平成29年7月28日 障がい者差別解消条例策定調査特別委員会 会議録
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障がい者差別解消条例策定調査特別委員会
会議録
(開会中)
開催年月日 平成29年7月28日(金曜日) 午後1時1分~午後2時11分
会 議 室 601 特別委員会室
出席委員 12名
委 員 長 杉本 熊野
副委員長 小林 正人
委 員 芳野 正英
委 員 中瀬古 初美
委 員 岡野 恵美
委 員 倉本 崇弘
委 員 木津 直樹
委 員 山内 道明
委 員 藤田 宜三
委 員 津田 健児
委 員 三谷 哲央
委 員 中森 博文
欠席委員 1名
委 員 田中 智也
出席説明員 出席を求めず
事務局職員
企画法務課政策法務監兼班長 長﨑 禎和
委員会書記
議 事 課 主幹 黒川 恭子
企画法務課 主任 樋口 慎也
傍聴議員 なし
県政記者 1名
傍 聴 者 5名
議題及び協議事項
Ⅰ 調査事項
1 障がい者差別の解消に関する他の道府県の条例及び取組状況等について
2 その他
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
Ⅰ 調査事項
1 障がい者差別の解消に関する他の道府県の条例及び取組状況等について
①事務局から資料に基づき説明(長﨑法務監)
②質問
○杉本委員長 それでは、ただいまの事務局からの説明に対しまして御質問等がありましたらお願いいたします。
○岡野委員 障害者基本法についての認識の問題なんですけれども、権利条約との関係で障害者基本法に対する規定の施策が充分であるかどうか、国際的な基準に照らして、障害者基本法そのものがまだまだちょっと足らない部分があるんじゃないかなというふうな認識もあると思うんですけれども、その点についての解明はいかがでしょうか。
○長﨑法務監 基本的には障害者基本法で障害者権利条約の趣旨を踏まえて改正されたというふうに国会答弁等でもございますので、一応基本的には反映されたものというふうに考えております。
○岡野委員 私たちは、国会での論議もいろいろあるわけですけれども、その中でも合理的配慮を行わないことは差別であるというふうな規定というのがしっかりと盛り込まれていなかったんじゃないかというふうに認識しておりまして、平等な社会参加のために必要な支援を権利として保障するというふうに規定しているんですけれども、そこら辺での合理的配慮を伴わないことについても差別的であるというふうな認識の中、全体的としてはそうなんだろうと思いますけれども、個々の事案に対しては問題点がはらんでいるんじゃないかなと考えて、国際条約との関係で少し劣っているんじゃないかというふうに考えているんです。
ですから、あくまでも日本の法律の中でやっていることなんでしょうけれども、まだ足らない部分もあるんじゃないかなというふうに考えています。それが1つです。 それから、もう一つよろしいですか。
○杉本委員長 はい。
○岡野委員 あと、津久井やまゆり園の問題なんですけれども、ここ1年以内に起こった最も悲惨な状況で、いまだに自分の名前を出すことができないというか、御家族でも障がい者の人たちの名前を出すことができないというようないろんな難しい状況の中で、非常にむごたらしい犯罪が起こったにもかかわらず、一人の人間として殺されているにもかかわらず、名前を世間に出すことができないといういろんな問題があると思うんです。そこら辺の経過とか、それからこの津久井やまゆり園のもたらす問題点などについて非常に深い分析も必要ですし、経過を今たどっている問題なので、すぐに即答はできないかもわからないんですけれども、お考えの中にあったのかどうかというのを少し聞きたいと思います。
分析してもらっているのでしょうかというふうなことです。いろいろ調べてもらっていますけれども、津久井やまゆり園の問題についてどうでしょうか。
○杉本委員長 今回は他の道府県の障がい者差別の解消等に関する条例について整理をして、今日皆さんに提案していただくという場でしたので、そこのところはこちらから提出するようには言っておりませんけれども、何かありましたら。
○長﨑法務監 これから三重県として条例を考えていく上では、その事件については非常に考えていく必要があるというふうには考えております。委員の中で御議論いただきましていろいろこれから課題も見えてくることと思いますし、そういった意味では全く考えない状況にはないのかなというふうには考えております。
○岡野委員 ありがとうございます。
ぜひこの問題についても盛り込んで考えていっていただきたい、この委員会で。希望します。
○杉本委員長 また岡野委員、この点についてというようなことで検討の中で考えを示していただければと思います。
○岡野委員 ありがとうございます。
○杉本委員長 ほかにいかがでしょうか。
○山内委員 資料1の5ページの条例の検討の経緯というところで、経緯となった事柄が4つに分類されているんですけれども、特に様々な障がい者関係団体等からの要望というところがありますが、その要望というのは条例をつくってくださいという要望だというふうに思いますけれども、具体的な事柄とかが提示をされて要望等が他県ではあったのでしょうか。また、三重県でもそういった現状はいかがでしょうか。教えていただければと思います。
○長﨑法務監 例えば山形県の例を参考に御紹介をいたしますと、法律の制定をきっかけに差別解消に向けた県独自の取組を行ってほしいという障がい福祉関係団体からのご要望がありまして、一方で、山形県の県内におきまして障がいに対する理解不足、偏見、あるいはグループホームが周辺住民の理解が得られずに開設を見送ったというような事例も生じていたということで、これは知事の指示によって県民みんなで差別解消に取り組むということで条例制定を検討することとなったというようなことで、山形県の場合は条例をつくってほしいというわけではないんですが、そういう独自の取組を行ってほしいという中で条例をつくって取り組まれたというふうに思っております。
以上でございます。
○山内委員 これからまた三重県、この委員会におきましても各団体とかいろんな御要望とか期待とかを伺うかと思いますけれども、そういったこともいろいろとお聞きしている状況ということでよろしかったでしょうか。
○長﨑法務監 今後はこの委員会の中で関係の団体とか、いろいろ御意見を伺う機会もあるかと思いますので、そういった声を聞きながら、この委員会の中で御検討していただければというふうに思っております。
以上でございます。
○杉本委員長 今回この資料は事務局のほうが制定している道府県の条例を全部調査をし、そしてアンケート調査というか、経緯についても調査をして、それを分析してまとめ上げたものですので、非常に詳しい調査結果となっておりますし、とてもわかりやすい内容だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○芳野委員 非常にうまくといいますか、網羅的にまとめていただいてありがとうございます。
それで、前回お聞きしようと思っていたのが三重県も障がい者共生社会づくりプランをつくっていて、これは障害者基本法の部分の障害者計画と、あと障害福祉計画の統合というふうになっているんですけれども、それとこの今後つくっていく条例との関係性みたいなのをお聞かせいただきたいのと、多分障がい者関連の条例をつくっている各都道府県もこれは法律に基づいたやつなので、全部の県がこれに似たような形の障害者計画をつくっていると思うんですけれども、どういうふうにリンクをさせているかお聞かせください。
○長﨑法務監 まず、三重障がい者共生社会づくりプラン、これは法律に基づく計画でございます。それから、今回各道府県は条例で差別解消の条例をつくっているということで、その関係性につきましては具体的に調査はしておりませんので、ちょっと不明な点はございます。三重県として条例をこれから検討していく、つくるというのであれば、そのあたりの関係を整理しながらつくっていくという形にはなるかと思います。
○芳野委員 確かにまた県外調査も行くので、他県でもちょっと確認していかなあかんなと思っていて、要はこの障がい者共生社会づくりプランも非常に網羅的に施策は書いてもらっているんですけれども、あくまで計画なので、ここに盛られていることは条例化しておいて揺るぎないものにしておくというのが一つのポイントなのかなと思って、今後他県へ行っていろいろ条例を調べるときとかもその視点は結構大事かなというのを自分の中でも思っていたので、つぶやきがてら皆さんにもちょっと提案をしているというところが一つです。
あと、もう一個あったのにちょっと忘れたので、後でまた手を挙げます。
○杉本委員長 ほかにいかがでしょうか。
○津田委員 どこの道府県も相談体制の整備というところが規定されていると思うんですけれども、相談体制というのは、これは県、市の相談所に対する支援ということでよろしいんですね。
○長﨑法務監 この相談体制というのは基本的には例えば国、県、市町それぞれいろんなところに相談窓口というのを設置されておりますので、相談体制というのは各県なり市町村、国のところの相談体制、条例ですと県の相談体制という形になるんですけれども、そういった既存の相談窓口も含めながら、あるいは新たに、県庁ですと健康福祉部の中の部局とかそういったところに相談窓口を設置しながら対応していくと。あるいは、今まで足りなかった部分を機能として追加して整備していくというところになっているかと思います。
○津田委員 そうすると、NPOだとか民間だとか、勉強不足でわからないんですけれども、そういうところの相談窓口というのは想定していない、あくまでも市とか町とか県ということですか。
○長﨑法務監 例えば相談窓口としてNPOの団体の方々に委嘱するといったところの部分もあります。調査では出ているんですけれども、それが大多数かどうかは別にして、あるいは専門職員を置くとかそういった体制の整備というのも聞いております。
○津田委員 たまたま最近障がい者団体との自民党でやっている意見交換会、要望会の中で、障がい者の方々がこういうことを言っておられたんですけれども、相談体制を充実してほしいということなんだけれども、どういうことですかと言うと、何というか市とか県にある相談室に声を持っていく時点で、例えば労働者であれば会社とある意味対決姿勢になってしまうと。本当はその前の何か相談体制みたいなものがあればいいんだけれどもというところでとまってしまったんですが、だからといってこうしたほうがいいという意見だとか考えは持ち合わせていないんですけれども。
○長﨑法務監 なかなか御相談しにくい現状があるというお話だったと思うんですけれども、今後三重県の現状も踏まえて、今の相談のあり方がこれでいいのかというお話も、もしかしたら出るかもしれませんし、そういった中でどういう相談体制がいいのかというのを御議論していただきまして、いい方向に条例化をするかどうかは別にして、そういった状況に今後議論をしていっていただければいいのかなというふうに考えております。
○津田委員 ありがとうございます。
○杉本委員長 名古屋市でしたか、外部に相談センターを委託していると思います。そういうところもあろうかと思います。
ほかにいかがでしょうか。
○芳野委員 思い出したので、すみません。
ほかの条例、例えば三重県の中においての防災対策推進条例なんかで要援護者の規定がありますけれども、ここにも書いてあるけれども、今回もし策定しようかという中で、既に別の条例で規定されているところを重複してといいますか、別の観点になるので、規定としてまた設けることは可能だとは思うんですが、時代が経て、少しそれが広がりを持っている場合なんかもあると思うんですけれども、そういうふうな形に規定しても大丈夫なんですか。
○長﨑法務監 既存の条例との調整は必要でございますが、それをどういうふうに規定するかというのは技術的な条例の制定の仕方もございますので、それは今後具体的になったときに検討していくべき課題かなというふうに考えております。ですので、既にあるからといって規定できないというわけでは基本的にはないと思います。
○杉本委員長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
今後、県外調査で今日例に挙げてもらいましたところにもまいりますので、また引き続き深めていきたいと思います。
ほかになければ、障がい者差別の解消等に関する他の道府県の条例及び取組状況等の調査を終了いたします。
2 委員間討議
○杉本委員長 次に、委員間討議を行います。
前回の委員会で、中森委員から御提案のありました本委員会での条例の方向性についての議論を行う時期等について御協議を願います。
先ほどの調査でお示ししましたように、障がい者差別の解消に関する条例の構成や中身はそれぞれの自治体によって異なっています。こうした違いはそれぞれの自治体における現状などを踏まえたことによるものと考えられます。このようなことから、三重県としてどのような方向性の条例を目指していくのかを検討するに当たっては、県内の現状などを把握した上で議論をしていく必要があります。
本委員会では、今後8月から11月ごろにかけて参考人招致や県外調査、県内調査等を実施する予定であり、これらの調査により現行法の課題把握や当事者、関係団体の声などの聞き取りを行った上で条例の方向性の議論を本格的に実施してはどうかと考えております。その時期につきましては、6月の委員会で御協議いただき作成しました年間活動計画では11月、12月を予定しており、調査のスケジュールを考慮すると、11月ごろが方向性の議論を開始する時期として適切ではないかと考えています。
つきましては、当面は11月ごろに本格的な議論を開始することとしつつ、各委員の御意見については随時委員間討議で伺っていくことにしたいと考えていますが、いかがでしょうか。御意見がありましたらお願いいたします。
よろしいでしょうか。
〔「はい」の声あり〕
○杉本委員長 それでは、そのようにいたします。
次に、次回の委員会ですが、参考人招致について御協議いただくため開催したいと存じますが、よろしいでしょうか。
〔「はい」の声あり〕
○杉本委員長 日程等の詳細はこの後の委員協議で御協議いただきたいと存じますので、御了承お願いいたします。
3 その他
○杉本委員長 御協議いただく事項は以上でございますが、本日の調査内容などを踏まえ、特に何か意見がございましたらお願いいたします。
○中森委員 いろいろとありがとうございます。
こうやっていろんなことを調べて他の状況を知るというのは非常に大事ですし、また県内、県外調査をしながら、ただ、それぞれの委員のお持ちの課題というのはもしかしたら種類の違うものがあったり、特に関心の高い課題であったり、そんな課題あったんかというような後から発見したり、気がついたりすることもあろうかと思うんです。それで、今私全てわあと出るわけでもないんですけれども、それぞれが機会があったり、地域で活動されたり、団体と接したりということがそれぞれの委員で接点が違いますので、それはいいんですけれども、一定の時期に、どういう時期がいいかわかりませんけれども、例えば正副委員長で簡単なアンケートみたいな、調査票みたいなのをつくっていただいて、中森委員ですと、ふだんこんなことが気になっているとか、こういうところについてはよく聞くよとかいうような課題を少し、私は私なりにありますけれども、それぞれの委員が持たれていると思うんです。それは条例ですぐに解決できるかどうかは別として、何らかの形で、そんなことあったんかなということとか、施設へ皆様方行ったりしながら、高齢化が進んだり、障がいの種類に応じて20歳でもまだ18歳以下のところと一緒になっているとかたくさんあるんです、その実態が。
それはやはり社会参加をしていただくについても地域で、えっ、まだ理解を得られない、グループホームに反対する地域もあるのみたいな驚きとかあるんですわ。そういうのを少し率直な調査をしていただいて、もし幾らかでも条例で解決できるのがあればありがたいなと思ったり、そういう認識も他の委員の情報もちょっと勉強させていただく機会があって、条例をつくることも大事ですけれども、我々委員、議員としてそういう情報を知り得て、いろんな機会を通じて議会の一般質問であったりそういうところでまた他の委員、議員にも知ってもらったり、行政、県やそういう人にまた一般質問でもそういうのを知っていただいたらどうかなということが我々この委員会のプラスアルファがあるんではないかなと思ったりしますので、御提案いたします。
○杉本委員長 ただいま中森委員のほうから現状の各委員の課題意識を一回出し合って、整理をして、情報共有をしていくことが大事なのではないかという御意見、御提案がありましたけれども、うなずいてみえる方が多いのですが、いかがでしょうか。
〔「いいと思います」の声あり〕
○中森委員 そんな難しいことではないです。小さなことでもいいんじゃないですか。
○杉本委員長 またどんなふうにするかというところを正副委員長のほうで。
○中森委員 どうぞお願いします。
〔「やり方、時期については正副に」の声あり〕
○杉本委員長 よろしいですか。
○中森委員 正副委員長で機会をつくってください。
○杉本委員長 では、そのこと御提案ありましたので。
ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
〔「はい」の声あり〕
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
障がい者差別解消条例策定調査特別委員長 杉本 熊野