三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成28年度 委員会会議録 > 平成28年12月16日 選挙区調査特別委員会 会議録
選挙区調査特別委員会
(開 会 中)
開催年月日 平成28年12月16日(金) 自 午後2時2分~至 午後4時58分
会 議 室 601特別委員会室
出 席 委 員 15名
委 員 長 舟橋 裕幸
副委員長 村林 聡
委 員 芳野 正英
委 員 山本 里香
委 員 倉本 崇弘
委 員 稲森 稔尚
委 員 中村欣一郎
委 員 北川 裕之
委 員 奥野 英介
委 員 今井 智広
委 員 長田 隆尚
委 員 前田 剛志
委 員 三谷 哲央
委 員 中森 博文
委 員 西場 信行
欠 席 委 員 なし
出席説明員
[選挙管理委員会]
書記長補佐 笹之内浩一
事務局職員
企画法務課長 佐々木俊之
企画法務課政策法務監兼班長 加藤 憲祐
議事課長 桝屋 眞
委員会書記
議事課課長補佐兼班長 西塔 裕行
企画法務課主幹 山田かずよ
傍 聴 議 員 10名
中世古初美
岡野 恵美
下野 幸助
小島 智子
濱井 初男
石田 成生
杉本 熊野
藤田 宜三
舘 直人
山本 勝
県 政 記 者 2名
傍 聴 者 3名
議題及び協議事項
Ⅰ 参考人からの意見聴取
Ⅱ 活動計画の変更について
Ⅲ 次回の開催について
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
協議事項
Ⅰ 参考人からの意見聴取
〇舟橋委員長 本日は、三重県議会議員の選挙区及び定数について、参考人からの聞き取り調査を行います。前回の委員会で御決定いただいたとおり、本日は近畿大学法学部の辻陽教授、そして山梨学院大学大学院研究科長法学部の江藤俊昭教授に参考人としてお越しいただき、聞き取り調査を行ってまいります。
本日の調査の進め方についてですが、初めに辻教授からお話を伺い、質疑を行った後、休憩を挟み、午後3時半ごろから江藤教授にお越しいただき、同様に調査を行いたいと存じます。
また、参考人に御退席いただいた後に、委員間討議を行いたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
それでは、調査に入ります。
改めまして、参考人の辻陽教授に一言、御挨拶を申し上げます。
本日は、お忙しいにもかかわらず、本委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表して心からお礼申し上げますとともに、忌憚のない御意見を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
〇辻参考人 ただいま御紹介にあずかりました近畿大学の辻陽でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
では、ちょっと座らせていただきます。
もともとの私の研究テーマといいますのが都道府県議会でございまして、全国47都道府県の首長、つまり知事さんですね。知事さんとそれから議会の関係というものを、戦後からおおむね2010年ぐらいまでにわたって研究をしてまいりました。その関係もありまして、こちらのほうに呼ばれたのだろうというふうに思いますけれども、このような機会でお話をさせていただくのが初めてでございまして、ちょっと緊張はしておりますけれども、何とぞ御寛恕いただきますようお願いいたします。
お手元のほうに、本日の資料といたしましてA4の紙で、5枚ほど図表も入っておりますけれども、御用意をしております。御確認いただいて、おおむねこのレジュメに沿ってお話をさせていただきたいと思います。
まず最初にですけれども、議員の先生方を前に、こういうことを申し上げるのも本当に申しわけない話ではあるんですけれども、改めて代表というものの捉え方についてお話をさせていただきたいと思います。
いわゆる民主主義、特に代理性民主主義といったものを考えた場合に、当然のことながら代表というものを選び、そして代表の先生方が政治的な決定をされるということになるわけですけれども、じゃその代表である一人ひとりの議員の先生方、お一人お一人が全体、つまり例えば三重県議会であれば、三重県全体のために活動すべきなのか、それとも三重県議会に一員として入っているんだけれども、もともとの選出母体の代表として、これを委任代表というわけですけれども、つまり実際には選挙区ということになりますが、選挙区の代表として活動するのか、この2つの考え方というのが昔から議論をされてきているということがございます。
一旦、選挙で選ばれた以上は、三重県の代表であり、三重県全体のことを考えるべきだというのが全体代表で、それに対してもともとの自分の応援をしてくれたようなその選挙で支援をしてくれた人あるいは選挙区、そういった部分の利益を代表するという委任代表と、両方の考え方があるわけですけれども、公職選挙法等の規定を考えれば、かなり委任代表的な側面というのは強いんだろうというふうに思われます。
2枚目のほうに、平成26年12月改正の公職選挙法、もう既にこちらのほうでも御議論になっているとは思いますけれども、改めて御用意をさせていただいたわけですけれども、新しい公職選挙法におきまして、かつての市もしくは郡単位で選挙区を設定するというやり方から、市、町、村、そういった自治体単位で選挙区を設定することに変わったと、そういうふうな側面があるということでございます。恐らくこの中で特に議論すべきというのが、この第15条の下線を引きました第7項もしくは第8項になるかというふうに思います。
つまり、ここに書いてありますけれども、第7項でいきますと、第15条の1項から4項までどのように選挙区割りをすべきかという項目に関連しまして、その選挙区を設ける場合には行政区画、それから小選挙区選出の衆議院議員の選挙区、地勢、交通等の事情を総合的に考慮して、合理的に選挙区の設定をしなければならないという項目が置かれているということ。
そして、もう一つ、第8項ですけれども、各選挙区において選挙すべき地方公共団体の議会の議員の数は、人口に比例して条例で定めなければならない。ただし、特別の事情があるときは、おおむね人口を基準とし、地域間の均衡を考慮して定めることができる。ここをどう解釈するかというところがやはり重要になってくるんだろうというふうに思います。
私の立場というほど強いものがあるわけではないわけですけれども、このようなただし書きですとか、あるいは総合的な考慮が必要だということでいえば、人口比例でない部分があってもいいのかもというふうにも一方で思えます。ただ、ちょっと話が前後するんですけれども、レジュメに戻っていただきまして、2番の1票の格差解消方法の1つ目に、国政選挙の選挙区割り、最高裁判決の変化ということを書かせていただきましたが、近年の最高裁判決というものがかなり厳しくなっている。人口間の比例していない格差、いわゆる1票の格差ですね。これに対する裁判所の見方が非常に厳しくなっているという、そこをどう捉えるかというふうに考えると、かなり人口的な比例という部分が重視されないといけないということなんだろうというふうに個人的には考えております。
具体的に申し上げますけれども、衆議院議員選挙でいきますと、1972年、それから1983年、このときの衆議院議員選挙では、いわゆる1票の格差、すなわち議員1人当たりの人口の差ですね。最大と最小値の差ですけれども、これが4倍を超えていたと、衆議院でですね、72年、83年。そのときには違憲という判決だったんですね。最高裁の判決は違憲。1980年、90年の選挙、衆議院議員の総選挙です。1980年、90年は、これは3倍台、3.何々倍という数字でしたけれども、このときには違憲状態という判決であったと。1986年、93年、96年、2000年、2005年の段階では、これはいずれも格差が2倍台であって、そのときには、これは憲法違反ではない、合憲というふうに判断をされていたんですね。2005年までは、そうであったということでございます。
しかしながら、これが2000年代の後半になると変わってくるわけでありまして、2009年、2012年、そして2014年、これは14年はまだ最後までいっていませんけれども、こういった最近の選挙では2倍台でも地裁レベルでは違憲とかあるいは違憲状態というふうな形で、憲法の規定に合致をしていないというふうな状況になっている。最高裁の姿勢が非常に厳しくなっているということが見てとれるということになります。
参議院議員選挙に関しても同じことが言えまして、もっと厳しいわけですけれども、1971年から2007年までの選挙に関しては、実はおおむね5倍台であっても、これ合憲判断が出ておりました。参議院に関しては合憲判断が出ていまして、違憲状態とされたのが7倍近くに達した1992年ということになります。1992年の選挙のときには6.何々倍というふうな数字で、これはさすがに違憲状態とされていたわけですが、しかしながら先ほども申し上げましたように、2007年ぐらいまでは5倍台であっても、言葉がいいかわかりませんが目をつぶるというふうな状況であったわけです。
しかしながら、2010年、この間の6年前の参院選、5.00倍あるいは2013年、参院選、これ4.77倍、5倍を切っているわけですが、違憲状態という判決が出てきていると。つまり衆議院議員選挙にしてもあるいは参議院議員選挙、通常選挙にしても、1票の格差に対する厳しい見方というのが2000年代後半から出てきているわけでありまして、その辺を考えれば人口的な比例の度合いといいますか、あるいはいわゆる1票の格差に関しては、できるだけ厳密に従う形で議員選挙区定数というのを設定すべきであるというふうな状況にどんどんなってきているのではないかというふうなことが言えるというふうに考えております。
都道府県議会の選挙区割りに対する裁判所の判断はということなんですけれども、これは神戸大学の砂原庸介さんという方がこちらの民主主義の条件という本を出しておられまして、この中で言及をされているんですが、この中の192ページなんですけれども、砂原先生の調べられたところによりますと、おおむね3倍以内、3倍以下であれば、これまで適法という判断が下されてきたという言及をされています、この本の中でですね。そういうふうな考え方もできるわけですが、今後どうなるかはもちろんわからないわけで、そこは議員の先生方で御判断いただくということになるのではないかというふうに考えております。
では、三重県議会現状はどうなのかあるいは2014年に議決をされました改正選挙制度ではどうなのかということで、少し全国的な傾向とあわせて図をつくらせていただきましたので、そちらをごらんいただきながら、お話を聞いていただければと思います。
まず、順番が前後して大変恐縮なんですけれども、2ページ目、2枚目の図表1の都道府県議会議員定数の全国的傾向と三重県議会というグラフを見ていただきたいわけですが、これはどのようにしてつくったかと申しますと、1947年から2015年までの47都道府県の議員定数を全部打ち込みまして、そこから平均値を出しまして、その平均から見たときに1947年は、全国平均だとどれくらいの議員定数がいたか。簡単にいえば1947年だと約16回ぐらいの都道府県議会議員選挙のときの平均の7割ぐらいの議員定数であったと、こういうふうに見ていただいたらと思うんですが、ごめんなさい。これ人口でした。0.93倍ぐらいの全国的な議員定数の設定のあり方だったということになるわけですが、これが徐々に増えてきまして、全国の16回の選挙の議員定数の平均の大体ピークでいうと95年ぐらいです。1.4倍ぐらいというふうな形になった。それから91年、95年ぐらいをピークにして、全国的にも議員定数というのが減ってきているわけですけれども、それとあわせたときに24三重と書いておりますけれども、三重県はどうであったかというのがグリーンのラインということでございます。
2015年は、選挙のときには議員定数51でやっておりますので、2011からそのまま横棒という形になるわけですけれども、おおむね全国的な傾向に従った形で、三重県議会さんは選挙区の定数というものを時代の流れに合わせて設定をされてきていると、こういうふうに考えていいのではないかというふうに考えます。
続いて、順番前後しますが、図表3と図表4をごらんいただこうと思います。
まず、図表3ですけれども、これは県別の2015年の国勢調査の人口とそれから議員1人当たり人口というものを、一番右はもちろん東京都で一番左は鳥取県ということになるわけですが、図表3ですけれども、プロットしまして、三重県はどこに当たるかというのをお示しをしたものです。赤で三重というふうに文字で書いておりますが、そのちょうど真ん中にある青い点というのが三重県の位置ということになります。こちらを見ましても、現状全国的な傾向から大きく外れているというわけではございませんで、特段何かいわゆる外れ値と言ったりするんですけれども、そういうふうな状況にはなっていないということでございます。
ただ、人口といった場合に、例えば人口が一番少ないのは東京都の青ヶ島村で、人口200人に満たないところから、横浜市のように人口360万を超えるところがあり、これを全部比例的な関係で議員定数を設定すると、これは横浜市の議員定数は何人になるんだと、青ヶ島村の考え方でいくと何人になるんだということで、当然これは非現実的な話であります。
人口の統計を使うときによく対数というものを用いますので、いわゆる常用対数、10の何乗という形での数値を出しましたものが図表の4、次のページになりますけれども、ということになります。
こちらも同じように、47都道府県について人口を対数化し、一方で議員1人当たりの人口も底を10にして対数化してそしてプロットしたわけですけれども、ここでも三重県に関しては特段全国的な傾向から外れているというわけではございませんで、おおむね線の上に乗っていると、全国的な傾向の中にあるというふうに見てよいかというふうに思います。
こういうふうな形で表、図を作成させていただいたわけですけれども、実は政治学の議論の中で、ちなみに図表3と図表4は、これは定数51のほうで計算しておりますので、申し上げておきます。失礼いたしました。
よく1票の格差ということが言われるわけですけれども、図表の2のほうに次は説明を移らせていただきたいと思います。
衆議院議員の選挙制度に関しては、先ほど小選挙区に関して判決等の研究をしたわけですけれども、どうしても1票の格差というと、最大と最小ばかりを見てしまうわけですよね。ですから、例えば参議院議員であれば鳥取とそれから最大のところとかいうふうなところを見るわけで、じゃ真ん中のところはどうなのかというと、真ん中の部分でも当然格差というのは生ずるわけです。1票の格差を見ると、どうしても議員1人当たりの人口が最大のところと最小のところだけを見てしまって、ほかのところで非常に格差があるのにそこは無視されてしまうという問題があり、政治学の議論の中でもっと1票の格差を見るときにいい指標、インデックスといいますけれども、尺度があるんじゃないかということで、ここではLH指数というのを少し御紹介をさせていただこうと思います。
ルーズモア・ハンビー指標という指標がありまして、これは何かといいますと、各選挙区における人口割合と、本来は有権者のほうで計算すべきでしょうけれども、ちょっとお手元の資料の関係で人口割合で計算させていただきました。人口割合とそれから県議会全体に占めるその選挙区の定数の割合ですね。これをそれぞれ計算をいたしまして、その差、例えば図表2の一番上、津市でいきますと、人口割合が15.4%、現行定数7というのは、51で割りますと13.7%になります。この両者の差を計算します。つまり、この場合は1.7%あるいは0.017と、こういうことになるわけです。それぞれの選挙区につきましてその差の絶対値というものを出します。四日市ですと、同じく定数が7ですが、人口割合が17.1%ということで、少し差の絶対値というのが大きくなっていると、津に比べれば四日市選挙区に関しては0.034と少し大きくなっている。3.4%ですね。こういうふうに見るわけですけれども、それを全部足し合わせます。足し合わせた結果、これが21.4%、0.214という形で計のところに書かせていただいているわけですが、これを2で割ったものこれがルーズモア・ハンビー指標というものでありまして、この数が小さいほうがいわゆる本当に全ての選挙区における1票の格差というのが是正をされているといいますか、格差が少ないと、こういうふうに見るわけですが、現行の51という定数で見ると、LH、ルーズモア・ハンビー指標でいけば、10.7%、0.107と、こういう数値になります。
同じく、2014年に議決されました45の定数でいきますと、どうなるかというと、それこそ各選挙区の議員1人当たりの人口も考慮されながら議員定数をお決めになったということでありまして、全部の差の絶対値を足し合わせますと14.5%、もしくは0.145、これを2で割りまして、LH指標が0.072ということで改善をされていると。51から45になったことによって、全ての選挙区を見ましても1票の格差という部分でいけば、よい方向になったということになるかということでございます。
ということでありまして、そういう意味では、人口的な側面から見た場合には、51から45というのは、いい方向に動いたというふうに見ることができるわけですが、ただそもそも議員定数全体をどのように設定をすべきかというのは、これはまた違う話でありまして、これは結構難しい問題をはらんでいるというところがございます。
慶応大学の粕谷祐子先生という方がいらっしゃいまして、その粕谷さんが各国の民主主義の指標なんかについて研究をされております。今年3月27日付のブログにおきまして、これは国会の衆議院の議員数に関しての御見解ですけれども、議員数削減は望ましいのかというふうなタイトルでブログをお書きになっています。
実は、これは日本の衆議院というふうに着目をした議論ではございますが、アメリカを例外として日本の衆議院の議員1人当たりの人口というのが一般的には欧州とか、ヨーロッパ、その他の各国に比べて非常に多い、言い方をかえると議員数が非常に少ないという、そういうふうなことを述べられた上で、さらにこのようなことをおっしゃっていますので、少し読み上げますけれども、「国際比較分析からは、人口規模に比べて議員数が少ないことは、民主的規範に反する影響をもたらすことが知られています。例えば各政党の投票率が議席率に適正に反映されにくくなる。小規模政党が議席を獲得しにくくなる。少数民族や女性などのマイノリティー議員の議席獲得がより困難になるなどです」というふうにお書きになっていまして、当然といえば当然なんですけれども、議員数が少なくなればなるほど、代表制という側面からすれば、少し代表から漏れ落ちる住民さんが出てきてしまうと、その割合が大きくなるというそういう側面があるということにもやはり注意が必要かというふうには思います。
あと5分、10分ほどかとは思いますけれども、レジュメのほうでいきますと、3地方議員の選挙制度というところに移りますけれども、議員お一人お一人、先生方が責任をどのように果たされるかという側面と、それから特に選挙制度に関連してお話をさせていただきたいと思います。
ちょっと難しいんですが、これレイプハルトと読みます。オランダ生まれだそうですけれども、非常に高名なアメリカの政治学者でレイプハルトという人がいまして、先ほどお話をした粕谷祐子さんも、このレイプハルトの本を翻訳されたりされているんですけれども、そのレイプハルトが民主主義の考え方として、2つの方向性があるんだということをおっしゃっています。1つがマジョリタリアンデモクラシーというふうにいうんですが、多数主義型民主主義というものでありまして、一方がコンセンサス型、コンセンサスデモクラシーあるいは同意型というふうに訳されることもあります。みんなが同意するという意味です。同意型民主主義というふうに訳されることもあります。この2つの民主主義のあり方があるというふうなことを本にまとめておられます。
これは、どういうことなのかということですけれども、多数主義というのはともかく過半数を持った勢力でどんどん物事を決めていきましょう、即断即決でやっていきましょうという選挙制度であったり、あるいは議会制度であったり、いろんな要素があるんですけれども、そういうふうな民主主義のあり方というのが1つあるわけでして、これをマジョリタリアンデモクラシーというふうに呼んでいます。
それに対してコンセンサス型というのは、割とヨーロッパ、特に中央ヨーロッパなんかで多いわけですけれども、なるべくたくさんの合意を取りつけながら話を進めていきましょう。ただし、物すごく時間がかかります。物すごく時間をかけながらも、いろんな人たちの合意を取りつけて物事を決めていきましょう、これがコンセンサス型民主主義と言われるものでありまして、例えば二院制であるとか、あるいは中央地方関係であれば連邦制であるとか、いろんな要素がコンセンサス型にもついてくるわけですけれども、この両方の生き方が民主主義としてはあるというふうな議論をレイプハルトはしているわけです。
多数主義、マジョリタリアンの方向に関していいますと、いわゆる選挙区定数が1の場合のこれを小選挙区制というふうにいうわけですが、これは完全にマジョリタリアン型というふうにいうことができます。勝つ人は1人だけ、あとはみんな負けるわけです。そういうふうな小選挙区制の制度のもとでは、民意の反映、特に勝った人以外の人に投票した人の民意というのは代表されない、そういう意味でよく言われますけれども、死票、この割合が大きくなる、そういった弊害が大きくなるというふうな側面があります。ただ、これは先ほどの砂原さんなんかもおっしゃるわけですけれども、もし議員さんが当選しました、1人、一番たくさん得票した議員さんが当選して、4年間、県議会議員をやりました。もしとんでもないことをこの4年の間にその議員がやった場合に、次の選挙で落としてやろうということが容易にできるわけですね、小選挙区の場合には、現職を落として新人を当選させようというふうなことがしやすいというふうな側面があります。そういう意味での責任の明確化というのが小選挙区制の場合にはやりやすいという側面のところがございます。
それに対して、Mとちょっと難しい言葉で申しわけありません。選挙区定数のことをこれ実は地震のときと同じマグニチュードと英語でいうんですが、マグニチュード、選挙区定数が2以上の場合、2とか3とか4とか5とか6とか、こういった場合のことを一般的には中選挙区と我々言っているわけですが、中選挙区の場合、特に定数が大きくなればなるほど、民意は代表されやすい、こぼれ落ちる、つまり落選した人に投票した人たちの割合というのは、定数が大きくなればなるほど小さくなりますから、そういう意味では、民意は非常に代表されやすくなるわけですけれども、しかしながら例えば6人当選しました。たくさん得票した人から6番目まで当選しました。たまたま6人目とか5人目とか、何番目でもいいわけですが、4年間の任期の間にとんでもないことをやらかしたとかいうふうなことがあったとしても、次の選挙でその人を落とす投票ができるかというと、これなかなか難しいわけですね。7人、8人とか出てきて、選挙区定数が大きくなればなるほど、当選に必要な票数というのがどんどん減っていきますから、下がっていきますから、そうすると実績的にはこの4年間何かしたかというと、ほとんどわからないんだけれども、その人を落とすということができなくて、この人ももともとの支持層を固めれば、次の選挙でも通りやすいというのが、これ中選挙区制という選挙の制度の特徴なんですね。
県議会議員選挙では当てはまりませんけれども、例えば世田谷区議会議員選挙とか、杉並区議会議員選挙のように、1つの選挙区で60人とかを選ぶ選挙とかになると、ますますそういうふうな状況がありまして、そういう意味でのちゃんとやっていないから落とすということがしにくくなるのが大選挙区制、非常に選挙区定数が多い選挙制度ということになります。
そういうふうに考えると、この選挙区定数をどう設定するか、両方の考え方があるわけです。多数主義で多少の民意は捨ててもその責任の明確さを求めてマジョリタリアンの方向でいくというやり方も一方でありますし、他方でやはりなるべくたくさんの民意を吸い上げて、それは選挙区定数を大きく設定して、そして合意を得ながら物事を進めていくと、こういうふうに考えるかと、その両方の行き方で結論は当然変わってくるということになります。そこは、最後はやはりこちらにいらっしゃる議員の先生方も、まさに住民の方々の代表としてこられたわけでありますし、そこは先生方でお決めいただければというふうに思います。私はどちらの方向もありだということを申し上げるだけでありまして、どちらがいいとまでは、なかなか言えないかなというふうには思います。
選挙区定数というものが大きくなるほど、当然のことながら実質的に議会に存在をする政党の数というのは大きくなります。ここでは、詳しくは申し上げませんが、有効政党数という指標がございまして、実質的な政党の数、これはそれぞれの政党、もしくは会派なら会派でもいいんですけれども、この会派の割合とその会派の数によって算出されるものなんですけれども、選挙区定数が大きくなればなるほど、日本の都道府県議会でも有効政党数は大きくなるというふうな研究成果が、これは京都大学の曽我謙悟さんという方ですが、曽我先生によって提示をされております。
そういった形で選挙制度とそれから議会の進め方というのにも非常に関連をしている。最後になりますけれども、3番の最後に、開放性と効率性というお話をさせていただきますが、これは国会にしてもあるいは県議会にしてもそうですけれども、一方で限られた時間のうちにどんどん決めていかないといけないことはあるわけですね。特に予算案なんかはそうですけれども、限られた時間の中でたくさんの議案をどんどん議決に回していく、これを効率性というふうにいいます。まさに効率的にどんどん議案の処理をしていく、そういうふうな側面が議会には一方で求められます。
ですが、他方でそれこそいろんな多様な民意という部分を重視するならば、なるべくたくさんの人の合意を得ながら話を進めていく、そういうふうな部分も必要でありまして、これは特に少数会派に対するという意味なんですけれども、開放性という言葉で表現がされます。
これは開放性と効率性も私の言葉ではありませんで、今は京都大学にいらっしゃる建林正彦さん、待鳥聡史さん、曽我謙悟さんこの3人が強調されました比較政治制度論という教科書の中で書かれていることなんですが、なるべくたくさんの意見を取り入れながら、組み込みながら話を進めていくと当然時間がかかります。そういう意味では効率性が阻害されます。
しかしながら、効率性一辺倒でいくと、今度はなるべく早く物事を決めようということになりますから、多少の反対はあってもそれは振り切っていく、非常にマジョリタリアンなレイプハルトのいう多数主義的な方向に行ってしまうと、こういうことになるということになります。
その辺も含めて、選挙区定数をどう設定すべきか、こういう話につながるわけでして、実は選挙区定数に関する研究というのが政治学の中でもここ10年、15年熱心にされてきているわけですけれども、最後の御判断は、やはり議員の先生方だろうというふうに思います。
最後、4その他ということで、これで終わりますけれども、例えば2014年に45という定数で議決をされた。この選挙制度をもって執行しないまま選挙制度を変えれるのかどうかというそういうふうなことに関連して申し上げますと、法律上は別にそういうふうな状況でも問題ないわけですけれども、大阪府議会で、まさに政治状況に左右をされて、選挙制度が同じ任期の中で2回も変わるということがございました。2011年から2015年の大阪府議会の任期の間に、2回選挙制度が変更されています。御存じのとおり、大阪府といいますと2008年に橋下徹さんが大阪府知事になり、そして大阪維新の会を組織をして、2011年4月に大阪維新の会が大阪府議会の過半数を占めると、こういうことになりました。2011年5月の定例会におきまして、議員定数を削減するということで、100以上あった議員定数を88に減らす、そういうふうな選挙区定数条例を維新の議員で提出し、可決をさせたということがありました。
しかしながら、この後、ちょっといろいろごたごたがありまして、大阪維新の会が過半数割れを起こします。大阪維新の会が過半数割れを起こしまして、実はその前に、平成23年5月に定数88のそしてもっというと選挙区定数が1が非常に多い、小選挙区が非常に多い選挙区定数条例というのを可決をしているんですが、それから4カ月後に自民党議員がもう少し選挙区定数を大きくする。88はいじらないまま2人区を増やす、そういうふうな選挙区定数条例を平成23年9月に出しておりまして、ずっと継続審議になっていたわけですが、大阪維新の会が過半数割れを起こした後の26年2月の定例会で、これを可決をするということをやっています。平成27年の大阪府議会の議員選挙というのは、26年2月に可決をされた自民提出の府議会議員選挙区条例に基づいた選挙が行われているということでありまして、そういう意味でいえば26年に改正して、27年に三重県議会も改選を迎え、議員構成も変わり、会派構成も変わり、新しい状況になって、その状況に応じて選挙区定数条例を変更するということに関しては、特に問題もないといいますか、そういうふうな例も別に大阪府では同じ構成の中で2回選挙制度を変えているというふうなこともあって、そこに関しては特に問題はないのかなというふうに個人的には考えております。
以上、非常に雑駁な話ではございましたが、私からの意見陳述といたします。御清聴どうもありがとうございます。大変失礼いたしました。(拍手)
〇舟橋委員長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御意見を受けまして、委員の皆様から御質疑等をお願いいたします。
なお、念のため申し上げますが、参考人の方は委員長の許可を得て発言し、また委員に対しては質疑をすることができないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、質疑があればお願いいたします。
〇山本委員 よろしくお願いをいたします。山本といいます。
総合的なことで考えなくちゃいけないので、一つ一つ今指数なども説明していただきました。それだけでは語れないと思うのですが、今説明いただいたルーズモア・ハンビー指標というのは、これはどなたか個人の名前がついているのか、これを例えば日本語で端的に何をあらわす指数かということで表現するならどういうのかということと。
表の2なんですが、上の51名の場合と45名の場合で、出てきた指数が、総合指数が低くなったので、それは改善されていく方向なんだという御説明をいただきました。一つ一つの選挙区についてみてみると結局変わっているところと変わっていないところがあるので、総合的に数が減るということがよい改善の方向であるとすれば、減っているところとそのままのところがあるわけで、この差の絶対値というところにある数が大きく取り残されるということは、問題がそこに残されるということになるのか。それを改善するためには、どうすればいいのか。例えばこの指数についていえばということなんですが、絶対総合数が低くなることがいいことだということは、変わったところはいいんだけど、そのほかはそのままですよね。その考え方がちょっと総合数で言われるので、わからないんです。
〇辻参考人 御質問にお答えをいたします。
ルーズモア・ハンビーというのは、まさに人名でありますけれども、簡単にいいますと図表2にありますように、それぞれの選挙区における人口と定数にどれだけのギャップがあるか、そのギャップを小さくしましょう、それがLH指標だと、こういうことになります。選挙区に関して、山本委員の先ほどの御質問の2つ目にもございましたけれども、なるべくそういったギャップを小さくして、いわゆる全ての選挙区において、そういった人口割合と定数の間のギャップがゼロになるようにする、それがいいんだということで算出をされるのがこのルーズモア・ハンビー指標ということになります、簡単に申し上げますと。
そういう意味でいいますと、確かに選挙区の定数が変わらずにあるいは人口は当然その時々で変化をしていきますから、そのギャップが拡大をすることもあったりするわけです。人口が増加をしていて、定数がそのままであれば、4年前と今回では、選挙区に関して差の絶対値は大きくなるというふうななことになって、それはその選挙区に関してはよくないということに当然なります。
そういうふうに計算をする、考えれば、なるべく全ての選挙区において差の絶対値をゼロに近づけることがいいことに間違いはないんですが、しかしながらこれを本当にやろうとすると、かなり技術的に困難な部分がございまして、それは何かというと、結局市町単位で選挙区を設定しないといけないと、そこにかかわってくるということになります。
当然定数というのを0.3人とかあるいは1.5人というふうにはできませんので、どうしても差というのは出てきます。人口割合と定数割合には差が出てきますし、それをゼロにしようと思っても、これは実際には無理だということになるかと思います。
少し話がずれるかもしれないんですけれども、日本の衆議院議員選挙の選挙区定数、例えば今ですと295ですけれども、その295の選挙区をどのように割り振っていくかということについて研究をしている人もいまして、日本の衆議院議員の小選挙区に関しても、基本は自治体単位で区切りなさい、隣接する自治体同士で1つの選挙区を構成しなさい。例えば中核市とかのように、人口が80万とかであれば、2つに分割をしてもいいけれども、しかしながらそうでない場合は、それぞれの市町村あるいは隣接する市町村で1つの選挙区をつくりなさいということになっていますので、それをもとになるべく1票の格差が小さくなるようにいろんな人口、市町村の組み合わせを幾らやったところで、これは残念ながら2倍を下回ることはないという、そういうふうなシミュレーション結果も出ているんですね。
そういうふうなこともありまして、理想としては全ての選挙区において、この差の絶対値をゼロに近づけることがいいことだろうとは思いますけれども、実問題としては難しい、その中に関して全体としての選挙区の格差というのを小さくするかというのがLH指標で示される課題といいますか、内容ということになるかと思います。
以上でございます。
〇山本委員 ありがとうございます。
ギャップの解消は、全体的に解消することと、個々のところも、全てがゼロになるとか、全てのところがぐっと低くなるとかはなかなか難しいというのは、技術的にわかりますが、それぞれのところでギャップが減っていくようにと考えることも大切だと、争点だけでは難しいということですね。それぞれのところに影響があるほうがよいわけですよね。
〇辻参考人 結局それぞれについて減らしていくということになるわけですが、全体の定数を1ついじるだけでも全部変わってくるわけでありまして、それぞれの選挙区の差の絶対値がですね。なので、本当にこれは非常にどうやって調整するかは、難しいんですが、基本的にはやはり議員1人当たりの人口を割り出して、それを全ての選挙区並べまして、なるべくでこぼこが出ないようにするというのがいいということになるかと思います。
以上でございます。
〇西場委員 内容が高度で広いので、何をどう質問したらいいかというのがなかなかわかりにくいんですが、率直に感じさせてもらったことを申し上げますので、私の申し上げたことに対する先生のお言葉をいただければありがたいなと、思うんです。
中央、国会の話と地方のことを申されましたが、私どもは地方でございますので、地方を主体に考えておるんですが、最高裁の見解なども含めて国と地方は違うと思うんですね。そういう中で、国の流れに左右されているのが残念ながら地方でありますので、特に政党政治についつい流されるというようなことがあるんですが、地方議員はまた国会議員とは違うという要素が強いということを我々意識せなあかんと、こう思うんです。
最初に、三重県全体のことを考える議員か、選挙区の委任を受けた議員かという話がありましたけれども、とかく議員になってしまうと三重県全体のことを考えたいなと、こう思うんだけど、やっぱり今先ほど説明もありまして、確信したんですが、公職選挙法が示される内容からいえば、我々はそこの選挙区の有権者に委任を受けた議員であるということを一遍改めてこれは何が正解なのかも含めてしっかりと意識をしないと、まず議論の基本かいなと、こういうように思わさせてもらいました。
そういう中で、それぞれ選挙区の代表というのが中選挙区制から1人、小選挙区制というようなことの比較のお話もありましたけれども、国が小選挙区、政党の競争の流れになってきたもんですから、我々もそういう意識に流されがちでありますけれども、国会議員と県議会議員は違うというところの意識に立てば、やはりできたら複数、多くの有権者の気持ちを代弁する選挙区制度に努めていく必要があるということを改めてそういう感じを強くさせてもらったところであります。 そういう中で、LH、インデックスの表を見て、なかなか分析できないんですけれども、この人口割合と定数割合というものが2つ書かれておるんですが、定数割合のパーセントと人口割合のパーセントの比較の中で、人口割合の多いところが今度の45にしたところで物すごく多くなるわけですね。これは人口の多いところはそうなんですけども、人口が少ないところまでもいわゆる過疎、離島を抱えたようなところも含めてそういう地理的条件の厳しいところまでも定数割合より人口割合が多いというところが増えるということについての民意の反映、そういうものがどういうふうになるかというところに意識を高めさせてもらったところでございますが、質問の尻がなかなか締まりませんけれども、そんなことを感じさせてもらいましたんで、何かちょっと追加してお言葉をいただければ、ありがたいと思います。
〇辻参考人 お話しありがとうございます。
国会あるいは国レベルの話と地方レベルの話を同列に論じていいのかというところも含めてのお話だったかというふうには思います。1つ目の話ですけれども、これも実は政治学者の中でも見解が分かれるところであり、ましてや地方の議員の先生方の中でも見解の分かれるところであるんだろうというふうには思います。
伝統的にはよく日本の地方自治、あるいはもっといいますと地方政治に関して言われてきたことですけれども、そもそも地方政治という言葉って余り使われなかったんですよね、学術の世界においても。つまり、それこそ山縣有朋の時代からとよく言われるんですが、地方に対立は持ち込むべきではないというふうな見解が支配をして、それが戦後の長い間もずっとあったんだというふうな見解というのが割と1970年代、80年代まで続いてきたというところはあります。
ただ、私はそれがいい悪いは別にして、国政の流れと地方政治、例えば県議会なら県議会との間の連動性がどの程度あったのかというのを私自身はもともと関心があったものですから、研究をしたというところがありまして、そういう意味ではかなり国政の流れに引っ張られがちな形で議論をしてしまった部分はあるのかなというふうには思います。
あと、もう1点、違いという意味で議論をしないといけないのが、執行部との関係ですね。これが完全に違うという、そこに関してはやはり注意が必要でして、国レベルですと議院内閣制、しかしながら自治体レベルだと二元代表制、このあたりをどういうふうに考えるのかということも含めて考えないといけないというところがございます。本日はそこまでの話はしないつもりではありますが、もし御質問があれば、後でお受けいたしますけれども、少なくとも選挙区定数という話に関していえば、法律上も確かに第15条の第7項、特に第8項のただし書きのような言及があったとはいえ、基本的には原則は人口に比例して条例で定めようということで、そういう意味では国と同じような衆議院議員あるいは参議院議員と同じような設定のされ方になっていますので、そこを踏まえて国の選挙区をめぐる裁判に関しても触れさせていただいたということになります。
それから、国自体が小選挙区制に1996年の選挙から変わって、どうしてもそちらのほうの議論に流されがちであると、他方で過疎とか離島の問題というものをどのように考えるのか、あるいはそういった人口の少ない地域における定数割合をどう考えるのかというそういうふうなお話であったかと、後半の部分、私は聞き取ったわけですけれども、最後はやはりそれこそ言葉悪くいうと先生方に丸投げすることになるわけですけれども、いろんな多様性を持った議員の先生方が集まっておられるわけで、そこは最後はそれこそ議員の先生方でお決めになるべき話だろうというふうに思います。やはり厳密にやればやるほど過疎地域あるいは人口の少ない地域の声が届きにくくなる。それは当然のことながらそうなるわけですけれども、果たしてそれでいいのかという問題は当然あるわけでございまして、そこは三重県として、全体として均衡ある発展というものを目指すのか、それとも1票の格差とかあるいはそういった部分を重視すれば、北部のほうの人口の多い地域から多くの定数を出すべきだという原則を突き詰めていくのか、やはりそれはもう両極端なんですよね。最後は議員の先生方で御議論いただいて、どこか妥協できるところに持っていくということが必要なのではないかというふうに考えます。
以上でございます。
〇舟橋委員長 ほかにございますか。
〇今井委員 今日は本当に貴重なお話ありがとうございました。
その中で1点だけ、ちょっと簡単に先生の御意見を聞かさせてもらいたいと思います。
先ほど大阪府議会の話で、選挙制度条例の改正が2回あったと。同じ4年間の任期中に2回あったというケース、そういったこともありますので、条例改正することも大阪でもありましたよということだったんですけれども、三重県の場合は前回の改選のときに45にするということになりました。それで昨年4月選挙を迎えました。立候補を検討している人は、その条例に基づいて立候補をするかしないかを決められた方も中にはいらっしゃるかもわかりません。それが1点、そこに対するお考えがあった上で、今回の改正をどう思うかというのを聞きたいのと。
それともう1点は、先ほどの大阪の場合は、88に定数を変えたものを2回目の改選のときも88はそのままですと。今回もし三重県が、まだ今後どうなるか、これは議論のあるところですけども、改正があって、定数増になる場合というのは、どのように住民に対する説明を果たせるのかどうかも含めて先生のお考えをちょっと聞かさせてもらいたいと思います。
〇辻参考人 まず、後者の2つ目の質問から回答させていただきますけれども、確かに今の地方議会あるいは地方議員に対する厳しい視線というのは、メディアからにしてもあるいは有権者の方々からしてもかなりあるとは思います。あるいは議員定数を減らすべきだというふうな見方もあるかと思いますけれども、私はそれにはくみしませんので、考え方としましては。
先ほどの粕谷祐子さんのブログの紹介もしましたように、決して議員数が少ないことがいいとは考えませんし、減らす場合にしても、増やす場合にしても、それはもちろん住民の方に説明は必要だとは思いますけれども、じゃ増やすから何がしかの減らす場合に比べて特段のプラスの説明が必要かというと、私は特に必要はないと、同じように説明をすればいいというふうに考えます。
そうすることによって、議員定数が増えれば、それだけ多くの民意を酌み取れるというそういうプラスの側面もあるわけですから、そこに関しては定数増、定数減に関しては、私は区別はしなくていいというふうに考えております。
それから、前回の改正の前に45に減らすという条例をお決めになって、その45という条例を見た上で立候補するかどうかというのを検討された方もいらっしゃるんじゃないかというお話であったかというふうに思います。その点に関しては、もちろん施行日というのがその時点で決められていたわけですから、そこも含めて立候補するかどうかというのをそれぞれ議員候補になるかどうか、考えていらっしゃる方は見られたわけでありまして、それはそれでいいんじゃないかといいますか、さらに将来的には例えば51から次の2019年には45になりますということも見据えて、立候補を判断される方もそうでないかたもいらっしゃるでしょうし、しかしながらその定数条例というのは、それこそ条例改正すれば幾らでもいつでも変更はできますので、余りいい表現じゃないかもしれませんが、政治というのは一寸先は闇だとよく言われますけれども、その辺も含めて将来を見越した上で皆さんそれぞれ御判断になることなので、前に改正したことがどうだとかあるいは現状がどうだというのも、全て一つの情報であって、それ以上のものでもないし、それ以下のものでもないのかなというふうに個人的には考えます。
以上です。
〇舟橋委員長 ほかにございますか。
〇中村委員 ちょっと質問か意見かわからないところあるんですけど、1人区のことが出ましたけども、1人区が死票につながるということで、それは投票時において死票につながるというだけですよね。私自分が1人区なんで、珍しいほうの部類なんですけども、投票時には死票が生まれるんですけれども、民意の反映という意味では、ほぼまた五分五分ぐらいの均衡に戻るんですよ。下手すると、死票のグループの意見のほうをたくさん取り上げなければならないように追い込まれたりもするんで、投票行動がそのまま民意につながるというふうに先生がもし思ってみえるとしたら、それはまた誤解だというふうに思いますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。
以上です。
〇舟橋委員長 質問ですか、意見ですか。
〇中村委員 意見ですけど、答えていただける。何かコメントいただけるようでしたらいただきたいです。
〇辻参考人 確かにおっしゃるとおり、投票時における判断ですよね、死票になるかどうかというのは。投票時の判断がそのように転換されるか、それとも1人区で当選した人にその時点で集まるかというそういうふうなことであることは確かだとは思います。
その後の投票日の後の4年間が当選した1人の方が死票を投じられた、つまりほかの候補に投票された方々のことを全く意識しないかというと、それは絶対あり得ない話ですし、中村先生もそうされているはずですし、私が言うのも非常に僭越ですけれども、そういうふうな側面は非常にあるかとは思います。
ただ、それこそ結局は究極の選択をそれぞれ1人区のときもそうですし、2人区でも3人区でもそうですけれども、投票時には有権者迫られるわけですね。今後の4年をどの人に託すかいう、そういう意味では、非常に1票を投ずる瞬間というのは、重いことは確かだと思うんですね。その上で、特に戦略的な投票者という表現を使うんですけれども、自分の1票が例えば死票にならないような投票行動をするという人も当然いまして、私もちょっとうまく説明はできませんけれども、その辺も含めて投票行動というのは、非常に重要だし、死票が出るということが問題視されるのもそれだけ投票が重い意義を持つからだというふうに御理解いただければと思います。
〇舟橋委員長 ほかにございますか。 傍聴の方から手が挙がっていますけど、委員の皆さんをまず優先したいと思いますが。
〔「何時までや」の声あり〕
〇舟橋委員長 一応、辻参考人には15分ぐらいまでと考えております。
〇三谷委員 いろいろ御説明いただきまして、本当にありがとうございました。
先ほどの話とも少し関連してくるんですが、LH指標で人口割合、定数割合の数字が出ているんですが、確かに定数減らして一定の改善が見られるということは、そのとおりなんでしょうけども、一番の差の絶対値の高いですね、例えば四日市だとか鈴鹿だとか、ここら辺の数字をいじるほうが全体の数値の改善につながってくるのかなと、こう思うんですけれども、そこよりもまだ低い、今回の新しい選挙の条例でいきますと、そこよりも低いところの数値の改善が見られていて、一番大きいところの数値の改善がそのまま据え置かれているんですが、こういうことはどうなのか。ですから、一番大きいところをまずいじるべきではないのかという考え方が1つ。
それから、県別の人口当たりの2番目、3番目のグラフをいただきますと、三重県というのが大体全国の流れの中でさほど特異なところにはいないということなんですが、これは別に定数を変えなくても、三重県というのはそんなに日本中で飛び抜けてみえるところにいるよという話ではないというふうに理解してよろしいんですかね。2点です。
〇辻参考人 まず、LH指標に基づく選挙区定数のいわゆる改善方法に関しての御質問についてお答えをいたします。
当然のことながら定数をいじらない限りは差の絶対値も変わらないわけでありまして、こちらのほう差の絶対値が大きいところを改善していったほうがうまくいくんではないかという御質問であったかと思うんですが、しかしながら例えば四日市市を7を8にするとかということになると、今度は別のところでまたその絶対値が拡大をしていくということに当然なっていくわけですよね。ですので、そういう意味では、技術的には非常にこれ難しい話でありまして、それからもちろん定数が小さいところというのは、割と亀山市はちょっと差が大きいですけれども、その差の絶対値なんかも割と小さくおさまるというふうな傾向はあるので、そういう意味でいえば確かに三谷先生おっしゃる内容は、正論は正論なんだろうとは思うんですが、最後は議員の先生方お決めになることだろうと思いますし、本当に私はそう思っていますので、私がこんなところで偉そうなことを言える立場に全くありませんので、そこも含めて三重県としてどういうふうに判断をするかというところなのかなというふうには思います。
それから、2点目ですけれども、特に図表の3、4というところで、これは現行51人の定数というところでプロットをした図になりますけれども、現行でもそれほど全国的に見たときに突飛なところにいるわけではないという、そこを示したものでありまして、そういう意味でいくと特に51を45に減らさないといけないかというと、そういうわけでもないですよと、そういう議論でございます。
〇舟橋委員長 ほかの委員の方ございますか。
〇西場委員 途中の説明の中で、とかく最大と最小の比較になりがちだと、そうじゃなくてもっと違ったよりよい指標、インデックスを使っていくということもいいんじゃないかというお話ありましたが、その事例とか、それはどういうものなのかというのをもう少し教えてほしいんですが。
〇辻参考人 ですので、まさに今、西場先生おっしゃったように、例えば四日市が一番最大ですよね、差の絶対値が。そこをいじるべきではないか、あるいはいじっていくというのがうまいやり方ではないかという話とつながってくるわけですけれども、もともとLH指標とかのときに、ちょっと考えたときにいい例としてあるのが、また衆議院の話で非常に恐縮なんですが、神奈川県と大阪府の小選挙区の定数の逆転現象というのがあるんですね。大阪府と神奈川県、昔は大阪府のほうが人口が多かったんですが、今はもう神奈川県のほうが人口が多くなっています。大阪府で880万、神奈川県が900万ぐらい、900万超えていたのかなという人口です。しかしながら、小選挙区の県内の定数というのが神奈川が18で大阪が19のままずっととまっているんですね。つまり、これは神奈川県民がすごく損をしている、そういうふうな状況になっているわけですね、現状。神奈川県のほうが人口が多いにもかかわらず、小選挙区の議員は18人、大阪府は人口が少ないにもかかわらず、小選挙区の議員は19人、これがずっといじられない。それはなぜかというと、結局一番議員1人当たりの人口の小さいところと、それから一番多いところを比較して、そこを何とか抑え込むために例えば0増5減だとか、そういうふうなことをやっているから、いつまでたっても神奈川県の定数が増えない、あるいは大阪府が減らされない、こういうことになっているという話なんでして、だからこそ全ての選挙区についてそれこそLH指標であるとか、あるいはジニ係数というのを使って計算する方法もあるんですけれども、そちらを使うべきだという議論が割と政治学、特に選挙制度研究をしている人から提唱されておりまして、それでここでも三重県議会の選挙区定数に関してちょっと調べてみたらどうなるかなと思ってやってみたというのが今回の御報告内容ということになります。よろしいでしょうか。
〇西場委員 わかりづらいけど、ありがとうございました。
〇舟橋委員長 よろしいでしょうか。
じゃ、傍聴のほうから求められておりますので、発言よろしいですか。
〔「異議なし」の声あり〕
〇舟橋委員長 では簡潔に。
〇石田委員 簡潔に、LH指標の指数の表の見方なんですが、定数割合のパーセンテージの出し方は、その隣の定数の例えば7を51で割って13.7と、こういう出し方でいいんかと思うんです。下の表は、45に減らしたときの表なんですよね。この7を45で割るという理解を私はするんですが、ちょっと51のままで割っているんじゃないかんと思うんですけど。
〇辻参考人 ちょっと待ってください。今やります。言ってくださいましてありがとうございます。
〇石田委員 委員長、時間がなかったら後で出していただいたら。
〇舟橋委員長 分母が変わってくるでしょうから、これはそうしたら後で打ち直していただいて、また資料として事務局のほうで配っていただきたいと思います。
ほかにございますか。よろしいですか。
〔「なし」の声あり〕
〇舟橋委員長 じゃ、15分になりましたので、一応この会を閉めさせていただきたいと思います。
質疑をこれで終了します。
ここで暫時休憩いたします。なお、再開は3時30分といたしますので、よろしくお願いします。
〇辻参考人 改めて資料はお渡しさせていただきますけれども、今計算しました。そうすると、差の絶対値を全部足すと0.104になりまして、LHインデックスが0.052でございます。大変失礼いたしました。
〇舟橋委員長 また、打ち出していただける。できますね。
〇辻参考人 可能だと思います。
〇舟橋委員長 可能だね。じゃ、休憩します。
(休 憩)
〇舟橋委員長 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
改めまして、参考人の江藤俊昭教授に一言、御挨拶を申し上げます。
江藤教授におかれましては、日ごろ、三重県議会の運営に大変お世話になっておりますことを感謝申し上げますとともに、本日大変お忙しい中、この委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございます。
委員会を代表して心からお礼申し上げますとともに、忌憚のない御意見を賜りますようよろしくお願いを申し上げるところでございます。
それでは、江藤参考人から意見聴取を行います。江藤参考人、お願いいたします。
〇江藤参考人 改めまして、こんにちは。
今紹介にあずかりました山梨学院大学の江藤です。よろしくお願いします。
私は、ところで何分しゃべればいいんでしょうか。
〇舟橋委員長 三、四十分。
〇江藤参考人 好きなだけ、あんまり長くならないようにお話しさせていただきたいと思います。
それで、今日レジュメというんですか、幾つか用意させていただいているんですが、まず最初に。
〇舟橋委員長 どうぞおかけください。
〇江藤参考人 議会改革を進めている三重県議会で、参考人で呼ばれて光栄に思っております。
ちなみに、私は、今日は山梨県から来まして、いろいろ問題があったところであって、例えば3月に流会しちゃったんですね。当初予算も全部流しちゃって、結局専決で全部専決にしちゃったって、歴史的な汚点とかですね。私は前代未聞と言っているんですが、そういうふうなところとは違った議会改革をやられているというところでお邪魔させていただいております。すごいことだと思っていますが。
それから、特に全国的に今議会批判、とりわけ定数、富山県議会の政務活動費等々があって、定数だとか報酬だとか、それから政務活動費の議論の中で、こうした定数問題を真摯に議論しているということで、私もかなり関心を持っているところです。
今日結論からいいますと、私今日レジュメのところで間違いがなければ、ここの特別委員会というのは、選挙区の特別委員会というのでよろしいんですね、名称は。
〇舟橋委員長 選挙区及び定数の。
〇江藤参考人 及び定数ですか、ごめんなさい、ならばいいんです。
〇舟橋委員長 ごめんなさい。選挙区調査特別委員会という。
〇江藤参考人 調査ですね。
〇舟橋委員長 はい、調査です。
〇江藤参考人 私、選挙区というのと恐らく定数が連動しているんだと思うんですけども、恐らく選挙区の議論の前に、定数の議論というのを原則としてされたほうがいいんじゃないか。もちろん、これはされているんだと思うんですけども、名称のところで選挙区調査というふうなことだけではなくて、定数、そして今委員長が言われたように及びでつなぐのがいいんではないだろうかというふうに正直のところ思っています。そういうふうな視点で今日はお話をさせていただきたいというふうに思います。
それで、最初に定数と選挙区の考え方ということで、これは皆さんがもう既にずっと特別委員会で議論されていることの復習になるところがかなり多いというふうに思うんですけども、私の考え方も含めてお話をさせていただきたいというふうに思います。
定数、選挙区の考え方のところなんですが、従来はそれほど議論しなくてもいい、ある程度既存のものを使えば決着がついた問題だというふうに思うんですね。これは従来の定数、選挙区の設定の考え方というのは、これは地方自治法及び公職選挙法に規定されながら、選挙区の設定は市、郡とする。そして、選挙区というか、これ間違えていますね。議会の定数というのは、法定数あるいは法定上限数ということで決まっていますから、そこの中で選挙区設定の中で人口をある程度考慮しながら定数を選挙区に配分すればいいというふうなところだったというふうに思います。
ただ、自治法改正、公選法改選に基づいて定数、選挙区の設定の考え方ということなんですけれども、自由にできることが一番いいんでしょうけど、まだ縛りがある中での設定の仕方をしなければいけないということで、皆さん御苦労されていると思うんですね。選挙区については、条例に基づくんですけれども、幾つかの原則があるということです。
それから、自治法の人口基準は削除していますから、法定数あるいは法定上限数ではなくて、それぞれの自治体で定数を決めればいいということになっているということで、ここから難しい話が出てくるんだと思うんですね。全部自由にしてくれればある程度楽は楽だと思うんですけれども、まだ公選法の縛りがあるということです。
それで、私自身は、原則として(3)に書きましたが、住民自治の根幹としての議会を作動させる定数や選挙区の考え方というのをどういうふうにしたらいいかどうかということを問題設定としてさせていただきたいというふうに思います。
これは2つありまして、1つは二元的代表制ということですから、議院内閣制でもない。その二元的代表制の流れの中からいうと、首長、知事と議会を連動させるわけでもないし、あるいは対立させるわけでもない。そういう意味で議会のほうは多様性というのがすごく大事なポイントになってくるんではないでしょうかというふうに思います。繰り返しますが、二元的代表制の中の議会というのは、多様な民意を反映している。だから、過疎地からも1議席という意味はわかるんですが、そうしますと選挙の思想からいうと1人区の議論の中で、多数代表制という総体的な多数派のところに過剰に代表させるというふうな議論が出てきます。そうしますと、多様性という二元的代表制の議論とはこうした発想というのは、私は逆行するんではないだろうかというふうに思っています。
少なくとも2人区、これは2人区が少数代表制でいいかどうかと、議論が分かれるところですけれども、2人区以上だということであると、過重に代表させるだけではなくて、ある程度第1順位だけじゃない人たちも当選することができるということで、多様性を考慮するということになります。
ただし、合区等々やると過疎地域の意向がなかなかそういうふうなところでは、1人区というものを置かないものですから、過疎地域だけというわけではないので、過疎地域からの代表の意向をどういうふうに考えていくかどうかというのは、留意点として残るところだというふうに思います。
それから、原則のもう1点目は、この二元的代表制を作動させるときに、多様性とともに討議できる人数というのが定数の基本的な考え方ではないだろうかというふうに私は思います。従来は、議会の定数というのは、人口による要するに住民代表が基本的に定数として配置されてくるわけですけれども、これが取っ払われました。そうしますと、どういうふうな基準で議論していくかどうかが定かではない。じゃ、住民の意向を反映させるために定数増という議論が出てくるわけですけれども、どこまで増加させれば住民代表の基準となるかというのは、定かであるわけではないし、議会にも住民参加を入れていけば、住民の意向というものがある程度反映されるものではないか、だから定数増というふうにはなかなかいかない。
定数減、定数を削減という議論というのがあるわけですけれども、機動性や専門性というのは、これは執行機関の論理なんですね。だから議会の論理というのはどうしたらいいか、先ほど言った多様性とともに討議できる人数ということを私は従来の人口を基準にする議論から、討議できる人数ということに転換をさせています。この転換をさせたところで、一体討議できる人数というのは何人かというのは定かではありません。ここはある程度科学的な根拠ではなくて、住民と一緒になって議論するものとしての基準というのを今からお話をさせていただきたいと思います。
今、本会議中心ではなくて、委員会中心をとっている場合、1常任当たり、私は少なくとも七、八人以上ということを言っております。これは経験則的にいって、例えば私とかかわっている福島県会津若松市議会とか、あるいは長野県飯田市議会だとかというのは、ちょうど七、八人なんですね、1常任委員会当たり。そういうことが経験としてあるし、6人以下でもいいんじゃないだろうかという議論があるんですが、6人、ワールドカフェというのが今はやりなんですけれども、ワールドカフェというのは自由に議論できるのはいいんですが、恒常的に議論するとなると、私はワールドカフェと議会の議論は違うものだというふうに思っているんですね。そうしますと、ワールドカフェの基準というのは6人以下でなければだめだというふうなことです。だから、便宜上、議論する素材として、1常任当たり七、八人以上ということをお話をしています。
ただし、この七、八人の中に、例えば今ここで恐らく議論される過疎地域の人たちがここの七、八人の中に入っていないというのは、やはり問題が残るんではないかなというふうに思っています。それも七、八人の中に1人というのが問題であって、少なくとも複数、二、三人が入るような配置というのが必要なんではないかというふうに思っています。そうすると、私は統計的分析をしているわけではないんですが、感覚的にいうと三重県などでは、恐らく1常任当たり10人ぐらいのところが着地点かなという印象を持っています。
ちなみに神奈川県で、恐らく調べられたと思いますが、神奈川県で定数等でしたでしょうか、調査特別委員会というところが報告書を出していると思うんですけれども、これは1常任当たり13人というふうにしています。この13人は、恐らく神奈川の場合は、指定都市だとか中核市のところからの出身議員が余りにも多くて、過疎地域が少ないために13人ぐらい1常任を置かないと過疎地域と、ちょっと言い方悪いでしょうか、通常何と言っているんですか、こちらでは。過疎地域でいいですか。
〇舟橋委員長 そのまま使ってください。
〇江藤参考人 ちょっと言い方を間違えると問題かなと、よろしいですか。
ところに、少なくとも二、三人、入るような配置をするとすれば、恐らく1常任当たり13人ということで神奈川の場合は提案されているんだと思うんですね。そうしますと、この分析をしているわけではないんですが、10人ぐらいだというふうに考えた場合、常任委員会は6でしたでしょうか。
〇舟橋委員長 はい。
〇江藤参考人 そうすると、60ぐらいのところがまずは考える基点になるんではないでしょうかというふうに思います。ちなみに法定上限数のときは、こちらは今58ぐらいだったか。今の定数は51なんでしょうけど、法定上限数のときの人口規模でいうと恐らく58だと思うんですね。そうすると、今のお話の中でそういう議論と住民代表機関の議論と討議できる人数というのがある程度重なり合うところの定数というのが出てくるんではないでしょうかというふうに思います。
次に、(4)のところで、ごめんなさい。上記2つの原則、多様性と討議できる人数を考慮して、定数を考えながら選挙区を考えていくというふうな原則的な考え方がいいんではないだろうかというふうに思っています。
実際、どういうふうな手続きで行っていくかどうかを(4)のところに書かせていただいています。それは住民自治の根幹としての議会を作動させる定数、選挙区の考え方2というふうに論理というか、思考方法の手順というふうに考えていただいて結構なんですが、前提として自治法や公職選挙法で縛られているところがあるんですよねと、これを前提に考えていかなきゃいけない。だから、人口を考慮して選挙区の定数を決める。だから余りにもばらつきがあったら問題なんだ。選挙区自体は文化等の共通性から選挙区というのは設定する必要があるんではないだろうか。
3番目、同じことなんですが、人口に比例して選挙区の定数を決める。上2つと同じことですね。ただし、公職選挙法の15条の8項のただし書きがあるので、ここのところの考慮は一応可能になってきているということだと思います。
そこで、考慮すべきことについての議論なんですけれども、まずは議員定数の確定、そもそも常任委員会の6というのがいいかどうかも含めてこれは行政別でしたでしょうか、ちょっと忘れちゃった。行政別常任委員会と書かれていたんですかね。
〔「部門別」の声あり〕
〇江藤参考人 行政部門別ですね。その6というのが今の議会を今後考えていく場合の妥当かどうかも含めてまずは考慮して、6でよければ、それ掛ける10ぐらいのところが定数として配置されるんではないだろうか。
それを選挙区に配分するわけですけれども、その場合、選挙区というのは今までの市、郡ということを考慮しながら、よほどそれと違うような文化がある場合は、選挙区を分けるということは、考え方としては妥当だと思いますけど、これは私はよくわかりません。現実にそういうふうな歴史だとか文化の流れの中で選挙区をどういうふうに設定するかどうか。恐らく従来の市、郡というのを基本的に考慮しながら選挙区を設定するものだろうというふうに思います。
先ほどお話をしましたように、1人区にしないような考慮及び委員会に過疎地域出身議員が複数配置するように規定しながら、そこから定数の調整、3倍以内にしていく、定数増を排除しない、こういう議論が今必要になってきているんではないでしょうかというふうには思います。
今最高裁で3倍以内というふうにありますけど、ここまで国政の議論が最高裁の国会の議論があると、今後3倍以内というのがそのままいくかどうかというのは、ちょっと心配なところというのはありますけど、一応今現在のところはそういうふうな規定があるということです。
先ほどの繰り返しになりますが、仮に6常任委員だとすれば、7から8人、42名から48名、面積要件、過疎地域を考慮して、2人ずつを別途に入れるとすれば、こういうふうな数に一応便宜的になるんではないですかというふうなところの仮のものです。考え方として、仮のことについてお話をさせていただきました。
定数増の場合もあり得るんじゃないでしょうかと、今の51、それから今後45に下げるんでしょうけれども、下げることだけではなくて、今後知事と執行機関と政策競争していく議会をつくっていく場合の定数とはどのくらいなんだというふうな問題設定が必要なんではないでしょうかというふうには思います。
ただ、討議できる人数の定数は、これは議論のたたき台なので、科学的な根拠があるわけではありません。ただし、増やす場合は、今の現実の県民意識を考慮して、議会費を一定にしながら何らかのものは削る必要があるんじゃないかなと、現実には思います。私のそもそも原理的な考え方は、定数と報酬というのは、論理は別なので、議会費を一定にして、定数を増やしたから報酬を減らせというふうな議論というのは、全く根拠がないというふうに思っています。しかし、現実には県民意識の議論からすると、定数を増やすんであれば、何らかのところで削減の議論というのはしたほうがベターなんではないかと、現時点ではです。私は定数を上げたから報酬を下げろという議論というのは、全くナンセンスな論理的には成り立たない議論だと思うんですけれども、今の県民意識からすれば、仮に定数を増やす場合は何らかの削減方式は、今の時点ではとるべきではないかというふうに思っています。
さて、補足になりますけれども、平成26年5月の選挙区調査特別委員会委員長報告というのを読ませていただきました。これが今の51から45に定数を削減するという議論だと思うんですけれども、私が今お話をしたそもそも定数、議会を活発化していく、知事と政策競争をしていく定数とは何ぞやという問題設定が見当たりません。だから、恐らく私の読み方としては、現行の定数を固定化してあるいは考慮せずに選挙区問題として議論を狭めているんではないかというふうに、ちょっと失礼な言い方かもしれませんが、読めました。
議員、選挙区間の関係を考慮しながら定数を調整するというふうに読めています。議員1人当たりの人口が最大選挙区の検討というのは、これは実際上2選挙区あったと思うんですが、据え置きにしています。それに対して定数削減の対象地域、これを削減あるいは合区によって削減というふうになっています。私は、先ほどから何度もお話をしますように、どのような議会をつくり出すかの議論というのは、そこの中では見えていないんですね。恐らく特別委員会で議論されているんでしょうけども、まさに選挙区の問題というのは、あるいは定数と連動しますし、議会をどのように活発化していくかどうかという従来三重県議会が議論されていたものが報告だけを読むと、すぽんと落ちている気がします。このあたりをどういうふうに議論されているのかというのが気になるところです。
さて、それで次に、条例改正の時期と、私のところに依頼文で来たのは、一度も選挙をしていないのに条例を改正していいのかどうなのかというところも、依頼書のところに入っているんですね。難しいと思います。それも委員長、私の意見を言っていいんでしょうか。
〇舟橋委員長 はい、どうぞ。忌憚のない意見を。
〇江藤参考人 そうですか。
条例の改正時期なんですが、私はこの条例を議決するということは、すごい重い責任があると思うんですね。議決責任の重みというのを私は常々言っています。私は研修のときに必ず言うのが、それだけ重いことを条例、予算、決算等々やっているわけですが、議決の前の日、議員の方は眠れるんですかと言っているんですね。それだけ条例を可決するというのは、重いわけですよ。これを可決したら説明責任が伴うわけですね、これを可決したと。ただというか、議会の存在意義というのは討議なんですね。だから、なぜ討議するかというと、いろんな多様性がある、論点が明確になる、合意が形成される、あるいは世論形成ができるというだけではなくて、議論したことを含めて議決した、そして議決する前に議論したということは、議決したことが全て正しいわけではないんですね。議論することによっていろんな角度から議論していますから、修正がききやすいということがこの討議の重要なところだというふうに思っています。
そうしますとの前に(3)のところに、皆さんが行われた条例を議決して、期間を置きましょうよと、これはすごく大事なことなんですね。私は通常、条例だとか報酬については、周知徹底するためには、2年は必要なんだ、あるいは少なくとも1年は必要なんだという議論をしているんですね。ちょうどそのときに地方選挙ですか、あったために次の選挙からという、これは論理的にはわかります。そういう意味で周知期間の重要性というのも、皆さんは考慮されながら議論されているんだろうというふうに思うんですが、ただ4番目なんですけども、先ほど言いましたように選挙区の定数問題だけに限定して、私はどうしても読めてしまうんですね。だから、三重県議会が今までずっと行われていた住民を巻き込みながら議会と知事とが政策競争を行うことによって、住民の福祉の向上にどうやってつなげていくかどうかというふうにずっと従来からやられてきたところの議論と、今回の条例がもう既に決まっていましたけども、これの議論とがどういうふうにつながるかどうかというのが正直見えないところです。だから、今私自身は三重県議会、三重県の南の地区の削減が余りにも多いというレベルの話だけではなくて、本来の三重県議会がどのように力を発揮できるかどうかの原点に戻りながらの議論をもう一度やっていただく必要は、時間的にあるわけですから、ぜひ考えていただければというふうには思っています。
だから、一度やったほうがいいんでしょうという議論も確かにあるんですよ、議決責任としては。そこのところがもしか問題があるとすれば、それ一度もやられていないとしても、それをもう一度改正をし、そしてそのことを住民と一緒になって考えて、住民に説明する必要があることも、私は必要かなというふうには思っています。
さて、定数、選挙区を考える際の留意点というふうに何点か書いてありますけども、やはり議員だけが県民の意思を代表しているわけではなくて、いろんな意向を聞いていかなきゃいけないということで、三重県議会はいろんな場所で住民の声を聞こうとされていると思うんですね。だから、その場合、選挙と県民参加組織の充実ということで、議員と語ろうというふうな場も今設けていますよね。最近なくなっていますか。
〇舟橋委員長 やっています。
〇江藤参考人 やっていますよね。私ちゃんとインターネット調べて思い出しました。昨日調べてきましたけど、確認です。
それから、あと市町村長とか、市町村議会議長による審議会的なものというんですかね。これは後で見ようと思ったんですが、もう数年前に三重県議会の議会改革と出されている中で、広域自治体議会の特徴がどうもちょっと弱い側面があったと。1つの三重県議会自体の二元的代表制の議論はかなりしているんだけども、市町村と違った広域自治体としての議会の役割については、どうも今までそこのところの力点が弱かったんじゃないか、そういう意味では市町村の連携ということを今までやっているんでしょうけれども、さらにバージョンを上げていく必要もあるんではないだろうかというふうに思います。
それから、この間、選挙といえば必ず出てくるのが市民教育あるいは主権者教育なんですが、恐らく定数の議論も主権者教育、市民教育との流れの中で、どういうふうにそれがそこと結びついているかどうかというのが正直全く見えませんでした。これをどういうふうに議論されているのかどうかということなんですね。
最後になりますが、私は三重県議会の選挙というのを見ているわけではないんですが、会派自身のマニフェストという言葉がいいかどうか、特に三重県ではこういう言葉がいいかどうかというのはありますけれども、余計なことを言いました。ありますが、例えば会派の選挙のときの公約というと、全県的な公約になるんですね。選挙区だけだとどうしても選挙区だけの議論になるということを会派ということだけで、会派で全三重を網羅するような公約というんでしょうか、そういうのがあると過疎地域問題もある程度そこに入ってくるんじゃないでしょうか。あるいは過疎だけではなくて今まで多数を占めていない様々な議論というのもそこに入ってくるんではないか。こうした会派による政策、公約とそれの検証等々も議会改革の中には位置づける必要があるんではないかなというふうに思っています。
最後になりましたけど、これはないものねだりです、現実には。今後の選挙の議論としては、全国都道府県議会議長会が提案していたそうした条例に基づいて中選挙区だとか大選挙区に設置できるような、今までの縛りをなくしていくような提案、要望というのがありましたけども、これを実現していくことも一つのやり方だというふうに思っています。
もう一つは、やはり地方議会というのは、今のところ個人が原則になっていますけれども、実際上は会派で議会運営が行われていますから、そろそろ中央政党の代理戦争にならないようなことを念頭に置いた上で、比例代表の議論というのもするべきではないんでしょうかというふうに思います。
私自身は、今回こうした参考人でお話ができるのはすごく光栄なんですが、基本的に三重県議会が今までやられていた改革の方向というんですか、それを参考にして、お話をさせていただいたことになるというふうに思います。
もう一つ、資料として出させていただいているのは、地方議会人というところに書いている定数、報酬の考え方になります。これは市町村を中心にして書いたものなんですが、討議できる人数だけではなくて、面積要件、過疎地域でも少なくとも二、三人は入るようにというふうなところを、1常任当たりですね。同じようなところを入れ込んで書いたものです。基本的には市町村です。だからかなり合わないところがあるかもしれませんけども、参考にしていただければと思いまして、急遽資料として提出させていただきました。
私15分か20分でやめようかなと思ったんですが、ここまでしゃべってしまいました。申しわけありませんが、これで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)
〇舟橋委員長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御意見を受けまして、委員の皆様から御質疑等をお願いいたします。
なお、念のため、先ほどと同じですけども、参考人の方は委員長の許可を得て発言し、また委員に対しては質疑することができないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、委員の皆さん御質問ありましたら。
〇稲森委員 全体の話とずれるかもしれないんですが、3番の定数、選挙区を考える際の留意点の中に市民教育、主権者教育の充実というふうに入っていまして、これは本当に大事だと思うんですけれども、議会としてあるいは個々の議員として会派として、具体的にどういうふうなことをやっていける可能性があるんか、その辺意見をいただきたいなと思うんですけれども、今のような選挙を僕も3回やらせてもらったんですけども、やっている本人もそうですけれども、家族も有権者に対してひれ伏して、頭下げ倒して1票をもらうみたいな選挙をいつまでもやっていては、これは変わらんなというふうなことを感じているんですけども、主権者の意識としてですね。その辺何かいいアイデアがあったら教えていただきたいなと。そこを変えていけるような。
〇江藤参考人 難しいんですけど、1つは、今主権者教育というのは学校教育の中で総務省、それから文科省というのがかなり頑張っているなというふうに思います。だから、学校教育は門戸を開き出したなというふうに思っているんですが、議会として、そこのところにかかわっていくと、出前授業的なものというのは、恐らくここでもいろいろやられているんだと思いますけど、そういうところも1つあるかなというふうに思っています。ただ、あくまで学校教育は教育なんですね。だから実感を持って、主権者として育つには、やはりまちづくりにかかわっていくということが私は大事だというふうに思っていますので、例えば高校などで委員会ごとにテーマを決めて、高校と連携をしながら提言をもらっていくというようなことも必要なんじゃないだろうか。
例えば県議会というのは、私よくわからないんですが、岐阜県に可児市というところがあるんですが、これは議会が主権者教育にかかわっていると有名なところなんですけども、まちづくりの中に議会が設定をして、そして高校生と関係者を呼んで一緒に議論をして提言を出していくようなところ、そうするとそれが現実の政治を動かせるということになれば、政治ってこんな身近なのかなという議論出てくるし、あるいは議会ではないんですけれども、愛知県新城市というところありますけど、若者議会というのを条例で昨年から設置をして、1,000万円規模の予算をつけることができるようになっているんですね。そうすると政治とか行政というのは、すごく私たち身近なんだというふうなところから議論が展開していくんじゃないか、学校教育だけではなくて、まちづくりにかかわっていく、そこに議会がどうかかわっていけるかどうかというふうなことです。
それ以外に皆さん会派でいろんな公約を出されていると思うので、例えばJCと協力をしながら、会派の検証を一緒に若い人とやっていくなんていうことも今後考えてもいいんじゃないでしょうかというふうには思いますけど、いろんなパターンがあるので、ぜひそこにも今回の定数だとか選挙というふうに考えるときは、ぜひそこも一緒になって議論していただければなということをちょっとここでお話ししたかっただけです。
〇舟橋委員長 ほかにございませんか。
〇芳野委員 ありがとうございました。
2番、2ポツの条例改正の時期のお話をいただいて、議決は重いというところをお話をされた部分でいうと、やはり前回で決めた定数の減で45人の議案というのは、一つの議会の意思なので、尊重しないといけないんですが、私はやっぱり今回初めて当選をさせていただいたので、前回の議決にかかわっていない部分があります。だからといって別にその流れがありますから、その議決責任を放棄するつもりはないんですが、一方で先生は修正ができるということの意義もおっしゃってみえたので、選挙を経ずに修正をするという議論も全くできないというわけじゃない、この辺をもう少し補足的に詳しく説明いただきたいなというところとですね。
それから、そういうふうに4年に一度、議会というのは構成が少しずつ変わっていきますので、そのたびごとにそういう修正といいますか、それぞれの議会の意思というのが連続性を持つんだけれども、メンバーもかわるんで、その辺が僕の中でも今迷いというか、思っている。ここら辺にもし御見識があればもう少し詳しく教えていただきたいのと。
あと面積要件の部分は、議会の配分でおっしゃると6常任委員会で大体7人から8人定数としていて、面積要件で2人をつけるというのは、面積が大きい選挙区を抽出をして、そこから自動的に上がるような仕組みにするということなのか、これ多分面積要件から議員を選出するというのは、多分どこの議会でもまだされていないので、この辺が少しどういう形の選出方法があるのかというのを私見で結構ですので、お話をいただければと思うんですけども。
〇江藤参考人 大体私見しかないものですから話させていただきますが、1点目については御存じのように議会の構成が変わったとしても、議会が議決したものをずっと責任を持たなきゃいけないんですね。だから、三重県議会でやられている議員提案条例だけだったと思うんですが、それを検証していくという作業というのは、私はここの三重県議会特徴があって、すごく大事なことだというふうに思います。
繰り返しになりますが、今までの議会が議決したものも全部今いる議員の方々の責任なんですね。だから、重要なものは常に検証しなければいけないというふうに思っています。そういう意味で構成が変わったとしても議決したものについては、議員は責任を持たなきゃいけないんですが、ただ議決したことについて何らかの問題点が発生する場合は、私は修正は可能だというふうに思っている。修正すべきだというふうに思っています。
繰り返しになりますが、議会というのは討議する場です。だから議決の前に討議するのはいろんな角度から問題点をえぐり出しているはずなんですね。だから議決したことは、絶対正しいベストなんてあり得ないんですね。ベターでいくしかない。そのベターの議論の中で環境が変わっていく場合は、それを修正する責任も議員の方々にはあるんではないでしょうかというふうに思っています。
そこで、通常でしたら条例が今公布され施行されているんだと思うんですが、ひとたび今回の場合について難しいのは、一度もやっていないということがポイントになってくると思うんですが、今の現状の中で今お話をしたような恐らく辻先生も話されているだと思うんですが、住民自治の根幹として議論を作動させることの議論が全体的にできていて、そしてさらに問題が今の状況の中でないというふうにみなすならば、このまま突っ走るべきだというふうに思いますけれども、問題が出てきている。あるいは議論しなかった論点の重要性が見えてきている場合については、再度議論し、そして修正も可能だと思います。ただし、その場合は住民に対しての説明責任を負うんですね。かなり厳しいと思います。議決したことがなぜ実施されないのかどうかも含めて、住民からはある程度の批判は覚悟の上でという、覚悟の上ではちょっと言い方が変ですね。説明責任をしっかり果たしながらそういうことは実施すべきだと。だから私は、修正はあり得るというふうな立場です。
それから、ごめんなさい、もう1点何でしたっけ。
〇舟橋委員長 面積要件。
〇江藤参考人 ごめんなさい。私、面積要件については、私はちょっといいかげんに使っているんですね。これ面積要件と書いてあるんで、過疎地域のところがある程度入るような議論をしていかなきゃいけないよというふうなかなりアバウトな議論をしています。したがいまして、三重県の議会の選挙のときの選挙区について、ここをこうすべきだというふうななかなか私のほうから出せないんですが、過疎地域の人たちがある程度、1つの地域から全部に入ることはもちろん無理なんですが、過疎地域全体のところから少なくとも常任委員会に二、三人入るぐらいの選挙区の配置をすることがベターではないかと、このくらいのアバウトな議論に、もう少し宿題としていただけるなら、また考えながら提案させていただきたいというふうに思います。
以上です。
〇芳野委員 ありがとうございました。
特に面積要件の部分は、公選法上の人口から選出をするという部分との兼ね合いもあるので、我々としても考えていかなあかん部分なんですけれども、法律上の問題のクリアというのは、どう考えたらいいんですかね。
〇江藤参考人 恐らくただし書きの解釈がどこまでいくかどうかの話だと思うんですね。全国都道府県議会議長会のほうで、ただし書きの表を恐らく皆さんのところに配られていると思うんですけども、そこの中で該当する、考慮できるような範囲というんでしょうか、確定しながら議論をされるといいんではないでしょうかというふうに思っています。ただし、私は先ほど言いましたように、面積要件というふうに書いていますけども、私結構アバウトだったものですから、繰り返しになりますけれども、過疎地域全体の中で1つの選挙区じゃないですよ。常任委員会で少なくとも二、三人は入るようなそういう区分をしていく必要があるんではないか、こっちが主です。
以上です。
〇舟橋委員長 ほかにございますか。
〇中森委員 いろいろとありがとうございます。
三重県議会の選挙区、定数につきましては、10数年前からというか20年近く前から定数削減の方向で議論をされておりまして、当時、途中で都市部につきましては定数が8とかある場合は1人減らしても、民意が通りやすいというような複数人区について、都市部を減らすことによって、全体数が削減できるということの効果を狙って、都市部を減らしてきたという経緯がある。その延長で増やすということよりも減らすことのほうが1票の格差が解消できるということから、結果的に南部中心の定数2を1になったり、そういうところに結果、現在51から45になるという定数減の条例が可決されたという経緯がございまして、全体のボリュームから見るともっともっと前から現在の45になったということをトータルで考えなくてはいけないのかなというように私ども議員は思っておるんです。
ここに至って、時代の趨勢というんですか、県民の思いというのは、時代の逆行すると、定数増とか、場合によったら報酬増なんていうのは、基本的に時代の趨勢には合わないんではないかというのがそれぞれの議員の何らかの頭の片隅にあるんではないかなというのが一般的でございまして、定数増は、まず考えていなかったという時代があって、ここに至って定数もこれ以上減らすことができないから、定数増も含めた1票の格差の是正であったり、1人区の解消また合区の解消を何とかしたいというような議論が出てきたということがあって、今回の特別委員会も改めて検証しているわけなんですけれども。そういうことからすると常任委員会の定数がおっしゃるように7から8、10が理想かもわかりませんけれども、6常任委員会が果たしていいかどうかというのは、実は議論を余りしていないわけです、三重県議会は。これは定数があって初めて6がいいのか5がいいのかというのは、場合によったら考えられるかいなというふうにも、逆に思ってしまうわけで、現在でも1常任委員会で部局を3つも4つも所管しているわけでございます。その間、常任委員会を2日に分けたり、場合によったら予備日を使ってボリュームに応じた常任委員会の議論を十分できるような体制をするわけでございまして、現在の6がベストとかいうことは、定数51に対して6がいいんではないかな。定数45になれば、常任委員会を5つに減らしたほうがいいんではないかというのは、後の議論が発生するんではないかなと、まだ議論はしていませんけども、そういうことがあるんではないかなというふうに、逆のほうの発想でありまして、今回先生の意見を十分考えますと、時代の趨勢から見て、県民、有権者に説明できるだけの定数増については、なかなか厳しいんではないかなというふうに私自身は思っていまして、なかなかこの委員会で定数増に対する議論というのは非常に厳しい、定数増があっても減とあわせて、何増何減とかいうようなことしか考えられないんではないかというふうに、現状から見てそのように感じておりまして、先生の御意見があればありがたいです。
〇江藤参考人 まず、趨勢の議論というのは、ちょっと後ほどまた話させていただいて、基本的な考え方の確認なんですが、三重県議会がずっとこの間やられた知事としっかりと政策競争を行うための議会改革をずっとやられてきたと。そのときに活発に作動する乗り物というんですか、これは委員会だというふうに思うんですね。そこのときの委員会を行政分野別委員会でしたでしょうか、常任委員会のこと。それを行政部局との関係でどのくらいの常任委員会がつくられるべきかというところが問題設定だというふうに思います。もちろん、今の現状においては、51の定数の中で委員会はどのくらいの数かというふうなそういう設定の仕方はあるんでしょうけども、まずは住民の福祉の向上のためにしっかりと監視や政策提言を行えるためには、常任委員会数というのは幾つなのかというところをぜひまずは原則に議論すべきなんではないでしょうかというふうに、私は今日はずっとお話をさせていただいているわけです。
その上で、県民の意識の流れ、趨勢ということなんですが、確かに世論調査等では定数削減あるいは報酬削減の議論というのは、かなり蔓延していますし、議会不信というのは確かにあるかなというふうに思うんですけども、ぜひ趨勢という言葉だけで、改革の方向を決めないでいただきたいという私の要望です。といいますのは、議会をちゃんと見ている人たちは、議会の条件というのをどういうふうに考えるかどうかあるいはほとんど議会に関心がない、ただ単に議会のイメージだけで議論をするような人との区別はしていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っているんですね。そういう意味で皆さんが定数についてもいろんな意見を求めることというのは、すごく敬意を表しているんですけれども、同時に議会を本当によく知っている方々の意見等を参考にしながら、私は増やせというふうに直接言っているわけではなくて、考え方を言っているだけなんですけれども、増やす場合も含めてやはりただ単にイメージだけではなくて、議会を本当に進めていくためにはどうしたらいいかどうかをぜひ県民の方々と一緒に議論していただきたいというのが私が思っている基本的なことです。
もうちょっと言いますと、今確かに県議会ではなくて、大分条件が違うんですけど、町村議会のところで、これ以上条件を下げるわけにはいかないということで、住民とともに報酬を上げていこうというふうな動きもたくさん出てきているわけですね。例えば北海道芽室町というのは住民の審議会をつくって、そして報酬を上げるような答申を出しています。それから長野県飯綱町なんかも上げるようにしています。それは皆さんと比べれば報酬額は全く違うんですけれども、やはり今後住民自治の根幹としての議会を作動させるための条件を住民と一緒になって考えていくという必要があるんではないかと。確かに富山を含めて政務活動費等々の問題が出て、そして議会批判というのが蔓延しているというふうに思うんですが、今だからこそ住民と一緒になって考えながら、一緒になって議会改革の方向を考えていく時期に来ているんではないでしょうかというふうに思います。
だから、ただし、私が今言っていることは、言葉では簡単なんですが、県民の流れからするとなかなか難しいということは、重々承知の上でお話をさせていただいております。
以上です。
〇奥野委員 後ろに前の委員長がいるので、今日はしゃべらんでおこうかなと思ったんですけど、後ろから殴られるといかんので。おまえしゃべらへん、言うたやないかと言われるんですけど、1つだけお尋ねします。
こういう51から45ということに一昨年なったわけなんですけれども、そのときもいろんな議論があったんですけど、今年度になってこういう委員会がつくられたというのが、もともと意思というのはもう一遍戻せとかもう一遍増やせとかそういう意識があるので、これがつくられたと思うんですよ。私は反対したんですけど、だけど、いろんな意見を聞いていくと、過疎地とかいろんな問題点を残しながら議決したのは、それは事実なんですけど、だけど仮にですよ、先生、45人を51人にして、さっきおっしゃった報酬とかいろんな中で、45人全ての報酬の中で51人でおよぐということは、住民説明さえすれば可能でしょうか。
〇江藤参考人 今51ですから、別に下げなくても、現状議会費は一定なんですから、問題ないと思いますし、下げるのは別の論理でいいと思うんですね。恐らく今委員が言われるように上げた場合は下げるというふうな説明の仕方はあり得るというふうに思います。定数を増やした場合ですね。報酬とか等々をある程度カットしながら議会費を一定にしているという説明の仕方はあると思います。これは説明の仕方なんですが、私自身は嫌いです。報酬は報酬の論理があるはずなんですね。定数は定数の論理があるので、それをごっちゃにするというのは、本来は違うんじゃないか。ただし便宜的な措置というんですか、今の現状において議会費を一定にしているから、今の現状の中で少し行政改革、削減の方向にかじを切っていますよというふうな言い方で便宜的にはする必要もあるのではないでしょうか。本来は嫌いです。
〇奥野委員 さりとて今回51から45になったのは、やっぱり削減なんですよね、お金の削減なんですよね、第一の目的は。だから、多いからどうのと言っているんじゃなくて、流れの中で定数を削減しようやないか、議会費も抑えようやないかというので51から45になったんが、主目的はそこだと思うんですよ。だから、私もそんなに過疎地まで下げるということ自体は好きじゃないんですけれども、45の中の報酬いろんなものの中で51人をやっていただくというのは、住民の方にもいろんな説明がまだつきやすいんと違うかなと。これはそれこそ先生じゃないですけど、私見なんですけれども、まあまあそういう考え方もあるんではないかなと思うんですけど、ないですか。
〇江藤参考人 すごくわかりやすくて、逆に答えやすいなと思うんですけれども、まずちょっとこの辺がよくわからないんですけど、県民のほうから削減の要請があるから、下げていきましょうよねというところが出発点だったという、そうするとどこまでいったら着地点になるんでしょうかねというのが心配なところがありますねという、まずは感想を持ちました。
その上でお話をさせていただきますが、私自身は削減だってあることはわかるんですが、根本的には行政改革の論理というのは削減ありきだと思うんですが、その論理と議会改革の論理は、私は全く違うというふうに言っているんですね。議会改革というのは、地域民主主義の実現ですから、無駄を省いたほうがいいと思うんですけど、どのように住民自治を進めていくかどうかというのが出発点になきゃいけない。そこの中で、もちろんそこを原則にしながら無駄を省いたほうがいいんですが、今の話の議論というのは、県民が求めているから、あるいは議員の方々が削減というふうなところから、それはやっぱり原則を1回戻されたほうがいいんじゃないか。もしくはその議論でいくとどこまで下げれば県民の人が納得するような人数になるんでしょうか。質問してはいけなかったんですが、というふうなことを感じた次第です。
〇奥野委員 やっぱり今大衆迎合で政治が行われておる部分が強いと思うんです、ポピュリズムで。だから今そういう流れの中で議員も削減しなきゃいかん、お金もそこで減らさないかん、それに余りにものめり込んでいる部分もあるので、そうしたら人数だけでも今までどおりにしながら、少しそうしたら議会費を抑えて、そうすると今一番初めになった西場委員の意見に近づいてくるんですけれども、そういうこともあるんかなというふうな気がするので、ちょっとしゃべらせていただきました。答えは多分、私自身も答えがないわけですから、先生も非常に難しいところだと思うんですけど、そういうことも一つの考え方かなと思ったので、意見を言わさせていただきました。
〇江藤参考人 一言だけ、私は今委員が言われることもすごくわかるんですが、恐らく議会費は一般会計規模の三重の場合0.6パーセントぐらいですか、ちょっとその辺、定かではないんですが、そのところをどんどん削る。削って無駄を省いたほうがいいんですが、この0.5、0.6のところをもっと充実させて、そして、執行機関の行政改革、無駄を省いていく、もっと有効に使っていくほうが住民にとってはすごくいいと思うんですよ。だから0.5、0.6を、ちまちまといったら県民の方に怒られますけど、削ることを大前提にするわけではなくて、どのように全体の中で住民の福祉の向上につなげていくかどうかの監視とか政策提言をするという、恐らくそういうことを三重県議会の改革というのをずっとやられてきたんではないでしょうかというところで、私は三重県議会の基本的な方向を随分勉強させていただいていますので、基本的にはその方向でやられるのがいいのではないかというふうな御提案をさせていただいたところです。
〇舟橋委員長 ありがとうございます。
総定数の削減のためにのみ前回の議論があったわけでじゃなく、それも大切な議論でしたけども、1人区の解消だとか、1票の格差の是正だとか、そういうものもトータルで前回の特別委員会では議論されたというふうに私のほうは受けとめておりますので、ちょっと補足をさせていただきます。
〇今井委員 細かいことでいえば、例えば委員会に過疎地域出身議員が複数とあるんですけど、これは選挙区は私なんかは津という選挙区なんですけど、出身は過疎債も使える地域なんで、僕はどっちにカウントされるんだろうと、これは細かいことなんでいいんです、これはいいんですけども。先ほど辻教授にもちょっと聞かさせてもらったんですけど、芳野委員も言っていただいたその議決責任の重み、条例改正の時期という項目のところで、私はちょっと心配しとるのが一度も選挙せずにいいのかどうかというところにやっぱりちょっと心配を持っとるんですね。先生の地方議会人の13ページの7原則の7つ目のところで、後出しではなく周知する十分な期間が必要、これは先ほど言われた2年、もしくは少なくとも1年前に決めなさいよということで書かれたと思うんですけれども、定数、報酬は住民が議員に立候補する際に、考慮する重要な条件であるということで、前回の改正で51から45になりました。次回の選挙から、昨年の選挙、次の選挙から定数は51から45に減りますよという、一応、条例改正で案内があったわけですね。昨年4月に選挙が行われました。それによって今から改正を何らかの形でした場合に逆後出しになるんちゃうかなと。
要は昨年の選挙で4年後の選挙では、定数はこのように削減になるんですよということで、立候補のこの重要な条件を一旦議決したわけですね、条例改正したわけですね。選挙終わってから、1回もせずに、いややっぱりこれがまた変わるんですということになると、立候補をお考えいただく住民がおったとしたら、これ大事な一つの立候補の条件であるところの4年後の選挙というところがある面、条例で示されたわけなので、それを1回もせずにまた改正するのは、私は心配しておるので、その辺について先生がこの7原則目とちょうど符合してくるんじゃないかなと、僕の心配は。そういう点からちょっとお聞かせいただいていいですか。
過疎地域出身議員のことは結構なんで、そっちだけ。2つ目の。
〇江藤参考人 さっきの過疎地域は少し勉強します。
その上で、今の周知徹底の議論という、幾つか原則があるんですが、やはり立候補するときのハードルなんですね。報酬はどのぐらいか、定数がどのぐらいか、すごく大事な考慮する。だから、私は2年前には決着をつけるあるいは少なくとも1年ぐらいはというふうに言っているんですが、今の議論というのはそうだな、その議論からすると、もう数年前に打って出て、次の選挙はこれでいくよというふうに県民に約束して、それで準備されている方がいると思うんですね。そういう意味では、変えないほうがいいんでしょうという議論はあるんでしょうけど、私はこれについて何と言っているかと、不利益変更じゃないから、かなり短くとってもいいんですよと。例えば報酬を急激に下げるというわけでもないし、仮に上げるというふうな場合は不利益変更にならないですよね。定数についても2人区を1人区にするというのは、かなり不利益になりますけど、1人区を2人区にしていく、複数やっていくことについては不利益変更になるわけではないので、これについては何らかの合理的な根拠があれば、修正は可能だというふうには考えています。
〇今井委員 あと短く、前回51から45で、例えば2人区が1人区になるというようなことが条例で45になりましたよですよね。去年の選挙が行われました。結果はどういう理由があったかわかりませんけども、地域によっては投票が行われずに何というんですか。
〇江藤参考人 無投票ですか。
〇今井委員 無投票で決まったケースとかもあったのかなと、地域によっては。これは理由ははっきりわかりませんけども、要は4年後の選挙で2が1になるとか、そういう状況がわかっておったら、去年の選挙のときに4年後1になるんであればということで住民がここで先生の言われておる重要な条件である定数が将来変わるということ。そういう場合どうなのかなというふうに。
〇江藤参考人 恐らく今2人区を1人区にして、それが無投票当選の大きな要因であるとすれば、やはり皆さんぜひ立候補者を増やすという、活性化をする議論をしなきゃいけなかったんですよ、その時点で。だから、当初を見据えて大体1人区というのは無投票当選者率が高いです。御存じのように、この間、都道府県の選挙区、無投票当選者率が20%を超えているのは1人区のところなんですよ。そういう意味で今そういうお話は、逆にぜひその1人区ではなくて複数区にしていくような議論と連動させていく必要が私はあったんではないでしょうかというふうに思います。そういう意味で先ほどのと同じなんですが、原則は周知徹底する期間、原則の7つ目は、すごく大事な規定なんですが、今回それも含めて不利益変更にしないような議論、さらには選挙というのを活性化する議論につなげていくということが必要なんじゃないでしょうかというふうに思います。
〇舟橋委員長 時間が経過しておりますが、あえて皆さんの中で御質問ある方ございますか。
〇西場委員 大変いい話を聞かせてもらったという率直な感想を申し上げておきたいと思います。
今回といいますか、我々の定数変更について一番心配するのは、国の動きに左右されることが多いんです。最高裁の判決をもって2倍以内にしなさいというような風潮の中で、どうしてもそこに出発点、ベースがあるような中で、一番過密と一番少ないところの是正というものを中心になってずっと動いてきたと思うんですね。そういう中で今先生のほうで定数というものを住民自治の基本に戻って議会改革の中でどうあるべきかというのをまず議論してくれと、こういうことは三重県議会の改革のことを基本にして考えよという御提言については、本当に今我々として重要な課題を与えられたかなと。
ただ、現実的には今もう条例ができておりまして、今回こういう状況に来ておりますので、それをどこまでどういう形でできるのかなというのは、大変時間的にも難しいところがあるかなと思います。そういう中で、今回委員会の定数というものをこうあるべきだという御提言をいただいたのは、これから大変重要な参考にさせてもらいたいなと、こういうように思うんですが、先ほど過疎地域の代表というところについて、またさらなる検討していただくというお声もいただきましたけれども、現実的には我々の選挙区と過疎地域というのは、先ほどの今井委員のお話ではありませんけれども。都市部から過疎地域まで含んだ選挙区から選ばれているという議員でありますし、なかなか過疎の関係者を二、三人入れるというところが具体的、現実的にはなかなか難しいなというような感じがしております。
それから、人数を10人ぐらいにというのは、私も長く委員をしておりまして、最近の委員会のさらなる活性化というものを考えるときに、やっぱり人数の確保というのが少し課題になってきたかなと、こう思います。現在8人ぐらいでやっておるわけでありますけれども、どちらかといえば今日は会派の委員も言っていただきましたけれども、会派あるいは政党の政策に縛られるという議論が多くなってきた。地域のほうの自分の選挙区の住民に基づく意見、議論というところへなかなか展開していきづらい内容になります。ですから、それは三重県議会のこれからの議会改革のあり方にも通じてくるわけでありますけれども。私も党に所属しておりまして、その政策を尊重しながらやっておるわけでありますけれども、少なくとも地方議員にとっては、それに縛られないということが非常に重要かなというようなことを思っておりまして、それを基本にするならば過疎地域も入れた一定数の人数がいるだろう。それを10人という人数にしていくということについては、非常に私もこれから自分たちの定数を考えていく上で参考にさせてもらいたいと、こういうように思っております。
党、会派、そして議員との関係ということについて、先生のもう少しはっきりした考え方、特に会派の意義というのは、私も本来的にはそうだと思うんですが、現実的にはなかなかそうではない部分があるかなと思います。その点についてちょっと御意見をもう少しお願いします。
〇江藤参考人 今委員が言われたところ、選挙区、特に私は過疎地域の議論を強調し過ぎているかなというふうに思っています。
会派の議論というのがここの中へどう組み込んでいったらいいかというところがすごく大事なポイントになっていまして。先ほど私はマニフェストという言い方しましたけれども、会派の選挙のときの公約ですね。そうすると全体的な三重県の像が各会派から出るということは、恐らく過疎地域のものも含めてあるいは全体的な多数派ではない、そこから通常のところだとこぼれているような意見というのも公約の中に出てきている。だから、そこから代表者がいなくても選挙公約のときに縛りがある中では、極端なことをいえば過疎地域の議員がいなくても、全体的な流れの中で過疎地域の意見が出る可能性というのは、私はあるんではないだろうかというふうに思っています。ただ、そうはいっても、やはり人数が少なくなる過疎地域の代表者が少なくなると会派のマニフェスト、公約の中でもそこの部分がどうも落ちてしまうような議論というのもあるんではないか。
そこで、今後考えなきゃいけないのは、選挙区と会派とそれから個々の議員の関係というのが今後ポイントになってくる、そこのところが恐らく今日持ってきました、ここの中でも詰め切れているわけではないんですね。こういう論点がありますよというところで、私なんかも含めて少し勉強させていただきながら、また御提案をさせていただきたいという、逃げさせていただいているということになりますけど。難しいのは一応議会の中では会派があるんですけど、選挙は会派でやっているわけじゃないんですね、個人なんですよ。しかも選挙区における個人で出ているわけですから、これと会派を連動させる議論というのが実際上あるわけではない。すとんと落ちる議論がないんですね。だから、それぞれの議員の方がそれぞれの会派の方、政党の方々が思いでやっているわけですから、それを三重県議会が議会改革、知事と政策競争をしながらしっかりやっていく中でどういうような個々の議員、政党、会派等々のそういうふうなことをそれぞれの政党が同じでするわけではないんですが、どういうパターンで考えていったらいいかどうかというのは、ぜひ皆さんも考えていただくと同時に、私も宿題として持ち帰っていきたいというふうに思います。
答えにならなくてごめんなさい。
〇西場委員 ありがとうございます。
非常に重要なテーマかなと思っております。政党、会派の重要性はもちろん認識しておりますけれども、我々は地元の選挙区の住民に選んでいただいたある面、その地域の代表ということですから、その政党、会派にかかわらず、地域としての代表という立場での議論は重要になってくるし、それを定数の基本的なベースに考えていかねばならんのかなと、こういうことを先生のお話の中で自分なりに理解をさせてもらったところでございます。
最後にもう一つだけつけ加えて、今日のお話の中で意義深かったのは、定数と議会費の関係はそれを関係づけて議論することはおかしいと、それはそれぞれであるという先生のお話はわかりました。しかし、あわせて言われました現実的な措置としての関連させてこのことを検討していくということは、現実的な問題として検討に値するという点については、私もこれ重要な先生の御意見として承りましたので、今後この議論を決着するに当たって、この定数問題、そして議会費の問題という関連性をしっかり考えて、最終結論を見出していくように私は努力したいなと思っております。
〇舟橋委員長 大分時間が経過しておりますけども、よろしいでしょうか。
〔「はい」の声あり〕
〇舟橋委員長 質疑を終了させていただきたいと思います。
この際、参考人のお二人に対し、委員会を代表して一言お礼を申し上げたいと思います。
本日はお忙しい中、本委員会のために御出席をいただきありがとうございました。
このたび頂戴しました御意見は第三者、有識者の方からいただいた貴重な御意見として、今後の委員会での議論に役立てていきたいと考えております。引き続き御指導をいただきますようお願い申し上げます。
本日はありがとうございました。
辻参考人どうぞ。
〇辻参考人 すみません、1点だけ、先ほどの発言の修正というか、訂正をさせてください。
LH指標のところで、定数が大きいほうが差の絶対値が大きくなりやすいと言ってしまったんですが、よく考えてみるとそういうわけではありませんで、これは全然私の誤解に基づいた先ほどの発言でありましたので、訂正しておわびいたします。申しわけございません。
以上です。
〇舟橋委員長 ありがとうございました。
以上で参考人からの聞き取り調査を終わります。
ここで暫時休憩します。再開は55分とします。
(休 憩)
〇舟橋委員長 休憩前に引き続き委員会を再開します。
ただいま4時55分であります。会議時間が午後5時を経過する見込みですが、会議を継続してよろしいでしょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
〇舟橋委員長 異議なしと認め、会議を継続します。
続いて、委員間討議なんですが、後から御相談を申し上げますが、今月中にもう1回、会議も持たせていただきますので、委員間討議はそのときにさせていただきたいと思いますが、あえてこの場で何か御発言があるようでしたらいただきますが。
〔「なし」の声あり〕
〇舟橋委員長 よろしいですか。御協力ありがとうございます。
Ⅱ 活動計画の変更について
〇舟橋委員長 それでは、事項書の2番の年間活動計画の変更について御協議をお願いします。
本件につきましては、5月31日の委員会において、12月をめどに活動計画書を作成済みでありますが、県内調査や参考人招致等、調査や議論をしていただく中で、本日、12月を迎えております。
この際、お諮りしたいのですが、お手元に配付の資料のとおり、平成29年3月を目標として変更することでいかがでしょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
〇舟橋委員長 それでは、そのようにいたします。
Ⅲ 次回の開催について
〇舟橋委員長 次に、事項書3の次回の開催についてであります。
本日の有識者による参考人調査、そして議員数が変更となった現地での県内調査、これまでの委員会での議論を改めて各会派にお持ち帰りいただき、今後の方向性を取りまとめてまいりたいと考えています。
次回の日時は12月21日水曜日、閉会日の本会議、委員長会議の終了後に当委員会を開催し、御協議をお願いしたいと存じますが、よろしいでしょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
〇舟橋委員長 それでは、そのようにいたします。
また、年明けの1月17日火曜日、開会日の午後にも委員会を開催し、今後の方向性、とりわけ現行の条例を変えるのか、変えないかについての御意見を取りまとめていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。
〔「はい」の声あり〕
〇舟橋委員長 御協議いただく事項は以上でございますが、ほかに何かございますか。
〔「なし」の声あり〕
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
選挙区調査特別委員長 舟橋 裕幸