三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成28年度 委員会会議録 > 平成28年10月7日 環境生活農林水産常任委員会 予算決算常任委員会環境生活農林水産分科会 会議録
環境生活農林水産常任委員会
予算決算常任委員会環境生活農林水産分科会
会 議 録
(開 会 中)
開催年月日 平成28年10月7日(金) 自 午前10時1分~至 午後1時37分
会 議 室 201委員会室
出 席 委 員 8名
委 員 長 彦坂 公之
副委員長 中村 欣一郎
委 員 山本 里香
委 員 倉本 崇弘
委 員 田中 祐治
委 員 後藤 健一
委 員 前田 剛志
委 員 山本 教和
欠 席 委 員 なし
出席説明員
[農林水産部]
部 長 吉仲 繁樹
副部長 前田 茂樹
次長(農産振興担当) 森内 和夫
次長(農業基盤整備・獣害担当) 平野 繁
次長(森林・林業担当) 吉川 敏彦
次長(水産振興担当) 藤吉 利彦
参事 北野 信久
農林水産総務課長 辻 修一
農林水産財務課長 濵地 宣広
フードイノベーション課長 仲 越哉
団体検査課長 奥村 一也
担い手支援課長 山川 豊
農産物安全課長 竹田 久夫
農産園芸課長 前橋 善浩
畜産課長 斉藤 肇
農業基盤整備課長 辻森 芳宜
農山漁村づくり課長 杉井 孝充
農地調整課長 郡山 武司
獣害対策課長 宇田 孝彦
森林・林業経営課長 前田 芳宏
治山林道課長 松田 清伸
みどり共生推進課長 朝倉 嗣雄
水産資源課長 永濵 享
水産経営課長 石井 潤
水産基盤整備課長 河内 克己
人権・危機管理監 近藤 和也
農林水産政策推進監 近田 恭一
家畜防疫対策監 佐藤 伸司
その他関係職員
[健康福祉部]
食品安全課長 中 正純
[雇用経済部]
観光政策課長 加納 明生
委員会書記
議 事 課 班 長 中村 晃康
企画法務課 主 任 今井 宗直
傍 聴 議 員 なし
県 政 記 者 4名
傍 聴 者 なし
議題及び協議事項
Ⅰ 分科会(農林水産部関係)
1 所管事項の調査
(1)「三重県における補助金等の基本的な在り方等に関する条例」に基づく報告
Ⅱ 常任委員会(農林水産部関係)
1 議案の審査
(1)議案第118号「三重県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例案」
1 所管事項の調査
(1)「『平成28年版成果レポート』に基づく今後の『県政運営』等に係る意見」への回答について(関係分)
(2)指定管理者が行う公の施設の管理状況報告について
(3)「食の安全・安心の確保に関して実施した施策に関する年次報告書」について
(4)「三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する基本計画」に基づき平成27年度に実施した施策の実施状況報告について
(5)平成27年度鳥獣被害の状況について
(6)三重の森林づくり実施状況(平成27年度版)について
(7)みえ森と緑の県民税について
(8)伊勢志摩国立公園のナショナルパーク化に向けて
(9)三重県漁業信用基金協会等の全国合併について
(10)次期漁港漁場整備長期計画(案)について
(11)各種審議会等の審議状況の報告について
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
Ⅰ 分科会(農林水産部関係)
1 所管事項の調査
(1)「三重県における補助金等の基本的な在り方等に関する条例」に基づく報告
①当局から資料に基づき補充説明(前田副部長)
②質問
○彦坂委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いいたします。
○山本(里)委員 おはようございます。よろしくお願いします。
49ページからになります、補助金等の見直し状況というところで2件、私も知識不足ですので、廃止のことについて確認をさせて、教えていただきたいと思います。
1つ目は、番号2の食育推進支援事業費補助金ということで、これは国が食育について大きく支援をしていたというこれまでの実態があるわけですが、これがなくなったために廃止をするわけで、ただ、これを廃止しても食育ということは大事なことであるということは今までもお話をいただいているわけなんですけれども、今までの具体的な国のお金を使ってやっていた事業をどういうふうに継続を、どういうところでしていくのか、あるいは広げていくのかということを教えていただきたいことと、それから51ページの22番、漁港海岸保全事業費補助金ですが、これも長寿命化計画策定業務に係る割合が増ということで、そちらのほうで見てもらうようになった、ちょっと私の読み取り方が間違っていたらごめんなさい、ということで、これではないところでお金をつくることになったということだと思うんですけれども、三重県というのは沿岸線が大変長い、全国でも3番目かな、その中でも漁港も幾つも古いものからありますけれども、そういうことにおいてこの全体計画、今までこの保全事業は補助金でどのくらいのことが思いづもりの中で進み、まだまだしなくちゃいけないことがあると思うんですけど、それをどのようにこの長寿命化計画の中に盛り込んでいくのかというのを、言い出したら長いと思いますが、簡単に教えていただきたいと思います。
○仲課長 私のほうから、食育推進支援事業補助金についてお答えいたします。
この補助金は、国の消費・安全対策交付金という様々なメニューがある交付金があるんですが、それを使って主に農業団体や水産団体が、農業体験や漁業体験などを行う際の、教育ファームと言っているんですが、そういうふうなところに補助をさせてもらっていた事業でございます。消費・安全対策交付金の中から食育のメニューがなくなったということで、廃止をさせてもらっています。
平成28年度につきましては、各団体とも、今までやってきたノウハウもありますし、特に補助金もなく、継続して事業はやっていただいておるというのが現状でございます。
そして、国は平成29年度の概算要求の中で、また新たに食育推進の補助金を創設するような動きがあります。かなりいろんなメニューが活用できる、これまで以上に拡充されてきておりますので、現在そういうふうな事業調査も実施しながら、県の予算要求に反映していきたいというふうに考えているところでございます。
以上です。
○藤吉次長 51ページ、22番の漁港海岸保全事業費補助金の廃止について御説明させていただきます。
漁港海岸保全事業につきましては、まず、漁港海岸ですけども2種類ございまして、県営漁港海岸というものと、それから市町が管理する漁港海岸の2種類があります。今まで県営の漁港海岸保全事業につきましては国の補助金と、それから県の持ち出しというか、県の事業を活用して進めてまいりました。そして、あと市町の漁港海岸保全事業につきましては、国、県の補助金、そしてもちろん管理者である市町の持ち出しという形で行ってまいりました。しかし、漁港海岸は非常に老朽化した部分が多く、長寿命化が必要だということで、非常に事業が増えてきた中で、県としての補助金を見ていくと、なかなか市町への漁港海岸の保全が進まない部分もございまして、昨年度、県と市町の 役割分担というのを見直そうということになりました。その中で県としましては県営の漁港海岸保全事業にしっかり力を入れて長寿命化を進めていく、そのかわり市町への部分につきましては県の補助金をなくすような形で、市町として長寿命化をしっかりやっていただくという、そんな形の考えになりました。
役割分担の中では、漁港の位置づけも少し見直しまして、非常に複数の市町から船が入港してくるような漁港も、今まで市営であるとか町管理という部分がございましたけれども、そのあたりは今後、県管理の部分に移行していく。一方、県が管理していた漁港についても、もう地元しか使っていないような漁港もございましたので、それについては市町の管理ということで、役割分担の中でこの補助金制度の廃止という形にさせていただいたということでございます。
以上でございます。
○山本(里)委員 ありがとうございました。
食育推進については形を変えた、今の説明だとメニューがもっと増えるようなものとして、国は国で用意がされるだろうから、それにまたいろいろ乗っかっていきたいということで、ただ、今この事業で、これまで体験農業や体験漁業というのが、地域創生はそういうこととも兼ね合いがあるし、雇用経済部のところとの、地域連携部とか、そこら辺ともリンクしていると思うんですけれども、そういう中で、この補助金としては切れたけれども、今までやっていたことは、そのとっ始めはそれでできたので、それで続けていくということは、現在としてあるということですね。ただ、それは大変なことなんだろうとは思います。新しいものがまたそれに乗っかれるのかということだと思うので。あと食育ということの中で新しい補助金、新しい国の形の中で農業を営んでみえる方と、それから一体化して市民レベルで、県民レベルで食育を進めるときの、給食との連携のところを、前からも言ってますけど、やっぱりお金があればできることもあると思いますので、市町も一緒になって、そういう頭も持って新しい国の制度に乗っかっていっていただきたいなと希望します。
それから、22番の漁港ですが、漁港全般に老朽化している中で市町と十分に話し合いをされているんだと、今のお話を聞くと思いますけど、今のお答えだけで客観的に考えると、市町が自分たちだけで使っている港は、もう市町でやんなさいよと。広域的にたくさんの共用してやっているようなところは、今まで市町であっても県の管理もこれから考えますけど、市町が独自的に使っているようなところは、もう県の補助金は出しませんよという形の進め方なんだと思います。現実は市町にとっては厳しいことだと思いますので、理解を得た上で整理をされるということは大事なことだと思いますけれども、十分と市町のお話を聞いていただいて、海岸保全、津波のことやそんなことも含めて、漁港だけではなくて、海岸となるとまた別なところになりますけれども、漁港の保全も十分に進めていただきますように、大変な経済状況の中で十分話し合いをしていただきたいと思います。お願いします。ありがとうございます。
○彦坂委員長 ほかに御質問等ございませんか。
○田中委員 まず28ページなんですけれども、当初の交付決定額とこの交付実績額を比較しますと、かなり減っているんですね。1億3500万円ぐらい、31%ぐらいの減額。そしてこの29ページもそうなんですけども、交付決定額に対して交付実績額が1億4000万円ほど減っています。大体22%ぐらいですね。
それともう一つ見ますと、45ページなんですけども、これも5000万円以上減っています。大体17%ぐらい減っているんですけども。増えるということは非常にありがたいことなんですけども、交付決定額に対して交付実績額がかなり減っているんですけども、この要因というのは何なのか、まずお伺いをいたします。
○森内次長 28ページの米・麦・大豆生産総合対策事業費補助金、それから29ページの園芸特産物生産振興対策事業費補助金、この2つにつきましては、28ページは米、麦の乾燥調整施設ということで施設物、それから29ページについては果樹の選果場、これも施設物です。いずれも入札等の差金等が発生することによって、事業費の減額が生じたということになっております。
○前田課長 45ページの森林整備加速化・林業再生総合対策事業費補助金でございますが、この中では木造化を推進するための木造公共施設等の需要拡大をするため、その整備に対しての2分の1以内の補助を実施しているところでございます。これにつきましても、交付実績額では入札差金等が出ました関係で、交付決定額が減ったということになっております。
○田中委員 わかりました。入札差金ということで理解はさせていただきますけども、28ページなんですけども、30%以上なんですけど、これほど入札差金が出たわけなんですか。
○森内次長 そうですね、事業内容を縮小したとかそういうことではなく、差金等の調整の結果、こういう実績となっているということになります。
○田中委員 最低制限価格というのもあると思うんですけど、68%ぐらいで落札しているんですけど、それでよろしいんですか。
○森内次長 これは施設の建設関係になりますので、最低制限価格というのは、たしか事業主体は伊勢農協ですけれども、そちらのほうでは設定されていなかったと思います。
○田中委員 わかりました。29ページも同様な理解でよろしいんですかね。わかりました。ありがとうございました。
以上です。
○彦坂委員長 そのほか御質問はございませんか。
〔発言の声なし〕
○彦坂委員長 なければ、これで農林水産部関係の所管事項の調査を終了いたします。
2 委員間討議
(1)執行部に処理経過の報告を求める事項 なし
Ⅱ 常任委員会(農林水産部関係)
1 議案の審査
(1)議案第118号「三重県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例案」
①当局から資料に基づき補充説明(吉仲部長)
②質疑
○彦坂委員長 それでは、御質疑があればお願いいたします。
○山本(里)委員 実質的に先行しているというか、実態がある中で農地法の農地転用許可等の改正という、農地法の、かつ、今まで進められている改正についてはいろいろ思うところはあるわけなんですが、この今回出ていることについては実態先行と、それと地方が主体になっていくという考え方で、ある部分については私は評価ができることだと思うんですが、やっぱり危惧される問題点もあるわけです。今までもあったし、余計にそれが大きくなると思うんですけれども、危惧されることって、今うんうんとうなずいてみえますが、どういうことか。危惧されることはありますか。デメリットというのではないんだろうけど、心配されること。
○吉仲部長 こういった指定市町になっていただくということについては、メリット的にはスムーズに時間的なロスがなく農地転用が進められるということなんですが、場合によっては職員の、例えば能力や知識に不安があるというところもございます。そういった市町に対しては、マニュアルであったり、あるいは各地域機関に担当の職員がおりますので、しっかり相談やフォローをさせていただくという、そういった執行の面で、例えば御不安があるんであれば、しっかりフォローさせていただくこととしています。やはりこういった農地の関係については、できるだけ地元に近い、現場に近いところでやっていただくということが望ましいと考えており、適切なフォローをさせていただきたいと考えています。
以上でございます。
○山本(里)委員 ありがとうございます。
物事がスムーズに進むという部分もあるけれども、それぞれの仕事の内容について困難も増えるかもしれない、ただそれはフォローしますよというお話だと思います。
もちろんこれは市町のほうから要望も出て、こういうふうなことを要求されていて進んでいっていることもあるので、それはそれで次長、尊重せなあかんと思いますけど、先ほどの困難ということの中には手法とか技術、力量ということだけではなくて、トラブルですね、農地転用に関してのトラブルを全面に市町が受けていくということになるわけだと思うんです。近い分だけ簡単にスムーズに物事が進む、当事者に近い分だけいろいろな外圧、圧力がこの作業をするに当たって担当のところにかかってくるんではないか、そのことによって住民トラブル、なってほしくありませんけれども、そういうのが多発していくというか、より起こりやすくなるんではないかということを私は危惧するのですけれども、いかがでしょうか。
○平野次長 委員のおっしゃるようなことも、一つ懸念されることではありますが、県も、もう任せた、指定市町になっていただいたのでうちは何も知りませんということではなしに、部長がさきほど言わせていただきましたように、もちろんフォローもさせていただきます。国からの事例集などもありますし、市町で地域の特色を出していただくとともに、すごく各市町間の均衡が崩れるような、それのないようなところを相談させてもらいながらバランスにも配慮し、バックアップをちゃんとしていくということを市町の方には言わさせていただいておりますし、また、そうしていきたいと思います。
○山本(里)委員 ありがとうございます。
よく認識はしていただいていることだと思うし、市町もそういうこともありながら、やっぱり実をとりたいということもあって、こういう流れになっていると思います。
先ほどのように市町の独自性というのが出てきたときに、いいことが、このことだけじゃなくて、いろいろ違いが出て、よいことにそろっていくような物事の進め方が全体として進んでいけばいいけれども、ああ、あそこはこうや、ここはこうや、こんなことだってもっとやれるようにせえとか何かそんな形で、物事の、レベルと言ったらいけないけれども、その基準がどんどんと、あそこもそうやないか、こうやないかの、その市町間の、住民の方から突き上げを食らっての物事のレベルが下がっていくようなことになってもいけないし、そのことは重々見ていただく、援助していただくということだけど、そこのところが一番私は懸念されるし、県やったら言いにくいけど市町やったら近いで、いろんな圧力をかけやすいよというのも現実にあると思います。
だからそこのところを十分に連携して、何とか、農地転用のええ部分も、それから問題視される部分もあり、立場に立ってみればいろいろな考えがありますので、十分にトラブルが起こらないように、一緒にやっていっていただきたいと思うしか、根本的にこれは私もだめだというふうに言えないです。市町がもうそれの形でお願いもしてみえているわけですので、けれどもそこのところが一番心配をするところですので、苦しい賛成のような形に持っていくような感じになりますけれども、今のお話を聞いたので、それがきちんと実行されるようにと思います。
○平野次長 実際やはり、デメリットと言われるような、心配されることもあると思いますが、地域の一番近いところの市町の方にやっていただくというのは、一番地域のことをわかっていただいているという大きな前提の中で、自分の市をどうしていく、町をどうしていくか。一番近くの方にやってもらうというのはやっぱり一番やりやすいし実情のわかっとるところですので、デメリットについては、県も、また国のほうも一緒に協力しながら対応させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○彦坂委員長 ほかに御質疑はございませんか。
〔「なし」の声あり〕
○彦坂委員長 なければ、これで本議案に対する質疑を終了いたします。
③委員間討議
○彦坂委員長 次に委員間討議を行います。
御意見のある方はお願いいたします。
○山本(教)委員 我々議員サイドは執行部に対して何を言ってもいい、どういうような表現をしてもいいけども、昔は例えば市町村を「しまち、しまち」と言っていた職員の方もおったんですが、私は総務部長にそれは違うと、「しちょうそん」だよということを言いました。委員間討議の中で言うんですが、我々委員会のメンバーは、やっぱり「しちょう」、「そん」はないですけど、こういう言い方をしないと、行政側は「しちょう、しちょう」と言ってみえるのに、我々議員サイドのほうは「しまち、しまち」と言うのは少し違うんじゃないかなということを思って、発言をさせてもらいました。
○彦坂委員長 今、山本教和委員のほうから、「しまち」ではなくて、きちっと「しちょう」ということで発言を統一したいということでありましたので、皆さん、今後はよろしくお願いしたいというふうに思います。
ほかにございませんか。
〔「なし」の声あり〕
○彦坂委員長 ないようでしたら、これで本議案に対する委員間討議を終了いたします。
④討論 なし
⑤採決 議案第118号 挙手(全員) 可決
2 所管事項の調査
(1)「『平成28年版成果レポート』に基づく今後の『県政運営』等に係る意見」への回答について(関係分)
①当局から資料に基づき説明(吉仲部長)
②質問
○彦坂委員長 それでは、この件につきまして御意見等がありましたらお願いいたします。
○後藤委員 施策314のアサリが激減というか、とれない状況がずっと続いておりまして、干潟の再生・保全ということで委員会としても言わせていただいているわけなんですけども、今後の取組で「多様な主体」というのはどういうものを想定してみえるのかというのが1点と、それから、伊勢湾アサリ復活プロジェクト推進事業というのはどういうものなのか、ちょっと御説明をいただければと思います。
○藤吉次長 まず御質問で、多様な主体による干潟保全ということでございますけども、干潟の造成等につきましては県であるとか市町が公共事業としてやっていく部分でございますけども、海辺というのは県民の方にも楽しんでいただく部分でございますので、地方公共団体、それからあとはアサリをとる漁業者であるとか漁協、あと干潟を楽しんでいただくような市民、県民というか、自然環境保護団体も含めた、そういう方と一緒に干潟のごみ掃除であるとか、それからあとはアサリの食害生物などもありますので、その辺の除去作業などを一緒にやっていってアサリの増殖に努めたいと考えております。
それから、次に伊勢湾アサリ復活プロジェクト推進事業でございますけれども、今アサリの増殖で非常に効果を上げているのが愛知県の三河湾で、アサリの漁獲量が一時期少なくなったのが、今、V字回復という形で非常に多くなっています。このプロジェクトが伊勢湾の湾口部分にあります中山水道のしゅんせつ土を三河湾のほうの干潟造成に活用して干潟を造成したということ、それから三河湾の奥のほうに非常にアサリの稚貝が発生する干潟がございましたので、新しく造成した干潟も含めて、湾奥だけじゃなくて湾内全域の干潟、そこに移植放流して非常に増えたんではないかと、こういうふうに愛知県の水産試験場なんかの報告がございます。三重県としても同じように、隣接している湾でございますので、伊勢湾の中でまず干潟を造成する。これにつきましては、従来の土を持っていくだけじゃなくて、河川のしゅんせつ工事もありますので、しゅんせつ土も活用したような形で、なるべく費用を安く干潟を造成するような取組をしていきたい。
それとあわせて、例えば雲出川の河口部分であるとか宮川の河口に非常に稚貝が多く発生する部分もあります。これが、例えば夏前の集中豪雨であるとか台風のときの大雨で、せっかく発生した稚貝が雨の後に淡水化することによって死んでしまうということもございますので、死んでしまう前に漁業者の方が中心になって、新しく造成した干潟であるとか、なるべく淡水化の影響が発生しないようなところに移植放流していただくということで、そういう干潟の造成と漁業者の方の取組、そして先ほど言いましたようにアサリの食害生物の除去を自然環境保護団体の方と一緒にやるということが、今回の伊勢湾アサリ復活プロジェクト推進事業の概要ということでございます。
以上でございます。
○後藤委員 状況については理解をさせていただきますけども、特に行政とか実際の災害関係者等にはもちろんそういうことを気にかけてやっていただいとるんですけど、特に自然環境保護団体、市民、県民の参画といいますか、どういうふうにかかわっていくのか、その辺に対する支援というので何かちょっとお考えがあれば、ちょっと聞かせてください。
○藤吉次長 アサリ自体に、海水をろ過してきれいにするという効果がございますし、干潟も砂でろ過をするという効果を持っていますので、そういう漁業をすることが海の環境浄化に寄与するとされています。非常に水産業の多面的機能というふうに、今、水産の世界では評価されていまして、こういった水産業の多面的機能を効果的に発揮するための支援事業というのがございます。その中で例えば漁業者の方と県民の方が一緒に取り組む活動等について、活動費の支援をさせていただくような形で県としても支援させていただきますし、こういった漁業者だけじゃなくて県民の方と一緒にやっていく活動を進めていくような形で県としての応援をしていきたいと、こんなふうに考えています。
以上です。
○後藤委員 アサリがとれないというのがずっと続いておりますもんですから、特に松阪近辺等、ぜひいろんな手だてを考えていただいて、しっかり取り組んでいただくようにちょっと要望させていただきます。ありがとうございました。
○彦坂委員長 ほかに御意見等がありましたら。
○田中委員 施策153ですけども、いろいろ改善していただいて、1ヘクタールを超える浮体式太陽光パネル設置についても届け出を義務づけるように改善をしていただきまして、非常にありがたいところですけども、この1ヘクタール以下の場合かなり問題が発生しているわけでございまして、隣地との話とか知らないうちに立っていたとか、ほかにもいろんな問題が発生しとるわけですけども、災害等も含めてそこら辺はどういうふうにお考えなのか、お伺いをいたします。
○吉川次長 これまでも自然環境保全条例では改変面積が1ヘクタールを超える場合に届け出をしていたということで、改変を伴わないものについて今回、設置面積が1ヘクタールを超えるものという形で新たに付加をさせていただきました。
それ以外については、一応、条例の対象にはなっておりませんけども、森林であれば伐採届等で提出の義務が法的にありますので、設置目的等も記載していただくという中で、ある程度指導等、必要なものについては対応していきたいと考えております。
○田中委員 最近、遊休農地を利用して太陽光発電というのが結構目立っておりますし、山林においても太陽光発電が結構目立っておりまして、山林の場合は特に災害等につながるということで、地元の方も心配されているんですけども、それがなかなかとめる歯どめがないということで、知らぬ間にできているということなんで、この辺は自治会の承諾等を得るというようなことはできないわけなんですか。
○吉川次長 森林法で林地開発許可制度の対象になる1ヘクタール以上でも、周辺の同意とかは求めておりませんので、現状の法の中では厳しいかというふうに考えております。
○田中委員 今後大変な問題につながってくるというふうに思いますので、その辺も一度御協議いただいて、前向きに考えていただきますことを要望して終わります。
○彦坂委員長 ほかにございますか。
○山本(里)委員 施策153のことで関連してというか、重ねてということになるかもしれません。今1ヘクタール以下ということのお話がありました。そのことも十分に規定としてはなかなか地域の同意は盛り込めないというお話だったんですけど、1ヘクタール以上についてもそうなのだということです。ここに「希少野生動植物に配慮したものとなるよう、適切に指導してまいります」と、具体的にどういうふうなことが適切な指導なんですかということで、現状いろいろしていただいているとは思うんですが、どういうことが適切な指導でしょうか。
○吉川次長 その届け出をする中で、そういったエリアはある程度我々のほうで把握していますので、そういった部分につきましては、専門家のアドバイスをいただくようにという形で指導するとともに、必要であれば、専門家の紹介をするというような形で配慮をしていただくというような形で指導させていただいています。
○山本(里)委員 周辺の住民の方の中の農地であるとか宅地のものであると、声がある、出るわけですね、人間だと。でも、例えば動植物、鳥類、こういうところは声をそのものたちは出せませんので、それを先ほど専門家などを紹介していただいて、そこで話の中に入っていただく。結局希少生物やそういった生態系の破壊に対しての歯どめのための何か条例なりガイドラインを定めないと、なかなか指導って難しいと思うんですけど、そこら辺のところ、条例までいかなくてもガイドラインというか、そういうのってどのようにお考えですか。
○吉川次長 自然環境保全条例の中では、そういったものは今の時点では定めておりませんので、先ほど言いましたような形で、我々として、地域住民からいろんな声が届いていれば、そういったこともいろいろ事業者に伝えたりしておりますけども、現状の中では、先ほどお答えしたような形で、配慮を求めていくという形で指導しているというのが現状でございます。
○山本(里)委員 物事の基準やガイドラインをつくるというのは大変難しいことで、それぞれの所有者であるとか周辺とかいろんな方の思いがあります。でも、今のままでいくと、そこでもうとまってしまうというか、折り合いがつけられないというか、希少生物に関して、この生態系ということに関して言えば大変危惧されることが多いと思ってみえると思うんですけど、何か文章化したもの、何か実態のあるもので、お互いに配慮してくださいではなかなか難しいと思うんですね。よそでガイドラインをつくっているようなところとかが、もしあればそういうのも参考にしていただきたいと思うんですけれども、そんな方向には今のところ考えていないという認識でよろしいですね。
○吉川次長 その辺はまだ検討していないということで、我々としては、みえ生物多様性推進プランというのもございますので、そういったもので生物多様性の大切さ等を伝えながら、県民だけではなくて事業者も含めて、そういったものを御理解いただきながら適切な開発、生物多様性に配慮していただいた開発につなげていければと、そんな取組も進めていきたいというふうに考えております。
○山本(里)委員 終わりにしますが、そういった生物多様性のもあるけれども、今各地で問題が起こっているという現実なので、何かやっぱりそれを回避するための手だてを打つこともまた検討していただきたいと思います。終わります。
○彦坂委員長 ほかにございませんでしょうか。
〔「はい」の声あり〕
○彦坂委員長 なければ、「『平成28年版成果レポート』に基づく今後の『県政運営』等に係る意見」への回答について(関係分)の調査を終わります。
〔健康福祉部 入室〕
(2)指定管理者が行う公の施設の管理状況報告について
①当局から資料に基づき説明(前田副部長、森内次長、吉川次長)
②質問 なし
(3)「食の安全・安心の確保に関して実施した施策に関する年次報告書」について
(4)「三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する基本計画」に基づき平成27年度に実施した施策の実施状況報告について
①当局から資料に基づき説明(森内次長)
②質問
○彦坂委員長 それでは、今の2点について御質問等がありましたらお願いいたします。
○山本(里)委員 失礼します。よろしくお願いします。
三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する基本計画の、これが別冊2で実施状況報告書をいただいています。この中で、6ページのところに「地域の特性等を生かした農産物(ソバ、ナタネ、マコモ等)の生産促進」ということで、大きく米以外にも地域ごとの生産を深めるために努力していて、ブランド化をして、その地域で販売するようなことも出てきます。その中で、ちょっと相談を受けた中で、私もそれがどこまでどの影響があるのかということがちょっとわからなくて、いろいろ聞き調べをしているんですが、ソバを栽培しているのが広がってきて、ソバの花の時期に一種独特のにおいというか、においの害と皆さんは言われるんです、臭害というんですが、においの害があるよと。私は今までそんなの聞いたことないけどなと思って、農業研究所のOBの方なんかに聞くと、一定やっぱりあることはあるけど、今までそんな問題化はされていなかったように思うけどなと。ただ、ずっと栽培する場所が広がってきたので、民家が間にあったりすると苦しいんだわねと、花の時期だと言われるんですよ。私も行ったときに、もう花の時期が終わっていてわからなかったんだけど、その地域では、聞くと、なるほどね、それはあるよねって。それがどのレベルかというのは個人差があると思うんですが、気候が夏に暑かったりすると余計にきついし、それは植物としての、生命としての受粉を促進するためにある一種独特の香り、でもそれが香りじゃなくて、においやと言われるわけで、そんな相談とか苦情とかが問題化しているのかなと思ってお聞きしたいと思うんです。これは北勢のほうで話を聞いてきたんですけど。
○森内次長 ソバということで、確かに現場でそういった話、例えばソバを植えていると、その横を子どもさんでソバアレルギーの方なんかは、どうしても若干アレルギーが出たりするケースもあるというようなお話もいただいております。
そういったことに関しては、杉花粉と同じように、どうしても遠くへ飛散してしまうとか、そういった部分というのはなかなか防ぎようがないので、御理解をいただく必要はあるのかなと思います。アレルギー症状とかそういったものについては、ここにソバを植えるよというようなことを地域で情報共有していただくというような取組も産地では進めていただいていますが、影響を除くというのは、申しわけないですが難しいと考えています。ソバというのも大事な食料の一つですので、そういった中で、地域と折り合いをつける中でこういった取組というのは進めていきたいと思っております。
○山本(里)委員 大変微妙な問題だと思いますけれども、特に今年ということで、これは藤原のほうの話なので、そこから聞いたんですけど、今のお話では、地域での相互理解も進めるようにしているけれども、それがなかなか十分にされていなかったがためにそんな話が来たんだと思うんですけれども、これはいちげに住民の方が排他をするということもできない問題だし、一時期的な問題だし、ただ、そういうことも理解をした上でいくように指導も続けてしていただきたいと思います。解決策ってすぐにありませんので、お願いします。
○彦坂委員長 ほかの御質問等ありますでしょうか。
○倉本委員 別冊2のほうで29ページに福祉事業者の農業参入件数が37件、そして障がい者を雇用した農業経営体が13件という御報告があると思うんですけど、この中で、ベースが基本的には農業としてしっかりと事業体としてやっているところに障がい者雇用を新たにしていくという部分では、多分農業という枠組みの中で何とかやっていけていると思うんですね。ところが問題は、ベースが福祉というか、いろんな福祉の関係の補助金なんかをある程度当てにしながら展開をしていた、多分先に御報告をいただいた農業に新規参入をした37件のうちの何件かがそれに該当してくるんだろうと思うんですが、端的に言うと就労継続支援A型事業所なんかで特定求職者雇用開発助成金が切られて、それによって今現在は障がい者雇用をして農業をやってもらっているんだけれども、今後数年の間はまあまあ何とか今までの余剰というかでやっていけるという、そんな実情があるというふうに聞いているんですね。
今後、農業的な経営という意味においては、かなり弱くなってしまっている、どっちかというと福祉の分野に重きを置いてやっていた事業所というのが、なかなか今後事業として継続をしていくのが厳しくなってくるんじゃないのかなという、そんな気がしてきているんですね。それは国の施策であったりとか、県全体の施策の中で若干その方向性を変えてきているというところがあると思うんですが、転換をする部分でしっかりと移行期において何らかの支援というのが必要なのかなというふうに思うんですが、そのあたりの支援のあり方とか考え方なんかがあればお示しをいただればと思います。
○森内次長 確かにそういった、いわゆる福祉サイドからの助成措置が切れてくると、なかなか厳しいというようなお話もいただく面はございます。ただ、私どもの施策でも進めている農業でもうけましょうと、収益を上げる農業ということに事業所のほうで取り組んでいただくことで、助成金を上回るかどうかというのはちょっとわかりませんが、一定、携わっていただいた障がい者の方に賃金が支払えるような取組に、やはり育っていく必要があると考えています。初期的になかなか難しいけれども、ある程度安定してくれば、農業でも稼げるというようなステージに行っていただく必要があるのかなと考えております。
そういう中でモデル的な福祉事業所なども育成しながら、もうかる農業をやって、福祉事業所が農業参入しても、農業で収益を稼げるんだよというような姿というのをつくり上げていく、それでそれを普及していく段階に今来ているのかなと考えています。数を増やしていくというのが今までの取組の中心だったんですけれども、今後そういった方々が農業として事業を成立させていくことを支援していく。その中には当然、農産物の生産だけじゃなくて6次産業化であるとか、農業関連ビジネスなんかもあろうかと思いますので、その辺は今後いろいろ事業者とも御相談しながら取り組んでいきたいなと思っております。
○倉本委員 そうですね、まさにおっしゃったとおりだと思うんですが、私も転換が悪いと言っているわけではなくて、それはやっていかないといけないことなんだろうと思うんですね。特にA型の事業所については、基本的には採算がある程度とれるような形でしっかりとやっていかなければいけないというのが基本だと思いますので、余り補助金に依存をしているという体質はよくないと。ところが現実として、今まであった補助金を当てにして経営をやってきたというのがあると思うので、ほかの農業をしっかり、福祉の分野をまぜながらやってきたところと単独でというか、農業で事業として成り立たせていたところでは、若干経営の体質とかいろんな部分が、足りない部分があると思うんですね。そういった意味においては、一つの農業の事業をやっている事業体として見てもらうというよりは、むしろ少し脆弱なというか、ちょっと特出しをしてもらって見てもらうようなことが必要なのかなと。そうしないと、せっかく障がい者雇用をしてもらっているのに、そこが最終的につぶれてしまうようなことがあると、県全体で見たときは障がい者雇用が失われてしまうことになると思うので、そのあたりは、ここ数年が多分勝負だと思いますので、特に注意をして見てもらえればなと思います。
以上です。
○彦坂委員長 ほかに。
〔発言の声なし〕
○彦坂委員長 ないようですので、「食の安全・安心の確保に関して実施した施策に関する年次報告書」について及び「三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する基本計画」に基づき平成27年度に実施した施策の実施状況報告についての調査を終了いたします。
〔健康福祉部 退室〕
(5)平成27年度鳥獣被害の状況について
①当局から資料に基づき説明(平野次長)
②質問 なし
〔雇用経済部 入室〕
(6)三重の森林づくり実施状況(平成27年度版)について
(7)みえ森と緑の県民税について
(8)伊勢志摩国立公園のナショナルパーク化に向けて
①当局から資料に基づき説明(吉川次長)
②質問
○彦坂委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いいたします。
○山本(里)委員 16ページ、みえ森と緑の県民税ということで、別冊資料もつけていただいて説明いただいたんですが、一番下の2(2)評価結果のところの、丸ぽつがあって2つ目のところの、「税を活用して実施したことの説明が十分でない事業が見受けられるため、事業の目的・効果について周知することが必要。」と話し合われたわけです。実施したことの説明が十分でないのか、税を活用して実施したこと、税を使って実施することにそぐっているのかということまで、これはもしかすると言葉の下に入っているんではないかなというふうにも読み取れるんですけれども、それはそれぞれのところで創意工夫をされて、手を挙げて計画を立ててやっているんですけど、そこら辺のところで、もう少し深くこの評価結果を出されるに至っての、ただ単に税を活用して実施したことの説明が十分でない、不十分だから理解をされないかもしれないということなのか、妥当性に欠けるものがあるんじゃないかという話はありましたか、なかったですか。
○吉川次長 基本的には、1つはいわゆる税でやった事業に対して、これは税を使ってやりましたといった掲示が不足しているというようなものでございます。それと、例えば芝生化の事業などですね。単純に芝生化ではなくて、芝生化はいわゆる森と親しむ入り口だと我々は思っているんですけど、そういったことの全体的な税でやった事業の意義とか、その芝生化に取り組んだ意義、目的をきちっと伝えるような仕組みが要るんじゃないかとか、そういった総合的な、事業自体を否定されているわけではなくて、そういった形でもう少し県民に伝わるような事業展開のやり方をすべきじゃないかというような御意見だというふうに理解をしております。
○山本(里)委員 県民の皆さんに特定に御負担いただいて、この事業が展開されているんですけど、その捉え方が森を守ることから、それから教育からと広い中で、なかなか皆さんの価値観も違うので、先ほどの例えば芝生のことでも、人によって受け取り方は違うと思うんですね。
広い意味で、今までやっていなかった事業をこのみえ森と緑の県民税で追加しながら補強していこうということも含めてされているわけで、これが本当にみえ森と緑の県民税の事業でいいのか、例えばほかの環境教育の事業の中でしていけるものなのかということの精査もやっぱりしていかないといけない。いろいろな細かな事業の一つ一つは、これが使えるということでここに来ているんだと思うんですけど。そこのところがやっぱり理解を求めて、納得していただけるだけの、この掲示もそうですし、内容も充実、精査をしていただきたいというふうに本当に要望いたします。お金があればやりたいことはいっぱいあるしと思うんですけれども、それはやっぱり気になることがたくさんあると思います。
それから考え方として、このみえ森と緑の県民税も含め、三重の森林づくり実施状況のところで、最後のところで森林づくりへの県民参画の推進であるとか、森をつくる、片方で先ほどメガソーラーのところで出たように、森を削っていくようなことが行われながら、またこれでは森をつくっていく。ただ森は放っておいてはいけないので整備が必要だと思うんですけれども、そこら辺の兼ね合いというのが大変難しいと思うんですが、ただ皆さんが担当している部分で今説明いただいた部分でいくと、森を守れ、森をつくれ、再生をと、そういうふうなことになるもんで、そこら辺のところの兼ね合いの考え方をひとつお伺いしたいと思います。再度になると思います。
○吉川次長 民地の部分もございますので、なかなか難しいのですけど、先ほども少し言いましたけども、自然環境とか生物多様性とか森林の大切さをよく理解していただくような取組を引き続き進めて、県民の皆さんの自発的な、適切な活動につなげていくように進めていく、当面そういう形なのかなというふうに思っております。
○山本(里)委員 共通理解が広く進むように頑張っていただきたいと思います。
○彦坂委員長 ほかに御質問等がありましたらお願いします。
○田中委員 14ページの三重の森林づくり実施状況というところで、平成28年度の取組として間伐面積の拡大ということで挙げていただいております。実際、林業に従事されている方、また地権者の方に聞きますと境界が全くわからない、わからないために伐採もできないんだ、売り買いもできないんだという話をよくお伺いするわけですけども、その中で三重県の地籍調査はかなり遅れているという御意見をいただいています。三重県が今、全国の中のどれくらいのところに位置しているのか、そしてまた全体の何%ぐらいの地籍がわかっているのか、そこら辺がおわかりになればお聞きしたいと思います。
○吉川次長 ちょっと古いかもわかりませんけども、県全体で8%か、いわゆる森林じゃなくて県全体でそのぐらい、そのうち森林が半分ぐらいです。昔8%のときに森林が4%というのが三重県の現状で、全国で下から2番目でした。
東北地方では92%とか、森林も含めてそのぐらい地籍調査が進んでいるところがありますけども、近畿地方は押しなべて地籍調査の実施率が低いというような状況でございます。
○田中委員 全国で下から2番目、それから全体の5%というふうに理解をしたわけですけども、これに対して県はどういうふうに考えているのか、また進めているのか、お伺いしたいと思います。
○吉川次長 地籍調査は我々ではなくて地域連携部の所管でございます。我々としては、先ほど委員がおっしゃったように森林整備とか集約化の取組に支障になる部分がございますので、森林境界の明確化ということで、施業に必要な境界の明確化の取組については支援しながら、森林整備につなげていきたいというふうに取り組んでいるところでございます。
○田中委員 地域連携部の所管であるということでございますけども、うまく逃げられたかなと思うけども、しっかりとまた調整していただいて、この地籍調査を進めていただきたいと思います。でないと売買もできないし、伐採することもできないということなんで、そこがかなりネックになっているというようなお声をしっかりと聞いていますので、よろしくお願いします。
以上です。
○後藤委員 ちょっと時間もあれですけれども、ちょっと関連するようなところですけど、15ページの一番上段のところにバイオマスにかかわって、全部、いわゆる林地産材とか端材とか言われている部分を含めて活用できる、新たに木質バイオマス発電所も動き出したという状況の中で、かなり供給が心配されるんですけども、このシステムをつくるというんですけれども、これはどういうものなのか、ちょっと御説明いただけますか。
○北野参事 ここ「山から搬出される木材を梢から根本までフル活用できるシステムを」と書いてございますけども、従来はいわゆる柱材とか建築材に使われるものがA材、それから合板とか集成材がB材と、こういったものを中心に出しておりますので、ほかの部分は全部山に置いてきているわけなんです。伐採現場からそれだけを、集材線をかけても何にしても持ってくると。実はバイオマスの燃料にはもとのところ、タンコロとか元返しとかいうんですけど、ちょっと根鉢がついて膨らんだところですね、それとか柱にならない先っぽ、それから太い枝、実は葉っぱも燃料になります。ですので、燃料を確保しようと思いますと、結構面積は大き目の集材線というワイヤーでつって出してくる出し方があるんですけども、それで出すところは1本なり全部持ってきて、そういうA材、B材とそれ以外、燃料になるところの仕分けを下の土場で行います。そこの場所が広ければそこにためておいて、今まで山に置いてきていたものがバイオマス燃料として搬出できるということです。ただし大型車が入って条件がよくないと、10トン車に思いっ切り枝葉を詰めても3トンぐらいにしかならないので、採算が合いません。そういう条件をクリアするため、積極的にそういった木1本を全部出してくるシステムというのを今広めています。かなりの素材生産業者とかですね。大規模にやっているのは素材生産業者が多いですけれども、そちらに協力していただいて、特に発電所のある松阪地区を中心に、かなりそういうやり方が定着してまいりました。そういったことを県下全部に広めていきたいなというようなことでございます。
○後藤委員 大体状況というかはわかるんですけども、それをシステムとしてつくるというあたりが、今の話で県下に広げていくというようなことなんですけど、もう一つ見えてこないんです。
それと平成28年度の取組ということでここに記載されているんですけれども、28年度もかなり経過してきている中で、今後広げていくと言うんですけども、果たしてうまくシステムが回っていくのかどうか、ちょっとそういう心配をするんですけども、そのあたりはいかがでございますか。
○吉川次長 今言ったように、旧来はいわゆる丸太、建築用材になる丸太だけを出していたのを、さっき言ったように、あとは山の中に切り捨てていたものを全木で枝葉も含めて出してきて、それぞれAで使える部分、Bで使える部分、Cで使える部分という形で仕分けしながら、山側のいわゆるフル活用みたいなものを進めていきたいと考えています。それとあわせて、いろんなB材の需要先とかの動きもありますので、そういったところといろいろ供給のあり方みたいなもので連携しながら、新しい需要に対応するようなシステムの構築というのを進めていく、その辺は相手方がいますので具体的には申せませんが、既存の流通も含めて新しい流通体制にも対応できるような形で、バイオマスも含めて新しい供給体制みたいなものをちょっと構築していきたいなというふうに考えているところでございます。
○後藤委員 そういう、伐採した木を全部使うという趣旨なのかなというふうに思うわけですけれども、なかなか、いろんな条件とか、業者とうまくいくのか、金になるのかとかいろいろあると思うんです。しっかり取り組んでいただかないと、発電所、バイオマス発電のほうが材料がなくなってくるという状況が目に見えているようでございますので、このシステムで、平成28年度という取組ですので、ただ全力で、いつまでにということは言えませんけども、早急にお願いしたいと思います。
以上です。
○彦坂委員長 ほかにございませんか。
○前田委員 5分しかありませんが。
基本方針1で、単年度目標9000ヘクタールに対して単年度実績5196ヘクタールと。トータルも当然のごとく実績が集まってきていないという状況であります。当然平成28年度もさらに厳しい状況だと思いますが、改善できるとお思いでしょうか。その点を、まずお聞かせください。
○吉川次長 ほとんどがいわゆる補助金とか県が実施する事業でございます。正直なところは非常に厳しいわけでございますけども、先ほど言いましたような、いわゆる標準単価の見直しというのは、標準単価を下げた形で森林所有者の方々に御理解いただきながらやるというような形で面積を広げていくとか、そういった形で少しでも森林整備が進むように取組を進めていきたいというふうに思っています。
1点、目標についてなんですけども、みえ県民力ビジョン・第二次行動計画では公的森林整備面積という形にしておりますけども、三重の森林づくり基本計画の中でも平成28年度以降の目標は6000ヘクタールという形で、その当時はちょうど間伐対象林部が多かったので8000ヘクタールで、改正して9000ヘクタールですけども、それが成長していくことによって間伐対象が減るということで、28年度以降の目標は一応6000ヘクタールとしています。これについても少し基本計画の見直しという作業を進めておりますけども、現行の基本計画でも6000ヘクタールという目標になっておりますので、そういった中でその目標に向かって、しっかりと取組を進めていきたいというふうに思っております。
○前田委員 6000ヘクタールということで、もう少し努力すれば達成できるのかなと思うんですが、平成28年度の進捗なんかは把握してみえるんですか。わからなければ結構です。
じゃ、質問を変えます。わかれば、また後で教えてください。
何が言いたいかというのは、先ほどの補助金という話もございましたが、平成28年度から搬出補助の対象が国において1ヘクタール当たり100立方メートルから90立方メートルに下げられてきた中で、三重県として単独で60立方メートルまで下げてみえるという話を聞かせていただいております。当初国も60立方メートルまで下げようという中で、それでは山を守っていけないということで、踏ん張って90立方メートルにとどめたにもかかわらず、三重県としては、率先垂範して60立方メートルまで下げられたというところが大きな課題ではないかなと思うんですが、その点をお聞かせください。
○吉川次長 そういった声はいろいろ聞いておりますけども、先ほど申し上げましたように厳しい予算の中で一定面積も整備をしていかなければいけないということで、国がそういうことも先に言い出して、結局国はもとに戻ったような形ですけども、そういった形で森林所有者等の御理解をいただきながら、面積という目標もございますので森林整備、間伐は進めていきたいというふうに思っております。
平成28年度、進捗状況ではございませんけども、今の見通しで大体4600ヘクタールぐらいという形で見込んでおります。これについても、先ほど言いましたような目標に向かって、さらに取組を進めていきたいというふうに思っております。
○前田委員 4600ヘクタールというのは現時点ですか。年度末の見込みですか。
○吉川次長 そのとおりでございます。
○前田委員 先ほど6000ヘクタールの目標とおっしゃって、4600ヘクタールの見込みということですか。
○吉川次長 それについては、基本計画の見直しということも今進めておりますので、その中でどのぐらいの目標を掲げるべきかということについても少し整理をさせていただきながら、基本計画の改定というのは議会に議決もいただくことになっておりますので、取組を進めていきたいというふうに思っています。
○前田委員 非常に予算がなくて苦しんでみえるのは御推察申し上げますが、やっぱり今何をしていかなければいけないのかということで捉まえていく中で、国が当初60立方メートルに下げると検討していた中で90立方メートルまで何とか食いとどまったにもかかわらず、県が率先垂範して振興の妨げを行うということは、基本的な姿勢としてあり得ないんではないかと思いますが、部長、御見解がございましたら。
○吉仲部長 妨げというふうに、やはり市町を通じてそういった御要望もあります。ただ、今次長も御答弁申し上げましたように、限られた予算でこういったことを進めるために、やはり単価を少し見直さざるを得ない、こういう単価にすることによって少しでも皆さんに面積を増やしてもらう、そういう考え方に基づいています。
願わくば、やはり財源が豊かであれば、委員御指摘のようにもとの単価でいきたいところなんですが、残念ながら厳しい状況の中では、こういう選択の中で御理解を得ながら進めていくということでございます。
○前田委員 推進していくために単価が下げられるかどうかというのは当然理解を示すし、業者の方等々の協力だと思うんです。ただ補助対象を国の基準より低く三重県として下げるという部分は、姿勢の問題、当然パイの問題もあると思うんですが、そこは下げてはいけないところだと思いますし、もし他県の状況を知ってみえるんでしたら、あわせてお教えください。
○前田課長 90立方メートルのところは国の方針としても50立方メートルから60立方メートルというふうな、そういう方針を示されております。現在は確かに委員御指摘のとおり90立方メートルでも認められているところでございますが、今後、搬出量の最大限をだんだん50立方メートルから60立方メートルのところに抑えていくという方針でございますので、県がちょっと先んじてやっているということはございますが、そこはちょっと御理解いただきたいと思っております。
先ほども申しておりますように、ある程度間伐面積を拡大するには、やはり1ヘクタール当たりの伐採木の搬出面積を下げて事業面積を確保するのが優先だということで、こういうふうにさせていただいているところでございます。
○彦坂委員長 他府県の状況の今。
○前田課長 他府県の状況につきましては、三重県以上に出されているところもございますし、三重県と同じように低いところもございます。
○前田委員 また資料であれば、他府県の状況はください。ここで議論していてももう進まないと思いますので、来年度の予算編成、今から進められる中で、より厳しさが出てこようかな、本当に単価を下げるだけで間伐が進むのかな、バイオマスのチップの供給として可能なのかなというクエスチョンが、部長もクエスチョンだと思いますが、非常に不安でなりません。ぜひともそこら辺を総合的に考えていただいた中で、予算が非常に厳しいというつらいところもありますけど、姿勢の問題あるいは民間の方の協力をいただく部分の中で、行政として、お金がない中で知恵を絞ってもなかなか難しいですが、御努力をいただければと思います。
それとあと、もう時間がないので、資料だけ、もしあればください。みえ森と緑の県民税について、それぞれ評価委員会での報告もありましたが、トータルの税収の金額と支出金額、それと市町の件数と金額の内訳があれば、資料提供をお願いします。
○吉川次長 後ほど提出させていただきます。
○彦坂委員長 よろしくお願いいたします。
ほかにございませんか。
〔発言の声なし〕
○彦坂委員長 なければ、三重の森林づくり実施状況(平成27年度版)についてから、伊勢志摩国立公園のナショナルパーク化に向けてまでの調査を終了いたします。
〔「伊勢志摩まで、今……」の声あり〕
○彦坂委員長 伊勢志摩国立公園のナショナルパーク化に向けての質疑がありますか。わかりました。
ここで一旦暫時休憩といたします。
再開は午後1時で、伊勢志摩国立公園のナショナルパーク化に向けての質疑をしたいと思いますので、よろしくお願いします。
暫時休憩いたします。
(休 憩)
○彦坂委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
午前中に引き続きまして、伊勢志摩国立公園のナショナルパーク化に向けての御質疑に移りたいと思います。
御質疑のある方はよろしくお願いいたします。
○山本(教)委員 項目をつくっていただきましてありがとうございました。別添2を見ていただきたいんですが、今年の7月にナショナルパーク、8つの国立公園の中の一つに三重県、伊勢志摩が指定されたということであります。これは、知事はもちろんですけれども、農林水産部長をはじめとして、関係の方々にとてもお世話になったということにまず初めにお礼を申し上げたいと思います。
それで、本冊の18ページなんですけども、今後の取組方針ということで、「世界を魅了するナショナルパーク」という言葉があるんです。それに沿っていろんな事業をこれから展開していかなきゃいけないんですね。表示だとか、それからインバウンド、外国人に来ていただくための受け皿をどうしていくかとかいろんな課題があって、これから一歩一歩進んでいくわけですけども、先ほど、午前中に議論がありましたように、地域で今大きな課題というか、問題になっているのが太陽光パネルなんですね。これは、伊勢市は少し小規模かもわかりませんけれども、鳥羽市、志摩市は太陽光パネルが非常に今建設されておるんです。たまたま昨日の夜は市政懇談会で、市議会議員が開催をした市政懇談会の中で住民の人たちの大きな課題になっとるとか問題になっているのが、やっぱり太陽光パネルだったんですね。
志摩市もそうだし鳥羽市もそうなんですけども、書類上問題がなければ許可せざるを得ないというようなところもあろうかと思うんですね、行政の皆さんの中で。その中で秩序ある開発ということで、これから進んでいくように思うんですけども、どういうようなところがネックになっとるのかということを少し教えていただきたいし、これは事業主が三重県内だったら、どこどこの会社がどういうことで開発しているよということがわかるんですけども、他県でこちらのほうへ太陽光パネルの設置をしたと。売電価格も下がっとるし、放りっぱなしにされるというような、そういう懸念がその地域に住む人々の不安要素なんですよ。そのまま放っておかれると、あとは地権者がどこだかわからない、事業そのものを売却しちゃうとか、そういうようなことも起こってきて、最後には産業廃棄物になっちゃうんと違うやろかという、そんな意見がありました。それについては、一回その県の対応についてどんなふうにこれから取り組んでいくのかというのを教えていただけますでしょうか。
最終的には市の条例等でくくるというようなこともあろうかと思うんですけども、現在の伊勢志摩国立公園、ナショナルパーク化に向けて、せっかく選定された中で、1ヘクタール未満のものについて、がんがんそれぞれの地域で開発されていくという懸念の中で、どんなふうな指導ができるかということです。
○吉川次長 一応県がいわゆる選定に向けて環境省等と協議する中では、景観計画を伊勢市と志摩市はお持ちですけども、鳥羽市と南伊勢町がないという中で、いろいろ市町ともお話をさせていただきながら、景観計画の中でそういった規制、完璧な規制はできませんけど一定の配慮とか、そういったことを景観計画の中でできると思っておりますので、そういった御理解もいただきながら、進めていこうというふうに思っています。
なかなか開発自体をとめることができませんので、景観計画とか、そういった市町と連携しながら一定の配慮を求めていくという中で、適切な開発につなげていければというふうに思っています。具体的にはこれから協議していくことになりますので、どこまでできるかという部分も含めて、一定強い規制をかければ当然民間によるそういったことを非常にそぐような形にもなりますので、その辺の兼ね合いもありますので、そこはこれから十分協議しながら、世界水準のナショナルパークにふさわしいような景観づくりに取り組んでいきたいというふうに思っております。
○山本(教)委員 今おっしゃったように、当時5つだったのが8つということで選定されたんですけど、環境省もそこがやっぱりネック、いわゆるソーラーパネルの設置というところも、それが全てじゃないんですけども、あれはいいのかというような心配をしつつ8つの中に入ったというような経緯もあって、開発業者の人たちの商売を邪魔するということを言っているんじゃないですけども、やっぱりその地域に合ったそういった計画、パネルの設置について県、市と協議をしてもらわないと、伊勢志摩だけじゃなくて、そこらじゅうで今やっている。先ほど田中委員に聞いたら、田中委員のところの松阪もたくさんやっとるというようなこともあったりして、今後大きな問題になる前に、秩序のある指導というのはやっぱり必要なのかなというふうには思うんですよ。だめだということは言えないし、配慮しつつとはいうものの、どういった指導ができていくのかということをもう一回だけちょっと聞かせてもらえますか。
○吉川次長 余り具体的なイメージはありませんけど、市町の景観計画の中で、一定、強い意志でここを守っていくということであれば、重点地域みたいなものに指定して、全体的な景観配慮とは別に一定のそこの地域に限った、伊勢市でいうとおかげ横丁とかおはらい町とか、そういったところになりますし、志摩市でも展望のいいところを重点景観地域みたいに指定した事例もございます。そういった地域指定をする中で、めり張りをつけたような取組を進めていけるような形で今後市町と協議して進めていきたいというふうに思っています。
○山本(教)委員 御承知のとおり、自然公園法の網がかかって、志摩市の場合、例えば特に英虞湾に面しているともやま公園なんかは特別地域ということもあって、それなりの網がかかっていますから、そこはいいんでしょうけど、いわゆる一般国道沿いに開発されとるというところが今問題になっとるんです。観光バスが通る、一般の車が通る、そういったところで開発されていますので、その辺のところとの、先ほどの景観計画ではありませんけども、その地域に合った開発ということがこれから大事なことになるんじゃないかなというふうに思って質問させていただきました。それが1点。ありがとうございます。
それと、2の(2)ですけれども、景観保全は先ほど、そういうことですので。それとエコツーリズムの推進というところなんですけども、これから新しい観光客誘致の中で伊勢志摩、特に鳥羽志摩なんかはエコツーリズムの拠点として、今までも関係者の人たちに取り組んでいただいておりましたけども、今後さらにステップアップというか、磨き上げながら新しい観光客誘致の一つの目玉になるんじゃないかなというように思うんです。それについて、例えばこういうことをやれば山ガールの人たちがたくさん来てくれるね、トレッキングを愛する人たちが伊勢志摩のツーリズム、いろんなところへ行きたいねというような、そういう何か仕掛けみたいなものがもし農林水産部であるとしたら教えていただきたいんですが。
○吉川次長 エコツーリズムの推進母体としては、鳥羽市にエコツーリズム推進協議会というのがございます。そういった伊勢志摩地域全域をターゲットとするような母体をつくって、このナショナルパーク化というのはインバウンドの拡大で、どちらかというと長期滞在みたいなものを一つ、そういったことも狙いにしていますので、そういった協議会と連携しながら、それぞれの持っているエコツーリズムのプログラムを連携させるような形で、伊勢志摩地域に長期滞在していただけるようなプログラムの提供とかに取り組み、そういったことについて地域の皆さんと検討を進めていきたいというふうに思っております。
○山本(教)委員 昭和62年か昭和63年ごろにリゾート法の指定があって、当時、やっぱり1泊2日じゃだめだよねと、1週間なり10日なり、長期滞在してもらって初めてその地域のよさがわかるというようなことで、リゾート法というのが日本国中でもてはやされた時代があったんですね。だけど、あれからもう30年ほどたつんですけど、なかなか長期滞在というのは難しい。その中で今言われたようにナショナルパーク化して外国人の人たちを長期滞在というか、1泊2日じゃなくて何日もおってもらうようなそういう仕掛けというのが大事だねということを言われておるんですけども、なかなか起死回生策がないように思うんだけど、もう一回だけそこを教えてくれますか。
○吉川次長 どちらかといえばハード整備ではなくて、幸いに伊勢志摩地域には上質感のある宿泊施設等の整備も進んできているという状況にありますので、伊勢志摩国立公園地域協議会のほうでは、そういった宿泊施設ともまた連携をしながら、ソフトといいますか、そういったツーリズムの充実を図ることによって、おもてなしではないんですけど、地域の方々と一緒におもてなしなり、プログラムの提供をということで伊勢志摩地域の魅力を満喫していただけるような取組を進めていきたい。なかなかそれが現実に実現できるかどうかはわかりませんが、そういった思いで進めていきたいというふうに思っております。
○山本(教)委員 委員長、朝倉課長が手を挙げているので、ちょっと朝倉課長にもしゃべってもらおうかな。
○朝倉課長 先ほどの次長のお答えと一緒になるんですけれども、いわゆるソフト事業、エコツーリズムの推進とか、食とか文化とか生活の体験の、いわゆるそういうものを絡めてエコツーリズムの推進、ソフト事業によっていわゆる周遊型のツアーを、何泊もしていただけるというところを目指していくのかなとは思います。また伊勢志摩国立公園地域協議会の皆さんの意見とかアドバイザーの意見とかをお聞きしながら、そういう部分をつくっていきたいというふうに思っております。
以上です。
○山本(教)委員 ありがとうございます。
最終的にこの国立公園満喫プロジェクトの国の予算というのは、どんなふうになっていくのかな。これからだと思うんですけれど。
○朝倉課長 一応国の補正予算は出ているんですけれども、当初予算についてはまだ出ておりませんし、国の補正予算の中では、いわゆる国の直轄事業というものと県で行う事業というものがございます。まず、多分大部分が直轄事業ではとられると思うんですけれども、ステップアッププログラム2020を年内につくっていきますので、その中で計画に沿った施設整備とかソフト整備とかというものを、また環境省等に対して要望させていただこうと考えております。
○山本(教)委員 ありがとうございます。
最後に、雇用経済部観光局からも来ていただいておるようでございますので、そちらのほうから、観光の観点から何かありましたらお願いしたいんですが。
○加納課長 観光局としましては、本年3月に新たな三重県観光振興基本計画を策定しております。その中におきましても、体験型につきましては観光関連産業の複合化によられたツーリズムへの対応ということで位置づけておりますので、関係課等と連携しながら進めていく所存でございます。
○山本(教)委員 ありがとうございました。
○彦坂委員長 ほかにございませんでしょうか。
○中村副委員長 今のに関連しまして、次長の最初のお答えで、伊勢志摩国立公園の3市1町の中で、伊勢市と志摩市が景観行政団体になっていて景観計画をつくっているということを言われましたよね。それでも志摩市の場合は太陽光発電の景観面については何の役目も果たしていないかと思われるような状況だというふうに思うんですけども、そうであっても3市1町が一丸となってそういうものに対して取り組んでいけば、それこそ実効性のあるものになるという解釈でよろしいんでしょうか。
○吉川次長 景観計画は一つのツールというわけではありませんが、そういった計画に基づいてやる部分がありますし、その地域の方々がそういった意識のもとで伊勢志摩地域の景観を守っていこうという取組の中で自主的にやられる部分も当然あると思います。この前のシンポジウムの中でも地域の方々からそういう発言もありましたけども、そういった一人ひとりがいろいろな取組を進めることとか、少し意識することで随分変われる部分があるかなと思いますので、そういったものを地域協議会の中でいろいろと話し合って情報共有とか合意しながら、伊勢志摩地域の豊かな景観保全の取組を進めていければというふうに思っております。
○中村副委員長 その3市1町の伊勢志摩国立公園内のことについては、県のほうが取りまとめ役というか先導役を果たされるというふうに思ってよろしいんですか。
○吉川次長 一応事務局としては、環境省の中部地方環境事務所と県が事務局をやるという形ですので、取りまとめ的といいますか、リードしていくというのは、両者が連携してやっていきたいというふうに思っています。
○中村副委員長 あと、十分協議しながらとかというようなお返事もされていましたけども、この期限が余りないんではないかなというふうに思うんですけども、それもそういう景観に関する骨子といいますか、この地域の景観をこうやっていくというような骨太の方針的なものは、この年内に策定するステップアッププログラムの中にもうたわれるというふうに思ってよろしいんでしょうか。
○吉川次長 何でやっていくかという部分については、市町と協議しながら、例えば景観計画に基づいてやっていくとか、そういった方向性はステップアッププログラムの中に盛り込んでいくような形になると思いますけども、個別のどこを指定して取り組んでいくかとか、その辺はステップアッププログラム策定以降の取組になるのかなというような形で考えています。
○中村副委員長 このプログラムは、さっきから話題になっている景観のことだけで地域協議会が開かれるわけではないかと思いますので、とても盛りだくさんでタイトなスケジュールかと思いますけども、そちらのほうもよろしくお願いします。
以上です。
○彦坂委員長 ほかにございませんか。
〔発言の声なし〕
○彦坂委員長 ないようでしたら、以上で伊勢志摩国立公園のナショナルパーク化に向けての調査を終了いたします。
〔雇用経済部 退室〕
(9)三重県漁業信用基金協会等の全国合併について
(10)次期漁港漁場整備長期計画(案)について
①当局から資料に基づき説明(藤吉次長)
②質問 なし
(11)各種審議会等の審議状況の報告について
①当局から資料に基づき説明(前田副部長)
②質問 なし
(12)その他
○彦坂委員長 最後に、これまで議論された調査項目以外で特にございましたら御発言をお願いいたします。
〔発言の声なし〕
○彦坂委員長 ないようでございますので、これで所管事項の調査を終了いたします。
3 委員間討議
(1)所管事項調査に関する事項 なし
(2)執行部に処理経過の報告を求める事項 なし
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
環境生活農林水産常任委員長
予算決算常任委員会環境生活農林水産分科会委員長
彦坂 公之