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人口減少対策調査特別委員会
会議録
(開 会 中)
開催年月日 平成27年7月13日(月) 自 午後2時53分~至 午後3時42分
会 議 室 601特別委員会室
出 席 委 員 13名
委 員 長 下野 幸助
副委員長 中村 欣一郎
委 員 中瀬古 初美
委 員 廣 耕太郎
委 員 山本 里香
委 員 藤根 正典
委 員 木津 直樹
委 員 大久保 孝栄
委 員 津村 衛
委 員 村林 聡
委 員 津田 健児
委 員 舟橋 裕幸
委 員 山本 勝
欠 席 委 員 なし
出席説明員 なし
参 考 人 1名
半農半X研究所 代表 塩見 直紀 氏
委員会書記
議 事 課 主査 松本 昇
企画法務課 主幹 新開 祐史
傍 聴 議 員 なし
県 政 記 者 なし
傍 聴 者 なし
調査事項
Ⅰ 人口減少社会の移住・定住促進について
1 参考人からの意見聴取
Ⅱ その他
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
調査事項
Ⅰ 人口減少社会の移住・定住促進について
1 参考人からの意見聴取
(1)参考人への質疑
〇下野委員長 それでは、御質疑があれば、よろしくお願いいたします。
〇村林委員 本日はありがとうございます。
私は参考人のことを存じ上げなかったんですが、半農半Xという言葉だけは知っておって、三重県議会の中で、一般質問などでこの言葉を使わせていただいて質問したり、提案をしたりしてきました。今日は、いろいろお話しいただいて、参考人の考える半農半Xというものを勉強させてもらいました。私がとりあえず今まで質問してきた半農半Xといろいろ違う部分もあると思いますので、基本的なことからいろいろ教えていただきたいなと思いますもんで、よろしくお願いします。
私は、半農とは言いますけれども、片方は農林水産業全般というように捉えて、質問をこれまでしてきました。綾部市ということですので、恐らく農業が中心ということだとは思うんですけれども、ここは農業以外のものが入ってきても当然よいということでいいのでしょうか。
また、先ほど土と木が離れてしまったとかいうことをおっしゃって、林業というものは、食料生産ではないかもしれませんので、どう捉えたらいいのかという部分もあるかとは思うんですが、農林水産業全般ということでいのか、まず教えていただけませんでしょうか。
〇塩見参考人 半農半Xと言う場合、時と場合で使い分けている場合もあるんですけども、農と林、第1次産業は大事だというふうには思っておりますね。一緒だと思いますが、杉とかヒノキを輪切りにして、フライパンで焼いて、ソースをかけて食べられたらいいんですが、生命としての宿命として何か食べないと死んでしまうという面において、やっぱり農というものは林業とも漁業とも微妙に違うんじゃないか。魚だけを食べてもずっと生きられるかもしれないんですけども、やっぱりお米が欲しいかもしれませんので。でも1次産業の大事さというのはベースとしてあって、農の意味は、もうちょっと言いますと、即物的な食べ物という意味もあるし、食卓の一輪挿しとか、掛け軸の言葉とか、そういうものまで広い範囲の農と捉えたらどうかなと、日本的な感性として。農イコール食べ物とせず、もう少し、農の周りにあるものまで広げて考えたらどうか、それが日本の今後の売りにもなるんじゃないかなということで、多様な回答をさせていただいて大変恐縮なんですけども、そんなふうに考えています。
半農半Xは僕のもんではないので、それぞれがそれぞれの解釈で使われたらいいんじゃないかなとは思ってますけど。
〇村林委員 私も、特に農というのは、少し特別な部分があるかなというのは感じてはおります。特に、本当の意味で無から有を生み出すという部分で、それが生きていくということに直結する部分では、確かに農をおいてほかにない部分というのはあろうかなとは感じますが、今、それぞれの解釈でというふうにおっしゃっていただきましたので、広く、私としては農林水産業全般にある程度捉えていきたいとは思うんです。
その農林水産業全般というようにまず置かせてもらった上で、私は、この言葉を聞いたときに、農林水産業全般では、なかなかそれだけでは現金収入が足りなくて、生きていかれることは生きていかれても、そこに定住して、定着して暮らしていく上において、どうしても現金収入を補う道が必要なのではないかと考えて、このXの部分にいろいろな職業の組み合わせ、簡単に言うと、半農半業に近い考え方でいろいろ提案をさせてもらいました。
そういう企業の部分ももちろんですが、場合によっては公務員というものをこのXに入れていくことによって、地に根づいた公務員であるとか、地元のことがわかっている公務員とか、その中で非常に現金収入が安定するのではないのかなというようなことも考えて、申し上げておったんですが、参考人のそのXという部分は、どちらかというと生き方とか、そういうことのようなんですが、どちらかというと、Xのほうを主軸にして、農を大事にというような考え方だというふうに今日は勉強させてもらったんですが、農林水産業が大事だという考え方のほうの視点に立つと、このXというものに、そういう現金収入との組み合わせというのが大事なのではないかというのが私のこれまで議会で申し上げておったところなんですが、そのあたりの参考人のお考えも教えてもらえませんでしょうか。
〇塩見参考人 津市とか四日市市で話すときと南伊勢町で話すときとは多分違うということだと思うんですけども、やっぱり現金収入をどうするか。そこにただの現金収入で環境を破壊してしまう現金収入というのもあって、それを若い世代は嫌だと言う人も大分増えているような気がするので、言葉をあんまり僕は使わないんですけども、地球に優しい仕事で現金収入をという、ちょっと難しい時代が来てると思うんですね。
昔だったら、それは家族のためとか食べていくために仕方がなかってやったけども、今はそれに対してなかなかイエスと言えない若い人もたくさんいるなというのをすごく実感しておりまして、やっぱり現金収入の中に社会性というか、社会貢献性みたいな、まあ、仕事イコール社会貢献ということなんですけども、新たな次の段階に私たちの世代は来てるんではないかなというふうに思います。
やっぱり半農半公務員の方はとても重要だと思いますし、昔はもうちょっとまちづくりに関心のない人が多かったような気がするんですけども、今は公務員の方でまちづくりに熱心な方が大変多くて、すごくいいなと。京都府の職員の方にも、すごくいい方がおられます。
6月に皇學館大學でお話しさせてもらったときに、ある三重県の町の職員の方が聞きに来てくださって、その方と話しておりましたら、地域にもっともっと入っていくような公務員というのが制度としてされているようなので、私も京都府に提案するのは、府職員が地域担当制をすべきじゃないかと。職員によって当たり外れはあるけども、やっぱり地域にそういう行政の方がずっと来てくださったら、補助金の申請書類の書き方とか、いろんなことでプラスになることもあるので、僕はやっぱり半農半公務員というのは重要な役割を果たすんじゃないかなというふうに思います。
ちょっと現金収入の話に戻りますと、やっぱり現金収入をつくっていく力というのが日本人は高くない面があって、我が家は父が教員、それから祖父は養蚕、蚕の指導者で、公務員だったんですけども、公務員家系というのはお金を得る技術がちょっと低い面があって、現金収入を得られる世代を育成するためには、南伊勢町の高校がされているようなソーシャル・ビジネス・プロジェクトですか、何かそういう取組がとても重要ではないか、そんなことを思います。
これは台湾の例になって大変恐縮なんですけども、台湾では、優秀な人は中学校から出ていく。これも、かなり過疎地域だった、そういった事例がもしかしたらあるのかもしれないんですけども、高校で出ていくならわかるけども、中学校からずっと出ていって帰ってこないということにもなりがちな、高知で講演させてもらったときも、高知市に近いところに住んでたら、どんどん高知市にお母さんと子どもが行ってしまって、そこでいい高校にみんな行ってしまって、なかなか難しいなって思うんですけども、私は、今回読ませていただきました三重県の資料の中で、三重の高校の独自な取組というのは、もう全ての高校、進学校でもやっていく必要があるんじゃないかなというふうにちょっと思いました。既にされているかもしれませんけれども。
村林委員への直接回答にはならなかったかもしれませんが。
〇村林委員 いえ、大変参考になりました。
またいろいろと教えていただきたいんですが、今おっしゃった中で幾つか感想的なことを申し上げて最後にしたいと思うんですが、まず、地球に優しい仕事で現金収入という部分、これは、先ほど働くということと課題大国であるというお話をいただいたんで、やっぱり地域課題を解決していくという中で、Xの部分で現金収入を得るということが理想なのかなというのは思います。
それと、半農半公務員が非常に重要と言っていただいたのは、非常に心強いです。この間の一般質問の中では、職務専念義務とかいろいろあって兼業は難しいんですけれども、法的には制約がないという答弁を総務部長からいただいたというところで、根本的に制度をきちんとしていかないと事実上は難しいでしょうけれども、現在のところ禁止されているわけではない、こういう視点もあるのかなと。
そういう中で、補助金の申請書類の書き方などのお話に今、触れていただきましたが、非常にこれが煩雑で、せっかく補助金をいただいても、半分コンサルタントの人に書類をつくってもらうのに持っていかれるなんていう事例も確かにありますので、こういうことでも、地域に公務員に入っていただくというのは重要なのだなということを再確認させていただきました。
また、南伊勢高校のことをいろいろおっしゃっていただいて、ありがとうございます。私は南伊勢町に住んでおるんです、偶然やと思いますが。先ほど講演の中で岸川さんのお話もいただいて、相可高校の仕掛け人である岸川さんには南伊勢高校にも来ていただいて、このSBPの取組を私も岸川さんとお話させていただきながらやってもらってて、大変ありがたいなと思っておるところです。
〇下野委員長 ほか、御質問はいかがでしょうか。
〇舟橋委員 島根県の政策の担当をしてみえるようですけども、島根県は東京なんかに移住センターを持ってみえますか。
〇塩見参考人 もしかしたら、ふるさと回帰支援センターの中にあるかもしれないんですけども、これはもう公開されてるんであれですけども、私、回答させていただきますと、島根県の政策のアドバイスは一切してなくて、もうお任せで、島根型の半農半Xの施策をされているということで、やっぱり、もっとこうしたらいいんじゃないかとかいろいろあっても、あんまり、もう地域多様性でいいんではないかというふうに思ってますね。アドバイス等は一切しとりません。
東京にあるかは私も知らないんですけども、ふるさと回帰支援センターに幾つかセンターを、三重県も持たれているようなことをちょっと聞きましたけども、ちょっと残念だなと思うのでは、土日に閉まっていることがあるようなことを聞いたことがあるんですけども、土日もあいとりましたか。
私も、ふるさと回帰支援センターで、今年、滋賀県の応援のために講演をさせていただいたんですけども、何県かがふるさと回帰支援センターに入られてて、土日はどうしてるんですかという話をしたんですけども、休んでるような感じがしました。
こんな回答で申しわけありません。
〇舟橋委員 おっしゃったとおり、今年の4月から三重県も始まったわけですね。その幾つかの県がやっぱりふるさと回帰支援センターへ頼んでいると。そうしたところに、島根県とかかわってみえるんなら、半農半Xの思想を入れることによって、島根県が他の県の移住センターよりも何か優位性を持っているんかなと思ったもんで、それがうまく三重県の移住相談センターに反映できたらとか、影響できたらなと思ったもんで、島根県の事例を聞いたんですけども、直接はそういった形になっていないということですね。
もう一つ、これを聞くのはおかしいんかもしれませんけども、私はこの津市なんですけども、団地に住んでまして、結構リタイアした人らが近所の農園を借りてそれをやってるんですけど、東京の団塊の世代でリタイアした人たちが、いわゆる何とかハイタウンとか大規模公団住宅に住んでみえますよね。彼らはこれから一体どうなっていくと思われますか。
〇塩見参考人 やっぱりすごく退屈そうにされているお年寄りの方が大変多くて、これは日本でだけじゃなくて、中国に行ったときもすごく感じたことでありました。
そんな中で、農の力というのは、今ちょうど草刈りシーズンでありまして、草がどんどん生えてきて、仕事が発生する。やっぱり仕事があるというのは、草抜きであっても重要なことで、日本の田舎の方には、草を抜くというミッションを頑張ることで、健康であるとか、おいしく御飯を食べられるとか、いろんな意味でプラスの影響があるんじゃないかなと思うんですけども、東京とかは、例えば高島平とかいろんな高層団地がありますけども、なかなか大変だろうなと。
そんな中で、少しでも市民農園があればいいんですけども、圧倒的に数が足らなくて、抽選待ちだったりとかで、私は、人生にはやっぱり装置として、畑というか、市民農園というか、汗がかけるところというのがとても重要ではないかなと思います。
イギリスの施策として、市民が署名を集めて、一定件数集まれば、市民農園を開設しないといけないみたいな条例かなんかがあるようなんですけども、それはかなり進んだ施策ではないかなというふうに思うんですけども、都会のお年寄りは、生きがいをどうつくっていくか。今は生きがい喪失の時代らしくて、生きがいを自分でつくれたらいいんですけども、私は2つの自給が大事だと思ってます。1つは、ちょっとでも畑で、プチトマトでもいいので自給することと、自分の夢を自分でつくる力、夢の自給と食べ物の自給、この2つの自給力を自分でつくっていける国民を、県民をつくっていくことじゃないと、パンとサーカスじゃないですけども滅びてしまうんではないか、体を害してしまうんじゃないかというような感じもしています。
〇下野委員長 ほか、委員の方、御質問はいかがでしょうか。
〇山本(勝)委員 参考人のいろいろな話のところで、もう少し移住の政策がいろいろ聞けるんかなと、こういう思いを持ってお聞きさせていただいとったんですけど、私も家では農業をやってますんで、土に種を植えて、水をやって育てていくと投資した分だけ必ず返ってくるということでは、持続可能な農で、小さな暮らしの中で、天職のような形でやっていくという面では、大変理解できるわけでございますけど、そういう中で、特に、もう一度、舟橋委員のほうからへの返答で大体わかったんですけど、これを武器にして、移住をどんどんある面では、どんどんとは言いませんけど、進めていくという面では、もう少し参考人の苦労話をお聞かせいただきたいなと思います。
もう1点のところは、移住者は定年間際の人ぐらいが限度やと、講演の中でちょっと話をお聞きして、あと、これからは田舎が人を選ぶ、移住者を選ぶ時代やっていう話もございましたけど、その辺のところをもうちょっと詳しく。今はもう三重県でも移住してくれる人はどなたでもいいというような気持ちもちょっとあるんですけど、一歩進んだところに来とるなという気がするんですけど、そんなところがございましたら。
〇塩見参考人 移住施策を15年ぐらい、Uターン後ずっとやってるんですけども、ある種行き着いたところは、やっぱり空き家問題に行き着いてるというか、空き家問題、空き家があるけどもっと出れば、それもより取り見取りの状態でないと、10軒空き家があって、いまいちな物件が10軒あってそこから選べというのも、なかなか移るほうもつらいので、それをいかにより取り見取りの状態にするかというのはなかなか難しいことだし、家を持ってらっしゃる方に空き家を売れというのは、ふるさととのつながりを絶てというようなのとイコールな面もあるかと思うんで、例えば50年契約で土地と建物とを借りて共同共有みたいな考え方であるとか、いろんなことをやっていかないと難しいと。
あと、京都府には、空き家を提供したら山田知事から表彰状がもらえるようなことができないかというのを提案してるんですけども、空き家を手放すというのでは、見栄があったり、恥ずかしいことだったり、お金に困っているんじゃないかとか、いろんなそういうことがあるので、空き家を提供するというのは社会貢献であり、地域貢献であり、最高の故郷への貢献なんだというのを知事が表彰という形でやっていく、その意識転換をすることで、もっともっと出してもらいやすくなるんじゃないかとか、そんなことも考えてます。
空き家も、売ると買うとだけじゃなくて、もう少し、第三の概念というか、新しい概念として、50年共同共有とか、たまには帰ってこられるとか、いろんなことを考えていかないと、今はそういうふうに、日本全国が同じ悩みを抱えている。
あと、移住者用の集合住宅を建てたら、それでいいかというと、そうしたら弱い方が住む可能性がある、やっぱりこれからはワイルドな、野生性が重要だと思うんですね。野生性というのはどういうことかというと、けもの道を自分で歩んでいける感性とかで、舗装の道を、周りがサポートするから来てくださいというよりも、もっともっと厳しい時代になるかもしれないので、自分の感覚を信じ、自分で仕事をつくりながら、自分で汗をかいて、くわを持って歩けるような、そういう強さも必要なので、集合住宅を建てて、はい、どうぞというやり方をすれば、何か同じような繰り返しになる可能性があるなとか、私はそういう共同住宅に賛成はしないんですけども、一番綾部市に求めているのは、集落の中の空き家に入ってほしい。1軒だけぽつんと住むと孤立する可能性があるというふうに言われますので、集落の空き家に入って、集落を元気にしていただく。若い人が入るだけで、子どもの声が聞こえるだけでも元気が出ますので。やっぱり入れ方というのはなかなか難しいな。
今、綾部市には、私の仮説ですけども、1000家族ぐらいは十分来たがってる。1000家族というのは、独身の子から3世代居住ぐらいのおじいちゃん、おばあちゃんもついてくるような移住ですけども、1000家族ぐらいは十分来てもらえるけども、空き家が10軒か20軒しか常時ない。綾部市役所の定住促進課も頑張ってるし、不動産屋も頑張ってるし、市民のNPOも頑張っているんですけども空き家がない。それは市街化調整区域というような線引きの問題もまたあるし、あと、若い人がいきなり家を建てられないというか、そういう問題もありますし、もう田舎暮らしもなかなか難しい時代が、お金を稼ぐ力とか、でも一番大事なのは、いろんな人に協力してもらえるような力かもしれないんです。
あと、人を選ぶ話なんですけども、これは弱者も来れるまちであることとセットで考えたいんですけども、やっぱり戦略性というものも重要ではないかなと思って、例えばまちに陶芸家が欲しいなら、陶芸家が今、一人も住んでないなら陶芸家のいい人を引っ張ってくるみたいな。木工のまちを目指すなら、木工の人を呼んでくると。あとは、デザイン力を持ったデザイナーの卵を村に入れるのが一番重要ではないかというのが私の最も伝えたいことですね。
地域おこし協力隊で、募集の仕方で、誰でもいいというやり方もあるし、三重県の地域おこし協力隊のことも話を聞いたことはあるんですけども、デザイナーの仕事をしている人に入ってもらうと、その地域の商品のパッケージとか、チラシとか、ホームページとかのデザインが格段に上がっていくことで発信力が上がる。私は一集落一デザイナーと呼んでるんですけども、今後総務省の施策にしていただきたいなと思っているんですが、高知県で1次産業だけを応援する梅原真さんというデザイナーの人が応援すれば商品が売れるという話がありますが、やっぱりデザイン力を農村が持ってると移住者が増える。綾部市には実際そういう村がありまして、よく見れば、そこにデザインのできる人が複数いて、そうしたら、そのまちのチラシとか、イベントのチラシとか、ホームページとか、発信のセンスとかが全然違ってきて、それを見た若い人が共感して行く。
それから、人を選ぶという意味で、デザイン力を上げるというのも戦略として、実際に地域おこし協力隊で成功しているところでは、長崎県の対馬市というところがあるんですけども、そこは地域おこし協力隊でどういう人を選ぶかというと、民俗学で大学院レベルの深い研究をしてた人、それとデザイナーということなんですけども、実際に対馬市に行かせていただいて、話をしてたら、民俗学が好きで好きで、御飯よりも寝ることよりもそれが好きな人が、あちらは韓国文化もあるので、文化としてもおもしろいし、さらにどんどん研究を重ねていって、発信力も高まって、蓄積もたまってと。
もう1人、デザイナーも入れているんですけど、その人が、道の駅とかいろんなところの、ポップとかいろんなものを変えていくと、何か洗練されて、田舎の魅力と都会のセンスがうまく融合されたものができているんですけども、そういうことを学んでいくと、やっぱりデザイン力というのが。戦略を考える上で3つ柱があるとしたら、必ず1本はデザインなんだなと。
そういったこともたどり着いた話でありまして、それがいい意味で戦略につながっていくかなと思います。
〇下野委員長 ほか、委員の方、御質問はいかがでしょうか。
〇中瀬古委員 2点聞かせていただきたいんですが、1点は、持続可能なというふうにおっしゃったんですけれども、この半農の部分で、農業というと、人口減少、少子高齢になってくる地域、農業が本当にできる環境であれば、先ほどおっしゃったように、市民農園がなかなか待っていても、1000人待ちだというふうにおっしゃった部分があるんですが、片や田舎、中山間地域では、耕作放棄地もたくさんありますし、そういう部分ではあるんですが、そこでの課題になってくるのは、獣害対策だというふうに思います。
綾部市のほうも、電気柵とか、いわゆる一般の柵をつくられるように、ネットを張られるようになって、その被害は少なくなったけれどということをちょっと見せていただいたりしたんですけれども、その点について、それが本当に地域によっては持続可能、心が折れてしまう地域の方々もやはりいらっしゃる、そこに、その部分で、わからなくていらっしゃっても、そういうこととの日々の闘いという部分もあると思うんですが、そのことについてお聞かせいただきたいのが1点です。
もう1点は、先ほどおっしゃったデザイナーのことで、ソーシャルデザインのことを最後のほうにおっしゃいましたけれども、そのことについてとても興味がありまして、デザインってすごく大事だというふうに私も思っておりまして、デザイナーがどのようにかかわっていくかっていうことって、実はすごく大事じゃないのかって思っていましたところ、そのお話をいただきましたもので、とても興味、関心を抱きまして、地域とか社会の問題を仕事化するセンス、先ほどはポップの部分とかいうふうにおっしゃって、やはり空間デザインとか、そのまち自体をデザインするということとかは大事なんじゃないのかなと思うんですけれども、実際にそのイメージっていうのが余りわかないんです。デザインって、その専門の道の方であれば、そのことをすごくおっしゃるんですけれども、なかなか受け入れがたいところが例えば行政の中にはあるような気がするんです。そういうところの問題点っていうのはどうなのかなっていうところ、それと、デザインに関しましては、三重県も商品のパッケージとかそういうものにはデザイナーが入ってしていまして、いろいろ本当に、まず目にとまるビジュアルってすごく大事だと思うんですけれども、そのあたりがちょっと難しいような気がするんですが、そこをどんなふうに乗り越えていけば実際に結びついてくるのかっていうことを教えていただきたく思います。お願いいたします。
〇塩見参考人 2つとも難しい問題を言われたので、獣害は最も難しいところで、私のところは、まだ猿が出ないだけ、イノシシと鹿ならまだ何とかなっているような、何とかなってない面ももちろんあるんですけども、最近僕らのところで取り組んでるのは、電気じゃなくて、柵で全部囲うというのもあるけども、電気柵をバッテリーじゃなく家庭の電源という、パワーアップした形で、直接電線から引っ張るような形にすることによって、大分来なくなったみたいなのがあるんですけども、猿が来たら上からとられますので、それでもうやめられる方もたくさんあるし、逃げ出すというか、農家の方ももうギブアップということもあろうかと思うんですけども、それは最大の課題であって、でもこれを解決するというのは、山を立て直すとか、なかなか時間がかかることではないかなと思うんですけども、これは私にこれ以上はお答えする力がないかなと思います。綾部市にはオムロンのセンサ工場がありまして、そういうハイテクを使ってIT企業というか、そういうところと獣害対策でもっともっと接点を持つように、センサ技術ってもっとできることがあるんじゃないかなと思ったりするんですけども、綾部市は日本一のセンサ工場、オムロンのがあるらしいんですけども、もっと獣害対策のほうにシフトしていただくとか、何か地雷を見つけるとか、平和利用というのもあるそうなんですけど、農業のほうへも応用してもらえたらと思います。
獣害は一番難しい問題で、済みません。
それから、ソーシャルデザインなんですけども、これもなかなか抽象的なんですが、最も今、やるべきことではないか。デザインとかを学んでない人も、例えば高校生っていうのは、今、美術の時間が本当に少なくなってたりするかと思うんですけども、美術、デザインとか編集、あと、博物館的ないいものをある世界観で展示するような、博物館学芸員のキュレーションというようなセンスを高校生とか中学生のうちからつけておけば、トヨタに入ったとしても、公務員になったとしても役立つので、その一つの戦略的なこととして、割合、言葉は悪いですけども、早い効果をもたらす、6年間もしも、ちょっと今までより時間を多くしてやっていけば、効果を発揮するんじゃないかなというふうに思います。
空間デザインもあるし、コミュニケーションデザインもあるし、パッケージデザインもいろいろあるんですけども、今、若い人は、多くの人はもう、いいものがわかるセンスを持ってるので、あとちょっとしたことで伸ばすことができるんじゃないか。僕は、若い人はすごくいいセンスを持っていると思ってます。そういった若い感性が活躍し、若い感性だけでは深みがない面もあるので、先人の知掛ける若い感性。
僕は伊勢神宮のなぜ20年ごとの遷宮なのかという話がとても好きなんですけども、でっちと中堅と棟梁が大体世代が20年ぐらいで、それで3世代でやるんじゃないかみたいな、という説が好きなんですけども、そういう世代をつないでいくことが何かできたらなというふうに思います。
全く回答にはなりませんでしたが、ぜひ今後もこのテーマは探求していただきたいなと。獣害は、そういう農林のほうはお世話になりたいなと思うんですけども、今本当に大きな悩みがありますね。
以上です。
〇中瀬古委員 本当にこの半農半Xという形で進めるに当たって、先ほど申し上げた獣害については難しいので、綾部市のほうもちょっと見せていただきましたら、被害というのが、電柵である程度防げるっていう部分とか、猿がっていうことをおっしゃったので、そういうところでも、こちらのほうの地域と、課題の違いというのもやはりあるんだろうなというふうにも思いました。
デザインのことは、これからもまた、今おっしゃったように、いろんなデザインというのが必要で、それを実際取り入れていくっていうのは、またもうちょっと深いものが要るのかなというふうに思いました。
以上です。
〇下野委員長 ほか、委員の方、御質疑はいかがでしょうか。
〇廣委員 時間がありませんので、1点だけ。
この半農半Xというのは、やっぱり食料問題とか環境問題に最後、意識づけをさせるのに特にいいことかなと思います。
先ほど参考人も伊勢神宮のことを言われてましたけど、私も伊勢だもんですから、伊勢神宮の特にこういうところにすごく影響を受けたということがあったら、ちょっとお聞かせください。
〇塩見参考人 たまたま学生のころ、伊勢神宮の警備の奉仕みたいな、アルバイトみたいなのがありまして、20年後のために、古殿地というものが、何もない形で空間が保たれてて、20年後のためにそこは待ってるんですけども、そういう空白の発想とか、あと、300年以上かかるかもしれませんけども、植林造営計画が、20年の遷宮が今、六十数回ですか、1200年以上前からある。私はネーティブアメリカンの7世代後という発想が好きなんですけども、7世代後という発想もするネーティブアメリカンがありまして、それは1世代30年、7世代後ということは210年先なんですけども、210年先の子孫にとって、今何をなすべきかというのを、長老というか、こういった会議では念頭に置いて、子孫にとってはこうすべきなんじゃないか、他の部族と争うか、この木を切るべきか、全て7世代後を念頭に置いて意思決定するという考え方を知ったときに、伊勢神宮のその遷宮の思想とか、子どもを授かる前に、そういう時間軸的な影響の幾つか、内村鑑三の後世に何を残すかとか、7世代後とか、将来世代というまだ生まれていない世代に誰が配慮するのかみたいな思想を学ぶんですけども、やっぱりそこに、伊勢に学んだことも大変大きいなと思います。
それから、余談ですけど、祖母から聞いた、女の子が生まれたときにはキリの木を植えて、嫁ぐころ桐だんすにするという発想ですね。たまたま神道の本を読んだら、日本人は育てて用いるという哲学を持ってる、今は山も育てないし木も用いない、育てないけども用いるばっかりとか、日本人はちゃんと育てて、その次にちゃんと使って、100年もつ商品とか製品とかをつくっていくんですけども、今思えば、ふるさとというか、第二のふるさと伊勢に何かいろんな知恵があったなと。今回また伊勢というか、三重に来させていただいて、何かもっとお役に立てることもあるんじゃないかなというふうにも思いました。
〇下野委員長 ほか、よろしいでしょうか。
〔発言の声なし〕
〇下野委員長 なければ質疑を終了いたします。
この際、参考人に対し、委員会を代表して一言お礼を申し上げます。
本日は、お忙しい中、本委員会のために御出席いただきまして、まことにありがとうございました。このたび頂戴いたしました貴重な御意見は、今後の本委員会での定住の促進などの議論に反映し、役立てていきたいと存じます。
それでは、以上で参考人からの聞き取り調査を終わります。ありがとうございました。
ここで暫時休憩いたします。
なお、再開は午後3時40分といたしますので、よろしくお願いいたします。
(休 憩)
(2)委員間討議 なし
Ⅱ その他
〇下野委員長 次に、次回の委員会ですが、これまでの執行部からの聞き取り調査や参考人からの意見聴取等を踏まえ、今後の委員会の進め方について委員間討議を行うために開催したいと存じます。
委員会の開催日につきましては、8月中旬ということで、この後委員協議で日程調整をさせていただきたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「なし」の声あり〕
〇下野委員長 それでは、そのようにいたします。
また、正副委員長に御一任いただいておりました県内外調査につきましては、それぞれ実施することにいたしました。
まず、県内調査につきましては、重点調査項目を中心に、東紀州地域の県立学校での取組や地域おこし協力隊の活動などの調査を7月28日に実施したいと存じます。
また、県外調査につきましても、重点調査項目を中心に、移住相談センターの状況や特徴ある取組を実施しているところの調査を8月6日から7日にかけて実施したいと存じますが、よろしいでしょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
〇下野委員長 それでは、そのようにいたします。
御協議いただく事項は以上でございますが、ほかに何かございませんか。
〔「なし」の声あり〕
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
人口減少対策調査特別委員長
下野 幸助