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平成28年9月21日 子どもの貧困対策調査特別委員会 会議録

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子どもの貧困対策調査特別委員会

会 議 録

(開 会 中)

 
開催年月日     平成28年9月21日(水) 自 午後2時57分~至 午後3時57分

会  議  室     201委員会室

出 席      9名

            委 員 長      藤根 正典

            副委員長       田中 祐治

            委    員      中瀬古 初美

            委    員      山内 道明

            委    員      稲森 稔尚

            委    員      小島 智子

            委    員      北川 裕之

            委    員      青木 謙順

            委    員      水谷   隆

欠 席      なし

出席説明員    出席を求めず

参  考  人     1名 

            関西国際大学 教授 道中 隆 氏

委員会書記

            議  事  課  班長  中村 晃康

            企画法務課  主任  森岡 佳代

傍 聴 議 員     なし

県 政 記 者     1名

傍  聴  者     1名

調査事項

Ⅰ 子どもの貧困対策について

 1 参考人からの意見聴取

Ⅱ その他

 

【会議の経過とその結果】

 

〔開会の宣言〕

 

Ⅰ 子どもの貧困対策について

 1 参考人からの意見聴取

  (1)参考人への質疑

〇藤根委員長 それでは、子どもの貧困対策について、委員の皆様から御質問をお願いします。
 なお、念のために申し上げますが、参考人は委員長の許可を得て発言し、また委員に対しては質疑をすることができないことになっておりますので、御了承願います。
 初めに、参考人から、当委員会の重点調査項目、論点整理に関してコメントや勉強会の内容について補足説明がございましたら、お願いいたします。

〇道中参考人 先ほど来、少しお話をさせていただいたんですけれども、まず居場所づくり、学習とか、学習支援でありますとか、連携でありますとか、そういったところの捉え方で確認をさせていただく事項がございます。
 まず学習支援とは何なのかということでございますけれども、大きく学習支援というのは、教育と福祉の連携であると、そういったところの支援展開が必要であるということでございます。
 先ほどの中では、経済的モデルと社会的モデルのお話をさせていただきましたけれども、学習支援だけだと一般論的には学校の中で先生とか、児童生徒に対する支援を行うというような捉え方が一つです。我が大学におきましても、自治体の教育委員会に対しまして、例えば英語学、私どものおるところは英語学もありますので、英語学の先生に対して、小学校1年生の先生に対してどういうふうに教えていくんだということで教える側に学習支援をするというようなことも学習支援で捉えていますし、直接子どもたちに対して学習支援をするということもあります。
 もう一方は、学校外、授業外におきまして、子どもの勉強を個別的に見ていくということも言われています。これも学習支援であります。
 具体的には、例えば児童相談所というところには、一時保護所というところがあります。一時保護所に保護された子どもたちというのは、幼児から学童から中学生、高校生と、こうあるんですけれども、そこで処遇を決定するまでの間、一時保護所にずっといる、閉じ込められるというのはおかしいんですけれども、そういう状況にあるんです。
 ですから、そういった子どもたちに対して学習保障がされていないということで、特に義務教育になりますと1カ月、長いことで1カ月半ぐらい一時保護所で過ごすということになります。もちろん一時保護所ですから、先生がおられるわけじゃないです。そういうところに学習支援をするとか、あるいは児童養護施設のところで義務教育プラス、そういったところでついていけない、学力が低いとか、そんな子どもたちに対して個別にボランティアなんかが支援をしていくと。そういったものがあったりとか、あるいは被災地の仮設住宅、これは慢性的な貧困とは別に、貧困というところから少し離れて、急遽そういった災害に遭った子どもたちに対する学習支援を行うとか、そういったことで、様々な文脈で使われているということ、3つぐらいの文脈があるんでしょうか、そんなところで学習支援のキーワードとして展開されているというところです。
 私が使っていたりするのは、論文を書いたりするところは、どちらかといえば学校外の授業外における学習支援と申しましょうか、特に生活習慣の確立とか、そういうところをしっかりと、自己効力感を子どもに植えつけていくとか、まずは机に座るということから、先ほどのアリとムカデの話をしましたように、まずそこからスタートをする。まず、朝起きるんだ、顔を洗うんだ、食事をとるんだというような極めて基本的な生活習慣が親御さんともども十分確立できていない、そういう育ちがありますので、そこで学習支援を展開する。そういう位置づけで学習支援をまずは捉えさせていただいております。
 以上です。

〇藤根委員長 ありがとうございました。
 それでは、質疑に入りますが、前回の委員会で、道中参考人への事前の質問を御協議いただいたところ、稲森委員から、「単純に経済的な貧困をもって対象を絞って検討していくことだけがいいのかどうか。全体的に、普遍的に検討していって、例えば経済的にはそれほど貧困ではなくてもネグレクトだったり、居場所がなかったりというようなこともある。このような考え方についてお伺いしたい」との発言がございました。
 事前に参考人にお伝えしていましたので、この質問に対する御見解を述べていただくところから始めたいと思います。
 では、道中参考人お願いします。

〇道中参考人 先ほどの「『子どもの貧困』の連鎖を断つ」というレジュメがございます。そこの32ページをお開きいただきたいと思います。
 子どもの貧困という対象は、どう捉えるのかというところから、まずは考えてみないといけません。
 まずは、この32ページの「子どもの貧困対策に向けた教育の支援」ということなんですけれども、アプローチの方法論としては、2つあるということで、子どもの貧困対策に向けた教育の支援です、先のこのトライアングルの図がございました。この三角形のところで、ポピュレーションアプローチとそれからハイリスクアプローチのこの図がありましたね。そこで右側の図と左側の図をさらに、32ページをごらんいただきたいと思います。
 「対象はどんな子ども?」というところでございますけれども、31ページの図です。トライアングルの図です。子どもをどういうふうに、どんな子どもが対象なのかというところで、だから施策を展開するときには、この2つの視点を捉えておく必要があるだろうと。
 ポピュレーションアプローチというのは、子ども全体に対する支援というところで、政策的には国政レベルでも自治体レベルの展開をする必要があるということと、右側の視点、これは中でも今御質問いただいているような個別具体的に展開をする必要性がある層、これをスーパーハイリスク層というところで、ハイリスクの中に含めていって捉えると。こういう方法論的な視点、これをさらに32ページの下の図のほうに、両方これをやっていく必要があると。ですので、片方だけじゃなくて両方のこの視点で、スーパーハイリスクを特に優先度を高めてやっていく必要があるということになります。
 右側の32ページの下のシートでございますけれども、このスーパーハイリスク層の中でも、とりわけ取り上げておられますような、ひきこもりでありますとか、不登校でありますとか、学習支援とか、食住支援とか、日常生活支援、そういうところにフォーカスをして、特に選別的に対策を練っていく必要性があるという、ここが一番厄介で手間暇かかるところで、効果が即出てこないということです。
 ですけれども、そういった体制整備をしていくというところで、後の展開になりますけれども、実施体制の充実とか、組織の見直しをするとか、そういうところでより専門性を高めて、そういったケアシステムの構築を図っていくという、こういう具体的な今後の展開になる、その前の考え方として、こういう捉え方をまずしていただきたいということでございます。
 以上です。

〇藤根委員長 稲森委員、いかがでしょうか。

〇稲森委員 例えば、学習支援なり、食事支援なり、子どもたちは同じように学校へ行って、同じように地域で暮らしている中で、どういうふうに現場レベルで選別をしていったらいいんですか。

〇道中参考人 子どもの貧困対策法が昨年4月から施行されました。ここで困ったのは、各自治体は、これまで生活保護の受給層の子どもを対象に学習支援を展開してきたということであります。
 そのときには、各自治体には100%の国庫補助金で対応できたということでありましたけれども、今般、子どもの貧困対策法は、今度組みかえをされまして法律に基づく支援ということになるんですが、それは任意でやるんですけれども、そのときに困ったのは、生活保護を受けてない生活困窮者の子どもたち、それとこれまで生活保護を受けていた子どもを一緒にやっていかなあかんということで、非常に自治体レベルでは戸惑いが広がったということなんです。
 夏休みが今終わったところなんですけれども、実は夏休み期間中にどこへ行くんだとか、いろんな学習支援の中で話をする中で、墓参りに行くとか言うんですけれども、受給層の子どもは、とてもやないけど墓参りをするお金がない、九州の郷里まで帰るお金もないというところで、全然休めないというか、休まないというか、そういったあたりの子ども同士の会話の中でもいろいろ違いが、よその家と自分とこの家の違いというものがわかってくるというようなところで、様々なそういった細かいところで困窮世帯と生活保護の受給層との違いみたいなのが出てきている。
 それで、先ほどお話ししたように、消費性向が異なっていますよという図を。難しい図がありましたね、28ページの上の図です。この上の図は、さっと言ったんでちょっと御理解しにくかったかもわかりませんが、この被保護母子世帯の図のところの横軸ですね。子ども会へ参加するとか、地域でのいろんな、友達の家で誕生会をやるとか。誕生会は呼ばれるときはいいんですけれども、今度は呼ばなきゃあきません。呼べないですよね。クリスマス会に行こうというんやったら、手ぶらじゃいけませんよね。ですから、そういうところは、こういった横軸がぐぐぐぐっと下がって、もうやめとこうかということになってしまいますから、そういった社会性が育つはずがないんです。自らが社会関係を結構閉ざしてしまう、何か動けばお金が要りますから、そういうようなところで消費性向が違ってくる。
 困窮世帯ですけれども、通常の母子世帯の場合は、お母さんは子どもの教育に対して必死になって高校だけは行かさんならんとか、大学は行かさなあかんという形で、この縦軸をかなり抑制しながら横軸を大幅に広げようかという考え方で、随分と子どもに対する考え方が違ってくる。ここを一緒に混然一体としてやるということに関しては、一工夫が要るのかなというところが、稲森委員の御質問のお答えになるかどうかは、ちょっとわかりませんけれども、以上でございます。

〇藤根委員長 ほかの委員の皆様からも御質疑はありませんか。

〇北川委員 少し、細かいことではなくて、全体的な話になって、抽象的な話で恐縮なんですけれども、子どもの貧困対策で、先ほど参考人のほうからもいろんな数字を聞かせていただいて、なかなか日本の現状も厳しいと、これは我々議員もいろんな数字を見ながら認識はしつつあるわけですけれども、なかなかそこに予算が行かない、税金が行かない、社会的投資が行かないというお話で何度も参考人からお話をいただきました。
 一つはやっぱり社会的認知といいますか、その必要性について、市民や県民、国民レベルで、じゃ、どれだけ危機意識を持って認識できてるかというと、まだまだ他人事というか、ひとり親家庭の相対的貧困率が5割を超えてるとか、子どもの相対的貧困率が16.3%となったとか、時々新聞で見て、そんなことになってるんかいなという感覚は皆さん持ちますけれども、なかなか実感として、相対的貧困って見えにくいところがありますので、皆さんにその大変さを共感してもらうというのが難しいことだなと思うんです。
 一方で、余り貧困、貧困と言うと、身の回りでその子どもたちを含めて、いや、ここのおうちは貧困やでみたいな話になってくると、これはこれでまた難しいところがあって、今こういう危機意識、課題を市民、県民レベルでどう共有していくのがいいのかなというのが、ちょっと個人的には悩ましく思っています。例えば子ども食堂というのが、先般からいろいろ新聞報道なんかでも話題になって、直接本当に食に困っている子どもをそれで救えているかというと、なかなかそこまでは行っていない現実はあるんですけれども、一方でそういう言葉が広まることによって、あるいはそういう活動が各地域で立ち上がることによって、子どもの貧困対策に対する関心度は、やっぱり上がってきていると思うんです。
 そういうのも見ながら、じゃ、果たして我々がその貧困対策を県として持ち出していくときに、県民の皆さん方にはどんなふうな訴え方をしていくのがいいのかなというのが少し、後の話なんですけど、ジレンマとして自分の中にあるんですけれども、何か先生のほうでいいサジェスチョンなり考え方があればお示しをいただければありがたいんですけれども。

〇道中参考人 非常に難しい、積年にわたる課題と申し上げましょうか、例えば生活保護に対する県民意識、捉え方というものですね、そこでやっぱりその意識の再認識を図っていくような世論醸成を図る必要があるということで、まずもっていまだに強いスティグマがあります。100%我々の税で食っているじゃないかということで、非常に、どう言いましょうか、受ける側のスティグマもあるんです。
 さっきの27ページの図は、いみじくもそれを、真ん中のところで、ぐぐっとスティグマによる給付の支給の抑制というのがあります。
 受給層の方は、消費をするということなんですけれども、実はほとんど費消なんです。経済学でいう費消というのは、使い切るということなんです。使い切ってもいいんです。逆に言えば次は1日になったら、ちゃんと保護費が支給されるということになりますから、余分なお金を持っておく必要はない。一般の世間の方々は、病気になったらどうしようとか、お父さんの残業代がなくなったら、ちょっとしんどうなるから、おかず3品を2品にしようかとか、いろいろの工夫をやっていきますけれども、受給層には結構そういうところはない。計画的な支出をする必要性がない。
 子どもをそういう中で育てていきますと、使うことは学習します。しかし、次の段階のためること、そしてふやすことというような、ファイナンシャル概念が非常に育ちにくい。それは自分の将来を展望できる力を育むことなんですけれども、お年玉をしっかりためておかないとドラえもんの動く玩具は買えないよと、今使ったらだめよというような形で。使うことは誰でもできるんです。三、四歳でもでもできるんですけれども、そういうものを我慢して、次の段階へためるというような概念を、それは将来の生活設計につなげていくというところの考えが、育ちの中では育みにくいということになります。
 だから、まずそういうようなところからしっかりと教えていかないかんということなんですけれども、その前にスティグマがあって、そのスティグマというのは、やっぱり保護を受けているんだという非常に肩身の狭い思いをされるんです。まして新聞報道とか、いろんなメディアで出ますと、やっぱり保護を受けるのは嫌だな、こんなつらい思いをするんだったらということがありますし、そして保護を受けざるを得ないというような状況にあっても我慢をする。親が我慢できても、さらに厳しい状況に追い込まれるのは子どもということになります。親が我慢しておるのに、子どもだけ特別にということにはなりませんから、やっぱり子どもへの影響もさらに負荷がかかってくるということなので、そういった社会全体の世論というものに対して、メディアという、私はしょっちゅうそういうことではコメントをたくさん出させてもらいました。数えたらもう30、40ぐらいは書いていると思いますけれども、そういうような形で、子どもの捉え方とか、子どもの貧困というものをどういうふうに、貧困そのものを再認識する、そういったプレビューをやっぱりやっていく必要があるんじゃないかというふうに考えるんです。
 だから、今、北川委員がおっしゃったのは、非常に難しい課題、積年にわたる困難な課題、それでも繰り返し繰り返しやっぱり説明をしておく必要性というのはあるというふうに考えます。

〇藤根委員長 よろしいですか。

〇北川委員 また次のを考えます。ちょっと待ってください。

〇藤根委員長 ほか、いかがですか。

〇小島委員 道中参考人、今日はどうもありがとうございました。
 子ども全体について、小さいときに経済的な支援を全世帯に向けてすることは非常に意味がある、一番初めに書いていただいてありますし、そんなお話を聞いたことがあるんですが、それはいわゆるポピュレーションアプローチであって、ここはどちらかというと、そんなハイリスクな人に対応できるような提言ができるかというと、そうではないかもしれませんけれども、でもやっぱりピンポイントの子どもたちに何をすればいいかということを具体的にずっと話し合ってきました。何が一番届くのかな、子どもたちが厳しい家庭状況の中にあっても、そこから子ども自身が力をつけて、抜け出すというところまではなかなか行かないんでしょうけれども、私はそれなりに教育って大事だなと思っていて、参考人がおっしゃったように学習支援は、もう私も学校外でやるべきだというふうに思っています。実際、三重県でもいろんなアプローチの仕方で進んできたところなんですが、進学率やその中身の問題もあるというふうに思っていまして、一般的な進学率という出し方だけで本当にいいのかなっていうふうにずっと思っているんです。
 全日制に行って、しっかりと就職していくことが貧困からの脱出につながるんではないかなというふうに、個人的にはいつも思っているんですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
 定時・通信制と全日制を比較したときに、やっぱり全日制に行く力をつけなければ、本当の解決につながらないのではないかというふうに思うんですけれども、そのあたりで、参考人の今までの御経験とか御研究の中でエビデンスとかがあれば、ぜひお教えいただきたいなと思います。

〇道中参考人 小島委員がおっしゃっていたところは、私も常々考えておりまして。ただ進学率だけ達成すれば、それで貧困対策としていいのかどうかということなんですよね。
 おっしゃるとおりだと思うんですけれども、やっぱり低学力というような部分がベースに随分ございまして、進学したくても実際はできない。一応選抜制という形になっていますけれども、それで勢い低学力の子どもは通信制とか、今おっしゃっていた定時制高校、それでも行かないより行くほうがいいというのは、現場のレベルではそう推奨するわけなんです。
 しかし、やっぱり続かないという問題があります。特に受給層の子どもの場合は続いていかないということがあります。
 少し話が長くなりますけれども、学習支援の目的として、最初の契機が2つあるんです。学習支援をなぜしなきゃいけなくなったのかというのは、大きなインシデントが2本。
 まずは、福岡市の生活保護を受けている受給層のお母さんが学資保険をかけていて、学資保険が満期になってお金を福祉事務所が把握し、生活保護費を大きく削減したという、福岡市の学資保険訴訟というのがあるんです。それで一審、二審、三審と、上告審は棄却されまして。行政庁の収入認定の取り扱いは正しいよと一審はやったんです。 しかし、今度二審の控訴審では、いや、それは、高校へ行くという費用については、この昨今の状況から見たら、やっぱり生活保護を受けている子どもだって高校へ行ってもいいんじゃないかということで、それは自立に非常に有効な手法だよという判示をして、最高裁が出したということで、生活保護世帯のそこで大きく行政の対応は変わってきたんです。
 それまでは、保護を受けている人は、税でやっているんだから、そこの子どもは中卒で出ていって働きゃいいじゃないかと。高等教育は義務教育と違うぞと、だから働けと、そのために保護をかけているんだろ、そして中学を卒業したら働いて、それを世帯に貢献しなさいと、要するに生活保護法第4条でいう稼働能力の活用をしてください、そのために生活保護をかけてきたんだからという考え方で、ずっとこれまで来ていたんです。要するに働ける能力のある人は働いてください、中学を卒業したら稼働能力は出てきたんだから働けということをやってくるわけです。
 私がケースワーカーをやってたころは、そういった形で、高校へ行きたいんやったら行かせてあげるよというのは、お金は出ないわけです。要するに生活保護の取り扱いというのは同一世帯認定をして、その子どもが高校へ行っても保護費は出るというのが同一世帯認定なんです。
 ただ、ここの世帯におる子どもが高校へ行く費用が出ないんです。そうすると、君はちゃんとアルバイトをしなさい、そして奨学金を借りなさい、これを条件にして高校は認めるよと。なぜアルバイトをさせるのかというと、それは最低生活を保障したことにならなくなるからなんですね。家庭から高校へ行く費用をみんな持ち出していきますと、その家庭の弟や妹や、そういうところが影響を受けてくるというわけです。だから、この世帯に影響が及ばないように、君、高校へ行くんだったら、高校1年生から必ずアルバイトをしなさい、それで奨学金を借りなさいと、こうやるわけです。私なんかは、そういう形で指導してきたんです。それで高校へは進学するように推奨してきたということなんです。
 ですから、それまでの間は、やっぱりあきらめ社会といいますか、学校の先生方も、いや、これはどうも生活保護を受けている世帯みたいだから、高校の話を持ち出したらちょっとぐあいが悪いなというような形で、先生方もそういう制度を知りませんから、高校へ行けるということもわかりませんから、当然、中学を卒業したら働くもんやと思うてはるから、進学情報は全然出さないんです。
 そういうさなかで、高校がこの学資訴訟を契機に、最高裁も自立には必要な制度であるということだったんです。だから自立のために高校へ行かせましょうと。それで、高校へ行かすためには低学力じゃあかんから、ちょっと勉強を教えてあげようかという形で、ボランティアで教えてあげるとかいうのは、そういうようなことが行われたという意味です。あくまでも世帯の自立、就労のための学習支援だったんです。そこがスタートなんです。ですから、学習支援というのは、仕事に就くための視点。
 もう一つの視点は、厚生労働省が出している学習支援員の創設とか、放課後児童健全育成事業とか、こういうところがあるんですけれども、その前に生活保護制度の在り方に関する専門委員会というものがありまして、これに、日本女子大学の岩田正美教授が委員長をやったりとか、そういった先生方が委員をお務めになって、提言報告書があるんです。そのときに、もう少し、自立の考え方が3つありますよとか、経済的な自立以外に社会的自立でありますとか、日常生活自立というようなことがありますよと、そういう3つの自立の考えの中で子どもの学習というのを少し考えていくという、少し全体に広がったということで、子どもの捉え方が、これまではとにかく自立やと、働かすために学習支援が必要なんだということなんです。
 今般、児童福祉法が改正されるというところの大きな考え方があるんです。その考え方というのは、子どもを権利の主体として捉えるということで、非常にここは大事なんです。これまでは世帯の構成とか、働かすために進学やという考えだったんですけれども、子どもの教育を保障する、教育機会をちゃんとそこで与えていこうというところの、その権利性を2本出したということなんです。これがやっぱり今般の児童福祉法の改正、これで景色ががらっと変わってくるということになります。要するに権利の主体として子どもを捉えるんだと、教育を保障するんだという捉え方と。
 今2本言った中では、この2つが欠落しているんです。生活保護世帯はとにかく働かして自立させる、その働かすためには高校が必要やろということで、高校を学習支援をしようかというところからスタートしてきている。
 しかし、今の時代は、もうそうじゃない、九十六、七%の進学率やった、今どきというところなんですけれども、小島委員のおっしゃるようなところでは、ほかの先生方もそうなんですけれども、高校じゃもう遅いよと。やっぱりもっと早く、先進諸国、OECD35カ国のうち、もうトップレベルの国は全部、義務教育は5歳からスタートしているんです。5歳なんです。だから、そこで教育格差が出る前に早期介入政策をとってきたということです。
 だから、我が国はまだ高校すら義務教育になっていない、欧米諸国ではもう高校は義務教育やと。やっと授業料減免とか動きが出ましたけれども、それよりもっと早く政策的には欧米諸国では、幼児教育の中で、特に5歳児からもう就学、義務教育をやっているから1年早いんです。その政策はシュアスタートとか、ウィスタートとか、何とかスタートというふうについているんですけれども、それでかなりの効果を出してきているということです。
 だから、日本では、5歳から義務教育ということをぼんと上げると、幼稚園の団体は、何を言ってるんだというように猛反対をされるかもわかりません。そやけども、今日、明日やるというわけじゃありません、政策ビジョンとして、国政あるいは自治体いろいろで早期介入政策として、そういうところにシフトしていこうという、そういうものがグローバルの視点からは、やっぱりしなきゃいけないだろうと。
 今の幼児教育でも、お金のある世帯は、やっぱり月に数十万円のお金をかけて、ネーティブの英語の先生を家庭教師で呼んでいって、三、四歳ぐらいからがんがんやっていくわけです。スイミング、それも個別指導でやっていく。だからお金のある層は物すごく忙しいです、子どもは。土日になったら親と一緒にわあっと行きますから。でも貧困層は暇ですよ。ぼおっとしてますよ、親はいないしというようなところで。
 だから、そんなところは、やっぱり教育格差をもっと縮めていくならば、早期介入政策としていろんな形で幼児に入ってくるというような、国政のほうでは、安倍首相なんかは、幼児教育の無償化というようなことも、ちらっとおっしゃってたりもしました。そのためには現在の学級編制、35人学級やったのをもう一度40人学級に戻して、それでその費用を捻出して、そっちに充てていこうかとか、費用捻出の方法はいろいろあるんですけれども、しかし、そこは思い切って。やっぱり公共財の投入をためらってはだめなんです。子どもは大きな投資ですから、そこにやっぱり勇気を持って公共財を投入する、そこをためらってはだめなんだろうというふうに考えます。

〇藤根委員長 よろしいでしょうか。
 ほか、ございませんか。

〇中瀬古委員 参考人、ありがとうございました。
 今、少し触れられたんですけれども、国際的なお話の中で、早期介入の政策があると。
 先ほどお話をいただきましたパワーポイントの最後の84ページのところなんですが、この今後の課題というところでございますが、国際的な部分としまして、「イギリス、アメリカやカナダなど貧困世帯への包括的な支援を導入」という部分があるんですけれども、その包括的な支援がどのようなところで先進的であるのか、そして、この既に評価システムの検証段階にある国が増えているというようなところがあるんですが、そのあたりのことをもう少し詳しく教えていただきたいと思います。お願いいたします。

〇道中参考人 私も余りその辺のところは詳しくはないんですけれども、要するに、例えば私がこの研究論文を書いていっているというところでは、やっぱり福祉だけの切り口で捉えているだけではだめなんだろうと。恐らく貧困の影響をこうむるパスという原因とは一体どこにあるんだろうかということで、先ほど来お示ししましたよね、様々なそのブラックボックスとされている中身がたくさんある。それを1つの福祉からの視点だけではなくて、もう少し関係領域、医学と、あるいは心理学とか、様々な領域からつぶさにその内容にアプローチをしていかないと、パスというものが見えてこないんではないかということで、42ページの図があると思うんですけれども、この経路の下に書いているのが、1つのブラックボックスです。それで、これが直接、ダイレクトにこれだというものがないんです。恐らくこの関連が強いであろうというのはわかるんです。
 しかし、決定打というのはなくて、こういった様々なものが関連をしていって、最後のアウトカムの結果に、ソーシャルキャピタルでありますとか、健康、学力、所得、幸福度みたいなところに出てくるであろうと、こういうことが周知の事実になってきているんです。
 ですから、これをしっかり、もう少し、この主な内容をたたいていくためには、この調査研究という手法は他の違う領域と一緒に共同研究をやっていって、こういったエビデンスを出していく必要性があると。だから医学だけでもだめだろうし、福祉だけの世界でもだめだろう、あるいは教育だけでも難しいということなんです。
 だから、そういったものをできるだけ他の関係の領域の、隣接科学と申しましょうか、そういうようなところもあわせて共同研究をやっていくというところが、非常に大切であろうというふうに思います。
 それと、諸外国の最後のところなんですけれども、やっぱり調査研究の蓄積が我が国にはないんです。2000年代に入って、2000年代の中ぐらいからやっと貧困の問題が取り上げられるようになったということです。とにかくそれまでには格差というような話があったりとか、次がワーキングプアというような考え方が出てきたりとか、それでそれを経てからやっと非正規雇用の問題を経て、さらには子どもの貧困と、やっと子どもの貧困にたどり着いたということなので、研究蓄積がほとんどないということなんです。
 ですから、政策を打つときに、中瀬古委員がおっしゃっているように、どういうことをどういうものに基づいて、その政策を打つかということが、まだ見えてこないんです。まず、調査研究があった実態の中から、それを検証していって政策形成を図っていくという方法がとられていないんです。ですので、とにかくデータに基づく検証をしっかりしていく必要があるだろうと。
 学習支援もここ何年間、6年ぐらいもうたっているんです。学習支援を全部やり始めた、いいことなんだからと。いいことなんだけれども、しかし、一応公共財を投入したものと、ボランタリズムでやったものとが両方あるんですけれども、そこの評価の検証ができていない。行政機関で、そういうような予算をとってやった場合については、やはり議会での説明責任が出てくるということになったら、費用対効果はどうなんだと、すぐ詰められるもんですから、そんな1年で、行政は会計年度、基本的には1年で、くるみは除いて1年で評価をしていこうということになりますから、それで出せよと言われるもんですから、なかなか出しづらい。
 お話ししましたように、それは費用対効果を縦軸としたならば、そこだけの検証じゃなくて、もっと横軸で子どもたちの、どう言いましょうか、自己効力感が高まってきたとか、ちょっと社会的評価軸を設けていって、そういう評価をステークホルダーを含めて検証していく、そして、そのものを数字化して出していくということをしっかりやるようにする時代にも入ったんじゃないかということで、お金だけで、高校進学だけで、よかったですよということにはならない。もっと難しい時代に、お金を使うわけですから、それをちゃんと説明できる評価をするということが、やっぱりPDはできるんですけれども、それを次の段階に移していこうと、これからがもっと、だから難しい課題になってくるというふうに思います。

〇藤根委員長 ほか、ございませんか。

〇山内委員 ありがとうございます。
 三重県子どもの貧困対策計画がつくられておりまして、ここに実態調査が行われたということで、35件の貧困家庭に対してヒアリング調査の結果がありまして、その内容によって、非常に重要な部分がわかってきたということであるんですけれども、先ほどのデータに基づいてというお話も伺って、今後こういった実態調査というのは継続してやっていく必要があるとは思うんです。そういった場合に、今回、貧困につながる要因別とか、いろんな形でヒアリング調査を行われておりますが、どういった調査項目が必要であるとか、またヒアリング調査ということであるんですけれども、その調査手法も含めて、継続的にこういった実態調査をどのように行っていくと効果的なのかという部分があれば、教えていただければと思います。

〇道中参考人 ヒアリング、難しいですね。こういう調査というのは、非常にプライバシー情報が個人情報の中でもスーパーなプライバシー情報になります。私がこの図表で示したように、精神疾患の罹患率とか、病名まで出していくということとか、何回離婚されたんだとか、非嫡出子がどうやったとか、DVがどうやったとか、こんな恐ろしいほどのプライバシー情報なんです。そういうものを行政が、やっぱり守秘義務として、がんと強硬に守っているということがあります。もう恐ろしいです。
 それで、地域性がこれだけ出てきて、個別にこの地域、ああ、あそこの地域のひとり親世帯というのは、精神疾患が35.6%もあるとか、あそこは非常に離婚率が高いよとか、とんでもない社会的な影響を与えてしまうという、そういう怖さを秘めた私の調査なんです。これは私が行政におるからできた調査ということになります。
 こういう調査をほかもやりたいというところは、ほかの議会とか、行政のほうからも、いろんな手法を教えてほしいというのは、たくさん電話がかかってきました。でも、ちょっと難しいですよというふうに申し上げたら、恐らくこういった超プライバシー情報にかかわるところは、行政が賛同して、共同でやらないと、まず難しいでしょうと。それならば、学術と一緒にくみして、今日は三重大学の学生さんも来られたようなんですが、どんな学部、学科かわかりませんけれども、そういうようなところと一緒に共同研究をやっていこうということで、調査手法を少し練っていく。
 行政がやると、どうしても丸まってしまうといいましょうか、そつのないこなしをやっていきますので、そこらあたりで本当の、先ほど言いましたように、葉っぱの裏側までフォーカスしていって、青虫が何を食べているんだというような、つぶさな実態調査というのは、なかなかしづらくなるということになりますので、そこらあたりはサンプリングするとか、いろんなことが方法論的にはあるんですけれども、なかなか難しい。
 昨年でしたか、放送大学の宮本みち子先生あたりが、東京都足立区、東京23区の中でもとりわけ足立区というところは、子どもの貧困って物すごく重たいですよね、特に住宅政策として足立区のほうにゾーニングをしていっているということで、都営住宅とか物すごく多い、ああいうところを子どもの数量をどんと調べて、全数をやっていったんです。それとか、大阪市が昨今、朝食をとっていない子どもの実態調査をやっていったりとか、ぱらぱらと自治体でもやっていくようになったということなんです。
 けれども、そこを直接アンケートとか解答しやすいような工夫がちょっと要るんですけれども、その中から少し実態を、少しずつ見えつつあるということで、それをもとに政策を少し打っとく、練っていくということになりますので、そういった調査を学術も含めて一緒にやるほうがスマートかなと。行政だけでは限界が出てくるということで、特に評価の手法というところ、いずれ評価をして出さなきゃいけないというような段階に入りますから、1年、2年はいいんですけれども、会検が入るというようなことだってありましょうし、そのときにしっかりとどういう検証をしている、どういう評価をやったんだということをやっぱり県民の皆様にお示しするという段階に入りますから、そのときはやっぱりプロで、学術の知恵をかりるとかでやっていく。だから関係領域とやるというようなことも一つですし、学術と一緒に共同で調査研究をやっていくという、しかもそれは息の長い調査をずっと続けていくということ、単発だけじゃなくてです。
 そういう研究を積み上げていって、それでそれを政策にプロジェクトしていくということをこれからの時代はやっていかなきゃいけないだろうというふうに思います。

〇藤根委員長 よろしいですか。

〇山内委員 ありがとうございました。

〇藤根委員長 そろそろ申し合わせの時間となってまいりましたが、ほか、特にということはございませんか。

〇水谷委員 居場所づくりというところで、いろいろ議論もしておりまして、特に子ども食堂やあるいは放課後児童クラブ、いろんな点、あるいは長期休暇中のそういった子どもたちをどうするかというようなことも議論をしていたんですけれども、この58ページに尼崎市社会的な居場所づくり支援事業というのが、ここに今、仕組みが書いてあります。これは参考人の大学の方がプログラムをつくって、いろいろ支援されているというふうにされているんですけれども、この辺、これは非常にいい仕組みだなと思うんですけれども、ぱっと見た感じでは余り詳しくわかりませんので、少し簡単に説明をしていただければ。
 このプログラムの実施、あるいは関西国際大学教育学部、その下で教育免許資格者がこれを支えていく、あるいはボランティアのグループの方が支えていくというようなことになっているんですけれども、この辺の窓口というか、どういう形でこれをやられているのか、あるいは資金的な面、これもどういう形でやられているのか、ちょっとその辺を、概略を教えていただけるとありがたいなと。

〇道中参考人 ありがとうございます。
 58ページのところは、説明は割愛させていただいたんですけれども、大きなポイントは学習支援事業というものです。もともと尼崎市は44万市なんです。人口が非常に激減しているというところで、隣の西宮市は逆に全部増えてきているということで、都市経営としては非常に難しい経営を市長がされているんですけれども、どんどん若い人が、お金がたまって、みんな隣の西宮市へ逃げていくというわけです。それでいつの間にか西宮市は48万6000人というような形で、もう逆転を、はるかに超えてしまったということで、市政としてはシティプロモートというか、シティをとにかくもう一回やらないかんというようなことが大きな命題になってきているというような市なんです。
 そこで貧困層は物すごく高いんです。全国で第4位というのが、尼崎市の生活保護受給率なんです。非常に、ワーストのトップレベルを皆行っているというぐらいの、乳幼児死亡率はトップですし、生活保護受給率は全国第4位ですし、もう公害から何から、不健康とか、課題先進都市と言われるような課題が山積している難しい自治体なんです。
 その中ですから、そこでこの学習支援をやってよと言うたって、うんともすんとも動かへんという、今の現行の生活保護の保護費を計算するだけで手いっぱいなのに、何で道中先生、要らんこと言うんやと、そんなプラスアルファのことをやっている暇がないと、こう言うわけです。本当に大変です。受給数が物すごくある。
 子どもの非行も半端じゃありません。子どもの非行も本当に熟し切った、売春なんかがあったりとか、中学生ですよ、非常に根深い問題をずっと抱えている。半端じゃないです。そういうところに、やっぱり僕も一歩足を踏み入れると泥沼になるなという覚悟で、一回これは、ちょっと学習支援をやってよということで日参しまして、やっとこさ学習支援をやっていくということになりました。
 そのためには大学としても協力しますということで、このNPO法人シンフォニーがあるんですけれども、英語は、僕は教育学部におりますので、英語学の学生がNPO法人シンフォニーへ行って英語を教えるということなんです。そうすると、英語が非常に苦手な対象者は多いんですね、先生もちょっと苦手やというようなところで、学校は学校への、英語を教えんならんというような先生方に学生が支援して教える。
 この学習支援のところって、ボランティアやないんです。ここがみそなんですけれども、カリキュラムの中に、この英語を教えるというところで、この学習支援を位置づけているんです。単位になるんです。単位になるから、みんな行かなあかんということになるんです。ですから、単なるボランティアやったら長続きしません。単位を構成するということです。それやったら、もう学生は必ず行かなあかん、継続していかなあかんということになるんですけれども、それじゃ、全部学生が教えられるかといえば、そうじゃありません。だから、ちょっと教えるのをやめておいたほうがいいような学生もおります。そういう学生には教材づくりとか、英語のカレンダーづくりとか、そういうことで後方支援部隊として位置づけてもらって、それで前衛の部隊で直接面談で子どもに対応するというのは、それなりの学生を選んでいって、それの役割をすることによって、単位を出していこうというような大学は、ほかでやっているところはないと思います。ほかの大学、日本でもないと思います、カリキュラムの中に、この学習支援を位置づけていって展開をしているということなんです。
 それと、ほかの学部ではボランティアという形で、英語を教えているんだとか、これは学習支援をしているんだということを就職活動に生かしなさいということなんです。就職活動の、そういったエントリーシートの中に、例えば学校の先生になるためのそういったところとか、面接とか、いろんなところで学習支援を実績としてやってますよということをちゃんとエピソードの中に埋め込んでいって、それが自己アピールになるから、これは非常に大事なことだよということで、学校の先生になっている子は皆そういう話で行っているんです。
 だから、そういうところでボランティアも活用してくださいねということで、行け行けとか、大事だから、ボランティアでと言うだけでは、学生は動きません。教育学部はの学生は物すごく忙しいんです。先生も忙しいですけれども。そういうところで、とにかく自分のメリットになる、プラスになっていく、自己の成長が確認できるというようなところの報酬が学生にはあると。
 だから、そこを展開するんで、ほかのところは多分ないと思います。ここは初めて大学の認定、キャリアの中で単位認定をしているということになるんです。そこらあたりが非常に大事だということ。
 もう1点は、先ほど言いましたように、学習支援に通って高校に行った、その子をしっかりつかまえて、後輩の学習支援に回ってもらってということで、実費弁償的な形で使わす。そうすると、あのお兄ちゃんは、ここの学習支援の卒業したお兄ちゃんやから、ぴっと締まっています。本当、普通に学校のOB、校長先生とは違って、こうこうで頑張ってきて高校へ行って、そしてあのお兄ちゃん、お姉さんが教えてくれるんやということです。
 それで、大学の教育学部、学校の先生を目指しているお兄ちゃんが来ているんだということで、自分をそこに置きかえてアイデンティファイする、やったらできるんや、自分でもひょっとしたら消防士になれるんやなと。だから、消防士になるためには高校へ行かなあかんよとか、高校もちゃんと、公務員だから試験があるよと、いい成績をとらなきゃいけないよねとか、そういうふうに目標を少しずつ身近なところに設定してあげていって、そういう取組を一生懸命やっていくということで、親御さんもいつの間にか引き込まれて、天王寺動物園に一緒に行くとか、いろんなことをやりながら、関心を持っていく、親の姿勢、意識を変えていく、そういうような役割もこの学習支援には持っているというところが、この尼崎市社会的な居場所づくり支援事業にはなっているということなんです。

〇藤根委員長 よろしいでしょうか。

〇水谷委員 はい。ありがとうございました。

〇藤根委員長 皆さん、よろしいでしょうか。

                〔「はい」の声あり〕

〇藤根委員長 そろそろ時間となってまいりましたので、よろしくお願いいたします。
 なければこれで質疑を終了いたします。
 この際、参考人に対し、委員会を代表して一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中、本委員会のために御出席いただきありがとうございました。
 このたび頂戴いたしました貴重な御意見は、今後の本委員会での議論に反映させていこうというふうに思っております。
 本当にありがとうございました。

                〔「どうもありがとうございました」「お疲れさまでした」の声あり〕

〇藤根委員長 それでは、以上で参考人からの聞き取り調査を終わります。ありがとうございました。
 ここで参考人が退出されますので、しばらくお待ちください。

  (2)委員間討議    なし

  (3)次回の委員会について

〇藤根委員長 次に、次回の委員会ですが、これまでの論点整理や参考人からの意見聞き取り等を踏まえ、論点の絞り込み等について委員間協議を行うため、10月4日の選挙区調査特別委員会終了後に開催させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 10月4日は全員協議会があります。その後、選挙区調査特別委員会がございますので、その終了後ということで、遅くなりますけれども、よろしくお願いしたいと思います。

Ⅱ その他

〇藤根委員長 御協議いただく事項は以上でございますが、ほかに何かございませんか。

                〔「なし」の声あり〕

 

〔閉会の宣言〕

 

三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。

子どもの貧困対策調査特別委員長    

藤根 正典

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