 ただ、漁師塾につきましては引き続き取り組んでいきたいと思っておりますし、また来年度は新たに真珠塾も立ち上げていきたい。今、漁師塾は7地区で展開しておりますが、それに加えて真珠塾も設置をしていきたいということで、引き続き取り組んでいきたいと思っています。
 それから、協業化・法人化についても、おっしゃるとおり、経営力の強化でありますとか、雇用力の拡大ということで、非常に重要な事業というふうに考えてきておりますが、これも減額はしておるんですけれども、事業の流れ的な話で、今年度からスタートさせていただいて、今年度は立ち上げということで会議の回数が非常に多かったということで、その分の経費があったんですが、来年度からは少しそういう経費が減額できるのかなということで減額をしております。ただ、今、計画の素案をつくっていまして、それをまた来年度ブラッシュアップしていくということで、来年度引き続き具体化していきますので、今、モデル地区、2地区を設定して取り組んでおりますけれども、そのモデル地区での成果をまた横展開するような形で引き続きしっかりと取り組んでいきたいというように思っております。

〇田中(智)委員 ありがとうございます。インターンシップのは休止ということで、少し残念な気もするんですが、漁師塾はこれまでに結構成果が上がってきているので、このあたりについては財政が厳しいですけれども、スマート化に行って、恐らくこれも平成32年度同額で残っているのかと。もう動き出したんで大丈夫ですとかとなって、すっとなるのかもわからないですけれども、あれもこれもと言うと、ちょっと悪い言い方になるかもわかりませんけれども、やっぱりしっかり地区を定めて、人を育てていくんやとか、そういうところはしてほしいなというふうに、この平成31年度の水産業の振興について予算を見たときに、まず直感的に思ったものですから。
あとは居抜き物件として把握してやっていくという事業、これは嶋田総務部長に言わなあかんのかもわかりませんけど、要求していたものの、落ちましたよね。知事が切ったのかどうかもわからへんけれども、もともとある三重県の資源をしっかりと活用していくというところでは、やっぱり水産業のところを注力してほしいなと思いますので、このあたりは来年度ちょっと頑張って農林水産業としてはその部分にお願いしたいなというふうに言うて、次へ行きます。
 まずはもう簡潔にいかなあかんのですけれども、「KUMINAOSHI」と言うてもらってます。種まきというふうな表現もあります、ポンチ絵のところで、「10年先を見据えた行動(種まき)を開始します」と。雇用経済部としては端的に「KUMINAOSHI」、これやというものは何でしょうか。平成31年度の「KUMINAOSHI」と種まき、部長の思いを教えてもらっていいですか。

〇村上部長 2点あったと思います。まず「KUMINAOSHI」につきましては、新しい言葉として出させていただきました。個々の企業や地域が持つ強みを再確認した上で、知恵や知識、技術を組み合わせて、つなぎ直し、共感と共創によって若者の定着であるとか、地域課題の解決に結びつけていきたいというふうに思っておりまして、みえ産業振興ビジョンを議論する中でこういう言葉が出てきて、採用をさせていただいたということでございます。
 それから、10年先を見据えたというところにつきましては、当然これまで取組を進めてまいりました航空宇宙産業であるとか、食関連産業については引き続き取組を進めていきたいというふうに思っておりますし、新しく「空飛ぶクルマ」の実証試験、これは地域課題の解決にもつながっていくというふうに思っておりますので、ぜひ取り組んでいきたいと思っています。
 それから、オープンイノベーションを進めるためのクリエーティブな視点という部分についても、ぜひ大切にしていきたいというふうに思っています。
 最後に、東京大学にサテライト拠点を四日市へ開設していただきました。それから、三重大学についてもサテライト拠点を設置していただきましたので、こういったところとぜひ連携をさせていただきながら、新しい産業、それから地域課題の解決につなげていきたいというふうに思っています。

〇田中(智)委員 「KUMINAOSHI」については、おっしゃることは何となくわかるんですけれども、やっぱり実際どこやというところが見えてこない部分があるので、ここは少し見守らせていただきたいなというふうに正直思っています。若干、猜疑心というとあかんけれども、少し疑問も持ちながら、まあまた次にしゃべっていただくんで、そこは本当に見守らせていただきたいなと思っています。
そんな中で、「空飛ぶクルマ」というのを出していただきました。空の移動革命促進事業という形なんですけれども、予算要求の時点で、「近い将来に実現が見込まれる新たなテクノロジーである「空飛ぶクルマ」の導入をめざし」という文言があったんですけれども、新しくもらった予算のほうでは、「近い将来に実現が見込まれる」がないんですよ。このあたりは、ただ単に字数を減らすためだけなのかなというふうにも思うんですが、本県で「空飛ぶクルマ」にかかわる事業者とか、それをやりたいなと思っている事業者はおみえになるんでしょうか。

〇村上部長 まず、実用化の関係については、国でロードマップを策定していただいておりまして、2023年には事業化を図りたいというふうになっています。それから、2030年代には実用化を拡大していくという2段階に分けて進めていくという形になっています。
それで、県内事業者については、ドローンを大きくしたものだというふうに御理解をいただければと思うんですけれども、これを開発するのは大手の企業だと思っていただいたらいいと思います。それを活用して、離島であるとか過疎地において移動手段であるとか物資の輸送であったりとか、そういったことをしていくための実証試験を誘致させていただいて、三重県でのビジネスモデルの確立につなげていきたいというふうに思っております。

〇田中(智)委員 ありがとうございます。私もロードマップ、経済産業省の出されているやつを見させていただいて、大体2020年代と2030年代とに分けて、2020年代から2030年代にかけてのあたりでドローンから「空飛ぶクルマ」というふうに移行していって、このあたりになってくると、人々のこの分野に対する目と意識というのは変わってくるかなというふうに思うんです。ドローンで農薬散布だとか、あとは無人化で農業用のトラクターを動かすだとか、そういうあたりだとかで目に触れるようにはなってきていますけれども、まだまだの感があるのかなというのが正直な感想です。
 そんな中で、私が申し上げたいのは、こうやって三重県が注目を浴びる事業というのは、ある意味ありがたいんですけれども、空の移動革命よりもおかの移動の確保、人の移動の確保、これは所管の常任委員会、地域連携部のところにかかわるかもわかりませんけれども、県内でもバス路線が幾つか廃止になっていったりとか、本数が減っていったりとかする中で、空の移動空間ということも大事なんですけれども、やっぱり人が円滑に通院とか買い物とかをできる体制づくりを。もう近所で買い物ができるというのが非常に難しいような地域も出ています。そういうところは四日市市内でもあるんですよ。先般、年配の男性の方とお話をしていたら、選挙にも行けんのやと。近くの投票所がえらい高いところにあって、ここからどうやって行けというんやと。買い物も、もう何キロメートルも離れたところへしか行けないんやと。子どもが帰ってきたとき、子どもが家を見に来てくれたときに買い出しをするんやというような状況。地域でそういう買い物難民を支えるというボランティアをやっていただいているところも幾つも出てきました。だけど、そういうボランティア組織も組成できないような小さな集落なんかですと、やはりそのあたりのところは本当に足元の移動を維持するということを県庁全体として意識は持っていただきたいなというふうに思っているところです。「空飛ぶクルマ」については種まき、10年先を見据えてかかるということでありますので、これもしっかり見守らせていただきたいと思いますけれども、何年かたって、あれはどこへ行ったんやということのないように、しっかりと組み直していただいて、英知を結集してかかっていただきたいなと、そんなふうに思うところであります。
 それで、もう残された時間が少なくなってきたんですけれども、所管の常任委員会で大変恐縮なんですけれども、競技スポーツの部分について、国体も間近に迫ってまいりまして、来年度は競技力向上の部分で、前年度と比較をいたしまして予算が倍になっています。このあたりについてはどういう形で何をやっていかれるのかというのを教えていただきたいなと思います。

〇村木局長 来年度の競技力向上対策でございますが、昨年、福井国体終了後に競技団体や有識者からもたくさん御意見をいただきまして、内部で検討をさせていただきました。それについては大きく2つございまして、1つは少年種別の選手をこれからどう育てていくかということであります。もう一つについては、大人の選手をどう三重県に呼び込んで、そしてまたそうした選手や少年種別の選手の環境づくりをどうするか。大きくこの2点がございました。
 ということで、まず少年種別につきましては、来年度の予算では5900万円の増加をして、具体的には何をしますかといいますと、今年度から始めました、みえコーチアカデミーの事業が大変好評で、成果もあったと感じておりますので、これを拡大したいということと、もう一つは、ターゲットエージ、三重とこわか国体では高校3年生になる生徒が今度、高校1年生に上がってまいりますので、いよいよ選手の姿、顔が見えてきますので、そうしたところに重点的に強化費を充てていきたいということです。
 もう1点につきましては、成年選手の獲得並びに少年選手も含めて練習環境ということで、2億7500万円の増をしておるところでございます。
 こうしたことで質の高い練習であるとか、強化練習であるとか、遠征を確保してやり、なおかつ競技用具で、ボートとかヨットとか、そういう用具が要りますので、そうしたものも計画的に整えていくということで、今年の茨城国体、そして平成33年のとこわか国体に臨んでいきたいと考えておるところです。

〇田中(智)委員 ありがとうございます。ここはもう本当に残された時間もあとわずかですけれども、私も高校生の選手に話を聞いたときに、三重県代表のチームに選んでもらって遠征へ行ったときに、外のコーチに二言言われたことでタイムが伸びたと。競泳の選手だったんですけれども、やっぱりコーチング、ちょっとしたことで、能力の高い選手の皆さんは違う視点で、違う言い方でとか、そのあたりのところですごく違ってくるんやなというふうに感じたところですので、時間はわずかですけれども、コーチング、みえコーチアカデミーのところに注力していただくというのは非常にありがたいなと思っていますので、ここも期待していきたいなと思います。
 時間がちょっと超過をしてしまって恐縮であります。
先ほど申し上げた三重県の人口減少、社会減を減らしていくという大きな目標があります。平成29年度に県南部の高校生に問うたアンケートで地域連携部の資料を見たときに、三重県には愛着があるけれども、住み続けたいと思うけれども、何で離れていくんやといったときに、やっぱり生活や交通が不便だからというのが結構上位なんですよね。このあたりのところは県庁全体でその分析をさらにしていきながら、電車を何本も引くとか、そんなのはなかなか難しいかもわかりませんけれども、でも、やっぱりそのあたりの利便性を若者に対してアピールしていくということは考えていただきたいなと要望を申し上げて、私の総括質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

〇日沖委員 新政みえ、いなべ市・員弁郡選出の日沖正信でございます。
 平成31年度当初予算の総括質疑をさせていただきますが、限られた時間ではございますけれども、質疑の内容に入らせていただく前に少し述べさせていただきたいというふうに思います。テレビでPRもされていますけれども、いよいよ3月17日に新名神高速道路の三重県区間が開通をいたします。自動車産業とか観光などで1550億円ほどの経済効果があると言われておりますけれども、その新名神高速道路から分岐をいたしまして、私どもの地元のいなべの谷を貫いていきます東海環状自動車道の大安インターチェンジも同時に開通をいたします。三重県の北部といたしましては本当に地域が様変わりしていく、将来に向けて大きく期待が広がっていくという時代になってまいりまして、大変心強い思いをいたしておるところでございます。
 大変な渋滞が毎日続きます東名阪自動車道の渋滞の大幅な緩和、これは本当にうれしい限りでございますけれども、さらに今申し上げましたような将来へ向けての経済効果、地域に大きな人や物の流れが生まれて、そしてこの地域に新しい投資、また活発な経済が起こってくるということで、喜ばしい限りでございます。これからいなべのほうでは東海環状自動車道の大安インターチェンジが開通をいたしまして、さらに進んでいくわけでございますけれども、三重県といたしましては、直轄事業の負担金を確実にこれまでにもつけていただいておりますし、また、インターチェンジへのアクセス道路も精力的に地域の中でつくっていただいております。新年度におきましてもぜひ精力的に、さらに進めていただくことができますように、期待とお願いを添えさせていただいて、予算の話に入らせていただきたいというふうに思います。この新年度、平成31年度の予算ですけれども、収入を見てみますと、県税収入が新年度も好調だろうということで、対前年度比173億円の7.0%増で、大変景気がいいことなんだなというふうに思いますけれども、一方では地方交付税は対前年度比で99億円の減になるだろうと。7.1%の減で、臨時財政対策債の対前年度比も91億円の減になるだろうと。臨時財政対策債は少ないほうがいいかなというところもあるんですけれども、やっぱり全体の歳入のことになってまいりますので、税収は大変景気よく多く見込めても、交付税の関係でそれほど全体的には喜べない部分があるのかなということで、財政って難しいですけれども、その仕組みのマジックみたいなものを感じさせていただいておるところでございます。
 そういう感想の新年度予算でございますけれども、幾つか質疑をさせていただきたいと思うんですが、まず1つは、何度も出ております骨格的予算ということについてでございます。我が会派の中瀬古委員のほうからもわかりにくいということの指摘もあったわけでございますけれども、中身について少し触れさせていただきながら聞かせていただきたいというふうに思うんですが、何度も繰り返しになりますけれども、平成31年度当初予算は知事選挙のある年であるということから骨格的予算として編成されたということでございます。
 公共事業費も前年度予算の80%を機械的に計上したとのことでありますけれども、この当初予算は各部局の要求ベースから180億円を見送った額を骨格的予算として提案されているとのことでございます。先日、我が会派の中村進一議員の代表質問においても、知事の答弁によりますと、送った180億円の内訳については、新規事業でもろもろ送ったほか、公共事業や私立高等学校等振興補助金等の一部について当初予算での計上を見送って、6月補正まで判断を保留し、そのうち公共事業では先ほど140億円を保留したという説明があったわけなんですけれども、この公共事業で140億円、数字が間違っていたらまた後ほど指摘いただきたいんですけれども、私立高等学校等振興補助金等で24億円ほど、あと先ほどの新規事業などで見送った分を合わせて180億円ということだったと思いますけれども、まず、当初予算に計上した対前年度比80%とした公共事業費はどのような考え方で、どのような事業に対応する予算として成っているのかということを1つお聞きしたいというふうに思います。そしてまた、一方で6月補正予算まで判断を送った公共事業費140億円の分はどのような位置づけ、内容のものであって、どんな基準、根拠をもって送るものとされているのかということをお聞かせいただきたいと思います。
 さらにもう一つなんですけれども、私立高等学校等振興補助金等を見送った24億円の分なんですけれども、今後6月補正まで、見送れるということは、そのときの政策判断で不必要、計上しなくても可能だということで送っているというふうに私どもは判断しますので、そうしたら、この私立高等学校等振興補助金等は、6月の時点の政策判断によって計上しなくても差しさわりのないものなのかということもいま一度聞かせていただきたいというふうに思います。

〇嶋田部長 公共事業と骨格的予算の関係なんですけれども、公共事業については、事業箇所もさることながら、規模そのものがどちらかというと政策的な意味合いが強いことから、今回、全額を当初予算に計上するのではなく、機械的に8割を計上したと。機械的に8割というのは、今年度の要求額ではなくて、前年度当初予算の8割という形の規模で当初予算を置いてあるということであります。どういったものが当初予算の中にあるかというのは、機械的なんですけれども、例えば既に債務負担行為がとってあって、契約、発注済みのものはもう契約行為ですので、やっていかざるを得ないものだとか、あるいは中瀬古委員のときにも少し話をしたかもわかりませんけれども、出水期までにしなければならないようなもの、あるいは他の事業とのジョイントとかの関係で、時期を合わせてやらなあかんものやら、そういったものを個々に見て計上してあるというふうな考え方であります。
 あと、一方で、国の防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策に呼応する予算については、選挙があるから対応が遅くなってもいいというものではないという判断をいたしまして、当初予算で通年分102億円ぐらいを計上してあるということであります。
 ちょっと話はそれますけれども、骨格的予算がわかりにくいというのはこういった国の防災・減災、国土強靭化分の例年にないやつが今年度の当初予算にはのっているとか、先ほど日沖委員からも冒頭ありましたが、税収が伸びていますと、税収関連交付金というふうな歳出規模も大きくなりますので、そういったことに鑑みると、ほかの年度の当初予算の骨格的予算と比べると伸び率が高くなっているというようなことだと思います。
 あと、6月補正ではどのような形で140億円になっているかといいますと、6月補正は知事査定で要求額があった額がありますね、機械的に前年度当初予算の8割をつけた額、その差額が見送った額というようなことになろうかと。要は今後、6月補正予算の中でするというようなことであります。
 もう1点の私立高等学校等振興補助金等でございますけれども、これも県単独補助金としては非常に規模が大きい補助金でありまして、そういった政策的な意味合いがあることから、6月補正に一部送ったということであります。当初予算にはこれも6割のせてあります。前年度当初予算の6割をのせてあるという考え方は、実際運用面で6月に交付するときに、前年度の補助額の6割を交付というふうにしていますので、仮に当初予算で6割しか置いていなかったとしても支障はないことから、6月補正でもう一度規模感の議論をするということで当初予算を見送ったということであります。
 以上であります。

〇日沖委員 ありがとうございました。私が所属する分科会の部分も聞いていますんで、申しわけないところもあるんですけれども、もう一度それぞれ説明をいただきましたけれども、6月補正まで判断を送った公共事業140億円の分は、知事査定でということでございますけれども、この内容をもう少し説明いただけるところがないのかなというふうに思うので、再度お聞きさせていただきたいというふうに思いますのと、先ほどの防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策の102億円ほどについては、別枠でと当初から説明をいただいておるところでございますけれども、この国の交付金が設けられて行われる事業は治水対策、河川の関係とかがあるんだろうなと思いますが、交付金によって行われる事業というのは例えばどういうものがあるのかということも聞かせていただきたいと思います。それと再度聞かせてもらいますけれども、私立高等学校等振興補助金等というのは6月の時点で、あとはなくても済んでいくものなのかどうかということなんですが、そのときに手当てすれば間に合うということはわかりますけれども、なくては済んでいかないものは別に当初から入れておいていただければいいんじゃないかなと思うんです。その辺りの捉え方というのか、その辺をもう一度聞かせていただきたいと思いますので、お願いします。

〇嶋田部長 公共事業の個々の事業はまた県土整備部のほうへ聞いてもらえたらいいかと思いますけれども、考え方は、知事査定で要求のあったものから80%の機械的に計上したものを差し引いた額が留保額ということで、80%はどういうものを中心に置いたかというと、先ほど言ったように債務負担行為で既に契約済みのものだとか、あるいは時期が決まってやらないといけないもの、そういったものを中心に、県土整備部のほうで見てもらって置いてあるということです。残り、それ以外のものが6月補正の議論ということになるかと思います。
 私学との関係ですけれども、こういう措置をするに当たっては、部とも十分に議論をした上で6割というふうになっておりますので、特に支障があるというふうには聞いておりません。私学もこういうことをするのは、あくまで規模が大きくて、非常に政策的な規模感のものでありますので、6月補正に送ってあるということであります。

〇渡辺部長 強靭化事業の具体的な内容、取組でございますが、今回、強靭化のほうで取り組んでいく内容といたしましては、流下能力向上を図るための河道掘削であったり、土砂災害から避難所や避難路を保全するための砂防施設、あと大規模地震に対して耐震性を確保するための橋梁、河川堤防、水門等の耐震対策、そして道路のり面の対策ということで落石防護柵等の対策をこの強靭化事業で実施していくということになってございます。

〇井戸畑部長 私立高等学校等振興補助金等の関係でございますけれども、先ほどの総務部長の答弁にございましたように、6月の交付決定の段階では、昨年度の実績額の6割を交付決定しております。その後、生徒数を確定し、国のほうから示される1人当たり単価、そういったものをしっかり積算した上で、6月補正できちんと要求をしたいというふうに考えております。

〇日沖委員 再度ありがとうございました。140億円の差については、とにかく知事査定の段階からの差なんだという説明でございました。
 それと、防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策の内容についても一部触れていただきました。この辺は私の所属している分科会の所管の部分でもあり、より必要であればまたそこで細かく聞かせていただきたいというふうに思いますので、総括質疑ではこれぐらいにさせていただきますが、もう何度も繰り返しませんけれども、私立高等学校等振興補助金等、これが当初予算から入っているから、入ってないからでこの予算案をどうこうとまでは言いませんけれども、これはもう初めからある程度入れておいていただいて、別に先に送る必要があるのかなというふうに思わせていただきますので、その辺だけ添えさせていただきたいと思います。これについてはここで一旦終わらせていただきまして、次の質疑に入らせていただきたいと思います。
 次に、予算額はそれほど大きなものではないんですけれども、国の入管法の改正を契機として求められているということであり、大事な分野になってくると思いますので、取り上げさせていただきたいというふうに思うんですが、「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」に関してでございます。三重県では早くから多文化共生社会づくりに向けた取組というのが進んでおりまして、外国人の方々に対する支援も進められてきているところでありますけれども、このたび国が進める総合的対応策を受けまして、県では外国人住民の安全で安心な生活への支援事業というものの中で、平成31年度で外国人住民からの相談を一元的に受け付けるワンストップ相談窓口、名称は三重県多文化共生総合相談ワンストップセンターが、今の段階で仮称ということではございますけれども、設置されるということでございます。このワンストップの相談窓口とはどのようなものなのか、どこに設置されて、内容はどういうものなのか、まず概要をお聞かせいただきたいと思います。

〇井戸畑部長 ただいま質問いただきました多文化共生総合相談ワンストップセンターでございますけれども、これは法務省の交付金の外国人受入環境整備交付金を活用させていただこうというものでございます。この窓口につきましては、今現在アスト津にございます三重県国際交流財団、こちらのほうで財団の自主事業として、ポルトガル語、スペイン語、英語、フィリピノ語の4カ国の言語で外国人住民の方々の生活相談を受けておりますけれども、それを拡充させる形で、多言語で相談を受け付け、あるいは必要な情報を提供していく、そうした窓口をつくっていくこととしております。

〇日沖委員 今お聞きしますと、三重県のワンストップセンターは、三重県国際交流財団において既に運営いただいている窓口があって、そこを拡充、強化されるということで説明いただいたというふうに思いますので、新たに何か大きくどこかに開設するということではないようでございますけれども、先ほども申し上げさせてもらいましたけれども、三重県はかねてから市民ボランティアというか、NPOも含めて、大変早くから多文化共生社会をつくっていこうという中で、外国人住民の方々への日本語教育であるとか、また生活面の支援も含めて、積極的に、市町の取組も含めて市民レベルで大変進めてきた土壌がございます。三重県国際交流財団とはこれまでにも連携をしていただきながら進めてきていることとは思いますけれども、改めて国から示されてつくるこのワンストップセンターは、三重県国際交流財団で運営いただくということであり、こういう窓口が拡充されてできてくるということでございますから、現場で支えていただいて、これまで土壌をつくっていただいてきております市民ボランティアの方々とか、また市町の取組であるとか、そういうところときちんと連携して進めていくということについては、いま一度どのように考えておられるのかお聞かせいただきたいと思います。

〇井戸畑部長 多文化共生社会づくりを進めていく上では、NPOやボランティア、様々な団体との連携、協力というのが非常に大事だと思っておりますし、今後はそうした一緒に取り組む分野も、幅広く連携を拡充、強化していく必要があると思っております。
 外国人住民を取り巻く状況というのは目まぐるしく変わってきておりますので、来年度私どもは、日ごろ外国人住民に接しておられる支援団体であったり、あるいはボランティア活動に従事されている方々、あるいは企業等から情報をいろいろいただきたいというふうに考えておりまして、ヒアリングを行って、そういった団体等と課題を共有しながら、どういった施策が必要なのかといったようなことを検討していきたいというふうに考えております。

〇日沖委員 来年度は支援いただいておる団体などから改めて情報もとられて、新たな施策も含めて積極的に取り組んでいかれたいということをお聞かせいただきましたので、このワンストップセンターができることを契機にぜひよろしくお願いをいたしたいというふうに思います。
 あと3分ですけれども、もう一つ聞かせていただきたいと思います。
これも予算的にはそれほどではないですけれども、先ほど「空飛ぶクルマ」のお話が田中智也委員からもございましたけれども、これも新規事業で次世代自動車開発支援事業というのがございます。これからのプラグインハイブリッドや電気自動車の普及を見据えて、新素材の加工技術とか軽量化技術の習得を支援するために人材育成講座をしていくということでございますけれども、これは先ほども企業のニーズがあるのかとか、質疑の中でもやろうと思っている企業があるんだろうかというお話がございましたけれども、この辺も含めて、次世代自動車開発支援事業について、地元県内企業のニーズをしっかり把握した上でのこの支援策となっているのか聞かせていただきたいと思います。

〇村上部長 ニーズを捉えているのかというお尋ねでございますけれども、今年度、実はヒアリングを実施させていただきまして、それに基づきましてこの事業については組み立てをさせていただいております。具体的には、自動車部品製造における事業拡大を目指す県内中小企業を対象にしまして、座学に加え、実践も踏まえた技術習得講座でございますとか、3Dプリンター等の新たな加工技術を対象とした講座を開催したいというふうに考えております。

〇日沖委員 もう残りがございませんので、これで終結をさせていただきますけれども、三重県は自動車産業が盛んな土壌もございますので、この新世代の自動車開発についても、しっかりとニーズなり県内企業の求めを確認していただきながら、効果の上がるようにお世話になりたいというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 以上、終わります。ありがとうございました。

〇津村委員長 暫時休憩といたします。
 再開は午後1時といたします。

                                (休  憩)

〇小林副委員長 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
 総括質疑を継続いたします。
 まず、自由民主党県議団から御質疑をお願いします。

〇石田委員 よろしくお願いします。
午後から自由民主党県議団、持ち時間61分を中嶋委員と半分こして進めてまいりますので、よろしくお願いします。
まず、食品ロスの対策についてお尋ねをいたします。昨年12月に示された平成31年度当初予算要求状況資料2の施策番号152の平成31年度の取組方向に「食品ロスの削減の取組を促進します」とありますが、どうやって促進するのか、事業の中にどのように入っているのかをお尋ねしてまいりたいと思います。
 今会議に上程されている平成31年度当初予算説明資料である「みえ県民力ビジョン・第二次行動計画」取組概要、この同じ施策152からは食品ロスという表現がなくなっているのはなぜか。食品ロスは現代日本が抱える大きな課題であると捉えますけれども、その認識をお尋ねいたします。よろしくお願いします。

〇中川局長 それでは、2点御質問がございましたので、順次お答えをさせていただきます。
 食品ロスにつきましては、現在非常に大きな問題になってきているというふうな認識をしております。ちなみに平成27年度は年間2842万トンの食品廃棄物が出されておりまして、そのうち食品ロスにつきましては646万トン、これは日本人1人当たり1日というふうに換算をしますと、毎日お茶わん1杯分、約140グラムでございますが、これを食べ物として捨てているといった計算になります。
 2015年、国連で採択をされましたSDGsの中にも食品ロスというのが1つのテーマとなっております。17のターゲットのうちの一つになってございます。2030年までに小売消費レベルにおける世界全体の1人当たりの食料の廃棄を半減させる目標が掲げられて、世界中で取組が進んでいるというふうなところでございますので、県といたしましても次期廃棄物処理計画、こちらのほうに向けてきちっとした食品廃棄物の排出状況、これをしっかりと捉えていきたいと考えてございます。そのところで実際に来年度やらせていただきますのは食品廃棄物の実態調査ということでございますので、食品ロスといった言葉自体、少し表現のほうが変わってしまいまして、表から、もしくは表現の中で落ちていったものというふうに御理解をいただければというふうに考えております。
 この食品ロスの実態調査でございますが、平成21年度、22年度に家庭ごみの中の食品廃棄物、いわゆる厨芥ごみといったものの調査をやってございまして、大体可燃ごみの中の4割を占めているといったところでございます。
 また、可燃ごみの中には約7%から10%の中で手つかずの商品、要するに袋もあけていないような状態で捨てられているごみがございます。いま一度そういったものについて、ごみの細組成の調査をさせていただきまして、ターゲットは何かというものをつかんでいきたいと、このように考えてございます。

〇石田委員 日本社会が抱える大きな問題であるという認識は共通していると思いますが、調査に入るということですけれども、平成27年度で646万トン、これは全国の話で、これに県が対策をするということは、三重県でどれだけの数かということを今後調べながら指標としていくのかどうかということもお尋ねをしたいです。
 それから、廃棄物対策局長からお答えをいただきましたが、食品ロスの問題は、ただ単に廃棄物に視点を当てることだけではなくて、なぜそんなに捨てることになっているのかというと、廃棄物対策局がその点をやるんだろうと思いますけれども、これが適正な廃棄物として減らすことができて、廃棄物として減らすということは、それだけみんな食べろということになるのかどうか。捨てている部分の646万トンを捨てずに日本人が全部食べるということになると、それでいいのかどうか。だから、ひょっとしたらそれだけ製造を減らす必要が出てくるのかとなると、廃棄物という問題だけではなくて、1次産業の問題でもあり、2次産業の問題でもあり、それから雇用の問題でもあり、食育の問題でもあるので、教育委員会の問題にもなってくると思います。それぞれ関係する部局が連携をとる必要があると思っています。そこのところについてもう一度、連携をとってやっていくのか、それから、県内の数字を出して指標を設定していくのかどうかということについてお尋ねをします。

〇中川局長 先ほど委員から御指摘のありましたとおり、廃棄物の問題だけで食品ロスは解決しない、このように考えてございます。食品ロスにつきましては様々な分野ということで御紹介がございましたけれども、例えば平成29年度には農林水産部、教育委員会事務局等、関係5部局との意見交換や情報交換を行う食品ロス削減庁内連絡会、このようなものを立ち上げてございます。その中で食育に関する事業との連携でありますとか、学校給食の食べ残し削減の取組の情報交換でありますとか、あと食品衛生の観点からの意見交換、こういったものも行ってございます。こういったところはこの連絡会を通じて、各部連携をして、食品ロスをより少なくするためにはどのような取組が進められるのかというところを情報共有してまいりたい、このように考えてございます。
 数値目標につきましては、国の第四次循環型社会形成推進基本計画、こちらの中でも同じく数値目標が設定されてございます。私どもでは再来年度に新しく廃棄物処理計画を策定したいと、このように考えてございますので、来年度やらせていただきます実態調査、こういったものの数値を踏まえて、きっちりとした数値目標等を設定して取組を進めていきたいと、このように考えてございます。

〇石田委員 ありがとうございます。関連するほかの部局長の答弁も求めようかと思いましたが、時間も時間ですので。先ほども申し上げましたように、もう一つ、健康という意味では医療保健部も関連する部なので、ただ単に廃棄物を減らすという視点だけではなくて、医食同源でありますから、食べるということは健康とか、それから生きるというところがそもそものところでありますから、各部局で連携をとっていただいて、ただ単に廃棄物が少なくなればいいということではなくて、そういう視点で食品ロス対策を進めていただくようにお願いをしておきます。
 次に、子育て支援の観点からお尋ねをいたしますが、先ほどと同じみえ県民力ビジョン・第二次行動計画の施策番号231から234に少子化対策を進めるための環境づくり、結婚・妊娠・出産の支援、子育て支援と家庭・幼児教育の充実、児童虐待の防止と社会的養護の推進と、社会の財産である健全な子どもが育つための施策が示されております。そこの施策番号231と232には、希望がかなうという表記が10回以上登場してきます。希望している方たちの希望がかなえば三重県が目標としている合計特殊出生率を達成することができるのか、自然減を食いとめることができるのかお尋ねをしたいと思います。
 それで、結婚、出産の適齢期にある世代の方たちの中で、結婚、出産を希望している方たちと希望していない方たちの割合に着目する必要があって、希望しない方たちへの対策がそもそも必要ではないのかなと思うんです。自然減の原因は根深いものがあって、この根っこの奥深くを分析して対策を考えることが必要であると思いますが、平成31年度の事業にどう反映されているのかお尋ねをいたします。

〇田中部長 子育ての関係でございますけれども、現在、三重県では「希望がかなうみえ 子どもスマイルプラン」に基づきまして、様々な取組を行っているところでございます。このプランにおいて計画を進めていく大原則としては、結婚や妊娠、それから出産などについては個人の考え方や価値観が尊重されるということを大前提に施策を進めているところでございます。
 少し数字的な紹介をさせてもらいますと、三重県の生涯未婚率は、平成27年当時のデータでございますが、男性が20.4%、女性が10.3%、統計的に35年間で、男性は10.7倍に増えています。女性は2.6倍に増えていると。男性のほうで如実に出ているということでございます。それから、平均初婚年齢、初めて結婚する年齢でございますけれども、平成29年のデータで、男性が30.7歳、女性が28.8歳と、これも長期スパンなんですけれども、47年間で男性は4歳上がっていますし、女性においては5.1歳上昇していて、いずれも未婚化、それから晩婚化が進んでいる状況でございます。
 とはいえ、そうすると、結婚とかそういうのを望んでいない方が多いのかということでございますけれども、一方で昨年度県が県民意識調査を行いましたけれども、20代、30代の未婚の方8割以上がいずれも結婚したいと、結婚するつもりであるという回答をしております。そして、現在、何で結婚していないのかという理由については、4割以上の方が「出会いがない」。それから、これは複数回答でございますので、「理想の相手に出逢えていない」などという回答が出ておるところでございます。また、結婚している方に対して、実際の自分が望んでいた初婚年齢よりも何で遅くなったのかと聞いたところ、やはり適当な相手がいなかったので、30歳で結婚しようと思っとったけれども、35歳になりましたとか、そういう回答が多くございました。
 そのような中で、平成26年の12月になるんですけれども、三重県では、みえ出逢いサポートセンターというのをつくりまして、出会いの場の情報提供なんかを一生懸命進めているところでございます。また、社会全体でこういう機運を醸成せなあかんということで、例えば今年度ですけれども、県内の美容院、全部1000店舗あるんですけれども、そこと協力して、来店したお客様に県のみえ出逢いサポートセンターの紹介とか、事業の紹介なんかもしてもらっているところでございます。それから、夫婦がパートナーに対する感謝とか愛情の気持ちを伝えるようなイベント、「#思いやりアクション」というんですが、そういうイベントも三重県花商組合連合会と共同して、連携して行っているところでございます。一朝一夕にはいかないんですけれども、こんな取組を様々進めることによって、機運の醸成も図っていきたいなと考えております。

〇石田委員 結婚するかどうか、子どもを持つかどうかは価値観によるところがあって、今は価値観の多様性というのを認めるという大前提はあると思いますが、ただ、ちょっと追っかけていかなければいけないと思うのは、希望がかなうという単語が随分出てきていまして、希望しない人の割合がどんどん増えてはいかないかという心配をしますので、その数字も追っかけながら対策を考えていくという必要があるのかなと思います。
 希望しながらなかなか結婚しないというお話の分析の中で、出会いがない、それから理想の相手にめぐり会えていない、そこの自分自身の積極性がどうなのかなと。かつてというか、先輩方も私たちも、かなり積極的に求めてきたわけですよ。それから、夫婦間で感謝を伝える場をつくると。それをいつの間にか行政でやらなくてはいけなくなった。どうでしょうか、先輩方も奥さんを射とめるのに自分で時間をつくって、自腹を切ってつかまえてきたわけですよね。つかまえられたのかもわかりませんが、それを自分でやってきたわけですよね。出会いがないとか、理想の相手が見つかっていない、それについて行政がその場をわざわざ提供しなくてもよかったんですよ。そこの分析もしっかりと要るのかなと。だから、そこを先ほど言ったのは、その原因は根深いものがあって、根っこの奥深くの分析とかが要るんじゃないかなと思います。ただ、そこまで行くと、個人の価値観の中身にまで踏み込んでしまうことにもなりかねませんが、もし結婚と子どもを産むことを希望する、しないの割合で、希望しない人の割合が数字として増えてきた場合には、価値観の多様性だとか、個人の価値観を認めるとは言っていられない時期が来るかもしれませんので、そこのあたりの注視をしながら対策を進める必要があるんだろうと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、有効求人倍率の捉え方についてお尋ねをしますが、労働局発表の三重県の直近の有効求人倍率は平成29年で1.70と理解しています。三重県では労働力が足りているのか、足りていないのか、どう捉えているのかということをお尋ねしたいんですが。1.70という数字は、一般的には景気がよくて、企業が求めている人数に対して職を求めている人数が1.7対1の割合で足りていないという意味ですね、数字は。1.70とは、分子、分母を約分した数字で、10分の17でも1.70ですね。10分の17なら非常にいい状態なんですよ。企業が17人しか求めていない。それから仕事を探しているのも10人しかいないのが10分の7の1.70。同じ1.70でも、これが10万分の17万でも1.70なんですね。企業は17万人も求めていて、職を求めている人が10万人いたとします。これも1.70なので、この約分した数字だけではいい状態かどうかはわからないだろうと思うんです。
 では、三重県の1.70の分子、分母は幾つかというと、約ですけれども、2万2000分の3万7000なんです。三重県の雇用対策として、分母の職を求めている2万2000人の世代別や希望を細かく分析して、人と職とをマッチングさせることが大事なのかなと思うんです。平成31年度はどのように考えているのかお尋ねをいたします。

〇村上部長 最新の数字を申し上げますと、三重県の1月の有効求職者数は2万2803人で、ちなみに有効求人倍率は1.76倍という数字だそうです。委員がおっしゃいましたように、求職者一人ひとりの個性に応じたきめ細やかな就労支援はぜひ必要だと思っておりますし、一人ひとりケースが違いますので、そういった支援はやっていきたいと思っています。そういった中で、おしごと広場みえでは、個別のキャリアコンサルティングなど、求職者に寄り添った就労支援をワンストップで提供させていただいておりますし、国の地域活性化雇用創造プロジェクトを活用いたしまして、長期の職場体験事業などを実施させていただいております。それから、県立津高等技術学校では、求職者の希望に沿えるような多様なコースを準備いたしまして、職業訓練を実施しております。引き続きこういった取組を進めていきたいというふうに思っております。

〇石田委員 どうぞよろしくお願いいたします。1.7とか1.7幾つかとかという数字が、いいとか悪いとかではなくて、分母である職を求めている人をしっかりと、世代別であるとか中身を調査していただきながら、細かいマッチングをしていただきたいと思います。そういう視点でお願いをしたいなと思います。
 論点が若干ずれるかもわかりませんが、答弁は求めませんけれども、少子化によって若い労働力が当然足らなくなっていって、一般質問でも少し言ったことがあるんですが、働くことを見つけられなくて4年制大学へ行ってしまう方が多い時代が続いてきましたけれども、子育てをするのに大きなお金が要るということも考えると、もうちょっと仕事に直結するような人を育てるという意味で、工業高校の専攻科には大きな期待をさせていただいております。先般の県立高校の卒業式で、工業高校へ行かせてもらいました。校長先生ともお話をさせていただきまして、新しいものでありますから、募集は人数的にちょっとつまずいたところがありますが、今度この子たちの就職の実績を見ることによって、後に続く子たちを期待したいなというお話もさせてもらってきましたんで。答弁は求めません。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 では、4つ目に豚コレラ対策についてお尋ねをします。
 今議会に上程された議案の知事提案説明で、説明に先立ち「平成31年度における県政の展開方向について説明いたします」とありまして、一番初めに豚コレラについて触れられておりました。これは豚コレラ対策を重く捉えているということをあらわしていると理解をします。三重県の平成31年度予算では、農林水産部部長説明資料35ページ、36ページに、家畜衛生防疫事業費として5800万円余り、家畜衛生危機管理体制維持事業費として1270万円余りが上げられております。この予算でどこまでのことができるのかお尋ねをしたいと思います。
 そして、2月27日付で農林水産省に宛てた緊急要請書にも、三重県を取り囲む岐阜、愛知、長野、滋賀、大阪の近隣府県で豚コレラが発生しており、鎮静化に向かわない状況があると。今後の成り行きを心配する記述もあります。愛知県の愛西市では無断で焼却処分した農家まで出てきております。三重県に豚コレラウイルスを絶対入れないという決意とともにお聞かせをいただきたいと思います。

〇岡村部長 豚コレラの関係でございますが、先ほど委員に御紹介いただきました予算2つほどですけれども、こちらについては家畜伝染病の発生予防のための予算ということでございまして、まず最初の家畜衛生防疫事業費5800万円ほどにつきましては、この防疫業務の第一線に立つ家畜保健衛生所の活動経費というふうな経費でありまして、具体的には旅費とか検査の試薬とか、あるいは防護服の購入といったようなものを内容としております。それから、もう一つの家畜衛生危機管理体制維持事業費、これは1200万円ほどなんですけれども、こちらのほうは家畜保健衛生所の機器整備に係る経費ということで、この中には豚コレラ関係の検査機器等も入っておるというふうなことでございます。この予算により、まずは発生をさせないようにしっかりと衛生管理指導に取り組んでいきたいというふうに思っております。
 現在の取組なんですけれども、現在でも今年度と同様の予算で予防に取り組んでおりまして、例えば昨年9月に岐阜県で発生しましたので、それ以降、発生防止に取り組んでいるんですけれども、この2月に愛知県に拡大したことを踏まえまして、現在、三重県豚コレラ対策本部を立ち上げて、関係部局と連携して取り組んでいるということでございます。
 具体的な取組としては、9月以降、家畜保健衛生所が中心となりまして、例えば野生動物の侵入防止対策でありますとか、車両等の消毒、この車両等の消毒については、特に農場へ立ち入りしているトラック等のタイヤや下回りなどを重点的に消毒を行うといったようなことをしております。
 それから、農場等への部外者の立ち入り制限、また異常発見時の早期の通報というようなこともお願いしながら対応しておるところでございまして、家畜保健衛生所では24時間体制で相談を受け付ける、それと県外の養豚場で発生が確認されるたびに、県内農場の飼育農家に異常がないことを確認しているというふうなことでございます。今後も国とか近隣県とも連携しまして、迅速な情報収集を図るとともに、養豚農家への指導を徹底しまして、連携しながら発生防止にしっかりと取り組んでいきたいと思っています。

〇石田委員 ありがとうございました。まずは予防ですから、三重県に入らないと。車両が行き来しますので、それについてこないようなこととか、対策をやっていくということでよろしくお願いしたいと思います。
 平成31年度当初予算からはちょっと外れるかもしれませんが、もし県内で発生したときには、当然直ちに対策をとっていただくと思いますが、そのときは財源が既決の中では足らなくなったりするので、そのときの財源はどんな想定があるのかお尋ねします。

〇岡村部長 現在、最終補正をお願いしている時期ではあるんですけれども、もし年度内に発生した場合には、殺処分とか、あるいは埋却処分とかいうふうな経費がかかってまいりますので、通常の発生予防の経費では賄えない部分がありますので、大量に発生した場合は補正予算というか、そういう場合もあるんですけれども、現在のところ、試算しましたら、平均的な発生といいますか、平均的な農場での発生、1100頭ぐらいなんですけれども、その程度の発生であれば、今の既決の予算の中で執行できるというふうに考えておりますので、農場の中では半分ぐらいはそれで対応できると思っていますので、その状況を見て迅速な対応をしていきたいと思っております。

〇石田委員 どうもありがとうございました。平成31年度、しっかり県政運営をよろしくお願いしたいと思います。
 ちょうど時間半分となりましたので中嶋委員と交代いたします。ありがとうございました。

〇中嶋委員 自由民主党県議団の中嶋年規でございます。
 総括質疑をさせていただくわけですが、午前中の議論でも平成31年度当初予算が骨格的予算なのか本格的予算なのかという議論もあったところでありますけれども、私の考えを申し上げますと、予算規模だけ見ると、確かに平成30年度と31年度ってそんなに変わらないので、これって骨格的なのという話もあろうかと思いますけれども、やはり行政って継続的なものもありますし、そしてまた今のように予算がなくて、そうなると留保できる財源もないとなると、なかなか骨格的とは見えづらい部分はあろうかなと思いますが、中身をよくよく見るとやはり骨格的だなと思いますので、6月以降の補正でどんな内容になるのかわからないですけれども、ただ知事も聞くところによると来年度に向けて、知事選挙で3選目へ出馬表明もされておりますし、当然、その予算議論をする中では、選挙に出ようと思っている限りは当然勝つつもりで選挙への出馬を決めているわけでありまして、予算議論の中でも来年度、自分が県政を担うんだというつもりで予算議論をされたと思いますので、今後、6月補正予算に見送ったものも含めてちょっと今日は質問させていただくことをお許しいただきたいというふうに思います。
 最初に、田中智也委員のほうから「空飛ぶクルマ」の話の質問がありました。
 私、今回の平成31年度当初予算を概観させていただく中で、余りワクワク、ドキドキするような事業が残念ながら見当たらないなという感じを受けていたんですけれども、この「空飛ぶクルマ」の話は非常に夢のある、そしてまた我々のような離島を抱えている地域だとか、過疎で、また災害が起こったときに道路が寸断されてしまう恐れのある地域だとか、それから観光という意味においても非常に「空飛ぶクルマ」の実用化ということについては期待をするところでありまして、ぜひこの実証実験の誘致を図っていただきたい。
 その中で、我田引水的にはなりますけれども、さっき申し上げましたような、例えば離島に住んでいる方って、離島に車も置いて、本土にも車を置いているんですよね。「空飛ぶクルマ」が実現すれば、もうそういう必要もなくなることも考えると、ぜひその実証実験の場所としては鳥羽や志摩を中心としたところをお考えいただきたいなと思うんですが、そのあたりについてのお考えがあればよろしくお願いします。

〇村上部長 おっしゃっていただきましたように離島、離島間、あるいは過疎地での実証実験を想定させていただいております。

〇中嶋委員 ぜひ鳥羽、志摩、まあ伊勢志摩国立公園という規制もあるかもしれませんけども、それと加えて、地元の自治体の理解だとか住民の皆さんの協力というものがなしでは進められないとは思いますけれども、ぜひともこの実証実験、知事の好きなファーストワン、どこよりも早くやるという意味においては注目度も高いと思いますので、頑張っていただきたいなと思います。エールを送らせてもらいます。
 産業振興のことで、絡むかどうかはわからないですけども、今年の10月に消費税が増税を予定されておるところであります。今回の当初予算概要には消費税率の引き上げへの対応として3点、書いていただいてあります。
 1つ目が、県内景気変動の安定化を図るため、キャッシュレスだとか消費者還元事業などの国の施策の積極的活用に向けた情報の提供。2つ目は、中小企業・小規模企業のIT化による生産性向上、商店街等の魅力向上、観光需要・インバウンドの県内への取り込みという内容。3つ目が、「下請けかけこみ寺」による中小企業・小規模企業の消費税の転嫁等に係る取引上の相談対応と、こういう3つのことに取り組みますと書いていただいてあるんですが、これも最低限ぜひやっていただきたいと思うんですけれども、他県の平成31年度当初予算で、消費税増税に対してどういうふうな政策を予算計上しているのかというのをちょっと調べたところ、例えば隣の奈良県では、もっと良くなる奈良県市町村応援補助金と名づけていまして、例えば市町村が実施するマルシェの開催だとか、それからネットのサイトでの地場産品の販売など、地域経済の活性化に資する事業に3分の2補助ということで2億円の補助金を今回計上しています。また、宮城県では中小小売店や観光施設等のキャッシュレス化の支援を2000万円計上してされています。
 日経クロストレンドの調査では、この私ども三重県というのは比較的キャッシュレス化の先進県と言われていまして、全国第6位という数字も出ているわけであります。今回、知事査定の中で観光分野におけるキャッシュレス化の推進の事業については、6月補正まで判断を見送ると、留保するというふうになっておりますけれども、この当初予算でも、そういう地域経済の活性化に直接効果のあるような事業だとか、キャッシュレス化の推進ということは出てきていないわけですけれども、今後、このことについて、10月というともうすぐの話なので、6月補正でもちょっと遅いぐらいかなとは思うんですが、今後、何らかのこういう消費税増税対応の取組を他県に倣ってやっていく考えがあるのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。

〇村上部長 消費税増税に係る対応策ということでございます。
 今、委員にいろいろおっしゃっていただきました。国の施策についてはかなり手厚く実施をされる予定をしております。総額2800億円とか言われているキャッシュレス化とか、生産性革命推進事業とか、そういった取組が実施をされるというふうに聞いております。我々としては、まずは国の予算を効果的に使っていただくようなPRをさせていただければというふうに思っております。
 片や、先ほどおっしゃっていただきました需要の拡大といいますか、魅力あるものをつくっていくことで販路拡大をしていくとか、そういう取組についても、直接、消費税対策というわけではないのかもわかりませんけれども、そういった取組もさせていただければというふうに思っております。
 6月以降の駆け込み需要とか、10月以降の落ち込み、そういった状況も見ながら判断はしていきたいというふうに思っております。

〇中嶋委員 県の財政に余裕がない中ではあるんですけれども、影響が顕在化する前に、ぜひスピーディーな判断をして、必要なところには手を打っていく、それも既存の予算の中でやっている事業においても力点を変えていく、消費増税による消費の落ち込みをもたらさないようなための、既存の予算でも重点化していくような取組を先にやっていくとか、そういった機敏な対応というのをぜひお願いしたいというふうに思います。
 これは消費税増税と直接関係ないんですが、キャッシュレス化の話で1つお尋ねしたいことがあるんですけれども、埼玉県はこの3月1日から県有の7つの施設についてQRコード決済とかができるような仕組みを導入したという話を聞かせていただきました。本県においても、やっぱり県有施設だとか、あのようなものの手数料とか使用料とかは、キャッシュレス化が進む中で、今は現金でのやりとりが中心かと思うんですけれども、銀行口座の通知だとか、振り込みだとか、キャッシュレスでそういう収入をいただくような決済サービスを導入するということも検討したらどうかなと思うんですけれども、お考えがあれば御回答いただきたいです。

〇荒木局長 県の収入においてキャッシュレス化というふうなお話でしたけれども、県税などの公金の収納方法につきましては、本県におきましても既にマルチペイメントネットワークというものを活用した電子収納が一部では行われております。
 ただ、一方で、今、委員から御紹介がありましたように、全国的にも例えばラインペイとかペイビーとか、そういった電子決済が急速に普及しているというふうなことについては承知しております。県税とか県有施設の使用料について、電子マネーで収納することにつきましては、例えば収納代行業者への委託料の話とか、1件当たりの取扱手数料、そういった費用もかかってくるというふうなことがございます。
 一方で、県民のニーズとか利便性とか、そういった部分も考慮する必要がございますので、費用対効果というものを総合的に検討する必要があるのかなと思っています。他県の自治体の導入状況とか、電子決済の利用状況、そういったものを見きわめながら、関係部局と一緒になって検討を進めていきたいと思っています。

〇中嶋委員 費用対効果を見ながらというところですけれども、費用の部分は明確に出てくるんですが、効果の部分というのはなかなか出にくい中で、県民の利便性というところにもぜひ着目していただいて、前向きに進めていただきたいなということを要望させてもらいます。
別の事業のことなんですけれども、今回知事査定で没になった、みえクリエイティブ・ラボ構想推進事業105万4000円という、この事業なんですが、まず、みえクリエイティブ・ラボ構想とは何ぞやということなんですけれども、これは多様な三重県の魅力を再認識して、それらを生かしつつ、新たな発想だとか手法で、あらゆる分野、活動でオープンイノベーションを促進して、新しい価値の創出を図ると。三重県全体をそういうクリエーティブな活動の実験フィールドと捉えて、取組を推進していこうという、今回のみえ産業振興ビジョンの中でも特徴的な取組、みえ産業振興ビジョンの中でいくと、第4の柱になるんですかね、取組方向4の産業プラットフォームの強化の中のかなり新規性のある話でございます。
 昨年の10月21日に「『みえ産業振興戦略』アドバイザリーボード」の議論を傍聴させていただきました。そこでも委員の皆様からこういうやんちゃな挑戦を認められるということがこれから10年先の産業振興を考えたときに重要なんだという意見だとか、それだからこそ成果とか結果を早急に求めるべきではないという意見があって、私も非常に納得をしたところであります。
 ところが、当初予算の議論の中で、知事査定では県の関与の必要性、事業の有効性が確認できていないとの理由でゼロ査定になったという残念な結果でございました。事業内容の詳細というのはよくわからないんですけれども、クリエイティブ・ラボ構想ということについて私は非常に賛同するところでありまして、これにはやっぱり一定の県の関与が必要じゃないかなと。また結果を早急に求めることなく地道に取り組むことも、みえ産業振興ビジョンの「KUMINAOSHI」という考え方を具現化して、新しい価値をつくり上げる上で必要ではないのかというふうに思うんですけれども、ゼロ査定とした知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

〇鈴木知事 みえ産業振興ビジョンの議論の中においてクリエーティブな発想でということについては、私自身もよく御提案いただいたというふうに思っております。
 一方で、例えばこれまでも伝統産業の人たちとデザイナーの人たちとかをコラボしていただいて、商品開発をし、販路拡大を図ろうというようなこととかもやってきたわけでありますが、それも何年かやってきたわけでありますけれども、そこにおいてまだやはり、一定の効果の確認が難しいところもありましたので、骨格的予算でもありますから、もう少し事業の内容が精査をされ、幾らやんちゃであったとしても税金を投入しますので、一定の説明が果たせるものでなければならないのではないかということで、引き続き雇用経済部、若手中心にしっかり知恵を出してよい事業を考えてこいという意味で今回ゼロ査定にしております。

〇中嶋委員 わかりました。私のうがった見方で、みえクリエイティブ・ラボ構想そのものを県はもう進めないよという意味ではないということもよくわかりましたし、そういう意味では雇用経済部長にぜひ事業内容の組み直しをしていただいて、より新しい価値のある事業を再度チャレンジして出していただきたいというエールを送らせてもらいますんで、よろしくお願いしたいというふうに思います。
 水産業の話についてちょっとお聞かせいただきたいというふうに思います。
 今回、我々、真珠養殖業を抱えている地域にとっては、真珠塾という、新たな立ち上げというのは非常にありがたいなと思っているところですが、具体的な取組とか目指す成果というところについてお考えを教えていただけませんでしょうか。

〇岡村部長 真珠塾ということで、真珠版の漁師塾ということでございます。今現在、漁師塾は7カ所開設しておりますので、それに加えて真珠養殖についても担い手の確保、育成をしていこうというふうなことを考えております。大きく3つのことに取り組んでいきたいというふうに考えておりまして、1つは新規就業を目指す者への生産技術の指導、2つ目が、少し具体的になりますけれども、厘珠という本県の特色ある小さな真珠ですけれども、それの生産技術も研修をしていこうということ、それと、3つ目が人材登録みたいなことも考えておりまして、真珠には核入れ作業というふうな非常に技術を伴う作業がありますので、その核入れ作業を行う人材を登録して、必要なときにその人たちに来ていただいて、核入れ作業をするような、円滑に真珠の作業が進んでいくというふうなことも含めて、この大きく3点を内容といたしまして、来年度に向けて取組を進めているところでございます。

〇中嶋委員 この対象の方には外国人技能実習生というものも想定の範囲の中に入っているんでしょうか。

〇岡村部長 今、関係者、漁協等と検討しておりますので、そのあたりも含めて検討していきたいと思っています。

〇中嶋委員 農業については農業版MBAの養成ということで取り組んでいただいていますし、林業もいよいよ、みえ森林・林業アカデミーが本格的に動き出すという中で、若干水産業の関係、漁師塾、それから今回立ち上げる真珠塾が、必ずしも県の関与を強めてくれという意味ではないんですけれども、何かもう少しサポート体制的に光の当たる政策として浮かび上がらせてほしいなという思いもあってお聞かせいただきました。
 今度は販路開拓の話にちょっと移るんですけれども、来年度予算の中では、これまでも取り組まれてきました首都圏だとか、またシンガポールへの売り込みとか、ベトナムなど海外バイヤーとの商談機会の創出支援などに取り組むという方針を示していただいております。特に生きたカキを国内で初めてシンガポールに輸出していただくということについては、本当に画期的な取組だと思いますので、ぜひシンガポールから始まって、もっと世界各地に広げていただきたいと思うところであるんですが、一方、国内に目を向けても、北海道ではイセエビだとかアオサは全然取り扱われていないということを聞かせていただきました。やっぱり魚種によっては国内マーケットにも潜在的な部分があるんだなということを聞かせていただいておりまして、今年は松浦武四郎の生誕200年、北海道を名づけて150年という節目の年でございまして、ぜひ北海道に向けてイセエビだとかアオサ、こういう需要開拓に県として実験的にでも取り組むということをやっていただければと思うんですけれども、そのあたりの、それぞれに北海道と言いませんけれども、国内にある潜在的なマーケットを掘り起こす取組で、何かお考えがあればよろしくお願いします。

〇岡村部長 予算的な事業としては、先ほど委員がおっしゃった、例えばシンガポールの活ガキも含めて海外でありますとか、あと国内は、東京オリンピック・パラリンピックをターゲットといたしまして、首都圏を中心にという形で取組をしていくような事業で構成はさせていただいておりますが、おっしゃるとおり、確かに魚種が全然違うような地域、国内でも非常にそのあたりは市場かと思っておりますので、そのあたりの検討もしていきたいと思っています。また、例えば農業では米なんかを同じような発想で、沖縄が米をつくれないので、沖縄のほうにも持っていこうというような取組をやっておりますので、そういった取組も参考とさせていただきながら、今後そういった御提案も含めて検討していきたいと思っています。

〇中嶋委員 北海道漁連の会長が、イセエビってキログラム一、二万円するんと違うんかとおっしゃっていたらしくて、地元の三重県の漁師らが、いやいや、キログラム2000円や3000円ですよという話をして驚いたと。そうしたら北海道漁連の会長が、ぜひイセエビを取り扱いたいというお話もいただいたという具体的な動きもありますので、ぜひそのあたりの動きもしっかりウオッチしていただいて、お願いしたいというふうに思います。
 水産業について、先ほど農業、林業の人材育成と比べて光の与え方が弱いんじゃないのという話もさせていただいたところですが、例えば議員提案ですけれども、三重の森林づくり条例というのを平成17年につくらせていただきました。農業については、三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する条例というのが平成22年につくられております。今、国の水産政策は大きく変わりました。またTPPも発効され、日欧EPAという新しい国際市場の動きというのもあると思いますし、今回の予算にも出していただいておりますAIとかICTの活用と、漁業をめぐる環境というのは大きく変わってきているなと。
 そういう中で、来年度の取組方向の中で「水産業の成長産業化の実現を図るため、三重県水産業・漁村振興指針の見直しを進めます」としていただいておるところですけれども、当然これは見直しの時期だからやるというところもあろうかと思うんですが、林業についても条例がある、農業についても条例があるんだったら、やっぱり水産業がこう大きく変化した状況の中で水産王国三重の復活を目指すという意気込みも含めて、指針の見直しにとどまらず、水産業振興の、また漁村振興の条例というものも検討するべきではないかな、その時期にいよいよ来ているんじゃないかなというふうに思うところでありますが、鈴木英敬知事、いかがでしょうか。御所見があればお願いします。

〇鈴木知事 今おっしゃいました水産業振興、漁村の活性化の指針を平成24年3月につくって、それ以来、それを一つの指針、それから、ビジョンあるいは具体的なアクションの計画として数値目標も入れて取り組んできたところです。
 一方で、漁業をめぐる状況としては、まず今、委員もおっしゃいましたが、昨年12月、70年ぶりの漁業法等の改正があって、資源評価、成長産業化、そういうことで大きく動き出す。また、人口減少で漁村をどう維持していくかということは大変重要なポイントである。それからSDGsという世界みんなで2030年に向かって取り組んでいかなければならないサステーナブルな目標もある。そして、一方で輸出のチャンスも出てきた。県内では漁協の組織の再編なども大分進んできており、大きく状況が変わっているということで、水産業振興、漁村の活性化というのを新たなステージに持っていくという観点で、選挙で当選させていただいたらということになると思いますけれども、ぜひ条例の制定について検討し、また今の指針はその実施計画のような位置づけで、今も数値目標とかが入っていますので、そういう形で関係者の皆さんと議論していければというふうに考えております。

〇中嶋委員 知事が3期目も当選されればという前提つきではありますけれども、そうなるかどうかはわかりませんが、ぜひ当選していただいた暁には骨太な条例をつくっていただきたい。そのために関係者を巻き込んで、様々な、特に浜の人の意見をしっかりと聞いていただいて、当然、我々は外湾に近いところですけれども、伊勢湾の方の御意見もしっかりと聞いていただく中で、その取組を期待したいというふうに思います。それは当選後の話ということで、意気込みはあるということだけは理解させていただきました。よろしくお願いします。
 最後に、医師の確保・偏在対策のことについて部長にお尋ねしたいというふうに思います。
 先般、医師偏在を示す新指標というのが示されまして、やはり三重県は医師少数県と位置づけられ、産科についてはなぜか全国10位という高い数値ではありましたけれども、地域別を見るとかなり偏在度が三重県内でもある。小児科に至っては全国40位と非常に低い医師不足の状態にあるという、この状況を踏まえて、平成31年度、医師確保計画というものをつくっていただくわけでありますけれども、まずはこの平成30年4月から始まった新専門医制度の導入に当たって、指導医の少ない小さな病院、地方の、例えば私どもの県立志摩病院だとか、そういうところへの専門医を受け入れるための、医学部生が敬遠をするんじゃないかというふうなことも心配をしながらのこの1年でありましたけれども、医師の偏在・確保についての新専門医制度導入によるこの1年間の影響というものについてどう捉えていらっしゃるかをお願いします。

〇福井部長 新しい専門医制度ということでは、全国的にもそうなんですけれども、新しい専門医制度の導入に伴って、また都市部へ集中するんではないかという懸念があったのは事実であります。これは平成16年の新医師臨床研修制度を導入したときにそのような状況が起こったところであります。
 ところが、本県の今回の新しい専門医制度で、専攻医というんですけれども、全体で102人がこの4月1日、専攻医になりまして、三重県で3年目の医師というか、従来、後期研修とかよく呼んでいましたけれども、ここは過去5年平均で見ると、初期研修を受けている74%の方、人数にすると73人なんですね、その方は三重県に残っていただくと。そういう観点から見ると、102人のうち初期研修から後期研修に移った方が90人弱なんです。十何人増えていまして、総数ベースでは懸念しとったような状況にはなっていないと。診療科にもよるわけでありますけれども、診療科によってはどうかというと、これまでは学会主導の専門医制度であったんで、人数が詳しくは把握できていないんですけれども、例えば平成28年度の各診療科の医師数と今回の専門医制度を専攻している医師数を見ると、内科が39%、産婦人科、小児科はそれぞれ5%と、同様であります。人口10万人当たりで麻酔科が三重県は一番少なかったんですけれども、これが6人専攻医を受けられて、かなりの伸びを示していまして、若干外科、整形が下回っている状況でありますけれども、大きな影響は出ていないというふうに思っています。
 ただ、単年度の比較でございますので、地域医療対策協議会のもとに医師専門研修部会というのを設けましたが、ここで地域の現場で影響が出ないのかということは引き続き注視をしていきたいと思っています。

〇中嶋委員 ぜひ注視をしていただきながらではあるんですけれども、2つちょっと御検討いただきたいことがあります。まず、もともと医師数が不足している地域出身の医学部生を優先的にというか、枠をつくっていただいてとっていただいている、特に地域枠Bと言われる医学部生、この地域枠Bの医学部生が将来推薦していただいた市町や病院のほうに勤務する機会を可能な限り増やすということはできないのかということ。それから、もう一つは、診療科の偏在解消のためには、やはり一志病院を中心に取り組んでいただいている総合診療医の育成というものが非常に重要だというふうに思いまして、総合診療医の育成や配置にさらに注力されていく可能性があるのか、お考えがあればお願いします。

〇福井部長 2点御質問いただきました。地域枠Bについてでありますけれども、初期研修においては推薦地域で最低限8カ月の研修を受けていただくと。なおかつ専門研修から9年目までの医師についても、原則として推薦地域で2年間の勤務をということで考えておりますので、地域医療対策協議会の中で具体的な方向を検討していきたいというふうに思っています。
 それから、総合診療医の関係であります。総合診療医については、県においても寄附講座を設けましたり、あるいは三重大学と地域の病院との連携を図るためのネットワークの施設整備とか、そういう補助をしていますし、自治医科大学の学生に対して、へき地医療に携わっていただくということもやっています。来年度以降、さらに総合診療医の育成のために、地域医療研修センターというのが紀南病院内にありますので、そこで新たなプログラムをつくっていきたい、こんなふうに考えています。

〇中嶋委員 ありがとうございました。医師も選べる需要は当然あるんですけれども、ぜひ地域医療の確保のためにしっかりと努力していただきたいということをお願いします。平成の次の時代にも鈴木英敬知事とともにこの議場で議論できる立場になれるように、ともに頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたしまして、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

〇小林副委員長 次に、自民党、御質疑をお願いいたします。

〇西場委員 皆さん、こんにちは。自民党の西場です。
 極めて時間がないので、大急ぎでやりますので、よろしくお願いいたします。
 国体等の質問をさせてもらいますが、来年度の予算で競技力向上対策事業費、それから三重とこわか国体・三重とこわか大会開催準備事業費を大幅に増やしてもらってあります。そして、三重県国民体育大会運営基金積立金も5000万円から2億円ということで増額してあります。
 そこで、三重県国民体育大会運営基金積立金のところですが、年末に概算要求で総務部から提案されたのが18億円であった。これは昨年の年末の会議でもいろいろやりましたけれども、117億円かかる中で基金が13億円しかないので、何とか頑張るけれども、水力発電事業の譲渡金も使わせてもらわねばならないかもしれんというお話がありました。それは今までの総合開発計画の中で簡単に了解もできないし、しっかり検討してほしいと、こういう思いを伝えてあるところではございますが、その中で要求額として18億円と、この6年間かかって13億円に比べると、前向き、相当な額が出てきたということで、県もしっかりこの辺に力が入ってきたと思っておったんですが、いざ編成後の額は18億円から2億円に減っておる。これは一旦要求額として表に出た18億円が半分の9億円になるというようなこと以上に、財政の一番プロである総務部から出たものが、こんなことになるということは一体どのような考え方、経緯があったのかということを聞かせてもらいたい。仄聞すると県債管理基金の67億円も積み立ての見送りをしたという厳しい状況の中で、2億円の対応をせざるを得なくなったんではないかというようなことも推察されるし、そういうことも聞かせてもらってはおりますが、もちろん県債管理基金というのも非常に重要でありまして、これの対応も同じように非常に心配をいたすところでございます。
 もう一つの質問として、この県債管理基金というのは、当時、植田部長のころであったと思うんですが、市場公募債を始めようと、こういうことでありました。私もいろいろそれに対してぜひというようなお願いもしながらという議会のことも思い出すんですが、事務的な手続なんかもいろいろありまして、県財政に対する大きなメリットもそこまではないのでという慎重姿勢の中で、これは県の政策と県民の思いをつなぐ大事な制度なんだと。この市場公募債というものをやることによって、県民が県政に対する支援の思いをしっかりと県に届けられる具体的な制度ですから、ぜひ前向きにというようなことで始まったと、こういう理解をしております。
 しかし、それがこの3年間、県債管理基金の積み増しがないという状況というのは、放置できないですね。その中で今日も午前中に質疑がありましたけれども、最終補正で33億円、この基金へ積んでいったということではありますが、1つは、この基金が、今まで百三十数億円の積み残しといいますか、積むことができなかったという額の中で三十三、四億円の今回の戻しということでありますが、平成22年度から始まって、ようやく、元本返済がいよいよ始まってくるという大事な時期を迎える中で、この程度の積み増し、残額、最終補正の積みということであって、それはそれで当然といいますか、そういう方法もよく理解できますが、それだけでいいのか、今後大丈夫かというようなお話。今日もいろいろ答弁の中でありましたので、ポイントだけでいいんですが、そこもお聞きしたいのと、あわせて、じゃ三十三、四億円が最終補正で出てきたときに、なぜ県債管理基金だったのか、財政調整基金ではなかったのか、あるいは企業庁への返済金ではなかったのかと。そして、もう一つは、なぜ最初に申し上げた18億円を2億円にしたという国体基金への上積みというものでなかったのかということをお聞きしたい。
 あわせて、これは次の再質問でと思ったのも質問させてもらうんですが、今回の議会で3人ほどの議員の方から次の国体に対するいろんな県、そして鈴木知事の取組姿勢を問う御質問がありました。知事にもいろいろお答えいただいたと思います。そういう中で、どういう国体にしていくかという目標を定めるときに、天皇杯を確実なものにしていくという言葉が何度も出てきます。局長のほうからも出てきます。これはこれで理解はできるんですが、私が知事あるいは県当局にお聞きしたいのは、果たしてそれだけでいいのかと。当然それだけではいけないということでありますけれども、その言葉が非常に強く、大きくひとり歩きするというところについて懸念を多くするところであります。
 かつて新潟県の泉田知事が言っておられた考え方の中に、国体開催県が何が何でも天皇杯をとるということでなく、スポーツ振興につながるということこそが大切なんだという言葉がありました。これは非常に重要な言葉だと思います。総合優勝を確実にしていく、これは大変重要なことでありますし、それを目指していくということも大事なんですが、それが最終目的であってはならんと。本県のスポーツ振興、オール三重で取り組んでいくということを大切にしていくんだということを、県の方針としてまずそこに掲げていく。ある意味において、天皇杯を確実にするということは、手段というには余りにも大きな目標でありますけれども、それはあくまで国体成功のための一つの目的であるということを、みんなできちっと気持ちを固めて、これから国体に向かっていくということが大事なんだと思うので、こういったことについて改めて知事の考え方も聞いておきたいと思います。

〇鈴木知事 最後のところから答弁させていただきたいと思います。
 今、委員がおっしゃいましたとおり、国体はしっかりと後世の記憶に残るような一体感を持った形で成功させなければなりません。その成功の一つの要素が天皇杯、皇后杯の獲得だというふうに思っています。ですので、そこはしっかりやるということに加えて、今まさに委員がおっしゃったように、天皇杯、皇后杯獲得が最終ゴールではなくて、国体の成果としてはその要素だけれども、その後の三重県のスポーツ振興にしっかりつなげていく。
 例えば前回の国体後は、それこそ委員の地元の明和町においてソフトボールがしっかり盛んになっていった。あるいはレスリングで来てくれた吉田栄勝さんがいて、吉田沙保里さんが生まれていった。あるいはほかの県でありますけれども、たしか山口県だったと思いますが、国体のときにつくったサッカーチームがその後Jリーグに入っていったというようなことで、やはり国体を契機にその後のスポーツ振興につながっていく、そんな国体のあり方にしていきたいというふうに思っております。

〇嶋田部長 それでは、三重県国民体育大会運営基金積立金と県債管理基金についてお答えします。
 今年はちょうど国体開催2年前ということで、平成31年度当初予算では競技力向上対策事業と三重とこわか国体・三重とこわか大会開催準備事業、合わせて15億円の県費を計上しておるところでございます。平成32年度以降に備えるために国体基金にも、先ほどおっしゃっていました、2億円を積み立てたわけでございますけれども、要求額の18億円に対して2億円が少ないではないかというようなことだと思いますけれども、31年度においても137億円という財源不足があって、そういった中で歳入、歳出いろいろな調整をしてきましたが、一方の県民生活への影響を最小限に抑えなければならないという行政の役割を考えたときに、どうしても県債管理基金の67億円を見送らざるを得なかったというようなことでありまして、そういった中で国体基金については2億円を確保させていただいたというような経緯であります。
 県債管理基金でございますけれども、これは委員もおっしゃいましたように、将来の償還財源を確保するために計画的に積み立てていかなければならない基金でありまして、総務省からもそういった旨の通知が出ているところであります。また、本来県債は財政負担の年度間の調整だとか、あるいは住民負担の世代間の公平のための調整の機能も持っていますので、仮に積み立てをしないというふうになりますと、後年度の特定の年度の負担が増大しまして、公平が損なわれることだとか、ずっと送りっ放しにしますと、いずれ元本を払わなければならないといったときに、他の行政サービスがそれによって非常に支障が出るというようなことも懸念されますので、可能な限り避けるべきだというふうに考えています。
 そういうこともありまして、今年度最終補正で33億円余り、当初予算で借りて、すぐ最終補正でというふうな感じですけれども、償還させていただいたということで、今後も毎年度、毎年度、多分、最終補正段階だと思いますが、できるだけ歳入確保だとか歳出の調整に働いて、何とかそういう余剰財源といいましょうか、そういったものを県債管理基金に積めるときは積んでいきたいというふうに思っています。
 あと、ほかの、例えば企業庁だとか、国体基金にという話もありましたけれども、国体基金については先ほどのように2億円余が精いっぱいだと。企業庁については、今年度企業庁と覚書を結んでおる16.5億円だと思いましたけれども、当初予算にもう計上していますので、お約束どおり返しているということであります。
 あと、財政調整基金に積み立ててもいいんじゃないかということなんですけれども、今後6月補正をしていかなければならないんですが、それに対しては当初予算編成後で57億円余り財政調整基金には積み残っていますので、緊急対応分の10億円を除いたとしても、過去の数字から見ると、6月補正を組める財源は確保されているのかなというようなことで、あえて今回はその34億円は県債管理基金のほうへ返したというようなことでございます。

〇西場委員 時間がないので終わりますが、知事、オール三重で県民とともに国体を楽しむと、こういうものをやっぱり県として目標にしていくべきだと思うんですね。とこわか大会もありますから、それは障がい者がともに社会参加できる福祉共生の社会をともに目指していくための国体であり、そして、高齢者や子どもたちが笑顔で楽しんでいけるような国体を目指す、こういうものをまず県が声を出して、そして今度は各体育協会や協会に対して頑張れと、こういうことをまず言っていただいて、ぜひ所期の成功を目指していただきたいと思います。
 以上、終わります。

〇中川委員 自民党会派、伊勢市選出の中川正美でございます。
 まず、観光振興についてお伺いしたいと思います。
 4月18日に天皇・皇后両陛下が伊勢神宮に参拝されます。いよいよ御代がわりということでございまして、本年の伊勢神宮の入込客数は1000万人を超えると言われて大変期待をいたしておるところであります。
 そして、先の話になりますけれども、次の式年遷宮は2033年、これは第63回でありますけれども、あと10年後ぐらいであるわけであります。知事もおっしゃっておりますけれども、私どもも、この式年遷宮というのは国際化が進展し、国際規模で催行されるんではないかなと、こんなふうに思っておるわけでありますが、来年度の予算の中でも特にクルーズ振興と、そしてMICE誘致ですか、これが計上されているかと思うんですが、式年遷宮までにはまだ早いわけでありますが、着々と国際化が進展する、そういった地ならしをしていくべきではないかなと。そういう観点でこのクルーズ振興は来年度どのような取組をされるのか、また同じようにMICE誘致もどのように進めていくのか、お尋ねしたいと思います。

〇河口局長 まず、クルーズ振興についてなんですけれども、今年度は2月末現在で計21回、クルーズ船に寄港していただきましたうち、外国船が5回、そして乗船で楽しんでいただいたお客様が2万2400人で、そのうち外国人が6200人という、多くの方に楽しんでいただきました。
 その中で三重県としましては、昨年4月に設立しました三重県クルーズ振興連携協議会として、港での対応をオール三重でサポートするという形で、乗船客の県内各地への誘客を図るための取組を進めております。その中でいろいろ満足度の向上につながった部分とかもございますけれども、さらに鳥羽港には昨年、外国船クルーズのダイヤモンド・プリンセスに初めて入港いただきました。その折に鳥羽市だけでなく、伊勢市、志摩市、南伊勢町など、周辺市町でありますとか、観光施設、商工団体が連携してインバウンドを中心に広域での受け入れ体制を強化するということで、今年1月に鳥羽港クルーズ船誘致受入協議会をつくっていただきました。このつくっていただいた受入協議会と県のクルーズ振興連携協議会を連携させて、外国船の誘致をしっかり進めていきたいと思っております。今週末の3月7日には三重県クルーズ振興連携協議会を開催しまして、今年度の取組をしっかり検証した上で、来年度のおもてなし、そして県内各地を回っていただく誘客をどう進めていくかをしっかり協議していきたいと思っております。
 次に、MICEについてですけれども、平成30年は16件の開催実績となっております。それぞれきめ細かな対応をしないとやっぱりなかなか国際会議に来ていただけないということで、それぞれ主催者のニーズに合った魅力ある県内開催プランを提案していったりとか、会場施設など関係機関との調整を支援するワンストップサービスの提供、そして誘客促進についての補助金なんかをしっかり活用していきまして、引き続いて国際会議の誘致を進めていって、将来本当に国際会議といえば三重と言っていただけるように頑張っていきたいと思っております。

〇中川委員 観光三重の位置づけとしては、これからやはり日本だけじゃなくて、世界から選ばれる三重という位置づけをきちんとやってもらいたいな、そんなふうに思います。
 次に、幼児教育・保育の無償化についてお尋ねいたしたいと思います。
 国のほうは少子高齢化ということで、全世代型の社会保障制度の拡充や構築を目指しておるわけなんですが、高齢の部分は医療、年金、介護、プラスこういった少子の部分は子育て支援ということの4本柱と、こういうことであろうと思うんですが、そういった中で幼児教育の無償化が実現されるということでございます。御承知のように、小学校、中学校の無償化ができてからもう70年になるわけなんですが、そういった面では画期的な事業だと、こんなふうに位置づけをさせていただいておるわけなんですが、ぜひともこの無償化がきちんとできるように、その体制づくりをしていかなければならんことは言うまでもないことなんですが、もう一方で、待機児童の解消という大きな問題がございます。
 全国的に保育所等の待機児童は解消されておりませんし、本県におきましても平成30年4月現在で80名の待機児童が発生していると聞いております。国の取組に先駆けて、所得制限なしの無償化を実施した他府県の自治体では、申込児童数や待機児童が増加している現状があり、本県においても今後ますます保育ニーズが増加するものと想定されます。待機児童を解消するためには、保育所や認定こども園の整備など、ハード面の支援を行っていくことは当然でありますが、保育士等の確保が課題となっているのではないかと考えます。幼児教育・保育の無償化が実施されるに当たりまして、県としてどのように課題を捉え、どのように今後の施策に反映していくのかお聞かせ願いたいと思います。

〇田中部長 委員御質問の幼児教育無償化に伴います保育士等の不足により、待機児童が増えるということについてどのように対応していくのかと。おっしゃいますように、可能性として3歳から5歳までの方は基本的に無償になりますので、待機児童が増えるという可能性はございます。県では保育士の確保のために、これまでも保育士を目指す方々の養成校の学生に対する修学資金の貸し付けであるとか、新任の保育士に対する研修等々を行ってきたところでございます。
 今年度、実は潜在保育士の調査を行いまして、その中で回答いただいた方の約半数が7年以内で保育士をやめてしまっているということもわかってきております。何でやめたかというのは、やっぱり賃金などの労働条件への不満であるとか、就業時間とか、そういうことでございますけれども、保育士を確保するためには、やはり今働いている方々の離職防止とか定着をまず図る必要があると。新任で保育士になってもらう方に魅力ある職場である必要があるということを考えております。
 これを踏まえて、これまでいろいろな事業をやってきておりますけれども、県では3つの事業、3本の矢をやっております。1つは「ホイクボス」推進事業でございまして、これまで県でもイクボスという取組をやってきましたけれども、これは経営者であるとか園長なんかにこれを普及させていくとともに、モデル園にアドバイザーなんかを派遣して、横展開を図っていきたいと考えております。
 2つ目は、みえの保育所等情報発信事業で、これはできているようでなかなかできていなくて、保育士、それから、保育所支援センターにおいて、就労を希望する方が求めているきめ細やかな保育士の求人情報等をしっかりと発信していきます。例えば10年後のモデル給与であるとか、中途採用されたときの処遇であるとか、それから、私のところの園はこんな特色がありますもので、こんなに働きやすいですよとかいう発信等もしてもらいたいと考えております。
 3つ目でございますけれども、保育体制強化事業というのを考えておりまして、これは保育所において掃除とか洗濯とか、それから給食の運搬等については、保育士が必ずやらなあかんということではございませんので、地域の多様な人材を活用することで、保育士が本来の保育業務に専念することができるように負担軽減を図る事業でございます。このような事業、それに加えて保育士の処遇改善を図るキャリアアップ研修なんかもやりながら、しっかりと保育士の確保に努めていきたいと考えております。

〇中川委員 保育士の確保という点で、量的なことはもちろんでありますけれども、質的にもきちんとやっていただきたいなと、こんなふうに思います。
 また、私立幼稚園、認定こども園におきます幼稚園の特別支援教育で、国の場合は障がい児の受け入れが2名以上なんですね。これをぜひとも三重県から国のほうへ発信していただいて、補助対象を1名からという形にしていただきたいと思っております。現状は県単独で1名でもこういった形の補助が対象、出されておるわけなんですが、これはもちろん1名からできたらいいわけですけれども、それまでは継続してやっていただきたいなと。
 以上で終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

〇小林副委員長 次に、能動、御質疑をお願いいたします。

〇長田委員 亀山市選出、能動の長田隆尚でございます。
 本日は16分ということでございますので、じっくり話をさせていただきたいと思います。
 まず、事業承継につきまして話をさせていただきたいと思います。
 昨年、三重県事業承継の支援に関する集中取組についてお伺いをさせていただきました。昨年の質問の中では、後継者マッチングにおける後継者不在企業の課題解決の助言等の施策について、後継者不在企業の課題をどう捉え、どう解決していくのかというような質問をさせていただきましたところ、村上部長から、事業承継の問題は経営者が事業承継をするかどうか、まず決断をしていただくことが必要で、事業承継を決断していただいた場合は、その親族に承継するのか、あるいはMアンドAとか第三者に承継するのかを決める必要があり、その上で事業承継候補者とマッチングをしていく。そして、第三者承継については、魅力のある企業でないと後継者が集まらず、経営の向上であるとか、経営者の保証をめぐる諸課題があるので、三重県事業承継ネットワークを中心に、様々な機関、それから専門家がチームを組んで、一つ一つ丁寧に企業に応じた支援をしていく必要があるというような答弁をいただきました。
 来年度の予算を見ておりますと、事業承継支援総合対策事業としまして1423万円が計上されておりまして、プレ承継、事業承継、ポスト承継と区分された中で、いろいろな事業を掲載しておりますが、事業承継の中の平成31年度税制改正による個人版事業承継税制の導入と、移住者継業マッチング支援事業以外には予算的にも、事業的にも目新しいものは見当たらないような気がいたします。この移住者継業マッチング支援事業につきましては、昨年の後継者マッチングの中にも書かれており、事業承継施策というよりは、先日の山本教和議員の一般質問での、移住の促進による地域活性化の答弁ではございませんけれども、どちらかというと、地域連携部の移住施策のような気もしなくはありませんが、来年度の事業承継予算の目玉は何なのか、まずは雇用経済部長のほうにお伺いしたいと思います。

〇村上部長 目玉事業ということでございますが、新規の事業として今回、移住者継業マッチング支援事業というものを新たに組み立てさせていただきました。後継者を求める県内の個人事業者と企業、継業に関心のある移住希望者のマッチング支援に取り組むというものでございます。この事業につきましては、近年、東京の移住希望を受け付ける、ふるさと回帰支援センターでは、5割が20代から30代の若者であるということ、それから、特に20代については10年間で5倍にも増えているということもございます。それから、実際に昨年度、平成29年度に移住をされた方の生活基盤については、企業等への就職について、起業・創業・自営業が22.5%を占めているということもございますので、こういったニーズは少なからずあるということで、具体的な取組を進めていきたいというふうに思っております。

〇長田委員 多分、今、部長にお答えいただいたのは「ええとこやんか三重 移住相談センター」での話ではないかなと思っておりますが、移住のほうにも同じような政策はあるんですか。地域連携部長、これとそれの大きな違いというのは何やったんでしょうか。

〇鈴木部長 私どもの移住の関係でございますのは、移住相談センター、ふるさと回帰支援センターのほうに就職相談アドバイザーも一緒におっていただきますので、移住を希望されている方で、起業なり就職なんかを希望してみえる方が移住のアドバイザーと就職のアドバイザー、両方にいろいろ相談をしていただいて、どういうところがいいか、どういう地域がいいかということをいろいろマッチングさせていただくというような格好になっているということでございます。

〇長田委員 今、マッチングという話をいただきましたが、今度はもとに戻りまして、ポスト承継という事業の中に、人材育成・活用という項目がありまして、その中に「MIEスタートアップ・ハブ」トライアル事業142万4000円というのも計上されています。事業の成長やイノベーション創出、新パートナーの獲得等を目指し、自社事業やPR手法のブラッシュアップ、ピッチ大会等を実施するとありますが、これもどちらかといえば一種のマッチング事業ということで考えさせていただいてよろしいんでしょうか。

〇村上部長 この事業につきましては、スタートアップ企業が事業をブラッシュアップすると。講義を通じてブラッシュアップをしていただいて、成果発表会なども行いながら、効果的なPR手法を学ぶというような事業内容になっておりまして、講義は3回、それから成果発表は1回というような事業内容になってございます。

〇長田委員 わかりました。部長、聞いておりましても何かマッチングのほうに結構力が入っておるのかなという気を受けます。実は三重県事業承継支援指針というのが平成30年3月に策定されました。これを読まさせていただいていますと、三重県事業承継支援方針の中には、日本政策金融公庫総合研究所の調査によると、調査対象企業の60歳以上の経営者の約半数、個人に限れば7割が廃業を予定しており、そのうち後継者難を廃業理由としている割合は28.6%を占めていると書かれています。
 また、その一方で、三重県事業承継ネットワークが実施したアンケート結果について調査方法を調べてみますと、従業員300名以下、資本金3億円以下、経営者年齢おおむね60歳以上を満たす、県内中小企業3000者に対する郵送アンケートとありまして、その中に経営組織として法人、個人というような選択肢が示されておりますが、その回答数676件のうち99.8%が法人であるというふうに記述されています。個人事業者に対するニーズが余りにもカウントされていないんじゃないのかなというような気がします。
 それと、三重県中小企業・小規模企業振興条例が平成26年4月に施行されましたけれども、その中の事業承継への支援という第20条の規定の中で、中小企業を対象にしていることが多いんですけれども、小規模企業という言葉があるんですけれども、先日の山本勝議員の床屋さんの例ではありませんが、個人企業、特に5人以下の個人企業のニーズに対する施策がどうもないような感じに思えるわけでございますが、それについてはどうお考えなのかお伺いしたいと思います。

〇村上部長 平成30年1月に公表させていただきましたアンケート調査につきましては、実質は従業員数5人以下の企業からの回答が約半数、47.2%を占めているということでございますので、事業形態は企業体系を持っていないかもしれませんが、おおむね小規模企業者を対象にしたものだというふうに思っております。その中でも特に事業承継の取組に当たっての相談相手が決まっていない従業員5人以下の企業では、従業員6人以上の企業の約4倍とか、いろんな特徴的なものが出ております。アンケートの自由意見でも、人材がいないので先行きが不安、若い社員は守ってやりたいというような経営者の方ですとか、後継者候補に事業承継の意思なし、息子、娘も県外の大企業に勤め、継がせることも考えにくいというようなお答えも頂戴しているところでございます。
 それから、昨年度、商工会連合会が実施をいたしましたアンケート調査によりますと、63.3%が個人事業者からの回答になっております。後継者が決まっていない、廃業を検討しているというのが全体の約7割を占めておりまして、ネットワークのアンケート調査、これは55%でございましたので、それと比較しても厳しい数字が出ているというふうに思っております。

〇長田委員 5人以下のところの意見もたくさん聞いておる、ただ、形態で法人が多いだけだということだそうでございます。先ほどの三重県事業承継支援方針の中には、オール三重体制による集中取組として、事業承継の課題解決に当たっては、親族内承継、役員・従業員承継、社外への引き継ぎ(MアンドA等)など、事業承継の類型に応じた支援をオール三重で一丸となって取り組んでいく必要があるとあります。
 最後のページにフローチャートというのがあるんですけれども、このフローチャートの中でいきますと、親族内承継、親族外承継、親族外承継の中で従業員等、そして第三者承継というふうに3つに分かれておりますけれども、後継者候補が親族内であるというのが75%であるという反面、民間調査では、子どもが事業を引き継がない理由として、親の事業に将来性とか魅力がないというふうに答える方が一番多いという結果が出ています。どうもこの来年度予算を見ておりますと、どちらかといいますと親族外承継の第三者承継が中心のマッチングが中心のようで、親族内承継あるいは親族外承継の中の従業員等に対するアプローチについては少し少ないような気がしますけれども、それについてはどうお考えでしょうか。

〇村上部長 親族の方がおみえになれば、一番スムーズな事業承継の仕方として、親族内承継をしていただくのが一番いいのかなというふうには思っております。75%が親族内承継を候補としてみえるということもございますので。ただ、やっぱり気づきという部分をぜひ経営者の方には理解していただきたいというふうに思っておりまして、そのための親子間の対話の促進であるとか、あるいは経営状況、それから経営課題等の把握でございますとか、事業承継に向けた経営改善など、後継者候補が継ぎたくなるような環境整備が必要ではないかというふうに思っておりますので、支援機関を通じて、現経営者の方にはしっかりと理解をしていただくような取組を進めていきたいと思っています。

〇長田委員 後継者が継ぎたくなるような環境整備ということでございましたが、どうすれば継ぎたくなるか、そのようなアンケート調査はされておるんでしょうか。

〇村上部長 具体的にどうすればということは、ケース・バイ・ケースだと思っておりますので。やはり経営基盤がしっかりとして、魅力のある事業形態になっていくというところが一番肝かなというふうに思っています。

〇長田委員 まずは家族内の方が帰ってこられるような形の説得なり、施策をしなければならないと思うんですが、その帰ってくる人から見て、どういう条件であれば帰ってきたいんだということがわかれば、ある程度の施策もできると思いますので。今のアンケートはどちらかといいますと現経営者に対するものが多くて、現経営者の次世代に対するアンケートは少ないと思いますので、その辺の取組について今後また進めていただきたいなというふうに思います。
 ちょうど今、知事がうなずいていますが、明日、全国事業承継推進会議で知事のほうが事業承継に対する地方公共団体の取組ということを発表されるとお聞きしていますが、その中での知事の三重県への思いについてどう語っていただくのか最後にお伺いしたいと思います。

〇鈴木知事 大きく事業承継に大事なことが2つあると思っていまして、1つは、まさに今、委員がおっしゃったような類型あるいはステージ別にきめ細かな支援をしていくことが大事だというふうに思っています。
 それから、2つ目は、やっぱり事業承継は時間がかかるし、必要性を認識するのに時間がかかるので、地域での総力を挙げた機運の醸成というのが大事だと思いますから、明日の場におきましては、機運の醸成、そしてきめ細かな支援が必要、そういうことを訴えていきたいと思います。

〇長田委員 明日、私は常任委員会でございますので、間に合わんかもわかりませんが、終わっておりましたら聞きに行きたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 「商工会」という雑誌があるんですけれども、その中に今回ちょうど事業承継に関することが書いてありました。その中の例を見ておりますと、MアンドAによるものであったり、あるいは移住者へのものであったりだったんですが、この中ではっと気がついたのに、顧客への第三者承継というのがありました。こういうようなパターンもあるということの中で、今後とも三重県の企業がなくなっていかないように、個人商店がなくなっていかないような施策をしていただきますことを申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

〇小林副委員長 次に、鷹山、御質疑をお願いします。

〇奥野委員 鷹山の奥野です。
 先日、同級生と会合していたら、難しい質問をするなと。テレビに映っとるときは、わかりやすい質問をせえと言われておりますんで、総務部長、できるだけわかりやすくお答えいただきたいと思います。
 私の高校の人たちは財政、財源のことを聞くのが好きなのかな。代表質問では中村進一議員が、また一般質問では吉川新議員が、今日はまた西場議員がお金のことばかりみんな言っているみたいで、それなら私もちょっとお金のことで追っかけてやろうかなと、そんなふうに思いまして、少数会派の悲哀で、あれも言いたい、これも言いたいというのが順番にずっと言われて、だんだん言うことが少なくなってきましたので、後輩の嶋田部長にしっかり答弁をしていただきたいと思います。
 先ほど西場委員のほうから県債管理基金のことを質問されていました。何か明確に答えていないような、やっつけ仕事をやっつけて答えたような感じがしますので、三十数億円を県債管理基金へ回したということについて、先ほどの何で財政調整基金に置かなかったんや、何で企業庁へ金を返さなかったんやという、そこら辺をもう一度説明していただけたらありがたいなと思います。

〇嶋田部長 まず、県債管理基金について改めて説明をさせてもらいたいと思います。
 県債管理基金は、先ほど西場委員のときにも御紹介がありましたように、平成22年度当時に市場公募債を導入するに際しまして、県債管理特別会計を設けるとともに、従前の県債管理基金について、市場公募債の満期一括償還に備えるための基金に特化をいたしました。平成21年度以前の県債管理基金はどっちかというと財政調整機能的な県債管理基金、減債基金ということですね。平成22年度以降は、先ほど申しました満期一括償還のための基金というふうになっております。
 それで、2つ目の御質問なんですけれども、なぜ33億円余りを県債管理基金に戻したのかというようなことなんですけれども、まず、企業庁の話をしていましたけれども、企業庁は先ほども答弁させていただきましたように、16.5億円、これは企業庁と覚書で今年度の償還分というようになっているものなんですけれども、それについては当初予算に既に計上しておりますので、選択肢から外れると。そして、財政調整基金ということでありますけれども、通常、最終補正で出てきた余剰財源は最終、財政調整基金へ積み戻しているんですが、今回、財政調整基金を考えたときに、6月補正、肉づけ予算がまだ残っているわけなんです。これまでの骨格的予算を編成したときの財政調整基金残高の規模を見たときに、6月補正の財源としては一定確保できているかというふうに判断をさせていただいたので、残り、県債管理基金なんですけれども、先ほども紹介させてもらったように、総務省からも確実に積み立てていきなさいというようなことが言われていますし、仮にこれを長く積み戻さないでほっておくと、県債のそもそもの機能である年度間調整といいましょうか、後年度の世代の方がその分を負担してしまうということで、できるだけ早く返す必要があるというようなこと、あるいは市場の信頼性も損ねるというようなことを考え合わせまして、今回は県債管理基金へ積み戻すことを優先させていただいたということであります。

〇奥野委員 取ってつけたような答弁だと思うんですけれども、結局このお金が入るをはからず、出るをはからずというような、そんな感じで今回の減額補正が成ったんじゃないかなと、そんなふうに思います。書いてあったように、雑巾を絞って、絞り出したあげくにこれだけ金が余ってきて、行き場がないので、先ほど総務部長が言われた、どうしても県債管理基金は積み立てていかないかんのやと。そやけど、今年度は積み立てる余裕がなかったんで、昨年度と一緒で、もうやめやと。そうしたら、今度は金が余ってきたんで、もう一遍積み立てようかと、そんなふうな感じのことじゃないんかなと。本当に真剣に予算編成をやっているんかなというふうに私は疑問を感じます。だから、こんなことをやっていると、本当に金が足らんのか、金はあるんと違うかというふうに県民にも疑いを持たれるんじゃないかなと、そんなふうに思うわけなんですけれども、知事、どうですか。

〇鈴木知事 県債管理基金の積み立ての戻す分につきましては、私たちなりに、こういうふうに財政が中期的に進めば、こういうタイミングでこういうふうに返したいというふうなものは庁内では議論はしています。そして、それは様々な財政需要、収入、歳出との関係で、まだ議会とかにお示しできる段階ではないので。でも、そういう一定の計画を持ちながら、もちろんいずれかのタイミングでお示しする必要があると思っておりますけれども。そういう中で、以前の議会の中でも答弁させていただいたように、そういうチャンスがあれば戻していこうということとの両方というんですか、計画的にやるというのと、機動的に、積み戻す財源ができたときに、それも対応するという、その両方の考え方でやらせていただいているので。計画のところが見えないので、行き当たりばったりのように見えるかもしれませんが、我々としては一定議論しながらさせていただいているつもりであります。

〇奥野委員 新聞、報道等でも県の財政は厳しい、厳しいと言われて、道路の白線すらきれいになっていない。横断歩道すらきれいになっていない。これは市の管理も県の管理も同じなんですけれども、やはり県政、行政というのはかゆいところに手が届き過ぎてもいかんし、届かなくてもいかんし、ちょっと背伸びをして届くぐらいがちょうどいいと私はずっと経験値で思っているんですけれども、どうも今の財政に対する県の姿勢というのはいいかげんな部分があるんかなというふうに思いますので、今後はこんなことのないようにやっていただきたい。
 2つ目、質問します。県の財政は非常に厳しいと言われるけれども、そちらからデータをいただいたんですが、公債費の償還がありますよね、元金と利子、元利償還。元利償還金が平成25年度から29年度までかなり右肩上がりに上がっていると思うんですよ。平成29年度は元金が1100億円ぐらい、利子のほうが109億円。一般の民間企業ですと、利子だけ返して借金の元金は先送りするというのがよくあることなんですけれども、私も行政の経験をしながら、おまえ、こんなこと言うんか、もっと勉強してこいと言われるんですけれども、背に腹はかえられないので、総務部長、元金は棚上げして、利息だけ払って、そうすると1100億円ぐらいのお金が出てくるわけなんですよね。7000億円余の一般会計予算で、仮にそこへ1100億円ぐらいが来たら、知事の言う災害対策とか、また、さっき私の言うた白線とか、かゆいところに手の届く、維持管理の部分もそうでしょう、そういうことが1年でかなりの部分で進んでいくんじゃないかなと思う。やっぱり我々行政が借金するのには、県民の許しが要る。許しが要るということは県民が保証人でありますから、県民の皆様に保証していただいて、この1100億円ぐらいを有効に使っていくという考え方はないでしょうか。多分、総務部長は否定すると思う。いや、ルール上云々というのは、大体答えがわかっているんですけれども、今日はテレビにも映っていますから、そういう考えもあるんやで、それはこうでだめなんですよということをわかりやすく説明してください。

〇嶋田部長 まず、県債の償還方法ですけれども、公的資金は定時償還、毎年度毎年度元金を返していくというふうな、これが貸付条件となっています。民間資金、銀行とかについては、先ほど議論のありました市場公募債は満期一括償還方式が標準ということで、銀行等引受資金、いわゆる銀行で借りるものについては、お互いの契約行為で決まるということであります。
 ただ、もう一つ、元金をずっと送っていったらいいじゃないかということなんですけれども、地財法で縛られているのは、建設事業に係る県債の償還については、その施設の耐用年数を超えないようにしなければならないというふうになっていますので、今大体30年がアッパー、公営企業なんかは40年というのがあると思います。
 仮に銀行ならできるじゃないかと。これは相手方がある話なんですけれども、定時償還において、契約後に借入金の返済期間や額を変更するということは、いわゆるデフォルトというか、債務不履行というふうに受け取られることがありますので、資金の貸し手である金融機関からは県債の償還の確実性が損なわれたとみなされて、金利の上乗せ等が決定する場合があると。多分、金融機関でもなかなかこれについては同意してもらえないというようなことであります。
 そういったことを考えると、県債の貸付条件の変更というのは、現実的には元金の返済を先送るというようなことは非常に厳しいのかなというふうに思っております。奥野議員が提案された御趣旨というのは、厳しい財政状況の中で県民生活への影響を最小限にとどめるために、そういうことも考えたらどうかということだと思いますけれども、これは強いて言えば、我々が先ほど議論のありました県債管理基金の積立を先送っているというのとほぼ相通じるものがあるのかなというふうに認識していまして、銀行が相手なのか、基金が相手なのかと。基金は県の中の話ですから、県がそういう判断をしたらできるということで、議員も我々も県民生活を保証するためにこういう手法をつくっているというふうに、ひとりで感じていますけれども、ただ、さりながら、これをずっとやり続けると、先ほど申し上げたとおり、非常に弊害のほうが多いものですから、できるだけ避けるべきでありますし、議員もかつて禁じ手と言われていたように、そういった意味でできるだけ余裕資金ができたときには償還を前倒しでしていくという方針には変わりありません。

〇奥野委員 総務部長、いい答弁をいただきました。ありがとうございました。
 私は今、どれだけ借金があってもいいんじゃないかと、このごろ考え方を変えまして、県民生活のほうが大事だと。どれだけ借金があってもいいんじゃないかなと、そんなふうに思います。なぜなら、2040年ぐらいには必ず県のこの辺の人はかなり要らんようになってきて、水平行政になってきて、多分、市や町のほうへ行くようなことになってくると、県の財政は随分楽になりますから、今はともかく県民生活を大事にすることが第一で、借金はある程度許容範囲の中でやって、豊かな三重県にしていただきたいと思います。
 以上、終わります。

〇小林副委員長 次に、公明党、御質疑をお願いいたします。

〇山内委員 公明党、四日市市選出の山内道明です。10分間で2つお聞かせをいただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 まず1つ目、三重県の特殊詐欺対策と、その成果についてであります。特に電話による被害の未然防止につながる自動通話録音警告機。少し紹介させていただきますと、これは呼び出し音が鳴る前に、「この電話は振り込め詐欺等の犯罪被害防止のため、会話内容が自動録音されます」と相手方に警告メッセージが流れるというものであります。今朝の報道番組のほうでも、今大きな問題となっております、アポ電詐欺への対策として取り上げられておりました。三重県警察本部のほうで行っていただいている、この自動通話録音警告機の貸出事業の効果と今後の取組について、また、県内各市町の取組を含めて教えていただきたいと思います。

〇難波本部長 それでは、まず自動通話録音警告機の県警本部における事業の概要でありますけれども、こちらは平成28年度に予算をいただきまして、360台を整備いたしまして、当初モデル地区ということで、津、四日市のほうに貸し出しをして試行運用をいたしました。終わったときのアンケートでは、やはり不審電話そのものの数が減ったとか、被害の防止に大変有効だというふうな結果が90%ぐらいを占めておりまして、大変効果があったというふうに思っております。今はモデル事業が終わりまして、一度引き揚げまして、それを県下18署に規模に応じて配分いたしまして、県内全域の住民の方に無償貸与ということで続けているところでございます。その中で、これはお返しするけれども、自分で買いたいというような方もおられまして、そういう方についてはあっせんといいますか、実際取り扱っている業者の御紹介などもしているところであります。
 それから、普及促進ということでありますと、県内の市町のほうにも平成26年度ごろから警察のほうから働きかけをしておりまして、自治体の事業として購入して、市民、町民の方に貸し出しといった事業、こういったお願いもしております。既に複数の市町でそういった形で、市町の予算で購入をして、貸し出しをしていただいているというところもございます。今後も引き続き警察の貸与事業と、自前の購入に向けての広報啓発と、それから最後の市町の自治体に対する働きかけ、この3つを進めていきたいというふうに考えております。
 以上です。

〇山内委員 ありがとうございました。非常にニーズが高いというふうに現場のほうでも聞いておりますし、360台を導入いただいたということで、当初貸出期間のほうが1年間ということでありましたけれども、半年という形で短縮をしていただいて、どんどん回転を上げているということも伺っております。今、答弁をいただきましたように、各市町ともぜひ連携をいただきまして、各市町で自動通話録音警告機導入に向けて動いていただきたいというふうに思っておりますし、こういった取組によりまして、電話による特殊詐欺被害の撲滅に向けて、取り組んでいただきたいというふうに思っております。私自身も導入を求めた者の一人としてしっかり現場で事業の推進をさせていただきたいというふうに思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
 それから、2つ目になります。こちらは施策341次代を担う若者の就労支援についてお聞かせをいただきたいと思っております。
 今、地域の皆さんの声を多く伺う時期でございまして、特に多い声として、引きこもりがちな若者への支援についてがございます。その声は非常に切実だと感じております。特に切実だと感じる理由としては、本人やその御両親など、家族からのSOSだけではなくして、周囲の近所の方からも心配の声をいただいている点でございます。例えばおしごと広場みえなどでは、企業の人材確保ニーズと若者の就労ニーズとのマッチングを図るとありますが、双方というよりは、どちらかというと企業ニーズ、つまり仕事先行で、そこに人がついてくるといった感覚が従来の感覚だと思われますが、これは地域若者サポートステーションも少しそういった感覚があるのかなというふうに思っております。
 ただし、引きこもりがちな若者の就労支援となりますと、こちらも逆転の発想で、できることを仕事にしていくような、仕事を創出していくような支援も必要だと日ごろから感じております。例えば今回お声をいただいたところの若者は、自身のおじいちゃん、おばあちゃんの通院ではドライバーとして送迎を担っているということでございました。今、社会では病院等への通院などで公共交通機関がなくて困っている高齢者の方がたくさんおられます。しかしながら、自身の祖父母となると、それは仕事として評価されるということでありませんが、家族間の支援だからといって、今の時代、社会の抱える課題を様々考えてみましても、そういったことが当たり前ではなくなってきていると感じております。これは子育てとか障がい者に対する家族の支援についても同じことが言えると思っております。これはあくまで一例でありますが、こういった若者に対して仕事の創出型支援という観点での就労支援が必要だと感じております。このような考え方ですとか、今後のこういった方向性などの取組について教えていただきたいと思います。

〇村上部長 まず、働くことでございますとか、自立についての悩みから社会へ第一歩が踏み出せないでいる若者の就職支援でございます。地域若者サポートステーションにおきまして、キャリアコンサルタント等によります就職相談でございますとか、パソコンスキルやビジネスマナー等の自立訓練あるいはボランティア等の社会体験、事業所や農場等における職場体験などを実施させていただいておりまして、こういった取組を通じて自信につながって、就職につながっていくというようなケースもあろうかというふうに思っております。
 一方、後半の部分でございますけれども、県が実施をしております三重県内事業所労働条件等実態調査では、フレックスタイムでございますとか、あるいはテレワーク等、多様な就労形態を導入している県内企業の割合が7割を超えております。ただ、やはり中小企業、小規模になるほどなかなかそういった多様な就労形態というのが難しいような状況になっておりますので、こういう多様な働き方ができるような環境づくりを県としては支援させていただきながらつくっていきたいというふうに思っておりまして、アドバイザーの派遣でございますとか、セミナーの開催なども引き続きやっていきたいと思っております。

〇山内委員 質問させていただきましたけれども、これは決して簡単な問題ではございません。難しい課題だというふうに思いますし、今の答弁の中では向き合っていきたいという思いは伝わってきたのかなというふうに思っております。こういった問題を考えたときに、若者に対する就労支援だけではなくて、高齢者であったり、障がい者であったり、外国人などそれぞれの、多様な働き方を進めてきたこれまでの経験値というものがあろうかというふうに思っております。ぜひそういった経験値を結集していただいて取り組んでいただきたいなというふうに思っております。
 また、高齢者の皆さん、特にシルバー人材という呼び方をされておりますが、どんな若者も必ず人材として見ていく、また、人材にしていこうというダイバーシティの観点というのが今後は非常に重要なのではないかというふうに思っております。こちら側の意識を変えていくことで、ぜひ県内の全ての若者を元気にしていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

〇小林副委員長 次に、日本共産党、御質疑をお願いいたします。

〇山本(里)委員 日本共産党の四日市市選出、山本里香でございます。10分間の総括質疑を受け持たせていただきます。よろしくお願いをいたします。
 総括質疑ということで予算の大きなところの捉えどころからということですけれども、来年度予算の今年度と違う大きなところというのは、やはり消費税増税の導入を見越した、それを含んだ予算案になって提示されているということだと思います。質疑のところでも、消費税増税とともに、経済状況がそれに見合ったものになっているかということの質問を経済的な場面からさせていただいたんですが、そのときのお答えは、生産は増加基調、個人消費は緩やかに持ち直し、雇用情勢は改善している、県内経済は着実に回復してきているとのことでしたし、水谷議員の一般質問で、知事からは県内総生産は過去最高、実質経済成長率は全国第2位、1人当たり県民所得は全国第3位、本県の発展につながる成果が出ているとの紹介もありました。企業の活況や景気の回復は私も含め、県民の望むところですが、景気回復の実感が生活実態として、家計の実態として感じられていないという声が全国であふれていますし、2月18日付の日本経済新聞によりますと、世論調査では景気の回復を「実感していない」が78%と圧倒的です。いく幾ら三重県がとてもよいほうだと言っても、逆転しているわけはないと思っています。
 私どもが市民の方にお願いをしているアンケートでは、増税前の今現在、切実に暮らし向きが大変だとか、経営、営業が大変でやっていけない、年金が減っていて不安で仕方がないといった声が寄せられています。戦略企画部の県内経済情勢で1月末発表分を見てみても、たくさんの数字が並んでいるんですけれども、やはり消費の部分では落ち込んでいるというようなことが読んでとれました。今、知事が紹介をされているトップツー、トップスリーというようなのも、全国の中の低い状況の中でのトップツー、トップスリーなのかもしれないなというふうに思っています。
 それで、戦略企画部がまとめた三重県経営方針(最終案)にも、予算資料1の平成31年度当初予算のポイントにも示されているように、注力する目標の4番目の、「強みを生かし国内外から選ばれ続けるために」、これはとても大切なことだと思いますが、同じように2番目の、「誰もが安心して暮らし続けられるために」、ということも本当に大切なことで、これまでも、予算編成に当たっても、知事の考えの中でも安全・安心ということはたびたび聞かせていただいております。今、それこそ生きる安全・安心が生活困窮ということで脅かされている事態も広がっているんではないかというふうに感じております。その上に10月からの消費税増税を加味した予算になっているわけです。
 お伺いします。戦略企画部として、景気回復と言われる陰で、家計状況及び暮らし向きの点で三重県の状況をどのように捉えてみえるのか。そして、前回質疑で雇用経済部からは消費税増税に当たっていろいろな対策をされるというふうにお伺いし、先ほどの中嶋委員の総括質疑でもその話が出ておりましたけれども、それらのことが本当に経済的困窮や事業承継の危機を救うことができるのか。全ての人が安心して暮らせる施策がこの予算案の中のどこにあるのかお伺いをしたいと思います。

〇西城部長 まず、三重県内の直近の経済情勢についてお答えを申し上げます。
 2月の末に、昨年12月の指標に基づきます新しい三重県内経済情勢を発表させていただいております。全体として県内経済は回復しているということの中で、消費につきましては、個人消費は緩やかに持ち直しているという判断でございまして、この判断は最近変わっておりません。
 委員からお尋ねがありました消費税増税との関連でございますけれども、平成26年4月、前回消費税が引き上げられた際には、国が経済対策を講じましたけれども、駆け込み需要の反動減や引き上げによる物価上昇の影響などもありまして、想定以上に消費が落ち込みました。地方部における消費の落ち込みは都市部よりも大きくて、現在に至るも伸び悩んでいるとの見方もございます。そうした中で、昨年5月、国への提言・提案活動に合わせまして、今回の消費税率引き上げに伴います地方向けの経済対策、これをぜひ来年度の予算に組み込んでいただきたいと、県選出の国会議員の皆様等に要請をさせていただいたところでございます。
 国におきましては、今、国会で審議中でございますけれども、前回の経験を生かしまして、今回の消費税率引き上げによる経済への影響の平準化に向けて、あらゆる施策を総動員し、全力で対応するということとされております。臨時、特別の措置として、2年間で合計2兆円を超える額が計上されております。そうした国の動向を踏まえまして、県のほうでは来年度の三重県経営方針(案)におきまして、まずは消費税増税の影響を緩和するとともに、地域経済を活性化するという観点から、5本の柱のうちの2つ目の柱の中に位置づけをさせていただいたところでございます。

〇山本(里)委員 経済面からの話や対応策の話は聞かせていただきましたけれども、今、県民の暮らし向きをどういうふうに捉えているのかという話はなかったように思います。そこのところが大切なんだと思います。前回の増税で落ち込みが思ったよりも激しく、その後伸び悩んでいるということは、落ち込みから回復していないということの話だったと思うんですが、そういったことが今の暮らし向きに大きくあらわれていると思います。
 そこで知事にお伺いしたいんですけれども、国会では統計の不正などが問題となって、今の景気状況について様々論じられています。三重県はいいというふうに今おっしゃっているわけなんですけれども、そんな中で、安倍総理も家計消費も実質賃金もマイナス、水面下だと認められました。そういう中で、三重県知事としてその認識はいかがですか。三重県の暮らし向き、加えて消費税の逆進性ということについて知事のお考えを確認したいと思います。

〇鈴木知事 暮らし向きということにつきましては、今、山本里香委員もおっしゃいましたように、戦後マクロ経済の数値のよさというのを、県民の皆様の隅々にまで実感いただいているというような状況ではないと私も思います。ですので、それをしっかりと実感を高めていくように、きめ細かにしっかり努力をしていくということが大事だと思います。
 そして、逆進性につきましては、消費税ですから、収入の多寡にかかわらず、同じパーセンテージがかかりますので、一定、逆進性というのが見られるんだろうというふうに思いますが、だからこそ今回、例えば生活必需品については軽減税率をやったり、いろんな消費税の対策をしたりということを国が考えておられるんだと思います。

〇山本(里)委員 家庭では感じられない、暮らし向きの中ではまだそこまで及んでいないということはお認めになったと思いますが、そのことがやっぱり、格差が広がる中で、平均値で見ればいいところもあるかもしれないんだけれども、やっぱり生活の中にずっと景気のよさが、回復が及んでいってこそ大切なことだと、安全・安心ととれることだと思います。将来的な医療の不安であるとか、そういうことも含めておっしゃっておりますけれども、医療にかかれないような貧困も襲ってきています。
 ここに私どもの新聞があるんですが、ここの取材、1面です。つい先日です。大門商店街の理事長が、生活できない。商店街が潰れると。このままでは大変だというようなことで、今の消費税の増税がもし行われれば、大門商店街は、えらいことになる。これは多くの三重県民の皆さんの思いだと思いますけれども、逆進性もないことはないとおっしゃっておりますけれども、こういうことも含めて、またこのことについては論議をしながらいきたいと思うんですが、県民の安全・安心という点から見て、やっぱり暮らし向きを大事にしていく、命を守っていくという点で、やっぱり経済状況を活性化していく、そのために家計消費を温めていく施策をやっぱり盛り込んでいかないと、増税も困りますし、増税されないまでも困ると思います。
 終わります。

〇小林副委員長 次に、大志、御質疑をお願いいたします。

〇倉本委員 大志、桑名市・桑名郡選出の倉本崇弘です。
 私からは、伊勢湾台風60周年の関連事業について少しお伺いをしたいと思います。
 自治体災害対策全国会議・伊勢湾台風のつどいというのを開催していただくといった御説明がありました。開催趣旨等々は私も賛同をするところですし、ぜひ推進をしてもらいたいなというふうに思うわけでありますが、そこで1点、確認をしたいんですけれども、開催地に現在、四日市市内を予定されているとのことですが、開催地を四日市に決めるに当たって、どういった議論がなされ、どういった考え方に基づいて決めていっているのかということをお答えいただければと思います。

〇福永部長 伊勢湾台風60周年の行事ですけれども、これは9月19日と20日に自治体災害対策全国会議をして、その翌日、21日に伊勢湾台風のつどいをやるんですけれども、四日市市でやるということですが、まず、伊勢湾台風で甚大な被害が出た北勢地域の市町村の中で、自治体災害対策全国会議を開ける規模の会議場、しかもその会議場は交通の利便性のよいところにあるというところで四日市市とさせていただいています。もう一つ、伊勢湾台風60周年では防災訓練もやるんですけれども、そちらのほうは広域避難というところに着目して、桑員地域でありますので、全体として訓練は桑員地域で、行事系は四日市市でという形で決めさせていただきました。

〇倉本委員 ありがとうございます。事業の中で整理をしてもらったということで、北勢地域に甚大な被害があって、その甚大な被害を受けている箇所に対しての配慮をいただいているということを理解させていただきました。
 そこで各市町の伊勢湾台風での被害状況というのを少し御紹介させてもらいたいんですけれども、人的な被害として死者数でいくと、現在の行政区割りで、桑名市が460人、木曽岬町が314人、四日市市が113人、川越町が170人ということでありまして、桑名市と木曽岬町だけで774人の方がお亡くなりになっています。私も地元ですので、こういった被害を受けられた方々からのお話をよくお伺いする機会があります。実際に年代層によっての思いの差というのもありますし、この事業目的の中にも風化させないということを記載してもらっています。やはり私が地元を歩いていてもやや風化をしてきているなという感じがしていますので、こういった甚大な被害を受けた箇所に重きを置きつつ、しっかりと防災意識を高めるような事業展開を今後もしっかりと行っていただきたいなということを最後に要望申し上げて、私の質問とさせていただきます。どうぞよろしくお願いをいたします。

〇小林副委員長 次に、草の根運動いが、御質疑をお願いいたします。

〇稲森委員 伊賀市選出、草の根運動いがの稲森稔尚です。
 歳入のうち、ゴルフ場利用税について伺いたいと思います。15億5900万円ということで歳入に上がっていますけれども、このゴルフ場利用税の収入なんですけれども、都道府県税として納付をされ、その7割がゴルフ場所在市町村に交付をされるということになっています。ゴルフ場に起因する行政需要に対応して、地域振興を図るための貴重な自主財源となっているところですけれども、しかし、困ったことに国会の野党の議員連盟の動きとして、スポーツ振興を図るなどとしてゴルフ場利用税の廃止に向けた法案提出の動きもあるというふうに聞いているところです。まず、このゴルフ場利用税が廃止されるということになった場合の影響、それから、そういう動きというものを情報も含めてどういうふうにキャッチされているかということを伺いたいと思います。
 あわせて、知事は国への要望の中でも要望されているかと思うんですけれども、より一層危機感を持ってゴルフ場利用税堅持に向けた声を上げていただきたいというふうに思いますけれども、この認識を伺いたいと思います。

〇鈴木知事 ゴルフ場利用税堅持、そのためにしっかり引き続き要望をしていきたいと思いますし、全国知事会でも要望しておりますので、引き続きやりたいと思います。

〇嶋田部長 ゴルフ場利用税廃止の動きで、委員が御紹介になったことは新聞等で承知しておるところでありますけれども、仮に廃止になったときの影響ですけれども、先ほど御紹介のありましたように7割が市町村へ行くということで、例えば平成29年度の実績で言いますと、津市が一番多くて2億9000万円、2位が伊賀市で1億7000万円、3位がいなべ市で1億4000万円というような額が交付されております。それがなくなると、アクセス道路とか、そういうのの財源になっていますので、そういった財源に苦慮することになるというふうに考えています。

〇稲森委員 私もゴルフが全くできないので、というわけではないんですけれども、やっぱりこういう声を上げていっていただきたいなというふうに思います。
 時間があるんで、もう1問、突然やります。先日、テレビでも知事を拝見しましたけれども、職員向けのガイドラインということで、多様な性のあり方を知り、行動するための職員ガイドラインを都道府県で初めてつくっていただきました。今日は警察本部長にお伺いをしたいんですけれども、警察本部は犯罪被害者の方への対応だったり、あるいは被疑者の方への対応を含めて、やっぱり個人の内側に対応するという場面が非常に多いかと思います。その中で、警察庁という縦軸がある中で、県のこういう取組をどういうふうに生かしていくか。このガイドラインをごらんになったでしょうか。どういう受けとめをされているか、それからどう行動していくかということを1点聞かせていただきたいと思います。

〇難波本部長 お尋ねのガイドラインは、私も担当部局のほうから、県のほうで今度つくられましたという報告をいただいております。やはり基本的人権の尊重という基本的なスタンスは県警も同じでありますので、正しく理解して、それに沿った行動をするという基本方針をもとに対応してまいりたいというふうに考えております。

〇稲森委員 ちょっと時間が余ってしまったんですけれども、引き続いて、当初予算の予算要求の中で上がっていたLGBT等理解促進事業が何で消えているのかな、何で上がっていないのかなと言ったら、また6月補正で肉づけという形でやってくるというふうに聞いていますので、6月にまた議論をしていきたいというふうに思います。また、警察本部の取組、それからゴルフ場利用税堅持ということもすぱっと言っていただきましたので、水面下でもオープンな場でもそういう声を上げていただきたいなというふうに思います。 

〇小林副委員長 次に、青峰、御質疑をお願いいたします。

〇野村委員 本日最後の質疑をさせていただきます。
 私はやっぱり鳥羽市ということで、海女漁業の振興ということで、先ほど観光局長の答弁にもあったんですけれども、今年はダイヤモンド・プリンセスも6回ほど鳥羽港へ寄ってもらえるということで、やっぱり外国人観光客の方に三重県の文化として認知されているのは海女と忍者だというふうに思っています。しかし、その海女もこのごろ海女人口がうんと減っておりまして、平成元年には1973人いたんですけれども、平成29年には660人と、約3分の1まで減ってきています。こうした状況に対して、県ではアワビの資源の増大対策、海女文化の魅力発信や「海女もん」商品の品質向上、漁師塾による担い手の育成などに取り組んでいただき、感謝しているところなんですけれども、実際、海女の年間の経費などを引いた所得はどれぐらいだと皆さん、思いますか。70万円なんです。70万円の所得で素潜りで潜って、いろいろ水揚げするというのは本当に厳しいところがあって、自分の子どもたちに海女漁を勧めるという方も少ないのかなというふうに思うんですけれども、やっぱり所得が上がれば承継されていくか、海女漁を続けていく方もどんどんと増えてくると思うんですけれども、海女の所得向上を図って、海女の後継者を育成していくために、これまでの取組を踏まえて、海女が年間を通じて安定した所得が得られるような新たな取組も必要だと考えますが、海女漁業の振興に向けて、平成31年度の新たな取組も含め、どのように取り組むのかお聞かせください。

〇岡村部長 海女漁業の振興については、アワビなどの漁業資源の回復と、委員がおっしゃった所得の向上が重要と考えております。このため、資源の増大とか、海女商品の品質向上、また販路拡大に取り組んでいきたいと思っています。
 資源の増大では、アワビの種苗生産技術の開発などをやっていきたいと思っていますし、また、品質向上では、海藻など「海女もん」ブランドというのがあるんですけれども、これの品質を向上させていくための研修にも引き続いて取り組んでいきたいと思っています。
 また、特に販路拡大のほうでは、これまで首都圏なんかでPRイベントとかをやってきてはいるんですけれども、新たな取組ということで、海女自身がホテルなどで海女の伝統文化やストーリーなど海女の魅力を伝えるための登録をして、派遣をしていくという新しい制度もつくっていきたいなと思っていますので、こういった新しい所得向上対策も盛り込みながら、来年度しっかりと海女漁業の振興に取り組んでいきたいというように考えています。

〇野村委員 ありがとうございます。私たちの周りにもかまどとかで海女の体験を話したり、そのあたりのところで海外からの旅行の方とか、国内の方でもそうなんですけれども、そういった体験談を聞くことがこのごろ非常に人気がありまして、海女漁以外の所得にもなっているんですけれども、まだまだ限られたところがありまして、鳥羽市や志摩市も海女漁に対して、例えばウエットスーツの一部補助とか、いろいろな補助もして残そうとはしているんですけれども、やっぱり鳥羽市や志摩市のようなところだけでやっていくには限界があると思いますので、これからもよろしく御支援のほどをお願いいたしまして、質疑とさせていただきます。ありがとうございました。

〇小林副委員長 以上をもって予算議案及び予算関連議案に係る総括質疑を終了いたします。

〔閉会の宣言〕

三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
予算決算常任委員長
津村  衛

 

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