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旧優生保護法により強制不妊手術を受けた当事者に対する補償等を求める意見書

旧優生保護法により強制不妊手術を受けた当事者に対する補償等を求める意見書

 昭和23年に制定された優生保護法は、「不良な子孫の出生を防止する」ことを目的とし、精神疾患や遺伝性疾患などを理由に、本人の同意を得ずに優生手術を行うこと(強制不妊手術)を認めてきた。日本弁護士連合会の調査では、障がい等を理由に行われた優生手術の件数は、全国で約25,000件とされ、そのうち約16,500件は、本人の同意を得ずに行われていたとされている。
 平成8年に、優生保護法は、優生思想に基づく部分が障がい者に対する差別となっているとして母体保護法に改められたものの、政府は、実施当時適法に行われた強制不妊手術であれば補償の対象にならないとの立場に基づき、強制不妊手術を受けた当事者に対する補償等を行ってこなかった。自由権規約委員会などの国際機関からは、強制不妊手術を受けた当事者に対する謝罪や補償等の措置を講じるよう勧告されているが、これらの措置は実現するに至っていない。強制不妊手術が行われていたドイツやスウェーデンにおいては、強制不妊手術を受けた当事者に対する謝罪や補償等の措置が講じられており、我が国においても、これらの取組に留意する必要がある。
 強制不妊手術は、子どもを産み育てるかどうかを決定する機会を奪うという意味において、憲法第13条によって保障された幸福追求の権利に関わる重大な問題であり、それを受けた当事者の身体的及び精神的な苦痛は耐え難いものであったと言わなければならない。強制不妊手術を受けた当事者の高齢化が進む状況に鑑みれば、一刻も早く強制不妊手術を受けた当事者に対する補償等を行っていくことが必要である。
 よって本県議会は、国に対し、早期に下記の事項について措置を講じることを強く要望する。

                                    記

1 強制不妊手術の実態調査を行うこと。

2 強制不妊手術を受けた当事者に対する謝罪を行うとともに、補償等を行うための立法措置等の必要な措置を講じること。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 
平成30年3月22日
 

三重県議会議長 舟橋裕幸

(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣
法務大臣

 
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