三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成30年度 委員会会議録 > 平成30年10月2日 予算決算常任委員会 会議録
予算決算常任委員会
会議録
(開会中)
開催年月日 平成30年10月2日(火曜日) 午前10時1分~午前11時53分
会議室 全員協議会室
出席委員 46名
委 員 長 津村 衛
副委員長 小林 正人
委員 芳野 正英 中瀬古初美 廣 耕太郎
山本 里香 岡野 恵美 倉本 崇弘
稲森 稔尚 野村 保夫 下野 幸助
田中 智也 藤根 正典 小島 智子
濱井 初男 木津 直樹 田中 祐治
野口 正 石田 成生 彦坂 公之
大久保孝栄 東 豊 山内 道明
吉川 新 杉本 熊野 藤田 宜三
服部 富男 津田 健児 中嶋 年規
村林 聡 長田 隆尚 奥野 英介
今井 智広 日沖 正信 舟橋 裕幸
三谷 哲央 中村 進一 青木 謙順
中森 博文 前野 和美 水谷 隆
山本 勝 山本 教和 西場 信行
中川 正美 舘 直人
欠席委員 1名
委員 後藤 健一
出席説明員
【決算認定議案の審査】
[企業庁]
庁長 山神 秀次
副庁長 更屋 英洋
次長 森 高広
参事兼電気事業課長 小森 健児
企業総務課長 米川 幸志
財務管理課長 井畑 晃洋
水道事業課長 東海 明
工業用水道事業課長 田中 利幸
機電管理監 和田 泰史
RDF発電監 宮下 孝治
その他関係職員
[病院事業庁]
庁長 長谷川 耕一
副庁長 加太 竜一
県立病院課長 河北 智之
こころの医療センター院長 森川 将行
こころの医療センター運営調整部長 米田 昌司
一志病院院長 四方 哲
一志病院運営調整部長 井端 清二
その他関係職員
[監査委員]
代表監査委員 山口 和夫
事務局長 水島 徹
次長 川添 洋司
総務・評価課長 丹羽 健
その他関係職員
委員会書記
議事課 班長 中西 健司
議事課 主幹 黒川 恭子
企画法務課 主査 手平 美穂
企画法務課 主査 大森 貴仁
傍聴議員 なし
県政記者 1名
傍聴者 1名
議題及び協議事項
1 議案の審査
(1)認定第4号「平成29年度三重県病院事業決算」
(2)認定第1号「平成29年度三重県水道事業決算」
(3)認定第2号「平成29年度三重県工業用水道事業決算」
(4)認定第3号「平成29年度三重県電気事業決算」
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
1 議案の審査
(1)認定第4号「平成29年度三重県病院事業決算」
ア 当局から資料に基づき補充説明(長谷川病院事業庁長、森川こころの医療センター院長、四方一志病院院
長)
イ 決算審査概要説明(山口代表監査委員)
ウ 質疑
○津村委員長 それでは、質疑に入ります。
ただいまの説明に対して御質疑のある方は挙手を願います。
○芳野委員 ありがとうございます。
こころの医療センターで、患者数が減っているということなんですけれども、精神科にかかる方の今の需要を考えると結構大きな減少になっているんですが、その原因と今年度以降の見通しとして長期的に減少していくのか、それとも一時的なものなのかという見通しをお聞かせいただけますか。
○森川院長 御質問ありがとうございます。
外来患者数が減った原因としましては、開業医の先生方が増えてこられたということで、当院に来られる方が減ったのではないかということと、平成28年度にベテラン医師の退職または異動、また病気休暇がありまして、平成29年3月から医師の負担軽減のために新規の外来患者の予約枠を1日5枠から4枠にしたことによって減少して、そういったところが大きな影響を与えたというふうに考えています。
今後ですけれども、実は、4人の予約枠でもキャンセルが出てきますので、そういうキャンセルは前もって電話をすることによって、来られないのであれば違う方を優先して入れていく、あるいは4枠とさせていただいておりますけれども、5枠めというのは現在の緊急枠にさせていただいていて、当日連絡があった場合には対応可能な範囲で対応するという形で何とか外来の数を増やしていきたいというふうには考えております。ただ、長期的に見た場合には、そういったクリニックとの競合の中で減ってくることの可能性は高いのではないかと考えております。
○杉本委員 一志病院についてお伺いしたいと思います。
全国の医療過疎を解決する病院のモデルとして、今、地域医療の人材育成と地域医療過疎地での実践を行っていただいておりますが、三重大学などに働きかけたものの、平成29年度の医師充足率が84.4%ということで、先ほどは総合診療医のニーズが県内でも高まっているのでということで背景を御説明いただきました。今年度の状況と来年度の見込みがわかれば、それから、この医師確保の取組は誰がどのようにしておられるのかというところをお聞かせください。
○四方院長 まず、医師充足率に関してですけれども、現在、常勤医は、総合診療医だけですけれども7名おりまして、1名を津市の美杉町にあります津市家庭医療クリニックに派遣しております。それも含めて7名おります。充足率が84.4%になっている理由としましては、医師定員数が設定されたのは一志病院の以前の状況、例えば現在未稼働になっております3階の病床が運営していたころ、そして外科、整形外科の常勤医がいたときの定員として設定されています。現実的には、現在充足している状況になっています。医師定員数に関しては以上の説明になります。
あと、今後の医師確保なんですけれども、平成19年度以降、三重大学家庭医療学教室と強固に連携し、その教室のホームグラウンドとして一志病院において総合診療医の育成を行いつつ、診療活動を行ってまいりました。今後も三重大学の家庭医療学教室、総合診療科と連携を強化して、医師確保を行っていきたいというふうに思っています。
それを誰がやっているかというと、私をはじめ、現在一志病院で働いている医師が今後の展開とか見通し、そして医療ニーズ等を、三重大学の家庭医療学教室の中には公立病院4病院を含む非常に大きなグループがありますので、その中で総合診療医の育成という視点で、どういった役割を我々が担えるのかということをアピールしながら、そのためにはこれだけの人数が必要であるということを、毎日かんかんがくがくと議論して確保していくというふうな状況です。
○杉本委員 ありがとうございます。
医師確保について病院事業庁の役割とか、それから今日お越しではありませんけれども、地域医療の人材育成というのは医療政策なので、医療保健部の働きとかその辺がとてもここに関わっているんですけれども、そのあたりのところを病院事業庁はどうお考えですか。
○長谷川庁長 医師の確保、これをどのようにしていくかは、私どもに課せられた永遠の課題と思っております。現在の私どもの病院の医師がどちらから来ていただいているかといいますと、三重大学の医学部からお越しいただいている先生、こころの医療センターではこころの医療センターで研修したい、自分のスキルを磨きたいということで、自ら手を挙げて来ていただいているドクター、志摩病院においては、外科系においては三重大学から医局の人事でお越しいただいている先生、内科系につきましては地域医療振興協会で働いていただいている先生にお越しいただいています。そして、こころの医療センターでは、院長をはじめ、奈良県立医科大学の講座からも派遣をいただいております。このような派遣元、あるいは各ドクターが自らこちらに来たいなと思えるような病院であること、まずは私どもとしてはここで働きたいなと思える病院であるのが第一であろうかと思っております。その魅力をつくることと、そして派遣をいただく各大学の、あるいは地域医療振興協会と密接な連携を図って、御要望のあるところはできるだけ私どもで応えさせていただく、そのような努力と日々の積み重ねで先生方にお越しいただきたいと常に思っておるところでございます。なかなか一朝一夕にいかないところではございますけれども、少なくとも、今おみえになる先生の数を何とか維持し、少しでも増やしたい、日々そのように考えております。
以上でございます。
○杉本委員 今後もそこのところは、病院事業庁として永遠の課題と言ってしまわないで、しっかりお願いしたいことと、今日、この場ではないのですけれども、医療政策なので、全国の医療過疎を解決する病院というのは。そのあたりのところは今後、医療保健部にも申し上げていきたいなというふうに思っていますということをこの場で申し上げます。
以上です。
○津村委員長 ほかにいかがですか。
○今井委員 数字のほうで教えてもらいたいんですけれども、この病院事業庁長補充説明資料の6ページ、この中で各病院の病院事業収益があるんですけれども、志摩病院の上の医業外収益Bの数字で、その下に、うち長期前受金戻入とか繰入金とあるんですけれども、ここのBの数字と開きが2億4700万円ほどあるんです。前年度は2億5600万円ほど開いておったんですけれども、ここというのは何なのか、他の病院に比べてちょっと開きが大きいので、繰入金なのか交付金なのか、どういうのがあるかまず教えてください。
○長谷川庁長 これは、志摩病院について、地域医療振興協会から元利償還金の半分を負担金としていただくという部分がございまして、病院を御利用いただくに当たっての協定書の中で取り決めた約束なんですけれども、当該年度の元利償還金の半分を協会のほうで負担いただく、その部分をここで2億5000万円ほど入れてございます。それがその他、ここの医業外収益で入っておりますが、ここに明示していないので申しわけございません。その部分でございます。
○今井委員 わかりました。ありがとうございます。
あと、せっかくの機会なんで、一志病院の四方病院長に聞かせてもらいたいんですけれども、先ほど、医師充足率も伺ったんですけれども、その同じ項目、内部プロセスの視点のところで、初期研修医・医学生受入延べ人数、また看護実習生等受入延べ人数というところが、両方とも目標を達成していただいておるんですけれども、今の一志病院の病院医療にも携わってもらい、またこういう若いドクターやナースの人の育成もしていただいておる、今後さらに活躍が期待をされる中で、ここの人数というのはもうマックスになっておるのか、どこまで受け入れられるのかというのを聞かせてもらいたい。それはなぜかというと、先日、一志病院が医学界新聞で8月に1面、2面を飾っていただいて、ゼネラリストとしての看護師が今後必要だよねというところで、四方病院長、澁谷看護部長が本当に全国でも模範の取組ということで取り上げていただいて、これ、非常にうれしく思ったんです。この新聞は非常に医療界に影響もあると思うんですけれども、今後、どんどん全国からの問い合わせがあったときにどこまで対応できるのかということも一方で心配をしておりますので、ここの受け入れ可能人数というのはどういう考え方になるのか教えていただきたいと思います。
○四方院長 まず、研修医、医学生のほうなんですけれども、現在、常時三重大学の学生、本日も2名、4年生、5年生、6年生の実習をお受けしています。三重大学以外にも東京女子医科大学とか、あるいは散発的にオファーがあった場合は極力受けるようにしています。延べの数がこうなっているんですけれども、空白の期間もまだまだありますので、医師としてはまだまだ受けられますからというふうに常勤医師のほうから声が出ていますので、極力、具体的な数とは言いませんけれども、常時3人ずつぐらいであれば365日お受けすることができるというふうな状況です。
あと、研修医に関しましては、私が赴任した5年前からの中で過去最大、4名研修医がいたときもありますが、今年度は1名となっています。これも、平均的には大体2名ずつぐらいは受け入れ可能だと考えています。
あと、看護学生のほうなんですけれども、現在、三重大学医学部看護学科、県立看護大学、あと鈴鹿医療科学大学の3大学の看護学生が実習に来られています。これも、本日もたしか3名いまして、大体常時2名から3名程度通年で受けることが可能ではないかなというふうに考えています。したがいまして、現在の実績値の1.5倍ぐらいまではまだまだ何とか受けられるんじゃないかなというふうに考えています。
そういったことを受けることが業務の増加とかプレッシャーとか負担増につながるというイメージを持たれやすいんですけれども、むしろ医師においても看護師においても、モチベーションの増加とかいうふうなポジティブなことにつながっているというふうに考えています。
以上です。
○今井委員 総合診療医並びにプライマリ・ケアエキスパートナースの育成が、今後、医師・看護師不足の今の状況の中で改善をされていく、また医師の地域偏在の解決にもつながっていく一つの大きな要因になってくると思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
最後に、学会発表、論文発表の件数も非常に多くしていただいておりますが、それと先ほど言わせてもらった医学界新聞等への掲載ですけれども、こういったことでやはり、大分問い合わせやそういったことも増えておるのかどうかというのを最後に聞かせていただきたいと思います。
○四方院長 ありがとうございます。
プライマリ・ケアセンターにおけるプライマリ・ケアエキスパートナースの問い合わせとしては、現在、宮崎県、静岡県、岡山県、広島県あたりから直接のお問い合わせで、どのようなカリキュラムでそういった育成を行うのか、それをコピーさせてほしいというふうなものとか講演に来てほしいとか、あるいは看護管理者の雑誌の執筆依頼とかそういうものが数件来ております。
以上です。
○今井委員 ありがとうございました。
それでは、病院事業庁とも連携しながら、三重県の取組が全国から注目をされ、またそういったことを取り入れたいということがあるということですので、一方でその分、研修等も、視察等も含めて多く来ていただいておると思うので、病院経営以外にもかなり地域に、また三重県にとってもいい影響を与えていただいておると思うので、今後も頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○津村委員長 ほかにいかがですか。
○中嶋委員 会計処理の仕方でちょっと教えていただきたいんですが、こころの医療センターの在宅診療、アウトリーチだとか、それから一志病院にやっていただいている訪問診療だとか、そういうときの収益というのは、外来収益のほうであげていただいているんですか。
○加太副庁長 まず、訪問診療につきましては外来収益ということで計上させていただいておりますが、訪問看護等、在宅に係る部分で介護の部分もございますので、こちらについてはその他医業収益という形で計上しているものがございます。
○中嶋委員 訪問の部分が複雑なのかということはちょっとわかりづらいところがあるんですけれども、監査委員のほうでも御指摘いただいているように、こころの医療センターについてはやっぱり入院医療中心から地域生活支援中心へという移行を進めていく方向だと思いますし、一志病院については地域包括ケアシステムの構築を支援するということがやっぱり大きな使命というふうな一つになっているかと思いますので、これまでばくっと、7ページなんかも外来患者でがちゃっと数字を上げていただいているんですけれども、4000人以上、こころの医療センターでもしていただいていますし、一志病院でも4000人以上の訪問診療、訪問看護等もそういうようなアウトリーチ、していただいているので、そのあたりがわかるような形で今後外来患者数の内訳というんですか、そういうものをちょっとお示しいただきたいと思いますし、診療報酬制度にもよるんでしょうけれども、アウトリーチだとか訪問診療って手間の割にまだまだ診療、医業収益としてはあがりづらいところもあるかもしれないので、単に、今回こころの医療センターが赤字だったというのが外来患者数の減ということだけにかかわらず、アウトリーチも頑張っていただいているがゆえに、そういう赤字になっちゃったという部分もあるのかもしれないので、今後でいいんですけれども、そういうことがわかるような分析の仕方をぜひお願いしたいというふうに思います。
それともう1点、今日の病院事業庁の資料の10ページにある固定負債の中の他会計借入金で55億円何がしか残っているやつなんですけれども、これって県立総合医療センターが独立行政法人化するときに一般会計から借りたお金の関係だったような気もするんですけれども、それでよかったでしたっけ。
○加太副庁長 この55億円余につきましては、先ほど議員から御指摘いただきました総合医療センター独法化のときの病院間貸借の関係が含まれてございます。それが現時点ですと44億円程度残っておるという状況で、それ以外に建設改良費に充てた部分の借り入れの部分でありますとか、志摩病院の資金不足の部分で、移行当時に借り入れた部分等、合計しましてこの55億円余という数字になってございます。
○中嶋委員 平成29年度は9000万円返していらっしゃるわけですけれども、ほぼほぼこのペースで長々とお返ししていくというイメージですか。
○長谷川庁長 細々ではございますが、返させていただきたいと思っております。
○中嶋委員 わかりました。一般会計のほうも結構苦しいんで、もっと早う返せとかそういうプレッシャーがあるかもしれませんが、病院経営のことも非常に重要でございますので、その辺、細々であってもしっかりと返していただけたらと思いますんで、よろしくお願いします。
以上で。
○津村委員長 ありがとうございます。
ほかに。
○青木委員 長谷川庁長に少しお伺いしたいんですけれども、一般質問で大体雰囲気はわかったんですけれども、津市との話し合いを、相手のあることですので慎重に前向きにしてもらっていると。約束事もあるのでというようなことはわかっているんですけれども、いつまでをめどに整理をされていくのか、ずるずると日がたっていくのか、その辺の目標を教えてほしいです。
○長谷川庁長 津市と協議を進めるに当たって、報告書の中でまず記載されているのが、最初、この平成30年度からやれるかと思って勢い込んで始めたのは事実なんですけれども、やはり進めていきますと具体のもの、今で言うと訪問看護ステーションなり地域包括支援センターなりの移設になりますと、どういったものを、今既にあるものをどうやって病院の中へ持ってくるかとか、どこが一番望ましいか、少なくとも地域の方にとって今よりもよくならないかんというのがやはり目指すところになります。ワーキングの中で示したところが、やはり病院の中にあるのが望ましいよねというのは双方とも合意しているんですが、その先、やはり費用の面が出てきます。また、改修するとなった場合に、費用対効果と患者に御迷惑をおかけする程度が多いか少ないかといったところも、今、詳細な検討をしています。12の取組がございますが、これを全て平成31年度から動かすわけにはなかなかいかんなというのは当初からございまして、優先順位を分けて、少なくとも31年度当初予算に間に合わすものは先ほど申し上げた地域包括支援センターとか訪問看護ステーションなどをできたら間に合わせたいというようなところで、先に協議を進めてございます。一義的には、年内はそのあたりを何とかめどにしたいなと。残りのものについても、これは津市との協議でございますけれども、一度は年度内にある程度のところまでは進めて、その中で、今の状況ですと、まだまとめまではいかないものもあれば、次年度に継続するものもあるかとは思いますが、ひとまず、今優先的にやっているもの、地域包括支援センターとか訪問看護ステーションなどの部分は何とか年内にめどを立てたいなという気持ちでやらせていただいております。
○青木委員 ちょっと視点を変えて。地元の声としては、一志病院が建てかえられてから相当年数もたっていると。耐用年数はいつごろ来るのかということも話題になっています。何年あるのかわかりませんけれども、その年数を考えたときに、ある程度、次はどんなスタイルで、構想で建設し、いろいろ建てかえていくのかというようなことも話題になるわけです。それを目標として、そのときからさかのぼっていつごろから構想を立てて、計画を立てて、そういうふうな方向にあるのか、ざっとした年数でも結構でございますんで。そうするとある程度、役割分担がきちっとしていないとなかなか難しいかなという声もあるということで、わかる範囲で教えていただきたいと思います。
○長谷川庁長 まず一志病院の建設年度ですけれども、今の病院自体が昭和60年度、61年3月ですので、1985年に建ってございます。そうしますと現在、33年は経過をしてございます。耐用年数そのものは、税法上の償却は39年でございますが、建物は耐震基準を満たしておりますので、現在、改修をしながら使わせていただいていると。必要な改修は続けながら使っているということで、現在、県の方針として箱物をできるだけ長く使う長寿命化という考え方もございますので、私どもが病院運営をさせていただく限りは、今の状況ですと今の建物をできるだけ長く使うという、これが基本的な考えであろうかとまずは思っております。
その上で、将来的にどうかとなりますと、これは私が今の病院を運営することを命じられている立場ですので、ちょっと発言を控えさせていただきたいところでございます。言われたことをしっかり進めていくというところでございますので、申しわけございません。
○青木委員 了解です。ありがとうございました。今後またしっかりと考えてください。
○津村委員長 ほかに。
○奥野委員 監査委員に聞くんですけれども、累積欠損金が92億円で、経営の健全化に努めていただきたいとあるんですけれども、監査委員はもうその報告だけでいいわけですか。こうしたらどうやとかそういうのはないんですか。ずっとこれを見ていると、95億円、94億円、93億円、92億円、92億円と大体90億円以上が累積欠損金であるけれども、これはもう消えないですよね、一生、100年かかっても。
○山口代表監査委員 本日の審査の意見のほうで、累積欠損金に対しまして、前年度に比べてわずかながら改善したということで、単年度で3000万円余の黒字を出したということで、改善に一歩進んでおります。全体の処理については、92億円ありましても全体の病院事業運営には支障がないということで、内部留保資金……
〔「支障がない」の声あり〕
○山口代表監査委員 はい、そういう関係がありますので、全体の処理をするということになればそういう議論もありますけれども、今、監査委員の立場では毎年度の収益改善をして、92億円というのを意識しながら改善に努めていただくということで、具体に各病院には取組を進めていただくようにお願いをしております。
○奥野委員 92億円はこのままずっと推移していくというのか、何らかの形でどこかで何かをせないかんというような考え方というのはないんでしょうか。
○山口代表監査委員 現時点では92億円、大きい額に膨れ上がっていますけれども、この処理はもう少し全体の議論の中で整理をさせていただくことかなと思っていますので、意見としてはこういう形で述べさせていただいております。
○奥野委員 どこかで何かをしなきゃいかんということは確かだと思うんですけれども、その辺もまた監査委員に、そういう機会があったら、監査委員としての将来の三重県病院事業庁のそういう部分の前向きな形をつくっていただけないと、監査委員がこうやって報告しとるだけでは意味がありませんので、しっかり方向性も示してあげていただければありがたいと思います。
○山口代表監査委員 留意していきたいと思います。
○津村委員長 ほかにいかがですか。
○山本(里)委員 所管の分科会委員なんですが、院長が分科会に出られるというのであればその場所にしたいと思いますけれども、そうでなければお伺いしたいと思うことがありますが、いかがでしょうか。
○長谷川庁長 分科会のほうに両病院長の出席は予定してございません。
○津村委員長 じゃ、できるだけ簡潔にお願いいたします。
○山本(里)委員 例年そうですので、そのような形で1つ質問させていただきます。
マネジメントシートを出していただきまして、本当に御苦労をされながら運営されている中で、明るいところも見えてきているということがよくわかります。大変だと思います。
マネジメントシートそれぞれの最後のところで、職員アンケート、つまり風通しの良い職場づくりというところで、職員アンケートの満足度ということで、利用者の満足度も少しずつ上がってきているという中で、職場が大変だということは全国的に言われている中で、次年度に向けての目標値の設定もされていますけれども、これは多分、平成28年度にアンケートをされたときの数値とか以前の数値をもとにして新しい次年度の指標は68.0%であるとか、それから65.0%であるとかが出ているんだと思います。本来ならば、目標は100%だけれども、それは現実の中でということだと思います。これは決算ですので、平成29年度、このデータはないんですけれども、昨今の運営上のことで、医師の方、それからナースの方、それ以外の職員の方の働き方の問題でいろいろつかんでみえる部分はあると思いますので、総括として29年度に働いてみえる方の風通しのよいという指標ではありますけれども、現状、問題だと思っていらっしゃるところをちょっと紹介していただければというか、思ってみえることを働き方の問題として、ワーク・ライフ・マネジメントの観点で今、つかんでみえるところというか、働き方の総括をしていただければと思います、院長先生。
○森川院長 御質問ありがとうございます。
ワーク・ライフ・バランスは、非常に大切なところで、マネジメントをどうしていくかというところだと思いますけれども、当院は7つ病棟がありまして、各病棟の、例えば看護師の勤務というのは内容がやっぱり違ってくるんです。急性期の病棟、あるいは慢性病棟、アルコール病棟、認知症病棟、それぞれ役割が違う、その中で人数配置が違うということがあって、これは看護部長が日ごろから一番考えていただいていることなんですが、有給休暇取得の数が公平かどうかというところがすごく数字としては大切かなというふうには考えておりまして、その部分については、非常に苦労していただきながら、何とか皆さんが忙しい業務の中でもとれるようにというようなことを考えております。
それと、業務がどう考えても現在の決められた人員の中ではきついと思われている病棟につきましては、ほかの病棟から支援に行くというようなシステムを使って、やはりその病棟の方々が燃え尽きないように病院全体として考えていく、どうしても病棟が違うと、離れているせいもあって、違う病院のような感じになるんですけれども、そういう部分は職員全体で自分たちの勤務を考えて、その上で、質を落とさずにそれぞれの職員が自分のキャリアを形成していける、そこはモチベーションにつながると思うんで、そういう部分にも働きかけてやっていきたいなとは考えておりますが、実際のところ、まだまだ厳しいところはあると思いますが、以上でございます。
○四方院長 個人的にはですけれども、満足度をアンケートではかるというのは、いかがなものかなというふうに考えています。しかし、ずっとやってきたことですのでやるんですけれども。といいますのは、直前の状況とかそのときの状態によって、満足度というのは非常に大きく左右されますし。やっぱり天気が悪かったら満足度は低いということもありますので、患者の満足度もそうですし、職員の満足度そのものを数字で3%下がったからどうというふうには考えていません。
ただ、個人的には、職員の幸せというかそういうものは非常に重要と考えています。一番大きいのはこのビジョンとして掲げています「安心してこの地域で生活し続けられる医療を提供し、全国の医療過疎を解決するモデルになります」というのもトップダウンでつくったわけではなくて、まず、トップではない職員が夢プロジェクトというチームをつくって、職員の中からこのビジョンをつくって6つの戦略を立てて、それぞれ3つずつの目標値を設定しているんですけれども、トップダウンでそれをするのではなくて、職員自身の自発的な意思に基づいて戦略と目標値を設定すると。そういったこととか、あるいは学生教育に携わっているとか学会で発表すると。そういったことによって、過去のいろいろな公立病院改革をめぐるちょっと暗い陰の部分からプライドを回復し、モチベーションをアップさせるということにつながっているのではないかなというふうに考えています。
以上です。
○山本(里)委員 いいお話を聞かせていただいてありがとうございました。
数値というのは、数値目標を持ってしなくてはいけないという今の流れの中でこのような設定があって、このアンケートについても、今言われたように、たかがアンケート、されどアンケートとほかのことでも言われますけれども、そんな中で、実態として平成29年度、いろいろ言われている中で2つの病院で職場全体として、あるいは院長先生が引っ張りながら取り組んでいただいているということはよくわかりました。本当に大変な状況の中で、職員の皆さんの、例えば働き方の質というのが、働き方の状況によってつくられるし、それが患者のところに直接行くというのもさっき言われたとおりだと思いますので、本当にワーク・ライフ・マネジメントということの視点でまた御苦労もしていただかなあかんと思いますが、ますます頑張っていただきたいと思います。
○津村委員長 ほかにいかがですか。
○田中(智)委員 答弁は簡潔になるような質問、質疑だけさせていただきたい。
志摩病院に係る部分なんですけれども、指定管理者制度が平成24年度から始まって6年が経過をし、7年目というふうに認識をしているんですけれども、10年の指定管理期間ですので折り返し点を過ぎたという中で、基本協定に基づいて運営していただく中でいろんな点で機能回復が図られた部分もあるというふうに理解はしています。
ただ、あくまでも内科系だけの24時間365日であったりとか、経営上のことからいけば、地域包括ケア病棟に移行して収益の改善を図ったりとか。ただ、それって、地域包括ケア病棟ということは、一定の急性期を過ぎての部分でありますから、もともと基本協定上は地域の中核病院をお願いしたいという指定管理の内容だったと思うんです。そのことからすると、少しずつ機能は回復しているものの、まだまだ基本協定どおりにはなっていないという現状の中で折り返し点を迎えて、環境を見ていくと、人口減少は当然ありますと。お隣の伊勢市の市立病院が新たに整備をされるということとか、様々な環境変化もある中で、あと数年すると、この10年を経過した後どうするかということの内部検討を始めるタイミングになってくると思うんです。そのときに、どこが主体的に検討していくのかについて聞きたいんです。
○長谷川庁長 10年たつと平成24年度から平成33年度までの現在の協定が切れるので、その次の協定を見据えてどこがやるのかなとのお尋ねをいただいたと私は理解をいたしておりますが、協定書をつくる、現行の協定を企画、協議いたしましたのは病院事業庁でしてございますので、一義的には病院事業庁が事務をつかさどるものと思いますが、病院の今後の行く末、姿をどのようにするかというのは、医療保健部のところと密接な連携が必要になると思います。事務的には、前回の実例でいきますと、病院事業庁が事務の主体は担うものと思いますけれども、医療保健部と密接に連携していく必要があると考えております。
○田中(智)委員 この問題というのは、エージェンシーとして、病院事業庁として先ほどいみじくもおっしゃった、病院を運営してくれと言われたから私たちは粛々としっかりとやっていくんだということにつながっていく、そういうことからどこが主体的に地域医療のニーズを把握をしたり、これまでの指定管理における病院運営の総括をしたり、その総括はエージェンシーかもわかんないですけれども、後のことをどう考えていくかということについては、ほりつけ合いみたいなところが若干出てきかねないので、そのあたりは現在、指定管理者制度を所管する病院事業庁として、医療保健部に対して言うべくはしっかりと物を言っていただきながら、来たるべき議論のときには責任感を持った三重県としての議論ができるように取り組んでいただきたいということを要望して終わります。
○津村委員長 ほかにございませんか。
〔「はい」の声あり〕
○津村委員長 なければ、これで病院事業庁関係の説明及びこれに対する質疑を終了いたします。
○長谷川庁長 1点、資料に誤植がございまして、訂正をさせていただきたく存じます。よろしいですか。
○津村委員長 どうぞ。
○長谷川庁長 恐れ入ります、病院事業庁長補充説明資料の2ページをごらんください。
補充説明資料2ページのこころの医療センターの収益的収支の表の中の下から4行目の右端です。イの経常費用DプラスEの右端のところで三角の0.8とございますが、これは三角なしの0.8が正しい数値でございます。誤植をいたしておりました。まことに申しわけございません。おわびして訂正をさせていただきたいと存じます。
○津村委員長 それでは、執行部入れかえのため、着席のまま暫時休憩いたします。
〔当局 退室〕
(休 憩)
(2)認定第1号「平成29年度三重県水道事業決算」
(3)認定第2号「平成29年度三重県工業用水道事業決算」
(4)認定第3号「平成29年度三重県電気事業決算」
ア 当局から資料に基づき補充説明(山神企業庁長)
イ 決算審査概要説明(山口代表監査委員)
ウ 質疑
○津村委員長 それでは、質疑に入りますが、冒頭にお願いしたように説明のあった決算に関する総括的な質疑をお願いしたいと思います。
今、お昼13分前ですから、御質疑がある方、何名ほどいらっしゃいますか。
〔「なし」の声あり〕
○津村委員長 2名ということですので、このまま継続して行いたいと思いますのでよろしくお願いします。
○三谷委員 RDFの搬入が来年の9月に終了するわけですけれども、ポストRDF焼却・発電事業について、県としては一定の支援をしていくんだという知事からの表明はありましたが、この支援は企業庁がやるんですか、それとも一般会計でやるんですか。
○山神庁長 支援につきましては、一般会計のほうで担当いただくものと認識しております。
○三谷委員 それは、企業庁長が認識しているということではなくて、中で合意されているというふうに理解してよろしいんですね。
○山神庁長 そのように受けとめております。補足いたしますと、環境行政の所管でございますので、環境生活部担当というふうに考えております。
○三谷委員 何か最後のところの歯切れがもう一つよくないような感じがしていまして、できればほっつけ合いのないように、よく内部で御調整をお願いしたいと思いますがよろしいでしょうか。
○山神庁長 そのようなことはございませんので、御心配なく。
○三谷委員 それと、RDFの赤字分というか、これは最後はどう処理されるんですか。
○山神庁長 最終的には、清算の段階で整理する必要があると考えております。
○三谷委員 いや、それを聞いているんですが。どういうふうに処理しますの、最後のを。
○山神庁長 現在、まだ電気事業のほうでは内部留保資金がございますので、これからまずは来年度9月を軸にということで御決議いただきましたので、9月までの三重ごみ固形燃料発電所の安全・安定運転に努めまして、あわせまして関係機関、関係部局と十分協議、調整を行いながら、その次の施設の撤去等に取り組んでいく必要があると考えております。その上で、清算という段階になれば、現在あります内部留保資金の中で対応していく必要があろうかと考えております。
○三谷委員 後でまた教えてもらいます。結構です。
○山本(里)委員 三谷委員からもRDFが終結をしていくに当たって、スムーズにというかきちんと最後の始末をせなあかんということで今のお話があったと思います。今回、平成31年度の9月に終わるに当たっての新しいシステムをつくるところに関しての援助の仕方という話が出ておりました。一般会計からということの話なんだそうですが、もちろんそういうこともきちんとされなくてはいけないと思っています。要望も各所から出ていると思います。けれども、この歴史を見たときに、以前抜けたところで松阪市とか鳥羽市とかありましたけれども、松阪市に関して見れば、そのときに5億円というお金が契約の途中解約ということの中で、そのように収拾させたわけですけれども、そのことも含めて、やっぱりこれは市民感情的に問題になってくるんじゃないかなということを思っておりますけれども、そういうことまで広く考えているということはありますか、ありませんよね。
○山神庁長 事業主体として、企業庁として関係機関、関係市町と十分調整をさせていただいて、御指摘いただきましたように円滑な終了に向けて努力してまいりたいと考えております。今回の終了につきましても、関係市町の決議という形で決めていただいたことというふうに受けとめておりますが、私どもは事業実施主体として、最後まで責任を持って安全・安定運転に努めて、皆様に御納得いただける形で終了に向けて努力をしていくというのが我々の責務というふうに考えております。
○山本(里)委員 ありがとうございます。
そのときまではきちんと運転をしていただかなあかんし、今言われている円滑な終結に当たってのことをしていただかなあかん、そのこと1点に集中されていくと思いますけれども、歴史的な中で、そのときそのときでちゃんとされてきたとは思いますけれども、わだかまりもあると思いますので、そのことも含めてまた後日ということで終わります。
○津村委員長 ありがとうございます。
それでは、これで企業庁関係の説明及びこれに対する質疑を終了いたします。
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
予算決算常任委員長 津村 衛